美琴「佐天さんって晴れ女だよねー」
佐天「そうですか?」
初春「確かに佐天さんと一緒に出かけるときっていつも晴れてますよね」
佐天「言われてみたらそうかも」
黒子「ジャッジメントですの」
美琴「それにしても海なんて久しぶりね」
初春「学園都市にいるとなかなか海に行く機会無いですからねー」
佐天「でも、水着モデルやったときの水着が貰えたのはラッキーだったね」
初春「そうですね。御坂さんはどっちの水着持ってきたんですか?」
美琴「えっ!?」
黒子「ジャッジメントですの」
美琴「どっちって、あの時1着しか着なかったじゃない。ハハハハ」
初春「でも、私たち帰った後にもう1着着てましたよね」
佐天「そうそう。ビーチで歌を歌いながら着てた可愛らしいやつ」
美琴「ちょっと!なんでそれ知ってんの!!」
初春「なんでって……」
佐天「あんな大体的に巨大モニターで流してたら嫌でも知っちゃいますって」
美琴「う…そ……」
黒子「ジャッジメントですの」
美琴「あのとき適当に押したボタンが、まさかそんなボタンだったなんて……」
佐天「まあまあ、黒歴史なんて誰にでもあるんですから、そんな気を落とさないでくださいよ」
初春「そうですよ。そういえば御坂さん、さっきから携帯鳴ってますよ」
美琴「ああ、黒子からだから、初春さん代わり出てくれる……?」
佐天「あっちゃー、そうとうダメージ大きかったみたいだね」
初春「そうですね。じゃあ代わりに……」
黒子「ジャッジメン…」ピッ
初春「白井さん、先に着いちゃったみたいですよ」
佐天「いやぁ、テレポートって便利な能力だね」
初春「乗り物必要無いですからね」
佐天「それにしても白井さんの声を着信音にするなんて、なんだかんだ言って白井さんに対する愛を感じますね」
美琴「この方が便利なのよ」
美琴「ほら、うちの学校って携帯禁止じゃない」
美琴「こうやって黒子の声を着信音にしておけば、黒子が喋ってるように聞こえるから怒られないのよ」
佐天「それって後で白井さんが怒られる仕組みになってますよね…」
美琴「まあ、授業中に私に電話かけてくるのなんて黒子ぐらいのもんだし」
美琴「佐天さんも初春さんも基本メールだからさ」
初春「確かにそうですね」
アナウンス『次は~○○~○○~』
佐天「あ、そろそろ着きますね」
-とある海-
上条「で、この時期になんで海なんだ?」
土御門「かみや~ん、海はこの時期が一番良いんだぜい」
青髪「そうそう、最近は温暖化の影響でこの時期でもまだ暑いからね~」
土御門「それにこの時期は人が少なくていいんだにゃー」
土御門「それにしても暑いにゃー、何かアイスでも買ってくるぜぃ」
青髪「あ、じゃあガリガリ君!」
上条「俺はチョコモナカで」
土御門「オーケィ!そんじゃ買ってくるぜい!!」
黒子「遅いですの!」
美琴「ゴッメーン…ってあんたが早すぎるのよ!」
初春「後から出たのにどうして早く着いてるんですか?」
黒子「ちょっと新幹線の中にテレポートしましたの」
佐天「それって無賃乗車じゃないの…?」
黒子「まあまあ。あ、ほら、海ですわよ」
美琴「強引に話逸らしたわね」
佐天「誰かシート持ってきてる?」
初春「持ってきてませんね」
美琴「私も」
佐天「じゃあ、私、買ってくるね」
初春「お願いしますー」
美琴「あ、ついでに飲み物もお願いしていいかな?」
佐天「はーい」
-とあるコンビニ-
店員「ありがとうございましたー」
佐天「さてと、シートも買えたし海に戻るかな」
男A「よぉ、君一人ぃ?」
佐天「え?」
男B「あぁ、俺たちと一緒に楽しいことしないかぁ?」
男A「そうそう、絶対に君も気持ち良くなれるよぉ」
佐天「あ…あの…ごめんなさい……」
男A「あぁ!?」
男C「なんだてめぇ!お高く留まりやがってよぉお!!」
佐天「ひっ!いや、そういうわけでは……」
男B「おい、こいつヤっちまおうぜ!」
男A「いいねぇ!」
ビリビリ
男A「お、かわいいおっぱいしてんじゃん!」
佐天「ちょ!やめて!!」
バキィ
男A「いってぇ!コイツ瓶の入った袋で殴りやがった!!」
男B「おい!手足縛っとけ、それと猿ぐつわもな!!」
男C「おうよ!」
佐天「いやぁ!いやぁぁあああああ!!」
男B「ちっ、うっせーな」
男A「おい、大人しくしてろよ!」
男C「よし、これで完了っと!」
佐天「んー!んー!!」
男B「よし、じゃあヤっちまうか!」
男A「いえーい!」
土御門「やーやー兄さんたち、楽しそうなことやってるにゃー」
男B「あぁ!?」
土御門「でも、3人がかりで女の子を無理矢理襲うとは情けないにゃー」
男A「なんだてめぇ!?喧嘩売ってんのか!!?」
男B「おい、やっちまえ!」
男C「おう!」
男A「へへ、俺は昔、米軍基地に乗り込んで米兵相手に喧嘩してたんだぜ!」
男A「キックボクシングもやって……」
バキィィイイイ!!
