1 : VIPに... - 2011/07/28 21:08:02.38 qsadPkX80 1/458

注意点

時系列は新約後
独自設定・独自解釈かなりあり
オリジナル要素・設定結構あり
贔屓割とあり
厨二展開爆発
登場人物は大体パワーアップしてる
人がバンバン死ぬ

質問とかにはなるべく応えていこうとは思ってる

元スレ
アレイスター「さあ、最後の晩餐(ショータイム)だ」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1311854882/

3 : VIPに... - 2011/07/28 21:08:50.62 qsadPkX80 2/458

12月23日

第三次世界大戦が終結して約2カ月が経った。大戦直後は平和以外の何物でもなかったが
11月、すぐに変化は訪れた。『新入生』達による学園都市への大規模クーデターだった。
だがそれは、主にとある少年達の活躍によって事なきを得た。

その少年達とは、上条当麻、一方通行、浜面仕上の3人である。このクーデターを通し
一方通行はさらなる覚醒を、浜面仕上は『素養格付』(パラメータリスト)の壁を越え
能力を発現、そして上条当麻の戦闘センスにもさらなる磨きがかかった。

しかし、これら全ては学園都市統括理事長アレイスター=クロウリーの思惑通りだった。
これから起こる事に備えて……

4 : VIPに... - 2011/07/28 21:10:45.18 qsadPkX80 3/458

元暗部『アイテム』が住んでいるマンション

絹旗「『素養格付』の壁を越え能力を発現、ってたかだか低能力者(レベル1)じゃないですか。
   超威張るほどではないですよね」

いきなり喧嘩腰の発言をした少女は『アイテム』の中で最年少
『窒素装甲』(オフェンスアーマー)の能力を持つ、絹旗最愛だ。

浜面「誰も威張ってねーだろ。てかその言い方は酷くない!?
   それに大能力者(レベル4)と比べられてもだな」

『アイテム』の中で唯一の男、浜面仕上はそう言い返した。彼は今でこそ
レベル1であるが、つい先日までは、ぶっちぎりの無能力者(レベル0)だった。

それでも超能力者(レベル5)に2回勝利したり、第三次世界大戦の激戦区を
渡り歩いたりしてきた過去を持つ、割と世紀末帝王HAMADURAだったりする。

麦野「しかも『肉体強化』(オートエンハンス)とかありふれすぎ。レベル0の時の方が
   まだレベル0という個性があったのに」

そんな発言をした彼女は、学園都市でも7人しかいないレベル5の第4位
『原子崩し』(メルトダウナー)の麦野沈利。紆余曲折あって今は左手が義手、右眼が義眼である。普段は特殊メイクで隠している。

浜面「何言ってんだよ。レベル0は学園都市に6割も居るんだぞ。
   レベル1になっただけ今までよりは個性あるだろ!それにレベル5に言われてもだな!」

滝壺「そんな個性とかどうでも良いよ。はまづらははまづらだから」

そんな風に浜面のフォローに入った彼女の名前は滝壺理后。
能力はレベル4の『能力追跡』(AIMストーカー)。
療養中の身であったが、つい先日治療が完了した。浜面とラブラブ。

浜面「滝壺///」

滝壺「はまづら///」

5 : VIPに... - 2011/07/28 21:12:10.57 qsadPkX80 4/458

麦野「(まーた始まったよ……)」

絹旗「(超甘々空間ですよね。てか私達、超邪魔者ですよね)」

麦野「(でもねぇ……新しく家探すのも面倒臭いしねぇ……)」

絹旗「(そうですよね。一応それぞれに部屋はありますし、このままでも超問題ないですよね)」

フレメア「大体!私にも構ってほしい!にゃあ!」

駄々をこねだしたのは、フレメア=セイヴェルンという少女。
とある事情で麦野が殺してしまった『アイテム』の構成員だった
フレンダ=セイヴェルンの実の妹だ。

何の罪もないのに、とある目的から『新入生』達に狙われていたところを浜面達に助けられた。
その後麦野が『フレンダの妹なら、私が面倒を見る』とか言い出したので
こういう風に『アイテム』と暮らしている。

麦野「はいはい。じゃあ私と遊ぶ?」

フレメア「うん。ブラッド&デストロイがやりたいな」

麦野絹旗「「……え??」」

フレメア「あれ?大体聞こえなかった?ブラッド&デストロイがやりたいな」

麦野「え?いやでも、そんなのじゃなくてもいろいろあるにゃーん?ほら、ど○ぶつの森とかさ」

フレメア「ブラッド&デストロイ」

絹旗「マ○オパーティとか、超どうですか?」

フレメア「ブラッド&デストロイ」

麦野「じゃあせめて、大○闘スマッシュブラザーズDXとか」

フレメア「ブラッド&デストロイがやりたい!」

麦野(フレンダ、あんたの妹、手に負えないよ……)

こんな感じで『アイテム』は超平和だった。

6 : VIPに... - 2011/07/28 21:13:27.14 qsadPkX80 5/458

黄泉川のマンション

打ち止め「ねぇねぇ一方通行(アクセラレータ)、ミサカと遊ぼうよ、ってミサカはミサカは
     駄々をこねてみる」

ものすごく面倒臭い口調のこの少女の名前は、打ち止め(ラストオーダー)。
オリジナルである御坂美琴のクローンで、見た目は10歳くらい。
紆余曲折を経て、今では一方通行と家族のような関係。

一方通行「あァ?だりィからパス」

そんな素っ気ない返事をする少年は一方通行。先日の『新入生』のクーデターを通して
『絶対能力者』(レベル6)へと『最強』から『無敵』へと進化(シフト)した。
能力は『一方通行』。簡単に言うと『ベクトル操作』である。チョーカーのバッテリーは
今や1時間は持ち、日常生活でも杖を使わなくても良いぐらいには回復した。

番外個体「そんなこと言わないで、少しぐらい遊んであげれば良いじゃん」

一方通行に向かって、少し生意気な口を聞く彼女は番外個体(ミサカワースト)。
第三次製造計画(サードシーズン)により新たに生み出されたクローン。一方通行に救われた。

一方通行「ンな事言うなら、オマエが遊ンでやれよ」

番外個体「仕方ないな~。今からミサカが子供の扱い方と言うものを見せてやるから見習え!
     ほーら打ち止めちゃーん、お姉さんと一緒に遊びましょうね~」

打ち止め「ミサカはそんなに子供じゃない!ってミサカはミサカは憤慨してみる!」

7 : VIPに... - 2011/07/28 21:14:49.20 qsadPkX80 6/458

黄泉川「随分賑やかじゃんよ」

打ち止めと番外個体のやり取りを、微笑ましく見守る女性は黄泉川愛穂。
この部屋の家主であり、教師兼『警備員』(アンチスキル)でもある。

芳川「明るいのも良いけど、私はもう少し落ち着きも持ってほしいと思うわね」

彼女は芳川桔梗。もともとは研究者だったが、現在は黄泉川のマンションで居候しているニート。
黄泉川とは旧知の仲である。

黄泉川「その言い方は無いじゃんよ。桔梗は人の事とやかく言う前に早く次の仕事見つけるじゃん」

芳川「分かっているわよ」

黄泉川「分かったんならそれで良いじゃん。ところで一方通行、買い物に行ってくるじゃんよ」

一方通行「はァ?何でだよ?今日は天皇誕生日で祝日だろうが。オマエが行け」

黄泉川「なーに言ってんじゃんよ。アンチスキルは祝日でも仕事があるじゃん」

一方通行「じゃあ芳川に行かせろよ」

芳川「私はちょっと忙しいから無理なのよ」

一方通行「どっからどう見ても、TV見てくつろいでいるようにしか見えないンですけどォ。
     これは俺の目の錯覚ですかァ?」

芳川「だから言っているでしょ。TV見るのが忙しいの」

しれっとした顔で芳川はそう言い切った。

一方通行(殴りてェ)

一方通行は純粋にそう思った。

8 : VIPに... - 2011/07/28 21:15:58.06 qsadPkX80 7/458

黄泉川「私は一方通行に頼んでるじゃんよ」

黄泉川「前にも言ったじゃん。買い物でもなんでもいいから『日常』に触れて
    社会の歯車の一員になれって」

一方通行「チッ、分かったよ分かりましたよ。行けばいいンだろ?」

一方通行はとても億劫そうにソファーから起きあがる。

打ち止め「ミサカも行くー、ってミサカはミサカは宣言してみる」

番外個体「み、ミサカも行きたいっ!」

打ち止め「駄目ーっ!今回はミサカと行くの、ってミサカはミサカは今回は負けない
     と意気込んでみる!」

番外個体「はっはっはーっ!ミサカに敵うのかなぁ!」

一方通行を巡って、軽い戦争をする打ち止めと番外個体だったが、そこへ黄泉川が一言。

黄泉川「3人で行けばいいじゃんよ」

打ち止め番外個体「「あ」」

そんなこんなで仲良く?買い物に行った3人であった。

9 : VIPに... - 2011/07/28 21:17:53.67 qsadPkX80 8/458

第7学区 とある学生寮

禁書「ねぇとうま、暇だから外に行って遊ぼうよ」

彼女の名前は禁書目録(インデックス)。『完全記憶能力』があり
頭の中に10万3000冊の魔道書を記憶していると言うトンデモ少女。食いしん坊。

上条「今は筋トレ中だから無理。それに寒いし」

筋トレをしている少年は上条当麻。夏休み以前の記憶がない。
彼には『幻想殺し』(イマジンブレイカー)という、それが異能の力であるのならば
神様の奇跡でさえ打ち消せる、と言う触れ込みの凄い右手を持っているが
身体検査(システムスキャン)上はレベル0判定なので、極貧高校生。

禁書「いいじゃんそんなの!昔はそんなことしてなかったのに!」

上条「いーや駄目だね。俺は気づいたんだ。俺の攻撃方法は殴ることしかできない。
   近距離戦しかできないんだ。そのためには体を鍛えといた方が良いだろ?
   今まで何故体を鍛えてこなかったのか、我ながら不思議なくらいだ」

禁書「何でとうまの中では、戦いがあるのが前提なの!?とうまは元々、ただの高校生なんだよ!?
   戦いがあるほうが異常だし、今後もしあったとしても、そう言う戦いには参加しなくても
   良いかも!」

上条「でも戦いなんてなくても、筋トレして特にデメリットは無いだろ?」

禁書「むぅー。今までずーっと私に記憶喪失の事隠していたくせに!」

上条「う!?そこ言われると弱るな……でも今まで隠していたのは、お前の悲しむ顔を
   見たくないと思ってだな……」

禁書「き、気持ちは嬉しいけど、そう言って私の怒りを和らげようとする手には
   乗らないんだよ///」

と言いつつ、いつものインデックスならこのまま噛みついてもおかしくないのだが
面と向かって言われると、さすがに嬉しかったようで、噛みつく事は無かった。

10 : VIPに... - 2011/07/28 21:19:26.19 qsadPkX80 9/458

上条(ふぅ。何とか噛みつきを回避できましたか)

禁書「……そうだね。外に出たら“また”女の子とお知り合いになったりするかもしれないから
   このままずっと、家で筋トレしてもらってる方が良いかも」

上条「何だよその言い方……まるで俺が1歩でも外に出れば、女の子と仲良くなって
   帰ってくるみたいな言い方じゃねぇか」

するとインデックスは溜息をつきながら

禁書「とうま、それ本気で言ってるの?これだから無自覚は困るんだよ」

上条「あ、あの~、インデックスさん?何故そこで深い溜息を吐くのでせうか?」

禁書「ねぇとうま、私の気持ち考えたことある?」

インデックスは腹筋最中の上条に跨った。

上条「お、おい!」

禁書「私はとうまが学校に行っている間、ずーっと一人ぼっちなんだよ?私だって寂しいんだよ?」

インデックスは若干涙目になりながら、じっと上条を見つめる。

上条「……」

禁書「だから、たまには私と遊んで欲しいかも」

上条「……そうだな。たまには遊ぶのも悪くないな」

禁書「でも外に出ると、とうまは女の子のところに行っちゃうから、この部屋の中で
   出来る事をしようよ」

上条「い、家の中で、しようよ……」

今現在、上条はインデックスに跨られている。
上条は健全な高校生であるため、女の子が自分の腰辺りの上に居るのは、若干刺激的なのである。
その状況で“しようよ”なんて言われたのだ。紳士である上条の理性も少し吹っ飛びかけた。

11 : VIPに... - 2011/07/28 21:20:24.04 qsadPkX80 10/458

上条「///」

禁書「どうしたのとうま?顔が赤いよ?熱でもあるの?」

インデックスが心配そうに上条の顔を覗き込む。顔の距離は10cmまで近づく。

上条「だ、大丈夫。上条さんは今日も健康体です!はい!」

禁書「……よく分からないけど大丈夫なら良いんだよ。それより今思いついたんだけど
   人生ゲームって言うのをやってみたいかも!」

上条「人生ゲームか……あったっけなぁ……」

禁書「とりあえず一緒に探そうよ。見つからなかったら一緒に買いに行くんだよ!」

上条「はいはい、分かりましたよ」

上条は面倒臭そうに、けれども嬉しさも込めて、そう返事をした。

12 : VIPに... - 2011/07/28 21:22:21.23 qsadPkX80 11/458

イギリス清教 第零聖堂区『必要悪の教会』(ネセサリウス)

ステイル「最大主教(アークビショップ)!この書類に書いてあることは本当なのですか!」

大声でそう叫んだ彼は、ステイル=マグヌス。
イギリス清教に所属する炎を得意とする魔術師である。
2mの大男であるが、14歳。
魔法名は『我が名が最強である理由をここに証明する(Fortis931)』。

ローラ「ええ、本当よ」

軽い返事をしたのは、イギリス清教の最大主教であるローラ=スチュアート。
身長の2.5倍位ある、宝石店にそのまま売られてもおかしくない金髪をもつ
見た目18歳くらいの少女だ。

ステイル「こ、この書類には『学園都市の襲撃を認める』とありますが……
     何故学園都市を攻める必要があるのですか!」

ローラ「簡単なことなのよ。あそこには殺さなければいけなし人がいるの」

ステイル「な、何を」

ローラ「アレイスター=クロウリー。奴は生きていたのよ。学園都市統括理事長として」

ステイル「そんな……確かに学園都市統括理事長は、あの最悪の魔術師と言われた
     アレイスター=クロウリーと同名ではあるが、時代的にどう考えたって
     生きているはずがない!」

ローラ「私もそう思っていた時もあった。でも第3次世界大戦が終戦した10月30日に
    わずか700秒程度の間ではあったけど、生体反応が出たのよ」

ローラは若干気分が昂ぶっているせいか、似非古文口調ではなくなっていた。

13 : VIPに... - 2011/07/28 21:24:13.06 qsadPkX80 12/458

ステイル「ですが、あそこには禁書目録が……」

ローラ「そんなことは関係なしにつきなのよ。それに、呼び戻そうと思えば
    いつでも呼び戻せしこともできる」

ステイル「しかし」

ローラ「しかしではない。ステイルも知っているでしょう?イギリスはクーデター以降
    弱っているの。だがここで学園都市を潰せば、我らイギリスは力を取り戻す」

ローラ「それどころか、科学サイドという一大勢力が無くなれば、我ら魔術サイドが
    世界を手中に治めることもできる」

ローラ「それに魔術世界の歴史上最大の汚点とも云われる、アレイスターを潰したいでしょ?」

ローラ「つい先日、学園都市でクーデターがあったのは知っているでしょう?
    この好機を逃す手は無しにつきなのよ」

ステイル「そんなことは関係ない。……駄目だ、貴方は危険すぎる……!」

ステイル「今のところ世界は平和そのものだし、何よりあそこには禁書目録がいる。
     彼女を危険に巻き込むわけにはいかない」

ステイル「こんな書類、僕が今ここで燃やしてやる!」

ローラ「そんな口を聞きて良いのかしら?私には遠隔制御霊装がありしことよ?」

ステイル「この女狐めが!」

ステイルは感情を隠すことができなかった。

ローラ「ふふふ。さあ、分かったら明日にでも、学園都市に攻めたりけるから
    相応の準備をしなさい」

14 : VIPに... - 2011/07/28 21:26:02.30 qsadPkX80 13/458

翌日 上条の通う学校

上条(眠い……)

現在、上条の通う高校では、終業式の真っ最中である。

昨日はあの後、人生ゲームを探すも結局なかったので
買いに行くためにインデックスと出掛けたのだ。
にもかかわらず、いつも通りインデックスが『おなかすいた』と喚きだしたので
食べ放題バイキングに行ったところ、店側に『勘弁して下さい』と泣きつかれて
いろいろ大変だったりした。

そして校長先生の長話のコンボである。上条の疲れはピークに達していた。

上条(話長いな……)

青ピ「(カミやん、カミやん)」

ひそひそ声で上条に話しかけてきた彼は、青髪ピアス。
見た目が青い髪の毛に、ピアスをつけていることからそう呼ばれている。本名も能力も不明である。

上条「(なんだよ)」

青ピ「(なんか疲れているようやけど、大丈夫なん?)」

上条「(大丈夫じゃねーよ。こっちは昨日の事でヘトヘトなんだよ)」

青ピ「(なになに、昨日何があったん?)」

上条「(昨日インデックスと出掛けたんだけど、あいつが食べ過ぎてよ。
   俺は色々と大変だったんだよ)」

青ピ「(おいカミやん、そのインデックスって娘、確か大覇星祭の打ち上げの時と
   鍋の時に居たシスターちゃんの事やろ?)」

上条「(……そうだけど)」

青ピ「ふざけんなやカミやーん!それデートやないかーっ!」

いきなり大声を出す青髪。当然、全校生徒の注目は上条と青髪に集まる。

15 : VIPに... - 2011/07/28 21:27:05.14 qsadPkX80 14/458

上条「ど、どうしたんだよ!」

青ピ「おまっ、あんな可愛い子とデートできたって言うのに、疲れたやと!?
   デートしたくてもできん、僕の気持ち考えろやーっ!」

上条「お、落ち着けって!」

小萌「あ、青髪ちゃーん!静かにするのですよー!」

大声で青髪を注意する彼女は月詠小萌。
身長135cmで小学6年生ぐらいにしか見えないが酒も煙草も大好きな、立派な大人であり教師である。

青ピ「僕はたった今決めた!今からカミやんを排除する!」

上条「ちょ」

青髪が上条に襲いかかろうとした、その時だった。

災誤「騒ぐな!」

青髪「ぐへっ!」

青髪は災誤(ゴリラ)に殴られ気絶した。そのまま災誤にかつがれて退場する。

上条(ふぅ、何とか助かったか)

