1 : 以下、名... - 2016/06/28 00:04:02.26 +mjTHdFz0 1/20


※百合です。嫌いな方は見ないほうがいいです。




~校舎裏~


「私に……何か用ですか……」

不良女「うん、まあ」

「あの……お金は持ってないです……」

不良女「はあ!? 誰がンなもん欲しいっつったよ!?」

「ひっ……! ごめんなさい……」

不良女「あーいや、違うんだ。カツアゲじゃねえよ」

「だ、だったら……?」

不良女「あー……その」

「……」ビクビク

元スレ
女「……あの」不良女「ん?」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1467039841/

2 : 以下、名... - 2016/06/28 00:08:43.60 +mjTHdFz0 2/20

不良女「おい、そんなビビんなよ」

「え、あ……ごめんなさい」

不良女「いや、別に謝らなくてもいいって」

「ご、ごめんなさ……ぁ……ぅ」

不良女「……っあー」

「……」ビクビク

不良女「おい、ちょっと目ぇ、瞑れよ」

「え……な、何するんですか……?」

不良女「いいから」

「でも……」

不良女「いいから、瞑れよ」

「は、はい……」

3 : 以下、名... - 2016/06/28 00:14:30.50 +mjTHdFz0 3/20

不良女「そのままだ」

「……っ」

不良女「……」

……ナデナデ

「……っ?」

不良女「ほら、何も怖い事しねぇって」ナデナデ

「あ……」

不良女「……頭撫でられたら落ち着くって聞いたからよ。どうだ、落ち着いたか?」

「……少し」

不良女「そっか。よかった」

「……もう、大丈夫です」

不良女「お、おう、そうか」

4 : 以下、名... - 2016/06/28 00:23:52.86 +mjTHdFz0 4/20

「あの……私に用って言うのは……」

不良女「あ、おー……そうだったな」

「もう、怖がったりしませんから」

不良女「……よし、そうか……だったら、言うぞ」

「はい?」

不良女「お前……さ、彼氏とか恋人的なの、いんの?」

「え……いえ、そういったお付き合いは誰とも……」

不良女「ふ、ふーん……そっかそっか」

「あの、何で顔をそちらに向けているのですか?」

不良女「いや、何でもねぇよ……っしゃ!」

5 : 以下、名... - 2016/06/28 00:31:08.46 +mjTHdFz0 5/20

「用というのは、それだけですか……?」

不良女「ま、まだだよ! まだ4割だっつーの!」

「は、はい……」

不良女「その……だ、だ、だだだったらよぉぉ」

「は、はい」ビックッ

不良女「……アタシと、付き合ってみねぇか」

「え……?」

不良女「……」

「あの……それは……どういう」

不良女「だからぁ! アタシと付き合ってみねぇかって言ってんだよ!」

「え、でも……不良女さんと私は、女の子で……」

6 : 以下、名... - 2016/06/28 00:46:56.31 +mjTHdFz0 6/20

不良女「それがどうしたよ」

「え、でも……急にそんな」

不良女「急に言うから、告白じゃねぇのか」

「あの……男性ともお付き合いしたこと無いのに、ましてや女性となんて」

不良女「大丈夫、アタシも同じだよ」

「でも、やっぱり……」

不良女「おいおい、もっと考えてくれよ。アタシ1ヶ月くらい告白するタイミング待ってたんだよ」

「そ、そうですね……頭から否定するのはよくありません」

不良女「よかった……」

「では、少し考えさせください」

不良女「何分?」

「1日です! 分では考えられません!」

不良女「あん? ンなの、待ちきれねぇっつーの!」

「もっと考えろって言ったのは貴女ですよ!」

不良女「人間ってのはな、考えれば考えるほど悪い結果に行くんだよ」

「それは、先程の自分の発言と矛盾していませんか……」

7 : 以下、名... - 2016/06/28 00:53:16.41 +mjTHdFz0 7/20

不良女「むー、細かいこと言うなよ」

「……はぁ、もういいです」

不良女「え? 今、いいって言った!?」

「違います。飽きれたと言ったんです」

不良女「え……」

「お付き合いの件は、ごめんなさい。男性であろうと女性であろうと、お付き合いはできません」

不良女「え、あ……ちょっ」

「失礼します」

不良女「あ……あぁ……」

「……」

