355 : 以下、三... - 2010/11/24 18:49:51.78 tzBgAF20 1/20一つSSが書けたので、投下させていただきます。ブロッケンブラッドというマンガに影響されたギャグです。
一方通行が女装するので、苦手な方は注意してください。
ストーリーはパラレルで、夏休み中の出来事だとイメージしています。
打ち止めが出てきますが、一方通行は脳に障害を負っていません。
18レスほどお借りします。
元スレ
▽ 【禁書目録】「とあるシリーズSS総合スレ」-17冊目-【超電磁砲】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1290001348/
ここは第七学区にあるとあるライブハウス。
いつもなら人がまばらなここは、今日は大勢の人たちで賑わっている。
その熱気を前に、ライブには縁のない上条はぽかんと口を開けていた。
上条「ライブハウスなんて初めて来たけど、なんか凄いな」
青ピ「当ったり前やでカミやん! 何せ今日はっ、あのっ、女子中学生アイドル」
青ピ「鈴科百合子ちゃんのライブイベントが開催されるんやで!!」
土御門「しかも今日は初の単独イベント、いやが上にも盛り上がるってもんだにゃー」
青ピ「現役中学生! アルビノ美少女! 貧乳! ああっ百合子ちゃんはどこまでボクのツボを突いてくるんやー!」
土御門「ツボって、青ピは可愛けりゃ何でもいいんじゃないかにゃー」
青ピ「だからさっき言ったこともボクのツボになるんやないか。は~、ほんま可愛らしいなぁ百合子ちゃん」
上条「ところで、席はどうなってるんだ?」
青ピ「まっかせておいてや、カミやん。最前列のド真ん中ゲットしておいたで!」
青ピ「今日のイベントは、百合子ちゃんのコスプレも見られるやさかい、必死になって手に入れたんや」
上条「なんか、気合の入れ方間違っていると思うのは上条さんだけなのでせうか……」
土御門「青ピに限っては今更だにゃー、カミやん。そんなことより早く行こうぜい」
青ピ「せやせや! 行くでカミやん、ツッチー!」
青ピ「いよいよ時間や。百合子ちゃん、どんなコスプレしてくるんやろ」ワクワク
青ピ「セーラー服やろか? それともナース? メイドなんてのもええなぁ」ソワソワ
土御門「オレはメイドさんに一票だにゃー。アルビノ貧乳メイド、アリだぜい」
上条「お、証明が落ちて……いよいよみたいだな」
MC「皆さんお待たせいたしました。鈴科百合子ライブイベントの開催です、とミサカは高らかに宣言します」
薄暗闇に包まれている会場にさっとスポットライトが照らされ、百合子が姿を現した。
その瞬間、会場にいた誰もが息を呑んだ。
百合子の頭には、百合子の髪と同じ純白のウサミミ。
華奢な身体を包むのは、漆黒のバニースーツ。
すらりと伸びた足に纏うのは、やはり黒の網タイツ。
そこにいたのはバニーガール姿の百合子だった。
次の瞬間、観客たちは割れんばかりの歓声を沸き上げた。
青ピ「きゃーっ!! バニーやっバニーちゃんやー!! ごっつうにあっとるでぇーーーー!!」
観客のボルテージはすでに最高潮に達しようとしている。
しかし当の百合子は、顔を俯かせ表情を隠してしまっている。
やがて百合子は両手を胸の前で重ねあわせ、手の中のマイクを力強く握り締めた。
そしてゆっくりと顔を上げた。
白い頬はわずかに上気し、ルビーを埋め込んだような瞳には涙のような光沢があった。
百合子はにっこりと、可愛らしく微笑んだ。
百合子「皆さン、こンばンはっ!」
青ピ「うおおおっ! 百合子ちゃーん! 大好きやー!!」
百合子「今日は私のために集まってくれて、とても感激しています! 今日は皆さン楽しンでいってくださいね」
土御門「にゃー。ひんにゅー白ウサギばんざーい」
上条「百合子ちゃん、かわいいな……」
土御門「お、なんだ、カミやんのタイプってああいう娘だったんかにゃー?」
