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魔王「震えろ人間!! 地上はこの魔王の物となる!!」
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魔王「震えろ人間!! 地上はこの魔王の物となる!!」
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── 魔王と勇者 ──
魔王が誰よりも上に立ち見下すのなら、勇者は誰しもと同じ目線に立って共に空を見上げる。
魔王が絶望を与えるのなら勇者は希望を与え、魔王が世界を破壊するのなら勇者は世界の平和を守る。
魔王が破れれば新たな魔王が現れ、勇者が破れれば新たな勇者が現れ、それを何度も繰り返して世界は歴史を築く。
つまりは、魔王と、勇者の歴史。
その歴史を終わらせる事が出来るとするのなら、それは……魔王か、勇者、どちらかが、自らの役割を変えた時。
最終話
勇者「世界を救うのは、この私だ!!」
魔王城 玉座の間
黒騎士「っ!?」チラッ
黒騎士(アイツがあんなにも感情を剥き出しにするなんて……どうしたんだ!?)
武闘家「カッ、よそ見すんじゃねぇぜ? まっくろくろすけの大将さんよぉ!!」ダッ
武闘家「風陣脚ッ!!」ブォン
黒騎士「ぐっ……」ジャキッ
黒騎士「フンッ!!」ガキィィン
武闘家「……」
武闘家「チッ。首を狙ったんだが……流石に弾き返すか」
武闘家(だが、受けには回れねぇ。攻め込むんだ!! 零距離まで詰めて、奴の剣を封じる!!)
武闘家「であぁァッ!!!」ダンッ
黒騎士「ほぉ、飛び込んで来るか?」ニヤリ
黒騎士「しかし、勢いだけではなッ!!」
武闘家(剣の攻撃は主に三種類。縦への斬撃か、横への凪ぎ払いか、突きか……)
武闘家(それさえ見切れれば!!)
黒騎士「遅いッ!!」ブォン
武闘家(縦への降り下ろし!?)
武闘家(狙うのは、降り下ろされる剣の側面。横へ弾き跳ばすように、そこへ拳を……叩き込む!!)
武闘家「ハァッ!!!」ガキィッ
黒騎士「ぐっ……」グラッ
武闘家(バランスを崩した!? 今ならどうやったって、俺の攻撃の方が早い!!)
武闘家「今度こそ、その首を貰うぜ大将!!」
武闘家「風陣脚ッ!!」バッ
黒騎士「……」
黒騎士「ハヤブサ斬り!!」ブォン
武闘家「あ」
武闘家「ヤベっ……」
賢者「イオッ!!」バッ
武闘家「っ!? ぐああァッ!?」ドゴォォン
賢者「ごめんな武闘家? 何となく危なそうだったから、吹っ飛ばしちゃったぞ」
武闘家「いや、助かった……あんがとよ」フラフラッ
武闘家(ハヤブサ斬り。確か、一瞬の間に二度の斬撃を繰り出す技だったな?)
武闘家(ヘタしたら、一撃目で風陣脚が弾かれ、二撃目でお陀仏だったか……危ねぇ危ねぇ)
黒騎士「……」
黒騎士「白騎士」チラッ
白騎士「……」コクリ
白騎士「では、私は魔法対決にしましょう」
白騎士「賢者さんも、そちらの方がよろしいですよね?」ニコリ
賢者「ん?」
賢者「……」
賢者「そうだな。そうしてくれた方が、こっちも嬉しいぞ」ニコリ
白騎士「とは、言いましたが……」
白騎士「小技で競い合って、戦いを長引かせるつもりは有りません」ダッ
白騎士「すぐに貴女を倒し、仲間の援護に回らせて貰いますわ!!」
賢者「それはこっちのセリフだからねっ!!」キッ
白騎士(どうやら、防御魔法は掛けていないみたいですわね)
白騎士(ならば、有言実行っ!!)
白騎士「フィンガー、フレアボムズ!!!」バッ
賢者「ッ!?」
賢者(マホカンタは使うなって言ってたよね? だったらっ!!)
白騎士「このメラゾーマの連続投擲!! 避け切れるものなら避け切ってみなさ……」
賢者「レミーラッ!!」ピカァァッ
白騎士「きゃぁぁぁぁぁぁっ!!?」ビクッ
白騎士「ぐっ、うぅっ、目がっ……こんな、目眩ましの魔法なんかにっ」フラフラッ
賢者「幾ら頑丈な兜を被ってたって、視界は遮れないでしょ?」ニヤリ
黒騎士「なにやってんだ!? 相手を見くびるな!!」
白騎士「問題、ありませんわ……マホターン!!」
白騎士「ふぅっ、ふぅっ……」
賢者(動かない? 視力が戻るまで待つつもり?)
