垣根「…えっ?誰と?」
心理「私とあなたが」
垣根「いっ、何時、どこに?」
心理「一応貰いもののチケットだから、日は決まっているけど。もしかしたら、嫌なの?」
元スレ
心理定規「たまには二人で温泉なんてどう?」
http://raicho.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1294240920/
垣根「いっ、嫌なわけねーだろうがっ。ただちょっと確認しときたかっただけですゥ」カタカタ
心理「そう、良かった。せっかく貰った券だもの。無駄にならなくて良かったわ」
垣根「おっ、おう」プルプル
心理「それじゃ、次の土曜日に出る予定だから準備しといてね」
垣根「おっ、おう」
心理「それじゃ、よろしくね」
垣根「おっ、おう」
心理「…どうしたの?」
垣根「へっ?」
心理「へっ?じゃないわよ。さっきからぼーっとしちゃって」
垣根「そっ、そんなことねーよっ」
心理「そう?だったらいいけど」
垣根「おっ、おう」
心理「…やっぱり、変ね」
心理「なんだったら、別の人と行くけど?」
垣根「へっ?」
心理「だって、あなた、様子が変だし」
垣根「そ、そうか?」
心理「何だか、心ここにあらずって感じだし」
垣根「そ、そんな事ねーってばっ」
心理「…ほんと?」
垣根「ほんとだってば!」
心理「ならいいんだけど…」
心理「もし、変更するんなら早めに言ってね?」
垣根「へっ、変更なんてしねーよ」
心理「そう?ならいいんだけど」
垣根「あっ、安心しろって」
心理「…いまいち不安ね」
垣根「ところで、聞きそびれたことがあるんだが」
心理「なに?」
垣根「その温泉、冷蔵庫の持ち込みはできんのか?」ゴウンゴウン
心理「…知らない」
垣根「じゃ、じゃあ、次の土曜だな」
心理「そうだけど、嫌なら別に―」
垣根「嫌なわけねーだろ!」
垣根「その日はぜってー予定空けとくからな!ぜってーにな!!」
心理「そ、そう。じゃあ、お願いね」
垣根「おう」
心理「それじゃ、次の土曜日にね」
垣根「おう、分かった」
垣根「……」
垣根「…えらいことになった!?」
垣根「と、言うわけだ。相談に乗れ」
浜面「何で俺が!?」
垣根「喜べ、この学園都市第二位の垣根提督様が直々に指名してやったんだ」
浜面「正直全然嬉しくないんだけど!?」
垣根「あ!?」ギロッ
浜面「イエ、ナンデモ・・・」
浜面「でも、何でおれなんだ?」
垣根「ま、適当な奴がいなかったからだな」
浜面「俺なんかよりお前のほうがよっぽど経験ありそうなんだが」
垣根「―ぶっちゃけて言うと、だ」
浜面「ぶっちゃけて言うと?」
垣根「…女でマジになった経験がねぇ」
浜面「へっ?そうなの」
垣根「ああ、女遊びなら結構やってんだがな…」
垣根「俺さ、やっぱ結構モテんのよ」
浜面「だろうな」
垣根「頭もいいし、顔もイケてるし。女なんかほっといても群がってきやがる、幾らでもな」
浜面「何気なく最低のこと言ってやがんな」
垣根「でよ、そうしたら、何時の間にかマジの恋愛をしていなかったことに気づいてな」
浜面「そんで俺に相談したいと?」
垣根「まあ、そういうこった」
浜面「でもよ、俺の恋愛経験なんてそれこそ滝壺くらいのもんだぞ?」
垣根「ばーか。そういう本気の恋って奴をした以外とすくねーんだよ」
浜面「そうか?」
垣根「少なくとも。俺の知ってるうちに好きな奴のために命張った奴はお前意以外に見たことねぇ」
垣根「だから、そんなお前にアドバイスを貰いたいと思ってな」
浜面「そう言われてもな…」
垣根「頼む、何とかしてくれよ」
浜面「うーむ…」
「なンか、面白いことしンなァ」ニヤニヤ
浜面「お前は!?」
垣根「第一位…」
一方「男二人で何お茶してると思ってたら、ていとくんとオメェとはなァ」ニヤニヤ
垣根「うるせぇ。今はお前にかまっているヒマはねえ」シッシッ
一方「おやおや、冷たいんですねェていとくん。お前のここはこんなに正直なのによォ」パカパカ
垣根「おいっ、冷蔵庫に触るんじゃねぇ!」
