サターニャ「うぅ……天使だと偽って天界通販で幸運を爆上げする薬を買ったのに……」
サターニャ「まさか悪魔には逆効果だったなんて……しかも一番高いのを使ったからめっちゃくちゃ不幸に……」
サターニャ「早速目覚まし時計が壊れて遅刻するしタンスの角に小指ぶつけるし、コンビニで滑って転ぶし、お釣り受け取るとき落としちゃうし……」
サターニャ「しかもメロンパンはいつものように奪われるしブラのホック壊れるし……トラックが水たまりを通ったせいで跳ねた水でびしゃびしゃになるし……」
サターニャ「ついてない……」
ガヴリール「そういうことか」
ヴィーネ「それ、天使と偽ったお仕置きかもね」
元スレ
サターニャ「神の加護を受けたら逆にめっちゃくちゃ不幸になった……」
http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1489145289/
サターニャ「うぅ……」
ガヴリール「それにしてもなぁ……ブラのホックが壊れてるってことは今着けてないの?」
サターニャ「まあ、邪魔だしね……」
ガヴリール「どうりでなぁ……」
サターニャ「な、なによ」
ガヴリール「いや、ブラウスが胸にめっちゃ張り付いててな。形が」
サターニャ「……!」バッ
男子共「……」チラチラ
サターニャ「み、見てんじゃないわよ!!」
ガヴリール「無茶言ってやるなよ。お前結構大きい上に無防備なんだ。年頃の男子が見ないわけないだろ」
サターニャ「でも……」
ヴィーネ「とりあえずジャージに着替えておきましょ。先生に言えばわかってくれるだろうし」
サターニャ「う、うん……」
ガヴリール「どこまで不幸になってるのか見ものだな」
ヴィーネ「ガヴ!」
ガヴリール「悪い悪い。あとひとつ忠告な。そのアイテム徐々に運気が上がっていくから。ピークはまだ来てないぞ」
サターニャ「」
サターニャ(一人だけジャージで授業受けるって恥ずかしい……)
クスクス アーモッタイネ
サターニャ(~~~~ッ)
グラサン「胡桃沢。この問題解いてみろ」
サターニャ「えっ……あ、はい……」
サターニャ(やばい……この前習ったところだけど……全然わかんない……あれ……ちゃんと復習したのに……)
サターニャ「わ、わかりませ……」
グラサン「ちゃんと復習しておけ……」
サターニャ「すみません……」
クスクス...
サターニャ「くぅ……」
ガッ
サターニャ「ぶぎゃッ!!」
サターニャ(いつつ……机に足ひっかかった……)
クスクス クスクス
グラサン「笑うな。授業中だぞ」
サターニャ(くぅぅぅ恥ずかしい……!!)
ガヴリール(こりゃ大変そうだな……)
お昼
サターニャ「ねえ学食行きましょ」
ガヴリール「別にいいけど。メロンパンは以外に何か持ってきてなかったのか?」
サターニャ「……全部犬に取られた」
ガヴリール「いつも通りか」
サターニャ「違う!いつもはオニギリまでは取られなかった!」
ヴィーネ「まあまあ……いくならはやく行きましょ」
サターニャ「今日は激辛カレー♪」トットットッ
ガッ
サターニャ「な゛っ!」ツルッ
ガッシャアアアアアアアアアアアアアアン
ガヴリール「……」
ヴィーネ「……」
サターニャ「……あぅ。ご、ごめんなさ」
「触らないの!私達が片付けておくから!怪我はない?」
サターニャ「あ、はい……ごめんなさい……」
クスクス クスクス
サターニャ「うぐ……」
サターニャ「うぅ……落とした……うぅぅう……」
ガヴリール「ど、どんまい……」
サターニャ「もう一回買ってくる……」テクテク
ヴィーネ「かわいそうに……」
サターニャ「……」テクテク
ガヴリール「どうした?」
サターニャ「もうお金なかった……」
ガヴリール「……」
ヴィーネ「お金貸してあげるから……」
サターニャ「ありがとう……」
サターニャ「激辛カレーください」
「あーごめんなさいもう全部でちゃったの!」
サターニャ「え、あ……そうですか……券はどうすれば」
「返金しておくわね~忙しくて売り切れの表示するの忘れててごめんなさいね~」
サターニャ「いえ……」
サターニャ(うぅ……食べたかったなぁカレー……)
クスクス クスクス ヒドーイ
ヴィーネ「あれ、サターニャ何も買わなかったの?」
サターニャ「売り切れてた……」
ガヴリール「どんまい……まあ購買で菓子パンでも買いに行こうぜ。私ジュース買いたいし」
サターニャ「うん……」
ヴィーネ「元気出してサターニャ。すぐ薬の効果切れるわよ」
サターニャ「うん……」
ガヴリール「……」
購買
サターニャ「えっ……売り切れ……」
「ごめんねー今日はすぐに完売しちゃってねー」
サターニャ「わかりました……」
ヴィーネ(う、うわあ……)
ガヴリール「げ、元気だせ!な?」
サターニャ「うん……ヴィネット……お金返す……」ポロポロ
ガヴリール(マジ泣きだ……こりゃ薬の効果が1ヶ月続くとは言えないな……)
サターニャ「次の時間体育だっけ。制服乾いたのに」
ガヴリール「まあいいじゃん。でもブラ壊れたままとか災難だな」
ヴィーネ「あのときのラフィの気持ち少しわかったんじゃない?」
サターニャ「まあ、ね……」
まち子「う、うーん……」
田中「どしたの?」
まち子「なんかお腹が痛くて……」
上野「えー保健室いく?」
まち子「うん……」
ヴィーネ「あら。委員長食あたりかしら」
体育館
サターニャ(ん?てことは……)
先生「はーい二人一組になって準備運動してー」
ハーイ
ガヴリール「あーめんどくさ」
ヴィーネ「そんなこと言わないの」
サターニャ「あ、委員長いない……あ、あう……」キョロキョロ
サターニャ「ど、どうしよ……」
グゥゥゥゥゥゥ
クスクス オッキーw
サターニャ「……」カァァァァ
ガヴリール「サターニャのやつ一人じゃん……」
ヴィーネ「ガヴ、サターニャと組んであげて?私が先生とやるから」
ガヴリール「しょうがないな……」
先生「どうした胡桃沢?ああそうか!委員長が保健室で休んでるんだったな!じゃあ先生とやろう!」
サターニャ「あ、はい……ありがとうございます……」
