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投下します

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☆シャンタッ君が語るこれまでのあらすじ☆






1454167931-424








【君の為なら死ねる】…始




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「……なぁ、前から思ってたんだけどよ。お前、いっつも仏調面だな。楽しくないの?」

「いえ、仕事に生きがいは感じていますが…」

「硬いなぁー。仕事とかじゃなくてさ、もっと趣味っぽいのとか無いのかよ」

「趣味…仕事が趣味みたいなものです」

「ふぅーん…まぁいいや。俺が世界を征服した暁には嫌でも働かせる人材が必要だし、そんな人間が居ても」

「左様ですか。」

「だけどよ、お前はさすがに笑ってくんねぇかな?俺、アンタの事は結構気に入ってるんだぜ?」

「…申し訳ありません」

「そういうのがいけないんだって。もっと…ほら!あるでしょ楽しい事!」

「仕事が…」

「仕事じゃなくて!ああもう!笑顔になれそうな事を思い出したり!」

「それは思い出し笑いじゃないですか?」

「……はぁ。じゃぁさ、語尾にwでも付けてみたらどうだ?」

「……ダブリュー?」

「またの名を草というwwwほらwwwこんな感じwwww」

「…何とまぁ、にぎやかですねダブリューダブリュー」

「違う!口に出すな!!ああもう!」

「……難しいですね。意外と」

「ちゃんと練習してきてよ!俺の側近がこんな無愛想な奴嫌だよ!!」

「…善処します」

「ならよし。俺……私もさ、アンタの言った通り女性らしい言葉使い練習してんだからさ」

「次に会う時までに、笑顔の練習しておいてよね!」



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~ニャル夫宇宙船~

ニャル夫「おいおいダゴン!お前マジかよ臀部に370の蒙古班のあるおっさん見た事あんのかよ!」

ダゴン「マジだっつぅにwwwもうwww正直見た瞬間www「うわぁ」ってなったよwwwwぶっはwwww」

真尋「ははははは!最早蓮コラじゃんそれぇ!!」

ダゴン「次はニャル夫ぉwwwてめぇの番だぞwwwwてめぇの何か面白いエピソード無ぇのかwwww」

ラグナラ「あー!私も聞きたぁーい!」

ナイア「波乱万丈な人生送ったアンタなら、面白い話10や20はあるでしょ。くぷくぷくぷ」

ニャル夫「おっと!俺も人気者になったもんだなぁ。そうだな、妹に関するエピソードなんだが…」

真尋「おいおい今その話は止めとけよ。聞かれたら本格的に殺されるぞお前ぇ」

ニャル夫「はっはっは!そうだな!今これ喋ったら聞かれるかもしんねぇもんな!」

ニャル夫「だって俺ら………」



ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

ズモモモモモモモモモモモモ…


ニャル夫「惑星保護機構の奴らに囲まれてんだもんなっ!!!!!!!」

427 : 以下、名... - 2016/03/03 23:57:24.73 dpx1ey4CO 400/689


ナイア「いやぁーもうこれ宇宙船の臀部がガッチリ向こうの臀部と結合されてるよぉー。絶対逃げられないね」

ニャル夫「まさか向こうの機体がステルスモードで音も無く接近してくるとは…舐めてたわ本当」

ダゴン「おーいマイホームちゃん。目的地まであと、何キロメートルだぁーい?」

≪目的地まで、後、4万光年です。89時間くらい掛かります≫

ダゴン「目的地まで、後もうすぐだったのにな!いやぁ本当残念っ!!!」

ニャル夫「てめぇ確認すんじゃねぇ!!意識しないようにしてたのによぉ!!!」

真尋「…ラグナラ君とナイアさんとダゴンはともかく…僕達二人は確実に殺されるんだよな…」

ナイア「宇宙指名手配だっけ?いやぁー確かにまだ効力あるけど地球滅んだから少年は大丈夫なんじゃない?」

ダゴン「ニャル夫の妹の事が本当なら、上手くいけば奴の妹のヒモになれるしな」

ラグナラ「皆!ちょっとは王子の事を心配してよぉ!!」

428 : 以下、名... - 2016/03/03 23:57:59.63 dpx1ey4CO 401/689


『アンタら良く聞けやぁぁあああ!!!!』

キッィイイイン

ダゴン「うっお!音でかっ!!」

ナイア「……」グワングワングワン

ニャル夫「……ニャル子か」