賢者「いいよ。そっちの防御魔法が切れた瞬間に、自分の最強魔法をお見舞いしてやるぞ!!」
賢者(みんなっ、にぃにぃ……力を貸してくれぇ!!)ギリッ
武闘家「……」チラッ
武闘家(んだよ、思ったよりよっぽどやるじゃねぇか)
武闘家(俺の方が、数段ヤバいか……)
黒騎士「……」ギロッ
勇者「……」
少年「……」
勇者「行くぞ?」
少年「どうぞ」
勇者「……」ジリッ
少年「……」
勇者「イオラッ!!」バッ
少年「イオラッ!!」バッ
ドゴォォン!!
勇者(相殺ッ!! 同じ魔法なら、威力負けしていない!!)
勇者(大丈夫だ、私は……強くなってる!!)
勇者「ピオリムッ!!」
勇者「そしてっ、剣の腕は更に強くなっているんだっ!!」ダッ
少年「っ……」ジャキッ
勇者「剣を抜いたな? それでいい!!」
勇者「でぇぇぇぇぇい!!」ブォン
少年「はっ!!」ガキィィン
少年「確かに、強くなったね……」
勇者「ああ。お前がバラ撒いてくれたモンスターを、倒しまくったからな?」
勇者「だいぶ、レベルアップしたよ!!」ブォン
少年「フッ!!」ガキィィン
勇者(それでも、ピオリムも使ってようやく互角……)
少年「ボクの予想以上だよ、勇者ぁっ!!」ニヤリ
少年「ギガッ、スラァァァッシュ!!」
勇者「くっ、ギガスラッシュ!!」
僧侶「ああっ……」ブルブルッ
僧侶(背を向けたい、目を覆いたい、耳を塞ぎたいっ)
僧侶(どちらかを応援すると言う事は、どちらかの敗北を祈ると言う事)
僧侶「弱いのです、わたくしは……弱いのですっ!!」フルフル
僧侶(戦ってすらいないのに、安全な所で眺めているだけなのに)
僧侶(わたくしの体は誰よりも震え……歯を噛み締めて耐えなければ、恐らく真っ先に逃げ出してしまうでしょう)
僧侶(神よ、おお神よ、わたくしにこの戦いを見届ける勇気をっ!!)
僧侶「勇気を、くださいませっ!!」ギリッ
勇者「イオ、イオ、イオッ、イオッ、イオッ!! そらそらそらそらそらぁっ!!!」ドドドドドドドドッ
少年「何発うったって、ふぅぅっ……当たらないよそんなの!!」ダッ
勇者「そうか? その割りには、息が上がって来てるように見えるがな!!」
勇者「イオラッ!!」バッ
少年「っ!?」
少年「うあああああああああぁッ!!?」ドゴォォン
勇者「……」
少年「うぅっ……」ガクンッ
勇者「……」
勇者「くっ……」プルプル
少年「はぁっ、はぁっ、はぁっ」フラフラッ
勇者「フザケるな!! 私は何重にも補助魔法を掛けているんだぞ? 何故お前は使わない!?」
勇者「それに、どうして低級魔法をわざわざ避ける!?」
勇者「マホカンタは? マホターンは!? 最初のイオラ以外、どうして魔法を使わない!?」
少年「……」
少年「別に、意味なんて無いんで……」
白騎士「あはははははっ、先ほどまでの勢いはどうしましたの!!」ブォン
賢者「ひぃっ、剣を使うなんてズルいぞ!?」サッ
白騎士「これが街の武術大会のようなものでしたら、幾らでも男らしく……いいえ、女らしく、潔くもなりましょう!!」
白騎士「敗けを認め、貴女を讃えもしましょう!! ですがっ!!!」キッ
白騎士「この戦いは私の全て!! 絶対に負けられません!!」
白騎士「フィンガーフレアボムズ!!」バッ
賢者「っ!? マホ……」
賢者「だめだっ、メラゾーマ!!」バッ
武闘家「っ、賢者!?」チラッ
武闘家(早くッ、加勢に行かなぇとマズイ!!)
黒騎士「イオラッ!!」バッ
武闘家「イオラッ!!」バッ
ドゴォォン
武闘家「チィィィィィィィッ!!」ギリッ
黒騎士「ふっ……」ニヤリ
黒騎士「……」
黒騎士「ん?」ピクッ
少年「魔人斬りっ!!」ブォン
勇者「……」
勇者「みかわしきゃく!! ハァッ!!」シュッ
少年「ぐあぁっ!!?」ズドォッ
少年「う、ぐぅ、うぅっ……」フラフラッ
勇者(もう、明らかじゃないか!!)
勇者(私が強くなり過ぎたんじゃない……)
勇者(コイツが、弱くなったんだ……)ギリッ
黒騎士「……」
白騎士「……」
黒騎士「もう、見てらんねぇよな?」
白騎士「そう、ですわね……」
黒騎士「武闘家よ、リベンジマッチに最後まで付き合ってやれなくてスマンな」
武闘家「あ?」
白騎士「賢者さん、どっちみち……この勝負は私の負けでしたわ」
賢者「はぁっ、はぁっ、はぁっ」フラフラッ
白騎士「この鎧も……」
黒騎士「お役ゴメンだな」
白騎士「オープン!!」バリバリッ
黒騎士「オープン!!」バリバリッ
勇者「なんだ? 鎧が、砕けて、剥がれ落ちて行く?」チラッ
少年「あっ、だ、駄目だよっ!!」ビクッ
バリィィィン!!