クスクス
先生「コラ!そこ!なんで笑った!?何がおかしい!?胡桃沢が今何かおかしいことをしたか!?」
ヴィーネ(ごめんサターニャ。間に合わなかったわ……)
ガヴリール(おいおいおいやめてやれよ……)
サターニャ「……」カァァ
先生「いちっにい、さんっしー!」
ヴィーネ(うわぁ目立つなぁ……)
ガヴリール(見てて可哀想になってくる……)
先生「どうしたー胡桃沢!もっと声を出していけー!」
サターニャ「ご、ごーろく、しちはち……」ボソボソ
先生「もっと大きな声でー!」
ガヴリール(やめてやれよぉ……)
ヴィーネ(先生やめて……サターニャ泣いてるから……サターニャ泣いてるからぁ……)
サターニャ(うぅぅぅ……恥かいたけど……でも今日はバレーボールの試合!ここで活躍すれば……)
ヴィーネ「サターニャ!前!前!!」
サターニャ「へ?ぶギッ!!?」
ヴィーネ「サターニャ!!」
ガヴリール「見事に顔面ブロックが炸裂したな……」
ヴィーネ「そんなこと言ってる場合か!」
先生「保健係誰だー!」
サターニャ(なん……で……)ガク
放課後
サターニャ「……」ムクッ
まち子「きゃっ!?起きたのね胡桃沢さん」
サターニャ「委員長……」
まち子「体育で倒れたんですって?」
サターニャ「な、なんで……?」
まち子「委員長だから一応見ておこうと思ってね。別に先生に言われたわけじゃないんだけど」
サターニャ「そうなんだ……」
グゥゥゥゥゥゥ
サターニャ「……っ!」カァァ
まち子「ふふ、随分大きな音ね」
サターニャ「今日いろいろあって……お昼食べられなかったの……」
まち子「それは可哀想ね……よかったら調理部に来ない?何か作ってあげるわよ」
サターニャ「ほ、ほんと!?」
まち子「何かリクエストとかある?」
サターニャ「激辛系!」
まち子「じゃあ麻婆豆腐かな?得意料理なの」
調理部
まち子「おまたせー」
田中「おっ。委員長ふっかーつ」
上野「胡桃沢さんはゲスト?」
まち子「ええ。お昼何も食べられなかったんですって」
サターニャ「……」グゥゥゥ
サターニャ(初めて会話する人だ……)
上野「天真さんとよく一緒にいる人だよね?」
田中「運動神経すごいよね!」
サターニャ「ふっライバルよ。まあ、ね」ドヤ
上野「いつも張り合ってるもんね」
田中「体力測定楽しみ~胡桃沢さん全部パーフェクト狙えるんじゃない?」
サターニャ「パーフェクト……いいじゃない!それ採用!」
まち子「はいはいお話はその辺にしておいて……今日のは麻婆豆腐にしようと思ってね。ここは私の出番かな?」
上野「あ」
まち子「どうしたの?」
上野「豆腐ない」
まち子「……」
まち子「ご、ごめんね?麻婆豆腐作れなくて……辛いのならなんでもいい?」
サターニャ「う、うん!いや、辛くなくてもなんでもいいわ!」
田中「胡桃沢さんはがっつりしたものがいいかな?」
サターニャ「そうね……!ちなみに唐辛子は」
上野「あ、そうだ!七味切らしてたんだったー補充しとくの忘れてたー」
サターニャ「そ、そう……」
上野「ごめんねー」
田中「はい、スタミナ丼!豆板醤も使ってるから辛いと思うよ!」
サターニャ「おおおぉぉぉ……!いい匂い……!」
まち子「この二人は料理すごい上手だからね」
サターニャ「やるわね……!匂いだけでお腹ががんがんなるわ!」グゥゥゥゥゥ
田中「ふふ、当然だね!タレにもこだわっててね……」
サターニャ「じゃあいただきまーす!」
まち子「聞く気ない!?」
サターニャ「あーn
ツルッ
まち子「あ」
ガシャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン
サターニャ「……」
上野「あちゃー……」
田中「あー……」
サターニャ「うぇぇぇぇぇええええええ……」ポロポロ
サターニャ「まだ食べられる……まだ……」
上野「流石にそれはだめだよー!!」
田中「女の子として、いや人としてだめ!!」
サターニャ「かまわないわよ……私は悪魔なんだから!!このくらい!!」
まち子「もう!胡桃沢さんっ!!」
サターニャ「……ごめん」
田中「もう一度作ってあげるから……」
サターニャ「ううん、いいの……きっと私また迷惑かけるから……」
上野「え、でも」
サターニャ「ごめんなさい……いい匂いだったわ……」ダッ
まち子「胡桃沢さん!」
通学路 コンビニ
サターニャ「はぁ……コンビニいこ……」
シャセーイ
サターニャ「……ってお金が……あと30円しかないんだ。お金降ろさなきゃ……」
ATM「取扱時間外となっておりますw」カードペッ
サターニャ「あっそう……じゃあいいわ……」テクテク
アリヤトヤシター
トラック「パパァァアンwwwwww」
バシャアッwwwwww
サターニャ「……」ビショビショ
サターニャ「うぅぅぅ……!!」
サターニャ「なんで……なんでこうなるのよぉ……!」
サターニャ「天界め……なんてものを作って……」
ガッ
サターニャ「ぎゃっ!?へぶッ!!」
サターニャ(また転んだ……っなんでよぉぉ……!!)カァァ
シマパン……
サターニャ「っ!?み、みるなぁあああ!!」ダッ
ガッ
サターニャ「へぶッ!」
サターニャ宅
サターニャ「うぅ……今日は散々だったわ……でもそろそろ薬の効果も切れるでしょ……」
サターニャ「ごはん……あ、冷蔵庫の中空っぽだったんだ……」
サターニャ「お菓子……お菓子……」
サターニャ「ない……」
サターニャ「とりあえずお風呂はいろ……」ヌギヌギ
サターニャ「……今日一日で随分痣増えたなぁ」ポロポロ
サターニャ「……っ、天界の道具で泣かされちゃだめっ……大悪魔がこの程度で屈するものか……」
サターニャ「はぁ……擦り傷がしみる……」
ピンポーン
サターニャ「へっ!?だ、誰よこのタイミングで……!」
ピンポーン ピンポーン
サターニャ「あぁああああまっ待ってください!!!」
ガリッ
サターニャ「に゛ゃああああああああああああああああああっ!!!!!」
サターニャ(膝がっ!!蛇口にっ!!いっだあああああああああああああああ!!!!)
