関連
葉隠「強くてニューゲーム……って、俺がだべ!?」【前編】
葉隠「強くてニューゲーム……って、俺がだべ!?」【中編】
葉隠「強くてニューゲーム……って、俺がだべ!?」【後編】

元スレ
葉隠「強くてニューゲーム……って、俺がだべ!?」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1402841268/
葉隠「強くてニューゲーム……って二スレ目だべ!?」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1437235487/

1 : ◆YySYGxxFkU - 2015/07/19 01:04:57.70 SWij/7TR0 533/912

葉隠(あれ? おかしいべ。……俺たちは江ノ島盾子を倒して、脱出スイッチをゲットして希望ヶ峰学園を脱出したはずだべ)

葉隠(なのに……)

葉隠が立っていたのは希望が峰学園の玄関。

視界内にはお互い初対面のような対応をしている仲間達。

葉隠(それに死んだはずの舞園っちや桑田っちまでいるべ)

それにどういうわけか仲間に殺されたかモノクマに処刑されたはずの仲間達も全員いる。

これではまるで……

葉隠「コロシアイ学園生活の最初に戻ったみたいだべ?」









このスレは、葉隠「強くてニューゲーム……って俺がだべ!?」の二スレ目です。
上の続きが気になった方はこちらからどうぞ
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1402841268/


そんなのもう読んだ、ネタバレ上等という方は、そのまま読み進めてください。
CHAPTER4の開幕です。







2 : ◆YySYGxxFkU - 2015/07/19 01:07:59.47 SWij/7TR0 534/912























モノクマ「大丈夫? ここから先はネタバレがあるからね」

モノクマ「それでも読み進めるっていうなら止めはしないけど……注意はしたからね」
















3 : ◆YySYGxxFkU - 2015/07/19 01:08:54.02 SWij/7TR0 535/912

<裁判翌日>

葉隠(どんなに辛い夜だって、明けない夜は無い)

葉隠(仲間を四人失うことになった事件の翌日、俺は脱衣所で霧切っちと次の事件の対策を練っていた)

<脱衣所>

霧切「さて、第四の事件の対策についてだけれど」

葉隠「オーガの自殺……か」

葉隠(オーガの内通者の暴露が発端となったその事件)

葉隠(俺と腐川っちと十神っちを娯楽室に呼び出して話をするつもりが、十神っちは来ず、俺と腐川っちは殺されると思って反撃してしまって)

葉隠(その後様子を見に来た朝日奈っちがプロテインを取りに行く間に、オーガは服毒自殺を行った)

葉隠(モノクマが朝日奈っちに偽の遺書を見せたせいで、朝日奈っちは裁判で全員のおしおきを狙うも苗木っちが阻止)

葉隠(何とか自分を殺したクロ、オーガを突き止めるも、モノクマは自分に探りを入れに来たアルターエゴをおしおきして壊してしまった)

葉隠(そんな事件)

霧切「一つずつ考えていきましょうか」

4 : ◆YySYGxxFkU - 2015/07/19 01:10:13.02 SWij/7TR0 536/912

霧切「まず、今回の動機として大神さんが内通者だとバラされる件について」

葉隠「これは……今周回どうなるんだろうな」

霧切「前回と違って朝日奈さんがいないのは痛いわね」

葉隠(前周回はオーガが疑われても、朝日奈っちは変わらずオーガと接していた)

葉隠(それが幾分か支えになっていたことは想像に難くない)

霧切「逆に敵意を見せていたのは十神君とそれに付随しての腐川さん」

葉隠「二人とも変わら無さそうだな」

霧切「今周回と前周回で二人ともあまり動きが変わっていないものね。そして敵意を見せていたのはもう一人、あなた……だけれど」

葉隠「今回は大丈夫だべ」

葉隠(前周回では敵意を抱いていたが……今度は大丈夫だ)

葉隠(全てを知った今、オーガを恨むなんてことは無い。恨むべきはこの状況を作り出したモノクマだべ)

霧切「そう。これで一安心……といきたいところだけれど」

霧切「残念ながら、彼の動きが全く読めない」

葉隠「苗木っちか」

5 : ◆YySYGxxFkU - 2015/07/19 01:11:08.61 SWij/7TR0 537/912

葉隠(前周回では霧切っちとともに大神っち寄りの中立だったが……)

葉隠(狛枝化した今回はどう動くのか?)

霧切「恐らく傍観か敵対のどちらかでしょうね。大神さんに理解を見せるとは思えないわ」

葉隠「そうだな」

霧切「対策はこうしましょう」

霧切「私が大神さんの理解者として朝日奈さんの代わりに支えとなる」

葉隠「じゃあ俺も……」

霧切「いえ、葉隠君は中立でいて頂戴」

葉隠「どうしてだべ?」

霧切「中立の立場で十神君や苗木君の動きを窺っていて欲しいの」

葉隠「分かったべ」

6 : ◆YySYGxxFkU - 2015/07/19 01:11:59.10 SWij/7TR0 538/912

霧切「次は大神さんが自殺してしまった事件についてだけれど」

葉隠「ぶっちゃけどうすれば防げるべ?」

葉隠(セレスっちと同じでこれは意志を持って引き起こされた事件)

葉隠(桑田っちや大和田っちのように偶発でない以上、根っこを解決しないと事件発生を防げない)

霧切「大神さんの側に着く以上、それは私の仕事ね」

霧切「どうにか説得して見せるから、あなたは他の人……特に苗木君が妨害しないように努めてちょうだい」

葉隠「分かったべ!」

葉隠(いやーほんと霧切っちがいると考えがすいすい纏まるな)

7 : ◆YySYGxxFkU - 2015/07/19 01:13:05.53 SWij/7TR0 539/912

霧切「事件に関しては以上だけど……もう一つ考えないといけない事態があるわね」

葉隠「ん? 何かあったか?」

霧切「アルターエゴのことよ」

葉隠「ああ、そういえば」

霧切「今回セレスさんが起こした事件では、十神君に罪をなすりつけるために個室に置かれた」

霧切「つまり監視カメラを通じてモノクマにはその存在がばれているのよ」

葉隠「確かに……」

霧切「まあ、もともとモノクマは私たちにヒントを与えるためにパソコンを残していたみたいだから、前周回でも存在は知っていたでしょうけどね」

霧切「そういう背景もあってか今周回も放置されている」

葉隠「でも、今回はモノクマのことを調べさせる必要は無いだろ。俺たちが全部知っているわけだし」

霧切「そう、だからその役目としてのアルターエゴは必要ない」

霧切「だけどアルターエゴには、もう一つ命を賭して果たしたことがあったでしょう?」

8 : ◆YySYGxxFkU - 2015/07/19 01:15:57.49 SWij/7TR0 540/912

葉隠「……あ!」

葉隠(そうだ。前周回ではこの次に当たる第五の事件)

葉隠(モノクマの策略に嵌った霧切っちを庇っておしおきを受けた苗木っち)

葉隠(そのおしおきを止めたのはアルターエゴのウイルスだった)

霧切「苗木君があんな状態である以上、同じことが起こるとは思えない」

霧切「だから、その役目も必要ない。今周回はそのまま何もしないべき、と言いたいところだけど……」

葉隠「けど、おしおき装置にウイルスを送って駄目にしておくのは良い手だよな」

霧切「そうね、もし事件が起きてもクロの命を救うことが出来る」

霧切「それにあの出来事があったのだからモノクマを最後の裁判に引きずり出すことが出来たわけだし」

霧切「だけど……そうすると確実にアルターエゴは壊される」

9 : ◆YySYGxxFkU - 2015/07/19 01:16:47.20 SWij/7TR0 541/912

葉隠「難しい二択だべ……」

霧切「正直私にもどちらの選択が正しいのか分からないわ」

霧切「だからこの件は葉隠君の直感に任せたいの」

葉隠「お、俺!?」

霧切「ええ」

葉隠(大変な役目を任された。二択か……)

葉隠(アルターエゴに何もさせない……そうすればアルターエゴは壊されない)

葉隠(けど、その代わりおしおきが発生した時に止める手立てが無くなる)

葉隠(だがそれを対策しようと、モノクマのコンピュータにハッキングをかけさせるとバレて壊されるだろう)

葉隠(そこまでして、この後もし何事もなくコロシアイ学園生活を終えることが出来たらアルターエゴは無駄死にだ)

葉隠(どっちを取るべきか……)

10 : ◆YySYGxxFkU - 2015/07/19 01:17:24.78 SWij/7TR0 542/912

霧切「一応持ってきてるわ、選択の足しになればと」

葉隠(霧切っちがノートパソコンを開いて電源を付ける)

アルターエゴ『あ、葉隠君! 久しぶり!』

葉隠「アルターエゴ……」

葉隠(俺はどうすべきか)

葉隠(それを決断するためにアルターエゴに質問をしてみた)

葉隠「なあ、アルターエゴ。おまえは俺たちのことを仲間だと思っているか?」

アルターエゴ「うん、当然だよ」

葉隠「……もし、仲間が死ぬとしたら命を賭けてでも助けるべきだと思うか?」

アルターエゴ「うーん……難しいけど、僕は機械だから。なれるなら僕が犠牲になったほうがいいって思うかな」

11 : ◆YySYGxxFkU - 2015/07/19 01:17:58.41 SWij/7TR0 543/912

葉隠「分かった……霧切っち」

霧切「決心がついたのね」

葉隠「ああ。アルターエゴにはこのまま何もさせない」

霧切「……そう」

葉隠(俺たちを仲間だと思ってくれて、そして仲間のためなら犠牲になってくれる)

葉隠(それならアルターエゴを使うべきなのかもしれない)

葉隠(だけど機械なのに……おかしなことに俺もアルターエゴのことを仲間だと思っている)

葉隠(そして仲間を犠牲にしたくないと思うのは当然だ)

葉隠「俺たちが頑張ればアルターエゴの役目は必要ないんだべ」

葉隠「そのために頑張るべ!!」

霧切「良い心がけね。……私も同じ気持ちだわ」

葉隠(そして対策会議は終わる)







葉隠(後にこの判断を後悔することになるとは、当然この時は知る由も無かった)


12 : ◆YySYGxxFkU - 2015/07/19 01:18:54.13 SWij/7TR0 544/912

<数日後>

葉隠(動き出すのは動機が発表されてから。それ以前にオーガが内通者だと知っていてはおかしいので、仕方ない判断だ)

葉隠(この数日俺は束の間の休息を取っていた)

葉隠(そしてこの日を迎える)

<体育館>

モノクマ「それじゃあワックワク、ドッキドキの動機発表の時間だよ!」

葉隠(俺たちは体育館に集められていた)

苗木「楽しみだねえ」

大神「悪趣味な」

十神「ふんっ、それで今回の動機は何なんだ?」

腐川「な、何なのよ?」

モノクマ「実はですね……皆さんの中に今までボクと通じて動いていた内通者がいます!!」

13 : ◆YySYGxxFkU - 2015/07/19 01:20:08.18 SWij/7TR0 545/912

葉隠「………………」

葉隠(一周目通りの展開だな)

大神「……っ!?」

十神「いるとは思っていたが……プレイヤー間でバランスが取れていないゲームは不公平だな」

腐川「そ、そうよ! 不公平よ!」

十神「……さっきから、俺のマネをするな、このメスが」

腐川「メ、メス……っ!?」

苗木「へえ……今回の動機は疑心暗鬼ってところかな」

モノクマ「うぷぷっ、鋭いねえ、苗木クンは」

苗木「そんな褒められるほどじゃないよ」

苗木「だけど……今までに比べて随分とぬるい動機だね?」

14 : ◆YySYGxxFkU - 2015/07/19 01:22:55.63 SWij/7TR0 546/912

苗木「十神君が言っていた通り、この中に運営側の内通者がいるかもしれないっていうことは誰もが考えることだよ」

苗木「その存在を肯定することで、確かに疑心暗鬼は生じるけど元から思っていたことだからその効果も薄い」

苗木「こんな絶望からじゃ絶対的な希望は生まれないよ?」

モノクマ「早とちりしないでよ、苗木クン。先生の話は最後まで聞きましょうって教わらなかった?」

モノクマ「僕はまだ全部の発表を終えていないよ」

苗木「あれ? これは一本取られたかな?」

十神「……それで、残りの発表っていうのは何だ?」

モノクマ「そう急かさないで、急かさないで」

モノクマ「もう一つの発表っていうのは、その内通者の正体を教えます!」

大神「……っ!?」

15 : ◆YySYGxxFkU - 2015/07/19 01:24:04.61 SWij/7TR0 547/912

葉隠「………………」

葉隠(これまた想定通り……)

十神「ほう、それは気になるな」

苗木「とか言っている十神君が内通者だったりしないの?」

十神「ふんっ、俺様がこんな小悪党に従って動くだと? まっぴらごめんだ」

モノクマ「小悪党だなんて……学園長に対して失礼だなあ」

モノクマ「まあ、十神クンの言う通り彼は内通者じゃないけどね」

葉隠(モノクマが内通者の正体……オーガのことを明かした瞬間から次の事件は始まるようなものだ)

葉隠「………………」

葉隠(今度こそ防いで見せる)

モノクマ「まあいいや、早速発表しましょう」

葉隠(苗木っちという最大の不確定要素がいる以上、今回も一周目と違う展開……イレギュラーは起きるだろう)

葉隠(それでも今回は霧切っちっていう協力者がいる)

葉隠(絶対にこの六人で帰ってみせるべ!!)



