【ある日の放課後】
ザーーーッ
ガヴリール「はぁ、なんでいきなり雨が降るかなぁ…、」
ガヴリール(家までも距離があるし制服もビショビショ、どうすっかなー…)
ガヴリール「ヴィーネは……げっ、携帯充電切れてんじゃん!」
ガヴリール(本格的にやばいぞ、このまま雨宿りしてたら確実に風邪を引く…)ブルッ
サターニャ「…ガヴリール?」
ガヴリール「いいところに来た、サターニャ!傘を貸してくれ!!」
サターニャ「はぁ!?私だってこれ一本しかないわよ!!」
元スレ
ガヴリール「やっべ、びしょ濡れじゃん」
http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1489076179/
ガヴリール「だよな、無理いってごめん、さむっ……」ブルブル
サターニャ「ってあんたびしょ濡れじゃない!風邪引いちゃうわよ!」
ガヴリール「しょうがないだろ、いきなり降ってくるもんだから…」
サターニャ「あーもう、入りなさい、一緒に帰るわよ!」
ガヴリール「……でも私の家おまえんちの真逆だぞ?」
サターニャ「私の家にくればいいでしょ!あんたそのままじゃ風邪引いちゃうじゃない!!」
ガヴリール「サターニャ、お前いいやつだったんだな……」
サターニャ「ふん、私の寛大な心に感謝するがいいわ!」
ガヴリール「うん、ありがとう」ニコッ
サターニャ「や、やけに素直ね…」ドキッ
【サターニャ宅】
ガヴリール「うう、寒い…」ガタガタ
サターニャ「ちょっと玄関で待ってなさい!今お風呂入れてくるから!」
ガヴリール「ありがとう、サターニャ…」
サターニャ「な、なによ、今日のあんたはやけに大人しいわね」
ガヴリール「当たり前だろ、いくらお前相手でも助けられたら感謝くらいはする」
サターニャ「ふ、ふーーん…」
サターニャ(あのガヴリールが私にお礼を言うなんて…)
ガヴリール「タオルくらい持ってきてくれよ、ほんとに風邪引いちゃうだろ?」
サターニャ「………」イラッ
【お風呂】
カポーン
ガヴリール「あぁ~生き返るぅ~」
ガヴリール(まさかサターニャのやつがここまで優しいなんてな…)
ガヴリール(いつも突っかかってきて面倒な奴だと思っていたが、明日からは少し優しくしてやるか)
サターニャ『ガヴリール、着替え置いとくわよー』
ガヴリール「ん、ありがとな、サターニャ」
サターニャ『お、お礼なんて言わなくていいわよ!気持ち悪いから!』
ーーーーーーー
ガヴリール「うーーん、お風呂も入ったしもう帰りたいところなんだが………」
ザーーーッ!!ゴォォァォ!!!
ガヴリール「もはや台風だな………」
サターニャ「あんた、天使の力とかなんとかないの?瞬間移動みたいな…」
ガヴリール「前回失敗したからなぁ、上手くいくかわからん…」
サターニャ「あんたが怠けてばっかりいるからでしょ…」
ガヴリール「どうしたもんかなぁ…」ポリポリ
サターニャ「まぁ、あんたが良ければ今日は泊まっていきなさいよ」
ガヴリール「………いいの?」
サターニャ「流石にこの雨風の中で帰れなんて言うほど私も悪魔じゃないわよ…」
ガヴリール「いや悪魔だろ」
ガヴリール「んじゃ、お言葉に甘えるわ」
サターニャ「ふん、言っておくけど今日だけよ、日頃の私は天使に情けを掛けるほど優しくないわ」
ガヴリール「ありがとうサターニャ、今日のお前には頭が上がらないな」ペコッ
サターニャ「ち、ちょっと!頭なんて下げなくていいわよ!べ、別に私だって嫌じゃないから!」アセアセ
ガヴリール「嫌じゃないのか…」
サターニャ「………はっ!い、嫌に決まってるでしょ!今日は私の気まぐれよ気まぐれ!!」
ガヴリール「嫌なのか……」シュン
サターニャ「じ、冗談よガヴリール!ごめんなさい、本当は私も友達とお泊まりできて凄く嬉しいし…」ゴニョゴニョ
ガヴリール(面白いなこいつ)
ーーーーーーー
サターニャ「さて、今日の晩御飯は何にしようかしら…」ゴソゴソ
ガヴリール「なに?お前料理とかできんの?」
サターニャ「あたりまえじゃない、私を誰だと思っているのよ?」フフン
ガヴリール「調理実習の時は散々だった気がするんだけど…」
サターニャ「うっさいわね!あれから上達したんだから!大悪魔は努力を怠らないのよ!」
ガヴリール「努力か、なんとも耳が痛い言葉だな…」
サターニャ「…ヴィネットも大変ね」
サターニャ「ガヴリール、何か苦手な食べ物とかある?」
ガヴリール「なに?まさか私の分も作ってくれるの?」
サターニャ「何も食べない訳にはいかないでしょ…」
ガヴリール「ん、じゃぁお言葉に甘えるわ……ふぁ……」
ガヴリール「………へくちっ!」
サターニャ「あんたまさか風邪引いたんじゃ…」
ガヴリール「ん、なんか頭ボーッとする…」ズビッ
サターニャ「ちょっと横になってなさい、まったく、世話が焼けるわね…」
ガヴリール(なんか本格的にボーッとしてきた…)
ガヴリール(それにしてもサターニャの奴も物好きだな、私のお世話をしたがるやつなんてヴィーネくらいのもんだぞ…)