ピンポーン
サターニャ「ふ、服……あぁびしょびしょになっちゃうけど……まあいいわ……」
ピンポーン
サターニャ「はいはいー!!今あけますー!」
ガチャッ
ヴィーネ「やっと開い……ごめん、お風呂に入ってたのね……」
サターニャ「なんだヴィネットだったのね……」
ヴィーネ「サターニャ……あと白い服はやめておきなさい……透けてる」
サターニャ「っ!?み、みるな!というかあんたのせいよ!!」カァァァ
ヴィーネ「というかサターニャ膝!血すごいじゃない!!」
サターニャ「あぁ……蛇口でがりっ……と。そんなに深くないしすぐ治るわよ」
ヴィーネ「でも止血しないと!絆創膏とかないの!?」
サターニャ「ある、けど……ちっちゃいのしか」
ヴィーネ「ガーゼは!?」
サターニャ「ない……」
ヴィーネ「あーもう!買ってきてあげるから!ちょっと待ってなさい!」
サターニャ「あ、ありがとう」
サターニャ「あっ!ついでになにか食べ物も買ってきてもらおう……」
サターニャ「ケータイ……ケータイ……あれ!?割れてる!?」
サターニャ「なんで……あぁ……転んだ時に……」
サターニャ「うぅぅぅぅぅぅ……!!どうしてこうなるのよぉぉぉお!!!」
サターニャ「はぁ……修理に出さないと……」
ガチャッ
ヴィーネ「買ってきたわよ!」
サターニャ「ありがとう……」
ヴィーネ「これでよしっ……と」
サターニャ「ところで……もしかしてさっき電話とかしてた?」
ヴィーネ「してたけど」
サターニャ「ごめん……ケータイ壊れてて……」
ヴィーネ「あ、あぁ……そういう……」
サターニャ「ほんとはついでに食べ物も買ってきてもらおうと思ってたんだけど……伝えられなかった……」ウルウル
ヴィーネ「ふふ、大丈夫よ。私が来たのはそもそもそれが目的だから!」
サターニャ「え……?」
ヴィーネ「もしかしたらサターニャご飯食べられてないかもしれないなって思ってね!色々持ってきたの!」
サターニャ「ヴィネット……ありがとう……ありがとぅぅぅ!!!」ギュッ
ヴィーネ「ふふ、友達なんだからこのくらい当たり前でしょ」ナデナデ
ヴィーネ「じゃあさっそく作ってあげるから、サターニャお風呂の続きでも」
サターニャ「そうねっ」
ヴィーネ「あの様子じゃとってもお腹空かせてそうね。美味しいもの作ってあげないと!」
カチッ
ヴィーネ「……?」
カチッカチッ
ヴィーネ「あ、あれ?」
ヴィーネ「元栓開けたし……このコンロは別にそういう安全装置みたいなのついてないわよね……?」
ヴィーネ「ちょっとサターニャ……いい?」
サターニャ「なにー?」ガララッ
ヴィーネ「そのコンロなんだけど……って前くらい隠せ!」
サターニャ「ヴィネット相手ならべつにいいわよー」
ヴィーネ「もう……で!このコンロなんだけど……壊れてない?」
サターニャ「え、うそっ。昨日まではちゃんと使えたはずなんだけど……」
カチッ カチカチッ カチッ...
サターニャ「……もうやだ」
ヴィーネ「サターニャ……」
ヴィーネ(よく見たらサターニャの身体傷だらけ……かわいそう……)
ヴィーネ「その……レンジで温めるお米は買ってきたんだけど……」
サターニャ「それでいいわ……一応ふりかけはあるから……」
サターニャ「……」モグモグ
ヴィーネ「……傷口に薬塗ろうか?」
サターニャ「塗り薬もってない……」モグモグ
ヴィーネ「……買ってこ」
サターニャ「どうせすぐ治るしいいわよ……軽いのばっかだし」モグモグ
ヴィーネ「そう……」
ヴィーネ(元気のないサターニャはなんというか……見てて辛いなこれ……)
ヴィーネ「この服洗っておくわね」
サターニャ「ありがとう……」
ヴィーネ(うーん……やっぱり血落ちない……)
ヴィーネ(この服に漂白剤使うのもね……)
ヴィーネ(あーだめだ……私にはこれはお手上げかも……)
サターニャ「無理そう……?」
ヴィーネ「ごめん……私には手の施しようが……」
サターニャ「別にいいわよ……また買うから……」
ヴィーネ「じゃあ帰るけど……ほんとなにかあったら連絡……って携帯壊れてるのよね……」
ヴィーネ「えーと……」
サターニャ「まあ今日一日で死んだりしないわよ……どうせそろそろもとに戻るだろうし」
ヴィーネ「う、うん。頑張ってね?」
サターニャ「元に戻ったら天使共に八つ当たりしてやるわ……」
ヴィーネ「が、頑張って」
サターニャ「うん……」
サターニャ「さてと……何かあっても困るしもう寝ときましょ……」
サターニャ「目覚まし……壊れてたのよね。ケータイの……あぁこっちも壊れてたんだった」
サターニャ「まあ、早く寝ればきっと早く起きれるはず……」
サターニャ「おやすみなさい……」
サターニャ「……寝付けない」
サターニャ「こういうときは何か数えるのよね……ええと……なんだっけ……山羊?山羊が一匹……山羊が……………山羊が232匹……」
…………
……
翌日
サターニャ「んぁ今何時……?テレビ……」ピッ
TV『AM8:40だぞ』
サターニャ「うそでしょ……」
サターニャ「なんでっ……なんでぇぇぇ……!」ダッ
タッタッタッタッ
サターニャ「うぅぅぅ!!間に合えっ……間に合えぇぇ……!」
ガッ
サターニャ「ブギャッ!!」
モモパン…
サターニャ「みるなあ!!!」タッタッタッ
サターニャ「はぁ……はぁ……」ガラッ
グラサン「遅刻か……胡桃沢」
サターニャ「すっ……すみまぜっ……うぇぇ……」ポロポロ
ヴィーネ(ひどい怪我!?)
