1 : VIPに... - 2014/07/31 01:51:26.44 On1FBYFX0 1/26

「まさか高校に通うことになるなんて思ってもなかったぜ、くそったれ!」

入学した高校に至る忌々しいほどに長い坂を登りながら俺様は一人愚痴った。

流石に高校くらい卒業していないとコネがあっても就職は厳しいらしい。

そんなことで俺はこの高校に通うことになった。

元スレ
「惑星ベジータ出身!サイヤ人の王子ベジータだ!」ハルヒ「」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1406739076/

2 : VIPに... - 2014/07/31 01:52:04.59 On1FBYFX0 2/26


くだねぇ入学式とやらが終わり、割り当てられた教室に向かう。

五十音順に割り振られた出席番号順に座る。

俺の席の感じからすると、俺はベジータ・サイヤとでも登録されているのだろう。

担任が入ってきて、出席番号順に自己紹介をすることとなった。

俺の番が着た。

「惑星ベジータ出身!サイヤ人の王子ベジータだ!」

俺はそれだけ言うと席に座った。

そこかしこでクスクスと言った笑い声が聞こえた。

「何がおかしい!ぶっ殺すぞ!」

俺は教室を一喝した。

静かになった。担任が宥めて、次の奴の番になった。

3 : VIPに... - 2014/07/31 01:52:37.17 On1FBYFX0 3/26

「東中学出身、涼宮ハルヒ」

少々迷った感じをしつつも少女は続けた。

「ただの人間には興味ありません。この中に宇宙人、未来人、異世界人、超能力者がいたら、あたしのところに来なさい。以上」

「宇宙人なら前に居るらしいぞ!」

誰かが声をかける。

教室に爆笑が起こった。

俺には何が面白かったのか全く解らない。これだからガキはと思った。

後ろの席の奴はドカッっとでも音がしそうなほど乱暴に座り、俺の椅子の脚を蹴った。

乱暴な奴だぜ。

23 : VIPに... - 2014/07/31 18:24:30.45 On1FBYFX0 4/26

自己紹介も終わり帰宅の段になると、俺の後ろの席に座る乱暴な女が声をかけてきた。

「あんた、何のつもりなのよ!」

「何って、何をだ?」

「惑星ベジータとかなんとか」

「ありのままを言ったつもりだが?」

「そこまで言うのなら証拠を見せなさいよ」

「断る」

「なんでよ?」

「見せる義理はないからな」

女は

「あっそ」

とだけ言って立ち去った。

自己中心的な野郎だぜ。

24 : VIPに... - 2014/07/31 18:25:34.45 On1FBYFX0 5/26

ガキどもとなれ合う気もなく一人で過ごしていたら、
いつの間にか梅雨に入ろうかと言う時期になっていた。

授業も終わり、玄関で飛んで帰ろうか悩んでいたら声をかけられた。

「あんた、一人で何やってんのよ」

後ろの席の乱暴女。涼宮ハルヒだった。

「………帰ろうと思ってな」

俺がそう答えるとその女はこちらに真っ直ぐに向かってきた。

25 : VIPに... - 2014/07/31 18:26:00.74 On1FBYFX0 6/26

俺の前にまできたと思ったら、軽く溜息をつき、腕を掴み引っ張りながら歩き出した。

「もう!仕方がないわね!ついてきなさい!」

「おい!どこに連れて行くんだ!」

「部室っ」

乱暴女はそれだけ答えた。

26 : VIPに... - 2014/07/31 18:26:52.03 On1FBYFX0 7/26

女は古い方の校舎に俺を連れてきた。

実を言うとこっちにくるのは初めてだ。

文芸部と書かれたドアの前で立ち止まる。

「お待たせー!」

勢いよくドアを開ける。

そして俺を室内に引っ張り込み、

「あんまり気乗りしないけど、自称宇宙人のベジータ君です」

女は俺を勝手に紹介した。

室内を見渡す。他には何故かメイド服を着込んだ女と、窓辺で本を読む少女、それとにやけた顔をした男がいた。

27 : VIPに... - 2014/07/31 18:27:18.84 On1FBYFX0 8/26

一同は俺に注目している。

暫しの沈黙。

俺が自分から言葉を発することがないと悟ったのか、にやけ面の男が、

「ああ……彼が噂の…」

と言って、

「僕は古泉一樹です。よろしくお願いします」

とにやけたまま挨拶をした。

メイド服も慌てて続く、

「わ、わたしは朝比奈みくるって言います」

最後に窓辺で本を読んでた女が姿勢はそのままで顔だけ俺に向け、

「長門有希」

とだけ言って、再び読書に戻った。

なんだ?この変人集団は?