一方「ほれほれ、ここがいいンですかァ!?」パカパカ
垣根「あんっ。やっ、やめろっ///」
一方「パカパカ」
浜面「何このカオス」
一方「ほう、お前があの心理定規と温泉とはなァ」ニヤニヤ
垣根「…うるせぇ」
浜面「ま、まあ、あんまり茶化さないでやってくれよ。本気みたいなんだしさ」
一方「ほう、それで温泉で行ってどうすンの?」ニヤニヤ
浜面「いや、だから今そのことを話してるとこなんだが…」
一方「そういうお前は女と温泉行ったら何するんですかァ?」ニヤニヤ
浜面「そりゃ、男と女が二人っきりで温泉行くとすれば、やることは、ナニだろ?」
一方「ナニですか?」
浜面「ナニですよ」
垣根「でもよ、そういうのじゃないかも知れねーだろ?」
一方「随分と臆病な意見だァ」ニマニマ
垣根「ほっとけ」
一方「ようするに、お前は自信がないわけだ」
垣根「…正解だ」
一方「だからこいつに頼ったって訳だ?」
垣根「…その通りだ」
一方「随分と水臭ェじゃないですかァ、ていとくん!?」
一方「何でこんなこと、俺に相談しねェんだ!?」
垣根「一方通行…」
一方「もし、良ければ俺がアドバイスしてやンよ?」
垣根「でも、お前にはそういう経験あるのか?」
一方「あンに決まってるだろうが!?学園都市第一位をなめんじゃねェ!!」
浜面(きっと、あの小さい子となんだろうなぁ…)
一方「よし、決めた」ポンッ
一方「俺が直々に旅行中にアドバイスをいれてやンよ!!」
垣根「…お前、そこまでしてくれんのか」
一方「おう、任せとけ!」
一方「テメェに素敵で無敵なアドバイスをしてやンよォォォォォ!!」
浜面(ぜってー面白半分にしやがんな、こりゃ)
――土曜日
心理「お待たせー」
垣根「いや、今来たところだ」
心理「そう?」
垣根「そんじゃ、そろそろ行くか」
心理「うん」
バタン。ブロロロ・・・
一方「…行ったか」
浜面「それじゃ、俺たちもそろそろ行くか」ブロロ・・・
「そうですね、あまり離れると追跡出来なくなりますからね」
「そんじゃ、出発するにゃー」
一方「おゥ」
浜面「そんじゃ、行くぞー」ブロロロ・・・
「ようやく出発ですか、これだから超浜面は…」ハァ
浜面「出発時間まで俺のせい!?」
「大丈夫。わたしはそんな理不尽で責められるはまづらを応援している」
「それよりさ、のど渇いたからジュースかって来てくんない?」
浜面「それなら、そこの袋に人数分入っているだろ?」
「あっ、本当だぜい」ガサガサ
「一つ戴きますね」ガサガサ
一方「コーヒーはねェのか、コーヒーは」ガサガサ
浜面「ちゃんと買ってあるって」
一方「おっ、あった」
浜面「って、なんでこんなに大所帯になってんだーーー!!!?」
麦野「突っ込むのが遅いよ、はーまずらぁ」
絹旗「やれやれ、この状況に今更気づくなんて、浜面の頭は超鈍感ですね」
浜面「あえて突っ込まねー様にしてたんだよ!?なにこのカオスかつ大人数は!?」
滝壺「大丈夫、わたしはそんな牛並みに鈍感な浜面を応援している」
浜面「滝壺まで…」ズーン・・・
「まあまあ、旅は道連れって言うし、仲良く行こうぜい」
一方「つゥわけだ」
「よろしく頼みますよ」ニコッ
浜面「ああ、宜しく」
「申し遅れましたが自分はエツァリと申します。ああ、この旅の間は是非、海原と及びください」
浜面「?海原が苗字でエツァリが名前?」
海原「いえ、海原は偽名です」ニコリ
浜面「初対面で行きなり偽名薦められたんだけど!?」
麦野「まあ、うちらの業界じゃ偽名なんて当たり前だし」
浜面「だからといって、いきなり偽名を言われたのは初めてなんだが」
絹旗「そんなケツの穴の小さいことを何時までも超言ってるから、何時までたっても浜面は超浜面なんですよ」
浜面「俺の存在全否定しないで!?」
滝壺「大丈夫。私はそんな存在を全否定されるはまづらを応援している」
浜面「そこは肯定しないで欲しいんだけど!?」
「それじゃ、俺のことも一応自個紹介させてもらうが、俺は土御門元春。一応グループのリーダだ。この旅の間、宜しく頼むぜい」
