1 : 以下、名... - 2015/10/25 00:45:18.18 e6HdgAJs0 1/395

ゆるゆりSSです。
まどマギ成分もあります。
ちょこちょこ書いていきますのでよろしくお願いします。

元スレ
あかり「わぁ、喋る猫さんだぁ」 QB「僕は猫じゃないよ」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1445701517/

2 : 以下、名... - 2015/10/25 00:46:10.24 e6HdgAJs0 2/395

1話


ごらく部


あかり「ねぇ、みんな見て!しゃべる猫さんだよ!」ガラッ

京子「はぁ?何言ってんのあかり?」

結衣「うわっ、あかりなんだそれ?ぬいぐるみ?」

あかり「ぬいぐるみじゃないよぉ。さっきこの子があかりに話しかけてきたんだよ!」

ちなつ「あ、あかりちゃん……」

京子「……あ、あかり。お前存在感が無いからって無理してそんな事をしなくてもいいんだぞ?」

あかり「もう! 京子ちゃんひどいよぉ! ねぇ、猫さんさっきみたいに話してくれないかな?」

猫?「だから僕は猫じゃないよ、キュゥべえって言う名前があるんだけどな」

ちなつ「!?」

結衣「うわっ!? し、喋った!?」

京子「なにこれ? どうやって喋らせてるの? あかりの腹話術?」プラーン

QB「僕の耳を持たないでくれないかい?」

京子「………」ジーーーー

QB「なんだい?」

3 : 以下、名... - 2015/10/25 00:47:38.52 e6HdgAJs0 3/395


京子「うぉぉぉぉぉ!? ほんとに喋ってるぅぅぅ!?」

QB「正確にはテレパシーだね」

京子「テレパシー? 頭の中で考えたことがわかるやつ?」

QB「そうだね、その認識でいいよ」

京子「すげぇ!! 結衣!! ちなつちゃん!! 私今超能力を使ってる!!」

あかり「京子ちゃん!? 何であかりを無視したの!?」

京子「あはは、ごめんごめん。ところであかり、この猫?をどこで拾ってきたの?」

あかり「え~っと、あかり今日日直だったんだけど、日直のお仕事が終わってごみを捨てに行くところで見つけたんだよ」

あかり「あかり、この子に話しかけられちゃってびっくりしちゃったけど、みんなにも見せたくて連れてきちゃったんだ。勝手に連れてきちゃってごめんね」ナデナデ

QB「気にしなくていいよ」

京子「あかり、ナイスだ!! こんな面白い生物を捕獲するなんて成長したな!!」

結衣「面白い生物って…… まあ、確かにこんな生き物見たことないな」

ちなつ「そうですね、一体なんなんでしょうね?」グニーン

QB「僕を引っ張らないでくれないかな?」

ちなつ「あっ、ごめんね」

京子「ちなちゅ~~、私の顔を引っ張ってもいいんだよ~~」グリグリ

ちなつ「うっとおしいです、離れてください」

京子「ひどっ!?」

4 : 以下、名... - 2015/10/25 00:49:01.64 e6HdgAJs0 4/395


QB「君達はにぎやかな人間だね、そろそろ僕の話を聞いてくれないかな?」

結衣「? 話?」

あかり「お話ってなぁに?」

QB「君達は皆魔法少女の才能を持っているんだ、だから僕と契約して魔法少女になってよ!」

京子「!?」

ちなつ「魔法少女? それってミラクるんみたいな?」

QB「ミラクるんは知らないけど、魔法少女というのは魔女と戦う使命を持った存在だよ」

結衣「魔女? それに戦うって…」

QB「もちろん君たちにもメリットはあるさ、魔法少女になるときに僕が君たちの願い事をなんでもひとつだけかなえてあげるよ」

ちなつ「!? なんでもってほんとになんでも?」グィッ

QB「そうだよ。なんだって構わないよ、どんな奇跡だって起こすことが…」

京子「私の願いはラムレーズン1年分!!」

結衣「ちょ!? 京子!?」

あかり「京子ちゃん!? そんな簡単に決めちゃっていいの!?」

京子「いいっていいって、ほらほら! 早く叶えてよ!」

QB「…ラムレーズン1年分だね。わかったよ、契約は成立だ。君の祈りはエントロピーを凌駕した」

5 : 以下、名... - 2015/10/25 00:50:29.53 e6HdgAJs0 5/395


京子「うっ… うあああ!?」

京子とQBを中心に強い光が輝き、京子が苦しみ始めた。

結衣「京子!? おい! お前京子に何をしてるんだ!?」

ちなつ「ま、まぶしい… 京子センパイ、大丈夫ですか!?」

あかり「京子ちゃん!?」

光が収まった後に、呆然とした顔の京子の周りにはラムレーズンのカップが大量に散らばり、京子の手には青色の宝石が収まっていた。

京子「えっ…? マジで願いが叶っちゃったの?」

QB「そうだよ。おめでとう、君はこれで魔法少女となった。さあ君の力を解き放ってごらん」

京子「ちょ、ちょ、ちょ… 結衣!! 私、魔法少女になっちゃったよ!!」

結衣「あ、ああ… 確かに願いは叶ったみたいだな」

京子「やべー! ほんとに願いが叶うんならもっとちゃんとした願いにするんだった!!」

ちなつ(ほんとに願いが叶った、だとしたら私の願いは結衣センパイと…)グフフ

あかり(ちなつちゃんが悪い顔をしてるよぉ…)

6 : 以下、名... - 2015/10/25 00:52:21.55 e6HdgAJs0 6/395


京子「で、キュゥべえだっけ? どうやったら魔法少女に変身できるの!?」

QB「君の持っているソウルジェムを使って変身するんだ、使い方はソウルジェムに意識を集中させてごらん」

京子「ソウルジェムってこれのこと?」

QB「そうだよ」

京子「ふむ… はぁぁぁぁ!」

京子が気合を入れるとソウルジェムが輝き京子の姿を包み込んだ。
光が消えて、京子の姿は魔女帽子を被ったミラクるんの服によく似た姿となっていた。

ちなつ「み、ミラクるんの格好…」

あかり「京子ちゃん、本当に変身しちゃった…」

結衣「マジか…」

京子「う、うおおおおおお!」

京子「はっ…、魔女っ娘京子ちゃん、華麗に登場!」キラリーン

京子「どうどう? 決まったでしょ?」

QB「いいんじゃないかな?」

京子「おお、わかってるねキミィ~」

結衣「お、おい京子。お前大丈夫なのか? さっきすごい苦しそうだったけど…」

京子「へ? 大丈夫だよ? むしろ絶好調みたいな? というか、魔女っ娘になれた今の私は今までの人生で一番幸せだよ!」

結衣「それならいいんだけど…」

7 : 以下、名... - 2015/10/25 00:53:55.71 e6HdgAJs0 7/395


結衣「そういえば… ねぇ、キュゥべえだっけ? 君はさっき魔法少女は魔女と戦うって言っていたけどそれはどういうことなのかな??」

QB「言葉通りさ、魔女と言うのは呪いから生まれた存在で普通の人間には見えないんだ」

QB「魔女は不安や猜疑心、過剰な怒りや憎しみ、そういう災いの種を世界に撒き散らしている存在なんだよ」

QB「魔法少女はそんな魔女と戦う為に、願いから産まれた希望を振りまく存在さ」

京子「おお~、それじゃあキュゥべえは愛と正義の魔法少女を探すために私達の元に現れたんだね」

QB「まあ、そんなところだね」

京子「それならば、この魔女っ娘京子ちゃんに任せたまえ! 悪さをする魔女はこの京子ちゃんが成敗してあげよう!」

QB「それは頼もしいね」

ちなつ「また調子に乗って…」

あかり「あはは、京子ちゃんらしいね」

京子「よ~し、それじゃあ今日のごらく部活動は、世界の平和を守るため魔女をやっつけに行くことに決定!」

結衣「お、おい京子!?」

京子「ほらほら、みんないくよ~~」ガラガラ

ちなつ「もう、勝手なんですから…」

あかり「京子ちゃんまってよ~~」

結衣「ほんとに大丈夫なのかな… って、京子! お前この大量のラムレーズンどうするんだよ!?」

京子「後で結衣ん家に持ってくからヨロシク~」

結衣「はぁ… わかったよ…」


斯くして魔女を探すために町に繰り出す京子たちであった。

8 : 以下、名... - 2015/10/25 00:56:06.52 e6HdgAJs0 8/395

1話終わり。
また書いてきます。それではー

9 : 以下、名... - 2015/10/25 03:39:31.74 e6HdgAJs0 9/395

2話


京子「って、魔女ってどこにいるの?」

結衣「私が知るわけ無いだろ… というかお前よくその格好で外歩けるよな」

ちなつ(私がミラクるんのコスプレして外歩いたときと同じくらい注目されてる…)

京子「よし、あかり。キュゥべえを見つけてきたみたいに魔女を見つけてくるんだ!」

あかり「無理だよぉ!」

しばらく当ても無く歩く4人。

京子「ねぇ、キュゥべえは魔女がどこにいるかわからないの?」

QB「魔女がいる場所の近くまで行けばわかるよ」

京子「おおっ、それじゃあ、魔女が現れやすい場所なんてないの?」

QB「そうだね、それより君のソウルジェムを使って探すほうがいいと思うよ」

京子「あの宝石? あれ、そういえばどこにいっちゃったんだ?」

QB「胸の中心に星型になっているものがソウルジェムだよ、少し意識を集中させてごらん、何かを感じないかい?」

京子「むむむ… あっ、へんな感じがする」

QB「魔力の痕跡を感じ取ったみたいだね、その感覚をたどっていけば魔女と出会えると思うよ」

京子「おお~、この宝石いろんなことできるんだね」

QB「そうだね、取り扱いには気をつけるんだよ」

京子「わかってるって~~」

10 : 以下、名... - 2015/10/25 03:41:15.96 e6HdgAJs0 10/395

京子「えへへ、ねぇみんな、私の魔法すごいでしょ?」

結衣「まあ、確かにすごいな」

ちなつ(今までの出来事を見ても、このキュゥべえが願い事を叶えられるのは確定的。今日帰ったらこの子を呼んで結衣センパイが私の事を好きになってくれるように願いを…)グフフフフ

あかり(またちなつちゃんすごい悪い顔をしてる…)

京子「おーい、ちなつちゃん。どうどう? 私の魔法、かっこいいでしょ? 惚れちゃった?」

ちなつ「惚れないです。ほら、さっさと魔女とやらを探すんでしょう。無駄口聞いてないで足を動かしてください」

京子「ひ、ひどい…」

あかり「あはは、とってもかっこいいしかわいいよ京子ちゃん!」

京子「あかりぃ~、お前は本当にいい子だなぁ」

4人はそのまま話しながらしばらく歩いたところで人気の無い公園に辿り着いた。

京子「なんかこの公園から変な気配を感じる」

ちなつ「ちょっと、寂れすぎじゃないですかここ… ものすごく寒気がするんですけど」ギューーーー

結衣「痛っ!? ち、ちなつちゃん、腕握りすぎ」

あかり「き、京子ちゃん。やっぱりやめておいたほうがいいんじゃ…」

京子「うっ… ここまで来て引き下がれるかってんだ! さあ、キュゥべえ、魔女はどこ!?」

QB「…これは魔女ではないね。使い魔の気配だ、その鉄棒のところに結界の入り口があるよ」

結衣「使い魔? 結界?」

QB「そうだよ、魔女から分裂して産まれる存在さ。成長すると分裂もとの魔女と同じ存在となるし、使い魔も人を襲うんだ」

QB「結界というのも、魔女や使い魔は自分の領域を持っていていつもは常に結界に隠れ潜んでいるんだよ」

京子「ふむふむ、それじゃあ、使い魔も魔女と同じで悪い奴なんだね。それならばこの京子ちゃんがこらしめてやらないといけないな!」

京子「それでその使い魔の結界ってどうやって見ればいいの?」

QB「使い魔の結界を開くためには魔力を使ってこじ開ければいいよ、その付近でソウルジェムに集中してごらん」

京子「むむむ… あっ、何か変な模様が浮かび上がって…」

QB「それが使い魔の結界だよ」

京子「よぉ~し、それじゃあ、みんな私に続け~~!」

11 : 以下、名... - 2015/10/25 03:43:36.51 e6HdgAJs0 11/395

京子が叫ぶと共に4人は光に包まれ使い魔の結界に閉じ込められた。

京子「えっ?」

あかり「な、なにここ?」

ちなつ「」ガタガタガタガタ

結衣「ち、ちなつちゃん、腕痛いって!」

使い魔の結界は赤く歪んだ風景で、4人の周りには茨のような鉄線が張り巡らされており、遠くのほうから人間の声とは思えないような声が近づいてきていた。

京子「えっ? えっ? これ何?」

QB「京子、使い魔が近づいてきている。速く戦闘準備をするんだ」

京子「戦闘準備って… まずは話し合いから」

QB「何を言っているんだい? 話なんて出来るわけないじゃないか」

京子「へ? だって魔女や使い魔も最初は悪い奴だけど話し合ってその内いい奴になるんだよね?」

QB「君が何を言っているかわからないけど、なんでもいいから早く武器を作り出さないとまずいよ。使い魔はもうすぐそこまで来ているんだ」

京子がいまだに状況を理解できないでいるうちに、周りにある鉄線が動き始め京子たちに向かい動き始めた。その先端にはハサミの様なものが付いており意思を持ったように京子たちに近づいてくる。

あかり「ひっ!? な、なにこれぇ!?」

京子「う、嘘、なんなのこれ?」

いつの間にか周りにはひげを生やした白く丸い物体がおり、京子たちを取り囲んでいた。
その数は多くはなかったがちなつは使い魔を見た瞬間気絶してしまった。

ちなつ「」

結衣「ちなつちゃん!?」

12 : 以下、名... - 2015/10/25 03:45:18.27 e6HdgAJs0 12/395

QB「まずいよ! 京子、早く戦うんだ!」

京子「だ、だって、こんなの聞いてないよ… 戦うなんてどうやって…」

QB「君には戦う力があるはずだ、イメージするんだ使い魔を倒せる武器を」

京子「武器って… そんないきなり言われても…」

京子とQBが話していたが回りで蠢いていた鉄線がついに京子たちに向かって攻撃を開始した。
鉄線が最初に向かった先には恐怖で顔を引きつらせたあかりがおり、あかりは鉄線の先についていたハサミで腕を切りつけられてしまった。

