1 : ◆s2tmI36vx6 - 2016/03/20 16:12:43.54 S0ZPUWE30 1/32


 ガヤガヤ「あー疲れたぁ」「この後どうする?」「バルクマン・コーナーだろう「「「それだ!」」」ガヤガヤ



「みんな本日の訓練もご苦労だった!各チーム車長は連絡事項があるので集合してくれ。他は解散!」

みどり子「わかりました。みんな夏休みだからって買い食いや夜更かしは禁止よ!特に冷泉さん!ちゃんと来週も来るのよ!」

麻子「はいはい。集合なんだろ、さっさと行けばいい」


典子「うん!済んだら行くから先にアップ始めてて!」

ねこにゃー「……じゃ、また後で。今日中にミッション終わらせちゃおう」

沙織「まだ練習するのぉ?でも私もちょっと頑張らないと水着が……」


ナカジマ「じゃーいつも通りやっちゃってて!わーかったよ後でファミレスね!」

エルヴィン「車長だから私でいいだろ?分かってるよカレーにしてやる!覚悟しておけ」

「あらあら仲がよろしいですね。わたくしたちもどこかでみほさんを待っていましょうか」


「そうだね、また今度にしよっか?じゃあ後でメールするね!また来週頑張ろう!」

みほ「なんだろう……あっみんな気にしないで、後で連絡するから!」

優花里「そうですか…?」


沙織「たまには麻子んちにも呼んでよー」

麻子「うちに来ても面白いものはなにもないぞ。みんなをもてなすのは沙織になるがいいのか?」

「麻子さんがよろしいなら是非!」

優花里「不肖ながら私もお供させていただきます!」

みほ「あはは……じゃあまた後で!」

元スレ
みほ「第二次さばいばる・うぉー?」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1458457963/

2 : ◆s2tmI36vx6 - 2016/03/20 16:13:17.94 S0ZPUWE30 2/32

「やーやーみんなお疲れ様。集まってもらったのはさー、せっかく夏休みなんだし今しかできないことをやろうと思ってね」

典子「合宿ですか!?いいですね!毎日戦車とバレー漬けなんて最高です!」

エルヴィン「それは普段と何の違いがあるんだ……?」

「いいから黙って聞け!」

「まぁまぁ。合宿と言えば合宿なんだけど、今回はそれぞれのチームで自主的に過ごしてほしいんだー」

ナカジマ「自主的にですか」

「うん、もちろんみんなの安全は私たち生徒会が責任もって預かっているつもりなんだけど、プラウダのときみたいに予想以上のことが起こること

もある。日頃から自分たちでも備えられるところは備えておいて欲しいんだよね」

「確かに……あの時はもう少し準備をしておけばよかったなぁと……うぅ」

柚子「本当にごめんなさい……」

みほ「そんな!先輩たちが謝ることなんて!作戦中のことは私の責任です。あのときは私も相手がこちらを甘く見てくれるのではないか、という油断がありました」

「まーまー、過ぎたことを悔やんでも仕方ないよ。でも、みんなを辛い目に合わせてしまったのは事実だ。だから今後は、みんなと一緒になにができるか考えていきたいんだよ」

みどり子「会長……そう言ってもらえるだけでも、あの極寒の中あんこう踊りを踊った意味はあると思います」

ねこにゃー「……ボクたちはそのとき居なかったし、踊ってもないけど……同じ気持ちです」

エルヴィン「あの戦いで負傷こそしていなくとも、あんこう踊りと言う目に見えない傷がチームの絆を深めているんだな……」ウンウン

ナカジマ「みんないい顔してたよねーあの時。さすがに応援席で踊るのは無理だったけど」

3 : ◆s2tmI36vx6 - 2016/03/20 16:13:54.75 S0ZPUWE30 3/32

「スン……会長、そろそろ本題に」

「おっけー。簡単に言うと、来週の月曜日の訓練が終わってから、チームごとに郊外で一晩過ごして翌日の訓練に出て来てもらうよ!」

「ええっ!?野宿ですか!?」

ナカジマ「そんな!その日はガレージに泊まったらダメなんですか!?やりたいことたくさんあるのに!」

みどり子「ちょっと!自動車部はいつ家に帰ってるのよ!?」

ねこにゃー「ネットが通っていないところで一晩も……ボクたち死んじゃうかも……」

柚子「水や食料、寝具に衛生用品も私たちで準備するから、死んじゃうことはないと思うけど……頑張ってみようよ、ね、ね?」

典子「要するにキャンプですね!楽しみだなあ~」

エルヴィン「野営か、どの形式にするかケンカになりそうだ」

みほ「いつも通り訓練をこなせて、試合にも出られるよう荷物は最低限にということですね?」

「そうそう、さすが西住ちゃん話が早いね!はいコレこっちで支給するもののリスト。他に持ち込みたいものがあればチームで相談して申請してね!もしいい案があったら全チームに教えるから」

「もし余計なものを持ちこんだり、そのせいで必要な備品が戦車内に揃っていないようなら……園、中嶋、頼んだぞ」

みどり子「はい!風紀委員の名に懸けて、無慈悲な持ち物検査を断行します!」

ナカジマ「うーん、気は進まないけど、サスを見ればだいたいわかっちゃうからねえ」

「ついさっきチームの絆を確かめ合ったばかりなのに!?」

エルヴィン「ブルータス、お前もか……」

典子「会長、私たちはバレーボール一つあれば十分です!」

ねこにゃー「デフコン2ぞな……こうなってはもはやWW3は避けられない……」

みほ「み、みんな落ち着いて!この週末でチームごとによく話し合って決めてください!」

4 : ◆s2tmI36vx6 - 2016/03/20 16:14:25.64 S0ZPUWE30 4/32

みほ「と言うことなんだけど……」

沙織「えー!?そのまま次の日も訓練なんて、お風呂はどうすればいいのよ?」

優花里「次の日は午前中で解散と言うことなので、少しばかりの辛抱ですよ!プラウダ戦ではみなさんに不自由をかけてしまいましたが、ここで名誉挽回とさせていただきます!」

麻子「秋山さんは何を目指しているんだ……しかしそれなら朝起きなくても遅刻にならないな。ふん、そど子め見ていろ」

「麻子さんが起きてくださらないと、遅刻にはならなくても訓練ができませんよ?それより、生徒会のみなさんが用意してくださるお食事だけで足りるでしょうか……」

みほ「あ、でも、訓練に影響が出ない範囲でなら必要なものは持ちこんでいいんだって!私たちのⅣ号にはゲペックカステンもあるし、壊れもの以外はシュルツェンの内側に結んでおけば結構積めるんじゃないかな?」