グラサン「……保健室行って来い」
サターニャ「ごめんにゃさいぃい……」
ヒソヒソ…… ヒソヒソ……
ガヴリール「おはよー」
ヴィーネ「あんたは堂々と遅刻してきたのね……」
サターニャ「……」ギロ
ガヴリール「三度寝してたわ」
ヴィーネ「サターニャなんて怪我してまで来てたってのに……遅刻したけど」
ガヴリール「馬鹿だなぁ……私なら普通にゆっくり来るのに」
サターニャ「天使としてどうなのよそれ……」グゥゥゥゥ
ガヴリール「まさか朝飯すら食ってないのか……」
ヴィーネ「まだ薬の効果切れてないの……?」
サターニャ「そうみたい……」
ヴィーネ「ねえ、ガヴ……」
ガヴリール「……え、ええと個人差があるんだよ」
サターニャ「大体何日くらいなの……?」
ガヴリール「そ、それも曖昧でな~そ、そう、強い力を持つ悪魔だとかなり長引くんだよ」
サターニャ「そ、そうなんだ」
ガヴリール「一日で治らないのはサターニャがすごい魔力を持つからかもしれないな!」
サターニャ「そうなんだ……なら、な、納得ね!」
お昼
サターニャ「そういえば結局お金おろせてないんだった……」
ヴィーネ「お金貸してあげるわよ。学食いきましょ?」
ガヴリール「いや、私とヴィーネで購買でパンを買ってくる。サターニャはここで待っててくれ」
サターニャ「え」
ガヴリール「また何かあったら困るだろ。私らならパンを落とすようなヘマはしないしさ」
サターニャ「ガヴリール……!」
ガヴリール「待っててくれ」
ガヴリール「ごめん……」
ヴィーネ「何も買えなかった……」
サターニャ「そ、そう……」
ガヴリール「購買のパンが一種類入荷してない分数が少なかったみたいで……殺到してて……すまん」
ヴィーネ「ごめんね……学食いきましょ?」
サターニャ「うん……」
学食
サターニャ「激辛カレーは売り切れ……か」
ガヴリール「ど、どんまい!」
ヴィーネ「他のも美味しいのいっぱいあるわよ!え、ええと……そうだっカツカレー!」
ガヴリール「そうだ!それがいい!」
「あーごめんねー今カツカレー売り切れちゃったのー」
サターニャ「……」
ヴィーネ「……」
ガヴリール「……」
サターニャ「うどんにする……」ピッ
サターニャ(こぼさないように……こぼさないように……)
キョロ充男子「ギャハッ!w」ドンッ
キョロ充男子「あ、すみません」
サターニャ「に゛ゃっ!?」
ガシャーン
サターニャ「……」プルプル
キョロ充男子「あ、すみませんw」プッw
ガヴリール「おいお前ちゃんと謝れよ!」
ヴィーネ「サターニャ大丈夫!?」
サターニャ「……」
ガヴリール「わ、私の分けるから。ほら食べろ。な?」
ヴィーネ「そうね、私のも分けるわ」
サターニャ「ありがとう……」
ラフィエル「こんにちは~」
ヴィーネ「ラフィ!」
ラフィエル「教室にもいなかったので。ここにいたんですね」
サターニャ「ラフィエル……」
ラフィエル「あの、随分凄まじい負のオーラが……」
ガヴリール「実はカクカクシカジカで……」
ラフィエル「あ、あらあら……ちょっと洒落にならないですねぇ」
サターニャ「私は負けないから……」モグモグ
ラフィエル「ええと……では私が持ってきたメロンパンお渡ししますよ」
サターニャ「多分無理……」
ラフィエル「え」
犬「ハッハッハッハッwwwwwwwww」パクゥ!w
キャーイヌチクショウダー ツカマエロー
ラフィエル「あぁ……そういう……」
ラフィエル「大丈夫です……私達がついてますから……」ギュッ
サターニャ「ラフィエル……胸押し付けないで……」
ラフィエル「ふふふ、天使の加護です♪」
サターニャ「状況考えなさいよ……」
ヴィーネ「でもラフィなら……」
ラフィエル「はっ……はっ……ぇあッくしょんッ!!!」
ゴンッ
サターニャ「ブッ!?」
ガヴリール「鼻に頭突きがクリーンヒットとか……」
ラフィエル「わっサターニャさんごめんなさい~!!!」
サターニャ「いや……ラフィエルのせいじゃないから気にしないで……ティッシュ……ティッシュ……」ポタポタ
ラフィエル「あ、鞄の中です……」
ヴィーネ「私も……」
ガヴリール「私ティッシュ持ち歩いてない」
サターニャ「……トイレ行ってくるわ」ポタポタ
サターニャ「おっ、ぎりぎり足りた♪トイレットペーパーで鼻塞ぐのはあれだけど……」
サターニャ「まあラッキーね。でも……体中傷だらけ……」
サターニャ「ううんっ負けない……むしろ耐え抜いて逆に馬鹿にしてやるわ」
サターニャ「天界も大したことないわねえってね!」
サターニャ「なーっはっはっは!」
サターニャ「ついでだし済ませておこ……」チョロロロッ
サターニャ「ん?いやだめでしょ!!今紙使い切ったのに!!」
サターニャ「ああああああ私の馬鹿あああああ!!!だれかっ誰かいませんかああああ!!!」
キーンコーンカーンコーン
サターニャ「予鈴なったし……」
サターニャ「しょうがない……お気に入りのハンカチなんだけど……」フキフキ
サターニャ「もう使えないわね……」ガチャッ
ヴィーネ「あっ!でてきた」
ガヴリール「よかった。もしかしたら腹下したかと心配してたんだ」
サターニャ「いや。ね……紙、鼻血止めるので使い切っちゃって……誰も来てくれなくて……」
ラフィエル「あ、あー……それは……」
ラフィエル(うーんこれは導る余裕ないですねー……)
ガラ
ガヴリール「ふーぎりぎりせーふ」
ヴィーネ「間に合ってよかった」
サターニャ「ごめんね振り回しちゃって……」
クスクス ハナヂトカw
サターニャ「……」
グラサン「授業始めるぞー。後ろの席から宿題回してこい」
サターニャ「あ……」
サターニャ「ごめんなさい……忘れました……」
グラサン「またか胡桃沢……」
クスクスw マタカーw
ヴィーネ「あ、あの!サターニャは……」
サターニャ「ごめんなさい……ごめんなさい……」ポロポロ
グラサン「……廊下に立ってろ」
ガヴリール(説教すっ飛ばして直廊下!?今日槍でも振るんじゃないか……?)