『その中に宇宙指名手配中の野良ニャルラトホテップと、私のマイプリティーナイスガイダーリンの八坂真尋さんが乗っている筈ですよねぇ!?』

『その二人をこちらに渡せば!!残りのアンタらは特に不問の扱いになります!!もし断れば……』

『例えアンタらが人質だろうが!!共犯者として真尋さん以外の全員を処刑台に送ってやりますよぉ!!!』

キィィイイイイイイイイイイイン

ラグナラ「…………」

ダゴン「…悪魔かお前の妹は」

ニャル夫「……………」

ニャル夫「……おい相棒」

真尋「相棒じゃないったら。……何だ」

ニャル夫「そうだ、お前はそう否定すれば良い。」

429 : 以下、名... - 2016/03/03 23:58:36.99 dpx1ey4CO 402/689


真尋「………は?」

ニャル夫「あいつらの上は何を考えてるか分からんが、ニャル子はお前が全てだと思っている。意地でもお前を守ろうと必死になってくれる筈だ」

ニャル夫「そもそもデウス・エクス・マキナの事もお前は良く分かっていない。地球も、もう存在しない。…最悪でもお前は保護対象にされる流れになる筈だ」

真尋「………」

真尋「…いや、悪いけど僕はもう、あのビー玉の正体が分かって…」

ニャル夫「おっとそれ以上言うなよ。忘れたか?お前は俺の人質だ」

ニャル夫「変な発言をしてみろ、ここに居る人質全員お前の失言で殺すぞ」

真尋「……………」

ダゴン「…………」

ナイア「…………」

ラグナラ「……っ!!」

430 : 以下、名... - 2016/03/03 23:59:07.78 dpx1ey4CO 403/689


ラグナラ「王子!!お願い一人で罪を背負わないで!!」ガシッ

ニャル夫「……」

ラグナラ「私の…私の王子様が居なくなっちゃうなんて…嫌っ…!嫌だよぉ…!!」グスッ…

ラグナラ「王子が…王子が死ぬなら…私も一緒に死んでやるっ!!」ヒグッヒグッ

ナイア「…僕も、僕の最高の恩人であり友人である君を死なせるのは気分悪いねぇ」

ダゴン「…………」

真尋「……おい、ニャル夫。…僕も嫌だぞ」

真尋「約束してるんだろ?クトゥグア族のジジイから…ハスター族の友達から……それなのに…」

真尋「お前が…こんな所で散ってしまうなんて……そんなの絶対に僕は許さないっ!!」

ニャル夫「…………」

ニャル夫「……何を勘違いしている」

バッ

ニャル夫「俺が!あんな奴らに殺される訳が無いだろぉが!!」

ニャル夫「俺はこの全宇宙を支配する大悪党…ニャルラトホテップ夫だぞ!!」

ニャル夫「いずれはあの組織も俺の物にしてみせる!その為の潜入捜査だ!!」

ニャル夫「覚悟しているが良い…ニャル子!!この俺を追いかけたこと!後悔してみせようではないか!!」

≪はいはいサクッと殺してあげますから、とっとと潜入捜査でも何でもしてくださいな≫

ニャル夫「…………」

ナイア「…そういえば、全部聞かれてるんだったね」

ダゴン「……………」



431 : 以下、名... - 2016/03/03 23:59:45.11 dpx1ey4CO 404/689




~惑星保護機構 宇宙船 ~



「宇宙国際指名手配犯、ニャルラトホテップ夫。確保完了しました」

「同じく、宇宙国際指名手配犯の八坂真尋。確保完了」

ニャル夫「…………」

真尋「………はぁ」

「貴様!今、溜息をしたな!?慎め!!」

真尋「…溜息くらい吐かせてよ。これから僕たちは殺されるんでしょ?」

「くっ…!この犯罪者め!」

「…今、ここで処刑する権限には我々にはある。変な動きをすれば、殺してしまえ」

ニャル夫「へぇ…アンタらに俺が殺せるかなぁ?」ニヤッ

「減らず口もそこまでだ…。大人しくさせるぞ」スチャッ

ハス太「ストォーップ!ストップです!!」

432 : 以下、名... - 2016/03/04 00:00:30.11 gTiQW9oOO 405/689


「!!ハ…ハス太…さん…!!」

ハス太「ニャル子ちゃんからの伝言です!「もし真尋くんに傷一つでもつけたらその瞬間からクビ」だそうです!!」

「クッ!?……クソッ、あのお方は本当に勝手な事を言ってくれる…!!」

ハス太「だけど!もう一人の白い方はいくら撃っても死なないから勝手にすれば良いそうです!」

ニャル夫「…………」

ハス太「でっでも!……最も貢献した本部長からの命令で「白い方も攻撃せずに独房に入れておけ」との事…」

「……………」

「…くそっ、ほら、とっとと歩け」

ニャル夫「………」スタスタスタ…

真尋「……ハス太…」

ハス太「…まっ…真尋……くん」

ポロポロポロ

ハス太「……うっ…うっ………やっと……やっと会えたよぉ…!!」ポロポロポロ

ダキッ