男A「ぐぇ……」バタン
土御門「弱い犬ほどよく吠えるもんだぜい」
男B「な…一撃で!」
男C「くそっ!」
シュッ
佐天(な、ナイフ!?)
カランカラン
男C「ぐっ!」
バシィィィイイイイイ!!!
男C「あべしっ!」ドサッ
土御門「武器使うならもう少し頑張って欲しいにゃー」
佐天(す、すごい!)
男B「くっそぉぉおおお!!」
ビリビリビリッ!!
佐天(え!筋肉で服が破れた!?)
男B「へっ、俺も無能力者だと思ってたか?」
男B「俺は筋肉を一時的に増強する『肉体強化』の能力者なんだぜ!」
土御門「自分の能力はそうベラベラ人に話すもんじゃないにゃー」
男B「減らず口はほどほどにしやがれぇぇぇえええええ!!!」ドンッ
佐天(電柱に拳がめり込んだ!)
男B「驚いたか!これを食らったら普通の人なら確実に骨折しちまうぜ!!」
男B「さあ、どうだ?今なら土下座して有り金全部置いていったら許してやるよ」
土御門「ははは、それは困ったにゃー」
男B「テメェ!おちょっくってんじゃねぇぇええええ!!!」
グワッ
土御門「どんな強いパンチでも…」
男B「な…顔面に……」
バキィィィィイイイイイイ!!!
土御門「当たらなければどうということはないんだぜい」
男B「が…は……」ドサッ
佐天(すごい!能力者相手に能力を使わずに!!)
土御門「大丈夫かにゃー?」
シュル
佐天「ゴホッ!」
佐天「あ、あの…ありがとうございます!!」
土御門「お礼は要らないにゃー。それより…」
バサッ
土御門「これでも着といた方が良いにゃー」
佐天「え…?」
佐天「あ…」カァァ
土御門「じゃあ、気をつけて帰るんだぜい」
佐天「あ…あの……」
佐天「……」
佐天「名前も言わずに行っちゃった……」
佐天「それにしても、かっこ良かったな……」
佐天「良く見たらイケメンだったし……」
佐天「はぁ、また会えないかな……」
美琴「佐天さーん!」
初春「遅かったじゃないですかー!」
黒子「どうしたのですのー?」
初春「そうだったんですか……」
黒子「だからアロハシャツなんて着てたんですのね」
美琴「ゴメンね、佐天さん…。私が一人で行かせちゃったから……」
佐天「大丈夫ですよ、無事だったんですし」
佐天「それにしても……」
初春「それにしても?」
佐天「いや、なんでも無いよ、初春」
-とある海-
上条「遅かったな、土御門って、ええぇ!?」
土御門「ちょっと軽く運動してきたにゃー」
青髪「上半身裸やでー」
土御門「アロハシャツ落としてきちまったにゃー」
上条「んなわけあるか!」
美琴「その助けてくれた人って、まだこの辺にいるんじゃないの?」
佐天「でも、素肌にアロハシャツって格好だったからこの辺に住んでる人なのかも」
佐天「上半身裸で帰って行っちゃいましたし」
黒子「それもそうですわね」
初春「念のために帰ったら学園都市の生徒から調べておきますよ」
佐天「ありがとう、初春」
美琴「じゃあ、今日はそろそろ帰ろっか」
黒子「そうですわね。佐天さんもあんなことがありましたし」
佐天「いや、私のことは気にしなくていいって…」
初春「ダメですよー、今日はしっかり休まなきゃ」
美琴「それじゃあ、行きましょ」
-数日後-
初春「佐天さーん、佐天さーん!」
佐天「どうしたの初春?」
初春「佐天さんを助けてくれた人がわかりましたよ!」
佐天「えっ?」
美琴「やっぱり学園都市の生徒だったの?」
初春「はい。能力者相手に動じなかったって聞いたので、やはり学園都市の生徒だと思ってました」
黒子「で、誰ですのその人は」
初春「ちょっと待っててください」
