戦車喫茶
まほ「お姉ちゃんが変態だという風潮を何とかしたい」
エリカ「…は?」
まほ「だから、お姉ちゃんが変態だという風潮を何とかしたいのよ」
エリカ「…隊長は変態ではないと思いますよ?」
まほ「それはあなたが私のことをよく知ってるからそう思うだけよ」
エリカ「…?」
元スレ
まほ「お姉ちゃんが変態だという風潮を何とかしたい」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1352904504/
まほ「世間では妹と疎遠になってる姉の大半は妹好きのシスコンという風潮が浸透してるの」
エリカ「…それは大変ですね」
まほ「そこでエリカにお願いがあるの」
エリカ「…お断りします」
まほ「まだ何も言ってないけど」
エリカ「…どうせロクでもないことは分かってるので先手を打たせてもらいました。とりあえずお断りします…」
まほ「…いいの?」
エリカ「…?」
エリカ「なにがですか」
まほ「…隊長権限で副隊長の地位を剥奪するよ」ボソッ
エリカ「!?」
まほ「なにも法に触れるようなお願いをするつもりはない」
エリカ「…くっ!分かりましたよ。何をすればいいんですか、隊長」
まほ「…私の恋人になる。それだけでいい」
エリカ「…は?」
まほ「聞こえなかった?」
まほ「私の彼女になれば貴女には相応の地位を約束するわ。だから私の恋人になって」
エリカ「…なんでそうなるんですか?」
まほ「…私が彼女を作ることで妹好きの変態シスコン女というレッテルを剥がすことができる」
まほ(それにエリカのように可愛い彼女を作ることもできる。まさに一石二鳥)
エリカ「…拒否権は?」
まほ「別に断るのは構わないけど、黒森峰で戦車道を続けたいなら…分かるよね?」
エリカ「はぁ…分かりました」
まほ「うん。それじゃあ今日から私たちは恋人ね」
エリカ「…はい」
まほ「ちなみに私たちの仲は他の人達には内緒にして」
エリカ「それは、どうしてですか?」
まほ「世間体よ」
エリカ「ああ、なるほど…」
………
まほ「…もうそろそろ時間ね」スクッ
エリカ「もうこんな時間ですか。長居しすぎましたね、隊長」スクッ
まほ「そうね。それじゃあ帰るわよ」スタスタ
エリカ「はい」
まほ「会計は私が持つ…」
エリカ「…ありがとうございまs―――」ピタッ
まほ「…?」
まほ「どうしたの、エリカ」
エリカ「あれは…」
エリカ「副隊長…?」
まほ「……」
みほ「…ッ!?」ビクッ
エリカ「ああ、“元”でしたね」クスッ
みほ「…お姉ちゃん」
沙織「!?」
麻子「……」
麻子(このケーキ、美味い)モグモグ
まほ「まだ戦車道をやっているとは思わなかった…」
まほ(こういう風に嫌味を交えてれば、妹好きの変態というレッテルは剥がれるはず)
みほ「…っ」シュン
優花里「お言葉ですが、あの試合のみほさんの判断は間違ってませんでしたッ!」バンッ
エリカ「…部外者は口を出さないでくれるかしら?」
優花里「あうっ…すいません」ショボン
みほ「……」
みほ(秋山さん…)
まほ「…行くわよ」スタスタ
まほ(妹に見向きもせずに去ることでシスコンのレッテルを貼られることはなくなる)
まほ(私は宮永照や赤座あかねのような変態シスコン淑女にはならない…)
エリカ「はい、隊長」
エリカ「ああ、そうだ。一回戦はサンダース付属とあたるんだってね。せいぜい無様な戦い方をして西住流の名を汚さないことね」クスッ
沙織「ッ! なによその言い方!」ガタッ
華「あまりにも失礼じゃ!」ガタッ
エリカ「…あなた達こそ戦車道に対して失礼じゃない? 無名高のくせに」キッ
沙織「…!」
エリカ「この大会はね、戦車道のイメージダウンになるような学校は出ないことが暗黙のルールなのよ」
沙織「……っ」
華「……」しゅん
麻子「…強豪高が有利になるように作られた暗黙のルールとやらで負けたら恥ずかしいな」パクッ
麻子(なんだか物足りないな。もう一つ、いやあと二つはいけるな)
エリカ「…ッ」キッ
沙織「絶対にあんた達には負けないんだから!」
エリカ「ふん、頑張ってねー」クスッ
………
戦車喫茶の外
まほ「エリカ…私はやったかもしれない」
エリカ「…? なにをです」
まほ「これで…これで…妹好きの変態お姉ちゃんというレッテルを完全に剥がせたかもしれない」
エリカ「ああ、そうですね。それじゃあ私は隊長の彼女にならなくてもいいんですね」
まほ「いやそれとこれとは話が違う」
エリカ「…はぁ」
エリカ(まぁ、いいか。私も隊長のことは…////)ポッ
―完―