上条「い、いや、そういう意味じゃなくてですね、上条さんはだた一般的な意見をですね……」
土御門「それとも、カミやんはバニーちゃんに反応しちゃったのかにゃー?」
上条「つ、土御門!」
土御門「隠さなくてもいいぜい。カミやんも男の子だしにゃー」ハッハッハ
上条「うう、なんか不幸だ」
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学園都市に流星のごとく現われた現役女子中学生アイドル『鈴科百合子』
その愛らしい容姿に学園都市の人々はたちまち魅了されてしまう。
しかし、彼らは知らない。
その正体が学園都市最強の能力者、一方通行(性別:男)であることを。
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ライブが始まる少し前、ここ控え室ではちょっとした騒ぎが起こっていた。
一方「ふざけるな! 俺はもう降りる!!」
芳川「君ねぇ、最初に何もかも了解したのでしょう。いまさら我がままを言うんじゃないの」
ミサカ「これも実験に必要なのですよ、とミサカは駄々っ子一方通行を宥めます」
一方通行も、好き好んでアイドルを演じている訳ではなかった。
まして女装など、本来なら彼のプライドが許すはずもなかった。
それを敢えて行わせた理由が、『絶対能力進化実験』であった。
一方通行を絶対能力者へと進化させることを目的としたこの実験。それは一方通行にとって切望していた実験であった。
しかし、そのために樹形図の設計者が算出したプランこそ、被験者が女子中学生アイドルを演じるというものであった。
一方通行は激怒した。
しかし、結局のところ、彼はこれを受け入れた。
彼の目的――『最強』を超えた『無敵』になるためには、これ以外に彼のとるべき道はなかったのだ。
その日から、彼の忍耐の日々が始まった。
例え、女の子らしい淑やかな言葉遣いを強要ようと。
フリフリのついたドレスを着させられようと。
ちょっとエッチな写真集を出版され、甘ったるいラブソングを歌わされようとも。
彼は我慢し続けた。
しかし……
一方「もう我慢の限界だ!! 誰がこンな……こンなっ」
一方「バニースーツなんぞ着るか!!」
ミサカ「まあまあ、その衣装はとてもよくお似合いですよ、とミサカは賞賛の言葉を送ります」
打ち止め「ミサカも似合うと思うんだけどなー、ってミサカはミサカは口を尖らせてみる」
芳川「いまさらバニースーツくらいで文句言わないの。時間も迫っているのだから早く着替えなさい」
一方「いーやーでーすゥ! こンなふざけた服なンざ誰が着るかァ!! これ以上やってられるかァ!!」
ミサカ「……それは、このライブを中止するという意味ですか、それとも……、とミサカは一方通行の意思を確認します」
一方「決まってンだろ! 実験なんて止めだァ止め!」
ミサカ「本気、のようですね、とミサカはそっぽを向いた一方通行に呟きます」
芳川「あのね一方通行――」
打ち止め「……わかったよ、ってミサカはミサカは絶対能力進化実験『アイドル鈴科百合子をプロデュース』の終了を宣言してみる」
一方「……あァ?」
芳川「……」
ミサカ「絶対能力進化実験はこれよりスペアプランに移行します、とミサカは実験の変更を確認します」
ミサカ「すなわち、一方通行による妹達の20000回の殺害です、とミサカは目を伏せつつ実験内容の確認を行います」
一方「……」
打ち止め「もともとこれがこの実験におけるミサカたちの役割だったんだよ、ってミサカはミサカはあなたの目をまっすぐに見つめてみる」
打ち止め「樹形図の設計者が二つのプランを算出して、あなたがこのプランを受け入れてくれたから、ミサカたちはここにいる。でもあなたが望むなら、ミサカたちはいつでもプランの変更を辞さないよってミサカはミサカの覚悟を伝えてみたり」
