女勇者「あるの?」
戦士「あるだろ」
僧侶「ありますね」
賢者「え、急に何を……」
女勇者「それはどうして?」
戦士「そりゃあだってお前…男ばっかりの勇者一行なんてやってる方も見てる方も辛いだろ」
女勇者「見てる方って……?」
戦士「それは……」
戦士「み、見てる方は見てる方だよ!!」
賢者(うわっ、トートロジー……)
女勇者「ふーん」
元スレ
女勇者「勇者が女である必要は?」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1479556972/
女勇者「でも勇者一行っていうのは魔王だとか、この世界の悪を倒す戦闘集団を指すでしょ?」
戦士「ああ」
女勇者「なら非力な女を入れるより屈強な男で固めたパーティの方が理にかなってない?」
戦士「はぁ、だから言ってるだろ! 男しか居ないパーティはなんつーか、こう……士気が下がるというか」
戦士「良いパフォーマンスが出来なくなるんだ! だから一人くらい女が居た方が皆やる気が出て、むしろ強いパーティになる!」
女勇者「そっかぁ……うーん、パーティに女が必要なのはちょっと分かったけど……」
女勇者「それが勇者である必要は無いと思うな。だって、居るだけでいいなら剣を握らせなくていいじゃん。後方支援の、例えば僧侶だとか魔法使いを女の子にすればいいと思う」
戦士「それは……」
僧侶「……やれやれ、代わってください戦士さん」
戦士「? ああ」
賢者(何これターン制なの……?)
女勇者「なに、僧侶くん」
僧侶「勇者さん、貴女は男心を全く分かっていない」
僧侶「さては生娘ですね?」
女勇者「なっ……そんなの関係ないっ!」カァ
僧侶「いいですか、仮に貴女が男だったなら……」
女勇者「うん」
僧侶「前線に立つ女勇者……男に負けじと剣、或いは魔法で敵を仕留めていく」
僧侶「泣き言は吐かない。自分は勇者だから、強くなければいけないから。そう自分に言い聞かせ、痛む傷をひた隠しにして、健気に戦い続けるのです。そんな彼女を後ろから見ている貴方……」
女勇者「う、うん」
僧侶「ですがやはり勇者も人の子であり女の子。人並に悩み、人一倍苦しむ。年頃の女の子ならば当然するおしゃれや恋に憧れているが、鎧姿の自分とその下の数え切れない傷を見て、叶わぬ夢と一人枕を涙で濡らす……」
僧侶「そこに貴方が間が悪く部屋に入ってきた! 涙を見られて焦燥する勇者、しかし貴方は彼女の境遇をすぐさま察して、ただ優しく抱き締めてあげる……勇者は誰かに初めて自分の本当の気持ちをぶつけ、その時だけは普通の女の子になる!」
僧侶「そして二人は幸せなキスをして……」
僧侶「ああ、いいッ!! 勇者いいッ!!」
僧侶「やはり女勇者は最高だと思いませんか勇者ァ!!? どうですかァ!! ええッ!!?」
女勇者「!?」ビクッ
賢者「正体現したね。後半はただの妄想吐露だったんだけど」
戦士「おい勇者怯えてるぞ」
女勇者「僧侶くんの言ってることは何となく分かるよ、うん」
賢者(目が死んでる……)
女勇者「つまりは、勇者が女であることで『勇者』という肩書きの価値があがるってことでしょ?」
女勇者「選ばれてしまった不幸、戦い続けなければならない重責、普通への憧れ……そういった要素に女であるというのを加えれば、より勇者というのが特別な存在になる……と」
僧侶「そう、頼もしい主人公という仮面の下に、か弱いヒロインの貌を隠している、素晴らしい存在なのですよ女勇者というものは!!」
僧侶「こういった深みを持っているのは女勇者だけ!! だからすべからく勇者は女であらべきなんですよ!!」
女勇者「うっ……」フラッ
戦士「テンションを抑えろ僧侶、お前が上がれば勇者が下がるんだよ」
僧侶「あっすいません、つい……」
女勇者「大丈夫だよ僧侶くん…戦士さん、ありがとう」
