◆艦娘が出て殺す!シリーズ◆

◆ウェルカムトゥ・ネオサイタマ・チンジフ
http://ayamevip.com/archives/44516722.html

◆ラスト・クチクカン・ガール・スタンディング
http://ayamevip.com/archives/48089635.html

◆キックアウト・ザ・ニンジャ・テイトクファッカー
http://ayamevip.com/archives/48089676.html

◆システム・オブ・チンジフ・ストラグル
http://ayamevip.com/archives/48089712.html

元スレ
【艦殺(艦これ)】アトロオーシャン・イン・ネオサイタマオーシャン
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1442646537/

276 : ◆utp..QOeek - 2015/10/19 16:03:50.60 IZF3pIrFO 2/219

◆◆◆予告通り天狗が来る◆◆◆

277 : ◆LqqjsVfEwc - 2015/10/19 16:05:22.00 IZF3pIrFO 3/219

【アトロオーシャン・イン・ネオサイタマオーシャン】

278 : ◆utp..QOeek - 2015/10/19 16:12:08.58 IZF3pIrFO 4/219

カガたちの部隊が襲撃を受けるのとほぼ同時刻、ここはトコロザワ海3番海域である。この場所には前時代の兵器が墓標めいてところどころに座礁しているブキミ極まりない場所だ。

279 : ◆utp..QOeek - 2015/10/19 16:15:45.81 IZF3pIrFO 5/219

「ハァーッ…ハァーッ…うう…!」その残骸のひとつに身を預け、荒く息を吐いている者がいる。彼女の名はナトリ、ネオサイタマ・チンジフ所属の艦娘だ。「こんな…ことに、なるなんて…」ナトリの装束はところどころが綻び豊満な胸元もあらわである。彼女は手負いだった。

280 : ◆utp..QOeek - 2015/10/19 16:20:49.40 IZF3pIrFO 6/219

ナトリはキズの痛みに耐えながらも、先程起こった事態を整理しようとした。事の顛末はこうである、トコロザワ海に本部を構える暗黒メガチンジフ・シンカイセイカンヤ、通称セイカンヤには鹵獲した艦娘たちを捕縛し監禁する施設があるという情報を掴んだネオサイタマ・チンジフ情報司令部はナトリを含む少数の偵察部隊を送り込んだ。

281 : ◆utp..QOeek - 2015/10/19 16:23:56.56 IZF3pIrFO 7/219

しかし現地で待ち伏せしていたのはセイカンヤの深海凄艦娘ではなく、自分たちと同じ艦娘…キョート・チンジフの艦娘たちが突如として強襲してきたのだ。激しい攻撃にさらされた偵察部隊は散り散りになり、ナトリも撤退の最中であった。

282 : ◆utp..QOeek - 2015/10/19 16:56:24.99 IZF3pIrFO 8/219

(一体何が起こってるの…!?キョートのみんながいきなり攻撃してくるなんて!とにかく今は応急処置を…)ナトリが応急処置キットを取り出そうとした…その時!「イヤーッ!!」鋭いシャウトと共に空を切るような音を発するゼロセンが投擲された!

283 : ◆utp..QOeek - 2015/10/19 17:00:34.44 IZF3pIrFO 9/219

「ンアーッ!?」そのゼロセンは咄嗟に身をそらしたナトリの右手を掠めた!取り落とした応急処置キットは無慈悲にも海中に沈んでゆく。「ううっ!こ…これは!」ナトリの右手に鋭い痛みが走る。その傷口は凍傷めいて赤く腫れ上がっている!いかなるジツか!?

284 : ◆utp..QOeek - 2015/10/19 17:34:03.46 IZF3pIrFO 10/219

「惜しいわね!ドーモ、カツラギです!」キズを抑えるナトリの前に、回転ジャンプで降り立った航空母艦娘がアイサツした!その両手には何らかの機構が搭載されていると思われるブレーサーが装着されている。「くっ…!ナトリです。なぜ私たちに攻撃を!?味方のはずなのに!」

285 : ◆utp..QOeek - 2015/10/19 17:37:41.68 IZF3pIrFO 11/219

「フン!味方?悪いけどモンドムヨーであんたたちは敵と見なすわ!」カツラギはナトリの言葉に取り合わない!カツラギの特殊ブレーサーから超低温の冷気が吹き出す。精製されたのは氷のゼロセンである!「イヤーッ!」すかさずカツラギは氷ゼロセンを投擲する!

286 : ◆utp..QOeek - 2015/10/19 17:42:16.03 JPJKZpZd0 12/219

「イヤーッ!」ナトリも迎撃ゼロセンを投擲する!しかし相殺破壊されるかと思われたナトリのゼロセンはカミソリめいた鋭さを帯びた氷ゼロセンに真二つに分断されてしまった。なんたる切れ味か!「ンアーッ!」これを避け損ねたナトリは横腹を浅く切られ転倒!「イヤーッ!」「ンアーッ!」すかさずカツラギは倒れたナトリを踏みつけた!非道!

287 : ◆utp..QOeek - 2015/10/19 17:48:22.80 JPJKZpZd0 13/219

「もう終わり?私の氷ゼロセンに手も足も出ないってわけかしら?フフフ」「ン…ンア…」ナトリは押さえつけられて動けない。「あんたを大破させた後に鹵獲しろって言われてるんだけど、その前に…」カツラギはナトリの豊満な胸にイラついた視線を投げかけている。そしてナトリの上体を立ち上がらせると、破れかけている装束に手をかけ、一気に引き裂いた!「イヤーッ!」「ンアーッ!?」

288 : ◆utp..QOeek - 2015/10/19 17:51:06.38 JPJKZpZd0 14/219

「アイエエエ…」ナトリは涙目になり必死に胸を隠そうとする。「あーっはっはっは!スッキリした!邪魔なものぶら下げてるからいけないのよ!」特に理由などない!ただ暴力を振るいたくなっただけだ。そしてカツラギの胸は平坦だった。

289 : ◆utp..QOeek - 2015/10/19 17:56:55.10 JPJKZpZd0 15/219

(誰か!誰か助けて下さい!)ナトリは心の中で助けを求めるがそれに応えるものはいない。マッポーの海域に救いはないのだ!「それじゃあトドメよ!あばよナトリ=サン!あんたの大破理由は任務中の不幸な大爆発四散事故だーッ!!」カツラギはナトリを今まさにカイシャクせんと腕を振り上げた!

290 : ◆utp..QOeek - 2015/10/19 18:02:46.57 JPJKZpZd0 16/219

……だがその時!座礁した船の残骸にあった窓を突き破り、カラテ艤装を改造したかと思われる巨大なジェットエンジンを装備した謎の人物が突如としてエントリーしたのだ!一体何者か!?誰が彼女を呼んだのか!ヤクザスーツと巫女服を掛け合わせたかのような冒涜的な装束、そしてその顔にはテング・オメーン!両腕には赤漆塗りのオートマチック・ヤクザガン!

291 : ◆utp..QOeek - 2015/10/19 18:07:11.44 JPJKZpZd0 17/219

「エッ!?誰!?誰よあんた!!」カツラギは狼狽し、謎の侵入者を指差す。「そ、そのテング・オメーン!まさかあんたは!」カツラギの脳裏にある人物の名が浮かんだ。最近ウワサとなっている正体不明の存在にして、孤独なカンムスハンター!「……神々の使者!ヤクザ天狗参上デース!」

292 : ◆utp..QOeek - 2015/10/19 18:07:51.94 JPJKZpZd0 18/219

【KANMUSLAYER】

295 : ◆utp..QOeek - 2015/10/19 20:21:21.65 JPJKZpZd0 19/219

◆艦◆カンムス名鑑#45【軽巡洋艦ナトリ】ネオサイタマ・チンジフ所属、長良型姉妹の三女。無鉄砲な姉たちと違い奥ゆかしくやや気弱な性格である。しかしそのバストは姉たちと同じく豊満であった。偵察任務が得意。今回、ある事件に巻き込まれたようだが…◆艦◆

296 : ◆utp..QOeek - 2015/10/19 20:22:50.61 JPJKZpZd0 20/219

◆◆◆「イヤーッ!」作者は夜スリケンを連続投擲した!◆◆◆

297 : ◆utp..QOeek - 2015/10/19 20:23:27.29 JPJKZpZd0 21/219

【KANMUSLAYER】

298 : ◆utp..QOeek - 2015/10/19 20:25:43.77 JPJKZpZd0 22/219

「エッ!?誰!?誰よあんた!!」カツラギは狼狽し、謎の侵入者を指差す。「そ、そのテング・オメーン!まさかあんたは!」カツラギの脳裏にある人物の名が浮かんだ。最近ウワサとなっている正体不明の存在にして、孤独なカンムスハンター!「……神々の使者!ヤクザ天狗参上デース!」

299 : ◆utp..QOeek - 2015/10/19 20:29:33.86 JPJKZpZd0 23/219

どことなくドス効いた声が海に響く!(((ワッザ!?神々の使者ですって?何言ってんのよこいつ?)))「ド、ドーモ、ヤクザ天狗=サン、カツラギです」ただならぬ存在感と口上に気圧され、カツラギはアイサツを決める。その時!「ザッケンナコラーデース!!」ヤクザガンが火を噴いた!

300 : ◆utp..QOeek - 2015/10/19 20:33:58.28 JPJKZpZd0 24/219

違法強化された赤漆塗りのオートマチック・ヤクザガンが、論理トリガによって弾丸20発を高速射出する!BLAMBLAMBLAM!「グワーッ!?」アイサツを完了していないカツラギ!この卑劣な奇襲を受け、左ブレーサーが破壊された!壊れた電気器具めいて火花が弾け飛ぶ!

301 : ◆utp..QOeek - 2015/10/19 20:36:26.74 JPJKZpZd0 25/219

「アイエエエエエ!」身を屈めて恐怖におののくナトリ!「イヤーッ!」3連続側転からの側宙で、仕切り直しを測るカツラギ!彼女の持つ脚力は常人の3倍である!機敏なパルクールを決め、兵器の残骸の上に着地!ヤクザ天狗に対して氷ゼロセン投擲動作!「イヤーッ!」

302 : ◆utp..QOeek - 2015/10/19 20:39:45.08 JPJKZpZd0 26/219

だがオメーンの奥で怪しく光る瞳は、この艦娘の機動を完全に捕捉していた!ヤクザ天狗は容赦なく左のヤクザガンを抜き放つ!「スッゾコラーデース!」銃火が横一文字!「グワーッ!」カツラギの腹部に凄まじい衝撃が走る!上半身が後ろに倒れ、投擲されかけた氷スリケンは明後日の方向に飛んでゆく!

303 : ◆utp..QOeek - 2015/10/19 20:43:07.49 JPJKZpZd0 27/219

「サヨナラ!」カツラギは大爆発四散!そして白目を剥いて意識を失った!……静謐。オートマチック・ヤクザガンから零れ落ちる薬莢の音だけが、トコロザワ海に鳴る。左右どちらも1マガジンの消費である。今回は鮮やかな勝利であった。

304 : ◆utp..QOeek - 2015/10/19 20:50:01.40 JPJKZpZd0 28/219

「ハァーッハァーッハァーッ……あなたは一体」ナトリは小さく失禁しながら、謎のカンムスハンターを見上げていた。ヤクザ天狗は返事を返さない。ブラウン色の長髪。ちょこんと立った毛の束。背中に背負うのはカラテ艤装を改造したかと思われる巨大な背負い式ジェットエンジン。両手に持つは赤漆塗り違法強化オートマチック・ヤクザガン。

305 : ◆utp..QOeek - 2015/10/19 20:53:46.23 JPJKZpZd0 29/219

「……運営はボーを振り上げ、ある艦娘の入渠時間が本来仕様より短かったことを修正し……川の水は血に変わり、川の魚は死に、エジプト人はナイルの水を飲めなくなったのデース」ヤクザ天狗は意味不明の一節を呟きながら、意識を失っているカツラギへと近づく。そしてその平坦な身体をつかみ、上を向けさせた。

307 : ◆utp..QOeek - 2015/10/19 20:57:57.68 JPJKZpZd0 30/219

ヤクザ天狗はセンベイを4枚、エビフライを一本取り出すとセンベイをカツラギの両目と平坦な両胸に重ね、口にはエビフライを咥えさせた。続いて自らの小便と紅茶を秘密の割合で混ぜた聖水入りの真鍮フラスコを取り出し、それを振りかけた。「ブッダエイメンデース!」…これは彼女が考えた艦娘や深海凄艦娘を蘇らせぬためのモージョーであった。彼女は狂っていた。

308 : ◆utp..QOeek - 2015/10/19 21:02:58.58 JPJKZpZd0 31/219

ヤクザ天狗は踵を返し、兵器の残骸の上に転がるカツラギとナトリのカラテ艤装に目を落とす。「…………」それを持ち上げると、唖然として座り込んでいたナトリのもとへ向かった。「た、助けてくれてありがとうございます!自分のカラテ艤装を無くしたら3日間ケジメ(飯抜きのこと)になっちゃうし!あなたの正体は…」

309 : ◆utp..QOeek - 2015/10/19 21:08:21.33 JPJKZpZd0 32/219

「ザッケンナコラーデース!」「ンアーッ!?」ヤクザ天狗は唐突にナトリを平手打ちした!「何を勘違いしているのか知らないが私は決してコンゴウ=サンなどではないのデース…そしてこれはカンムスハントの報酬として頂戴するデース」ヤクザ天狗は無慈悲に言い放った。「エッ!」ナトリは困惑する。「そ、それは困」「ザッケンナコラーデースッ!」ヤクザ天狗の右平手打ち!「ンアーッ!」「スッゾコラーデースッ!」左!「ンアーッ!」倒れるナトリ!

