関連
如月「消されるな、この想い」【1】

237 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/05/14 20:21:09.87 4Khm/WNo0 199/731



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238 : 以下、名... - 2016/05/14 20:26:10.52 4Khm/WNo0 200/731


-数十分前-


『…で、あるから、如月が沈んだのは彼女の運命に他ならないのです』

『運命、ですか』

『そう。艦娘は皆沈む運命を背負っているのです』

『彼女達の元になった艦のように』

『如月の場合はウェーク島、赤城の場合はミッドウェー、皆沈む運命にあります』

『そして今回、まさに定められた運命の通り、如月が轟沈したのです』


『更に深海棲艦は米国の艦を模している存在である事は周知の事実です』

『つまり、運命…あの当時の歴史を少しでも知っている者には、この戦いの結末はわかりきったものなのです』

『日本は敗戦国ですから』

『艦娘は全員轟沈し、深海棲艦に敗北する』


『それがわかっていながら艦娘という制度を維持し、若い命を無駄に散らす政府のやり方は、はっきり言って狂っています』

『本当に勝つつもりであるのなら一刻でも早く艦娘を排除し、深海棲艦に対抗する新しい手段を模索しなければいけません』

『あのようなものに頼っている限り、我々人類が勝利する事は絶対にありえないのです』

『政府は日本を…いや、人類を侵略者に明け渡すつもりなのでしょうか?』


239 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/05/14 20:29:22.56 4Khm/WNo0 201/731



羽黒「…那珂ちゃん」

羽黒「それ観るのやめようよ」


那珂「………」

那珂「羽黒ちゃん、この番組気にならない?」

羽黒「えっ?」

那珂「いくらなんでも不自然だと思うんだよね、この番組」

那珂「こういう番組放送するの、早すぎじゃない?」

羽黒「………あっ」

羽黒「そうだね。放送したばっかりの番組の内容についてもう話題に挙げてるって…」

那珂「生放送だとしても、いくら何でも早すぎるよ」


那珂「しかもこういう話をするんだったらもっと前から切り出せたはずなのに」

那珂「例えば…あの番組の収録中とか」

那珂「撮影して、編集して、放送するまでどれだけの期間置いてるのさ」

那珂「…なーんか、怪しくない?これ」ピッ


那珂「放送局は…空条テレビ」

那珂「あの番組を放送した局と一緒か」

那珂「だったら尚更…」


『しかし、それなら…』

『今現在、生きている艦娘というのは一体何なのでしょうか?』

『は?』


那珂「あっ、馬鹿!」


240 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/05/14 20:36:14.73 4Khm/WNo0 202/731



『艦娘と深海棲艦の戦いが始まってもうすぐ2年になります』

『如月型艦娘が艦の時の再現をしてしまう運命なのだとしたら…深海棲艦との戦争が始まった数日後に、彼女達全員が轟沈していなければなりません』

『ですが現実には如月型艦娘は今も各鎮守府、泊地に着任し続けています』

『また、数ヶ月前に大本営から発表されたALMI作戦では』

『深海棲艦の奇襲は許したものの、迎撃に成功し各海域の解放も成功…つまり、勝利の発表がされています』

『本来沈むはずだった赤城、加賀、飛龍、蒼龍達の多数も生き残り、今も任務に就いています』

『運命が存在するのならば、今いる彼女達は一体何なのですか?』

『艦娘の運命なんてのは本当に存在するのでしょうかね?』


那珂「…馬鹿野朗」

羽黒「え?」

那珂「多分、この人来週から…」



『何を根拠にそんな出鱈目を言うのですか!それでも評論家ですか貴方は!!』

『そんな一方的な論理が通ると思っているのですか!!』

『ここはあなたの妄想を聞く為の場ではありません!!』

『あなた今のでこの会場の全員を敵に回しましたよ』

『大本営は当時から嘘を突き通してきたじゃないか!今回だってそうに違いない!!』

『狂人!!』

『出て行け非国民!!』



羽黒(うわ………)

那珂「ほーらやっぱりこうなった…」


教官「」ガチャ

羽黒「きゃあっ」


241 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/05/14 20:42:17.44 4Khm/WNo0 203/731



羽黒「あ、あなたは…」

那珂「」スッ

那珂「女性がいる部屋にノックも無しに入ってくるってどうなんですか?」ピッ

教官「テレビとは随分余裕じゃないか。お前達の提督は今頃拷問を受けてるかもしれないのに」

那珂「どうしようが那珂ちゃん達の勝手ですよね?」

那珂「で、指揮官が拘束された艦娘に一体何の用事でしょうか?」


教官「…あいつはもう終わりだ」

那珂「!!」

教官「命令違反、上司への暴言のみならず、暴力まで振るおうとした」

那珂(むしろ暴力振るったのはそっちだったんだけど?)

那珂(まぁ…このクソ野朗はそんな事くらい捻じ曲げられるって事かな)

教官「それにこれまでの失態や好ましくない態度から考えれば…もう、あいつに未来は無いよなぁ?」


教官「だがなぁ」

教官「あいつの処遇が少しでも軽くなるようにこっちで対処を考えてやらんでもない事も無いんだ」

羽黒「!!」

那珂「…で、その為に那珂ちゃん達に何をしろって言うんですか?」

那珂「どうせ何か条件があるんですよね?」


242 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/05/14 20:48:23.38 4Khm/WNo0 204/731



教官「よくわかってるじゃないか」ニタァ

教官「古来よりこういう時には『誠意』を見せる事が大事なんだ」

羽黒「誠意…」

那珂「金ですか」

教官「馬鹿」



教官「 身 体 だ よ 」



243 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/05/14 20:55:43.16 4Khm/WNo0 205/731



羽黒「………!!」ゾッ

那珂「………」

教官「これまでのあいつの失態分、全てお前達の身体で返してもらう」

教官「お前達二人で俺に奉仕しろ」

教官「俺を満足させることができたなら…あいつの処遇の事を考えてやる」

羽黒「…そんなの………」

教官「秘書艦なんてやってるんだから、経験はあるんだろぉ?」

教官「それとも…まだ 処 女 か ? 」

羽黒「………」

教官「ククッ…それもいいな…」

那珂「それ…もし私達が断ったら?」


244 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/05/14 20:56:52.19 4Khm/WNo0 206/731





教官「お前達の愛しい提督は…そうだなぁ、海の藻屑―――だな」

那珂「なんだその程度か。やるわけないじゃん」




245 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/05/14 21:04:40.32 4Khm/WNo0 207/731



教官「…は?」

那珂「何いつもより変な顔してるんですか。予定通りちゃちゃっとやっちゃえばいいじゃないですか」

那珂「那珂ちゃん達は全然気にしませんから」

那珂「それとも、元から私達の身体目当てでそんな事言ったんですか?」



那珂「キモッ」

教官「」ピキッ



那珂「そんな簡単に女の子が身体差し出すとでも思ってんの?」

那珂「誰もが振り向く超絶イケメンとかならともかく、顔面脂ぎってるオッサンのくせに何で上手くいくと思ったの?」

那珂「常識から考えなよ。ほんっと、気持ち悪い」

那珂「一体どんな生活送ってたらそんなのがまかり通ると勘違いしちゃうの?」



那珂「不潔でジメジメした部屋で、一人でシコシコし続けたせいで脳ミソまでカビちゃった?」

那珂「妄想叩き込むのは右手だけにしておけよ オ ッ サ ン 」

教官「」ブチッ


246 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/05/14 21:24:23.52 4Khm/WNo0 208/731



教官「うるせぇんだよテメェ!!」ドゴッ

那珂「あぐっ!!」ドサッ

羽黒「那珂ちゃ…!!」

教官「何様のつもりなんだよおめぇはよ!!」

教官「違法解体(バラ)されて臓器パーツになるしか価値のねぇクソ艦娘がよぉ!!」

教官「俺に向かって何だその口の聞き方ァ!?!?」

那珂「変態の強姦魔に対しちゃ上等な口の聞き方でしょうが!!!」

教官「るせぇ!!!」ゴスッ

那珂「んぐっ!!」


那珂「っづ…あぁ…!!」

教官「思い出したぞお前…確かアイツの所に最初に着任した奴だな?」

教官「暫く見ないからとっくの昔に違法解体(バラ)されて臓器屋行きになってるもんだと思ってたがなあ!!」

教官「まぁどうせ身体で釣って命乞いでもしてるんだろうが」

那珂「………」



教官「 な ぁ ぁ あ あ あ あ あ 」

教官「 枕 や っ て ん だ ろ ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ お お ぉ お ! ? 」

教官「 ア イ ド ル な ん だ か ら な ぁ あ ぁ あ あ あ ぁ あ あ ! ? ! ? 」

教官「 あ ぁ あ ぁ あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ  あ ぁ あ あ あ あ ぁ ぁ あ ぁ あ あ ! ? ! ? 」



那珂「………」

教官「…ま、お前が枕やってようがやってなかろうが、処女だろうが中古だろうが関係ねぇ」

教官「」ビリイッ

那珂「いっ…」

那珂「いやぁああああああああぁああああああ!!!!!!!!」

羽黒「あ…あ………」



教官「お前を犯してやる…!!寝取ってやる…!!」

教官「くたばるあいつの目の前でお前等二人を犯してやる!!」

教官「可愛い秘書艦二人を目の前で寝取られるあいつの顔を想像するだけで射精しちまいそうだ!!」



那珂「やだ!!やだぁあああああああ!!!助けてぇえ!!!」

教官「ギャーギャー騒ごうがなぁ!!」

教官「俺のチンコ突っ込まれて堕ちなかった艦娘は一人もいねぇんだよ!!!」

教官「オラ見てみろよオラ!!」

教官「長茎手術に真珠入り!!コイツでアへらなかった女はいねぇ!!!」

教官「おめぇも!!おまえぇらもなぁあ!!!」ガシッ

那珂(あっ、足首…!!)

教官「コイツをブチ込んで俺のモノにしてやるんだよぉぉおお!!!」ガバァ


251 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/05/14 21:27:18.60 4Khm/WNo0 209/731





「……………は?」




253 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/05/14 21:46:40.54 4Khm/WNo0 210/731



「バーカ」

掴まれた足首を振り解き、靴の裏を教官の顔面に押し付ける。

腕、腹、脚に力を込めて、転がるように起き上がる。

ただそれだけの力だったにも関わらず、教官の身体は後ろの壁まで突き放された。

どぉん、という音と共に、壁に弾かれ戻ってきた教官の身体の一部に狙いを付ける。


臓器が傷付けられる事は、人体に大きな影響を及ぼす。最悪の場合、それだけで生物は死ぬ。

だからこそ臓器は筋肉の中に、脂肪の中に保護されている。はずなのだ。

だが、例外が存在する。とある理由でほぼ皮でしか守られていない、ある臓器が存在する。

普段布で覆われ不十分ながら守られている『そこ』だが、今はそれが無い。

那珂は『そこ』を目掛けて蹴りを放った。

狙いは直角90度。僅かな膨らみ以外の何の無駄も無い、那珂の鋭すぎる一撃が叩き込まれた。



金属バットで殴られたような感覚。

皮を剥いだ蜜柑を潰すような感覚。

視界が歪み、天地が逆転する。

激痛の中の謎の虚脱感と、謎の温かみ。



数多の小さな命と共に

男の『命』は潰れた。



254 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/05/14 21:48:43.28 4Khm/WNo0 211/731



教官「」ピクピク

那珂「羽黒ちゃん!!」

羽黒「那珂ちゃん!!」

那珂「逃げるよ!!!」

羽黒「う、うん!!!」

那珂「面倒くさい!!蹴破る!!」ズドォン!!




羽黒「これからどうするの!?」

那珂「那珂ちゃんにいい考えがある!!」

那珂「今から叫ぶから、羽黒ちゃん続いて!!」

那珂「いくよぉ!せーーーのっ」










「 助 け て 犯 さ れ る ー  ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! 」











255 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/05/14 21:51:14.27 4Khm/WNo0 212/731



あきつ丸甲「どうしたでありますか!?」

那珂「憲兵さん!!助けて!!助けてぇ!!!」ガバッ

あきつ丸甲「大丈夫であります!一体何が!?」

那珂「教官さんが…教官さんに…私…!!乱暴されそうになって…!!!」

那珂「それで思わず蹴って逃げてきちゃって…!!どうしよう!?怖いよ!!!助けて!!!」

那珂「」チラッ


あきつ丸甲「!!」

あきつ丸甲「その服も…!?」

那珂「う、うん…」

あきつ丸甲「わかったであります。後の事は憲兵に任せて…あなた達はとりあえず…」

あきつ丸甲「…ちょっと不安かもしれませんが、取調室に隠れるであります」

あきつ丸甲「大丈夫であります。ついてくるであります」タタッ

那珂「………」

那珂「」ニヤリ


256 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/05/14 21:58:00.77 4Khm/WNo0 213/731


-取調室-


あきつ丸甲「大丈夫でありますか?」

羽黒「…はい」

那珂「う、うん…落ち着いてきた…」

あきつ丸甲「元自衛隊隊員で現海軍の教官殿とはいえ、女性を脅迫、暴行、強姦しようとしたとなれば大問題であります」

あきつ丸甲「教官殿は先程憲兵隊によって身柄を拘束したであります」

あきつ丸甲(…憲兵殿が発見した時、彼は失禁して気を失っていたらしいのですが)

あきつ丸甲(一体何があったか、憲兵殿は教えてくれませんでした…)

那珂「…………はぁ…」

あきつ丸甲「ところで、お二人の提督はどちらへ?」


那珂「命令違反で捕まっちゃった」

あきつ丸甲「えっ?」

那珂「艦娘を轟沈させろって命令が出て…それを拒否したからって…」

あきつ丸甲「え」

那珂「教官に、承諾するまで拷問にかけるって言われて…那珂ちゃん達も反対したんだけど、武蔵型の艦娘に脅されて…」

あきつ丸甲「………」

那珂「憲兵さん、ううん、あきつ丸さん!」

那珂「お願い!那珂ちゃん達の提督も助けて!!」

那珂「那珂ちゃん、泊地ができた時から提督とずっと一緒に頑張ってきたの」

那珂「もし提督に何かあったら…那珂ちゃんは…!!ぐすっ……!!」

那珂「うぅううぅっ…嫌だよぉ…提督ぅ……!!」ポロポロ

あきつ丸甲「あ、あぁ!わかった!わかったであります!!こちらから何か掴めないか調べてみるであります!!」


257 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/05/14 22:04:59.78 4Khm/WNo0 214/731



羽黒「あきつ丸さん…!ありがとうございます!!」

あきつ丸甲「いえ…それで、那珂さん達の提督殿の特徴は…」


那珂「え?」

あきつ丸甲「え?」


那珂「今朝会った人だよ」

あきつ丸甲「…今朝?」

那珂「ボディチェックの時」



あきつ丸甲「ボディチェックの時って…」

あきつ丸甲(入れ替わってた時の…!?)




那珂「あきつ丸さんって、あの時のあきつ丸さんだよね?」

那珂「あの時見たのと同じドックタグ付けてるし」




あきつ丸甲「えっ………」



那珂「ほら」チャリ

那珂「識別番号『7538315』」

那珂「やっぱりあの時のあきつ丸さん」



あきつ丸甲「………!!」

那珂「そういえばその時会った時と何か雰囲気違うけど…」


那珂「何かあった?」


あきつ丸甲「!?」ゾクッ


258 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/05/14 22:07:58.98 4Khm/WNo0 215/731





あきつ丸甲「い、いや…それは………」

あきつ丸甲「お化粧直し…して………」

那珂「まぁ全部わかってるんだけどね」

那珂「ボディチェック受けるフリして服に盗聴器付けといたから」




259 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/05/14 22:13:14.82 4Khm/WNo0 216/731



あきつ丸甲「えっ!!!」バッ

あきつ丸甲「えっ…あっ…ど、どこに………」


那珂「あれ?何してるの?」

あきつ丸甲「え」

那珂「嘘だよ?」

あきつ丸甲「………!!」ドクン



那珂「でも、嘘付いてたのはお互い様だからいいよね?」

那珂「 あ き つ 丸 さ ん ? 」

羽黒「………」

あきつ丸甲「………!!!!!」



那珂「ちなみにこの一部始終全部録音してるから」

那珂「この事バラしちゃったら…どうなるかなぁ?」

あきつ丸甲「やめ…やめて、ください」

那珂「それじゃあ…入れ替わったもう一人もここに連れて来てくれない?」

那珂「識別番号は、下が確か『114514』…パラオ特別鎮守府所属のあきつ丸ちゃん、だよね」

あきつ丸甲「な、何で、そんな事まで…」

那珂「あそこの鎮守府の提督とうちの提督が仲良いから、何度か会った事があるの」

那珂「真のアイドルはね、一度会ったファンの顔は絶対忘れないんだ」



那珂「で」

那珂「連れてきて、くれるかなあ?」ニコォ



260 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/05/14 22:18:26.07 4Khm/WNo0 217/731


-現在-


憲兵「最初にあきつ丸から言われた時は何だと思ったけど」

憲兵「…まさか、本当に入れ替わっていたなんて」


那珂「で、どうしようかな?この事バラされたくないよねぇ?」

あきつ丸「…私達に何をしろと?」

那珂「わぁっ♪話が早くて助かるよ」

那珂「三人にはね…これ」コトッ

那珂「これを、憲兵隊のお偉いさんに渡してほしいの」

あきつ丸甲「これは…一体?」

那珂「」ピッ


『この駆逐艦を沈めろ、と言ったんだ』

『我が海軍には、こんなものは必要ない』


あきつ丸「!?」

那珂「そっちのあきつ丸ちゃんにはさっき言ったけど、これが、教官が提督に如月ちゃんの轟沈を命令した時の録音」

那珂「それとこっちは」カタッ

那珂「さっき教官が那珂ちゃんの事をレイプしようとするまでの一部始終の録音」


あきつ丸「そんな、録音なんて、ボディチェックの時に盗聴器の類は」

那珂「やだー、あんなガバガバチェックでバレるわけないじゃん」

あきつ丸「ガバ…っ!?」

那珂「那珂ちゃんにはね、絶対にバレない『秘密の隠し場所』があるんだよー」

あきつ丸「ボディチェックでも絶対にバレない…」

あきつ丸甲「秘密の…」

憲兵「隠し場所…?」

三人「……………」

三人「………!!!」

三人(まさか…まさか…この子は…この子はぁぁぁぁ!!!!)


261 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/05/14 22:21:31.76 4Khm/WNo0 218/731



「んんっ!あっん!!」

「やだぁ…取れない…」

「早く取って…提督を助けてあげなくちゃ…んぁあん!!」ビクンッ

「あっ…はぁあ…ん…提督…提督ぅ………」


262 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/05/14 22:22:27.11 4Khm/WNo0 219/731





あきつ丸「いけません那珂ちゃん!そんなふしだらな!!」

あきつ丸甲「そうでありますよ!!アイドルでしょう!?アイドルなんでしょう!?」

那珂「二人とも一体何想像したの」




263 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/05/14 22:34:38.97 4Khm/WNo0 220/731



那珂「まぁとにかく、これをお偉いさんに渡してくれるかなあ?」

憲兵「渡してどうなる?」

那珂「当然、こんなもんが出てきたら教官は完全に終わりだし、提督も解放されるよね」

憲兵「俺達には、お前達の携帯とか通信機の事は上から一切触るなという命令が来てたんだ」

憲兵「つまり俺達の…憲兵隊の上の連中の誰か…もしくは副数人が、教官寄りだ」

憲兵「俺達がこれを出したところで、握りつぶされるかもしれない」



那珂「もしそうなったら、ネットにこのファイルをバラ撒く」

那珂「この携帯…何かいつの間にかすり替えられてたみたいだけど、通信は通るみたいだね」

那珂「メアドくらい覚えてるから手打ちで何とかなるし、そうすりゃうちの青葉通じてファイルをばら撒く事だってできるんだよ」



憲兵「!!待て、そんな事をしたら…!!」

那珂「海軍だけじゃないよねぇ。全軍が猛バッシング喰らうよ」

那珂「理不尽な命令、従わなければ拘束、しかもそれを使って艦娘を脅迫して性行為の強要、従わなければレイプ」

那珂「ネットもマスコミも喜んでしゃぶりつくネタだねぇこれは」

那珂「下手すりゃ軍の崩壊…そうでなくても痛手でしょ?」

那珂「その中心にいた…貴方達は無事でいられる?」

那珂「やらないっていうなら、さっきの入れ替わりの事を代わりにバラ撒く」

那珂「どちらにせよ、うまくいかなかったら貴方達は終わりだよ」

那珂「被害被るのが貴方達だけになるか、軍全体を巻き込むかの違いしかない」

憲兵「…お前………」

那珂「そうなりたくないんなら、教官を捕まえて、うちの提督を解放すればいいの」

那珂「皆死ぬ気でやればできるはずだよ。やってくれるかな?」

あきつ丸「………言われなくても」

あきつ丸「最初からそのつもりでいるであります」


264 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/05/14 22:40:57.58 4Khm/WNo0 221/731



あきつ丸「那珂ちゃん、あなたは全部自分がわかっていると思っているようでありますが」

あきつ丸「一つだけ、勘違いをしている所があるであります」

那珂「えっ?」

あきつ丸「私が潜入調査をしていたのは提督殿を助ける為であります」

あきつ丸「私だけではありません。榛名殿達も、提督殿を助ける為に横須賀に来ているであります」

那珂「あぁ、そうなんだ」

あきつ丸「私達は同じ意志で集まっている仲間であります」

那珂「そう言えるね」

あきつ丸「でも今の那珂ちゃんを見ていると…まるで」




あきつ丸「私達の事を敵として見ているような気がしてくるであります」




羽黒「………」

那珂「………」

あきつ丸「もし本当にそう見ているのなら、やめていただけますか」

あきつ丸「…提督殿だって、那珂ちゃんがそんな目で他人を見ていると知ったら悲しみますよ」

那珂「提督は関係ない」

あきつ丸「!!」

那珂「でも………」

那珂「………そうだろうね」


265 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/05/14 22:49:21.69 4Khm/WNo0 222/731