初春「えっと○○高校の生徒で……」
佐天「うんうん」
初春「第7学区の○○って学生寮に住んでて、名前は……」
美琴「ちょっと!」
美琴(第7学区の○○に住んでる○○高校の生徒って、まさかアイツじゃ……)
初春「どうしたんですか?」
美琴「あ…いやぁ…別に……」
初春「で…名前は……」
佐天「うん」ゴクリ…
美琴「……」ゴクリ…
初春「土御門元春って名前です!」
佐天「おぉ!」
美琴「へ…?」
美琴「はぁ、良かったぁ……」ホッ
黒子「お姉さま、何が良かったんですの?」
美琴「えっ?」
美琴「そういえば、土御門ってどこかで聞いた名前ね……」
佐天「えぇぇ!」
初春「御坂さん、もしかして知り合いなんですか?」
美琴「うーん、でも男じゃなかったような気が……」
黒子「お姉さま。今朝、会ったばかりではないですの?」
美琴「あ…」
佐天「つまり、土御門さんの妹さんが御坂さんのお友達ってことですか?」
美琴「まあ…兄がいるって言ってたし、多分そうね」
初春「ここにも繚乱家政女学校に通う妹がいるってありますし、間違いないですね」
佐天「じゃあ、その舞夏さんを紹介してくださいよ」
初春「外堀から埋めていくって作戦ですね!」
美琴「うーん、なんかその外堀が本丸のような気が……」
黒子「ところで、写真は載ってませんの?」
初春「写真ですか?ありますよー」
佐天「はぁぁ、やっぱ、かっこいい…」
黒子「佐天さんはこういうタイプが好きなんですのね」
初春「佐天さん、イケメン好きですからねー」
佐天「ちょっと、私が面食いみたいな言い方しないでよぉ!」
初春「あれ、違いましたー?」
美琴「この人ってアイツの……」
美琴(考えろ、考えるのよ、美琴!)
美琴(舞夏を紹介したところで兄まで辿り着ける保証はないし)
美琴(辿り着けたとしても得するのは佐天さんだけ)
美琴(それよりアイツ経由で知り合った方が確実だし)
美琴(もしかしたら流れで私もアイツと……)
美琴(ってなんでアイツが出てくるのよ、バカバカ)
佐天「あのー、御坂さん?」
初春「顔が赤いですよ?」
121 : 以下、名... - 2010/03/03(水) 19:24:39.75 Ybe4L/uo0 34/88※とある科学の超電磁砲の19話は無かったことにしてください
初春「では、御坂さんが佐天さんに舞夏さんを紹介して、妹経由で兄と仲良くなるという作戦で……」
佐天「御坂さん、お願いします」
美琴「ちょっと待ちなさい!」
佐天「えっ?」
美琴「私にもっと良い考えがあるわ、フフフフ…」
黒子「お姉さま…目が座ってますわよ……」
-翌日-
上条「…で、なんでダブルデートという発想に辿り着いたんだ?」
美琴「いいじゃない、ダ…ダブルデートぐらい……」
美琴「それに、どうせアンタ暇でしょ!」
上条「お前なぁ……」
上条「で、土御門だが、あいつはちょっと難しいぞ」
美琴「そこをなんとかするのがアンタの仕事でしょ!」
上条「はぁ…不幸だ……」
上条「で、お前の言う『作戦』なんだが……」
上条「4人でどこかに出かけて、俺とお前が途中ではぐれるってとこまでは分かる」
上条「だが、はぐれた後の俺とお前のスケジュールの方が綿密なのは、なんでだ?」
上条「まるでこれだと、俺とお前がデートするみたいじゃ…」
美琴「い、いいじゃない!こういうのは協力する側のスケジュールがしっかりしてないとダメなのよ!!」
上条「はぁ…そういうもんか?」
美琴「じゃあ、今度の休日、ジョナ・ガーデンで待ち合わせね!」
上条「はいよ」
美琴「ちゃんと誘うのよ~!」
タッタッタッタ…
上条「…アイツ、楽しそうだったな」