あかり「きゃあああ!」

京子「あかりっ!?」

結衣「あかり!!」

あかり「い、痛いよぉ…」

京子「お、お前らよくもあかりを」

京子はあかりを傷つけられ怒りに満ちた目で使い魔を睨んだ、その時には無意識で右手にミラクるんが持っているようなステッキを作り出していた。
そして、再び鉄線があかりに向かい動いたときに京子はステッキを掲げ叫んだ。

京子「やめろーーー!」

京子が掲げたステッキから吹雪が巻き起こり、襲い掛かってきた鉄線は全て凍りついていた。そして、使い魔のほうを見ると使い魔たちも全て凍りついており、京子たちの周りは氷壁で囲まれていた。

京子「こ、これって、私が?」

呆然とする京子だったが、しばらくすると氷の壁にひびが入りそのひびはどんどん大きくなっていった。
そして次の瞬間氷壁は砕け散り、中にいた鉄線も使い魔も粉々に砕け散った。

いつの間にか使い魔の結界もなくなり、元の公園に戻ってきた京子だったがあかりの呻き声を聞き意識を取り戻した。

あかり「うぅ…」

京子「あ、あかりっ! 大丈夫!?」

結衣「あかりっ! よかった、かすり傷だったか。それでも早く手当てしなきゃ…」

QB「おめでとう、京子。何とか使い魔を倒せたようだね」

QBは京子に話しかけていたが、京子たちはあかりが他に怪我をしていないか確認し続けQBの言葉は耳に入らなかった。
幸いあかりはかすり傷程度だったが手当ての為に学校に戻ることになった。

13 : 以下、名... - 2015/10/25 03:46:27.03 e6HdgAJs0 13/395

ごらく部


京子「あかり… 本当に大丈夫?」

あかり「うん、保健室で手当てもしてもらったしもう大丈夫だよぉ」

京子「ごめんね… 私が魔女退治をしようなんて言わなければ…」

あかり「だ、大丈夫だよぉ、確かに怖かったけどみんな無事だったんだし」

京子「あかりは無事じゃなかったじゃん…」

あかり「え、え~~っと… それじゃあ、あかりにこのラムレーズン3個頂戴、それで許してあげるから!」

京子「あ、あかりぃ…」グスッ

結衣「あかりがこう言ってくれてるんだ、お前ももう落ち込むなよ」

結衣「だけど、もう魔女退治なんて危ないことは駄目だぞ。後少し調子に乗りすぎたことを反省するんだぞ」

京子「うん… 本当にごめんね、あかり」

京子があかりにもう一度謝ったところで部室のドアが勢いよく開かれて二人の女生徒がごらく部にやってきた。

綾乃「歳納京子―ッ! もう下校時間はとっくに過ぎているわよ! って、あら? ど、どうしたのこの空気? 歳納京子? 泣いてるの?」オロオロ

千歳「あらあら~?」

京子「綾乃… ううん、泣いてなんかないよ! って、もうこんな時間じゃん、ちなつちゃんも起こして帰らないとね」

14 : 以下、名... - 2015/10/25 03:47:06.69 e6HdgAJs0 14/395

綾乃「歳納京子?」

千歳「吉川さんはお休み中? 珍しいなぁ~」

結衣「あ、ああ。今日はちょっと色々あってね。私達もすぐ帰るから!」

綾乃「? 船見さん? 後ろに何か持っているの?」

京子「あー、綾乃! 今日はもう私達帰るから!」

綾乃「ちょ、ちょっと押さないでよ」

千歳「あらら~?」

京子は二人をごらく部の外に連れ出して無理やり帰らせる。

綾乃「もう、ちゃんと下校時間は守りなさいよね!」

京子「わかってるって、心配して来てくれてありがとね綾乃」

綾乃「な、別にそういうわけじゃないわよ!」

千歳「ふふふ~」

京子「それじゃ、またね二人ともー」ガラガラ

京子「ふぅ… 危なかった」

結衣「あの二人にキュゥべえを見られたらまずいよね」

QB「僕が見つかったら駄目なのかい?」

結衣「まあ、あの二人なら部室でペットを飼っていても許してくれそうだけど、流石に立場があるだろうしね」

QB「? よくわからないけど、あの人間二人には僕は見えないし大丈夫だよ」

京子「……色々聞きたいことがあるけど、今日はもう帰るから明日聞くことにするよ。キュゥべえはその押入れに隠れてて」

QB「わかったよ。それじゃあ、しばらくはこの建物に住ませて貰うとするよ」


その後、ちなつが目を覚まし再び一悶着があったが4人は帰路に着いた。

15 : 以下、名... - 2015/10/25 03:47:39.98 e6HdgAJs0 15/395

2話終わり。

17 : 以下、名... - 2015/10/25 10:51:43.98 jQHxNjrv0 16/395

QBの耳ってどこだよww

18 : 以下、名... - 2015/10/25 11:49:09.10 e6HdgAJs0 17/395

3話


次の日 ごらく部


結衣「それじゃあ、キュゥべえ、色々話してもらうよ」

QB「何を聞きたいんだい?」

京子「昨日のことだよ! 使い魔があんなとんでもないお化けだ何て話が違うじゃん!」

QB「? ちゃんと説明したじゃないか、魔女や使い魔は呪いから産まれた存在で人間を襲うんだ。君は魔女や使い魔と戦うための使命をその身に宿したんだ」

京子「わ、私はライバるんみたいな敵が出てくるんだって思っていたのに…」

QB「何のことかわからないけど使い魔は昨日君が見た通りの姿をしているよ」

京子「そ、それじゃあ、魔女もあんな怖いお化けなの?」

QB「魔女の姿はそれぞれだからなんともいえないね」

京子「…………」

結衣「…京子は君と契約をしたけど、魔女や使い魔があんなに恐ろしい相手だなんて思ってなかったんだ。君には悪いけど魔女退治はできそうにないよ」

京子「結衣…」

QB「それは困ったな、魔女を放っておく事は出来ないんだけど」

QB「京子、君は魔女退治を行うことはこれから出来そうにもないのかい?」

京子「うん… あかりだって怪我させちゃったし… それに私、あんな怖い目にはもう…」

あかり「京子ちゃん…」

QB「そうか、君の気持ちはわかったよ。残念だけど僕だって無理強いは出来ないしね」

19 : 以下、名... - 2015/10/25 11:49:58.47 e6HdgAJs0 18/395

QB「結衣、あかり、ちなつ、君たちはどうする? 君たちが契約して魔女と戦ってくれるなら僕はそれでもいいんだけど」

結衣「ごめん、私も出来そうにないよ…」

ちなつ「私も…」

あかり「あかりも無理だよ…」

QB「それは残念だ、だけど仕方ないね」

京子「ごめんね、契約しちゃったのに…」

QB「気にしないでいいよ。だけど京子、君は魔法少女の力を身につけたんだ、また気が変わったら僕を呼んでくれればすぐ駆けつけるからね」

京子「うん、ありがとうキュゥべえ」

QB「君たちも契約する気になったらいつでも僕を呼んでくれればいいよ」

結衣「魔女と戦わないのに契約は出来ないよ、京子のことは本当にごめんね」

QB「こっちこそ巻き込んですまなかったよ、それじゃあ僕はまた僕との契約を必要としてる子を探しに行くよ」

京子「うん、それじゃあね…」

ごらく部を出て行くQBを4人は見送りQBの姿が見えなくなるまで京子は手を振っていた。

京子「いっちゃったね…」

結衣「ああ、なんと言うかあっという間すぎて夢じゃないかって思うくらいだよ」

ちなつ「でも、ちょっともったいなかったですね。なんでも願いが叶うのは魅力的だったなぁ」

結衣「戦う気もないのに契約するなんてキュゥべえにも迷惑がかかっちゃうよ、京子はもっと考えて行動しないと駄目だぞ」

京子「反省しております…」

あかり「でも、よかったね。魔女退治しなくてもよくなって、またあんなに怖い体験を京子ちゃんにしてほしくなかったし」

京子「うわあああ! あかりぃぃ! お前はどこまで良い子なんだよぉぉぉ!」グリグリグリ

あかり「きゃあ! くすぐったいよ京子ちゃん~~~!」

ちなつ「あはは」

それから4人は京子の魔法を見たり、キュゥべえの話をしたりしていたが1週間する頃には魔法関係の話は殆どしなくなっていた。
京子もあかりに怪我をさせた後ろめたさもあって、魔法を殆ど使わずに生活をしていた。

京子のソウルジェムは徐々にその色を曇らせていったが、京子は特に気にもしなかった。

20 : 以下、名... - 2015/10/25 11:51:30.21 e6HdgAJs0 19/395

2週間後 結衣の家


ピンポーン

結衣「はーい」ガチャ

京子「来たよん!」

結衣「はいはい、早く上がれよ」

京子「なんだよ~、久々の連休を結衣ん家で過ごすってのに冷たいなぁ」

結衣「…お前もしかしてこの3連休ずっと私の家に泊まる気なのか?」

京子「あったりまえじゃん!」

結衣「…………」

京子「ああっ、ドアを閉めないでっ」

その後、結衣の家に上がってゲームをしたり漫画を読んだりしてごろごろしていた京子が結衣に言った。

京子「あれ、この漫画続きないの?」

結衣「ああ、そういえば最近それ買ってないな」

京子「そっか、それじゃ買ってくる」

結衣「お前、もう8時だぞ… 近くの本屋って言っても結構距離あるんだから、明日でいいだろ…」

京子「今続きが読みたいんだよ! ダッシュで行けば買ってこれるから平気だって」

結衣「はぁ、それじゃこれ自転車の鍵」ポイッ

京子「サンキュー、結衣。それじゃ、ちょっとひとっ走りしてくるねー」ガチャ

結衣「気をつけろよー」

京子が出て行きしばらくして結衣は机の上に京子の財布とソウルジェムが置きっぱなしになっていることに気が付いた。

結衣「京子の奴… 財布忘れてどうするんだよ…」

結衣「………あいつなんで電話に出ないんだ?」プルルルルプルルルル

結衣「仕方ない、少し走れば間に合うだろうし届けてやるか」

21 : 以下、名... - 2015/10/25 11:54:10.93 e6HdgAJs0 20/395

京子の財布とソウルジェムを持って部屋を出る結衣。
結衣は少し走り始めた所で、見覚えのある姿を発見した。
京子が道で倒れていた。

結衣「京子!?」

結衣「おい! しっかりしろ京子! どうしたんだよ!?」

京子は自転車に乗っているときに転んだのか擦り傷だらけになっていた。
だがそれ以上に、結衣は京子の異変を感じ取っていた。
京子は息をしていなかった。

結衣「嘘、だろ… 京子…」

結衣「ま、またいたずらか? やめてくれよ京子… 性質悪いぞこんないたずら…」

結衣は京子を起こそうとするが京子は力なく結衣にもたれかかって来る。
その時に、結衣は京子の脈も止まっていることに気付いてしまった。

結衣「や、やだ… なんで? どうして?」

結衣「嫌だよ京子… 目を開けてよ、起きてよ…」

自然に結衣の目から涙が零れ落ち、京子を揺さぶるが京子は何の反応も示さず揺さぶられ続けていた。

結衣「あ、あああ… うわぁぁぁぁん、嫌だよ京子!! ねぇ、起きてよ!! ねぇっ!!」

結衣が叫び声を上げ京子を呼んだその時、京子の目がパチリと開き結衣と目が合った。

京子「あれ? 結衣? って、どうしたの!? めっちゃ泣いてる!?」

結衣「………えっ?」

京子「ど、どうしたんだよ? 何があったの?」

結衣「京子…? 生きてるの?」

京子「はぁ? 私ピンピンしてるよ? って何だこりゃー!? 身体がズキズキする!」

結衣「よ、よかった… 本当によかった…」

京子「よくないし! 京子ちゃんの完璧ボディがこんなに傷だらけにっ、あー、自転車で転んじゃったのか」

京子「それにしても… プププ、結衣ってば私を心配して泣いちゃったの? 私ってば愛されてるぅ~~ …あれ? 結衣?」

京子は最初結衣をからかっていたが、結衣の様子がおかしいことに気付き結衣の顔を覗き込んだ。
結衣の顔は涙と鼻水でぐちゃぐちゃになっていたが、安堵の表情を見せていた。

