唯「んー、はっ!」あーでもない
唯「むー、ほっ!」こーでもない
唯「あぁーもー、なかなか上手にセットできないよぅ」
元スレ
律「ヘアピン外した唯とデート」唯「カチューシャ外したりっちゃんとデ
http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1286284686/
唯「ねぇー、うーいー?」
憂「ん? どうしたのー? お姉ちゃん」
唯「七三分けっ!」
憂「……うん」(何してるんだろう)
唯「きょ、今日はそのね! あの」
唯「りっちゃんと二人っきりでおでっお出かけな……なんです」
憂「あー! だから張り切って髪の毛セットしてるんだー」
唯「う~ん、そうなんだけど」
唯「あ、見て見て! 憂の真似ー」
憂「それじゃあ律さんと私のデートになっちゃうよー」
唯「……あっ! それはダメですっ!」
憂(お姉ちゃん可愛いなぁ♪)
憂「はい、じゃあ鏡の前に座って?」
唯「お~! 姉に似ずよく出来た妹~♪」
憂(律さんとお姉ちゃん二人きりで出かけることって今まであったかな?)ブォー
唯「~♪」
憂(よーし、とびきり可愛くしてあげなきゃ!)ブォー
憂「……はい! いかがでしょー?」
唯「おぉ!」キラーン
唯「憂はドライヤー上手いねぇ~」
憂「えへへ~」
唯「じゃあーピンを――」
憂「あ! ダメだよ、お姉ちゃん!」
唯「えぇー、ピンが無いと何だか落ち着かなくて」
憂「めっ! 今日は私がつけておきます!」
唯「うぅー」
憂「大丈夫♪ 今日のお姉ちゃんはすごく可愛いからっ」
唯「むぅー、そうかなー?」
唯「あ! もうこんな時間」
唯「では、いってまいりますっ!」ダダッ
憂「いってらっしゃーい♪」ふりふり
憂「…………」ふりふり
憂「えへへ、お姉ちゃんのマネ~♪」
* * *
唯「ほっはっひぃ~」
唯「ふぅー」
唯「へぇ~ま、間に合った~」ぜぇぜぇ
「いーや、間に合ってないっ!」
唯「えぇ~、りっちゃん来てないし~」
「時計と前をよーくみろー」
唯「んへー? ちょっと遅れただけ……」
唯「っえ゛! り……りっちゃぁん?」
律「そーだい、あたしはとっくについてたんだぞぉー」
唯「どど、どうしたの? 今日はその」
律「だぁー! もう、それ以上は言うな!」
唯「かっこいいねっ!」
律「はぁ……、あたしだってこれでも女なんだぞ?」
律「お世辞でも可愛いとか言って欲しいお年頃だぞ?」
唯「うん! カッコ可愛いよっ!」きらきら
律「やめろー、そんな目で見たってあたしは何もくれてやらないぞっ!」
唯「えっえー? いいじゃないのぉ~、私とりっちゃんの間でしょぉ~♪」
律「いつから私たちはそんな間柄になった!?」
唯「うっ、……そ、それはさっき目を合わせた瞬間からだよっ!」ふんす
律「いーや、ありえね……」
律(ってなんだー?)
律(なんでだぁー? 今日の唯、その……)
律(か わ い い)
律「!?」
律「お、お前さっ さては憂ちゃんだろ!」
律「そーだ、そーだぁ!
唯がこんな小奇麗なわけない! あたしの知ってる唯はこんなんじゃなーい!」
律「ほら、"うんたん"ってやってみろー! できないだろー!」
唯「うんた……って、そんな! しどいよりっちゃん!」がびーん
唯「だっ、だったらねぇー、今日のりっちゃんだってぇー!」
唯「私の知ってるりっちゃんだって、もっとガサツで、がに股で」
律「なぁーにー!?」ほっぺつねり
唯「うぅ~! あって、いったんがさいひょにいったんでひょ~!」ふがふが
唯律「…………」
唯律(見つめあうとますますカッコいいよぅ)かわいいじゃねーか!)