ミサカ「ミサカたちは、あなたのためならどんな協力も惜しみません、とミサカは全ミサカを代表して発言します。あなたが目標を達成する手伝いをすることが、ミサカにとっての大切なことなのです、とミサカは告白します」
ミサカ「このミサカは検体番号00001のミサカです、とミサカは自らの検体番号を明かします。準備は出来ていますので、いつでも実験を始められます、とミサカは両手を広げて一方通行を受け入れる体制を整えます」
一方「……」
00001「レベル6に進化した一方通行をこの目で見ることができないのは残念ですが、後は任せましたよ、とミサカは上位個体に後を託します」
打ち止め「ミサカが最後まで見届けるからまかせて、ってミサカはミサカは涙を堪えて00001号の思いを受け継いで見たり」
一方「……もういい、止めろ」
一方「……クソが」
一方「芳川ァ! 衣装を持ってこい!」
芳川「そこに用意してあるわ。時間もないし、急いでね」
00001「一方通行……?」
一方「殺しなンざァ主義じゃねェんだよ。頼まれたってンなことしてやらねェ」
一方「……着替えるンだ。さっさと出てけ」
打ち止め「さっすがあなた! ってミサカはミサカは期待を裏切らないあなたを賞賛してみたり!」
一方「『期待』ねェ」
打ち止め「っは! ってミサカはミサカは大慌てで口を押さえてみる!」
00001「このチビ上司が、とミサカは毒づきます」
00001「しかし、先ほどのミサカたちの言葉はミサカたちの本意です、とミサカは一方通行に保証します」
打ち止め「そ、そうだよ、ミサカたち嘘ついてないよ、ってミサカはミサカは弁明を始めてみたり!」
打ち止め「それに、ミサカはミサカは感謝しているんだよ。あなたのおかげでミサカたちは生きているんだし、こうして生きがいを見つけられるんだから」
一方「――チッ」
一方「俺は俺の都合で妹達のプランを蹴ったンだ。感謝されるいわれはねェ」
一方「わかったら、もう、出てけ」
芳川「はいはい、それじゃあ二人とも、外で待っていましょうか」
芳川「でも一方通行、あなたバニースーツの着方わかるの? 00001号に手伝ってもらってもいいのよ」
00001「バッチコイです、とミサカは学習装置で得た成果を今ここに――」
一方「い・い・か・ら・出・て・けェ!!」
芳川「いよいよ時間よ。準備はいいわね、百合子ちゃん。」
一方「……あァ」ムスッ
芳川「あら、そんなしかめっ面してないで。可愛い顔が台無しよ」
00001「その姿、よくお似合いですよ、とミサカは惜しみない賞賛を送ります」
打ち止め「あなたかわいい~、ってミサカはミサカは思わず飛びついてみたり……って痛っ」
一方「ウゼェ。あと飛びつくな」
芳川「ほらほら、にっこり笑って。お客さんがっかりしちゃうでしょ」
一方「……チッ」スタスタ
00001「あなたならこのイベントは絶対に成功します、とミサカは檄を飛ばします」
芳川「頑張ってね、百合子」
打ち止め「いってらっしゃい! ってミサカはミサカはお見送り」
一方「――あァ」
一方(……辛ェ)
舞台に立ち、一方通行はそっと周囲をうかがう。まだ照明は落とされて彼の姿は隠されているはずだった。
にもかかわらず、会場の客全ての視線が彼を捉え、舐るように感じられた。
背筋がぞくりとした。思わず会場を破壊してしまいたい衝動に駆られるも、寸前で押し止める。
一方(俺ェ何やってんだろ……)
一方(こンなトコでこンなカッコしてこンな奴らの前で……だめだァ。考えると涙が)
一方(考えンな、俺。無心になれェ)
このライブに失敗は許されないのだ。
イベント開催を宣言するMCの声が響き、スポットライトが彼の姿を浮かび上がらせる。
必死に笑顔を取り繕い、彼はアイドルに変身する。
百合子「皆さン、こンばンはっ!」
青ピ「うおおおっ! 百合子ちゃーん! 大好きやー!!」
百合子「今日は私のために集まってくれて、とても感激しています! 今日は皆さン楽しンでいってくださいね」
青ピ「きゃーっ! ゆ・り・こちゃ~ん! 愛してるでぇー!!」
