1 : 以下、名... - 2016/10/12 04:00:09 m/zbMCJA 1/21

「だよー」

元スレ
女「額に鉄板入れてみた」
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1476212409/

2 : 以下、名... - 2016/10/12 04:02:10 m/zbMCJA 2/21

「なにゆえ」

「ある漫画の影響でね」

「それだけで納得しろと?」

3 : 以下、名... - 2016/10/12 04:08:05 m/zbMCJA 3/21

「ちょっとー、私の彼氏ならもっと喜んでくれてもいいじゃない」

「どこの世界に、自分の彼女のデコに鉄板入って喜ぶ奴がいるかよ!」

「そうは言っても私が鉄板を入れたからには、君には事実を受け入れてもらうわ」

「そうやって自分の考えを押しつける事しかしないから!」

「私の彼氏の言う事かぁー!」

4 : 以下、名... - 2016/10/12 04:14:06 m/zbMCJA 4/21

「俺は普通の彼氏だ…普通の彼氏でたくさんだ!」

「だとしても…君には額に鉄板を入れた彼女をもつ者として彼氏をやるのよ!」

「言うにことかいて…女のエゴを強化した、化け物めぇぇぇ!」

「化け物結構!私は化け物よ!」

5 : 以下、名... - 2016/10/12 04:18:22 m/zbMCJA 5/21

「ならその慢心…鉄板ごと撃ち貫くのみ!」

バシュゥゥゥ

「魂武装【ソウル・ウエポン】…パイルバンカー!」

「そう、それが君の答えなの…鉄で固めた、その右腕が!」

「もはや問答無用!」

7 : 以下、名... - 2016/10/12 07:12:08 m/zbMCJA 6/21

「そんな時代遅れの鉄屑に!」

「当たれば終わる!」

「当てるなどと!」

バシュゥゥゥ
ザザッ
グワァ サッ

「くっ、蚊トンボみたいに動いて!」

「当たらなければいいと言っている!」

サッ

「諦めて!君には…君だけには認めて貰いたいの、私は!」

「だからエゴだと言った!」

8 : 以下、名... - 2016/10/12 07:15:00 m/zbMCJA 7/21

グワァ

「捉えた!額のど真ん中!」

バシュゥゥゥ

「撒いた餌に食らいつく!やっぱり素人だよ、君という奴は!」

サッ

「なっ、このタイミングを!?」

「その信念ごと右腕を!」

ザンッ
バキィ

「ば、バンカー!」

9 : 以下、名... - 2016/10/12 07:26:23 m/zbMCJA 8/21

ダラリ

「もうその右腕は使えない…神経を超振動させ破壊したから」

「ぐうっ、女ぁ!」

「私は…ずっと君の気を引きたかったの…髪型を変えたり、服を変えたり、メイクをしたり…でも、君はぜんっぜん、気付いては、くれなかった…」

「だ、だからって…」

「だから、よ。さすがに額に鉄板を入れたら、君も気付いてくれるでしょ?」

「お、俺の鈍さが君を狂わせたのか…!」

10 : 以下、名... - 2016/10/12 07:31:05 m/zbMCJA 9/21

「狂う?いいえ、これが私よ」

「違う!お前は…少なくとも俺の知っている女って奴は!間違っても額に鉄板なんて入れはしなかった!」

「!」

「お前が変わっちまったって言うのなら、俺が…俺が何度だって!」

バシュゥゥゥ

「だから、俺の右腕よ!力を…力を…貸しやがれぇぇぇ!」

バシュゥゥゥ

「ば、馬鹿な…もう右腕は!」

バシュゥゥゥ

「お、お、おおお!」

『魂武装【ソウル・ウエポン】!!!』

12 : 以下、名... - 2016/10/12 07:48:42 m/zbMCJA 10/21

バシュゥゥゥ
ガキィィィン

「嘘…ありえない…一度壊れた魂武装は、二度と戻らない筈!なのに!」

「言ったろ…何度だって…俺は!」

ガキィィィン

「ただ、撃ち貫くのみ!」

~BGM:鋼鉄の孤狼~

13 : 以下、名... - 2016/10/12 16:18:33 m/zbMCJA 11/21

「そんな…嫌、嫌よ…男、本当に私の額の鉄板を…撃ち貫くの?」

「あぁ」

「私がどうしても嫌だと言っても?」

「あぁ」

「貴方に気付いて欲しかっただけなのに?」

「あぁ」

「そんな…君は私の彼氏でしょ!?だったら、どうして!私の気持ちを!」

