1 : ◆s2tmI36vx6 - 2016/08/30 01:33:22.44 uhAtUbKGo 1/52


「では、本日の訓練もご苦労だった!このまま解散…と普段ならいくところだが、今日は会長からみんなに大事な話がある。心して聞くように!」

<エー ハヤクカエリターイ オフロ… オナカスイター

「いいから黙って聞け!では、会長お願いします」

「あいよー。…みんな、今までありがとう」

沙織「今度は何の無茶振りを…へっ?」

「戦車道チームの立ち上げから始まり、練習試合に全国大会…果ては大学選抜チームとの試合。一科目の履修者でしかないみんなに、この学校の命運を背負わせるというあまりにも大きな負担を強いてしまったこと、そして、それに最後まで力を貸してくれたこと…どれだけ感謝しても足りないくらいだ」

「まぁ…」

「これで、私たちも安心して卒業できるよ。本当にありがとう」

麻子「鬼の目にも…いや違うか」

「それから…西住ちゃん」

みほ「…へっ!?あ、はい」


元スレ
みほ「慰安旅行です!」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1472488402/

2 : ◆s2tmI36vx6 - 2016/08/30 01:34:32.56 uhAtUbKGo 2/52


「みんなも知っている通り、西住ちゃんは前の学校…黒森峰ですごくつらい目に遭って、戦車道の無いこの学校に転校してきた。けど、戦車道で全国優勝することしか廃校撤回の手段を見いだせなかった私たちは、だいぶ強引な手を使って西住ちゃんを戦車道チームの隊長に仕立て上げたんだ。…本当にすまなかった」ペコリ

優花里「あ、あの会長が…」

柚子「私たちからも…優勝できなかったら廃校になるなんて大事なこと、みんなに黙っていて本当にごめんなさい。…ほら、桃ちゃんも」

「だから桃ちゃん言う…う、うむ。その、なんだ。事実を知って萎縮するよりも、みんなが楽しんで取り組めたほうがいいとの会長の采配ではあったが、黙っていて済まなかった」

あや「河嶋センパイ結構ボロ出してたけどねー」

あゆみ「確かに今思うと必死すぎだったよねー」

「っな!人が下手に出ていれば…!」

柚子「桃ちゃん、抑えて抑えて…大事なのはここからなんだから」

みほ「みなさん…いえ、私もとても感謝しているんです。この学校のみんなに戦車道の楽しさを、諦めないこと、逃げ出さないことの大切さを教えてもらいましたから…」

典子「私たちも、新しいバレーの道を知ることができました!」

カエサル「うん、私たちも柄にもなく青春なんぞして大いに楽しんだな」

「私たちも…いろいろ大変だったけど、より深い仲になれた気がしますし、たくさんの先輩たちと交流が持てて楽しかったです!」

みどり子「私たちは…まぁいろいろと貴重な体験をさせてもらったわ」

ナカジマ「うちは機械がいじれればなんでも歓迎ですけどねー。まっ、やりがいは大いにありましたよ」

ねこにゃー「あの、ボクたちなんて戦車道やってなかったらリアルで知り合うことなんかなかったと思うし…こんなにたくさんの人たちと仲良くなることもなかったと思うから…こちらこそお礼を言わせてもらいたい、です」



