しほ「まほ、みほ、今日来てもらったのは他でもありません、今度行われる島田流との親善試合のことです」
みほ「うん、お母さん、私もお姉ちゃんもベストを尽くすよ!」
まほ「みほの言う通り最善を尽くします」
しほ「何を生ぬるいこと言ってるんです!あいつらに勝つのは当たり前のことです! 人間として生まれたことを後悔するくらいの目に遭わせてやらないとダメなのです!」
元スレ
【ガルパン】島田流と親善試合です!
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1462018749/
まほ「え…えーっと、お母さま、親善試合の『親善』という言葉の意味をわかってますか?」
みほ「何がそんなに気に入らないの?」
しほ「あの島田のクソ女が学生時代からずっと気に入らないのです。格下の新参者のくせして事あるごとに西住流に突っかかってきて、ムカつくったらありゃしない!それにあんなスカした格好してるくせにジャニオタで休みの日にはジャニーズの追っかけやってるし」
まほ「それは別に構わないと思いますが…」
みほ「それを言ったらお母さんだって氷川きよしの追っかけを…」
しほ「二人とも黙らっしゃい、とにかくお母さんはあの女が大嫌いなのです。なにが『宅の愛里寿ちゃんは天才で12歳にして大学に飛び級で入学したザマス、気苦労が多くて凡人なお宅の娘さんたちがうらやましいザマスわ』だ。あんなクソガキ、ハイエースに乗った変態に誘拐されればいいのよ」
しほ「お母さんはあのバカ親子と不愉快な仲間たちに「西住流には勝てなかったよ…」ってM字開脚でアヘ顔ダブルピースさせてやらないと気がすみません。そこであなたたち二人には何が何でも勝ってもらいます。万一負けた場合にはそれなりのペナルティを科すつもりでいます」
みほ「ええっ!」
まほ「そ…それは一体…」
しほ「まずはみほ、もし負けたら仕送りを停止します。その上で所有する全てのボコグッズを廃棄、ボコミュージアムと全国のボコショップに回状を回して全部出禁にしてもらいます」
みほ「ぎゃあぁぁぁぁぁ!」
しほ「そしてまほ、負けたらあなたがベッドの下や本棚の裏にナニを隠しているのかネットで全世界に配信します。ついでに隠してあるブツを使ってアレをナニしているとこの動画も配信します」
まほ「ひええええ!」
しほ「これだけ聞いたらモリモリとやる気が湧いてきたでしょ?わかったらさっさと自分のとこに帰って訓練を始めなさい」
みほ「あわわわわわ」
まほ「あわわわわわ」
大洗女子学園
桃「全員傾聴!本日から島田流を中心とした大学選抜チームとの親善試合のための特別強化訓練を開始するが、その前に隊長の西住から訓示がある。西住、頼む」
みほ「みなさん、みなさんは今まで廃校の撤回のために戦ってきました。ですが、今度の戦いはそれをはるかに上回る大事な戦いになります。みなさんと私の母校、この大洗女子学園を守るよりも重要な戦い、それはボコと私の仕送りを守る戦いです!」
優花里「えっ?」
沙織「はあ?」
杏「ちょ、ちょっと西住ちゃん、なに言ってんの?」
みほ「みなさんには今までにない過酷な訓練を課すことになるでしょう、ですがそれも全てはボコと仕送りのためです!今の私に言えるのはこれだけです、『ボコと私の仕送りのために死ね!犬死にはさせん!』以上です」
沙織「なんなのこれ…」
華「『犬死にはさせん!』ってこれ以上ないくらいの犬死にだと思うのですが…」
麻子「うーん、他人の仕送りのために死ぬのはやだなあ」
優花里「でも西住殿、この間の試合でもわかる通り、大学選抜チームはものすごい強敵です。容易に勝てる相手じゃありませんよ」
みほ「大丈夫、お母さんに頼んで秘密兵器を用意してもらってるの。『我ニ秘策アリ』よ」
同時刻・黒森峰女学園
まほ「…というわけで、私の世間体のために死ね!犬死にはさせん!以上だ」
エリカ「隊長!なんぼなんでもストレート過ぎます!」
まほ「なにを言ってるんだ!もし負けたら私はその後の人生を帽子にサングラスとマスクのコンビニ強盗ルックで過ごすか、自害して果てるかの絶望の二択なんだぞ!そうなったら貴様ら全員道連れにしてやるからな!」
エリカ「でも隊長、この間の試合でもわかる通り、大学選抜チームはものすごい強敵です。容易に勝てる相手じゃありませんよ」
まほ「大丈夫、お母さまに頼んで秘密兵器を用意してもらってるんだ。『我ニ秘策アリ』だ」
つづく
親善試合当日…
愛里寿「ちょっと…、なにこれ…」
メグミ「ちょっと!なんなのよこれは!」
みほ「なんなのって、見ての通りⅣ号戦車ですよ?」
ルミ「どう見てもレオパルトⅡじゃないの!ベニヤ板で適当な外見作ってるだけじゃない!」
アズミ「これって昔の戦争映画に出てきたヤツじゃ…」
みほ「優花里さん、あの人たちはああ言ってるけど、これってⅣ号戦車だよね?」
優花里「ええ、まあ…」
みほ「私の眼を見てはっきり答えて。これってⅣ号戦車だよね?」
優花里「は…はい…確かにⅣ号戦車です…」
みほ「というわけで、大洗女子学園のチーム編成は『Ⅳ号戦車』8輌です」