上条「そんなに大切な友達なのか……」
-その頃-
男A「いつつっ…あんにゃろー、次会ったらボッコボコにしてやる……」
男B「よくもコケにしやがって…ぜってー許さねぇ!」
男C「『学園都市の黒い三連星』と呼ばれた俺らの恐ろしさを思い知らせてやる!」
ドンッ
男C「っつ!いってーな!!…って、え!?」
男B「ボ…ボス……」
ボス「よぉ、ギャル男3人組。ひでぇ様じゃねーか」
男B「ボ、ボス…実は……」
ボス「あぁん!?一匹のクソガキにやられただぁ!!?」
男C「す、すいません…」
男B「反省してまーす」
男A「ですが、俺らじゃ歯が立たないんです、力を貸してくれませんか?」
ボス「いいぜぇ」
ボス「だがよ、俺らのチームじゃ負けは許されねぇ」
ボス「覚悟はできてんだろうなぁ?」
男A「ひっ…ひぇぇえええ!!」
ドスッドカッ
男C「ぐ…ぐふ……」ドサッ
男B「ボ…ボス……」
ボス「てめぇらじゃ足手まといにしかなんねぇよ、雑魚共が」
ボス「俺がその金髪グラサン野郎ってのを代わりに倒してやんよ」
男B「ボ…ボズぅ……」
-休日、ジョナ・ガーデン-
土御門「いやぁ、まさか、かみやんから誘われるとは思わなかったにゃー」
上条「わざわざ悪いな、土御門」
土御門「いやいやぁ、かみやんのためなら頑張って協力するにゃー」
上条(まあ、本当は俺が協力する側なんだがな)
店員「いらっしゃいませー」
美琴「あ、おまたせぇ!」
美琴「はじめまして…と言っても何回か会ってますよね」
美琴「私は御坂美琴」
土御門「あぁ、舞夏からも話は聞いてるにゃー」
美琴「で、こちらが私の友達の佐天さん」
佐天「あ、あの、この前はありがとうございます」
土御門「あぁ、この前の!」
上条「おい、この前ってなんだよ!」
土御門「かみやんには内緒だぜい」
上条「テメェ……」
上条「じゃあ、改めて自己紹介する必要もないな」
上条「俺は土御門の友人の上条当麻。よろしく」
佐天「あ、はい、御坂さんの彼氏ですよね。よろしくお願いします」
上条「!?」
ガバッ
上条「(おい、ビリビリ、これはどういうことだ?)」
美琴「(知らないわよ。黒子が変なこと吹き込んだんでしょ!)」
上条「じゃあ、そろそろ行くか?」
美琴「そうね」
上条「で、どこに行くんだ?」
美琴「私は何も考えてないわよ」
上条「おい!」
佐天「じゃあ、とりあえず、セブンス・ミストに行きませんか?」
美琴「そうね、そうしましょう」
佐天「あ、私、秋服見たいです!」
土御門「おー、じゃあ、あっち見に行くかにゃー」
上条「おい、ビリビリ、あっち行くぞ…ん?」
美琴「……」キラキラ
上条「なんだ、かわいい服じゃないか」
美琴「え…あ、あぁ、これは違うのよ。その……」
上条「いいじゃねぇか、せっかくだし試着してみろよ」
美琴「え……?」
上条「お、似合ってんじゃねぇの?」
美琴「そうかな、えへへ」
店員「お客様、お似合いですよ」
美琴「じゃあ、これ、お願いします!」
店員「他に何かお買いものなされますか?」
美琴「あ、これも良いかも!」
上条「おい……」
店員「ありがとうございましたー」
上条「結構買ったな」
美琴「何よ、文句あるの?」
上条「いや、別に…」
美琴「あ、ゲコ太!」
タッタッタッタ…
上条「おい、ちょっと待てよ!」
美琴「…うーん、これとこれ、どっちが良いかな?」
上条「迷ってんなら両方買えば良いじゃねぇか」
美琴「それもそうね」
美琴「あ、これとこれくださーい!」
店員「はい、ありがとうございます」
上条「うーん、何か大事なこと忘れているような……」