3 : ◆s2tmI36vx6 - 2016/08/30 01:35:04.12 uhAtUbKGo 3/52


「みんなほんといい子たちだねー…ありがとね。よぉし、湿っぽいのはこのへんにして、今なら大抵のことは聞いちゃうからなんかあったら言ってみ?」

「もちろんできることとできないことがある。常識の範囲内にとどめるように」

典子「ホントですか!?」

「じゃあバレー部復活を!」あけび「焼き、いえバレー部復活で!」妙子「バレー部復活できるんですか!?」

「うーん、同好会に格下げになっちゃうけどいいかな?会員は最低五人からだからそっちはなんとかしてね」

典子「うおー!あと一人だぞあと一人!」

「あと一人と言わず、この場で何人か捕まえれば!山郷さん!バレーどうかな!?」

あゆみ「えっ、えっと…」

あけび「身長あるし、スタイルが気になるなら思いっきり運動するのがオススメだよ!?」

あゆみ「……」チラッ チラッ

あゆみ「か、考えとく…ね」

妙子「アリクイさんチームはどうですか?ありあまるパワーの発散にぴったりですよ!私たちがとことん付き合いますから!」

ねこにゃー「え、えっと…夜遅いのは得意だけど朝早いのは…」

ぴよたん「持久力に不安が…」

ももがー「って言うか、強制的に掛け持ちの形になるのはアヒルさんくらいの根性がないと無理ナリよ~!」

典子「こらこらお前たち!無理を言うもんじゃない!横着しないで自分たちの根性であと一人を見つけるんだ!」

 あけび 妙子「「「はい!」」」


4 : ◆s2tmI36vx6 - 2016/08/30 01:35:34.31 uhAtUbKGo 4/52


柚子「アヒルさんはバレー同好会、と…この件はひとまず保留ですね。他にはなにかありませんか?」

「え、えっと…どうしよう?なにかある?」

桂利奈「あ、あたしあれ欲しい!61式戦車!」

「却下、幾らすると思ってるんだ…おまけに二人乗れなくなるし、そもそも戦車道に使えんだろ」

あや「うーん、いざ聞かれてみるとなかなか出てこない…なんかあったっけ?」

優季「あ、じゃあ~今度こそ制服をもっとかわいいのに~」

「却下、父兄にどう説明するんだ。変えられたとしても来年度の新入生からだぞ」

あゆみ「えぇ…なんかあれもダメこれもダメじゃないですかぁ、ねえ紗希?」

紗希「……」モフモフ

「あっ、そうだ!この子達のウサギ小屋をきれいにしてください!あちこちガタつきやサビがあるので…」

「いいだろう、必要な道具や資材は手配するから頑張れ」

桂利奈「やったー!…あれ???」

柚子「ウサギさんはウサギ小屋ね。これなら必要な予算として計上できるわ」


5 : ◆s2tmI36vx6 - 2016/08/30 01:36:00.92 uhAtUbKGo 5/52


カエサル「…なんだかよくない流れのような気がするが、いい手を考えたぞ。私たちも同好会を立ち上げようじゃないか」

左衛門佐「寮に帰るのと変わらんような気がするが」

おりょう「そうぜよ。しかも寮のほうがなにかと便利ぜよ?」

エルヴィン(ははん、同好会となれば部室が与えられる。我々で好きに使える倉庫が手に入ると言うわけだな?)コソコソ

カエサル(そういうこと)コソッ

左衛門佐「…と思ったがそれはいいかもしれんな!せっかくだから少しでも多く学校に思い出を残しておきたいしな!」

おりょう「まるで亀山社中のようぜよ!」

「…お前たちなにかたくらんでるんじゃないか?まぁいい、となれば会員がもう一人必要だが?」

エルヴィン「ああ、ちょっと待ってください…グデーリアン!…実はな…」

優花里「よろしいのですか?…それはもう!是非仲間に加えていただきたいです!」

エルヴィン「決まりだな!我々は歴史同好会の設立を申請します!」

「おっけー。んじゃ後で生徒会室に来て、申請用紙を書いてねー」

カエサル「やった!でも会長、そんなに簡単に許可できるものなんでしょうか。部室棟に空きはあるんですか?」

「え?ここでいいでしょ?いつもⅢ突の上で楽しそうに話してるじゃん」

カバさんチーム優花里「「「「「えっ」」」」」

柚子「じゃあ生徒会室で待ってるね。活動目的とか計画とかいろいろ書いてもらうことがあるから…あ、書き方がわからなかったら言ってね?」

カエサル「いままで何も変わらないのに面倒ごとは着いてくるのか…えぇい、ヤメだヤメ!」


6 : ◆s2tmI36vx6 - 2016/08/30 01:36:28.43 uhAtUbKGo 6/52


典子「あ、あのぅ…となるとバレー同好会も…?」

「うん、小学校跡でも練習できるくらいだし、どこでだってできるでしょ?」

ねこにゃー「あ、あの…じゃあゲーム同好会っていうのも…」

「学校を何だと思っているんだ!却下に決まっているだろう!…と言いたいところだが、ここで遊ぶ分には目をつむってやろう。ただし訓練にはきちんと取り組むように」

ねこにゃー「それじゃ今までと変わらな…いえ!ありがとうございます!やったね、一歩前進だよボクたち!」

ももがー「そうナリか…?」

ぴよたん「ここじゃネット繋がらないから意味ないっちゃ…」

ナカジマ「あのー、私たちはみんなみたいにずっと有効な約束をしろとは言わないんで、一日くらいならどうにかなりませんかね?」

「学園館GP?まぁそれくらいならなんとかしてあげられなくもないけど」

ホシノ「やった!地元の仲間に声かけてこよっと!」

スズキ「コースはこっちで考えてもいいですか?目ぼしいところいっぱいあるんだ~」

「うんうん、細かいところは任せるからさ、企画書作って持ってきてね」

ツチヤ「ヤッホゥ!って言っても学園艦だとオフも入れないと距離稼げなくない?ラリーのほうがいいかな?」

「そうだな、舗装路ばかりだと装軌じゃ面白味がないだろうからな」

ナカジマ「へ?装軌?」

「そりゃそうでしょ、クルマのレースなんてこんなとこでやられちゃ困るよ。何km/h出すつもり?戦車なら出場選手もアテがいっぱいあるからさ」

ホシノ「そりゃ無いよ!レオポンでレースやれっての!?」

スズキ「え、えーっと…どこか車両を貸してくれるチームは…」クルッ

全員「……」バッ

ツチヤ「はぁ…しょうがない、また学園長と野良レースか…ふんだくってやろ」

7 : ◆s2tmI36vx6 - 2016/08/30 01:36:56.22 uhAtUbKGo 7/52


みどり子「まったく、みんな風紀をなんだと思っているのかしら。そんな見返り目当てで戦車道に手を貸したとは思ってほしくはないわね」

「カモチームは希望なしか。殊勝なことだな」

モヨ子「あの…くろがね四起だとあまり人数が乗れなくて…もう少し大きいのが欲しいなあって…」

「おっけおっけ。なんか面白いの探しとくよ」

モヨ子「やった!どんな子かなぁ~」

希美「面白いのじゃなくていいんだけど…」

みどり子「…まぁ、もらえるものはもらっておくわ」

8 : ◆s2tmI36vx6 - 2016/08/30 01:37:23.38 uhAtUbKGo 8/52


沙織「結局みんな希望かなえられてないんじゃ…カモさんは後藤さんが嬉しそうでよかったけど」

「希望と言われましても…Ⅳ号はこれ以上強化しようがありませんよね?」

優花里「トホホ…一応最後期型があるにはありますが…装甲や火力と引き換えに使いにくいものになってしまったJ型ですしねえ」

麻子「砲塔旋回は人力だしシュルツェンは金網か…戦車道だとちょっとな」

みほ「あれ、なんか前にみんなで何かしたいって話をしたような…」

沙織「ああ、宝くじが当たったらって話?世界中を旅行したい~なんてこの流れで言えるわけないよねぇ」

「お、いいねーそれ!んじゃみんなで海外旅行行こっか?」

みほ「ええっ!?」

「本当に、よろしいのですか?」

「まぁいいだろう。お前たちこそ優勝の立役者だからな」

優花里「で、では、東南アジアやアフリカも!?」

柚子「そ、そこまでは無理かな…イタリアとかイギリス、ドイツ…アメリカにロシア…フィンランドくらいならなんとかなるかも?」

カエサル「すごい!会長も人が悪いですね、初めからそうするつもりで予算をどこかに…」

「すっごい!海外なんて初めて…飛行機酔いしないかな?」

典子「な、なんだか大変な話になってきたな…パスポートってどうやればとれるんだろう?」

みどり子「このメンバーで海外旅行…頭が痛いわね…まぁ、たまには羽目を外すのも悪くないかしら?」

ナカジマ「ヨーロッパならいろんなレースの聖地だよなぁ…こりゃ楽しみだなあ!」

ねこにゃー「海外旅行…ちょっとこわいかも…ううん、みんなと一緒ならきっと楽しいよね!」

「じゃあみんな次の帰港日を楽しみにしててね!出席日数は戦車道の特典ってことでどうにかしとくから!」


9 : ◆s2tmI36vx6 - 2016/08/30 01:37:50.02 uhAtUbKGo 9/52


~帰港日の朝



みほ「……あの」

沙織「言わないで、わかってた。こんなことだろうと思ってた」

優花里「わぁ…こうして並べてみると壮観ですね…」

麻子「うちの学園艦が小さく見えるな」

「ある意味これも"海外"旅行…なんでしょうか?ずいぶんとお手軽ですね」

『みんなー!海外旅行に行きたいかー!?』

一同「いぇ~…」

『上陸後は好きな学校への連絡船に乗り込んでもらう。今のうちに最初に行きたいところを選んでおけ、夕方迎えが来るからな!』

柚子『もちろん気に入ったところやお友達が居るところに泊まってきてもいいわよ?その時は必ず連絡するようにしてね』


沙織「うぅ~、こうなったら意地でも楽しんでやるんだから!みんなどこ行きたい?」

優花里「えーと、プラウダ以外ならどこでも…」

麻子「プラウダ嫌か?カチューシャにシベリアを食べさせてやると約束してあったからな。いい機会だし持って行こうと思うんだが」

優花里「嫌というわけではないんですが…ちょっと行きづらい事情が…」

「そうなんですか?わたくしはもう一度グロリアーナに行きたいと思っていたんです。それから…できればアンツィオも!」

みほ「私はどこでも…一日ずつなら全部は無理だけど、一度黒森峰に行ければいいかな?」

沙織「あ、マリーナのところにそれぞれの学校の人が来ているみたい。その人たちに話を聞いてみるのもいいかもしれないよ?」


10 : ◆s2tmI36vx6 - 2016/08/30 01:38:18.17 uhAtUbKGo 10/52


ケイ「ハーイ!大洗のみんな調子はどう?バカンスを楽しむならぜひウチを選んでね!なんでもあるわよ?」

カチューシャ「なんでもある?笑わせるんじゃないわよ!プラウダのすばらしさを知りたければうち以外の選択肢は無意味と言っていいわね!」

アンチョビ「いや、そりゃそうだろう…あー、ウチはこれといってフツーの学校だが、食事ならどこにも負けない自信があるぞ?ばっちり英気を養ってくれ!」

ダージリン「ハメを外すのも結構ですが、優雅な休日を過ごしたいのであれば我が聖グロリアーナをおいて他にはございませんことよ?」

ミカ「旅とは知らない自分を探すためのものさ、気取った目的を定めることに意味があるとは思えないね」ポロロロン

まほ「何を目当てにうちに来て欲しいかと言われればよくわからないが…ささやかながら歓待の席を用意してある」

絹代「わが校がこの場に列するのは少々場違いな気もしますが…誠心誠意、おもてなしさせていただきます!」



「ありゃまぁこりゃお揃いで…そいじゃみんなかいさーん」

『みんな失礼のないようにするんだぞ!慰安旅行とは言え大洗女子学園の生徒としての自覚を』

ケイ「モモは相変わらずかったいわねー、ホラ来なさい!人生の楽しみ方を教えてあげるわ!…今夜は帰さないわよ?」

「なっ!何を…!やめっ、助けてゆずちゃぁぁぁん!」

柚子「ああっ、桃ちゃんがさらわれた…どうしますか会長?」

「まー面白そうだし行ってみよっか!他にサンダース行きたい人はついといでー」

「行ってみようかな…ナオミさんやアリサさんにも会いたいし」

桂利奈「うん!飛行機とか見たい!」

あゆみ「へー、すごい。屋内プールまであるんだ…」

あや「ぶっちゃけ他のとこは楽しさがよくわかんないし…いいんじゃない?」

優季「人生の楽しみ方、興味あるな~。桃ちゃん先輩がどうなっちゃうのかも~」

紗希「……」

「じゃあ決まりね!ケイさん、待ってください!私たちも乗ります!」

11 : ◆s2tmI36vx6 - 2016/08/30 01:38:47.78 uhAtUbKGo 11/52


カチューシャ「さすがサンダース、手が早いわね…プラウダに来たいって言う人は居ないわけ?ミホーシャ!もちろん最初に選ぶのはうちよね?」

みほ「えっと…少し待ってもらえますか?麻子さんが…」

麻子「待たせたな。ほら、約束のシベリアだ」

カチューシャ「これが…?本当に和菓子屋さんの包みだけど…重量感あるわね。ありがとマコーシャ!じゃあ決まりね!まだお茶の時間には早いからあちこち見せてあげるわ!」

「ふふ、カチューシャさんにはかないませんね。ほら、優花里さんも、行ってみればきっと楽しいですよ?」

優花里「ああはい、どちらかと言うと心配なのはあちらさんのほうなのですが…あ!エルヴィン殿!できれば一緒に行ってもらえませんか?」

エルヴィン「すまん、まずは継続に行こうと言う話になっていて…突撃砲のエースの国だからな」

優花里「うう、それでは仕方ないですね…仕方ありません、罪滅ぼしは早く済ませてしまいましょう…」

沙織「何やったのか知らないけど…さっきから圧力のある視線を感じるから最初はプラウダにしよっか…」

12 : ◆s2tmI36vx6 - 2016/08/30 01:39:15.97 uhAtUbKGo 12/52


ミカ「ふぅん、君たちがⅢ突の…なかなか個性豊かな顔ぶれだね?」ポロロン

左衛門佐「あなたに言われたくはないが…よろしく、砲手の左衛門佐だ」

おりょう「操縦手のおりょうぜよ」

エルヴィン「車長のエルヴィンだ、あっちで携帯片手に言い訳しているのが装填手のカエサル。よろしく…そうだな、マンネルヘイムと呼んでも?」

ミカ「私はそんなに立派な人間ではないよ、どうしてそんな名前で呼ぶんだい?」ポロン

おりょう「魂の名前ぜよ」

左衛門佐「友好の証だ。気に入らんか?」

ミカ「君たちの言う友好とは、証を立てなくてはならないようなものなのかな?」ポロロロン

エルヴィン「ううむ…なかなかの見識とお見受けする。ぜひもっと話を伺いたいものだ」

ミカ「友達になるのに、いっぱいのおしゃべりは必要なのかな?」ズンチャズンチャズンチャッ ズンチャッズンチャッ

エルヴィン「っ!?まさか、今まで我々を試していたのか!」

カエサル「…?何をしているんだ?」

エルヴィン「この曲は電波地雷の解除コードに使われていたんだ。もし我々が招待に値しなかった場合は…」

左衛門佐「爆殺と言うわけか…なんと恐ろしい御仁だ」

おりょう「かわいい顔してやるものぜよ…」

ミカ「えっ」ピタ

カエサル「けど、それなら友人として認めてもらえたということだろう?ミカさん」

ミカ「…ヘイム」

エルヴィン「えっ?」

ミカ「その、マンネルヘイムでいいよ」ポロロン♪

左衛門佐「そうか!よろしく、マンネルヘイム」

ミカ「さぁ、行こうか。うちは"何もない"がある素敵な学校さ」テンテレテンテレテンテレテンテレ♪

エルヴィン「…よし、念のため彼女の足跡を踏んでいくんだ」

13 : ◆s2tmI36vx6 - 2016/08/30 01:39:55.88 uhAtUbKGo 13/52


みどり子「…さっそく奇行に走ってるチームが…はぁ、私たちはどうしようかしら」

モヨ子「なんだかあまり派手なところに行くと戻って来られない気がする…」

希美「…前科あるしねわたしたち」

みどり子「うっ…そうね、黒森峰の規律正しい校風はきっと参考になるはずよ!私たちも少し気合を入れなおしましょう!」

まほ「うちに来たいのか?よかった、後輩たちが頑張ってくれた企画が無駄にならずに済んだな」

モヨ子「あのー、黒森峰にも風紀委員ってあるんですか?」

まほ「あるはずだが、私たち機甲科とはあまり関わりがないな…と言うより、そういうところの世話になる素行の悪い生徒と言うのは会ったことがない」

みどり子「へぇ、さすがは黒森峰ね!」

モヨ子「それって西住さんの知らないところで居なくなってるってことじゃあ…ないよね?」

希美「…ゲシュタポ?」

まほ「まぁ、今回はそういう堅苦しいのは抜きにして楽しんでもらいたいと思っている。歓迎するよ」



典子「西さーん!私たちはもちろん知波単に遊びに行きますよ!」

絹代「おお、磯部さん、アヒルさんチームの皆さん!ありがとうございます!実はぜひとも皆さんを連れてきてほしいと隊員たちから頼まれていまして…」

「本当ですか?なんだか照れますね…」

あけび「お招きありがとうございます!ところで知波単ってどんな学校なんですか?」

絹代「そうですね、そもそも学園艦と言うものは世界に羽ばたく人材を、より自立心を養える環境で育成する…と言う名目で生まれた制度ですが、国際社会の中にあっては日本独自の文化や伝統に通じた者も必要であろうと創設された学校です。とりわけ良妻賢母たる婦女子の嗜みとして、戦車道を始めとする武芸や芸事にも力を入れています」

妙子「ってことは…結構なお嬢様学校ってことですか?」

絹代「そう仰られるとなんだかこそばゆい気もしますが…6年通えば自動的に純粋培養の箱入り娘が出荷される、などと言われております」

典子「えっ、じゃあ西さんも…?え、えーと本日はお日柄もよく…」

あけび「け、けっこうなお手前で…」

「…あ、あとは若いお二人に…」

妙子「お嬢様のイメージ…?あの、私たちがお邪魔しちゃっても大丈夫でしょうか…?」

絹代「もちろんです、そう硬くならないでください!こう言うのもなんですが…我々にできるおもてなしなど子供の遊びのようなものですから、それに付き合って下さるくらいのお気持ちでいてください!さっ、参りましょう!」