剣士「駄目だよ、じゃないだろ勇者?」
姫「そうですわ勇者様。全ては、貴方と同じ夢の為」
賢者「……」
武闘家「どう、言うこった?」
剣士「簡単さ……」
剣士「俺たちは、一度死んでいる」
姫「そして、世界樹の力で甦った……」
賢者「世界樹で!?」
剣士「しかし、その世界樹は……知ってるだろ賢者よ?」
姫「ですから、何もしなければ、三日と保たずに体は消えていたでしょう」
武闘家「じゃあ、なんで生きてやがる?」
剣士「……」
剣士「俺たちの体を現世に繋ぎ止めているのは、勇者の魔力だ」
姫「日々失われて行く生命力を、勇者様の魔力を流して貰う事で補い生き永らえているのです……」
勇者「お前は、だからそんなに弱く」チラッ
少年「うぅっ……」
剣士「だが、どうやらここまでのようだな」
姫「ええ。後は、頼みますわ勇者様」コクリ
剣士「安心しな。姫さんは、俺が代わりに守ってやるさ」ニコリ
姫「ふふっ、ナイトには少し、頼りないですわね」クスッ
剣士「それと、お前の仲間になれて幸せだったぜ勇者? 好きだって言っとくよ」
姫「私も、こんなに外の世界を見て歩けるなんて、思いもしませんでした。愛しています、勇者様」
少年「ダメっ、だよ……」フラフラッ
少年「二人はボクの、とも、だち……」
剣士「……」
姫「……」
姫「我ら、住まう地は違えども……」
剣士「その魂は、常に一つ!!」
剣士「行くぜ姫さん?」スッ
姫「私も、行きますわよ?」スッ
剣士「ニフラムッ!!」
姫「ニフラムッ!!」
少年「だめっ!!」ビクッ
少年「だめぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!」
武闘家「体が……」
賢者「消えてってる……」
剣士「またな勇者っ」シュゥゥッ
姫「産まれ変わったら、また会えますわ勇者様」シュゥゥッ
少年「うぅっ……」ガクッ
少年「二人に、勇者の加護がっ、ありますようにぃっ」
僧侶「っ……」
僧侶「汝らの魂に、救済を……ヒカリアレ」
少年「……」
少年「あはっ、涙も出ないや。もう、渇れちゃった」
勇者「……」
勇者「そうか」
少年「でも……」ゴソゴソ
勇者「ん?」
武闘家「アイツ、服の中から何か出しやがったぞ?」
賢者「あっ、アレは!?」ピクッ
少年「んくっ、んくっ……」ゴクゴクッ
賢者「『エルフの飲み薬』!!」
少年「っ、ぷはぁぁっ」
少年「ふふっ、あはははははははははははッ!!!」
少年「本気、出すよ?」
少年「はああああああああああああ!!!」ゴゴゴゴゴゴッ
勇者「ぐっ!?」ビクッ
武闘家「なんだよ、この地鳴りみてぇな音はっ!?」
賢者「おっ、音だけじゃないぞ!! 実際に城が揺れてるんだ!!」
僧侶「今、全ての力が戻られたのですね……」ボソッ
勇者「……」
勇者(やっぱり、私一人じゃどうしようも無いぐらい、強いんだなお前は?)クスッ
勇者「お陰でこっちも……」
勇者「決心が着いたよ」ギロッ
勇者「武闘家!! 賢者!! 僧侶も!!」
勇者「私の近くへ来い!! 集合だっ!!」
少年「……」
少年「待っててあげるよ。何するか分からないけど」
勇者「助かる」
勇者「ほらっ、早くしろ!! 勇者チーム集合だ集合!!」
賢者「来たぞっ」タタッ
武闘家「作戦でもあんのかよ?」
僧侶「わたくしまで呼ばれた理由は……」
勇者「まぁ、取り敢えず」
勇者「耳を塞げ」
賢者「耳を? なんでだ?」
勇者「理由はすぐに分かる」
武闘家「チッ。手で塞いだぞ。何かすんだろ? 早くしやがれ」
僧侶「わたくしも、塞ぎました」ペタッ
賢者「自分もっ」ペタッ
勇者「ふむ」
勇者「マホトラ……」ボソッ
勇者「マホトラ、マホトラ、マホトラ、マホトラマホトラマホトラ」ボソボソッ
武闘家「っ!? テメェ、何やってやがる!!」ガシッ
勇者「わっ、バカ!! 耳は塞いでろと言ったろ!!」
勇者「マホトラマホトラマホトラマホトラマホトラ!!」
武闘家「ぐっ、ソイツをヤメろっつってんだよ!!」キッ
僧侶「武闘家、さん?」
賢者「へっ? どうしたんだ?」
勇者「マホトラ、マホトラ、マホ……」ピタッ
僧侶「おや? おやおやっ!?」
僧侶「この感覚……もしや、わたくしの魔力は!?」ビクッ
賢者「じっ、自分の魔力もすっからかんになっちゃったぞ!!」ビクッ
武闘家「俺もだよチクショウ。さて……納得の行く説明をして貰おうか?」
勇者「そんなの、一つしか無いだろう? 安心して、私に任せろ」
武闘家「あん?」
勇者「みんなありがとう……そして、さよならだっ」ニコリ