百合子「みンなありがとォ! 最初の曲は『ここから先は一方通行』です。どうぞォ――」
??「ちょっとまった!!」
打ち止め「何何? どうしたの!?、ってミサカはミサカは現状確認!」
00001「観客が一人、舞台に乗り込んできました、とミサカは緊急事態であることを報告します」
芳川「不味いことになったわね。上手く切り抜けてよ、百合子」
百合子「誰なンですか、あなたは!?」
??「僕の名は男。百合子ちゃん、君に話しがあるっ!!」
男「僕は……君が好きだっ!! 結婚してくれぇーー!!」
百合子「」
百合子「ェ?」
男「そして、僕のためにこのスクール水着を着てくれぇ!!」
一方()
百合子「……ごめンなさい。無理です」
男「――ッ!!」
打ち止め「いったい何が起こってるの? ってミサカはミサカは状況が掴めなかったり……」
00001「愛の告白が始まったと思ったら、百合子がスク水片手にした男に迫られています、とミサカは頭痛を堪えながら解説をします……」
芳川「……どうしましょうかね、この状況」
男「君はこの僕を、そしてスク水までも拒絶するのかっ!!」
百合子「えェ……無理、ですゥ」
男「ならば、これを食らえぃ」ビーム
男(このビームはあらゆる物質をスク水に変換することができる。
さらにこれで生み出したスク水を着用させることで、着用者を意のままに操ることが可能となる。)
男(これが、スク水愛が高じて自分だけの現実をこじらせた結果生まれた、僕の能力。
まずは百合子ちゃんの服をスク水に変換させるっ!!)
百合子「」ハンシャ
男「うわああっ!!」ズキューン
00001「男が……スク水姿になってしまいました、とミサカは頭を抱えます」
打ち止め「ミサカもう見てられない、ってミサカはミサカは目をそむけてみる」
芳川「何なのかしらね、これ」
男(ビームが効かないなんて……ッ! でも僕は諦めない!!)
男「こうなったら直接スク水を着せるまでだ!!」ウォォォ
上条「そ・げ・ぶっ!!」バキィ
男「ぐはあああぁああぁ」
百合子「」
上条「――ふざけやがって! そんな身勝手で、彼女のイベントを滅茶苦茶にしようとするんじゃねぇ!!」
男「う、うぅぅ」サメザメ
一方(……いったいなンなンですかァ?)
一方(変態が現われたと思ったら、スク水姿になるし)
一方(どこからか現われたツンツン頭に殴られて説教受けてるし)
一方(あ、変態が泣き出した。どうでもいいけどウゼェ)
芳川「大丈夫? 百合子」
百合子「あァ……なンとか?」
上条「あ、あのっ。鈴科さん、大丈夫ですか?」
芳川「この子は丈夫だから、このくらいなんともないわ。それよりありがとう。
後はこっちで対処しておくわね。」
上条「あのビームが頭に当たったように見えたけど、本当に大丈夫?」ポン ナデナデ
百合子「ッ!」
芳川「心配してくれるのは嬉しいけど、あなたの方こそ大丈夫かしら?
見たところ随分と殺気立ってる人がいるようだけど」チラ
土御門「カ~ミ~や~ん。ナデナデとか、随分気安いじゃないかにゃー」
青ピ「許さへん。こればっかりは許さへんでぇカミやんっ!」
上条「っ! いや、これは、なんていうか、その……」
上条「……不幸だ」
MC「それでは、ゴタゴタも収まったところで、改めてイベントを再開させましょう、とミサカは仕切りなおします。ほら、ツンツン頭のヒーローも席に戻ってください、とミサカは促します」
芳川「出鼻をくじかれちゃったけど、ライブはまだまだこれからよ」
芳川「あの子達も期待しているわ。頑張りなさい、百合子」
打ち止め ハラハラ
00001 ドキドキ
一方「……そンなこと、言われるまでもねェよ」ボソ
百合子「――それじゃみンな! 『ここから先は一方通行』聞いてください!!」
374 : 芳川「頑張ってね、百合子」 - 2010/11/24 19:22:55.42 tzBgAF20 20/20以上です。
お目汚し失礼しました。