数分後、終業式は終了した。

16 : VIPに... - 2011/07/28 21:28:42.45 qsadPkX80 15/458

黄泉川のマンション

打ち止め「あなたは今日も寝てばっかりなのね、ってミサカはミサカは呆れてみる」

一方通行「疲れが溜まってンだよ」

打ち止め「嘘ー!ミサカはもうこんなに元気なのに、ってミサカはミサカは
     天真爛漫ぶりをアピールしてみる!」

一方通行「うるせェなァ」

打ち止め「あなたはクーデターが終了して以降寝てばっかりじゃない
     ってミサカはミサカはあなたの怠慢さに呆れてみる」

一方通行「クーデターが終了して以降って……まだ2週間も経ってねェじゃねェか」

番外個体「いや、普通の人は丸3日も休めば、元気に回復するんだけどね」

一方通行「俺は普通じゃないの」

番外個体「そんなこと分かってるよ。あなたの正体はモヤシだよね」

一方通行「……」

番外個体「シカトかよ」

打ち止め「ミサカとあーそーぼー、ってミサカはミサカは懇願してみたり」

一方通行「番外個体、遊ンでやれ」

打ち止め「いーやーだー。ミサカはあなたと遊びたい、ってミサカはミサカは
     あなたの提案を却下!」

番外個体「ほぅら、熱烈なラブコールだよ~?」

一方通行「……何がしてェンだ」

打ち止め「今日はクリスマス・イブって日らしくて、学園都市も盛り上がっているみたいだから
     とりあえず外に出よう、ってミサカはミサカはソワソワしてみる」

17 : VIPに... - 2011/07/28 21:29:34.71 qsadPkX80 16/458

芳川「そうね。それがいいわ。行ってきなさい。3人で」

一方通行(こンな糞寒い中、外に出るのかよ…)

打ち止め「さっさと準備して出発するよー、ってミサカはミサカは姉御気どり」

番外個体「若いってのは良いね。元気があって」

一方通行「ナンバリング的には、オマエの方が妹だろうが」

こうして3人はクリスマス・イブで盛り上がる学園都市へと繰り出していった。

18 : VIPに... - 2011/07/28 21:31:07.73 qsadPkX80 17/458

『アイテム』が住んでいるマンション

浜面「わたくし浜面仕上ですが、現在緊急事態です」

浜面「恥ずかしながら、わたくし浜面仕上は、今まで彼女というものがいたことがなかったので
   今日までクリスマスという行事があったことを、すっかり忘れてしまっていたのです」

浜面「何が言いたいかって言うと、滝壺へのプレゼントを買っていないのです。
   幸い、あと1日猶予がありますが、どうしたらいいか困っています」

フレメア「浜面、さっきから、大体誰に向かって喋ってるの?」

浜面「え?いや~別に」

絹旗「フレメアちゃん、あまり浜面に近付かない方が良いですよ。
   浜面は超浜面ですから、どうせ超気持ち悪い妄想でもしていたんでしょう」

フレメア「そうなの?」

浜面「違うって。あまり絹旗お姉ちゃんの言うことは信じるなよ。コラ絹旗!
   あんまりデタラメ教えるんじゃありません!」

絹旗「うわ!何ですかその口調!超気持ち悪いです」

浜面「なんかさぁ!最近お前、俺に冷たすぎない!?」

絹旗「全然。超そんなことはありませんけど」

そこへ麦野が、うるさいな。と言う調子を含めた声で

麦野「はーまづらぁ、鮭弁買って来い」

浜面「唐突!?」

麦野「腹が減ったんだよ。いいから買って来い。30個」

絹旗「では、私はマシュマロを超お願いします」

浜面「はいはい」

滝壺「私も付いて行くよ。はまづら一人だけだと荷物大変でしょ?」

浜面「滝壺~(感動)」

ここで浜面は、ああなんて優しいんだ。さすが我が姫!と思っていたのだがあることを思いつく。

19 : VIPに... - 2011/07/28 21:32:22.64 qsadPkX80 18/458

浜面(待てよ。ひょっとしたらこれ、滝壺のプレゼントを探すいい機会じゃないか?
   ここは敢えて……)

浜面「気持ちは嬉しいけど、病み上がりの滝壺に重い荷物を持たせるわけにはいかないから
   俺一人で行くよ」

滝壺「はまづら、そんな気遣いいらないよ。私は、はまづらと一緒に居られるだけで幸せだから」

浜面(ああ!なんて良い子なんだ!可愛すぎる!俺には勿体ないくらいだ!
   でもその優しさが今は辛い!)

浜面(いや待てよ。一緒に居られるだけで幸せ=プレゼントなくても俺さえいれば良い
   という公式が成り立たないか?)

浜面(いやでも、クリスマスにプレゼントなしは……さすがにないよな)

と5秒くらい浜面が考えていると

滝壺「はまづら、どうかした?」

浜面「え?いや別に何でも」

滝壺「じゃあ買い物に行こうか」

浜面「いや、やっぱりさ。滝壺はまだ病み上がりだし、休んでいてくれよ」

滝壺「……そう。分かった」

20 : VIPに... - 2011/07/28 21:33:27.90 qsadPkX80 19/458

フレメア「じゃあさ、大体私も買い物に連れてって」

浜面「……お菓子とかは買わないぞ?」

フレメア「にゃあぁぁぁあああ!?浜面のケチ!大体、少しぐらい買ってくれても良いじゃん!」

浜面「無駄遣いはいけません!」

麦野「いいわよ。これでフレメアにお菓子でもおもちゃでも、何でも買ってあげなさい」

麦野は財布から、万札を数枚取り出す。

浜面「さすが、レベル5は財力が違うな。でもフレメアのこと、こんなに甘やかしていいのか?」

フレメア「全然、大体甘やかされてないもん。にゃあ」

麦野「そんなことはどうでもいいんだよ。いいから早く買ってきて」

浜面「へいへい」

そんなこんなで、浜面とフレメアのおつかいスタートである。

だがこんなにも平和な日常の終わりは、確実に近付いていた。

21 : VIPに... - 2011/07/28 21:34:24.76 qsadPkX80 20/458

放課後 上条の通う高校

上条「さ~て、帰るかな~」

姫神「か。上条君」

勇気を振り絞って、上条に話しかけた彼女は姫神秋沙。
『吸血殺し』(ディープブラッド)という、吸血鬼に対しては必殺の能力を有している。
今はその力を、イギリス清教からもらった十字架で抑えている。

上条「ん?どうした姫神?」

姫神「そ。その。明日。わ。私と」

上条「明日?明日がどうしたんだ?」

姫神「だ。だから。明日。私と」

その時だった。姫神を押し退けて、カチューシャをつけた女の子が上条の目の前に出てきた。

22 : VIPに... - 2011/07/28 21:36:00.62 qsadPkX80 21/458

カチューシャ「か、上条君。明日って何の日か分かる?」

上条「お前も明日って……明日ってなんかあったっけ?」

カチューシャ「もう!上条君の馬鹿!明日はクリスマスじゃない///」

上条「ああ~、そう言えばそうだ」

カチューシャ「だから、明日、私と一緒に、で、デートしない?///」

上条「え?俺と?」

カチューシャ「うん///」

上条「マジか。まあ気持ちは嬉しいけどよ。俺なんかで良いのか?」

カチューシャ「な、何言ってんのよ!私は上条君と行きたくてわざわざ誘ってんのよ!
       言わせないでよ、恥ずかしい///」

瞬間、男子達から「ヒューヒュー、アツイねぇ!」「また上条かよ……」「リア充爆発しろ」
などなど、喜怒哀楽が入り混じった野次が飛んできた。

上条「そ、そうか。じゃあ俺でよけれ」

姫神「待って」

そこに姫神が割って入る。

姫神「最初は。私が誘おうとしていた。私も上条君とデートしたい///」

女子A「そ、それだったら私だって上条君とデートしたい!」

と姫神、女子Aに続いて「私も!」「私だって!」と次々に上条とデート志望の女子が。

男子A「おい、あいつハーレムルート入ろうとしてんぞ」

男子B「そろそろ見逃せないレベルだな」

男子C「よし!奴を仕留めるか!」

23 : VIPに... - 2011/07/28 21:37:58.64 qsadPkX80 22/458

うおーっ!と男子勢による暴動が起こる。
そんな中冷静な少女が一人立ち上がり、教卓へと足を運び

吹寄「うるさーい!」

教卓を思いっきり叩き、クラス全員を一撃で黙らせたのは、吹寄制理。
健康グッズにはまっている、黒髪巨乳おでこDXな少女。

吹寄「上条!貴様、忘れている事があるわよ!」

上条「忘れている事?」

吹寄「貴様、ただでさえ頭悪いのに、学校も碌に来ない日が多かったわよね」

上条「……あ」

吹寄「思い出した?その埋め合わせのために、明日から私と一緒に補習があること」

上条「そ、そうだったーっ!」

その瞬間、クラスの女子達は絶望へ叩き落とされた。
一方男子勢は「イヤッホォォォォォウ!」と一気にハイテンションに。
が、そこで冷静な男子がある事に気づく。

男子D「ん?待てよ……今吹寄の奴“私と一緒に”って……」

男子E「え?吹寄って頭いいから、補習なんてあるわけなくね?」

吹寄「私がボランティアでこいつの補習の面倒見るの。
   このクラスから留年者を出すのも癪だからね」

その瞬間男子勢は、対カミジョー属性鉄壁の女が陥落したと思い、絶望へ。
一方女子勢は女子勢で「吹寄さんはライバルじゃないと思ったのに」
「ホルスタイン乳が!抜け駆けかよ!」と暴言を吐く者までいる始末だった。

と吹寄以外のクラスメイト(上条も含む)が絶望していたその時
ガララッ!と教室のドアを開ける一つの影が。

24 : VIPに... - 2011/07/28 21:39:07.23 qsadPkX80 23/458

土御門「盛り上がるのはそこまでだぜい」

彼は土御門元春。上条が住んでいる学生寮の隣人で
多角スパイでもあり、暗部の人間でもあり、とにかく凄い人物。

上条「土御門!?」

土御門「ちょっとカミやん借りていくぜい」

そう言いながら、土御門は上条の腕を引っ張る。

上条「ちょ、いきなりなんなんだよ」

土御門「良いから、黙ってついてこい」

土御門の目が鋭くなった。
上条は普段のふざけた調子の彼も、エージェントである真面目な時の彼も知っている。
今の目つきは、まさにエージェントのそれだった。

上条「……分かった」

25 : VIPに... - 2011/07/28 21:42:00.63 qsadPkX80 24/458

上条の通う高校 屋上

土御門「カミやん。落ち着いて聞いてくれ」

上条「な、なんだ」

土御門「今日、イギリス清教率いる魔術サイドが、学園都市に攻めてきた」

上条は土御門の言っている意味が分からなかった。

上条「は?」

土御門「だから今日、イギリス清教率いる魔術サイドが、学園都市に攻めてきたんだって」

上条「聞こえなかった訳じゃねぇよ!」

上条「なんで、だって、おかしくないか?第3次世界大戦では
   学園都市とイギリス清教は協力したんじゃないのかよ!」

土御門「まあ落ち着け。確かにそうだが、あの大戦以降、科学サイド>魔術サイド
    というパワーバランスになった」

土御門「だが学園都市は先日のクーデターで弱ってしまった。魔術サイド>科学サイドにしたい
    イギリス清教にとっては、今が攻め時って訳だ」

上条「理屈は分かった。けどよ、別に学園都市はイギリス清教と敵対関係では無いはずだし
   このままどちらも何もしなければ、世界は平和のままのはずだろ?
   どうしてわざわざ攻め込んでくるんだよ!?」

土御門「人間ってのは、自分が他者より優れていると、こいつよりはマシだと
    どこかで少しでも優越感に浸っていないと、生きていけないものさ」
    優劣を逆転したいんだよ。平和とか、そんなの関係なくな」

上条「ふざけんな!」

土御門「……」

上条「そんな程度の理由で、これから学園都市は攻められて
   俺の大切な人達が傷つけられていくのかよ!そんなこと、俺が絶対にさせねぇ!」

上条「いいぜ、イギリス清教。テメェらが立場を逆転するためだけに
   人を傷つけて、何も感じないと言うのなら――」

上条「――そんなふざけた幻想は、欠片も残さずぶち壊してやる!」

土御門「カミやん、カッコつけているとこ悪いが、既に学園都市とイギリス清教の戦いは
    始まっているぞ」

上条「なんだって!?」

土御門「空を見てみろ」

上条は空を見上げた。
そこには学園都市の戦闘機が何十機も飛んでいる光景があった。

土御門「まだ本格的に戦いが始まった訳じゃないが、水面下では戦いは確実に進行しているし
    これからさらに加速するだろう」

土御門「カミやん。念のためインデックスのもとに急ぐんだ」

上条「そうだ、インデックス!」

言うが早いか、上条はインデックスのもとへ走りだした。

土御門「さて、俺も動くとするか」

26 : VIPに... - 2011/07/28 21:43:44.41 qsadPkX80 25/458

上条がインデックスのもとへ走りだした頃 上条の学生寮

禁書「ふんふふん♪ふんふふん♪ふんふんふ~ん♪」

鼻歌交じりでご機嫌のインデックス。何故かと言えば、インデックスが大好きなアニメ
超起動少女(マジカルパワード)カナミンが、冬休みに一挙再放送されるからだ。

禁書「とうま、まだかな~」

そして明日からは冬休み。
上条当麻とも一緒に過ごせるので(上条が冬休みに補習がある事は知らない)インデックスは
嬉しくてたまらないのだ。

今か今かと上条の帰りを待つインデックス。
そんな事を思っていたころ、ガチャ、と扉の開く音がした。

禁書「あ、とうま帰って来たんだ……ね」

部屋の扉を開けて入ってきたのは上条ではなく、隻眼の男だった。

隻眼の男「一緒に来てもらおうか。『禁書目録』」

禁書「え?あ……そんな……だって……」

インデックスはかなり動揺していた。

まず1つ目。この男は多分魔術師だ。それも相当レベルの。だから怖くて仕方ない。

2つ目は、この男に気付かなかった自分に動揺していた。
扉を開けられるまで、その姿を見るまでに気づく事が出来なかった。

そして3つ目。何故こんなにも強力な魔術師が、学園都市に居るのだろうか?
まして、上条の部屋に来れたのだろうか?

インデックスは動揺しすぎて、過呼吸になりかけていた。

隻眼の男「この調子なら、勝手に気絶してくれそうだな」

禁書(とう……ま……)

結局、過呼吸をこじらせたインデックスは意識を失った。

27 : VIPに... - 2011/07/28 21:45:55.49 qsadPkX80 26/458

第6学区

一方通行「帰りてェ」

現在一方通行達は、学園都市の中でもアミューズメント施設が多く集結した場所にいる。
一方通行はそこで様々なゲコ太グッズを買わされたり、様々な施設に連れ回されたりして
疲弊していた。今はベンチで休憩中である。

番外個体「情けないねェ。女の子とのデートも満足にできねェのかよ?」

一方通行「したことねェし、出来るわけねェだろ。てか俺の真似すンな。気色悪ィ」

番外個体「あははは。あなたの真似って案外楽しいね」

一方通行「あっそ」

番外個体「素っ気ないなぁー。女の子の話はちゃんと聞いてあげないと」

一方通行「知ったこっちゃねェよ」

打ち止め「ねーねー。次はあれに乗ろう、ってミサカはミサカはあなたの腕を引っ張ってみる」

打ち止めが一方通行の腕を引っ張りながら指差したのは、観覧車だった。

一方通行「あァ?ンなもン番外個体と一緒に乗って来いよ。俺はここで休ンでる」

打ち止め「やだ。ミサカはあなたと一緒に乗りたいの、ってミサカはミサカは大胆発言」

番外個体「みっ、ミサカもっ、ミサカも乗りたい!」

一方通行「チッ。仕方ねェ。3人で乗りゃあいいンだろ?」

打ち止め「そうそう。そうと決まれば、観覧車までダッシュ!ってミサカはミサカは
     爆走してみたり~」

一方通行「そンなに慌てンな。転ぶぞ」

打ち止め「ミサカがそんなドジな真似するはずが、あ!」

ドジな真似するはずがない。の台詞途中に早速転んだ打ち止め。

一方通行「言わンこっちゃねェ」

28 : VIPに... - 2011/07/28 21:48:36.01 qsadPkX80 27/458

一方通行「ほら、早く起きろ」

一方通行は倒れた打ち止めに手を差し伸べた。

打ち止め「……」

だが打ち止めは、一向に一方通行の手を取らないどころか、言葉一つ発しない。

一方通行「打ち止め……?」

一方通行が打ち止めの様子を窺おうとした、その時、ドサッ!と後ろから何かが倒れた音がした。

一方通行「あァ?」

訝しげに一方通行は振り返った。番外個体が息苦しそうに倒れていた。

一方通行「番外個体!」

一方通行は番外個体のもとへ近付く。

一方通行「おい、どうした?何があった?」

番外個体「妹……達……」

一方通行「妹達(シスターズ)がどうしたンだ!?」

番外個体「世界中の……妹達が……次々と……殺されている……」

一方通行「なンだとォ!?」

今の一方通行の演算能力は、1万人近い妹達の代理演算で行われている。
つまり妹達が殺されてしまうと、一方通行は能力は愚か、日常生活すらままならなくなってしまう。
そして何より、これ以上妹達を殺されること自体許せなかった。

一方通行「妹達を殺している奴はどこだ?」

番外個体「世界中にいる……妹達は……現在進行形で……同時多発的に殺されている……
     さすがの……あなたでも……全部は回れない……だから……妹達の虐殺が……
     一番激しいところ……」