勇者「バシルーラッ!!」バッ
少年「っ……」ピクッ
少年「……」
少年「一人で、戦うの?」
勇者「私しか、居ないよ……」チラッ
勇者(ふぅ。マホカンタは使ってなかったようだな。賢者に念押しして置いて良かった)
勇者(それに、魔力が尽きては……ここへ瞬時に復帰も不可能だろう)
勇者(安心しろ。安心しろ。武闘家、賢者、僧侶)
勇者「私が、私が弟を止めるッ!!」キッ
少年「止める? ボクを? どうやって?」クスッ
勇者「すぐに、分かるさっ!!」ジャキッ
少年「昔から変わらないね? 考えが、甘いよ?」
勇者「お前だって、甘いだろうに……」
少年「……」
勇者「……」
少年「聖なる雷ギガデインと、魔界の雷ジゴスパーク」
少年「勇者の最強魔法と魔王の最強魔法!! その両方を扱うボクに、一体どうやって勝つって言うの!!?」バチバチィィッ
少年「そしてっ!! この二つを掛け合わせたボクの究極魔法……ジゴデインは」
少年「マホカンタなんかじゃ防げないよっ!?」バチバチッ バチバチバチッ
勇者「……」
勇者「茶番だな。もう、終わりにしよう……」
勇者「確かにお前は強い。私一人では、まず勝てない」
少年「仲間が居たって勝てないよ。その仲間も……遠ざけた、ううん。逃がしたのかな?」クスッ
勇者「ああ、そうだ」
勇者「これで、お前と同じく、独りぼっちだ……」
勇者「……」
少年「……」
勇者「この場ではな?」
少年「は?」
勇者「お前は魔王。配下は数多く居ようが、友と呼べる者はどれだけ居た?」
少年「っ……」ギリッ
少年「そんなのっ、そんなのっ!! お姉ちゃんだって同じでしょ!!?」
少年「武闘家に、賢者に、僧侶を入れたって、三人しか居ないじゃないか!!?」
少年「だいたいっ、ボクに勝とうとしたら、それはもうメガンテしか無いんだ!!」ギロッ
少年「至近距離まで近付いて、自爆するしか無いんだよ!! アンタにはぁぁぁぁぁぁっ!!!」バチバチバチィッ
勇者「っ……」
勇者「メガンテは、使う……」
勇者「だがその前に、やれる事をやってからな?」ニヤリ
少年「ふふっ」クスッ
少年「だからないよ、そんなの……」
勇者(頼むホルンの指輪……今こそ、私の声を世界中に届けてくれっ!!)ピカァァッ
勇者「……」ジャキッ
少年(剣を頭上に掲げた?)
勇者「すぅーっ……」
勇者「……」
勇者「地上に住まう、全ての生命達よ!! 我が名は勇者!! どうか、私の言葉を聞いて欲しい」
少年「うそっ……」ビクッ
勇者「戦いの終結はもうそこまで来ている!! 後は魔王に正義の鉄槌を下すのみだ!!」
勇者「だが、それでは足りない。私だけの力では、魔王に勝てない!!」
勇者「しかし!! 皆の力を一つに合わせれば、必ずや魔王を倒す事が出来る!!」
勇者「私は勇者だが……誰かを守りたい、何かを守りたい、平和を守りたい」
勇者「友を、家族を、自分を、愛する者を、プライドを、未来を、夢を、何でもいい!!」
勇者「魔王に支配されれば世界は閉じる。閉じた世界に将来は無いんだ!!」
勇者「だから、だからっ!! 誰かを、何かを、自分を、平和を!! 守りたいと想う全ての勇気有る者達よ!!」
勇者「お前達も勇者だ!! 私は、その代弁者に過ぎない!!!」
勇者「だから、だから、だからっ!! 皆の力を私に貸してくれっ!! 私の名を呼べ、私の名を叫べっ!!」
勇者「その声援こそが力になる!! 皆の力で、魔王を倒すぞッ!!!」
勇者「頭に浮かんでいる筈だ、魔王を倒す力の名が!! 私に続け勇者達よ!!」
勇者「魔王を倒す、その力の名こそッ!!」
勇者「勇者最大の奥義……」
勇者「ミナデインッ!!!」バキィィン
勇者(くっ、指輪が壊れたか)
少年「……」
少年「なに? だからどうしたの?」
少年「剣を掲げたまま立ってるだけ。どこも変わってないよ?」クスッ
勇者「……」
少年「諦めれば?」
少年「さっきも言ったけど、ボクを倒すならメガンテしか無いんだ」
少年「早く、メガンテを使う準備しなよ……」
勇者「……」
勇者「感じるんだ」
少年「えっ?」
勇者「聞こえるんだ……」
勇者「皆の声が、皆の願いが、皆の想いがっ……」
少年「っ!?」ピクッ
勇者「その、一つ一つがッ!! 私の力になるッ!!!」
勇者「はあああああああああああアアァッ!!!」ズドォォォォッ
少年「この力はっ!?」
少年(凄く強い魔力の波動が、お姉ちゃんを中心に渦巻いてる)
少年(確かにこれなら、メガンテは必要ないね)
少年(これなら……)クスッ
少年(きっと、門が開くッ!!)