ハス太「ひっ…ひぐっ!……ひぃぐっ……ぅぅ……」グスッグスッ

433 : 以下、名... - 2016/03/04 00:00:59.44 gTiQW9oOO 406/689


真尋「……………」

真尋「……ニャル子も…この船に…?」

ハス太「グスッ…うん……!皆…皆も待ってるよ!」

真尋「うん…皆待ってる……か…………」

真尋「……………」

434 : 以下、名... - 2016/03/04 00:01:28.27 gTiQW9oOO 407/689


~ニャル子 宇宙船~

ウィーン

ハス太「ニャル子ちゃん!」

ニャル子「!!」

真尋「…………」

クー子「…………」

ニャル子「…………まっ…」

ニャル子「真尋……さん…?」

真尋「……なんだ」

真尋「結構、元気そうじゃないか」

ニャル子「……うっ……」

ニャル子「うわあぁぁああああああああああああああんっ!!!!」

ギュッ

ニャル子「真尋さん!!生真尋さんだぁぁぁああああああああああ!!!!」

ニャル子「うわぁぁあああああ!!わぁぁぁあああ!!うわぁぁぁあああああああああああん!!!」

435 : 以下、名... - 2016/03/04 00:02:00.87 gTiQW9oOO 408/689


真尋「ニャル子、お前少し痩せたか?」

ニャル子「ぅぅぅ…真尋さんが心配かけるからいけないんですよ……!」

真尋「…悪かった。心配かけて悪かったな…って、どさくさに紛れて変な所揉むなっ!!」グサッ

ニャル子「あひゃるっ!ああ…久しぶりのフォークの感触ぅ…」ゾクゾクゾク

ハス太「…ニャル子ちゃん、真尋くんが居なくなってから本当に大変だったんだよ」

真尋「ああ。何か、クー子みたいになってるな」

クー子「ニャル子が…私と同じっ…!?ハァハァ…」

ニャル子「ちょっ!?酷いですよ真尋さん!こんなのと一緒にしないでください!!」

真尋「………はぁ、全く」

ギシッ

ニャル子「んもぅ!真尋さんったらそんな椅子に座ってないで私とワンルームでアナザーヘヴンしましょうよ!」

真尋「…いや、座ってる」

ニャル子「なななんでですかぁ!!折角何万年も掛けて追いかけて来たのに!!そんな淡白な態度は酷いですよぉ~」

真尋「ハス太、僕はいつ頃に独房に移されるんだ?」

ハス太「……悲しい事に、後3分しか時間が無いです…」

ニャル子「んなぁっ!?早速そんな時間リミットを気にするんですかぁ!?」

436 : 以下、名... - 2016/03/04 00:02:44.87 gTiQW9oOO 409/689


ニャル子「やだやだやだやだ!折角会えたのにこんな短い時間じゃ愛の結晶を育めないじゃないですかぁー!!」ワーンワーン

ハス太「そうだよ真尋くん。確かに時間は短いけど、独房に移される話をするなんて…ちょっと酷いよ」

クー子「……何か…あったの?」

真尋「…別に、ちょっと聞きたい事があるだけだ」

ニャル子「何ですか!?私の成長記録ですか!?ええとですね、私はバストがここ数年で3,4センチ…」

真尋「無駄話をしてる暇は無いんだ。」

ニャル子「わっ私の情報が無駄話状態!?」ガーン

クー子「良い、ニャル子、続けて」

ニャル子「続けるかっ!!アンタにだけ需要がある話なんてする訳無いでしょうが!!」

真尋「……船に乗っていた人質は、本当に何の罰も与えないんだな?」

ハス太「うん。主犯が自ら「この人質を解放したければ、脱出用の宇宙船を用意しろ」って要求した位だから、僕達も彼等を被害者として見てるよ」

ニャル子「全く、あの腐ったれ脱走犯は図々しいったらありゃしませんよ。」

真尋「…ニャル夫が持っていた船や、デウス・エクス・マキナは?」

クー子「…主犯が持っていた船は、現在証拠品として押収中。デウス・エクス・マキナは船長が自ら管理している。」

ハス太「でも凄いよね。僕もデウス・エクス・マキナって初めて見たけど、あんなビー玉くらいの大きさしかないんだ」

真尋「最後に一つ。ニャル夫はこれから、どうなる?」

クー子「………」

ハス太「………」

ニャル子「そんなもん、有無を言わずに処刑に決まってるでしょうが!良くて元の監獄に戻されるくらいです!!」

真尋「……そうか。」

437 : 以下、名... - 2016/03/04 00:03:12.59 gTiQW9oOO 410/689


ニャル子「あっ!でも真尋さんは別ですよ?真尋さんの罪は元々不透明な物だったので無罪になる可能性が高いです!」

ニャル子「この私が保証します!全てが終わったら、また私達と一緒に暮らしましょう!」

真尋「………」

ウィーン

「八坂真尋、時間だ。今から貴方は独房に入ってもらう」

真尋「…はい」