サターニャ「うぅ……遅刻して宿題まで忘れちゃうなんて……」
バケツ「やべ……そろそろ俺限界かも」
バケツ2「じゃあな兄弟……」
ブチッ
サターニャ「最あ――」
ゴッ
サターニャ「ピッ―――――」
サターニャ(あぁぁぁあっ!!!バケツッ!!つま先ッ……!つま先逝ったあああああああああああ!!!!)
サターニャ「あぁああああああああッ!!!ぐっぐぬぅぅぅぅう……!!!」
ガラッ
グラサン「どうし……」チラ
持ち手が壊れたバケツ「」
グラサン「……。保健係、保健室に連れてってやれ」
クスクスw ナニヤッテンノw モモパンカー
グラサン「笑うな。授業中だぞ」
ヴィーネ(サターニャ……)
ガヴリール(サターニャ……)
日直「きりーつ。れー」
ガヴリール「大丈夫かな……サターニャ……」
ヴィーネ「うーん……心配だわ……」
ガラッ
ラフィエル「サターニャさー……あれ?サターニャさんは?」
ヴィーネ「保健室。なにかやらかしたみたいで……」
ガヴリール「多分バケツ足に落としたんじゃないかと……」
ラフィエル「あ、あらら……」
ガラッ
サターニャ「ただいま……」
ラフィエル「サターニャさん!」
ガヴリール「その、大丈夫か?」
サターニャ「……爪割れた」
ガヴリール「……」
ヴィーネ「……」
ラフィエル「サターニャさん……」
サターニャ「どうしてこうなったのかしら……」
サターニャ「もし過去に行けるのならあんな薬買おうとした私を止めたい……」
放課後
ラフィエル「そ、そうですっ!今日はみんなで遊びませんか!?」
ガヴリール「いいな!そうしようぜ!これからカラオケとか」
サターニャ「ごめんなさい……ケータイショップいかないと……」
ヴィーネ「あぁ……」
ラフィエル「ごめんなさい……」
サターニャ「謝る必要ないわよ……じゃあ、また明日ね」
ガヴリール「おう……」
ガッ
サターニャ「へぶっ!!」
ヴィーネ「サターニャ……」
帰り道
サターニャ「……」
サターニャ「契約者がいなきゃだめなんだ……」
サターニャ「はぁ……そういうのは全部お父様に任せてたわ……」
サターニャ「ほんとなんなのよ……」
サターニャ「帰ったら電話しよ……」
サターニャ「あ、今のうちにお金おろしておかないと……」
サターニャ「ついでに何かご飯も買って帰ろう……」
サターニャ宅前
サターニャ「お金もおろせたし、ちゃんとご飯も買えた」
サターニャ「ようやくピーク過ぎたのかな……?」
サターニャ「お腹すいたしすぐご飯にしよ……あれ?」
サターニャ「……ない、ないないない……!?」
サターニャ「鍵がない!?うそっ!?なんで!?」
サターニャ「うぅぅぅ……!なんなのよぅ……!!」
サターニャ「はぁ……帰り道をもう一度見て回ろ……ん?」
ラフィエル「こんばんは。心配で来ちゃいました」
サターニャ「ラフィエル……」
ラフィエル「もしかして鍵なくされたのですか?」
サターニャ「……うん」
ラフィエル「ふふ、合鍵作っておいてよかったです♪」
サターニャ「ちょっ!?なんで合鍵が!?」
ラフィエル「サターニャさんの家に忍び込み安くするためですよ」
サターニャ(こわっ)
サターニャ「でもそのおかげで家に入れるわ……」
ラフィエル「ふふ、こんな形ですがサターニャさんのお役に立てて嬉しいです」カチャッ
サターニャ「そうね、今日のところは感謝しておくわ」
ガチャッガチャッ
ラフィエル「あれ?開かない……」
サターニャ「え」
ラフィエル「もしかして……最初から開いてたのでは」カチャッ
ガチャッ
ラフィエル「開きました」
サターニャ「……まさか」
ラフィエル「……テーブルの上に鍵ありますね」
サターニャ「朝急いでたから忘れてたんだ……あはは……危ないところだった……」
サターニャ「ありもしない鍵を探し続けるハメになってたわ……」
ラフィエル「よかったですね。元の鍵も見つかって」
サターニャ「そうね……ほっとしたしご飯にしましょ」
ラフィエル「何かお作りしましょうか。いろいろ持ってきたので」
サターニャ「うち今コンロ壊れてるの……まあコンビニ弁当買ってきたから大丈夫」
ラフィエル「そうでしたか」
サターニャ「さてと……」スッ
ベチョベチョ
サターニャ「ソース破裂してる……」
ラフィエル「……」アセアセ
サターニャ「気にしないで。このくらいなんともないし……」ゴソゴソ
サターニャ「……割り箸入ってない」
ラフィエル「……」アセアセ
サターニャ「気にしないで。箸ぐらい家にあるし」
サターニャ「……」モグモグ
ラフィエル「あの……本当に大丈夫ですか?」
サターニャ「……平気よこのくらい。未来の大悪魔がこの程度の困難に屈したりしないわ……」モグモグ
ラフィエル「その、私に薬の効果をかき消せる力はないですけど……」
サターニャ「……」モグモグ
ラフィエル「サターニャさんの心を支えることぐらいならできると思います」ギュッ
サターニャ「やめて……また顔に頭突きされるかもしれないから……。でも気持ちは嬉しい。ありがとね」
ラフィエル「サターニャさん……」
サターニャ「それに……悪魔が天使の胸で泣くわけにはいかないでしょ?」ドヤ
サターニャ「大分遅くなってきたわね……」
ラフィエル「あ、あの!それで……今日泊めてもらえませんか?」
サターニャ「え、な、なんで?」
ラフィエル「その……サターニャさんが心配なんです。私がいれば明日ちゃんと起こせますし!」
サターニャ「あ、ありがたいけど……」
ラフィエル「ふふ、実は……お泊りの準備してきたんですよ♪」
サターニャ「……ふふ、さすがね。ありがとう。助かるわ……」
サターニャ「じゃあお風呂にしましょう」
ラフィエル「ふふ、お背中流しますよ♪」
サターニャ「い、いいわよそんなの」
ラフィエル「流します♪」
サターニャ「しょうがないわね……」
ラフィエル「ふふっ♪」
サターニャ「ふぅ……さっぱりした~」
ラフィエル「私が持ってきた入浴剤、どうでしたか?」
