唯「……」ピコピコ
梓「何してるんですか?」
唯「……」
梓「唯先輩?」
唯「やった~! レベルアップだ~!」
梓(部室にゲーム持ち込んでるし……)
唯「あ、あずにゃん!いたんだ~」
梓「ずっといましたよ……。ところで、レベルアップって言ってましたけど、DQNですか?」
唯「ちょっ! あずにゃん! いくらあずにゃんでも言っていいことと悪いことがあるよ!?」
梓「え?」
唯「いくらわたしがDQNって言われてても、あずにゃんから言われるとかなしいよ!!」
梓「あ、いや、DQN(ドキュン)じゃなくて、DQN(ドラクエナイン)です」
唯「なーんだ……。しんぱいして損したよ~」
梓「で、一体何をしてたんですか?」
唯「ぽけもんだよ~」
元スレ
梓「何してるんですか?」
http://yutori7.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1280580624/
梓「ぽけ……? すいません、もう一度お願いします」
唯「え?だから、ぽけもんだよ?」
梓「ぽけもん……ですか?」
唯「えっ、あずにゃんまさか知らないの?」
梓「はい、何ですかそれ?」
唯「正直びっくりだよ」
梓「いや、そんなこと言われても……。唯先輩のマイブームなんじゃないですか?」
唯「そんなことないよ? みんなやってることだと思うんだけどな……」
梓「覚醒剤みたいな言い方しないでください」
唯「ええっ!? べつにそんなつもりはないよ!?」
ガチャリ
律「やっぱあそこでれいとうビーム使ったのが正解だったよな~」
紬「りっちゃん、ポケモンうまいね~」
澪「ポケモンばっかしてないで、勉強とかしろよな」
律「そういう澪ちゃんだって~、ポケモンやりこんじゃってるくせに~、このこの~」
澪「べっ、別に、勉強とかしてるもん……」
律「ほんとに~? じゃぁ問題だすよ?」
澪「のぞむところだ」
律「しんぶんし、逆さまから読むとどうなる?」
澪「しんぶんしだろ? なんだそのてい 律「ぶっぶー!!」
紬「え? りっちゃん、何で?」
澪「そうだ、間違いじゃないだろ!」
律「ちっちっち!甘いな~お二人さん。
しんぶんしは逆さまから読むと、読みにくいにきまってんだろ?」
澪「なっ! そんなのずるいぞ!」
律「ずるくないも~んだ」スタコラサッサ
澪「あ、コラ! 待て!!」
律「ははっ、つかまえてごら~ん」
澪「りぃ~つぅ~……!」
紬(またいいものを見せてもらったわ。
「それは勉強に関係ないだろ!」ってツッコむ余裕も無い澪ちゃん、可愛い~)
唯「あ~、りっちゃんと澪ちゃんまたおいかけっこしてる~。」
梓「律先輩、澪先輩、やめてください! それよりも練習しましょうよ、練習!」
律「まぁまぁ、お茶してからな~」
紬「今用意するからね~」
唯「さーて、ぽけもんしますか!」
律「おお、唯やる気だな~。今日も勝っちゃるからな~」
澪「ほどほどにしとけよ? 私もレベル上げしとくかな」
紬「唯ちゃん、がんばってね。りっちゃんもがんばれ~♪」
梓「……え?」
唯「今日の手持ちは~……」
律「唯、またグラードン使うのか~?(笑)」
澪「唯のお気に入りだもんな」
唯「だってぐらたん強いんだよ~。外せないよ~」
律「唯の手持ち一体発覚……っと」
唯「はかったなぁ!?」
アハハハハハハハ
梓「えと……。みなさん、何してるんですか?」
唯「だから、ぽけもんだよ?」
律「ポケモンに決まってんじゃん」
澪「ポケモンだな」
紬「ポケモンね」
律「梓、もしかして……」
澪「知らないのか?」
唯「そうなんだよ、あずにゃん知らないらしいんだよ」
梓「すいません……なんか、その……時代遅れですかね?」
紬「う~ん……大体の人が知ってると思うし、うちの斉藤だってやっているわよ?
昨日も対戦したら負けちゃったの。でも、これで強くなってって、ハッサムをくれたのよ~」
唯「へぇ~、いいなぁ~ハッサム」
律「おいおい、お前にはグラードンがいるだろ?」
唯「ハッ! ぐらたん、ごめんよ~」
梓「そのぐらたん、て何ですか?」
唯「グラードンっていうぽけもんのニックネームだよ~」
梓「なんだか美味しそうな名前ですね」
唯「たべちゃらめぇぇぇぇぇぇ!!」
梓「!? 別に食べませんよ!!」
唯「お~よしよし。ぐらたんよかったね~」
梓「ていうか、ムギ先輩、大体の人が知ってるって、本当ですか?」
紬「まぁ、そうだと思うけど」
梓「私、ちょっと調べてきます!!」ダッ
唯「え、ちょ、あずにゃん!!」
澪「部活どうすんだ! ……って」
律「いっちまったな~」
紬「梓ちゃんが戻ってくるまで、みんなでポケモンしてましょ」
みんな「さんせ~い」
梓(まさか軽音部のみんながポケモンをやってるなんて……。憂、純、私は二人を信じてるからね)
梓「憂は今日、唯先輩と一緒に帰るとかなんとか言ってたから、まだ教室にいるはず……」
ガラッ
梓(……いた!!)