「なら何故お前は泣いている?」

「!」

ポロッ…

14 : 以下、名... - 2016/10/12 16:20:25 m/zbMCJA 12/21

「え、私…泣いて…?」

「俺はお前以上にお前の事を知っているつもりだ…だから、助ける。偽りの言葉の奥底で泣いている…本当のお前を…助ける!」

ガシャコン

「何度だって言うさ…ただ、撃ち貫くのみ!」

15 : 以下、名... - 2016/10/12 16:43:58 m/zbMCJA 13/21

ダッ

「はぁっ!」

グォッ

「その踏み込みは!」

「反応する前に!」

「見えているなら、かわせる!」

「それが遅いと、分かれ!」

ガキィィィン

「額、捉えた!」

「しまっ…」

16 : 以下、名... - 2016/10/12 16:53:24 m/zbMCJA 14/21

ズドォォォォォン!

「手応え…あり、だ!」

ケムリ モクモク
ボヤ~

「…!」

デコ ムキズ

「…」

「馬鹿な…額が無事だと…!?」

「ウィークポイントをむき出しのままにする筈がないでしょう?」

「なっ…」

「額の表面に、オリハルコン・コーティングを施してあるの…鉄屑ごときで貫ける訳ないでしょ!」

18 : 以下、名... - 2016/10/12 16:58:39 m/zbMCJA 15/21

「オリハルコン…!」

ピシピシッ バキィンッ

「お、俺のパイルバンカーが!」

「鉄とオリハルコンがぶつかり合えば、どちらが壊れるかは明白…でしょ?でしょ?」

ボウケン デショ デショ

「まいったね、こいつは…」

20 : 以下、名... - 2016/10/12 21:09:49 m/zbMCJA 16/21

「さぁ、もはや私の額を貫く方法は無い。男…その身を委ねて…私と一緒になりましょう…ひとつに、なりましょう…」

テ サシノベ…
パシッ

「!?」

「ふ、くふふふふ…一緒に?ひとつに?馬鹿いえ…」

チャキッ

(左手で拳銃を!?)

「お前となんか」

「お前となんか」



「お前となんか、ひとつになれるか」

21 : 以下、名... - 2016/10/12 21:13:15 m/zbMCJA 17/21

ぱきゅーん☆

「ぐふっ…」

バタリ

「男…男男男!何故!何故君が私を撃つ!?何故!何故何故何故!銃を!何故君が!あ、あああ!」

ノド ガリガリガリ

「何故何故何故!ぎひぃぃぃぃぃ、あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!」

22 : 以下、名... - 2016/10/12 21:20:30 m/zbMCJA 18/21

「ふ、違う。違うよ、お馬鹿な雌豚ちゃん」

「!?」

「私はこの体を借りているだけ。だって私の体、さっき貴方が壊しちゃったから」

「!?」

「私は、パイルバンカーの宿神【やどりがみ】…入蛮華」

「宿神…愛を込めて使用された魂武装に宿るといわれる精霊神…まさか実在するとはね」

23 : 以下、名... - 2016/10/12 21:24:43 m/zbMCJA 19/21

「ご主人がピンチだったからね、少し手を出させて貰ったの。発射【だ】したのは鉛弾だったけどね」

「笑えないジョークをどうも…ぐふっ…」

「いくら額に鉄板を入れ、表面をオリハルコン・コーティングしていようとも、喉を撃ち抜かれちゃ、死んじゃうよね」

「確かに…ぐふっ…」

24 : 以下、名... - 2016/10/12 21:30:43 m/zbMCJA 20/21

「依り代を無くしちゃったから、私もご主人の側にはいられない…今回のご主人はけっこう気に入ってたのになぁ…もぅ」

「ふ、女の恨みっていうのは、本当………ぐふっ…」

「貴方もそろそろ時間切れね…私も…おな、じ…ね…」

「…」

「それ、じゃ、さよな、ら…ごしゅ、じ…」

パァァ

「…」

25 : 以下、名... - 2016/10/12 21:35:40 m/zbMCJA 21/21

・ ・ ・ ・ ・

――風が吹いている――

――あぁ、呼んでる――

――いつか聞いた――

――あの声――



『ねぇ』

『私』

『額に』

『鉄板―――――』

【完】

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