14 : ◆s2tmI36vx6 - 2016/08/30 01:40:22.86 uhAtUbKGo 14/52


ねこにゃー「お嬢様学校かあ…ちょっと憧れるなあ…」

ダージリン「あら?まだ行き先を決めてらっしゃらないのなら、我が校でお茶などいかがかしら?」

ぴよたん「きゃー!ナンパされちゃったっちゃ!どうしよ~?」

ももがー「なにそのキャラ…でも他のみんなはあらかた行き先を決めちゃったみたいナリ、ここはお誘いに乗ってみるのもありかもよ?」

ねこにゃー「うーん、サンダースで汗を流そうかと思っていたんだけど…流石にあまりいっぺんに大人数押しかけるのもね」

ダージリン「気配りができる方なのね…素敵。ねぇ、もっとお互いの事、知りたいと思わなくて?」

ももがー「言い分が完全にナンパナリよこの人…さすが神奈川県人」

ダージリン「あら、私が誰にでも言い寄るみたいに言われるのは心外だわ?少なくとも私は結構面食いなほうだもの」

ねこにゃー「えぇ…じゃあなんでボクたちに?」

ダージリン「そりゃあ、その眼鏡の下のお顔をもっとよく見たいなと思うからよ。…ねぇ?」ススス

ぴよたん「キマシー!」

ももがー「聖グロだけはガチってやつナリか!?」

ダージリン「…」プフッ…ククク

ねこにゃー「…?あの~?」

ダージリン「ふふふ、ごめんなさい。…あそこ」チョイチョイ

ぴよたん「あの子は…チャーチルに乗ってる子っちゃね」

ダージリン「ええ、装填手のオレンジペコよ。むくれちゃって…かわいいでしょ?」

ねこにゃー「ああ…ほんと、かわいい後輩をお持ちなんですね。それはそれとして、よかったらお邪魔してもいいですか?実のところ結構興味があって…」

ダージリン「ええ、もちろん。退屈はさせませんわよ?」

ぴよたん「……」ナデクリナデクリ

ももがー「…なに張り合ってるナリか…」モサモサ

15 : ◆s2tmI36vx6 - 2016/08/30 01:40:51.16 uhAtUbKGo 15/52


アンチョビ「ど、どういうことなんだ!?なんでウチに誰も来ないんだー!や、やっぱりウチみたいな普通の学校じゃあ…」

ナカジマ「いやいや、ぜんぜん普通じゃないですって。多分一番人気なんじゃないかな?それだけに後のお楽しみってことじゃありません?」

ホシノ「私たちはと言うと…好きなものは最初に食べちゃうタイプだ!」

スズキ「えっ、そうなの?私はどっちかっていうととっておくほうかなあ」

ツチヤ「まぁまぁ、イタリアって言ったら面白いものがいっぱいあるもんなぁ、あ、もちろん料理も楽しみにしてますよ?」

アンチョビ「お前たち…!ありがとう、ありがとう!さぁ行こう今すぐ行こう!」ハグハグスリスリ

ナカジマ「わわっ、ちょっと、ウィッグがくすぐった…」

アンチョビ「地・毛!だ!」

ホシノ「そんなに喜んでもらえてこっちも嬉しいよ、…オイルサーディンさん?」

アンチョビ「ア・ン・チョ・ビ!」

スズキ「その制服かわいいよね~、フューラーって雰囲気出てるもん」

アンチョビ「ドゥ・ー・チェだっ!」

ツチヤ「そうそう、ドゥーチェね!よろしくね島田千代さん!」

アンチョビ「安・斎・千・代・美!…じゃなかった、アンチョビだっ!!」

ナカジマ「お前のボケはわかりにくいんだよ、ツッコむほうの身にもなれって」

ツチヤ「いやー、ここはアンチョビさんを褒めるところでしょ?ナイスです!」

アンチョビ「ははは…面白い奴らだな!いいぞ、そういう奴らにはアンツィオがぴったりだ!さぁ、続けーっ!」

レオポンチーム「「「「ドゥーチェ!ドゥーチェ!ドゥーチェ!ドゥーチェ!」」」」

16 : ◆s2tmI36vx6 - 2016/08/30 01:41:19.73 uhAtUbKGo 16/52


~プラウダ高校


カチューシャ「さぁ、ようこそプラウダへ!うちは広いから、これで見て回るわよ!」

みほ「バス?あれ、でも電線に繋がったアンテナみたいなのが…」

麻子「これがトロリーバスか。日本じゃあまり見かけないが、ロシアでは今でも走っているそうだな」

「とても静かですし、この架線も素朴な景観との親和がとれていますね」

沙織「それにしても広いねえ、あれ、なんだかみんな忙しそうにしているけど…」

カチューシャ「そりゃ今頃は農繁期だし、作付の実習も大詰めよ」

優花里「農繁期ですか…大洗にも農業科がありますが、規模が違いますねぇ」

カチューシャ「でしょう?他にも土木科に…工業科はちょっとしたものよ!戦車道チームを支える屋台骨ってところね」

優花里「ひょっとしてタンクグラードなんてのもあったりするんでしょうか?」

カチューシャ「…よくわかったわね?まぁそれは後で見せてあげるから、一息入れてお茶にしましょ。ここで降りるわよ!」

みほ「戦車道チームの隊舎ですか?と言うよりは政党の本部のような…」

ニーナ「大洗のみなさん、ようこそおいで下さいました!どうぞごゆっくりしでって下さい!」

アリーナ「お茶の支度がとどのってます!あ、もし紅茶が苦手なようなら他にも用意しでありますから!」

麻子「ニーナにアリーナ、久しぶりだな。ほら秋山さん、KV-2の車長と装填手をやってる…どうしたんだ、そっぽを向いて」

ニーナ「はにかみ屋さんなんだべな?なーんも遠慮するこたねえべ!ほれ、座ってけろ?」

アリーナ「秋山さんって言うべか?飲み物なんがええね?」

優花里「あ、では…自分はココアをいただきたくあります」

沙織「ゆかりん何かしこまってるの…?いやそれで敬語になってるのかは知らないけど。私は紅茶がいいな、ちゃんとしたロシアンティーなんて初めて!」

「わたくしもそれでお願いします」

クラーラ「ようこそいらっしゃいました。こちらはお茶と…鳥のミルクケーキです」

みほ「あ、こんにちは…鳥のミルク?」

麻子「うん、そいつはうまいぞ…プラウダでしか食べられないんだ」

カチューシャ「ふふん、ノンナのお手製なんだから!じゃあ私はシベリアを…うーん、暴力的な甘さね…今日はジャム要らないわ…」

17 : ◆s2tmI36vx6 - 2016/08/30 01:41:48.05 uhAtUbKGo 17/52


ニーナ「はい、お待たせしました!ココアです…ん?ココア?秋山さん、前にどごかでお会いしませんでした?」

アリーナ「ニーナもそう思うべ?なーんかどっかで会ったようなぁ…大学選抜じゃあねし、もっと前に…」

優花里「ギクッ」

ニーナ「ああ!全国大会の準決勝で、ほれ、大洗の降伏待っでたときぃ!ココア差し入れしてくれたべ!」

アリーナ「あーだったべだったべ!ほんで秋山さん、フラッグ車の配置さド忘れして…しもて…?…えっ?」

優花里「そ、その節は大変お世話に…す、すみませんでしたーっ!!」

カチューシャ「ははぁん?道理で簡単にフラッグ車が見つかったと思ったら…そういうわけだったのねぇ?」ゴゴゴ

ニーナ「ひ、ひえっ!」

アリーナ「後生だべカチューシャ様!どうか北向きの木造校舎で床板の枚数を数えるのだけは…!」

カチューシャ「はぁ、まぁいいわ。偵察されてるとわかっても作戦を変えなかったのは私だし、あの試合に勝ってたら今こうして楽しい時間を過ごしていることもなかったわけだし?」

優花里「ほっ…」

みほ「優花里さん、それでプラウダに来るの気が進まなかったんだね…」

カチューシャ「あら、そうだったの?まっ、これで気兼ねなく遊びに来られるじゃない!」

ニーナ「はぇぇ…助かったぁ~」

アリーナ「一時はどうなることかと…」

ガガッ!

ニーナ「へ?」

アリーナ「は?」

ノンナ「……」ニッコリ

<ひえぇぇぇぇぇっ!!

18 : ◆s2tmI36vx6 - 2016/08/30 01:42:20.74 uhAtUbKGo 18/52


~サンダース大付属高校



ケイ「イェーイ!みんな楽しんでるぅ?」

ウサギさんチーム「「「「「イェーイ!!!!!」」」」」

「イェーイ!さぁて、準備運動も終わったとこだし、私らもれっつらごー!」

「うぅ…知らない人がいっぱい居るぅ…」

ケイ「案外人見知りなのねえ、モモは戦車に乗らないほうがしっかりしてるかと思ってたけど?」

「どういう意味だそれは!」

アリサ「…その割にはすごい水着着てるわね」

柚子「私のは会長の趣味だけど…桃ちゃんは自前よね?」

「言うなっ!」

ナオミ「へぇ、奥手そうで結構大胆なんだ?おいで、向こうにジェットスキーがあるよ?」

「あ、あんな危なそうなもの乗れるか!?あっやめろっ!…助けてぇ~!!」

ケイ「大丈夫かしら?ヘイ、ラビッツ!バナナボートでも乗らない?」

ウサギさんチーム「「「「「乗りまーす!!!!!」」」」」

「パラセーリングはないの?」

アリサ「いや、一応ここ屋内だから…ウェイクボードならあるわよ?」

「いいねー!行こ行こ!」

アリサ「え、私が運転するの?…ちょっと!?」

柚子「ふふ、みんな楽しそう…適度に休憩するのよ?あ、すいませーん、フローズン・ダイキリ下さーい」

サンダース生「イエス、マム!(あれ?引率の人なんて居たっけ?)」

19 : ◆s2tmI36vx6 - 2016/08/30 01:42:47.10 uhAtUbKGo 19/52


「あれ?紗希は?」

あゆみ「えっ、さっきまで居たよね?」

桂利奈「あれ、そういえばボートの後ろからなにか糸を出してたような…」

ケイ「シリアス?やぁねえ、海水引いてるとは言えプールよ?魚なんて居ないわよ!」

あや「ええと…あっ、居た!あれ、また眼鏡割れ…てないよね?水の上に立ってるように見えるんだけど…」

優季「立ってるっていうかぁ~何かに引っ張られてるみたいじゃなぁい?」


バッシャン!


ケイ「ワォ!…セイルフィッシュ?…ナオミ!アリサ!」

ナオミ「イエスマム!モモ、後ろのそいつを寄越してくれ」

「…は?水中銃!?なんでこんなもの積んでるんだ!」

ナオミ「備えあれば、ってね…!飛ばすよ!」

アリサ「ほんっと、あんたたちに付き合うとトラブル続きね!あの子の回収頼んだわよ!」

「あいよー!丸山ちゃん、こっちこっち…そう!よしっ、おっけー!」

ナオミ「モモ、ここを握って…緩めちゃ嫌だよ?そう、そのまま…」

「やめろー!手を握るなあ!」

ナオミ「すぐ済むさ…よぉし…いい子だ…仕留めたわ。…ん?モモ、いいもの持ってるじゃない…」ポフン

「…なにをやってるんだ…!離れろっ!」

ナオミ「おお怖い怖い」

ケイ「グッジョブ!…それにしてもこんな大きいの、どこから入り込んだのかしら…?」

アリサ「小さいうちに入り込んで、同じように入ってきた小魚を食べて大きくなったというところでしょうか?これは一度プールを閉鎖して調べたほうがよさそうですね」

「紗希!もう…毎度のことながら何をするかわからないんだから…みなさん、ありがとうございました!」

ケイ「ノープロブレムよ!無事でよかったわ!けど、これじゃあプールで遊ぶわけにはいかないわね…うん!バーベキューパーティに切り替えましょ!せっかくの大物だし、ナオミたちが戻ったらさっそく始めるわよ!」