胸の中に秘めたる決意を新たにする葉隠。

しかし葉隠の、そして霧切の考えは希望的観測過ぎた。

そしてこのコロシアイ学園生活――大抵の希望は裏切られる。


16 : ◆YySYGxxFkU - 2015/07/19 01:26:04.01 SWij/7TR0 548/912








モノクマ「内通者の正体……それは葉隠康比呂クンです!!!」








17 : ◆YySYGxxFkU - 2015/07/19 01:27:02.12 SWij/7TR0 549/912

葉隠「………………へ?」

大神「なっ……!?」

十神「ふっ……そうか」

腐川「は、葉隠が……?」

苗木「なるほどねえ」

霧切「このタイミングで……っ!?」



開幕早々起こったイレギュラー。二周目の葉隠が内通者だとは思えない。

だとすればこれは嘘の発表。

それを行ったモノクマの意図を、霧切はすぐに見抜いた。



霧切(そうだったわ……私も考えてはいたじゃない)

霧切(モノクマが静かすぎる、コロシアイ学園生活を進める上で邪魔な葉隠君を攻撃してくるかもしれない)

霧切(ルール上モノクマは直接手を出すわけには行かないけど、ルール内で邪魔する方法を持っている)

霧切(その一つがこれ……ということね)

霧切(これで前周回大神さんに向いていた敵意は全て葉隠君に向く……)

霧切(してやられたわね)



波乱の幕開け。

葉隠は事件を防げるのか?

いや……そもそも。



霧切(葉隠君が殺される……なんて展開にならないわよね?)



モノクマ「うぷっ……うぷぷぷぷっ」


18 : ◆YySYGxxFkU - 2015/07/19 01:27:51.21 SWij/7TR0 550/912



C H A P T E R 4


『そして誰かが罰を受けた』


(非) 日 常 編



42 : ◆YySYGxxFkU - 2015/11/23 20:56:18.91 SoJc2Ar40 551/912

葉隠が黒幕側の内通者。そのカミングアウトを受け、混乱する場。

その中、口を開いたのは十神だった。

十神「ほう、なるほどな」

腐川「ど、どうしたんですか白夜様」

十神「葉隠が内通者……確かにそれなら今まで持ってた違和感にも説明が付く」

霧切「違和感?」

十神「ああ。一回目の裁判の時だ」

十神「葉隠は捜査時間開始前から占いだと称して、苗木がクロでは無いと言った」

十神「被害者は苗木の部屋にいた、自身も犯行を認めている、そして捜査もまだしていないのにそう断言したんだ」

43 : ◆YySYGxxFkU - 2015/11/23 20:56:53.34 SoJc2Ar40 552/912

霧切「……葉隠君の勘が凄かったんじゃないかしら?」

十神「勘か……貴様にしては珍しく曖昧なものを信じるんだな」

十神「どう考えてもモノクマが内通者の葉隠に、苗木がクロじゃないことを教えたに決まっているだろ」

霧切「どうしてそんなことをモノクマはしたのかしら?」

十神「決まっている。これだけの規模で準備したコロシアイ学園生活を一回目の裁判で終わらせたくなかったんだろう」

十神「さすがに最初から自身の死を覚悟してクロに協力する生徒が出るのは想定外だったのか?」

霧切「そんなことあるわけ……!」

モノクマ「うぷぷっ、バレちゃったか。その通りだよ、十神クン」

十神「どうした、霧切? こうして本人が認めているぞ?」

霧切「っ……!」

44 : ◆YySYGxxFkU - 2015/11/23 20:57:41.85 SoJc2Ar40 553/912

十神「二回目の事件の時もそうだ。葉隠が殺された大和田の周りを嗅ぎまわっていたことは聞いているし」

十神「三回目もちょうどよくセレスと苗木のアリバイに使われていた」

十神「こいつは事件に関わりすぎている……それもモノクマに命じられたのだと考えれば説明が付く」

モノクマ「うぷぷっ、その通り! さすがの洞察力だね十神クン!」

十神「ふん、この程度の推理造作もない」

霧切(的外れな推理を褒められ図に乗る十神君)

霧切(しかし、そう思うのも仕方ないでしょうね)

霧切(これまでの葉隠君の行動は占いという理由で誤魔化していたけど、どうしても察しが良すぎる)

霧切(葉隠君が一周目の記憶を持って行たからだという事情を知っていなければ、私だってそう思っていただろう)

霧切「…………」

霧切(ゲームマスターのモノクマに悪意を持たれては……弁明は無理そうね)

霧切(これ以上言い返しても私の心証を悪くするだけ)

霧切(葉隠君には申し訳ないけど……この場で私に出来ることは無いわね)

45 : ◆YySYGxxFkU - 2015/11/23 20:58:39.42 SoJc2Ar40 554/912

霧切(他の人の様子は……)

腐川「ふ、ふんっ、どうせ何も知らずに踊っている私たちをみて嘲笑ってたんでしょう!」

霧切(腐川さんは憤慨している様子……)

大神「…………」

霧切(大神さんは状況が整理できていないようね)

霧切(それもそのはず……本当は彼女が内通者なのに葉隠が内通者だと言われたのだから)

霧切(彼女の頭の中では今、色々な可能性が巡っているはず)

苗木「ふーん……」

霧切(苗木君は……表面上は納得しているようだけど、内心どう思っているのか全く読めない)

46 : ◆YySYGxxFkU - 2015/11/23 20:59:06.48 SoJc2Ar40 555/912

霧切(そして葉隠君は――――)





葉隠(俺が……内通者……?)

葉隠(モノクマは何を言ってるんだべ。内通者はオーガの方で……)

葉隠(というかどうして一周目と違って……まさかもうイレギュラーが……)

苗木「ちょっと聞いていい、モノクマ?」

モノクマ「なになに、苗木クン?」

47 : ◆YySYGxxFkU - 2015/11/23 20:59:49.56 SoJc2Ar40 556/912

苗木「いや、葉隠君が内通者だってのは分かったけど、具体的に彼に何をさせていたの?」

モノクマ「それはまあ十神クンがちょっと触れてたけど情報収集だったり、動いてもらったりだよ」

モノクマ「監視カメラだけじゃ分からないことだったり、手を出せないこともあるからね」

モノクマ「実際に同じプレイヤーとして接する内通者がいる方が色々都合がいいでしょ?」

苗木「うーん……まあそうだけどさ」

苗木「プレイヤーとして動く以上、殺される危険もあるよね?」

十神「当たり前だろ。そういうゲームだからな。……だが、おまえの言いたいことは分かったぞ」

苗木「あ、分かっちゃった?」

十神「つまりこういうことだろう。リスクがある以上、何らかのリターンが葉隠に合ったんじゃないか、と」

48 : ◆YySYGxxFkU - 2015/11/23 21:00:29.44 SoJc2Ar40 557/912

葉隠(何だ……何が話されてるんだ……?)

葉隠(俺のことが話されているのに、どうして俺が一番理解できないんだべ……?)

モノクマ「うぷぷっ、そりゃもちろんだよ!」

モノクマ「僕は福利厚生はしっかり考えるクマだからね!」

十神「いいから、答えろ。葉隠が貰っていたリターンは何だ?」

モノクマ「それは簡単な話だよ」

モノクマ「このコロシアイ学園生活で殺されない権利……だよ」

腐川「な、何よそれ……」

十神「……フェアじゃないな」

大神「…………」

霧切「くっ…………」

苗木「それはそれは……」

モノクマ「監視カメラで校舎内を監視しているボクをもってすればこれくらいは簡単なことだよ」

モノクマ「それに本来は安全な黒幕側だよ? わざわざプレイヤー側に立つなんて、これくらいなきゃしないって」

葉隠「ちょ、ちょっと待つべ!!」

葉隠「内通者とか、殺されない権利だとかさっきから何を言ってるんだべ!!?」

49 : ◆YySYGxxFkU - 2015/11/23 21:01:18.28 SoJc2Ar40 558/912

モノクマ「……ああもう、白けるなあ」

モノクマ「あのね、葉隠クン。もう演技しなくていいんだよ?」

葉隠「だから演技とか何を言ってるんだべ!?」

十神「見苦しいぞ葉隠。ゲームマスターのモノクマが嘘をつくはずないだろうが」

腐川「ほ、ほらやっぱり! 自分一人殺されない立場から私を笑ってたんでしょ……!」

大神「葉隠……」

葉隠「俺は……俺は……!」

苗木「あはっ、つまりこういうことか」

苗木「葉隠君は他の仲間を犠牲にしてここまで生きてきたと」

葉隠「そ、そんなこと……!?」

苗木「内通者として……黒幕側として動くっていうのはそういうことでしょ?」

50 : ◆YySYGxxFkU - 2015/11/23 21:01:57.64 SoJc2Ar40 559/912

モノクマ「言われてみればそうかもしれないね」

葉隠「…………」

葉隠(俺は……みんなを助けようとして動いていたのに……)

葉隠(どうして……どうしてそんなことになるんだべ)

モノクマ「おっと……話しすぎちゃった。もうこんな時間か」

モノクマはそう言うと姿を消し、同時にアナウンスが鳴った。

モノクマ『まもなく夜時間です。生徒の皆さんは……』

霧切「……とりあえずもう夜時間だし、今日は解散にしましょうか」

霧切の一言でその場は解散となった。

59 : ◆YySYGxxFkU - 2015/11/28 23:17:42.77 +CTnFgNv0 560/912

<その日の夜・葉隠自室>

葉隠(モノクマが行った俺が内通者という発表)

葉隠(それは嘘だ。俺自身が一番それを分かっている)

葉隠(だけど……どうしてそんな嘘をついたんだ……?)

ピンポーン

葉隠「ん、誰か来たのか?」

葉隠(確認してみるか……っと)ガチャ

霧切「…………」

葉隠「あ、霧切っち」

霧切「付いて来なさい」

葉隠(霧切っちはそれだけ言うと、部屋に入らずに踵を返す)

葉隠「ちょ、ちょっと待つべ!!」

60 : ◆YySYGxxFkU - 2015/11/28 23:18:16.46 +CTnFgNv0 561/912

<脱衣所>

葉隠(霧切っちに連れて来られたのは脱衣所。監視の目が無い場所)

葉隠(つまり、モノクマに聞かれるとマズい話をするということなのだろう)

葉隠「それで霧切っち、何の話なんだべ?」

霧切「話の前に一応確認しておくけど……モノクマが言った内通者って話」

霧切「あなた、身に覚えが無いのよね?」

葉隠「と、当然だべ!! そうだ、どうして俺が内通者だってことになってんだべ!」

葉隠「こんなの一周目には無かったはずだべ!」

霧切「……とりあえず、私の考えを伝えておくわ」

61 : ◆YySYGxxFkU - 2015/11/28 23:18:44.78 +CTnFgNv0 562/912

葉隠(そして霧切っちは語った)

葉隠(以前言っていたモノクマのルール内での妨害。それが俺への内通者宣告として行われたのではないか、と)

霧切「現在、モノクマの狙い通りに葉隠君に対するヘイトが高まっている」

霧切「このままだと……次に殺されるのはあなたになるでしょうね」

葉隠「殺されるのなんて御免だべ!!」

霧切「誰だってそうに決まっているわ」

霧切「しかし……モノクマも随分と嫌らしい手を打ってきたわね……」

葉隠「……? どういうことだべ?」

62 : ◆YySYGxxFkU - 2015/11/28 23:21:54.86 +CTnFgNv0 563/912

霧切「十神君が口にしていたのだけど」

霧切「葉隠君は今まで事件を防ごうと、クロになる予定の生徒を探っていたわよね?」

葉隠「そうだべ」

霧切「あなたは一周目の情報からクロになる生徒が分かったのだろうけど」

霧切「当然他の人は分かるわけが無い」

葉隠「……ん、そうだな」

霧切「一回なら偶然で片付いたかもしれないけど、それが三回も続いた」

霧切「となれば偶然なはずが無い……どこからか情報を得ているはずだ、ってことになるでしょう?」

葉隠「そ、それは……俺は超高校級の占い師なわけだし」

霧切「そこにモノクマの内通者という発言。占い師と内通者、どっちの方が現実的だと思う?」

葉隠「……後者だべ」

63 : ◆YySYGxxFkU - 2015/11/28 23:26:51.76 +CTnFgNv0 564/912

霧切「それに葉隠君は内通者だという宣言をされて混乱したでしょう?」

葉隠「そ、そりゃ……一周目には無かったわけだし」

霧切「まあそうね。私も最初は動揺したし、それはしょうがないことなのかもしれない」

霧切「だけど他の人から見たら……内通者だとばらされて困っているという印象を与えてしまったのよ」

霧切「その後で反論はしていたけど、時すでに遅し。モノクマの言った通り、皆には演技だと見られたでしょうね」

葉隠「そんな……」

霧切「クロを嗅ぎまわっていたという前提、内通者だとばらされた際の反応」

霧切「この二つが揃ったせいで、十神君、腐川さん、苗木君の中で葉隠君が内通者だという情報が信じられてしまった」

霧切「これが例えば十神君が内通者……とかだったら十神君は毅然と反論しただろうし、葉隠君みたいにクロの周りを嗅ぎまわっていたことも無かったから誰も信じなかったでしょうね」

霧切「ゲームマスターのモノクマは外の人たちを絶望させるためにもルールを守らなければならない」

霧切「だからあからさまな嘘を付くわけには行かないのだけど、この嘘は信じられる可能性が高いと見て……実際に信じられたわ」

霧切「それでも失敗するリスクがあった以上、モノクマは何としてでも葉隠君を排除したいって考えているようね」

葉隠「そうか……」

葉隠(ようやく状況が呑み込めてきた。確かにモノクマの打って来た手は秀逸だべ)

葉隠「……って、あれ? オーガは俺が内通者だって信じていないのか?」

64 : ◆YySYGxxFkU - 2015/11/28 23:28:06.03 +CTnFgNv0 565/912

霧切「大神さんは……今のところ分からないわね」

霧切「私たちが絡んでいないところでイレギュラーが発生しないことから、大神さんは今周回も内通者だったと考えられる」

霧切「そこに葉隠君も内通者というモノクマの発言」

霧切「二人内通者がいたのかと考えるか、それとも葉隠君が内通者というのは嘘だと考えているか……」

霧切「他にもモノクマが何か吹き込んでいる可能性……など考え出したらキリがないわね」

葉隠「そうか……」

霧切「それと恐らくだけど、大神さんはこの周回モノクマにまだ反抗していないのだと思われるわ」

葉隠「反抗……そういえば」

葉隠(前周回で苗木っちが言ってたな。体育館でモノクマとオーガが争っているのを見たって)