少年「はああああああああああアアァッ!!!」ズドォォォォッ
勇者「ぐっ……」
勇者(どこまで力を上げるんだコイツは!?)
少年「さぁ!!」
少年「最終決戦だよお姉ちゃん!!」バチバチィィッ
勇者「そうだな弟……私が勝つか」
少年「ボクが勝つか……」
勇者「……」
少年「……」
勇者「いい加減にしたらどうだ? 茶番だと言ったぞ? 何を企んでいる?」
少年「たくらむ?」
グラグラグラッ!!!!
勇者「くっ、なんだこの激しい揺れは!? お前の力か弟!!」フラッ
少年「ぐっ、違うよっ……ううん、違うくもないね」フラッ
少年「ボクと、お姉ちゃんの力だよ」
少年「ここに、『門』が開くんだ」ニヤリ
勇者「門?」
少年「そうだよ」
少年「この世界と」
少年「魔界を繋ぐ、巨大な転送ゲート……それが開くんだ」
勇者「開くと、どうなる?」
少年「言わなくても、分かるでしょ?」
少年「魔界のモンスターがゲートを通って現れ、世界を荒らし回るだろうね」
勇者「っ……そうか」ギリッ
勇者「しかし、今の地上に住まう者達は強い。そう易々と……」
少年「駄目だよ」
少年「これまで地上にバラ撒いたモンスターは、この城に在った特殊な宝石を媒介にして」
少年「魔王の力を持つ、ボクが造ったモンスターだからね」
少年「命令を聞くだけの、お人形さんだよ……」
少年「建物は壊しても、出来るだけ人々を殺さないように戦わせてたし」
少年「強襲したエジンベアだってそう。壁や城は破壊したけど、逃げ出した人を追う事はしなかった」
少年「今だって、力を合わせれば撃退できる……そんなレベルで襲わせているんだ」
少年「だけど、門を通って出てくるモンスターは『本物』だよ?」
少年「まだ、魔王で在るボクの命令を聞く奴も居るかも知れないけど……」
少年「こんな魔王じゃ、不信感を募らせて大半は出て行くだろうね」
少年「そして幾らボクでも、何千、何万とモンスターに出て来られたら捌き切れない」
少年「結局、地上はモンスターで溢れ返るよ」
勇者「……」
勇者「ふむ。なるほどな……」
勇者「茶番の正体はそれか?」
少年「……」
少年「魔界との門が開くって、知ってたの?」
勇者「いや、知らなかった」フルフル
勇者「お前に聞かされて驚いてるよ。内心はガクブルだ」
勇者「しかし、何故お前が魔王になったのかは理解している」
少年「……」
勇者「お前の行動を見て、お前の過去を覗いて、お前の考えを知りたくて、お前の思いを知りたくて、ずっと、ずっと……」
勇者「お前の真似ばかりしていたんだからな」クスッ
少年「……」
少年「どうして?」
勇者「どうして?」
勇者「そんなの、一つしか無いだろ?」
勇者「お前の事が、好きだからだよっ!!」
少年「っ……」ピクッ
少年「嘘だ」ボソッ
勇者「嘘じゃない。と言うかな? 惚れさせたのはお前だろ!? 責任を取れバカっ」
少年「じゃあ!!」
少年「じゃあ、なんであの時、弟だって認めてくれなかったの!!?」キッ
勇者「私は……な?」
勇者「ウェディングドレスを着て!! お前と結婚して!! その先のラブラブ新婚生活まで想像しちゃってたんだぞ!?」
勇者「それなのになんだ!! 相手は弟だって!? そんなの認められる訳ないだろ!!」
勇者「お前を弟だと認めてしまったら……結婚、できないじゃないかっ!!」キッ
少年「っ!? だったらそう言ってよバカバカバカっ!!」
勇者「うるさいバカバカバカバカバカっ!! 乙女心は複雑なんだ!!!」
グラグラグラグラッ!!!!