ウサギさんチーム「「「「「イェーイ!」」」」」

「…さすがにサメは居ないよねー?」

柚子「うふふふふ…みんな楽しそう…ヒック…すいませーん、お代わりくださーい」

サンダース生「はぁい!お姉さん、いける口ですねー!」

アリサ「ん?この空の(ノンアルコール)ラム瓶は…ゲッ!…見なかったことにしよう…」

20 : ◆s2tmI36vx6 - 2016/08/30 01:43:18.44 uhAtUbKGo 20/52


~継続高校


カエサル「…すごいな。うちの学園艦もそこそこ自然があるほうだけど、こちらはもっと深い」

おりょう「妖精でも出てきそうぜよ」

ミカ「この前までは雪が積もっていたんだけどね?こっちにやって来る間に全部溶けてしまったよ」

左衛門佐「へぇ、それはさぞ美しい光景だったろうな」

エルヴィン「やはり戦車道の選手もスキーが得意なのか?」

ミカ「得意と言うほどのことでもないよ。できなきゃ学校に遅刻するし、欲しいものも手に入らないからね」

おりょう「なぜ学校をそんな過酷な環境にする必要があるぜよ…?」

カエサル「欲しいもの…?お、Ⅲ突が無造作に置いてある。G型だな…このコンクリートを盛ってあるのはルール上問題ないのか?」

ミカ「もちろんさ、当時の機材を使う分には問題ないとルールにもあるだろう?」

左衛門佐「…機材?ううむ、冬季迷彩が決まっているな。ヴィンターケッテが雪駄履きの武者のようだ」

エルヴィン「むこうはⅣ号…J型か。しかしこうしてみるとソ連戦車が多いな。そういえばニュースになっていたが、KV-1はどうしたんだ?」

ミカ「あの子かい?使われなくなって悲しいから、私たちと一緒に行きたいと語りかけてきたのさ」

おりょう「…何言ってるぜよ?」

カエサル「…となると、あっちのT-34やBT戦車も…?」

ミカ「さあ?彼らは私がこの学校に入ったときからあったからね。きっとサンタさんがプレゼントしてくれたのさ」

左衛門佐「そのサンタさんとやら、よもや真っ白ではあるまいな…」

おりょう「フィンランドには本物のサンタクロースが居ると聞いたぜよ!この学校にもいるぜよ?」

ミカ「どうだろうね?まぁ、今は私がサンタ見習いってところじゃないかな?」ポロロン

エルヴィン「やはりそういうことか…サンタを信じている子供が聞いたら泣くな…ん?」ブロロロロ…

21 : ◆s2tmI36vx6 - 2016/08/30 01:43:50.44 uhAtUbKGo 21/52


アキ「大洗の皆さんこんにちは!ミカがご迷惑かけていませんか?…って何してるんですか?みんなで一列になって…」

カエサル「こんにちは、地雷を踏まないようにマンネルヘイムの足跡を辿っているんだよ」

アキ「はぁ?地雷?っていうかマンネルヘイムってミカのこと?…ミカ!お客さんを変な遊びに付き合わせないでよ恥ずかしい!」

ミカ「私が言い出したわけじゃないよ。ユニークで楽しい人たちだろう?」

ミッコ「それより!今日は大漁だよ!大洗っていいところだね!」ドサッ

左衛門佐「なじみ深い食べ物ばかりだな…わざわざ艦を降りて買い物に行ったのか?」

ミッコ「ううん、買ってなんかないよ?」

おりょう「なっ?ま、まさか…」

アキ「ミッコと二人で貝や魚を採って回ったり、お腹をすかせて商店街を歩き回っていたら!お店のおじさんやおばさんがたっくさんおすそ分けしてくれたの!」

エルヴィン「あ、ああ…そりゃそんな姿を見ればそうしたくもなるな…どれ、私も少しは腹の足しになるものを持っているから分けてやろう」

カエサル「ええと、なにかあったかな…」

おりょう「お菓子もあるぜよ」

左衛門佐「これではどっちが客かわからんではないか…」

ミカ「ああ、そうそう。この日のためのとっておきがあるんだよ?開けてみたい人はいるかい?」

エルヴィン「うっ、そのパンパンに膨らんだ缶詰は…フィンランドにもあるのか…遠慮しておこう」

ミカ「そうかい?じゃあこっちの飴を」

アキ「もう!みなさんもそんなのほっといて一緒に食べましょ?短期じゃなくて本当に大洗に転校すればよかったかなあ…」

22 : ◆s2tmI36vx6 - 2016/08/30 01:44:19.58 uhAtUbKGo 22/52


~知波単学園


典子「これが知波単学園ですか!当たり前ですけど日本の町並みとさほど変わりませんね」

絹代「区画整理が繰り返し行われていて、あまり昔の建物と言うのは残っていませんけどね。さすがに甲板を増設するわけにはいきませんから」

「けど、校舎自体はけっこう歴史のありそうな建物ですね」

絹代「そうですか?昭和の20年ごろでしょうからまだまだ新しい部類ですよ」

あけび「いや、それは十分古いんじゃあ…?これなんて武家屋敷みたい」

絹代「ああ、実習棟ですよ。華道や茶道、舞踊などの授業を行うんです。野点の用意をしてありますから、このまま中庭へ参りましょう」

妙子「の、のだて?それって茶道の…大丈夫かな…?」

絹代「大丈夫ですよ、あくまで授業の一環ですから。それに野点はもともと細かい作法を気にせず、気楽に楽しんでいただくものなんです」

細見「ようこそおいで下さいました。磯部様、河西様、佐々木様、近藤様…不肖ながらわたくしがお茶を点てさせていただきます。さぁ、どうぞこちらへ」

典子「え、ええと…すみません、どちらさまでしょう?」

絹代「ああ、細見ですよ。馬子にも衣裳と言うやつでしょうかね?」

細見「あらあら、これは失礼を…お久しぶりです、細見でございます」

「きれい…!戦車に乗ってる時と全然違う人みたい…」

細見「…ありがとうございます。ふふ、皆さまそう硬くおなりにならないで、どうぞお菓子をお召し上がりください」

絹代「今日の主菓子は…ははっ、家鴨か!さあどうぞ…?どうしましたか?私の顔になにか?」

妙子「すごくかわいくてなんだか食べるのがもったいないなあと…」

あけび「と言うか、どうやって食べればいいんでしょう…?」

絹代「そうですか、それは作った者が喜ぶでしょう!ううむ、さすがにお客様より先にいただくのは抵抗がありますが…こう、半分ほどに切っていただくと食べやすいですよ。うん、いい出来だな」

典子「はえー…動作がきれいで正確だ…!では…うん、ちょうどいい甘さでおいしいです!こういうちゃんとした和菓子ってあまり食べたことがありませんでしたけど」

「おいしいです!けど、どうしてお菓子だけを先に食べるんですか?」

絹代「それはあくまでお茶を主役として扱っているからです。ご存知の通り茶道で供される抹茶と言うものはそのまま飲むと苦いですし、お腹が空いていると胃への刺激が強いものでもあるんです。菓子はその抹茶をより美味しく味わうためのものなんですよ」


23 : ◆s2tmI36vx6 - 2016/08/30 01:44:45.99 uhAtUbKGo 23/52


細見「その通りですわ。では、お茶をお召し上がりください」

あけび「…あのぅ…」

絹代「はは、そんなにご心配なさらなくても大丈夫ですよ。どうぞごゆっくりお楽しみください」

妙子「えーとじゃあ…あ、思ったより苦くない。お菓子の甘さが口に残っていてちょうどいい感じですね…あ、けっこうなお手前で…?」

細見「ふふ、ありがとうございます」

絹代「喜んでいただけたようでなによりです。人心地ついたところで次は馬場などご覧に入れましょう!…いかがされました?」

典子「いえ、ちょっと…足が…こ、こんじょぉ…!」

「いいこと考えた…!この状態で練習をすれば、より鍛えられるのでは…!」

あけび「膝のバネなくなりそう…」

妙子「いや、成長期の正座のし過ぎは膝や足首に負担を掛けるのであんまりよくないから」

玉田「あの、表で待っていてもなかなかいらっしゃらないので様子を見に来たのですが…大丈夫でありますか?」

あけび「わぁかわいい!モダンって言うんですか?とってもお似合いですよ!」

玉田「えへへ…恐縮であります。いえそれより磯部殿と河西殿は…」

絹代「うーむ…河西さん、少々失礼いたします。」ヒョイッ

「へ?あわわわわ…///」

絹代「少しの間辛抱してください。表に馬車を回してありますので」シレッ

妙子「ごく自然にお姫様抱っこした…」

細見「おぉ…さすが西隊長ですね。素敵であります!」

あけび「じゃあキャプテンは私が!行きますよー」ヒョイ

典子「やめてくれー!自分で歩けるからぁぁ~!」

「もうお嫁にいけない…///」

福田「あっ、あひる殿!お待ちしておりました!…な、なんだか見てはいけないものを見てしまったようであります…!」

24 : ◆s2tmI36vx6 - 2016/08/30 01:45:13.05 uhAtUbKGo 24/52


~聖グロリアーナ女学院


ねこにゃー「…なんだか場違い感がものすごいにゃ…」

ぴよたん「眩しすぎて溶けそうっちゃ…」

ももがー「視線が辛いナリ…うっ、鎮まれ…オレの右手…!」

ダージリン「なんだか落ち着かないご様子ね?ああ、みんなセーラー服が珍しいんじゃないかしら?」

オレンジペコ「大学選抜のときもみなさん乗り気でしたからね。私も後で羨ましがられました」

ねこにゃー「…そうなの?ボクらから見ればそっちのカーディガンのほうがかわいいと思うけどなあ」

ぴよたん「うんうん、イマドキJKって感じでかわいいっちゃ!」

ももがー「けど私たちには似合いそうもないナリが…」

ダージリン「隣の芝は青いとはよく言ったものね。どんな格好をしていようとも、堂々としていればいいのよ。ほら、背筋を伸ばして」グッ

ねこにゃー「うっ」ゴキ

ダージリン「ついでに眼鏡も外して」

ねこにゃー「ああっ、目が、目がぁ…」

ダージリン「腕なんて組んだりして?」

<キャーッ!

ペコ「…」ムスー

ももがー「…ダージリンさん、その辺にしておかないと刺されるナリよ…」

ぴよたん「浮気者の先輩を持つと苦労するっちゃね…お嬢さん、こっちはこっちで楽しくやりましょう?」スッ

ペコ「えっ///」

<コレハコレデ…NTR?NTRナノ?

ももがー「だから張り合わなくていいナリ…どっから出してるナリかそのドスの効いた声」

ローズヒップ「おっ客様方!ようこそ聖グロへ!まずは駆けつけ3杯ですわー!」

アッサム「うちにはパブなんてありません!はぁ、ようこそ大洗のみなさん。立ち話もなんですし、紅茶の園へご案内しましょう」

ぴよたん「紅茶の園!わぁ、いいんですか?一度行ってみたかったっちゃ!」

ももがー「知っているのかぴよたん!?」

ねこにゃー「グロリアーナの中でも幹部クラスのメンバーが集うと言われるクラブハウス…この分だと妖精の棲む薔薇でいっぱいの温室なんてのもありそう…」

ダージリン「あら、よくご存じね?妖精と言うのは噂話でしかないけれど…興味がおありなら後でご案内して差し上げますわ」

ぴよたん「ドゥフフ…ダージリンさんも先代の隊長からそこで姉妹の契りを受けたりしたっちゃのかねえ…」

ももがー「セクハラオヤジみたいな顔になってるナリよ…はぁ、やっぱ私たちにはお嬢様は無理っぽいナリね…」

25 : ◆s2tmI36vx6 - 2016/08/30 01:45:43.33 uhAtUbKGo 25/52


ペコ「本日はダージリンオータムナルをご用意させていただきました。セカンドフラッシュと比べるとマスカテルフレーバーなどのダージリンらしさが無いとも言われますが、より熟成された深みのある風味が特徴でミルクと合わせていただくのもお勧めですよ」コポポ

ねこにゃー「よくわからないけど、きれいな色…ペコさん、左近さんみたいで格好いいね!」

ペコ「えっ、『バディ』お好きなんですか?私もです!」

ねこにゃー「ホント!?来年は映画もあるし、次のシーズンも楽しみだよね!でも、ああいう高いところから注ぐ淹れ方ってやっぱダメなの?」

ペコ「うーん、確かに空気を含ませたり飲みやすい温度に調整することもできるのでダメとは言いませんが…あまりお行儀はよくありませんね」

ねこにゃー「そうなんだ…実は真似してやけどしちゃったりして」

ペコ「ふふっ、わかりますその気持ち!私もなんとかできないかなってギリギリを探ってみたりしたんですけどね」

ダージリン「…なんの話で盛り上がっているのかしら?」コソコソ

アッサム「刑事ドラマね。紅茶趣味のダンディと若手刑事のコンビが人気なのよ」

ダージリン「なんてこと!私が『主任警部補モース』を見ようと誘ってもうかない返事だと言うのに…あとで全話をそろえて頂戴!こうなったら全ての知識を網羅してあげるわ」

アッサム「趣味が渋すぎるでしょ…いいけれど、ええと…テレビシリーズが14期に劇場版やテレビスペシャルもあるから相当な量になるわよ?」

ダージリン「…なっ!…おやりになるわね…」

ぴよたん「いつの間にか立場が逆転してるっちゃね…ドゥフフ、これだから女子高生はやめられませんなあ」

ももがー「まぁ、仲良くなれてよかったナリ!ダージリンさんとペコさんもエブリジャック、ハズヒズジルってわけナリか?」

ローズヒップ「なんだかよくわかりませんが、みなさまお楽しそうでなによりですわ!」

26 : ◆s2tmI36vx6 - 2016/08/30 01:46:12.88 uhAtUbKGo 26/52


~アンツィオ高校


アンチョビ「さぁ、ようこそアンツィオへ!…と言っても食事には早いしなあ。特に見て面白いものは…あ、なんか遺跡の一部ならあるけど」

ナカジマ「いや、すでに面白そうなものだらけなんですけど…凝ってるなあ」

ホシノ「創設者がイタリア人なんでしょ?いやーやっぱデザインの国だよねえ」

スズキ「あ、CV33!いいなーあれ、後で乗せてもらってもいい?」

アンチョビ「ああ、そのつもりだ!しかし、ペパロニの奴どこ行った?ここで待っているよう言っておいたのに…」

ペパロニ「あ、どうも姐さん方!軽くジェラートでもいかがっすか?今ならトリプルで150万リラに負けておくっすよ!」

ツチヤ「安っ!食べる食べる!」

ペパロニ「はい毎度!」

ナカジマ「今なんか150万って言わなかった?」

ツチヤ「お、うまい!…え?だから150円でしょ?」

ホシノ「なにそれ、栃木県民ジョークなの?」

ツチヤ「さあ?」

スズキ「まぁいいや、こっちにもちょうだい!」

アンチョビ「あっ、待て待て!今回はこういうものを作ってみたんだ…じゃーんっ!」

ナカジマ「フリーパス?なになに…1,500円でどの料理でも一日食べ放題!?」

ペパロニ「あ、そうでした!こっちは1,000円で今日中は飲み物やデザートがいくらでも楽しめるっす!」

ホシノ「マジで!?ええ、そんなことして大丈夫なの…?こちとら育ち盛りの女子高生よ?」

スズキ「それ今日で終わりにしといたほうがいいよ…あとあとすごい人数押しかけちゃうよ?」

アンチョビ「ふっふっふっ…そんなことは想定済みだ!このときのために日頃節約していた予算を回してあるから心配するな!…それに、ウチの屋台をなめてもらっちゃあ困るぞ?普通にその金額の元を取ろうと思えば、けっこう大食いの奴じゃなきゃまずムリだ!」