麦野「グループのリーダー…!?」ゴクリ
滝壺「なんで、そんな人が…?」
土御門「いや、何でって言われても」チラッ
一方「……」フンッ
土御門「一方通行に誘われたからなんだが?」
海原「ちなみに、自分もそうなんですが」
麦野「へぇー、そうなんだ」
絹旗「超以外ですね。グループって、もっと超さばさばした集団かと思っていたんですけど」
滝壺「みんな、意外と仲良し?」
土御門「よしてくれ、俺たちはそんなんじゃない」
海原「そうですよ、勘違いしないでください。ただ僕たちはあの垣根提督が面白おかしくあわてふためく姿をこのカメラに収めるべく集まったに過ぎないのですから」
浜面「無駄な結束力だな、おい!?」
一方「それに、今回はグループとして参集したんじゃねェ」
海原「そう、我々にはもう一つ別の顔がありまして」
滝壺「どんな顔?」
一方「聞いて驚くなァ」ニヤリ
海原「その名も!!」
「「「ガチ路利友の会!!!」」」
浜面「……」
麦野「ねえ、浜面。こいつら即効つまみ出したいんだけど?」
滝壺「私もそのほうがいいと思う」
浜面「…反対はしねぇ」
麦野「あー、とにかく。あんたらうちの絹旗には手を出さないように。手ェ出したらテメエらの粗末なXXXを引きちぎって口に詰めるから」
土御門「そんなことはしないぜい」フゥ
一方「そもそもそんなババァに興味はねェ」
麦野「ああ!?誰がババァだ!?」ピキッ!
海原「いえ、我々はあなたに言ったのではなく」チラッ
絹旗「?」
海原「彼女に言ったのですが…」
浜面「……」
滝壺「…ねぇ、この人たちってホンモノ?」
浜面「ああ、ホンモノのガチ路利だな…」
絹旗「でも、ババァって言われると何気に超ショックですね…」トホホ
滝壺「泣かないで、きぬはた」
絹旗「まあ、あの変態三人週から興味をもたれないですむって言う保険には超なりますけど…」
麦野「正直、複雑な気分よね…」
一方「でも、まあ」
絹旗「?」
一方「熟女ってのも悪くねェかもなァ…」
麦野「うん、それ無理」
一方「大体、何でお前らは着いてきたんだァ?」
麦野「えーっと…」
滝壺「それは…」
絹旗「超止むにやまれぬ事情がありまして…」
土御門「単純に浜面と一緒に旅行したかっただけにゃー?」ニヤニヤ
「「「……」」」
土御門「図星かい!?」
海原「まあ、ここまで来たのですから、もめるのは無しにしましょう」
「「「さんせーい」」」
一方「…チッ」
麦野「まあ、しゃーないか」ポリポリ
浜面「そうそう、仲良く行こう、仲良く」
土御門「それじゃ、早速向こうの様子をのぞいて見るにゃー」ガサゴソ
滝壺「それなに?」ヒョイッ
海原「何か電子タブレットのように見えますが…?」フーム
土御門「これはもっといいものなんだぜーい」
一方「何でもいいから、早くみせろ」
土御門「それでは、ごかいちょーう!!」
パッ
絹旗「おお、超画面が映りました!」
滝壺「これは、向こうの車内?」
土御門「ご名答なんだぜーい」
麦野「何か、画面の半分しか使ってないんだけど?」
土御門「これからこいつの真の力がみられるぜい」
滝壺「?なんか文字が出てきたよ」
海原「えーっと、なになに。『なんか、車内が気まずい。何とかしてくれ!!』…?」
麦野「これって?」
土御門「これこそ、こいつの真骨頂。なんと、相手が伝えたいことがしゃべらないでもこれに考えただけで表示されるんだぜい!!」
浜面「へーっ」
絹旗「超すごいですっ!!」
土御門 「これさえあれば、向こうを的確にサポートしてやれるんだぜい」
一方「ほゥ、そいつは面白ェ」ニタァ
滝壺「どうやって、相手に送信するの?」
土御門「こいつに文字を入力する方法と音声入力とがあるなにゃー」
麦野「へぇ、結構すごいじゃない」
海原「それよりも、凄い勢いで文字が埋まっていきますよ?」
『何とかしろ、何とかしろ、何とかしろ、何とかしろ
何とかしろ、何とかしろ、何とかしろ、何とかしろ
何とかしろ、何とかしろ、何とかしろ、何とかしろ
何とかしろ、何とかしろ、何とかしろ、何とかしろ