番外個体「ロシアに……向かってほしい……」

一方通行「あァ、分かった」

一方通行は返事をした直後、あるところに電話をかける。

29 : VIPに... - 2011/07/28 21:51:02.39 qsadPkX80 28/458

一方通行「土御門」

土御門『今そちらに結標を向かわせている。番外個体と打ち止めは
    とりあえず「冥土帰し」(ヘブンキャンセラー)のところに預ける』

一方通行「まだ何も言ってねェけど」

土御門『事情は大体分かっている。いいからお前は妹達を助けに心おきなくロシアまで行って来い』

毎度のことだが、何故土御門は何でも知っているのだろうか。
疑問だったが、今はそんなこと気にしている場合ではない。

一方通行「結標なンかに、こいつら預けて大丈夫なのか?」

土御門『結標はショタコンだから、幼女には興味ないぞ?』

一方通行「当たり前だ。そンなこと聞いてンじゃねェよ。実力的に大丈夫か聞いてンだ」

結標「あら、随分な言い草ね」

いきなり虚空から現れた彼女は結標淡希。能力は『座標移動』(ムーブポイント)。

土御門『大丈夫だろ。結標もついにレベル5、それも第2位になったんだからな。
    テレポートできる距離と質量も、前より格段に上がっているし
    自身の転移も今は余裕みたいだからな』

一方通行「ふーン」

結標「反応薄いわね。ま、レベル6のあなたからすれば、私なんて雑魚も同然でしょうね」

一方通行「うン」

結標「ものすごく正直ね。この子たちを壁か地面の中へテレポートしようかしら」

一方通行「オマエ……死にたいのか?」

結標「冗談よ。じゃあそういうことで、この子達を病院へ送ってくるから」

宣言通り、結標と打ち止めと番外個体が、目の前から消えた。

土御門『これで大丈夫だろ。行ってこい、一方通行』

一方通行「気安く命令口調やめろ」

一方通行は電話を切り、チョーカーのスイッチを能力使用モードにし、飛ぶ。向かうはロシア。

30 : VIPに... - 2011/07/28 21:53:01.92 qsadPkX80 29/458

第5学区

フレメア「浜面!大体これも欲しい!」

浜面「はいはい。分かりましたよ姫」

フレメア「早く早く!」

浜面(それにしても一体何品買うつもりだ?宅配サービスだから荷物の心配は無いけど
   もうそろそろ金の方が……)

浜面は麦野に10万程貰っていたのだが
ぬいぐるみやらゲームやらを買わされたおかげで、既に残りは5万程だった。

浜面(昼飯代とか、滝壺へのプレゼント代を考えると、そろそろきついな)

浜面「フレメア、そろそろ飯にしないか?」

フレメア「うん。大体おなか減ったしそうしよう。にゃあ」

浜面(ふぅ。これでようやく買い物地獄から抜け出せましたな)

浜面はそんな事を考えながら、フレメアを連れて近くのファミレスに入る。

店員「いらっしゃいませー。何名様ですか?」

フレメア「大体2名様」

店員「喫煙席と禁煙席、どちらにしますか?」

フレメア「大体禁煙席で」

店員「かしこまりました。ではこちらへどうぞー」

案内された席に座ってから、注文を決めた後、浜面はこう切り出した。

浜面「なあフレメア、女の子にはどんなプレゼントあげた方が良いと思う?」

フレメア「う~ん、私だったらブラッド&デストロイとか、鯖缶とかくれたら大体嬉しい」

浜面「そ、そうか」

浜面(ブラッド&デストロイあげて喜ぶ女の子なんて、フレメアぐらいじゃないか?
   鯖缶好きなのは、姉の遺伝か?)

などと適当に考えながら、結局滝壺にあげるプレゼントどうすんだ!?と悶絶する浜面。
それを訝しげに見るフレメア。というか外出した本来の目的が麦野の鮭弁と
絹旗のマシュマロのおつかいという事を忘れている2人。

フレメア「どうしたの浜面?悩みなら大体聞いてあげるよ?迷える子浜面の為に」

浜面「なんだよ子浜面って!馬鹿にすんなよ!」

10歳くらいの女の子に馬鹿にされ、しかも少し大人気なくキレてしまう浜面。
そんな時だった。

31 : VIPに... - 2011/07/28 21:55:20.45 qsadPkX80 30/458

お姉さん「きゃ!」

浜面「へ?」

浜面達が居る席の横を通りかかった、ドリンクを持ったお姉さんが盛大にコケた。
そのお姉さんが持っていたドリンクは、見事に浜面にかかった。

浜面(マジか)

店員「だ、大丈夫ですかお客様!」

浜面「まあ、なんとか」

お姉さん「あいたたた。あっ!ごめんなさいね。お姉さんの不注意で
     こんなにビショ濡れになっちゃって」

お姉さん「お詫びに、これからお姉さんが、何でも一つだけ言う事を聞いてあげるわ」

浜面(なんですと!?)

浜面がこんなに興奮するのには訳があった。
なにせそのお姉さんは、爆乳な上に、ふわふわ金髪カールで超美人という
エロの化身のような人だったからだ。
そんな人が「何でも一つだけ言う事を聞く」と言い出したのだ。
健全な男児である浜面仕上は、興奮度MAXだった。

浜面(なんてナイスバディーなんだ!スタイルだけなら、滝壺すらも凌駕している!?)

などと内心で葛藤している浜面だったが、そこにフレメアが一言。

フレメア「大体浜面、なんかエロい」

浜面「え?」

お姉さん「あら、そうなの?お姉さんをそんな目線で見てくれるなんて嬉しいわ♡」

浜面「いえわたくしは、そんなやましい気持などは一切なくってですね……って、え?」

お姉さん「あら、そうなの?お姉さんはもうそんなに魅力ないのかしら」

浜面(え?何この人?エロい目線で見られる方が嬉しい人なの?え?何それ?)

お姉さん「とりあえず一緒にご飯食べない?お姉さんも今来て注文したトコだったの」

浜面「そ、そうっすね」

32 : VIPに... - 2011/07/28 21:56:46.60 qsadPkX80 31/458

とりあえずお姉さんと相席することになった浜面とフレメア。3分後、それぞれ注文した品が来た。

お姉さん「ここで会ったのも何かの縁。君の名前はなんて言うのかしら?」

浜面「俺の名前は浜面仕上。そちらは?」

お姉さん「浜面クンね。お姉さんの名前はオリアナ=トムソン。オリアナでもトムソンでも
     お姉さんでも、呼び方は何でもいいわよ」

浜面「じゃあオリアナさんで」

オリアナ「ええ」

浜面「あのー、相談があるんですけど、聞いてもらっても良いですか?」

オリアナ「もちろん」

浜面「あの……俺彼女いるんですけど、クリスマスのプレゼントまだ買ってなくて……何あげたら
   良いと思いますか?」

オリアナ「そうね……本当に愛し合っている2人なら、何あげても喜ぶと思うわよ。
     たとえそれがどんな安物であっても、心さえこもっていれば、ね」

浜面「そうですか……ありがとうございました!」

オリアナ「いえいえ」

33 : VIPに... - 2011/07/28 21:59:10.80 qsadPkX80 32/458

その後も案外会話が盛り上がる2人(主に浜面の麦野と絹旗の愚痴)。
それが面白くないのか、フレメアが割って入る。

フレメア「大体、もうおなか一杯になっちゃった。もう出よう」

浜面「駄目じゃないか。ちょっと残して。ちゃんと食べなさい!」

フレメア「いーやーだー。大体もうおなかいっぱいー!」

浜面「……分かったよ。じゃあ俺が食べるから少し待っていてくれ」

フレメア「大体分かった」

しかし、再びオリアナと浜面の2人だけで会話が弾んでしまう。面白くないと思ったフレメアは

フレメア「もう浜面の馬鹿!大体麦野お姉ちゃんの鮭弁と絹旗お姉ちゃんの
     マシュマロを買うんでしょ!?」

浜面「あ。(やっべーそうだった。今頃麦野キレてるんじゃねぇか?)」

とりあえず携帯を見てみるが、幸いまだ着信は無かった。

浜面「フレメア、気付いていたんなら、なんでもっと早く教えてくれなかったんだよ」

フレメア「だって……浜面と2人でいるのが楽しかったんだもん……だから
     すぐには帰りたくないな、って思ったんだもん……」

浜面「そ、そうだったのか」

オリアナ「あら、浜面クンって結構モテるのね」

浜面「モテるとかじゃなくて、懐かれているだけですよ。じゃあおつかいもあるんで、俺はこれで」

オリアナ「ちょっと待って。私、車で来てるの。だから送ってあげるわよ」

別に電車でもバスでも、帰る方法はいくらでもあるのだが
せっかく送ってくれると言うし、車の方がいろいろ楽だなと判断した浜面は

浜面「じゃあお言葉に甘えて」

オリアナ「じゃあ行きましょ」

3人は食事代を払い、ファミレスを出て、オリアナの車へ乗り込む。

浜面「へー。高そうな車ですね」

オリアナ「お姉さん自慢の車よん♪」

フレメア「それじゃあ、大体そう言うことでしゅっぱ~つ」

こうして浜面とフレメアを乗せた車は発進した。

34 : VIPに... - 2011/07/28 22:00:17.01 qsadPkX80 33/458

上条の寮

上条(ドアノブが明らかに壊されている……!)

上条「インデックス!」

勢い良く扉を開け叫んだ。返事は無い。
中に入り少し様子を見てみたが、荒らされた形跡は特に見られない。
だがインデックスの姿だけがどこにもない。

上条「くっそ!遅かったか!」

とりあえず携帯を取り出し、土御門に電話をかける。

上条「もしもし」

土御門『どうだ、カミやん』

上条「既に……いなかった……」

土御門『そうか、遅かったか。だが嘆いていても仕方ない。とりあえず第22学区へ来てくれ。
    そこで作戦会議だ』

上条「分かった」

電話を切り、第22学区へ向かう。

35 : VIPに... - 2011/07/28 22:01:24.98 qsadPkX80 34/458

その頃一方通行は、天使化して時速8000kmでロシア上空を飛んでいた。

一方通行(どこに行けばいいか分からねェが、とりあえず飛び回っとくか)

そう考え1分ほど空を飛んでいると
地上からドォン、バゴォン!と爆発音が聞こえてきた。

一方通行(あそこかァ!)

地上へ急降下していく一方通行。そして1秒もかからずに、ドガァァァン!と地上へ激突した。

魔術師達「何だ、今の音は!」

一方通行「ビンゴみてェだなァ」

魔術師達「な、何だあれは!」

妹達「一方……通行……」

一方通行「さァて、天国行きのチケットをプレゼントしてやるよォ!」

一方通行の一方的な大虐殺が始まった。

36 : VIPに... - 2011/07/28 22:02:42.02 qsadPkX80 35/458

イタリアのミラノ とある民家の前

オッレルス「ふぅ。こんなもんかな」

妹達「助けていただきありがとうございました、とミサカ達はお礼を言います」

オッレルス「どういたしまして」

妹達を助けた彼はオッレルス。数多くの魔道書の『原典』(オリジン)の知識を実用化し
魔神としての力を振るう為に『北欧王座』(フリズスキャルヴ)を利用している。

シルビア「どういたしまして、じゃないわよ!」

オッレルス「痛!」

オッレルスを殴った彼女はシルビア。英国所属の魔術師であり『聖人』でもある。

シルビア「まーた10人も女の子助けちゃって」

オッレルス「仕方ないだろ。目の前で困っている人がいたら助けるのが普通だ」

シルビア「もう今月になって保護する子供達、これで何人目よ?」

オッレルス「今まで90人だったから、今日で100人いった」

シルビア「100人いった。じゃないわよ!」

再びオッレルスを殴るシルビア。

オッレルス「痛!」

シルビア「100人の子供達の面倒見るのが、どれだけ大変か分かってんの?」

オッレルス「はい、承知しています。いつもシルビアさんには感謝しています」

シルビア「分かってるなら良いけど」

シルビア「まあ、私も、あんたのそういうところに惚れたし」

オッレルス「なら、もう少し優しく接してくれませんかね」

シルビア「何だと!?」

ヘッドロックをかけるシルビア。

オッレルス「ちょ、ギブギブ!」

37 : VIPに... - 2011/07/28 22:05:02.69 qsadPkX80 36/458

フィアンマ「昼間っから俺様の目の前で、イチャついてんじゃねぇよ」

2人に軽口を叩く彼は、元『神の右席』フィアンマ。
間違ったやり方で世界を救おうとしたが、上条に敗れ、阻止される。
その後、アレイスターの手によって瀕死に追い込まれるが
オッレルスとシルビアによって保護された。

オッレルス「これがイチャついているように見えるのかい?助けておくれよ」

フィアンマ「お前なら、抜け出そうと思えばいつでも抜け出せるだろ」

フィアンマ「それを抜け出さないってことは、シルビアのおっぱいを堪能したいからか?」

シルビア「げ、そんな考えなの?」

シルビアは即座にヘッドロックを解いた。

オッレルス「ちょ、違いますよ!?あれはフィアンマが言ったデタラメで」

シルビア「うるさい!もう近付くな変態!」

オッレルス「え……」

オッレルスは激しく落ち込む。

フィアンマ「はっはっはっ!本当にこいつらのやりとりはいつ見ても面白いな。飽きがこない」

ヴェント「本当ね」

彼女はヴェント。元『神の右席』の一人。
第3次世界大戦後は、行くアテもなく彷徨っていたところをオッレルス達に保護された。

ヴェント「本当、あの2人が羨ましい」

そんな事を言うヴェントを、フィアンマはじーっと見た。その後、ヴェントを引き寄せる。

ヴェント「な、何?」

フィアンマ「お前、やっぱり顔面のピアスとって薄化粧にしたら美人だな」

ヴェント「な、何言って……ん」

フィアンマはヴェントの唇に自分の唇を重ねた。

38 : VIPに... - 2011/07/28 22:06:35.51 qsadPkX80 37/458

オッレルスシルビア妹達「「「な!?」」」 

ヴェント「ちょ、何すんのさ///」

フィアンマ「いいだろ別に。俺様達は恋人同士なわけだし」

ヴェント「そ、そうかもしんないけど。こんな、皆の前で///」

フィアンマ「お前がラブラブなのが羨ましいって言うから、キスしてやったのに」

ヴェント「だ、だから、その、嬉しいけど、場所を考えてほしいわけであって///」

シルビア「ラブラブで良いなぁ」

オッレルス「じゃあ俺達も……するか?」

シルビア「は、な、何言ってんのよ!誰があんたなんかと///」

オッレルス(全く、こういうところで照れるのがまた可愛いんだよなぁ)

シルビア「な、なにニヤついてるんだ気持ち悪い!」

シルビアは、恥かしそうにそっぽを向いた。

オッレルス(ああ、可愛い)

なんだか2組のカップルがイチャつきだしたところで

妹達「あ、あのー」

シルビア「何?」

妹達「ミサカ達は別に保護してもらわなくてもやっていけます、とミサカ達は宣言します」

39 : VIPに... - 2011/07/28 22:08:49.46 qsadPkX80 38/458

オッレルス「駄目だ」

妹達「え?」

オッレルス「君達は一方通行という、学園都市の切り札を動かす重要な鍵となっている」

妹達「ど、どうしてそれを」

オッレルス「まあいろいろとね。君達がいなくなると、一方通行が機能しなくなる」

オッレルス「そして一方通行という切り札が使えなくなると、学園都市の戦力は著しく低下する」

オッレルス「本当は世界中に散らばっている妹達全てを助けたいところだが、時間的に
      さすがにそれは無理だ」

オッレルス「だからせめて、君達だけでも守り通さないといけない」

妹達「何故ですか」

オッレルス「何故って、今説明した通り」

妹達「そうではなくて、何故ミサカ達や一方通行、ひいては学園都市の心配をするのですか?」

妹達「先程のあなたの戦闘を見させてもらいましたが、敵は『何故だ!何故魔術サイドである
   貴様達が、科学サイドのこいつらに味方している!』などと言っていました」

妹達「『魔術』というのがミサカ達にはよくわかりませんがあなた達は魔術サイドの人間で
   ミサカ達とは本来敵対関係にあるのではないですか?とミサカ達は当然の疑問を
   投げかけます」

オッレルス「じゃあ逆に質問するけど、もし君達の目の前で、君達の嫌いな人が
      誰かに殺されかかっていたとしたら、そいつが嫌いだからと言って
      君達は助けないのかい?」

妹達「それは……助けるとは思いますが」

オッレルス「それと同じさ」

妹達「……」

44 : VIPに... - 2011/07/29 11:46:31.08 D9cHSfej0 39/458

オッレルス「と、まあカッコつけて言ってみたけど」

オッレルス「君達もそのネットワークを通して分かっていると思うけど
      今の学園都市は軽い戦争状態だ」

妹達「そ、それは」

オッレルス「別に隠さなくても良い。俺達は分かってて助けたんだから」

オッレルス「何故そんなことになっているかと言うと、ローラがとある人間を殺すためだけに
      学園都市を襲っているからだ」

妹達「ローラとは?そしてとある人間とは?」

オッレルス「ローラはイギリス清教って言うところの最大主教さ。
      今では魔術サイドの長と言っても過言ではないだろうな。
      そしてとある人間とは、学園都市統括理事長アレイスター=クロウリー」

妹達「!」

オッレルス「アレイスターを殺す為だけに学園都市の子供達を巻き込むのはおかしい。
      俺達はこの争いを止めたいんだ。学園都市の第1位、一方通行が負けると
      戦況は一気に傾くだろ?それを防ぎたいのさ」

妹達「なるほど。それでミサカ達を。ですが、そればらば急いで学園都市に応援に行かないと」

オッレルス「そう言うと思ったよ。準備はもう出来ている。まずは今から、ヴェントの
      風の魔術で一方通行のところへ行く」

妹達「……あなたは一体、何者なのでしょうか?」

オッレルス「オッレルス。魔神になり損ねた、惨めな魔術師だよ」

ヴェント「何カッコつけてんだか。こっちの準備は出来たわよ」

オッレルス「そっか。他の皆も大丈夫か?」

シルビア「当たり前よ」

フィアンマ「俺様も完璧だ」

妹達「あの、ミサカ達はどうすれば……?」

オッレルス「そのままでいいよ。よし、じゃあ頼む」

ヴェント「OK」

ヴェントが返事をすると、風がオッレルス達や妹達の体を包む。

妹達「わっ」

オッレルス「それでは、ロシアへ向けてしゅっぱーつ!」

こうしてオッレルス達は、ロシアに居る一方通行のもとへ。

45 : VIPに... - 2011/07/29 11:48:38.99 D9cHSfej0 40/458

第22学区

上条「ど、どうなってんだよ……」

上条が第22学区に辿り着いて、最初の感想がそれだった。

上条「人が……1人もいねぇ……」

ステイル「忘れたのかい上条当麻。これは人払いの刻印(ルーン)だよ」

声は後方から聞こえてきた。上条は勢い良く振り返る。

ステイル「おっと失敬。そういや最初に会った時の僕と神裂の事は忘れていたんだったね」

上条「土御門はどこだ?それとお前は敵なのか?味方なのか?」

ステイルと言えば、なんだかんだで結構共闘している仲間みたいなものだ。
しかし今回は、イギリス清教自体が敵と言う事もあって、念のため確認をした。

ステイル「質問は1つずつにしてくれよ」

ステイル「1つ目の回答としては、これは土御門の罠だ。いい加減気付け」

上条「は?」

言っている意味が分からなかった。

ステイル「2つ目の回答は、君を倒すためにここに来た!つまり君の敵さ!」

上条(やっぱステイルまで敵なのかよ!)