優花里「なるほど、戦車乗りにとって戦車は家のようなもの!いえ家族同然です!さすが会長殿、素晴らしい演習です!」

麻子「これが生徒会から支給されるもののリストか。非常用持ち出し袋と寝袋を人数分、蚊帳に蚊取り線香……天幕だけのテント、布製の折り畳み式

テーブルと椅子、それから洗面用具と着替えは個人の物を使えとあるな。戦車の中で寝泊まりするだけならこれで十分だろう」

「最近の非常用持ち出し袋は水や食料はもちろん、医療品やエマージェンシーブランケット、携帯電話の充電もできる発電機付きのライトなども入っているんですよね?それなら確かに安心ですけど……」

沙織「お風呂は無理だよねぇ?洗顔シートだけでも持ってかなくちゃ……」

みほ「うん、これならだいぶ余裕あるかも、もうちょっと快適に楽しく過ごすためには何が必要かな?」

優花里「まずは飲料水の追加ですね!学園艦の中で水道を使わずに安全な飲み水が確保できるとは思えませんし、あって困るものではありませんので」

「お料理にも使えますよね沙織さん!今日のごはんもとってもおいしいです!作っていただけるなら毎日でも食べたいです!」

沙織「あー、うん。アリガト、それは男の人に言われたかったなあ……でもそうよね!どうせやるなら楽しまないと!」

麻子「非常食は戦車の中に置いておけばいいしな。今日は魚にしてもらったから、今度は肉がいい」

みほ「水を2リットルペットボトルで5本……と。他には?」

優花里「調理器具などキャンプ用品は私にお任せください!個人装備の範疇ですから、問題はないはずです」

「あのぅ……おやつはおいくらまででしょうか……?」

沙織「小学校の遠足じゃないんだし、別にいくらでも……ってダメダメ!500円以内にしなさい!」

麻子「アイスは?」

優花里「クーラーボックスもありますので、氷や冷たい飲み物もご用意できますよ!」

みほ「優花里さん、本当にいつもありがとう。それじゃ月曜日の訓練が終わってからみんなで買い出しにいくってことでいいかな?」

あんこうチーム「「「「はーい!!!!」」」」

5 : ◆s2tmI36vx6 - 2016/03/20 16:14:51.95 S0ZPUWE30 5/32

「やぁやぁみんなおはよう!今日のキャンプの準備はちゃーんとしてきたかな?」

「今普通にキャンプって言いましたね?」

エルヴィン「確かに宿営ではあるが」

「では、訓練の前に持参品の申請と持ち物検査、戦車のチェックをするぞ!申請は生徒会、持ち物検査は風紀委員、戦車は自動車部が手分けして対応するので、各チーム戦車の前で待っていろ!」


「どうぞ先輩方!私たちに見られて困るものはありません!」

柚子「ええとバレーボールにネットとポール、キーパーの中はスポーツドリンクね?おにぎりにバナナ、ゼリー飲料……バレーの試合にでも行くのかなぁ?これは……ラペリング用のロープ?」

あけび「はい!せっかくだから89式と里帰りしようと思って!」

妙子「さすがに一緒には降りられないですけどね」

モヨ子「あのぉこれだと磯部さんと佐々木さんは立ったまま寝ることになってしまいますけど……?」

典子「根性でなんとかします!」

スズキ「……ま、頑張って、戦車の方は問題なし、ボールを落とさないようにきちんとネットで固縛しといてね」

アヒルチーム「「「「はい!!!!」」」」



「虫取り網と虫かご、釣り竿とバケツ、水鉄砲にエアーマット……坂口、遊ぶなとは言わんがどれか一組にしておけ」

桂利奈「わ、わたしだけじゃないですよぅ!みんなのぶんです!」

あや「せっかく夏休みなのに訓練ばっかりなんですから!リフレッシュ休暇ってやつですよ!」

そど子「あなたたち何回一年生をやるつもりなの……?まぁ不健全なものではないし、軽くてかさばらないから大目に見ましょうか。あとはお菓子が一人300円以内と。これも許容範囲だけど、ゴミはきちんと持ち帰るのよ!」

優季「さっすが先輩話が分かるぅ~!」

ナカジマ「M3は車内が広いし、定員より一人少ないから問題なさそうだね。戦車を停めるときは水平で平らなところでね?ちゃんと車止めを噛ませるんだよ?」

あゆみ「なんかこの布陣、私たちものすごい警戒されてるような……」

「あはは……」

紗希「……」

「(クスッ)よろしい!水辺や火の取り扱いには十分注意すること!なにかあったら無線で周囲のチームに知らせるんだぞ!」

ウサギチーム「「「「「はーい!!!!!」」」」」

6 : ◆s2tmI36vx6 - 2016/03/20 16:15:18.09 S0ZPUWE30 6/32

「さてさてカバさんチームはっと……なにその寸胴」

エルヴィン「よくぞ聞いてくれた!激論の末、間を取ってアンツィオ流で行くことにしました!」

左衛門佐「ウム、我らにとっては国境も時代も越えた友情の象徴だからな!なぁたかちゃん?」

カエサル「たかちゃん言うな!贅沢を言えば石窯が欲しいが、それはさすがに無理なんで」

おりょう「竜馬も洋食を好んでいたと言うぜよ」

ツチヤ「さすがにラッシングは完璧だね。定常円ドリフトもいけるよ!」

希美「風紀委員としては特に言うことはありません……一つだけ挙げるとすれば」

「すれば?」

希美「水が足りるといいですね」

カバチーム「「「「しまったー!!!!」」」」


柚子「次はあんこうチームだけど……特に注意することはないんじゃないかなぁ?」

モヨ子「ですよねえ」

ホシノ「私もそう思うな」

みほ「ええと、一応持ち込む品のリストは確認してもらえますか?」

柚子「はい、生ものは後で買いに行くのね。何を作るの?」

沙織「やっぱりキャンプと言えばカレーかなって」

「たくさん作ってたくさん食べられますしね!」

柚子「ふふ、楽しそうね。はい、あんこうチームはこれでオッケーです」

麻子「ずいぶんとあっさりしたものだな」

優花里「あぁ!せっかく苦労して施したコンバットドレッシングが完全にスルーされてしまいましたぁ!テントや寝袋で成形炸薬弾に対する防備も完

璧なのにぃ!」

みほ「シュルツェンあるからまぁそれは……」

7 : ◆s2tmI36vx6 - 2016/03/20 16:16:09.86 S0ZPUWE30 7/32

「次、アリクイチーム!なんだこのダンボール箱は……中身は飲み物とお菓子だけ?それならこんなに大きな箱は必要ないだろうに」

ぴよたん「あのー、もし夜寒かったら寝袋の下に敷こうかなぁって……今月は新作多くてお小遣いがあんまりないっちゃ」

みどり子「こっちの箱は電池式のランタンと、充電電池にモバイルバッテリー?こんなにたくさん必要なの?」

ももがー「予備はいっぱいあったほうが安心ナリ!もし無線機が壊れちゃったらケータイが使えないと大変かも……」

ナカジマ「電装系は……OKですね。ひょっとしたら戦車から電源とれるようにしてあるんじゃないかと思ってたけど、余計な心配だったね」

「うんうん、お前たちも改心したんだな。アリクイチームも問題なし、と。……ところでお前たち、いつもそんなに姿勢がよかったか?」

ねこにゃー「えっ、あのっ、ボクたちも健康的に背筋を伸ばして生きようかなって……」

みどり子「いい心がけね!健全な精神は健全な肉体に宿るのよ!」

「いいだろう。風邪引くなよ!」

アリクイチーム(((ホッ……)))