那珂「教官は今、拘束されてるんだっけ?」

憲兵「うん」

那珂「じゃあ…ちょっと、トイレ行ってくるね。何か色々あって疲れちゃった」

那珂「羽黒ちゃんもね」

羽黒「あっ、うん…」

那珂「あきつ丸ちゃん、詳しい話は後でいいかな?」

あきつ丸「えぇ」

憲兵「…俺達は、ファイルを渡してくる」

憲兵「いくらなんでも全員が全員黒ってわけじゃないはずだ…あの人とかなら…」

あきつ丸甲「…すみません、憲兵殿」

憲兵「いいって」

憲兵「…お前は、大事な相棒だからな。こんな事で別れてたまるかよ」

あきつ丸甲「憲兵…殿…///」

あきつ丸(進むの早っ)

那珂「…じゃあ、何とかできたらまたここで集合ね」

那珂「提督を助ける方も考えなきゃいけないから」ツカツカ


266 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/05/14 23:24:09.05 4Khm/WNo0 223/731



羽黒「…那珂ちゃん」ツカツカ

那珂「はい、鍵」チャリン

羽黒「あ、うん」

羽黒「………」

羽黒「…これがなかったら…」

那珂「ん?」

羽黒「これがなかったら…私達、今頃酷い事になってた、よね」

那珂「那珂ちゃんならともかく、羽黒ちゃんは危なかったかも」


羽黒「…もしあんな事が無かったら」

羽黒「こんなのも無かったし、那珂ちゃんも私も昔のままだったんだよね」

羽黒「…あんな辛い事が無かったら」

那珂「でもあんな事がなければ今、酷い事になっていた」

那珂「羽黒ちゃんも多分ずっとあのままで、提督に処女あげられなかったでしょ」

那珂「那珂ちゃんだってあの変態振り払えなかったし、犯されてたよ、多分」

那珂「盗聴なんて真似考えもしなかっただろうし、そもそもできなかった」


那珂「でも………」

那珂「だからって、素直に喜べないのは、わかるよ」

那珂「正直那珂ちゃんだってあんな事、思い出したくもない」

那珂「でも、あれが無ければ今の提督も、私達も、いなかった」


羽黒「思い出すだけでも辛いのに」

那珂「でも、あれがあったからこそ、今の私達がいるんだと思うよ」


那珂「提督に好きって言えて…提督に愛して貰ったり受け入れて貰ったり」

那珂「貞操帯(こんなもん)まで付けるのだってなんやかんや言うけど許してくれてるし」


那珂「だからさ…色々あったけど、那珂ちゃんはね、今幸せだなーって思うよ」

那珂「多分、皆そう思ってる」


羽黒「…うん」

羽黒「如月ちゃんも…」

羽黒「如月ちゃんも、今を乗り越えられれば…きっと」

那珂「そうだね。だからこそ…」




那珂「提督と一緒に泊地に帰ろう」

那珂「どんな手段を使ってでも…!!」








那珂「…ところでトイレどこ?」

羽黒「…ちょっと聞いてくるね」


269 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/05/29 22:33:24.63 y4Y5BTU+0 224/731



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270 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/05/29 22:37:07.99 y4Y5BTU+0 225/731


-翌日 憲兵詰所-


上官「あぁ、あきつ丸。昨日の件か?今何とかしようとしてるところだ」

上官「憲兵隊の膿を出す丁度いい機会だしな。何とかやってみるさ」

上官「欲を言うなら…もうちょい証拠が欲しいけどな。憲兵(こっち)とグルだってのが本当なら、この程度じゃ握り潰されちまうかもしれない」

上官「ごまかしようのない、どうしようもない証拠でも転がってりゃ、いいんだけど…」

あきつ丸甲「………」

上官「しっかし、第二次世界大戦当時じゃ仲悪かったとか言われてたのに、よくもまぁ結託するもんだよ…」

上官「陸軍はともかく、海軍が海軍を陥れて一体何の得が…」

上官「…今はまぁいいか。罪状を確定させてから吐かせよう」

上官「で、お前はどうなの?憲兵とようやくくっついたって聞いたけど」

あきつ丸甲「………」

上官「あきつ丸?」

あきつ丸甲「上官殿、一つご相談があるのですが…」

上官「…どうした?」

あきつ丸甲「拳銃を一丁、お借りできますか?」

上官「!!お前…何を…!?」


271 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/05/29 22:37:56.37 y4Y5BTU+0 226/731



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272 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/05/29 22:39:57.19 y4Y5BTU+0 227/731


-パラオ泊地-


如月「ん………」

赤城「おはよう如月ちゃん」

如月「私…ゆめ………」

赤城「大丈夫だった?」

如月「………はい」

如月「………」

赤城「…また夢を見るのが怖い?」

如月「………」

赤城「それとも、これからが怖い?」

如月「………はい」

赤城「大丈夫よ。誰だって辛い事はあるから」

赤城「みんなもきっとわかってくれる…いや、わからせるわ」


赤城「…さっき那珂ちゃんから連絡があったわ。提督、帰る目処が付いたって」

如月「!!」

赤城「だから」ギュ

如月「んっ」

赤城「帰ってくるまでは私で我慢してね」ポンポン


273 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/05/29 22:44:16.10 y4Y5BTU+0 228/731



如月「………」

赤城「…ちょっと前まで、私も辛い時期があったの」

赤城「ミッドウェー、運命の5分間、あの嫌な記憶に苦しめられたわ」


赤城「でも提督が助けてくれた」

赤城「『絶対助ける』って言ってくれた」


赤城「何かあるたびにこうやって抱きしめてくれて、私が落ち着くまでずっとこうしてくれていた」

赤城「別に『私の事が好きだから』とか『特別だから』とかそういうのじゃないと思う」

赤城「…ううん、もしかしたら提督にとって私達皆が特別なのかもしれない」

赤城「でも、だからこそ提督は、絶対、如月ちゃんの事も助けてくれる」

赤城「みんなにも、絶対に、如月ちゃんの事をわからせる」

赤城「提督はいじめとか、そういうの嫌いだから。徹底的にやってくれるわよ」

如月「………」



赤城「あともうちょっと、あともうちょっとだから、一緒に耐え切りましょう?」

如月「…はい」



如月「でも赤城さん、仕事は」

赤城「霧島に任せてきたわ。霧島は秘書艦補佐歴も長いし、いけるわよ」

如月「………」

赤城「………そうだ」

赤城「話でもしましょう」

赤城「ここに来る前…艦娘になる前の話とか」


274 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/05/29 22:47:28.52 y4Y5BTU+0 229/731



如月「え?」

如月「でもそれって規則違反ですよね?私達艦娘は本名を封印して…」

赤城「大丈夫よ。私は提督に本名も今までの事も全部話しちゃったもの」

如月「えぇっ?」

赤城「というかこんな事してるの日本くらいよ」

赤城「ドイツの艦娘は定時報告で毎回本名言わされてるって、特別鎮守府の子から聞いた事があるの」

赤城「『艦になりきりすぎて自分の存在を忘れないように』っていう事らしいわ」

赤城「…正直私は、ドイツが羨ましいな」

赤城「制度の理由は色々あるだろうけど、ちゃんと一人の人間として見てくれてる気がする」

赤城「国防だ人類防衛だ何だと色々言われるけど、艦娘になる理由なんて人それぞれだからね」


如月「………」

赤城「…如月ちゃんは、どうして艦娘になろうと思ったの?」


如月「…私は」

如月「パパとママの役に立ちたかった」

如月「それと…約束したんです」


赤城「約束?」



如月「…あ」



如月「艦娘になる前の話じゃないですけど、一個あります」

赤城「何何?」


275 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/05/29 22:51:24.79 y4Y5BTU+0 230/731



如月「私…その、色々あって…教官とマンツーマンで研修を受けてたんです」

赤城「へぇ!特別待遇なのね!」

赤城「その教官さんと何かあったって事?」

如月「…はい」

如月「今の私にとって大切な人なんです」

赤城「はぁー…どんな人なの?」

如月「名前はちょっと言えないですけど、艦娘候補生だったんです」

赤城「って事は…新型艦娘のテストメンバーみたいな?」(あと、艦娘って事は女性なのね)

如月「えぇ。その一環として私の研修の担当になったみたいです」

赤城「テストの一環で研修担当ねぇ…その教官さんって戦艦艦娘とか、空母艦娘とか?」

如月「私もちょっとよくわからなかったです」

如月「戦艦とか空母って感じの艤装じゃなかったですし、駆逐艦って程のものでもなかったです」

赤城「重巡」

如月「うーん、そこまででもないですね」

赤城「軽巡か雷巡」

如月「軽巡よりは…わりと大きな艤装だったような、気がします。雷巡って言うほど魚雷は積んでませんでした」

赤城「えーっ、それじゃあ何だろう?」

赤城「名前が言えないっていうのがなぁー…まぁ、機密漏えいとか色々あるからでしょうけど」

赤城「ん、何かヒント無い?」

如月「うーん…あぁ!」

如月「私…じゃない、『駆逐艦如月』が会った事があるんです」

赤城「へぇ!!」

赤城「うーん…って事は…夕張…?」
赤城「いや夕張はもう普通にいるし、装備大きいけど軽巡か…」ブツブツ
赤城「夕張以外に装備が大きい軽巡クラス…大淀…?」ブツブツ

如月「…赤城さん?」

赤城「…如月ちゃんって第三十駆逐隊…だったよね?」

如月「はい」

赤城「その辺から何かヒントを得られるか…?」ブツブツ

赤城「第三十駆逐隊は駆逐艦のみの構成…だけど如月ちゃんの情報だと駆逐艦ではない…」ブツブツ
赤城「つまり第三十駆逐隊のメンバーではなく、その関連の艦隊を探していく必要がある…」ブツブツ

如月「…あかぎさーん?」

赤城「第三十駆逐隊周り…『空母赤城』の記憶を辿れば何か…何か見つかるはず…」ブツブツ
赤城「その際に気をつけなければいけないのは今の価値観で考えるのは厳禁だという事…」ブツブツ
赤城「今の…艦娘の価値観で照らし合わせると『灯台下暗し』に遭う可能性が高い…」ブツブツ

如月(ガチだ!この人ガチだ!!)


276 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/05/29 22:58:34.93 y4Y5BTU+0 231/731



如月「赤城さん!」

赤城「…ん!?あっ!!あぁ、ごめんなさい!!」

赤城「私一度考え込んじゃうと、何か、こうなっちゃうみたいで、あはは、ははははは!!!」

如月「…ふふっ」

赤城「…あぁまーいーや!それで、どんな人だったの!?」

如月「何というか…凄い人…でした」


赤城「凄い人って…筋肉モリモリマッチョで叫びながら上半身裸になって、くるくる回ってラリアットしたり?」

如月「ちょっ、何ですかそれ!?」


赤城「凄い漢(おとこ)よ!」コノタワケガ

如月「女!女ーー!!!」


赤城「甘いわね。師範にとっては男だろうが女だろうが全て平等に漢(おとこ)なのよ」・・・・スゴイオトコダ

如月「壊れちゃう!性別の垣根壊れちゃう!!」




如月「…あ、筋肉モリモリではなかったですけど、おっぱいは大きかったです」

赤城「ほう。それはまた」




如月「先生はいつも綺麗で、優しくて、周りの視線を独占してました」

如月「今でも、女として憧れてます」

赤城「なるほどね。それでちょっとおませさん演じちゃってたの?」ニヤニヤ

如月「演じっ………はい」

如月「『男の人ってこういう人が好きなのかな』。『先生みたいな女性になりたいな』って、思ってて」

如月「…そういう雑誌読んでみたりして、少しでも先生に近づけるように、キャラ作ってました」

如月「こういうの、司令官にはバレちゃってるかな」

赤城「提督は鈍いからなあ。多分バレてはないと思うけど」


赤城「…如月ちゃんは提督の事好き?」

如月「………」

赤城「…男として好き?」

如月「………はい」

赤城「…それなら、帰ってきたら思いっきり甘えちゃいなさい」

赤城「大人の女を演じるのもいいけど…ん?」ガヤガヤ

赤城「…何か外が騒がしいわね」ガラッ


277 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/05/29 22:59:24.27 y4Y5BTU+0 232/731







赤城「……………え」






如月「赤城さん?」

赤城「…何、あれ………」


278 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/05/29 23:00:19.43 y4Y5BTU+0 233/731



・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・

・・・・




279 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/05/29 23:01:52.39 y4Y5BTU+0 234/731


-横須賀・大本営-


提督「………」


280 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/05/29 23:03:04.05 y4Y5BTU+0 235/731



「この駆逐艦を沈めろ、と言ったんだ。我が海軍には、こんなものは必要ない」



「如月は沈んだ!ただ一人!他の誰も沈まなかった戦場でただ一人!」

「それを見た人々はどう思う!?それをはっきりと示したのがこの資料だ」



「既に不満が溜まった市民によって如月型が殺される案件が各地で起きている」

「如月型自身にも、自ら命を捨てる特攻や自殺をする者まで現れている。まるで『狂ったように』な」

「想像してみろ!こんな出来損ないに守られたいと思うか!?」

「だから沈めろ。『番組と同じようにな』」



「私はそいつに言ってやったんだ」

「『これは大本営直々の、軍直々の『許可』だ』と」

「『あの放送を許可した理由を考えてみろ』」

「『君は何も気にする必要は無い』と」

「それを伝えた数時間後…そいつはどうしたと思う?」



「笑いながらなぁ!!!轟沈の完了報告をしてきたんだよ!!」



281 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/05/29 23:07:44.35 y4Y5BTU+0 236/731



提督「どいつもこいつも」

提督「何を考えてやがる」


提督「そんな理由で人を殺すのか」

提督「笑いながら人を殺すのか」

提督「あいつらは…」ゴンゴン

提督「何?」


あきつ丸「」ガチャ

あきつ丸「お久しぶりであります、提督殿」

あきつ丸「パラオ特別鎮守府所属のあきつ丸であります」

提督「あきつ丸さん!?どうしてここに?」

あきつ丸「提督殿をお助けする為であります」

提督「マジですか!?それはありがたい!!早く帰らないと…」

あきつ丸「事情は全て聞いているであります。如月ちゃんの事も、教官の事も」

提督「それなら話は早いですよ!すぐにでもここを出たいんだ!助けてくれます!?」

あきつ丸「勿論であります…ですが」

あきつ丸「万が一に備えて、これを」スッ

提督「うぉっ」ズシッ

提督「何これ、け、拳銃?本物!?」

あきつ丸「ここから出す事はできますが、訳あって一緒に行く事はできません」

あきつ丸「『ストッパー』付きの艦娘…しかも武蔵型艦娘相手では牽制程度にしかならないかと思いますが、念のため持っておいてください」

提督「…ありがとう」

あきつ丸「使い方はわかるでありますか?」

提督「うん。川内と夜せ……んー、サバゲーで遊んでるからな、当て方くらいなら…」

提督「本物持つのは初めてなんだけど、これセーフティーとかはどうなってるの?」

あきつ丸「リボルバーに安全装置はありませんよ。だからうっかりで撃たないように気を付けてください」

あきつ丸「本当に使う時以外にトリガーに指をかけないでください。自分の脚を撃ち抜くミスをよく聞くであります」

提督「わかった。ありがとう」ゴソッ


282 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/05/29 23:12:22.46 y4Y5BTU+0 237/731



あきつ丸「埠頭で那珂ちゃん達と、我が鎮守府の第一艦隊が待っているであります」

提督「第一艦隊って、榛名さんと千歳さん達!?」

あきつ丸「えぇ。泊地に着くまで護衛を勤めさせていただくであります」

提督「すげぇな…本当に助かります」

あきつ丸「礼なら友提督殿に」

あきつ丸「あの方は貴方が行方不明になったと聞いて、真っ先に我々に調査命令を出したであります」

提督「…え、行方不明?それなら何で通信機とか携帯に電話かけてこなかったんだろう」

あきつ丸「それ、すり替えられているであります」

提督「えっ!?」

提督「…まさか最初の検査の時に!?」

提督「って事は本当に最初ッからこのつもりで連絡よこしやがったな…クソッタレ!!!」


提督「出れるんならこんな所すぐに出てやる!!」

提督「この話って、他の憲兵には通ってるんですか?」

あきつ丸「はい。なのでコソコソする必要はありません。急いで合流地点まで来てください」

あきつ丸「自分もすぐに向かいます」

提督「了解しました。ありがとうございます!!」ダッ

あきつ丸「………」

あきつ丸(…さて、あとは………)


283 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/05/29 23:15:54.74 y4Y5BTU+0 238/731



提督(何が命令だ!何が大本営直々の許可だ!!)

提督(俺は絶対に如月を沈めはしないし、解体だってするものか!!)




提督(作戦の為でもない!!!)

提督(大義の為ですらない!!)




提督( 自 分 の 欲 の 為 だ け に )



提督( 艦 娘 を 殺 す 奴 な ん て な ぁ ッ ! ! ! ! )




提督(そんな事あっちゃいけねぇ!!!)




提督(許されちゃいけねえんだよ!!!!)




提督(何が笑いながら轟沈報告だ!!!!)

提督(俺は…どうしようもないクズだけどなあ!!!そこまで堕ちたくはねぇ!!!!)

提督(なのにあいつらは、あいつらはぁ………ッ!!!!!)









「待て!!!」









提督「!!」ビクッ

提督「…やっぱりテメェが出てくるのかよ」





提督「この、クソ教官が!!!!」





284 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/05/29 23:18:54.61 y4Y5BTU+0 239/731



教官「どこに行く気だ」

提督(というか何でちょっと内股なんだコイツキメェ)

提督「俺の泊地に帰る。あんな命令聞けるわけが無いだろ」

提督「とっとと帰って、俺はあいつに励ましの言葉の一つや二つはかけてやらないといけない」

教官「そうか、泊地に帰るのか、泊地に…」


教官「…行けよ」


提督「…は?」

教官「帰りたいんだろう?だったら帰れよ」

提督「…何言ってんだ。アンタ昨日は横須賀から出さないって」










教官「…今さら帰った所で」













教官「 も う 手 遅 れ だ か ら な 」













285 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/05/29 23:20:49.07 y4Y5BTU+0 240/731



提督「えっ………」

教官「今から行ったってもう間に合わない」

提督「お前…!!」



提督「何をした!?」


提督「俺の泊地に何をした!?」


教官「俺は何もしてないさ、ただ…」





教官「大衆が」






教官「お前らを」












教官「邪魔者だと認識しただけさ」













286 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/05/29 23:21:25.21 y4Y5BTU+0 241/731



・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・

・・・・




287 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/05/29 23:22:38.23 y4Y5BTU+0 242/731


-パラオ泊地前-


「かの英雄、坂本竜馬はこう語った」

「『日本を今一度、洗濯致し候』、と」

「彼は、汚れた日本を洗濯し、誇りある、輝かしい日本を取り戻そうと戦った」


288 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/05/29 23:23:41.77 y4Y5BTU+0 243/731



「我々日本人は、彼の遺志を引き継ぎ、今一度、日本を『洗濯』するべき時に直面したのだ」

「即ち」

「大日本帝国の遺物、第二次世界大戦の遺物、艦娘の排除」

「化けの皮が剥がれた戦前の汚物、艦娘を排除したその時より」

「戦前の罪を悔い、償い、未来に生きる事を決めたその時より」

「日本は真の先進国として進み始めるであろう!!」


289 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/05/29 23:27:04.54 y4Y5BTU+0 244/731



「先日のテレビ放送によって、艦娘の実態が世間に晒された」

「奴らに深海棲艦からの防衛、そして制海権の奪取という使命は一切無い!!」

「大日本帝国の領土だったからという理由で、防衛と言う名の実質的な支配と文化侵略!!!」

「あまりにも無様な!!!!!その戦い!!!!!!」

「敗北の運命に逆らう心算も無い癖に、いつまでも国の守護者気取りの詐欺師集団!!!!」

「己の欲望の為だけに国民の血税を使い!!!贅沢三昧!!!!!」

「その裏では侵略者とも手を組み!!!!マッチポンプの戦争ごっこ!!!!!」

「守られ『なければならない』者として!!我々市民は声を上げなければいけない!!!」








「お前達のような存在を、我々市民は決して許さないと!!!!!!!」








290 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/05/29 23:27:54.98 y4Y5BTU+0 245/731



「我等は『盾』!!艦娘のようなまがい物ではない!!真の市民の『盾』!!!」

「我等の使命は忌まわしき艦娘を排除し!!」

「市民の!市民による!市民の為の!!」

「本当の平和と自由を得る事!!!」

「我々市民は、艦娘の存在を、絶対に許さない!!!!!」


291 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/05/29 23:28:53.03 y4Y5BTU+0 246/731

























「シュプレヒコオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオル!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
























292 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/05/29 23:30:12.28 y4Y5BTU+0 247/731



「我々市民は、もう我慢の、限界だ!!」


「限界だ!!」


「先日の、テレビ放送こそ、奴等の狂った、本性だ!!!」


「本性だ!!」


「この世界に、艦娘は、要らない!!」


「要らない!!」


「英雄の皮を、被ろうとする、詐欺師どもを、許すな!!」


「許すな!!」


「敗戦国は、大人しく、してろ!!」


「大人しく、してろ!!」


「化物は、海に還れ!!」


「海に還れ!!」


「深海棲艦と、共謀し、世界を脅かす、艦娘を、許すな!!」


「許すな!!」


「深海棲艦の、スパイを、排除しろ!!」




「排除しろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」




296 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/06/09 20:13:40.32 riT3ZwpF0 248/731



摩耶「ちっ!!」ザァアアアアアアア

時雨「友提督駄目だ!」

時雨「船まで出てる!あれじゃあ埠頭に近付けない!!」

友提督「船!?そこまでするか普通!?」

衣笠「どうするの!?」

友提督「…全員一旦待機。船に絶対近付くなよ」

時雨「でもそれじゃあ!!」

衣笠「憲兵隊への連絡は!?」

友提督「わかっているもうしている!!」

摩耶「にしては遅すぎだろ!?あいつら今にも泊地に突っ込みかねねぇぞ!?」

友提督「でも一般人に手出しできないのは知ってるだろ!?」

摩耶「だからってこのまま待ってたら高雄も愛宕も鳥海も!!!」

友提督「わかってるっつってんだろ!!!」

友提督「でも…俺達じゃどうする事もできねぇんだ…!!」

摩耶「パラオの英雄でもか?」

友提督「……………あぁ」

摩耶「畜生が!!」

時雨「…何でこんな事になったんだろう」

友提督「あの番組だろ」

友提督「…あのザマが知られたら、こうしたくなる気持ちはわかる」

摩耶「怒るってか?詐欺だってか?血税返せってか?」

摩耶「…あたしにはそうは見えねぇよ!!」

摩耶「通信通してる友提督にはわからねぇだろうけどさ、あたし達にははっきり見えてるんだよ、あいつらの掲げた横断幕…」


オイゲン「…本当に怒ってるんですか?」


297 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/06/09 20:16:59.30 riT3ZwpF0 249/731



時雨「!!」

摩耶「新入り…?」

オイゲン「Admiralさん」

オイゲン「あの人たちは本当に怒ってるんですか?」

友提督「………」



オイゲン「私だって」

オイゲン「私だって、艦娘になる事を反対された事もあります」

オイゲン「ナチスの軍艦になんてなるもんじゃない、って」

オイゲン「ナチスが、どういうものなのか…私だって学校で勉強してきました!!」

オイゲン「ナチスが世界大戦で何をしてきたか、知らないわけじゃありません!!」

オイゲン「でも!守る力があるってわかったから!」

オイゲン「例えそういう歴史があるとしても!守る力があるってわかったから!!」

オイゲン「そういう反対を押し切って、こうやって日本に来て、艦娘になったんです!!」



オイゲン「でも、でもあの人達は…ドイツの人達と何かが違う…!!」



友提督「………」

オイゲン「これが…」グッ


オイゲン「これが、日本なんですか?Admiralさん?」


友提督「…違う…」

友提督「違うんだオイゲン…」


オイゲン「そう言われたって…」

オイゲン「わからないんですよ、Admiralさん…!!!」


298 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/06/09 20:18:01.04 riT3ZwpF0 250/731



オイゲン「あの人達が掲げている横断幕…」





オイゲン「 『 轟 沈 お 祝 い 申 し 上 げ ま す 』 って何ですか!?」





299 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/06/09 20:19:44.09 riT3ZwpF0 251/731



オイゲン「あの人達は、誰かが亡くなる事を悲しんでいないんですか!?」


オイゲン「あの人達は、これからの日本を想ってああいう事してるんですか!?」


オイゲン「あの人達は、何で同じ日本人にあんな汚い言葉を投げかけられるんですか!?」


オイゲン「あの人達は…!!」




オイゲン「あの人達は一体、何なんですかぁ!!!!」




友提督「………」

摩耶「…なぁ」

摩耶「本当に、突っ込んじゃ駄目なのか?」ギリッ

友提督「…駄目だ」

友提督「もし間違ってあいつらに傷一つ付けてみろ。あいつらの掲げてる理想がそのまんま現実になるぞ」


摩耶「その為にあたし達が…泊地のあいつらが殺されちゃ意味ねぇだろうが…!!」

友提督「…頼む。これは命令だ」

友提督「動くな」

友提督「機会を見計らえ」

摩耶「………クソッタレが」

時雨「!!!」ハッ

時雨「まずい!!あいつ、石を!!!」

摩耶「!!!」


300 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/06/09 20:31:23.39 riT3ZwpF0 252/731



扶桑「きゃあっ」ガシャァアン!!!