梓「憂!」
憂「あ、梓ちゃん。軽音部はどうしたの?」
梓「いや、ちょっとね。それよりも憂、残ってるんだったら部室来ればよかったのに」
憂「そうしたかったけど、私がいて練習の邪魔になっちゃ悪いかな~って」
梓「ふ~ん……。あ、ところでさ!ポケモンって知ってる?」
憂「……? 知ってるも何も、現在進行形でやってるよ?」ピコピコ
梓「え? 嘘っ!?」チラッ
梓(ほんとだ……)
憂「毎日お姉ちゃんと対戦してるんだ~。」
梓「へ、へぇ~。そうなんだ、あはは……(まさか憂までやってるなんて……)
憂「梓ちゃんは、今どんなかんじ? 今バッジ何個かな?」
梓(うっ!! やってないなんて言えない……)アセアセ
憂「梓ちゃん? どうしたの?」
梓「えっ、えーっとえーっと……(バッジってなにー!?)」
憂「どうしたの? 様子が変だよ?」
梓「(適当に数を言えば……!)その、23個くらいかな、なんて、あはっ、あはは」
憂「そんなに集められないけど……?」
梓「(もっと少ないの?)あっ、ちがうの! 思い出した! 11個くらい!」
憂「バッジは8個までなんだけどな……」
梓(憂の視線がイタすぎる!)
憂「梓ちゃん……もしかして、ポケモン知らな……」
梓「ちょーっと急用を思い出したかなーっ! んじゃ、憂、また後でね!」ピューッ
憂「……? あ、死んだ」ピコピコ
梓(しまった……。憂がやってるなんて思わなかった……)
梓「純、もう純だけなんだからね。信じてるからね」
梓(ジャズ研、ジャズ研……ああ、ここだ)ガラッ
純「梓じゃん! ……どしたの?」
梓「……」
純「……ちょっと出てくるから! 2年は1年をよろしくね」
はーい
梓「……純」
梓「……純」
純「分かってる」
梓「へ?」
純「梓のことは、何でも分かってるから」
梓「純……!」パァァァァ
純「生理が来ちゃったんでしょ? ちょうどアレ持ってるよ。さ、トイレに行こう」
梓「……! 純のバカー!!」ダッ
純「なんだったんだろ?」
梓(憂も純も、もう知らない! せいぜいポケモンとやらにハマってればいいのよ!)
梓(……純も多分やってるよね……。だとしたら……私だけ!?)
梓(あ、さわ子先生)
さわ子「あら、梓ちゃん。ポケモンのことなんだけど……」
梓「見損ないました! さわ子先生は……さわ子先生だけはって、思ってたのに!」ダッ
さわ子「えっ!? 梓ちゃん!? ……廊下は走っちゃだめよー……」
梓「ハァ、ハァ……。うぅ……。なんか頭痛い……。今日はもう帰ろうかな……」
唯「結局あずにゃん戻らなかったね……」
オニドリルは空高く飛び上がった!
紬「もう帰っちゃったのかも」
律「明日になったらちゃんと来るだろ。くらえ! かみなり!」
唯「へへーんだ、りっちゃん。やきとりは空とんでるから当たらないんだよ?」
ズバァァッ オニドリルは倒れた!
唯「なんで~!?」
澪「唯……。かみなりは空飛んでてもあたるぞ?」
律「また勝っちゃったよ~。張り合いがねぇぞ、唯」
紬「次はがんばろうね、唯ちゃん」
澪「さて、練習練習」
唯「あずにゃんがいないからダメだよ~」
律「んじゃ、今日はもう帰るか」
紬「そうしましょう」
梓「……」
梓(みんなポケモンやってて、だけ私だけ仲間外れで……。……ハァ、テレビでもつけよう……)
今大人気のポケモンシリーズ! 新作の登場です!
ブチッ
梓「もう嫌だ……」
梓(このままじゃダメだ。ポケモンのことを調べて、なんとか話題についていけるくらいにならないと)
梓「へぇ~。いろんなシリーズがあるんだ」カチカチ
梓「唯先輩が言ってたグラードンって、これかな?」カチカチ
梓ー、もう寝なさ~い
梓「は~い。……しょうがない、今日はここまでか……」
――
唯「あ~ずにゃんっ」
梓「はわっ。……って唯先輩ですか」
唯「どうしたの? あずにゃん。ぼーっとしちゃって」
梓「昨日ポケモンのことについて調べてたら寝るのが遅くなって……」
唯「お、勉強熱心だね~。えらいよぉ、あずにゃ~ん」
梓「暑いんで抱きつくのはやめてください」
律「おお、梓、来てたか」
澪「別にポケモン知らなくても、気にしないでいいからな?」
紬「そうよ、知らないのは梓ちゃんだけとは限らないし」
梓「いえ、もう大丈夫です。それに、多少は調べてきましたから」
律「やるじゃん」
澪「梓も、ポケモン、やってみるか?」
梓「は、はい……」
ピコピコ
梓「い、意外とおもしろいんですね」
唯「でしょ~? あ、あずにゃん、もうすぐで卵がかえるよ!」
梓「え?」
おや? ピキピキ おめでとう! タマゴからエネコが生まれた!