京子「ちょ、ちょっと結衣? ガチ泣きしてんじゃん!? ほんとにどうしたの!?」

結衣「だ、だっで… ぎょうごがぁ…」

京子「と、とりあえず、家に帰ろ? ほら、立てる?」


京子は結衣の手を引き立たせ、そのまま結衣の家に戻った。
結衣の持っている京子のソウルジェムはまた少し色を濁らせていた。

22 : 以下、名... - 2015/10/25 11:56:20.15 e6HdgAJs0 21/395

3話終わり。
>>17 耳から生えてる耳毛みたいな奴です

25 : 以下、名... - 2015/10/25 19:14:14.35 e6HdgAJs0 22/395

4話


結衣の家


京子「結衣、落ち着いた?」

結衣「うん… いや、私のことより京子、お前は大丈夫なのか!?」グワッ

京子「近い近い! そりゃ、自転車で転んじゃったから大丈夫とはいえないけどこんなのかすり傷だって」

結衣「違う! お前さっき息してなかったし、脈もなかったんだぞ!?」

京子「………え? またまた、結衣さんや私はこの通りピンピンしてますよ?」

結衣「馬鹿! 本当にお前死んでたんだぞ!? そうだ、こんなことしてられない… 救急車を呼ばないと…」

京子「ちょ、ちょっと大げさだって」

結衣「大げさなことあるか! 打ち所が悪かったかもしれないんだぞ? こういうのは早く精密検査しておかないとまた…」

京子「ちょっとちょっと! ほんとに呼ぶ気!? 大丈夫だって!」

しばらくは結衣との押し問答を繰り広げていた京子だったが、結衣の有無を言わせぬ迫力で押し通され京子の親を呼び救急病院に行く事となった。

京子母「結衣ちゃん、本当にごめんなさいね、うちの馬鹿娘が迷惑をかけて。ほら、あんたも謝りなさい!」

京子「へーい、ごめんね結衣―、少し診てもらってくるよー」

結衣「結果がわかったら連絡をくれよ? お前、本当に大変だったんだからな?」

京子「結衣… うん、わかったよ。ちゃんと連絡もするし、もうそんなに心配しなくても大丈夫だよ」

結衣「ん。あ、そうだ。これお前の財布とソウルジェムだよ、お前これを忘れていって届けにいったところで見つけたから返すのを忘れてたよ」

京子「おおぅ、何から何まで… そっか、もしかしたらソウルジェムが私のピンチを結衣に伝えてくれたのかもしれないね」

結衣「ん、そうかもしれないな。そうだとしたらキュゥべえに感謝しないといけないよな」

京子「うん。あ、それじゃそろそろ行くね。また連絡するからね」

結衣「ああ、それじゃあまたな」

京子はそのまま母親に連れられ救急病院に行き精密検査を受けた。
精密検査の結果は異常なし、健康体との診断が出て京子は家に帰ってきた。

26 : 以下、名... - 2015/10/25 19:17:17.53 e6HdgAJs0 23/395

京子の部屋


京子『そんで検査結果はなんの問題もなしだったよ』

結衣『はぁ~~~~、ほんとによかった… 一時はどうなる事かと…』

京子『心配かけさせちゃってごめんね。ほんと結衣にはお世話になりっぱなしだよね…』

京子『この前のキュゥべえに私が魔女退治が出来ないって言ってくれたのも私のことを想ってくれてのことだよね?』

結衣『…まあ、お前に戦いなんて無理だと思ったしな。それにお前が傷つくところなんてみたくないし』

京子『………いつもありがとね結衣』

結衣『ふふっ、今日はやけに素直だな京子』

京子『う、うっせー! それじゃまたね! 切るよ!』

結衣『うん、おやすみ』

結衣との電話を切り、ベットに横になり天井を見ながら京子は物思いにふけっていた。

京子(結衣のあの慌てよう、私ほんとに死んでたのかも知れないな)

京子(結衣が起こしてくれなかったら私そのまま目を覚まさなかったのかも…)

京子(なんかお姫様みたいで恥ずかしいな、それなら結衣は王子様かな? なーんてね)

京子が体勢を変えたときに机の上においてあるソウルジェムが目に入った。

京子(そういえばソウルジェムと財布を忘れたから結衣が来てくれたんだよね)

京子(私のお守りになってるのかもしれないな。そうだとしたらキュゥべえにもお礼を言いたいな)

京子(キュゥべえはいつでも呼んでもいいって言ってたし呼んでみよう。契約をしたのに魔女との戦いを逃げちゃったこともちゃんと私の口から謝らないといけないし)

27 : 以下、名... - 2015/10/25 19:19:00.60 e6HdgAJs0 24/395

京子「キュゥべえ~~、いる~~?」

京子がQBの名前を呼んでしばらくすると窓の外にQBの影が映し出され声が聞こえてきた。

QB「呼んだかい? 僕を呼んでくれたと言うことは気が変わったのかな?」

京子「おお、久しぶりだねキュゥべえ~、気が変わったわけじゃないんだけど今日はお礼を言いたくて呼んだんだよ」

QB「お礼?」

京子「うん、このソウルジェムのおかげで今日私の命が助かったみたいでさ、そのお礼を言いたくてね」

QB「そうなのかい? ソウルジェムを使って助かったのなら僕に礼を言う必要はないさ。それは君の魂なんだから、君は自分の力を使って助かったと言うことだよ」

京子「私の魂? なんかロマンチックなこと言うねぇ」

QB「そうかな? よくわからないけど」

京子「あはは、キュゥべえって面白いね」

京子「あ、それと、あの時は私の口からちゃんと言えなかったけど、契約したのに魔女退治から逃げちゃってごめんね。あの時私も混乱しててさ、ちゃんと謝りたいと思ってたんだ」

QB「気にする必要はないさ。魔女を倒すのも魔法少女次第だからね、君が気に病む必要はまったくないよ」

京子「…ありがとね、なんかすっきりしたよ」

QB「それならよかった、それで他の3人の様子はどうだい? 僕と契約してくれる気になった子はいないのかな?」

京子「ん~、みんな契約しないんじゃないかな? 最近は魔法のことは私があんまり話さないからごらく部でも話題に上がることも少ないし」

QB「それは残念だな。まあ、また契約したくなったら呼んでくれればすぐ駆けつけるって伝えておいてもらえるかな?」

京子「あはは、キュゥべえってそればっかだね。わかったよ、またみんなには話しておくね!」

QB「よろしく頼むよ京子」

28 : 以下、名... - 2015/10/25 19:21:33.39 e6HdgAJs0 25/395

少し会話が途切れ、京子は何気なく自分のソウルジェムを見てふと気付く。

京子(そういえばこのソウルジェム、キュゥべえに貰った時と比べて色が濁ってる)

京子(なんでだろ? 聞いてみよっかな)

京子「ねぇ、キュゥべえ」

QB「どうしたんだい?」

京子「このソウルジェムってさ、最初に貰ったときに比べて色が濁ってるんだけど、なんで?」

QB「それは今日までに魔力を使っていたからさ、ソウルジェムは魔力を使うことによって少しずつ穢れを溜め込むんだ」

京子「へぇ~、それじゃあこれって私のMPみたいなものなんだ。ソウルジェムの色が真っ黒になっちゃったら魔法は使えなくなっちゃうってことかな?」

QB「…まあ、そうだね」

京子「そっかー、何か回復する方法ってないの?」

QB「ソウルジェムの穢れを取る方法は魔女が落とすグリーフシードを使うしかないよ。グリーフシードを使うことによって魔法少女はソウルジェムの穢れを払って、再び魔法を使うことが出来るんだ」

京子「へぇ~、魔法を使うには魔女を倒さないとそのうち使えなくなっちゃうのか… でも、私は魔女と戦えそうにもないし…」

京子「まあ、残念だけど使えなかったら使えなかったで仕方ないよね。残りの使える分で何かしようと思うよ。あ、私が魔法を使えなくなったらソウルジェムは返したほうがいいの?」

QB「いや、それは君のものだし返す必要なんてないよ」

京子「そっか… それじゃ、大事にするね!」

QB「そうだね、大事にしてもらえると僕も助かるよ」

京子「あはは、やっぱりキュゥべえって面白いね。そういう時は嬉しいよとかでしょ? キュゥべえってたまに変な言葉遣いになるよね」

QB「そうなのかい? それじゃあ、嬉しいよ」

京子「あはははは、ねぇねぇ、またこうやって話したいんだけど呼んでもいいかな?」

QB「僕は構わないよ、いつでも呼んでくれればいいさ」

京子「ありがと! それじゃ、また話したいときに呼ぶね。今日はありがとね!」

QB「うん、それじゃあ僕は行くね。またね、京子」

京子「バイバーイ」

QBはそう言うと窓から外に出て行きあっという間に姿が見えなくなった。
京子はQBが消えるのを見送った後に、明日の予定を考え始めた。

京子(明日は結衣ん家に行って、また今日のお礼を言っておかないとね)

京子(お土産に奮発しておいしいケーキでも買っていってあげるか)

京子(そうだ、私の魔法で作り出した氷を使ってのかき氷なんかも面白いかも)

京子(でも何で私の魔法って氷なんだろ? もしかしてラムレーズンを願って契約したからそうなったのかな?)

京子(だとしたらラムレーズンも出せちゃう!? あー、でも願った1年分のラムレーズンを食べ過ぎちゃったし、しばらくは食べなくてもいいかな)

京子(まあ、魔法を最後に使うときはみんなにも見せる為に何か考えておかないとね!)


明日のことを考えながら、京子は結衣に持っていってあげるケーキをどれにしようか迷い、あげたときの結衣の顔を想像しながら笑顔で眠りに落ちていった。

京子の青いソウルジェムはまた少し色を落とし、黒に近づいていた。

29 : 以下、名... - 2015/10/25 19:24:12.03 e6HdgAJs0 26/395

4話終わり。

32 : 以下、名... - 2015/10/26 01:52:54.00 nF71pKj40 27/395

5話


5日後 ごらく部


京子「うー、なんかだるい」グダー

結衣「…………」

あかり「大丈夫? 風邪でも引いちゃった?」

京子「ちゃんと手うがしてるし熱もないんだけどなー」

ちなつ(懐かしいなー、手うが)

京子「なんかもやもやすんだよね、心の病気みたいな?」

結衣「まさかこの前の後遺症ってことはないよな…?」

あかり「後遺症?」

京子「おお~~っと、結衣さんや! それは私らの秘密ですぜぇ」

結衣「あっ」

京子と結衣はあかり達に心配かけさせない為に京子が死に掛けたことは秘密にしていた。

ちなつ「ちょっと京子先輩、結衣先輩と秘密を共有なんてうらやましい… 何を隠しているんですか?」

京子「なんでもない、なんでもないよ?」

結衣「そうだよ、なんでもないんだよちなつちゃん」

ちなつ「あやしい…」

結衣「そうだ、ちなつちゃんのおいしいお茶が飲みたいな」

ちなつ「! すぐ入れてきますねっ!」

京子(結衣、ナイス)グッ

33 : 以下、名... - 2015/10/26 01:55:16.99 nF71pKj40 28/395

ちなつがお茶を入れに行き、全員分を持って帰ってきてそれぞれに配り、京子はそのお茶をちびちびと飲み始めた。

京子「おいちい」グダー

あかり「ほんとに京子ちゃん今日はだるそうだよね」

京子「ん~、なんだろ? 変な感じなんだよねぇ」グダー

結衣「………今日はお茶を飲み終わったら帰ろっか」

ちなつ「ええ~… まあ、京子先輩がこの状態じゃ仕方ないですよね」

あかり「そうだね、京子ちゃん無理しちゃ駄目だよ?」

京子「すまないねぇ…」グダー

あかり達と別れ、京子と結衣は帰り道を歩いていた。

京子「もう、私は大丈夫だって。家まで付いてこないでも大丈夫だよ」

結衣「念のためだ、それにお前気が付いてないのか? ここ数日少しずつ顔色が悪くなっているんだぞ?」

京子「へ? そうなの?」

結衣「ああ、何か心当たりとかはないのか?」

京子「ちゃんと手うがもしてるし、風邪引くような薄着もしてないんだけどな~」

京子「あ、最近キュゥべえと夜結構話して遅くなってるから寝不足なのかな?」

結衣「キュゥべえと話してるのか? というか、キュゥべえは違う魔法少女を探しに行ったんじゃなかったっけ?」

京子「なんか呼んだら来てくれるよ。お~い、キュゥべえ~、出ておいで~」

QB「呼んだかい?」

結衣「うわっ!?」

京子「ほらね」

34 : 以下、名... - 2015/10/26 01:59:02.55 nF71pKj40 29/395

QB「やあ、京子。おや? 今日は結衣も一緒にいるんだね」

QB「結衣、あれから考えは変わったかい? 願い事があるなら僕が力になるよ?」

結衣「いや、戦う覚悟もないし、願い事を叶えて貰うわけにはいかないよ」

京子「うっ」グサッ


QB「そうか、残念だよ。ところで京子、今日はどうしたんだい? いつもより早い時間に呼び出して」

京子「いや~、結衣とキュゥべえの話しになってね、いつもキュゥべえは呼んだらどこからともなく現れるから結衣に見せる為に呼んだんだよ」

QB「そうなのかい? それならいいけど、用はそれだけなら僕はもう行くよ?」

結衣「あっ、キュゥべえは毎日京子と話してるのかな? こいつ最近調子悪そうで何か心当たりはないかな?」

QB「それは恐らく魔力が減ってきているからだね」

結衣「えっ?」

QB「京子は魔女を狩らずに魔力の補給を一切していないから魔力がなくなっていくのは当然のことさ。そして魔力が減ると当然体調にも影響は出てくる、京子が調子悪くなってきているのはその為だね」

京子「うぇ~、マジか… それじゃあ、私どんどん体調悪くなっていっちゃうの?」

QB「ソウルジェムが黒く濁りきったらそれもなくなるよ」

京子「そっか、もうぱぱーっと魔力を使い切ってMP0にしちゃおうかな? あー、でも最後に魔法を使うときは生徒会のみんなにも驚かせたいし… どーしよっかなー」

結衣「…………」

結衣「あのさ、ソウルジェムが黒く濁りきるってどういうことなの?」

QB「京子の魔力がなくなった時が当てはまるね。京子流に言えばMPが0になるってことさ。その状態になるともう魔法は使えないよ」

35 : 以下、名... - 2015/10/26 02:01:17.71 nF71pKj40 30/395

結衣「…それって大丈夫なの?」

QB「どういう意味だい?」

結衣「今でさえこんなに体調が悪そうなのに、それが魔力不足が原因って事なら魔力がなくなった時に京子がもっと体調を悪くするかもしれないじゃないか」

京子「結衣? どうしたの?」

結衣「お前の事が心配なんだよ! この前もお前は死にかけたんだし、立て続けに体調が悪くなってきたんだ心配もするだろ!」

京子「結衣…」

QB「そういうことなら心配はいらないよ、魔力がなくなった魔法少女を僕はたくさん見てきたけど彼女達は魔力がなくなった後は体調を気にすることもなくなっているよ」

QB「それに京子の体調を元に戻したいのなら君が僕と契約をすればいい、僕と契約すれば京子の魔力を元に戻すことなんて簡単なことさ」

結衣「そうなんだ… それならいいんだけど」

結衣「契約のことも考えておくよ…」

QB「うん、宜しく頼むよ」

京子「えへへ、なんか結衣にここまで心配されちゃうと体調を崩したのもよかったって思っちゃうな」

結衣「…馬鹿、人の気も知らないで」

QB「それじゃあ、僕は行くね。またね、京子、結衣」

京子「うん、バイバイ、キュゥべえ」

結衣「…またね」

その後、結衣は京子を家まで送り届けた後帰宅した。
京子が体調不良で寝込んでしまうのはその2日後の事だった。

36 : 以下、名... - 2015/10/26 02:03:32.31 nF71pKj40 31/395

2日後 結衣の部屋


結衣(京子が寝込んでしまった… お見舞いにも行ったけどかなり体調が悪そうだった…)