8 : 以下、名... - 2016/06/28 01:00:37.69 +mjTHdFz0 8/20


~教室~

「はぁ……」

女友「あれ、おかえり。どこ行ってたん?」

「んー……いえ、何でもなかったですよ」

女友「えー、怪しいなぁ。もしかして、告白されてたとか?」

「え……?」

女友「っははは! んなこたぁ無いか」

「……もう。ドキッとしたじゃないですか」

女友「そういやぁ、不良女のヤツも、どっか行って帰ってこやんなぁ」

「……サボっているんじゃないですか」

女友「んー、そうなんかなぁ。なんかアイツ、ここ1ヶ月くらい真面目に来とったからさ」

「1ヶ月……か」

10 : 以下、名... - 2016/06/28 01:13:57.84 +mjTHdFz0 9/20

女友「なんや心入れ替えたみたいになって来よったから、きしょかったなぁ」

「……あれ、たしか……」



不良女『おいおい、もっと考えてくれよ。アタシ1ヶ月くらい告白するタイミング待ってたんだよ』



「あ……1ヶ月前から……」

女友「あん? なにがぁ?」

「ううん。こっちの話ですから」

女友「そぉか? あ、せや。1ヶ月言うたら、そろそろあれちゃうん」

「あれって、何でしたっけ?」

女友「ほら、前に作文書いたやん」

「あー、【将来の自分】って題の作文ありましたね」

女友「そーそー、それの、校内で誰が1番エエやつ書いたか発表されるらしいで」

「そういえばありましたね。結局、誰になったんですか?」

女友「さぁ、どっかの知らんヤツちゃうか」

11 : 以下、名... - 2016/06/28 01:30:36.56 +mjTHdFz0 10/20

「私、もう何て書いたか覚えてないです」

女友「んー、ウチは覚えとるよー」

「え、何て書いたんですか?」

女友「ふふふ。金持ちになって、プール付の豪邸に住む計画をつらつらと書いたったんや」

「うわ……」

女友「あれー、なんでぇ? ええやん、夢見たってもええやん。そういうアンタは何なんや、思い出さんのか?」

「ううん、私は何を書いたのでしょうか」


キーンコーンカーンコーン


女友「あぁ、鳴ってもうた。午後からの授業眠たいんよなぁ」

「寝ても、ノート写させてあげませんからね」

女友「ああん。厳しい」

12 : 以下、名... - 2016/06/28 01:43:30.83 +mjTHdFz0 11/20


「あれ……そういえば、1ヶ月前って……」

「あ……そうか、それで……」




~1ヶ月前~

放課後、教室にて



不良女「……っち」

不良女「あー……何でこんな……」

不良女「作文って、何書きゃいいんだよ」


ガラッ


不良女「あ?」

「あ……」

不良女「何見てんだよ」

「い、いえ……別に……」

不良女「けっ……」

13 : 以下、名... - 2016/06/28 01:51:01.35 +mjTHdFz0 12/20

不良女「あ、そうだ。おい、えー……っと」

「あ……えっと、私は、女っていいます」

不良女「女、作文って何書きゃいいんだ」

「あ、えっと【将来の自分】ですけど……」

不良女「んなこたぁ分かってんだよ。具体的にどうすりゃあいいんだよ」

「ぐ、具体的……?」

不良女「これ書かなきゃ、単位くれねぇっつーからよぉ」

「あ……それは大変ですね」

不良女「……けっ。ンなこと思ってねぇくせによ」

「っ……」ビクッ

不良女「で、どーすりゃあいいんだよ」

「えっと……ですから、将来自分がどうなっているか、どうしたいかを書くんです」

14 : 以下、名... - 2016/06/28 02:01:55.40 +mjTHdFz0 13/20

不良女「どーしたいか? 別に何もねえ」

「えぇ……」

不良女「無かったらもうこれ、紙飛行機にして先公にぶつけっか」

「ダメです! 怒られますよぉ……」

不良女「冗談だよ」

「えぇっとですね……無くても、ほら、フワッと出てきませんか?」

不良女「ふわっ?」

「お菓子屋さんになりたい、美容師になりたい、教師になりたい……とか、本当は思ってなくても適当なのが」

不良女「あー……そうだな」

「はい」

不良女「宝くじで一等当てる」

「え?」

不良女「一等当てて、その次も一等当てて、働かなくていいような人生がいい」

「……っ」

不良女「お?」

「っはははははっ……!」

15 : 以下、名... - 2016/06/28 02:09:12.04 +mjTHdFz0 14/20