伊勢「い、石!?扶桑大丈夫!?」

扶桑「えぇ、何とか…でも窓、割れちゃったわね」

伊勢「今窓はいいでしょ窓は!!」

伊勢「というか…これもしかしなくても囲まれてるよね!?」

金剛「Fuck!!何が『Seald』ネ!!」

金剛「囲んで石投げるとか、やってる事は『KuKluxKlan』とどう違うのヨ!!!」

陸奥「デモというか、これはもう暴動ね」

伊勢「ちょっと、これまずいんじゃないの…!?」

伊勢「確かうちって元ホテルなんだったよね…?」

陸奥「えぇ…深海棲艦の影響で商売あがったりになったホテルを軍が買収して改装したの」

陸奥「だから、ちゃんとした軍事施設に比べたら頑丈じゃないかも」

扶桑「広い敷地取ってる鎮守府ならまだ話は違うのだけれど…うちは泊地だから」

伊勢「泊地なんて言うけどさ、ホテルとその周りくらいしか土地無いのに」

伊勢(百何メートルもある軍艦が何隻も滞在出きる泊地と)

伊勢(人型で人並みの大きさの艦娘が滞在する泊地じゃあ、必要になる土地の広さもダンチって事ね!)

伊勢(だから、こうなる!!)

陸奥「えぇ。だから門乗り越えられて乗り込まれでもしたらあっという間に滅茶苦茶よ」

扶桑「私達艦娘は一般人に手出しできないから…そうなったら大変ね」

伊勢「じゃあどうすればいい!?」

伊勢「石まで投げられてこのままじゃやばいでしょ!?」

金剛「Barricade作って入り口に置くヨ!!気休めにはなる!!」

陸奥「そうね。正規空母の子にも手伝ってくれるよう呼びかけてみるわ」


301 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/06/09 20:33:34.27 riT3ZwpF0 253/731



叢雲「磯波!窓から離れなさい!!あいつら何投げてくるかわかんないわよ!!」

磯波「う、うん!!」

夕雲「荒潮ちゃん、私、暁ちゃんの所に行ってくるわ」

荒潮「わかったわ。気を付けてね」

初雪「もう嫌だ…何なのこんな、事ばっか…」

「…夕立ちゃん」

夕立(…スパイ?スパイだって…!?)

夕立(つまり…)

夕立(テレビで沈んだ如月ちゃんが、深海棲艦のスパイだって言ってんだろ!?)

夕立「あの野朗ッ!!!」グァッ

叢雲「ちょっ夕立!!やめなさいって!!危ない!!!」ガシッ

夕立「離して!!あいつらあのまま調子に乗らせておくわけにはいかない!!」

叢雲「だからって私達にはどうしようもないでしょうが!!」

叢雲「万が一傷一つでも付けてみなさい…アイツ…提督が責任取らされるのよ!?」

夕立「じゃあどうしろって言うの!?」

荒潮「向こうが飽きるまで待つしかない、かしら」

夕立「どれくらい!?」

荒潮「えーっと………」

夕立「わからないくらいずっと待ってろって!?」

夕立「あんな事言われて!?」

夕立「夕立達だって、如月ちゃんだって、提督さんだって!!!」

夕立「今までずっと頑張ってきたってのに!!!」

夕立「何であんな事言われなきゃいけないの!?!?」

叢雲「わかってるわよッ!!!」

叢雲「私だって正直イラついてるわよ!!」

叢雲「でもねぇ!!でもこんなんどうしたら良いのよッ!?!?」

荒潮(…この感じだと)

荒潮(夕雲ちゃん、暁ちゃんを止められるのかしら?)


302 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/06/09 20:45:20.61 riT3ZwpF0 254/731



「………」ガタガタ

「…私の、せい、だ」

(私が)


こういう時は、あれよ!街に出て、ばーっと遊んじゃうの!!


(私があんな事言わなきゃ)


…そういえば!ここから近くの日本街も大きくなってきてるから、回ってみるときっと楽しいわよ!


(こんな事にならなかったのに!!)

(如月ちゃんがあんな目に遭わなかったのに!!)

(こんな所まで!!こんな事に!!ならなかったのに!!)


「私のせいだ、私のせいだ…!!」ガタガタガタガタ


「全部、私の…」ブルブル


「だから」


「私が」ヨロッ


「私が」


「責任を」


「取らなきゃ」


「帰って、貰わなきゃ」フラフラ


「如月ちゃんを、泊地を、守らな、きゃ」ガチャ


バタン


303 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/06/09 20:46:38.85 riT3ZwpF0 255/731



・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・

・・・・




304 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/06/09 20:52:24.36 riT3ZwpF0 256/731


-横須賀・大本営-


提督「…デモ!?艦娘反対デモだって!?」

教官「ククククク!!!!あぁそうさ!!!!」

教官「お前達は自分が受け入れられているとでも勘違いしていたのか!?」



教官「馬鹿だな!!」



教官「お前達の事なんて死ぬほど嫌いに決まっているだろうが!!」

教官「この俺のようになぁ!!!」



教官「そんな中であの放送が流れてどう思うか…」

教官「その答えが、これだ!!」

教官「今まで封殺され続けた世論がついにぶちまけられたのさ!!!」

教官「これぞ民主主義の力!!」

教官「これこそが世論!!!!」

教官「世界は!!」

教官「誰もお前達の事なんて必要としていないィッ!!!!」

提督「だとしても、何でこのタイミングで…」

教官「ケケケケケ…知りたいか?知りたいかぁ!?なら教えてやるよ!!!」



教官「この一連の騒動は」


教官「俺達によって」


教官「何もかも」






教官「 仕 組 ま れ た も の な ん だ か ら な あ あ あ あ あ あ あ あ ! ! ! ! ! 」







305 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/06/09 20:53:59.26 riT3ZwpF0 257/731



提督「!!」ゾッ

提督「何も、かもって…!?」




教官「あぁ!!そうだ!!!」



教官「 何 も か も だ ! ! ! 」



教官「あの番組の話から!!!」


教官「如月型艦娘の轟沈から!!!」


教官「貴様がここに居ることまで!!!」


教官「何もかもが!!!」


教官「俺達の」


教官「掌の上での出来事だって言ってるんだよおおおおおおおッ!!!!!!」




教官「そして今この時こそ俺達がいつしか夢見た瞬間なのだッ!!!!」

提督「え…え…あ…!?」

提督「番組…!?如月…!?」

提督「俺達、って………!?」

教官「まだわからんのか!?馬鹿が!!」

教官「俺達のような、艦娘とかいう化け物に役目を追われた自衛隊と」


306 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/06/09 20:54:46.58 riT3ZwpF0 258/731





教官「あの番組を放送した空条テレビの社長だよォッ!!!!」




310 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/06/12 19:00:17.77 jDFFFHpS0 259/731



・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・

・・・・




311 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/06/12 19:01:36.73 jDFFFHpS0 260/731



如月「赤城さん…」

赤城「………」ギュッ


ブーッ、ブーッ…


赤城「!?」ビクゥッ

如月「私の、携帯…?」

赤城「け、携帯?」(しかもガラケー?)

如月「電話が………」スッ

赤城「待って!!」

如月「」ビクッ

赤城「出なくていい」

赤城「このまま放っておいて」


ブーッ、ブーッ、ブーッ、ブーッ、ブーッ、ブーッ…


赤城「………」

如月「………」


……………


ピコンッ


如月「…えっ?」

如月「SMS?」スッ

『次に出なければ』




『君達の提督を殺す』




312 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/06/12 19:05:02.43 jDFFFHpS0 261/731



如月「!?」

赤城「!?」



ブーッ、ブーッ…



赤城「………」

如月「………」

赤城「いい。私が出る」ピッ

赤城「…もしもし」



「…ん?この電話は如月さんのものだったはずじゃ?」



赤城「如月は…今電話に出られません」

赤城「用件があるのなら、私が伝えます」

「それは困りますね。どうしても直接伝えなければいけませんので」

「どうせ近くにいるのでしょう?代わってください」

「代わらないと…どうなると思いますか?」

赤城「………」

赤城「………」

赤城「…なら、スピーカーにしてもよろしいでしょうか?」

「どうして?」

赤城「今外に居る連中、貴方の指示ですよね」

「ほう、どうしてそう思いますか?」

赤城「その反応。外に居る連中としか伝えていないのにその言葉」

赤城「もし無関係ならば、『外の連中とは何の事ですか?』と聞くべきではありませんか?」

「貴方は知らないかもしれませんが、このデモは今ニュースになっているのですよ?」

赤城「…そうですか。なら、尚更です」

赤城「『うちの泊地の』如月に用事があるなんて言うのなら」

赤城「うちの泊地がどこにあるか、今どういう状況か、よく知っているのなら」

赤城「普通こんなタイミングで電話なんてかけてきませんよね」

「………」

赤城「沈黙は肯定と受け取りますよ」

「…いいでしょう。あまり長話もしたくないですし、もういっそ自己紹介といきましょうか」

「私は社長…」



「空条テレビの社長です」



313 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/06/12 19:07:18.30 jDFFFHpS0 262/731



赤城「空条………」

赤城(…あの番組を流した所か)チラッ

赤城(…確かに、空条テレビの車らしいものがデモ隊の後ろにいる…)

赤城「私はこの泊地の第三秘書艦、赤城です」

赤城「現状、緊急事態発生時の対応は私に一任されています」

赤城「なのでこの泊地に関わる事を、如月一人の判断で行わせるわけにはいきません」

「………なるほど」

赤城「提督を殺すと言い出した時点で、もはや彼女と貴方だけの問題じゃなくなりました」

赤城「泊地と、艦娘とやりあうつもりならかまいませんが…」

「わかりましたわかりましたよ。スピーカーでいいでしょう」

赤城「…」ピッ

如月「………如月です」

「こんにちは、如月さん」

「…電話に出られないなんて嘘付いちゃいけませんねぇ」

赤城「で、何が目的なんですか。早く本題に入ってください」

「気分がいいので貴方にも教えてあげましょうか?」

「私はね、そこのお嬢さんに消えてほしいのですよ」

赤城「艦娘に、ではなく?外の連中みたいに」

「ええ。私は、貴方達がどうなろうが知ったことではありません」

「ですが、そこのお嬢さんは邪魔にしかならないのですよ」

赤城「何故?」

「そこのお嬢さんが背負う艤装を作った会社…キサラギ社」

「それが本当に目障りで、目障りで、目障りでしょうがないんですよ」


314 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/06/12 19:08:04.31 jDFFFHpS0 263/731





「そうだ!!貴様等は本当に目障りでしかなかった!!」




315 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/06/12 19:09:31.03 jDFFFHpS0 264/731



教官「貴様らのせいで、俺達の誇りは踏み躙られたんだ!!」

教官「名前を変えられ、俺達のような元自衛隊は一線を退かれ!!」

教官「代わりに成り代わったのは!!!」




教官「コスプレをした化け物女どもと!!!」




教官「セッ○スする事しか頭に無い猿餓鬼どもだ!!!!」




教官「俺達の誇りはテメェらにことごとくブッ潰されたんだ!!」

教官「既存の兵器が効かない!?深海棲艦への唯一の対抗手段!?」



教官「俺にはなぁ!!こんなもんただのクールジャパン!!オタク文化の一環にしかみえねぇよ!!!!」



教官「コスプレしてチヤホヤされたいだけのクソ女と!!!」

教官「それにホイホイ吊られる下半身直結野朗!!!!!!」

教官「終いにはヤりたい盛りの『ヤリたいだけのクソガキ』が『年齢査証してまで』入り込む!!」

教官「ハハハハハハハハハハハ!!!!なんだそりゃ!?学徒動員か!?!?!?」




教官「ふざけんじゃねぇッ!!!!!!!!」




教官「何が国の為だ!!何が守る為だ!!!どうせどいつもこいつもヤリたいだけだろうが!!!!」

教官「俺達が築いた自衛の精神も!!秩序も!!何もかもをテメェ等が台無しにしたんだ!!!」



教官「だから俺は!!俺達は!!!」



教官「どんな手を使ってでもお前達を陥れてやると決めたんだ…!!!」

教官「そして再び俺達がこの国を守り、ヒーローに返り咲いてやる!!!!」



316 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/06/12 19:12:33.90 jDFFFHpS0 265/731



提督「その陥れる手段ってのが…あの番組か!!!」


教官「そうだ!!!」


教官「メディアの力には何人たりとも勝つ事はできない!!」

教官「どんな有力な政治家も!!」

教官「どんなに愛されている芸能人も!!」

教官「スキャンダル一つで命まで取られる!!」

教官「それがメディアの力だ!!」


教官「お前達を陥れるには最良の手段だろう!?」

教官「そして現実問題!!あの番組を見て、デモが勃発した!!!!」


教官「市民は目を覚ましたのだ!!」

教官「お前等は不要だとな!!!!」


提督「………」グッ

教官「お前等が全部悪いんだ」

教官「本当ならもっと早くに、俺達がお前等を全て滅ぼすはずだった」

教官「その為に何でもやった」

教官「俺達は元自衛隊という立場を利用し、教官の座に就き、わざとイメージダウンを狙わせた」



教官「違法解体!!」



教官「捨て艦!!」



教官「そしてアイアンボトムサウンド!!!」



教官「半年と少しで全て終わらせるはずだったんだ!!」



317 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/06/12 19:15:48.30 jDFFFHpS0 266/731



教官「だが!!!」

教官「お前らは英雄として取り上げられ、ゴキブリのように今も生き長らえている!!」


教官「だから俺達は最終手段に出た!!」

提督「それが、あのテレビか」


教官「苦労したぜ…だが、いると思ってたんだよ…!!」

教官「あらゆる社会に必ず存在する極少数のサイコパスのように…」


教官「万以上に膨れ上がったお前ら特務提督とその配下の艦娘…」


教官「それだけいれば…どれだけ容姿が似ていても絶対一人や二人、規格外の奴等…狂人が出てくる」


教官「そして俺達は見つけたのだ!!!」

教官「どうしようもないクズばかりが集まる、おあつらえ向けの鎮守府をなぁ!!!!」


教官「艦娘の適正率が標準より大きく下回るクズ、飯を食う事しか考えてないクズにプライドだけのクズ!」

教官「自分本位なクズ反抗的なクズブリッコする事しか能の無いクズ色ボケのクズ!!」


教官「そして!!!」


教官「全ての責任を投げ出して押し付けて、逃げ出すクズ!!!」



教官「そいつ独占取材という名の下に、汚点を世間に曝け出す!!」


教官「それが全ての鎮守府の基準であるかのように!!!!」


教官「全ての鎮守府の基準にする為にまた努力した!!!!」


教官「そしてついに、俺達の努力は実を結んだ…!!」


教官「今日は俺の人生で最高の日だ…!!!」



教官「今日が貴様ら!!!」




教官「艦娘と提督の!!弔いの日なのだからなぁあああああ!!!」





318 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/06/12 19:17:07.73 jDFFFHpS0 267/731



提督「………それだけか?」

教官「あ?」

提督「俺には、まだ納得できねぇ」

提督「だったら」

提督「何で如月だったんだ」

提督「何で俺の泊地でこんな事が起こる」


提督「アンタのあの命令は一体何だ!?」

提督「俺を足止めして何がしたい!?!?」


教官「ハーハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!!知らないか!!知らないかぁ!!!!!!!」

教官「だったら教えてやる…!」





教官「 お 前 の 如 月 の 正 体 を … ! ! ! 」





提督「如月の正体…!?」

教官「そうだ!!お前の如月の正体は………!!!」


319 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/06/12 19:17:50.26 jDFFFHpS0 268/731




「そう、そこに居る如月型艦娘のお嬢さんこそ」

「忌々しいキサラギ社のご令嬢なのですから」



320 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/06/12 19:18:48.63 jDFFFHpS0 269/731



赤城「!?」

赤城「如月ちゃんが…キサラギの社長令嬢…!?」


321 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/06/12 19:19:20.96 jDFFFHpS0 270/731



「キサラギってあのキサラギ?」

「えぇ。製薬会社のキサラギ社」

「元々、高速修復剤とか高速建造剤の開発が海軍との繋がりだったんですけど…」

「キサラギ社の若社長きっての希望で、艤装開発に着手したそうですわ」

「そういえば最近、その『若社長の娘さん』も艦娘適正があったらしく、如月型艦娘になったとか」


322 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/06/12 19:22:44.52 jDFFFHpS0 271/731



赤城(まさか…まさかその『若社長の娘』が、うちの如月…!?)

赤城「…如月ちゃん。本当なの?」

如月「…本当です」

如月「私のパパは、キサラギ社の社長」

赤城「………」


「ここまではいいですかぁ?」

赤城「…えぇ、よくわかったわ」

「よろしい、では次だ」


「週刊誌は読まれますか? 今キサラギはバッシングを受けているのですよ」

「艦娘の命を守る艤装の不備、でね」

赤城「…ストッパーの機能を止める、違法プログラム」

「そうです。よく勉強されていますねぇ」



「実はそのプログラム自体は結構前から存在していたのですがね、デメリット部分が発覚したのが最近なんですよ」

「そのプログラムが、睦月型駆逐艦娘の艤装に使われていた事が、『キサラギ内部からの告発で』わかったのですよ」

「勿論」



「『テレビの如月』にもそのプログラムは積まれていた」



「 だ か ら 彼 女 は 沈 ん だ ! ! 」

「死ぬはずじゃなかった彼女は」


「キサラギが!殺した!」

「それなら非難されるのは当然でしょう!?」



赤城「何でそんな事がわかる」

赤城「『あの如月』は、艤装と一緒に海の底に沈んだ!」

赤城「その後に艤装が引き上げられたとも聞いていない!!」


赤城「それに、キサラギが艤装を作った睦月型駆逐艦娘全員にそのプログラムが積まれていたのなら…」

赤城「あの鎮守府にいた睦月型艦娘、弥生型艦娘はどうなるの!?」

赤城「あの子達は、何故沈まなかった…!!」


323 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/06/12 19:26:31.81 jDFFFHpS0 272/731



赤城(いや…そもそも、コイツの言っている事は何かがおかしい!)


赤城(艤装開発会社…キサラギが最初からプログラムを艤装に組み込んで出荷した!?)

赤城(一発の爆弾で簡単に轟沈するような艤装なら、まず耐久テストに通るはずがないでしょ!?)

赤城(ごまかしたり何だりで、百歩譲って通ったとする!)


赤城(でも一撃食らえば終わりなら)

赤城(最初の数回の出撃で間違いなく死ぬ!)


赤城(睦月も、如月も、弥生も、全員生き残れるはずがない!)

赤城(…あのテレビの収録まで生きていられるはずがない!!)

赤城(でもあの番組では睦月も弥生も生き残っている!!)

赤城(如月が一発被弾しただけで沈んだのに、彼女達が生き残れた理由がわからない…!!!)

赤城(指揮官の戦術!?あり得ない!!あんな無茶苦茶な編成をする奴がそんな事ができるはずがない!!)



赤城(それに何だこいつの口ぶりは!?まるで全てを知っているかのような…!!)



赤城(いや……………)



赤城(待って、空条………『テレビ局』………?)



赤城(…まさか)

赤城(…だとすると、可能性として考えられるのは…!!)