「次はレオポンだねー。どれどれ……ありゃ意外、普通にキャンプやるつもり?」

ホシノ「そりゃ私たちだって女子高生ですし?たまには普通に思い出作りでもしてみようかなって」

スズキ「普通の女子高生がキャンプやるかは知らないけどね」

ナカジマ(なんかサスのストロークや履帯のテンションをいじってあるような気が……なにやらかしたんだこいつら)

希美「うわ、車内は工具やカー用品でいっぱい……でもこれって普段からですよね?自動車部に関して私たちが口出しできるところはないと思いますけど」

「まーレオポンが重いのはいつものことだしね!そうでしょナカジマちゃん?」

ナカジマ「ぅえっ、そ、そうですねー。手はかかるけどかわいい弟分みたいなもんですよ!(ハンドサイン送ってくんじゃねーよツチヤ!)」

「そっかぁ、んじゃレオポンもよしっと。今後もよろしく頼むよ~」

ツチヤ「やりぃっ!楽しみだなあ、早く夕方にならないかなあ!」

ナカジマ(あちゃー完全にバレてら。妹分のほうはかわいくない……)

8 : ◆s2tmI36vx6 - 2016/03/20 16:16:54.75 S0ZPUWE30 8/32

「あとはうちとカモさんだけかぁ」

「そうなりますね」

柚子「と言っても、こちらも特に心配ないのでは?」

みどり子「もちろんよ!隅から隅まで調べてもらっても構わないわ!」

モヨ子「大丈夫だと思うけど……」

希美「着替えと洗面用具のほかはこれと言って持ってきてないから」

「んじゃカモさんおっけーね。うちもオッケーでしょ?」

「もちろんです」

柚子「えーと、じゃあ全チーム問題なしですね」

みどり子「ちゃんと調べてくださいよ!?」

ナカジマ「戦車も問題なしでーす」


「では本日の訓練を開始するぞ!西住!」

みほ「あっ、はい!では、各チーム乗車してください」


~~~~~~~~~~~~~~~


みほ『状況終了します。全車帰投してください』

ナカジマ『こちらレオポンー。みんなガスは大丈夫ですかー?他に気になることがあったらすぐに教えてねー』

『今日の訓練はこれで終わりじゃないぞ!連絡事項があるのでガレージ前に整列しておけ』

9 : ◆s2tmI36vx6 - 2016/03/20 16:17:22.15 S0ZPUWE30 9/32

「では、これより宿営訓練に移る!各チーム訓練報告と整備項目のチェックを済ませてから宿営地へ向かえ。明日は7時半までに集合すること!朝食の準備はしておくぞ」

柚子「お買いものに行くチームは、遅くならないように戻ってきてね?暗くなってから泊まるところを決めるのは大変だから」

「あーそれから秋山ちゃんと松本ちゃんはこっちに来てねー」

優花里「あっ、はい!なんでしょう?」

エルヴィン「会長、ですから私のことはエルヴィンと……」

「なんでもいい、二人ともその背中の荷物を寄越せ」

優花里「ええっ!?持ち物検査は今朝済ませたのではなかったのですか!?」

エルヴィン「個人の持ち物まで口出しするとは横暴な!ジュネーブ条約に則った待遇を要求する!」

柚子「ふたりの場合、すごく時間がかかりそうだから……チームであまり不公平になるといけないから、協力してくれないかな?」

「まぁまぁ、今後のために勉強させてもらうからさ」

優花里「仕方ありませんね……」

エルヴィン「うぅむ……せっかくグデーリアンを見習って、格好だけでなく実用品を揃えて来たというのに」

「よーしいい子だ。妙な真似は……ッ!?なんだこの重さは!お前たちなにを隠している!?」

エルヴィン「いや、何も……野営をするなら当然の装備だと思うが」

優花里「ごく一般的な普通科員の装備ですよ?」

柚子「その普通科とは違うと思うな……」

「ありゃー、なんだかよくわからない物がいっぱいだね。まぁ気長にやろっか!干し芋食べる?」

10 : ◆s2tmI36vx6 - 2016/03/20 16:17:49.74 S0ZPUWE30 10/32

みほ「ウサギさんチームよし、と……何か困ったことがあったらすぐに知らせてね?」

「はいっ!大丈夫です!M3が私たちの家です!」

カエサル「隊長急いでくれ!よくはわからんが私が行かねばM3の乗員と英軍衛生隊が全滅してしまうらしい!」

みほ「砂に顔を埋められるのは嫌かな……はい、カバさんも問題ありません」

バレー部「「「「学園まもる撫子は すべてその数三十二~ 五つと余か所にたむろして バレヱは辞めじ夢にだも~」」」」

みほ「アヒルさんオッケーと……他のキャンプを襲うのはやめてくださいね?」

ねこにゃー「……井戸を見つけたら死体が沈んでるとか、迫撃砲でやられちゃうとかしないかな……」

みほ「学園艦に飛行場はありませんから、大丈夫です」

みどり子「みんな物騒なことばかり言ってるけど、いったい何の話なの?」

みほ「わからなくて大丈夫です。はい、カモさんもいいですよ。……そういえば、レオポンはどこか調子の悪いところでも?」

ホシノ「えっ、いや大丈夫だけど。今日の訓練、私らダメだった?」

みほ「いえ、そんなことは。なんだか怪我したところをかばっているような……あっいえ、普段が乱暴ってわけじゃないんですけど!大丈夫ならいいんです。変なこと言ってすみません」

ホシノ「ううん、全然!気になることはどんどん言ってくれればいいから!(ごめんね隊長……)」

11 : ◆s2tmI36vx6 - 2016/03/20 16:18:30.30 S0ZPUWE30 11/32

「戦車で遊びに行くなんて、なんだか楽しいね!」

あや「遊びじゃないけどね……でも明日までは自由なんだし?」

桂利奈「んっふふっふ ふっふふっふんふふっふふ~♪」

優季「桂利奈ちゃんご機嫌だね~歌でも歌っちゃう~?」

あゆみ「ごんべさんの赤ちゃんがカゼ引いた~ そこーであわっててシップした~」

優季「やぁやぁみーなさんこんにちわー みんなーでーあーくしゅ~」

桂利奈「ごーりごりわぁへるおうぇーとぅだーい」

紗希「……Glory,glory,hallelujah」

あや「新宿にっしぐちえっきのまえ~ カメラはヨ○バシカメラ!」

「合わせようよ!?」



典子「バレヱの本領茲にあり 嗚呼勇ましの我が戦車~」 

あけび「会心の友よ来たれいざ! 共に励まん戦車道~」

妙子「ふふっ、戦車とバレーどっちかなんて、今の私たちには選べそうにないもんね」

「きっと私たちは歩き始めたばかりなのよ。この89式と、戦車道のみんなが教えてくれた新しい道を……けど、今は」

あけび「あれー?そういえばこの子を見つけたときって、どうやって連れてきたんだっけ?」