不良女「んだよー、真面目に考えたのによぉ」

「ふふっ、すみません。でも、面白かったです」

不良女「そ、そうか……ふーん……」

「そうですよね。先生が好む作文を書こうとするから、苦になるんですね」

不良女「あ、あー……そうなのかもな」

「ありがとうございます。なんだか、色々どうでもよくなっちゃいました」

不良女「そうか……そりゃよかった。こっちも、その話聞いてなんとかなりそうだ」

「そうですか。それでは、私はそろそろ行きますね」

不良女「おう。助かったよ」

「……あの、不良女さん」

不良女「あん?」

16 : 以下、名... - 2016/06/28 02:17:57.34 +mjTHdFz0 15/20

「さっきの、言葉……」

不良女「おう?」

「私は、本当に思ってますよ」

不良女「……」

「もし、不良女さんが進級できなかったら……寂しいです」

不良女「っつ!?」

「こうして、偶然でも不良女さんと話せなくなってしまうのは、寂しいです。」

不良女「お、おう、そうか……うん」ドキッ

「だから、一緒に卒業できるように頑張ってくださいね」ニコッ

不良女「……!!」

「では、また」



不良女「っ……っつ」ドキドキ

不良女「んだよ……恥ずかしいこと言いやがって……」ドキドキ

17 : 以下、名... - 2016/06/28 02:23:41.61 +mjTHdFz0 16/20



~現在~

放課後 校門前にて



「あ……」

不良女「……」

「午後からの授業サボりましたね」

不良女「……」

「私が、断ったからですか?」

不良女「……もう一回、話をしたくてさ」

「だからここで待ってたんですね」

不良女「……歩きながら話そうぜ」

「はい。いいですよ」

不良女「……」

18 : 以下、名... - 2016/06/28 02:32:53.97 +mjTHdFz0 17/20

「……」

不良女「昼は……悪かった」

「……はい」

不良女「なんだかよ……お前と話そうって思ってもなかなか話しかけずらくてよ」

「だから校舎裏に呼び出したんですか。殴られてお金盗られるって思ってしまいました」

不良女「……悪かった」

「もういいですよ」

不良女「……お前と二人で話せるって思ったら……なんか変なテンションになってしまって……」

「あはは……不良女さんて、なんかイメージと違いますね」

不良女「……最初は、お前と友達になりたくて……」

「そうだったんですか」

不良女「でも、だんだん見てたら、何か胸が熱くなってきて……」

「……あ、えっと……」

19 : 以下、名... - 2016/06/28 02:48:06.18 +mjTHdFz0 18/20

不良女「気持ち悪いって思ってもいい……でも、本当にお前を好きになっちまってたんだ」

「……」

不良女「……迷惑だよな、やっぱり。こんな不真面目で、ちゃんとしてない奴なんか……」

「確かに迷惑です。人の話をちゃんと聞いてくれないんですから」

不良女「う……」

「だったら、今から真面目になればいいんです。ちゃんとすればいいんです」

不良女「え……?」

「私、言いましたよね。不良女さんがいなくなったら、寂しいって」

不良女「……うん」

「だから、今度は約束です。私と一緒に、卒業してください」

不良女「……」

「そして今から私達の関係は、お友達から始めましょう」

不良女「い、いいのか……?」

20 : 以下、名... - 2016/06/28 02:54:13.65 +mjTHdFz0 19/20

「もちろんです。不良女さんが、それでいいのなら」

不良女「い、いいに決まってんだろぉ!」ギュウウウウウウ

「プゥアフッ!?」

不良女「ああーうれしいいいい」

「や、やめ……いきなり抱き締めないで……うぅぅ」

不良女「……えへへへ」ギュウウウウウ

「……もう」

不良女「あ、そうだ。今から女っ家行っていいか?」

「え? いいですよ」

不良女「やったぁぁ! 友達の家って憧れてたんだぁ」

「部屋を荒らさないでくださいよ」

不良女「分かってるってよお」

「はぁ……ふふっ」

不良女「えへへ……」





~おわり~

21 : 以下、名... - 2016/06/28 02:55:05.88 +mjTHdFz0 20/20

短いですが、終わりです。
ありがとうございましたー。

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