律「……問題ですっ! 私たちの後輩、中野 梓のあだ名を答えなさい」
唯「あふにゃーん」
律「あははー、ほっ本物みたいだなー」ぱっ
唯「おぉー、う゛~! いぃだぁーいー!」ひりひり
唯「りっちゃーん?」じろっ
律「な……なんだよ」
唯「ほっぺ痛い!」じとー
律「あああー! あんまりあたしを見つめるんじゃないやーい!」
唯「だってだって、痛いんだもーん!」ぷんぷん
律「だぁー!! あたしが悪かったからその目をやめろっつーのぉー!」
唯「じゃあ、りっちゃんに問題ですっ」
唯「てれって♪ 今私は怒ってます! それは」
律「あたしがほっぺたをつねってたから! はい、しゅーりょー!」
唯「むぅ! ……でーすーが!
今日のりっちゃんがかちゅーしゃをしてないのはなんででしょー?」
律(むりやりだなー)
唯「ちっくたっくちっくたっく♪」
律「わあったわあった! 話すからその"ちっくたっく"をやめろー!」
* * *
律「それは今朝のことだったぁ――」
聡「んー? 姉ちゃんもめかす年頃になったとさー」
律「あんだよ? そんなお姉さまを見てドキドキする弟だったとさー」
聡「あー、これはきっと不出来な姉をもったことによる心労、
それの動悸で可愛い弟は天に召されるのであった、十五歳という若さだったとさー」ダダッ
律「んだとー! 待ちやがれクソガキー!」だだだっ
聡「あ! 姉ちゃんカチューシャおちて……」
律「はーい、そんな古典的な罠にあたしはかかりまっせーん!」聡げっと
ぱきょ
律聡「あ゛……!」
* * *
律「それは突然の別れだったー!」
律「中学生の頃から連れ添ったりっちゃんカチューシャ1号の訃報」おーいおいおい
唯「それってりっちゃんが殺し……」
律「よーし! いい子だからそれ以上は言わなくていいぞー? そうだアメちゃんをあげよう」
唯「うわぁーい♪」
律「そんでどこいくんだよ?」
唯「んー?」コロコロ
律「特に行き場所決めてなかったよな?」
唯「あ!」ぽろっ
....コロコロ
唯「……それはあめちゃんの突然の訃報でしたっ!」.
律「お前が落としただけじゃねーかぁー!」
唯「わたし、映画館に行きたいっ!」
律「おーし、じゃあそれで」
唯「えぇー? もっとなんかあるでしょぉー?」
律「べっつにあたしは何処でもいーし」
唯「でーとなんだよっ!」
律「! ――デートなのか!?」
唯「あっ……」
律「え……?」
唯律(目が合っちゃったよぅ)合った、かっかわい過ぎるだろっ!)
律「てーなーわーけーでー?」
唯「はいっ!」
律「映画館に着きましたっ!」
唯「着きましたっ!」
唯律「えへへ~♪」
律「空いてるみたいだなー」
唯「そうです! 狙ってましたからっ!」ふんす
律「どー考えても嘘だろ!」
唯「えへへ~♪」
律「じゃーあたしは飲み物とか買ってくるわ」
唯「了解ですっ! りっちゃん隊員!」びしっ
律「たーだいまー、ってそこあたしの席だろー? 何やってんだよ?」
唯「殿の為に温めておきましたっ!」キリッ
律「はぁ~、邪魔だ邪魔だ! どけどけっ!」
唯「あ~ぅ~、いけず~」はわわ
律「ほら」
唯「あー、ありがとーりっちゃーん!」
律「…………」ぱくぱくもぐもぐ
唯「ひょ、ひょっとして、それはあのキャラメル味のぽっぷこーん!?」
律「そーだけど?」にしし
唯「あ……」ごくり
律「あー、おいしーなー! 映画館っていったらコレだよなー、コレにつきるよなー?」ひょいっもぐもぐ
唯「おぉぉ、ちょ……ちょっとだけ」じゅるり
律「はーいストップ! いい匂いだろ? んっ?