女勇者「……僧侶くん。君の話を聞いても私はやはり勇者が女である必要はないと思うよ」
僧侶「えぇっ!? そんなぁ!!」
僧侶「なぜですっ!!!」
女勇者「だって、それってショタ勇者でも同じこと出来るじゃない」
賢者「……なるほど」
僧侶「ショタ…つまりは男ォ!? な、なぜそんなおぞましいことを言うのです、勇者さんっ……!!」
女勇者「ショタっ子が年不相応の苦しさを我慢して気丈に振る舞う……その姿に男も女も庇護欲をかき立てられると思うの、女勇者と同じかそれ以上に」
女勇者「または何かハンデを抱えた男の勇者でも、同様に言えるかも。守ってあげたい系男子みたいな」
女勇者「だから別に女勇者『だけ』が僧侶君の言う、理想の勇者じゃないと私は思う。好みは人それぞれだけど」
女勇者「勇者が女である絶対的な必要性は、ない」
僧侶「いや、でもっ、あのっ、ショタも女みたいなものでっ、男というには、つまりはそのっ……」
賢者(壊れた)
戦士「ちょっと眠ってろお前ッ」ガンッ
僧侶「ぐふっ」バタッ
女勇者「……」bグッ
戦士「……」bグッ
女勇者「はぁ、やっぱり無いじゃん、必要」
戦士「そうだな……」
僧侶「」
女勇者「あー、なんか一気に勇者やる気なくなったなぁ。なんで神は私を勇者にしたの……」
賢者「今更なにを言ってもしょうがないよ。与えられたからには全うしなきゃ駄目だよ、勇者としての使命は」
女勇者「……それもそうだね」
女勇者「ごめんね皆。旅を続けよう――――」
「――――待て」
勇者一行「「「「!?」」」」
賢者「こ、この魔力はまさかっ……!!」
魔王「話は聞かせてもらったぞ」
戦士「いきなり現れて何者だお前は!」
魔王「俺は魔王、お前達が逢いたくてしょうがなかった魔王様だよ」
魔王「ほら、王だぞ。頭を垂れよ」
女勇者「これが魔王っ!? でもなんでこんな所に魔王が……」
魔王「いや、遠くから水晶玉的なアレでお前らの会話を盗聴していたら、なかなか興味深いことを話していたから、ついな……」
賢者「ストーカーかな?」
女勇者「……さいてー」
魔王「ふっ、なんとでもいえ矮小な生物よ」
賢者「涙拭きなよ」
戦士「…茶番はいいからさっさと戦闘しないか?」
魔王「まあそう早まるな。俺は勇者、お前に答えを教えにやって来たのだ」
女勇者「答え……?」
魔王「そう、なぜ勇者が女である必要があるのか、それを今からお前に教えてやろう」
女勇者「ほんとう!?」
魔王「ああ、それは――――」
魔王「俺の子を孕む為だよおおおおおおおッ!!」パンパンパンパンッ
女勇者「ひぎぃ! い、痛いッ! そんなに強くおま○こ突かないでぇーッ!」
魔王「孕めッ! 孕めッ! 孕めッ!」パンッパンッパンッ
女勇者「な、なんか中でおっきくなってるううう!! 精子いやぁ! 赤ちゃんいやぁ!!」
魔王「うっ」
ドビュルルルルル…
女勇者「はぁはぁ……あ、熱いのがっ…中にたくさん…」
魔王「これが勇者が女である必要性、だ!」
戦士「なるほど、これが……!」
賢者「これが、答え……!」
僧侶「……これは……」ムクリ
魔王「さあ、お前らも俺と一緒に女勇者を孕ませるのだ!! 陵辱されることこそ、こいつの存在価値なのだからなぁ!!」
女勇者「ち、違うっ! 私は世界を救うためにっ……
(ズボッ)
ひぃんっ!?」
戦士「さっきまで処女だったからな、やはり締まりがいい!」パンパンパンパン
女勇者「せ、戦士さぁんっ!? や、やめっ」
賢者「後ろは僕が貰うね」
僧侶「さあ俺のをくわえろこの淫売ィ!!」
女勇者「むぐむっ…ぅううんっ!!」
陵辱は三日三晩続いた。
邪悪な魔王と信じていた仲間達に絶えず子種を注ぎこまれる。
絶望しか無い。もう光が見えない。
精神が崩壊する直前、彼女は思った――――
女勇者(……って、これもやっぱり勇者である必要無いよねーッ!!?)
いつの日か彼女が答えに辿り着けるのを信じて……。
END