美琴「え、気のせいじゃない?」
-その頃-
佐天「御坂さん達とはぐれちゃいましたね」
土御門「そうだにゃー」
佐天(御坂さん、わざわざ私のために…)
土御門(かみやん、積極的だにゃー)
佐天「あ、これ、ありがとうございました」
土御門「あぁ、わざわざ洗わなくても良かったんだぜい」
佐天「あのときはありがとうございました」
佐天「土御門さんがいなかったら、私……」
土御門「まあ、佐天さんが無事だったなら、それでいいにゃー」
佐天「えっ?」
土御門「特に深い意味はないんだぜい」
佐天「そ、そうですよね。あははは…」
佐天(はぁ、なに期待してるんだろ…まだ会って2回目なのに……)
土御門「あ、佐天さん、あれとか似合うんじゃないかにゃー」
佐天「あ、え、どれですか?」
土御門「これ、これとか似合いそうだぜい」
佐天「えぇ、じゃあ、試着してみようかな?」
バサッ
佐天「どうですか?」
土御門「いいんじゃないかにゃー」
佐天「えへへへ」
土御門「どうした?なんか、嬉しそうだにゃー」
佐天「私、男の人に服選んでもらったことなかったんで」
佐天「というより、男の人とこうやってデートしたことないんですよ」
土御門「そうか。いやぁ、俺なんかが初デートの相手で悪いにゃー」
佐天「いえ、土御門さんで良かったです」
佐天「そういえば、土御門さんは能力者なんですか?」
土御門「一応、能力者なんだがにゃー」
土御門「レベル0で貧弱な能力だし、ほとんど無能力者なんぜよ」
佐天「そうなんですか」
佐天「…私もレベル0の無能力者です」
佐天「土御門さんは…」
佐天「土御門さんは自分がレベル0とか無能力者だってことは気にならないんですか?」
土御門「あーんま気にならないにゃー」
土御門「そもそも能力なんて個人差があるわけだし」
佐天「でも、御坂さんはレベル1だったのに、努力してレベル5に上り詰めたんですよ」
佐天「それなのに私は、いまだにレベル0で能力も無いなんて……」
土御門「レベルなんて能力によって上げやすさも変わってくるんだぜい」
土御門「それに、無能力者と言っても自分の能力に気づいてないケースもあるわけだし」
土御門「そんな焦ることもないぜよ」
佐天「そ、そうですよね」
佐天「あの…ありがとうございます……」
土御門「で、そのロリ教師のスケスケミルミルってのが~~」
佐天「あはは、私もその教師知ってるかも~~」
美琴「なぁんだ、心配しなくても上手くやってるじゃないの」
上条「おーい、御坂ぁ、何見てんだ?」
美琴「別になんでもないわよ!それより次は映画を見に行くわよ」
上条「はいはい」
土御門「結構買ったにゃー」
佐天「すいません、荷物持たせてしまって…」
土御門「こういうときは素直に甘えるもんだぜい」
佐天「はいっ」
土御門「あぁ、ちょっと腹も減ったし、外のテラスで少し休まんか?」
佐天「いいですよー」
-テラス-
土御門「何か欲しいものはあるかにゃー?」
佐天「あ、私はアボガドアイスクレープでお願いします」
土御門「じゃあ、買ってくるぜよ」
佐天「はーい、お願いします」
土御門「こそこそ後を付け回すのはあまり良い趣味とは言えないぜよ」
ボス「ほぅ、さすがだな。あの3人を倒しただけのことはありそうだ」
ボス「いつから気づいていたんだ?」
土御門「最初からだぜい。足音が煩かったからにゃー」
土御門「で、そろそろ姿を見せたらどうだい?」
ボス「フフフ、それもそうだな」
スッ
ボス「うちの舎弟がお世話になったようだな」
土御門「あぁ、あんときの?」
ボス「たっぷりお礼させてもらうぜぇ!」
ガタッ!ガラガラ!!