勇者「くっ、揺れが一層に強く!?」フラッ
少年「……」
少年「うん」
少年「うんうんっ」
少年「あはっ」
少年「あはははははははははっ♪」クスクスッ
少年「うん。これで、未練なし、かな……」ニコリ
勇者「は?」
少年「もう、地上に戻って? ここからはボクの仕事だから」
少年「お姉ちゃんは、魔王を倒した勇者として……王様に報告すればいいよ」
勇者「えっ……」
少年「大丈夫。憎い憎い魔王は死ぬんだ。その為に、皆が力を合わせて協力したんだ」
少年「きっと、これからの世界はみんな仲良く……みんな平和に、続いて行くんだろうなぁ」クスッ
勇者「だっ、だから待て!! 何を言ってるんだ!?」アセアセ
少年「……」
少年「正真正銘、最後の仕事……ボクが、魔界へのゲートを閉じるッ!!!」
勇者「……」
勇者「二人でやろう。そして、お前も地上へ帰るんだ」
少年「駄目なんだ……」フルフル
勇者「そうやって、すぐに諦めるなっ!!」キッ
勇者「お前が魔王を演じていたとしても、それを知る者は居ないんだろ?」
勇者「だったら問題ない!! これを片付けたら、今度こそ二人で暮らすぞ!!」
少年「だから、駄目なんだってばっ!!!」キッ
勇者「何が駄目なんだっ!!?」
勇者「お前は、誰よりも人間を信用しているんだろ?」
勇者「誰よりも人間を、信用したかったんだ……」
少年「……」
勇者「裏切られそうだと分かっていても信じて、実際に裏切られても、それでも人間を信じたかった!!」
少年「勝手に、決め付けないでよ……」
勇者「真実だろ? お前は誰よりも人間を愛していたから、その人間が誰かを、何かを傷付ける事を許せなかったのさ」
勇者「愛を知らずに育てられたから、余計に愛情や友情を嬉しく感じてしまう」
勇者「そして、愛情や友情を与えてくれるのは、同じ人間だけだからな。だからお前は、誰よりも人間を愛し、信用したがっているんだ」
少年「……」
少年「そう、だとしても……」
勇者「私が愛してやるっ!!」
少年「っ!?」ピクッ
勇者「私が一生!! お前を幸せにしてやるっ!!」
少年「結婚、できないよ?」
勇者「構うものか……世間に後ろ指を差されようと、知ったこっちゃない!!」
勇者「私が孕むまで、毎日子作りセッ○スするぞ!!」
少年「……」
少年「あはっ」ポロポロッ
勇者「ん?」
少年「うぅっ。涙、渇れたと思ったのに、さっきだって、流れなかったのにぃ……なんでぇ」ポロポロポロポロッ
勇者「ふふっ。それはもしかして……嬉し泣きか?」クスッ
勇者「嬉しいから、泣いてくれてるのか?」ニヤニヤ
勇者「悲しい涙は渇れても、まだ泣けるじゃないか弟……」ニコリ
少年「ぐすっ。うんっ、うんっ」ポロポロッ
勇者「だから、なっ?」
勇者「二人で帰ろ?」
少年「……」
少年「ありがとう、お姉ちゃん。好きだよ」ニコリ
グラグラグラッ!!!!
勇者「っ!? 揺れがどんどん大きくなってる!? ゲートを閉じるぞっ、どうすればいいんだ!!!」
少年「けどね、やっぱり駄目……」
少年「何人も人を殺してるんだよ? ボクの両手は、見えない血で真っ赤なんだ」
勇者「それはっ、そうしなければ、もっと被害者が出ていたからだろっ!?」
少年「……」
少年「そうかな? 他に方法が有ったかも知れないし」
少年「それに、魔王になってからだって、ボクの造ったモンスターが人を殺してる」
少年「数こそ少ないけど、戦って死んだ兵士や冒険者は居るんだよ?」
勇者「くっ……」
勇者「それならっ、これからの地上で、誰かの為になる事をして償えばいい!! 私も手伝う!!」
少年「強情だねお姉ちゃん」クスッ
少年「でも、やっぱり。やっぱり駄目……」
勇者「これ以上、何が必要だ!? 言ってみろ!!」
少年「もっと根本的な事だよ……」
少年「もうすぐ現れる魔界のゲートは、魔界側からでないと破壊できないんだ」
勇者「っ……」ビクッ
少年「だから、これがボクの償い。これがボクの、最後の仕事」ニコリ
少年「開いたらすぐにゲートへ飛び込んで、魔界側から……ゲートを破壊する!!」
勇者「そっ、そうしたら、お前はどうなるんだ!?」
少年「さぁ? 戻って来れるかも知れないし、戻って来れないかも知れない」
勇者「駄目だ駄目だ駄目だっ!!」フルフルッ
勇者「だいたい、ゲート? それはどうして現れる!?」
少年「うーーん……現れるって言うより、見えるようになる。かな?」