ニャル子「はぁ!?ちょっと待ってくださいよ!!独房に入ったら私達も会いにいけないんですよ!?」

「それが目的だ。仮にも指名手配犯と貴方と接触させるわけにはいかん。」

ニャル子「真尋さんは無実でしょう!?それに、地球人だってもう真尋さんしか――」

ハス太「ニャル子ちゃんっ!!!!!!!」

ニャル子「あっ!?」

真尋「………」

ニャル子「あっ!なっ…何でもないですよ~。安心してください!こんなものすぐ終わりますからね!!」

真尋「……………そうか」

ウィィィィン……


バタァーン



ニャル子「…………」

ハス太「………」

ニャル子「…ごっ…ごめんなさいハス太くん。つい…口が滑りそうに…」

ハス太「…ううん、僕も大声出して…ごめん…」

ニャル子「……大丈夫です…大丈夫ですよ…!真尋さん……!!」

ニャル子「貴方は、この私が命に替えても守ってみせますから…ねっ」




438 : 以下、名... - 2016/03/04 00:03:42.85 gTiQW9oOO 411/689



~真尋 独房~

真尋「…………」

カツンカツンカツンカツンカツンカツンカツン

真尋「……………」

カツンカツンカツンカツンカツンカツンカツンカツンカツンカツンカツンカツン

真尋「…」

カツン

真尋「…………」

「…………」

真尋「…やっぱり…お前が一枚噛んでたんだな…」

「………はい」

真尋「なぁ……ダゴン?」

439 : 以下、名... - 2016/03/04 00:04:11.47 gTiQW9oOO 412/689


ダゴン「…………」

スルスルスル

真尋「お前……覆面を取るとそんな寡黙な顔してるのか」

ダゴン「……はい。いつも…覆面を被っていた時の私は、私ではありませんでした」

ダゴン「演技をしていたのです。笑顔の練習も込めて、演技を」

真尋「…草を生やさなくても、覆面していなくても…お前は少し気に食わないな」

ダゴン「申し訳ございません」

真尋「ニャル夫はどう言うだろうな……アンタが、この惑星保護機構の一員でスパイだったって…」

ダゴン「いえ、もう既にお会いしてお話をしております。最後の挨拶として」

真尋「そうか。……なんて言ってたんだ?」

ダゴン「意外にも怒られませんでした。それどころか、「良く打ち解けてくれたな」と感謝の念まで…」

真尋「……らしくない事するなぁ」

ダゴン「ですよね」

440 : 以下、名... - 2016/03/04 00:04:39.67 gTiQW9oOO 413/689


真尋「………はぁ」

真尋「何だかさあ…前のウザかったダゴンも大概だったけど、今のアンタは本当に絡みにくい」

ダゴン「前に、同じ事を言われた事があります」

真尋「そりゃぁそうだろ。現に僕も今、少し疲れてきた」

ダゴン「ニャル夫さんも同じ事を」

真尋「言うだろうな。あいつは言う。だってそういう奴だ」

ダゴン「そうですね」

真尋「……本当に、覆面取ると無感情だなお前」

441 : 以下、名... - 2016/03/04 00:05:08.70 gTiQW9oOO 414/689


ダゴン「そういえば、ニャル夫さんから預かり物があるのでしたね」

真尋「預かり物?」

ダゴン「ええ、ちょっと良く分からない代物ですが」スッ

真尋「………なんだ?これ」

ダゴン「私も存じ上げません。コトリバコか何かでしょうか?」

真尋「そんなものを俺に渡してどうするつもりだ…呪おうにももう身内も全滅してるぞ…」

ダゴン「それは…本当に災難でした」

真尋「でもあいつの事だ、最後にニャル子でも呪おうとしてるんだろ」

ダゴン「いえ、それは無いかと思われますよ」

真尋「は?何で?」

ダゴン「ああ見えてニャル夫さん…家族を大事にするお方ですから」

ダゴン「それでは、私は準備がありますので行きます。御武運を…。」カタンカタンカタン…

真尋「…………行ったか」

442 : 以下、名... - 2016/03/04 00:05:36.12 gTiQW9oOO 415/689


真尋「はぁー。確かに会った時から怪しいと思ってたけど、本当に僕達の敵だったなんてなぁ。」

真尋「これはニャル子達に一本取られた…って、言わざるを得ないのかな」

ニャル夫『そうだな、このままってのもちょっと悔しいな』

真尋「しょうがないよ。もうどうしようも無いじゃん」

真尋「ラグナラ君とナイアさんは元の惑星に戻されてる最中だろうし、宇宙船も押収、僕達は独房の中だよ?」

ニャル夫『だからって諦めるのか?目的地まで後、もう少しだったってのに?』

真尋「だって、だからってどうするんだよ。僕はともかくお前は…」