妙子「そりゃあ自動車部が回収車で……あれ?忍ちゃん通れる道知ってる?」

「……知らない」

典子「うろたえるな!戦車に、いや私たちに通れない道はない!誰かが膝を折れば、みんなで押し上げる!要するに根性だ!!」

あけび「キャプテン……!」

妙子「レオポンさん、応答を……いえ、やめましょう」

「そうね……これが私たちの戦車道!」

バレー部「「「「そーれそれそれー!!!!」」」」

12 : ◆s2tmI36vx6 - 2016/03/20 16:18:56.48 S0ZPUWE30 12/32

ももがー「……さて、ここらへんでいいと思うナリ」

ぴよたん「よいしょ、っと……あー肩凝ったっちゃ」スルスル

ねこにゃー「……危ないところだったね……」ヘニャア

ももがー「ふふん、流石の風紀委員も私たち自身はノーマークだったナリ」

ぴよたん「パンツァージャケットにはこういう使い方もあるっちゃね」

ねこにゃー「でも、念には念を入れなきゃ。ももがーは落ちてる枝や葉っぱを集めてきて。ぴよたんはボクとテントの設営をしよう」

ももがー「サーイエッサー!」

ぴよたん「にょろにょろ作戦は?」

ねこにゃー「今やるとかえって目立っちゃうかな……夜にしよう」



みどり子「暇ねえ……学校のそばに居るのに何も仕事ができないなんて」

モヨ子「もう今日の私たちの仕事は終わったんだから、お茶でも飲んでのんびりしようよ?」

希美「外で飲もうよ、せっかくいろいろ貸してもらってるんだし。ほら、二人とも手伝って」

モヨ子「なんだか楽しいな。二人とこんな風に過ごすなんて、戦車道やる前は考えたこともなかったよ」

みどり子「ちょっと!恥ずかしい台詞は禁止よ!……そうね、明日も遅刻を取り締まらないといけないんだし、今日は英気を養うってことで!」

13 : ◆s2tmI36vx6 - 2016/03/20 16:19:26.98 S0ZPUWE30 13/32

ツチヤ「じゃ、テスト走行行ってきまーす」ビィィィィ

スズキ「コケたら交代だかんねー!」

ナカジマ「はぁ……戦車をトランポ扱いとは恐れ入るよ。やっぱ一番警戒すべきはウチだったかぁ」

ホシノ「そりゃそうでしょ。でもまぁやっぱ隊長はよく見てるわ」

ナカジマ「会長もね。まぁ見逃してくれたみたいだし?こっちはこっちで楽しくやりますか!」



カエサル「釜戸……と言っても石を並べただけだが、こんなものだろう。さて、さっそく生地づくりに取り掛かるとするか」

左衛門佐「アンツィオの連中はこともなげにやっていたが、野外で料理をするというのもなかなか大変なものだな」

おりょう「あの物量と機動力は何か別の方向に活かすべきぜよ」

エルヴィン「悪いな。遅くなった」

カエサル「おつとめご苦労。別に取られて困るものはなかっただろう?」

エルヴィン「ああ。私は特にお咎めなしだったが、グデーリアンがな……」

14 : ◆s2tmI36vx6 - 2016/03/20 16:20:18.14 S0ZPUWE30 14/32

優花里「うっ……うぅ……せっかく今日の機会に皆さんと味わおうと思った各国で評判のレーションがぁ……」

みほ「優花里さん、元気出して。明日には返してもらえるんだし、また今度見せてね?」

麻子「気持ちは嬉しいが、おいしいのはすごく高いんだろう?私たちには贅沢だ」

沙織「今日は私も腕によりをかけるから!ゆかりんもどんどんご飯炊いちゃってよ!」

「さぁ優花里さん、お米の準備はしておきましたから、一緒に炊けるご飯を見守りましょう?」

優花里「皆さん……ありがとうございますっ!あ、でもその前に非常用持ち出し袋にはお決まりの、○村屋のようかんを食べて元気を出しましょう!この製品には航空自衛隊三沢基地の第3航空団基地業務群業務隊給養小隊の協力によって開発されたものと恐らく同様のチョコレート味が……あれ?」

麻子「チョコレート味の羊羹だと!……どうした秋山さん?」

沙織「どしたのゆかりん!さっきより暗い顔になったよ!?」

みほ「それって……もしかして」

優花里「はい……M&M'Sですね。ということは、ああ……やっぱりMRE!」

「ずいぶん大きな包みですね?MREというと確か以前優花里さんが……Meals Rejected by the Enemyでしたか?」

沙織「でもこれMeal, Ready-to-Eatって書いてあるよ?」

麻子「さすがにそんな不名誉な名前を公式には付けないだろう。これもそのMREと言うやつなんだな?」

優花里「はい……今時自衛隊のレーションだって、メーカーが民間向けにも出しているものは買えるのに!わざわざこれを入れてくるとはさすが生徒会です」

みほ「ええと……うわっ、全員分これになってる!ほんと会長の人脈って謎だなあ……当たり外れがあるって言うけど、優花里さんこれはどうかな……?」

優花里「うーん……このメーカーの実物は初めて見ます。一応比較的新しいもののようですから、食べられなくはないでしょうが……味の方はちょっと、食べてみないことには」

「ためしに一人分食べてみます?」

麻子「遠慮しておこう」

沙織「そういう軍人さん向けのって味も濃いしカロリーがすごいんでしょ?本当に困ったときのためにとっておこうよ、それならおいしいかもよ?」

みほ「本当、ご飯の準備をしてきてよかったね……ほかのチームは大丈夫かな?」

15 : ◆s2tmI36vx6 - 2016/03/20 16:20:55.21 S0ZPUWE30 15/32

あけび「わぁー!なんか外国のお菓子がいっぱいはいってますよ?チョコレートに…こっちはクッキーかな?」

妙子「手触りがお菓子じゃないような気がするんだけど……」

典子「こらぁお前たち!お菓子なんかじゃお腹の足しになんないぞー?おにぎりたくさんあるからこっちにしなさい!」

「キャプテンのおにぎり!いつもありがとうございます!!」

あけび「いただきまーす!」

妙子「ありがとうございます!」

典子「うんうん!私もどんどん食べるぞ!まだまだ育ちざかりだからね!」

あけび「……キャプテン!バナナもありますよ!」

妙子「ドリンクもあります!ばっちり冷えてますよ!」

「ちょっと休憩にしましょうか?ほら、あそこの木陰に停めましょう!!」

典子「ん、うん?じゃあ10分間休憩ね!」



みどり子「何よこれ!?本当に食べて大丈夫なの……?」

希美「なんか英語がいっぱい……」

モヨ子「これ、コーヒーなんだよね……?なんか炭みたいだけど……」

みどり子「でも、開けちゃったんだから食べないわけには……」

