1 : 以下、名... - 2016/10/08 21:23:14.80 +tN38eao0 1/18

「あずにゃんあずにゃん!」

「どうしましたか唯先輩?」

「これ見てっ!」カチャッ

「律先輩のカチューシャですね」

「机の上に置きっぱなしになってたんだよ」

「律先輩、カチューシャ外してどこ行っちゃったんでしょうか?」キョロキョロ

2 : 以下、名... - 2016/10/08 21:28:00.36 +tN38eao0 2/18

「珍しいね~。りっちゃんがカチューシャ外してるなんて」

「確かにそうですね」

「えへへ。これ私が着けてたどうなるかな?」

「勝手にいじっていいんですか?」

「まぁまぁ。私とりっちゃんの仲だし~」カチャ

ガシーーン!

「まったくもう」

「……」

「唯先輩?」

『うぃーっす、梓』

「!!?」

3 : 以下、名... - 2016/10/08 21:31:36.05 +tN38eao0 3/18

「唯先輩!?」

『どうした梓?驚いたような顔して?』

「いや、驚きますよっ!なんで律先輩みたいなしゃべり方すてるんですかっ」

『そりゃあ私のカチューシャ着けたら私みたいなしゃべり方になるだろ』

「えっ…あの、もしかして、律先輩なんですか?」

『おうっ!りっちゃんだぜー!』

「そんなバカな…」

4 : 以下、名... - 2016/10/08 21:37:55.06 +tN38eao0 4/18

『バカとは失礼だな梓~』

「ああ、いえ、そういう意味では…」

『まぁ梓が驚くのも無理は無いか。私のカチューシャにこんな能力があるなんて今まで言ったことなかったからな』

「律先輩のカチューシャにそんな秘密が…」

『おもしろいだろー!』ふんす!

「まぁ…おもしろいはおもしろいですよ。あの、それってカチューシャ外したら元の唯先輩に戻るんですかね?」

『戻るぞ』

「あ、意外と簡単に戻れるんですね」

5 : 以下、名... - 2016/10/08 21:41:03.04 +tN38eao0 5/18

『じゃあちょっと梓、このカチューシャ外してみてくれよ』

「はぁ。わかりました…」カチッ

ガチョッ!

「ふぅっ!ようやく戻れたよ~」

「お~」

「りっちゃんのカチューシャすごい能力があったんだねあずにゃん」

「そうですねぇ」ジー

「……」

「……」

「あずにゃんも着けてみたら?」

「あ、やっぱり私もやる感じですか?」

6 : 以下、名... - 2016/10/08 21:44:26.93 +tN38eao0 6/18

ガシーーン!

「……」

「…あずにゃん?」

『よお、どうした唯?』

「あずにゃんがりっちゃんになってるっ!」

『なんだよー。唯もさっきやっただろ~?』

「そうなんだけど、やっぱり違和感あるねぇ」

『見た目は梓のまんまだからなぁ』

7 : 以下、名... - 2016/10/08 21:48:35.02 +tN38eao0 7/18

「りっちゃん、あずにゃんの体になった感じはどう?」

『うーん、あんまり変わんねぇな』

「そういうものなの?」

『身長同じくらいだからなー』

ガチャ

「あれ?律のやつ部室に来てないのか?」

「あ、澪ちゃん!」

『私ならここにいるぜー!』

「??」

8 : 以下、名... - 2016/10/08 21:53:43.20 +tN38eao0 8/18

「どうしたんだ梓?律のカチューシャなんか着けて…」

「あずにゃんじゃないよお澪ちゃん。ここにいるのはりっちゃん!」

『よぉ澪。りっちゃんだよーん♪』

「ああ、そうか…ついに二人も律のカチューシャの秘密に気付いてしまったんだな」

「澪ちゃんは知ってたんだ?」

「一応幼なじみだからな」

『腐れ縁ってヤツだな』

9 : 以下、名... - 2016/10/08 22:05:59.01 +tN38eao0 9/18

「澪ちゃんはこんな風にりっちゃんになったことあるの?」

「そう言えば無いな」

『おお、じゃあ澪も私になってみるか?』

「梓から外して自分の頭に着ければいいのか?」

『そうそう。外して着けるだけ』

「それじゃあ…」スッ

「やっぱりあずにゃんの頭に着けるなら、カチューシャじゃなくてネコミミじゃないとね!」ふんすっ

『なーに言ってんだよっ』

ガチョッ!

「何を言っているんですか唯先輩はっ!」

「すごい、梓に戻ったな」

11 : 以下、名... - 2016/10/08 22:13:56.62 +tN38eao0 10/18

「まったく、唯先輩は…」

「まぁまぁあずにゃん♪」ぎゅーっ

「やれやれ。それじゃあ、私もちょっとだけ…」

ガシーーン!