ツチヤ「あ、そうなの?じゃあ買わなくていいや」

ペパロニ「姐さんっ!?そんなこと今言わなくてもいいじゃないっすかぁっ!!」

アンチョビ「し、しまった!!…ウソだぞ?あとあと買っておいたほうがよかったなぁ~って思うかもしれないぞ!?」

ナカジマ「あっはは!やっぱアンチョビさんって面白いね!じゃ、全員それで!」

ペパロニ「毎度!…す、すごいっす!こんな大金がまだ何も売ってないのに!」

アンチョビ「だろう!?これでP40の修理代を稼ぐんだ!けっこうカンパが集まってきてるし、もう一息だぞ!」

スズキ「あ、まだ直ってないんだあれ…ちょっと見せてくれない?少しはなにか手伝えるかもしれないし」

アンチョビ「ホントか!?…いや、でもお客さんにそんなことしてもらっていいのかなぁ?」

ホシノ「いいのいいの!あたしらそういうの趣味だから!あ、その前に飲み物もらおうかな、エスプレッソね!」


27 : ◆s2tmI36vx6 - 2016/08/30 01:46:41.15 uhAtUbKGo 27/52


アンチョビ「これなんだが…悪いところを調べようにもバラすことすら私たちには手に負えなくって。重戦車用の機材もないしなあ…CVくらいなら自分たちで何とかするんだけど」

ナカジマ「どれどれ…エンジン掛けてみてもいいですか?」

アンチョビ「少しなら…けど、掛かるかなぁ?」

ホシノ「その前に、どういう状況で壊れたのか聞いたほうがいいんじゃないの?」

アンチョビ「ああ、それは…急発進や急停車を繰り返されて…」

スズキ「なるほど。ってなるとけっこう深刻そうかな…これってガソリン?ディーゼル?」

アンチョビ「ガソリンだけど?」

ツチヤ「てことは初期型か…部品なさそうだなあ~」

アンチョビ「…そうなんだよなあ、それでなかなか復旧の目途が立たなくって…」

ナカジマ「…もしアンチョビさんが良ければなんですけど、エンジン自体を換装すると言う手もあるんですが…元のほうはうちで持ち帰って気長にやってみますから」

アンチョビ「できるならそうしている!けどウチにはそんな予算もツテもないんだよなぁ…」

ホシノ「換装って…確かにそういう計画はあったみたいだけど、ホントに合うのか?」

スズキ「まぁやるだけやってみればいいじゃん?どうせ暇だし…あ、もしもしカっちゃん?ちょっと頼みたいことがあるんだけど…」

ツチヤ「念のためもう一個の案も進めておこうか?…あ、もしもし?大洗のツチヤですー、どうもお久しぶりで…あのー、ちょっとお願いがあって~いやあ、そこをなんとか…」

アンチョビ「本当に大丈夫かなあ…?」


28 : ◆s2tmI36vx6 - 2016/08/30 01:47:08.18 uhAtUbKGo 28/52


~黒森峰女学園


みどり子「わぁ、これが黒森峰…洗練された雰囲気があるわね…行き交う生徒たちも規律が保たれているし、校内もゴミ一つ落ちていないわ!これよ!こういうのを求めていたのよ!」

まほ「お褒めにあずかり光栄だよ。しかし、その分メリハリを付けるのが苦手というか、柔軟さに欠けるのが弱点でもあるんだ」

希美「うちの場合は柔らかすぎるような気もするけど…」

まほ「何事もほどほどにと言うことだな。…ん、ああ、私だ。…わかった。今日は三名様だ、よろしく頼む」

モヨ子「何が始まるの…?」

まほ「堅物のイメージをぶち壊すのさ。さあ、乗ってくれ」

みどり子「高そうなクルマ…ってちょっと待って!あなた高校生でしょ!?」

まほ「その点は心配ない、運転免許は取得済みだ。そもそも学園艦内は私有地だから必要ないんだがな」

モヨ子「そうは言っても…あっ、若葉マーク…」

まほ「大丈夫だ、子供の時から運転はしているが無事故無違反で通している」

希美「いやそれは戦車の話なんじゃ…」

まほ「黒森峰名物と言えばアウトバーンは外せないな。君たちも戦車乗りだろう、こちらのほうがよほど快適だぞ?」

みどり子「ア、アウトバーン…」

まほ「なに、すぐに着く。シートベルトをしたな?行くぞ!」

希美「うわっ、流れ速っ!合流できるのこれ」

まほ「いつもこんなものさ。…少し飛ばすぞ」

モヨ子「えっ、きゃっ!…お、降ろして~っ!!」

29 : ◆s2tmI36vx6 - 2016/08/30 01:47:35.91 uhAtUbKGo 29/52


まほ「着いたぞ、さぁ…大丈夫か?」

みどり子「道交法をなんだと思っているのよあなたは!卒業してから知らないわよ!」

まほ「問題ない、制限速度は守っている」

希美「そもそも制限ないでしょあそこ…」

モヨ子「帰りもあれに乗らないといけないのかな…?それでここは…?」

まほ「(ノンアルコール)ビール工場だ。今からここでオクトーバーフェストを行う、黒森峰では人気の観光スポットだぞ?」

みどり子「ああ、ドイツのお祭りね…ビールって、西住さ…みほさんも飲むのかしら…?」

まほ「みほはあまり飲むほうではないかな?生徒全体の平均で言えば年に150L…一日に一缶くらいだな」

小梅「あっ、隊長…大洗のB1bisの、園さん、金春さん、後藤さんですね?ようこそ黒森峰へ!」

モヨ子「わぁっ、かわいい!それってドイツの民族衣装の…」

小梅「えへへっ、ディアンドルです!よかったらみなさんも着てみませんか?」

モヨ子「本当ですか!?ねぇ、着てみようよ?」

みどり子「うっ…そんな浮ついたもの私たちには…」

希美「今日は他のチームは来てないし…いいんじゃない?」

まほ「人のことを言えた義理でもないが…たまには羽目を外すのも悪くないぞ?」バサァ

みどり子「やけに暑そうな格好してると思ったら…ええい、ままよ!」

小梅「三名様ごあんな~い♪」

まほ「そういえばエリカはどうした?」

小梅「ああ、大洗のポルシェティーガーの方から電話があって…なんでもHL120の余剰がないか、と…」

まほ「Ⅳ号のエンジン?ああ、だいぶ無茶をしたからな…仕事熱心だな。まぁ、ほとんど隊長としての実務は引き継いであるし、任せておこう」


30 : ◆s2tmI36vx6 - 2016/08/30 01:48:03.75 uhAtUbKGo 30/52


希美「着てはみたものの…」

モヨ子「うう、格差社会って深刻な問題よね…でもいっか!かわいいし!」

まほ「ふむ、みんなよく似合っているぞ、…ああ、園さん、結び目はこっちだ…だよな?」

みどり子「細かいわね…羽目を外すとかいう割には」

小梅「ああ、それ結び目の位置で既婚か未婚かを周りに知らせるんですよ。…えっ、旦那さん居るんですか?」

みどり子「…なっ!居るわけないでしょ!?」

まほ「…だろうな。さて、まずはなにを飲む?ピルスナーは日本のビールに近いもので、ヴァイツェンは白ビールだな。初めてならこの二つがお勧めだ」

モヨ子「そう言われても日本のビールだって飲んだことないし…じゃあヴァイツェンを」

希美「じゃあピルスナーで」

みどり子「ビール以外は…ないのね、じゃヴァイツェンで」

小梅「みなさんグラスは持ちましたね?では…」サッ

黒森峰生「「「Ein Prosit Ein Prosit der Gemutlichkeit」」」

モヨ子「えっ!?なになに!?」

黒森峰生「「「Ein Prosit Ein Prosit der Gemutlichkeit」」」

まほ「乾杯の歌だよ。さぁ、君たちも歌うんだ」

小梅「Ein Prosit Ein Prosit der Gemutlichkeit」

希美「いや、歌えって言われても…」

まほ「Ein Prosit Ein Prosit…ほら、続いて?」

みどり子「であ げみゅーとりっひかいと? あいん ぷろーじっと あいん ぷろーじっと…」

モヨ子「であ げみゅーとりっひかいと… アイン プロージット アイン プローォージーット」

小梅「そうです!もっと大きな声で!せーの、Ein zwei drei g'suffa! Prost!!」

希美「プロースト!…うわっ、次々料理が運ばれてくる!」

まほ「うん、さぁどんどん飲んで騒いでくれ…エリカ?用事は済んだのか?お前も飲め」

エリカ「えっ、あ、はい!(ラング用のから部品取りにしてた在庫を譲ることになっちゃったけど…あいつら何に使うつもりなのかしら…?)」



31 : ◆s2tmI36vx6 - 2016/08/30 01:48:41.03 uhAtUbKGo 31/52


~夕方


~プラウダ高校


カチューシャ「もう帰っちゃうの…?明日も居ればいいじゃない…?」

みほ「ええと、他の学校にも行ってみたいので…また今度遊びに来ますね?」

麻子「今度は大洗にも来てくれ。プラウダにも負けないくらい、おいしいものがたくさんある」

「わたくしのお勧めはみつだんごですよ?」

優花里「とっても楽しかったです!よろしければまた遊びにこさせていただきます!」

沙織「うん、今度は冬がいいな!一面の銀世界なんて素敵…いや、試合じゃなければね?」

カチューシャ「…うん、待ってるわ!…あら、あれは…ネコーシャ!…よ、ね?」

ねこにゃー「ごきげんよう、カチューシャさん…あら、あんこうチームの皆さんも。今日は楽しい一日をお過ごしになられたようですね?」

ぴよたん「わたくしたちも、とても楽しかったですわ。昨日までとは世界が違って見えるような…」

ももがー「お邪魔いたしましてでございますわ。カチューシャさんも重畳でなによりですの!」

みほ「か、かぶれてる…」

沙織「ももがーさんはなんか間違ってる気がするけど…」

カチューシャ「…クラーラ、シベリア送り1ルーブルで歓迎してあげなさい」

クラーラ「Поняла!」

ニーナ「はぇ~、えれぇ目に遭っただ…はれ、三式の…なんでまたお客さんがこっちの方へ?」

アリーナ「さっそくカチューシャ様を怒らせちまっただ!?おっかねぇじゃぁ~!」

ノンナ「あなたたちもご一緒したほうがよさそうですね?」

ニーナ アリーナ「「なして!?」」

スズキ「あっ、おーい!カっちゃん!頼んでおいたもの、用意しておいてくれた?」

カチューシャ「ああ、別に余ってるからいいけど、何に使うつもりなのよ?」

ナカジマ「えっへへ~、ナイショ!んじゃ早速作業にかからせてもらうね!」

麻子「自動車部はこんな時でも機械いじりか。今度は何をするつもりだ?」

スズキ「それはできてからのお楽しみ!みんなは気にせず旅行を続けてね!ばいばーい」

「なんだかお忙しそうですね?たしかレオポンチームのみなさんはアンツィオに行っていたはずですが…なにかあったんでしょうか?」

優花里「アンツィオ…プラウダ…?まさか…」

32 : ◆s2tmI36vx6 - 2016/08/30 01:49:07.86 uhAtUbKGo 32/52


~黒森峰女学園


ツチヤ「こんちわー、さっき電話した大洗のツチヤですけどー、逸見さんは…」

ホシノ「わぁ、こっちも意外と楽しそうだなあ。暇があったら来よっと」

小梅「ああ、はい。副隊長、お約束のあったツチヤさんが」

エリカ「ああ…ちょうどいいところに来たわ、ついでにあっちのビアライヒェンどもも引き取ってくれない?」

ツチヤ「ビア…なにそれ?あ、カモさんチーム!?」

みどり子「う…ハメ外しすぎたわね…」

モヨ子「あははははは!乾杯!プロージット!」ブンッ

まほ「させるか!…まったく…この子達、今日は帰れそうにないな…」パシッ

希美「……」グデーン

ツチヤ「わぁ、これはこれは…まぁこれも旅行の醍醐味ってところかな?写メは…やめとこ、かわいそうだし」

ホシノ「あ、お姉さん、私デュンケル、マースでね!」

エリカ「…何しに来たのよ?ところで、あの話本当なんでしょうね?」

ツチヤ「もちろん!この旅行では私たちだけでなく、新聞部の王さんも各校を回ることになっている…撮った写真は後で焼き増しを頼めるってわけ!それに…西住さん!かわいい衣装ですね?よかったら写真撮ってもいいですか?」

まほ「ん?…ああ、構わない。ぜひ他のチームの人たちにも宣伝してくれ」

ツチヤ「ありがとうございます!ほら、逸見さんも入って入って!いきますよー!」

エリカ「えっ、えっ!?(ひゃあぁぁぁあっ!!)」

ツチヤ「どうもー!…と、こんなもんですよ。協力してくれる気になりました?」コソコソ

エリカ「…」コクコク

まほ(エリカのやつ、いつの間にか他校に友達ができたのか…よかったな)