でーもでも世の中キビシー、そんな顔したってあげまっせーん!」いしし
唯「あぁ~う~、りったんがぁ~」じたばた
律「いい子にするか?」
唯「っ! します、します! 絶対にしますっ!」
律「じゃあそんな唯ちゃんには今回、 特 別 に十個だけあげまし」
唯「はむっはむっ」もふもふもふ
律「だぁー! おいー! 食いすぎだって! も、……もうやめてくれ!」
唯「ん!」
律「どーした! つまったか? コーラなのかっ?」
唯「ふぇいがはひまふよっ!」ふがふが
律「はーいはい、わかったから口の中を空っぽにしてから喋ろうなー」
律(あちゃー、やっぱりこういうシーンはあるわけで――)
律「…………」ちらっ
唯「…………」じー
律(うわぁー! あのこ"じー"っと見入ってるよ! 約束通りいい子にしてるよー!)
唯「んー? どうかしたの? りっちゃん」ぽけー
律「あ? いいや、なんでもないぞー? 」
律(なんだかあたしがそわそわして落ち着きがない子みたいじゃん! おかしーじゃん?)
律「…………」ちらっ
唯「…………」にこっ
律「」
唯(大変です! りっちゃんの様子がおかしいよっ!)
唯(んー)
唯「はっ!?」
唯(失礼しまぁーす)そそそ
律(お、お落ち着け! 今こそコーラを飲んで落ち着こう!)
律「……ごくごく」
律「!!」ぴとっ
律(い……今りっちゃんの身におこったことをありのまま話すぜぇ!)
律(唯の右手があたしの左手に重なってる)
律(何を言ってるのか? あたしにもわかんないんだー!)
律(あ、あ、頭が、……どうにかなりそーだー!)
律「…………」ちらっ
唯「……だめかな?」
律「よ、よろしくってよ? おーほっほっほ」
唯「はー! 楽しかったねぇー」るんるん
律「あー、そーだなー」およよ
唯「むー! りっちゃん寝てたんでしょ?」
律「いーやいやいやいやっ! 起きてましたとも!」
律(お前が手とか握るから、そりゃもう優しく握るからー!)
唯「ふーん」
律「な、……なんだよ」
唯「ほーらー! 次どこ行くかりっちゃんが決める番だよぉー!」
律「あ、ああ! そうか、そーだなー」
唯「はい! てーなーわーけーでぇー?」
律「…………」
唯「ゲームセンターにつきましたぁ」テンション↓
律「わ、わるかったな!」
唯「もっといい所連れてってくれるとおもったのになぁー」ぶー
律「だぁ~、ぐちぐち言ってないでいくぞっ!」たたっ
唯「あーっまってよぅ!」たたたっ
律「じゃじゃーん! りっちゃんお得意のドラムゲームです!」
唯「じゃじゃーん、りっちゃん一人で遊ぶつもりみたいですっ」ぷいっ
律「まぁまぁそう言うなよ、ゲーセンにきたらコレをやらないと始まらないだろっ?」
唯「えー? そうかなぁ?」
律「そうそう、そーなんだよ!」
律(ここで気持ちを切り替えて)
律(カッコいいりっちゃんをしっかりみせて)
律(……って! なんで唯にアピールしなきゃいけないんだよ?)