何とかしろ、何とかしろ、何とかしろ、何とかしろ』
麦野「どんだけ焦ってんのよあいつ」
浜面「とりあえず、ダッシュボードを開けるように言ってくれ。そこにとりあえず音楽のディスクを何枚か入れといたから」
垣根『音楽って、これか?』
滝壺「おおっ、もう返信が来た」
麦野「流石に考えるだけでっていうのは早いわねー」
垣根『ところで、これ、落語のディスクなんだけど?』
垣根『しかも、なんで小米朝なんだよ!?せめてざこばクラスの奴にしろ!?』
浜面「えー…。じゃあ、隣の奴にしろ」
垣根『これは、漫才っ!!なんで、いとこい漫才なんだよ、チョイスが渋すぎんだろうが!?』
浜面「それも駄目かー…?」
垣根『当たり前だろうが!?何処にデートに落語や漫才でムードを作る女がいるってんだよっ!!』
滝壺「……」
麦野「……」
土御門「お前らかい!?」
浜面「じゃあ、もう一枚のが」
垣根『これはプリキュアぁぁぁぁぁ!!なんでプリキュアなんだよ!? 俺の怒りがMAXハートなんですけど?!』
絹旗「むむっ、私のソウルソングを超バカにするとは、たとえレベル5だろうが超容赦しませんよ!?」
垣根『俺のほうが容赦出来なくなるわ!!』
浜面「っても、俺にはそれくらいしかなぁー…」
垣根『マジかい!?お前はどういう女と付き合ってんだよ!?つか、お前の付き合ってる女ってどうせアイテムのどいつかなんだろ! アイテムってそんな痛い女しかいねーのかよ!?』
麦野「……」
絹旗「……」
滝壺「……垣根、あとでころす」
一方「こわっ!」
海原「彼女が言うと迫力がありますねぇ」
海原「仕方ありません」
浜面「なんかあんのか?」
海原「垣根さん、何も言わずに一番左端のディスクを使ってください」
垣根『大丈夫なんだろうな!?』
海原「効果のほどは分かりませんが、現状では一番宜しいかと」
垣根『わっ、分かった。とりあえず、使ってみるか…』
ウィーン・・・
垣根『おいっ、何か昭和のムード歌謡が流れてきてるんだけど!!』
海原「ええ、そのまま二時間ほど入っていますので十分に間を繋げると思いますよ」
垣根『あああ、何か車内が変な空気になってきた!!』
海原「それでは、ごきげんよう」
垣根『テメエらアアアアアアああ!!!』
数時間後―
土御門「ふーっ、やっと到着したぜい」
一方「ああ、早くションべんしてェ」
浜面「それじゃ、みんな荷物を持ってチェックインしようぜ」
滝壺「そうだね」
ゾロゾロ…
垣根『ちょっと待てコラァ!!』
土御門「どうしたんだにゃー、垣根?」
垣根『どうもこうもねーよ!!』
海原「おや、盛り上がりませんでしたか?」
垣根『盛り上がったよ!二時間たっぷり歌謡カラオケ大会だったわ!!』
海原「なら良かったじゃありませんか?」
垣根『逐一チョイスが渋すぎんだよ!? 俺のしらねー歌ばっかだっただろうが!! なんだよ舟木一夫の高校三年生って!!!」
滝壺「ということは、彼女の独壇場だったんだね」
垣根『まあな、あいつは意外と喜んでくれていたみたいだったけどな』
海原「計算どおりですね」フフッ
垣根『まあ、いい。結果的には上手くいったんだ。そこんところは礼を言う』
麦野「へぇ、意外と素直をね」
垣根『でもな、今度からもう少し俺のイメージを考慮してやってくれ! このままじゃ、おれは半田建人並みのイメージになっちまう!?』
一方「せいぜい考慮してやンよ」
垣根『ホントだな!?』
海原「心配しないでください」ニコッ
垣根『テメーが一番信用ならねーんだが…』
浜面「そんじゃ、俺たちも旅館に入るから、またあとでな」
垣根『おお…。一番の頼りはテメーだ。よろしく頼むぜ』プッ
浜面「何か、プレッシャーになるなぁ」
絹旗「そんな事より、超早くチェックインしましょう。正直、私もおしっこの我慢が超限界ですし」
浜面「はいはい」
―旅館
垣根「チェックインも済ませたし、まずは温泉か…」
心理「そうね、まだご飯までは時間があるみたいだし、一度お風呂に行きましょう」
垣根「そうだな。そういやここの効能ってなんだ?」