真尋「…………」

真尋「…えっ!?ニャッ…ニャル夫!?どこだ!?」

ニャル夫『シー!大声出すな!気づかれるだろ!!』

真尋「ああ…箱!お前この箱…通信機だったのか!」

ニャル夫『まぁな、見事ダゴンの野郎を欺いてやったぜ』

真尋「ははは、…………」

443 : 以下、名... - 2016/03/04 00:06:15.81 gTiQW9oOO 416/689


真尋「………それで、これからどうなる?」

ニャル夫『んー?』

真尋「ここは天下の惑星保護機構、お前の宇宙船も押収されて仲間は散り散りに。」

真尋「…デウス・エクス・マキナも今ここには無い。……それにアンタは殺される」

真尋「僕も下手すりゃ殺される。……これはもうどうしようも…」

ニャル夫『……なぁ、相棒』

真尋「だから僕は相棒じゃ…」

ニャル夫『俺知ってたんだ。ダゴンが惑星保護機構の奴らだって』

真尋「…え?」

ニャル夫『いや、正しくは薄々だけどな。おかしいだろ?ナイアが散々宇宙船の匿名化のアップグレードをしまくってたのに掴まったの』

ニャル夫『特定されやすくなった時から確信に変わったんだ。消去法で行けばダゴンが奴らの一味だって事にな』

ニャル夫『一番、過去の情報が少ないのがダゴンだからな。もうここまで行けば猿でも分かる』

真尋「だっ…だったら…!どうして……!!」

ニャル夫『はっ、例えダゴンが惑星保護機構の一味だろうと、あいつは俺の仲間でダチ公なんだよ』

ニャル夫『それに、対策を全く取っていなかった訳じゃないぜ。』

真尋「!!」

ニャル夫『もう既に対策は取ってある。そして、それはもう”動き出している”』

真尋「それじゃぁ…お前は……僕達は…!!」

ニャル夫『……その前に、一つ聞きたい事があるんだよ相棒』

真尋「ああっ…!って、だから僕は相棒じゃ…」

ニャル夫『そう、お前は俺の相棒じゃないと否定している。それを踏まえた上での質問だ』

445 : 以下、名... - 2016/03/04 00:07:10.92 gTiQW9oOO 417/689





真尋「え?」

ニャル夫『お前はこれから、俺と一緒に”死ねる”のか?』

真尋「…っ!!」

446 : 以下、名... - 2016/03/04 00:07:36.79 gTiQW9oOO 418/689


ニャル夫『いいか、俺は目的地に行ってデウス・エクス・マキナを使って全宇宙を支配しなくてはならねぇ』

ニャル夫『だけどそれは、俺だけじゃない。こいつらも同じだ』

ニャル夫『ジジイが…いや、散っていった仲間がこいつらに渡すくらいなら俺に渡すと言ってたから、言葉を信じると碌な事に使わないだろうが』

ニャル夫『だがしかし、お前は関係無い』

ニャル夫『これから先、妹に守られて生きていくのもアリだろう。寧ろそっちの方が幸せだ』

ニャル夫『地球が滅んだ今、お前は最後の宇宙人だ。保護対象宇宙人になる可能性は非常に高い』

ニャル夫『間違いなくお前は、安全で安心な老後を迎えることが出来る事だろう』

ニャル夫『しかし、俺についてきたらお前は巨大な組織との戦争に巻き込まれる事になる』

ニャル夫『……さぁ、どうする。お前はそれでも…俺と一緒に死にに行くのか、それとも一生幸せに暮らしていくのか』

ニャル夫『…いや、少しいじわるな質問だった。お前は妹の方に付け、俺達は大丈夫だから』

447 : 以下、名... - 2016/03/04 00:08:04.57 gTiQW9oOO 419/689


真尋「…………ふざけんなよニャル夫」

真尋「お前は…選択肢の言い方を間違えている。」

真尋「僕が選ばされてるのは、全てを知ってから死ぬか!全てを知らずに死ぬか!この二つだろ!!」

ニャル夫『だが!長く生きるか早死にするかっ…!』

真尋「そんなもの関係無い!僕にはもう守る物なんて無い!!!!」

真尋「地球も!友達も!!帰る場所も!!………家族もっ」

真尋「そんな僕を!お前は見捨てるって言うのかっ!?」

ニャル夫『違う!俺はお前が生きて…』

真尋「ふざけんなっ!!僕はなぁ!楽しかったんだよ!!お前等と一緒に旅をして色々あった事が……」

真尋「もう…指名手配されたのも……地球から見捨てられたのも……地球が寿命で消滅したのも…馬鹿らしくなるくらいに……」

ニャル夫『…………』

真尋「すげー楽しかったんだよ…!!ナイアさんが宇宙船を改造して楽しくなって…ラグナラ君が楽しそうにはしゃぎ回って……ダゴンのやる事言う事がいちいち楽しくて……」

真尋「お前が……ニャル夫が僕を全力で守って……ニャル夫がリーダーシップを取って…ニャル夫が助けてくれて……」

真尋「こんなの……楽しくないわけないだろ………!!」