土御門「つっ!」
客「キ、キャァァァアアアアア!!!」
ざわざわ
佐天「え、何!?」
佐天「土御門さん!?」
ボス「フフフ、姿が見えなければ攻撃もできまい」
土御門「そいつがアンタの能力ってわけか」
ボス「そうだ。大人しくしていればすぐに終わらせてやる!」
土御門「そいつは御免だぜい!」
シャッ
ボス「な、テーブルの上のケチャップを!?」
土御門「これでその能力も意味ないぜよ」
ボス「くっ!」
土御門「そこっ!」
バサッ
土御門「くっ、瞬時に上着を脱いだか…」
ボス「残念だったな」
ドスッ
土御門「ぐはっ!」
佐天「土御門さん…誰と戦ってるの!?」
佐天「…もしかして視覚阻害の能力者!?」
佐天「だったら鏡で!」
ガサガサッ
佐天「土御門さん!!」
佐天「な!何も映らない!?」
土御門「下がってろ!」
ガッ
土御門「ぐっ!」
ボス「残念だったなぁ。俺の能力は身体透過。自分の姿を消す能力だ」
佐天「そんな……」
ボス「そぉらっ!」
ドスッ
土御門「がはっ!」
佐天「そんな…土御門さんが…大切な人が危険な目に会ってるのに、私は見てるだけしかできない……」
佐天「私に何か能力があれば……」
― 土御門『無能力者と言っても自分の能力に気づいてないケースもあるわけだし』
― 美琴『佐天さんって―――』
佐天「私の能力って…もしかして……」
佐天「だとしたら……」
ポツッポツッ
ボス「ほう、雨が降ってきたか」
ボス「雨の中、勝敗を決すなんて演出、素敵やん」
土御門「ククク、そうだな」
シュッ
ボス「そんなパンチ当たら…」
ボス「へぶぅ!」
ボス「な、なにぃ!」
ボス「俺は消えてるハズだぁ!!」
土御門「あぁ、確かに消えてるぜよ」
土御門「だがなぁ!」
バキィィィイイイイイイ!!!
ボス「が…は……」ガクッ
土御門「アンタのとこだけ雨が当たってないんだぜい」
ザアアァァァァァァァァァ……
ボス「く…そ……」ドサッ
土御門「その能力、意外と手強かったぜい」
タタタタッ
佐天「土御門さん!大丈夫ですか!?」
土御門「あぁ、助かったぜい、佐天さん」
シュンッ
黒子「ジャッジメントですの」
黒子「傷害罪及び器物破損の現行犯として拘束しますわ」
ボス「く……」
佐天「白井さん!」
佐天「土御門さんはこの人に襲われて……」
佐天「だから……」
黒子「何を言っておりますの?」
黒子「喧嘩は両成敗。どちらも拘束いたしますわ」
佐天「そんな…白井さん……」
黒子「ですが、この程度の傷害罪は現行犯でしか逮捕できませんの」
黒子「残念なことに、もう一人には逃げられてしまいましたわ。そうでしょう?」
佐天「はい!」
黒子「では、ここから先はアンチスキルの管轄です」
黒子「一般人は下がっていてくださいませ」
佐天「わかりました」
佐天「いきましょう、土御門さん」
土御門「いやぁ、良かったのかにゃー、見逃してもらっちゃって」
佐天「大丈夫ですよ。御坂さんなんて、しょっちゅう無かったことにしてもらってますし」
土御門「そうか、それは助かるぜよ。おっ!?」
佐天「あ、虹!!」
佐天「綺麗……」
チュッ
佐天「え!?」
土御門「こいつはさっきのお礼だぜい」
佐天「あ……」カァァ
佐天「…あの、これは受け取れません」
佐天「私も助けてもらったお礼があるので」
佐天「だから、これは返します」
土御門「ははは、そうかい」
佐天「どうぞ」
チュ…
-翌日-
初春「で…初デートでキスまでしたと?」
美琴「世の中には何回デートをしてもキスどころか女として見られない人もいるのに……」
黒子「あらあらお姉さま、キスでしたら黒子がいくらでもして差し上げますわよ。んー」
美琴「ちょっとやめなさい!私のことじゃないわよ!!」
佐天「あははは…」
佐天「まあ、キスといっても頬にだけどね」
初春「アメリカ人とかがよくやるやつですね」
佐天「だから、御坂さんもそんな気を落とさないでください」
美琴「うぅ…次こそはキスぐらいは……」
黒子「でしたらお姉さま、この黒子が練習相手になりますわよ。んー」
バキィィイイイ!!