心理「決まっているでしょ?お肌がつるつるになる美人の湯よ」
垣根「ほう、そうか?」
心理「そうよ。今日はゆっくりと楽しまないとね」ニコッ
垣根「お、おお」(やっべ、めっちゃいい顔しやがる)
心理「?どうしたの」
垣根「ん?いやぁ『見とれてた、テメーの笑顔によ…』」キリッ
心理「へっ?」
垣根「……今のは聞かなかった事にしてくれ」
心理「?変なの」
心理「それよりもさ、」グイッ
垣根「おっ、おい」
心理「早く温泉いこっ」ニコッ
垣根「あ、ああ」
麦野「ぶははははははは!!」
土御門「『見とれてた、テメーの笑顔によ…』キリッ、だと!?」プププププッ
一方「ぎゃはははははははっ!!流石はクソメルヘン、言うことが違わァ!」
海原「いやー。でもこれ、面白いですねぇ」
絹旗「入力次第で意図しない超セリフを言わせることが出来るとは、超あなどれませんね」
滝壺「まさに、今のかきねは鎖に繋がれた犬だね」
浜面「おいおい、あんまり無茶しないでくれよ。あとで大変になるんだから…」
麦野「おっ、見てみなさいよ。垣根の奴がボード上にぶち殺すって連打してやがんぞ!!」
滝壺「そんなかきねにはおしきおきだね」
一方「分かってんじゃねーか、ババァ!!」
滝壺「・・・ババァじゃないもん」クスン
浜面「やれやれ…」
温泉―
垣根「くそっ、あいつら人で遊びやがって!!」ザパッ
垣根「…やっぱ、一人のほうがよかったかな?」
垣根「まあ、グダグダ言っても始まんねーか…」フーッ
垣根「そういや、ここの露天は今の時間帯は混浴だったけか…」
垣根「…行くか。いや、別に期待とかしてるわけじゃねーんですけどー」ザパザパ
垣根「って、誰に言い訳してんだ俺は」ザパザパ
垣根「おー、さむ。さて、風呂はっ、と」ザプン
垣根「はー、やれやれ。生き返りやがる」フーッ
垣根「これで熱燗とかでもあれば最高なんだが」
「あら、あなたもきたの?」チャプ・・・
垣根「お、おお」(おっしゃー!!計算どおり!!)
心理「ここって、いいお湯よねー…」パシャ・・・
垣根「お、おお」(そろそろ湯煙が晴れて…)ゴクッ
垣根「……」ガッカリ
心理「?どうしたの」
垣根「いや、べつに…」(水着かよ…)
心理「ひょっとして、期待してた?」
垣根「!?そんなこたぁ…」
心理「ふふっ…」チャポッ・・・
麦野「…なんじゃこれ」
土御門「リア充感丸出しだぜい」
絹旗「超垣根のくせに、生意気ですねー」
滝壺「天罰、下したい」
一方「おっ、いいねェ」ニヤニヤ
浜面「よしなさいって。ほら、俺らも温泉行くぞ」
海原「はいはい」
心理「ねぇ、もうちょっと近くに行っていい?」スイーッ
垣根「ああ、構わねーが…」
心理「ふぅ…」チャプ・・・
垣根(な、なんか改まっちまうな…)ドキドキ
心理「でも、なんだか嘘みたい。こうしてあなたと一緒にいられるなんて…」
垣根「そうか?」
心理「うん…。あの時、あんなことになって、それから割り切ったつもりだったんだけど…」
心理「でも、あのアイテムの二人を見てたからかな、無性にあなたに会いたくなって、それで、またひょこっと現れて…」
垣根「まあ、冷蔵庫つきだけどな」
心理「もう、茶化さないでよ…」
垣根「ああ、悪い」
心理「ふふっ」
垣根「ははっ」
麦野「…そろそろ原始崩し打ち込みに行ってやりたいんだけど?」
浜面「よしなさいって!?」
一方「それよりも、クソメルヘンにふさわしいセリフを吐かせてやんよォ!!」
浜面「だからやめろって!?」
海原「それなら、これでどうです?」カタカタ
絹旗「おおっ、これは超恥ずかしいです!」
麦野「マジありえねー台詞だな、オイ」
海原「お褒めに預かり光栄です」フフッ
滝壺「でも、ちょっと言われてみたい台詞」
土御門「どれどれ―」
垣根「君の瞳は一万ボルトォォォ!」
心理「へっ?」
垣根「地上に降りた最後の天使ィィィ!!」
心理「どうしたの、急に?」
垣根「い、いや、急にテンション上がっちまってな!!」ダラダラ
心理「そう?」
垣根「あ、ああ」(あいつら、あとで愉快な死体にしてやるからな!!)