結衣(もしかしたら、あのときの後遺症が… そうなるとまた京子は…)

結衣(あんな京子を見るのは絶対に嫌だ)

結衣「キュゥべえ、いる?」

結衣がQBを呼んでしばらくすると結衣の背後から声をかけられ結衣は驚き叫び声をあげてしまった。

QB「呼んだかい?」

結衣「うわあ!? び、びっくりした… もっと普通にドアをノックして入ってくるなりしてくれよ」

QB「それはすまないね、次からはそうするようにするよ。それで今日はどうしたんだい?」

結衣「実は君と契約をする為に呼んだんだ」

QB「それは魔法少女の使命を受け入れると考えていいのかな?」

結衣「うん、あのお化けと戦うのは怖いけど、私は京子がこれ以上苦しむのを見たくないんだ」

QB「その言葉は本当かい? 君はその祈りの為に魂を賭けられるのかな?」

結衣「…大丈夫、京子の為なら私は戦える」

QB「わかったよ、それじゃあ君はどんな祈りでソウルジェムを輝かせるのかい? 教えてごらん」

結衣「私の願いは京子が元気になってくれること、苦しんでいる京子なんて見たくない、元気な京子に戻ってほしいんだ」

QB「契約は成立だ。君の祈りはエントロピーを凌駕した」

結衣「うっ… ああああぁぁぁ…」

京子の時と同じように結衣とQBを中心に強い光が輝き、光が収まると結衣の手にはダークイエローのソウルジェムが乗っていた。

37 : 以下、名... - 2015/10/26 02:05:09.77 nF71pKj40 32/395

結衣「これが私の?」

QB「そうだよ、これで君も魔法少女だ。京子の体調も元に戻っているだろう、連絡を取ってみたらどうかな?」

結衣「うん、ありがとうキュゥべえ… 今から京子の家に行ってくるよ」

QB「礼には及ばないよ、京子の家に行くなら僕も付いていくとするよ」

結衣「そうだね… あっ、京子には私が魔法少女になったのは言ってもいいけど、魔女と戦うって決めたことは内緒にしてもらえる?」

QB「なぜだい? どうせなら京子と協力して魔女を倒せばいいじゃないか? 君たちなら協力して戦えそうだけど?」

結衣「京子が自分の為に私が戦いを受け入れたって知ってしまったら京子も一緒に来てくれるだろうけど、私は京子には危ないことをしてほしくないんだ」

結衣「それに京子に無駄な心配もかけさせたくないしね」

QB「君はよくわからないね、京子の心配をするのに、京子が君の心配をするのは駄目なのかい? どちらも変わらない様に思えるけど」

結衣「そういうものなんだよ、キュゥべえにもいるでしょそんな相手」

QB「僕にはいないね、そういった相手は」

結衣「そっか、それならこれから見つかると思うよ。キュゥべえにも大事な人が」

QB「見つからないと思うけどな、そんな相手は」

結衣「もう、なんだよ。キュゥべえって結構頑固なんだな。出会いなんてどこであるかわからないんだからきっとあると思うよ」

QB「わかったよ、それならその出会いというのを楽しみにしてみようと思うよ」

結衣「ふふっ、京子がキュゥべえは面白いっていってたけどちょっとわかったかもね」ナデナデ

QB「面白いかな?」

結衣「うん」ナデナデ


QBをなでていた結衣は京子の家に行く準備をしてからQBを胸に抱え京子の家に向かい出発した。
京子の家に着いた結衣は、到着すると同時に家から飛び出してきた京子を見て苦笑する。
その後京子の部屋で、魔法少女になったことを話したり取り留めのないことを話しながら京子が元気になったことを喜んでいた。

京子の机に青色とダークイエローのソウルジェムが寄り添うように並び、その色は曇りなく輝いていた。

38 : 以下、名... - 2015/10/26 02:07:00.71 nF71pKj40 33/395

5話終わり。

42 : 以下、名... - 2015/10/27 00:19:19.75 96Z7DT7A0 34/395

6話


3日後 ごらく部


京子と結衣はすぐ帰ってしまい、部室ではあかりとちなつが話していた。

ちなつ「う・ら・や・ま・し・い~~~」

あかり「ど、どうしたのちなつちゃん?」

ちなつ「結衣先輩と京子先輩のことよ! あの二人学校でここ数日ずっと一緒にいるじゃない!」

あかり「確かにそうだね~、京子ちゃんの看病とかしてた日も入れたら1週間くらいずっと付きっきりで一緒にいるよね」

ちなつ「キーーーーー! うらやましいいぃぃ…」ワナワナワナ

あかり「ひぃっ!?」

ちなつ「こうなったら私も風邪を引いて結衣先輩に看病をしてもらうしか…」ヌギヌギ

あかり「ちなつちゃん!? いくら部室って言ってもぬいじゃ駄目だよ!?」

ちなつ「冗談はこれくらいにして」

あかり(本気にしか見えなかったよ…)

ちなつ「ねぇ、あかりちゃん。結衣先輩って最近忙しいみたいだけど何してるのかな?」

あかり「そうだよね、3日前くらいから用事があるって遊べもしないしどうしちゃったんだろう?」

ちなつ「実は京子先輩も知らないみたいなんだ、昨日問い詰めて吐かせたんだけどほんとに知らなかったの」

あかり(京子ちゃん… 大丈夫かな)

43 : 以下、名... - 2015/10/27 00:20:34.55 96Z7DT7A0 35/395

ちなつ「と、いうわけで今日は結衣先輩の尾行をします」

あかり「えぇ~!? いきなりすぎるよ!?」

ちなつ「いきなりでもなんでもないわ、結衣先輩が私達に内緒で何かしてるのよ、これは調べない訳にはいかないと思わないの!?」

あかり「う~ん… あかりも結衣ちゃんが何をしてるのかは気になるけど…」

ちなつ「でしょっ!?」

あかり「でも、あかりたちに言わないんだから結衣ちゃんが言ってくれるまで待とうかなって思ってたんだ。結衣ちゃんが言わないって事はよっぽどの事だと思うし」

ちなつ「それだからよ! 力になってあげられるかもしれないじゃない!? そうして、困っている結衣先輩を助けた私が結衣先輩に…」

あかり「あはは…」ブルルルル

あかり「あ、メールだ」

ちなつ「ほらっ、あかりちゃん。準備するのよっ!」

あかり「ごめん、ちなつちゃん。お姉ちゃんから連絡が入って留守番を頼まれちゃった」

ちなつ「あら、そうなの?」

あかり「うん、急に大学に行かなきゃいけなくなったらしくて」

ちなつ「それじゃあ、仕方ないか。今日は私一人で尾行するけど明日はあかりちゃんも一緒に尾行するのよっ!」

あかり「あはは… わかったよぉ」

ちなつはあかりと別れ結衣の尾行方法を考え始めた。

44 : 以下、名... - 2015/10/27 00:22:00.30 96Z7DT7A0 36/395

ちなつ(尾行をするといっても、結衣先輩の居場所は…)

ちなつ(電話で聞けばいっか)

ちなつ『…………』プルルル

結衣『もしもし? ちなつちゃん?』

ちなつ『結衣先輩! こんにちわっ! 今どこにいるんですか?』

結衣『えっ? 今駅の近くを歩いてるけど…』

結衣の言葉を聞いた瞬間、ちなつは駅に向かって走り始める。

ちなつ『わかりましたっ! 今からどこに行かれるんですか?』

結衣『いや、特に行き先は… あ、ああ、ちょっと用事があってね』

ちなつ(むむっ)

結衣『何かあったの? 急ぎの用かな?』

ちなつ『いえっ、ただ結衣先輩の声が聞きたくなってぇ』ハァッハァッ

結衣『そ、そうなんだ。息荒いけど大丈夫?』

ちなつ『キャー、結衣先輩に心配してもらえるなんて、チーナ感激ですぅ!』ハァッハァッ

ちなつは走りながら結衣と電話をし続けて、駅周辺にやってきた。

ちなつ『ゼェー、ハァー、ゼェー、ハァー』

結衣『ち、ちなつちゃん、ほんとに大丈夫?』

ちなつ『だ、大丈夫です。結衣先輩、今はどこにいるんですか?』ゼーゼー

結衣『まだ駅の近くだけど…』

ちなつ『わかりましたっ、今日は結衣先輩とたくさんお話できて嬉しかったですっ! それじゃあ、切りますねっ』

結衣『そ、そう? それじゃ、またね』

電話を切って物陰に隠れたちなつの視線の先には結衣の姿が映っていた。

ちなつ(見つけた)ニヤリ

45 : 以下、名... - 2015/10/27 00:24:18.52 96Z7DT7A0 37/395

駅周辺


ちなつ(さて、結衣先輩はどこにいくのかしら?)

ちなつ(………ん?)

結衣が動き出したと同時に、別の物陰から動き出した見知った後姿をちなつは見つけ後ろから声をかけた。

ちなつ「…京子先輩、なにやってるんですか?」

京子「!?」ビクーーーン

京子「ち、ち、ちなつちゃん? い、いやー、こんなところでどうしたの? 散歩?」

ちなつ「いや、どうしたのはこっちの台詞ですよ。今日は用事があるんじゃなかったんですか?」

京子「えーっとね、ってマズっ!」ガバッ

ちなつ「きゃっ」

ちなつの視線の先にいる結衣がこちらを振り向く寸前で、物陰にちなつを連れて京子は隠れた。

京子「ふーっ、危なかった」

ちなつ「………もしかして、京子先輩も結衣先輩を尾行してるんですか?」

京子「…も、っていうことはちなつちゃんも?」

ちなつ「はい」

京子「…正直に話すね」

ちなつ「隠しても意味無さそうですしね、あれですか? 京子先輩も結衣先輩が何をしているのか探りに来たって所ですか?」

京子「そうだよ! 結衣のやつ、この2日間私の誘いを断ってまで何かやってるんだよ? そんなの調べないわけにはいかないじゃんか!」

ちなつ「京子先輩の誘いはどうでもいいですけど、何かやっているのを調べなきゃいけないのは同感です」

京子「うう… ちなつちゃん、最近厳しいよ…」

ちなつ「結衣先輩に看病を受けていた人には当然の対応です」

京子「そんなー」

46 : 以下、名... - 2015/10/27 00:26:05.73 96Z7DT7A0 38/395

ちなつ「むむっ、結衣先輩が移動し始めましたよ」

京子「おっと、ちなつちゃん、今は結衣がどこに行くかを調べるのが先決だ。協力し合おうじゃないか」

ちなつ「そうですね… あれ? 結衣先輩にくっついて歩いてるのってキュゥべえですか?」

京子「あー、最近は結衣とも一緒にいるみたいだねぇ」

ちなつ「? キュゥべえって魔法少女を探すために旅立ったんじゃなかったですか?」

京子「ああ、結衣も魔法少女になったからね」

ちなつ「はぁ!? ど、どういうことなんですか!?」グィィッ

京子「ちょ、ちなつちゃん苦しい…」

ちなつ「あっ、ごめんなさい」パッ

京子「えっとね、なんか3日前に急に魔法少女になったって言われた」

ちなつ「…ちゃんと説明してください、わけわかりませんよ」

京子「いやいや、ほんとに急に言われたんだよ。なんかどうしてもほしいものがあったらしくてそれを願いにして契約したらしいよ? キュゥべえもそう言ってたし」

ちなつ「そうなんですか? でも魔法少女ってあのお化けと戦わないといけないんじゃ…」

京子「それもなんか私みたいにやらないって言ってたよ。キュゥべえにも納得してもらったって結衣が言ってた」

ちなつ「そんなんでいいんですか…? 何か変じゃないですか…?」

京子「? 何が? キュゥべえも結衣も私の家に来て説明してくれたよ?」

ちなつ「………3日前って京子先輩の風邪が治った日ですよね?」

京子「そうそう! も~、びっくりしたよ。ものすごくモヤモヤしすぎて横になっていてもきつかったのに急に元気になってね、もう今じゃ元気いっぱいで困ってるくらい!」

ちなつ「…………」

ちなつ(京子先輩は結衣先輩に言われたことを鵜呑みにしてるけど、何か変! もしかして結衣先輩…)

47 : 以下、名... - 2015/10/27 00:27:32.64 96Z7DT7A0 39/395

京子と話をしながら結衣を尾行していたちなつだったが結衣が繁華街の裏路地に入っていくのを見て走りだした。

京子「あれ? 結衣どこにいった?」

ちなつ「こっちです、そこの裏路地を曲がっていきましたよ」

結衣の後を追い二人は裏路地に入っていき、少し話し声が聞こえてきたところで歩みを止めこっそりと様子を伺った。

ちなつ「………キュゥべえと何か話していますね」ヒソヒソ

京子「………うん、何してるんだろ」ヒソヒソ

二人が様子を伺っていると、結衣はソウルジェムを取り出して変身した。
結衣の姿は七森中の制服を基準にしたダークイエローのコスチュームで右手に剣を持っていた。
結衣が剣を前に突き出したと同時に、結衣の姿は光に包まれ掻き消えてしまった。