310 : ◆utp..QOeek - 2015/10/19 21:11:52.18 JPJKZpZd0 33/219

ゴ、ゴウランガ!このヤクザ天狗という女性は、果たして何者なのか!?ただの狂人なのか!?ヤクザなのか!?艦娘ではないだろう!!それとも天狗なのか!?あるいは!?……ナトリは泣きじゃくりながら大爆発四散を覚悟した!「アイエエエエ…許してください。渡しますからぁ…だから命だけは」すると……ヤクザ天狗は手を差し伸べ彼女を引き起こしたのだ!

311 : ◆utp..QOeek - 2015/10/19 21:14:38.03 JPJKZpZd0 34/219

「すまんな、本当にすまんデース。贖罪の聖戦には軍資金が必要なのデース…」ヤクザ天狗は豊満な胸同士を突き合せ、ナトリの背中を叩いた。テング・オメーンの奥で、彼女は涙を流しているようにも思えた。ナトリは何が起こっているのか理解できず、腫れた頬を摩りながら呆然と座り込んでいた。

312 : ◆utp..QOeek - 2015/10/19 21:17:39.24 JPJKZpZd0 35/219

「ではここまでデース!」ヤクザ天狗はカラテ艤装を掴み上げ、兵器の残骸に足をかけた。巨大なジェットエンジンが爆音を上げ始める!浮遊するヤクザ天狗!「また邪悪な艦娘が出たら私を呼べ!サラバデース!」ブッダ!彼女は現れた時と同じように、また颯爽と消えてゆくのだった!

313 : ◆utp..QOeek - 2015/10/19 21:19:43.26 JPJKZpZd0 36/219

ナトリは呆然と去っていくヤクザ天狗を眺めていた。ヤクザ天狗の高笑いか、あるいはジェットエンジン音か、その残響はすぐにトコロザワの闇に消え、再びあたりは静寂に包まれた。ナトリはへたり込んだまま、改めて失禁した。

314 : ◆utp..QOeek - 2015/10/19 21:21:56.82 JPJKZpZd0 37/219

【KANMUSLAYER】

316 : ◆utp..QOeek - 2015/10/19 23:30:32.15 JPJKZpZd0 38/219

(親愛なる読者の皆さんへ : 本文中に出てきた「氷スリケン」なるなぞの単語は何かのオバケが囁いて出たノイズのようななんかですのでお気になさらないでほしい。しばらく本編の更新は休むが天狗回はまだ続くのでごあんしんください。皆さんにコーメントンやしつもんを書いてもらえるとなんか高まる。以上です)

322 : ◆utp..QOeek - 2015/10/24 19:15:47.35 0WOTTozK0 39/219

( ー)<ドーモ久しぶりだな!ザ・ヴァーティゴです!しっかし分からないよなぁ…ヤクザ金剛=サンって一体何者なんだろうね。え?何か間違ってるって?とにかく質問には答えていくぜ!

323 : ◆utp..QOeek - 2015/10/24 19:21:01.64 0WOTTozK0 40/219

>>キソーは剣を使わないの?

( ー)<この世界線の艦娘たちの装束や装備は史実とは全く異なってると言ってもいいと思うぜ!だってほら、カラテしなきゃならないんだからブレーサーや足甲は必須だろう?装備だってその艦娘のバトルスタイルに合わせたものを装備しているはずだ。特に装束に関しては個性が出てるよな、ソウリュウ=サンとかは何も着てないけどネオサイタマに来てからはあまり脱がなくなったらしいぞ。どうしたんだろうな?

326 : ◆utp..QOeek - 2015/10/24 19:35:18.08 0WOTTozK0 41/219

>>ナチ=サンの現状はミョウコウ=サンの耳に入ったのだろうか

( ー)<ああ、任務中にその知らせを受けたらしい。相当驚いてたみたいだけど仲間と一緒にその任務はA勝利を収めていたぞ!中爆発四散してたけどな。

327 : ◆utp..QOeek - 2015/10/24 20:04:04.08 0WOTTozK0 42/219

>>ズイホウ=サンについてくわしく!

( ー)<彼女には熱心なファンでもいるのかい?とにかく彼女はワザマエと平坦さを買われてトネ=サンの派閥でマスター艦娘の位階にある実力者だ。しかし極度の人見知りなので何もかもが奥ゆかしすぎるのがタマにキズだな。しかしどうしても友達になりたい人がいたら手作りのタマゴ焼きを渡しているそうだ。何も言わずに渡された子の方は何が何だか分からないみたいだが味はおいしいって言ってたな。

328 : ◆utp..QOeek - 2015/10/25 00:09:29.53 wQKpOmGK0 43/219

>>加賀さんのブリッジ回避は30度くらい余分に傾きが必要そう

( ー)< う〜ん…どうしても胸部装甲の差は艦娘たち各々にとってあまりある差なのは確かだ。しかしそれをカラテに利用する艦娘だっているんだぜ?自分の壁めいた身体に相手の攻撃してきた四肢を固定してしまうジツとか、揺れる胸の反動でカラテの威力を高める艦娘とかもいる…と思う。これからに期待しよう!更新は明日か明後日かららしいぞ。それじゃまた会おう!

331 : ◆utp..QOeek - 2015/10/26 21:35:45.45 0/mEhkAk0 44/219

◆◆◆◆◆◆◆◆◆

332 : ◆utp..QOeek - 2015/10/26 21:36:45.01 0/mEhkAk0 45/219

【KANMUSLAYER】

334 : ◆utp..QOeek - 2015/10/26 21:43:54.66 0/mEhkAk0 46/219

ナトリが敵艦娘と天狗に襲撃されてからしばらく後、キョートからの追っ手を巻いたネオサイタマの艦娘たちは再び合流していた。「よしっと…大丈夫?ナトリ=サン」「は、はい。ありがとうございます」ナトリはアブクマに応急処置してもらった腕を動かす。痛みはあるがまだ大丈夫だ、小破は免れたようである。

335 : ◆utp..QOeek - 2015/10/26 21:49:13.66 0/mEhkAk0 47/219

「この人やっつけたんでしょー?でも何か変な匂いがする気が…」同じく合流したシマカゼはスマキにされたカツラギをつついている。「き、気のせいですよ!」ナトリは先ほど起こった事を言おうか迷ったが言うのは止めた。何と説明すればいい?天狗が出たとでも?どうかしていると思われてしまうのは想像に難くない。

336 : ◆utp..QOeek - 2015/10/26 21:53:52.06 0/mEhkAk0 48/219

「カラテ艤装は壊れちゃいましたけどゼロセンはあります!だから任務を続けましょう!」ナトリは気を取り直すように言った。アブクマとシマカゼは怪訝な表情を浮かべているが、そんなことよりもナトリは先ほどの出来事を忘れようと必死だった。(そうだと…きっとあれは何かの夢だったんだ!私がヤバレカバレでなんとかカツラギ=サンを倒したってことで…うん!きっとそう!)

337 : ◆utp..QOeek - 2015/10/26 22:00:26.41 0/mEhkAk0 49/219

「無理はしないでね。と言っても目的地はすぐそこにあるんだけど…」アブクマが視線を向けた先の海上には倉庫めいた建物が建っている。その物々しい見た目と反して、立て看板には「BKTドリンク製造工場跡地、立ち入り厳禁な」という言葉と共にマスコットのバケツボーイが描かれている。

338 : ◆utp..QOeek - 2015/10/26 22:21:28.91 0/mEhkAk0 50/219

しかし視線を周囲に移して頂きたい。建物の周りにはサングラスで巧妙に偽装されているが大きなサイバネ頭のヤクザスーツの警備員が巡回している。察しの良い読者諸氏にはもうお分かりになられただろう!護衛があからさまにクローン軽巡洋艦なのだ!

339 : ◆utp..QOeek - 2015/10/26 22:29:30.50 0/mEhkAk0 51/219

「やっぱり情報は正しかったみたいね!ここはセイカンヤの施設…拘置場に違いないわ!」アブクマは戦闘に備え、四門のカラテ砲を展開する。「でも護衛がいるようです。まずはあのクローン軽巡洋艦をなんとかしないと」「よーしっ!シマカゼに任せて!」シマカゼは背負っていたモーター連装砲=チャンを起動した。

340 : ◆utp..QOeek - 2015/10/26 22:38:22.63 0/mEhkAk0 52/219

「そーれ!がんばれ連装砲=チャン!」シマカゼが手をかざすとモーター連装砲=チャンはまるで命があるかのようにコクリとうなずく。これはシマカゼのユニーク・ジツ、テレキネシス・ジツだ!シマカゼは思考を大・中・小のモーター連装砲=チャンとリンクさせることでジョルリ人形めいて操ることができるのである。そしてこの中にあたるモーター連装砲=チャンは建物まで近づくと、壁をこんこんと叩いた。

341 : ◆utp..QOeek - 2015/10/26 22:43:07.73 0/mEhkAk0 53/219

「なんだ?」「どうしましたか」「音がしました」「何ですか」「わかりません」「わたしが見ます」過度に丁寧語をプログラミングされたクローン軽巡洋艦同士が電子ヤクザ音声でやり取りする。片方のクローン軽巡洋艦が壁の影を覗き込んだ。

342 : ◆utp..QOeek - 2015/10/26 22:50:17.41 0/mEhkAk0 54/219

するとモーター連装砲=チャンはクローン軽巡洋艦が覗き込むのと同時に自分の頭に装備されたサイレンサー付きのカラテ砲で顔面を撃ちぬいた。(グワーッ!)絶命したクローン軽巡洋艦はバタリと倒れこむ。残る一人が反応する時間すら与えず、ナトリとアブクマはゼロセンを投擲する。((イヤーッ!))(グワーッ!)残る一体も後を追うように絶命した。ワザマエ!

343 : ◆utp..QOeek - 2015/10/26 22:53:57.19 0/mEhkAk0 55/219

「片付いたね!」「中へ入りましょう」三人は「デグチ」「非常識」とネオンで書かれた裏口の小さなドアを開き、侵入した。中にはもうひとつドアがある、どうやら施錠されているようだ。

344 : ◆utp..QOeek - 2015/10/26 23:02:02.10 0/mEhkAk0 56/219

しかしこの程度の防犯など艦娘たちにとってはショウジ戸に等しい。「イヤーッ!」アブクマはゼロ距離カラテ砲撃でドアノブを粉々に破壊した。そして先に進んだ三人の目の前にダイヤルロック式の鉄扉が現れる。「どうしよう?」「私が開けます」進み出たナトリは鉄扉に耳を当て、ダイヤルを回し始めた。

345 : ◆utp..QOeek - 2015/10/26 23:09:06.03 0/mEhkAk0 57/219

その一分後、ガチャリと音がすると、鉄扉は静かに開きはじめる。「開きました!」「ありがとうナトリ姉さん。二人とも警戒を!」アブクマの言葉に二人は頷くと、シマカゼは小・中のモーター連装砲=チャン、ナトリはゼロセンを構える。中に敵がいるかもしれないからだ!「「「イヤーッ!」」」三人は同時に鉄扉の向こうへ転がり込んだ!