ステイル「さあ、行くよ!」

上条(来る!)

46 : VIPに... - 2011/07/29 11:49:58.14 D9cHSfej0 41/458

ステイル「巨人に苦痛の贈り物を!」

ステイルは炎剣を上条にではなく、上条の数m手前の地面に向かって放る。
当然地面が爆発する。その爆風自体は、上条の『幻想殺し』で防ぐことが出来るが
爆発によって砕けた地面の破片を防ぐことは出来ない。

上条「くそっ!」

上条は、素早く数歩後退することで破片をやり過ごす。

ステイル「原初の炎、その意味は光、優しき温もりを守り厳しき裁きを与える剣を!」

間髪容れずに、今度はステイル自身が炎剣を持って突っ込んでくる。
上条はそれを右手で受けて立とうとするが

ステイル「弾けろぉ!」

ステイルが叫ぶと同時、上条の右拳が届く前に、炎剣は爆発した。
上条の右手は、爆風は難なく防いだ。しかし煙は残ってしまっている。

上条(煙で周りが見えねぇ……!)

ステイル「灰は灰に、塵は塵に、吸血殺しの紅十字!」

声は左から聞こえてきた。ステイルの右手からは赤い炎
左手からは青白い炎が、それぞれ伸びてくる。

上条「う、おおおおお!」

煙が完全に晴れたわけではないため、炎は見えないが悠長に考えている暇はない。
すぐに炎は来る。そう思い咄嗟に右拳を右斜め前方へ叩きこむ。

キュイーン!と甲高い音が響いた。
炎を消せたと確信した上条は、殴った勢いそのままで右斜め前方に転がりこんだ。

47 : VIPに... - 2011/07/29 11:51:03.78 D9cHSfej0 42/458

上条(何とかして近付かないと……!)

勢いよくステイルへ向かって駆け出す。

ステイル「はあ!」

今度は周りの地面の前後左右から、炎の鞭が4本伸びてくる。

上条「こんな技、見たことねぇぞ!」

ステイル「僕だって成長しているんだよ!」

上条は臆せず、迫りくる4本の炎の鞭の内、前方から伸びてくるものを打ち消し
そのまま前進する。左右と後方から迫っていた炎の鞭は、ぶつかり爆発した。

上条「とりあえず、これで目を覚ませ!」

ステイル「ふん」

上条の拳は、ステイルの体をすり抜けた。

上条「な!?」

ステイル「それは蜃気楼だ」

声は後方から聞こえてきた。

ステイル「炎の鞭は防いだみたいだけど……ならこれはどうかな!」

上条が素早く振り返ると、巨大な炎の球体がゆっくり迫ってきているところだった。

48 : VIPに... - 2011/07/29 11:52:45.33 D9cHSfej0 43/458

上条(この程度の速度なら、俺の『幻想殺し』で速攻で消せる!)

炎の球体に向かって駆け出す。

ステイル「君も学習しないねぇ。拡散しろぉ!」

炎の球体は爆発した。爆発したと言っても、ただ爆発したわけではなく
直径10cm程、長さは50cm程の炎の槍が拡散するように爆発した。

上条(これは――)

炎の槍は、ステイル以外の全方向へ向かって拡散していく。上条に向かってくるのは10本程。

上条(――全部綺麗には避けきれねぇな!)

それでも、ここで引く訳にはいかない。上条は勢いを落とさず突っ込んでいく。

上条「うおおおお!」

炎の槍を避ける、消す、しかし3本目が左腕を掠める。

上条「ぐっ!」

消す、避ける、避ける、7本目が右腕を掠める。

上条「があっ!」

8本目を消す、しかし9本目と10本目がそれぞれの両脚を掠めた。

上条「あがっ!」

直撃を免れたとは言え、3000度の炎の槍は掠めただけでも相当な激痛だった。
上条はたまらず片膝をついてしまう。

ステイル「膝をついている暇があるのかなぁ!」

ステイルが上条に向かって駆け出す。

上条「くっ!」

ステイル「喰らえ!」

ステイルは飛び膝蹴りをかました。上条は咄嗟に両腕を交差させてガードをしたが
2mの長身から放たれる飛び膝蹴りの威力は相当なものだった。
上条は地面を数m転がったが、その勢いを利用してすぐに立ち上がった。

49 : VIPに... - 2011/07/29 11:54:47.02 D9cHSfej0 44/458

上条「はぁ~、痛ってぇ~」

じんじんと痛む両腕を振り、調子を確かめる。
どうやら骨が折れたりヒビが入ったりした様子はない。

上条「お前、相当強くなったんじゃないか?魔術も前より多彩だし体術も凄かった」

ステイル「君に僕の何が分かる。いいからおとなしく消し炭になってくれないかな」

上条「だって俺、お前の事ただのニコチン中毒だと思ってたし」

上条「それに三沢塾の時だって、建宮と戦ったときだって、オリアナと戦ったときだって
   お前そんなに役に立ってなかったじゃん?」

ステイル「えらく余裕じゃないか。僕にはまだ『魔女狩りの王』(イノケンティウス)という
     切り札があると言うのに」

ステイル「そしてここは地下街。イノケンティウスと相性が良い」

上条「はっ!んなもん使わせなきゃいいだけだろ」

ステイル「なら見せてやろう。僕の切り札を」

上条「させるかよ!」

ステイルに詠唱はさせまいと、上条は駆け出す。

ステイル「世界を構築する五大元素の一つ、偉大なる始まりの炎よ
     それは生命を育む恵みの光にして、邪悪を罰する裁きの光なり」

上条「詠唱はさせねぇ!」

しかし、上条の拳はまたしてもすり抜けた。

上条(また蜃気楼!?)

本物のステイルは、その蜃気楼からさらに数十m後方にいた。

ステイル「それは穏やかな幸福を満たすと同時、冷たき闇を滅する凍える不幸なり
     その名は炎、その役は剣、顕現せよ、我が身を喰らいて力と為せ」

ステイル「イノケンティウス!」

ステイルの呼びかけとともに、イノケンティウスが顕現した。

50 : VIPに... - 2011/07/29 11:56:02.60 D9cHSfej0 45/458

上条「出させちまったか……しかもオルソラ救出の時より遥かにでかいし。はぁ……不幸だ……」

ステイル「だからその余裕はどこから来るんだ!いけ!イノケンティウス!」

ステイルに呼応するように、イノケンティウスの左手が上条に迫る。

上条「んなもん効かねぇよ!」

打ち消せない事を逆に利用し、上条はその左拳を掴み取り、右後方へ受け流す。
その後、すぐさま右拳が飛んでくるが、それを左に転がることでやり過ごす。

ステイル「ならばこれはどうだ!」

今度は幅30m、高さは20mほどの炎の波が迫ってくる。

上条「俺には効かねぇ!」

甲高い音と共に、炎の波も『幻想殺し』によって、あっさり破壊される。

ステイル「これならどうだ!」

イノケンティウスが雄叫びをあげる。瞬間、上条の真下の地面から炎の柱が現れた。

上条「っ!」

上条は、それすらも素早いフットワークで避けて消した。
その後も何本か、上条を狙って地面から炎の柱が出てくるが
避けては消し、避けては消し、を繰り返した。

上条「いい加減懲りろよ。効かねぇんだよ!」

ステイル「これなら!」

今度は火炎放射が放たれた。

上条「効かない」

火炎放射すらも当然のように受け流す。

51 : VIPに... - 2011/07/29 11:57:06.57 D9cHSfej0 46/458

上条「今度はこっちから行くぜ!」

ステイル「ははっ!イノケンティウスへ突っ込んでどうするつもりだい!」

上条「こうするんだよ!」

上条はイノケンティウスを殴るのではなく、大きく引っ掻くように右手を振るった。
すると一瞬ではあったが、イノケンティウスの引っ掻かれた部分が消えた。

上条「とうっ!」

上条はその一瞬出来た隙間を潜り抜けた。

上条「お前の切り札、抜けたぜ!」

ステイル「くそっ!」

ステイルは咄嗟に両腕をクロスさせてガードを作る。

上条「へっ!そんなチャチなガード、こうやって破れるんだよ!」

上条は、右足でステイルの両腕を蹴りあげた。

ステイル(ガードが解かれ――!)

上条「とりあえず、お前にはいろいろ喋ってもらおうか!」

ドガァ!と上条の拳がステイルの顔面に突き刺さる。
ステイルは竹とんぼのように回転し、後頭部を地面に強打し、仰向けのまま気絶した。

52 : VIPに... - 2011/07/29 11:58:04.12 D9cHSfej0 47/458

上条「やべ……気絶しちまったか……」

これでは情報が聞けないと思った上条だったが、先程のステイルが言った事。

『1つ目の回答としては、これは土御門の罠だ。いい加減気付け』

上条「……こうなったら、土御門に直接電話をかけるしかないか……」

意を決して、土御門に電話をかける上条。

土御門『どうしたカミやん』

上条「第22学区へ行ったらステイルがいた。で倒した」

上条「そして妙な事を言った。『これは土御門の罠だ』って」

上条「違うよな!?土御門!」

土御門『……第7学区の俺達の高校の教室まで来てくれ』

それだけ言って電話は切れた。

上条「……行くしかないか」

53 : VIPに... - 2011/07/29 11:59:00.85 D9cHSfej0 48/458

ロシア

魔術師達は一方通行の手によって、ただの肉塊と成り果てていた。
20人ほどいたが、要した時間はわずか5分。

一方通行「大丈夫か」

妹達「助かりました一方通行、とミサカ達はお礼を言います」

15人ほどいた妹達はそうお礼をした。

一方通行「そンなことはどうでもいいから、次の妹達のところへ行くぞ」

妹達「はい」

そうしてさっさと次の妹達のところへ行こうと思った矢先だった。

ワシリーサ「あらあら、それはちょっと困るな~」

一方通行「あァ!?」

ランシス・フロリス・ベイロープ「「「ふふふ」」」

一方通行「またワラワラと」

サーシャ「私見1。私達を先程までの雑魚たちと一緒にしてもらっては困ります」

ワシリーサ「そう言う訳だから、いかせてもらうZE!一本足の人喰いばあさん!」

54 : VIPに... - 2011/07/29 12:00:22.85 D9cHSfej0 49/458

ランシス・フロリス・ベイロープ・サーシャ、そしてワシリーサの
一本足の人喰いばあさんが、一斉に一方通行に襲い掛かる。

一方通行「その程度でどうにかなると思ってンのかァ!」

一方通行の背中から黒い翼が噴射される。
その一撃だけで、ランシス・フロリス・ベイロープ・サーシャは葬られた。
それでも一本足の人喰いばあさんだけは、黒い翼と拮抗した。

一方通行「やるじゃねェか」

ワシリーサ「よくも……よくもサーシャちゃんをーーー!」

激昂するワシリーサに連動して、人喰いばあさんが力を増す。
それは黒い翼を押し始めるほどだった。だが一方通行は余裕を崩さない。

一方通行「時間がねェンだ。これで決める」

その瞬間、一方通行の黒い翼が純白に変化した。圧倒的な白い翼の力の前に
一本足の人喰いばあさんは為す術なく切り裂かれ、ワシリーサをも切り裂いた。

一方通行「終わった。次の妹達のもとへ行くぞ」

しかし、後方から何者かの気配。
一方通行は気だるげに振り返った。

オッレルス「ちょっと待ってくれないか」

一方通行「なァーンなーンですかァ?オマエは?」

55 : VIPに... - 2011/07/29 12:02:18.86 D9cHSfej0 50/458

オッレルス「俺の名前はオッレルス。詳しい事は省くけど、君達の味方だ」

オッレルスに保護された妹達「これは本当のことです、とミサカ達はフォローしときます」

一方通行「俺の邪魔をしねェならそれでいい。早く次の妹達のもとに行かねェと」

オッレルス「駄目だ。ここにいるのと、学園都市にいる妹達以外は全滅している」

一方通行「勝手なこと言うなよ。オマエに何が分かるってンだ?」

一方通行はオッレルスの胸倉をつかむ。その時、上から声が聞えてきた。

エツァリ「その方が言うのは、本当ですよー」

一方通行「海原か」

エツァリ「学園都市の時速7000kmの旅客機で、迎えに来ました」

一方通行「そンなもン、俺は無くても」

エツァリ「妹達や、そこにいる4人の魔術師の為に用意したものですよ」

一方通行「あっそ」

素っ気ない返事をする一方通行だったが
妹達の為ならともかく今来た4人の魔術師の為に用意した、と言うのはおかしい。
なんかもういろいろと訳が分からなかったが、そんなこと気にしている場合ではなかった。

一方通行「じゃあさっさと学園都市に戻るぞ」

そうして一方通行達は、超音速旅客機に乗り込み学園都市へ。

56 : VIPに... - 2011/07/29 12:04:40.27 D9cHSfej0 51/458

オリアナの車

浜面「オリアナさん、こっち、方向が違うんですけど……」

オリアナ「いいじゃない。このまま帰るなんて勿体ないわ。お姉さんと“イイコト”しましょ?」

浜面「っ!」

若干エロい雰囲気の台詞を言われているにもかかわらず、全く興奮しない。
あるのは寒気だけ。浜面は確信した。自分達は誘拐されていると。

オリアナ「どうしたの?お姉さんとイイコトを」

浜面「オリアナさん、もうそろそろその白々しい演技やめません?」

オリアナ「あら、ただの坊やかと思ったら、意外と勘が鋭いのね」

浜面「鋭いもんか。こうやって車に乗っちまってる時点でアウトだよ」

浜面「アンタ、何者だ?」

オリアナ「お姉さんの名前はオリアナ=トムソン。って自己紹介したはずだけどなぁ」

浜面「そのふざけた喋り方は演技じゃないのか」

オリアナ「まあね」

浜面(そんなことはどうでもいい。この状況をどうするかだ。
   相手の素性は分からないし滝壺達を巻き込みたくない。よって助けを呼ぶのは却下)

浜面(となると自力で脱出するしかないわけだが……)

チラッとフレメアの方を見る浜面。フレメアは震えていた。

57 : VIPに... - 2011/07/29 12:07:23.49 D9cHSfej0 52/458

浜面(フレメアもいるし、どうするべきか……)

現在浜面達を乗せている車は高速道路を走っている。
ここで下手に車から飛び降りれば、ただではすまない。
ましてやフレメアもいる。車から飛び降りるのはまず無理だ。

ではオリアナの邪魔をして車を止めるべきか?
いや、それも下手すると車が横転してしまうなどの危険性もある。
しかし、このまま何もしなければどこかへと連れ去られてしまうだけだ。

オリアナ「何かいろいろと考えているようだけど、ここから逃げようなんて思ってないわよね?」

浜面「……目的は何だ?」

オリアナ「教えると思う?」

浜面「そうかよ」

浜面は持っていた拳銃の銃口を、オリアナの側頭部に突きつけた。

浜面「フレメアの手前、あまり手荒なことはしたくなかったんだけどな」

オリアナ「あら、そんな立派なものも持っていたのね」

浜面「そのふざけた喋り方はやめろ。それと今すぐUターンして引き返せ」

オリアナ「嫌だと言ったら?」

浜面「迷わず引き金を引くに決まってんだろ」

オリアナ「お姉さん、強引な人は嫌いじゃないけど、早漏はあまり好きじゃないわね」

浜面「だからそのふざけた喋り方を」

浜面が何か言いきる前に、オリアナは車のブレーキを思いっきり踏む。
それはつまり、慣性の法則によって車に乗っている全員が前のめりになるという事。
しかし、それはさほど問題ではない。シートベルトがあるからだ。だが

ブチッ!と助手席に座っていた浜面のシートベルトが千切れた。
結果として浜面は、フロントガラスに思い切りぶつかった。

浜面「く……そ……」

オリアナ「うふ♪」

そしてオリアナは即座に単語帳の1ページを千切り、浜面に貼りつける。
オリアナが貼りつけた『速記原典』(ショートハンド)からそこそこの威力の電流が流れた。

浜面「があああああ!」

頭部を強打した上に、電撃を喰らった浜面は気絶してしまった。

58 : VIPに... - 2011/07/29 12:09:20.74 D9cHSfej0 53/458

フレメア「は、浜面!浜面!!」

オリアナ「お嬢ちゃんも、少しの間眠っていてもらおうかしら」

オリアナは『速記原典』すら使わず
どこからともなく出した催涙スプレーを使い、フレメアを眠らせた。

オリアナ「さて、これで後はあそこへ行くだけね」

再び車を発進させようと前を向きなおすオリアナ。
すると数十m先に1人の少女が仁王立ちしているのが見えた。

オリアナ(高速道路に仁王立ちって、明らかに一般人ではないわよね)

そう考えたオリアナはアクセルを全開にし、少女に突っ込む。そして――

ドゴォン!と車の方が少女に止められた。

オリアナ(ふふ。これが『能力者』ってわけね)

オリアナはアクセルペダルを踏み続ける。しかし少女は、吹き飛ばされるどころか片手を離す。
離した片手で、懐からレディース用の拳銃を取り出す。そして迷わずその銃口をオリアナへ向ける。

オリアナ(このフロントガラスは防弾性。そんなチャチな拳銃ではどうにも)

少女は迷わず引き金を引く。当然、オリアナは銃弾なんて弾かれるだけだろうと思っていた。
しかし、そんな思惑に反して、ビシィ!と銃弾はフロントガラスにめり込んだ。

オリアナ(え?)