メグミ「ちょっと!こっちもなんなのよ!」
まほ「なんなのって、ティーガーⅠだが?」
ルミ「こっちはT-80じゃないの!やっぱりベニヤ板で外見作ってるだけじゃない!」
アズミ「これも昔の戦争映画に出てきたヤツでしょ…」
まほ「エリカ、あの人たちにはこれがT-80に見えるらしい。お前にはこれが何に見える?」
エリカ「ティーガーⅠです…」
まほ「聞こえない、もっと大きな声で!」
エリカ「これはティーガーⅠです!」
まほ「というわけで、黒森峰女学園のチーム編成は『ティーガーⅠ』12輌だ」
千代「ゴルぁぁぁ!審判!どないなっとるんじゃぁぁぁ!」
レミ「あれはどう見てもⅣ号戦車とティーガーⅠです。別に自動車のローンと家賃を肩代わりしてもらってるからってそう言ってる訳じゃないですよ?」
花音「あれはどう見てもⅣ号戦車とティーガーⅠです。別に男を世話してもらったからってそう言ってる訳じゃないですよ?」
ひびき「あれはどう見てもⅣ号戦車とティーガーⅠです。別に家族全員ハワイ旅行に招待してもらったからってそう言ってる訳じゃないですよ?」
審判員3名一同「というわけで、なにも問題ありません」
千代「ぐぬぬ!汚い手を!」
しほ「おーっほっほっほっほ!負け犬がなにか騒いでいるようね!まほ!みほ!やーっておしまい!」
みほ&まほ「アラホラサッサー!」
『試合終了!黒森峰・大洗合同西住流チームの勝利!』
優花里「うーん、勝つには勝ったけど、すごく後味悪いなあ」
沙織「試合というより弱いものいじめだったからねえ」
華「愛里寿ちゃん、ガチ泣きでしたからねえ」
麻子「島田流の家元がものすごい顔でにらんでてこわかった」
しほ「まほ、みほ、素晴らしい試合でした。これはご褒美をあげないといけませんね。まずはみほ、来月から仕送りを5割増しにしましょう。それとこれをあげましょう、ボコミュージアムと全てのボコショップで使える株主優待スーパープレミアムカードです。アトラクション乗り放題の上に全商品5割引きのサービスが受けられます」
みほ「お母さんありがとう!」
しほ「まほにはこれをあげましょう、熊本市内のあるマンションの鍵です。例のブツは全てこの部屋に移してあるので思う存分アレをナニするプライベートスペースとして使いなさい」
まほ「今日ほどお母さまの娘に生まれたことを嬉しく思ったことはありません…」
しほ「あらあら二人とも、こんなところで泣く人がありますか」
華「素晴らしい親子愛ですね」
沙織「そうかなあ…」
第1部完・次回第2部『逆襲の島田流』に続く
第2部・『逆襲の島田流』
菊代「島田千代さまからリターンマッチの申し入れが届きました」
しほ「懲りない女ねえ、まほとみほを呼んでちょうだい。軽くひねってやりましょう」
再試合当日…
みほ「え…ええ…」
まほ「な…何だこれ…」
しほ「おいコラぁぁぁ!何なんだこれはぁぁぁ!」
千代「なにって、我が島田流の主力戦車・M26パーシングじゃないの」
しほ「これのどこがパーシングだぁぁぁ!パーシングどころか戦車ですらないじゃないの! どう見ても攻撃ヘリコプターじゃないの!」
千代「あら、あなたにはこれがAH-64アパッチにでも見えるというの?学生時代からバカだと思っていたけど完璧なバカだったようね。よく御覧なさい、横っ腹にでっかく『これがM26パーシングに見えない人はバカです』って書いてあるじゃない」
しほ「ふざけんなゴルぁぁぁぁぁ!正々堂々と戦えぇぇぇ!」
みほ「お母さんがそれを言うかなあ…」
しほ「おい審判!なんか言ったらんかい!」
レミ「あれはどう見てもM26パーシングです。別にホストに入れあげて作った借金を肩代わりしてもらったからってそう言ってる訳じゃないですよ?」
花音「あれはどう見てもM26パーシングです。別にうっかり轢き逃げしちゃったのをもみ消してもらったからってそう言ってる訳じゃないですよ?」
ひびき「あれはどう見てもM26パーシングです。別にリストラされた父親の再就職を斡旋してもらったからってそう言ってる訳じゃないですよ?」
審判員3名一同「というわけで、なにも問題ありません」
しほ「裏切り者ぉぉぉ!金返せぇぇぇ!」
千代「おーっほっほっほっほ!負け犬の悲鳴のなんと心地よいこと!さあ早く試合を始めましょう!」
優花里「あの…帰っていいですか?」
沙織「こんなの戦車道でもなんでもないじゃない…」
華「だったらご飯食べて帰りましょう、近くにおいしいお店見つけたんですよ」
麻子「割り勘負けするからやだ」
みほ「ああっみんな帰らないで!」
エリカ「正直もうついていけないです…、後は西住と島田の人だけでお願いします…」
まほ「おいエリカ!どこに行くんだ!」
千代「あらあら、古いだけが取り柄の田舎流派は人望がなくて大変ねえ。今回は私たちの不戦勝かしら?」
愛里寿「お母さま…、こっちも私以外全員帰りました…」
千代「えっ?」
千代「………今回は引き分けということにしといてあげるわ」
この親善試合に端を発した醜い争いにより、西住流・島田流ともに門下生が大量に離反、競技人口が大幅に減少して戦車道は一気に廃れた。
完