京子「えっ?」

ちなつ「嘘…」

京子「どういうこと…? 結衣、どこに…?」

ちなつ「…………」

二人は結衣が消えた場所に向かったが、そこには何もないように見えた。
だが、京子には何か違和感を感じ声を出した。

京子「この感じ… あのときの結界?」

ちなつ「結界って、魔女退治に行ったときのあれですか…?」

京子「うん… おんなじ感じがする…」

ちなつ「そんな…」

しばらく立ち尽くしていた二人だったが、結衣が消えた空間に歪みが生じ、そこから声が聞こえてきて視線を向けた。

結衣「大分この力もわかってきたよ、これならもう少し使い魔を倒して経験をつめば魔女も倒せるかな」

QB「君のセンスはかなりのものだし、もう戦えると思うけどね」

結衣「そういわれても、まだ不安だよ… もっと経験を積んで、簡単に倒せるくらいにならないと」

歪んでいた空間に輪郭がはっきりしていき、結衣とQBが姿を現す。
結衣は視線をQBから前に向けたときに、いるはずのない人物の姿を見てしまい目を見開き驚いた。

48 : 以下、名... - 2015/10/27 00:28:21.70 96Z7DT7A0 40/395

結衣「っ!?」

京子「………結衣」

ちなつ「………結衣先輩」

結衣「き、京子、それにちなつちゃんも。な、なんでここに?」

京子「結衣の後をつけてたんだ」

結衣「お前、今日は用事があるって…」

京子「これがその用事」

結衣「キュゥべえ! 京子が後をつけるようなことがあったら教えてって言っただろ!?」

QB「ちなつもいたからね、ちなつが一緒にいるときも教えたほうがよかったのかい?」

結衣「ああ、もうっ! 屁理屈言わないでくれよっ!」

結衣がQBに文句を言っていると、不安そうな顔をした京子が結衣にこの状況を尋ね始めた。

京子「ねぇ、結衣… もしかして、魔女退治をしていたの?」

結衣「…………」

京子「黙ってちゃわかんないよ! この前言ったよね? 魔女退治は怖いからしないって」

結衣「…ゴメン」

京子「なんで謝るの? 駄目だよ結衣、あんな危ないこと…」

京子「ねぇ、キュゥべえも結衣に言ってあげてよ、魔女退治はしなくてもいいって、私に言ってくれたみたいに!」

QB「言ってもいいけど、魔女退治は結衣が望んだことだよ」

京子「えっ? なんで…?」

QB「それは結衣の口から聞くといいよ、僕は結衣に口止めされているからね」

結衣「…………」

ちなつ「結衣先輩… どうしてなんですか…」

結衣「………私の家で話すよ」


結衣はそう告げ、無言で歩き出した。
京子とちなつも結衣の後に続き、結衣の家まで3人は話すこともなく夕暮れの町を結衣の家に向かい歩き続けた。

49 : 以下、名... - 2015/10/27 00:31:10.21 96Z7DT7A0 41/395

6話終わり。

54 : 以下、名... - 2015/10/28 00:16:13.38 OvBjC83A0 42/395

7話


結衣の部屋


京子「ねぇ、結衣。そろそろ教えてよ… どうして魔女退治なんかを…」

結衣「…………えっと」

ちなつ「…もしかして京子先輩の為ですか?」

結衣「…うん」

京子「えっ? な、なんで私?」

ちなつ「何で京子先輩は頭いいくせにこういうことは鈍いんですか…」

ちなつ「結衣先輩言ってたじゃないですか、戦う気もないのに契約は出来ないって。それなのに魔法少女になったって事は受け入れちゃったんですよね、魔女と戦うことを」

結衣「…………」コクン

ちなつ「やっぱり… ちなみに結衣先輩が魔法少女になった時の願いって京子先輩の体調を良くしてほしいとかそんなところじゃないんですか?」

結衣「…………」コクン

ちなつ「やっぱりそうですよね…」

京子「そんな… なんでそんな事で」

結衣「…私にとってはそんな事なんかじゃない」

ちなつ「結衣先輩と京子先輩、私達に隠してることありますよね? それが原因なんじゃないですか?」

京子「!」

結衣「なんのこと…?」

ちなつ「もうっ、ここまで来たら話してくださいよ! 少し前の連休明けから結衣先輩、京子先輩しか見てないじゃないですか! 京子先輩のことを大げさに気遣って、何かするときでも『京子は休んでて』とか『京子、大丈夫? 平気?』とか、そんな感じでしたし、後遺症がどうとか言ってましたし、この間の京子先輩の体調不良もそれが原因なんじゃないんですか?」

京子「えっとね、それは…」

ちなつ「それに結衣先輩があんなお化けと戦うことを受け入れるなんてよっぽどのことですよね? 体調不良からくるなんてことは京子先輩は何か病気だったりしたんですか? それを治すための契約だったりしたんじゃないですか?」

京子がちなつからの質問攻めにオロオロしながら答えようとするが、今まで俯いていた結衣が顔を上げ覚悟を決めた表情で話し始めた。

55 : 以下、名... - 2015/10/28 00:17:11.35 OvBjC83A0 43/395

結衣「わかった、言うよ。京子もこの前のことちなつちゃんにも話していいよね」

京子「う、うん。私は大丈夫」

結衣「それじゃあ、ちなつちゃん。まずこの前京子に起こったことを話すよ」

結衣は先日京子が自転車で転んだときに打ち所が悪く、心停止までしていたことを話した。

ちなつ「う、嘘。…京子先輩が死んじゃうところだったんですか?」

結衣「うん、私が見つけた時には呼吸もしてなくて脈もなかった」

ちなつ「そんな…」

結衣「幸い少ししたら息を吹き返したんだ、その後も病院で検査を受けて何も無いって言われたんだけど…」

結衣「それから少しして京子が体調を崩し始めたんだ、そのときの後遺症も考えられたから気が気じゃなくてね…」

ちなつ「…………」

結衣「キュゥべえの話だと魔力不足も原因の一つらしいけど、私は倒れていたの京子の姿が頭から離れなくて、ただ京子に元気になってほしくて契約をしたんだ…」

京子「それなら、私はこの通り… ううん、結衣のおかげで元気になったんだから! 魔女退治なんてしなくても!」

結衣「…契約した後に聞いたんだけど、魔女を倒した時に魔女はグリーフシードって言うものをたまに落とすらしいんだ」

ちなつ「?」

京子「うん、確か魔力を回復させるアイテムだよね?」

QB「その認識で間違ってないよ」

結衣「魔力がなくなっていくと体調が悪くなるんだけど、あのときの京子はかなり辛そうだっただろ?」

京子「まあ、きつかったって言えばきつかったけど…」

結衣「京子が魔女退治を出来なくても私が魔女を退治してそのグリーフシードを持って来たら、京子が魔力不足になることはないって思ったんだ。魔力不足にならなければ京子も苦しまなくて済むだろ? ただそれだけの理由だよ」

56 : 以下、名... - 2015/10/28 00:18:27.04 OvBjC83A0 44/395

京子「結衣…」

結衣「京子にばれると心配もされちゃうし、一緒についてくるなんて言うと思ったから内緒にしてたんだ… もう無駄になっちゃったけどね」

京子「私の事は気にしなくていいよ、私は結衣が危ない目にあうことなんて望んでないし…」

結衣「私が気にするんだよ、私は京子が苦しむ顔は見たくない」

ちなつ(何、何? なんなのこの雰囲気! お互いしか目に入っていないじゃない!! 京子先輩めぇ~~~~)

ちなつ(………まあ、今回は許してあげるか。京子先輩も大変だったみたいだし。私も気付いてあげられなかったしね)

結衣と京子が二人だけの空間を作っていたが、ちなつはその空間を破壊する様に話し始めた。

ちなつ「はい、そろそろいいですか?」

京子「あっ、どうしたのちなつちゃん?」

ちなつ「どうしたのじゃありません、京子先輩はこれからどうするんですか? 結衣先輩を止めますよね?」

京子「…結衣が私の為に戦うって言ってくれるんなら、私も魔女退治をしようと思う」

結衣「京子! 駄目だよ! お前に危ないことをしてほしくないんだ」

京子「それでも、私は…」

ちなつ「はいはい、それなら私も一緒についてきますね」

京子「えっ?」

結衣「ちょ!? ちなつちゃんまで一体何を言い出すんだよ!?」

57 : 以下、名... - 2015/10/28 00:19:15.26 OvBjC83A0 45/395

ちなつ「キュゥべえ、私も魔法少女になれるんだよね?」

QB「うん、君も魔法少女の才能を持っているよ。今契約するかい?」

ちなつ「まだしないよ、もしも二人が怪我したときは私が契約して治そうと思ってるから」

QB「それなら仕方ないね、残念だ」

京子「ちなつちゃん! 忘れちゃったの!? あんな怖いところに行かなきゃ行けないんだよ!?」

結衣「そうだよ! 絶対に駄目だって!!」

ちなつ「結衣先輩、その危ないところに行ってましたよね。それも一人で」

結衣「うっ…」

ちなつ「次は京子先輩も行くつもりですよね、しかも結衣先輩と二人っきりで」

京子「うぅ…」

ちなつ「もう決めましたので、もし私を置いていったら酷いですよ。いざとなったらキュゥべえと契約して結衣先輩の下に飛んでいきますからね」

結衣「ちょっと待って! まだ私は二人と一緒に行くなんて!」

京子「結衣、もう私達知っちゃったんだよ? 結衣が魔女退治をしないって言うなら私達もついていかないけど、魔女退治をするって言うなら絶対についていくからね」

ちなつ「さあ、どうしますか結衣先輩? 私達も連れて魔女退治をするか、それとも諦めるか、選んでください!」

結衣「うぅ… なぁ、キュゥべえ。魔力を回復する方法ってグリーフシードを使う以外にないのかな?」

QB「君のように契約をするというイレギュラーでもない限りは僕の知る限りでは無いね」

結衣「ううう…」

58 : 以下、名... - 2015/10/28 00:20:17.43 OvBjC83A0 46/395

QB「ただ」

結衣「?」

QB「数日後、この町に超大型の魔女がやってくるはずなんだ、その魔女を倒すことが出来たら君たち全員分が使いきれないくらいのグリーフシードを手にすることが出来るかもしれないよ」

結衣「! そうなのか!?」

QB「ああ、だけど京子と結衣だけだと恐らく倒せないと思うよ、ちなつとあかりが契約してうまくやれば何とかできるかもしれない」

結衣「二人も魔法少女に…」

QB「その場合もちゃんとした願いじゃないと厳しいと思うよ、願い事の助言はできないけど、京子みたいな願いをすると資質が高くても魔法少女としての力は弱くなってしまうからね」

京子「うっ…」グサッ

QB「どうするかは君たちで話し合うといいよ」

結衣「…………」

京子「…結衣」

ちなつ「…あかりちゃんには無理ですよね」

結衣「ああ、あいつが戦うなんて京子以上に出来ないよ」

京子「下手したら、『魔女さんがかわいそう』なんて言い出しかねないよね…」

結衣「私達二人だとどうしようもないの?」

QB「無理だと思うね、京子の力は結衣に比べると大分低いし、結衣も祈りの特性で回復力や魔力効率が高いけどそれだけだ。二人でどうにかできるとは思えないね」

結衣「少し考えるよ…」

QB「そうだね、そのほうがいいと思うよ」


3人はその後も少し話し合い、明日あかりも入れて話し合うということで落ち着くこととなる。

超大型魔女・通称ワルプルギスの夜が七森市に現れる4日前のことであった。

60 : 以下、名... - 2015/10/28 00:23:13.65 OvBjC83A0 47/395

7話終わり。

66 : 以下、名... - 2015/11/01 15:57:38.31 wlGkb3PU0 48/395

8話


翌日 ごらく部


あかり「ごめんね、遅くなっちゃったぁ、今日は何して遊ぶ~?」

放課後にあかりがごらく部に着いた時には他の3人は揃っていた。

あかり「あ、あれ? みんなどうしたの? すっごい真剣な顔してるよ?」

結衣「あかり、少し真剣な話だ。座ってくれ」

あかり「う、うん」

まず、結衣はあかりに京子が事故にあって死にかけたこと、そして結衣が京子の為に魔法少女になったことを話した、するとあかりは涙目になって結衣と京子の手を握る。

あかり「うぅっ… ごめんね京子ちゃん、結衣ちゃん、あかり全然気付いてあげられなくって…」

結衣「こっちこそごめんな、心配をかけさせたくなくてあかりやちなつちゃんには黙っておこうって言ったのは私なんだ」

京子「そうだって、あかりが気にする必要はないんだよ!」

あかり「でもっ、あかりがもっと早く気付いていれば何かしてあげられたかもしれないし」

京子「あかり、私はあかりのその気持ちだけで十分だよ。それに今はこんな感じで元気になったんだからさ」

あかり「京子ちゃん…」

結衣「京子の言うとおりだよ、あかりもそんなに気にすることはないよ」

ちなつ「京子先輩の事故の話はこれまでにしましょうよ、京子先輩は今、結衣先輩のおかげで元気いっぱいなんですから」

結衣「うん、そうだね」

あかりは逆に気遣って貰っていると分かってしまいそれ以上何も言えなくなってしまった。

67 : 以下、名... - 2015/11/01 15:58:31.23 wlGkb3PU0 49/395

ちなつ「それでね、あかりちゃん。今二人は魔女退治に行こうとしていることが問題なのよ」

あかり「えぇ~~!? そ、そんな事しちゃ駄目だよ! あんな怖い目に二人が合うのなんて嫌だよ! もしかしたら怪我しちゃうかもしれないんだよ!?」

あかりがうろたえて二人を止めようと説得をし始めるが、今まで静観していたQBがあかりに話し始めた。

QB「あかり、どうやら結衣は京子が魔力不足になることで起こる、体調不良が気に入らないらしいんだ」

あかり「えっと…? 京子ちゃんの魔力?」

京子「キュゥべえ?」

結衣「いきなりどうしたんだよ、キュゥべえ…」

QB「いや、君たちが話すよりも、僕が話したほうがいいと思ってね。京子と結衣の事情も知っているし、この中で魔女のことを一番よく知っているのは僕だからね」

ちなつ「それはそうだけど…」

QB「まあ、まずはあかりに全て説明するよ。あかりも話を聞いてくれるかな?」

あかり「う、うん」

QB「ありがとう。それじゃあ、まずは二人が魔法少女になったことによって二人はソウルジェムを手に入れたんだ。京子、君のソウルジェムをもう一度あかりに見せてあげてくれないかな?」