律( お か し ー し )
唯「あっ! りっちゃん始まってるよっ!」
律「へ? え、あ゛ぁ!」どたばた
律「あっと、えっと」あたふた
唯「…………」ちゃりーん
唯「このギターのゲームりっちゃんのゲームと繋がってるんだって!」
唯「りっちゃん隊員の危機! 隊長のわたしが救って見せましょう!」ふんす
律「いやいや、隊長はあたしだろ!」
唯「えぇー? りっちゃんの部下なんて嫌だよぅ」
律「あー! ほら唯、始まってる!」
唯「! あわわ」
じゃがじゃが
律(卒業してから、一緒に演奏なんて全然してなかったもんなー)
唯「ほっ! はっ!」
ずんずん
律(……ギターを弾いてる唯はやっぱり)
唯「あ、あれ? んー」
じゃがじゃーんじゃが
律(きらきらしてるな)ふふっ
唯「りっちゃん! ぼーっとしてたらダメだよっ!」
律「あー! わりぃわりぃ、よーし!」
唯「はぁー!」
律「たぁー!」
唯「結局げーむおーばーになっちゃったね?」えへへ
律「まーなっ!」いしし
唯「りっちゃんりっちゃん! あれ」
律「んー?」
唯「一緒にプリクラ撮ろうよっ」
律「えー、今日のあたしこんな髪型だしぃー」
唯「しどいっ! 私はりっちゃんとの思い出が欲しいだけなのにぃ!」
律「おー、そういうことはあたし以外に言ってやってくれー」
カシャッ
唯「なんだかんだ一緒に撮ってくれるりっちゃんでしたー♪」
律「あぁー、ほら! 前向け!」
カシャッ
唯(最後の一枚だよぅ)
唯(そうだっ!)
いっくよー!
はい、チーズ
チュッ
律「へ? ぇえ? 今なにした?」
唯「えへへー」てれり
唯「でっきあっがり~♪」
唯「おぉ! ちょっと暖かいよっ」ほんわか
律「おい! さっきの!」
唯「ふぇ?」
律「その最後の列に映ってる、……その」
唯「へぇー?」にやにや
律「あ、あたしのほっぺに! その、ちゅっとしてる」
唯「"ちゅ"っと?」にやにやにや
律「だぁー! もうその最後の列は没収ー!」
唯「ダメだよ、りっちゃん!」
唯「こんなの澪ちゃんが見たら……」
澪「りぃつぅぅぅーーーー!?」
澪「いいんだ、私なんてもう用済みなんだ!」ううっ
澪「理性を無くしたムギとデート……、うふふ、あはははは」ぶつぶつ…
唯「ってなっちゃうんだよっ!」
律「いーや、お前に持たせておくよりマシだからっ!」
唯「私にはりっちゃんと澪ちゃんの仲を引き裂くだなんてそんなぁ! ――」
律「あー、ならないならない」ぶんぶん
唯「むぅー、じゃあ……ほいっ」ころん
律「へ?」
唯「あめちゃんです! これで商談成立ですっ!」ふんす
律「せーりつしてねーし!!」
唯「えぇー? 受け取ったじゃん!」
唯「これは今度あずにゃんに会った時に"彼氏と撮った"って自慢するんだからっ!」
律「それはマズい! 止めたほうがいいって! きっと梓とんでもないことになっちゃうからな?」
唯「はーい、しゅっぱーつ♪」しゅたたっ
律「ちょっ、おいー!」たたっ
律「はぁ、で? さっきのプリクラを破棄する気にはならんのか? 唯隊員」
