まほ「ううぅ……」
エリカ「いいじゃありませんか。副隊…元副隊長のことお母様に認めて貰えたんですよね?」
エリカ「隊長は絞られたみたいですけど……」
まほ「言わないでくれ…」
エリカ「とにかく、素直に喜んであげましょう?」
まほ「だって……」
エリカ「だって?」
元スレ
まほ「負けたぁあああ」エリカ「いい加減泣き止んだらどうです?
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1364900364/
まほ「よくよく考えたら、私あれが高校最後の試合だったんだ……」グス
エリカ「え…まぁ、そうですね」
まほ「最後が負け試合なんて……」
エリカ「で、でも、最後の試合で妹が姉を越えるって感動的じゃありませんか?」
まほ「……」
エリカ「分かってくれました?」
まほ「やだ」
エリカ「えー……」
まほ「……みほは私がいないとダメなんだ」
エリカ「そんなことないでしょう、こうして優勝したんですから」
まほ「エリカまでそんなこと言うのか!?」
エリカ「えっ……」
まほ「お母様にも、そろそろ妹離れした方がいいと」
エリカ「ああ……そっちで怒られてたんですか…」
まほ「ぐすっ……」
エリカ「まったく、試合後はちゃんとお姉ちゃん出来てたじゃないですか」
まほ「猫かぶってたに決まってるだろう」
エリカ「知ってますよ」
まほ「なら聞くんじゃない」
エリカ「素であのくらいの態度がとれれば誰も文句言いませんから」
まほ「やだ、精神がすり減る」
エリカ「すり減るって……そもそも隊長は素の状態で接したことあるんですか?」
まほ「うっ………なぃ」グスン
エリカ「はぁ……素直になるか妹離れするかどっちかにした方が良いです」
まほ「し、しかしこんな姉ではその……引かれないだろうか」
エリカ「少なくとも私は引きますね」
まほ「うぐっ…」
エリカ「それに、もう信じてあげたっていいじゃないですか」
まほ「……信じる?」
エリカ「私が言えたことではありませんが、今は大洗の隊長としてよくやっています」
エリカ「一度は逃げ出したかもしれないけど、正面からまた挑んで、そして勝った」
まほ「……」
エリカ「悔しいけど、私よりも立派な人ですよ」
まほ「……」
まほ「私は……信じてるよ。みほのこと」
エリカ「それなら、もう心配しなくても……」
まほ「心配なんてしてないさ。みほは自分の戦車道を見つけた。もう私と同じ方を向くことはない」
まほ「それはいいんだ。みほには、みほの戦車道をしてほしい」
エリカ「隊長……」ウルウル
まほ「でも、あの子それ以外では抜けてるところあるから」
まほ「ちゃんと食べてるのか学校では上手くいってるのか変な男にひっかかってないか……」
エリカ「だから! それもひっくるめて信じろって言ってんでしょうが!!」
まほ「し、信じてるもん!」
エリカ「嘘つけ!」
エリカ「……はぁ、いいですよもう。とりあえず泣き止んでくれたみたいですし」
まほ「え……」
まほ「あ……そうだ私負けたんだ…」グス
エリカ(この人めんどくさい……)
まほ「すまないエリカ……お前にも迷惑かけたな」
エリカ「気にしなくていいです。私こそ焦って隊長のご迷惑に……」
まほ「そんなことはない。私だってエリカが居てくれるだけで安心できるんだ」
エリカ「っ…//」ボンッ
エリカ「こ、光栄です//」
まほ「しかし、2年連続で優勝を逃すなど……うぅっ…西住流の恥…ぐす」ウルウル
エリカ「こ、今年は正々堂々と正面から戦って負けたんですから、なにも恥じることなんてないですよ」
まほ「それは……それは分かるが」
エリカ「もっと妹さんの成長を喜んであげましょう」
