1 : 以下、名... - 2016/08/27 18:01:32.68 Ak2Hkja+o 1/15

仮面の男「時は満ちた……そろそろオレの正体を明かすとしようか」

「お前は……! たびたび俺の前に現れては、助言や手助けをしてくれた男!」

「お前の正体はいったい何者なんだ!?」

仮面の男「オレの正体、それは――」カパッ

「!!!」

元スレ
男「そ、そんな……! 仮面の男の正体が兄さんだったなんて……!」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1472288492/

3 : 以下、名... - 2016/08/27 18:04:44.64 Ak2Hkja+o 2/15

「兄さん……!?」

「フフフ、オレのことを覚えていてくれたか」

「仮面など介さず、まともに顔を向き合わせるのは、いったい何年ぶりのことか……」

「そ、そんな……! 仮面の男の正体が兄さんだったなんて……!」

5 : 以下、名... - 2016/08/27 18:06:36.77 Ak2Hkja+o 3/15

女幹部「オホホ、ずいぶん驚いているようね」

「お前は……! 俺の敵でありながら、たまに俺を助けてくれたりした妖艶な女幹部!」

「なぜ、今このタイミングでここに!?」

女幹部「それは私の正体を教えてあげるためよ」

「正体……!?」

女幹部「私の正体は――」

6 : 以下、名... - 2016/08/27 18:10:16.14 Ak2Hkja+o 4/15

「あなたの姉だったのよ!」バサァッ

「姉さん!?」

「あの優しかった姉さんが、魔王配下の女幹部……!? ウソだ!」

「残念ながら、真実なのよ……」

「どうして!? どうして姉さんが……!」

7 : 以下、名... - 2016/08/27 18:14:29.78 Ak2Hkja+o 5/15

謎の幼女「うふふ……」

謎の少年「えへへ……」

「お前たちは……! 時々俺の前に現れては、意味深な言葉を残していく子供たち!」

「どことなく俺に似てる気もするが、いったい誰なんだ!?」

謎の幼女「お兄ちゃん」

謎の少年「お兄ちゃん」

「え!?」

8 : 以下、名... - 2016/08/27 18:16:02.08 Ak2Hkja+o 6/15

「お兄ちゃんって……まさか!?」

「あたちはね、お兄ちゃんの妹なのよ」

「ぼくはね、お兄ちゃんの弟なの」

「そんな……! どうりで似てると思ったけど、俺に妹と弟がいたなんて……!」

9 : 以下、名... - 2016/08/27 18:19:21.92 Ak2Hkja+o 7/15

女神「こうなってしまっては……わらわの正体も明かさねばならぬな」フワッ…

「女神様!?」

「俺に魔王を倒すための力を授けて下さったあなたにも、秘密があるというのですか!?」

女神「もちろんじゃ」

「どんな秘密があるというのですか!?」

女神「ふふふ……」

10 : 以下、名... - 2016/08/27 18:21:48.88 Ak2Hkja+o 8/15

女神「昔はよく、あなたを膝に抱いて絵本を読んであげたわね」

女神「一人の勇敢な若者が魔王を倒す、英雄物語を……」

「!」

「女神様……あなたは母さんなのか!?」

「そうよ」

「そんな、母さんはあの事件で亡くなったとばかり……!」

魔王「フハハハハ……!」

11 : 以下、名... - 2016/08/27 18:25:21.01 Ak2Hkja+o 9/15

魔王「ずいぶんと混乱しておるようだな。まあ無理もないことだが」

「魔王ッ! まさかお前まで現れるとは! 今日こそ決着をつけてやる!」

魔王「フハハハ……まあそう焦るな」

魔王「今から貴様に面白いことを教えてやるのだからな」

「面白いこと……?」

魔王「……我が息子よ」

「!?」

13 : 以下、名... - 2016/08/27 18:27:25.04 Ak2Hkja+o 10/15

「息子だと……!? 俺が……!?」

「ということは……魔王、お前は俺の父親……!?」

「そうだ」

「ウソだ……!」

「残念ながら本当のことだ」

「俺は信じない……! 絶対に信じないぞ!」

14 : 以下、名... - 2016/08/27 18:30:32.44 Ak2Hkja+o 11/15

精霊「ワン!」

「お前はいつも俺の近くにいる動物の精霊!」

精霊「ワン、ワン!」

「まさか……お前も!?」

精霊「ワン!」

15 : 以下、名... - 2016/08/27 18:32:25.55 Ak2Hkja+o 12/15

「この鳴き声……どこかで聞いたような気がする」

「そうか……! お前は昔、俺が飼っていた犬か!」

「ワン!」

「お前は死んだとばかり思っていたけど……」

「精霊として転生して、ずっと俺のことを見守ってくれていたのか……」

18 : 以下、名... - 2016/08/27 18:39:15.57 Ak2Hkja+o 13/15

「ようするにだ、お前らは全員グルだってのが分かった」

「なぜだ!? なぜこんな回りくどいことをして、俺に力を与えた!?」

「フハハ、決まってるだろう?」

「お前を覚醒させ、この世界全てを救う戦士に育て上げるためだ!」

「騙してて悪かったな」

「これも世界のためなの……許してね」

「キャハハ、がんばってね、お兄ちゃん」

「アハハハ、がんばってよ、お兄ちゃん」

「これはあなたにしかできないことなのよ」

「ワン!」

「これまでの戦いは全て……全て、仕組まれたものだったのか……!」

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

19 : 以下、名... - 2016/08/27 18:45:20.17 Ak2Hkja+o 14/15

「あー……面白かった。全力で叫んじゃったよ」

「ナイス演技だったぜ。お前、俳優になれるんじゃねえの?」

「おだてるなよ、兄貴」

「やっぱり面白いわね。この『謎のキャラの正体は肉親だったごっこ』は」

「おもしろかったー!」

「ぼく、もっとセリフ欲しかったな」

「たまには家族全員で、こういう大がかりなお遊びをやるのもいいもんだ」

「ま、母さんが女神ってのはちょっと無理がある設定の気もするが――」

「なんですって!?」

「ごめんなさいっ!」

「ワン、ワン!」

「ポチ、もう吠えなくていいんだぞ。ごっこ遊びは終わったんだから」



「あのー……」

20 : 以下、名... - 2016/08/27 18:47:08.40 Ak2Hkja+o 15/15

近所のおばさん「回覧板を届けにきたんですけど……」



一家「ドア開けっ放しだったーっ!!!!!」








おわり

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