33 : ◆s2tmI36vx6 - 2016/08/30 01:49:36.31 uhAtUbKGo 33/52


~サンダース大付属高校


ケイ「まだまだお楽しみはこれからよ!まさかここで帰っちゃうような子は居ないわよね?」

ウサギさんチーム「「「「「居ませーん!!!!!」」」」」

「いや、もう私は帰らせてもらう…やっぱりウチが一番だ…」

ナオミ「おっと、逃がさないよ?どこへ行こうと言うのかな子猫…いや、虎の女王様ってとこかな?」

「や、やめろーっ!私を退廃の道に引きずり込むなぁぁぁ~!!」

柚子「あらあら、桃ちゃんったら。嫌よ嫌よも好きのうちって言うじゃな~い?///」ヒック

アリサ「ホントマジスイマセン、どうか今日は泊まっていってもらえないかしら…?」

「あーうん、この調子じゃ二人とも海に飛び込んじゃいそうだしね~、誘ったからには私を満足させてくれるんだろーねぇ?」

アリサ「う、善処してみるわ…」

ケイ「オッケー!ハイスクールで夜のお楽しみと言えばプロムよ!…まぁ、本当に卒業するわけじゃないけど」

「プロムってあの映画とかによく出てくる!?あの、相手も居ないのに…?」

ケイ「細かいことは気にしないの!要はガールミーツガールで踊って騒いで楽しめばオッケーってわけ!ミュージックスタート!」

~♪『Chuck Berry - Johnny B. Goode』

桂利奈「よくわかんないけどなんか楽しそう!青春キター!って感じ?」

優季「シンデレラストーリーだね~、生卵飛んできそう~!」

あや「ケイさんは女王様って感じだけど…アリサさんは…オタク?ガリ勉?」

あゆみ「不思議ちゃんって感じではないけど、ゴス趣味とかもありそうではあるよねー」

アリサ「あんたたちね…!割とシャレになってない侮辱よそれ!?」

「まーまー、かの大富豪も言ってるじゃん?オタクには親切にしておこう、将来彼らの下で働くことになるんだから、ってさ」

アリサ「慰めになってないわよ!?」

柚子「うふふふ、若いっていいわね~、あら、あなたはみんなと騒がないの?飲み物は向こうよ?」

サンダース生「…あんなのはガキの飲むものですよ。私はもっと豊潤で、熟成されたものが好みなんです。どうです?一勝負」

柚子「ビリヤード?いいわね、じゃあブレイクはそちらから…」

サンダース生2(行ったぞアイツ…!)ヒソヒソ

サンダース生3(MIL『ダァン!』ってやつ?…なんだろうこの敗北感)ヒソヒソ

ケイ「オーゥ、なんだか手の付けられない感じになってきたわね?フゥー!いいじゃない!これぞ人生の楽しみ方よ!」

「わーすげー、アメリカ人ってホントにエナジードリンクで酔うんだ」

アリサ「いや、日本人だし長崎出身だけどね私たち」

34 : ◆s2tmI36vx6 - 2016/08/30 01:50:03.65 uhAtUbKGo 34/52


~継続高校


カエサル「嘘だろ…この学校携帯通じないじゃないか!普段どうやって過ごしてるんだここの生徒は…」

継続生「…」スッ

カエサル「…?や、やぁ…?行ってしまった…あそこになにかあるのか?…あっ、アンテナ立ってる!そういうことか…」

左衛門佐「なーにをやってるんだたかちゃん!こっちへ来い!お前もジャージ部に入れてやろう!」

カエサル「はぁ?ってなんだこの空き瓶の数は!…(ノンアルコール)ヴァルハラ!?」

ミカ「ああ、大学で戦車道をやっている先輩が嫌がらせのように送り付けてきたんだよ。こういう機会でもないと開けることはないと思ってね?」

アキ「どうせならレーションがよかったなぁ…はぁ、食べてみたかったなあ。大学生なら毎日おいしいもの食べてるんだろうなあ…」

継続生2「あ、ねえ!ガッチャーメンの歌詞って知ってる?」

おりょう「そりゃ知らないこともないぜよ?だれだーだれだーだれだーにちへいのかなたにおどるかげー…えねみーびーくぉですとろーい」

継続生2「ふむふむ…」

おりょう「妙なことに興味をもつものぜよ…よし、お主は豚身夜斗念と呼んでやるぜよ!」

継続生3「私はねー…こう日本地図を広げてみて、目をつむって指さした学校に入ってやろうと思ったの!そしたらここでさ、ムーニン好きだからちょうどいいかなって!」

エルヴィン「なかなか大胆だな…私は単に地元だから、くらいの事しか考えていなかったよ」

継続生4「私は第一志望の学校に落ちちゃってさ…落ち込んでたらテレビでエアギター選手権って言うのがあるのを知ってさ、なんだかいいなあって思ったんだー。まさか戦車に乗ることになるなんて思ってなかったけど」

左衛門佐「ほう…ではここで一つ披露してもらおうではないか!」

継続生4「っしゃ!…ちょっとミカ!妙な合いの手入れないでよぉ!」

ミッコ「あははははははは!いいぞー!やれやれー!」

カエサル「ああ、うん、ゴメンひなちゃん…今日は、いや、明日も行けるかどうかわからないや…」

35 : ◆s2tmI36vx6 - 2016/08/30 01:50:32.55 uhAtUbKGo 35/52


~知波単学園


絹代「本日はご苦労だった!なお、アヒルさんチームの皆様も今晩はみんなと寝食を共にしていただくことになったので、この機会に親交を温めるもよし、存分に羽を伸ばしてくれ!では全員背筋を伸ばせーッ!」

典子「な、何が始まるんだ?」

絹代「いたぁーだきぃーますッ!!」パンッ!

知波単生「「「いたーだきーますっ!」」」

あけび「わぁ、すごい勢い…!私たちも負けてられませんね!」ガツガツ

細見「ふふっ、お楽しみはこれからでありますよ?さっ、一献…」

妙子「ああ、どうも…おいしいですねこのジュース…お米のジュース?」

池田「不肖ながらこの池田、一曲披露させていただきます!貴様と俺とは~同期のさーくーらー」

知波単生「「「同じ学園艦の~庭に~さぁく~」」」

名倉「次鋒、名倉行きます!我はー官軍我が敵は~てんーち容れざるちょうてきぞ~

知波単生「「「てきーの大将たる者ハ~古今無双の英雄で~」」」

典子「あははははははは!よいではないか、よいではないか~!」

福田「あ~れ~であります~!」

浜田「入隊以来貴様らの命を預かってきたが…今日、ここでそれぞれに返す!」

知波単生「先輩殿…いえ!靖国までお供します!」

久保田「見ろ、故郷の灯だ…私は何も見なかったことにする」

知波単生2「お母さーん!娘は、娘は…立派に戦って参ります!どうか息災でぇ~!」ポロポロ

知波単生「「「うわぁ~!!!」」」ボロボロ

玉田「…河西殿?ご気分でも?」

「あ、いえ…ちょっと外の風にあたってきます…」

絹代「…河西さん、それならいいものがあります。少々お付き合い願えませんか?」

「…?」







ブロロロロ…

「…こんな趣味があるなんて意外でした」

絹代「ははっ、家からは叱られてばかりいます!戦車道なんかをやるために知波単に入れたわけではないと…けれど、きっとこういう性分なのでしょう!」

「性分…そうですね。そう言われればわかるような気がします」

絹代「なんですかー?聞こえません!」

「いいから前を見て運転してください!」

絹代「了解であります!ハイヨーッ、ウラノス!」

36 : ◆s2tmI36vx6 - 2016/08/30 01:51:00.02 uhAtUbKGo 36/52


~聖グロリアーナ女学院


ローズヒップ「今日はとっても楽しくてございましたわ!明日はどんなお客様がいらっしゃるのでしょう!?」

アッサム「そうね、ほら、ちゃんと肩まで浸かりなさい」

ペコ「あら?ダージリンさまはいらしてませんか?…どこへ行ってしまわれたのでしょう?」

アッサム「さぁね、今頃猛勉強の真っ最中なんじゃない?」

ペコ「そうなんですか?ではお邪魔してはいけませんね…今日はあまりお話できなかったなぁ」



~アンツィオ高校


アンチョビ「うーん、ついうまい話に乗ってしまったが、大丈夫かな…なぁカルパッチョ?…カルパッチョ!?」

カルパッチョ「止めないで下さいドゥーチェ!あの学校を沈めて私も死にます!」

ペパロニ「落ち着けって!明日はムリでもまた次の日があるだろ!ああ、姐さんっ!ボケっとしてないで手伝ってくださいよっ!」

アンチョビ「いや、自走砲一両で学園艦が沈められるわけないだろう…?まぁいい、客人も居なくなってしまったことだし、明日からに向けてパーっとやろう!湯を沸かせ!窯を炊けーっ!!」

アンツィオ生「「「エイヤ!エイヤ!エイヤ!アララ!!」」」

37 : ◆s2tmI36vx6 - 2016/08/30 01:51:27.65 uhAtUbKGo 37/52


楽しい時は流れて…


~最期の朝

~アンツィオ高校


ナカジマ「よっし!こっちはあがったぞ、テストしてみよう!」


キャキャキャキャキャッ…ドルン!カラカラカラ…ドルン!ドッドッドッドッ…


スズキ「うん、いい仕上がりだ!やっぱディーゼルと言えばソ連だよね~」

ホシノ「おっ、やってるな!ツチヤ、こっちも負けるな!」


キュロロッ…ブォン!ブロロロロロ…ブォン!…ブォン!


ツチヤ「おー!さすがマイバッハ!手のかからないいい子だねぇ~」

アンチョビ「朝っぱらから何の騒ぎだ!…できたのか!?すごいじゃないか!…!……!!わかった!わかったから!一旦止めてくれ!!」

ナカジマ「ああ、はい」

ホシノ「それでどっちにする?」

アンチョビ「どっちったって…本当に合うのかこれ?」

スズキ「そのはずだよ?試作車に載せられたのがこれのコピーだったって話もあるし」

アンチョビ「はずったってなあ…それにエンジンだけ強力でも車体が持つかどうか…うちには予備の履帯だってないんだ!」

ナカジマ「そこはほら、貯めてたお金があるんでしょう?この際だから少しずつ買いそろえていけばいいじゃないですか?」

アンチョビ「えっ?ああ、そ、そうだな…」

ツチヤ「そういう心配をするならこっちにしておきましょうよ!ドイツ軍が本格的に乗せ換える計画を立てていたって言うし、ウチも使ってるからアフターサービスも万全だよ?」