赤城「…まさか」

「?」







赤城「仕込んだな?」





324 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/06/12 19:28:10.45 jDFFFHpS0 273/731



「…仕込んだ、というのは?」



赤城「…違法プログラムを如月の艤装に仕込んだのかって事よ!」



赤城「お前達(空条テレビのスタッフ)が!!!!」



赤城「テレビの取材が入る鎮守府の如月に…プログラムを仕込んで…」

赤城「戦場に送り出した!!!!!」

赤城「それが、あの如月が轟沈した理由!?」



「………」



赤城(そうだ!!!)

赤城(もしそうなら全ての辻褄が合う!!!)

赤城(攻撃を防ぐストッパーがあるにも関わらず如月型艦娘が一撃で轟沈した理由も!!!!)

赤城(同型駆逐艦娘の睦月と弥生が生き残った理由も!!!!)




赤城(あの…地獄の始まりが…)

赤城(最初から…)

赤城(最初から…!!!!)




赤城( 如 月 を 殺 す つ も り で 番 組 を 放 送 し よ う と し て い た の な ら ば ! ! ! )




赤城( 最 初 か ら そ の つ も り で 計 画 を 練 っ て い た の な ら ば ! ! ! )




赤城「答えろォ!!!!!!!!!!!!!!」



「…フフフッ」



325 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/06/12 19:29:04.81 jDFFFHpS0 274/731



「ふははっ!!」

「はははははははははははははははははははははははははははははは!!!!」
「はははははははははははははははははははははははははははははは!!!!」
「はははははははははははははははははははははははははははははは!!!!」
「はははははははははははははははははははははははははははははは!!!!」
「はははははははははははははははははははははははははははははは!!!!」
「はははははははははははははははははははははははははははははは!!!!」

「あははははははははははははははははははははははははははははは!!!!」
「はははははははははははははははははははははははははははははは!!!!」
「はははははははははははははははははははははははははははははは!!!!」
「はははははははははははははははははははははははははははははは!!!!」
「はははははははははははははははははははははははははははははは!!!!」
「はははははははははははははははははははははははははははははは!!!!」
「はははははははははははははははははははははははははははははは!!!!」
「はははははははははははははははははははははははははははははは!!!!」
「はははははははははははははははははははははははははははははは!!!!」
「はははははははははははははははははははははははははははははは!!!!」
「はははははははははははははははははははははははははははははは!!!!」
「はははははははははははははははははははははははははははははは!!!!」
「はははははははははははははははははははははははははははははは!!!!」

「あひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃっひゃっ!!!!!」
「ひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃっひゃっひゃっ!!!!!」
「ひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃっひゃっひゃっ!!!!!」
「ひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃっひゃっひゃっ!!!!!」
「ひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃっひゃっひゃっ!!!!!」
「ひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃっひゃっひゃっ!!!!!」
「ひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃっひゃっひゃっ!!!!!」
「ひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃっひゃっひゃっ!!!!!」
「ひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃっひゃっひゃっ!!!!!」
「ひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃっひゃっひゃっ!!!!!」
「ひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃっひゃっひゃっ!!!!!」
「ひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃっひゃっひゃっ!!!!!」
「ひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃっひゃっひゃっ!!!!!」
「ひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃっひゃっひゃっ!!!!!」
「ひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃっひゃっひゃっ!!!!!」
「ひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃっひゃっひゃっ!!!!!」
「ひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃっひゃっひゃっ!!!!!」
「ひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃっひゃっひゃっ!!!!!」
「ひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃっひゃっひゃっ!!!!!」
「ひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃっひゃっひゃっ!!!!!」
「ひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃっひゃっひゃっ!!!!!」
「ひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃっひゃっひゃっ!!!!!」
「ひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃっひゃっひゃっ!!!!!」
「ひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃっひゃっひゃっ!!!!!」
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「ひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃっひゃっひゃっ!!!!!」
「ひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃっひゃっひゃっ!!!!!」
「ひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃっひゃっひゃっ!!!!!」
「ひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃっひゃっひゃっ!!!!!」
「ひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃっひゃっひゃっ!!!!!」
「ひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃっひゃっひゃっっはぁ!!!!!」


326 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/06/12 19:29:38.62 jDFFFHpS0 275/731







「だぁぁああああああああああああい!!!!!!」






「正ぇぇぇぇぇえええええええええぇい!!!!!」






「解ぃいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!」






327 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/06/12 19:30:55.65 jDFFFHpS0 276/731



「番組の関係者であれば、鎮守府に入り込むのは簡単だからねぇぇぇぇ!!!!」

赤城「!!」



「何…直接殺したのは」

「艦隊指揮を間違えたあの提督と、あの旗艦。そして深海棲艦だ」

「悪いのは、僕じゃない」



「僕は、『ただほんのちょっぴり』後押ししただけ」



「 な ぁ ん に も 悪 く な ぁ い 」



赤城(この…!!)



赤城(こ の 野 郎 ! !)



赤城「違う!!!!!!」

赤城「お前は!!!!!!」

赤城「お前が殺したんだ!!自分の都合の為に!!!」

赤城「邪魔な会社を、キサラギを叩き潰す為だけに!子供の命をぉ!!!!!」



「違う。指揮を間違えなければ一撃も貰う事は無かった」

「事前に艤装を点検していれば轟沈する事は無かった」

「全てはあちらの責任だ」



赤城「それもどうだか!」

赤城「なら何故如月にカメラを合わせた!!」

赤城「何故部隊から孤立した如月にカメラを合わせられた!?」

赤城「何故あの局面で如月が孤立した!?」

赤城「静止した如月を置いて他の艦娘はどこに行った!?」


赤城「何故あの場に深海棲艦の艦載機が一機だけ残った!?」


「?」


328 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/06/12 19:36:42.40 jDFFFHpS0 277/731



赤城「深海棲艦も私達艦娘も、空母から発艦する艦載機は本体の遠隔操作で動かしている!!」

赤城「本体が死ねば、動かしている艦載機は二度と動かない!!」

赤城「つまり…」


赤城「あの艦載機が本当に深海棲艦のものならば」

赤城「戦闘が終了したあの場所に別の艦隊が攻撃を仕掛けたことになる!!」


赤城「だけど、奴等は一度自分達の『持ち場』を決めたら、他の『持ち場』に干渉することはない!!」

赤城「あれは…如月を轟沈させたあれは!!」






赤城「 本 当 に 深 海 棲 艦 の 艦 載 機 か ! ? 」






赤城「 答 え ろ ぉ ! ! ! ! ! ! ! 」



329 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/06/12 19:38:22.18 jDFFFHpS0 278/731




「そんな事はどうでもいいですね」



赤城「はぁ!?」

「重要なのは、如月型艦娘が沈んだという事実です」

「これほどまでに世間で注目されていた番組内で、何の戦果も挙げられずに死んでいった如月型艦娘」

「これを見た人達は一体何を感じたのでしょうかねぇ」



赤城「何を感じただと!?ふざけるなッ!!!!」

赤城「全部お前達で仕組んでやっておいてほざくなッ!!!!」

赤城「その結果が外の連中だって言うのか!?」

赤城「その結果が如月狩りだって言うのか!?」

赤城「全部お前の思い通りに行くと思ってるのか!?」

赤城「神にでもなったつもりか!?」



「そうだ」
















「   僕    は    神    だ    」















330 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/06/12 19:40:54.52 jDFFFHpS0 279/731



赤城「………はぁッ!?」

「そうだ。僕は神なんだ。特別な存在なんだ」

「誰も逆らえるはずが無い!!」

「そうだった…実際にそうだった!!僕はずっと頂点だった!!!」

「小学校中学校…ずっとずっと頂点だったんだ!!!」

「金持ちの家に生まれ、能力も容姿も優れた僕はスクールカーストの頂点に立っていた…!!」



「なのにあいつは…如月は…!!僕を否定したんだ…!!」



「如月…!!」



「如月ィ…!!」



「 如 月 ィ ィ ! ! ! ! 」



「如月…如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月」
「如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月」
「如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月」
「如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月」
「如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月」
「如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月」
「如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月」
「如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月」
「如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月」
「如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月」
「如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月」
「如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月」
「如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月」
「如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月」
「如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月」
「如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月」
「如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月」
「如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月」
「如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月」
「如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月」
「如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月」
「如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月」
「如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月」
「如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月」
「如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月」
「如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月」
「如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月如月ィィィィィィィィィィィィィィィィィッッッッ!!!!!」



331 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/06/12 19:42:16.33 jDFFFHpS0 280/731



「あァアアアアアァアアあああぁああああアアァアアアア!!!!!」


「あいつの名前を聞くだけで!!!」


「あいつの名前を見るだけで!!!」


「殺したくなる!!!!」


「思い知らせたくなる!!!!」


「この僕の力を!!!!!」


「あいつがいなければ…!!!!」


「あんな奴がいなければ!!!!」




「僕は!!!!あんな目に遭わずにいたものを!!!!!!!」




「あいつのせいだ!!如月のせいだ!!!!!」


「だから!!!!!!!!思い知らせてやった!!!!!!!!!」


「あいつの目の前で!!!!!」


「あいつの名前の入ったクソッタレを!!!!!!」


「あいつのご自慢の製品を!!!!!!!!」


「ブッ潰してやった!!!ブッ殺してやった!!!!!」


「その結果がこれだ!!!!!」


「皆が僕の望んだ通りになった!!!!」


「そして皆の望む通りになった!!!!」


332 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/06/12 19:44:34.20 jDFFFHpS0 281/731



赤城「何が皆の望みだ!!そんなイカれた欲求持ってるのはお前だけだろ!!」


「世の中の事何もわかっていないなお前は!!!」

「人間は誰もが他人を否定したがる生き物だ!!!」

「相手の容姿を否定し、行動を否定し、思想を否定し、団体を否定し、生活を否定し、環境を否定し」

「生きる事すら否定する!!否定をしなければ満たされない!!!」

「否定しなければ己の存在理由すらわからない!!それが人間だ!!!」

「ドラマや小説、アニメや漫画…何で人が死ぬか、考えた事があるか?」




「 皆  人 が 死 ぬ の が 見 た い か ら だ よ ! ! ! 」




「自分が傷付かない所で誰かが傷付いているのを見るのが好きなんだ!!」

「自分が傷付かない所で誰かを上から哀れんで優越感に浸るのが好きなんだ!!」

「自分が傷付かない所で誰かが死ぬところを見るのが好きなんだ!!」

「自分が傷付かない所で誰かを殺す体験をするのが好きなんだ!!!」


「それを疑似体験するために、物語の中で人は死ぬ!!!」

「そうさ誰もが!!!本当は!!本当に!!!」




「 人 を 殺 し た い と 思 っ て い る ん だ ! ! ! 」




「だから、こうやってちょっと合法っぽく演出してやれば」

「人は、簡単に人を殺す…!!!」

「例え合法でなくとも、僕らが動けば簡単に人は信用する」



「 馬 鹿 だ よ ね え え え え え え え ! ? ! ? ! ? 」

「いつもはあれだけ馬鹿にしてるテレビを!メディアを!」

「自分の都合の良い時には簡単に信用して、こっちの思う通りに動いてくれる!!!」



「市民の如月狩り!提督ども主導の如月型の捨て艦!!」

「何もかもが思い通りだ!!!!僕の思い通りだ!!!!!」

「そして如月型艦娘が死ねば死ぬほど、奴の会社の評価は下がっていく!!」

「何もかもが!!!僕の望み通りだ!!!!」

「皆が僕の望みどおりに動いていく!!!!」

「今!!皆の心は一つになった!!!!!!」




「『如月を殺せ』となあああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!」




333 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/06/12 19:45:51.74 jDFFFHpS0 282/731



「世論を操り!!人の心を操る!!!この世は、マスメディアこそが神だ!!!!!」

「どうだ!!これが神だ!!!これが神の力だ!!!!!!!」


「あぁ~たまらない!最高だ!笑いが止まらない!!」

「愉快!!愉悦!!!!愉・悦!!!!愉・悦!!!!!」




「 圧 ! ! ! 」



「 倒 ! ! ! 」



「 的 ! ! ! ! 」



「 愉 ! ! ! ! ! 」



「 悦 ! ! ! ! ! ! 」




334 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/06/12 19:48:26.55 jDFFFHpS0 283/731



如月「……………」

赤城(この…ッ!!この野朗ォ…ッ!!!!)

「………ふぅ」

「でもね、そこのお嬢さんには他にやって頂きたい事があるんだ」

赤城「まだ何かあるのかよ」

「…ようやく本題に入れますねぇ如月さん」

「如月さん、君には他の奴みたいに沈んでほしくはないんだ」

「君には、艦娘を辞めて貰いたい」

赤城「……………は?」

「ここが大事なんだよ…死ぬのではなく、辞める事が」

「この携帯から連絡を付ければすぐにでも辞められるんだろぉ?」

「君のお父さんの…キサラギの力で」

赤城「え?」

如月「………」


「如月家の人間はこういう人間なんだよ」

「他人なんて知った事じゃない、自分が助かればそれでいい」

「死んだって文句は言われない、いや、死ぬべき人間の屑だ」

「それを世間に知らしめなければいけない」


「人の心なんて所詮は一時的なもの」

「週刊誌の記事の影響力は低い。普通なら半分も信じて貰えないだろう」

「今の世の中、ネットというものがいくら便利だからと言って…」

「キサラギの汚点が一生ネットに保存され続けてしまうとはいえ…」

「このままではただのブームで終わってしまうかもしれない。もしかしたらいつかは忘れ去られるかもしれない」

「ゴキブリのように、トカゲの尻尾切りのように、小賢しく狡賢く生き残るかもしれない」

「でもそんな中で、そこのお嬢さんが艦娘を辞めて逃げ出したりしたら、どうなるか」

「…もう言わなくてもわかるよね?」

赤城「………疑惑は、確信に変わる」


335 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/06/12 19:50:17.45 jDFFFHpS0 284/731



「そう!敵前逃亡の臆病者!かつ!自分達の罪を認めたことになる!!」

「決して許されない自分達の過ちを認め!あろうことか自分の子供だけは死なせまいと金と権力を使って守る!」


「他の艦娘達は、もう親に会う事なんてできないかも知れないというのに!!」

「他の如月は、そうしている間にも次々と、その命を散らしているというのに!!」



「…それを逃す人々ではないだろう?」


「この状況!この現状!今や如月型艦娘とキサラギ社は深海棲艦を超える世界の敵!いや…サンドバッグ!!」

「どんな批判だろうが否定されることは無い!どんな中傷だろうが賞賛される!!」



「そしてそれらの悪意は!キサラギを!必ずや打ち倒す!!!」



「これぞ人間の底力!!!人間の実力!!!」

「 人 間 の  絶 対 な る 力 ! ! ! ! 」



「そして僕をここまで追い込んだ『如月』への…最大の復讐は一つのピリオドを迎える…!!」



「今!!!ここで!!!!」

「『如月』を!!!」



「 殺 し 尽 く す 事 に よ っ て ! ! ! ! ! 」



336 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/06/12 19:53:40.79 jDFFFHpS0 285/731



赤城「この外道…!!」

赤城「如月ちゃん!切るわ!!こんな奴の言う事なんて聞く必要は無い!!」

「おっと」

「切ったら、君達の提督がどうなるかわかっているのかな?」


赤城「提督には今羽黒と那珂が付いている」

赤城「あの二人はこの泊地で最強…あの二人がいる限り、提督に手出しはできない」

「『阿修羅』と『四水戦旗艦』ですか」

「武勲艦二人相手とは!なぁんて恐ろしいんだ!!」

「でも、一人の人間を殺すのに艦娘を相手にする手間は要らないよね」

「それこそ、ストッパーが機能していない艦娘より簡単に殺せる」




「例えば、帰りの船に爆弾が積まれていたとしたら?」




如月「!?」



「例えば、僕の指示を受けた大和型戦艦艦娘が君達の提督を狙撃したら?」


「例えば、『偶然』深海棲艦の艦載機の大群が襲ってきたら?」


「さっき貴方は外の団体に指示しているのが僕だと言ったね?」





「…なら、この程度の事ができないわけがないだろう?」





「さぁどうする?」


「察知できるかな?」


「防げるかな?」


「即座に対応できるかな?」


「そもそも今、君達の提督にこの事を知る方法があるかなぁ?」


赤城「……………!!」


337 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/06/12 19:54:43.78 jDFFFHpS0 286/731





「ッ…の野朗ォ………!!!」




338 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/06/12 19:58:36.33 jDFFFHpS0 287/731



武蔵「………」

教官「遅かったじゃないか武蔵。何をしていたんだ」

武蔵「貴様が憲兵に連れて行かれて行方がわからなかったからな」

武蔵「しかもその後に勝手に抜け出したと聞かされてみろ」

武蔵「作戦時間外まで貴様にくっついていろとは言われていないのでな、探すのに時間がかかった」

教官「チッ…まぁ、もうテメェの出番は無い」

教官「コイツは一人じゃ何もできないヘタレ野朗だからな」

提督「………」

提督「あの番組の何もかもが…俺達を、艦娘を…如月を陥れる為だっていうのか!!」

教官「そうだ」

教官「俺達としては死ぬのが誰だろうがどうでもいいんだがな」

教官「誰か一人死んでくれればそれでよかった。そうすれば、後は勝手に騒ぐからな」

教官「まぁ、いい気になってたお前達特務提督のアホ面はお笑いだったぜ!!」

教官「そして放送後は、何の疑問も持たずに如月を殺していく!!!」

教官「自分達の無知と無能を曝け出し!!!」

教官「そうすればするほど民衆はお前達に嫌気が差す!!!」



教官「いい事だらけだ…こんなに幸せな事は無い…!!」



339 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/06/12 20:01:01.66 jDFFFHpS0 288/731



提督「今すぐにデモとクソ社長と止めろ!!!!」

教官「無理だね。これが国民の世論の力だからな」

教官「憲兵だって俺達に協力してくれている」

教官「これが世論だ!!お前達は文字通り『世界の敵』になったんだ!!!」

提督「何が世論だ!!!捏造しておいて!!何が…!!!」

教官「それより帰るんじゃないのか?こんな所で遊んでないでとっとと行けよ」

教官「まぁ帰った所でもう手遅れ、だけどなぁ!!!」


教官「もしかしたら」

教官「デモ集団に皆殺しにされてるかも、なぁ?」ニタァ

提督「」


教官「ま、それも自業自得って奴だ」

教官「産まれてきた事から、お前の下に就いた事まで何もかもが自業自得だ」

提督「………」

教官「どうした?俺は言いたい事も言わせて貰った。とっとと帰れ」


提督「…帰らねぇよ」

教官「は?」

提督「俺は、もう帰らねぇ」

教官「…はぁぁぁ?じゃあどうするんだ?」





提督「…す」スッ





提督「殺す」スチャ





提督「ここでお前を殺す」ジャキッ





教官「」





340 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/06/12 20:02:49.97 jDFFFHpS0 289/731



武蔵「!?」

教官「はっ!?…はっ…はぁぁ…!?!?はっ、はぁぁぁぁぁ!?!?」ガクッ

教官「な、何でっ、何でお前、そんなもの」



教官「拳銃なんてどこで手に入れたァ!?!?」



提督「言うかよ」

教官「~~~~~~~!?!?!?!?!?!?!?!?」


教官「お…お前…!!!」

教官「何でそんな事するんだよ…!?」

教官「あの時の事まだ恨んでるのか?」

提督「その事と、今殺すか殺さないは別の話だろ?」ツカツカ


教官「お、おい、近付くな」

提督「お前が動くな。そこから一歩でも動いたら撃つぞ」

武蔵「………」

提督「お前もだ!!少しでも動いたらすぐにブッ放すぞ!!!」

提督「テメェらが何なのか知らねぇけどよ!コイツ死ぬのは流石にマズいんだろ!?」


教官「はっ…ハハハハハハハ!!!」

教官「お前それ…弾入ってねぇぞ!?セーフティ切ってねぇぞ!?」

提督「弾はさっき確認した」ツカツカ

提督「それにリボルバーにセーフティがあるかよ」ツカツカ

教官「……………」


教官「…あー!!!!あー!!!!!」

教官「そうだな!!!考え直したよ!!!!」

教官「もっといい方法もあったよなぁ!!!!!」

教官「俺達が手を取り合って一緒に協力する道もあるはずだよな!!!!」

提督「………」ツカツカ

教官「や、やめろよ…」

教官「馬鹿な真似はやめろよぉ!!!!」

提督「………」ツカツカ


341 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/06/12 20:03:46.66 jDFFFHpS0 290/731




提督「………そうだな」

提督「馬鹿な真似しようとしちゃったな」

教官「!!」



342 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/06/12 20:05:59.02 jDFFFHpS0 291/731



教官「そうだ、今ならまだ
提督「本気でブッ殺すんならな」ガッ



提督「こうやって、口の中に銃口ブチ込んでやらなきゃな!!」ズボォ

教官「ぶんごぁ!?」



提督「殺す時は脳幹に向けてニ発だったか」

提督「もう堪忍袋の尾が切れた」

提督「テメーには万が一でも生きていられちゃぁ腹の虫がおさまらねぇ」



提督「キレーサッパリ脳幹ブチ抜いて殺してやる」



教官「ひゃっ…ひゃめほぉ………!!!」

提督「…嫌かよ」

提督「だったら命乞いでもしてみろよ」

提督「『この惨めな豚にお慈悲をください』ってな」


教官「はっ…そんは…」

提督「じゃあ死ね」

教官「んごの惨めな豚にお慈悲をくだはいぃ!!!」


提督「駄目だ」

教官「はぁあぁあああ!?!?」

提督「テメーらのせいで何の罪も無い女の子が何人も、何十人も、何百人も殺されてるんだ」

提督「テメーの何倍も苦しんで、怖がって、痛がってなぁ」

提督「それをテメー…」

提督「自分の番になったら『許してください』は無いだろォッ!?!?」ガンッ!

教官「ひゃめろぉ!!!やめてくでぇええ!!!!」


343 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/06/12 20:12:35.89 jDFFFHpS0 292/731



武蔵「待て!!!」

提督「待つかよ!!!」

武蔵「貴様、上官を殺したらどうなるかわかっているのか!?」

提督「ハッ!どうなるってんだよ!?銃殺刑か!?」



提督「 構 う も の か よ ォ ! ! 」



提督「こんなどうしようもねぇゴミクズ一人道連れにできるんならよォ!!」

提督「俺の命くらいくれてやらぁ!!!!」



提督「…ンククククク…ヒャハハハハハハハハハハハハハ!!!!!!」

提督「コイツはもう死ぬしかねぇんだよぉぉぉぉぉぉぉッ!!!!!!」

武蔵(こいつ………!!)