「……」

「澪先輩?」
「それともりっちゃん?」

『うおっ!澪の体になってるっ!』

「お~!」
「お~!」

『おもしろいなーこれっ!』

12 : 以下、名... - 2016/10/08 22:19:20.93 +tN38eao0 11/18

「澪ちゃんになった感想はどう?りっちゃん?」

『いつも見なれてるからなー。あ、でもいつもより身長は高いかな』

「なるほど。視点が普段とは違うと」

『そんなもんかな。それほど新鮮味はねぇなあ』

「澪ちゃんの体のことは知りつくしている、ってことね!」キラキラ

『違う意味に聞こえるわっ!』
『って、ムギ!?』

「おおっ!いつの間にムギちゃんっ!」

「今来ました~」にこにこ

13 : 以下、名... - 2016/10/08 22:27:21.77 +tN38eao0 12/18

「おはようございますムギ先輩」

「おはよう梓ちゃん。みんなおもしろそうなことしているわねっ!」ふんすっ

「ムギちゃんもりっちゃんのカチューシャ着けてみなよ~」

「はいはいっ!私もやってみたいですっ!」しゅばっ

『いいぜー。それじゃムギもこのカチューシャ着けてみろよ』

「頭に着けるだけでりっちゃんになるのね?」

『そういうこと』

ガチョッ!

「…ふぅ、なんか照れるなこれ」

「お疲れ様です、澪先輩」

14 : 以下、名... - 2016/10/08 22:34:40.99 +tN38eao0 13/18

「ふふふ、それじゃあいくわねっ」わくわく

「よっ!待ってましたー!」

「りっちゃんに~、変身っ♪」

ガシーーン!

「……」

「ムギ?」

『ムギじゃねー!りっちゃん参上っ!』

「ムギ先輩になった律先輩ですね」

『ムギ~お茶淹れて~♪』

「ムギは今お前だろっ」

「あははっ!わけわかんないねぇ」

15 : 以下、名... - 2016/10/08 22:39:00.40 +tN38eao0 14/18

「でもこのままじゃムギ先輩の紅茶が飲めませんね」

『そいつは困ったなっ』

「大変だよーりっちゃん!」

『ヤバイな!放課後ティータイムの危機だっ!』

「ケーキも食べられません」

「ムギが居ないとこんなにも大変だなんて」

「これは一刻も早く戻ってもらわねば…」

16 : 以下、名... - 2016/10/08 22:44:51.36 +tN38eao0 15/18

『ええ~でももうちょっとムギの体のっまで遊びたいぜっ』

「それじゃりっちゃん来るまではムギちゃんにカチューシャ着けててもらおっか?」

「と言うか、律先輩来たらこれどうなるんですかね?」

ガチャ

「なー、誰か私のカチューシャ知らね?」

「お、言ったそばから来たな」

『カチューシャならこっちの私が着けてるぜー!』

「おう!?」

17 : 以下、名... - 2016/10/08 22:48:27.91 +tN38eao0 16/18

「あわわ、私の本体が~~」へなへな

「本体なんですか」

「りっちゃんが本体外してるなんて珍しいよねって言ってたんだよー」

「ううっ、部室来たら誰もいなかったからなんか外して、そのままトイレ行っちまったんだよ…」

「それで鏡を見て気付いて戻って来たと」

『私が本体だぜー!』ふんすっ

「あぁ~、私の本体さんが~~っ」へなへな

18 : 以下、名... - 2016/10/08 22:54:43.08 +tN38eao0 17/18

「そのカチューシャが無いと、私は…私はぁ~」ふにゃふにゃ

『仕方ねーなー。やっぱりこのカチューシャは私に着いてないとダメかっ』

ガチョッ!

「はい、りっちゃん!りっちゃんのカチューシャよ~」

「あぁ~、ありがてぇ、ありがてぇですだ~」へこへこ

ガシーーン!

「……りっちゃん、ふっかーつ!!」シャキーン!

「おー。やっぱりりっちゃんはこうじゃないとね!」

「しっくりきますね」

19 : 以下、名... - 2016/10/08 23:05:39.86 +tN38eao0 18/18

「元気100倍りっちゃんだぜー!」ふんすっ

「いつも通りだな」

「ムギっ!お茶淹れて~♪」

「ふふっ、はーい」

「ケーキもくださいっ」

「やっぱりいつも通りの軽音部が一番だね~」

「ぷっ、ふふふっ」くすくす

「あはははっ」クスッ

「そうですねっ。全員が律先輩になったら困ります!」

「なんだとー、中野ー!」

「あはははっ!おもしろかったけどね、みんなでりっちゃんになるの!」


おしまい!

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