少年「ゲートはずっと存在していて、魔王と同等かそれ以上の力を持つ者……つまり、勇者がここへ現れた時」
少年「ゲートは大きく拡がり、そして見えるようになるんだ」
少年「次の魔王が、出て来れるように……」
勇者「私にメガンテを使わせようとしていたのは?」
少年「メガンテは前準備として、自らの命を削って魔力に換えるでしょ? だからそうすれば、ボクと同じぐらいの強さになると思ったんだ」
少年「そこから実際に、メガンテを使うかどうかは別としてね……」
勇者「……」
少年「ボクが前魔王と戦っている時も、たくさんの魔物が出て来た」
少年「知らなくて殆ど逃がしちゃったけど、それでも魔王候補になりそうな奴はみんな倒したよ?」
勇者「だったら、また倒せばいい!! お前と私の二人なら出来る!! そうだろ!?」
少年「お姉ちゃん……」
少年「何ヵ月?」
勇者「は?」
少年「ううん。何年……戦い続けるつもりなの?」クスッ
勇者「っ!?」ビクッ
少年「前魔王は、何十年も何百年もこの城に留まって、人間同士で潰し合うのを高見してたみたいだけど」
少年「次に出て来る魔王もそうとは限らない。それに、ボクもお姉ちゃんも、これから現れるどんな奴よりも強いよきっと?」
少年「と、言う事は……ゲートはずっと開きっぱなしって事」
少年「ボク達が、やがて力尽きるまでね」
少年「これで分かったでしょ? 破壊する以外に、道は無いって」
勇者「いや、だがっ、二人で考えれば他に道が……」
ゴゴゴゴゴゴゴッ!!!!
勇者「これはっ!?」フラフラッ
少年「残念だけど、それも無し。時間切れだよ……魔界への門が、実体化する!!」ギリッ
グオオオオオオオオッ!!!!
勇者「なっ、なんだ!? 床に穴のようなモノが開いたぞ!?」サッ
少年「……」チラッ
少年「この、底の見えない真っ暗で巨大な穴……これが、魔界へと通じる門」
少年「らしいよ? 前魔王の話ではね」
勇者「っ……」ゴクリ
勇者「ここを落ちれば、魔界? ははっ、まるで地獄だ」
少年「うん。この先はきっと地獄だよ……」
少年「だからっ!! そんな地獄と、この世界はっ、繋げちゃイケないんだ!!」キッ
勇者「弟くん……」
少年「お姉ちゃん。早く、地上へ帰って」
勇者「それは」
少年「お願いだからっ!! 本当に、お願いだから……」
勇者「……」
少年「……」
勇者「わかった。それがお前の望みなら」コクリ
少年「ありがとう。大好きだよっ」ニコリ
勇者「最後に……お前を、抱き締めてもいいか?」
少年「うん……」
勇者「ありがとう」ギュムッ
勇者「私も、愛しているぞ?」ギュウゥッ
少年「……」ギュウッ
勇者「……」
少年「お姉ちゃん、そろそろ」
勇者「ああ、そうだな」
勇者「お前は、身を隠しながら機を伺っていて。現勇者と協力して魔王を倒した」
少年「へっ?」
勇者「しかし、現勇者は魔王との戦いで惜しくも命を落とした……」ギュウッ
少年「なに、言ってるの?」
勇者「なにって?」
少年「うん」コクリ
勇者「……」
少年「……」
勇者「ラリホー」
少年「んんっ!?」ビクッ
勇者「お前の人生は、これから始まるんだ……」
勇者「勇者として、さっきは償えなんて言ったが、姉としてはどうでもいいと思ってる」
勇者「お前が、幸せな人生を送れるのなら、それでいい」ニコリ
少年「うぅっ、おねぇ、ちゃ……」フラフラッ
勇者「それと、探していた両親の日記なら僧侶に預けてある」
勇者「目が覚めたら会うと良い……」
少年「っ、う……」ドサァァッ
勇者「さよなら、私の弟。後は、お姉ちゃんに任せろ!!」
勇者「……」チラッ
勇者「さて……」
勇者(ミナデインを放つ為に集まった力は、まだ私の中に溜まっている)
勇者(果たして……この一発で、壊せるのか?)
勇者(いや、壊せる!! 壊すんだっ!! 魔王の力すら越えるこの奥義。これで壊せなかったら、それこそ嘘だ!!)
勇者「武闘家、僧侶、賢者……」
グオオオオオオオオッ!!!!
勇者「くっ……」ブルブルッ
勇者(震えているのか、私が? 今さらっ!?)
勇者(無事にゲートを壊せたとして、その後はどうなる? 力尽きるまで暴れたらモンスターに殺されるか?)
勇者(それとも……捕まって、死ぬまで化け物どもの慰み者にされてしまうのか?)ガクガクッ
勇者「どちらにせよ、退却は無い」
勇者「私は勇者だ!!」
勇者「世界を救うのは……」
勇者「この私だ!!」キッ
グオオオオオオオオッ!!!!