提督「どっち道お前はここまでした俺をぶち殺すんだろ!?拳銃持った瞬間から俺も死ぬのは決まってるんだ!!」

提督「俺は死んだってどうでもいい!!!!」



「コイツを!!」


「ブッ殺せれば!!!」


「何も!!かもが!!!」


「滅茶苦茶になったって!!!!!」


「 ど う で も い い ! ! ! ! ! ! ! 」



344 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/06/12 20:16:19.04 jDFFFHpS0 293/731



提督「あいつらの事を散々馬鹿にしてくれたよなぁ!?あぁ!?何が化物だぁッ!?」

提督「化け物はお前達の方だ!!!」

提督「クソみたいな見栄と自己満で人を殺す!!!」




提督「お前達の方が化物だ!!!!」

提督「お前達こそ死ぬべきだ!!!!」




教官「たふけてくで死にたくない死にたくない死にたくない!!!」




提督「だから!!!」

提督「……………ッッッッ!!!!」




提督「 俺 が こ の 場 で 殺 し て や る! ! ! 」







教官「やめろ!!やめて!!!やめでええええええええええええええ!!!!!!!」







提督「死ぃぃぃぃいいぃいいいねええええええええええええええッ!!!!!!!」








345 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/06/12 20:17:18.01 jDFFFHpS0 294/731





 





346 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/06/12 20:17:57.00 jDFFFHpS0 295/731





「死ね!死ね!死ね死ね死ね死ね!!!」




347 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/06/12 20:19:13.14 jDFFFHpS0 296/731



「若いチンポと金目当てのクソ売女の集まりの癖によぉ!!!」

「馬鹿野朗!!!!豚野朗!!!!!死ね!死ね!死ねえええええ!!!!」

「俺等の税金返しやがれこのクソどもがあ!!!死ね!死ね!!死ね!!!」


348 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/06/12 20:22:04.92 jDFFFHpS0 297/731



「随分ヒートアップしてきたじゃないか」

「さて、どうする?」

「このままじゃ君達も、無事じゃ済まない」

「僕の言う事を断ったり、電話を切ったりしたら…」

「提督は不幸な事故で死に、外の連中はこの泊地に突っ込むだろう」

「理性を失ってる連中が、何をするかはわからないが…」


「何で君達は全員そんなに美しいんだろうねぇ?」

「そんなに美しいと、さぞや劣情を喚起させられる事だろうねぇ?」

赤城「…最低!」

「そろそろ口の聞き方に気を付けろよ。大飯喰らいの木偶の棒の分際で」

「今ここで、お前らの泊地の命運を握ってるのは、僕だ」

「僕が一声かければ何とでもなる」

「この泊地に突っ込ませる事も、ここでデモを終わらせる事も、どっちもできる」

「それで、デモを終わらせるには」

「今ここで、如月が艦娘を辞める事を宣言しなければいけない」

「さぁどうする?」

如月「………」



「なぁ、僕は難しい話をしているんじゃないんだが?」

「この一連の騒動の原因が君であり」

「君と、君のお父さんが潰れてくれれば、皆満足するんだ」

「皆が幸せになる道はそれだけなんだ」

「それだけ。とってもシンプルな話だろ?」



「君達が、君達だけが、滅びてくれれば。皆幸せになれるんだ」



如月「………」



「話に乗れ」


「乗れ!」


「乗れ!乗れ!乗れ!」


「 乗 れ ! ! 」



「乗
「うるさああああああああああああああああああああああああああああい!!!!!!」


349 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/06/12 20:25:09.66 jDFFFHpS0 298/731



「!?」

赤城「!?」

「うるさいうるさいうるさいうるさいうるさああああああああああああああああい!!!!!!!!!」

如月「今の声…暁ちゃん…!?」

如月「何をするの!?」ガラッ


「はぁっ…!はぁっ…!はぁっ…!!」

「帰ってよ!!!」

「艦娘がどうとかっ、海軍がどうとかっ!スパイがどうとか文化侵略がどうとかぁ!!!」

「今っ…それどころじゃないのよぉ!!」

「如月ちゃんが…私達の仲間が…大変なのよ!!!」


「如月?」

「そいつはゾンビ(深海棲艦)じゃねぇか。何が仲間だ」

「そうだよ」

「やっぱ艦娘と深海棲艦はグルなんすねぇ」

「そうだそうだ!!そうに違いない!!!」


「違う!!!!!!」

「私達だって人間よ!!!」

「人間が、艦船の魂を受け取って、産まれたのが私達艦娘!!!」

「私達だってあなた達と同じ人間よ!!!」

「傷つくのは怖いし、遊ぶのは楽しいし、勉強は嫌いだし!!」

「辛いと感じるときだってある…!!」

「だからわかってよ!!!」

「今如月ちゃんが…私たちの友達が大変なの!!」

「辛くて辛くて、もうどうにかなっちゃいそうなのよ!!!」

「友達が…大切な人が、辛い思いをしている時のこと…わかるでしょ!?」

「何とかしたいの!助けてあげたいの!!」

「だから邪魔しないでよ!!!」

「あなたたちの話を聞く余裕なんて…こっちにはないんだってばあ!!!」

「毎日毎日、命がけで…!!」


「毎日毎日訓練とっ!海域の見回りと!出撃でっ!!」

「敵と遭えば戦わなきゃいけない!!」

「戦って、死んじゃうかもしれない…!!」

「それこそテレビの如月ちゃんみたいによ!!!」

「まだやりたい事もいっぱいあるのに…いっぱいいっぱい遊びたいのに…」

「好きな人に告白もしてないのにっ…!!」


350 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/06/12 20:26:31.91 jDFFFHpS0 299/731



「艦娘の代わりに日本を守るって言ったわね…!?」

「じゃああなた達はそんな怖さと毎日毎日!!一人で向き合って生きていけるの!?」

「無理なのよっ…!だからっ!だからっ…私は…友達が…仲間が欲しかったの…!!」

「友達を…仲間を…無くしたくなんかない…!!」

「このままっ如月ちゃんがっテレビみたいになっちゃったら…!!」


「そんなの嫌!!」


「だからっ、だからっ…」

「 助 け な き ゃ い け な い ん で し ょ ぉ … ! ! 」ギリッギリッ…


「だから、お願いだから…」

「今日は、帰って…お願いだから…」

「もう、みんな、いっぱいいっぱいだから…!!」

「そんな事言われたって!!私達にはどうしようもないんだから!!!」

「これ以上何か余計な事増やしたりしないでよぉ!!!」


351 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/06/12 20:27:39.10 jDFFFHpS0 300/731



「んだとこのガキィ!!!」

「わけわかんねぇ事言ってんじゃねぇ!!!」

「人気があるからって調子に乗ってんじゃねぇぞ!!!」

「深海棲艦をかばう奴に遠慮はいらねぇ!!」

「殺せ!!殺しちまえ!!!」

「石で撃ち殺しちまえ!!」ブンッ


352 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/06/12 20:34:38.75 jDFFFHpS0 301/731



「づッ!!」ガスッ

ボタボタッ

金剛「暁!!」


「殺れ!!殺っちまえ!!!」

「非国民が!!!死ね!!死ね!!ヒャハハハハハ!!!死ね死ね死ね死ね!!!!」


ガンガンガンガンガンガンガンガン!!!

ガシャンガシャンガシャン!!



明石「うわ!うわわわわわ!!!」



353 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/06/12 20:36:49.66 jDFFFHpS0 302/731



如月「暁ちゃん…!!」


「馬鹿な子だ」

「あんな事を言ったら怒らせるだけに決まってるじゃないか」

「でも」

「あれも君のせいだ」


「そもそも君が如月でなければ、如月にならなければ、如月なんていなければ、こんな事は起こらなかったんだ」

「キサラギがいるから多くの命が失われ、キサラギがいるから海軍は信頼を失った」

「君のせいだ。全て君達キサラギのせいだ」


「今あそこで、あの子が石を投げられて頭から血を流しているのも、君のせいだ」

「君のわがままのせいで、泊地や仲間達がこれ以上犠牲になってもいいのか?」

「提督がどうなってもいいのか?」

「ここまで君を守ってくれる、そこのお姉さんがどうなってもいいのか?」


赤城「お前、どの口が!!!!」

「黙れと言ったのが聞こえなかったのかこの大飯喰らいの木偶の棒が!!!!!」

「いいか!?お前は僕の交渉相手でも何でもない!!」

「人質なんだよ人質!!!ギャーギャー騒いで何とかなると思うな!!!」

「これ以上イラつかせたら本当に突っ込ませるぞ!」

「それでもいいのかァ!!なぁ!?第三秘書艦殿ォッ!!!!!」

赤城「!!!」

「この泊地とコイツ一人どっちが大事だ!?あぁ!?言ってみろよ!!!」

赤城「………」

「そうだそうやって黙っていればいい!!」


「いいか!!」

「お前が見栄を張らなければ!こんな犠牲は産まれなかった!!」

「海軍を貶めたのも!!」

「人々の精神を退化させたのも!!」

「元はといえばお前が全て悪いんだ!!」

「お前があんな事をしなければ!」

「お前が『如月』でなければ!!」

「『如月』なんてものが存在していなければ!!」

「『如月』なんてものが産まれてこなければ!!」

「こんな事にはならなかったんだ!!」

「お前はその責任を取らなければいけない…!!!」

「その責任の取り方は…!!」

「お前が艦娘を辞めて!!キサラギ社をブッ潰す事以外に無い!!!」


354 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/06/12 20:37:51.18 jDFFFHpS0 303/731



如月「………」

「どうする!?どうする!? ど う す る ! ? 」

「皆殺しにするかぁ!?あぁああッ!?!?」

如月「…わかりっ…ました…」

如月「如月はっ…私は…」

如月「海軍から…この泊地から…除隊…します…」

「………ッ!!」

如月「だからっだからっこの泊地の、みんなだけはっ」

「…ッ!!…ッ!!」

如月「この泊地のみんなだけは、助けて、ください…」

「………それだけか?」

如月「えっ…」

「それだけじゃないだろう?」

如月「何、が………」




「謝れよ」

「僕に」




355 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/06/12 20:39:23.01 jDFFFHpS0 304/731



如月「えっ」


「え、じゃねーよ」

「お前の父親のせいで僕はとんでもない目に遭ってきたんだ」

「それを謝れって、言ってんだよ!!!」


如月「………」



「言えよ!!殺すぞ!!!」

「早く言え!!3、2、1!!!」



如月「…ごめんなさい」



「そんなので気が晴れるか!!!」



如月「申し訳ございませんでした…」



「違うだろ!!そうじゃないだろ!!!」



如月「………」

如月「パパが…父が、ご迷惑をおかけしました」



「まだ謝罪が弱い!!!」



如月「私達のせいでっ…私達は、とんでもない事をしてしまいましたっ…」

如月「全部っ…全部、如月が、如月が悪かったです…」

如月「本当に…本当に、申し訳ございません…」


356 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/06/12 20:40:28.15 jDFFFHpS0 305/731




「よく聞こえなかったな、もう一回!!」



如月「全部…如月が悪かったんです…」



「もっと!!!」



如月「全部、私達の責任です!!!」



「もっとだ!!!!」



如月「何もかもが、私達のせいです!!!!」



「最後にもう一回!!!!!」



如月「如月のせいで、本当に申し訳ございませんでした!!!!」



「………」


如月「うっ…うぅぅぅううううう………」ポロポロ



「ふひっ」

「ひひひっひははははははっはははははははははははははははははははは!!!」



357 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/06/12 20:42:29.74 jDFFFHpS0 306/731



「勝ったァ……!!」

「勝った!勝った!勝った!」



「勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った」
「勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った」
「勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った」
「勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った」
「勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った」
「勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った」
「勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った」
「勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った」
「勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った」
「勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った」
「勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った」
「勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った」
「勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った」
「勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った」
「勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った」
「勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った」
「勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った」
「勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った」
「勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った」
「勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝った勝ったァァァァァァ!!!」



「 ざ ま ぁ み ろ キ サ ラ ギ ! ! ! 」



「 く た ば れ キ サ ラ ギ ! ! ! 」



「お前の顔も見納めだ!!!!!」


「僕が勝った!お前の負けだ!!」

「ハハッ!!ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!!!!!」

「ハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!!!!!!」


「アーッヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャハハハハハアハハハハハハハハハハハハハハハ」
「ヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャハハハハハアハハハハハハハハハハハハハハ」
「ヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャハハハハハアハハハハハハハハハハハハハハ」
「ヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャハハハハハアハハハハハハハハハハハハハハ」
「ヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャハハハハハアハハハハハハハハハハハハハハ」
「ヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャハハハハハアハハハハハハハハハハハハハハ」
「ヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャハハハハハアハハハハハハハハハハハハハハ」
「ヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャハハハハハアハハハハハハハハハハハハハハ」
「ヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャハハハハハアハハハハハハハハハハハハハハ」
「ヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャハハハハハアハハハハハハハハハハハハハハ」
「ヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャハハハハハアハハハハハハハハハハハハハハ」
「ヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャハハハハハアハハハハハハハハハハハハハハ!!!!」


358 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/06/12 20:46:18.29 jDFFFHpS0 307/731



赤城「………」ギリィッ

如月「………」



「…ふぅ」



「後の事は気にしなくて良い」

「君のような欠陥艦が居なくなったところで戦線に異常は生じない」

「加賀型や金剛型じゃなくて、ちっぽけな駆逐艦一隻ならね」

「むしろ感謝して欲しいくらいだよ。死ぬのは怖いだろう?」

「もう無理して戦わなくてもいいって言ってるんだ」

「僕は、『ただほんのちょっぴり』その為の後押しをしただけだよ」

「…ま、すぐに君の後を追う事になるかも知れないけど、ね」


赤城「………」

「それじゃあ、よろしく。今すぐにだ」

「わかってると思うけど…誤魔化しなんて通用しないからね?」

「君の携帯、こっちはいつでも盗聴できるんだからな」


プツッ

ツー ツー ツー ツー




如月「うぅっ…ぐっ…あぁああああああ………!!!!」ポロポロ


如月「ああぁああああああああぁあああああああ!!!!!!」


「あああああああああああああああああああああああああああああああ
ああああああああああああああああああああああああああああああああ
ああああああああああああああああああああああああああああああああ
ああああああああああああああああああああああああああああああああ
ああああああああああああああああああああああああああああああああ
ああああああああああああああああああああああああああああああああ
あああああああああああああああああああああああああああ!!!!」


359 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/06/12 20:46:51.93 jDFFFHpS0 308/731



・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・

・・・・




360 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/06/12 20:47:52.47 jDFFFHpS0 309/731



「アネモネの」


「花言葉はね」








「見捨てられた」



「儚い希望」



「見放された」



「消えた希望」



369 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/06/28 21:23:18.58 1Se+OsCb0 310/731



「えーっ、今日の活動でぇ」

「艦娘が、提督が、海軍がいかに危険な存在か、この地域の方々にもわかって貰えたでしょう」

「ですが艦娘の鎮守府は、今や世界各地に散らばっています」

「世界各国に誤った、恥ずべき歴史と、防衛という名の支配を散らばらせているのです」

「本日のデモは以上で終了になりますが、我々の活動に終わりはありません」

「奴らを一つ残らず根絶やしにするまで!我々は戦い続けましょう!!」


「世界平和の為に!!」

「「「世界平和の為にーーーー!!!!」」」

「「「頑張るぞーーーー!!!!オーーーーー!!!!!」」」


370 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/06/28 21:42:22.94 1Se+OsCb0 311/731



男3「ぬわぁん疲れたもぉ~ん」

男4「おう、お疲れ」スッ

男1「おっ、これが」


男4「あぁ、今回のデモの参加代…」

男4「『艦娘反対配当金』ってところだ」


男3「3人で14万!?おぉ~えぇやん!!」

男2「暴れられてしかも金まで貰えるなんてこんな楽しい仕事他に無いな」

男4「おいおい、人聞きの悪い事を言わないでくれ。世界の平和がかかってるんだぞ」

男2「わかってるわかってる。世界が平和になる為にもっと一杯暴れなきゃなあ」

男1「まだまだ如月も殺したりねぇしなぁ…あの一匹今度見つけたら絶対殺す」

男4「今日みたいに憲兵がいない日なんて早々来ないと思うから、うまくやってくれよ」

男1「あ?これからずっと憲兵いないんじゃないのか?」

男4「多分今日が特別だ」

男1「あぁ~?じゃあ殺したらどっか人が来ない建物の床下にでも隠さなきゃいけねぇのか?」

男4「そうだな。昨日みたいに殺した如月の首を鎮守府の門に置いておくなんて事するなよ」


男1「はぁ~つ・ま・ん・ね。そりゃねぇだろ?」

男1「これからだって殺したっていいじゃねぇか?」


男4「まぁそう落ち込むな。機会を見計らえ」

男1「機会って?」

男4「俺達がやってる事は正義なんだ。だけど馬鹿な市民どもはそれにまだ気付いていない」

男4「だから俺達がわからせてやるんだ」

男1「…どれだけ時間かかるんだよ、それ」

男4「そう長くは無いはずだ」

男4「どっかのアニメでも言ってただろ?『俺達は分かり合う事ができる』ってな」

男2「あぁーあの映画の」

男4「虐殺OK差別OKキチガイ信仰の大日本帝国時代の遺物野朗どもならともかく、今の日本は民主主義国家だ」

男4「俺達が正しい心を持って語りかけ続ければ絶対にわかりあえるんだ。あのアニメみたいにな」

男4「そして俺達の正義を民衆が理解した時こそ、時代遅れのクソ売女とそれに群がる馬鹿男ども…」


男4「そして政府の馬鹿どもに、民主主義の強さと怖さを思い知らせてやる時だ」

男1「やるならその時、って事か」

男4「あぁ」

男4「俺達は絶対正義として、あいつらに裁きを下せるんだ」


371 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/06/28 21:45:16.79 1Se+OsCb0 312/731



赤城「………」

「さて、これでお互いの約束は果された」

如月「私達の泊地が…ボロボロに………」

「誰のせいだと思ってるんだよ」

「それにもう君の泊地ではないだろう?」

「君はもう艦娘じゃないんだ」

「一刻でも早く迎えに来てもらって、去ったほうがいいんじゃないか?」


「そうじゃなきゃ」

「あの鎮守府の如月みたいに殺されるぞ?」


如月「!!」ビクッ

赤城「…どういう意味」

「わかってるだろ?君だって如月を殺した一人なんだ」

赤城「…は?」



如月「………MI作戦の時…」



「!?」

赤城「如月ちゃん…!?」

如月「あそこに…あの如月がいた」

如月「でも………」


372 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/06/28 21:45:46.82 1Se+OsCb0 313/731







「カミカザリ…カエシテ…」





373 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/06/28 21:50:20.20 1Se+OsCb0 314/731



如月「誰一人気付かずに…殺された」


「…あれは僕にとっても一種の賭けだったよ」

「轟沈した艦娘が深海棲艦になるっていう話は知っていた」


「そして」

「何故かそういう経緯で生まれた深海棲艦は」

「ほぼ必ず、古巣の鎮守府と敵対するというケースも聞いた」

「…深海棲艦は、完璧だった僕の計画に最後の華を添えてくれたんだ」



「…やると思ったよ!!」

「やってくれると思ったよ!!」



「あのカスどもならなぁ!!」



「全く気付かずにボコボコにして沈めるくらいやると思ったよ!!」

「あれは賭けだった!でも僕は賭けに大勝したんだ!!」

「収録の後に海域をスタッフに探させたら、落ちてたさ!!」



「 如 月 の 髪 飾 り ! ! ! 」



「もう笑ったね!!そして確信したね!!」


「 や っ ぱ り 如 月 は 死 ぬ べ き 存 在 なんだってなぁあああ!!!」


「僕は正真正銘の神なんだ!!神の怒りに触れた奴等は全員滅びるんだ!!!」




ダカラ


オ前モ


アノ如月ノ様ニ沈メ




如月「!!」ゾォッ!!

如月(また…また…声…が…あ…あぁ…あああ………!!!)


374 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/06/28 21:53:18.89 1Se+OsCb0 315/731




ダカラ言ッタデショウ?



「今だってそうだろぉ!?」

「お前のせいでこんな事になって!!」



アナタハモウ終ワリダッテ



「お前の鎮守府の連中は皆お前の事を恨んでいる!!」



ソレデモマダ信ジルノ?



『お前なんていなければこんな事にならなかったんだ!!』

『お前らキサラギが規約違反なんてしなければこんな事にならなかったんだ!!』

「さぁどうなる!?皆お前の事を恨んでいるぞぉ!?」



ソレデモマダ生キタイノ?



「どうなる!?」



私タチニハモウ味方ハイナイ



「どうする!?」



私タチニハモウ何モ無イ

モウ、地上ニモ、空中ニモ、海上ニモ、私タチノ居場所ハナイ



「誰もお前を助けてなんてくれない!!」

「皆、お前が嫌いだから!!!」

「だからお前は沈められたんだろう!?」

「所詮お前の存在なんてその程度だって!!皆が皆思ってるんだ!!!」



ダカラ、海ノ底ノ仲間達ニ付クノ

モットモット深イ憎悪ヲ

モットモット身ニ纏ッテ



375 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/06/28 21:56:59.27 1Se+OsCb0 316/731




如月「ごめんなさい…!!!」



如月「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
如月「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
如月「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
如月「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
如月「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
如月「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
如月「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
如月「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
如月「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
如月「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
如月「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
如月「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
如月「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
如月「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
如月「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
如月「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイ」
如月「ゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイ」
如月「ゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイ」
如月「ゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイ」
如月「ゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイ」
如月「ゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイ」
如月「ゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイ」
如月「ゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイ」
如月「ゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイ」
如月「ゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイ」
如月「ゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイ」
如月「ゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイ」
如月「ゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイ」
如月「ゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイ」
如月「ゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイ」
如月「ゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイ」
如月「ゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイ」
如月「ゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイ」
如月「ゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイ」
如月「ゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイ」
如月「ゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイ」
如月「ゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイ」
如月「ゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイ」


376 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/06/28 22:00:16.34 1Se+OsCb0 317/731



如月「産まれてきてゴメンナサイ!!」


如月「生きていてゴメンナサイ!!!」


如月「もう!!もうやめて!!もう許して!!!」


如月「ごめんなさい!!ごめんなさい!!許して!!許して!!!」


「おいどうした?キチガイの振りして責任逃れしようってのか!?」


「駄目だ!許さん!何もかもお前らのせいだから!!!」


「死ね!!!!!!!」


「罪を償って死ね!!!!!!」


「お前ら如月の存在価値はもうそれしかない!!!!死ね!!!!」


「死ね!!!!!!!」


「死ね!!!!!!!」


「死ね!!!!!!!」


「お前の親もろとも死ね!!!!!!!」


「s」ブツッ

377 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/06/28 22:16:41.51 1Se+OsCb0 318/731



赤城「………!!」


赤城(MIまで…)

赤城(あの作戦まで、こいつのオモチャだったって事?)