唯「だーかーらー、わたしが隊長でしょー? りっちゃん隊員」ぷくー
律「はぁ……、もう唯が隊長でいいよ」
唯「えへへー♪」
律「そうだ、さっき唯がくれたあめちゃんと、
もう一つあめちゃんをだそう! それで手を打とう! なぁ!」
唯「ダメですっ! 隊長命令ですっ!」ぷいっ
律「だぁーー! もーう」ひょいパクッ...コロコロ
唯「ねえ、りっちゃん?」さっ
律「ん? ……手?」
唯「……ダメかな?」
律「だ、……ダメじゃねーし」
ぎゅっ
唯「またデートしようねっ♪」
律「あのプリクラ捨てたらなー?」いしし
唯「あぁー! りっちゃんひどいよぅ」
おわり
66 : 以下、名... - 2010/10/06(水) 03:05:15.24 NqWaZmE50 33/68
長らくお付き合いいただきありがとうございました。
ではまたどこかで
唯「どっらいやぁー♪」ブォー
唯「どっらいやぁー♪」ブォー
唯「かっわいくセットーでっきるかなー♪」
唯「ほっ! ……おぉ」
唯「私だってその気になれば髪型くらいセットできるのですっ!」ふんす
唯「うーいー!」
憂「ん? どうしたのー? お姉ちゃん」
唯「えへへー☆」ばちっ
憂「……うん! 今日も上手にセットできてるよ、お姉ちゃん!」
唯「でしょでしょー?」るんるん
唯「さて、おぉー今日も大変美味しそうにございますなー」
憂「ありがとー、お姉ちゃん」
唯「んん~♪ はむっむぐむぐ、こっこの玉子焼きの絶妙な あ・ま・さ・が っ」うっとり
唯「味皇 海原雄山も唸る美味しさだねっ!」
唯「それで憂は美食倶楽部に連れて行かれて……」
唯「あぁー! だめだめっ、憂のご飯が食べられなくなっちゃうからだめですっ」
憂「大丈夫だよ、私はどこにもいかないよー」
唯「お味噌汁も……ぷはぁ」ほっ
憂「お姉ちゃん最近お洒落だね?」
唯「えへへ、憂ちゃんはよくわかってるねー」
憂「そ、その? 彼氏が……できたとか」もじもじ
唯「お新香さんっ」ぽりぽり
憂「だから毎日おめかしして」
憂「私なんてどうでもよくなっちゃって……」ぶつぶつ
憂「だめだよ! 私がお姉ちゃんの邪魔しちゃ」
憂「お姉ちゃんを笑顔で送り出してあげないと」
憂「か、悲しいけど」うぅっ
唯「…………?」もぐもぐ
唯「ごっちそーさまー」
唯「食器は流しにおっきましょお」
ころん
憂「知らないうちに大人になって……ん?」
憂「お姉ちゃん携帯おとし」
憂(プリクラが貼ってある!)
憂「あ、あぁ……」キョロキョロ
憂(きっと軽音部の皆とのプリクラだよね!)ちらっ
憂「」へなへな
唯「ではでは、遊びにいってまいります!」
憂「おっお姉ちゃん、けけ携帯おとしたよっ」
唯「おぉ! いけないいけない」
唯「ありがとねぇ、憂っ!」
憂「わ、私はおね゛えちゃんのみ、見方……だから」うるうる
唯「?」
* * *
律「おーっす唯ー!」
唯「おは……あぁぁー! りっちゃーん?」
律「な、なんだよ……」
唯「だめです、かちゅーしゃは没収ですっ!」ひょい
律「かっ返せ!