そして2発目。今度はガラスが砕け散った。
さすがにヤバいと思ったオリアナは、車から急いで降り単語帳の1ページを千切る。
そこから出てきたのは雲の塊。オリアナはそれに乗り一旦上空に避難する。
少女は構わず雲に乗ったオリアナに向かって、2,3回発砲した。
だがオリアナを乗せた雲は素早く動き、銃弾を避けた。

59 : VIPに... - 2011/07/29 12:11:59.16 D9cHSfej0 54/458

少女「雲に乗るなんて、超メルヘンチックな人ですね」

オリアナ「銃の引き金を迷わず引ける女の子って、将来が心配だわ」

その言葉に少女はイラっときたのか、さらに2,3回発砲した。
しかし、オリアナを乗せた雲は、いともたやすくそれらを避けた。

オリアナ「んもう、危ないんだから♡」

少女「そんなエロい感じ出したって、同姓相手には超イライラを募らせるだけですが」

オリアナ「だってそれが狙いだもの」

少女「へーそうですか。でも、そろそろ超笑い事では済まされませんよ」

少女がそう呟いた。オリアナは、何を言っているんだと思っていた。
見たところ少女は空を飛べそうもないし、この距離で銃弾を当てられるスキルもなさそうだ。

そんな少女が「笑い事で済まない」と言ったって、説得力がなさすぎる。
オリアナは心の中で嘲笑っていた。だが直後――

何かビームのようなものが、オリアナに直撃した。

少女「超ナイスです、麦野!」

麦野「まあ、私の実力なら当然ね」

滝壺「いや、まだだよ」

オリアナ「ああ~びっくり。少々焦ったから濡らしちゃったわ。見てみる?
     下着までびちゃびちゃだよ」

麦野「お前みたいなビッチのきったない下着見て誰が喜ぶんだよ?
   そこのバカ面なら、興奮するかもしれないけど」

滝壺「ちょっとむぎの。はまづらはそんなに馬鹿じゃない」

少女「ちょ、ちょっと2人とも言い争っている場合じゃ……」

麦野「全く。元はと言えば絹旗、アンタがちゃんと仕留めないから」

絹旗「そんな!超とばっちりです!」

60 : VIPに... - 2011/07/29 12:13:47.88 D9cHSfej0 55/458

オリアナ「ふぅ~ん。あなた達が、麦野沈理、滝壺理后、絹旗最愛なのね」

麦野滝壺絹旗「「「!!!」」」

オリアナ「案外皆若いのね。強力な人達、って聞いていたから、もっとゴツいの想像していたけど」
     どれもこれもお子様だったのね」

麦野「そんなこと、おばさんに言われても……ね!」

『原子崩し』により出来たビームで攻撃する。オリアナは、それをいとも容易く避ける。

オリアナ「そんな普通な攻め方じゃあね。さっきは不意打ちだったから濡らしちゃったけど」

麦野「あっそ。じゃあこれはどう?」

麦野は『拡散支援半導体』(シリコンバーン)を前方に投げる。
それに自身の能力で出来たビームを当てた。ビームは拡散してオリアナに襲い掛かる。
これは避けられないだろう。と麦野は思っていたが、そもそもオリアナは避けなかった。
オリアナは『速記原典』を使い、麦野の攻撃を難なく防いだ。

オリアナ「んもう。そんなにがっつかないでよ」

麦野(なんだあれは?私の攻撃を喰らう前に、単語帳のようなものを口で千切っていたが……
   私の能力を防ぐなんて、どんな能力者だ?)

オリアナ「あなた達、案外強くて危険だから、お姉さん一旦逃げるわね」

絹旗「超勝手にしてください」

オリアナ「あら、追わないの?」

絹旗「今は浜面とフレメアちゃんの安全が超優先ですから」

オリアナ「あらそう。じゃあお姉さんはこれにて退散!」

そう言った瞬間、オリアナの乗っていた雲が爆発した。
その煙が晴れたころには、オリアナは既にいなかった。

61 : VIPに... - 2011/07/29 12:15:58.83 D9cHSfej0 56/458

絹旗は、浜面とフレメアを車から出し、担いだ。

麦野(それにしても、あいつは一体どういう能力なんだ?)

麦野(……まあどうでもいいか。滝壺の能力で、どこにいるかは分かるんだし)

麦野「滝壺、やつはどこへ行った?」

滝壺「それが……分からない」

麦野「あれだけ時間があったのに、やつのAIM拡散力場を捕捉出来なかったのか?」

滝壺「違う。そうじゃない。あの人からはAIM拡散力場がでてないの」

麦野「はあ?意味が不明なんですけど」

滝壺「私にも、よくわからない」

そこで浜面とフレメアを担いだ、絹旗が一言。

絹旗「それって、超“能力者じゃない”ってことじゃ……」

麦野「どういうことだ?」

絹旗「だってあの人、超雲を出しただけじゃなく、麦野の攻撃も防いでいましたよね。
   “雲を出したまま”」

麦野「そう言えば……」

絹旗「あの人が雲を出す能力者だと超仮定すると、逆に言えば、雲しか出せない事になります」

絹旗「ですが、あの人は明らかに雲とは違うもので、麦野の攻撃を超防いでいました。
   それはおかしいことです」

絹旗「だって『多重能力者』(デュアルスキル)は理論上、超不可能なんですから」

絹旗「つまり、これらから超導き出せる答えは、あの女は能力者ではない。
   ということではないでしょうか」

滝壺「確かに、それなら辻褄は合う」

麦野「だとすると、やつは一体何者なんだ?」

絹旗「その答えはまだ超分かりませんが」

滝壺「とりあえずは、はまづらたちを病院へ運ばないとね」

『アイテム』は、とりあえず『冥土帰し』の病院へ。

こうして少年達やその仲間達は、戦いの渦へと巻き込まれていく。

62 : VIPに... - 2011/07/29 12:18:04.93 D9cHSfej0 57/458

風紀委員 第177支部

初春「白井さん!第1学区のレストランで火災発生です!
   原因は『発火能力者』(パイロキネシスト)による放火だそうです!至急現場へ!」

喰い気味にインカムで指示を飛ばす彼女は、初春飾利。
能力はレべル1の『定温保存』(サーマルハンド)。
ハッカーたちの間では『守護神』(ゴールキーパー)と呼ばれるほど情報戦が得意。

白井「これで3件目ですの。一体学園都市で何が起こっていると言うんですの?」

初春飾利に疑問を投げかけた彼女は、白井黒子。能力はレベル4の『空間移動』(テレポート)。
御坂美琴を『お姉様』と呼び、尊敬している。

初春「さあ、それは分からないですけど。白井さんなら余裕ですよね?」

白井「簡単に言ってくれますけどね、さっき解決した2件の事件の犯人も
   なかなか強かったですのよ?こんなに疲れたのは
   『幻想御手』(レベルアッパー)事件以来ですの」

初春「白井さんが疲れるほど強かったんですか?」

白井「ええ。前2人は間違いなく、レベル3以上ではありましたわね」

とテレポートしながら初春と会話しているうちに、現場へたどり着く。

63 : VIPに... - 2011/07/29 12:19:10.84 D9cHSfej0 58/458

白井「ジャッジメントですの!あなたを放火犯として拘束させていただきますの!」

発火能力者?「ふん、やれるものならやってみろ!」

それなりの大きさの炎が白井に向けて放たれる。

白井(そこそこでかい炎ですけど)

白井はテレポートで攻撃を避けつつ

発火能力者?「女はどこへ……?」

白井「ここですわ!」

男の後頭部付近にテレポートし、ドロップキックをお見舞いした。

発火能力者?「ぐはっ!」

男が倒れたところへ、白井はすかさず金属矢をテレポートさせ、男を地面に縫い付けた。

発火能力者?「ちぃ!動けねぇ!」

64 : VIPに... - 2011/07/29 12:20:17.92 D9cHSfej0 59/458

白井「初春。放火犯、拘束完了ですの」

初春「御苦労さまでした」

男はまだ起き上がろうと必死にもがいていた。

白井「もう諦めなさいな」

発火能力者?「ふざけんな!こんな……こんな小娘になめられてたまるかよぉー!」

男はそう叫ぶと、掌から炎を出す。

白井「な」

直後、男は炎を地面に放った。それは爆発して、金属矢を地面もろとも抉り取った。

発火能力者?「へっへっへっ。さあ、第2ラウンド開始と行こうぜ」

白井「自ら出した炎とはいえ、立てるなんておかしいですの……」

発火能力者?「はっ!魔術師って言うのは、自分が使う魔術の属性には
       ある程度、耐性があるってもんよ」

白井「『魔術師』?」

魔術師「それじゃあいくぜぇ!」

65 : VIPに... - 2011/07/29 12:23:15.19 D9cHSfej0 60/458

白井(9月1日に泥人形を使いこなした、あれと同類のものでしょうか?
   まあどの道拘束することに変わりはありませんの!)

魔術師「おらよ!」

魔術師の炎が、白井へ向かう。
白井はそれをテレポートで難なくかわし

白井「攻撃が単調ですのよ!」

再び魔術師の後頭部付近へテレポートしていた。

魔術師「お前こそ、さっきと全く同じ手とは、単純にもほどがあるぜぇ!」

魔術師は思いっきりしゃがんだ。当然白井のキックは外れた。

白井「!?」

魔術師「ひゃひゃ!パンツが丸見えだぜ~!」

下品な叫び声をあげながらも、魔術師は白井の右足を掴み背中から地面に叩きつけようとする。

白井「甘いですわよ!」

だが白井は、体を後方へブリッジを描く様に捻り、地に両手をつき叩きつけられるのを防ぐ。

魔術師「あ?」

構わず白井は、左足で右足を掴んでいる魔術師の右手を挟み、そのまま捻る。
痛みでたまらず右手を離す魔術師。白井はさらに畳みかけるように、腕のバネを使い
とんぼ返りするように、男の顔面を蹴り飛ばす。

魔術師「がはっ!」

白井「まだまだですの!」

完全に起き上がった白井は、掌底を2,3発腹に叩きこむ。

魔術師「ごっ、がっ!」

白井「とどめですの!お姉様直伝……」

白井「ちぇいさーっ!ですの!」

実際は教えてもらってなどいないのだが、見様見真似でやった回し蹴りは
見事に魔術師の顔面に決まった。

白井「今度こそ終了ですわね」

66 : VIPに... - 2011/07/29 12:24:54.33 D9cHSfej0 61/458

初春「……さん……白井さん!いきなり爆発音が聞こえましたが、どうかしたんですか!?」

白井「ああ初春。一度拘束した男が暴れたんですの。完全に黙らせましたけど」

初春「それは良かったです。安心しましたよ。白井さんに万が一の事があって
   入院とかしてしまうと、私の仕事量が増えてしまいますからね」

白井「……素敵すぎる友情をありがとうですわ。これから支部に戻ったら
   真っ先に服だけをテレポートして、この寒空に放置して差し上げますから
   今から楽しみに待っていてくださいですの」

初春「それは無理ですよ。だってまた事件が発生していますから」

白井「ぬおおおお!本来ならばお姉様とのデートのはずだったのにいいいい!」

とりあえず男を倒し、いつも通りのふざけた調子に戻る白井と初春だった。

67 : VIPに... - 2011/07/29 12:26:19.67 D9cHSfej0 62/458

その頃、白井黒子が敬愛する『お姉様』は第7学区の街を歩いていた。

御坂「はぁ……全く、なんでアイツ電話に出ないのよ……」

電話に出ない“アイツ”に文句を言っているのは、御坂美琴。
能力はレベル5の『超電磁砲』(レールガン)で、レベル5の中では第3位。

御坂「……アイツがロシアから帰って来た後、私を心配させた罪で
   また『罰ゲーム』をとりつけることに成功したけど……」

御坂「もしかして、今日のデートの約束忘れているんじゃないでしょうね……」

しかもさっきから空を飛ぶ戦闘機の音はうるさいし、時々爆発音も聞こえていた。
でも単身でロシアへ行った事や今までの事(一方通行の実験を止めようとした時など)
を白井に話した時
『お願いですから、もう2度と危険な事には関わらないでくださいまし』
と泣いて言われてしまったのだ。

そこまで言われてしまうと、さすがに自重しないといけないな、と思ったのだ。
もう目の前で何か事件が起こったとき以外は、自ら危険なことに首を突っ込むのは
やめようと決めたのだ。

そんな事を思い出していた、その時だった。

御坂「あ」

数m先を、ツンツン頭のあの馬鹿が走っているのが見えた。御坂は追いかけるため走り出す。

68 : VIPに... - 2011/07/29 12:27:50.51 D9cHSfej0 63/458

御坂「ちょっとアンター!」

聞こえていないのか、無視なのか、反応が返ってこない。

御坂「ちょっとー!ちょっとー!!」

やはり返事がない。いくら聞こえていないだけかもしれないとは言え
さすがにイラついてきた御坂は

御坂「ちょっとー、って言ってんでしょうが無視すんなやこらーっ!」

御坂は、電撃を上条の目の前に落ちるように放った。

上条「おわっ!」

本当に驚いている様だ。どうやら本当に聞こえていなかっただけらしい。

御坂「全く。アンタ、私との約束すっぽかしといて何やってんのよ」

上条「御坂か。すまん、今急いでるんだ。また今度」

上条は再び走り出そうとする。

御坂「ア・ン・タ・は~!今日は罰ゲームで私と1日付き合う約束だったでしょーが!」

だから御坂は、上条の腕をガッチリ掴んだ。

上条「……そうだったっけか?」

御坂「そうよ。だから今からでもいいから付き合いなさい、って何その傷!」

御坂はステイルに負わされた火傷を見て驚く。

上条「これは、まあ、いろいろとあってだな……」

上条は、御坂に魔術サイドとの戦争の事を教えていいのか、一瞬逡巡したが

上条「とにかく急いでるんだ。だから今日は一緒に行けない。すまん。
   この埋め合わせは今度するからさ」

御坂「はあ?意味わかんないんですけど。てかとりあえず病院行かないと」

上条「頼む!」

御坂「え?」

上条「今急いでるんだ!埋め合わせは絶対するからさ!今回だけは頼むよ……」

いつもと違う上条に、御坂は言葉を失う。そして、ある考えに至った。

御坂「アンタ……ひょっとしてまた危ない事に首突っ込んでるの?」

上条「……」

69 : VIPに... - 2011/07/29 12:29:49.53 D9cHSfej0 64/458

御坂「前にも言ったわよね。アンタはもう少し他人を頼りなさい、って」

御坂「困っているなら遠慮なく言って。私だって力になれる!」

確かに御坂が戦力に加わってくれれば頼もしい。でも御坂を巻き込むわけにはいかない。

上条「それも、できない」

御坂「なんで!どうして!」

御坂は問い詰める。上条は答えられない。そんな時

神裂「上条当麻、あなたを倒します」

神すら裂く女、神裂火織が突如、5mほど先の道路に降臨した。

上条「か、んざき……!」

神裂「七閃!」

7本の鋼糸(ワイヤー)が一斉に上条に襲い掛かる。

上条「っ!」

不意打ちに近い攻撃だったが、それでも上条は、御坂を突き飛ばし
7本すべてのワイヤーを避けきる。

上条(やっぱ、神裂も敵なのかよ……!)

神裂「ならば直接……!」

神裂が上条に突っ込もうと、身構えた時だった。
ビリビリィ!と神裂の目の前に電撃が放たれた。

神裂「なんのつもりですか?」

御坂「そりゃこっちの台詞よ……」

御坂「アンタこそなんのつもりじゃボケー!!!」

上条「ひ!?」

あまりの気迫に、上条の方がビビってしまった。

70 : VIPに... - 2011/07/29 12:31:03.90 D9cHSfej0 65/458

神裂「あなたに用はありません。用があるのは上条当麻だけです」

御坂「私だってコイツと用事があるの。邪魔をするって言うのなら、容赦はしないわよ」

上条「駄目だ御坂!こいつは相当強い!お前だけじゃ」

御坂「アンタ、先急いでるんでしょ?」

御坂「ここは私に任せて、アンタは行きなさい」

上条「でも」

御坂「罰ゲームよ!」

御坂「ここは私を信頼して任せてくれたら、今日の約束すっぽかした事、許してあげる」

上条「……分かった。すまない。御坂」

上条はだいぶ迷ったが、ここは御坂を信頼して、先を急ぐことにした。

神裂「勝手に話を進めているようですが、させません!」

御坂「そりゃ、こっちの台詞だっつーの!」

今度は神裂に直接電撃を放つ。
神裂はそれを避けるが、上条は取り逃がしてしまう。

神裂「仕方がありません。あなたを説得してから、上条当麻を追います」

御坂「やれるものなら、やってみろっつーの!」

御坂と神裂、科学と魔術のエース同士が交差する時、戦いは始まる――!

71 : VIPに... - 2011/07/29 12:33:00.93 D9cHSfej0 66/458

神裂「先程も言った通り、私は上条当麻ただ一人にだけしか用はありません」

神裂「ですので、私は出来ればあなたと戦いたくありません」

御坂「そんな危ないものぶら下げておきながら、何言ってんだか」

御坂が言う“危ないもの”とは
神裂が腰につけている『七天七刀』(しちてんしちとう)のことだ。

神裂「あなたこそ、その電撃、やたらめったら放つものではないと思いますが」

御坂「私はちゃんと手加減してるし」

そこでようやく、御坂はある事に気付く。

御坂「それにしても、人がいないわね」

神裂「人払いのルーンを刻んでいますからね」

御坂「ふーん。よくわかんないけど、人がいないなら遠慮はいらないわね!」

御坂「一撃で終わらせる!」

人を気にしなくて良いと分かった御坂は、雷撃の槍を神裂に向けて放つ。
さっきの威嚇の電撃とは、威力も速度も数段違う。もちろん死なない程度には
手加減してあるが、喰らえば気絶以上は堅い。これで終わりだ。

神裂「確かに、危険ではありますが」

しかし、声は頭上から聞こえてきた。

御坂(な!?)