赤城(…ふざけるな)

赤城(あの作戦に、どれだけの想いを込めてきたと思ってるんだ!!)

赤城(どれだけのっ苦労を…!!背負ってきたと、思ってるんだ!!)


赤城(提督が…!!)

赤城(自分を犠牲にしてでも私に行かせようとしてくれた、あの作戦が…!!)


赤城(あんなクソみたいな奴のくだらない欲望の為に!!!!!)

赤城(如月を、キサラギ社を貶めるためだけの為に!!!!!)クッ


如月「!!」ビクッ

如月「…ごめんなさい…!!」

赤城「あっ…」

如月「ごめんなさい!!ごめんなさい!!ごめんなさい!!」

如月「許して…!許してください…!!」

赤城「………」


如月「お願いです…謝ります、謝りますから…」

如月「私を…見ないでください………」

如月「お願いですから…もう………」


384 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/07/09 21:13:54.23 1Z4Nx1nR0 319/731



「キャァアアアアアアアアアアアアアア!!!!」

赤城「!?」ビクッ



赤城「今度は何………!?」

赤城「………!!」ゾッ

赤城「は…泊地が…」



「燃えてる………!?」



385 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/07/09 21:21:10.52 1Z4Nx1nR0 320/731



男C「ふざけんじゃねぇよ!!」

男C「何が『私達も人間よぉ!』だ!!」


男C「おめぇらみてぇなのがなぁ!!」

男C「人間なわけがねぇだろぉが!!!!」


男C「おめぇらみてぇなのはなぁ!!」

男C「人間じゃねぇんだよ!!!!!!!」



男C「人間じゃねぇおめぇらが『娘』なんて大層な名前使ってんじゃねぇ!!!」



男C「豚だ!!豚!!!」

男C「 艦 豚 だ ! ! ! ! 」



男C「豚は死ね!豚は死ね!豚は死ねぇぇぇぇえええ!!!!」


386 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/07/09 21:31:41.95 1Z4Nx1nR0 321/731



比叡「デモ隊帰ったんじゃなかったの!?」

陸奥「もう何でもありじゃないあんなの!」

扶桑「火炎瓶なんて初めて見たわ…」

伊勢「そりゃみんな初めてだよあんなの!!」


「は、泊地が…」

「工廠が…資材庫が…!!」

夕雲「待って暁さん!!」グッ

夕雲「今出たら、今度こそ殺されちゃうわよ!!」

「そんな事言ったって…!!」

「あのままじゃ、工廠も、資材庫も弾薬庫も…!!」


陸奥「弾薬に火が付いて爆発なんてしたら最悪ね…」

陸奥「今向こうに誰がいるの!?」


夕雲「…火事の事は任せて、私達はここにいましょう」

「でも、私が…私が止めなきゃ」

夕雲「こんな怪我してるのにどうするの!?」

夕雲「私達は足手まといにしかならないわよ…!!」

「………」

夕雲「戦艦の人もいるし、向こうには明石さんもいる」

夕雲「きっと大丈夫、大丈夫だから…」ギュッ


「………うぅ…!!」

「あぁああ…あぁああああああ…!!!」ポロポロ

夕雲「………」ギュウッ

「何で…なんで…」

「こんな事になるのよ…!!!」

「頑張って…頑張ってやってるのに…何で…」


「 な ん で こ ん な 事 に … 」


387 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/07/09 21:33:20.94 1Z4Nx1nR0 322/731



赤城「………」ガタガタ



ピコンッ



『何勝手に切ってんだよてめぇ』

ピコンッ

『切ったら殺すっつっただろ?』

ピコンッ

『まあ用事は終わってるから今日はこの程度で許してあげるよ』

ピコンッ

『でも死ね!!』

ピコンッ

『焼け死ね!!』

ピコンッ

デモ隊員「死ね!!」

『死ね!!』

ピコンッ

デモ隊員「死ね!!」

『死ね!!』

ピコンッ

デモ隊員「死ね!!」

『死ね!!』

ピコンッ

デモ隊員「死ね!!」

『死ね!!』


赤城「………!!」ガクンッ



赤城「助けて………」



赤城「……早く…早く、帰ってきて…!!」


388 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/07/09 21:33:50.92 1Z4Nx1nR0 323/731





「提督ーーーーーーーーーーーーー!!!!!!」




389 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/07/09 21:34:17.09 1Z4Nx1nR0 324/731



・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・

・・・・




390 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/07/09 21:35:04.33 1Z4Nx1nR0 325/731


-横須賀・大本営-


提督「………」


教官「」


提督「………」


教官「」ピクンッ









教官「」ジョボボボボボボボボボ









提督「………」

提督「えっ?」


391 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/07/09 21:40:35.35 1Z4Nx1nR0 326/731



提督「…これ、不発弾!?」


提督「じゃあこれで死ね!!!」ガチンッ

提督「!?」

提督(また不発!?どうなってやがる!!)


武蔵「………」ガチャッ

提督「!!」

提督「動くんじゃねぇ!!うっかり引き金を引いちまうかもしれないんだぜ!?」

提督「いつ暴発するかもわからねぇ!遅発や腔発の可能性だってある!!」

武蔵「馬鹿か!そうなれば銃を持つ貴様も無事では済むまい!!」

提督「言ったよなぁ!?そんな事構うもんかってなぁ!!!」



提督「残りの弾で脳ミソブチ抜かれるか!腔発で俺もろともズタズタにされるか!!」

提督「その二択以外残っちゃいねぇんだよぉ!!!!」



提督「せいぜい一緒に地獄に堕ちようぜェ!!」カチッ

提督「死ね!!!」ガチンッカチッ

提督「死ね!!!」ガチンッ


提督(なんだよこれ!どうなってやがる!!全部、不発弾って…!!)

提督(まさかあきつ丸さん…いや、だとしても俺は拳銃を離せねぇ!!)

提督(離した瞬間、武蔵は俺を撃つ!!)

提督(あいつは昨日『衝撃を当てて俺だけを殺す事もできる』と言った…それをやられたら俺は犬死だ!!)


提督(だから今俺ができる事って言ったら…)

提督(どこかで弾が出る事を信じて引き金を引く事だけだ!!)


提督「………ん?」

教官「」


提督「おい…嘘だろ…!!!」

教官「」


提督「ふざけんなよ…!!!」




「何気絶してんだよテメェェェェェェ!!!!!」




392 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/07/09 21:44:57.45 1Z4Nx1nR0 327/731



提督「それじゃあ意味がねぇんだよぉぉぉ!!!」

提督「最期の瞬間までビビって貰わなきゃあ!!!気が付いたら死んでたじゃ駄目なんだよぉぉ!!!!」

提督「畜生!!畜生ぉ!!!」

提督「クソッタレがああああああああああああああ!!!!!!!」カチッガチンッ

提督「………!!!!」


武蔵「…迫真の演技だが、ただのハッタリか」

武蔵「その様子だと、最後のも弾は出るまい」

提督「………」

武蔵「引き金を引いてみろ」

武蔵「その瞬間、お前はこの46cm三連装砲の衝撃波でバラバラになるがな」

提督「余裕こいてんじゃねぇぞ」

提督「最後の一発でコイツが死んだらどうする」

武蔵「…実を言うと、そいつの生き死にはそこまで大事な問題ではない。生きているならそれに越した事はないがな」


武蔵「だがお前は別だ」

武蔵「お前をあの泊地に帰すわけにはいかない」

武蔵「『このまま通す位なら殺してしまえ』と指示を受けている」

武蔵「覚悟を決めてもらおうか」

提督「………クソが…!!」

提督「……………」カチッ


393 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/07/09 21:46:17.75 1Z4Nx1nR0 328/731






ガチンッ

ズダァァァァァン!!!!














394 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/07/09 21:47:01.34 1Z4Nx1nR0 329/731











提督「………」

提督「………」

提督「………え?」


395 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/07/09 21:48:25.52 1Z4Nx1nR0 330/731




武蔵「っかは…!!!」


「…艤装強制解除、完了」バシュウッ



396 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/07/09 21:56:38.84 1Z4Nx1nR0 331/731



武蔵「………馬鹿な」

武蔵「この武蔵が…!!!」

武蔵「不意打ちとはいえ、ただの人間に…!!!」


憲兵「…ただの人間?」

憲兵「お前、自分が超弩級の戦艦だからって調子に乗りすぎだ」

憲兵「確かにお前達の力は凄い」

憲兵「海の上に立つ力、人間を大きく上回る力、そして砲撃。俺達にはできないものだ」



憲兵「だけどそれは所詮、『船』としての力だろ?」

憲兵「いくら船として強くても、陸で、『人』として強いかどうかは別問題だ!!!」



武蔵「ぐうっ…」

憲兵「俺達は憲兵だ」

憲兵「お前達を取り締まる役割を持ったお前達の抑止力だ」

憲兵「俺達がその役割を遂行する為に!特殊な力を持ったお前達に対抗する為に!俺達は日々修練を積んできた!!」




憲兵「力を以って対抗するのではなく、柔能く剛を制す」



憲兵「人の『技』を磨いてきたんだ!!!」




憲兵「陸に上がったお前達は、打ち上げられた魚!!」

憲兵「棒立ちで射撃するド素人!!!」

憲兵「『技』の無いお前達を打ち負かす事なんて、俺達には朝飯前!!!」

憲兵「だからこそ俺達はお前達の抑止力に!!『憲兵』になれたんだ!!!」



提督「………憲兵さん!?」

憲兵「提督殿、ご無事ですか!?」

提督「え」

提督「…まぁ…大丈夫、ですが、一体何が起こって…」



「提督君、ご苦労だったな」



397 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/07/09 22:01:28.60 1Z4Nx1nR0 332/731



提督「!?」

提督「え、えぇ…!?」

提督「ご、ご苦労って、何ですか!?」

上官「説明するよ。でもその前に拳銃を返して貰おう」


あきつ丸「…はい」ツカツカ

あきつ丸「提督殿、その拳銃を」

提督「い、いやこれは危ないよ!!いつ暴発するかわからない!!」

あきつ丸「」ヒョイ

提督「あ」

あきつ丸「…この拳銃に撃てる弾丸は一発たりとも入っていませんよ」

提督「え」

あきつ丸「あらかじめ全ての弾丸から火薬を抜いておきました」パキッ

提督「!?」

あきつ丸「だから遅発の可能性もゼロであります」



あきつ丸「それと」

あきつ丸「代わりに発信機と盗聴器を詰め込んでおきました」スッ



提督「は………?」

提督「って事は!?」

上官「今までの話は全部聞かせて貰った」

提督「………マジですか」



上官「これで『どうにも誤魔化せない明確な証拠』はしっかりと頂いた」

上官「俺達憲兵隊の立会いの下、収集された完全無欠な証拠だ。これがあれば誤魔化しなんてできないだろ」

あきつ丸甲「教官殿の罪状、追加しないといけないでありますね」



398 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/07/09 22:07:39.59 1Z4Nx1nR0 333/731



提督「………」

提督「…憲兵さん」

上官「ん?」

提督「俺を逮捕しないんですか?」

上官「………」

提督「俺は上官を殺そうとしました」

提督「弾が入ってなかろうが、何だろうが、こんな奴だろうが、罪は罪です」

上官「そうは言ってもな…君はこの逮捕劇の立役者で、俺達の協力者だ」

上官「君がコイツを無力化して、武蔵型艦娘の注意を引かなかったらこう上手くはいかなかった」

提督「でもそれじゃあ、示しが…」

上官「あー…こっちも忙しいんだよ」

上官「いくら君がコイツを殺そうとした悪党だったとしても、コイツに比べりゃ可愛い小悪党だ」

上官「コイツの裏にまだ何かあるのは見えている。君のおかげでこれから忙しくなりそうだ」

上官「だから、君みたいな小悪党に構っている時間は無い」

上官「小悪党一人と大悪党何十人、どっちを捕まえるかって考えたらさ、当然大悪党の方を選ぶだろ?」

提督「………」

上官「で、パラオに戻るんだよな?こっちは任せて、早く行ってやれ」

提督「……………」

上官「そこで突っ立たれても捜査の邪魔だ。早く行ってくれ」

あきつ丸「…上官殿!」

提督「………わかりました」

上官「それじゃあ、あきつ丸。君ともここでお別れだ。気を付けてな」

あきつ丸「えぇ…上官殿もお気を付けて」

あきつ丸「…行きましょう、提督殿」


提督「あきつ丸さん」ツカツカ

提督「…用事はもう大丈夫なの?」

あきつ丸「………」


399 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/07/09 22:13:52.05 1Z4Nx1nR0 334/731



「なるほど…そういう事情があるのか」

「それで、脱出の為の護身用として拳銃を、と」

「確かに相手は武蔵型だ。それ位はしないと心許ないのはわかる…が」


「………いや、待てよ」ボソッ

「上官殿?」

「憲兵、ちょっとそっちのパソコン使って教官のデータを今から調べてくれ」

「え?あ、はい。わかりました」カタカタ

「あの…上官殿は一体何を?」

「あきつ丸、君はその提督と知り合いらしいけど、どういう人なんだ?」カタカタ

「私もまだ数回しかお会いした事がありません…が、悪い人ではないであります」

「性格は?」カタカタ

「優しい人ではありますが…面倒臭がりで、悪い意味での直情径行が目立ちます」

「艦娘との関係は上手く行ってるのか?」カタカタ

「…えぇ、まぁ。あちらの泊地の子の話を聞く限りでは結構な人数と特別な関係を持っているみたいであります」

「へっ」

「でもお互い不満は無い、らしい、であります」

「ふぅん、なるほど…」カタカタタンッ

「………ド素人か」ボソッ

「憲兵、そっちはデータ出たか?」

「はい」

「どれどれ」

「………なるほどこれはいい」ボソッ

「え?」

「わかった。拳銃は持たせよう。だけど…」



「撃たせる標的は武蔵型艦娘じゃなくて教官にしよう」



400 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/07/09 22:27:09.36 1Z4Nx1nR0 335/731



「…え!?」

「今拘束している教官をこっそり解放するんだ」

「恐らく奴は提督の所に向かう」

「そして多分…また煽るだろうな」

「研修時代随分と苛め倒してきた相手だ。教官は相手が自分に適わないとわかっている」


「だけど今回は提督が銃を持っている」

「今までの恨み、そして今回起こっているであろう事件の経緯を知る事で怒り」

「提督は銃を向けるだろう」

「そして引き金を引く」


「提督殿に…人を殺させると?」

「あくまでフリだよフリ」

「え?」

「銃に盗聴器と発信機を仕込むんだ。ド素人にはわかりゃしない」

「盗聴器と発信機?」

「あの手の小物は煽る時にベラベラ喋ってくれるんだよ」

「そうする事で優越感を得るのがどうしようも無く好きなんだ」

「提督も提督の方で、周囲の人間に危害を加えるような人間ではないみたいだ」

「研修時代に相当やられたのが堪えたのかな?…まぁ、感情が爆発するまでは教官の話を聞いてしまうだろう」


「それはつまり」

「俺達からしてみりゃ、喉から手が出るほど欲しい情報を手に入れる絶好のチャンスになるってわけだ」


401 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/07/09 22:28:16.84 1Z4Nx1nR0 336/731



「盗聴器を使って証拠を収集しつつ、発信機で位置を特定した憲兵隊の一部が現場に向かい、奴等を拘束する」

「銃を付き付けられて無力化したも同然の教官を再拘束するのは簡単だ」

「そして一緒に付いて来る武蔵型艦娘もまとめて拘束できる」

「万が一提督を拘束することになった場合でも…相手は格闘技の経験も無いド素人だ」



「俺達なら」

「簡単に抑えられる」



「…どうだ?」

「そんな、提督殿を騙すような真似なんて」

「でもあきつ丸」




「お前達はその提督の秘書艦に騙されたんだろう?」

「その艦娘も憲兵相手に随分な真似してくれたじゃないか」




「舐められっぱなしは陸軍としても憲兵としても本意じゃない」

「この策を使えば、一石二鳥だ」



「提督が泊地に帰る障害になる二人を排除して」

「騙された仕返しもできる」

「やってやろうじゃねぇか」



402 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/07/09 22:29:17.83 1Z4Nx1nR0 337/731



あきつ丸「…えぇ、終わりました」

提督「…そっか。ごめんな。こんな事になっちまって」

あきつ丸「………いえ」

提督「………埠頭に行こう」

あきつ丸「…はい」


405 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/07/09 23:38:54.86 Q91lvnTS0 338/731










「………これで勝ったつもりか?」









406 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/07/09 23:41:33.27 Q91lvnTS0 339/731



提督「!!」

上官「随分早いお目覚めだな。おねしょしてるけど」

教官「け、憲兵!?あいつを!!あのキチガイを拘束しろ!!」

上官「あのキチガイとは…?それよりも」

上官「アンタ、随分とやらかしてるようじゃねぇか?」

上官「アンタがあの提督に色々言った事、全部聞かせて貰った」

教官「!?!?」

教官「だ、だがこの件は!!憲兵隊は何があっても見逃すと!!!」

上官「俺はそんな命令受けてないんだよなぁ。文句があるなら伝達ミスった俺の上司に言いなよ」

上官「…その前にお前には知ってる事洗いざらい話して貰うけどな」

上官「空条テレビの奴が何を考えてんのかとか、お前達の仲間がどんな奴なのかとかとかとか」

上官「全部話したら文句を言わせてやるよ」

教官「………!!」

上官「でお前は、この状況から勝つ手段があるとでも?」

上官「タマ潰されて、周りは憲兵に囲まれて、ここから逆転できるとでも?」


教官「ひ…ヒヒヒ…!!!ヒヒヒハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!!!!」




教官「どうせテメェはただの格好付けたがりだろうが!!!」


教官「『皆と違う俺って格好良い』って思いたいだけの!!ただの中ニ病野朗なんだろうが!!!!」


教官「だから艦娘一人も沈められねぇ!!!!」


教官「如月を沈めないアピールで格好付けたいだけなんだろうが!!!!!」


教官「違うか!?違うか!?!?違うかあああぁああああ!?!?!?」


教官「あぁああああああ!?!?!?」


教官「聞こえてんだろ提督ゥぅぅうううあうああああああああああああ!!!!!!!!!」




提督「………」


407 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/07/09 23:48:56.39 Q91lvnTS0 340/731



教官「だがなぁ!!!これでもうテメェは終わりだよ!!!!!」



教官「俺達の裏に誰がいるか!!!」


教官「お前等はわかっちゃいねぇんだろうが!!!!!」



武蔵「!!」

提督「裏…?」

上官「ほーそいつは興味深い」

教官「この日本を…『本当の日本を指導する組織』だよ!!!」

教官「この世界であの方々に勝てる奴なんて誰もいねぇ!!!」

教官「ましてはお前達なんかじゃなぁあ!!!!!」

提督「…何だそりゃ、どこのカルト宗教だよ」



教官「金!!!」


教官「暴力!!!」


教官「支配力!!!」


教官「何一つ取っても!!お前らなんか逆立ちしたって勝てやしねぇ!!」


教官「いや!!」


教官「この日本であの方々に勝てる奴がいるわけがねぇ!!!」



武蔵「………」

教官「お前はもうあの方々にとっての敵なんだよ…!!!!」

教官「馬鹿だなおめぇはあ!!!格好付けのために一番敵に回しちゃいけねぇ人を敵に回しちまった!!!!!」

教官「お前等も!!みんなもう終わりだよ!!!!」

教官「みんなみんな!!皆殺しにされちまえ!!!」

上官「はいはい。後で全部尋問してやるから」

提督「………行こう」


408 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/07/09 23:53:51.83 Q91lvnTS0 341/731



教官「お前の艦娘も皆殺しにしてやる!!!!」

提督「」ビクッ



「俺達が…何もしてないとでも思ったかぁ!?」

「もうとっくに進めてるんだよ!!!」

「艦娘なんぞに頼らなくてもいい、兵器の開発をな!!!」



「船に積める砲!!」



「戦車に積める砲弾!!!」



「戦闘機に積める爆弾!!!」



「歩兵が持てる銃!!!!!!!!」



「それが出来上がった暁には、お前等みたいな非国民どもも!まとめて一掃してやる!!!」

「その時は!!最初に!!真っ先に!!お前とお前の艦娘を皆殺しにしてやる…!!!」



「 あ の 薄 汚 い 如 月 み て ぇ に な ぁ ・ ・ ・ ! ! ! 」



「 ボ ロ 雑 巾 に し て 殺 し て や る よ ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ ! ! ! ! 」



提督「――――――」


409 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/07/09 23:57:58.36 Q91lvnTS0 342/731



決定的な何かが切れた音がした。


410 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/07/10 00:04:05.74 g5zAakv30 343/731



「あきつ丸さん。先に行ってて」

「え?いや、先…って」


言葉を待たずに走り出す。


拳を握り、口から感情を吐き出し、地を砕かんが如く踏み締める。


標的は両方から憲兵に挟まれていた。

腰が抜けているのか、両腕を掴んでいる憲兵を支えにして立っているようだった。


だからこそ、簡単に


標的の顔面に拳を叩き込む事ができた。


411 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/07/10 00:11:33.05 g5zAakv30 344/731



叩き込んだ拳を振り抜き、敵が地面に倒れる。

身体の上に座り込み、拳を叩き付ける。


拳を叩き付ける。


叩き付ける。


叩き付ける。



叩き付ける。




叩き付ける。




叩き付ける。叩き付ける。叩き付ける。叩き付ける。叩き付ける。叩き付ける。叩き付ける。叩き付ける。叩き付ける。叩き付ける。叩き付ける。
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412 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/07/10 00:15:55.33 g5zAakv30 345/731