葉隠「どうしてだべ?」

65 : ◆YySYGxxFkU - 2015/11/28 23:28:37.09 +CTnFgNv0 566/912

霧切「前周回の動機発表、一応の名目上は『目には目を、歯には歯を』で裏切った大神さん相手に、モノクマも裏切って内通者という正体をバラしたということになっていた」

葉隠(そういや『メニワメヲ、ハニワハヲ』なんていう謎呪文だと思ったりもしたなあ……)

霧切「今周回も同じ条件なら、葉隠君と一緒に大神さんも内通者としての正体をばらされていたでしょうね」

葉隠「だけどオーガについては何も触れなかった……」

霧切「そういうこと。そこから反抗していないと推測できる」

葉隠「それは分かったけど……イレギュラーだよな?」

霧切「そうね。一周目とは違う」

霧切「理由は……そうね、彼女を反抗にまで突き動かした原動力が今周回では失われているからかしら」

葉隠「オーガを動かしている原動力……それって」

葉隠(そうだ、今周回の三回目の事件では三人が殺されたのだ。その中には……)

霧切「そう、朝日奈さんがいないことが大神さんのイレギュラーに影響しているのでしょう」

66 : ◆YySYGxxFkU - 2015/11/28 23:29:34.74 +CTnFgNv0 567/912

霧切「そういうわけで、前周回と状態が違いすぎて、大神さんの今の状態が分からない」

霧切「直接話して確認するしかないわね」

葉隠「そうか……」

霧切「それでこれから動くにあたって、葉隠君に選択してもらいたいことがあるのだけど」

葉隠「何だべ?」

霧切「私の立場の置き方についてよ」

67 : ◆YySYGxxFkU - 2015/11/28 23:31:13.40 +CTnFgNv0 568/912

葉隠「霧切っちの?」

霧切「ええ。私が葉隠君側を擁護する側に付くか、それとも非難する側に付くか」

霧切「今、葉隠君は内通者との宣告を受けてヘイトが溜まっている」

霧切「それを私が擁護する側に移ればヘイトは分散するし、いざとなったときに助けることが出来る」

霧切「その代わり他の人たちと溝が出来て、私も動くのが困難になるでしょうね」

霧切「逆に、非難する側に付いた場合」

霧切「私は表立って葉隠君を庇うことは出来なくなるし、いざという時も難しくなる」

霧切「けれど、他の人たちと同じ立場な以上調査だったりはしやすくなる」

霧切「後は中立という選択もあるけど、どっちのデメリットも受けるからこれは無しね」

霧切「擁護にも非難にもメリットデメリットはあるわ」

霧切「まだ私は態度をはっきりさせてないから、どっちでも選べるけど……」

葉隠「それを俺に選んでほしいってわけか」

霧切「そういうこと。超高校級の占い師の方がいい選択できそうじゃない」

68 : ◆YySYGxxFkU - 2015/11/28 23:31:41.77 +CTnFgNv0 569/912

葉隠「うーん……」

葉隠(霧切っちは期待しているようだったが、インスピレーションは降ってこない)

葉隠(となれば考えて答えを出すしかないだろう)

葉隠(まず前者、霧切っちが擁護する側に付いた場合)

葉隠(この時俺は霧切っちと行動を共にすることが出来る)

葉隠(それは頼もしいことだ)

葉隠(逆に、中立になると霧切っちと別れて行動することになるだろう)

葉隠(俺の判断だけでこのコロシアイ学園生活を生きて行けるかというと…………)

葉隠「…………」

霧切「決まったかしら?」

葉隠「……ああ」

69 : ◆YySYGxxFkU - 2015/11/28 23:32:31.56 +CTnFgNv0 570/912

葉隠「霧切っちは非難する側に付いてほしい」

霧切「……理由を聞いてもいいかしら」

葉隠「まずは……俺を擁護する側に付いた場合、霧切っちにもヘイトが分散するって話だったよな?」

霧切「そうね」

葉隠「その分俺のヘイトが薄まるって話だったけど……その分霧切っちも危険度が上がることになる」

霧切「その程度のリスク私は気にしないわ」

葉隠「それでも俺は仲間を危険な状態にしたくないんだべ」

霧切「…………」

葉隠「殺される可能性が高い言っても、最悪部屋に籠ってればそう簡単に殺されたりはしないはずだべ」

葉隠「それに俺なんて言う足手まといが付くより、霧切っち一人の方が動きやすいだろ?」

霧切「……ふふっ、それはそうね」

葉隠「……あ、いや、そこは否定して欲しかったんですが」

霧切「分かったわ。私も頑張ってこの状態を何とかして見せる」

霧切「だから……くれぐれも殺されたりしないようにね」

葉隠「分かったべ」

70 : ◆YySYGxxFkU - 2015/11/28 23:33:06.99 +CTnFgNv0 571/912

<翌日朝>

葉隠(俺は朝食を取ってから部屋に戻ってきた)

葉隠(他の人にはどうやら避けられているようで、誰とも会っていない)

葉隠(俺はこれからの動き方を考えていた)

葉隠「部屋に籠るのは最終手段だべ。俺にも何か出来ることは無いか……?」

葉隠(内通者としての誤解を解く……そんな方法あるだろうか?)

ピンポーン

葉隠(ドアベルが鳴る……)

葉隠「……?」

葉隠(この部屋をわざわざ訪れる心当たりがない)

葉隠(霧切っちは動いているだろうし、他のみんなは俺に対してヘイトを高めている)

葉隠(だったら……?)

??「葉隠君、私よ」

葉隠「……って、あれ? 霧切っちか」

葉隠(何か伝え忘れたことでもあったのだろうか?)

71 : ◆YySYGxxFkU - 2015/11/28 23:33:45.34 +CTnFgNv0 572/912






苗木「やっほー、葉隠君」





葉隠「……っ!?」

葉隠(ドアを開けるとそこには苗木っちがいた)

葉隠(どうして? わざわざこの部屋を……?)



苗木「あらあら、混乱しているみたいだけど……」

苗木「ちょっと話でもしないかい?」

77 : ◆YySYGxxFkU - 2015/12/06 13:01:53.57 Oq/g8jrY0 573/912

<時は遡って朝>

<食堂>

苗木「珍しいね十神君が食堂に来るなんて」

十神「昨日の今日だ。おまえらの立ち位置を把握してやろうと思ってな」

霧切(どうしてそんなに偉そうなのかしら……?)

腐川「葉隠以外は全員揃っているみたいね……」

十神「当然だろう。内通者だとばらされたのにわざわざ姿を見せるはずが無い」

霧切(……今出てきてもヘイトを高めるだけ。葉隠君には考え無しに姿を見せるなとは言っているけど……)

大神「………………」

78 : ◆YySYGxxFkU - 2015/12/06 13:02:43.74 Oq/g8jrY0 574/912

腐川「部屋に籠るなんて浅ましいわね……」

腐川「ど、どうせ次に死ぬのは葉隠よ」

腐川「こういうときに孤立した人間から殺されるのは定番だもの……!」

霧切(確かに探偵としてそういうケースは何回か見てきたことがあるけど……)

十神「…………」

腐川「……? どうしましたか、白夜様?」

十神「いや……少し疑問が」

霧切(疑問?)

苗木「奇遇だね。僕もちょうど疑問を持ったところだよ」

十神「すり寄ってくるな、苗木」

十神「まあいい。こういうときは直接聞いた方が早いだろう……モノクマ!!」

79 : ◆YySYGxxFkU - 2015/12/06 13:03:11.01 Oq/g8jrY0 575/912

モノクマ「はいはい、何、十神クン?」

霧切「いつもながら神出鬼没ね」

十神「質問がある、答えろ」

モノクマ「えー、それは内容によるなあ」

モノクマ「……はっ! ボクのスリーサイズは、って聞かれても答えられないからね!」

十神「そんなこと誰が聞きたがる」

十神「質問は……葉隠に課せられた特権。コロシアイ学園生活で殺されない権利は今も有効かどうかということだ」

80 : ◆YySYGxxFkU - 2015/12/06 13:03:47.68 Oq/g8jrY0 576/912

霧切「…………」

霧切(そういえばそんなこと言ってたわね……)

霧切(葉隠君が内通者なわけが無いと思ってたから聞き流していた)

霧切(モノクマがあの発言をした意図は……そうね、二つほど考えられる)

霧切(一つ目がみんなに葉隠君が内通者だと信じさせるために、保身を考えそうな彼が求めそうな特権を言った)

霧切(二つ目が葉隠君を絶望させるため。苗木君が指摘したように、今までみんなを助けるために行った行動を自らの保身のためと反転させる)

霧切(そしてその役目はもう果たされた)

霧切(だからこのコロシアイ学園生活から葉隠君を排除するために……モノクマは特権の撤回を言うだろう)

霧切(理由などいくらでもでっち上げられるわけだし――――)



モノクマ「ああ、それ? まだ有効だよ」



霧切「…………っ!」

81 : ◆YySYGxxFkU - 2015/12/06 13:04:17.84 Oq/g8jrY0 577/912

十神「ちぐはぐだな。葉隠を裏切ったと思ったら、殺されないように守るなんて」

十神「どういう了見だ?」

モノクマ「うぷぷ……さあねえ?」

苗木「殺されない権利……正確には葉隠君の殺人を企んでいる人がいたら、葉隠君に教えるってことでいいのかな?」

モノクマ「まあそういう認識で構わないよ」

苗木「ふうん……なるほどねえ」

霧切(どういうこと……?)

霧切(葉隠君を排除するためにモノクマは内通者宣言をしたはずが…………)

霧切(いや、もしかしてその認識が間違いだった……?)

霧切(モノクマの目的はいつだって『絶望』)

霧切(内通者宣言で葉隠君を孤立させたのは、他の人との接触を困難にするため)

霧切(つまり……今までみたいにクロになる人間との接触を出来なくして、殺人を防がせないようにする)

霧切(そして葉隠君自身は殺されない権利で絶対に殺されない)

霧切(為すすべがないまま仲間が仲間を殺す様を見せて、葉隠君を絶望させる――)

霧切(それが目的……?)

82 : ◆YySYGxxFkU - 2015/12/06 13:04:51.25 Oq/g8jrY0 578/912

<戻って、葉隠部屋>

葉隠(結局押し切られる形で苗木っちを部屋に上げてしまった)

葉隠(しかし、何の用でここに?)

苗木「そう警戒しないでって。さっきも言った通り話に来たんだよ」

葉隠「話?」

苗木「そう、葉隠君はいなかったけど、朝こういう一幕があってね……」

葉隠(そして朝モノクマから聞いた話を苗木っちは俺に語った)

83 : ◆YySYGxxFkU - 2015/12/06 13:05:19.74 Oq/g8jrY0 579/912

葉隠「殺されない権利が継続……?」

葉隠(元々そんなの無いはずなのに)

葉隠(モノクマはどういうつもりでそんなことを……?)

苗木「そういうこと」

苗木「良かったねえ、葉隠君の希望が繋がって」

葉隠「どういうことだべ?」

苗木「だってそうでしょ。葉隠君はモノクマの内通者をしてでも、このコロシアイ学園生活を生き残ろうとした」

苗木「何としてでも生き残る……それが君の希望なんでしょ?」

84 : ◆YySYGxxFkU - 2015/12/06 13:05:47.92 Oq/g8jrY0 580/912

葉隠「……違う」

苗木「へえ、何が違うのかな?」

葉隠「俺の希望は一人も犠牲を出さずにこのコロシアイ学園生活を終えることだべ」

葉隠「そりゃもう何人も犠牲が出た……でも、これからは絶対に……!」

苗木「なのに内通者をしてたって言うの?」

葉隠「だから違うんだべ!! それはモノクマの嘘だべ!!」

苗木「…………」

葉隠「…………」

苗木「このまま話し合ってもいいけど、平行線になりそうだね」

葉隠「だな」

85 : ◆YySYGxxFkU - 2015/12/06 13:06:13.35 Oq/g8jrY0 581/912

苗木「だったら行動で示して見せてよ」

苗木「この孤立した状態で誰も犠牲を出さなかったなら、葉隠君は本気でその希望を持っているって認めよう」

葉隠「……苗木っちはどうするつもりだべ」

苗木「僕は葉隠君を否定する。希望ヶ峰の生徒として、超高校級の高校生として、矛盾している葉隠君の行動を希望と認めるわけには行かない」

葉隠「否定って……まさか誰かを殺すつもりで……!」

苗木「さあ、どうだろうね。否定する方法までは教えないよ」

葉隠「苗木っち……!」

苗木「ふふっ、そういうことだから。じゃあね」

86 : ◆YySYGxxFkU - 2015/12/06 13:06:47.29 Oq/g8jrY0 582/912

葉隠(苗木っちが部屋から出て行こうとする……)

葉隠「…………」

葉隠(どうして今周回の苗木っちはこんな風になってしまったのか……)

葉隠(舞園っちが死んでから希望、希望って……)

葉隠「……? ちょっと待ってくれ、苗木っち」

苗木「何だい?」

葉隠「ちょっと聞きたいことがあって……苗木っちはいつも希望とか、絶対的な希望とか言うよな」

苗木「そうだね」

葉隠「その希望って……具体的には何なんだべ?」

苗木「……そうか、ちゃんと語ったことが無かったね」

苗木「僕が言っている希望っていうのは――――」

87 : ◆YySYGxxFkU - 2015/12/06 13:07:15.29 Oq/g8jrY0 583/912






苗木「……? 何なんだろう?」





葉隠「は?」

苗木「僕が言っている希望って……あれ?」

葉隠「ふざけてるのか、苗木っち?」

苗木「いや、そんなつもりは……あれ、あれ?」

葉隠「……?」

葉隠(戸惑っている苗木っちにふざけている様子は無い)

苗木「…………」ダッ!バタン!