まほ「だが……やはり悔しいんだ」
エリカ「隊長……」
エリカ(隊長はもう黒森峰として試合には出られない……次がある、来年こそなんて言えない)
エリカ(どうすればいい……どうすれば…)
まほ「こんなことじゃ……隊長として、姉として失格だな……」グスン
まほ「みほはもう私のことなんて……」
エリカ(まずい、また思考が厄介な方向に……)
エリカ「……どうすれば泣き止んでくれるんですか?」
エリカ(結局何も浮かばなかった……)
まほ「……じゃあキスして」
エリカ「はぁ!? いきなりなんなんですか!?」ドキ
まほ「みほがダメならエリカで我慢する」グス
エリカ「それ地味にショックなんですけど」
まほ「嫌?」
エリカ「い、嫌とかそういう問題じゃないんですよ」
まほ「ならなんで?」
エリカ「わ、私はその……誰かの代わりじゃなくて私として……///」モジモジ
エリカ「1人の女の子として、それなら……キスだってなんだって喜んで…///」
まほ「えっ…エリカそっちの人だったの?」
エリカ「え?」
まほ「え?」
エリカ「……」
まほ「……」
エリカ「た、たた隊長だっていつも危ない発言してるじゃないですか!!」
まほ「危ないとはなんだ。私は純粋に妹を心配してるだけだ」
エリカ「自分からキスしてなんて言っておいてそんなのないですよ!!」
まほ「姉妹でキスして何が悪い。ほっぺにちゅーは家族の基本だろう」
エリカ「き、キスってそっちの……」
まほ「まぁ、みほがしたいっていうならどこまでも」ポッ
エリカ「なっ……隊長だってそっち側じゃないですか!」
まほ「失礼な! 私はノーマルだ!」
エリカ「人をアブノーマルみたいに言わないでください!」
まほ「違うのか?」
エリカ「うっ……隊長は私のこと嫌いなんですか?」
まほ「そんなことは言ってないだろ」
エリカ「だって引いてたじゃないですかぁ……」グス
まほ(あ、泣いた)
まほ「あれは引いたんじゃない、少し驚いただけで……」
エリカ「ほんとですか…?」ウルウル
まほ「ほ、本当だよ」
エリカ「……」ジー
まほ「すまん、ちょっと引いた」
エリカ「……いいんです、それが普通です…」グス
まほ「エリカ…」
エリカ「出来れば、今のはなかったことにしてくれませんか?」ウルウル
エリカ「隊長と副隊長、その関係だけで満足ですから……」
エリカ「もし隊長に嫌われたら……私は……」ポロポロ
まほ「はぁ……私がエリカを嫌うわけないだろう」
まほ「それに、隊長と副隊長っていうのは心外だな」
エリカ「え……」グス
まほ「そんなものは関係なく、もう友人だと思っていたんだが」
エリカ「友人……」
まほ「そうだ。さすがに恋人というわけにはいかないがな」
エリカ「隊長ぉ……私、嬉しいです…たとえ友人でも」グス
まほ「ほら、もう泣くな。練習だぞ」
エリカ「はぃ、隊長」
まほ「ああ、それともう一つ」
まほ「3年はもう戦車道を引退する。私も隊長を辞めることになる」
エリカ「……」
まほ「だから、その……これからは名前で呼んでくれないか?」
エリカ「それは……っ///」
まほ「だめか?」
エリカ「い、いえ! ……その、に、西住先輩…」
まほ「そうではなくて」
エリカ「え……あっ…////…まほ先輩///」ドキドキ
まほ「うん。それじゃ、練習行こうか」ニコ
エリカ「はい!」
まほ「……エリカ」
エリカ「何ですか?」
チュッ
エリカ「なっななっ…////」カァア
まほ「か、勘違いするなよ! これは友人としてのものだ//」
エリカ「先輩……//」
後輩「あ、隊長! 今年は残念でしたね。来年こそは勝ってみせます!」
まほ「あ……そうだ私…」ズーン
エリカ「えー……」
おわり