勇者「……」
勇者「行くぞ……」ゴクリ
勇者「ゲートへ」
勇者「飛び込むッ!!!」ダッ
アレフガルド 学園の校庭
賢者「痛たっ、自分たち……どこまで飛ばされちゃったんだ?」
僧侶「ここは?」キョロキョロ
武闘家「……」
武闘家「アレフガルド。勇者の、産まれ故郷だよ」
賢者「んー、ゴメン。しばらく待たないと、魔法は使えそうにないぞ」
武闘家(俺たちだけここへ送ってどうするよ? 王には、何て説明すりゃいいんだバカヤロウ!!)ギリッ
僧侶「武闘家、さん?」
武闘家「鍛えたこの拳も、ここ一番で……役立たずだったか。帰って、来いよ勇者?」
魔界へと通じる大穴
グオオオオオオオオッ!!!!
勇者「……」
勇者(落ちている……)
勇者(何秒も、何十秒も、ただただ、下へ、下へ、落下している)
勇者(暗い穴の中を、ずっと、ずっと……)
勇者(だからだろうな、余りにも穴が長いから、悟れてしまった。きっと地上へは、戻れない)
勇者(でも良い。この穴を抜けたら、すぐに門を壊す)
勇者(それで、終わりだ……)
勇者(何もかも、それで終わり)
少年「おねえちゃぁぁぁぁぁぁぁん!!!」
勇者「っッ!!?」ビクッ
勇者「うそっ……」
勇者「この、声、は」
少年「えへへっ、追い付いた」ニコリ
勇者「どっ、どうやって!? 私の方が早く……」
少年「気を抜いてたから魔法を食らっちゃったけど、元々ボクに状態異常は効かないんだ。すぐに目覚めたよ」
少年「そして、穴の中はアストロンを唱えて落ちて来たからね」
勇者「くっ……」
勇者「なぜ追って来たんだバカ者!! 私はな、お前を想って!!」
少年「……」
少年「寂しいよ……」
少年「ボク達は家族なんだよ? 姉弟なんだよっ!?」
勇者「だからと言って、お前まで地獄に落ちる事は……」
少年「一緒だよ、お姉ちゃん」ギュウッ
少年「二人で落ちる地獄なら、きっと怖くない」ニコリ
少年「二人なら……」
少年「どこに落ちたって、きっと楽しいよ」ギュウゥッ
勇者「っ、あ、そのっ、だな」ドキドキ
勇者「ぐぅっ……」ドキドキドキドキッ
少年「お姉ちゃんの胸の鼓動、おっきいね?」クスッ
勇者「うるさいバカっ」プイッ
勇者「……」
勇者「私も、弟くんが一緒だと、凄く心強いよ」ニコリ
勇者「行き着く先が地獄なら」
勇者「姉と弟が愛し合ったって、誰にも非難されない。誰にも文句を言われない」
勇者「だって、地獄だからな?」クスッ
少年「ふふっ。そうだねっ」クスッ
勇者「……」
少年「ん……」ピクッ
少年「聞こえる?」
勇者「ああ、そろそろ穴の出口……どこへ出るかは知れないが、魔界のどこかだろう」コクリ
少年「そして……」
勇者「大量のモンスター達が、ゲートの前へ集まって来ているな」
少年「穴の中が少し明るくなって来たし」
勇者「それに、モンスターの鳴き声が聞こえ始めている!!」
少年「……」
少年「どうするの、お姉ちゃん?」
勇者「ふっ、決まっているだろう?」
勇者「度肝を抜いてやるっ!!」ニヤリ
勇者「まぁ……」
勇者「門を破壊する時に邪魔になりそうだしな。すでに集まっているモンスーンに限っては一掃して置きたい」
少年「なら、二人の勇者の登場を……」
少年「派手にアピールしちゃおっか?」バチバチバチィッ
勇者「そうだな……」
勇者「やるかっ!!」バチバチバチィッ
勇者「よし、出口が見えて来たぞっ!!」
少年「タイミングを合わせてねっ!!」
少年「あ」
勇者「せーーーのっ!!」
少年「ダブルッ!!」バッ
勇者「ギガデインッ!!!」バッ
おわり
181 : ◆uC4PiS7dQ6 - 2016/03/27 22:03:40 9hFTpeek 82/83取り敢えずこれで本編は終了です。ひとまずお疲れ様でした。
後は後日談と、更にその後日談のオマケ。もうちょっと付き合ってね
本当は、ダークエルフの森から魔王の城へ向かう前にもう一話有って、城へ向かう時に賢者は死ぬ予定だったけど、間延びしちゃいそうなんで止めた。
おやすみなさい
182 : 以下、名... - 2016/03/27 22:04:37 9hFTpeek 83/83
後日談と、更にその後日談のオマケは、スレが残ってればここに書きますm(__)m