448 : 以下、名... - 2016/03/04 00:08:41.02 gTiQW9oOO 420/689


ニャル夫『…………』

真尋「なぁ……頼むよ……最後まで僕も連れてってくれよ……」

真尋「置いて行かないで……くれよ………」ポロポロポロ






ニャル夫『……後悔、しないんだな?』

真尋「寧ろ…ワクワクする」

ニャル夫『死ぬ確立は非常に高いぞ』

真尋「何も知らないで死ぬよりはずっとマシだ」

ニャル夫『………俺の相棒になってくれるのか?』

真尋「それは考える」

ニャル夫『……なら、決まりだな』

バチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチ

真尋「…っ!」


449 : 以下、名... - 2016/03/04 00:09:08.93 gTiQW9oOO 421/689

1454167931-449


450 : 以下、名... - 2016/03/04 00:09:50.79 gTiQW9oOO 422/689


真尋「………」


パラパラ…


ナイア「ちぃーっす」

ニャル夫「……くふふふふ……」

ニャル夫「ふぅーはははは!見たか!?これが新しい発明品【残像だっ】だっ!!!」

ニャル夫「奴らも情報不足だったなぁ!!こっちには発明の天才が居るって事をなぁ!!」

ニャル夫「しかも改良に改良を重ねて、内蔵の位置がズレる事もない超安全で安心のナイア製使用の発明品んだぁ!!」

真尋「…馬鹿、凄い音だったよ」

ウー!ウー!

≪脱走犯が館内に居ます。館員の皆様は速やかに脱走犯を捕獲してください≫

ナイア「あっ」

ニャル夫「馬鹿なっ!?確かにワープは成功したはz……って、何だこの巨大な大穴はぁ!?」

ナイア「…空間着地の時に発生する真空地点の調整を忘れてたねこれ」

ニャル夫「お前の発明品はどこかズレてんなぁ!?インターネットだけの知識で作っちゃったかぁ!!」

ナイア「まぁ良いじゃん。壁を壊す手間が省けたと思えば」スタスタスタ

真尋「………ぷっ」

真尋「あっはっははははははは!!」

451 : 以下、名... - 2016/03/04 00:10:19.26 gTiQW9oOO 423/689


ニャル夫「……………」

ニャル夫「………相棒」

真尋「ははは……何だよ?」

ニャル夫「……」ニヤァ

ニャル夫「行くか?最後まで」

真尋「……ああ」






真尋「僕を最後まで誘拐してくれよ。大悪党」


452 : 以下、名... - 2016/03/04 00:11:06.05 gTiQW9oOO 424/689




「おい!居たか!?」

「いいえ!こっちには居ないようです!」

「脱獄したのはニャルラトホテップ夫の方だ!だが、あの地球人を再び人質にするとは考えにくい!ここは裏を取って地球人とは反対方向の…」

ニャル子「だらっしゃぁぁぁああああああ!!!!」ドカァアアアン

「!?」

ニャル子「あんの…野良ニャルラトホテップがぁあああ!!よくもまた真尋さんをぉぉおおお!!!」ゴゴゴゴゴゴ

「えっ!?脱獄したのはニャルラテホテップの方では…」

ニャル子「ああん!?」ギロリ

「ひぃ!?」

ニャル子「あんたら一体どこ守ってたんですかぁぁぁああ!?アンタらのせいで…アンタらのせいで真尋さんはぁああああ!!!」ゴゴゴゴゴゴ

ハス太「ニャル子ちゃん!今はお仕事してる人に構ってる暇は無いよ!」

クー子「今度こそ…ニャル子のお兄……野良ニャルラトホテップを……ぶっ潰す……」グッ

ニャル子「勿論ですよぉ!!次にあの野郎が視界に入ったら真っ先に頭部をカチ割ってやります!!!」

453 : 以下、名... - 2016/03/04 00:11:34.19 gTiQW9oOO 425/689


「しっしかし!地球人の方も厳重の独房に入れられていて地球人の力では脱獄は不可能の筈では…」

ニャル子「私が慰めてあげようと入ってみたら穴!大きな穴!!そして独房には真尋さん居ナッシング!!アンダースタンッ!?」

「そっそんな!?奴が脱獄したのも数十秒前ですよ!?お互いの独房も一光年は離れている!こんな短時間で連れ出せる筈が…」

ニャル子「現に連れ出されてるんですよ!!さっさと見つけなさい!!見つけた暁にはこの私が――」  コトンッ

ナイアニャル夫真尋「あっ」

ニャル子「あっ?」

ニャル夫「ヤベッ、ワープワープ」

ナイア「了解~」ポチッ

ヒュンッ

ハス太「消えた!!」

ニャル子「殺せぇ!!見つけ次第真っ先に殺してよしぃ!!真尋さん以外皆殺しにしてしまいなさぁぁぁあ……」


カッ!