葉隠(苗木っちはそのまま扉を開けて出て行った)

葉隠「今のは一体……?」

98 : ◆YySYGxxFkU - 2016/01/08 21:24:04.15 tdhTsMsG0 584/912

<???>

大神「モノクマ……聞いてないぞ」

モノクマ「聞いてない? 何を?」

大神「葉隠のことだ」

モノクマ「ああ、もう一人の内通者のことね」

モノクマ「まあ二人とも役割が違うからさー」

モノクマ「葉隠クンは調査、そして大神さんは始動役……もっとも舞園さんのおかげで必要なかったけど」

モノクマ「別に二人が連携する必要がある事態もあると思えなかったし、個別で動いてもらってたんだよ」

大神「……そうか」

大神「それで我は何をすればいいのだ?」

モノクマ「あ、大神さんはこのまま待機でいいよ。普通に学園生活を楽しめばいいからね」

大神「この状況で楽しむか……悪趣味だな」

モノクマ「うぷぷっ……うぷぷぷぷぷ」

99 : ◆YySYGxxFkU - 2016/01/08 21:24:35.98 tdhTsMsG0 585/912

<食堂>

大神(朝食後それぞれがそれぞれの思惑のために行動を開始した)

大神(食堂に残っているのは我だけ)

大神(呑気にドーナツを食べながら……それが好物だった人間を追憶しているのはこの生活の中では停滞なのだろう)

大神(しかし……我にはもう成したいという思いがない)

大神「………………」

霧切「……少しいいかしら、大神さん」

大神「……!?」

大神(いつの間にか目の前に霧切がいた。……その程度の気配に気づかないくらい我は腑抜けてしまったのだろう)

大神「何か用か?」

100 : ◆YySYGxxFkU - 2016/01/08 21:25:23.10 tdhTsMsG0 586/912

霧切「葉隠君が内通者だと判明した問題についてだけど……大神さんはどのように考えているのかしら?」

大神「我か? そのような考え事は霧切の方が得意だと思ったが」

霧切「いえ、私の中で色々と可能性は上がってるのだけど、他の人の意見も聞いてみたいと思ったのよ」

大神「……そうか。なら、我の意見についてだが」

霧切「………………」

大神「どうでもいい……だな」

霧切「……葉隠君はモノクマと内通していたのよ? 明確に敵だと思うけれど」

大神「そうかもしれない。……だが、どうでもいいのだ」

大神「我は葉隠が内通者だろうと……いや、おそらくこのコロシアイ学園生活がどうなろうと構わないのだろうな」

大神「こう言うと必死になっているみんなには悪いだろうが」

霧切「……しょうがないわ。ありがとう、話聞かせてくれて」

101 : ◆YySYGxxFkU - 2016/01/08 21:26:30.59 tdhTsMsG0 587/912

<脱衣所>

葉隠(その日の夜、また霧切っちに呼び出された)

霧切「大神さんは敵にも味方にもならない」

霧切「そう考えた方が良さそうね」

葉隠「オーガが仲間になってくれれば頼もしかったんだけどな」

霧切「この状況、敵にならないだけでも随分マシでしょう」

葉隠「そうか」

葉隠(まあ、内通者宣言されて圧倒的に敵が多い状況で確かに救いなのかも知れない)

102 : ◆YySYGxxFkU - 2016/01/08 21:27:09.60 tdhTsMsG0 588/912

霧切「思ってた以上に朝日奈さんがいないことが応えているみたいね」

霧切「気力が無かったわ」

葉隠「あのオーガがなあ……」

霧切「こういうクローズドサークルで気力を失った人が殺されるという展開はよく見てきたけど」

葉隠(見てきたのか……探偵怖い)

霧切「そこは超高校級の格闘家……彼女を正面から殺すのは難しいでしょうね」

葉隠「一周目も俺とジェノサイダーの攻撃を食らって生きてたくらいだしな」

霧切「それより心配すべきは…………唆されて……」

葉隠「……?」

霧切「いえ、大丈夫でしょう。それで葉隠君、苗木君と会ったって聞いたけど」

葉隠「ああ、そうだべ! 聞いてくれ――」

103 : ◆YySYGxxFkU - 2016/01/08 21:27:47.34 tdhTsMsG0 589/912

霧切「誰も犠牲にしないという葉隠君の希望を否定する……」

霧切「随分と大胆に出てきたわね」

葉隠「苗木っち、何をするつもりだべ?」

霧切「二つあるわね。苗木君が誰かを殺すつもりなのかもしれないし」

葉隠「殺す……っ!? そんなの……!」

霧切「私に言われても困るわ。……全く本当に一周目とは別人ね」

葉隠「防げるのか……?」

霧切「……難しいわね」

104 : ◆YySYGxxFkU - 2016/01/08 21:28:44.53 tdhTsMsG0 590/912

霧切「葉隠君は一周目と今回の違い、分かるかしら?」

葉隠「違い?」

霧切「一周目は大っぴらに大神さんを弾劾する十神君と、それに反対する朝日奈さんで表に問題が出ていた」

霧切「けど、今回は葉隠君は部屋になるべく引きこもっているし、それを擁護する人間もいないことで見た目は静かに見える」

葉隠「霧切っちが動きにくくなるし、俺を庇うことでヘイトを集めるのも問題だからって話だったよな」

霧切「そうね。だからしょうがないのだけど、今の状況は水面下で何かを企てやすいということなのよ。現に苗木君も動くみたいだし」

霧切「私たちが夜になってから情報交換しているみたいに、他の人たちも動いているかもしれない」

葉隠「……一周目の記憶も通用しないこの状況で、それはまずくないか?」

霧切「だから難しいって言ったのよ」

葉隠「…………」

葉隠(霧切っちでさえ難しいというこの状況。俺が何か出来るのか?)

105 : ◆YySYGxxFkU - 2016/01/08 21:31:26.16 tdhTsMsG0 591/912

葉隠「霧切っちには何か考えがあるのか?」

霧切「頑張るしかないわね。探偵だって足を使わないといけないときはあるわ」

葉隠「精神論だべ……」

霧切「何、他人事みたいに言っているの?」

葉隠「え?」

霧切「この状況、切り抜けるには私一人だけでは無理よ。葉隠君にも頑張って貰うわ」

葉隠「俺も?」

霧切「……何? 私一人だけに頑張らせるつもりだったのかしら?」

霧切「相変わらずクズい思考は変わらないわね」

葉隠「いやいやいや。そうじゃなくて……俺なんかでも力になれるのか?」

霧切「今は少しでも人手が欲しい状況なの。あなたにも動いて貰うわ」

106 : ◆YySYGxxFkU - 2016/01/08 21:32:26.27 tdhTsMsG0 592/912

葉隠「でも……」

霧切「確かに状況は難しい。手がかりがなくて八方塞がりにも見える」

霧切「そういうときだからこそ基本に戻るのよ」

葉隠「基本に……」

霧切「ええ。複雑に絡み合ったように見える状況ほど、基本に立ち戻ってみれば驚くほどに簡単にほぐれることがある」

霧切「そういうことよ」

葉隠(そういうことよ……って言われてもなあ……)

葉隠(まあ、でもそうだ。せっかく霧切っちが俺を頼ってくれてるんだ。頑張るしかない)

葉隠「基本に戻る……分かったべ」

107 : ◆YySYGxxFkU - 2016/01/08 21:33:07.00 tdhTsMsG0 593/912

葉隠「……最後にすまん、ちょっと話を戻してもいいか?」

霧切「何かしら?」

葉隠「さっき霧切っちは苗木っちが俺の希望を否定する方法を聞いたとき、二つあるって言ったよな?」

霧切「言ったわね」

葉隠「一つは苗木っちが殺人を犯すこと。……だったらもう一つは何だべ?」

霧切「……先に言っておくけど、いくら苗木君だからってこの方法を取るのは難しいと思うわ」

霧切「コロシアイ学園生活という異常な状況に置いても、簡単には出来ることではない」

霧切「でも……そうね。三回目の事件で似たようなことを成功させた以上、やはり少しは警戒する必要があるかもしれない」



霧切「誰かに殺人を犯すよう誘導すること……それでも苗木君の目的は達せられるのだから」



葉隠「……!?」

108 : ◆YySYGxxFkU - 2016/01/08 21:33:42.16 tdhTsMsG0 594/912




<同時刻>

霧切が危惧したように、コロシアイ学園生活を生き残っている生徒たちは水面下で動き始めていた。




109 : ◆YySYGxxFkU - 2016/01/08 21:34:20.52 tdhTsMsG0 595/912


<十神自室>

十神「これなら……行けるはずだな」

十神(計画の細部を煮詰める。条件は整っている)

十神「………………」

十神(思えばこのコロシアイ学園生活。煽るようなことを言っておきながら、実際に動いては来なかった)

十神(だが、それもここまで)

十神「さて、動くとするか」


110 : ◆YySYGxxFkU - 2016/01/08 21:34:58.95 tdhTsMsG0 596/912

<腐川自室>

腐川(そ、そろそろよ……)

腐川(約束より一時間も早く来てしまったけど……しょうがないわよ)

腐川(だって今日は……びゃ、白夜様とデートなんだから)

腐川「えへっ……うへっ……」

腐川「……はっ! ゆ、夢!?」

腐川「ちょ、ちょっと待ちなさいよ! せっかく白夜様とデートってところで……!」

腐川「っ、そうだわ! 今すぐ寝直せば夢の続きが……」

腐川「それなら……」

腐川「…………」

腐川「zzz」

111 : ◆YySYGxxFkU - 2016/01/08 21:35:58.08 tdhTsMsG0 597/912

<大神自室>

大神「それで……こんな夜に何の用だ」

大神「苗木」



苗木「そんなに邪険にしないでもらえると嬉しいなあ」




116 : ◆YySYGxxFkU - 2016/02/08 23:36:28.77 sWhXhqtM0 598/912

時は少しさかのぼる――。

<夜・苗木の部屋>

苗木「さて、ああ言ったわけだし動かないとね……」

苗木(僕は昼の出来事を思い返していた)

苗木(葉隠君の希望を否定する、と宣戦布告して)

苗木(その後葉隠君が質問を――――)

苗木「……? 何の質問だったっけ?」

苗木(重要なことだった気もするけど、そうでない気もする)

苗木「……ま、いっか」

117 : ◆YySYGxxFkU - 2016/02/08 23:47:58.62 sWhXhqtM0 599/912

苗木「それより葉隠君の希望を否定する方法はどうしようかな?」

苗木(自分から仲間を売っておきながら、全員で生還すると宣った葉隠君)

苗木(超高校級の生徒としてあるまじき行為)

苗木(矛盾した彼を咎めるためには……)

苗木「誰かを殺すこと……か」

苗木(皆から自分は最重要に警戒されている今それは容易ではない。人数も少なくなって動き難くもなっている)

苗木(殺す方法は工夫しないと行けないだろう……けど、その前に大切なこと)

苗木(誰を殺すか。――だけど、それはもう決まっている)

苗木「葉隠君だね」

118 : ◆YySYGxxFkU - 2016/02/08 23:50:33.87 sWhXhqtM0 600/912

苗木(これ以上彼が生きていても完全な希望になるとは思えない。否定と同時に排除も出来て一石二鳥だ)

苗木(しかしここで問題が一つ)

苗木「内通者の特権か……厄介だね」

苗木(モノクマが言ったそれ。葉隠君を殺そうとする者がいれば教えるという権利)

苗木(これにより葉隠君を殺すのは難しい)

苗木「殺せない内通者を殺す方法か……」

苗木「参ったな……二つしか思いつかない」

苗木(……という茶番はさておき、方法があるなら実行するだけ)

苗木(その第一段階として僕は大神さんの部屋に向かった)

119 : ◆YySYGxxFkU - 2016/02/08 23:57:05.20 sWhXhqtM0 601/912

<大神の部屋>

苗木(大神さんは意外にも普通に部屋の中に入れてくれた)

苗木(女子が男子を部屋に招き入れる意味……とかは彼女の前では考えるだけ無駄だろう)

大神「それで……こんな夜に何の用だ」

大神「苗木」

苗木「そんなに邪険にしないでもらえると助かるなあ」

苗木(大神さんは少しの警戒感を持って対峙している)

苗木(まあ第三の裁判といい、僕はこのコロシアイ学園生活で要注意人物だ。その態度で当然だろう)

120 : ◆YySYGxxFkU - 2016/02/09 00:32:50.49 dOw3hTLF0 602/912

苗木(だけど……)

苗木「それにしてもよく僕を部屋に入れてくれたね?」

大神「……」

苗木「てっきり門前払いされると思ってたよ」

苗木(警戒するくらいなら、最初から部屋に入れなければいい)

苗木(大神さんの行動はちぐはぐだ)

大神「貴様はセレスを唆し、朝日奈が殺される原因を作った張本人だ」

大神「本当ならこの手でその恨みを晴らしたいところだが……」

大神「朝日奈はそれを望んでいないだろう」

苗木「彼女は優しかったからね」

大神「…………そのことに対する謝罪なら聞こう。だが、それ以外なら今すぐ出て行け」

大神「我はこのコロシアイ学園生活からは降りた。貴様が何を言おうと耳を貸すつもりはない」

121 : ◆YySYGxxFkU - 2016/02/09 00:38:28.32 dOw3hTLF0 603/912

苗木「そういうことか」

苗木(ふうん。なるほど、なるほど。予想通り)

苗木(大神さんの精神は随分と朝日奈さんに依るところが大きかったようだ)

苗木(朝日奈さんがいなくなった今、コロシアイ学園生活に関わる動機が薄くなった)

苗木(だからこその降りたという発言なのだろう)

苗木(だったら……)

苗木「残念ながら謝罪の言葉は持ち合わせてないんだ。ごめんね」

大神「貴様は……」

苗木「でもさ、ここに来たのは朝日奈さんが死んだときに気になったことがあって……それを話そうと思ってなんだけど」

大神「……!」

苗木「どう? 聞きたくない?」

苗木(今までコロシアイ学園生活を引っ掻きまわしてきた僕は、一番警戒されている)

苗木(そんな人間の提案はどうしたって胡散臭く思われる)

苗木(どう考えたって何も聞かずにたたき出すのがベストな対応)

大神「……話せ」

苗木(――それでも大神さんはこれに乗る。乗ってしまう)