京子「うん」ゴソゴソ

QB「このソウルジェムだけど、少し色が濁っているだろう?」

あかり「うん、ちょっと黒くなっているね」

QB「これは京子の魔力が少しなくなったって言うことなんだ、魔力がある程度なくなると京子の体調が悪くなり始めるんだ。まあ、魔力が完全に無くなるとその問題も解決するんだけど、完全に無くなるまではどうしようもないんだ。この前京子が調子悪かったのもこの魔力不足が原因でもあるんだよ」

あかり「そんなぁ… あのときの風邪って魔力が無くなっちゃってたからだったんだ… 京子ちゃんが病気になるのなんていやだよ…」

QB「そこで、結衣が契約によって失っていた京子の魔力を回復させたんだけど、魔力を補給しない限りは同じように京子は体調不良になる。だから結衣は京子が魔力不足にならないように魔女退治をすることを決意したんだよ」

QB「魔女退治をすることでグリーフシードという魔力を回復することが出来るものが手に入ることがあるんだけど、そのグリーフシードを手に入れる為に結衣は戦い始めたわけだね」

あかり「そうだったんだ…」

結衣「…………」コクン

68 : 以下、名... - 2015/11/01 15:59:26.69 wlGkb3PU0 50/395

QB「そのグリーフシードなんだけど、数日後にこの町にやってくるであろう魔女を倒せたら二人はおろか、あかりやちなつが契約して魔法少女になっても使いきれないくらいのグリーフシードを手に入れれるかもしれないんだよ」

QB「その魔女はとても強力な魔女だけど、君たち4人が魔法少女となって力を合わせれば何とかできるかもしれないんだ。そして、魔女を倒すことさえ出来ればもう魔女退治もしなくて済むかもしれない、一回限りのチャンスと言うわけだね」

あかり「あかりも魔法少女に…」

QB「うん、ちなつはもう魔法少女になってもいいって言ってくれているし、後はあかりだけなんだよ」

あかり「ちなつちゃんも?」

ちなつ「ちょっとキュゥべえ! 確かに昨日魔法少女になってもいいって言ったけど、まだその魔女と戦うって決まったわけじゃないでしょ!」

QB「それもそうだったね、でもこんなチャンスはないと思うよ? 普通の魔女のグリーフシードだと使えて2,3回だからね」

ちなつ「うっ… そうなんだ…」

QB「そういうことなんだ、あかりが決めてくれれば皆が戦ってくれるみたいだから…」

そこまでQBが話したところで京子が話に割り込んできた。

京子「キュゥべえ! なんかあかりに押し付けるみたいな言い方やめてよ! もう私が魔力使い切ればいいだけなんだから。結衣もそれでいいでしょ? 私が少し我慢して魔力を全部使い切るから」

結衣「………うん、さすがにあかりやちなつちゃんまで巻き込んで魔女退治はしたくないし。私達で魔力を全部使っちゃおうか…」

QB「そうなのかい? それでいいなら僕は止めないけど」

あかり(うぅ… 魔女さんと戦うなんて、あかりみたいにみんな怪我しちゃうかもしれないし、魔力が少なくなると京子ちゃんも結衣ちゃんも病気になっちゃうんだよね… どっちも嫌だよぉ)

あかり(あれ? そういえば魔法少女になるときにお願いが出来るんだったら…)

69 : 以下、名... - 2015/11/01 16:00:55.92 wlGkb3PU0 51/395

少し考えていたあかりがQBに質問をし始めた。

あかり「………ねぇねぇ、キュゥべえ。あかりのお願いで二人のソウルジェムを魔力不足しないようにすることって出来ないの?」

ちなつ「あ、そっか。そういう願いなら悩みも解決するじゃない、あかりちゃん冴えてる!」

あかり「えへへ~」

QB「…………その願いは可能かもしれないけど、あかりには他に願うことはないのかい?」

あかり「あかりの願いは二人が健康でいてくれることだよっ!」

QB「…………」

京子「ちょっとまったー! それじゃあ、あかりが私達と置き換わるだけじゃん! 却下だよ却下!」

あかり「えぇ~、あかりは大丈夫だよ? あかりは元気が取り柄だし」

京子「元気が取り柄なら私もそうだよ! その私があんなにきつかったんだから、あかりも一緒だって!」

あかり「うぅ… う~ん… キュゥべえ、何かいい方法はないのかなぁ?」

QB「…………願いに関しては僕から助言できることはないよ。ただ、京子もこういっているんだし、その願いはやめておいたほうがいいんじゃないかな?」

あかり「いい方法だと思ったのになぁ…」

結衣「あかり、いろいろ考えてくれるのは嬉しいけど、そもそもあかりに戦うことなんてできないだろ? 私も京子も魔力を使い切ることにするから大丈夫だよ」

あかり「でもでも… う~ん… う~ん…」

あかり(何かないのかなぁ、確かにあかりに戦いなんてできないけど、それでも二人が病気になっちゃうのは嫌だし…)

京子(あかり… このままだとあかりは魔法少女の契約を私達の為にしちゃうよね… 元はといえば私が軽はずみに契約しちゃったから、結衣も契約しちゃったんだし、私がなんとかしなくちゃ)

70 : 以下、名... - 2015/11/01 16:01:53.40 wlGkb3PU0 52/395

あかりがどうにかできないか考えていたときに京子がQBに問いかけた。

京子「ねぇ、キュゥべえ、私達が魔力不足で調子が悪くなるのってどれくらいかかるの?」

QB「魔法を全く使わなくても、魔力は徐々に減っていくから大体1ヶ月くらいかな、魔法を使っていればどんどん短くなるよ」

京子「おっけー」

結衣「京子?」

京子「これからのごらく部活動内容が決定しましたので発表したいと思います!」

ちなつ「またえらく急な…」

あかり「う~ん… う~ん… あれっ!? 決まっちゃったの!?」

京子「そうだよー、だからあかりも聞いてね」

あかり「う、うん」

京子「よし、まず結衣は魔女退治禁止!」

結衣「うん、そうしようと思ってたし」

京子「よろしい! というわけでキュゥべえ、今度来る魔女とは戦わないけど大丈夫?」

QB「………まあ、僕はお願いするだけだからね。君たちが決めたのなら仕方ないよ」

京子「ごめんね、我侭ばっかりで。魔女退治は出来ないけど他に何か出来ることがあったら言ってよ、今度は私がキュゥべえのお願いを聞くからさ」

QB「………そうだね、今は特にないかな。やってもらいたいことが出来たら京子に言うよ」

京子「うん、キュゥべえには恩返しが全然出来てないからね。私がやれることならなんでもやるからね!」

71 : 以下、名... - 2015/11/01 16:03:24.92 wlGkb3PU0 53/395

魔女関係の話はこれまでと京子は言い、次に魔力の事を話し始めた。

京子「それでは次に、私と結衣は魔力を使い切ることにします! だからあかりももう悩まなくて大丈夫だよ」

あかり「えぇ~、二人とも病気になっちゃうのは…」

京子「そんなのはあかりが気にしなくても大丈夫、というか私が一番気にしなきゃいけないのにあかりが気にする必要なんてないのさ」

京子「むしろあかりが私達の為に契約して、あかりが魔力不足で体調を崩したら私達がどうすればいいのか分からなくなっちゃうよ」

結衣「そうだね、私もあかりには契約してほしくないかな」


あかり「うぅ~… 二人とも本当に大丈夫なの?」

京子「大丈夫、大丈夫。実は魔力を使い切る方法も考えてるんだよ」

あかり「そうなの?」

京子「そうそう、生徒会のみんなも集めてパーッと魔法の一発芸でもして一気に使っちゃおうと思ってたんだ。一日で使い切っちゃえば体調も気にすることもないしね」

結衣「なるほど、確かに一気に使えば体調を崩しても少しの時間も済むよね」

京子「というわけで、あかりも魔法少女にならなくても大丈夫だからね」

あかり「う、うん。そういうことなら…」

京子「よーし、それじゃあ、私達が魔力を使いきる日は4日後の日曜日ね。その時は綾乃たちも呼んであっと驚く魔法大会にしよう!」

ちなつ「杉浦先輩たちも呼ぶんですか? そりゃ、魔法なんて見たらすごく驚くと思いますけど」

京子「最後の魔法なんだからね、すっごいのをやろうと思ってるんだ。とりあえずはその日まで私と結衣で魔力不足にならない程度に魔法の練習をしようぜ」

結衣「ん、わかったよ」

ちなつ(むむっ… このままだとまた二人の距離が縮まっちゃう、ここは私も…)

ちなつ「はい、その魔法の練習には私も参加したいです!」

京子「? そりゃ、練習はごらく部全員参加だよ? ちなつちゃんもあかりも強制参加だからね!」

ちなつ「…それは失礼しました」

あかり「わかったよぉ」

QB「…………」


京子は練習の内容などを決め、次の日曜を空けて置くようにと生徒会全員に連絡をした。
あかりとちなつは魔法少女になるのはやめておくことになり、魔女退治もやらないという方向で決定した。
その後少し魔法の練習を行い、下校時間となったところで帰宅することとなった。
それから2日間は放課後魔法の練習をしながら、ごらく部活動を行い全員の頭から大型魔女の存在は消えていった。

3日目、七森市にワルプルギスの夜が現れる日となってしまった。

72 : 以下、名... - 2015/11/01 16:05:51.14 wlGkb3PU0 54/395

8話終わり。

77 : 以下、名... - 2015/11/07 13:49:39.21 V2iym3kJ0 55/395

9話


3日後


あかりの部屋


その日七森市は朝から強い風が吹きと雷雲がたちこめ雨が降り続いていた。
あかりは6時前に目を覚ましてしまい、強い風できしむ窓から外の様子を見て残念そうな顔をした。

あかり「台風かなぁ? 明日はみんなで魔法のお披露目会なのに大丈夫かなぁ?」

窓の外を見て、明日の心配をしているとあかりの部屋がノックされた。

あかね「あかり、起きてる?」コンコン

あかり「あ、おはよう、お姉ちゃん。どうしたの?」ガチャ

あかね「おはよう、あかり。ちょっと早いけど朝ごはんを食べて出かける準備をしましょう」

あかり「え? 外はこんな雨なのにお出かけするの?」

あかね「お出かけじゃないわよ、この台風が午後にはもっと強くなるみたいで避難指示が出たのよ。一番近いあかりの中学校に避難になるわ」

あかり「えぇ~!? ど、どうしよう、あかり避難訓練はした事あるけど本番は初めてだよぉ。え~っと、非常食も持っていかないといけないよね!?」

あかね「うふふ、慌てなくても大丈夫よ。あんまり多く物を持っていってもかさばっちゃうから着替えと他に必要なものを少し持っていけば大丈夫よ。お父さんやお母さんがちゃんと準備してくれているしね」

あかり「あっ、そうなんだぁ。慌てちゃってはずかしいよぉ…」

あかね「うふふ」

あかね(あかり可愛いわぁ)

その後、あかりは朝ごはんを食べ、準備を完了し家を出発した。
赤座家一同は避難場所に向かうために車を走らせ、七森中学校に到着する。
あかりが到着した頃には、風はさらに強くなり、雨も横殴りの雨で車から体育館に行くまでにずぶ濡れになるほどだった。

あかり「ひぃ~、ずぶ濡れになっちゃったね」

あかね「このままだと風邪を引いちゃうわね、着替えてきましょうか」

あかり「うん、そうだね」

78 : 以下、名... - 2015/11/07 13:50:48.49 V2iym3kJ0 56/395

あかりは更衣室で着替えて体育館の割り振られた場所に戻ると名前を呼ばれ振り返った。

京子「お~い、あかりぃ~、こっちこっち」

あかり「あっ、京子ちゃん。京子ちゃんも来てたんだね」

京子「おう、結衣とちなつちゃんもいるよ。みんなで遊んでるからあかりも来いよー」

あかり「そうなんだ。ねぇ、お姉ちゃん行って来てもいいかな?」

あかね「いいわよ、ご飯までには戻ってくるのよ」

あかり「はぁ~い、それじゃあ行って来るね」

京子「あかりをお借りしまーっす!」

あかりと京子はあかねに別れを告げ、そのまま体育館のステージ裏にやってきた。
京子は跳び箱やボールが入った籠の隙間を通り抜け奥に進み、少し開けたスペースまであかりを案内した。

京子「連れてきたよー」

結衣「お、あかりも来たか」

ちなつ「あかりちゃ~ん」フリフリ

あかり「うわぁ~、なんだか秘密基地みたい。こんなところあったんだねぇ」

京子「ふっふっふ、こんなこともあろうかと私が作っておいた秘密基地だ。流石にこの雨じゃ部室にもいけないし、今日はここを仮の部室とします!」

あかり「京子ちゃんすごーい!」

京子「もっと褒めてくれたまえ。あっ、あんまり大きな声出すとばれちゃうから静かにね」

あかり「わかったよぉ。なんだかこういうのも楽しいね~」

京子「だろー?」ニシシ

結衣「あかりも来たことだし、またトランプでもやる?」

あかり「うん、やろうやろう!」

しばらく、あかりたちはトランプをして遊んでいたが、外から聞こえる風の音や雷の音が大きくなるにつれ不安になっていった。

あかり「外、すごいことになっているねぇ…」

京子「そだねー、こりゃ今日は完全に泊まりになってしまいそうだね。ってか、明日もこれだったら魔法のお披露目会も延期だね」

結衣「まあ、仕方ないよね。というかほんとに大丈夫なのかな、体育館がさっきから軋んでる様な音してるけど…」

ちなつ「そうですね。雷も酷いですし… ひぃっ!?」ピシャアアーン

近くで雷が落ちた音を聞き、ちなつは驚き結衣の腕を掴む。
あかりはその音に驚き目を瞑って身体を震わせた、そしてあかりが目を開けると跳び箱の上にQBがいることに気が付いた。