346 : ◆utp..QOeek - 2015/10/26 23:17:05.81 0/mEhkAk0 58/219

そして薄暗い闇の中にあったのは両側を鉄格子で囲まれた広い通路であった。「やっぱり…!きっと捕まったみんなはここにいるわ!」「ねえねえ見て!この中にいるのって!」シマカゼが指さした鉄格子の先には小窓から差す月明りに照らされ、うずくまっている艦娘がいる。ナトリはそのクセのある黒髪と、破けた装束から除く小柄な体には不釣り合いな豊満な胸には見覚えがあった。行方不明になっていた仲間のウシオである!

347 : ◆utp..QOeek - 2015/10/26 23:25:14.57 0/mEhkAk0 59/219

「助けにきましたウシオ=サン!返事をしてください!」ナトリは鉄格子を掴むとうずくまるウシオに声をかける。すると、「…う」小型サーチライトを当てられたウシオはゆっくりと顔を上げた。「無事だったんですね。待っていて下さい、今助け…」「アッ…アイエエエエエエエエ!!許してください!もう構わないでください!これ以上はおかしくなっちゃう!こわれちゃいます!アイエエエエエエ!!」ナトリの顔を見たウシオは突如として絶叫した!その顔は恐怖に怯え、床には失禁の跡を描いている!

348 : ◆utp..QOeek - 2015/10/27 00:28:15.73 oUwdNJ1v0 60/219

「ど、どうしたのウシオ=サン!?落ち着いて!」「アイエエエエエ!女の子どうしでなんで…アイエエエエ!!」アブクマの言葉が聞こえないかのようにウシオは泣きじゃくっている。「二人とも!まだ捕まってる子たちがいるよ!」シマカゼの指差した方からもうめき声が聞こえてくる。

349 : ◆utp..QOeek - 2015/10/27 00:36:37.05 oUwdNJ1v0 61/219

「アーッ!?豊満な胸!コワイ!豊満コワイ!アーッ!!」「エヘ…エヘ…もっとしてください…エヘ…」泣き叫びながら鉄格子をガタガタと鳴らし泣き叫ぶのはムラサメ、おかしな表情で下半身をまさぐっているのはイソナミである。二人ともネオサイタマの艦娘だ!

350 : ◆utp..QOeek - 2015/10/27 01:16:52.52 oUwdNJ1v0 62/219

「一体何があったの…?」「とにかくどうにかしよう!」狂乱する仲間たちに対し困惑しながらも3人は鉄格子を破壊しようとした。その時!「…侵入者なのね、あなたたち。そうでしょう?」薄暗い室内に突如として二つの青い光が現れたのである!オバケか!?いや違う!その青く光る瞳は深海凄艦娘に他ならないのだ!

351 : ◆utp..QOeek - 2015/10/27 01:22:17.88 oUwdNJ1v0 63/219

「だから、あなたたちを、排除する。ドーモ、重巡ネ級です」電撃的にカラテの構えをとった3人に対し、青い光を放つ瞳の持ち主は静かにアイサツした。「戦いは避けられないか…!ドーモ!アブクマです!」「シマカゼだよ!」「ナトリです!」3人もアイサツを返す。すでに戦闘態勢はとっている。ナトリがやや負傷しているとはいえど万全の態勢である!

353 : ◆utp..QOeek - 2015/10/27 01:30:00.32 oUwdNJ1v0 64/219

ナトリは改めて周りを確認した。ネ級以外に敵の気配は無い。(相手は重巡洋艦級1人、こちらの戦力でも十分勝てる!はやく倒してみんなを助け)「…へェへへへへ。3人なら勝てる、そう思ってんだろ?」しかし、室内にこの中の誰のでも無い声が響いた。「…え?」その邪悪なアトモスフィアをまとった声は天井から聞こえてくる。

354 : ◆utp..QOeek - 2015/10/27 01:40:49.80 oUwdNJ1v0 65/219

「甘いんだよなァー、無事に帰れるわけねーってのに。へへへ…」そして振り返ったナトリの目の先、自分たちの入ってきた鉄扉近くの天井、そこに何者かがコウモリめいてぶらさがっている。「お前たちもここにいるヤツらみたいに壊れちまうんだ…アタシに大破させられてな。ドーモ、戦艦レ級です」チロリと見えた赤い舌、それ以上に赤く光る瞳が、3人を射抜くように見つめていた。

355 : ◆utp..QOeek - 2015/10/27 01:42:17.51 oUwdNJ1v0 66/219

【KANMUSLAYER】

360 : ◆utp..QOeek - 2015/10/28 07:44:44.08 bzyYNpOiO 67/219

◆午後な〜◆

362 : ◆utp..QOeek - 2015/10/28 16:21:26.14 bzyYNpOiO 68/219

◆◆◆◆◆◆◆◆

363 : ◆utp..QOeek - 2015/10/28 16:22:57.88 bzyYNpOiO 69/219

【KANMUSLAYER】

364 : ◆utp..QOeek - 2015/10/28 16:29:07.11 bzyYNpOiO 70/219

(これまでのあらすじ : 偵察任務中であったネオサイタマ所属の艦娘ナトリは絶体絶命の状況に陥ってしまう。しかしサイオー・ホースか謎の人物、ヤクザ天狗に命を助けられる事になる。だが新たなる危機がナトリ達、そして2人の仲間達に襲いかかるのであった…)

365 : ◆utp..QOeek - 2015/10/28 16:35:18.70 bzyYNpOiO 71/219

「イヤーッ!」その天井にぶらさがっていた艦娘は回転ジャンプで床に降り立った。闇のように黒いフード、大きくはだけられた胸元、つる下げられた一対のダガーナイフ、そして腰に装着されているのは蛇めいた邪悪なカラテ艤装である!「つーことで今からアンタらは死ぬぜ?同情はしねーけどなァー…」

366 : ◆utp..QOeek - 2015/10/28 16:40:46.44 bzyYNpOiO 72/219

その童顔に似合わぬ、限りなく邪悪な笑みを浮かべるレ級の赤く光る瞳に睨まれた3人をニューロンに直接ナイフを突きつけられたような恐怖感が苛む!ナトリは思わず身震いした。

367 : ◆utp..QOeek - 2015/10/28 16:56:16.64 H6hYHVdp0 73/219

ナトリはその赤い瞳に見覚えがあった。クローン駆逐艦やクローン軽巡洋艦には極たまに、通常よりも数段強力な個体が存在している。そしてその個体に共通するのは赤い瞳である。しかし深海凄艦娘にそのような個体が存在しているなど前例が無いのだ!

368 : ◆utp..QOeek - 2015/10/28 17:05:53.71 H6hYHVdp0 74/219

「しっかしなんだ、駆逐がひとりに軽巡が2人、おまけに片方は手負いかよ?つまんねーな…ネ級=サン!おめーに一匹やるよ」「うん」2人の深海凄艦娘は自分たちを挟み討ちするように立っている。前門のタイガー、後門のバッファローめいたアブナイ状況だ!「私たちの仲間にこんな酷いことをしたのはアナタなの!?答えなさい!」アブクマは4門のカラテ砲を突き付ける!

369 : ◆utp..QOeek - 2015/10/28 17:15:09.04 H6hYHVdp0 75/219

「はぁ?アタシはそんなシュミもキョーミもねェよ。そいつらを大破させたのはアタシだけど、この監獄に気まぐれでくる港湾セイキ=サンがオモチャにするッて持って帰るんだ。んで、帰ってきたらこうなってただけだ」おお、ナムアミダブツ!シンカイ・シックスゲイツの1人である港湾セイキは非常に性において奔放であり、鹵獲した艦娘を強制相互前後するのが趣味のひとつなのである!

370 : ◆utp..QOeek - 2015/10/28 17:22:05.94 H6hYHVdp0 76/219

「コワイ!アーッ!?」「アイエエエエエ!」「エヘ、あたし今体温何度あるのかな…エヘ」彼女たちがおかしくなってしまった原因は、狂乱状態の提督には及ばないにしても苛烈な数々の陵辱を湾口セイキに繰り返し行われてしまったからなのだ。ムゴイ!確かに艦娘と深海凄艦娘は実際敵対関係にある。だが考えて頂きたい。ここまでされる謂れはない!

373 : ◆utp..QOeek - 2015/10/28 22:38:24.71 H6hYHVdp0 77/219

「ま!アタシにゃそんなシュミはねーけどさ…ヘェヘヘヘ」レ級はつる下げたダガーナイフを瞬時に引き抜き、曲芸めいて手元でスピンさせる!「…相手を一方的にブッ壊すのは大好きだぜ?へハハハハハハハハーッ!!イヤーッ!!」そしてレ級は尻尾型カラテ艤装を床に叩きつけ、その反動で三人に向かって飛び掛かった!

374 : ◆utp..QOeek - 2015/10/28 22:47:15.22 H6hYHVdp0 78/219

「イヤーッ!」レ級はシマカゼ、ナトリに向かってダガーナイフを打ちふるう!「イヤーッ!」「イヤーッ!」シマカゼは側転、ナトリはブリッジで回避!あまりにもハヤイ斬撃で二人の髪が数本宙を舞う!「あなたの相手は、私。イヤーッ!」レ級の攻撃に続くようにネ級はカラテチョップをアブクマに放つ!「イヤーッ!」アブクマは両手の砲塔をクロスして受け止める!すでにイクサは始まっているのだ!

375 : ◆utp..QOeek - 2015/10/28 22:53:51.41 H6hYHVdp0 79/219

「ナトリ=サン援護して!シマカゼ、いっきまーす!」シマカゼはテレキネシス・ジツを発動し、モーター連装砲=チャンを大中小三体すべてを起動する!「わかりました!イヤーッ!」ナトリはゼロセンを投擲しレ級を牽制!「イヤーッ!」レ級はダガーナイフでゼロセンを斬り飛ばす。「いいぜェ!二人同時にかかッてきやがれーッ!」レ級は身を翻し、尻尾型カラテ艤装を前方を薙ぎ払う様に打ちふるった!「イヤーッ!」

376 : ◆utp..QOeek - 2015/10/28 22:59:01.15 H6hYHVdp0 80/219

「イヤーッ!」シマカゼはこれを小ジャンプ回避!「イヤーッ!」ナトリは着地の隙を突かれないようゼロセンを援護投擲する!「イヤーッ!」しかしレ級は回転の反動を利用した斬撃でこれすらも叩き落とした!タツジン!「イヤーッ!」すかさずシマカゼは空中浮遊させたモーター連装砲=チャン達を突撃させる。

377 : ◆utp..QOeek - 2015/10/28 23:09:59.14 H6hYHVdp0 81/219

「へえ?ブリキのおもちゃッてか?ナメんなよ!」レ級はまずモーター連装砲=チャン・大の放ったカラテ砲弾をブリッジ回避、その姿勢のまま尻尾型カラテ艤装を床に打ち付け反動サマーソルトキック!「イヤーッ!」「ピガーッ!」鋼鉄製のボディが陥没する!さらに攻撃してきたモーター連装砲=チャン・中の体当たりを身を捻ってかわし、暴れ馬めいた後ろ蹴りで弾き飛ばした!「イヤーッ!」「ピガーッ!?」

378 : ◆utp..QOeek - 2015/10/28 23:17:36.56 H6hYHVdp0 82/219

しかしシマカゼの怒涛の連続攻撃は終わらぬ!この隙をつくようにレ級の死角に回り込んだモーター連装砲=チャン・小がゼロ距離砲撃…する前にレ級は素早い体重移動で死角に向きなおり、砲塔を斬り飛ばした!「イヤーッ!」「ピガーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」しかももう片方のダガーナイフでシマカゼのフィニッシュムーブであるかかと落としすらガードしてみせた!ゴウランガ!なんたる隙の無いカラテか!