苗木「大神さんならそう言ってくれると思ったよ」

122 : ◆YySYGxxFkU - 2016/02/09 00:52:19.48 dOw3hTLF0 604/912

苗木「まあ、話は至ってシンプルなんだよ」

苗木「どうして朝日奈さんは殺されたんだと思う?」

大神「それは貴様がセレスを唆したせいで……!」

苗木「ああ、違うよ。そういう根本的なことじゃなくてさ。言ったじゃないシンプルにって」

大神「……?」

苗木「まあ話が進まないから答えを言うけど、正解は死体の偽装現場を見てしまったから。これに尽きるんだよね」

苗木「見られたからマズいと思って殺した。ここまではOK?」

大神「…………」

苗木(おっと怖い怖い。やっぱり朝日奈さんのことを思うと憎悪が溢れてくるようだね)

苗木「そこまでは理解してもらったということで話は進めるけど」

苗木「やっぱりここで一つ疑問が思いつくよね?」

大神「疑問……だと?」

123 : ◆YySYGxxFkU - 2016/02/09 00:56:10.15 dOw3hTLF0 605/912

苗木「朝日奈さんが死んだのはモノクマファイルから分かってると思うけど午前六時」

苗木「どうしてそんな時間に三階の物理室に来たんだろうね?」

大神「それは……」

苗木「考えられるのは朝泳ごうと思って、二階まで来たところで音に気付いて三階まで見に来たってところかな?」

苗木「あのときはちょっと大きな音を立ててた気がするし」

大神「だが……朝日奈にそんな早朝泳ぐような習慣は無かったはずだ」

大神「もしあの朝思い立ったのだとしても、我を一言誘うはず」

苗木「そうか。おかしいねえ?」

大神「…………」

苗木「朝日奈さんが急に何か思い立ったのか……それとももしかして、誰かが朝日奈さんの行動を誘導したのかな?」

124 : ◆YySYGxxFkU - 2016/02/09 00:57:03.33 dOw3hTLF0 606/912

大神「誘導だと?」

苗木「ああいや、あんまり考えられない可能性だとは思うけどね」

苗木「けど実際にあの朝、朝日奈さんが物理室に姿を現したのは事実だからさ」

大神「だが、誰が誘導をしたというのだ?」

苗木「そうだよねえ。そんなことするためにはまず僕とセレスさんの計画を知ってないといけないし……考えられるのはモノクマかな」

苗木「監視カメラを通じてなら分かるだろうし」

大神「だが、モノクマは動機を与えこそはすれ、そのような直接的な行動はしなかったはずだ」

大神「そうでなければコロシアイ学園生活が成り立たな…………」

苗木(……どうやら気付いたかな?)

125 : ◆YySYGxxFkU - 2016/02/09 00:57:52.38 dOw3hTLF0 607/912

大神「いや、モノクマと情報を共有できる生徒がこの中に……!!」

大神(そうだ。我なら、内通者なら可能。つまり同じように――)

大神「内通者の葉隠なら朝日奈を誘導することが可能……なのか!?」

苗木「は、葉隠君が……!? 」

大神「……そうだ。それなら筋が通る」

苗木「で、でも葉隠君がどうしてそんなことを……」

大神「分からぬ。だが、この考えが合っているなら――」



大神「葉隠が朝日奈を殺したも同然ということだ!」



苗木(誘導完了……)

苗木「だったらさ――」





………………。

…………。

……。



126 : ◆YySYGxxFkU - 2016/02/09 00:58:37.74 dOw3hTLF0 608/912

<翌日朝>



モノクマ「オマエラ、おはようございます! 朝です、七時になりました! 今日も張り切っていきましょう!」



様々な思惑が交錯した夜が明け。



第四の事件。発生当日を迎える。


131 : ◆YySYGxxFkU - 2016/02/14 22:53:13.42 72ERnuQ/0 609/912

葉隠「ふわぁ……っ」

葉隠「……ん?」

葉隠(何だべ、この感じ……)

葉隠(妙な胸騒ぎがする……)

葉隠「…………」

葉隠(やばいことが起きる……気がする。いや、全く根拠ないんだけどな……)

葉隠(そう、ただの『直感』……だからこそ俺は……)

葉隠「……気を引き締めて行かないとな」

132 : ◆YySYGxxFkU - 2016/02/14 22:53:42.94 72ERnuQ/0 610/912

葉隠「……さてと」

葉隠(今日すべきことは昨日霧切っちと話した通り、足を使っての調査)

葉隠(前周回の記憶が通用しなくなった以上近道は無い)

葉隠(泥臭いが事件を防ぐためには……)

葉隠「――ん?」

葉隠(ドアに何か挟まっている?)

葉隠「何だべ、これは?」

133 : ◆YySYGxxFkU - 2016/02/14 22:54:31.53 72ERnuQ/0 611/912

<四階 音楽室前>

葉隠「何の用なんだべ……」

葉隠(俺は音楽室に来ていた)

葉隠(前周回では特に事件に関わりの無かった部屋)

葉隠(そこに何故来たのかというと……呼び出されたからだ)

『音楽室に来てちょうだい。少し話し合いたいことがあるの 霧切』

葉隠(部屋の扉に挟まっていたメモにはそう書かれていた)

葉隠(わざわざメモで呼び出すなんて違和感があるけど……)

葉隠(霧切っちは表向き俺が内通者だったことで対立している立場だべ)

葉隠(だから大っぴらに会う訳には行かない、ということで呼び出したんだろう)

葉隠(音楽室なのも他の人に見られないため。四階まで来ている物好きは少ない)

葉隠(いつも使っている脱衣室は夜ならともかく、昼の今では他の生徒に見られる可能性が高い)

葉隠(その分監視カメラはあるが、他の生徒に見られて仲間だと思われる方がやばいと判断したのだろう)

葉隠(そこまでは想像が付いたけど……)

葉隠「うーん、昨夜も話し合ったのに霧切っちは何を話すつもりなんだ……?」

葉隠「それにこのメモも……何か違和感があるんだよな……」

葉隠(気になることはあるが……霧切っちに会えば教えてくれるだろう)

葉隠(俺は音楽室の扉を開けた)

134 : ◆YySYGxxFkU - 2016/02/14 22:55:00.18 72ERnuQ/0 612/912






モノクマ「やあ、葉隠クン。元気だった?」






135 : ◆YySYGxxFkU - 2016/02/14 22:55:41.01 72ERnuQ/0 613/912

葉隠「……っ!?」

葉隠(音楽室にいたのはモノクマだった)

モノクマ「あれ、驚いてる?」

モノクマ「あ、それともこのプリチーなボクにいきなり会って喜びを隠しきれないのかな?」

葉隠「ど、どうしてここに……!?」

葉隠(音楽室を見回す。どうやら霧切っちは来ていない)

葉隠(遅れているのか……? だとして何故代わりにモノクマがいる?)

モノクマ「どうして、ってボクは監視カメラを見れるんだよ?」

モノクマ「君が音楽室に呼び出されたのくらい把握してるのは当然だってば」

葉隠「……それは分かったべ」

葉隠(確かにモノクマの言う通りだ。だけど……)

葉隠「理由は分かったべ。それで、目的は何なんだ?」

136 : ◆YySYGxxFkU - 2016/02/14 22:56:11.61 72ERnuQ/0 614/912

モノクマ「目的……うぷぷ」

モノクマ「それはね、内通者の葉隠クンにお知らせなんだけどさ」

葉隠「……だから、俺は内通者じゃないって言ってるべ」

モノクマ「まあまあ、この際それは置いといてさ」

葉隠(モノクマは取り合う気が無いようだ)

葉隠(それもそのはず。俺が内通者ではないと認めたらゲームマスターのモノクマが嘘を付いたことになるのだから)

葉隠(ここには俺とモノクマしかいないというのも、監視カメラを通じて全国放送されている以上関係ない)

葉隠「ああもう、さっさと話すべ」

葉隠(モノクマに逆らっても意味が無い。俺はモノクマの話を聞こうとして――)

モノクマ「じゃあ言うけど……」

葉隠(気づいた。『内通者』という枕詞。モノクマが俺に伝えようとしているのは……!!)

137 : ◆YySYGxxFkU - 2016/02/14 22:56:52.21 72ERnuQ/0 615/912






モノクマ「葉隠クン。君を殺そうとしている人がいるよ」






138 : ◆YySYGxxFkU - 2016/02/14 22:57:19.26 72ERnuQ/0 616/912

葉隠(内通者として、モノクマが俺に与えている特権)

葉隠(殺そうとしている人間がいる場合に俺に教えるというもの)

葉隠(内通者というのは建前だが、さっきの通りモノクマはそれを真実にしないといけない)

葉隠(同様にこの特権も真実にしないといけない……つまりモノクマが今言ったのは……!!)

モノクマ「それじゃ伝えたからね、頑張ってー」

葉隠「ちょ、ちょっと待つべ!!」

葉隠(モノクマはそれだけ言って消える)


バンッッッ!!!!!!


葉隠(と、同時に音楽室の扉が轟音を鳴らしながら開いた)

139 : ◆YySYGxxFkU - 2016/02/14 22:57:55.77 72ERnuQ/0 617/912






大神「葉隠……」






140 : ◆YySYGxxFkU - 2016/02/14 22:58:26.46 72ERnuQ/0 618/912

葉隠「……」

葉隠(その姿を見た瞬間悟った)

葉隠(これは冗談が通じない)

葉隠(オーガは俺を殺しに来ている)

葉隠(どうして……オーガが、俺を、殺そうとしてるん……だべ?)

大神「…………」

葉隠(無言でこちらに近づいてくる)

葉隠(生存本能がけたたましくアラートを鳴らしている)

葉隠(それなのに動くことが出来ない)

葉隠(超高校級の格闘家に本気で凄まれて……俺は死を覚悟した)

148 : ◆YySYGxxFkU - 2016/02/21 21:56:39.66 smpOzCta0 619/912

<前日夜>

苗木「だったらさ――僕が葉隠君を誘い出そうか?」

大神「……何?」

苗木「あ、いや、大神さんの言う通り葉隠君が朝日奈さんを殺したんだとしたらさ」

苗木「葉隠君い聞きたいことがあるんじゃないかって思って」

大神「…………」

苗木「でも、最近葉隠君は部屋に引きこもりがちだし、大神さんが尋ねても会ってくれないかもしれないでしょ」

苗木「だから手伝いでもと思って」

大神「貴様の方が警戒されてると思うが」

苗木「まあ、そこらへんはさ、色々手段があるから」

苗木「で、どう? 手伝い、いる?」

大神「そうだな……頼もう」

苗木「了解」

149 : ◆YySYGxxFkU - 2016/02/21 21:57:59.96 smpOzCta0 620/912

苗木『殺されない内通者を殺す方法』

苗木『それは圧倒的な武力』

苗木『そもそも葉隠君が持っている特権は殺そうとしている者がいる場合に伝えるというもの』

苗木『確かに前もって教えられていれば、警戒したり対策用の武器を用意したりできる』

苗木『普通ならそれで大丈夫だけど』

苗木『でも……そんなの意味を成さないくらい圧倒的な』

苗木『例えば超高校級の格闘家が刺客だった場合とかは……どうなるんだろうね?』

苗木『あはっ、あははははははははは!!!』

150 : ◆YySYGxxFkU - 2016/02/21 21:59:12.32 smpOzCta0 621/912

ガシッ!

葉隠(オーガに胸倉を掴まれ、吊り上げられる)

葉隠(このままじゃ殺される。俺はなけなしの勇気を振り絞って叫んだ)

葉隠「ま、待ってくれ!! どうしてこんなことをするんだべ!!」

大神「どうして……か」

大神「ならば逆に聞こう。貴様こそどうして朝日奈を殺した?」

葉隠「朝日奈っち……?」

葉隠(思いもよらぬ名前が出てきたことに俺は状況を考えず聞き返してしまう)

大神「しらばっくれるな。苗木から話は聞いた。本当のことを話せ」

葉隠「…………」

葉隠(これは……)

151 : ◆YySYGxxFkU - 2016/02/21 22:00:08.36 smpOzCta0 622/912

葉隠(そもそもオーガはコロシアイ学園生活から降りたと言った)

葉隠(霧切っちだったら嘘を付いていても見抜きそうだし、これは昨日の時点で真実だったはず)

葉隠(なのに今、心変わりして俺を殺そうとしている)

葉隠(それはどうしてか……)

葉隠「………………」

葉隠(俺は昨日の霧切っちとの会話を思い出す)


霧切『誰かに殺人を犯すよう誘導すること……それでも苗木君の目的は達せられるのだから』


葉隠(つまり……苗木っちがオーガを唆して俺を殺させようとしている、ということだろう)

葉隠(……そういえば音楽室に呼び出したメモ)

葉隠(末尾には霧切っちの名前が書いてあったけど、どうにも違和感があった)

葉隠(オーガがこのタイミングで音楽室に偶然やって来たとも考えにくいし……あのメモは俺を誘い出すための罠)

葉隠(なるほど全部理解した。俺って頭良い!!)

葉隠「………………」

葉隠(――現実逃避もここまでだな)

152 : ◆YySYGxxFkU - 2016/02/21 22:01:09.68 smpOzCta0 623/912

葉隠(理解したところで目の前にある脅威に変わりは無い)

葉隠(このまま何もしなければ……オーガの手によって俺は死ぬ)

葉隠(こうやって考えている間にもオーガの威圧感は増してきている気がする)

葉隠(俺に出来るのは……)

葉隠「ち、違うべ!! 俺が朝日奈っちを殺すわけが無い!!」

葉隠(必死に命乞いをすること)

大神「だったら、おまえがモノクマに内通者として任されていた仕事は何だ?」

葉隠「だから俺は内通者なんかじゃないんだべ!!」

大神「……そうか」

葉隠(お、もしかして――)

ゴスッッ!!

葉隠「うっ……!?」

葉隠(腹にこぶしが……)

大神「どうやらまだ状況を理解していないのだな」

大神「我は言ったはずだ。本当のことを話せと」

153 : ◆YySYGxxFkU - 2016/02/21 22:01:42.02 smpOzCta0 624/912

葉隠「本当のこと……だべ」

大神「そうか、まだ足りなかったか」

ゴスッ!!