サターニャ「なかなかのものだったわ。気分がよくなった……」ゴソゴソ
ラフィエル「よかったです♪」
サターニャ「下着がない……」
ラフィエル「え」
サターニャ「干してた下着もない……うそでしょ……盗まれたとか……」
ラフィエル「ぅわー……」
サターニャ「どうやら盗まれたのは下着だけみたいだけど……」
ラフィエル「全部盗むなんて相当ですね……」
サターニャ「はぁ……仕方ない……今もう服屋しまってるだろうし……」
サターニャ「今日穿いてたやつもう一度履くわ……」
ラフィエル「……」
サターニャ「気にしないで……1日ぐらい平気よ……」
ラフィエル(そうは見えないですよぅ……)
ラフィエル「ちゃんと目覚ましもセットしましたし、これで安心です」
サターニャ「ラフィエルがいるなら心強いわ」
ラフィエル「ふふ、ではまた明日……♪」
サターニャ(シグンルベッドに二人は狭いけど……今日は嫌な感じしない)
サターニャ(ラフィエル……ありがとね)チラ
ラフィエル「……zzz」
サターニャ(う、さすが天使ね……かわいい……)
サターニャ(って何考えてるのよ……寝るわよ……)
…………
……
ピピピピ ピピピピ
サターニャ(……一睡もできなかった)
ラフィエル「ん……おはようございます♪」
サターニャ「……おはよう」ゲッソリ
ラフィエル「ど、どうかしましたか!?」
サターニャ「ちょっと……眠れなくて……」
ラフィエル「わ、わたしのせいでしょうか……?」
サターニャ「ううん、あの薬のせいよ……ラフィエルは何も悪くないから」
ラフィエル「というわけでして」
サターニャ「……zzz」
ヴィーネ「なるほど……だからこんなに眠そうなのね……」
ガヴリール「眠そうというか寝てるがな……」
ヴィーネ「そこで……ちょっと考えたんだけど!」
ガヴリール「ん?」
ヴィーネ「サターニャを元気づけるために夏休みに海に行かない!?」
ラフィエル「いいですね!」
ガヴリール「うーん……サターニャのためだ。いくか」
ラフィエル「満場一致ですね!」
ヴィーネ「今のうちにしおりも作っておかないとっ」
ラフィエル「サターニャさん元気になるといいですね」
ヴィーネ「それまでに薬の効果が切れるといいんだけど……」
ガヴリール「……ヴィーネには話しても大丈夫かな」
ラフィエル「……」
ヴィーネ「?」
ガヴリール「あれな……効果本当は一ヶ月なんだよ……」
ヴィーネ「え……!?」
ガヴリール「その、サターニャにも言おうとは思ったんだが絶望したらどうしようと思って……」
ヴィーネ「……いや、言わないでおいたほうがいいかも」
ラフィエル「3日でこれですからね……これがあと4週間ほどあると考えるだけでぞっとしますよ普通は……」
ガヴリール「だから……なんとかして支えてやってほしい」
ヴィーネ「わかったわ」
ラフィエル「頑張りましょう……!」
数日後
ガヴリール(サターニャは登校する度に怪我が増えていった)
ヴィーネ(クラスメイトに笑われたりすることはあるけれど直接何かされているわけでもない)
ラフィエル(でも……姿をみると傍目にはどうしても虐められているようにしか見えない……)
ガヴリール(……神に虐められてるようなもんだ)
ヴィーネ「サターニャ!」
サターニャ「なに……?」
ヴィーネ「夏休み!海にいきましょう!」
サターニャ「海……!?」
ラフィエル「ええ。一緒にいきましょうっ」
ラフィエル「ですが……テストで赤点を取ってしまうと夏休みの最初は補習になってしまうので……」
サターニャ「う……」
ガヴリール「今日から勉強合宿だ。みんなで頑張ってサターニャの赤点を回避するんだ」
ヴィーネ「頑張りましょうサターニャ!」
サターニャ「え、ええ……頑張る……!」
ヴィーネ(何かいいことがないとサターニャの精神が危ない……)
ガヴリール(必ず助けてやるからな……)
…………
……
サターニャ宅
サターニャ「ただいまー……」
ガヴリール(帰宅までに4回転んでパンツを2回晒す……)
ヴィーネ(コンビニに寄るも12円足りない……)
ラフィエル(しかもそれを見ていた人に笑われる……)
ガヴリール(やばい……まだ何もしてないのにさっそくサターニャのやる気が……)
サターニャ「あ、そうそう……コンロ直したから……」ニコ
ラフィエル(ロフトの階段が変わってる……まさか先日オデコが腫れてたのは登ってる最中に壊れ……)
ヴィーネ「じゃ、じゃあまずはご飯を作ってるわね!二人はサターニャに勉強教えてあげてっ」
ラフィエル「はい!」
ガヴリール(これでサターニャがだめになったら不憫すぎる……なんとかしても救わねば)
サターニャ「よし……頑張るわよっ」ブスッ
サターニャ「あ゛あ゛あ゛あ゛ぁあああああああああああああああああ!!!!!!」
サターニャ(親指にシャー芯がっ……ウゴゴゴゴゴゴゴ……)
ガヴリール(おいおい……神様仕事しすぎだろ……もう休め……)
ラフィエル「それでここが……」
サターニャ「なるほど……」
サターニャ(ジュース……)スッ
バシャアッ
サターニャ「ぎゃっ!?あぁああノートが!!」
ラフィエル「あわわわわ……」
ガヴリール「雑巾、雑巾……」
サターニャ「はぁ……」
ヴィーネ「ご、ご飯できたわよ!早速食べましょう!ね!?」
サターニャ「うん……」
ラフィエル「あわわわ……え、えーと……とっても美味しそうですね!」
ガヴリール「そうだな!サターニャ!ここは腹ごしらえだ!」
サターニャ「そ、そうね」
ヴィーネ「じゃあ……いただきますっ!」
サターニャ「え゛ぇ゛……お゛え゛……!!」
ガヴリール(まさか魚の骨が喉に刺さるとか……)
ヴィーネ「お米食べて!お米!」
ラフィエル「あわわわわ……」
サターニャ「ッ!?ゲホッ!!ゲホォェェッ!!!」
サターニャ「気管にっ……はいっ……ぇぇぇ……!!」
ヴィーネ(想像以上にやばいわねこれ……)
数時間後
サターニャ「今日はありがとう……有意義な時間を過ごせた……と思う」