379 : ◆utp..QOeek - 2015/10/28 23:25:05.75 H6hYHVdp0 83/219

「ッ!」「へハハハーッ!一気に勝負をつけるつもりだったようだがアテがハズレたな!」さらにレ級は瞬時に身を沈めると、両側に向かってダガーナイフを突き出した!「イヤーッ!」突き出されたダガーナイフをシマカゼはなんとかバク中で回避するが、砲塔を斬られひるんだモーター連装砲=チャン・小はこれをもろに食らい、顔めいた部分にダガーナイフを深々と突き刺された!「ピガッ!ピガガガガガッ!!」悲鳴めいた電子音が悲痛に鳴り響く!

381 : ◆utp..QOeek - 2015/10/28 23:36:35.22 H6hYHVdp0 84/219

「まず一体!イヤーッ!」「ピガガガがガーッ!」そして無慈悲にもさらにダガーナイフをねじ込まれたモーター連装砲チャン・小は火花を上げて機能を停止した。「思ったよりやるじゃねーか。所詮人形遊びだがなァー!」レ級はダガーナイフに突き刺さったモーター連装砲=チャン・小を投げ捨てると。ナイフの刃を地面と水平に構えた。ナイフを持つ両腕も水平に大きく広げ、そのまま形の良い尻をもつ腰を落とした。…この奇妙な構えは果たして、いかなるカラテか!?

382 : ◆utp..QOeek - 2015/10/29 00:55:14.64 uDoZ/q8g0 85/219

◆初めのレスで深海凄艦娘を艦娘と書いてしまったのでケジメ寝休憩します◆

385 : ◆utp..QOeek - 2015/10/29 23:57:30.46 yh7C8GSSO 86/219

◆艦◆艦娘名鑑#46【軽巡洋艦アブクマ】ネオサイタマ・チンジフ所属。長良型姉妹の末妹だが、チンジフには姉妹の中でいち早く着任した。四門のカラテ砲を自在に使いこなし、その火力は重巡洋艦級にも匹敵する。同期のセンダイをライバル視している。気が強い割に少しのことで極端に驚いたりする性格をしている。バストは普通であった◆艦◆

386 : ◆utp..QOeek - 2015/10/30 00:03:13.36 sqLSiiDVO 87/219

◆艦◆艦娘名鑑#47【駆逐艦シマカゼ】ネオサイタマ・チンジフ所属、サイキック・カラテを得意とする素早い駆逐艦娘。大中小のモーター連装砲=チャンとの連携攻撃は敵に付け入る隙を与えない。以前は天真爛漫の聞かん坊の問題児であったが提督直々の研修を受けたことでやや素直になったらしく、なぜか装束の露出度も上がったという。彼女と提督の間にはタツ【閲覧により削除】◆艦◆

390 : ◆utp..QOeek - 2015/10/30 20:37:49.96 RVzyW5jf0 88/219

◆再開な◆

391 : ◆utp..QOeek - 2015/10/30 20:39:02.54 RVzyW5jf0 89/219

「まず一体!イヤーッ!」「ピガガガガガーッ!」そして無慈悲にもさらにダガーナイフをねじ込まれたモーター連装砲チャン・小は火花を上げて機能を停止した。「思ったよりやるじゃねーか。所詮人形遊びだがなァー!」レ級はダガーナイフに突き刺さったモーター連装砲=チャン・小を投げ捨てると、ナイフの刃を地面と水平に構えた。ナイフを持つ両腕も水平に大きく広げ、そのまま形の良い尻をもつ腰を落とした。…この奇妙な構えは果たして、いかなるカラテか!?

392 : ◆utp..QOeek - 2015/10/30 20:45:28.80 RVzyW5jf0 90/219

「し、シマカゼ=サン!」「ダメ…!来ないでナトリ=サン!」援護しようとしたナトリをシマカゼはその場に押し留めた。シマカゼは気づいていた、おそらく次の敵の攻撃は絶対的に致命的な一撃がくるであろうことを!「…イヤーッ!!」レ級は放たれた弩の矢めいて突撃する!

393 : ◆utp..QOeek - 2015/10/30 20:51:34.90 RVzyW5jf0 91/219

「イヤーッ!」シマカゼは残りのモーター連装砲=チャンを一列に並べ防御の構え!だがなおもレ級はバッファロー殺戮武装鉄道めいた突撃のまま、左右のナイフで襲いかかった!「イヤァアアアーッ!!」「ピガーッ!!」ナムアミダブツ!モーター連装砲=チャン・大の胴体を一瞬で切断した!部品が弾けとび爆散!

394 : ◆utp..QOeek - 2015/10/30 20:55:22.59 RVzyW5jf0 92/219

「そんな!?」レ級はなおも突進を続ける!「イヤーッ!!」「ピガーッ!!」を暴れ牛の獰猛なツノめいて正面に向けたダガーナイフがモーター連装砲=チャン・中に突き立てられる!そして最後のシマカゼに襲いかかったのは…邪悪な尻尾型カラテ艤装だ!「アミーゴッ!イヤーッハハハーッ!!」「ンアーッ!!」

395 : ◆utp..QOeek - 2015/10/30 21:01:00.41 RVzyW5jf0 93/219

おお、ナムアミダブツ!尻尾型カラテ艤装の先に搭載されたワニのアゴめいた先端がシマカゼに噛みつき、レ級がその場で勢いをつけ一回転!そのままシマカゼを投げ飛ばした!「イヤーッ!」「ンアーッ!!」「そ、そんな!!」ナトリの横をワイヤーアクションめいてシマカゼは吹き飛ばされてゆく!

396 : ◆utp..QOeek - 2015/10/30 21:08:18.77 RVzyW5jf0 94/219

そしてシマカゼの飛ばされた先にいたのは…ネ級と互角以上に戦っていたアブクマだ!アブナイ!このままでは激突は避けられない。しかしアブクマの鋭敏なカンムス反射神経は飛ばされてくるシマカゼを瞬時に把握!「イヤーッ!」「ンアーッ!」アブクマはシマカゼを咄嗟に受け止めた!

397 : ◆utp..QOeek - 2015/10/31 00:20:48.44 6U8bwh1H0 95/219

だがネ級はこの隙を見逃さぬ!「仲間を、気遣ってる場合?」瞬時に間合いを詰め、近距離カラテ砲撃!「イヤーッ!」「グワーッ!」アブクマはシマカゼを庇いながら何とかこれを防ぐ!左手のブレーサーが吹き飛ばされ、たたらを踏む!

398 : ◆utp..QOeek - 2015/10/31 00:25:15.92 6U8bwh1H0 96/219

「ふ、2人とも!大丈夫ですか!?」ナトリは仲間2人の危機に思わず意識を向けてしまった。「余所見してる場合かァー!?イヤーッ!」すかさずレ級はナトリに向かって尻尾型カラテ艤装を振るう。「ンアーッ!」尻尾型カラテ艤装はナトリの身体に巻きつき、一切の動きを拘束してしまった!「ウカツ!」

399 : ◆utp..QOeek - 2015/10/31 00:29:49.07 6U8bwh1H0 97/219

ナトリはこの拘束から抜け出そうともがいた。しかしさらに巻きつきが強くなる!「ンアーッ!」ナトリは苦悶!「そんな…そんなッて驚いてばかりだなおめーら?無理もねーがなァー…ヘェヘヘ」残忍に笑うレ級は掴んでいるモーター連装砲=チャン・中の首部分にナイフを突き立てる。「ピガガーッ!」「こいつみたいに首を…こーやって?」

400 : ◆utp..QOeek - 2015/10/31 00:37:08.24 6U8bwh1H0 98/219

その無慈悲にも突き立てられたナイフはモーター連装砲=チャン・中の首を胴体から切り離した!「こうするのもいいかかもなァ!?ヘェヘヘハハハハハーッ!!」「ピガガガガガーッ!!」ムゴイ!「ン…ア…」「まぁいいや。このまま締め付けてやるよ…漏らしちまってブサマに命乞いするまでなァー」床に落ちたモーター連装砲=チャンの首を踏みつけるレ級の顔は、蹂躙への喜びに歪んだ。

401 : ◆utp..QOeek - 2015/10/31 00:38:39.18 6U8bwh1H0 99/219

【KANMUSLAYER】

402 : ◆utp..QOeek - 2015/10/31 00:45:38.75 6U8bwh1H0 100/219

◆艦◆カンムス名鑑#48【戦艦レ級】シンカイセイカンヤ所属、シックスゲイツ直属のエリート戦士。彼女の扱うサソリ・カラテのナイフと尻尾型カラテ艤装のコンビネーションはいかなる対象であろうとも徹底的に破壊する。残忍極まりない性格をしており艦娘をいたぶる事を楽しんでいる。馬のヒヅメのような足をしているがこれは低い背をごまかすためにシークレットブーツを履いているだけである。尻の形が良い◆艦◆

403 : ◆utp..QOeek - 2015/10/31 00:53:25.23 6U8bwh1H0 101/219

◆艦◆カンムス名鑑#49【重巡ネ級】シンカイセイカンヤ所属、レ級のサイドキック的な立ち位置にある深海凄艦娘。粗暴で口数の多く小柄なレ級に対し彼女は感情表現に乏しく、口数は少なく長身。イクサの場においてもレ級をフォローする事が多い。公私においても仲が良いのか、休みの日にはレ級になすがままに連れまわされているらしい◆艦◆

404 : ◆utp..QOeek - 2015/10/31 11:42:01.08 TciGdeOZO 102/219

◆午後な〜◆

407 : 以下、名... - 2015/11/01 12:48:46.86 tsa948Fs0 103/219

◆またなんかばくはつしたので更新が遅れました。2chサーバいい加減にしろよ…天狗のしわざかもしれませんが始まります◆

408 : ◆utp..QOeek - 2015/11/01 12:49:33.92 tsa948Fs0 104/219

【KANMUSLAYER】

409 : ◆utp..QOeek - 2015/11/01 12:58:11.39 tsa948Fs0 105/219

(う…あ…意識が…助け…)ナトリの唇は悲痛な祈りを口ずさんでいた。だがブッダからは応答なしだ。寝ているのだろう。打つ手なしか?…だが、だんだん閉じていく目蓋の奥でナトリの目は、ここで何の偶然かひとつの牢屋にふられた囚人番号を見たのだ!

410 : ◆utp..QOeek - 2015/11/01 13:02:12.35 tsa948Fs0 106/219

ナトリの目に飛び込んできたその囚人番号は「8-93」その数字はつまり…「893」!ヤクザの勝利を暗示する神秘的な獣の数字「893」!彼女は藁にもすがる想いで、最後の希望を呼んだ!夢だと思いたかったあの出来事を、今は夢ではなかったと願いながら!「……助けてください……ヤクザ天狗=サン!」

411 : ◆utp..QOeek - 2015/11/01 13:05:29.10 tsa948Fs0 107/219

CRAAASH!!はめ殺しの窓が突如割られ、何者かが牢獄内へと突入してきた!ナトリの悲痛な叫びが彼女を呼んだのか!?あるいはトコロザワ海の闇を徘徊していた孤独なるハンターが、偶然にも邪悪なカンムスソウルを感知したのか!?それは常人の与り知るところではない!だがいずれにせよ彼女は現れた!

412 : ◆utp..QOeek - 2015/11/01 13:08:57.55 tsa948Fs0 108/219

「ザッケンナコラーデース!」どことなくドスの聞いたヤクザスラング!唸りをあげる背負い式小型ジェットエンジン!見よ!アクロバット回転飛行のまま、赤漆塗りのオートマチック・ヤクザガンが火を噴いた!BLAM!BLAM!BLAM!「グワーッ!?」咄嗟に避けようとしたレ級の尻尾型カラテ艤装に着弾!「ンアーッ!」ナトリの拘束が解け、彼女は床に倒れ伏せた!

413 : ◆utp..QOeek - 2015/11/01 13:11:51.47 tsa948Fs0 109/219

謎の侵入者は巨大なものから小型なものに換装したジェットエンジンの噴射を停止し、立膝状態で床に着地する。ワザマエ!「ああ…!そのテング・オメーン!……あなたは、あなたはやはり……!」その女性を指差すナトリの視界は涙に曇る!彼女こそは孤高のカンムスハンターにして神々の使徒!「正義の執行人……ヤクザ天狗参上デース!」

415 : ◆utp..QOeek - 2015/11/01 21:09:50.89 tsa948Fs0 110/219

「何者…!?ドーモ、ネ級で」「ザッケンナコラーデース!!」「グワーッ!?」思わずアイサツを返そうとしたネ級を容赦なき重金属弾が襲う!それを近くで目の当たりにしたアブクマはあまりにもタイヘン・シツレイな行いに絶句した!