葉隠「ぐっ……」

葉隠(オーガにまた殴られる)

葉隠(どうしてだべ、オーガはこんな人を傷つけるような性格じゃなかったはずなのに……)

葉隠(……いや)

葉隠(一周目では朝日奈っちのために自殺するほどのオーガだ)

葉隠(朝日奈っちのためならば、これくらいのことはするのかもしれない)

154 : ◆YySYGxxFkU - 2016/02/21 22:02:09.54 smpOzCta0 625/912

葉隠「こんなこと止めてくれ……」

葉隠「このまま俺を殺しても苗木っちにはクロがばれている」

葉隠「それに……朝日奈っちもこんなことを望んでないはずだべ」

大神「っ……」

葉隠(オーガは一瞬動きを強張らせる)

大神「貴様が……朝日奈の名前を出すか」

葉隠「だから、さっきからどういうことだべ」

葉隠「俺が朝日奈っちを殺すわけが無いだろ!!」

大神「だったら、どうして朝日奈はあの朝三階の物理室に顔を出した!!」

155 : ◆YySYGxxFkU - 2016/02/21 22:02:37.96 smpOzCta0 626/912

大神「貴様が唆した!」

大神「モノクマから内通者として苗木とセレスの計画を聞いて!」

大神「朝日奈を言葉巧みに誘導し!」

大神「証拠隠滅のために殺させた!」

大神「全てモノクマの指示なんだろう!」

大神「どうだ!?」

葉隠「違う!」

156 : ◆YySYGxxFkU - 2016/02/21 22:03:04.26 smpOzCta0 627/912

大神「……ここまで言っても認めぬか」

大神「ならば死ね」

葉隠(オーガの手が首にかかる)

葉隠(凶器も何も持っていないけど……その手が凶器以上であることは分かっている)

葉隠「ひっ……」

葉隠(体感温度が一瞬で下がる。死が現実的なものとして近づいたことを悟ったからか)

大神「最後に言い残すことは無いか」

葉隠「……俺は朝日奈っちを殺してない」

大神「そうか……」

葉隠(オーガは首にかけた手を――――)

157 : ◆YySYGxxFkU - 2016/02/21 22:03:32.20 smpOzCta0 628/912






大神「……ここまでしても認めぬということは、本当なのか」


葉隠「へ?」


葉隠(首にかけた手を離して……俺を解放した)






158 : ◆YySYGxxFkU - 2016/02/21 22:04:07.41 smpOzCta0 629/912

大神「すまぬな。時間が無いとはいえ、酷いことをした」

葉隠(オーガからさっきまでの迫力が失せている)

葉隠(罠……ってことは無いだろう。こんなことをして意味があるとは思えない)

葉隠「……どういうことだべ」

大神「どこから説明をすればいいか……」

葉隠「……」

葉隠(状況は複雑らしい)

葉隠「……っ、いてて」

大神「そうだ、まずは手当てをしなければな。ちょっと待て」

葉隠(オーガは音楽室を出て、すぐ戻ってきた。その手には救急箱が持たれている)

大神「最初から話す。治療を受けながらでいいから、話を聞いてくれ」

葉隠(それからオーガは昨夜、苗木っちが訪ねてきたこと)

葉隠(朝日奈っちが死んだときの疑問点についての話)

葉隠(苗木っちがここに俺を誘い出したこと)

葉隠(そして『その後』の話をしてくれた)

159 : ◆YySYGxxFkU - 2016/02/21 22:05:22.10 smpOzCta0 630/912

<前日夜>

苗木「それじゃあ明日の朝、場所は……そうだな」

苗木「邪魔が入らないように音楽室辺りにしようか」

苗木「そこに葉隠君を呼び出すってことで」

大神「分かった」

苗木(ふふっ、これで葉隠君も終わり。あっけなかっ――)

大神「一応言っておくが」

苗木「……何かな?」



大神「苗木、貴様の疑いが晴れたわけではないぞ」


160 : ◆YySYGxxFkU - 2016/02/21 22:06:05.61 smpOzCta0 631/912

苗木「へえ……」

大神「先ほどの話、苗木とセレスの計画を知っている者が朝日奈を誘導したということだった」

大神「そこからモノクマを通じて情報を得ることが出来る内通者、葉隠なら可能という話だったが」

大神「その前提だと……苗木、貴様も可能だったということになる」

苗木「……まあ、セレスさんも可能だったとは思うけどね」

大神「いや、セレスではない。セレスはこの学園からの卒業を狙っていた」

大神「わざわざ朝日奈を殺して証拠が増えるようなマネをするとは思えない」

大神「未だに……希望などと言って、目的が不明な貴様がやったという方がしっくりくる」

161 : ◆YySYGxxFkU - 2016/02/21 22:06:40.96 smpOzCta0 632/912

苗木「まあ、そうかもね」

大神「否定しないのか?」

苗木「出来るなら、して意味があるなら、やってるよ」

大神「…………」

苗木「…………」

大神「まあいい。とはいえ、優先順位は葉隠が先だ」

大神「貴様が準備をしてくれるようだし、葉隠に問いただすとしよう」

苗木「……なかなか冷静だね」

大神「そしてもし、葉隠がやっていなかった場合」

大神「――どうなるかは分かってるな?」

苗木「おお、怖い怖い」

そして大神は苗木の部屋を後にした。

162 : ◆YySYGxxFkU - 2016/02/21 22:07:09.63 smpOzCta0 633/912

<現在>

葉隠「つまり……最初から俺を試すつもりだったってことか?」

大神「そうだな」

大神「最速で貴様から真実を聞き出すためには、痛めつけて、死の恐怖にさらさせるのが良いと判断した」

葉隠(さらっと怖いことを言うべ……)

葉隠「普通に聞いては駄目だったのか?」

大神「もう少し自分の性格を考えろ」

大神「お調子者の貴様に普通に聞いて返ってきた答えが信憑性が高いと思うか?」

葉隠「……思わないな」

葉隠(何かノリと勢いだけで答える姿が目に見えている)

163 : ◆YySYGxxFkU - 2016/02/21 22:07:38.77 smpOzCta0 634/912

葉隠「そのために一芝居打ったと」

大神「そういうことだ」

大神「……手当て終わったぞ」

葉隠「ありがとうだべ」

大神「我が傷つけたのだから、礼を言われる筋合いはない」

葉隠(オーガはテキパキと救急箱を片付ける。その様子はどこか焦っているように見える)

葉隠「何か急いでいるのか?」

大神「……さっきも言った通り時間が無いのだ」

葉隠「時間が……?」

大神「恐らく苗木が何かを企んでいる」

葉隠「……!?」

164 : ◆YySYGxxFkU - 2016/02/21 22:08:24.75 smpOzCta0 635/912

大神「目的は分からぬが……何か嫌な予感がするのだ」

葉隠(オーガに俺を殺させようとするだけじゃなく、まだ他に何かを……)

大神「霧切や十神、腐川に頼んで苗木を見張ってもらおうとも考えたが、朝から姿が見えなかった」

葉隠(三人が……?)

大神「だからさっさと葉隠、貴様を仲間に付けて対処したかった」

大神「さっきまで痛めつけておいてすまぬが、協力してもらえるか」

葉隠「当然だべ!!」

葉隠(苗木っちの目的は俺の希望の否定)

葉隠(誰かの殺人なんて……絶対許してたまるか!)



葉隠と大神が音楽室を後にしようとする。

そのときだった。

165 : ◆YySYGxxFkU - 2016/02/21 22:08:55.12 smpOzCta0 636/912




腐川「……! ここにいたのね!」



大神「腐川……?」

葉隠(扉が開いて、腐川っちが中に入ってくる)

葉隠「どうしたんだべ?」

腐川「葉隠……っ。いや、今はそんなこと気にしてる場合じゃないわね」

葉隠(腐川っちは俺を内通者だと思ってヘイトを溜めてる状態だ)

葉隠(それを気にしていられない状態って……!?)

葉隠「まさか……!?」

腐川「ちょっと二人とも、手伝ってちょうだい!!」

176 : ◆YySYGxxFkU - 2016/02/25 22:39:08.25 BbFpbWA10 637/912

葉隠「手伝いってどういうことだべ?」

腐川「白夜様が! 白夜様が来ないのよ……!?」

大神「……すまぬ、腐川。順序立てて話してくれぬか?」

腐川「それが白夜様が私に用事があるって呼びだしたのよ!」

腐川「なのに時間になっても現れなくて……あの白夜様が時間に遅れることなんてあるはずないのに!」

腐川「何かあったに違いないわ……!」

腐川「だから探すのを手伝って欲しいのよ!」

葉隠「ふむ……」

葉隠(とりあえず気になった点が二つある)

177 : ◆YySYGxxFkU - 2016/02/25 22:39:41.54 BbFpbWA10 638/912

葉隠(一つ。十神っちが何故腐川っちを呼び出したのか)

葉隠(正直十神っちは腐川っちのことをあんまよく思ってない……一周目の最後辺りは改善の兆しがあったけど、二周目の今はまだだ)

葉隠(つまり自ら積極的に関わりに行こうとするとは思えない)

葉隠(それなのにどうして呼び出したのかということ)

葉隠(二つ目は単純にどうして呼び出しておいて、その場に現れなかったのかということ)

大神「十神はどこに呼び出したのだ?」

腐川「四階の科学室よ……。三十分待っても来ないから、何かあったんじゃないかと思って探し始めてあんたたちを見つけたのよ」

葉隠(科学室……同じフロアにいたのか)

178 : ◆YySYGxxFkU - 2016/02/25 22:40:18.90 BbFpbWA10 639/912

葉隠「ところで呼び出した方法は何だったんだべ?」

腐川「メモよ。朝起きたらドアに挟まっていて……」

葉隠「メモ……」

大神「……持っているなら、少し見せてくれぬか?」

腐川「しょうがないわね。……はい」

葉隠(腐川っちが差し出したメモを読む俺とオーガ)

『科学室に来い。話すことがある。 十神』

大神「端的だな」

腐川「びゃ、白夜様らしいじゃない」

葉隠「こ、これは……!?」

葉隠(愕然する。だってこれは……!)

179 : ◆YySYGxxFkU - 2016/02/25 22:41:11.62 BbFpbWA10 640/912

葉隠「俺はこれを読んだことがある……!!」

腐川「……はあ? 何、言ってんのよ」

大神「どういうことだ、葉隠」

葉隠「正確にはこの文字を、だべ! これを見てくれ!」

葉隠(俺はこの音楽室に呼び出されたメモを見せる)

腐川「え、何これ、霧切からのメモ……って、あれ」

大神「筆跡が……似ているな」

葉隠「オーガは言っていたよな。俺をこの音楽室に呼び出そうとした存在のことを」

大神「ま、まさか……!?」

葉隠「おそらくこの二枚のメモの差出人は霧切っちでも、十神っちでも無く――」

葉隠「苗木っちが書いた物なんだべ!!」

180 : ◆YySYGxxFkU - 2016/02/25 22:42:02.89 BbFpbWA10 641/912

腐川「は、はあ!? どうして苗木が白夜様のことを騙るのよ!?」

腐川「……って、何? だったら白夜様からの呼び出しは嘘だったってこと……!? きぃー!!」

大神「苗木が……葉隠は分かるが、どうして腐川まで……?」

葉隠「それは分からない……けど」

葉隠「……恐らく、オーガが気にしていた苗木の企み。その一部なんだろう」

大神「……!」

葉隠「急いで苗木っちを探すべ!! オーガと腐川っちは校舎を、俺は宿舎側を調べる!!」

181 : ◆YySYGxxFkU - 2016/02/25 22:42:52.74 BbFpbWA10 642/912

腐川「は、はあ!? どうして葉隠に命令されないと行けないのよ!?」

葉隠「腐川っち……緊急事態なんだべ、頼む」

葉隠「苗木っちの目的は俺の希望『一人も犠牲を出さない』の否定」

大神「そうなのか……いや、それなら我に葉隠を殺させるよう仕向けたのも……」

葉隠「つまり誰かの殺人を目論んでいて……場合によっては十神っちも危ないんだべ」

腐川「びゃ、白夜様が……!? ……な、ならしょうがないわね、手伝ってあげるわよ」

葉隠「頼んだべ!」

182 : ◆YySYGxxFkU - 2016/02/25 22:43:30.38 BbFpbWA10 643/912

<宿舎>

葉隠(どうして俺が宿舎側を調べることにしたのか)

葉隠(それは苗木っちの意図が何となく分かったからだった)

葉隠(俺と付随してオーガ、そして腐川っちを四階に呼び出した理由)

葉隠(それは……邪魔が入って欲しくなかったからではないか)

葉隠(だとしたら……四階から一番遠いこの宿舎側が怪しい)

葉隠(……まあ、もちろん俺の予想なんて外れてる可能性が高い。だからオーガたちには校舎の捜索をお願いしたのだが)

葉隠「ここもいないか」

葉隠(食堂、倉庫、脱衣室……虱潰しに探していくが誰もいない)

葉隠(苗木っちはおろか、霧切っちや十神っちも見あたらない)

葉隠「……ん? ……いや、とりあえず後回しにするべ」

183 : ◆YySYGxxFkU - 2016/02/25 22:44:08.51 BbFpbWA10 644/912

葉隠(あの後、各生徒の個室、トイレまで調べた。しかし誰もいない)

葉隠(宿舎側にはいない可能性が高そうだな……この部屋を除いて)

<舞園の部屋前>

葉隠(第一の事件の舞台……このコロシアイ学園生活がある意味始まった場所)

葉隠(今はもういない生徒たちの部屋まで調べていて、この部屋の扉だけが開かないことに気づいた)

葉隠「……やっぱり鍵はかかってないよな?」

葉隠(ドアノブが回るのに、扉が開かない)

葉隠(実際には少し押したところで止まる、と言った方が正しいだろう)

葉隠(つまりこの扉の裏に何かが置かれていて、それが開閉の邪魔をしてるってことで……)

葉隠「……何のために?」

184 : ◆YySYGxxFkU - 2016/02/25 22:44:48.39 BbFpbWA10 645/912

葉隠(この部屋を封鎖して……何の意味がある)

葉隠「……モノクマ、出てくるべ!!」

葉隠「…………」

シーン。

葉隠(モノクマが呼びかけに応じない。……もしこれがモノクマの仕業だったら、すぐに出てきて説明するだろう)

葉隠(つまり……これは……)

葉隠「俺たち生徒、誰かの仕業……」

葉隠(こんなことをしそうな人間に一人心当たりがある……)

葉隠「……くそっ!!」

185 : ◆YySYGxxFkU - 2016/02/25 22:45:31.95 BbFpbWA10 646/912

バンッ!!!!