心理「でも」
心理「ちょっと、嬉しいかな?」
温泉その2
浜面「ところでさ、」カポーン
一方「なんだァ?」ザバーッ
浜面「大体こういうSSとかじゃさ、のぞきとかするじゃねーか」ゴシゴシ
土御門「はっ?」ザブン
海原「全く、あなたという人は…」フゥ・・・
浜面「な、なんだよ」ジリッ・・・
「「「ババァに興味はねぇ」」」
浜面「…ガチロリ共め」
―――
浜面「やれやれ、ようやく飯の時間か」
滝壺「ごくろうさま、はまづら」
浜面「おお、滝壺くらいだ、こう言ってくれるのは…」
麦野「わ、私だってそれくらい言えるわよっ」
絹旗「超浜面超ご苦労様でした!!これでいいですか!?」
浜面「何で切れてんだよ…」
絹旗「むーっ!じゃあ、超どう言って欲しいんですかっ!?」
浜面「そりゃ普通に…」
絹旗「むーっ!超せっかく言ってあげたのに!!」プクーッ
一方「何やってンだァ、あいつらァ?」
土御門「そんなことより、そろそろ仲居さんが来るんだぜい」
海原「ちなみに、今日の晩御飯はなんですか?」
土御門「んっふふ、今日は張り込んで豪華懐石料理を頼んだんだぜい」
「「「おーっ!!」」」パチパチ
海原「それは楽しみですねぇ」
麦野「あんたにしちゃ気が利いてるじゃない」
土御門「ほめたって、料理くらいしか出てこないんだぜい」
滝壺「懐石料理楽しみ」
浜面「ああ、どんなのだろうな」
土御門「それは、出てきてからのお楽しみだにゃー」
滝壺「わくわく」
海原「へぇ、これが懐石料理ですか?」パクッ
海原「なかなか美味しいものですねぇ」モグモグ
土御門「ほう、お前にもこの味が分かるのかにゃー?」
麦野「伊達に暗部にいるわけじゃないわけね」モグモウ
浜面「別に暗部とは関係ねーと思うんだが」モグモグ
滝壺「でも、おいしいね、はまづら」パクパク
浜面「たしかに、旨いな」ムシャムシャ
土御門「おっ、お前も結構いけるくちかにゃー?」
海原「あなたはもっとジャンクな味が好みだと思ったんですけどね」モグモグ
浜面「俺って、そんなイメージなの!?」
滝壺「大丈夫、そんなイメージに反する浜面を私は応援している」
浜面「滝壺まで!?」ガーン!
麦野「こらこら、そんなに浜面いじめるなっての」パクパク
土御門「おっ、どういう風の吹き回しかにゃー?」ニヤニヤ
麦野「勘違いしないでよ。どんなサルでもあんだけ食わせてやってたら、その味を覚えるって言うことだけよ」
浜面「フォローになってない、というか、微妙にけなされてるんですけど!?」
海原「まあ、あなたですから」ニコッ
浜面「テメーのが一番きついんだが!?」
土御門「まあまあ、それより、誰がそんなに食わせに行ってるのかにゃー?」ニヤニヤ
麦野「うっ、うっさい!!」カァァァ!
海原「おやおや」
滝壺「…はまづら」
浜面「あ、あの、滝壺さん?」
滝壺「あとではなしがある」ギロッ
浜面「ひぃぃ」ガクブル
土御門「ところで、さっきから全然箸が進んでいないんだが?」
一方「……」
絹旗「……」
絹旗「あの、浜面」
浜面「んっ、どうした?」
絹旗「これ、一つ超食べてください」ヒョイ
浜面「おう、別にいいけど」
絹旗「それじゃ、口を開けて、あーん」
浜面「あーん」パクッ
「「!!!?」」
浜面「普通に旨いじゃねーか」モグモグ
絹旗「えーっ、超浜面のセリフとは思えませんよ…」
滝壺「……」
麦野「……」
浜面「どうしたんだ、二人とも?」
滝壺「はまづら、これ一個ちょうだい」
浜面「別にいいぞ」
滝壺「あーん」
浜面「あーん」
滝壺「おいしい」モグモグ
浜面「そりゃよかった」
麦野「……」
浜面「ん、どうした麦野?」
麦野「…はーまづらぁ」
浜面「なっ、なんでしょうか?」
麦野「こいつをよこせ」
浜面「ええっ!?でも、こいつは俺の…」
麦野「……」ジーッ
浜面「分かったから、そんな顔で睨まないで! 食事中に胃にあなが空いちゃうから!?」
浜面「ほらよ」ヒョイッ
麦野「あーん」パカッ
浜面「いいっ!?お前そんなキャラじゃ―」
麦野「あーんっ!!」
浜面「わ、分かったよ!ほら、あーん」
麦野「あーん」パクッ
浜面「う、うまいか?」
麦野「うん、とっても」ニコニコ
麦野「そりゃ、あんたから強奪したものの味は格別よねー」ニコニコ
浜面「はいはい…」
海原「…これが、もっともハーレム形成に近い男の力ですか…」
土御門「ああ、侮れないんだぜい…」ゴクリ・・・
滝壺「でも、きぬはた。全然手をつけないで人に食べてもらっちゃだめ」
絹旗「うう、でもこれ」
絹旗「超あんまり美味しくありません…」
一方「あァ、同感だァ…」
麦野「あらあら、お子様の絹旗にはまだまだ早かったかにゃー?」ニヤニヤ
絹旗「そ、そんなこと超ありませんけど!!」
滝壺「でも、食べられないの?」
絹旗「はい…」コクッ
土御門「しょうがないにゃー。こんなこともあろうかと」
じゃーん!