416 : ◆utp..QOeek - 2015/11/01 21:16:11.47 tsa948Fs0 111/219

戦闘前、または一度のみのアンブッシュの後のアイサツは艦娘や深海凄艦娘たちの絶対的な礼儀である事は古事記にも書いてある。しかし彼女、ヤクザ天狗にはこの道理など通じない!この天使か、はたまた狂人は艦娘であるはずがないからだ!「…提督はボーをいきり立たせ、ある艦娘のある場所に突き立てたデース」「グワーッ!」ヤクザ天狗はなおもネ級に向かってヤクザガン連打!

417 : ◆utp..QOeek - 2015/11/01 21:23:13.54 tsa948Fs0 112/219

ネ級は弾丸の雨に怯むが、その優れた耐久力を持ってガードを固めながらその中を突き進む!「イヤーッ!」ヤクザ天狗を排除するために!「…そして提督は容赦なくその艦娘の身体を掴むと、激しく前後に動いたデース。艦娘はヤメテと言ったが提督は返事の代わりに3度突いたデース」急に照準が変更され、ネ級は脚に重金属弾被弾!「グワーッ!?」

418 : ◆utp..QOeek - 2015/11/01 21:28:32.15 tsa948Fs0 113/219

姿勢を崩したネ級にヤクザ天狗はヤクザガン集中砲火!その場から一歩も動くことなく!「グワーッ!!」「やがてその艦娘がもっとしてくださいと言うと、提督は返事の代わりに8度突き….…すると塵が舞い上がり、ブヨの大群が人と家畜を襲い、ニンジャは運営の鳩尾を五度殴ったデース」ゴウランガ!銃口から煙を立ち上らせ、謎めいたモージョーを口ずさみながら、ヤクザ天狗は悠然と振り返る!黒いヤクザスーツには傷ひとつない。一方のネ級の装甲部分はまるでネギトロだ!

419 : ◆utp..QOeek - 2015/11/01 21:32:37.56 tsa948Fs0 114/219

「…すまんな、本当にすまんデース」ヤクザ天狗は過大なダメージで動けなくなったネ級を無表情に見下ろしていた。その声は、誰にも聞こえぬほど小さく厳かだった。「私は、お前達全員をジゴクへ送り返すデース。私があの日、お前達を解き放ったのだから…」そして彼女は腰に吊るした聖水瓶へと手を伸ばす。

420 : ◆utp..QOeek - 2015/11/01 21:36:05.03 tsa948Fs0 115/219

ナトリは何が起ころうとしているのかを悟った。ヤクザ天狗はまた、奇怪な艦娘祓いのエクソシスト的儀式を行おうとしているのだ。禍々しい光景から目を背けようとしたその時…ナトリの視界の端に、凄まじい勢いでヤクザ天狗に飛びかかるレ級が映った。「ヤクザ天狗=サン!アブナイ!」

421 : ◆utp..QOeek - 2015/11/01 21:39:08.18 tsa948Fs0 116/219

「……何デスって!?」ヤクザ天狗は聖水瓶を投げ捨て、二挺拳銃を握り直す。だが彼女が振り向いたその時!憤怒の表情を浮かべたレ級の低空トビゲリが彼女の体側面に直撃したのだ!「ウオオオーッ!よくもアタシのダチを!イヤーッ!」「グワーッ!!」ワイヤーアクションめいて吹っ飛ぶヤクザ天狗!ナ、ナムサン!

422 : ◆utp..QOeek - 2015/11/01 21:40:01.17 tsa948Fs0 117/219

【KANMUSLAYER】

423 : ◆utp..QOeek - 2015/11/02 00:28:58.34 NL1xNTuY0 118/219

◆艦◆カンムス名鑑#50【航空母艦カツラギ】キョート・チンジフ所属、アデプト位階の艦娘。両手に装備された特殊ブレーサーから生成される氷ゼロセンは優れた貫通力を誇る。グランドマスター・マスター・ウンリュウの妹だが姉たちと決定的に異なる特徴があり、それを指摘すると泣いて怒る◆艦◆

424 : ◆utp..QOeek - 2015/11/02 00:31:15.36 NL1xNTuY0 119/219

◆マスターを連呼してしまったのでアイフーォンの変換きのうはケジメします◆

425 : ◆utp..QOeek - 2015/11/02 00:32:03.39 NL1xNTuY0 120/219

◆なお今日の午後な。以上です◆

428 : ◆utp..QOeek - 2015/11/02 21:33:40.32 NL1xNTuY0 121/219

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

429 : ◆utp..QOeek - 2015/11/02 21:34:18.34 NL1xNTuY0 122/219

【KANMUSLAYER】

430 : ◆utp..QOeek - 2015/11/02 21:37:54.99 NL1xNTuY0 123/219

低空トビゲリがヤクザ天狗の左体側に命中!左腕に装着されたサイバネ強化外骨格が砕け、銃がグリップを逃れる!レ級は後方へとムーンサルト回転着地!逆にヤクザ天狗は壁に向かって直線的に弾き飛ばされた!アブナイ!違法サイバネで強化されているとはいえ、彼女は艦娘の能力など持っていないのだ!

431 : ◆utp..QOeek - 2015/11/02 21:41:55.01 NL1xNTuY0 124/219

冷たく硬い壁が近づく!ヤクザ天狗の死を期待するかのように、牢獄内に鳴り響いていたセイカンヤのイメージアイドル軽巡凄キの歌う堕落的アイドルソングがクライマックス的なループを迎えた!ナムサン!「……ッケンナコラーデースッ!」ここでヤクザ天狗は背中のジェットパックをIRC制御し、空中で体勢を立て直す!タツジン!

432 : ◆utp..QOeek - 2015/11/02 21:44:12.28 NL1xNTuY0 125/219

ヤクザ天狗はオリンピック水泳選手のように体を一回転させ、両足の黒いヤクザヒールの裏で壁を蹴った。微かに軋む膝のサイバネ強化外骨格!息を呑むように鳴り止む堕落的アイドルソング!前方回転の後着地し、レ級に銃口を向ける!「スッゾコラーデース!」再びアップテンポの堕落的アイドルソングが鳴り響く!

433 : ◆utp..QOeek - 2015/11/02 21:50:44.01 NL1xNTuY0 126/219

アタシったらカワイイヤッター!ネオサイタマに放火しよ?今すぐに放火しよー!ズンズンズンズズキューワキューキュキュ!憤怒の形相で再び突き進むレ級。ヤクザ天狗は残された右の銃で迎撃体勢を取る。だがテング・オメーンに搭載された網膜ディスプレイには「制御不能な」の文字が明滅!先程の衝撃でIRC系に破損か!?

434 : ◆utp..QOeek - 2015/11/02 21:52:59.69 NL1xNTuY0 127/219

狭い牢獄内でジェット飛行戦闘は危険。論理制御を失った銃で深海凄艦娘に対抗するのは自殺行為。時間を稼がねば。ヤクザ天狗はオートマチック・ヤクザガンを収め、ドスブレードを懐から抜き放つ!「ザッケンナコラーデース!」

435 : ◆utp..QOeek - 2015/11/02 21:55:22.26 NL1xNTuY0 128/219

両者のカラテが激突した!外付けサイバーアイで敵の動きを解析しながらドスブレードを振るうヤクザ天狗。だがいかに彼女とて、セイカンヤのエリート戦士であるレ級の肉弾戦能力は凄腕のカンムスハンターを遥かに凌駕していた。攻撃をブリッジやダッキングでかわしつつ、サソリ・カラテをヤクザ天狗に叩き込む!

436 : ◆utp..QOeek - 2015/11/02 21:57:18.51 NL1xNTuY0 129/219

「イヤーッ!!」肩や腕をかすめた後、ヤクザ天狗の腹部そして胸部へと重い連撃!「オゴーッ!」ヤクザ天狗は吐血し、行き場の無くなった血液の一部は、オメーンの両眼の穴から血涙か何かのように漏れ出した。コワイ!サイバーアイには「ジリー・プアー(徐々に不利)」の緊急アラート!

437 : ◆utp..QOeek - 2015/11/02 22:02:01.84 NL1xNTuY0 130/219

ナトリは唖然としてこの光景を見つめていたが、目の前に転がってきたヤクザ天狗のオートマチック・ヤクザガンの存在を認めると彼女のニューロンは急速に現実感を取り戻した!(ヤクザ天狗=サンが倒されたしまったらわたしたちは…もう)アブクマはゼエゼエと息を吐き、膝をついている。気を失ったシマカゼを庇いながらの戦いは相当に応えたようだ。まだ加勢できるような状況ではない。

438 : ◆utp..QOeek - 2015/11/02 22:38:34.24 NL1xNTuY0 131/219

「イヤーッ!」レ級はカラテの応酬の中、ヤクザ天狗に向かって左ダガーナイフ投擲!このままではモーター連装砲=チャンの二の舞か!?だがヤクザ天狗は咄嗟の判断で小型ジェットパックを作動させ、空中バックフリップ。そこから体を捻り、レ級の即頭部に対してボレーキック!「シャッコラーデースッ!」「グワーッ!」怯むレ級!

439 : ◆utp..QOeek - 2015/11/02 22:41:44.55 NL1xNTuY0 132/219

しかしレ級の左腕は、ヤクザ天狗の脚を固くホールドしていた。痛烈なナイフ斬撃を振り下ろすレ級。危険を感じ、ジェットエンジン噴射で逃れようとするヤクザ天狗。だが遅い!サイバネパーツが砕ける嫌な音が鳴り、ヤクザ天狗の右膝サイバネ強化外骨格が破壊された!「グワーッ!」

440 : ◆utp..QOeek - 2015/11/02 22:44:52.02 NL1xNTuY0 133/219

レ級は目の前の友人の仇であるヤクザ天狗をいたぶることに全神経を集中させていた。「イヤーッ!」「グワーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!」ここに外付けサイバーアイに「制御下の拳銃だ」の文字。懐に手を伸ばす!その銃口を叩き斬るレ級!反撃が許されない!「イヤーッ!」「グワーッ!」

441 : ◆utp..QOeek - 2015/11/02 22:48:21.04 NL1xNTuY0 134/219

ナトリにはもはや逡巡している時間は無かった。ヤクザ天狗が倒されてしまえば次は誰だ?次は自分たちだ!ナトリは残り少ないカラテを込め、拾い上げたオートマチック・ヤクザガンの論理トリガを引いた!「イヤーッ!!」

442 : ◆utp..QOeek - 2015/11/02 22:53:55.97 NL1xNTuY0 135/219

「本人認証できませんドスエ」しかし銃からはナトリの覚悟を嘲笑うかのような電子マイコ音声!「エッ!?…ナ、ナンデ!?」ナトリが引金を何度も引く。そのたびに電子マイコ音声がリピート「本人本人本人認証本人認証できませんドスエ」万事休すだ。ナトリは銃を取り落とし、天を仰いだ。「ダメだ…これじゃ…もう」ナトリの閉じた瞼の裏に、仲間たちや自分の姉妹、提督の顔が浮かび、涙があふれた。

443 : ◆utp..QOeek - 2015/11/02 22:59:48.17 NL1xNTuY0 136/219

「イイイイヤアアアーッ!」レ級の強烈なボディブロー!「グワーッ!」ヤクザ天狗はまたオメーンの眼から血を噴出し、2、3歩よろよろと力無く前進すると、そのままうつ伏せに倒れて失禁し、痙攣を始めた。「ザッ…ケ…」「ハァーッ…!ハァーッ…!よくもダチをやりやがって!」レ級は息を整えている。「まだ怒りたりねえ!小便かけて火ィつけてやるぜ!」おお、ブッダ!惨すぎる!あまりにも惨すぎる仕打ち!だがこの絶望を止められる者はいない。

444 : ◆utp..QOeek - 2015/11/02 23:07:09.46 NL1xNTuY0 137/219

……KーRAAAAAAAAAASH!!しかし次の瞬間!ヤクザ天狗が飛び込んできた隣の窓ガラスが粉々に破砕!力なく涙をながしていたナトリ、ダメージの残る身体を無理やり立たせようとしていたアブクマ、下着をずらししゃがみこもうとしていたレ級は突然の出来事にくぎ付けになる!