「やめろ!!もうやめろ!!」

腕が引っ張られ激痛が走る。

激痛が正気を引き戻す。

「両手折れてるぞ!!!!!」

指がうまく曲がらない。曲げようとして激痛が走る。

激痛が正気を引き戻す。



殺意が正気を覆い尽くす。



413 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/07/10 00:17:12.00 g5zAakv30 346/731






 お 前 も 殺 し て や ろ う か ・ ・ ・





414 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/07/10 00:23:53.88 g5zAakv30 347/731



悲鳴と共に力が抜けた手を振り払い、敵と正面を向き合う。

こいつだけはどんな手段を使ってでも殺す。

それが自分があの子達にできる唯一絶対の事だと盲信している。



ろくでなしと呼ばれようと


人でなしと呼ばれようと


無能と呼ばれようと格好付けたがりと呼ばれようとお荷物だと呼ばれようとどうでもいい。








ここで



こいつを殺す事さえできれば



地位も



名誉も



金も



命も



人としての尊厳も



何もいらない




415 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/07/10 00:31:04.84 g5zAakv30 348/731



喉笛に歯を突き立てた。



皮膚を引き千切り


脂肪を砕き


筋肉を突き破る。



そして絶叫と共に血が吹き出す。



「おい!?やめろ!!!」

口の中に血が流れ込む。

「やめろ、って…!!何だこの力!!!」

言葉にならない呻き声と振動が血を震わせ、唾液と混ざって口から零れ落ちる。

「おい引っ張るな!!肉が持って行かれる!!!」

「死なせるな!!情報が取れなくなる!!!」

顎を伝い、喉を滑り、胸を紅く染めていく。

「ならどうしろと!?」

白い軍服に広がる血痕が広がる度に殺意が増していく。

「落とせ!!一撃で!!!」

顎の力が増していく。

殺す。

殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す

殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す

殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す
殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す
殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す
殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す
殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す
殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す
殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す
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死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね
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416 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/07/10 00:32:00.38 g5zAakv30 349/731





 


417 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/07/10 00:46:50.94 VG6sNslc0 350/731



提督「」ドサッ

憲兵「はっ…はっ…はぁっ……」ガタガタガタガタ

上官「…お、おい!止血だ!!早く!早くしろぉ!!」

憲兵2「了解!!」

上官「死なせるなよ…!そいつから情報を引き出さなきゃいけないんだからな!」

憲兵2「りょ、了解しました!!」


上官「………」

あきつ丸「上官、殿…」

上官「…何なんだよ…」

上官「何なんだこいつは…」

上官「なんら一切躊躇無く殴りにかかって、拳が潰れたら噛み付き?」

上官「まともじゃねぇ…まともじゃねぇよこいつ…」

上官「そこまでして…人を殺したいか…!!」


上官「手が…」ブルブル

上官「まだ震えてやがる…」ブルブルブルブルブルブル

あきつ丸「………」

上官「こういう仕事してきて色々な人間見てきたつもりだったけど…」

上官「あんな目した人間見たことがねぇ…」

上官「いや」




上官「あれが、人間がする目であってたまるか…!!!」




上官「あきつ丸…こいつの扱いには気を付けろ…」

上官「こいつは…小悪党なんてもんじゃない」



「化物だ…!!」

「下種な奴等やチンピラなんかとは比べもんにならない殺意を」

「一切躊躇せず手段も選ばずそのまま相手に叩き付けて、殺しにかかる化物だ…!!!」



上官「俺は…やっちまったんだ………!!」

上官「化かしちゃいけねぇ奴を化かしちまった」

上官「外しちゃいけないタガを外しちまった…!!!」

あきつ丸「……………」


425 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/07/24 21:35:59.43 vt7AcuhX0 351/731



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426 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/07/24 21:40:16.06 vt7AcuhX0 352/731


-横須賀・埠頭-


あきつ丸「………やっと埠頭か」

あきつ丸(…提督殿は目覚めなかったでありますか)

あきつ丸(途中で目を覚まされて、暴れる事が無かった、と考えれば良いのでありますが…)

あきつ丸(………)

あきつ丸(どうすればいいのだろうか)

あきつ丸(口は拭ったものの、両手の骨折と血まみれの軍服は隠しようが無いであります)

あきつ丸(理由があったとしても、提督殿をこうしてしまったのは自分の責任…)

あきつ丸(………)


那珂「あきつ丸ちゃん遅いよ!!」

あきつ丸「!!」

千歳「あきつ丸!提督の泊地にデモ隊が来てるって!!」

あきつ丸「………えぇ」

那珂「………?」



那珂「…ねぇ」

那珂「………提督、どうしたの?」



あきつ丸「………」

あきつ丸「」スッ

提督「」

千歳「」

千歳「巻雲ちゃん!!」ガバッ

巻雲「はえっ?」

巻雲「」

那珂「てっ………!!!!」

羽黒「司令官さん!!!!」


あきつ丸「っ大丈夫であります!ちょっと気絶しているだけであります!!」

那珂「…あきつ丸ちゃん!!」

那珂「何でこんな事になったの!!!」


427 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/07/24 21:43:54.42 vt7AcuhX0 353/731



あきつ丸「ここに来る途中で、教官殿と遭遇しました」

あきつ丸「今回の一件は軍も一枚噛んでいたのであります」

あきつ丸「…それを知った提督殿は」

あきつ丸「教官殿を噛み殺そうとしたであります」

那珂「!!」

羽黒「司令官さん………!!」



那珂「何してたの!?」ガッ

あきつ丸「ッ!!」



那珂「提督の護衛につくって!!そういう話だったでしょ!?」

那珂「何でこうなったの!?何で!?何で提督がこんな…!!」

あきつ丸「………」


あきつ丸「…教官殿と付き人の武蔵は憲兵隊が拘束したであります」

那珂「!?」


那珂「…提督を利用したんだ」

あきつ丸「………」

那珂「敵として見るなとか言っておいて…騙したんだ」

那珂「しかも!よりにもよって提督に!!!」

那珂「騙した仕返しなら那珂ちゃんにすればいいじゃん!?何で提督に!?」



那珂「………ッ!!!」


那珂「…こうなるのが!!!」


那珂「こうなるのが嫌だったから!!!」


那珂「必死にやってきたのに!!」


那珂「っ何で…何でこんな事したのぉ!!!」



428 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/07/24 21:50:12.24 vt7AcuhX0 354/731



あきつ丸「…これ以外に武蔵を抑える方法が思いつかなかったであります」

あきつ丸「射程も装甲も、私達の誰よりも勝る武蔵を相手に、提督殿を守りながら勝つなんて…」



五十鈴「………そう、かも」
羽黒「できます」



あきつ丸「………え?」

羽黒「榛名さん、千歳さん、五十鈴さん、雲龍さん、巻雲さん、あきつ丸さん」

羽黒「那珂ちゃん」

羽黒「それと」




羽黒「私の『阿修羅』があれば」




羽黒「司令官さんを守りながらでも、勝てます」

巻雲「あしゅら…?」

雲龍「艤装の事かしら」

榛名「………」


千歳「…この話はもう止めにしましょう」

千歳「早く泊地に行かないといけないのよ?」

五十鈴「!!」

五十鈴「そうね!!早く行かないといけないんだったわ!!」

五十鈴「あきつ丸!!提督をボートに乗せて!!牽引もお願いできる!?」

巻雲「あきつ丸さんの艤装はそこに持ってきてます!!」

あきつ丸「了解であります!!」ガチッ




羽黒「あきつ丸さん、待って」

あきつ丸「え?」




429 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/07/24 21:54:02.85 vt7AcuhX0 355/731





ぱぁん、と何かが破裂したような音が鳴った。




430 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/07/24 22:04:58.74 vt7AcuhX0 356/731



あきつ丸が目の前に羽黒の顔があると気付いたのはその数秒後。

何が起こっているのか理解できなかった。

平手で打たれたわけではない。

ましては銃で撃たれたわけでもない。

だが、何かをされたと理解できたのは

あきつ丸の頭部左に在る空間を羽黒の腕が突き抜けているからだ。

左の頬に何かが掠める感触と後ろに引っ張られる感覚を知ったからだ。


「これでおあいこにしましょう?」

羽黒は悲しんでいる。同時に怒っている。

あきつ丸は困惑し、困惑が恐怖を助長する。

何をされたのか一切わからなかった。


憲兵隊の訓練を始めて見た時の感覚を思い出す。

彼らは訓練により技を磨き、艦娘に対抗する術を身に付けていた。

人知を超えた存在に立ち向かう為の、人知を超えた訓練。


あの時の困惑。

そしてその時の知識があるからこそ理解できる




恐怖




憲兵が艦娘の抑止力となれるのは、艦娘には無い、人の技があるからだ。

だが、もし、仮に

人の技を身に付けた艦娘を相手しなければいけなくなったら、どうなるのか。


今、あきつ丸の目の前にいる羽黒が

憲兵の敵となったら、どうなってしまうのか。




431 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/07/24 22:10:44.60 vt7AcuhX0 357/731



悲しみの表情を浮かべたまま、羽黒は腕を引いた。

「行きましょう、あきつ丸さん」

「は、はい」

「びっくりさせちゃってごめんなさい五十鈴さん」

「え、えぇ…」


礼儀正しく五十鈴に頭を下げる羽黒から、五十鈴やあきつ丸が知る気弱な重巡艦娘の印象は感じなかった。

今、彼女の奥深くに眠っていた気丈さが噴き出し、覚悟がそれを身に固めている。



まるで抜き身の刀





破き、砕き、破壊する


戦鎚のような覚悟。



何が彼女をそう変えたのか、那珂以外は誰も答えられない。

唯一誰もが理解していた事は




彼女が


那珂や提督と同じ


歪んでしまった化物だという事実だけだった。




432 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/07/24 22:11:41.74 vt7AcuhX0 358/731



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433 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/07/24 22:15:30.18 vt7AcuhX0 359/731


-海上-


提督「………あ?」パチッ

羽黒「!!司令官さん!!」

提督「あ、羽黒?あ、あれ?ボート?」

提督「あきつ丸さん…ここ、海の上?」

あきつ丸「はい。今、泊地に向かっている所です」


提督「…アイツはどうした?」

あきつ丸「憲兵が治療をしています」

提督「死んでないのか!?」

あきつ丸「死なせるわけにはいかないんですよ。あの人から情報を聞きださなければいけないでありますから」

提督「ックソ!!」


那珂「提督、一体何があったの?」

提督「何が…って、お前こそ何があったんだよ!?その顔の痣!!」

那珂「あ、ちょっと転んで」

提督「んなコテコテの嘘なんか付くんじゃねぇ!!」

那珂「大丈夫だって。入渠すれば治るよ。それに」
提督「そういう問題じゃねぇだろ!!!」


提督「…わかった。何があったか、ちゃんと説明する。だからお前も何があったか教えてくれ」

那珂「………」

提督「なぁ羽黒からも、頼むよ」

羽黒「…那珂ちゃん」

那珂「ちょっとあの変態糞教官にレイプされかけただけ」

提督「!?」

那珂「落ち着いて大丈夫だから!!ほら、これもあるし」チラッ

那珂「逆に股間蹴り上げてやったよ」

提督「…お前、まだそんなもん(貞操帯)付けて」

提督「って事はお前もか、羽黒」

羽黒「…はい」

提督「はぁ~…」

提督「こんなもんに何の意味があるのさ」

那珂「少なくとも」



那珂「『私達が貴方のものである』って意味にはなるでしょ」



提督「俺は」
那珂「はい。次は提督の番」


434 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/07/24 22:17:47.59 vt7AcuhX0 360/731



提督「え」

那珂「何やったの?」

提督「ブン殴って、噛み付いてやった」

提督「ブチ殺すつもりでやったんだけど…何でいつもこうなるのかなぁ」


那珂「流石に殺すのはまずいでしょ」

提督「俺は殺すつもりだったんだ!!」

那珂「そんな事したら二度と泊地に戻れない!!」

提督「構うものか!!!」



提督「あいつが!!!」

提督「あいつらが!!!」

提督「何をやってきたか、教えられていないのか!!!」

提督「まだ小学校を卒業したばかりの子供が」

提督「自分の青春を投げ出してまで、国の為に戦って…」

提督「いつ死ぬかもわからない、死ぬかもしれないのに…!!」

提督「あのクソどもは!!それを自分の欲に利用しやがった!!!」



提督「ただ如月が気に食わない!!!」


提督「ただ艦娘が気に入らない!!!」


提督「ただ自分以外の何かを傷付けたい!!!」


提督「たったそれだけ!!それだけの為に!!」



提督「如月を地獄に突き落としやがった!!!!」



提督「くだらねぇ理論振りかざして、自分を正当化した気になって…!!!」

提督「子供を地獄に叩き落すのがあいつらのやり方かよ…!!!!!」



435 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/07/24 22:20:32.84 vt7AcuhX0 361/731



提督「俺は…俺は…そんな!!!」




提督「そんなクソどもの為に!この仕事やってんじゃねぇ!!!!!!!!」




提督「どうしようもねぇクズどもが…!!」

提督「何が運命だ!!!」

提督「何が定説だ!!!」


提督「死ね!!!!!!」

提督「死ね!!!!!!」

提督「死んでしまえ!!!!!!!」





提督「 お 前 ら が 代 わ り に 死 ね ! ! ! ! ! ! ! 」





436 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/07/24 22:24:31.06 vt7AcuhX0 362/731



「死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!」
「死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!」
「死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!」
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「死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ねぇぇ!」




「死ねええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!!!!!!!!!!!!!」




「あいつを傷付けた奴は皆死ね!!」





「深海棲艦も!人間も!何もかも皆死ね!!!」




「死ね!!!みんな死ね!!死んじまえぇ!!!!!!!!!!!」





「ちくしょう!ちくしょう!!ちくしょうぉぉぉぉぉぉ!!!」




437 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/07/24 22:25:43.95 vt7AcuhX0 363/731



羽黒「司令官さん…」

那珂「…だから」

那珂「だからあのクソ教官を殺そうとした?」


提督「あぁそうだ!!!」

提督「あのクズどもがいる限り、あいつは…」

提督「どれだけ頑張ろうが」

提督「どれだけ功績を上げようが」

提督「地獄から抜け出す事ができねぇ!!!!」

提督「だから…」


438 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/07/24 22:27:22.61 vt7AcuhX0 364/731





 刺 し 違 え て で も 殺 し て や り た か っ た の に さ あ ・ ・ ・ ! ! !




439 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/07/24 22:32:14.09 vt7AcuhX0 365/731



千歳「!?」ゾクッ

那珂「………提督」





「 ふ ざ け た 事 言 っ て ん じ ゃ な い よ 」





440 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/07/24 22:38:20.41 vt7AcuhX0 366/731



雲龍(わぁお)

巻雲「」


那珂「私の」

那珂「私の言う事が聞けないっての?」

提督「………」




那珂「………忘れたわけじゃないよね」


那珂「『私達があなたのもの』である限り」


那珂「『あなたは私達のもの』であるって事」




提督「覚えてるよ」

提督「だから」

提督「俺はお前達の為なら何でもする」

提督「死んで欲しいって言うなら死んでやる」



那珂「誰もそんな事は言っていない!!!!!」

提督「だけど今!!!!

提督「ここで命張らなきゃあいつは一生地獄だ!!!!!!」



提督「俺はこれからあのクズどもを殺して回らなきゃいけねぇ」

提督「今回のクソッタレな計画を思い付いたキチガイも」

提督「それに便乗した大本営のクソジジイどもも」

提督「またそれに便乗した殺人中毒のサイコパスどもも」


提督「裏にどんなキチガイカルト宗教が隠れてようが知ったこちゃあねぇ」

提督「俺がこの手でブッ殺してやる」

提督「ここが、俺の命の使い所だ」


441 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/07/24 22:42:42.00 vt7AcuhX0 367/731



千歳「…無茶よ、そんな事」

提督「わかってますよ。全員殺すのは数が多すぎるし、俺一人で全員殺すなんて無理かもしれない」

提督「でも最悪4、5人バラバラにでもしてやりゃいいんだ」

提督「それであいつらは大人しくなるはずだ」

提督「ああいうクズは、自分は傷付きたくねぇ正真正銘のクズばかりだからな」

提督「途中で俺が死のうが、『そういう流れ』ができちまったら」

提督「もう二度と如月を悪く言う事はできやしねぇ」



提督「だから…如月を救う為には、殺すしかない」


提督「俺が死ぬまで…何人も何人も何人も殺して殺して殺して…!!」


提督「あいつらに…わからせてやらなきゃいけねぇ…!!!」


提督「それ以外に…如月が助かる道は…無い…!!」



五十鈴「…その為の犠牲になるって言うの?提督が?」

提督「俺じゃなきゃ駄目だ」

提督「他の誰かの手を汚させるわけにはいかない」

提督「もう既に手を汚した」

提督「人殺しの俺が、やらなきゃいけない」

提督「死んでいった如月の代わりに…!!」

提督「俺が…!!!」





 一 人 で も 多 く の ク ズ を ブ チ 殺 し て や る ん だ ・ ・ ・ ! ! !





443 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/07/24 22:47:20.25 vt7AcuhX0 368/731



巻雲「司令官、様………!!」

あきつ丸「………」

あきつ丸(弾が出なかったとはいえ、『他人を殺すつもりで』引き金を引いてしまった事が…)

あきつ丸(提督殿を…化物に変えてしまった…)

あきつ丸(…友提督殿…申し訳、ありません…)ググッ

あきつ丸(自分は…!!)




「………提督さん」


榛名「それで、気は済みましたか?」




444 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/07/24 22:50:09.17 vt7AcuhX0 369/731



巻雲「は、榛名さん!?」

五十鈴「ちょっ…そんな事言ったら…!!」

提督「…何、だって?」


榛名「そうやって誰かのせいにして」

榛名「できもしない妄想を口にして」

榛名「それで、少しは気が楽になりましたよね?」



榛名「…もう、それで止めにしませんか」



提督「…榛名さん。あんたが何を言ってるのかわからない」

榛名「わからないというのならどうするのですか?」

榛名「本当に如月ちゃん達の提督を全員探し出して殺しますか?」

榛名「如月ちゃんを陥れたテレビの人達も全員殺しますか?」

榛名「日本も海外も、一人で回って殺していきますか?」

榛名「提督も、市民も、憲兵も、深海棲艦も。全て、あなた一人で?」



提督「あぁ…殺したい!!」


提督「無理なのはわかってる!!でもできる事なら全員俺がブチ殺してやりたいんだよ!!!」


提督「指を一本ずつ切り落として!!両手両足もぎ取って!!腸を引きずり出して!!」


提督「あいつらがやった事を!!恐怖を!!苦痛を!!!かみ締めさせながら!!!」


提督「殺してやりたい…!!!」


提督「そうでもしなきゃなぁ!!!納得できないんですよ…!!!!」


提督「他人を陥れておいて、自分だけがのうのうと生きているなんて…!!!!!」


提督「そんな不条理…あっちゃならないんですよ…!!!!!!」


提督「だから教えてやるんだ!!!」


提督「てめえが奪っていった命がどういうものなのかを…!!」


提督「てめえが作ったルールがいかにイカれた代物なのかを…!!」


提督「てめえと俺の命を引き換えに…!!叩き込んでやる…!!!」


提督「地獄の底まで…引きずりこんでやる!!!!」


榛名「………」



榛名「提督さん、あなたは間違っていますよ」



445 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/07/24 22:53:38.22 vt7AcuhX0 370/731




提督「間違っている!?」



提督「あいつらは死ななきゃならねぇんだよ!!!」


提督「そうじゃなきゃ、そうじゃなきゃなぁ!!」


提督「如月は…!!一生地獄の中で生きていかなきゃならねぇ!!」


提督「あいつらが!!如月に悪意の目を向けている限り!!!!」


提督「如月は、いつまでも…!!!」


提督「地獄から抜け出す事ができない!!!」




提督「だから如月を助けるためにはなぁ!!!!」


提督「あいつら殺すしかないだろうが!!!!」




提督「ブッ殺してやる…!!!」

提督「俺が、あのゴミクズどもを…!!!」




提督「死んでいった如月達の代わりに…!!!!!」




446 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/07/24 22:58:02.85 vt7AcuhX0 371/731



「この!!!!」



「馬鹿野朗ォ!!!!!!!!!」



金属がぶつかり捻じ曲がる音と共に、船が空に舞い上がり、回転し、提督を振り落とす。

提督はしがみつく事すらできず、無抵抗のまま海に叩き込まれた。


酸素が欠乏する海の中、何が起こったかも理解できない意識の中

酸素を求めて反射的に動く身体が彼を浮かび上がらせ、海面まで辿り着く。

だが酸素が十分に行き渡る事無く、次の災難が待ち受けていた。


胸倉を掴まれ引き上げられる。

揺さぶられる頭を必死に制御して、叫び声を一字一句逃さずに聴いていく。





「一人の女の子も救えない奴がぁ!!!!」









「偉そうにぃ!!!!」









「 御 託 並 べ て ん じ ゃ ね ぇ ぇ ぇ ぇ ぇ ぇ ぇ ぇ ぇ ぇ ぇ ! ! ! ! 」









頭に酸素が行き渡り、状況を理解した提督は困惑した。

自分の胸座を掴んでいるのは、いつも礼儀正しく朗らかな、榛名だったからだ。





447 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/07/24 23:01:03.32 vt7AcuhX0 372/731



提督「……………!!!」

榛名「っはぁ…はぁ…はぁ…!!」

提督「………」

榛名「………」

榛名「…提督さんにとっての艦娘って何なんですか?」

榛名「ただの兵器でしか無いんですか?」

提督「そんなわけがあるか!!!!」

榛名「じゃあ何で如月を見れないんですか!?」

提督「!?」



榛名「あなたの!!泊地の!!如月を!!!何で見れない!!!!」

榛名「あなたは!!!あなただけの、如月を通して、『駆逐艦如月』しか見えていないんじゃないんですか!!!」

提督「……………」



榛名「答えろぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!」



提督「…そんなわけが、あるか!!!」

提督「でもうちの如月だって、如月型艦娘の一人だ!!」

提督「如月型艦娘全体が悪意の目を向けられていたら、あいつだって幸せになんてなれない!!!」

榛名「だから殺す!?だから無駄死にしに行くって言うの!?」

提督「無駄死にじゃねぇ!!!」


榛名「 無 駄 な ん だ よ ! ! ! 」

榛名「 も う 遅 ぇ ん だ よ 何 も か も ! ! ! ! 」


448 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/07/24 23:04:42.66 vt7AcuhX0 373/731