一方「おォ、これはァ…?!」
土御門「念のために用意した、ステーキ弁当なんだぜい!!」
絹旗「超すごいですっ!!」
一方「やるじゃねェか…」
麦野「ここって、こういう弁当系も充実してるのね」
土御門「にゃー、これも安くはないんだぜい」
海原「でも、これじゃ二人の分はあまってしまいますねぇ」
土御門「そうなんだにゃー…」ハァ
土御門「流石に手付かずで残すわけにはいかねーから、その分はみんなで取り分けるしかないにゃー」
麦野「仕方ないわねー」ハァ
麦野「絹旗、今度からこういうことのないように好き嫌いを無くしなさい」
絹旗「…はーい」
海原「麦野さん、まるでお母さんのようですねぇ」
麦野「ほっとけ!」
土御門「一方通行もなー」
一方「……」
土御門「黄泉川先生言いつけるぜい」
一方「…ちっ」
土御門「さーて、夜も更けてきたことだし」ジャラジャラ
海原「麻雀でもしますか」ジャラジャラ
麦野「へぇ、面白そうね」
浜面「明日もあるんだから、ほどほどにしとけよ」
「「「はーい」」」
浜面「やれやれ」
麦野「―でも、いまいち盛り上がらないわねー」カン!
一方「そうか?」チー!
土御門「まあ、こういうだらだらとしたのもたまにはいいんだぜい」ポン!
海原「そうですよねぇ」
麦野「なんかさぁ、やっぱり何か賭けない?」
土御門「賭けるって、なにを?」
麦野「そうねぇ…」
海原「ベタに千点千円くらいにしときますか?」
一方「それじゃあ盛り上がらねェわな」
海原「じゃあ、何を賭けましょうか」
麦野「あんたら、男三人に女一人よ?もっと分かりやすいものがあるじゃない」
一方「なんだ、そいつはァ?」
麦野「脱衣麻雀よっ」
「「「えー…」」」
麦野「…何よ、その不満そうな顔は」
海原「正直、あなたがそういう事する必要はないんじゃありませんか?」
土御門「そうそう、もっと自分を大切にしたほうがいいと思うぜい」
麦野「何よ、勿体つけるわねっ」
一方「っうか、ババァが脱いだところで誰が得するんだァ?」
麦野「テメェ、今なんて言った、あぁっ!?」
土御門「同感だぜい」
海原「そうですよ、我々はあなたに大した魅力は―」
麦野「お前ら、余ほど愉快なオブジェに変えられてぇみたいだな…!?」
浜面「落ち着け麦野!?こいつらガチロリだからお前の魅力が分からないだけだって!!」
麦野「…じゃあさ、浜面はどう思っているわけ?」
浜面「俺は、お前は十分魅力的だと思うぞ?」
麦野「そう?」
浜面「嘘ついても仕方ねーだろ!?」
麦野「・・・じゃ、そういう事にしといてあげるわ」エヘヘ
土御門「うわーっ、一変に態度が変わったにゃー」
海原「惚れた男の一言は何よりの良薬ですねぇ」
一方「違ェねえ」
麦野「…じゃあさ、私が負けたら浜面が一枚脱ぐってことで折り合いをつけない?」
浜面「それこそ誰得なんだよ!?」
海原「そうですねぇ」
土御門「浜面じゃなくて、そっちの、」チラッ
絹旗「……」 ピコピコ
滝壺「……」ピコピコ
土御門「ちびっ子の方なら手をうつぜい」
浜面「ぶれねー信念だなオイ!?」
麦野「それじゃー、それでいい、絹旗?」
絹旗「…あーもう!別にかまいませんから、今は超話しかけないでください!」ピコピコ
麦野「つーわけだ」ニヤリ
麦野「そん代わり、お前らが負けたら一枚づつ…」
土御門「おっけー、だにゃー」ニィ・・・
海原「まあ、たまには熟女も悪くないでしょう」ニコッ
浜面「絹旗で熟女なのかよ!?」
一方「かかってきな第四位ィ、レベル5の序列の意味を教えてやンよォ!!」