445 : ◆utp..QOeek - 2015/11/02 23:11:10.00 NL1xNTuY0 138/219

スローモーションめいて鈍化した三人の視線の先には、ガラスの破片舞い散る牢獄内にキズ一つなく、腕を組んで直立不動の姿勢を取る一人の艦娘!「ドーモ……」赤黒い艦娘装束に身を包んだそのニンジャは、「憲」「兵」と彫られた鋼鉄メンポから憎悪に満ちた声を吐き出しながら、レ級に対してアイサツを決める!……おお、彼女は!?彼女はまさか!?「……センダイです!敵艦、殺すべし!」

446 : ◆utp..QOeek - 2015/11/02 23:11:36.65 NL1xNTuY0 139/219

【KANMUSLAYER】

450 : ◆utp..QOeek - 2015/11/04 00:01:09.36 b7N+5XSFO 140/219

◆今日な◆

451 : ◆utp..QOeek - 2015/11/04 21:42:23.80 HDuXN2jv0 141/219

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

452 : ◆utp..QOeek - 2015/11/04 21:42:58.58 HDuXN2jv0 142/219

【KANMUSLAYER】

453 : ◆utp..QOeek - 2015/11/04 21:50:17.47 HDuXN2jv0 143/219

「ドッ!?ドーモ!レ級です!何だテメエは!?」センダイの突然のエントリーに面食らったレ級は慌てて下げていたショートパンツを履き直そうとする。だが!「イヤーッ!」「グワーッ!」センダイの容赦なきカラテパンチが側頭部に突き刺さった!レ級はバランスを崩し、床に顔面強打!形の良い尻が持ち上がった格好で倒れてしまった。なんたるブザマ!

454 : ◆utp..QOeek - 2015/11/04 21:54:51.44 HDuXN2jv0 144/219

「ち、ちょっとセンダイ=サン!?なんでアンタがここにいるのよ!!」面食らったのはレ級だけではない、アブクマも増援があるという通信は来ていないからだ。「私の専用IRCに異常アラートの通信があった。だから私はここにいる」センダイは油断なくカラテ警戒しながらさらりと答える。

455 : ◆utp..QOeek - 2015/11/04 21:59:44.76 HDuXN2jv0 145/219

しかしこの牢獄がある海域からチンジフまでは相当の距離がある。とても数時間で到達できるような距離ではない!だがいかにしてセンダイはやりとげたのか?答えは…そう、スシである。艦娘にとって最も効率的なエネルギー源であるスシを、センダイは継続的に補給しながら海上を全力疾走してきたのである!

456 : ◆utp..QOeek - 2015/11/04 22:21:50.31 HDuXN2jv0 146/219

さらにスシに加え、センダイの優れたカンムス持久力、呼吸法、最適なスプリントフォーム全てのカラテ相乗効果の結果、彼女の消費したスタミナは実際ゼロといっても過言ではない!全身からキリングオーラを発するセンダイは荒い息を吐くこともなく敵を見据えている。すべては邪悪なる深海凄艦娘を沈めるためだ!

457 : ◆utp..QOeek - 2015/11/04 23:02:37.30 HDuXN2jv0 147/219

「助けに来てくれた…っての?」「そうだ」「ふ、ふん!私は別に助けてって言ってないからね!でも…い、一応礼は言っておくけど!」アブクマは同時期に着任したセンダイに対抗意識を持っている。しかしこの状況におけるセンダイのインターラプトは実際アブナイ状況にあった自分たちにとって、ブッダの慈悲とも思える希望だからだ。

458 : ◆utp..QOeek - 2015/11/04 23:10:59.25 HDuXN2jv0 148/219

「アブクマ=サン、囚われている三人を今のうちに助けだしてほしい。此奴は私が倒す」「ひとりでやるつもり…!?あたしも援護くらいは!」センダイは動かないレ級にじりじりと距離を詰めていく。「否、この状況で三人を救出できるのはオヌシだけだ。あちら側にいるナトリ=サンが私がどうにかする」アブクマはややためらったが、決断的に仲間が捕えられている檻の方向へ踵を返した!「…分かったわ。でも絶対に死ぬんじゃないわよ!この夜戦バカ!」「うむ」

459 : ◆utp..QOeek - 2015/11/04 23:17:03.05 HDuXN2jv0 149/219

センダイの見据える先にいるレ級はブザマな恰好からしばらく動かなかったが、形の良い尻をぶるりと震わせると「イヤーッ!」上げかけたショートパンツを引き裂きながらブレイクダンスめいて立ち上がった!そしてその目はセンダイにも勝るとも劣らぬキリングオーラを放っている!「クソッたれがァ!誰が何人こようが全部アタシが!ブッ壊してやるッ!!」「よかろう、敵艦殺すべし!」

460 : ◆utp..QOeek - 2015/11/04 23:21:09.00 HDuXN2jv0 150/219

二人はほぼ同時に仕掛けた!「「イヤーッ!!」」ナムサン!どちらも初手クロスカウンターである!しかし両者これを身をそらして回避!センダイはすかさずショートフックを放つ!「イヤーッ!」「イヤーッ!」レ級は裏拳をあててこの攻撃を弾く!間髪入れずにミドルキックをセンダイに叩きこむ!「イヤーッ!」「グワーッ!」

461 : ◆utp..QOeek - 2015/11/04 23:26:23.87 HDuXN2jv0 151/219

怯むセンダイに向けレ級は残った右ナイフの斬撃を繰り出す!「イヤーッ!」しかしセンダイは瞬時にバックステップ回避!「イヤーッ!」そしてもう一度踏み込んでのひじ打ち!「グワーッ!」レ級はガードが間に合わず、これを鳩尾に食らい苦悶!

462 : ◆utp..QOeek - 2015/11/04 23:31:24.41 HDuXN2jv0 152/219

「イヤーッ!」センダイはさらなる追撃のカラテストレート!「イヤーッ!」レ級は自由な左手でセンダイの手首を掴み止めた。無防備なセンダイの頭上から尻尾型カラテ艤装を振り下ろす!「イヤーッ!」「グワーッ!」センダイは左のブレーサーでこれを受け止めるがあまりの衝撃で身が沈む!なんたる一撃の重さか!

463 : ◆utp..QOeek - 2015/11/04 23:37:46.02 HDuXN2jv0 153/219

両手がふさがってしまったセンダイに対して手数で勝るレ級はナイフを突きを繰り出す!「イヤーッ!」アブナイ!「イヤーッ!」「グワーッ!」だがセンダイは激烈なフロントキックでレ級を蹴り飛ばした!ナイフが掠った鋼鉄メンポから耳障りな金属音が鳴る。両者は一旦距離を取り、カラテを構えなおす。ゴジュッポ・ヒャッポ!

464 : ◆utp..QOeek - 2015/11/05 01:24:24.93 uxjCTy5W0 154/219

「ペッ!へェヘヘヘ…!ほかの奴らと違って中々やるみてーだなァ?センダイ=サン…覚えたぜェー」床に血を吐き捨て、顔面を強打した時に出た鼻血をぬぐうレ級は、連戦をものともしない邪悪な闘志と自信をいまだ発している。センダイは痺れが残る左腕をムチのように振るい痺れを取り払った。「そうだ。今からオヌシを大破させるのが私だ。ジゴクのミヤゲに覚えておくがよい」センダイは挑発的に手招きする。レ級は相当の使い手である。しかしカラテ!カラテあるのみだ!カラテで勝る者がこのイクサの勝者となるのだ!

465 : ◆utp..QOeek - 2015/11/05 01:25:12.38 uxjCTy5W0 155/219

【KANMUSLAYER】

470 : ◆utp..QOeek - 2015/11/06 08:03:14.36 2ZnErhRYO 156/219

◆午後な〜◆

471 : ◆utp..QOeek - 2015/11/06 21:24:44.62 L0l8q1Vt0 157/219

◆◆◆◆◆◆◆◆

472 : ◆utp..QOeek - 2015/11/06 21:25:31.21 L0l8q1Vt0 158/219

【KANMUSLAYER】

473 : ◆utp..QOeek - 2015/11/06 21:32:05.76 L0l8q1Vt0 159/219

レ級は片手のナイフをちらつかせながら、センダイはにじり足で互いの出方をうかがっている。タツジン同士のカラテではウカツな初手は自殺行為になるからである。ナトリはその様子を固唾を呑んで見守るしかない、レ級に締め付けられた時、関節をひねってしまったようで身体に力が入らないのだ。

474 : ◆utp..QOeek - 2015/11/06 21:36:47.11 L0l8q1Vt0 160/219

(敵と戦えるのはもうセンダイ=サンしかいない…神さま!センダイ=サンに勝利を!)祈るナトリの声に応えるように、最初に仕掛けたのはセンダイだ!「…イヤーッ!」ゼロセンを高速投擲!「イヤーッ!」さらにカラテ砲追撃!隙のないコンビネーションだ!

475 : ◆utp..QOeek - 2015/11/06 21:42:27.78 L0l8q1Vt0 161/219

「イヤーッ!」しかしこれを瞬時に察知したレ級はダガーナイフをコンパクトに振りかざしゼロセンを弾き飛ばす!続けて襲い来るカラテ砲弾は尻尾型カラテ艤装の先端に装備された小口径カラテ砲で相殺!隙のない防御シーケンスだ!無論これでイクサが決すると考えていないセンダイ。レ級に姿勢を低くしてのダッシュで一気に距離を詰めにかかった!「イヤーッ!」

476 : ◆utp..QOeek - 2015/11/06 21:46:34.18 L0l8q1Vt0 162/219

「イヤーッ!」レ級は迎撃カラテチョップを姿勢を低くしたセンダイに振り下ろす!「イヤーッ!」しかしセンダイは急ブレーキをかけるとその場で側転しカラテチョップを回避!レ級が手を引き戻す前に側面から回し蹴りを叩き込む!「イヤーッ!」

477 : ◆utp..QOeek - 2015/11/06 21:52:08.26 L0l8q1Vt0 163/219

「イヤーッ!」だがこのクリティカルめいた一撃はフレキシブルに可動する尻尾型カラテ艤装に割り込むように防がれてしまった。「バカがーッ!こっちには手が3本あるッて言ってもいいんだぜ!?イヤーッ!」レ級は高速ナイフ斬撃連打!センダイはコンパクトなステップで次々と繰り出されるナイフを回避してゆく。しかし手数で圧倒的に勝るレ級!このままではジリー・プアー(徐々に不利)だ!

478 : ◆utp..QOeek - 2015/11/06 21:57:58.61 L0l8q1Vt0 164/219

だがこのままおめとめと押し切られるセンダイではない!「イヤーッ!」ナイフをブレーサーで弾くようにガードすると、カラテパンチと共にゼロ距離カラテ砲発射!「イヤーッ!」「イヤーッ!」レ級はあやまたずブリッジ回避!しかしこれもセンダイの予想範囲内である!「イヤーッ!」ブリッジ体勢のレ級に対し足払いを繰り出す!「グワーッ!」レ級はバランスを崩し、地を舐める!

479 : ◆utp..QOeek - 2015/11/06 22:03:03.64 L0l8q1Vt0 165/219

「イヤーッ!」床に倒れたレ級に対し、センダイは容赦なきカイシャク・ストンピングを繰り出す!しかし次の瞬間、レ級の身体が倒れた状態にもかかわらず空に跳ね上がった!センダイの足はレ級の顔面ではなく床に叩き込まれてしまう。この奇妙なムーブメントを可能としているのは他ならぬレ級の尻尾型カラテ艤装である!