昨日買ったばかりのりっちゃんカチューシャ2号っ!」
唯「りっちゃんはかちゅーしゃしてない方がかっこいいんだよ?」
唯「それに気付くべきだよっ!」
律「だぁーかぁーらぁー! かっこいいっておかしーだろ!」
唯「お……おかしくないもんっ!」
律「そ、それが無いと蕁麻疹がでるんだぁー! 大変なんだぞー!」
唯「ダメったらダメですっ!」
律「オデコがチャーミンなりっちゃんの方がみんな安心だろぉー?」
唯「私と二人っきりなんだからいーじゃんっ」ぷくー
律「そうだけどな? 不意にムギとか澪に出くわして、
『あー、律(ちゃん)おめかししてるー♪』とかなったらあたしは死んでしまうだろー!」
唯「もー、聞き分けの無い子はこうしちゃうんだからー♪」ぐしぐし
律「や、やめぇーてー」
唯「はいっ! カッコいいりっちゃんの完成ですっ!」
律「…………」しゅん
律「あー、前髪がきになるなー」
唯「返しませんっ!」
律「ほーら風にそよいで目に入っちゃうよー? 痛いよー?」
唯「私だってピンが無くて不安なんだよぉ?」
律「つけてくればいーじゃんっ」
唯「りっちゃんは乙女心がわかってないんだよっ!」
律「いーや、あたしだって乙女だっつーの!」
唯「私がりっちゃんの為に朝早く起きて、
どんなに髪の毛頑張って整えてるの知らないでしょー?」
唯「だーいたいりっちゃんはねぇ……」
律「へぇー、唯はあたしの為にお洒落してるのかー」にしし
唯「あ……あぅ」かぁ
律「唯ちゃーん♪」
唯「うぅ……」
律「あたしの為におめかししたゆーいちゃーん?」にやにや
唯「り、りっちゃんのいじわるっ!」
律「んー? あたしはうーれしいぞー?」にやにや
唯「もう知らないもんっ!」
律「そう言うなってぇー♪」
唯「りっちゃんずるいもん……」
律「ほーら、カチューシャ返したくなったろー?」
唯「それとこれとは関係ありませんっ」キリッ
律「さて、じゃーそろそろいくかー」
唯「ふぇ?」
律「ふぇ? じゃねーだろ」かくっ
唯「どこ行くんだっけ?」
律「昨日、一緒に図書館で勉強しよう!
大学入ったら皆を見返そう! つってたのはどこのどいつだー!」
唯「はわわ……そ、そうでしたっ」
律「大体呼び出した張本人がそれでいいのかよー?」
律「あたし? あーたしは間違ったことを言っては無い、断じて無い!」
律「今日のりっちゃんはひと味違うのだ!
きょうのあたしの80パーセントは良心や思いやりで出来ているのだっ!」なはは
唯「ほほーい、りっちゃん置いてくよぉー」たったっ
律「だぁー! 無視すんなよっ!」たたたっ
唯「ほっはっ」たったっ
律「まちやがれぇー」たたたっ
唯「!」キキッ
律「あてっ」どんっ
律「急に止まるヤツがあるかー!」いてて
唯「…………」ぽけー
律「んー? どしたー?」
唯「アイス屋さん……」
律「あぁ、アイス屋さんだなー」
唯「りっちゃんあいす」
律「あたしはアイスじゃねーよ」
唯「アイス食べたい! 食べたいよね? 私だけじゃないよね?」くるっ
唯「りっちゃんもアイス食べたいよね?
私にはわかるよっ! ひしひし伝わってくるよっ!」
律「なにもあたしは訴えかけてねぇー!」
律「ほーらーいくぞー」
唯「あぁーうー、あ~い~す~」
律「てーなーわーけーでー?」
唯「アイス食べたかったなぁ……」
律「図書館に着きましたっ!」
唯「はぁ……美味しそうだったなぁ」
律「だぁー! 今日のあたし達は勉強しにきたんだろっ」
唯「そうだけどぉ」ぶすっ
律「ほぉーらー入るぞー」ずるずる
唯「ぶぅー」
唯「あぁーりっちゃん! みてみてー」
律「図書館では静かーにしようなー?」
唯「アイスの本があるよっ!」
律「勉強しようなー」でしっ
唯「おぅふ」
唯「私は温かそうなこの席にしますっ!」
律「寝る気まんまんだな……」
律「よーし、じゃーあたしは唯の向いの席!」
唯「えへぇー? 私の隣じゃないのぉ?」
律「あたしにだって温かい席に座る権利はあるのだー」
唯「あ……あぅ、でも」
律「んー? それより参考書を開きたまへ」
唯「…………」もじもじ
唯(りっちゃんが向いだと気になっちゃうよぅ)かぁ
唯「ねぇー、りっちゃーん」ひそひそ
律「んあー? なんだー?」