79 : 以下、名... - 2015/11/07 13:52:10.47 V2iym3kJ0 57/395

あかり「あれ? キュゥべえ? あっ、キュゥべえも避難しに来たの?」

京子「ん? おっす、キュゥべえ。どしたのー?」

QB「やあ、少し君達に話したいことがあって来たんだ」

結衣「話?」

ちなつ「なにかあったの?」

QB「ああ、話というのはこの前に言ってた超大型魔女のことだよ。その魔女がもうすぐこの場所に現れるんだ」

京子「えっ? …ここに? 魔女が来るの?」

QB「そうだよ、一応君たちにも話しておこうと思ってね。戦わないとは言っても京子と結衣は魔法少女だ。君たちだけなら逃げられるかもしれないからね」

結衣「私たち… だけ?」

QB「そうだよ、もうすぐ現れる魔女は通称・ワルプルギスの夜、全てが規格外の力を持った魔女さ。規格外なだけあってこの魔女は結界の中に隠れていないんだ。現れた時点で周囲を破壊しながら進んでいく、この魔女が通った後には全てのものは破壊尽くされるよ」

ちなつ「え?」

QB「今ならまだ逃げ切れると思うからね。こんな小さな建物の中にいたら吹き飛ばされてその衝撃で死んでしまうかも知れないよ」

あかり「えっ? 死んじゃうって…? えっ?」

京子「ちょ、ちょっとキュゥべえ、何言ってんのさ、死ぬとかって、そんなわけないでしょ?」

結衣「そ、そうだよ。それに体育館を吹き飛ばすなんて…」

ちなつ「…何、言ってるの? …嘘だよね、キュゥべえ?」

QB「事実だよ」

京子「あ、あはははは。………冗談きついなぁ~、幾らなんでもそんな冗談は笑えないよ?」

QB「冗談でもなんでもないんだけどね」

あかり「き、キュゥべえ、怖いこと言っちゃだめだよぉ…」

QB「困ったな、事実を伝えているだけなんだけど… どうしたら信じてくれるんだい?」

結衣「信じるも何もそんな事ありえないだろ? だって使い魔もあんなに簡単に倒せたし、魔女だって使い魔より少し強い程度なんだろ?」

QB「結衣の倒した使い魔は全て力が強くない使い魔だったよ、京子が最初に倒した使い魔もそうさ」

結衣「なんだよ… なんなんだよそれ…」

ちなつ「…結衣先輩、そんなのでたらめですよ! キュゥべえ、そろそろ脅かすのはやめて、ほんとに怒るよ?」

QB「………僕は君たちを脅かすつもりなんてないんだけどな。まあいいや、僕の話はそれだけだよ」

QB「一応忠告はしたからね、僕の力が必要になったら呼んでよ、すぐ駆けつけるからね」

QBはそう言うと4人の前から姿を消した。
QBが去った後には不安げな顔をした4人がぽつりぽつりと話し始める。

あかり「ね、ねえ。キュゥべえが言ってたことってほんとなのかなぁ…?」

ちなつ「…そんなわけないでしょ。あかりちゃんは信じるの?」

あかり「うぅ… あかりも信じてないけど…」

京子「そ、そうだって! 信じるも何もこんな建物を吹き飛ばせるわけないじゃん!」

結衣「そうだよな… 魔女って言ってもそんな事なんてできるわけが…」

あかりたちは全員QBの言葉を信じようとはしなかった。
そもそもあかりたちの認識では、使い魔も魔女も恐ろしい姿をしているが人間に『多少の危害を加える存在』としか認識できていなかった。
使い魔や魔女が人間を『死に追いやる存在』と誰一人認識できていなかった。

その思い違いが、全ての行動を遅らせ、取り返しの付かない段階まで時計の針は進んでしまった。

80 : 以下、名... - 2015/11/07 13:53:27.75 V2iym3kJ0 58/395

七森中の体育館に凄まじい衝撃が叩きつけられ、あかりたちは全員衝撃によって数メートル吹き飛ばされた。

あかり「きゃあああああ!?」

結衣「うわああああ!?」

京子「あうっ!?」

ちなつ「あぐっ!?」

あかりと結衣は数メートルほど転がり、京子とちなつは跳び箱にぶつかる。
4人は何が起こったのかもわからず目を白黒させている。

京子「痛った~~~」

ちなつ「けほっ、けほっ… な、何が起きたの?」

結衣「いてて… 地震…? って、ちなつちゃん!!」

ちなつ「? どうしたんですか結衣先輩?」

ちなつがぶつかった跳び箱の上部が衝撃で今にも崩れそうな状態になっていることを結衣は気付いてちなつに呼びかけるが、ちなつはそれには気が付かず結衣の顔をきょとんとした顔で見ていた。
跳び箱の上には重そうな鉄の箱も乗っており、それも一緒に跳び箱が崩れちなつの頭上に降り注いだ。
だが、ちなつは横からの軽い衝撃に押し出され崩れ落ちてきた物に当たる事はなかった。

ちなつ「きゃっ」

ちなつ「あ… あれ…? あ、あかりちゃん…?」

ちなつは自分があかりに押されたことに気が付いた。
そして、あかりはさっきまでちなつがいた場所でちなつの変わりに跳び箱と鉄の箱の下敷きとなっていた。

京子「あかり!? ちょっと、大丈夫!?」

結衣「おい! あかり!!」

ちなつ「あかりちゃん! しっかりして!!」

すぐさま3人はあかりの上に落ちてきたものを退かしあかりの安否を確認するが、あかりは頭に落下物が当たったようで血を流して気絶していた。

ちなつ「た、大変… は、はやく手当てをしないと…」

結衣「頭を打ったのか… 無理に動かすより誰か呼んできたほうがいいかもしれない…」

京子「私、呼んでくる!」

京子が立ち上がり人を呼びに行こうとした時、先ほどの衝撃より数段上の衝撃が体育館を襲った。
そして、体育館は衝撃に耐え切れず崩壊し、あかりたち4人も崩壊した体育館と共に吹き飛ばされ宙に舞った。

81 : 以下、名... - 2015/11/07 13:55:11.83 V2iym3kJ0 59/395



―――――――――――――――――――――――
―――――――――――
――――――――
――――


あかり(………)

あかり(………?)

あかり(あれ? どうしちゃったんだっけ…?)

あかり(あ、そうだ。ちなつちゃんに跳び箱が崩れてきて咄嗟にちなつちゃんを押したんだっけ?)

あかり(あれれ? じゃあ、なんであかりはこんな所に一人でいるんだろ?)

あかりの周囲は宇宙のような不思議な空間で、あかりはその空間にふわふわ漂っていた。

あかり(あ、わかったよ! これは夢だね! いつの間にかあかり寝ちゃってたんだね)

あかり(夢の中で夢って気が付いたら、夢を思い通りにすることが出来るって聞いたよ!)

あかり(わぁい、すごい体験をしちゃってるよぉ! はっ、夢の中でならあかりだって…)

あかりが妄想を始めようとしたとき、あかりは少し離れたところに誰かいることに気がついた。

あかり(あれ? 結衣ちゃん? あっ、もう出てきたんだね、ふっふっふ…)

あかり(お~~い、結衣ちゃ~~ん! あかりはここだよぉ~~)

あかり(結衣ちゃ~~~ん!! 結衣ちゃ~~~~ん!! …あれ?)

あかりは結衣を呼び続けるが結衣はあかりの方には振り向かず歩き続けていた。

あかり(あれれ~~? これ夢なんだよねぇ?)

あかり(あっ、京子ちゃんもいつの間にか結衣ちゃんの隣に)

あかり(京子ちゃ~ん! 結衣ちゃ~ん! まってよぉ~~)

あかりは結衣と京子に向かって走り始めるがあかりが幾ら走っても二人の距離は縮まらずあかりは不思議な顔を浮かべた。

82 : 以下、名... - 2015/11/07 13:56:13.14 V2iym3kJ0 60/395

あかり(もう、二人ともあかりをスルーしないでよぉ!)

あかり(…あれ? ちなつちゃん?)

走っていたあかりの隣をちなつが横切り京子と結衣の元に近づいていった。

あかり(あれぇ~? なんであかりはそっちにいけないのぉ~~)

あかり(みんな~~、あかりはここだよぉ~~、お願いだから気付いて~~)

あかりが頬を膨らませて3人に文句を言いながら叫んでいると、3人が漸くあかりのほうに振り向いた。

あかり(あっ、やっと気付いてくれた! もぉ~、夢の中でもこんな扱いは酷いと思うな!)

あかり(…? みんなどうしちゃったの?)

3人は少し寂しそうな顔であかりを見つめていた。
しばらくあかりを見つめたあと再び3人は踵を返し歩き始めた。

あかり(ねぇ~~、まってよぉ~~)

あかり(あかりを置いてかないでよぉ~~、ねぇ、みんな~~)

あかりが3人を呼び続け、縮まらない距離を走り続けていたが、あかりはどこかに引っ張られるような感覚を受けた。

あかり(あれっ? 後ろに引っ張られるような…)

あかりと3人の距離はどんどん広がりあかりの意識が薄れていく中、再び3人は振り向きあかりに小さく手を振っていた。
あかりは3人を見ながら手を伸ばすが距離はどんどん離れ3人の顔も見えなくなってしまう。
あかりは薄れる意識の中3人の声を聞いたような気がした。

そして、あかりは夢から目を覚ました。

83 : 以下、名... - 2015/11/07 13:57:31.23 V2iym3kJ0 61/395

あかり「うぅっ…」

あかり「あれぇ…? あ、そっかぁ、あかり眠っちゃってたんだよね…」

あかり「………えっ?」

あかりは周囲の風景を見て言葉を失った。

あかり「な、なに? どこ、ここ…?」

あかりの視界に飛び込んできたのは瓦礫の山だった。
あかりがいたはずの体育館はどこにもなく、視界に入るのは建物の残骸に瓦礫の山、ひっくり返った車があちこちに散らばり火を噴いている物もあった。

あかり「…あ、そ、そっかぁ~、まだ夢を見てるんだね。えへへ、あかりはお寝坊さんだなぁ」

あかり「それじゃあ、おやすみなさい…」

あかりが目を瞑り身体を横にして数分経過した。
あかりの目がうっすらと開き、身体を起こし再び辺りを見回して顔を青ざめ始める。

あかり「ゆ、夢だよね…?」

あかりは自分が夢を見ていると証明しようと頬を抓った、だが抓った頬からは刺さるような痛みを感じさらにあかりは顔を青くした。

顔を青ざめ震え始めたあかりだったが、自分のまわりが薄い光の膜で覆われていることに気が付きその光に手を伸ばした。
あかりが触れた瞬間、光の膜は融けるように消えた。だが、あかりはその光の膜に何かを感じつぶやいていた。

あかり「………ちなつちゃん?」

融けていった光をあかりはしばらく見つめ続けていた。

84 : 以下、名... - 2015/11/07 13:58:06.29 V2iym3kJ0 62/395

9話終わり。

87 : 以下、名... - 2015/11/08 20:04:28.89 QMmPFsdS0 63/395

10話


瓦礫の山


光の膜が消えて少し呆然としていたあかりだったが、我に帰り再び顔を青くしながらつぶやき始めた。

あかり「…どうなってるの? 夢じゃないの?」

あかり「あかり… 一体どこにいるの? 何があったの…?」

あかり「きゃっ、雨がまた降り始めてるよぉ… さっきまでは… あれ? さっきも降っていたよね?」

あかり「なんでだろう? ………痛っ!? うぅ… 頭から血が出ちゃってるよぉ…」

あかり「よくわかんないけど、頭も痛いし、雨も冷たいしとりあえずどこか雨宿りできるところに…」

あかりはふらふらと立ち上がり雨宿りが出来る場所を探すために歩き始めた。

あかり「うぅ… ほんとに何があったんだろう…」

あかり「まるで映画で見た爆弾が爆発した後の町みたい…」

あかり「どこを見ても瓦礫の山ばかり… 怖いよぉ…」

あかり「………あれ?」

あかりが少し歩くと、少女が倒れているのを見つけた。
その少女はあかりも良く知っているピンクの髪の少女だった。

あかり「ち、ちなつちゃん!?」

あかり「ちなつちゃん! 大丈夫!?」

ちなつを抱き起こしたときにあかりは物凄い違和感を感じた。
ちなつの身体が驚くほど軽く簡単に抱き起こせたからだった。
そして、抱き起こした際にあかりはちなつの身体を見てしまった。
胸に大きな風穴を空けたちなつをあかりは見てしまった。

88 : 以下、名... - 2015/11/08 20:05:42.80 QMmPFsdS0 64/395

あかり「…………」

あかり「…………あ、あれっ?」

あかりはちなつの顔と身体を何度も見た、だがちなつの顔は真っ白で胸には風穴が開き、その姿はどう見ても生きている状態ではなかった。

あかり「ち、ちなつちゃん? こんなところで寝てちゃ風邪ひいちゃうよ?」

あかり「ね、起きないと。ほら…」

あかり「も、も~。またあかりを脅かすの? 今度は騙されないんだからね…」

あかり「ほら、くすぐり~~。……あれれ、今度はちなつちゃん我慢するんだねぇ…」

あかり「…………ちなつちゃ~ん。起きてよぉ…」

あかりはちなつを何度か呼びかけた。
ちなつがすでに死んでいるということを理解したくなく現実逃避を続けながらちなつを呼び続けた。
呼び続ければもしかしたらちなつが起きてくれるかもしれないと期待をこめて呼び続けた。だがちなつは目を開けることはなかった。

あかり「あ」

あかり「あぁ… ああああ………」

あかり「うそ、こんなのうそだよぉ! ちなつちゃん! おきてっ!」

あかり「おねがいだからぁ!! おきてよぉ!! うわあああああん!!」

あかりはちなつを抱きしめながら叫び続けた。
どれくらい叫び泣いたかもわからない。
そして、ふとあかりは思った。早く医者の所にちなつを連れて行かなければならないと。
どうにかしてちなつを助けたいと思っての考えだった。

