1 : 以下、\... - 2016/12/23 00:02:31.482 eNC1+691K.net 1/11

「ん……。なんだい暁……トイレぐらい一人で……」

「ち、違うわよ! 響、行きたいわよね? ね?」ユサユサ

「はぁ……あぁ、そうだね」

「うん! じゃあ行くわよ!」



「暁は毎晩のようにこれなんだ。司令官、どうにかして欲しい」

「これでは疲労が溜まる一方だ。ゆっくり休めやしないよ……」

「……あぁ、よろしく頼んだよ」

「それじゃ」


(司令官、大丈夫だろうか……)

元スレ
暁「ねえ響……起きてる? お手洗いに行きたいでしょ? ね? 一緒に行ってあげるから起きて、ねぇ……」ユサユサ
http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1482418951/

19 : 以下、\... - 2016/12/23 00:10:15.388 eNC1+691K.net 2/11

「司令官、ごきげんようです」

「それで、レディーに用事ってなにかしら」

「……」

「は、はあ? 夜中のお手洗いぐらい一人でいきなさいって……なによ失礼しちゃう」

「あれは暁が行きたいんじゃなくて響が――」ペシッ

「きゃうんっ!?」

「な、なにするのよ司令官!!」

「は、はあ……? あ、暁だって一人でいけるわよ!!」

「と、当然じゃない! 一人前のレディーなんだから!!」

「用事はそれだけかしら! こんなことで呼び出されるなんてイヤになっちゃうわ」プンスカプン

「それでは、お先です司令官」フンッ

25 : 以下、\... - 2016/12/23 00:19:04.107 eNC1+691K.net 3/11

「ふう、今日も疲れたね早く寝ようか」

「うんっ明日も早いしゆっくり寝ましょっ」

「雷ちゃん一緒に寝るのですー」ギューッ

「みんな、おやすみ」

「おやすみー」



(うぅ……眠れないよう……それに、どうしよう……)モジモジ

「ひびk……はっ」

(……昼間にあんなこと言っておいて結局人に頼るなんて……暁だってレディーとしてのぷらいどがあるんだから)

「い、行けばいいんでしょ行けばあ!」


(ほっ……司令官はちゃんと言ってくれたようだね。良かった。でも暁は心配だなぁ)

28 : 以下、\... - 2016/12/23 00:26:50.463 eNC1+691K.net 4/11

「うぅー暗いよぉ怖いよぉ……」モジモジ

「……」ソロソロ

「お、お化けとかそんなのい、いるわけないんだから……」ビクビク

「へっちゃらだし……」ソロソロ

「うぅ……」モジモジ

「……」ソロソロ

「この廊下……なんで夜はこんなに長いのよう……」

「雷ぃ……電ぁ……」ガクブル

「って……あれ? ここ、暁型の部屋の前?」

「……ううん、きっと気のせいよ……なにかのまちが」

ガチャッ

「!」

ギィィィ

「あ……あわあわ……」ガクガクブルブル

31 : 以下、\... - 2016/12/23 00:36:56.042 eNC1+691K.net 5/11

「ぴゃああああっ――」

「……ん」

「――」

「あれ、暁。トイレに行ったんじゃなかった……のか……い」

「――」チョロチョロ…

「……Боже мой」

「」

「暁……?」

「あ……」

「ひ、ひびきぃ……」ヘナヘナ

「ぴゃっ!?」ピチャッ

「響ぃ……」グスッ



「あ、うん……大丈夫、誰にも言わないよ……片づけようか……」

32 : 以下、\... - 2016/12/23 00:42:35.041 eNC1+691K.net 6/11

「以上、これが昨日の報告だよ」

「トイレに行ったと思って追いかけたら扉の前で固まってたんだよ。なにがあったかはわからないけど」

「まあなんであれ、暁がお漏らししたのは暁と私と司令官だけの秘密にしておいてやってくれ」

「あぁ、暁はあれからもっと私を起こしてくるようになったけど、進歩はあったよ」



「ね、ねえ響……お手洗いに行きたいんだけど……ね、一緒に着いてきてよお願い……」ユサユサ

「……」

「ありがとう……」ギューッ

「あ、暁。あまりくっつかれると歩けないよ」

「……」ギュッ!

「……はぁ」ナデナデ

35 : 以下、\... - 2016/12/23 00:55:02.272 eNC1+691K.net 7/11

(あれ、まっすぐ歩いてきたはずなのにここは暁型の部屋……)

「……ね、ねえ響。お手洗いついた? ついた?」

「ええっとまだ、だよ」

「着いたら言ってよね? 絶対ね?」

「あぁ、わかってるよ」

「ありがと……」

「……」



「……着いたよ」

「……ホント?」

「あぁ、たぶん……」

「ほっ、またお漏らしなんてしちゃレディーが台無しですものね」フフン

「そうだね……気をつけて行っておいで」

「……うん?」

「いや、まあいいか」

「うん」

37 : 以下、\... - 2016/12/23 01:06:32.211 eNC1+691K.net 8/11

「結論から言うと、あれは幻覚だったんだと思うことにした。暁は恐怖心、私は日頃の疲れで変なものを見たと」

「でも一応司令官には報告しておくよ」

「あの夜、暁の顔がひどくやつれて見えた。それこそなにかにとりつかれたように」

「司令官、しばらくの間一緒にいてくれるね?」

「……Спасибо」

「実を言うとあれから私も少し怖いんだ。夜の廊下が」

「悪いね……」

39 : 以下、\... - 2016/12/23 01:17:10.743 eNC1+691K.net 9/11

「そして、その夜」

「夜中にお手洗いに行くと出て行った暁、響、司令官」

「3人は今も戻ってきていないのです」

「鎮守府を総当たりして捜索したけど」

「全勢力を以てしても結局、見つかりませんでした」

「3人はどこへいってしまったのか……誘拐、拉致」

「それとも次元の狭間に引き寄せられてしまったのかもしれません」

「次はあなたの番かも」

「知れないのです」

40 : 以下、\... - 2016/12/23 01:26:35.812 eNC1+691K.net 10/11

「なーんて、全部私たちの作り話!」

「仮に本当に司令官さんがトワイライトゾーンに引き込まれてたら淡々としてる場合じゃないのです」

「でも、暁が夜中におもらししたのは本当」

「ばっ、なに言ってんのよ響ぃ!!!」ポカポカ

「真っ暗な廊下に怖がって部屋を出て一歩も歩けなかったのよね」

「ち、ちがっ」

「でも、きっと無理に治すものではないと思うのです。怖いものは怖いと思います」

「そ、そうよね! 電はいいこというじゃない!」

「ま、一番の近道はもっと素直になることだよ。暁」ポンポン

「あ、頭をなでなでしないでよ! 子供扱いしないで!」

「ふふふっ」ナデナデ

「もうーーー!」ポカポカ



第六駆は天使。

41 : 以下、\... - 2016/12/23 01:28:48.079 eNC1+691K.net 11/11

「っていうか、なによこれ」

「さぁ……?」



おしまい。

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