モヨ子「早まらないでソド子!集団食中毒なんて起こしたら問題になっちゃう!」

希美「やっぱり持ってきておいてよかった……ほら二人も、お湯もポットにあるから」

みどり子「あなたカップラーメンなんて持ってきてたの!?風紀委員なのにそんな体に悪いもの……」

モヨ子「私もおなかがすくと辛いと思って、お昼にパン多めに買っておいたの。ほらソド子も」

みどり子「うぅっ……ありがとう二人とも……みんなにはナイショよ?」

16 : ◆s2tmI36vx6 - 2016/03/20 16:21:29.89 S0ZPUWE30 16/32

カエサル「はははっ!さすが会長!一筋縄ではいかないな」

おりょう「酔狂な……しかしエルヴィンの言うとおり、焼き菓子の類はなかなかいけるぜよ」

エルヴィン「うん、しかしそもそも常食するものではないからな。安全圏では煮炊きするのが基本だ!」

左衛門佐「兵と言えども常に緊張状態にあるわけではない、宿営地や行軍中に士気を保つのも大事なことだ。アンツィオにも見習うべき点はあるな」

エルヴィン「まぁ、そもそもパスタと言ってもスパゲティーニではないというのが有力な説だがな。ほら、長い麺でも折れば少ない水で茹でられる」

おりょう「それを先に言うぜよ!あとは残った湯でソースを温めるだけ……楽なのはいいが少々物足りん。ピザはどうぜよ?」

カエサル「ホイル蒸しにしてあるから火は問題なく通る。アンツィオのように窯で焼いたものには劣るけど」

左衛門佐「本当、便利な世の中になったものだ。一時はどうなることかと思ったが……あれー?パスタのソースってどれかなあ?似たようなパックがたくさんあって私分からなーい」

エルヴィン「正気か左衛門佐!?……いや、ここに正気の者などおるまい。……これじゃないかなあ?ほら、ここに水を入れて……」

おりょう「わー、すごーいあったまってるー……って待つぜよ!?異臭がしてきたが、本当に食べ物かそれは!?」

カエサル「私は知らないからな、お前らで食べろよ?」



ホシノ「……どう思う?これ」

スズキ「パス」

ツチヤ「あ、じゃあお菓子だけちょうだい!」

ナカジマ「ダメ」

ツチヤ「えー、ケチぃ」

ホシノ「まぁ普通にご飯くらい作れるもんね私ら、明日は何がいい?」

スズキ「冷やし中華」

ナカジマ「焼きうどん」

ツチヤ「ジャージャー麺!」

ホシノ「……よし、そうめんにしよう。今日の遅れを取り戻さないとね!」

17 : ◆s2tmI36vx6 - 2016/03/20 16:22:46.47 S0ZPUWE30 17/32

あや「みぎゃぁぁっ!?何この……何!?」

あゆみ「チーズって書いてあるけど……なんかこう、プラスチック風味?」

優季「あれ~?こういうのどっかで見たような気がしない?」

「あー……優花里先輩が持ってたやつじゃない?」

あゆみ「ってことは自己判断……」

優季「自己責任……」

あや「自業自得……」

桂利奈「あれー?みんなどったの?あ、お菓子!私も食べるー!」

「桂利奈ちゃんダメ!これあれだよ、おいしくないやつだよ!?」

桂利奈「なんだぁ、おいしくないんだって!残念だね紗希ちゃん!」

紗希「……」

あゆみ「うわっ二人とも大漁だね……これ食べるってわけにもいかないし……」

桂利奈「ダメだよ!?せっかくトンボ捕まえたのに!」

あや「こっちの魚も食べられるかわかんないし……」

優季「あ、そーだ!他のチームのセンパイたちに分けてもらえばいいじゃない?困ったことがあったら知らせてって言ってたしぃ」

あゆみ「そっか!あんこうとかカバさんとかいろいろ用意してたもんね!」

あや「片や華センパイ、片やアンツィオ流……これは期待できそう!」

「それは駄目!この学校が無くならないって決まったんだから、いつか先輩たちは卒業しちゃうし、私たちだって先輩になるんだよ?これくらい自分たちでなんとかしなくちゃ!」

桂利奈「なんとかって……え、なに紗希ちゃん?へーこのちっちゃい魚にじますって言うの?きれいだね!」

「ニジマス!?……桂利奈ちゃん、ちょっとそれ見せて!」

あや「梓!?そこまでするくらいなら先輩たちも頼ってくれた方がいいと思うよ?」

あゆみ「せめて魚の方に食いつこうよ!?」

優季「……私たち、そこまで梓を追いつめていたなんて……」

「違うよっ!?桂利奈ちゃん、紗希、これ捕まえたところに案内してくれる?みんな行くよ!とりあえずあるもの持ってきて!」

18 : ◆s2tmI36vx6 - 2016/03/20 16:23:48.30 S0ZPUWE30 18/32

桂利奈「ほら、あそこ!あれ、さっきよりトンボいっぱい居る!?」

「この池、水が出入りしてる……こんなところがあったなんて、昔何かの授業か部活で使っていたのかな?」

あや「うわっなんかすごい虫が居るんだけど」

優季「水に落ちちゃってるのも居るよ?お馬鹿さんだねぇ~」


バシャンッ


バシャッ……ピシャッ


あゆみ「なんか食べられてる!あれ魚!?」

「やっぱり居た!……これじゃあ普通の餌には見向きもしないね。桂利奈ちゃん、その虫もらっていい?」

桂利奈「えー……連れて帰っちゃダメ?」

「これはね、トンボじゃなくてカゲロウって言って、大人の時間がすごく短い虫なの。だから、急いで恋人を見つけて子孫を残さなきゃいけないの」

桂利奈「じゃあ、逃がしてあげたほうがいいかな?」

「そうだね。けど、それを邪魔する悪い魚がこの池に居るみたいなの。私たちで懲らしめてみない?」

桂利奈「……うん!やってみる!」

あや「要するに餌に使うってことだよね」

あゆみ「子供を言いくるめる大人の見本を見ているみたい……」

優季「悪い女だね~」



「急がないと終わっちゃう!錘を外して浮きで漂わせるように…………出たっ!」

優季「わぁ、掛かったぁ!梓すご~い」

あゆみ「けっこう大きくない?えーと、網、網……あ、桂利奈それ使おう」

桂利奈「あい!……梓ちゃんこっちこっち!」

「ちょっと無理ぃ!もっと弱らないと……!」

あや「え、なに紗希ちゃん?こっち持てばいいの?」

「エアーマット?……紗希ナイス!行くよ!」

優季「え、うわっ!ちょっとぉ、こっち来ないでよぅ~」

「この調子でどんどん釣るよ!落ち着いて冷静に!」

桂利奈「梓ちゃんガンバレー!」

あや「ぶっ殺せー!」

優季「梓、西住隊長みたい~」

あゆみ「はっ倒せ―!」

紗希「……」

19 : ◆s2tmI36vx6 - 2016/03/20 16:24:27.39 S0ZPUWE30 19/32

ねこにゃー「レーションかぁ……別にお腹はへってないかな」