28 : VIPに... - 2014/07/31 18:28:02.47 On1FBYFX0 9/26

俺は凶暴女に聞いた。

「おい。俺様をこんな所に連れてきてどうしようって言うんだ!」

女は恩着せがましく答える。

「一人ぼっちで可哀想だから入れてあげるって言ってるのよ」

「前から心配してましたからね~」

とはメイド服。

「大きなお世話だ。勝手にてめえらのお友達ごっこに俺を加えるんじゃねぇ!」

俺を無視して乱暴女が発言した。

「これから毎日放課後はここに集合ね!来なかったら死刑だから」

俺様を死刑に出来るものならやってみろ!

「フン」

鼻で笑って答えてやった。

33 : VIPに... - 2014/07/31 22:19:13.19 On1FBYFX0 10/26

翌日、俺は部室に寄らず帰った。

そのまた次の日。

朝のHR前のこと。

いきなり後ろから頭を小突かれた。

振り返れば奴がいた。例の凶暴女だ。

「あんたなんで昨日来なかったのよ!」

「フン!貴様らとなれ合う気はないんでな」

すると、女は俺のネクタイを掴み、自身の顔の近くに俺を手繰り寄せて言った。

「いい!今日サボったら本当に死刑だからね!」

ここで担任がやってきた。女は俺を解放した。

34 : VIPに... - 2014/07/31 22:20:42.12 On1FBYFX0 11/26

終業のチャイムが鳴り、当然俺は帰ろうとする。

が、女がそれを許さなかった。

俺の腕を掴み、部室に強引に連れて行こうとする。

仕方がなく付いて行った。

35 : VIPに... - 2014/07/31 22:21:24.29 On1FBYFX0 12/26

それ以来、俺はこの部活に毎日参加することとなった。

帰ろうとしても強引に連れてこられるのだからな。

部活と言ってもやる事はなく、朝比奈とか言うメイド女が淹れるお茶を啜りながら、
古泉とか言うにやけ男とボードゲームをするくらいだ。

36 : VIPに... - 2014/07/31 22:23:01.75 On1FBYFX0 13/26

そんなある日のことだった。

俺様の下駄箱に紙切れが入っていた。

『放課後誰もいなくなったら、一年五組の教室まで来て』

俺は「チッ」と舌打ちをして紙切れを鞄にしまった。

38 : VIPに... - 2014/07/31 22:23:50.94 On1FBYFX0 14/26

その日も何時もの様に、部活に出て適当に時間を潰した。

そして、その後は適当に校内を歩いて時間を潰す。

そうこうしているうちに、時刻は五時半。

一年五組の引き戸を開ける。

39 : VIPに... - 2014/07/31 22:27:41.47 On1FBYFX0 15/26

「遅いよ」

委員長の朝倉涼子が俺に笑いかけていた。

「入ったら?」

引き戸に手をかけた状態で止まっていた俺は、その動きに誘われるように朝倉に近寄る。

「てめぇか……」

「そ。意外でしょ」

くったくなく笑う朝倉。その右半身が夕日に紅く染まっていた。

40 : VIPに... - 2014/07/31 22:47:37.91 On1FBYFX0 16/26

「何の用だ?」

ぶっきらぼうに訊く。くつくつと笑い声を立てながら朝倉は、

「最近、涼宮さんと仲が良いみたいね」

「あいつが勝手に絡んでくるんだがな」

朝倉は笑い声を一つ。

「ふーん。でも安心した。あなたもいつまでもクラスで孤立したままじゃ困るもんね。
一人でも友達が出来たのはいいことよね」

「お友達ごっこをする気はないがな」

「そんな事言わないで…ね。
せっかく一緒のクラスになったんだから、みんなで仲良くしていきたいじゃない?よろしくね」

「………」

42 : VIPに... - 2014/08/01 00:44:17.44 W3Nrsqmw0 17/26

「………って言いたかったんだけど、あーあ、残念。」

朝倉はいつの間にか右手に大型のナイフを手にしていた。

「涼宮さんのお気に入りじゃなければ、わたしもあなたを殺さなくて済んだんだけどな」

こいつは何を言ってやがる!

「なんで死ぬのかはあなたに説明する必要はないわよね?」

気が付いたら体が動かない!どうなってやがるんだクソッたれ!