あかり「ま、まっててね、ちなつちゃん。あかりがお医者さんのところに連れて行ってあげるからねっ…」

あかり「よぃ… しょっと… えへへ、ちなつちゃん軽いねぇ…」

あかり「お医者さんに見てもらえばちなつちゃんの怪我も治してもらえるからねっ…」

あかり「それまでちょっとだけ我慢してねぇ… あかりが連れて行ってあげるからねぇ…」

89 : 以下、名... - 2015/11/08 20:06:52.06 QMmPFsdS0 65/395

あかりはちなつを背負いおぼつかない足取りで歩き始めた。
あかりが歩き始めて少し経ち今までの場所とは違い大きなクレーターが出来ている場所に辿り着いた。
クレーターには雨水が溜まり、小さい池となっていた。
そしてあかりはその池に人が浮かんでいるのを見つけてしまった。

あかり「う、うそ…」

あかり「結衣ちゃんと京子ちゃんなの…?」

浮かんでいたのが結衣と京子だと気付いたあかりは背負っていたちなつをゆっくりと下ろし、池に向かって走り始めた。
池はそこまで深くなくあかりの膝下程度の水位だった。
あかりはうつぶせで浮かんでいる二人の下に辿り着き二人を助けるべく身体に触れ抱き起こした。

あかり「結衣ちゃ………ん………?」

結衣の身体を抱き起こしたときに気が付いた。
結衣の身体は上半身しか存在していなかった。
あかりは硬直し、半開きとなった虚ろな目の結衣の顔を見て意識が飛びそうになる。

あかり「はぁっ… はぁっ… ゆいちゃ…」

あかり「ち、違うよ。こ、こんなの夢なんだもん、悪い夢なんだもん…」

あかり「は、はやく起きないと… あかりこんなこわい夢見たくないよぉ…」

あかりは結衣を抱きかかえたまま悪い夢はもう覚めてほしいと願い続けた。
だがあかりの願いは誰にも聞き得れられず、足元から伝わる水の冷たさや抱きかかえている結衣の身体の重さが妙な現実感をあかりに与えた。
硬直していたあかりが、水に浮かんでいた京子が自分の傍まで漂ってきたことに気付いた。

あかり「はぁっ… はぁっ… はぁっ…」

あかりは結衣を一度下ろし、震える手で京子を抱き上げた。
嫌な予感しかしなかった、だがあかりは京子がもしかしたら気絶しているだけなのかもしれないと思い抱き起こした。
そしてすぐさま安易に抱き起こしてしまったことを後悔した。

あかり「!? いやぁあああああああ!?」

あかりが抱き起こした瞬間、京子の首が落ち水面に波紋を作った。
あかりは首のない京子の身体を持ったまま叫んだ。

あかり「あああああああ!? ち、違うのっ、ごめん、ごめん京子ちゃん!?」

あかり「やだっ、どこ!? 京子ちゃんどこっ!?」

反射的に京子の身体を離し、あかりは水面に沈んだ京子の首を捜し始めた。
そしてそれはすぐ見つかった。
あかりは京子の首を拾い上げ、安堵の息をつく。

あかり「よ、よかったぁ~、ごめんね京子ちゃん」

あかり「………………………………あれ?」

京子の首を持ったままあかりは酷い違和感に襲われる。
そして、あかりは首だけの京子の顔を見て、首のない京子の身体を見て、上半身だけの結衣を交互に見た。

あかり「…………」

あかりは完全な無表情になり、京子の首を持ったまま立ち尽くした。

90 : 以下、名... - 2015/11/08 20:07:52.84 QMmPFsdS0 66/395

クレーター池のほとり


あかりは結衣と京子を池から引き上げ、ちなつの隣に寝かせた。
3人は並ぶように横たわっており、あかりは3人の前で体育座りをしながら顔を伏せていた。
あかりはずっと夢から覚めてと呟いていた、しかしあかりの悪夢は覚めることはなかった。

あかりの小さい身体から全ての水分が出尽くすくらい涙を流し、それでもなお流れ続ける涙があかりの視界を歪ませる。
そしてどこかからか聞こえてきた声にあかりは顔を上げ歪んだ視界の中、小さな生き物の姿を捉えた。

QB「やぁ、あかり」

あかり「きゅぅべぇ………?」

QB「君が無事で安心したよ、他の3人は残念だったね」

あかり「………はやくおきないと、こんなゆめもうみたくないよぉ…」

QB「どうしたんだい? 夢ってどういうことだい?」

あかり「………あかりはわるいゆめをみてるの。はやくおきてこんなこわいゆめわすれないと…」

QB「? 君は眠っていないよ? 起きているじゃないか?」

あかり「………ちがうもん、あかりはゆめをみてるだけ、みんなしんじゃうなんてそんなことあるわけないもん」

QB「ああ、そういうことだね。強い精神ショックを受けた場合に起きる症状か」

QBはあかりの顔を見ながら少し黙り、何かを思いついたのか再び話し始めた。

QB「………君がそんな事言っていたら、他の3人は悲しむんじゃないかな?」

あかり「…………」

QB「京子、結衣、ちなつは君を守る為に死んだんだよ?」

あかり「…………え?」

QB「特にちなつなんかは魔法少女になる願いも『あかりちゃんを守って』という願いだったね。君の周りに防御フィールドが出来ていただろう? 気が付かなかったかい?」

あかり「…どういうことなの? みんながあかりを守るためって…?」

QB「それじゃあ、全部話してあげようか」

91 : 以下、名... - 2015/11/08 20:09:12.75 QMmPFsdS0 67/395

QB「君がちなつをかばって気絶した後に、ワルプルギスの夜が具現化して君たちのいた建物は破壊されたんだよ、幸い君とちなつは京子たちがかばってくれて助かったけどね」

QB「その後に、僕が京子たちに呼ばれてこれがワルプルギスの仕業と教えてあげたんだよ。その後に少し話をしたら、彼女達は気絶した君を守る為にワルプルギスの夜と戦うと言ってくれたんだ」

あかり「…あかりのせいなの?」

QB「最初は結衣と京子がワルプルギスに挑んで、ちなつは君を守る為に一緒に居たんだけど、ちなつとも少し話したらワルプルギスの夜に立ち向かうと言ってくれてね。そこでちなつも魔法少女になったんだ、君を守るという願いでね」

あかり「…あかりのせいでみんなが」

QB「3人は健闘したと思うよ、だけどワルプルギスには及ばなかった」

QB「最初に結衣がワルプルギスの攻撃の直撃を受けやられてしまった。その後は京子だったね。だけど、京子はすごかったよ? あの願いで契約したにもかかわらず、ワルプルギスを数分間も一人でしかも真正面から足止めしたんだからね」

あかり「…………」

QB「まあ、その京子も力尽きやられてしまったよ。そして、最後はちなつだね。ちなつは二人がやられるところを見て君の元に向かったんだ。そして君の元にワルプルギスが来ないように防御魔法を使い続けていたよ」

QB「かなりの時間、ワルプルギスの攻撃を防いでいたんだけど、やはり彼女も最後にはワルプルギスの攻撃を受けやられてしまったんだ。そしてちなつがやられた直後にワルプルギスも消えたんだよ」

あかり「あかりが、あかりがみんなを…」

QB「彼女達は最後まで君を守ろうとしたんだ、だから君は助かって喜ぶべきだよ、彼女達の願いは成就されたんだからね」

あかり「………ちがうよぉ、あかりが助かってみんなが死んじゃうなんてそんなのだめだよぉ…」

QB「何が駄目なんだい? 彼女達は君に助かってほしいと本当に願っていたみたいだけど?」

あかり「ちがうよ、ちがうんだよぉ…」

92 : 以下、名... - 2015/11/08 20:10:26.56 QMmPFsdS0 68/395

QB「よくわからないけど、君はこれからどうするんだい?」

あかり「…………」

QB「君には運命を変えられる力が備わっているんだよ」

あかり「あ………」

QB「君が望むなら、僕が力になってあげられるよ?」

あかり「…どんな願いも叶えられる」

QB「そうだよ、君にはその資格がある。さあ、君の祈りを教えてごらん?」

あかり「…………」

あかりの脳裏に楽しかったごらく部の思い出が蘇る。
京子が馬鹿をやって、結衣がそれを咎める、そしてちなつは結衣にちょっかいを出し京子がちなつに詰め寄り、あかりはそんなみんなを見て笑っている。皆も楽しそうに笑っていた。

あかりが過去の思い出を思い出していたときに視界に今の3人が入り現実に引き戻される。
横たわりボロボロになった3人、二度と笑うこともなく3人の未来はここで閉ざされてしまっていた。

あかりはこれが悪夢だったとしても、こんな結末で終わることは絶対に許せなかった。

そして、あかりは悪魔の契約に手を出してしまった。

あかり「あかりは…」

あかり「あかりはみんなを助けたい… こんなことにならないようにしたい… みんなともう一度笑って一緒にいられる時間を取り戻したい」

QB「! …契約は成立した、君の祈りはエントロピーを凌駕した」

QB「さあ、解き放つといい。君のその新しい力を」

あかりを中心に紫色の光が輝きだした。
あかりの新たな力は空間を歪ませ、紫色の光としてあかりを包み込んだ。
光は輝きを増し、辺り一帯を包み込むようにして広がったかと思うと一瞬にして掻き消えた。
その場に残ったのは物言わぬ3人の亡骸とQBのみだった。

93 : 以下、名... - 2015/11/08 20:11:18.92 QMmPFsdS0 69/395

QB「これは… 彼女は一体どこに…?」

QB「まあ、いいか。契約は完了したんだし、彼女ならすぐ魔女になってくれるだろうしね」

QB「しかし、彼女の願いは3人を生き返らせたいとでもするかと思っていたのに的が外れたな。ワルプルギスとの戦いで3人はソウルジェムを破壊されて死んだのが痛かったから、あかりの願いで生き返ってもらって、魔女になってもらいたかったんだけどな」

QB「やはり人間の感情は理解できないな、ある程度誘導しても思い通りに行くことが殆どない。本当に厄介だ、せっかく苦労してワルプルギスを誘き寄せてまで契約を迫ったんだけど4人中3人もエネルギー回収できなかったし」

QB「まあ済んでしまったことは仕方ないか…」

QB「さて、次の娘のところに行かないとね」

QBの姿は掻き消え、残ったのは3人の亡骸のみとなった。
3人は寄り添うように並び、あかりの手によってそれぞれ手を繋いでいた。
雨がやみ雲の切れ間から差し込んできた光が3人の顔を照らしていた。



こうして、あかりの旅が始まる。
ひとつの悪夢は終わり、新たな世界にあかりは旅立った。

あかりは再び皆と笑いあい一緒に過ごせる時間を手に入れる為に契約をしてしまった。
後戻りをすることの出来ない契約を。

94 : 以下、名... - 2015/11/08 20:11:59.82 QMmPFsdS0 70/395

10話終わり。

96 : 以下、名... - 2015/11/08 20:43:31.72 QMmPFsdS0 71/395

エピローグ


あかりの部屋


まどろんだ意識の中、あかりはゆっくりと目を開ける。
見慣れた自分の部屋の天井を見て、身体を起こす。

あかり「………ゆ、ゆめ」

あかり「あああ……… よかったよぉ………」

あかり「ひっく… あんなこわい、ひっく… ゆめ…」

あかりは安堵の涙を流しながら右手に違和感を感じ手を開く。
そこには紫色のソウルジェムが握られていた。

あかり「えっ?」

あかり「これって… ソウルジェム…」

あかり「それじゃあ、あれは、ほんとに…」

あかりは自分の手にあったソウルジェムを呆然と見続け、数十分そのまま見続けていた。
顔色もどんどん青から白へと変化して行き、身体中が震えだした。
ベットの上で震えていたあかりだったが、家のチャイムの音に意識を引き戻され、外から聞こえてきた声に目を見開いて反応した。
そして、服も着替えず玄関まで全力で走り、そのままの姿で玄関の扉を開けた。

京子「うぉおう!? って、あかり~、新学期から寝坊か~?」ニシシ

結衣「あかり… パジャマ姿で出てきて寝ぼけてるの?」

あかり「…………」

京子「おーい、あかり? 聞いてんの? お~い?」

結衣「あかり? どうしたの?」

あかり「…………」ジワァ

あかり「うっ、ううっ… うわああああん!」

京子「うぉっ!? ど、どしたの、あかり?」

結衣「あかり!? うわっぷ!?」

あかりは二人に抱きつきそのまま泣き始めた。
そのままあかりは泣き続け、二人は顔を見合わせ困った顔をしてあかりをなだめ始めた。

京子「あ、あかり? どうしたんだよ?」

結衣「そうだよ、なにがあったの?」

あかり「ひっく、だって、だって二人が生きて… ひっく」

京子「生きて? とりあえず家に入ろうぜ。そこで聞くからさ」

結衣「そうだね、家に入って準備もしようか。早めに準備もしないと本当に遅刻しちゃうしね」

あかり「ひっく… 二人ともよかったよぉ… ひっく…」

京子「な、なにがよかったかはわかんないけど、ほらあかりも歩いて!」

結衣「歩ける? あかり?」

あかり「ひっく… ぐすっ…」コクン

そのまま3人はあかりの家に入り、あかりを部屋まで連れて行った。
泣き止まないあかりに、京子があかりの準備をしようと制服を取りに行こうとするとあかりに服を捕まれ動けなくされた。
京子と結衣は顔を見合わせ新学期早々遅刻かとため息をつきながらもあかりが泣き止むのを待った。


あかりが持っていたソウルジェムが転がり、3人の顔を映し出していた。
あかりは泣き顔だったが、京子と結衣は困った顔をしていたが笑顔であかりを見ていた。

97 : 以下、名... - 2015/11/08 20:45:04.69 QMmPFsdS0 72/395

エピローグ終わり。
1章 時をかけるあかり 終わり。
2章に続く。


続き
あかり「わぁ、喋る猫さんだぁ」 QB「僕は猫じゃないよ」【2章】

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