神裂「喰らわなければ、何の問題もありません」

神裂は鞘に入れたままの刀を振り下ろす。
御坂はそれを、バックステップで何とかかわした。

72 : VIPに... - 2011/07/29 12:34:48.31 D9cHSfej0 67/458

御坂「アンタ、その動きただの人間じゃないわね」

神裂「……」

御坂「私の雷撃の槍を避けた上に、反撃までしてくるなんて人間の動きじゃない。
   『肉体強化』の能力者って訳でもなさそうだし、アンタ何者なの?」

神裂「私は『聖人』と言って、あなたの言う通り普通の人間ではありません」

神裂「はっきり言って私は強いですよ。事実あなたの電撃を避けて反撃すること位は
   容易に出来ました。それに私は、まだ実力の半分も出していません。
   あなたに勝機は無いと思われます。おとなしくここを通してもらえませんか?」

御坂「随分と嘗めた口聞くじゃない。私だって、こう見えてもこの街で4番目に強いんだけど。
   それと力をセーブしているのは、アンタだけじゃないのよ」

御坂「私だって“普通の”人間相手には手加減する常識ぐらいある。
   でもアンタが普通じゃないと言うのなら、こっちも全力で戦える!」

御坂の前髪から紫電が迸る。それを御坂は纏った。

神裂「なるほど。先程の一撃までも手加減だったのですね」

73 : VIPに... - 2011/07/29 12:37:00.85 D9cHSfej0 68/458

御坂「今から、私の全力って言うのを見せてあげる!」

御坂がそう宣言した次の瞬間には、御坂は神裂の視界から消えていた。

御坂「ちぇいさーっ!」

一瞬で神裂の後方に回り込み、回し蹴りを繰り出していた。

神裂(速い――!)

ゴシャ!と神裂は刀の鞘で蹴りを受け止めた。

神裂「その速さ、その硬度、電撃を体に纏うことで、人間離れした動きが出来るのですね」

御坂「たったの一撃でそこまで見破られるとはね。分析力もなかなかじゃない」

御坂「なら、こう言うのはどうかしら!」

御坂は距離を取り、ズズズ!と周りから、砂鉄を浮かび上がらせた。

神裂(これは……)

砂鉄は形を鋭利に変えて、一斉に神裂に襲い掛かる。

神裂(この程度では私を捉えることはできません!)

それら全てを、神裂は容易に避ける。

御坂「やるじゃない!でもまだまだぁ!」

砂鉄の攻撃はより激しさを増す。それでも神裂は、砂鉄の猛攻をすべて避けきる。

神裂「もうその手は通用しません!」

砂鉄による嵐のような攻撃を潜り抜け、御坂に肉迫する。
御坂は距離を取ろうと逃げる。そして再び砂鉄の攻撃。攻撃はいつまで経っても止まない。
別に避けられない訳ではないが、埒が明かないと思った神裂は

神裂「七閃!」

7本のワイヤーは、砂鉄を切り裂き、そのまま御坂のもとへ。

御坂(来る!)

御坂は砂鉄を器用に操り、厚さ10cmはある砂鉄の盾を即席で作る。
ギギギギギ!とワイヤーが8cmのところまで喰い込んだが、止まった。

74 : VIPに... - 2011/07/29 12:38:41.99 D9cHSfej0 69/458

御坂「はああああ!」

御坂は両手に砂鉄の剣を持ち、突っ込む。

直後、刀と刀がぶつかり合う音が木霊した。刀と刀をぶつけあったまま、両者は拮抗する。

御坂「おかしいわね。この剣は超振動している上に、私の電撃を纏わせているから
   ガード不可のはずなんだけど」

神裂「この『七天七刀』を、普通の刀と一緒にしてもらっては困ります」

御坂の電撃砂鉄チェーンソーと、神裂の七天七刀が擦りあい火花散る中、会話は続く。

御坂「何言ってんの。ただの太刀じゃない」

神裂「この刀は魔術でコーティングされています」

御坂「魔術?そんなオカルト、信じられるかっつーの!」

神裂「別に信じてもらわなくても……結構です!」

神裂は御坂をあっさりと振り払う。

御坂「まだまだぁ!」

あらゆる方向、あらゆる角度から斬りかかる。
ガァン!ゴン!ギィン!と刀がぶつかり合う音が連続して木霊する。

御坂「よく防ぐわねぇ!これならどうよ!」

御坂は両手の砂鉄剣を一つにし、振り下ろす。

神裂「無駄です!」

だがやはり、あっさりと刀で受け止められてしまう。

神裂「思いあがらないでください。刀の使い方に慣れている私に刀で勝とうなんて100年早いです」

御坂「そんなもん関係ない!」

神裂「ありますよ。今からその証拠をお見せしましょう」

75 : VIPに... - 2011/07/29 12:40:26.04 D9cHSfej0 70/458

御坂はまたも神裂に振り払われた。
振り払われたと言っても、先程までとは比べ物にならない威力でだ。

御坂(なんて力……!)

神裂に振り払われた勢いで、御坂は数十m地面を滑る。
そして、わずかだが、靴が滑る音が後方から聞こえた。

御坂(――!)

神裂は鞘の先端で突きを繰り出す。御坂はギリギリのところで体を捻り、なんとか突きを避けたが

神裂「一撃だけでは終わりませんよ」

バババババ!と猛烈な連続の突き攻撃が繰り出された。

御坂(っ!)

それでも御坂は、間一髪でそれらの攻撃を全て避けきる。神裂の攻撃の手が一瞬緩む。

御坂(――これで)

神裂「まだです」

神裂は攻撃の手を緩めたのではない。溜めたのだ。
1秒後“溜めの突き”の一撃が、御坂の心臓目がけて放たれた。

御坂(避けきれない!)

鞘とはいえ、心臓付近に喰らえば、確実に呼吸困難以上のことにはなってしまう。
だが避けきれない。

御坂(なんとかこの剣で……!)

神裂の突きを、砂鉄の剣で受けた。
しかし、その衝撃で御坂はノーバウンドで数十m吹き飛ばされて、壁に激突した。

76 : VIPに... - 2011/07/29 12:41:48.15 D9cHSfej0 71/458

御坂「がっ!ごほっ!ごほっ!」

思わず御坂は咳き込む。

神裂「その纏っている電撃、速度と硬度、さらには反応速度まで上がっているのですか」

御坂「……まあね。今の私は電撃で神経を活発化させているの」

御坂「それで反射神経とか運動神経を飛躍的に上げている。私が纏っている電撃は
   硬度だけを上げているにすぎないわ」

神裂「そんなに詳しく説明していいのですか?」

御坂「アンタ、科学駄目そうだから。言っても分からないでしょ?」

神裂「うるっせぇんだよ、ド素人が!」

御坂「え?」

神裂「知ったような口を聞くな!あなたに私の洗濯機へ対する思いが分かるんですか!」

御坂(なんかめちゃくちゃヒートアップさせちゃったわね。
   しかも洗濯機とか訳わかんない事言ってるし)

御坂(挑発したつもりではあったけど、ここまで怒らせてしまうとはね……)

神裂「あなたには、少々痛い目を見てもらいます!」

御坂「嫌なこった!」

とりあえず一旦距離を取ろうと、御坂は即座に逃げる。

神裂「逃がすかぁ!」

御坂(さっきまでは敬語使ってたわよね?キャラ豹変しすぎ!)

そんな事を考えつつ、神裂から逃げ続ける。

77 : VIPに... - 2011/07/29 12:45:02.98 D9cHSfej0 72/458

御坂「アンタの言う通りよ。刀の戦い……というより近距離戦じゃアンタに分がある。
   だから私は遠距離から、アンタを狙うことにするわ!」

神裂「させると思いますか!逃がしはしません!近距離戦に持ち込みます!」

御坂「嫌だって言ってるでしょ!」

逃げながらも、砂鉄を操り、神裂の追跡を振り切ろうとする。

神裂「無駄!」

神裂は刀を抜き、砂鉄を切り裂いていく。

御坂(さっきまでは、頑なに鞘だけでしか攻撃してこなかったのに、普通に刀抜いてるし!
   って、そんな悠長に考えている場合じゃないか!)

神裂は徐々に距離を詰めてくる。

御坂(こうなったら!)

御坂は、神裂に向かって電撃を放つ。

神裂は、電撃を刀であっさり弾く。そして御坂に肉迫し――

ザシュ!と御坂を一閃した。

神裂「安心してください。加減はしてあります」

と切った御坂を見下ろして言った。

御坂「……」

神裂「手加減はしたのですが、気絶してしまったようですね」

そうして神裂が踵を返そうとした瞬間――

御坂「さっきから誰に向かって喋ってるの?」

切ったはずの御坂からではなく、後方からその声は聞こえてきた。
そしてもう一つ、金属を弾いたような音もした。

それはコインを弾いた音――!

御坂「喰らいなさい!」

神裂(っ!)

御坂の必殺技『超電磁砲』(レールガン)が神裂目がけて一直線に駆け抜けた。
その余波だけで地面は抉れ、莫大な煙が立ち込めた。

御坂(これでさすがに……)

神裂「まだ終わっていませんよ」

煙からいきなり神裂は現れ、さらに切りかかってきた。
それでも御坂はバックステップで、神裂の不意の一閃を紙一重で避けた。

78 : VIPに... - 2011/07/29 12:47:07.61 D9cHSfej0 73/458

御坂「まさか……私の『超電磁砲』を避けたって言うの?」

神裂「ええ。『聖人』である私にとっては、あの程度なら避けられないこともないです」

御坂「あの程度とは言ってくれるじゃない。あれでも私の必殺技なんだけど」

神裂「もう分かったでしょう?あなたは必殺技ですら私には避けられる。
   これでどうやって私に勝つと言うのですか?」

御坂「どうとでもなるわよ。だって不意打ち自体は成功していたもの」

神裂「そうですね。あれは一体どういうトリックだったのでしょうか?」

御坂「あなたが切ったのは、私が作った電撃の分身よ」

神裂「道理で手応えがないと思いましたよ。ですが、いつ入れ替わったと言うのでしょうか?」

神裂「私はあなたを追いかける時、一瞬たりともあなたから目を離さなかったはずですが」

御坂「簡単な事よ。私の電撃自体は防いでいたかもしれないけど私の電撃は閃光にもなる。
   つまり目くらましにもなる。その隙に入れ替わっただけの話」

神裂「なるほど」

御坂「本当に分かってる?」

馬鹿にした感じで言った御坂に対し、神裂は多少の怒りを覚えながら

神裂「何故そんなに余裕なのでしょうか?あなたの全ての技は私には悉く通じず
   必殺技ですら避けられると言うのに」

御坂「今の状態の私で勝てないなら、この戦いの間に成長してでも勝つまでよ」

御坂「こっから先の戦いは、私自身でも未知の領域、120%でいかせてもらうわ!」

79 : VIPに... - 2011/07/29 12:49:49.03 D9cHSfej0 74/458

御坂「はあああああああああああああ!」

今までのどんな電撃よりも大きい電撃を放つ。

神裂「電撃を大きくしただけでは効きません!」

刀で電撃を弾く神裂。

御坂「ちぇいさーっ!」

その間に、先程と同じく神裂の後ろに回り込み、いつもと同じように右足で回し蹴りを放つ。
それはあっさりと腕で止められてしまった。

御坂「まだまだぁ!」

即座に逆回転をし、もう一度回し蹴りを放つ。だがやはり腕で止められてしまった。

神裂「近距離戦では勝てないと分かっていながら突っ込むとは。
   ひょっとしてあなたは馬鹿なのですか?」

御坂「アンタ程ではないけどね!」

御坂は即座に砂鉄電磁剣を作り、切りかかる。周りの砂鉄も神裂を攻撃する。

それら攻撃を時には受け止め、時には避ける神裂。

御坂「だらあああああああああああああああ!」

御坂は全力で叫んだ。雷撃の槍、砂鉄、そして御坂自身。
今までの戦法をフルパワーで、なおかつ一斉で神裂に挑みかかる。

神裂はそれらを、かわし、ワイヤーで防ぎ、ワイヤーで魔法陣を描き
刀で切り裂くなどして、全て無傷で防ぐ。

御坂(まだよ……まだ力を出せる!)

激しい戦いの中で空中を舞っていた御坂は、そのままの体勢で『超電磁砲』を2発連続で放つ。

神裂「はあっ!」

神裂はその2発を刀で撃ち落とす。

御坂「まだよ!」

今度はコインを4枚弾く。
それを、両手と両足を使い4発連続で放つ。

神裂「ふっ!」

やはり全弾撃ち落とす神裂。

80 : VIPに... - 2011/07/29 12:51:11.24 D9cHSfej0 75/458

神裂「何発やっても無駄です!」

御坂(手持ちのコインは30枚で7枚使ったから、残るコインは23枚。それで終わらせる!)

御坂「どおおおらああああああああああああああああ!」

『超電磁砲』を両手両足フルに使い撃つ、撃つ、撃つ、撃つ、撃つ!
23発の『超電磁砲』が1秒もかからずに神裂に向かう!

神裂「唯閃!」

神裂も自身最大の抜刀術『唯閃』を行使した。
その一閃のみで、23発全ての『超電磁砲』を撃ち落とした。

神裂(唯閃まで使わされるとは……少々焦りましたが、これで)

81 : VIPに... - 2011/07/29 12:53:30.51 D9cHSfej0 76/458

御坂(まだ……まだ100%の力を出し切っただけ……)

御坂(越えるんだ。限界を!)

御坂「これが私の限界突破、だああーっ!」

雄叫びをあげる御坂の周りから、莫大な砂鉄が舞い上がる。
また砂鉄か、無駄な事を。と神裂は思っていたのだが

砂鉄はその場で形を変え、長さ30cm、直径10cm程の槍となって浮いた。
その数200程。しかもそれが全部高速回転している。

神裂(まさか……)

御坂「喰らいなさい!『超電磁槍』(レールランス)!」

再び両手両足フルに使った攻撃が始まった。先程までと違う点は2つ。

1つ目は、砂鉄の槍が高速でジャイロ回転していること。

そして、もう1つ。桁違いの数だ。御坂は100発の砂鉄の槍を、3秒かからずに放ちきる。

神裂「唯閃!」

神裂は唯閃を繰り出すが、撃ち落とせるのは1回につき、せいぜい30発が限界だ。
それでも神裂の抜刀術、唯閃は1回に1秒もかからない。

よって3秒ないとは言え、4回も出せば、完全に防ぎきれるはずだった。
そして神裂には、それを出来る技量があった。

にもかかわらず、両頬、両脇腹、両脚の横、計6発を撃ち落とせなかった。

その6発は、あくまで通り過ぎただけだった。決して直撃したわけではなかった。
ましてや掠ってすらもいなかった。

だがジャイロ回転した超高速の槍は、通り過ぎたその余波だけで
周りの物を引き裂いていくほどの力があった。

よって神裂の、頬や脇腹、足の皮膚は2割ほど削られた。

神裂「ぐ!」

神裂は初めて悶絶する。しかもこれで終わりではない。まだ残り100発の槍が残っている。
そう思い顔をあげた神裂の見た光景は想像の斜め上を行くものだった。

82 : VIPに... - 2011/07/29 12:54:50.86 D9cHSfej0 77/458

100本分の砂鉄の槍が1本に集結されていた。その大きさは長さ30m、直径2mほどか。

神裂(避けられるか……いや避けたところで、余波でやられる!)

神裂(ここは唯閃で切り裂くしかない!)

御坂「これで……終わりよ!」

『超巨大電磁槍』が放たれた。

神裂「唯閃!」

ギギギギギ!と槍と剣がぶつかり合う音が木霊する。
さすがにこの大きさだけあって、神裂もそう簡単に切り裂けない。

神裂「はあああああああああああああああ!」

神裂が雄叫びをあげる。そして

バゴオォォォン!と一帯に電撃の巨大槍が蹂躙した音が響いた。

御坂「やっ……た……」

全ての力を使い果たした御坂は、その場でうつ伏せに倒れた。

83 : VIPに... - 2011/07/29 12:56:25.22 D9cHSfej0 78/458

御坂(でも、あの人死んじゃったかな……)

今更ながら少し後悔してしまう。でも手加減できる相手だし仕方なったか。
でも人を殺すと言うのは、どんな理由があってもいけないわけで。とかいろいろ
考えていた御坂だったが、それらの心配は杞憂に終わった。

神裂「はぁ……はぁ……」

煙の中から息切れしながらも、神裂が再び御坂の前に立ったからだ。

御坂「な、なんで……」

神裂「さすがに……焦りましたよ。切り裂くのを止めて……
   刀の先端に魔力を集中して……突くことによって……直撃を免れました」

御坂「あの状況で……それだけのことを……やってのけるなんてね……」

神裂「とは言え、唯閃の使い過ぎや最後の激突で、結構なダメージを受けましたけどね」

御坂「勝者の……余裕ってわけ?」

神裂「そんなつもりは。さて、あくまで私の目的は上条当麻なので。それでは」

負けず嫌いの御坂も、負けを認めざるを得なかった。
自身の技を全て防がれ、挙句の果て充電切れ。御坂は自分自身が情けなかった。

御坂(せっかく……アイツが初めて……私を頼ってくれたのに……)

悔しくて仕方なかった。目尻からは涙が流れるくらいには。

そんな御坂を一瞥して、神裂は先へ行こうと歩を進めた。が

神裂(……何か来る!)

そう感じた神裂は、数歩後退する。
するとさっきまで立っていた場所から、カランカランと金属の矢が落ちた。

84 : VIPに... - 2011/07/29 12:58:05.40 D9cHSfej0 79/458

神裂(金属矢が、虚空から現れた……?)