榛名「4、5人殺せば考え直す…!?」


榛名「あの人達に…『そんな頭がある』と『本気で思ってる』の!?」

榛名「あの人達は…自分と同じ考えの人間が何人死のうが…」

榛名「そんな事も笑って済ませる…!!」

榛名「いや!!むしろあなたを煽って如月狩りを今以上に進めていく!!!」


榛名「そういう奴なのよ!!あいつらは!!!!」

榛名「もうどうしようもない!!!!」



榛名「友提督でも!」



榛名「元帥でも!」



榛名「大本営でも!!」



榛名「神様にだって!!!!この状況は変えられない!!!!!!」



榛名「人の悪意には…どんな手を使っても勝つことはできない…」


榛名「誰が何を言ったって!!消す事なんてできない!!!」


榛名「悪意に満ちた、人の心を変えることなんてできやしない!!!」


榛名「悪意は…人が、一人残らず死ぬまで…一生消えない…」


榛名「いや…人が死んでも、悪意だけは生き続ける…!!」


榛名「あなたが相手しようとしてるのはそういう奴なのよ!!!」


榛名「だから…絶対に勝てない…!!!」


榛名「立ち向かったって…無駄死にするだけで終わる…!!!」


榛名「だから…だから…」




榛名「止めてください…」




449 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/07/24 23:08:58.96 vt7AcuhX0 374/731



提督「……………!!」バッ

羽黒「司令官さん!」ガシッ


提督「………だったら…!!!」

提督「だったら俺はどうしたらいいんだよ!?!?」


提督「殺しても…!殺しても!!殺しても!!!」


提督「如月を助ける事ができないっていうんなら!!!」



提督「 ど う し ろ っ て い う ん だ よ ぉ ! ! ! ! ! ! ! 」



提督「あいつは、これから…ずっと…下手したら…一生…」

提督「この事を引きずって生きていかなきゃいけないんだぞ…」

提督「自分のせいでもない…自分達のせいでもない…」

提督「なのにこんな…!こんなの…呪いだ…!!」

提督「それを消してやりたい…!!何とかしてやりたいんだよ…!!」

提督「このままずっと惨めな思いをさせなきゃいけないなんて…嫌だ…!!!」

提督「そんなのは嫌だ…!!嫌なんだ…!!」

提督「あいつの笑顔が消えるなんて…嫌だ…!!」

提督「俺は、あいつの笑顔が好きなんだよ!!!」

提督「あいつには笑っていて欲しいんだよ!!!」

提督「なのに!!!!」

提督「殺したって!!!何にもならないんだったら!!!どうしろっていうんだよ!!!!」

提督「何をどうしたらいいっていうんだよぉ!!!!」



提督「もう…無理だってのかよ…!?」

提督「もう…どうにもならないのかよ…!?」

提督「あいつはずっと!!一生!!」

提督「あんなふざけたキチガイどものせいで!!!」

提督「一生辛い思いしなきゃいけないのかよぉ!!!!」



提督「そんなの…!!ぞんなのなぁ…!!!」ポロポロ

提督「そんなの…って…!!!ないだろぉおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!」



450 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/07/24 23:10:09.05 vt7AcuhX0 375/731





千歳「でも」


千歳「あの子の傍にいてあげる事はできるでしょう?」




451 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/07/24 23:14:52.33 vt7AcuhX0 376/731



提督「!?」

千歳「ずっと辛い思いをする事になったとしても、誰かが傍にいてくれるなら」

千歳「心の痛みっていうのは、凄く楽になるものよ」


千歳「如月ちゃんは、あなたの事を愛しているわ」

千歳「人として、異性として、心の底から愛している」

千歳「そんなあなたが、居なくなったら、もう二度と会えないと知ったら」

千歳「そしてそれが自分のせいだと知ったら」

千歳「遺された如月ちゃんは…もう二度と立ち直れなくなる」

千歳「あなたが言う悪意に負けてしまう」

千歳「本当に、あの子は笑えなくなる」


提督「………」

千歳「わかってる。提督は、優しい人だから…」

千歳「本気で…如月ちゃんのこれからの事を考えているのよね」


千歳「でもあの子の事を大切に思っているのなら、ちゃんと向き合ってあげて」

千歳「あなたの事を見ている、今も生きている、『一人の女の子』の方を向いてあげて」

千歳「そうしたら、あなたが今ここで命を投げ捨てるよりも、如月ちゃんはずっとずっと幸せになれると思うわ」



千歳「『あなたの如月ちゃん』は『あなたにしか救えない』」



千歳「それは那珂ちゃんも、羽黒さんも、友提督も、私達も、他の誰にもできない」

千歳「あなたにしかできないの」

千歳「代わりは、誰もいない」

提督「………」


452 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/07/24 23:17:33.85 vt7AcuhX0 377/731



五十鈴「どうするの?」

五十鈴「先に言っとくけど、五十鈴は『テロリストの護送』なんてしたくないわよ」

五十鈴「でも、『友提督の友達の護送』なら全力でやってあげるわ」

五十鈴「対潜も対空も、五十鈴に任せて」

巻雲「提督様!!急いで行けばまだ間に合うと思います!!」

巻雲「巻雲も、全力で提督様をお守りしますよ!!」

雲龍「邪魔する奴は艦載機一機でダウンよ」

あきつ丸「…提督殿」

那珂「提督」

羽黒「司令官さん」




提督「………俺は…」


提督「行きましょう」


提督「…じゃなかった」フルフル


提督「帰りましょう」


提督「俺の泊地に」




千歳「………うん!!」

榛名「了解しました!!」


453 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/07/24 23:20:25.50 vt7AcuhX0 378/731



提督「…で、ボートなんだけど」

提督「ひっくり返したらまた使えるかな」

ボート「」マタテンプクカヨー

榛名「………」

あきつ丸「やるだけやってみるであります」

那珂「そうだn」





ボート「ひでぶ!!」ズボム!!!





巻雲「ふぉ!?」ビクゥッ

提督「………」

榛名「………」

羽黒「………」

那珂「………」

提督「那珂。肩貸してくれね?」

那珂「いいよ」

榛名「あ…あの、提督…さん」

榛名「ごめんなさい!!」

提督「いいですって」


提督「…お陰様で目が覚めたんだから」

提督「ありがとうございます…千歳さんも」

千歳「やだそんな…」



千歳「可愛い義弟の為だもの」



454 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/07/24 23:30:20.15 vt7AcuhX0 379/731



あきつ丸「えっ」


提督「えっ」


千歳「えっ」




千歳「…千代田に手、出したって…聞いたんだけど」

提督「どっから流れたその情報!?」

千歳「千代田本人から」

提督「何やっちゃってんのアイツー!?」ガビョーン

那珂「何?お酒に酔ってロストバージンさせちゃった話するの?」

提督「 お ま え も 」ズゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

千歳「あら」


五十鈴「さ、最低!!やっぱテロリスト!!こいつエロテロリスト!!」

提督「義姉さんごめんなさい!!」

提督「友提督ごめんなさい!!」


提督「 お っ ぱ い ご め ん な さ い ! ! 」

五十鈴「おっぱいじゃねーよ!!!」


提督「僕を死刑にしてください!!」

五十鈴「いい覚悟ねこのエロテロリスト!!」


五十鈴「 姉 の ブ ル マ と 妹 の お っ ぱ い は 私 が 守 る わ ! ! ! 」

那珂「いや本体守ってあげなよ」

羽黒(本体って何だろう)


オマエハイスラデボコルワ… イスズチャンハハイスラッテヨリパイスラダヨネ ウルサイキガチル


あきつ丸「………」

雲龍「………」

巻雲「………」

雲龍「愛を確かめたいエゴイストは君の奥まで辿りつきたいのね」

巻雲「何を言ってるのかよくわからないよ」

雲龍「ググれ」

巻雲「ググります」


455 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/07/24 23:33:43.08 vt7AcuhX0 380/731




雲龍「それでy………!!」ピクン



雲龍「敵機発見」

千歳「!!」

五十鈴「!!」

提督「敵?」

榛名「数は?」

雲龍「数は…艦載機が90くらい」

千歳「でも、敵艦が見えない…?」

五十鈴「アウトレンジからの攻撃?」

五十鈴「バカね。万全じゃなくても沈められると思ったのかしら」

榛名「ですが、全力で行かせてもらいます」

千歳「羽黒さん、那珂ちゃん、提督さんをお願い」

千歳「ここは私達だけで片付けます」

榛名「時間がありませんので速力はそのままで行きましょう」

羽黒「わかりました。お願いします」




千歳「やるわよ、榛名」

榛名「えぇ」

榛名「待ちに待った反撃の好機」

榛名「邪魔するものは!誰だろうと!!」




「私達が許しません!!!」




456 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/07/24 23:36:42.24 vt7AcuhX0 381/731



巻雲「ど真ん中!撃ち抜いちゃいます!!」


五十鈴「対空戦も五十鈴の十八番よ。一機残らず落としてあげる」


雲龍「人の恋路を邪魔する者は馬に蹴られて地獄に落ちなさい」


あきつ丸「不肖あきつ丸、烈風にてご助力するであります」


千歳「私達がいる限り、提督さんはやらせはしないわ」


榛名「パラオ特別鎮守府第一艦隊!!旗艦榛名!!!」

榛名「全力で!!参ります!!!」




榛名「 全 艦 ! ! ! 」


榛名「  反  撃  開  始  !  !  !  !  」




463 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/08/07 21:23:50.73 aCcFn7iK0 382/731



・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・

・・・・




464 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/08/07 21:30:50.46 aCcFn7iK0 383/731



「ックソ!!」


「あぁ!!こっちもやられた!!」


「ふざけんなよ…」


「何なんだよあいつら」


「勝てるわけねぇだろこんなの!!」


「あと何機残っている!?」


「ふっざけんなよこいつら…」


「何でこれだけいて一人も殺せない!?」


「このままじゃ…」


「………!!」


「………!!」
「………!」
「………」


465 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/08/07 21:36:32.91 aCcFn7iK0 384/731



社長「」ガチャ

部下1「社長………」

社長「どうなった?」

社長「殺せたのか?」

部下1「それが………その」



部下1「全滅です」



社長「え?」

部下1「90機の深海棲艦の艦載機…」

部下1「に似せたドローン部隊…」

部下1「全滅しました」



社長「嘘だろ!?」

社長「たった3分だぞ…!!」

社長「たった3分で…90機のドローンが全滅…!?」



社長「化物…いや!待て!!」

社長「あいつらはたった2隻と1人だろうが!?」

社長「何で殺せない!?」

部下1「それが…護衛の艦隊がいるみたいです」

社長「護衛の艦隊ぃ!?そんな話は聞いていないぞ!!」

社長「一体どこのどいつだ!こんな事に首を突っ込んだ奴は!!」

部下1「………」


466 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/08/07 21:56:00.10 aCcFn7iK0 385/731



部下1「…パラオの英雄、友提督です」

社長「は?英雄?」


部下1「………」

部下1「多くの艦娘が沈んだと言われるアイアンボトムサウンドを『一切の犠牲を出さずに』突破し」

部下1「AL/MI作戦では深海棲艦の本土奇襲を予想し防衛に成功」

部下1「その他様々な功績から特進を繰り返し」

部下1「ついにはパラオの『特別鎮守府』に着任した事から付いた渾名です」


社長「特別鎮守府?」

部下1「パラオには『鎮守府』よりも小規模な『泊地』しかありません」

部下1「深海棲艦の狙いは大本営のある日本の本土…他の土地はその為の足がかりだと考えられています」

部下1「襲撃の度合も戦力差も、日本に向けられるものと、日本が防衛拠点を置いている海外に向けられるものでは大きな差があります」

部下1「だから、日本本土には規模の大きい『鎮守府』を配置しています」

部下1「逆に海外には『泊地』しか配置されていません。それで十分だと判断されているからです」

部下1「過剰な防衛力は必要無い。必要の無い防衛力に貴重な資金も資源も割けない。それが大本営の考えです」

部下1「普段は常駐の艦娘で対応し、万が一大規模の襲撃があった際は外部からの救援を呼ぶ、というつもりらしいです」


部下1「にも関わらず」

部下1「友提督は『パラオ』で『特別』に『鎮守府』を任されています」

部下1「…例外中の例外でしょう」

社長「それを任せるだけの価値があると…つまり、大本営からの信頼も厚い、相当な実力者だと」

部下1「…恐らくは、そういう事でしょう」



部下1「彼の傍にはいつも二人の秘書艦が付いている事でも有名です」


部下1「軽空母千歳型一番艦娘、千歳」

部下1「高速戦艦金剛型三番艦娘、榛名」

部下1「二人ともアイアンボトムサウンドを切り抜け生還した…歴戦の艦娘です」


部下2「ちょっと待て!今あそこに居るのは!!」ガタッ



部下1「…そうですね。榛名型艦娘もしくは千歳型艦娘を旗艦とした…恐らくは第一艦隊…」

部下2「じゃあ、あそこにいる奴らは!!」

部下1「パラオ特別鎮守府…友提督の誇る最強の戦力…だと思います」



467 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/08/07 21:59:34.02 aCcFn7iK0 386/731



部下2「なんてこった…!!」

部下2「散々お膳立てして孤立させた駆逐艦娘1人ならともかく…バケモン6人!?」

部下2「そんな奴らにこんなラジコン飛行機で勝てるわけ無いだろ!!」




社長「いいや…殺せる…殺せるさ…!!」

部下1「社長」

社長「何もあいつらを殺さなきゃいけないわけじゃない」

社長「英雄だかドコモだか知らないけど、無視してやればいいんだ」

社長「僕達の狙いは…」

社長「あの特務提督一人!!」

社長「要はアイツ一人殺せばいいんだよ!!」

部下2(何言ってやがる、今の90機使っても殺せなかったんだぞ!?)

部下2(他にどんな手段があるっていうんだよ!?)




社長「船に仕掛けた爆弾を起爆だ!!」バッ

社長「あいつの乗っている船を爆破してやれ!!」

社長「結界の無い生身の人間なんて、それで木っ端微塵だぁ!!!」




部下1「………」

部下2「………」

社長「あ?」



部下1「社長」

部下1「…それが…」

部下1「提督は船に乗っていないみたいです」

部下1「艦娘にしがみ付いて移動しています」

社長「…は?」


468 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/08/07 22:00:23.67 aCcFn7iK0 387/731






社長「 は あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ ! ? ! ? ! ? 」





469 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/08/07 22:07:51.65 aCcFn7iK0 388/731



社長「っざっけんなよ!!何考えてやがる!!ざけんじゃねぇぞ!!!キチガイ野朗が!!!」バァン!!

社長「あぁぁああ!!イライラするぅ!!!」

社長「意味わからねぇ奴は出てくる!!爆弾は使えない!!!」

社長「とっとと死ね!!」

社長「死ねっつってんだよ!!!」

社長「 ク ソ が ! ! ! ! 」

部下2(うわっ………)

部下1「………」

部下1(…ん?これは………)



部下1「あ、あの…社長」

社長「あぁあ!?!?」



部下1「今大本営の方から連絡が入りました」

部下1「武蔵の随伴艦隊が追撃をかけています」

社長「武蔵の随伴艦隊?武蔵はどうしたんだよ武蔵は!!」

部下1「それが、連絡が取れなくなっているみたいです」

社長「ックソ!!何やってやがる!!!」

社長「で、使えるのかそいつらは!?」

部下1「えぇ…まぁ…」

部下1「教官さん曰く、『寝取ってきたコレクションの中でも特に練度の高い連中を用意してきた』らしく」

社長「でもあいつらだって『パラオの英雄』なんだろう!?勝てるのかぁ?」

部下1(それでも駄目なら、もうどうしようもないだろ…)

部下1「せ、性能は社長もよくわかっているのが揃っているかと…」

社長「あ?」

部下1「こちらは教官さんから頂いていた資料です。今回の作戦で使う艦娘の戦力表です」

社長「はっ…」パラッ

社長「…あーあーあーあーあー、こいつらか」

社長「これとこれとこれ、あの馬鹿どもの鎮守府でもよく見た顔だ」

部下1「正確にはあの鎮守府にいたものの同型艦娘で、今回の出撃した艦娘はあの鎮守府の艦娘よりも練度ははるかに高く」
社長「そんな事は聞いてねぇ」

部下1「………」

社長「じゃ、進捗だけ報告して来い」ポイッ

部下1「あ…はい。お疲れ様です」

社長「………」ガチャバタン


470 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/08/07 22:10:19.01 aCcFn7iK0 389/731



社長「………」ツカツカツカ

社長「チッ…何で僕がこんなイライラしなきゃいけないんだ」ブツブツ

社長「もう僕の勝利は確定しているんだ…」

社長「あんなガキ(提督)一人いようがいまいが関係ない…」

社長「…僕からしてみりゃ特務提督なんてどうだっていいんだ」

社長「なのに、あいつらが………」


471 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/08/07 22:13:17.80 aCcFn7iK0 390/731




「彼女の所属する泊地の特務提督を殺してください」



「あれ(特務提督)は」



「我々にとっても危険な存在なんです」



472 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/08/07 22:31:24.12 aCcFn7iK0 391/731



「今の海軍の要である艦娘にばかり目が行きがちなんですけどね」

「艦娘単体なら正直言ってそこまで脅威じゃないんです」

「海の上を移動できる?」

「特別な艤装で砲撃ができる?」

「そんなものは大したものじゃありません」

「私達が本気になって手段も選ばなければ、一週間ちょいで全員消せます」

「まぁ艦娘だけだったら、私達が何もしなくてもいつかボロが出て全滅すると思いますけどね」


「貴方が作った番組がそれを証明していましたよね」

「提督と艦娘の関係が必要最低限レベルまで希薄になった鎮守府…それがあの鎮守府」

「提督は艦娘とのコミュニケーションを極力避け」

「直接指揮も取らずに艦隊編成から指揮まで艦娘任せ」

「その結果は、まぁ、あんなゴミみたいなものですが」

「やたらご執心なのがいたみたいですけど、あんなの逆効果ですよ」

「全体的に見てみれば、上下の繋がりも左右の繋がりも、希薄中の希薄」

「傍から見てても嫌悪感しか感じませんでした」

「正直あんな負債みたいなのを抱えなきゃいけない海軍に同情しちゃいますよ。そこだけは」


「でも」

「提督と艦娘」

「この二つが強く、本当に強く結びついてしまった時は注意しなければいけません」

「どういう原理で、あんなお飾りみたいなのが役に立ってるのかは知りませんが」

「最悪の場合、こっちの予想を大きく越えてくる」

「アイアンボトムサウンドの時のように…」ギリッ…


473 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/08/07 22:38:21.43 aCcFn7iK0 392/731



「だから殺してください!」


「いいえ、殺しなさい。絶対に殺しなさい!」


「どんな手段を使ってでも殺しなさい!!」


「人1人死んだくらい、貴方ならごまかせますよね?」



「 殺 り な さ い 」


「 あ な た に 、 拒 否 権 は 、 な い 」



「私達がやれと言った事に従えないっていうのでしたら」



「死にますか?」



「私はそれでも構いませんが?」


「あれから随分年月が経ちましたけど」


「あなたを恨んでいる人は沢山いるんですよ」


「私はそれでも構いませんけど」




「人として死ねるとは思わないでくださいね」




474 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/08/07 22:44:50.26 aCcFn7iK0 393/731



「殺りますか?それとも死にますか?」

「でもここで死んだら、あれだけ恨んだキサラギ社にも、しかえしできませんよ?」

「私としては殺った方がおすすめだと思いますよ」

「殺りますか」

「えぇ…それでいいんですよ」



「…じゃあ、話を進めちゃいましょう」

「戦艦大和って知ってます?宇宙戦艦じゃないですよ」

「あれの二番艦、って言っても艦娘ですけど」


「あれをこっちに引きずり込みました」


「今回協力してくれる大本営さんの方からも数人艦娘を出してくれるそうです」

「後は大本営さんと相談してください」



「え?私達ですか?」

「外から様子を見てますよ」

「やるわけないじゃないですか」

「万が一足が付いたときに貴方達の巻き添えを喰うのはごめんですよ」

「イメージって、大事ですからねぇ」クスクスクスクス


475 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/08/07 22:47:39.41 aCcFn7iK0 394/731



社長「クソッタレが!!!あのブス!!!!!調子に乗りやがってあのブス!!!!!!」ガスッ

社長「あいつらはやたらビビッてたけど、あんなんのどこにビビる要素があるって言うんだ!?」

社長「僕には関係ないね…どうだっていい!!」

社長「僕が手を下さなくたってどうせこの一件で特務提督も全員終わりさ!!!」

社長「だから殺せないなら殺せなくたってそれでいい…!!」

社長「随伴艦隊とかいうのは、時間を稼げばそれでいい…!!」

社長「時間だけ稼いでくれりゃ…その間に…」



社長「キサラギ社員のフリをした人間が」

社長「如月の娘を回収し…」

社長「キサラギ社に身代金だの何だの、色々要求してやる…!!」



社長「娘を見殺しにするようなら、また飛ばし記事だの何だので社会的に殺してやる」

社長「あいつが素直に用件にしたがえばそれでいい…!ケツの毛まで毟り取ってやる!!」

社長「どっちにしたってアイツに残るのは、腹が膨らんだ薬漬けのガキ一人って算段だ…!!」



社長「如月ィ…!!」

社長「お前はこの手で地獄に叩き落してやる…!!!」

社長「神であるこの僕を散々馬鹿にして、否定した…その罪を…!!!後悔させてやるんだ…!!!!」

社長「僕が味わった地獄…!!それ以上の地獄の底で…!!!」



「地獄の底で…後悔して後悔して後悔して後悔してェェェェェェ!!!!!」



「 僕 に 詫 び 続 け る 運 命 な ん だ よ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ! ! ! ! ! ! ! 」



476 : ◆ZFgfLAc.nk - 2016/08/07 22:48:50.41 aCcFn7iK0 395/731






「 娘 と も ど も ォ ォ ォ ォ ォ ! ! ! ! 」





「 地 獄 に ィ ィ ィ ィ ィ ィ ィ ィ ィ ィ ィ ! ! ! ! ! 」





「 堕 ち ろ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ! ! ! ! ! 」 






続き
如月「消されるな、この想い」【3】

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