律「お、やったな!」
澪「おめでとう、梓」
紬「よかったわね~」
梓「……。ちょっと、可愛い……かも」
唯「あずにゃんが生まれさせたんだよ~」
梓「唯先輩、みなさん、ちょっと出かけてきます」
律「? 何しにでかけるんだ?」
梓「ポケモンを買いに、です」
紬「気をつけて行ってくるのよ~」
梓「え~と……。みんながやってたのは……」ガサゴソ
梓「あ、あった。ダイアモンドとパール、どっち買えばいいんだろ?」
梓「……。ちょっと電話してみようかな」
プルルルルルルルル
唯『あずにゃんだ! どうしたの?』
梓「ダイアモンドとパールで迷いまして」
唯『あ~、あるある。そんなのどっちでもいいんだよ~』
梓「ちなみに唯先輩はどっちなんですか?」
唯『わたしと澪ちゃんがダイアモンドで、りっちゃんとムギちゃんはパールなんだよ~」
梓「そうなんですか……。あっ、このプラチナってやつでもいいんですかね?」
唯『お! それはいいかもね』
梓「分かりました、ありがとうございます。買って戻りますね」
唯『がんばれ~』ブチッ
――
梓「ただいま戻りました」
唯「あずにゃんおかえり~」
澪「プラチナじゃないか! 梓やるなぁ」
律「さっそくやってみろよ~」
梓「そ、そうですね。では……」ポチッ
紬「これで梓ちゃんもポケモン仲間ね~」
梓「は、はい! ……最初の3匹……。どれにしよう……」
唯「わたしはナエトルにしたよ~」
律「ヒコザルにしたな」
澪「私はポッチャマ……」
律「澪ちゅわん、可愛い~」
澪「律!!」
律「冗談冗談(笑)」
梓「えーと……。じゃぁ、唯先輩のと同じのでいいです」
唯「やったあ~! あずにゃんと一緒だぁ~」
梓「なんかいいですね、こういうの」
律「お? ポケモンの魅力にハマってきたか~?」
梓「ちょっと、おもしろい、かも……」
――
数週間後――
梓「唯先輩! 今日も部活前にポケモンしましょう!」
唯「あ、あずにゃん」
梓「唯先輩、対戦しましょう。今日は負けませんよ」
唯「対戦? 負けない? あずにゃんどうしたの?」
梓「え」
ガチャリ
律「おーっすオラりっちゃんって……。どったの?」
梓「唯先輩がポケモンのこと忘れちゃってるみたいなんです」
律「ポケモン? は? 何それ」
梓「え……」
ガチャリ
澪「りぃ~つぅ~! さっきはよくも~……」
梓「! 澪先輩! 聞いてください! 唯先輩と律先輩が変なんです」
澪「? 二人が変なのはいつものことじゃないか」
梓「ちがうんです、あんなにハマってたポケモンをまるで知らないみたいに……」
澪「ポケモン? なんだそれ。律、知ってるか?」
律「うんにゃ」
唯「あずにゃん、どうしたの? 気分でも悪いの?」
梓「ほんとに……。どうしちゃったんですか、みなさん!!」
澪「お前がどうしたんだよ、梓。何かおかしいぞ?」
梓「おかしいのはみなさんです! ほら、コレみてください! これでも思い出しませんか!?」
唯「あ~、なんか可愛いね~」
律「強そうだな」
澪「なんか怪獣がいっぱいだな……」
梓「そ、そんな……」
ガチャリ
梓「む、ムギ先輩」
紬「ドッキリ大成功~!!」
唯澪律「イエーイ!!」
梓「え? え?」
唯「あずにゃんごめんね~」
律「ドッキリだったんだぜ」
澪「ごめんな、梓」
梓「な~んだ、ドッキリでしたか」
紬「梓ちゃん、大丈夫?」
梓「はい、大分落ち着きました。……では、気をとりなおしてポケモンしましょう」
唯「もう売ったよ?」
梓「え」
澪「そうだ、今の時代は……」
律「DQN(ドラクエナイン)だ!!」
梓「え」
紬「梓ちゃん、流行に乗らなきゃだめよ?」
梓「えぇぇぇぇっ!?」
――
それから1年後――
梓「……」ピコピコ
後輩「何してるんですか?」
梓「……」
後輩「梓先輩?」
梓「あ、いたの? ……これはね」
後輩「?」
梓「ぽけもん、って言うんだよ」
~終~
42 : 以下、名... - 2010/08/01(日) 00:25:06.71 Us3f2s8F0 33/33これで終わりです
なんか短すぎでしたね……(汗)
こんなに短くしてしまうなんて、
何してはるんですか俺
今度載せる時は、長くしたいと思います
今まで見てくださった方、ありがとうございました
おつかれさまです