白井「許しませんの……」

気がつけば、御坂の近くにツインテールの女の子が立っていた。

神裂「何がですか?」

白井「お姉様をボロボロにし、泣かせた事に決まっていますの」

神裂「お姉様、ということは、あなた達は姉妹なのですか?あまり似ていませんね」

白井「姉妹ではありません。先輩後輩の関係ですの」

白井「そんなことより、実はお姉様とあなたの戦いは拝見させていただきましたの」

神裂は、人払いのルーンを刻んでいるのに、何故ここに来れたのか?
と疑問に感じつつも、尋ねる。

神裂「見ていたのなら、何故加勢しなかったのですか?」

白井「理由は2つ」

白井「1つ。お姉様は自分の戦いに手を出されるのを嫌っていますの」

白井「そして2つ目。先程の戦いは、あまりにも激しすぎて
   わたくしが入ってもついていけず、足手まといにしかならないと思ったからですの」

神裂「では、今ここであなたが出てきても、私には勝てないのでは?」

白井「そうですわね。お姉様より弱いわたくしが
   お姉様に勝ったあなたに勝てる確率は低いですわね」

白井「ですが、そんなことはどうでもいいですの。
   あなたがお姉様を傷つけ、泣かせた、その事実は変わらない」

白井「たとえどれだけの実力差があろうともお姉様を傷つけたあなたに
   黒子は絶対に負けられませんの!」

御坂「や……めなさ……い……黒子……」

神裂「いいでしょう。ならば叩きのめすまで!」

92 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) - 2011/07/30 03:36:51.50 cpYnlsnz0 80/458

>>1乙

質問(伏線ならスルーしておくれ)
・浜面が素養格付で才能なく勉強も学校行かずなのに薬品や電極つけてまで能力開発したのは何故か
・一方通行のレベル6は測定できる物がない筈(樹形図の設計者復活してるなら別)
・妹達が死んでも打ち止め達に肉体的な影響は無いのに何故倒れたのか

厨二物は好物だけど設定が無理し過ぎな気がする

94 : VIPに... - 2011/07/30 20:51:41.15 6MLEAleW0 81/458

>>92
1つ目の質問に対しては、確かスキルアウトも昔はちゃんと学校行ってなかったっけ?
だから能力の土台は出来てると解釈して、新入生のクーデターで能力が覚醒した。
……じゃ駄目か?例えそうじゃなかったとしても、力不足を感じた浜面は学校へ行き出した結果
能力が覚醒ってことで

2つ目の関しては、システムスキャンで出来ると思ってた。まあ黒翼、天使化
それとこれからオリジナル設定入れるんだけど、それで暫定的にレベル6ってことで

3つ目に関しては、妹達が死ぬと打ち止めとかは苦しむと勝手にイメージしてた。
つまりまあ俺のミス。すまんかった。一方通行が異状事態に気付く為に仕方なかったんだ

ぶっちゃけ魔術と科学の戦争がやりたいなーと思って、衝動的に書き始めたSSだから
設定が杜撰なのは多少勘弁してくれ。
無理があるのも分かってるんだが、ぶっちゃけこれの続編のSSも考えてるんだよね
だから新入生のクーデターから書くとさすがに辛いなーと思って、無理矢理12月にしたんだ
だから12月以前の設定に突っ込むのは勘弁してくれ

それと人がバンバン死ぬとは書いたが、ちょっと盛ったかもしれん。
ただ、まあまあは死ぬ。

それと改めて注意点だけど、こっからさらにオリジナル設定とか増えていくから
これはねーわって思ったら、スレ閉じて下さい

95 : VIPに... - 2011/07/30 20:54:06.37 6MLEAleW0 82/458

神裂は一瞬で白井に肉迫する。そして鞘の横薙ぎの一撃が振るわれた。

白井「甘いですの!」

白井はそれを避け、神裂の後頭部へとキックを入れるためのテレポートをする。
だが神裂は、それを見越したように、先の一撃からそのまま回転斬りへと移行する。

白井「な!?」

白井は慌ててテレポートして、距離をとる。

白井「何故わたくしの攻撃が分かったんですの?」

神裂「勘と反射神経。ただそれだけです」

白井(なるほど。お姉様を倒すだけありますの。
   ですが、黒子の実力もこんなもんじゃありませんの!)

白井はパッパッパッ!と連続でテレポートする。

神裂「かき乱す作戦かもしれませんが、そんなことでは動揺しませんよ」

白井「ではそろそろ!」

白井はまず、正面から攻撃を仕掛けた。神裂はそれに対し横薙ぎの一撃を振るった。
当然白井はテレポートで避ける。

神裂(後ろか!?いや……上!)

神裂は上へと、突きの一撃を放った。それも白井はテレポートで避ける。

神裂(今度こそ……後ろか!)

神裂は思った。刀は今、上の突きの後なので使えない。
今更ながら、回転斬りを防ぐために、これを狙っていたのかと気付いた。
それでも神裂は後方を一切見ずに、右足で後ろ蹴りを放った。
しかし手応えがない。またしても避けられた。そして――

白井「ちぇいさーっ!」

神裂の右側に現れた白井の、回し蹴りが来るところだった。

神裂(甘い!)

神裂は刀を地面につき、棒高跳びの要領で6m程ジャンプし、回し蹴りを避けた。

96 : VIPに... - 2011/07/30 20:55:57.42 6MLEAleW0 83/458

白井「今の連続攻撃が避けられてしまうとは……」

神裂「もう諦めてはくれませんか?私の狙いは上条当麻です。私はそこを通りたいだけなのです。
   通してくれれば、こちらから攻撃は加えません」

白井「それは無理ですわ。わたくしはジャッジメントですの。
   正直不本意ではありますが、わたくしの目の前で学園都市の住人である
   あの殿方を傷つけるのなら、風紀を乱す者として見過ごす訳にはいきませんの」

神裂「見たところ、あなたは既に、かなり消耗しています。
   早くその電撃少女と一緒に病院へと行った方がよろしいかと」

白井「あなたに心配される覚えはありませんわ。それにあなたもボロボロではございませんか」

神裂「私は普通の人間とは違います」

白井「わたくしも普通の人間とは違いますのよ」

神裂「……どうしても戦うしかないのですか」

白井「あなたが素直に拘束されてくだされば、戦う必要はありませんわよ?」

身構える2人。静寂が訪れる。

御坂「黒子……もう……やめなさ」

御坂の声を遮るように、2人は再び激突する。

97 : VIPに... - 2011/07/30 20:57:09.94 6MLEAleW0 84/458

神裂はイラついていた。かれこれ2分程、自分の得意な近距離で戦っているにもかかわらず
一向にダメージが与えられない。

一方の白井も、これだけテレポートして攻撃を繰り出しているにもかかわらず
かわされ、いなされ、防がれ、とにかくダメージを与えられないことに辟易し始めていた。

白井(仕方ないですの!ここは肉を斬らせて骨を断つしか……!)

そう考えた白井は、神裂の横薙ぎの一撃を、敢えてテレポートせず受け止めた。

白井「がは!」

神裂「!?」

ミシィ!と嫌な音が聞こえたが、痛みの中演算に集中し、刀を100m先にあった
ビルの壁の中にテレポートした。壁の中と言っても、刃の部分だけしか埋められず
柄は出たままだが。

白井「これで純粋な肉弾戦に持ち込みましたの……」

神裂「刀が使えない肉弾戦だろうと、あなたには負けませんよ」

98 : VIPに... - 2011/07/30 20:58:39.53 6MLEAleW0 85/458

そうして神裂が刀を失って、純粋な肉弾戦に入ってから10分が経過した。
神裂は、攻撃を防ぎ続ければ体力が切れて勝手に自爆してくれるだろうと、たかをくくっていた。

だがそのテレポートと体術のキレは一向に落ちなかった。

神裂「あなたは10分間、全力で動きっぱなしだというのに、何故いまだにそこまでの動きが
   出来るのですか!?」

白井「――!」

神裂の問いに白井は答えない。否、答えないのではなく
あまりの集中力で神裂の声が聞こえていない。

神裂(彼女の原動力であろう、あの電撃少女は、そこまでの人だと言うのですか!?)

白井の攻撃、反応速度は衰えるどころか、徐々に激しさを増していく。

神裂(この私が押されて!)

ついに白井の拳が、神裂の頬を掠めた。

神裂(くっ!)

神裂の攻撃は一向に当たらない。対して白井の攻撃は掠り始めている。

神裂(このままでは……仕方ありません!)

神裂は敢えて白井の拳を受ける。その代わり白井の拳をしっかり掴んだ。

神裂(捉えました!)

しかしそれは間違いだった。1秒後、視界が変わった。
正確には、視点が低くなった。まるで背が縮んだような感じだ。
その答えはすぐに分かった。

99 : VIPに... - 2011/07/30 21:00:14.63 6MLEAleW0 86/458

神裂「ぐあっ!」

膝から下の脚に激痛が走った。思わず目線をそこへ持っていくと、なんと地面に埋まっていた。

何故このような事が起こったかと言えば
白井が神裂を地面の中にテレポートしたからに他ならない。

少しでも脚を動かそうものならば激痛が走るのだが、抜けださなければ話にならない。
そう思い、両手を地につき抜けだそうと試みたが
白井の、顎から突き上げる強力なキックがそれをさせなかった。

神裂「がは!」

さすがの『聖人』神裂火織もこれは効いた。白井の攻撃は終わらない。

膝から下の脚が埋まっている神裂に対して、白井は容赦なく何十発もの拳と蹴りを叩きこんだ。

前方をガードすれば後方から、後方を意識すれば前方から集中砲火を喰らった。
ならばと思い、前方にも後方にも意識を集中するが、意識の隙間をかい潜って
ダメージを与えてくる。そのあまりの鬼畜っぷりは、御坂ですらも引く位だった。

100 : VIPに... - 2011/07/30 21:02:30.08 6MLEAleW0 87/458

御坂「もういい!もうやめて黒子!それ以上やったら、その人死んじゃう!」

白井「何故止めますの!?お姉様だって、この方を殺そうとしたじゃありませんか!」

御坂「それは……手加減できなかっただけで……」

白井「そんなの言い訳ではありませんか!それに何よりお姉様をここまで傷つけたこの方を
   黒子は許せませんの!」

御坂「その私がやめてって言ってるんだから、やめなさいよ!」

白井は御坂を無視し、神裂への暴力を止めない。

御坂「やめてって……言ってんでしょーが!」

御坂の電撃が白井へと飛ぶ。充電切れ状態から振り絞った一撃の為、通常に比べ威力は相当弱いが
それでも全身に軽度の火傷を負わせ、気絶させるぐらいの威力はある。

だが白井は、それをテレポートで避ける。避けた電撃は神裂にヒットした。

神裂「あああああ!」

御坂「あ……」

白井「ざまぁですの」

神裂を見下ろしながら、白井は言い放った。そして暴力を再開した。

御坂「黒子!黒子!!」

今の御坂には叫ぶ事は出来ても、白井を抑えられるだけの力はない。

101 : VIPに... - 2011/07/30 21:03:50.04 6MLEAleW0 88/458

白井「さあ、そろそろ終わりですの!」

白井の全力の両脚飛び蹴りが、神裂の顔面に炸裂した。
これで終わった。と白井は思ったが

ガシィ!と神裂の右手が、白井の右足を掴んだ。
そしてそのまま、とてつもない勢いでビルの方へ投げ飛ばした。

その隙に神裂は、激痛を伴いながらも地面から抜け出そうと試みる。
一方で、白井は神裂の数十m上とテレポートしていた。

それはつまり、投げ飛ばされた勢いそのままの白井が隕石の如く
神裂の脳天に落下してくることを意味していた。

神裂はそれに気づいてはいたが、未だに地面から抜け出せていない。
よってかわすことはできない。受けて立つしかない。

落下してくる白井。対し神裂は左拳に力を込める。そして――

白井の両脚と神裂の左拳のアッパーが激突した。
瞬間、白井の両脚と神裂の左腕から血が噴き出した。

白井神裂「「がああああ!!」」

御坂「黒子ー!」

103 : VIPに... - 2011/07/30 21:05:13.39 6MLEAleW0 89/458

悶絶する2人。御坂は白井に向かって叫ぶが、返事がない。
白井は神裂戦の前に、いくつかの戦いをこなしてきた。
加えて神裂戦でも限界を超えた戦いをしてきた。

そして今、両脚が潰れたことによって、白井は完全に力尽きてしまった。
もはや意識も朦朧としている。御坂は這いずりながらも、白井のもとへ向かう。

一方で神裂は、右手を地につき力を込め、強引に地面から抜け出した。
その時に脚の皮膚がそこそこ剥がれたが、構わずビルに埋まっている刀を引き抜きに行く。
そして右手だけでビルから刀を抜いた。刀を抜いたことでビルが崩れた。

それにしても、殴られ蹴られ左手は潰され、両足もボロボロ。
さすがの神裂も戦うのは愚か、上条を追う力も残っていなかった。

だから神裂は、即興で簡単な魔法陣を描き、周りにある瓦礫や自分が持っていた手荷物を置き
回復魔法を行使した。

神裂「ふぅ」

完全回復とまでは行かないが、剥がれた皮膚はある程度は元に戻り、出血も止まった。

104 : VIPに... - 2011/07/30 21:06:09.83 6MLEAleW0 90/458

ようやく御坂は、白井のもとに辿り着いた。

御坂「黒子……大丈夫……?」

白井「お……姉……様……ごめん……なさい……ですの……」

御坂「ホント……世話の焼ける後輩なんだから……」

白井「あの方……どうやら……回復したみたいですの……」

御坂「そんなことはどうでもいいのよ……黒子が無事なら……」

白井「お姉様……」

105 : VIPに... - 2011/07/30 21:07:34.11 6MLEAleW0 91/458

そんな2人を遠目に見ながら、神裂は今度こそ上条を追いかけようと歩を進めた。が

神裂(何か来る!)

神裂は反射的に数m後退する。するとさっきまで立っていた場所の地面がへこんだ。

いや、へこんだと言うよりは抉れたと言うのが正しいのか。とにかく地面が少し消滅した。

神裂(次から次へと……人払いは本当に発動しているのでしょうか?)

神裂は呆れながらも上を見た。するとビルから身を乗り出している男が見えた。
黒曜石で出来た、ナイフのようなものを持っている。
トリックは分からないが、多分あのナイフで攻撃してきたのだろうと思う。

神裂(あの男は今ビルの上に居る……そして先の遠距離攻撃は気をつければ
   絶対に避けられる。ここは無視をして、先を急ぎましょう)

そう思い、走り出す神裂であったが、その男は、ビルから突如飛び降りた。

どう言う理屈かは分からないが、その男は至極当然のように無傷で神裂の目の前に降り立った。

「あなたですか?御坂さんとその御友人を傷つけたのは」

神裂「私は何もしていませんよ。あの2人が勝手に突っかかってきて、勝手に倒れただけです」

言いながら神裂は気付いた。いつの間にかあの2人がいない。

106 : VIPに... - 2011/07/30 21:09:13.33 6MLEAleW0 92/458

神裂(この私が今まで気づかないとは……)

「お二方は、こちらで回収させていただきました」

神裂「別に構わないですよ。あの2人に用はありませんから」

「ところで、僕はあなたが憎いので、少々痛い目を見てもらうかもしれません」

神裂「あなたに憎まれる覚えなどないのですが」

「それがあるんですよ。僕の想い人を傷つけてくれましたからね」

神裂「よく分かりませんが、邪魔をするなら」

「神裂火織」

神裂「何故私の名を?」

「いやぁ、こちらにもエージェントがいましてね。あなたの事は大体分かっています。
  その強さも」

「その強さを分かった上で、あなたを倒すと言っているんです」

男の威圧感は、先程の白井と同等かそれ以上だった。それにこの感覚は――

神裂「あなた……魔術師ですか?」

「ええまあ。エツァリと申します」

エツァリ「さて、会話はこれぐらいにして、そろそろ始めましょうか」

こうして、極東の魔術師とアステカの魔術師の戦いの火蓋が切って落とされた。

107 : VIPに... - 2011/07/30 21:10:28.96 6MLEAleW0 93/458

麦野達はワゴン車で冥土返しの病院を目指していた。

絹旗「それにしても、学園都市の拳銃は超凄いですね。防弾ガラスでも2発で壊せましたよ」

滝壺「学園都市の科学技術は、外部より2,30年進んでいるからね。その程度は割と当然だと思う」

麦野「寧ろまだ2発もかかるのかと思うわ。そこは1発で貫けよと」

半蔵「なんか……女の子達が拳銃について語っているかと思うと……世も末だな」

感慨深く呟いた彼は、服部半蔵。
今は凋落した忍者の末裔である服部家の子孫で、超有名な忍者である『服部半蔵』の名を
継ぐものである。

麦野「なんか言った?」

半蔵「いいえ、何も」

滝壺「それにしても、はんぞうも割と運転うまいよね」

半蔵「まあ俺も浜面の横で、ずっと運転してるところ見てたからな」

滝壺「はまづらを迎えに行くときに、運転手がいなくて困ってたから
   はんぞうには、皆感謝してるよ」

半蔵(はぁ……浜面はこんなに優しい子が彼女なのか……羨ましすぎる)

「どうかしました?半蔵様」

半蔵の事を様づけで呼ぶ彼女は郭。半蔵に付きまとう、くの一の末裔だ。

半蔵「なんでもないよ」

108 : VIPに... - 2011/07/30 21:11:22.49 6MLEAleW0 94/458

麦野「(てかさ、この女何なの?何で普通にいるの?)」

絹旗「(よく分かりませんが、半蔵さんに超付きまとっているくの一みたいですね)」

麦野「(ふーん。まあ役に立つなら良いけど、役に立たないなら邪魔なだけなんだけど)」

絹旗「(これから何かに役に立つかもしれませんし、今のところは害もないですから
   超ほっといても問題ないんじゃないですかね?)」

「全部聞こえていますよ。麦野氏、絹旗氏」

思わずドキッとする麦野と絹旗。

「別に気にしていませんから、堂々と会話しちゃってください」

麦野「じゃあ遠慮なく」

麦野と絹旗は、郭に対して失礼なことから先程までの拳銃の話など、遠慮なく雑談し始めた。

「順応早いですね……」

麦野「なんか言った?」

「いいえ、何も」

109 : VIPに... - 2011/07/30 21:12:48.39 6MLEAleW0 95/458

浜面「ん……あ……」

滝壺に膝枕されていた浜面が目を覚ました。

滝壺「あ、はまづら、大丈夫?」

浜面「あ……ああ……って、あの女はどこだ!?」

麦野「何騒いでんだ。私達が追い払ったってーの」

浜面「そ、そっか。俺、あの人にやられたのか……」

麦野「ほんと、アンタ助けるのに苦労したんだから。感謝しなさいよね」

浜面「あ、ああ。ってかフレメアは!?」

絹旗「ああもう超やかましいな。フレメアちゃんならそこで寝ていますよ。
   多分催涙スプレーか何かで眠らされたのでしょう。命に別状はありませんよ」

浜面「そ、そうか……良かった」

だが今回浜面は、フレメアは愚か自分自身すら守る事が出来なかった。
もし滝壺達が助けに来なければ、間違いなく敵に捕まっていただろう。

半蔵「浜面、あんまり落ち込むなよ。今回は相手が悪かったんだ。一応全員無事だしな」

浜面「半蔵?お前どうしてここに?」

半蔵「こいつらがお前を助けに行くために、運転手を探してるって聞いたから
   俺が立候補したんだよ。親友の為だしな」

浜面「そ、そうか。でも滝壺とか、半蔵の事知ってたっけ?」

滝壺「うん。前の『新入生』のクーデターの時に、一度会った」

浜面「じゃあさ、俺の位置はどうやって分かったんだ?」

滝壺「それはもちろん、私の能力を使ったからだよ」

滝壺の能力は一度記録したAIM拡散力場の持ち主を、たとえ太陽系の外に出ても
追い続け検索・補足出来る。今の滝壺は『体晶』がなくても、ある程度能力が使える。
そして浜面は先日レベル1になったことにより、滝壺の能力を十二分に活かせたのだ。

110 : VIPに... - 2011/07/30 21:14:12.39 6MLEAleW0 96/458

浜面「そうか。やっぱ『アイテム』って凄いな」

絹旗「うわ。なんか超キモいです」

浜面「なんで!?」

「そんなことより浜面氏!私の事はノータッチですか!?」

浜面「どうせ半蔵についてきただけだろうなー。と思って」

「浜面氏のくせに~」

麦野「そんなに元気なら病院へ連れて行く必要はないな」

浜面「俺は良くても、フレメアを連れていかないとだな」

麦野「そうだな。ところで浜面、運転変わってやれ……よ」

浜面「どうした?」

麦野(この感覚――!)