ドアに体当たりを仕掛ける葉隠。

葉隠「……くそっ、まだ開かないか……!」

何回か繰り返したところで。

バタン!!

部屋の中から何かが倒れた音がした。

葉隠「これなら……って、まだ開かないのか!!」

葉隠(さっきよりは開くようになったが、まだ中に入れるほどの隙間ではない)

葉隠(どうやら塞いでる何かを倒すことには成功したが、未だにドアの前にあって邪魔しているようだ)

葉隠「……っ、これは俺じゃ流石に……」

186 : ◆YySYGxxFkU - 2016/02/25 22:46:32.06 BbFpbWA10 647/912

大神「葉隠! 校舎側にはいなかったぞ!」

腐川「ちょ、ちょっと歩くの早いわよ……!」

葉隠(そのとき校舎側から二人がやってきた)

大神「人が隠れられそうなところを隅々まで調べたが、誰もいなかった」

葉隠「……なら、やっぱ宿舎側にいると考えた方が良さそうだな」

腐川「それで、あんたはこんなところで何してるのよ?」

葉隠「あ、そうだ。ちょうど良かったべ。オーガこの扉開けてくれないか?」

大神「……舞園の部屋?」

187 : ◆YySYGxxFkU - 2016/02/25 22:47:14.49 BbFpbWA10 648/912

葉隠「ああ、ここ以外は全部探したんだけど、この部屋だけどうも扉が開かないんだべ」

大神「鍵がかかってるのか?」

葉隠「いや、どうやら何かがドアの裏で邪魔してるみたいだべ」

大神「そういうことなら……どいてくれ」

葉隠(俺の代わりに扉の前に立つオーガ)

大神「フン……ッ!!!!」

バアァァァァァンッッッッッ!!!!!

腐川「ひゃっ……な、何よ!」

葉隠「……すごい音だな」

葉隠(オーガが腰の入ったタックルで扉にぶつかると、邪魔していた何かを吹き飛ばしながら扉が開いた)

大神「これで良し、だな」

188 : ◆YySYGxxFkU - 2016/02/25 22:47:50.59 BbFpbWA10 649/912

葉隠「よし、これで中に……」

大神「待つのだ、葉隠」

葉隠「……?」

腐川「どうしたのよ、早く入りましょうよ」

大神「腐川も一旦、落ち着け」

葉隠「どうしたんだ、オーガ?」

189 : ◆YySYGxxFkU - 2016/02/25 22:48:54.82 BbFpbWA10 650/912

大神「葉隠。……先ほど、苗木の目的が誰かを殺すことだと言ったな?」

葉隠「そうだべ」

大神「そしてこの部屋……各個室は窓も鉄板が打ち付けられているから、この扉からしか出入りが出来ない」

葉隠「……」

大神「つまりこの扉が向こう側から封鎖されていた以上……誰かはこの部屋の中にいるということになる」

葉隠「……そういうことになるな」

葉隠(つまり、オーガはこう言いたいんだろう)

葉隠(霧切っち、十神っち……そして返り討ちにあった場合を考えると苗木っち)

葉隠(誰かが死体になっている可能性もあると……)

大神「覚悟を持って……行くぞ」

腐川「わ、分かったわよ」

葉隠「了解だべ」

190 : ◆YySYGxxFkU - 2016/02/25 22:49:40.99 BbFpbWA10 651/912

<舞園の部屋>

葉隠「……入り口を塞いでいたのはこれか」

葉隠(扉から少し離れたところに倒れているタンスが最初に目に入る)

大神「そのようだな」

腐川「っ……!!?」

大神「どうしたのだ腐川。……っ!?」

葉隠「何かあっ……………………………」





葉隠「…………え?」





葉隠(タンスに目もくれずに部屋の中まで入っていた腐川っちはいち早く見つけていた)

葉隠(オーガと俺も腐川っちを追って……それを見つけた)

191 : ◆YySYGxxFkU - 2016/02/25 22:51:19.50 BbFpbWA10 652/912





















『ピンポンパンポーン』




『死体が発見されました。一定の捜査時間の後、学級裁判を開きます』


















192 : ◆YySYGxxFkU - 2016/02/25 22:52:23.96 BbFpbWA10 653/912

十神「……」

腐川「びゃ、白夜様……!?」



壁にもたれ掛かって目を閉じている十神白夜。



腐川は一目散に十神の元に向かった。

大神「死体発見アナウンスが『一回』鳴ったということは……」

葉隠「…………ああ」

腐川「びゃ、白夜様!? ……う、嘘よっ!?」

腐川「どうして白夜様が……!!」

半ば狂乱したように十神の体を揺すりながら呼びかける腐川。

腐川「ああ白夜様……!! 白夜様がいない世界なんて……」

腐川「私は……私は…………!!」

193 : ◆YySYGxxFkU - 2016/02/25 22:53:13.08 BbFpbWA10 654/912











十神「……っ、うるさいな」




腐川「白夜様!? 生きていたんですか!!」

十神「勝手に人を殺すな……ったく、こうもうるさくては不快でたまらん」

腐川「白夜様!!」

十神「ええい! 離れろ!」

十神が生きていたことに大神、葉隠は。

大神「『やっぱり』生きていたか……」

葉隠「……」

194 : ◆YySYGxxFkU - 2016/02/25 22:54:30.02 BbFpbWA10 655/912

死体発見アナウンスが鳴ったのは『一回』

二人が驚かなかった理由。

それはこの部屋に――



もう一つ明確に死んでいるとしか思えない死体があったから。



「これはどういう状況なのかしら?」

葉隠の後ろから生きている五人目の声がかかった。

現在コロシアイ学園生活で生き残っている生徒は六人。

五人と一体でこの部屋に全部揃っていることになる。

葉隠は振り返った。

195 : ◆YySYGxxFkU - 2016/02/25 22:55:11.09 BbFpbWA10 656/912









葉隠「こんなときにふざけるなよ……苗木っち」






苗木「あはっ……ごめんごめん」








196 : ◆YySYGxxFkU - 2016/02/25 22:55:49.00 BbFpbWA10 657/912





つまり……舞園の部屋に転がっている死体は。





胸をナイフで一突きされて仰向けに寝ている。





超高校級の探偵、霧切響子の物であった。





197 : ◆YySYGxxFkU - 2016/02/25 22:56:25.36 BbFpbWA10 658/912





C H A P T E R 4


『そして誰かが罰を受けた』


 非 日 常 編






210 : ◆YySYGxxFkU - 2016/03/04 21:07:48.04 ip/D9GZT0 659/912

苗木「いたたぁ……やっぱり打ち身になってるなあ……」

葉隠(霧切っちが……殺された)

葉隠(一人で頑張ってきたこの二周目で、ようやく出来た頼もしい仲間だったのに……)

葉隠(殺したのは誰か……そんなの分かっている)

葉隠「苗木っち……おまえが殺したんだろう!!」

苗木「やだなあ、酷い言いがかりだよ」

葉隠「とぼけるな! 俺の希望を否定するって言ったよな!」

苗木「まあ、それは確かに言ったけど……大体僕がクロなのかを判断するのは裁判でしないと」

苗木「だよね、モノクマ」

モノクマ「うぷぷっ、その通りでございます!!」

211 : ◆YySYGxxFkU - 2016/03/04 21:08:14.89 ip/D9GZT0 660/912

いつの間にか現れていたモノクマ。

モノクマ「というわけで今回も用意しました」

モノクマ「モノクマファイル~~!!」

モノクマはファイルを配る。

モノクマ「じゃそういうことで、頑張ってね」

用件を済ませるとさっさと消えていった。

葉隠「……」

苗木「怖いなあ、睨まないで欲しいんだけど」

大神「葉隠、一度落ち着け。苗木の言葉に耳を貸していたらキリがない」

葉隠「でも……」

大神「霧切の仇を討つためにも……生き残るためにも……捜査に集中してもらわねば困る」

大神「我はこういうことは苦手なのでな」

212 : ◆YySYGxxFkU - 2016/03/04 21:08:43.05 ip/D9GZT0 661/912

葉隠「………………」

葉隠(そうだ、目の前の裁判で勝てなければクロ以外は処刑される)

葉隠(頭の中では分かっている、仲間の死を悼んでいる場合じゃないって)

葉隠(いつもそうやって頭を切り替えてきた)

葉隠(一周目から何回もしてきた行為)

葉隠「よしっ……頑張るべ!」

葉隠(気勢を上げた……その直前)

葉隠(いつまでこれを続けないといけないんだろう……と、ふと思った)

213 : ◆YySYGxxFkU - 2016/03/04 21:09:19.89 ip/D9GZT0 662/912

葉隠「まずはモノクマファイルを……」

苗木「あ、そのまえにちょっとさ」

葉隠「……何だべ、苗木っち」

苗木「だから、そう怒らないでって。僕らは一致団結してクロを突き止めなきゃいけない仲間なんだから」

葉隠「……その仲間の中にクロがいるんだけどな」

苗木「だとしてもさ」

大神「葉隠、苗木に付き合うな。苗木もさっさと用件を話せ」

214 : ◆YySYGxxFkU - 2016/03/04 21:09:46.74 ip/D9GZT0 663/912

苗木「分かったよ」

苗木「僕は死体発見のその瞬間に立ち会わせてないからその状況を教えて欲しいんだ」

大神「……しょうがない、我が話そう」

大神が死体発見までの一連の流れを話す。

苗木「なるほどなるほど……」

大神「これで十分か」

苗木「うん、ありがとね」

苗木「そして――もう、クロも分かっちゃった」

215 : ◆YySYGxxFkU - 2016/03/04 21:10:15.02 ip/D9GZT0 664/912

葉隠「そりゃそうだろうな、苗木っちがクロなんだから」

大神「葉隠」

葉隠「だって苗木っちが……」

苗木「残念だけど僕はクロじゃないよ」

苗木「だって葉隠君達が扉の封鎖を突破して入るまで、この部屋は密室だったんでしょ?」

苗木「密室に死体と人が一人」

苗木「――ほら、クロが分かったでしょ?」

葉隠「……」

葉隠(悔しいが苗木っちの言い分はまともだ)

葉隠(つまりそれに基づくと……怪しいのは)

216 : ◆YySYGxxFkU - 2016/03/04 21:10:46.25 ip/D9GZT0 665/912

十神「なるほど、俺が怪しいと言うのか」

苗木「がっかりするよね。せっかく密室殺人事件っていうミステリーの題材にでもなりそうな案件かと思ったら」

苗木「犯人も中にいたなんて間抜けにも程があるよ」

十神「……自分が眠らせておいてよく言うな?」

苗木「え、何のこと?」

葉隠(眠らせた? ……何を言ってるんだべ?)

大神「話は分かった……だが、苗木。貴様が自分で言ったはずだ、クロを突き止めるのは裁判で、と」

苗木「そうだったね、ごめんごめん」

217 : ◆YySYGxxFkU - 2016/03/04 21:11:13.00 ip/D9GZT0 666/912

大神「……もういい。この際、怪しい二人には現場の見張りを務めてもらおう」

十神「何故俺が」

大神「死体のある部屋で眠っていたのは事実だ」

大神「そのような人間が捜査に乗じて、証拠を隠滅しないとは限らない」

十神「ちっ……」

大神「苗木も同様だ」

苗木「えー、僕も捜査したかったなあ」

大神「二人を置いとけば相互に監視して怪しいマネもしないだろう」

腐川「びゃ、白夜様が残るなら私も残るわよ……!!」

大神「腐川は捜査だ。二人では捜査の手が行き届くか分からぬ」

腐川「で、でも……」

葉隠「腐川っちが捜査することで、十神っちが助かる可能性も上がる……って考えたらどうだべ?」

腐川「……! そ、それもそうね……! 白夜様、あなたのために私、腐川冬子は捜査してきて参ります!」

十神「戯言を言うな」

218 : ◆YySYGxxFkU - 2016/03/04 21:11:43.86 ip/D9GZT0 667/912

<捜査開始>

葉隠「じゃあ早速モノクマファイルから見ていくべ」



モノクマファイル4

被害者 霧切響子

死因 ナイフで胸を一突きされたことが死因。
その他外傷、薬物の反応などは見られない。



大神「……外傷が無いということは揉めた末にということでも無いのか。不意でも突かれたのか?」

葉隠「霧切っちが警戒を解くなんて、そんなことあるのか……?」

葉隠(謎だべ……)

腐川「ちょ、ちょっと待ちなさいよ。このモノクマファイル一つおかしいところがあるわよ」

219 : ◆YySYGxxFkU - 2016/03/04 21:12:17.93 ip/D9GZT0 668/912

葉隠「おかしいところ?」

腐川「だ、だってこれまでのモノクマファイルには死亡時刻が乗っていたじゃない」

葉隠「……あ」

葉隠(言われて見返すと……確かに今回のには書かれていない)

大神「欠品か……?」

葉隠「おそらくわざとだべ」

腐川「わ、わざと……?」

葉隠「モノクマがルールを逸脱しない範囲でクロの手助けをしてるんだろう」

大神「しかし……今回の死亡時刻が大事ってことになるぞ、それだと?」

腐川「死亡時刻位どうってこと無いじゃない」

葉隠「うーん……どうなんだろう」



コトダマ『モノクマファイル4』をゲット!!

220 : ◆YySYGxxFkU - 2016/03/04 21:12:43.19 ip/D9GZT0 669/912

葉隠「次は霧切っちの死体だけど……」

大神「我が確認しよう」

葉隠「……助かるべ」

葉隠(霧切っちは女だし、それに……俺はまだ正面から見れる気がしなかった)

大神「モノクマファイルの記述通り外傷などは特に無い」

大神「やはり胸の一突きが致命傷だと見て間違いないだろう」

葉隠「……そうか」

大神「それにしてもこのナイフ……適度な重さに鋭い切れ味で、武器として使用するためのものだな」

腐川「あんたよく分かるわね」

葉隠「武器用か……」

葉隠(つまりクロは完全に人を殺すためにこのナイフを持っていたということか……)



コトダマ『ナイフ』ゲット!