唯「こ、ここがわかりませんっ」ひそひそ
律「いいことを教えてやる、
唯がわからないところはあたしにもわからん! 以上」ひそひそ
唯「むぅ……」
かりかり
律「ふぁ~あ」のびー
唯「…………」ちらっ
律「……あんだよ」
唯「な、なんでもないよっ」ひそひそ
律「ふーん」
唯「……りっちゃん?」ちょいちょい
律「んー?」
ノート『りっちゃんって男の子みたいだね』
律「んだとー? 失礼なっ」ひそひそ
ノート『わるかったなー』
唯「わわっ」あせあせ
ノート『わるくないよ!』
律(あたしだって女の子だっつーの)
ノート『勉強に集中しなさい!』
唯「むー」
げしっ
律「あたー!」
律「ゆーいー! 今足蹴ったろ!」
唯「しらなーいもーん」ぷいっ
唯「もうりっちゃんなんて知りません! 引っ越します」そそそ
律(1席分横にずれただけじゃねーか)
唯「…………」ちらっ
律「…………」かりかり
唯(りっちゃん、偉いね! ちゃんと勉強してるんだねっ!)にまにま
律「ん?」ちらっ
唯「はわわっ」かぁ
律(さっきからなんだ? 唯のヤツ)
唯「…………」うとうと
律「…………」かりかり
律「! おーい、寝たら死ぬぞー」ひそひそ
唯「ふぇー? うーいー、おふとーん」
律「バカゆーいー! 起きろー!」ひそひそ
唯「起きてるよーぅ」うつらうつら
律「起きてねーよ」げしっ
唯「あぅ! りっちゃん蹴ったでしょー!」ぷくー
律「起こしてやったんだろー? それと図書館ではおー静かにぃ!」にやっ
唯「もーっ!」
唯「りっちゃん?」ひそひそ
律「どしたー?」
唯「そっち、戻ってもいいかなぁ?」ひそひそ
律「勝手にしろー」
唯「…………」すそそ
律(も、戻ってきた)にやり
律「…………」じー
唯「……うぅ」かぁ
唯「あー、もうっ! ちゃんと勉強してよっ//」
律「お前が人のこと言えるかー!」
唯「…………」かりかり
唯「…………」かりかりかりかり
律「ちゃんとやってんのかー?」
唯「あー! 見ちゃダメだよっ」参考書ガード
律「なんだよ、ふんっ」ぷいっ
唯「ちゃんと勉強しててよー」
律「な、なんだそれ?」
アナウンス:間もなく閉館の時間に……
律「おー、もうそんな時間かぁー?」
唯「よしっ! できたっ」
律「? まあ後半は集中してやってたみたいだなー」よしよし
唯「えへへ~、もっと褒めてくれていいのだよぉー? りっちゃん」
律「引越しばかりのどっかの誰かさんと違って、
あたしは最初からちゃーんと勉強してましたけどねぇー?」いしし
唯「そっ、それはりっちゃんがいけないからですっ!」ぷいっ
律「あたしゃー関係ないだろーっ!」
唯「あーぅー、づーかーれ゛ーたぁ゛ー」のびー
律「あー、ハイハイ、頑張った頑張った」
唯「もう歩けないっ」
律「ずっと座ってただろっ!」
律「!」
律「はぁ……残念だ! 残念でならないっ!」
律「これからアイス屋に行って
今日の疲れを労おうと思ったが、唯隊員とはここでお別れかー」おいおい
唯「い、行きます行きたいですっ!」
律「あっはっはっはー! ではりっちゃん隊長について参れー」たたたっ
唯「あー! 私が隊長でしょーっ」たたっ
* * *
唯「んっん~♪ おいひいねぇ~♪」ぺろぺろ
律「調子いいなぁー」ぺろぺろ
唯「この為に生きてるって思うよっ!」ぺろっ
律「はいはい……、ん? ほっぺにアイスついてるぞーゆいー?」
唯「ふぇ? え!」
唯「あっあのー! り……りっちゃんとって?」かぁ
律「たーく、自分でとれよっ」ふきふき
唯「あぁぁー! りっちゃーん!?」
律「な、なんだよっ」
唯「りっちゃんはわかってない! 乙女の心がわかってない!」ぷんすか
律「たぁー、わかった! いっ、いいからアイスをふりまわすなぁー!」
唯「女の子のほっぺにアイスがついてたら、普通は"ペロ"ってやってあげるでしょー?」
律「いやー? どうだろー? それはお前だけの普通だと思うぞー?」
唯「だいたいりっちゃんはずぼらなんだよっ! がさつでがに股でぇー」
律「……あ、あたしに"ペロ"ってしてほしかったのか?」
唯「…………//」かぁ
律「…………」(なんだよ! なんなんだよーこの間はぁー!)