ガヴリール「この調子で勉強頑張れよ……」
ラフィエル「海行きましょうね」
ヴィーネ「大丈夫、サターニャなら絶対できるわ」
サターニャ「うん……おやすみ」
ヴィーネ「おやすみなさい……」
ガヴリール「おやすみ」
ラフィエル「おやすみなさい♪」
…………
……
数日後 テスト前日
サターニャ「やるぞー……絶対に受かる……受かってみせるわ……!」
サターニャ「みんなと海だもの……!」
サターニャ「よしっ追い込みよ!」
サターニャ「えっと……二次関数の頂点の求め方は……」
…………
……
翌日
ガヴリール「……」
ヴィーネ「……」ピッピッピッ
ラフィエル「……」
プルプルプルプル
ヴィーネ「だめ……でない……」
ガヴリール「おいおいおい嘘だろ……」
ラフィエル「あそこまで頑張っておきながら逃げるとは思えません……」
ヴィーネ「サターニャ……」
サターニャ宅
サターニャ「ん……ありぇ……?今なん……」
時計『AM11:24だぞ』
サターニャ「」
サターニャ「ななななんで!?え!?うそ……だって目覚まし……7時にセットしたじゃない!?」
時計『PM7:00に鳴るぞ』
サターニャ「な゛あああああああああああああああああ!?!?!?」
サターニャ「け、ケータイ……代替機だった……色々いじっててサイレントモードになってたんだ……」
サターニャ「うぅ……うぐぅぅううう!!!!!」
…………
……
サターニャ(その後すべてのテストが終わった。私は遅刻した教科の先生に土下座して再テストを要求した)
サターニャ(でも遅刻では再テストは受けられないと突っぱねられた)
サターニャ(夏休みの補習が確定した私は頭が真っ白になり、その後すべての教科で赤点を取ってしまった)
サターニャ(みんなの協力をすべて無駄にしてしまった……)
サターニャ「……ごめんなさい」
ヴィーネ(なんて声をかけたら……)
サターニャ「海のしおり……せっかく作ってくれたのに……本当にごめんなさい……」
ガヴリール「う、海以外でも楽しめるだろ!夏休み!」
ヴィーネ「そ、そうよ!何も海しかないわけじゃないわ!」
ラフィエル「そ、そうですねっ!サターニャさん補習が終わったら夏休み満喫しましょう!!」
サターニャ「みんな……ありがとう……ありがとうぅ……!」
…………
……
翌週
サターニャ(やっと補習終わった……なにか……イベント……イベント……)
prrrr
サターニャ「ん、電話……あっ。お母様から」
サターニャ「もしもし?何かしら」
サタニキア母『フフフ、そろそろ補習が終わった頃ね?』
サターニャ「ええ……わざわざ教師共を私のために使役してやったわ」
サタニキア母『フフ、さすが我が娘……そんな優秀な娘には褒美をあたえないとね……」
サターニャ「褒美?」
サタニキア母『来週誕生日でしょう?立派な誕生日ケーキを作ってあげるわ。お友達と食べなさい』
サターニャ「ほんと!?」
サタニキア母『ええ』
サターニャ「ありがとう!」
サタニキア母『フフ、下界での生活、頑張るのよサタニキア』
サターニャ「うん!」
ピッ
サターニャ「そうだっ……みんなを呼ぼう……うちのケーキはすんごいんだから……そうだ、サプライズで……あーして、こーして……」
…………
……
誕生日当日 スーパーにて
サターニャ(ふふ……みんなの家に遊びに行った時に招待状を置いておいたわ)
サターニャ(それにしても……今までほんと悲惨だったわ……)
サターニャ(この前なんてキャッシュカードの磁気チップが傷ついて使えなくなっちゃうし……)
サターニャ(交差点で転んで色んな人にパンツ晒しちゃうし……)
サターニャ(靴紐切れるし……ヘアピン無くすし……またブラ壊れるし……)
サターニャ(全然眠れないから睡眠薬使わないといけないし……抜け毛酷いし……)
サターニャ(でも誕生日会で気分転換するわよっ)
サターニャ「あ、これ美味しそう。買っちゃえ!」
サターニャ「料理できないから惣菜だよりになっちゃうけど……いいわよね」
サターニャ「ジュースも買ったし……料理もこれでOK……ふふっ奮発しちゃった!」
サターニャ「ケーキも届いたし……飾付けも万全」
サターニャ「これを集合時間までに並べるわよ!」
サターニャ「忙しい忙しいっ」
サターニャ「楽しみ……!」
…………
……
サターニャ「……遅いわね」
サターニャ「来れないときは連絡してって招待状に書いてたけど……」
サターニャ「連絡来てないしみんな来れると思うんだけど……」
サターニャ「こっちから連絡しようかしら……」
サターニャ「いやっもしかしたら誕生日プレゼント選ぶので時間掛かってるのかも!?」
サターニャ「そうねっあいつらいい奴らだしっ……!」
サターニャ「まだかなっ……」
サターニャ「……」チラ
時計『PM6:30だぞ』
サターニャ「集合時間6時よ……」
ピンポーン
サターニャ「来たっ!」
サターニャ「はいはーいっ!!」ガチャッ
ババア「あのぉ~お時間よろしいですか?」
サターニャ「……はあ」
ババア「テレビやネットニュースなどで最近テロが話題になってるのはご存知ですかぁ?」
サターニャ「はぁ……」
…………
……
サターニャ「……」ポツーン
時計『PM10:00だぞ』
サターニャ「もしかして……みんな私に愛想つかしちゃったのかな……」
※ガヴリール:部屋汚すぎて招待状に気付かずまとめて捨ててしまう
※ヴィーネ:片付けの際に誤って招待状を捨ててしまう
※ラフィエル:招待状に気づく前に天界に帰省中
サターニャ「うぅ……」
サターニャ「で、電話してみよう……ラフィエル……」
プルルルルルルッ
サターニャ「でない……」
サターニャ「ヴィネット……」
プルルルルルッ
サターニャ「もしもし……?」
ヴィーネ「もしもし?サターニャ?」
サターニャ「ね、ねえ……今日何の日かしってる……?」
ヴィーネ「今日……?8月15日……終戦記念日?」
サターニャ(もしかして招待状に気付いてないのかな……)