454 : 以下、名... - 2016/03/04 00:12:03.57 gTiQW9oOO 426/689

1454167931-454


455 : 以下、名... - 2016/03/04 00:12:29.78 gTiQW9oOO 427/689



ニャル子「……」プスプス

クー子「………」プスプスプス

ハス太「…………」プスプスプスプス


ラグナラ「王子ぃぃいいいいい♪」ヒューン


クー子「…………」

ハス太「…さっき飛んでったのも、人質だった邪神…だよね?」

ニャル子「追いかけますよ!!追いかけて蜂の巣にして今夜の晩飯にしてやりますあの鳥!!」

ハス太「駄目だよ!?アズ銀河系元第5司令官から「天使のような羽の生やした天使のような邪神を無事のまま帰さなかったら殺す」って命令なんだから!」

ニャル子「はぁ!?天使ぃ!?この世で天使は真尋さんしか居ません!!なので万事OKですよね!!」

ハス太「だから駄目なんだってぇえ!!」

456 : 以下、名... - 2016/03/04 00:13:05.71 gTiQW9oOO 428/689


「ダゴン第五本部長!脱獄者が出ました!」

ダゴン「…………」

「そいつはダゴン本部長が命を賭けて捕まえたニャルラトホテップと地球人の二人です!」

「大変申し訳ございません!どうかお力を!」

ダゴン「……安心してください、予定の範囲内です」

「!! それじゃぁ……本部長の能力の分身で既に網羅済みだと!!」

「ダゴン本部長の分身能力を駆使すれば!あいつらを捕まえるのも容易っ…!!」ドッ

バタン

「………えっ?」

ダゴン「……大丈夫です。予定の範囲内ですから。」ガシッ  クイッ

「……ダゴン本部長?」

ダゴン「何だ」

「その覆面は……一体何なのです…?」

ダゴン「…………安心してください。予定の範囲内です」



ダゴン「ニャル夫達の愉快な仲間達のなっ!!!!!」



バキュゥーンッ……




457 : 以下、名... - 2016/03/04 00:13:39.01 gTiQW9oOO 429/689


~処刑部屋~

ヒュンッ

真尋「っ!?」

ニャル夫「なっ…!?これって……」

ナイア「んー?何だかテディベアが凄い並んでるねぇ~」

真尋「おい…これってあのニコニコ本社っぽい建物にあった縫いぐるみじゃないのか…?」

ニャル夫「何でこの部屋に大量に置かれてるんだ?」

「た……助けて……助けてくれぇ……!」

ニャル夫「…!?」

真尋「なぁっ…!!」

「何で…なんでこんな目に……」

「こんな事なら……犯罪なんて犯さなければ……」

「身体が動かない……誰か……誰かぁぁ……」

真尋「こっちのテディベアの列には……所々に人間の顔が張り付いている…!」

ナイア「いや、どうやら罪人をこのテディベアの中に閉じ込めてるって言った方が合ってるね」

真尋「…じゃぁこれが、惑星保護機構が採用している処刑方法なのか?」

458 : 以下、名... - 2016/03/04 00:14:17.85 gTiQW9oOO 430/689

ニャル夫「だったら、何であのホモまみれの惑星でこのテディベアがあったんだ?」

ナイア「んー?君達この人形どっかで見た事あるの?」

真尋「見た事あるも何も…いや、ナイアさんがまだ加入する前の話だから…」

ドゴォオンッ

ニャル夫「!?」

真尋「!?」

ダゴン「アローハァァアー!!脱走兵のみっなすぁああああああん!!!!!」ガチャン

ナイア「あっ、ダゴン君おっす」

真尋「うわぁあああ!!ああ!?」

ニャル夫「ダゴン……お前…」

ダゴン「死にたくなければしゃがんでなぁ!!!」ガッチャン

ニャル夫「! 屈めナイア!相棒!!」グイ

真尋「うぉお!」ズオン

459 : 以下、名... - 2016/03/04 00:14:54.41 gTiQW9oOO 431/689


ダゴン「ヒャッハァァァアアアアアアアアアアア!!!くたばれテッドの出来損ないがぁぁあああああ!!!!」バババババババババババ

バフォッ  バフッ  バホホホホホホホホホホホホホ


真尋「っ…!!」

ナイア「わぁ―――。」


ダゴン2「おいおい6号さぁん!何してんだよぉこんな所で!!」

ダゴン「おっ二号!この資産今からぶっ壊そうとしてるんだ!お前も何かやってみないかっ!?」

ダゴン2「マジっすか!?」ガッチャン

ダゴン2「一度で良いから!サブマシンガン使ってみたかったんすよね!!」ドドドドドドドドドドドドド

真尋「うわぁああああああ!!増えたぁぁあああああああああ!!!!」

ナイア「わぁー。どうしてダゴン君はテディベアを消滅させようとしてるのかな?」

ニャル夫「…安心しろ相棒。ダゴンは今までと同じ俺達の仲間だ。だから俺達に危害は加えない」

バフォフォフォッ  バフフッ  バホホホホホホホホホホホホホ

ダゴン2「さぁさぁ皆さぁぁん!!お天国のお時間ですよぉおおお!!成仏しましょうねぇぇええええ!!!」バババババババババ

ダゴン「何人かは地獄に行きますけど成仏しましょうねぇええええ!!!!」ババババババババババ