480 : ◆utp..QOeek - 2015/11/06 22:15:30.29 L0l8q1Vt0 166/219

天井すれすれまで反動ジャンプしたレ級は空中で身を翻し、勢いをつけてセンダイに尻尾型カラテ艤装を振り下ろした!「イヤーッ!」これを避けられぬと判断したセンダイは両腕をクロスして対空防御!「イヤーッ!」攻撃を受け止めた瞬間、センダイの全関節が悲鳴を上げる程の衝撃を襲う!「ヌウウウーッ!」センダイはメンポの奥で歯を食いしばった。

481 : ◆utp..QOeek - 2015/11/06 22:25:15.07 L0l8q1Vt0 167/219

これを好機と見たレ級は床に降り立つと大ぶりの薙ぎ払いを放つ!「イヤーッ!」センダイは防御時のダメージをキアイで耐えブリッジ回避!「イヤーッ!」数センチ上を尻尾型カラテ艤装が通過し…その先には邪悪な笑みを浮かべるレ級がいた。「とったッ!イヤーッ!」そしてブリッジ姿勢のセンダイにナイフを突き立てにかかる!この攻撃を回避するのは不可能と言っても過言では無いほどの状況である。オーテ・ツミか!?

482 : ◆utp..QOeek - 2015/11/06 22:32:16.08 L0l8q1Vt0 168/219

センダイの危機にナトリは悲鳴を上げかけた。しかし次の瞬間!センダイの目がカッと見開き、振り下ろされるダガーナイフを…おお!ゴウランガ!両の掌で挟み取ったのだ!今やブリッジ体勢のセンダイを支えるのはそのしなやかな脚、そして首の筋肉のみである!「イヤーッ!「ヌウウウーッ!」なおもナイフを突き立てんと両腕でナイフをねじ込もうとするレ級!そしてそれに耐えるセンダイ!奇妙な体勢ではあるが、その間では壮絶な命のやり取りが行われている!

483 : ◆utp..QOeek - 2015/11/06 22:40:40.12 L0l8q1Vt0 169/219

「ハァーッ!無駄な足掻き!テメーはもうオシマイだ!!」レ級は硬く握ったナイフに力を入れ続ける!それに対しセンダイはこの体勢においてあからさまに無理がある。「ヌ…ウッ…!」ナイフがセンダイのめくれあがったしなやかな腹部に近づいてゆく!「もう力負けかァ!?死ね!センダイ=サン!このまま死ねーッ!!」レ級はセンダイの姿勢を崩すべく、尻尾型カラテ艤装を振りかざした!ナイフにかかりきりのセンダイはこの攻撃に対抗する術が無い!おお、このままネオサイタマの死神は壮絶なる大爆発四散を遂げてしまうのか!?

484 : ◆utp..QOeek - 2015/11/06 22:47:20.48 L0l8q1Vt0 170/219

…だが!「……ザッケンナコラーデースッ!!」三人を牢から助け出し、レ級にゼロセンを投擲しようとしたアブクマよりも速く、どことなくドスのきいたヤクザスラングと共に重金属弾が10連射された!BLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAM!!その弾丸すべては吸い込まれるようにレ級の尻尾型カラテ艤装の根元に全弾着弾!「グワーッ!?」レ級は完全なる意識外からの攻撃に大きく仰け反った!

485 : ◆utp..QOeek - 2015/11/06 22:54:20.02 L0l8q1Vt0 171/219

そしてその硝煙立ち上るオートマチック・ヤクザガンの持ち主は、おお!見よ!ヒビの入ったテング・オメーンの奥から尋常ならざるアトモスフィアを発するその瞳の持ち主は!慢心創痍であったはずの孤独なカンムスハンターにして、神々の使者、そして正義の執行人!ナトリは涙をあふれさせ、その名前を三度呼んだ!「ヤクザ天狗=サン!!」「今だ!センダイ=サン!その邪悪な深海凄艦娘を滅せよ!!」

486 : ◆utp..QOeek - 2015/11/06 23:01:32.23 L0l8q1Vt0 172/219

「…イヤーッ!!」センダイはナイフを挟む手のひらに凄まじい力を込める!そして…ナイフが半ばからへし折れた!「何!?グワーッ!!」センダイがすかさず放った蹴り上げはレ級の顎に命中!レ級のニューロンが激しくスパークする!そしてネックスプリングでセンダイの瞳にはセンコめいた赤い光!センダイは腕を振り上げ、装備されたカラテ砲の砲口が天を向く!「イイイイ…!」全身にカラテが漲る!

487 : ◆utp..QOeek - 2015/11/06 23:06:56.85 L0l8q1Vt0 173/219

「…イヤァアアアアアーッ!!」そして振り下ろされたカラテチョップ共に天に放たれるカラテ砲弾!反動加速したチョップの速度はもはや音速の域に達し、体勢を崩したレ級の尻尾型カラテ艤装を、根元から切断した!「グワーーーーーッ!!」切断面から鮮血めいて緑色のオイルが噴き出した!

488 : ◆utp..QOeek - 2015/11/06 23:13:18.19 L0l8q1Vt0 174/219

「イヤーッ!」床に倒れかけたレ級の身体の周りに何か縄のようなものがひらめく!それはセンダイの愛用するドウグ社のカギ付きフックロープだ!「グワーッ!」レ級は瞬時にスマキにされ、センダイに持ち上げられた。「イヤーッ!」センダイは拘束したレ級の顔面にカラテパンチを叩き込む!「グワーッ!」センダイの手を離れ、吹き飛ばされるレ級!しかし!「イヤーッ!」センダイはレ級に繋がれたドウグ社のカギ付きフックロープをすかさず引き戻す!再度カラテパンチ!「イヤーッ!」「グワーッ!」

489 : ◆utp..QOeek - 2015/11/06 23:15:06.32 L0l8q1Vt0 175/219

すかさずセンダイは引き戻して殴る!「イヤーッ!」「グワーッ!」引き戻して殴る!「イヤーッ!」「グワーッ!」引き戻して殴る!「イヤーッ!」「グワーッ!」引き戻して殴る!「イヤーッ!」「グワーッ!」引き戻して殴る!「イヤーッ!」「グワーッ!」

490 : ◆utp..QOeek - 2015/11/06 23:16:08.91 L0l8q1Vt0 176/219

「イヤーッ!」「グワーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!」

491 : ◆utp..QOeek - 2015/11/06 23:25:56.79 L0l8q1Vt0 177/219

「ア…バッ…そんな、このアタシ…が…!」破けたショートパンツはもとより、低い背をごまかすために履いていた馬の蹄めいたシークレットブーツもどこかに吹き飛び、レ級は糸の切れたジョルリ人形めいて力なく下半身が下着一枚となった体をだらりと垂らしている。「…死ねーッ!センダイ=サン!」背後から思いがけず叫び声!

492 : ◆utp..QOeek - 2015/11/06 23:28:45.95 L0l8q1Vt0 178/219

「イヤーッ!」片手でレ級を吊り上げたまま、センダイは後ろ回し蹴りを放つ!友の危機に対し、虫の息でアンブッシュをこころみたネ級の顔面に蹴りが直撃!キリモミ回転して吹き飛ばされた!「グワーッ!」ネ級は断末魔を残し大爆発四散した!「サヨナラ!」

493 : ◆utp..QOeek - 2015/11/06 23:34:02.59 L0l8q1Vt0 179/219

「クソったれ…よくもアタシのダチを…ネ級を…クソ…!」「オヌシは私の仲間たちを容赦なく傷つけた。全てはインガオホーだ、ハイクを詠め。」レ級は歯を食いしばりながら悔し涙を流した。「うぐ…アタシのカラテ/クソッたれの艦娘に勝てなかった/直ったらダチと勝つ!」「イヤーッ!」「グワーッ!」

494 : ◆utp..QOeek - 2015/11/07 00:17:14.64 t60TTUzZ0 180/219

レ級がハイクを読み終わると同時に、センダイは拳を叩き込む!「イヤーッ!」「サ!」「イヤーッ!」「ヨ!」「イヤーッ!」「ナ!」「イヤーッ!!」「ラーッ!!」そして小柄な暴君にして、恐るべきカラテの持ち主、戦艦レ級は壮絶な大爆発四散を遂げた!

495 : ◆utp..QOeek - 2015/11/07 00:18:15.45 t60TTUzZ0 181/219

【KANMUSLAYER】

499 : ◆utp..QOeek - 2015/11/08 14:29:19.94 CGguhXMlO 182/219

◆今日か明日な◆

500 : ◆utp..QOeek - 2015/11/08 21:20:09.29 0bi8DmgV0 183/219

(親愛なる読者の皆さんへ : 今日に更新しようと思ったがむりげなので明日にしました。しかし今までの名鑑に更新情報があるのでだす。それを今後もだしてゆくことだろう。以上です)

501 : ◆utp..QOeek - 2015/11/08 21:37:17.58 0bi8DmgV0 184/219

◆艦◆カンムス名鑑#10.5【正規空母カガ】ネオサイタマ・チンジフ所属。美しい艦娘であるがその表情は常に虚ろで目元には隈をたたえている。かつてマルノウチ・スゴイデカイチンジフ(現 : ネオサイタマ・チンジフ)の設立当時にはヒュウガと2人で副秘書艦を務め、提督を心の底から献身的にサポートしていた。しかしある事件を機に心を意図的に閉じるようになる。ボーキ成分の過剰摂取による爆発的なカラテは敵からすれば悪夢に等しい。戦闘時の邪魔と断じてさらしを巻きつけているが胸はかなり豊満◆艦◆

503 : ◆utp..QOeek - 2015/11/09 13:19:28.16 3r7F2ReMO 185/219

◆◆◆◆◆◆◆◆

504 : ◆utp..QOeek - 2015/11/09 13:20:14.56 3r7F2ReMO 186/219

【KANMUSLAYER】

505 : ◆utp..QOeek - 2015/11/09 13:26:18.76 3r7F2ReMO 187/219

「ハァーッ…!」センダイのメンポの隙間からジゴクめいた蒸気が溢れ出した。行き過ぎた殺艦衝動は身を滅ぼす、一歩間違えれば大爆発四散していたのはこちらだったかもしれない。着任したての頃、ヤヨイに教わった「敵が死ぬまで殴りなさい」最終的な勝負を決めたのはこのインストラクションありきであった。

506 : ◆utp..QOeek - 2015/11/09 13:31:43.47 3r7F2ReMO 188/219

殺艦衝動を落ち着かせたセンダイは床にマグロめいて倒れ伏せているレ級とネ級を見やった。敵にも仲間がいる、友がいる、そんなことは分かっている。しかしセンダイは自分の仲間や友を守るために一切の慈悲を捨て去ったのだ。すべてはあの時から…だが今は語るべきではあるまい。

507 : ◆utp..QOeek - 2015/11/09 13:38:42.79 3r7F2ReMO 189/219

「ゴホッ!ゴホーッ!すまん…デース、本当にすまんデース…」センダイはよろよろと起き上がった正体不明の人物に視線を移す。「私があの時…お前たちを解き放ったからデース。すべては、ゴホッ!ゴホーッ!」センダイはこの女性を知らない。しかしネ級の外装に残った弾痕から敵ではないという判断を下していた。

508 : ◆utp..QOeek - 2015/11/09 13:43:08.93 3r7F2ReMO 190/219

「…アナタもなのデース、センダイ=サン。あのカタルシス、その時に、ニンジャソウルが…ゴホーッ!」礼を告げようとしたセンダイはその言葉を聞いた途端、大きく動揺した。「ヤクザ天狗=サン。あなたは一体どこまで知っているのだ…!」

509 : ◆utp..QOeek - 2015/11/09 13:47:47.85 3r7F2ReMO 191/219

センダイが歩を進めようとした、その時!ZTOOOOOOOM!!牢獄内に凄まじい破砕音が鳴り響いた。ナムアミダブツ!これはレ級とネ級があらかじめ用意しておいた、緊急時にこの施設を破壊するための爆破装置が作動したのだ!牢獄に瓦礫が降り注ぐ!「ンアーッ!」ナトリがアブナイ!

510 : ◆utp..QOeek - 2015/11/09 13:53:00.95 3r7F2ReMO 192/219

「ちょっとセンダイ=サン!ヤバイわ!すぐにでもこの牢獄は崩れて無くなる!」アブクマとなんとか意識を取り戻したふらつくシマカゼが、助け出した3人に肩を貸しながら出口へ向かっている。「アンタも早く!」「すぐに行く!イヤーッ!」センダイはアブクマの返答を待たず、動けなくなっているナトリ、そしてヤクザ天狗の方へ駆け寄ろうとした。

511 : ◆utp..QOeek - 2015/11/09 14:37:59.95 3r7F2ReMO 193/219

だが!ZTOOOOM!巨大な瓦礫が進もうとするセンダイ前に落下する!「グワーッ!」なんとかバックフリップでの回避に成功するがナトリへの救出ルートが完全に分断されてしまった!「イヤーッ!」センダイは瓦礫を破壊するために拳を叩き込むが時間がかかり過ぎる!間に合うはずも無し!