「どうしたの?逃げたかったら逃げてもいいのよ?」

それから朝倉は嘲笑を浮かべて、

「ああ、そう言えばサイヤ人って強かったのよね?なんならわたを倒してもいいわよ?」

朝倉はゆっくりとナイフを構える。

「指一つ動かないだろうけど。じゃあ、死んで」

朝倉は突進してくる。未知の出来事に奥歯が鳴ってる気がした。

突如天井が崩れた。それと共に部室に居た少女。長門有希が降りてきた。

二人はなにやらやり取りをしていた。詳しくは憶えていないが、長門が勝ったようだった。

43 : VIPに... - 2014/08/01 00:44:56.03 W3Nrsqmw0 18/26

俺はいつの間にか家に帰りついていた。

そして暫く学校を休んだ。そんなある日の夢の中。

「起きてよ」

いやだ。俺は寝ていたい。

「起きろってんでしょうが!」

首を絞めた手が俺を揺り動かし、後頭部を固い地面に打ち付けて俺はやっと目を開いた。……固い地面?

俺を乱暴に起こしたのは、例の乱暴女だった。

「やっと起きた?」

44 : VIPに... - 2014/08/01 00:45:42.53 W3Nrsqmw0 19/26

女は俺が起きたのを確認すると、

「あんた、なに団長に無断で休んでるのよ!!」

と叱ってきた。

俺は泣きながら答えた。

「だって怖かったんだ」

「ベジータなんでしょ!何泣いてるのよ!」

「………」

「なにがあったのか言いなさいよ」

俺は首を横に振る。

「そんなに女々しいのなら、ベジータなんて名乗らないでよ!」

45 : VIPに... - 2014/08/01 00:46:18.06 W3Nrsqmw0 20/26

「大体ドラゴンボールなんて二十年前に終わった漫画じゃない!」

「それを言い出したらハル………」

「シャラップ!何があったのか知らないけど男の子でしょ!」

「………」

「漫画のヒーローにしがみつくなら、しがみつくで堂々となさい」

「………」

「返事は?」

「あ、ああ……」

涼宮さんは今までに見せたことが無い様な笑顔で、

「じゃあ、明日から学校にきなさいよ!これは団長命令!来なかったら死刑だから!」

僕は黙って頷いた。

46 : VIPに... - 2014/08/01 00:47:32.49 W3Nrsqmw0 21/26

翌日、僕は久しぶりに学校に行った。

緊張しながらドアを開ける。

「お!鈴木じゃねぇか!元気だったか?」

お調子者の谷口君が声をかけてきた。

「え、ええ」

僕は軽く頭を下げて席に着く。

席に着いた途端、後ろの席の涼宮さんが声をかけてきた。

47 : VIPに... - 2014/08/01 00:48:09.46 W3Nrsqmw0 22/26

「あんたベジータは卒業したの?」

「卒業と言うかなんというか……」

「もう!ぐじぐじしない!」

そう言うと背中を一発平手打ち。

「まぁ、いいわ。あたしはベジータと呼び続けるし」

「は、はぁ……」

「それとあんた首。もう部室にこなくていいわ」

「えっ!?」

「またベジータになりたくなったら来ても良いけどね」

涼宮さんはそう言うとニヒヒとでも言いそうな笑顔を見せた。

48 : VIPに... - 2014/08/01 00:48:46.70 W3Nrsqmw0 23/26

ああ、そうかと僕は思った。

何時か恩を返したいけど、返す機会はないだろう。

僕と涼宮さんは住む世界が違うんだ。

僕は頭を下げて一言、

「ありがとうございました」

と言い終ると前を向いた。

その日の席替えで涼宮さんとは席が離れた。

もう近くに座ることはないんだろう。

なんとなくそう思った。






チラ裏SS オチマイ

付き合って頂いた皆様においては、お疲れ様でした。



綺麗なハルヒを書いたらヤマがなかった件。ちゃんとベジータ編も書きますですのよ?

49 : VIPに... - 2014/08/01 00:56:21.69 ZhubNWB50 24/26

ベジータちゃうんかい!
まあ、たしかにスレタイでベジータとは書いて無かったなw

51 : VIPに... - 2014/08/01 01:28:53.00 wSj/OXt9O 25/26

タイトルから伏線はってたのかよ
おつ

58 : VIPに... - 2014/08/01 12:47:49.78 JJg1HShoo 26/26

いろいろと納得したわ

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