ホシノ「ディーゼルもいいけど、やっぱガソリンでしょ!」

アンチョビ「そ、そうだなあ、これくらいが手ごろでいいかなあ…うん、マイバッハにしてくれ!」

ツチヤ「イェイ!じゃあ早速載せちゃお!他のところも直しておいたから、それでもう走れるよ!」

ナカジマ「ちぇっ、まぁこっちはプラウダに返すとして…せっかく整備したんだし使ってやらなきゃかあいそうだもんな!」

ペパロニ「ね、姐さん!大変です!」

アンチョビ「おおペパロニ、大変なのはこっちもさ!喜べ!これでP40が復帰できるぞ!」

カルパッチョ「それはよかったですが、こっちも大変なんです!大洗の人たちや他の学校の人たちがみんなアンツィオに!」

アンチョビ「へっ?…ホントか!?そりゃ大変だ、いそいで支度しなきゃ!手分けしてみんなを起こして来るんだ!ああ、お前たち、よろしく頼むぞ!」

ツチヤ「他の学校もみんな…?やべっ…」

ホシノ「急いで積んじゃえ、バレやしないって!」

ナカジマ「お前らどんな手で手に入れてきたんだよこれ…しょうがないな、急いでかかろう!」

スズキ「まぁうちのみんなも一緒なら時間は稼げるでしょ!上げるよ!」

38 : ◆s2tmI36vx6 - 2016/08/30 01:51:55.25 uhAtUbKGo 38/52


ケイ「ハーイ!なんだ、みんな考えることは同じね…まぁこの際だからみんなで楽しみましょう!イェーイ!」

ウサギさんチーム「「「「「Yeah!!」」」」」

ナオミ「ほら、何が食べたい?」

「なんでもいいから家に帰らせてくれ…」

「やっほーチョビ子ー。約束通り干し芋パスタを作りに来てやったぞ」

アリサ「なによそのゲテモノ…ああ、名古屋だっけあなた。なら納得だわ」

アンチョビ「なんだその失礼なイメージは!?それに私の地元は豊田だ!」

柚子「ほらほら、みんなはぐれないようにね?」

サンダース生「「「イエス、ママ!!!」」」



まほ「なるほど、これがアンツィオの…ふむ、今後の参考にしてみよう。エリカ、あれはなんだろう?」

エリカ「ええと…うどん?でしょうか…(なんだか嫌な予感がする…)」

小梅「わぁ、どれもおいしそう!ゴモヨさん、どれからいきます?」

モヨ子「えっと…あっ、ジェラートがいいな!それで、向こうの階段で食べましょうよ!」

小梅「あっ、その映画私も好きですよ!行きましょう!」

みどり子「うう…今日は休肝日にするわ、絶対に…!」

希美「……考えるな、感じろ…」

39 : ◆s2tmI36vx6 - 2016/08/30 01:52:26.08 uhAtUbKGo 39/52


知波単生「「「ゆきーのしんぐんこーおりーをふんで どーれがかわやらみちさえしれずー」」」ザッザッザッザッ

知波単生「「「うまーはたおれる すててもおけず こーこはいずくぞみなてきのくに」」」ザッザッザッザッ

玉田「ぜんたーい、止まれ!四列縦隊!…左向け左!」バッ

絹代「休め!おお、噂には聞いていたが、面白そうなところだな!ほらほら、慌てるな!屋台は逃げはしない!」

典子「そうだ!まずはじっくりと敵戦力を見極めて…うかつな突撃は後で後悔するぞ!胃袋の余裕はここぞと言うときのために残しておけ!」

玉田「キャプテン殿!もしそれでも突撃できなくなったときはどうすればいいのでしょう!?」

あけび「そんなの決まってます!みんなわかってますよね?せぇの!」

知波単生「「「「「根性ォーッ!!!!!」」」」

細見「ふふ、みんな喜んでいてなによりでありますね!妙子殿!」

妙子「うん!わぁ、たくさんあって迷っちゃうなぁ~。あっ、あっち行ってみましょう!」

絹代「さて…忍さん、私は洋食はよくわからないんだが…どれがお勧めだろうか」

「えっと…ううん、絹代さんと一緒ならきっとなんでもおいしいです」



ミカ「食べ放題?それは食事にとって大切なことなのかな?」ポロロン

アキ「大切だよ!この機会にたっくさんおいしいもの食べて、いい思い出にしようよ!」

おりょう「うん、アンツィオの食事はちょっと真似できるものではないぜよ!」

ミカ「たくさん食べればいいってもんじゃないよ…ん?」

ペパロニ「おっ、継続のお姉さん!アンツィオ名物鉄板ナポリタンだよー!おいしいよー!」

エルヴィン「誰よりも速かったな…それも隊長であることには必要なことなのか?」

ミカ「匂いに乗って流れてきふぁのさ」モグモグ

左衛門佐「うーん、まずはどれから行くか…近頃ロクなものを食べていなかったからな…」

ミッコ「ああもう後ろと前がひっつきそうだよ~全店制覇狙っちゃおう!」

カエサル「あ、やっと繋がった!ごめんねひなちゃん、忙しいかな?え?継続の隊長を?い、いや、それはちょっと…!」

40 : ◆s2tmI36vx6 - 2016/08/30 01:53:00.56 uhAtUbKGo 40/52


カチューシャ「ちょっと!一番乗り逃しちゃったじゃない!」

ノンナ「お寝坊したのは…まぁ誰とも言い切れませんが」

ねこにゃー「面目ないにゃ…ちょっと盛り上がりすぎちゃったね」

ぴよたん「でもプラウダとのみんなの間に確かな絆を感じたっちゃ!」

ももがー「ニーナさんとアリーナさんも、ジャガイモ掘り終わってよかったナリね!」

ニーナ「手伝ってもらったのはありがてぇけども…それから毎晩ゲーム大会ってバケモンだべかあんたら…」

アリーナ「まぁ、おかげで私たちも遊びに来られてよかったべさ…ああ、眠気覚ましにコーヒーもらうべ、濃いぃところをひとつ頼むべよ…」

クラーラ(うふふ、ソースやチーズを使った料理がたくさん…カチューシャ様があれを召し上がったら…)

ノンナ(さすが同志、目の付け所が違いますね。ぜひ後でデータを回してください)

ノンナ クラーラ((ふふふふふ…))



ダージリン「まぁ、まぁ…猥雑なところですわね…」

ローズヒップ「とっても楽しそうですわ!早く回らないと売り切れてしまうかもしれませんの!」

アッサム「大丈夫よ、あら、オペラや劇もやっているのね…沙織さんはこういうの興味ありますか?」

沙織「うん!まだ時間があるからお茶していこうよ!ほら麻子も!」

麻子「寝ててもいいなら付き合う」

優花里「コロッセオで豆戦車のレースがあるみたいですね。西住殿、行ってみませんか?」

みほ「そうだね、ダージリンさんもどうでしょう?」

ダージリン「そうね、この人混みの中にいるよりはそっちのほうがいいかしら…ほらペコ、行きましょう?」

ペコ「コーヒーの淹れ方も面白いなあ…あっ、はーい!…五十鈴さんはどうしますか?」

「みなさんはどうぞお好きなところに…ここでなら全身全霊を試すことができそうですわ」ギラリ

一同(本気の目だ…)

41 : ◆s2tmI36vx6 - 2016/08/30 01:53:30.36 uhAtUbKGo 41/52


~夕方


ナカジマ「ふうっ!よし、…けど、この状況でテスト走行ってわけにもいかないよなぁ」

ホシノ「みんなが帰ってからやるしかないね。はぁ、お腹空いた~!」

スズキ「おっ、帰ってきた…どうだった?」

ツチヤ「ダメ!ナポリタンの屋台なんて白旗立ってたよ…」

アンチョビ「お、おう…なんとかお前たちの分だけは確保してきたぞ…できたのか?」

ナカジマ「助かった~!バッチリできてますよ、後でテストしてみて問題なければ納車できます」

ホシノ「ありがと!…んまい!」

スズキ「いやー、久しぶりに楽しい仕事させてもらいましたよ」

ツチヤ「みんなに見せられないのが残念だなあ…」

アンチョビ「なに言ってるんだ?せっかくたくさんギャラリーが居るんだからお披露目しようじゃないか!本当にありがとう!」

ナカジマ「えっ、それはマズ…ああ、行っちゃった…」

まほ「なるほど、本当に仕事熱心だな君たちは…ほら、差し入れだ」

スズキ「うぇっ!黒森峰の…ど、どうも~」

エリカ「あなたたちねぇ!あ、あの、隊長これは…!」

ツチヤ「え、ええと…逸見さんは知らなかったんです!」

まほ「これも戦車道というところかな。それに、もう隊長はお前だろう?私が口を出すことはなにもないよ。あえて言うなら…友達は大事にしておけ」

エリカ「え、ええと、はい…(友達?…それで納得してもらえるならいいかしら?)」

ホシノ「なんだ意外と話せるじゃん!もっと硬い人かと思ってたよ!ありがとお姉ちゃん!」

エリカ「…なっ!調子に乗るな!」

まほ「それと、角谷さんから頼まれていた件が一つあってな。これも君たちが直すんだろう?年代物で大変だろうが頑張ってくれ」

ナカジマ「えぇ、やっぱ会長にもバレてんのかなこれ…ええと…シュビムワーゲン!?」

まほ「ああ、引き継ぎで艦内の倉庫を調べて回っていた時に見つけたんだ。うちで使うことはないから譲ってもいいと伝えておいた。もちろん、レストア費用はそちら持ちで」

スズキ「…これって私らいつもと変わんないんじゃ?」

ツチヤ「ああっ!?考えてみればどこでも遊んでない!!」

ホシノ「角谷のやつ…わたしらを暇にしておくとロクなことしないってわけだな?ええい!こうなったらやってやろうじゃないの!」

エリカ「ほんっと…大洗って私たちにとっては疫病神ね…はぁ」

42 : ◆s2tmI36vx6 - 2016/08/30 01:54:10.88 uhAtUbKGo 42/52


~翌日



みほ「あれ?学園艦がそのままになっているけど…みんなまだ帰らないのかな?」

「何言ってんの?今日がなんの日か忘れたわけじゃないでしょ?」

沙織「なんの日って…あんこう祭だけど…ま、まさか…!」

「ああ、他校からの希望で停泊許可の日時を延長してもらった。今日は我々がホスト役と言うわけだ」

柚子「たくさん楽しませてもらった分、今日は私たちがおもてなしをするの!一般のお客さんと合わせてすごく混雑するだろうけど、みんなで頑張ろうね!」

麻子「あの数の学校の生徒が大洗に押し寄せると言うのか…」

「うん、それでウチの学校を待機所に使ってもらうから、みんなはそっちをお願いね!お楽しみのステージも用意してあるよ~?」

「あのぅ…それはまさか…」

優花里「二度とやるまいと思っていたのに…我々の場合すでに手遅れではありますが」

<ソロ~…

「おっと…逃げ出した者にはこの旅行でかかった費用を実費で請求するからそのつもりでいるように」

一同「えええええええっ!?」





『飛ぶ鳥落とす勢い あんこうの一跳ね』

 
 年々観光実績を伸ばし続けている大洗町。先日開催された第20回あんこう祭に至っては異例の盛り上がりを見せ、その来場者数は前年度比約20万人増を叩きだした。特筆すべきはその客層で、十代女子の中高生に偏っており、商店街や会場となった大洗マリンタワー前広場では黄色い歓声や各関係者の嬉しい悲鳴が飛び交っていた。

 街の人々の話によれば彼女らの多くが戦車道の盛んな学校の生徒やそのファンで占められており、一様に礼節をわきまえながらもよく食べよく遊び、健やかな女性を育む婦女子の嗜みとしての戦車道の実力を垣間見ることができた一幕となった。

 戦車道と言えば国を挙げて二年後の世界大会の誘致を目指しており、それに伴ってプロリーグの発足が発表されたことも記憶に新しい。商店や観光業を営む人々の間では親しみを込めて『戦車さん』と呼ばれる彼女たちの中から、プロ選手や日本代表が生まれることに期待したい。

 観光の街としての大洗の底力を見せつけることとなった今回のあんこう祭だが、各商店街の商工会ではそれを一過性のブームで終わらせることのないよう、戦車さん向けのサービスや催し事が次々と企画されている。ある商店街の青年部で役員を務める男性は「より小規模で実施できる戦車道の試合形式である『タンカスロン』を誘致する計画を立てており、実現に向けて動き出している」と目を輝かせて語った。