ももがー「一食くらい抜いてもどうとういうことはないナリ」

ぴよたん「近頃は運動してるからエコノミークラス症候群も心配いらないっちゃね」

ねこにゃー「あんまり水分も取りたくないしね……さて、頃合いかな。つらい道のりになるけど、みんな用意はいい?」

ぴよたん「装備よし、偽装工作も万全っちゃ!」

ねこにゃー「……ここに残ることもできるんだよ?」

ももがー「ここで諦めたら、自分が自分でなくなるような気がするナリ……」

ぴよたん「危険を冒すものが勝利する。みんないっしょなら怖くないっちゃ」

ねこにゃー「Semper Fi……よし行こう!念のため5分間隔で行くよ。幸運を!」

アリクイチーム「「「にょろにょろ作戦開始!(っちゃ!)(ナリ!)」」」

20 : ◆s2tmI36vx6 - 2016/03/20 16:24:57.77 S0ZPUWE30 20/32

あんこうチーム「「「「「ごちそうさまでした!」」」」」

みほ「おいしかったぁ。沙織さんと、みんなで作るとやっぱり違うなあ」

沙織「やだぁ、みぽりんったら!でもみんな、初めてごはん会やったときより上達してるんじゃない?」

優花里「はい!特に五十鈴殿はだいぶ包丁の扱いに慣れたようですね?」

「お恥ずかしながら、みなさんのおかげでようやく自分の将来と向き合うことの大事さに気づきまして……」

麻子「将来と言うと……五十鈴さんの場合は家を守るということになるな」

沙織「えっ!華結婚するの!?」

優花里「さすが未来の家元!お相手はどのような御仁で?」

「もうっ!お二人とも気が早いですよぉ!……でも、私が家を継ぐことは決まっていますから、そうなったときに困らないようにしておきたいんです」

みほ「やっぱり華さんは大人だなあ……私の場合はお姉ちゃんが居るから大丈夫だろうけど……」

麻子「私は想像もつかない」

沙織「二人は淡泊すぎ!ゆかりんは?」

優花里「ぅえっ!?わ、私は……その、みなさんと過ごす今が本当に楽しくて……その先のことはまだ考えが及びません」

みほ「優花里さん……うん、私もみんなのことが大好き。来年も一緒に居られるようになって、本当によかった!」

「改めて言われると少し照れますね。はい、私もみなさんと過ごすこの時間が、今は何よりも愛おしく感じます」

麻子「黙っているのは公平じゃないな……みんな、こんな私を戦車道に誘ってくれて本当に感謝している」

沙織「もう!みんなしてそんなこと言われたら、私も真面目なこと言わないといけなくなっちゃうじゃーん!でもそうね、これが今の私たちらしいかな……なんていつもの流れにはさせないわよ!?」

21 : ◆s2tmI36vx6 - 2016/03/20 16:25:44.27 S0ZPUWE30 21/32

麻子「なんだいつもの流れって」

「いいじゃありませんか、若気の至りというので」

みほ「それはちょっと、違う気がする……」

優花里「むぅ、武部殿に喜んでいただけそうな話題は私には非常に困難です」

沙織「大丈夫、今日は朝まで一緒なんだから!ハーブティーでも飲みながら思う存分ガールズトークに花を咲かせよ?まずはかるーく好みのタイプなんてどう?」

麻子「……好きにしてくれ。じゃあ言いだしっぺの沙織から」

沙織「えー?そうねぇ、前は頼りになって、優しくリードしてくれるような人がよかったんだけど……最近はちょっと違うかな?なんかこう、しっかりしてるようで結構抜けてるところがあってぇ、普段しっかりするためにもそういうところを支えてあげたいかなー的な?」

みほ「沙織さんらしいね。それならその人も安心して頑張れるんじゃないかな?」

沙織「それからねー、大人しいようで頑固なところがあったり?意外と大胆で驚かされたりするとグッっときちゃうかな?」

「意外性ですか。確かに思わぬ一面があると一緒に居るのが楽しいかもしれませんね」

沙織「んーやっぱり好きなことに一生懸命で、ちょっと子供っぽいところがあるとかわいいよね?」

優花里「好きなことに打ち込む姿は魅力的なものですしね!喜んでもらえることがわかりやすいのもいいかもしれません」

沙織「あとは……ちょっとだらしないくらいが私には合ってるような気がするかなー」

麻子「沙織はおせっかい焼きだからな。発散する相手がいるとお互い助かるんじゃないか?」

沙織「一緒にご飯作って食べたりとかもしたいなー。それで喜んでもらえたらもう夢中になっちゃうかも!」

みほ優花里麻子((((……あれ?))))

沙織「それでねー……こんなときに…………最高だよね………………………だったらぁ…………………………………………………やだもー!」

22 : ◆s2tmI36vx6 - 2016/03/20 16:26:15.41 S0ZPUWE30 22/32

「さってさてぇ、よい子は寝ているはずの時間だけど、ウチのみんなはどうかなぁ?」

「各車の位置は把握しています。こちらの準備も整いました」

柚子「予定通りに行けば、ちょうどいい時間になると思いますが……」

「んっふっふ~、んじゃいっちょやってみますか!しゅっつげーき!」

『全チームに告げる!これより夜間戦闘訓練を開始する!組み分けはⅣ号、Ⅲ突、B1bis、三式のAチーム!ヘッツァー、89式、M3、ポルシェティーガーのBチームだ!練習弾を使用するため撃破判定は自己申告で行うこと!』

「さて、一番近くに居るのはアリクイさんチームだね。どの車両も練習弾しか積んでないし、思う存分やっちゃおう!」

「居ました!三式中戦車です。まずは牽制で撃ち込みます!」

柚子「こういう時に限って当てちゃったりしてね」

「馬鹿を言うな!発射!……あっ」

「わーお、命中だよ。やるねかぁーしま!」

柚子「あらら~大丈夫かな猫田さんたち」

「小山、横につけて!…しょっと。ありゃ、居ないよねこちゃんたち」

「なんですって!?あいつら……!」

柚子「どうしましょう?訓練を中止して探したほうが……」

「あーまぁ、大体察しはつくかな。宿直の用務員さんにさ、校舎の周りに不審なダンボール箱がないか探してもらって」

「……はぁ、『あー、アリクイチーム撃破!これはゲームじゃない、各チーム真剣に取り組むように!』」

23 : ◆s2tmI36vx6 - 2016/03/20 16:26:45.88 S0ZPUWE30 23/32

「みんな起きて!訓練だって!」

あや「……えぇ~?明日も訓練なのにぃ……?」

あゆみ「組み分けって言っても、こう暗くちゃどれがどれだかわかんなくない?」

優季「わかんなぁ~い。とりあえず見つけたら撃っちゃえばいいんじゃない?」