麦野「滝壺!私の能力の補助を!」

滝壺「うん!」

麦野の能力『原子崩し』はビームを出せるだけでなく、盾なども作れる。
それを滝壺の補助でより精密にして、強化することもできる。

麦野はビームでワゴンの屋根を消し飛ばし、ワゴンの周りに滝壺の補助を受けた盾を展開する。

浜面「何やってんだ麦――」

浜面が言い終わる前に――
突如現れた3機の『六枚羽』による一斉掃射が、麦野達の乗るワゴンを襲った。

ドドドドド!と激しい攻撃で揺れるワゴンだったが、麦野の盾のおかげでダメージは無い。
そして『六枚羽』の攻撃をひとしきり防ぎきった後

麦野「今度はこっちの番よ!」

麦野は『拡散支援半導体』を使い、自身のビームを拡散させる。
六枚羽達はビームを攻撃してを防ごうとするが、麦野のビームはそれら全てを貫き
六枚羽達を撃ち落とした。

111 : VIPに... - 2011/07/30 21:15:43.29 6MLEAleW0 97/458

滝壺「さすが、むぎのだね」

麦野「滝壺の補助があったからよ」

絹旗「安心するのはまだ超早いみたいですよ」

今度は麦野達が乗っているワゴンを追うように、2台の黒い装甲車が走ってきた。

麦野「この!」

麦野はビームを放つが避けられてしまう。
そうこうしている間に、2台の装甲車はワゴンを挟むように横につく。

麦野「服部!ブレーキだ!」

半蔵「お、おう!」

言われた通り、急ブレーキをかける半蔵。すると、目の前で装甲車と装甲車がぶつかった。
ワゴンを挟み撃ちにするつもりだったのだ。

麦野「よし!この距離なら!」

標的までは数m。麦野は再びビームを放つ。
だがたったの数mであるにもかかわらず、装甲車はビームを避けた。

麦野「な!?」

間髪容れず装甲車は交互にワゴンへとアタックを仕掛ける。

麦野「ちょ、なんとかしてこの攻撃から抜けだして!」

半蔵「無理だ!そんな運転スキル、俺には無い!」

絹旗「超仕方ありませんね」

浜面「絹旗!?」

絹旗はワゴンの上部から身を乗り出し、装甲車の1台へと飛び移った。

112 : VIPに... - 2011/07/30 21:17:31.94 6MLEAleW0 98/458

浜面「絹旗!」

絹旗「超大丈夫ですよ。こう見えても私はレベル4の『窒素装甲』ですからね。
   まずは1台超潰します!」

絹旗は装甲車の上で大きく振りかぶり、拳を振り下ろす。その一撃は装甲車を大きくへこませた。

絹旗「な……」

絹旗は驚愕した。装甲車は確かにへこんだ。だがそれだけ。へこんだだけだったからだ。
絹旗の一撃を受ければ、普通の車なら大破してもおかしくないのに。

絹旗(この車超堅い……!ここは一旦ワゴンに戻りましょうか)

そう思った絹旗だったが、装甲車が突然激しく動き、振り落とされそうになる。

浜面「絹旗!早く戻れ!」

装甲車は暴れながら、ワゴンとの距離を離していく。どうやらワゴンと絹旗を引き離したいようだ。

絹旗「私の事は超構いません!皆さんは先に病院へ!」

浜面「絶対に!絶対についてこいよ!」

絹旗(そんな事、浜面に言われなくても超分かってますよ)

こうして絹旗は離脱した。そして浜面達の危機も依然続いている。

浜面「麦野、早くもう1台の装甲車を何とかしないと……!」

麦野「そんなこと分かってる!でも当たらないんだよ!」

麦野はさっきからビームを放っているが、悉く避けられる。

浜面「さっきの、シリコンなんとかを使えば良いんじゃねぇのか!」

麦野「さっきので失くなっちまったんだよ!」

浜面「そ、そうか」

半蔵「くっそ……何とか出来ないか郭!」

「そんなこと言われても……あ」

半蔵「どうした!?」

「私、巻き菱を持っていました!」

半蔵「どうしてそれを早く出さなかった!?」

「いやぁ、今思い出したんですよ」

半蔵「ああもう分かったから!早く撒け!」

「はい!半蔵様!」

返事をした郭は勢い良く、空いた屋根から巻き菱をばらまく。
巻き菱を踏んだ装甲車のタイヤはパンクし、あらぬ方向に走って行った。

113 : VIPに... - 2011/07/30 21:18:32.59 6MLEAleW0 99/458

麦野「おい。そんな便利なものあったのかよ」

「すいません麦野氏。巻き菱の存在を忘れていまして」

浜面「助かったよ郭ちゃん」

「ありがとうございます浜面氏」

麦野「(浜面の奴、何でこいつには優しくて、私には冷たいんだ……)」

浜面「ん?なんか言ったか麦野?」

麦野「な、何でもないっ!」

滝壺「とりあえず一難去ったね」

浜面「ああそうだな。あとは早くフレメアを病院に連れて行って、絹旗を助けに行かないと」

だがまだ危機は去っていなかった。
浜面達のワゴンの後ろから5m前後の大きさの、カマキリのような何かが来る。

それはフレメアと初めて会った日『新入生』と初めて激闘を繰り広げた時に見た
ファイブオーバーモデルケース“レールガン”のような駆動鎧(パワードスーツ)だった。

浜面「一難去ってまた一難、ってか……」

114 : VIPに... - 2011/07/30 21:20:15.34 6MLEAleW0 100/458

しかも、目を凝らして良く見てみると、モデルケースレールガンではない。
カマキリの羽を収めるための腹部側面と、前足保護カバー側面に、それぞれ文字が刻印されていた。

FIVE_Over.Modelcase_“MELTDOWNER”
Gatling_Meltdowner、と。

浜面「麦野!滝壺の補助ありで『原子崩し』の特大で強固な壁を作れぇ!」

麦野「はあ!?攻撃して壊した方が」

浜面「駄目だ!防御じゃなきゃ駄目なんだ!」

麦野「分かったよ。滝壺!」

滝壺「うん!」

浜面に言われた通り、滝壺の補助でより強固になった『原子崩し』の盾を展開する。
その1秒後だった。1分間に4000発に相当する『原子崩し』の掃射がワゴンに向けて放たれた。

半蔵「うおおおお!?」

激しく揺れるワゴン。

浜面「集中しろよ麦野!少しでも気を抜いたら貫かれるぞ!」

麦野「分かってるっつーの!」

浜面「滝壺も頼むぞ!」

滝壺「うん!」

「なるほど!浜面氏はまともに撃ちあっても負けると分かっていたから防御を選択したのですね」

浜面「そうだ。ファイブオーバーは威力もさることながら、1番恐ろしいのは連射性だ。
   多分威力だけなら麦野の方が上だろうが、連射で負けると思ったから防御を選んだ」

半蔵「でもこのままじゃジリ貧じゃねぇか……」

浜面「その点は、俺に考えがある。多少賭けだがな」

115 : VIPに... - 2011/07/30 21:21:32.20 6MLEAleW0 101/458

そうして、浜面の考えがある発言から4分が経過した。
その間は『原子崩し』を、ずっと連射され続けていた。
考えがあると言いながら、特別指示もしないし
ただ黙っているだけの浜面に、麦野がついに痺れを切らした。

麦野「浜面……!私も滝壺もそろそろ限界が近いんだけど……!考えって何だよ!」

浜面「多分……あと1分だ……あと1分だけ耐えてくれ!」

麦野「……分かったよ!踏ん張ってよ滝壺!」

滝壺「うん……!」

半蔵「おいおい浜面、本当に大丈夫なのか!?」

浜面「さっきも言った通り、確実な手ではない。寧ろ賭けだ。
   だが今はこの可能性に懸けるしかない」

116 : VIPに... - 2011/07/30 21:22:52.37 6MLEAleW0 102/458

そうして耐えてくれ発言から1分が経過した。
するとカマキリの『原子崩し』の連射が突然止まった。

浜面「今だ麦野!防御を解いて、お前の一撃をカマキリにぶち当ててやれ!」

麦野「ようやく反撃か!」

即座に盾を解き、『原子崩し』のビームを放つ。それは見事にカマキリへ当たった。撃墜成功だ。

浜面「よっしゃあ!」

麦野「めっちゃ疲れたー」

滝壺「はまづら……」

浜面「おっと」

倒れ込む滝壺を受け止める浜面。

浜面「病み上がりなのに良く頑張ってくれたな。ありがとう」

滝壺「どういたしまして」

麦野「ちょっとー、私にもお礼は?」

浜面「ああ。麦野もありがとう」

麦野「う、うん///」

浜面「おい麦野、顔赤いけど大丈夫か?」

麦野「だ、大丈夫だし!浜面に心配される覚えはないっ!」

浜面「そ、そうか」

117 : VIPに... - 2011/07/30 21:25:28.88 6MLEAleW0 103/458

「それより浜面氏、何故連射が止まった瞬間、すぐ反撃すると言う思考に至ったんですか?」

「攻撃が効かないから、一呼吸置いただけとか、溜め攻撃が来ると言う可能性も
  考えられたじゃないですか?でも浜面氏は迷わず反撃するという事を選んだ。何故?」

浜面「半蔵は知っているだろうけど、俺、あのカマキリのレールガンバージョンと
   戦ったことあるんだ。さらに言えば、あれに乗ったこともある。
   それで分かった事があるんだ」

浜面「あの連射は永遠には出来ない。ってことがね」

「ほう。それは何故?」

浜面「あのカマキリの連射には、膨大な電力を消費すると同時に凄まじい熱も発する。
   その熱を下げるために、冷却期間が必要になる。そこを狙ったんだ」

浜面「でもそれはレールガンバージョンの話であって、メルトダウナーバージョンにも
   その法則が通用するか分からなかったし、冷却期間に入るまで、どれくらい耐えれば
   良いかも分からなかったし、さっきの郭ちゃんが言ったこともあったし
   不安要素だらけだった」

浜面「だけど麦野達の限界も近かったし、あそこで攻撃してなかったら
   また連射が始まっただけだっただろうし、あのまま耐え続けるだけだったら
   どの道俺達は死んでいただろう」

浜面「だから少しでも連射が止まった瞬間に、すぐさま攻撃することに懸けたんだ」

半蔵「浜面……お前、度胸あるな」

「浜面氏も色々考えていたんですね!」

半蔵「つかお前は終始マイペースだったよな」

「そんなことありませんよ。私は私なりにですね」

半蔵「あーもう分かったから。それより浜面、運転変わってくんね?」

浜面「あぁ~、まあ別にいいけ」

滝壺「はまづらは一応怪我人。できればはんぞうに引き続き運転してほしい」

半蔵「そ、そうっすか」

半蔵(そこまでして、滝壺は浜面とくっついていたいのか……チクショー、羨ましいぜ
   浜面の野郎!)

「そんなに浜面氏が羨ましいんですか?私なら半蔵様に一生ついていくのに///」

半蔵「は?え?何お前?心読めるの!?『読心能力者』(サイコメトラー)!?」

「半蔵様が考えている事はすべてお見通しです」

半蔵(なん……だと……)

118 : VIPに... - 2011/07/30 21:27:55.89 6MLEAleW0 104/458

次々とトラブルが起こったと言うのに、まるで何事もなかったかのように盛り上がる車内。

そんな中フレメアも目を覚ました。

フレメア「ん……」

麦野「お、フレメア。ようやく目を覚ましたのね」

フレメア「麦野お姉ちゃん……?大体ここはどこ?」

麦野「ここはワゴンの中。今病院へ向かっているところだったけど
   フレメアも目を覚ました事だし、いかなくてもいいかな?」

滝壺「それは駄目だよむぎの。はまづらも怪我してるし」

麦野「滝壺、アンタのノロケはもう聞き飽きたよ……」

滝壺「それだけじゃないよ。なんか学園都市中の様子もおかしいから
   安全な病院へ行こうと言うのもある」

浜面「でも絹旗は連れて帰らなくていいのか?」

滝壺「きぬはたは大丈夫だよ。私は信じてる」

浜面「そっか。ところで半蔵、あとどれくらいでこの高速道路抜けられるんだ?」

半蔵「多分あと2分くらいじゃねぇかな」

浜面「そうか」

フレメア「ねぇねぇ、大体何で、このワゴンには屋根がないの?寒い」

浜面「まあいろいろとあってな。麦野が吹き飛ばしたんだよ。少しの間我慢してくれ」

フレメア「あれ?ねぇ、大体前見て浜面!」

こいつ人の話ちゃんと聞いてんのか?と思いつつ
言われた通り目線を前に持っていく。そこには驚くべき光景があった。

119 : VIPに... - 2011/07/30 21:30:39.52 6MLEAleW0 105/458

浜面「嘘……だろ……?」

フレメア「あれ、フレンダお姉ちゃんじゃない!?」

麦野滝壺「「え??」」

麦野と滝壺も前に視線を向ける。

そこには、確かに金髪碧眼の女子高生、まさにフレンダ=セイヴェルンが数十m先に立っていた。

だがそれはおかしい。何故なら麦野がフレンダを殺してしまったからだ。
彼女が生きているはずがないのだ。

浜面「な、何が……起こっているんだ……?」

半蔵「な、何だ!?知り合いなのか!?止まった方がいいのか!?」

と言っても、ここは高速道路なので、車を止めるなんてことは非常識以外の何物でもない。
まあどちらかと言えば、女子高生が高速道路に突っ立っている事の方が異質ではあるが。

麦野「止まれ!」

半蔵「お、おう」

半蔵はブレーキをかけ、ワゴンを止める。

フレメア「フレンダお姉ちゃーん!」

浜面「……待てフレメア!何か様子が――!」

浜面が違和感に気付いた、次の瞬間、フレンダはフレメアに向かって爆弾を投げた。

フレメア「え?」

浜面「フレメアーっ!」

浜面はフレメアのもとに飛び込み、抱え込む。ボガァン!と爆弾は浜面ごとフレメアを飲み込んだ。かに思えたが、麦野が能力で盾を作っていた。

浜面「た、助かったぞ麦野」

しかし、麦野はそんな声は聞こえていなかった。

麦野「アンタ、何者なワケ!?」

麦野の質問を無視し、フレンダは無言で、何かのスイッチのようなものを押す。
瞬間、浜面達が立っている高速道路が、ガラガラと音を立てて崩落した。

浜面(まさか……高速道路の柱の至る所に爆弾が仕掛けてあって
   それを一斉に爆発させて、崩落させったってのか!?)

しかしそんな事を考えている場合ではない。この高速道路は高さ20m位の位置にある。
このまま落ちたら死ぬ。この状況で出来ることと言えば……

122 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) - 2011/07/30 23:27:15.55 cpYnlsnz0 106/458

>>1乙

丁寧な返事感謝しつつ突っ込み
・エツァリの一人称は「自分」
・妹達(学園都市組+15名程=20前後?)で一方通行の補助が出来るのか
急激に妹達が減って打ち止めや番外個体に過負荷がかかったとか?

戦争物なら死亡率の高さ自体はいいけど
妹達は全世界に配置して地球規模で虚数学区を作る+一方通行の足枷
1~200ならともかく殺しすぎじゃないかしら

124 : VIPに... - 2011/07/31 00:04:41.52 s/+bFleT0 107/458

>>122
エツァリの一人称についてはありがとう
妹達についても、その設定いただきたいわ。
まあ言い訳させてもらうと、このSSの一方通行は、最初の方にも書いた通り
杖がなくても歩けるなど演算能力が多少回復している。
で独自解釈なんだけど黒翼、天使化には代理演算いらないと思うのね。
じゃあ通常状態はどうなのかって言うと、一方通行が通常状態で戦闘したのはわずか5分。
その時はまだ大半の妹達はギリギリ生きてたってことで
そして現在の妹達の数は、一方通行が助けた15人と、オッレルスが助けた10人と学園都市の妹達で
30人前後です

つまりまあ9000人近くの妹達は死にました

127 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県) - 2011/07/31 00:09:20.83 RbiqyWfOo 108/458

なんか、あっさりと凄くショッキングなことを言われたような気がする。

129 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) - 2011/07/31 01:29:14.74 PlPzh91o0 109/458

>>1乙

オッレルスの助けた10名を失念してた、失礼
皆が妙に好戦的だったり一方通行達が妹達の死に対して妙に淡白な態度に見えるのは
C文書みたいな魔術的な物で悲しみや戸惑いよりも怒りや憎しみで好戦的になるとか?
伏線ならスルーしちゃってね

楽しみにしてるよー

134 : VIPに... - 2011/08/05 09:35:56.75 tiKOg62V0 110/458

>>129
やっぱ一方通行は発狂するぐらいじゃないとおかしいかな
まあ精神も大人びたってことで
皆が好戦的については、上条は正当防衛、御坂は性格上こうなるだろうと
黒子とエツァリも美琴傷つけられるとこうなるだろうと

ステイルと神裂にはもちろん理由はある。明示はしてないけど
この2人が戦う理由なんて1つしかないでしょう


続き
アレイスター「さあ、最後の晩餐(ショータイム)だ」【2】

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