~某年某月某日刊茨城日報より抜粋~



―終―


 
 ※本SSに登場した各校やキャラクターの設定は、一部のメディアミックス由来のものを除いてほぼ二次創作やパロディです。ご了承ください

43 : ◆s2tmI36vx6 - 2016/08/30 01:54:44.62 uhAtUbKGo 43/52

 
※本編はこれで一旦締めまして、幕間のお話をあんこうチームメインで投下していきます。もう少しお付き合いください

44 : ◆s2tmI36vx6 - 2016/08/30 01:55:19.82 uhAtUbKGo 44/52


~あんこうチーム meets サンダース大付属高校


ケイ「ハーイ、オッドボール!よく来たわね!ミホもサオリもハナもマコも!元気してた?」

優花里「ですから、それはもう忘れてください~!」

沙織「そう言えば、オッドボールってなんなんだろね?」

みほ「映画に出てくる戦車乗りの名前みたいだけど…あ、ほら、沙織さんが好きな海外ドラマに出てる俳優さんのお父さんがやってるの」

「優花里さん、よくそんな昔の映画をご存知ですね?ケイさんも…」

麻子「…うん、知らないほうがいいだろうな」

沙織「?…まぁいいや、せっかくプールに来たんだし思いっきり遊んじゃお!」

ウサギさんチーム「「「「「ヒャッホー!」」」」」

優花里「わ、わぁ、思いっきり楽しんでるチームが既に…」

「…あ、西住隊長!?え、えっと…あの、その…」

みほ「あ、いいのいいの…私たちには気にせず楽しんでね?」

「ふぁい…///」

沙織「ああもう…私ちょっとあっちの面倒見てくるね?」

ケイ「…助かったわ…正直あの子たちのテンションに付き合うのがしんどくって…若いっていいわねえ」

「ケイさんをここまで消耗させるなんて…恐ろしい子たちですね…」

麻子「あっちはもっと恐ろしいことになってるぞ?」

ナオミ「モモ、昨夜はどうして来てくれなかったんだい?待っていたのに…」

「行くわけないだろう!?ええい、いい加減に…!柚子ちゃぁああん!」

柚子「うふふふふ、ほら~つかまえてごらんなさ~い…ヒック///」

サンダース生「あははははは!待て~♪」

「はいそこで月面宙返り!」

アリサ「ムチャ言わないでよ!?だいたいウェイクボードの技じゃないでしょそれ!…あっ、きゃぁああああ!!」

優花里「…西住殿、長居は無用かと」

みほ「そ、そうだね…」

45 : ◆s2tmI36vx6 - 2016/08/30 01:55:51.79 uhAtUbKGo 45/52


~あんこうチーム meets 知波単学園


絹代「ややっ、これはあんこうチームのみなさん!ようこそ知波単学園へ!」

みほ「どうも…なんだかお忙しそうですね?」

絹代「磯部さんを客将としてお迎えして、隊員一同気合を入れ直している最中なのです!」

麻子「引き合わせてはいけなかった組み合わせのような気がするが…まぁ頑張ってくれ」

沙織「大丈夫ですか?すっごく疲れているようですけど…」

絹代「お客様に心配をかけてしまうとは…!まだまだ精進が足りません!もう一本お願いします!」

典子「いい根性です!今の西さんなら88mm砲弾くらいは弾き返せるでしょう!それーっ!」

「それはいくらなんでも根性では補えないのでは…」

あけび「イッチニー根性!ニーニッ根性!ほらほらー、それじゃあ軽戦車にしか勝てませんよー?チハくらいで満足なんですかー?」ピッピッ

玉田「チハ車は…97式は…!軽戦車ではないであります…っ!ちゅう、せんしゃっで…あります!!」

池田「とつげ…いやっ!根性だ!みんな根性を見せろォ!!」

名倉「見ろ、あれが知波単の星だ!根性ォー!!」

知波単生「「「「「根性ォー!!!!!」」」」」

福田「見えるであります!私にも、知波単の星が!」

優花里「昼間なのに…それはサムライ違いなのでは…?」

細見「んん…っ!こ、近藤殿…!痛いでありますよ…!」

妙子「あっ、ごめんなさい!けど、頑張った後はしっかり筋肉をほぐしてあげないと…大丈夫、そのうち気持ちよくなりますから!」

(西さん…頑張って、私ずっと見ていますから…!)ウルウル

みほ「えーと…ほどほどに頑張ってくださいね…」

46 : ◆s2tmI36vx6 - 2016/08/30 01:56:21.29 uhAtUbKGo 46/52


~あんこうチーム meets 継続高校


みほ「誰も居ない…ミカさんたち、どこに居るんだろう?ってあれ?み、みんな居ない…」

???「動くな」

みほ「ひゃいっ!?」

???「両手を揚げて、そのままだ!よし、ゆっくりとこちらを向け」

みほ(えっ、えっ?なにこのモジャモジャ…)

???「よし、何か食べるものを持っていないか?あったら出せ」

みほ「はっ?…えっと、飴くらいしかありませんけど…ボコの…」

???「ボコ?どこかで聞いたような…なんだ、隊長か」バサッ

みほ「え、エルヴィンさん!?」

エルヴィン「しまったな、てことは…おーい!あんこうチームだ!手出しは無用だぞ!」

左衛門佐「なんだ、これでは得点にならないではないか…」ガサッ

おりょう「また継続側に食料を持っていかれるぜよ…」ガサッ

カエサル「…わたしこんなとこでなにやってんだろ…うう、ひなちゃん…」ガサッ

沙織「みぽり~ん!怖かったよ~!」ガバァ

みほ「沙織さん、よかった…何してるんですか一体?」

エルヴィン「うん、仲良くなるうちにゲリラ戦術の話になってな?では一つ勝負してみようじゃないかと言う話になったんだが…」

左衛門佐「向こうは歴戦の兵、さらに敵地とあって全く勝負にならんのだ!」

おりょう「ただやるんじゃ面白くないから、何か賭けようじゃないかとなるのは自然な流れぜよ?今思えば私たちはカモにされたぜよ…こっちは人数が一人多いからハンデだと言われて…けどこっちの一人は使い物にならんぜよ!」

47 : ◆s2tmI36vx6 - 2016/08/30 01:56:49.47 uhAtUbKGo 47/52


カエサル「あっ!ひなちゃん?もしもし、もしもし!?…あっ、目覚まし掛けてたんだっけ…あうっ!」ビシッ

エルヴィン「スナイパー!!」

みほ「っ!?沙織さん!」

沙織「えっ、きゃあっ!」

左衛門佐「たかちゃん…いいやつだった…」

おりょう「死んだたかちゃんだけがいいたかちゃんぜよ…」

みほ「す、荒んでる…」

エルヴィン「しかしこれでは動けんな…っ!?ガス!状況ガス!!」

沙織「なにこの匂い!?ゲホッゴホッ!あ、あっちのほうから…」

ミッコ「…こ、降参する…!今度はそっちの勝ちでいい…!!」

みほ「一体なにが…あ、華さん!大丈夫!?」

「…ああ、みほさん…わたくしはもうダメです。自分の体のことは自分がよくわかって…」

沙織「いや、大丈夫だから、たしかにすごい匂いだけど…あ、これか…何のカンヅメだろ…?」

麻子「えらい目に遭った。突然何かが破裂するような音がして…それでこの有様だ」

優花里「かなり発酵が進んでいたようですね…ああ、西住殿、武部殿…ご無事でなによりです」

ミカ「やぁ、これはこれでおいしいんだけどね?ほら、これが今回の景品だよ?」

カバさんチーム「「「「要らん」」」ぜよ」

アキ「あっ、Ⅳ号の…うう、再開が腐ったニシンの匂いと一緒なんてぇ!」

沙織「癒しを求めて森林浴に来たのにぃ!」

沙織アキ「やだ「も~っ!!」」

48 : ◆s2tmI36vx6 - 2016/08/30 01:57:58.54 uhAtUbKGo 48/52


~あんこうチーム meets 聖グロリアーナ女学院


アッサム「何がいけなかったのかしら…」

ダージリン「錨地の選定に手間取った?」

オレンジペコ「ちゃんと選んであったのに、ダージリンさまがあまり早く行くと格好悪いって言うからじゃないですか…」

ダージリン「えーと、そもそもバースが一つしかないのがいけないのよ」

アッサム「無茶言わないの、それは大洗が使うんだし…他の学校もそれは同じでしょ」

ダージリン「…料理がおいしくないのが悪いとでも?」

ローズヒップ「イギリスのでございますか?」

ダージリン「やはり…あの学校は遠すぎたわね…」

アッサムペコ「「ダージリン」さま?」

ダージリン「…ごめんなさい」

ルクリリ「問題はそんなことじゃあない、上の人間が勝手に見得を張ろうとするから、みんな…っと、そんなことを言っている場合ではありません。お客さんですよ?もう、誰も出迎えに行かないから困ってらっしゃるじゃないですか」

みほ「あの、お取込み中ですか?」

ダージリン「いいえ、そんなことはありませんわ!お待ちしておりましたのよ?」

「すみません、お土産を選んでいたら遅くなってしまって…つまらないものですが」

アッサム「これはご丁寧に…茶ーちる歩兵煎餅?フッフフ…ンフッ!」

優花里「あ、こういうの弱いんですね」

ローズヒップ「では早速本日2回目のティータイムにいたしましょう!」

沙織「あ、2回目なんだ…聖グロの人って一日にどれくらいティータイムがあるんですか?」

ペコ「朝起きてからと…学校で6回、それから帰宅してから3回は」

麻子「10回も?お茶の合間に学生生活を送っているようなものだな…」

ダージリン「せっかくいらしたんですもの、今日は残りの全てをご一緒していただきたいわ。ねっ、ねっ?」

みほ「ええと…はい。あ、それと…明日は最後なのでアンツィオに行くことになっているんですけど…よかったら一緒にどうですか?」

ダージリン「まぁ、わたくしの前で他の学校の話などなさらないで下さいな。でも、そうね…みほさんがそうおっしゃるならお付き合いしますわよ?」

アッサム「まったく、調子がいいんだから…」

ルクリリ「この作戦は9割成功よー、なんて言い出しそうですね」

ペコ「…お元気になられてなによりです。さぁ、お茶が入りましたよ?」

一同「はーい!」

49 : ◆s2tmI36vx6 - 2016/08/30 01:58:25.59 uhAtUbKGo 49/52


~あんこうチーム meets 黒森峰女学園


まほ「おはよう、みほ。…遅かったじゃないか」

みほ「え、えっと…ごめんね。あっちこっち寄ってたら遅くなっちゃって…あ、これお土産」

まほ「ん?ああ、そんなところで気を遣う必要はなかったのに…これ、お母さまが気に入っていたぞ」

みほ「本当!?今度送ろうかな…」

優花里「おはようございます!」

沙織「おはようございま~す!」

「おはようございます」

麻子「…おはよう…ございま…」

まほ「おはよう、みんな久しぶりだな。…うん、2人と3人に別れてくれるか?2人はタクシーで、3人はこっちだ」

沙織「うわっ、これお姉さんのクルマですか!?…すごぉい!こんなのでデートしてみたいなぁ~」

「まぁ、とってもお似合いですよ!」

麻子「不釣り合いな…若葉マークが気に…なる」

みほ「じゃあ私はタクシーでいいかな」

優花里「西住殿がそう言うなら…お供いたします!」

まほ「大丈夫だ、任せておけ。みほたちはこのチケットを使え、行き先も知らせてあるから心配するな」

みほ「あ、うん。じゃあまた後で」

沙織「わぁ~!中も広い~えっ?わわっ!ちょっとお姉さんスピード出しすぎじゃ?」

まほ「問題ないわ、これくらい普通よ」

「まぁ!自動車の運転もアクティブで楽しそうですね!」

麻子「…ん?なんだか目が冴えてきた…」

50 : ◆s2tmI36vx6 - 2016/08/30 01:59:15.91 uhAtUbKGo 50/52


優花里「…大丈夫でしょうか?」

みほ「うん、お姉ちゃん運転も上手だから」

優花里「そうであることを祈るばかりです…わぁ!西住殿見てくださいあれ!」


『歓迎 大洗女子学園戦車道チーム御一行様』

『学園存続おめでとう』

『ミホサン オカエリナサイ』


みほ「…っ!あの、この次で降りてもらえますか?」ポロ

運転手「わかりました」

優花里「西住殿?…ど、どうしたんですか!?」

みほ「なんでもない、なんでもないの…グスッ、ただ、嬉しくて、嬉しくて…たくさん嬉しくて…すこしだけ、寂しいだけ…」ポロポロ

優花里「…どうぞ」

みほ「…ありがとう」


黒森峰生『対象がインターチェンジを通過しました。間違えたのでしょうか…出口へ迎えを出しますか?』

まほ「そうか…いや、いいんだ。そっとしておいてやれ」

黒森峰生『…?わかりました』

沙織「うぅ~、やっと着いた…あれ、みぽりん達は?着いて来てなかったんですか?」

まほ「大丈夫よ。すぐに追いつくから…ほら、行きましょう」

「ああ、あのG感…わたくしも来年は自動車の免許を取りますわ!」

麻子「なかなか楽しかった。…あとで運転させてもらってもいいだろうか?」

まほ「いいけれど、一応飲んだら乗るな、乗るなら飲むな、よ?」

51 : ◆s2tmI36vx6 - 2016/08/30 02:00:15.35 uhAtUbKGo 51/52


みほ「だいぶ遠回りになってしまいましたね…えっと、超過分は…」

運転手「いいんです、戦車乗りからお代はいただけません。特にあなたからは」

みほ「えっ?、あっ…!あの、あの時は本当にすみませんでした!」

運転手「いいのよ、私たちは勝ち馬に乗せてもらっていただけ、それなりにいい目を見させてもらったわ…けど、あなたたち西住流は…つらかったことでしょう。でもね、私はこの学校が今でも大好き!幸い戦車道を続けられる職場にも入れたし…あなたも戦車道、続けてね!」

みほ「はい!」

優花里「お知り合いですか?」

みほ「昔、ちょっとね…」

エリカ「…遅いのよ、来るのが!」

みほ「エリ、逸見さん…その格好、かわいいですね」

エリカ「うっさい、あんたも今からするのよ?」

みほ「…ふぇ!?あ、ちょっと、逸見さん!?」

エリカ「いいからとっとと来なさい!元ふ…みほ!」

みほ「…!はいっ!エリカさん!」

優花里「西住殿、よかったですね…あっ、待ってください!西住殿!逸見殿~!」




あんこうチーム meets 学園十色編

―終―

52 : ◆s2tmI36vx6 - 2016/08/30 02:00:43.61 uhAtUbKGo 52/52


※これで全部おしまいです。続編である最終章も発表されて嬉しいような、寂しいような…最後までご覧いただきありがとうございました。

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