「ダメに決まってるでしょ!?優季、とりあえず同じ組のチームと連絡して!桂利奈ちゃん、起きて!」

桂利奈「う~……あいぃ……」

紗希「……」



左衛門佐「まったく……相変わらず会長は無茶を言うな。アリクイチームよ、貴殿らの無念は忘れんぞ」

カエサル「しかし遭遇戦となると、私たちが迂闊に動き回るわけにもいかないな」

エルヴィン「他のチームと連絡を取り合ってみるか。おりょう、そこの茂みの影で停車してくれ」

おりょう「ふぁ……了解ぜよ」



ナカジマ「あぁはい、えぇ……あーいえ、わかりました。……あーやっぱタダで見逃してくれるわけないかあ」

ホシノ「囮役ってわけ?」

スズキ「そうみたいね。レオポンはわかりやすいし、目立つにはもってこいだわ」

ツチヤ「……ってことは、いつも以上にガンガン飛ばしちゃっていいの!?」

ナカジマ「事故るなよ」

ツチヤ「ヒャッホウ!」

ホシノ「こっちは敵味方が判別しづらいのがねえ。頼んだよナカジマ」

ナカジマ「はいよっと。音聞きゃだいたいわかるから……んしょ」カタン

24 : ◆s2tmI36vx6 - 2016/03/20 16:27:15.33 S0ZPUWE30 24/32

みどり子「もう!こんな時間に訓練なんて不健全よ!というかアリクイチームは何してたの!?」

モヨ子「はぁ、それで郊外に行かせたんだ……一度ほかのチームと合流した方がよさそうだね」

希美「あれ、なんか居る……?撃ってきた!」

みどり子「あれは……ヘッツァー?さっそく元凶のお出ましね!他のチームに知らせるわ!」



沙織「わかった!そっちも気を付けてね!みぽりん、カモさんがカメさんと交戦中だって!」

「もうですか?アリクイさんチームと言い、ずいぶん思い切ったことをしますね」

麻子「あの会長なら、自分たちだけ全車の位置を把握していてもおかしくないだろうな」

優花里「それにしたって行動が早すぎませんか?夜戦用の装備でも持っているんでしょうか」

みほ「あり得る……でもそれならそれでやりようはあるよ。沙織さん、カモさんの現在位置を教えてください。救援に行きます」

沙織「わかった!カモさん、あんこうが救援に向かいます。今どのあたりで……」

みほ「静かに!……後方からモーター音?麻子さん、エンジンを切ってください!このままやりすごします」

優花里「おぉ……本当にカモフラージュが役立つ機会に恵まれるなんてぇ!とと、静かに静かに……」

みほ「沙織さん、交信続けてください」

沙織「みぽりん大変だよ、カモさんが居るのレオポンが向かってる方だよ!」

みほ「わかりました。後をつけます。麻子さん、レオポンとの距離を保って移動しましょう」

麻子「わかった」

「背後からなら撃破判定を出せるのでは?」

みほ「それでも確実に命中させるにはかなり近づかないといけないから……敵チームの狙いがわかるまで発砲は控えてください」

優花里「カモさんは大丈夫でしょうか?」

みほ「一対一ならヘッツァーは不利なはず……あえて姿をさらしたのは陽動が目的だと思うけど」

沙織「本命はレオポンってこと?なら先にやっつけちゃうのもアリじゃない?」

麻子「どうだかな。気付いていないフリをしているだけかもしれん」

みほ「うーん……ツチヤさんにしては吹かしすぎなような……沙織さん、カバさんに連絡してもらえますか?」

25 : ◆s2tmI36vx6 - 2016/03/20 16:27:59.81 S0ZPUWE30 25/32

ツチヤ「あんこう着いてきてるの?」

ナカジマ「多分ね。……うーん、冷泉さんだからなあ。無駄に吹かすようなことはしないか」

ホシノ「隊長も下手に見つかるようなことはしないだろうからね。しばらく暇かも」

スズキ「忙しくなったら起こしてね~」

ナカジマ「確かに、いつになく安全運転で眠くなっちゃうな……ツチヤ、あとよろしく」

ツチヤ「私の運転が普段は荒いみたいな言い方やめてくれない!?」



エルヴィン「ああ、こちらは問題ない。うん、突撃砲の本領を見せてやろう」

左衛門佐「待ち伏せて狙撃しろと?」

カエサル「しかし、車両の識別が困難だが……」

おりょう「それ以前に無事射撃地点に着けるかが問題ぜよ」

左衛門佐「こちらは既に一両失っているのだ、少々大胆に行くくらいでちょうどいいだろう」

エルヴィン「そういうことだ。後れを取るな!」


みどり子「ああもう!逃げられちゃったじゃない!風紀委員を甘く見るとどういうことになるか教えてあげるわよ!」

モヨ子「落ち着いてソド子!暗くて危ないし、あんこうチームと合流する方がいいよ……」

希美「レオポンチームも来るっていうし……どっか隠れてじっとしてた方がいいんじゃない?」

26 : ◆s2tmI36vx6 - 2016/03/20 16:28:29.67 S0ZPUWE30 26/32

「うぅ……柚子ちゃぁん……なんで当てようとすると弾がどっかいっちゃうのかなあ……」

柚子「物は考えようだよ桃ちゃん!普段もわざと外すようにすれば百発百中かもよ?」

「そりゃーいいね!かぁーしま、そろそろ私にも撃たせて!いやー、こんなに痛快なことはないね!」



「うぅ……こう暗いとどう動いていいか……」

あや「カバさんに気をつけろって言われてもねえ……アヒルさんは?」

優季「連絡とれないんだよねぇ~どこまで行っちゃったんだろ?」

「あんこうチームはレオポンの後をつけてるはずで……隊長もそれが囮だって気付くだろうから、本命はカバさんの待ち伏せ……」

あゆみ「固定砲搭はこっちもだし、鉢合わせたら撃ち勝てる自信はないかな……」

あや「しかもこっちは背が高い分目立つし……先に見つけるの無理じゃない?」

「うん……でもその分見通しが効くし、あっちも見つかっちゃうからすぐには撃たれないはずだよ!桂利奈ちゃん、ゆっくりでいいからまずはこの森を抜けよう」

桂利奈「あい!」



沙織「カメさんはどっか行っちゃったみたい。カモさんはレオポンを待ち伏せしてみるって!」

みほ「了解、レオポンチームは……まだ動いてますね。あとはウサギさんとアヒルさんだけど…」

優花里「レオポンについて行った先に3両とも待ち伏せている、なんてことはありませんかね?」

「それは困りますね……こう暗くては、素早く集合することも難しいとは思うのですが」

麻子「今はそう願うしかないな」

みほ「かと言ってレオポンを放置もできない……うーん、会長にうまいこと乗せられちゃったかなあ」

エルヴィン『あー、こちらカバチーム……指定された地点にまもなく到着するが、アヒルチームがな』

沙織「アヒルさん?追われてるの?」