221 : ◆YySYGxxFkU - 2016/03/04 21:13:13.73 ip/D9GZT0 670/912

大神「だが……分からぬな」

葉隠「そのヒモか?」

葉隠(オーガはナイフの柄に結び付けられていたヒモを手に取っている)

大神「かなりの長さ……7、8mはあるか。こんなのを付けていては取り扱いにくいだろう」

大神「武器用のナイフを調達しているのにちぐはぐだ」

葉隠「うーん……ヒモか……」

葉隠(どういう意図でクロはこのヒモをナイフに付けたんだ……?)



コトダマ『ヒモ』ゲット!!

222 : ◆YySYGxxFkU - 2016/03/04 21:13:39.99 ip/D9GZT0 671/912

大神「霧切の死体から分かることは以上で……ん?」

腐川「どうかしたの?」

大神「霧切の服のポケットに紙が入って……」

大神「いや、これはメモだな」

葉隠「メモ……何て書いてるんだべ?」

大神「モノクマからのようだな……」

『舞園の部屋に一人で来てね。来ないと……分かってるよね。うぷぷぷぷ モノクマ』

葉隠「……これで呼び出されたから霧切っちはこの部屋に来たのか?」

大神「だろうな。他に舞園の部屋にわざわざ来る理由が思いつかない」

223 : ◆YySYGxxFkU - 2016/03/04 21:14:08.06 ip/D9GZT0 672/912

腐川「で、でもモノクマがこんな呼び出しだなんて……」

モノクマ「ん、ボクがどうしたって?」

腐川「ひぃっ!? い、いきなり出てこないでよ!!」

モノクマ「ごめんごめん。でも呼ばれた気がしてさ」

葉隠「モノクマ、どうして霧切っちをこの部屋に呼び出したんだべ?」

モノクマ「ん、ボクが? 霧切さんを?」

大神「とぼけるな。メモが見つかってるぞ」

モノクマ「メモ……ちょっと見せて」

メモを読むモノクマ。

224 : ◆YySYGxxFkU - 2016/03/04 21:14:36.04 ip/D9GZT0 673/912

モノクマ「あー違う、違う。これはボクの字じゃないよ」

葉隠「……え?」

モノクマ「ボクがこんな汚い字書くわけないでしょ」

葉隠「だったら誰が……?」

モノクマ「さあ、それは何とも」

モノクマ「にしてもボクも人気になったよねえ、こんな成りすまし犯が出てくるくらいだからさ」

葉隠(モノクマじゃない……このタイミングで嘘を付くようなやつじゃないだろう)

葉隠(だったら誰が……)

225 : ◆YySYGxxFkU - 2016/03/04 21:15:15.35 ip/D9GZT0 674/912

大神「クロの仕業、ではないか?」

腐川「そ、そうね。この部屋に潜んでおいて、のこのこやって来たところを殺したのよ」

葉隠「モノクマの名前を使ったのはそうでもしないと霧切っちが来ないと判断したため」

葉隠「そしてこの部屋に呼んだのは他の人に見られないためか」

葉隠(十神っちを探そうとしなければ、俺もこの部屋を見つけることは無かっただろうし)

大神「メモと言えば、二人のメモと筆跡は一緒じゃないのか?」

腐川「メモ……白夜様からの偽呼び出しのこと?」

葉隠「……いや、違うな。腐川っちと俺のメモは一緒の筆跡だけど、霧切っちのメモだけ筆跡が違う」

大神「ぬ、そうなのか」

葉隠(この筆跡の違い……うーん……?)



コトダマ『霧切のメモ』ゲット!
コトダマ『葉隠のメモ』ゲット!
コトダマ『腐川のメモ』ゲット!

226 : ◆YySYGxxFkU - 2016/03/04 21:15:41.34 ip/D9GZT0 675/912

葉隠「死体も調べ終わったし、次は部屋全体の捜査だな」

葉隠(といっても特に荒れた様子は無いみたいだけど……)

大神「ちょっと待て」

腐川「どうしたのよ?」

葉隠(オーガは舞園っちの部屋の壁をコツコツと叩いたり、注意深く見ながら一周した)

大神「隠し扉などの可能性も考えて一応調べたが」

大神「やはりこの部屋はあの扉以外には出入りする方法は無さそうだ」

葉隠「そうか……タンスで封鎖されてたし、やっぱり密室だったんだな」



コトダマ『舞園の部屋の状況』ゲット!

227 : ◆YySYGxxFkU - 2016/03/04 21:16:19.18 ip/D9GZT0 676/912

腐川「それにしてもアイドルって職業はやっぱり周りから疎まれるのね」

葉隠「……いきなり何だべ?」

腐川「だ、だってそうじゃない。こんな部屋で洗濯物を干すだなんて、他の人に服を盗まれる心配をしてでしょう?」

葉隠「洗濯物……」

葉隠(腐川っちの視線を追って俺は気が付いた)

葉隠「物干し竿……?」

葉隠(ちょうど霧切っちの死体の上を通るようにして、頭上に物干し竿が張られている)

大神「突っ張り式か……着けるのも簡単そうだな」

葉隠「へえ……アイドルって大変だな」

葉隠(事件には関係なさそうだけど……まあ一応気には留めとくか)



コトダマ『物干し竿』ゲット!

228 : ◆YySYGxxFkU - 2016/03/04 21:16:45.71 ip/D9GZT0 677/912

葉隠「あ、そうだ。オーガちょっと手伝ってくれ!」

大神「何だ?」

葉隠「このタンスを起こして欲しいんだべ」

葉隠(俺は扉を封鎖していたタンスを指さす)

大神「その程度なら……ふんっ!」

葉隠「おおっ!」

葉隠(オーガは軽々とタンスを起こした)

229 : ◆YySYGxxFkU - 2016/03/04 21:17:23.62 ip/D9GZT0 678/912

大神「しかしわざわざ我に頼むほどだったのか?」

葉隠「いや、だってこの見るからに重そうなタンス、俺には……」

大神「中身は空だ。そこまで重くないぞ」

葉隠「……へ? ちょっと待ってくれ」

葉隠(両開きの扉が一つ――洋服をかけて入れる設計なのか、仕切りの無い仕様だ――を開ける)

葉隠(確かに空だった。つうか古いのか底板も外れかかってるなあ……)

大神「言った通りだろう?」

葉隠「……だな」

230 : ◆YySYGxxFkU - 2016/03/04 21:17:56.53 ip/D9GZT0 679/912

大神「それにしてもこの程度の重さで扉を封鎖されて開けられないとは……葉隠、少し鍛えた方がいいのではないか?」

葉隠「いやいやいや。こんな重さじゃなかったはずだべ!」

大神「そんなはずないだろう。我らがこの部屋に入ってから中身を抜き出したというのか?」

大神「何の理由で? もしそうだとしても、それをどこに運んだ?」

葉隠「うっ、それを言われると……」

葉隠(でも……扉を封鎖していたのはこんな重さじゃなかったはずなんだが……)



コトダマ『タンス』ゲット!

231 : ◆YySYGxxFkU - 2016/03/04 21:18:25.59 ip/D9GZT0 680/912

葉隠「にしてもやっぱり古いタンスだべ……」

葉隠(テープが張り付いたままになってる……って、あれ? これ最近張られたような感じだな……?)

大神「どうした、まだ言い訳を探しているのか?」

大神「そんなことより鍛えた方が……今なら我がコーチについてやるぞ」

葉隠「……いや、それは遠慮するべ」

葉隠(オーガのコーチとか命がいくつあっても足りない)

葉隠(まあ、さっきのも一応メモしとこう)



コトダマ『テープ』ゲット!

232 : ◆YySYGxxFkU - 2016/03/04 21:18:53.57 ip/D9GZT0 681/912

葉隠「じゃあ次は重要参考人……十神っちに話を聞かないとな」

十神「……面倒だが、付き合ってやろう。感謝するんだな」

葉隠(偉そうだべ)

葉隠「十神っちに聞きたいことは一点。どうして死体がある部屋で寝ていたんだべ?」

十神「それはさっきも言っただろう。眠らされた、と」

葉隠「そりゃ言ってたけど……どういう意味だべ?」

十神「前の事件と一緒だ」

233 : ◆YySYGxxFkU - 2016/03/04 21:19:32.64 ip/D9GZT0 682/912

葉隠「えっと……」

葉隠(俺は記憶を思い返す)

葉隠「つまり苗木っちに睡眠薬を盛られたっていうことか?」

十神「ああ。やつめ、またヤカンに仕込んでたに違いない。警戒してたのに……!」

葉隠(まあ幸運の才能はやっぱチート気味だよなあ……)

葉隠「つまり十神っちは被害者ってことか」

十神「そういうことだ」

葉隠(納得、納得……と、言いたいところだけど)

葉隠(何か……腑に落ちない所がある。今の証言だけだと)

葉隠(んー、俺は何が気になってるんだ……?)



コトダマ『十神の証言』ゲット!

234 : ◆YySYGxxFkU - 2016/03/04 21:19:58.52 ip/D9GZT0 683/912

<食堂>

葉隠(場所を変わって食堂を見に来た)

大神「やはり痕跡は無いな」

葉隠「駄目元だったし、しょうがないか」

葉隠(十神っちの話が本当なのかを確かめに来たのだが何も無い)

葉隠(十神っちの証言が嘘だったら当然何もないだろうし、苗木っちが仕掛けたのだとしても後始末しているだろう)

葉隠(これじゃ判断できないな)

腐川「……あ、あれ、包丁が一本無くなってない?」

葉隠「え、包丁が……?」

葉隠(俺は壁にかかっている包丁を見る)

葉隠「確かに一本無くなってるな……」

大神「誰かが持ち出したんだろうか?」



コトダマ『包丁』ゲット!

235 : ◆YySYGxxFkU - 2016/03/04 21:20:26.11 ip/D9GZT0 684/912

<四階に移動中>

腐川「はぁ……はぁ……それにしても今日はよく動くわね」

葉隠「えっと……すまんな、探索を任せて」

大神「腐川もたまには運動した方がいいだろう。今日はちょうどいい機会だ」

腐川「それでも四階から一階まで人が隠れられそうなところ全部はやりすぎでしょうが……!」

葉隠「まあ、それは疲れそうだな……」

葉隠(俺も宿舎は全部調べたけど、広さが段違いだ)

腐川「結局誰も見つからなかったし」

葉隠「俺もだったなあ……」



コトダマ『舞園の部屋突入前の探索』ゲット!

236 : ◆YySYGxxFkU - 2016/03/04 21:21:05.10 ip/D9GZT0 685/912

<科学室>

葉隠(ここに来たのは十神っちが飲まされたかもしれない睡眠薬を探してだった)

葉隠(保健室の方は第三の事件から数が減ってないようだったし)

大神「あったぞ、これでは無いか?」

葉隠「そうみたいだな」

葉隠(普段からプロテインを取りに来ていて勝手を知ってるオーガが一早く見つけた)

葉隠(説明を読むと……効果が出るまでに時間がかかるタイプなのか。その分強力みたいだけど)

葉隠(すぐに効果が出た保健室のとは違うな)

大神「箱には12錠入ってると書いているが……」

葉隠「……中には10錠しか入ってないな」

葉隠(つまり誰かが使ったということは明白――)

葉隠「って、2錠無くなってるのか?」



コトダマ『科学室の睡眠薬』ゲット!

237 : ◆YySYGxxFkU - 2016/03/04 21:21:34.55 ip/D9GZT0 686/912

腐川「あれ……その睡眠薬……」

葉隠「何か気になることがあるのか?」

腐川「どこかで見たことがあるような……」

腐川「……! 思い出したわ!!」

腐川「そうよ、白夜様の部屋から出たゴミ袋の中にあったわよ!!」

葉隠「……」

大神「……」

腐川「……はっ!?」

238 : ◆YySYGxxFkU - 2016/03/04 21:22:42.44 ip/D9GZT0 687/912

葉隠「あのー……腐川っち」

大神「ゴミ漁りはよく無いと思うぞ」

腐川「そ、そんなの分かってるわよ!」

腐川「で、でも今週私が当番だったのよ! 気になるじゃない!」

葉隠「……まあ腐川っちのことは置いといて」

腐川「その生暖かい眼差しは止めてちょうだい!」

葉隠「にしても十神っちの部屋から睡眠薬か……」

大神「中身と数はどうだったのだ?」

腐川「入ったままの1錠よ。だからどうして捨てたのか気になったのよ」

葉隠「また謎が一つ増えたべ……」



コトダマ『腐川の証言』ゲット!

239 : ◆YySYGxxFkU - 2016/03/04 21:23:08.89 ip/D9GZT0 688/912

モノクマ『そろそろいいよね? それじゃあ赤い扉をくぐった場所に集合してくださーい!』

葉隠「捜査も終わりか……」

大神「のようだな」

腐川「だ、大丈夫なのかしら。こんなのもので」

葉隠(確かに不安だけど……それでもやるしかない)

240 : ◆YySYGxxFkU - 2016/03/04 21:23:40.37 ip/D9GZT0 689/912

<裁判場>

葉隠(エレベーターで降りてこの場所についた)

葉隠(十回目の裁判場……)

五人の生徒はそれぞれの位置に付く。

十神「……」

苗木「……」

腐川「……」

大神「……」

葉隠「……」

葉隠(この中の誰かが霧切っちを殺した……)

葉隠(今はまだ誰なのかは分からないけど……この裁判で解き明かして、絶対に罰を受けてもらうべ!!)

241 : ◆YySYGxxFkU - 2016/03/04 21:24:07.46 ip/D9GZT0 690/912

そして幕は開く……

命がけの裁判……

命がけの騙し合い……

命がけの裏切り……

命がけの謎解き……命がけの言い訳……命がけの信頼……



命がけの……学級裁判……!!


続き
葉隠「強くてニューゲーム……って二スレ目だべ!?」【後編】

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