美琴「あんたに私のファースト・キスを奪われてたまるもんですか!!」
カランカラン
青髪「わぁ、かわいい女の子がいっぱいやでー!」
上条「お前は喋るな。頼むから」
美琴「あ、来たみたいね!」
上条「よぉ。佐天さん、能力開花おめでとう!」
佐天「ありがとうございます。でも、わざわざ『能力開花祝いパーティ』なんて開かなくても良かったのに……」
上条「いやいや、すごいことじゃないか!」
佐天「でも、まだレベル0ですし、雨を降らせたり晴れさせたりするぐらいしか出来ないですよ」
佐天「それに電撃使いや空間移動と比べたら実用性無いですし……」
土御門「でも、それってすごい能力じゃないのかにゃー」
佐天「土御門…さん?」
土御門「科学が発達して人間は色々なことが出来るようになったけど、自然を操ることだけは未だにできないんだぜい」
初春「この学園都市でも、演算によって正確に天気を予測することは出来ても天候を操ることはできないですしね」
上条「誇れる能力じゃないか」
美琴「そうよ、私の能力なんかより全然すごいわ」
黒子「このままだといつか追い越されてしまうかもしれませんわね」
佐天「みんな……」
佐天「みんな…ありがとう」ポロッ
美琴「ほらほら、泣かない泣かない。せっかくのお祝いなんだからもっと笑って」
佐天「はい」
美琴「じゃあ、みんなグラス持った?」
美琴「それじゃあ、佐天さんの能力開花を祝って、カンパーイ!!」
全員「カンパーイ!!」
土御門「いやぁ、楽しかったにゃー」
青髪「あのツインテールの女の子、ポイント高いでぇ。小柄なのに結構Sッ気あったもんなぁ」
上条「やはりお前を連れてきたのは間違えだったな…」
青髪「いやぁ、さすがはかみやん。感謝しとるでぇ」
上条「お前…ストーカーだけはするなよ……」
土御門「かみやんは電撃少女萌えだからにゃー」
上条「おい…」
上条「そういうお前はどうなんだ?やっぱメイドか?」
土御門「そうだにゃー」
土御門「…まあ、黒髪ロングも悪くないぜよ」
-fin-
338 : 以下、名... - 2010/03/05(金) 06:15:41.01 lnnK3Q1j0 83/88最後まで読んでくれた方、ありがとうございます。
投下のスピードが遅い上に、
かなり時間が空いてしまっていたのにも関わらず、
保守や支援してくださった方には本当に感謝しています。
佐天×上条のSSはよく見るけど、
佐天さんってイケメン好きそうだし、
実際は土御門に惚れそうだな~なんて思って書きました。
340 : 以下、名... - 2010/03/05(金) 06:35:59.81 29uhYnJZO 84/88土御門好きだからたまにこういうSSがあると嬉しい
乙!面白かったよ
342 : 以下、名... - 2010/03/05(金) 06:49:16.74 lnnK3Q1j0 85/88>>340
自分も土御門は好きです。
また土御門関連のSSは書きたいです。
354 : 以下、名... - 2010/03/05(金) 08:30:12.02 tMB0ns9AP 86/88乙
雨を降らせるって物凄い能力じゃね?
遥か上空に雲を作るんだろ
307 : 以下、名... - 2010/03/05(金) 01:07:33.28 HTkq/nvBO 87/88天候操作(ウェザーリポート)か
356 : 以下、名... - 2010/03/05(金) 08:49:12.33 lnnK3Q1j0 88/88>>354
そこまで深く考えてませんでした。
単に自分のちょっとしたジンクスと
超電磁砲3話の佐天の台詞、
幻想御手を使った佐天の能力(手の中で風を起こすやつ)、
超電磁砲14話の晴れるシーンを参考にしただけです。
>>307のウェザーリポートってのを見て確かにそうだと思いました。