エルヴィン『いや、4人とも熟睡していて何をしても起きないだ。このまま撃つわけにもいかんし、これは撃破でいいだろうか?』

みほ「えー……そうですね。寝かせておいてあげましょう」

優花里「アヒルさんは完全に朝型体質ですからね……」

麻子「早起きできる代償がこれではな……夜型でよかった」

「麻子さんの場合の方が代償が大きいのでは……?」

27 : ◆s2tmI36vx6 - 2016/03/20 16:28:58.81 S0ZPUWE30 27/32

エルヴィン『アヒルチームを撃破!……と言うより熟睡していて訓練に気が付いていないようだ。交信終わり!』

「なんだと!?……いやこれは予想できたことでしょうか……?」

柚子「さすが健康的ね……」

「いやー期待を裏切らないね!けどこれで西住ちゃんの狙いが分かったね」

「はい、やはり囮に釣られたふりをして、反撃の手を考えていました」

柚子「あとはウサギさんチームが頼りですね」

「やっほー澤ちゃん?いまどこ?……わぉ、大胆だね!おっけおっけ、あとはまーかせて!」



みほ「これでこちらの狙いはばれてしまいましたね……けれど、カバさんが狙っているとわかった以上迂闊にこちらを攻撃できないはずです。ここはこちらから攻めます!」

優花里「まだウサギさんチームの所在が分かりませんが?」

みほ「はい、なのでポルシェティーガーを先に撃破して数の有利を確保します。カバさん、こちらの合図で射撃開始してください。念のため、一度撃ったら移動するようにお願いします」

エルヴィン『了解した!訓練が終了したら野戦レストランでたらふくおごってもらうぞ!』

「私たちの優先目標はどれですか?」

みほ「できればヘッツァーですが……ここは出たとこ勝負と行きましょう。カモさん、後のフォローはよろしくお願いします」

みどり子『了解よ!食べ物の恨みは怖いってことを教えてあげるわ!』

麻子「あれを食べたのか…?」

みほ「では、チカチカ作戦開始します!パンツァーフォー!」

28 : ◆s2tmI36vx6 - 2016/03/20 16:29:32.87 S0ZPUWE30 28/32

ナカジマ「っ!Ⅳ号近づいてくるよ!ツチヤ反転!6時に対して昼飯!」

ツチヤ「はいよっと!」

ホシノ「って言われてもどこ狙えばいいのよ?」

スズキ「流石にこれじゃ見えない…ってなんか撃たれてない?」

ナカジマ「機銃?ってうわヤバっ!」


ゴンッ!


エルヴィン『合図は確かに受け取ったぞ!レオポンチーム撃破だ!』

みほ「麻子さん、今です!前照灯を点灯し…っ!?前進!砲塔3時敵戦車!」

「眩しくて……照準がっ!」

優花里「なんですかっ!あれは……ウサギさんチーム!?」



「見つけたっ!停止!目標Ⅳ号!主砲、副砲撃てっ!」

あや「そりゃっ!」

あゆみ「えーいっ!」

優季「やったぁ、命中ぅ~!あんこうチーム撃破です!」

29 : ◆s2tmI36vx6 - 2016/03/20 16:30:37.24 S0ZPUWE30 29/32

クワァーン!


桂利奈「あたっ!」

みどり子『ウサギさんチーム撃破……こんな無茶する人が二人もいるとは思わなかったわ』

『カバさん撃破したよー!……うわぁ2台分だとすっごい明るいね!……ねぇ園ちゃん?ここは引き分けってことにしない?』

みどり子『だそうだけど、どう思うパゾ美?』

希美『食べ物と睡眠……どっちかひとつならまだ許せたかな』


ドォン!


『や~ら~れ~た~!』

『全チームに告ぐ!訓練終了、Aチームの勝利!……あー、宿営に戻る前に空を見てみろ』

みほ「空を?」

「……まぁ、きれいな星空。明日もいい天気になりそうですね」

優花里「あっ!流れ星ですよ!」

沙織「嘘っ!?早く言ってよー!願い事しなきゃ!」

麻子「心配しなくてもこれからたくさん来る。ライト消すぞ」

30 : ◆s2tmI36vx6 - 2016/03/20 16:31:03.01 S0ZPUWE30 30/32

「あっ、そっか!今日だったんだ!桂利奈ちゃん、こっちもライト消していいよ」

あや「何が始まるの?」

あゆみ「あっ流れ星……あれ、あっちも、こっちも!」

優季「すご~い!これだけあればどんな願い事もかないそう~」

桂利奈「なになに?アルマゲドン!?」

紗希「……ペルセウス」

「そうそれ!ペルセウス座流星群!」


みどり子「天体観測なら夜更かししても不健全じゃない……わよね?」

モヨ子「いいと思うよ。こんなにきれいなものが風紀を乱すわけないし」

希美「眠い……けど見たい……」


ナカジマ「おーすごいねー!たまには学生らしく思い出作りもしてみるもんだね!」

ホシノ「キャンプに天体観測なんてなんかむず痒いけどね……」

スズキ「いいじゃん、花の女子高生らしくて!」

ツチヤ「その発言がすでに女子高生らしく無……いたっ!」

31 : ◆s2tmI36vx6 - 2016/03/20 16:33:59.90 S0ZPUWE30 31/32

左衛門佐「うんうん、過去の偉人たちも星で吉兆を占っていたというしな」

おりょう「明治維新により西洋の太陽暦が導入されたことから陰陽道は衰退し、近代科学としての天文学に切り替わってくぜよ。海軍などでも積極的に用いられ、現在の天文航法が確立されたというわけぜよ」

エルヴィン「星と言えばアフリカの星と呼ばれたハンス・ヨアヒム・マルセイユは任務の帰りに僚機と偏差射撃の訓練をしていたというな」

カエサル「まぁ、今日は小難しい話はいいさ。帰り道にアヒルチームを起こしてやろう……あの様子じゃ起きるかわからんが」


ねこにゃー「わぁ、きれいだね……うぅ……足が……」

ぴよたん「正座しながら夜空を見上げるなんて経験、そうそうできるもんじゃないっちゃ!」

ももがー「する必要もないと思うナリ……でも、これもまた青春の1ページナリ……」


みほ「まったくもう……会長にはかなわないなあ」

優花里「でも、夜間戦闘の訓練も楽しかったですね!またやりたいです!」

「次は私も撃破できるよう頑張ります!」

沙織「もうこんな不意打ちは勘弁してほしいけどね……」

麻子「だが、今日は疲れたからよく眠れそうだ」

みほ「あはは、そうだね。また来年……ううん、いつでもやろうよ!みんなで!」

32 : ◆s2tmI36vx6 - 2016/03/20 16:37:50.42 S0ZPUWE30 32/32

これで終わりです。読んでいただければ幸いです。

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