512 : ◆utp..QOeek - 2015/11/09 14:59:19.61 3r7F2ReMO 194/219

しかしこの破壊の中、ヤクザ天狗は身体中の痛みに耐えながら切断されたレ級の尻尾型カラテ艤装を拾い上げた。「破壊されたサイバネと下着の洗濯代にはやや不足…」そう呟くとヤクザ天狗は血咳を吐きながらうずくまっているナトリを掴んで起こした。「起きるのデース」

513 : ◆utp..QOeek - 2015/11/09 22:48:06.69 7H/b8p1W0 195/219

「私を呼んだな。贖罪の戦いには、積極的ドネートが必要デース」ナトリにはもう動く力も残っていないようだった。「でも…もう渡せるものなんて」「払えぬのなら、お前を天狗のワンダーランドに連れてゆくデース」ヤクザ天狗は片腕でナトリを抱きかかえると、ジェット噴射で飛び立った!「アイエエエエエエエエエエ!」キリモミ回転しながら二人は天井を突き破り、呆気にとられたセンダイを残してトコロザワの夜闇へと消えた!

514 : ◆utp..QOeek - 2015/11/09 22:49:24.72 7H/b8p1W0 196/219


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515 : ◆utp..QOeek - 2015/11/09 22:55:24.32 7H/b8p1W0 197/219

「遅い…遅すぎ!なにやってんのよアイツ!マジで死んじゃうわよ!?」段々と崩れてゆく牢獄を見ながらアブクマは狼狽する。「アブクマ=サン、大丈夫だよ。センダイ=サンは…何て言ったってニンジャだし」ようやく意識がハッキリとし始めたシマカゼは未だ精神不安定の状況にある三人をなだめている。「い、いくらアイツだからってあんなのに巻き込まれたら流石にオシマイよ!今から助けに」「イヤーッ!」

516 : ◆utp..QOeek - 2015/11/09 23:00:22.30 7H/b8p1W0 198/219

アブクマがヤバレカバレで崩れゆく牢獄に向かおうとしたその時。赤黒い影がロケット砲弾のように飛び出し、仲間たちの前に着地した!おお、彼女は!「…バカ!心配かけんじゃないわよ!もう…」「えへへ、ただいま!」泣き笑いのような表情になってしまったアブクマに対し、センダイは人懐こい笑みを浮かべて答えた。

517 : ◆utp..QOeek - 2015/11/09 23:06:02.75 7H/b8p1W0 199/219

「やっぱり無事だったんだね!あれ、その二人って…」センダイは近くの岩場に大破したレ級とネ級を寝かせた。彼女たちを崩壊する牢獄から助け出したのは単なるセンチメントではない、次に二人を待っているのはタツタによる過酷なインタビューであろう。二人の口は堅いかもしれないがタツタなら何とかしてくれるとセンダイは思った。尋問の内容は知る由もないが。

518 : ◆utp..QOeek - 2015/11/09 23:11:00.10 7H/b8p1W0 200/219

「ちょっと待って!ナトリ=サンは?」「ああ、うん。大丈夫だと思う」「はぁ!?」アブクマは困惑するがセンダイは脱力したように岩に座り込んだ。「きっとあの人は悪い人じゃないと思うんだ。それに…どこかで会ったことがるような感じもしてさ」

519 : ◆utp..QOeek - 2015/11/09 23:13:22.23 7H/b8p1W0 201/219


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520 : ◆utp..QOeek - 2015/11/09 23:17:03.53 7H/b8p1W0 202/219

ヤクザ天狗は、彼女だけにしか認識できないイービルスピリットめいた追ってをまくように夜の海を飛び回った後、ナトリの知らない海域までやってきた。ヤクザ天狗はそこに隠されたヤクザクルーザーへと無線IRCを発信し、その屋根を自動展開させた。

521 : ◆utp..QOeek - 2015/11/09 23:20:49.34 7H/b8p1W0 203/219

「ンアーッ!」船の中に落下したナトリは、苦痛に顔を歪めた。船内のスピーカーが耳障りに鳴る。最初に助けてもらったとき、ヤクザ天狗の手によってナトリの胸の谷間に密かに仕込まれた小型発信盗聴器が、ヤクザクルーザー内の受信装置とハウリングを起こしたのだ。

522 : ◆utp..QOeek - 2015/11/09 23:23:17.69 7H/b8p1W0 204/219

ヤクザ天狗は船内にあるソファに身を沈めた。テング・オメーンの奥で、激痛に歯を食いしばった。彼女もまた、先程の戦いでサンズ・リバーを渡りかけていたのだ。「お礼は……」ナトリが喋り、ハウリングが起こる。ヤクザ天狗はスイッチの1つを切った。まだ船内には微かな盗聴受信音が十数種類聞こえている。

523 : ◆utp..QOeek - 2015/11/09 23:27:16.21 7H/b8p1W0 205/219

ナトリには自分に仕掛けられた盗聴器を含め、まだこれらの音声の意味を理解できなかったが、このクルーザーの中が異常な世界であることはすぐに解った。窓や壁のいたるところに、作戦立案書の切れ端や、写真や、手書きのメモなどが貼ってある。その中にはナトリ自身の写真、そして顔が黒く塗りつぶされた白い軍服を着る人物の写真もあった。

524 : ◆utp..QOeek - 2015/11/10 10:49:45.04 11J3Y9jT0 206/219

「…ア、アハ、ハハ…」「え…?」なにやらヤクザ天狗の様子がおかしい。彼女は頭を抱えて何かをブツブツと呟いている。「てい、と….く…触ってもいいけど…さ、時間と場所を…アハ…」ていとく?彼女は今「提督」と言ったのか?しかしヤクザ天狗の様子はどう見ても狂人のそれである。ただのうわ言だろうか。

525 : ◆utp..QOeek - 2015/11/10 10:55:06.42 11J3Y9jT0 207/219

「…早く、続けるのデース。カネはどこデース……聖戦のための寄付金は。カンムス殺害報酬を支払うのデース」顔を上げたヤクザ天狗はナトリをテングオメーンの奥から睨みつけた。「アッハイ」ナトリは懐から簡易メディキット、携帯食料、ボーキ補給ドリンク、わずかなクレジット素子などを取り出す。チンジフからの支給品だ。しかし、この程度でヤクザ天狗が満足するだろうか?ナトリは恐怖におののいた。

526 : ◆utp..QOeek - 2015/11/10 10:57:43.15 11J3Y9jT0 208/219

「……」ヤクザ天狗はそれらを受け取り、船内の小タンスに仕舞った「……足りんが、しばらく待ってやるデース。邪悪な艦娘が出たら、また私を呼ぶデース」「ハァーッ!ハァーッ!ハァーッ!」ナトリは緊張の糸が切れたように、粗い息をした。「どうしたのでーす?深海凄艦娘の恐怖が残っているのデスか?」

527 : ◆utp..QOeek - 2015/11/10 11:01:06.55 11J3Y9jT0 209/219

「アイエ…」ナトリは言葉に詰まった。目の前のヤクザ天狗に恐怖しているのだとは、とても言い出せない「……アッハイ、怖かった…です」「これを使うがよいデース」ヤクザ天狗はセンベイと謎の聖水瓶を取り出して渡した「センベイを額に当て、その聖水を飲み干すのデース。悪夢が浄化されるのデース」

528 : ◆utp..QOeek - 2015/11/10 11:03:54.10 11J3Y9jT0 210/219

「あ、あの、お礼は……」「不要デース。私の個人的な贖罪行動……ゲホッ!ゲホオーッ!」自動IRC操縦されるヤクザクルーザーは一段と速度を上げ、夜の海を疾走した。「アッハイ……」ナトリはヤクザ天狗が言うようにセンベイを額に当て、聖水を飲み干した「どうデース、ピンク色の光が見えたデスか?」「見えません、なんか変な味がします…」

529 : ◆utp..QOeek - 2015/11/10 11:06:12.97 11J3Y9jT0 211/219

「そんなはずはないデース…!」ヤクザ天狗の厳しい声がヤマヒロを恐怖させた「目を閉じてみるのデース」「……アッハイ」ナトリはそれに従った。「どうデース、ピンク色の光が見えてきたデスか?聖水は美味しいデスか?」「……アッハイ、見えてきました、おいしいです…」ナトリは嘘をついた。そうしなければ身に危険が及ぶ気がしたからだ。

530 : ◆utp..QOeek - 2015/11/10 11:08:54.58 11J3Y9jT0 212/219

「深海凄艦娘の恐怖が薄れてきたデスか?」「……アッハイ、薄れてきました」「聖水の小瓶を見るのデース……よし、邪悪なカンムスソウルの影響が黒い水となって小瓶に移ったデース。見えるデスか?」「……アッハイ、黒くなっています」ナトリはまたも嘘をついた。改めてこの人は完全に狂っているのだと思った。

532 : ◆utp..QOeek - 2015/11/10 11:17:52.25 11J3Y9jT0 213/219

「闇医者のところへ運ぶデース」とヤクザ天狗。「お礼はもう……」「ならば天狗のワンダーランドに行くデスか?お前は優れた艦娘デース。鍛錬次第では、私のような聖戦士になれるかもしれんデース」「いえ、いいです……」もしやこの人は仲間を求めているのではないか?ナトリはヤクザ天狗の狂気と、孤独な物悲しさを悟った。

533 : ◆utp..QOeek - 2015/11/10 11:20:51.77 11J3Y9jT0 214/219

ナトリは思った、この人は何らかによってもたらされた一瞬の狂気を、ずっと続けて…完全に狂ってしまったのだと。それ以上のことを詮索したり想像したりするのは止めにした。自分もまた、底知れない狂気へと引きずり込まれそうな気がしたからだ……

534 : ◆utp..QOeek - 2015/11/10 11:23:07.31 11J3Y9jT0 215/219

……数日後。ナトリは応急処置をされた状態でネオサイタマ・チンジフの前に捨て置かれ、ヤクザ天狗はいずこかへと姿を消した。ナトリは悪夢を見続けているようだった。いつか、遠い将来、またあの人の名を呼んでしまう自分を予想しながら……

535 : ◆utp..QOeek - 2015/11/10 11:24:19.89 11J3Y9jT0 216/219

【アトロオーシャン・イン・ネオサイタマオーシャン】終わり

536 : ◆utp..QOeek - 2015/11/10 11:27:34.99 11J3Y9jT0 217/219

(親愛なる読者の皆さんへ : 一部で原作完全再現のためのコピペ・ジツの誤作動によりフロスト・なんたら=サンや鎧ヤクザ=サンなどの正体不明の人物に関するオノマトペが出てしまいました。これらの責任により、あほになってしまった作者は天狗のワンダーランドに連れて行かれたのでごあんしんください。以上です)

540 : ◆utp..QOeek - 2015/11/10 23:20:45.78 yvcUdmIhO 218/219

◆艦◆カンムス名鑑#51【ヤクザ天狗】非艦娘?たったひとりでキョート・チンジフとシンカイセイカンヤに孤独な闘いを続けているとウワサされるカンムスハンター。黒のヤクザスーツ風巫女装束と天狗面、カラテ艤装を改造したかと思われる小型または大型ジェット、オートマチック拳銃という出で立ちで現れる。そしてその精神は致命的な異常をきたしていると言う他ない。なおこの件とは全く関係ないが、キリシマやヒエイたち姉妹の長女であるコンゴウが任務中に行方不明になっており現在捜索中である◆艦◆

543 : ◆utp..QOeek - 2015/11/14 16:21:49.64 ceyXFxP9O 219/219

◆お知らせ◆忍殺本編にもヤマヒロ=サンが出てきたので作者もこれを予想していたということで天狗のワンダーランドからもどってこれました。次の話の構想は出来ているがその間に別の話もしたいと思う。おそらく原作の人気エピから出る。来週には始まるだろう◆ブッダイエメン◆

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