律「ゆ、ゆいちゅわーん//」
唯「は、……はーい//」ぼそっ
律「……いっ、今からでも、その」ごくり
唯「……う、うぅ」
唯「あぁーもうっ! りっちゃんなんか知らないもんっ!」
べちょ
律「…………」ぽたぽた
唯「あ゛! ごめんっ……」
律「ったーく、ヒドイ目にあった」
唯「ごめんなさいごめんなさい……」ふきふき
律「そうゆってる唯がふきふきじゃん」ふんっ
唯「いっいやぁー! あんなにいっぱいはぺろぺろできないよぅ」あわわ
律「まぁ、いーけどねー」
唯「!」
唯「そうだ、りっちゃん」ごそごそ
唯「じゃーんじゃーかじゃーんじゃーん♪」
律「おーい、その表彰式の音楽はやめろー!」
唯「ほいっ」
律「ん?」
唯「りっちゃんの似顔絵ですっ! 図書館で書いてたんだー」てへへ
律(あー、だから"りっちゃんは勉強してて"
とか、"りっちゃんは見ちゃダメ"とかいってたのか……)
律「…………」ふふっ
律「ぜーんぜん似てねぇー!」くわっ
唯「ひ、ひどいよっ」がびーん
律「大学生になって落ちこぼれても、あたしはしらないからなー」いしし
唯「えぇっ? りっちゃんも一緒に落ちこぼれようよぉー」
律「嫌だしっ」
唯「むー! それ返してっ!」
律「嫌だしっ」
唯「じゃあ一緒に落ちこぼれてねっ!」
律「さらば唯、あたしはお前を忘れないからなー」たたたっ
唯「あー! まってよぅ!」たたっ
律「ストーップ」キキッ
唯「あてっ」どんっ
唯「りっちゃん急に止まるのルール違反だよっ!」いてて
律「行きはお前が急に止まったじゃねーかー!」
唯「そ、それは関係ないです!」
律「まぁいっか! それより」
律「……ちゅーしてやるよ、ちゅー!」
唯「!」
唯「い、いやぁーそのねっ! う……嬉しいんだけど」かぁ
律(マジかよ……)
唯「はっ、初めてだし……わ、わたし」
律「うっそだーい♪」
唯「あー! サイテーだよっそ、そういうウソはダメでしょー!」ぷんぷん
律「はーい、おこった唯ゲットー!」ぎゅっ
唯「は、はわわ……あぅ//」
律「おこった唯もかわいーぞっ♪」
唯「う、嘘つきりっちゃん」ぎゅ
律「ほーら、なんなら"ペロ"ってしてやるぞー?」
唯「やだ! い、いらないもんっ」ぎゅ
律「ほーらよしよーし」なでなで
唯「あ、あぅ……//」とろーん
唯「りっちゃん、その、……あの」ぎゅう
律「んーどしたー?」
唯「ま、また私とデートしてくださいっ//」かぁ
律「どうしよっかなー? りっちゃんモテモテでこまっちゃうなー♪」なはは
唯「むぅ!」
……ぺろっ
律「! おい、今ペロったろ//」
唯「し、……知らないよーう♪」たたっ
律「こ、こらっ! 待ちやがれー!」だだだっ
おわり