サターニャ「調子はどう?ガヴリール、お粥作ったから食べなさい」
ガヴリール「ん、ありがとう」
サターニャ「ここに置いておくわよ、食べ終わったらお皿だけ下げなさいよ」
ガヴリール「サターニャ、ワガママな私はもうひとつお前に頼みたいことがある」
サターニャ「………なによ?」
ガヴリール「あーんしてくれ」
サターニャ「………ふーっ、ふーっ」
サターニャ「あ、あーん」
ガヴリール「………んむっ」モグモグ
サターニャ(なんで私はこんな恥ずかしいをしてるのかしら…)
ガヴリール「美味しいよサターニャ、ワガママ言ってごめんな?」
サターニャ「ま、まったくよ…世話の焼ける天使なんだから…」ドキッ
サターニャ(弱っているガヴリールを見てるとどうも調子が狂うわね…)
ガヴリール「サターニャ、次」
サターニャ「はいはい、ふーっふーっ…」
ガヴリール(熱が出た時ってなんでこうも心細くなるんだろう、普段の私ならこんな恥ずかしいお願いはしないんだが…)
サターニャ「お茶持ってくるわ、少し待ってなさい」スッ
ガヴリール(今日のサターニャは優しい顔をしてて、なんかヴィーネみたいだからつい甘えてしまう)
ガヴリール(…学校では見せないサターニャの意外な一面だ、普段からこんな奴なら私だってもう少し仲良くできる気がするんだけどなぁ)
サターニャ「熱いの飲める?」
ガヴリール「冷たい奴がいい」
サターニャ「…ん」
ガヴリール「サターニャ、今日はありがとう…」
サターニャ「もう、礼なら十分聞いたわよ」
ガヴリール「いつも冷たくしてごめんな、サターニャ……っ」ケホッ
サターニャ「あーもうわかったわかった、病人は早く寝なさい」スッ
ガヴリール「…うん」
サターニャ「まったく、天使なのに風邪引くなんて、あんたもまだまだね…」
……
ガヴリール「…………」スヤスヤ
サターニャ「…寝顔だけはちょっとかわいいじゃない…」
【深夜】
ガヴリール「………トイレ」ムクッ
ギュッ
ガヴリール「ん?」
サターニャ「…………」スヤスヤ
ガヴリール「手なんて握っちゃってまぁ、風邪移ってもしらないぞ…」
ガヴリール「あと布団くらい掛けて寝ろよな…」バサッ
サターニャ「………ガヴリールぅ…えへへ」スヤスヤ
ガヴリール「…どんな夢見てんだよ」
ーーーーーーーー
ガヴリール「ふわぁぁぁ……」
サターニャ「やっと起きたわね、ガヴリール」
ガヴリール「んむ………」ボケー
サターニャ「風邪はどうなのよ?」
ガヴリール「ん、熱は引いたっぽい」
サターニャ「そう、早く着替えて学校にいくわよ」
ガヴリール「えぇーっ、制服ビショビショだしなぁ……ん?」
ガヴリール(綺麗にアイロン掛けされた制服が畳んで置いてある…)
サターニャ「コインランドリーってやつ…?あれって凄く便利よね!!」
ガヴリール「お前は私のお母さんかよ、世話焼きもここまで来たら病気だな…」
サターニャ「ふん、ついでよついで、私の制服だって乾いてなかったんだから」
【学校】
ガヴリール「おはようヴィーネ…」
ヴィーネ「ガヴリールゥゥゥゥ!!!!」
ガヴリール「ど、どうしたんだよいきなり…」ビクッ
ヴィーネ「あんた一体どこ行ってたのよ!!電話もつながらないし家にもいないし!!」
ガヴリール「あーそういえば充電切れてたな、すまん」
ヴィーネ「すまんじゃないわよ!!あんな天気だったから私てっきり……」グスッ
ガヴリール「泣くほどじゃないだろ、ヴィーネは心配性だなぁ…」
ヴィーネ「そ、それでも家にいなかったのは事実じゃない!!一体どこにいたのよ!!」
ガヴリール「それはだな…」チラッ
サターニャ「ふふん」ドヤッ
サターニャ「雨に打たれて震えるガヴリールを一日世話してあげたのはそう、この私」
サターニャ「大悪魔サタニキア様よ!!」ドンッ
ヴィーネ「なんでサターニャなのよ!?私の家にくればよかったじゃない!!」
ガヴリール「だから充電が切れて連絡ができなかったんだってば、雨に濡れて動けなかったところを助けてくれたのは間違いなくサターニャだ」
ガヴリール「それに、優しくしてくれたしな……」モジモジ
ヴィーネ「や、優しく!?優しくってなによ…!」
サターニャ「落ち着きなさい、ヴィネット、ガヴリールは私の配下になったの…」
ガヴリール「ははぁ、サターニャ様…」
ラフィエル「何やら面白いことになってますねぇ…」ニコニコ
ガヴリール「サターニャ、私は今までお前の事を誤解していたのかもしれないな…」
サターニャ「ガヴリール、実は私も前からあなたと仲良くしたいと思ってたの…」
ラフィエル「あらあら、随分と仲良くなりましたね…」ニコニコ
ヴィーネ「むむむ、見せつけてくれるじゃない…!」
ヴィーネ「ガヴリール、今日は私の家に泊まりにこない?」
ガヴリール「やだよ、今日は家でネトゲしたいし…」
サターニャ「フられちゃったわね、ヴィネット?」ニヤニヤ
ヴィーネ「むぅ~、勝負よ!サターニャ!!」
サターニャ「いいじゃない!!受けて立つわ!!」
ガヴリール「サターニャが二人になったみたいだな…」ハァ
完!!