麦野「はっ、大きく出たな第一位っ。吐いた唾は戻せねーぞ、ゴラァァァァッ!!」
浜面「お、おい、麦野!?」
麦野「だーいじょうぶだって、私を信じなさいって!」
浜面「本気かよ…」
数分後―
麦野「…負けちゃった。てへっ」
浜面「てへっ、じゃねーだろ!!」
麦野「しょうがないわねー」ハァー
麦野「絹旗」
絹旗「何です、麦野?」ピコピコ
麦野「脱げ」
絹旗「ブッ!?」
絹旗「いきなりなんて事を超言い始めるんですか!?浜面菌にでも超脳みそ侵食されましたか!?」
浜面「浜面菌ってなんだよ、おいっ!」
麦野「いいから脱げ、さっさと脱げ」
絹旗「ちょ、止めてください麦野!?浜面も見てないで助けてくださいよ!」
浜面「そう言われてもなぁ…」
絹旗「ちょっと、超本気で助けてくださいよ!?麦野、そこ超触らないで!?」
麦野「さあ脱げ、おら脱げ、とっと脱げ!!」
絹旗「きゃーっ!!!!」
滝壺「大丈夫、そんな素っ裸にされるきぬはたを私は応援している」
絹旗「応援はいりませんから、超助けてください!」
麦野「ふふふ、よいではないかよいではないか」
絹旗「いやーーーー!!!!!!」
滝壺「ところで、はまづらは、なにをしているの?」
浜面「…垣根にフォローをしてるんだけど」カチカチ
滝壺「すごいね、はまづらは。ちゃんと旅の目的を忘れてないね」
浜面「滝壺くらいだぜ、俺にそんなこと言ってくれるのは…」
滝壺「はまづら…」
浜面「滝壺…」
絹旗「ちょっと!?ムード作ってないで超助けて―」
麦野「うらあああ!!まてええええい!!!きーぬーはーたー!!!」
絹旗「いやああああああああ!!!」
―――数日後
垣根「いやぁー、この間は本当に助かった。礼を言うぜ」
浜面「まあ、お役に立てのなら、何よりだ」
垣根「いや、あいつが人の布団の中に入って抱きついてきたときは、どうなるかと思ったけどな!!」ハハッ
垣根「あんとき、俺一人だと不用意にあいつを抱いて取り返しのつかないことをやらかすとこだったが、上手く踏み止まれたのは、浜面、お前のおかげだ。感謝する」ペコッ
浜面「いや、そんな大した事じゃ」
一方「そうだ、せいぜい感謝しなァ」
浜面「つか、お前は特に何にもやってないよね!?何でドヤ顔してんの!?」
垣根「たしかにな」
一方「ンだとォ!!」
垣根「まあ、それは置いといて、お前らも随分騒がしかったみてーだが?」
浜面「ああ、さっき話した続きがあってな」
垣根「ふんふん」
浜面「あのあと、絹旗が素っ裸になるのは流石にかわいそうだと一応止めに入ってな」
垣根「ほうほう」
浜面「その代わり、俺の秘密話をする羽目になって」
垣根「へぇー」
浜面「その過程で、麦野や絹旗とのデートがばれて」
垣根「実は三又!?」
浜面「そのことが滝壺の逆鱗に触れて、朝まで折檻された…」
垣根「そ、そうか」
一方「あれは傑作だったなァ」
浜面「ほっといてくれよ…。あれから怖くて滝壺の顔をまともに見られないんだぞ!?」
一方「身から出た錆だ」
浜面「そうなんだよなー…」ハァ・・・
垣根「大変だな…」
浜面「と言うわけで、このあと滝壺にお詫びデートをしなきゃならないんで、そろそろ行くわ」
一方「俺も、そろそろ行くかァ」
垣根「おう、そんじゃな。この礼は必ず返すからな」
一方「そゥか」
垣根「オメーじゃねーよ!!」
浜面「そんじゃーな」
垣根「おう」
浜面「そういや」
垣根「ん?」
浜面「あの子の名前は何なんだ?」
おわり