サターニャ「ね、ねえ。黒い封筒見なかった?赤い蝋で封をしてる……」
ヴィーネ「サターニャの忘れ物?どこかで見たような……?うーんごめんなさいよく覚えてなくて」
サターニャ「そ、そっか……わかった……」
ヴィーネ「もし見たらまた電話するわね」
サターニャ「うん……」
ピッ
サターニャ「ガヴリール……」
プルルルルッ
サターニャ「もしもし……?」
ガヴリール「もしも……ってサターニャか。どうしたんだ?」
サターニャ「今日何の日か知ってる……?」
ガヴリール「ん……終戦記念日?」
サターニャ「そっか……ねえ、黒い封筒見なかった……?」
ガヴリール「え、わからん……忘れ物か?」
サターニャ「そっか……わかった……」
ガヴリール「もし見つけたら電話する」
サターニャ「うん……ありがとう……」
ピッ
サターニャ「そっかぁ……みんな気づかなかったかぁ……」
サターニャ「きっとラフィエルも気づかなかったのね……」
サターニャ「みんなは悪くないわよね。これも不幸になったから……」
サターニャ「……」
サターニャ「こんなに食べきれるかな……」モグモグ
サターニャ「う……おかしいわね……お母様とお父様のケーキなのに……」
サターニャ「美味しくない……」モグモグ
サターニャ「このチキンも全然美味しくない……あれぇ……?七味唐辛子ちゃんと7回振ったのに……」
サターニャ「足りないのかな……もっと……もっと……掛けて……」パッパッ
サターニャ「おいしくない……おいしくないぃ……うぅ……うぇぇぇ……」モグモグ
サターニャ「うぇええええええええええええええええええええん!!!!もうやだああああああああああああ!!!!」
サターニャ「なんでっなんで私がっなんで私がこんな目に遭わないといけないの!?なんで……なんでえええええええ!!!!」
サターニャ「ゲホッォォッ!!おぇっ……お゛ぇええっ……!!!お゛ぼろろぉぉぉお……!!!」ビチャッビチャッ
<ドンッドンッ ッセーゾオラァ!!
サターニャ「はぁ……はぁ……もしかして……これ永遠に続くのかな……」
サターニャ「だからガヴリールもラフィエルも言い出せないんだ……そうだ……そうなんだ……」
サターニャ「二人があんなに優しいのも……そういう……」
サターニャ「……」
サターニャ「…………」
サターニャ「……………………」
サターニャ「もう、嫌」
…………
……
数日後
ラフィエル宅
ラフィエル「ふぅ……まさか実家に呼び戻されるとは。どたばたして疲れました……」ガチャッ
ラフィエル「……ふぅ。落ち着きますね♪」
ラフィエル「ん……封筒?気が付きませんでした……なんでしょう」
ラフィエル「……こ、これっ」
ラフィエル「ま、まさか……8月15日に着信一件……サターニャさんから……!?」ピピッ
prrrrrr
ラフィエル「サターニャさん……サターニャさん……!」
ラフィエル「……でない」
数時間後
ラフィエル「……皆さんをお呼びしたのは他でもありません。サターニャさんについてです」
ガヴリール「な、なんだよ……もう薬の効果は切れてるだろ?」
ラフィエル「これを見てください……」スッ
ヴィーネ「黒い封筒……もしかしてサターニャが探してたやつじゃ」
ガヴリール「ヴィーネも?私もサターニャから電話がかかってきて」
ラフィエル「その、これの中身なんですけど……招待状なんです」
ガヴリール「招待状……?」
ラフィエル「要約すると……美味しいケーキを実家からもらったから一緒に食べようということで……8月15日はサターニャさんの誕生日だったんです」
ガヴリール「……」
ヴィーネ「……そういえば、サターニャの実家洋菓子店だったわ」
ラフィエル「お二人も気づいてなかったということは……多分誰もサターニャさんの家に行ってません……」
ガヴリール「そ、それは……」
ヴィーネ「最後に遊んだ時に妙に元気だったのって……」
ラフィエル「これの準備を進めていたから……かと」
ガヴリール「誰もそれに参加してないとなると……今のサターニャの精神がやばい……!!サターニャの家にいくぞ!!」
サターニャ宅前
ガンガンガンッ ガンガンガンッ ピンポーンピンポーン
ガヴリール「サターニャ!サターニャ!!」
ヴィーネ「だめで……出ない……」
ラフィエル「……合鍵があります。入りましょう」
ガヴリール「なんでお前が合鍵持ってるのかはあえて触れん……開けてくれ」
ガチャッ
ラフィエル「サターニャさ……臭っ……!?」
ガヴリール「ひっ……!?」
ヴィーネ「そん……な……」
ラフィエル「サターニャ……さん……」
ラフィエル(そこにあったのは頑張って飾り付けられたお部屋、腐った大きなケーキ……)
ラフィエル(そして同じく腐った4人分の惣菜……空になった薬瓶……穴だらけの白紙の紙と壊れたボールペン……)
ラフィエル(そして横たわるサターニャさん……真夏の蒸し暑い部屋の中で放置された……無残な姿のサターニャさん……)
BAD END H いざ夏休み
248 : 以下、\... - 2017/03/11 04:24:27.102 ZwEhpWNo0.net 106/109薄々お前だとは思ってたけどまさかここまでとは
これと同レベルで酷いのってAパート位じゃねーの
258 : 以下、\... - 2017/03/11 06:30:39.697 YE0JJrkoa.net 107/109まさかBAD ENDの人とは思わなんだ
でも改めて最初から見ると納得だわ
泣ける
273 : 以下、\... - 2017/03/11 16:24:42.122 OR3Oj9w70.net 108/109食い物はともかく紙とボールペンってなんだ?
274 : 以下、\... - 2017/03/11 17:03:26.460 5qNjjhVm0.net 109/109>>273
説明不足だった
遺書書こうとするもインクがでなくてブチ切れた結果だと思ってくれれば