真尋「こんな状況で言われても説得力が全然無い!!」

ナイア「というか、もう全部のテディベアが原型留めて無いんだけど」

460 : 以下、名... - 2016/03/04 00:15:29.79 gTiQW9oOO 432/689


真尋「攻撃を止める気配が全く無い!本当に殺す気じゃないのか!?」

ニャル夫「ダゴンを信じろ。あいつなりの考えがあるんだ。だから信じて屈んで待て」

ダゴン3「何やってんの?」ホジホジ

ダゴン2「皆殺しパァーティーさぁ!!」バババババババババ

ダゴン3「マジで!?ぼくもしゅるぅぅ~~~!!」カチンッ  ポイ

コロコロコロコロコロ……

ナイア「…………」

真尋「…………」

ニャル夫「………逃げろぉっ!!!!」




461 : 以下、名... - 2016/03/04 00:15:55.69 gTiQW9oOO 433/689

1454167931-461


462 : 以下、名... - 2016/03/04 00:16:28.07 gTiQW9oOO 434/689



ダゴン2「おおっ~~。綺麗に消滅したなぁ~」

ダゴン「これで惑星保護機構の奴らも大打撃だ!よくやったな3号!」

ダゴン3「えへへ…////」

真尋「……ぜぇ……ぜぇ……!!」

ダゴン「おっ!真尋ちゃぁ~ん!無事だったんd」

ガシィッ

ニャル夫「てんめぇぇぇえええええ!!!殺す気かぁぁぁああああああああああ!!!!!!!」

ダゴン「ばっ馬鹿!殺さないように気を使ったんだぞ俺も!信じるって言ったのもお前だろぉ!?」

ニャル夫「手榴弾投げ込んで良くそんな事が言えたなぁ!?つーかあのテディベア破壊しつくして何の意味があるんだぁあああ!!!」

463 : 以下、名... - 2016/03/04 00:16:56.81 gTiQW9oOO 435/689


「目標発見しました!脱走犯二人共に行動しております!」

「援護とエージェントニャル子の要請を!絶対に見失うな!」

真尋「うえぇ!?見つかった!!」

ニャル夫「はっ、こっちには瞬間移動があるんだ。そう簡単には掴まらねぇよ」

ナイア「その通り、くぷくぷく…」カチリ

ナイア「……ん?」

ニャル夫「さぁナイア!今すぐにでもこっから瞬間移動だ!そしてその移動先は…」

ナイア「………」カチンカチンカチンカチンカチン

ニャル夫「…誰かデウス・エクス・マキナがどこにあるか情報を持ってる奴はいないか?」

真尋「決まらないなぁ本当…。確か、この船の船長が持ってるって言ってたよ」

ニャル夫「よぉし!だったら船長室だ!今から船長室までワープして再びデウス・エクス・マキナを…」

ナイア「ニャル夫さんニャル夫さん。緊急事態発生」

ニャル夫「ええい!何だ!」

ナイア「瞬間移動装置の電池が切れました。」

ダゴン「………」

真尋「…………」

ニャル夫「………え?」

464 : 以下、名... - 2016/03/04 00:17:39.61 gTiQW9oOO 436/689




「目標確認!撃てぇ――――!!!!」


バババババババババババババババババババババババ



真尋「うっぉおおおおおお!!どうすんだぁあああ!!!」

ニャル夫「おいナイア!代わりの電池とか持ってないのか!?」

ナイア「充電式だから無理だよぉ…」

ニャル夫「はぁ!?じゃぁそこら辺のコンセントで…」

ナイア「デウス・エクス・マキナで充電しないと直ぐには使えないよぉ…」

ニャル夫「畜生ぉぉお!!こんな所で誤算が出るのかぁああ!!!」

バババババババババババ

ニャル夫「やべぇ!このままだと捕まる!くそっ!何か手は……」

465 : 以下、名... - 2016/03/04 00:18:19.07 gTiQW9oOO 437/689



ダゴン「俺が何とかする…」

ニャル夫「……え?」

ダゴン8「なっ…馬鹿!お前何言ってるのか分かってるのか!?」

ダゴン3「そうだ!自分が囮になるって言ってるようなものだぞ!!」

ダゴン5「馬鹿野郎!!」

ダゴン「俺達が残らなくて…誰がお前等を先に行かせられるんだよ…」

ダゴン11「安心しろ、俺達はそんな簡単には死なねぇよ。それに………」

ダゴン「俺達の代わりは……いくらでも居るからな」

「なっ何だこの覆面はぁ!?」

「同じ覆面が何人も…!?げっ幻覚かぁ!?」

ダゴン3「おい!ダゴ…」

ダゴン56「早く行け!!」

ダゴン32「…っ!!」

ダゴン76「ここは俺達に…任せてくれよ」グッ

ダゴン43「ダゴン……!!」

ダゴン1098「へっ…。後は頼むぜ……相棒……!!」



ダッ



「ひぃぃい!!たっ大量の覆面がぁぁああ!!」

「うっ撃て!撃てぇぇぇぇええええええ!!!!」

バババババババババババババ

ダゴン41「ダゴォォオオオオオン!!!!」

466 : 以下、名... - 2016/03/04 00:18:52.84 gTiQW9oOO 438/689


ダゴン19「馬鹿野郎!!早く走るんだよぉおお!!」

ダゴン893「ダゴン達の思い、無駄にしちゃいけないんやろぉ!!はよ走れぇ!!」

ダゴン21「クソッ…クソォォオオオオオ!!!!」ダッ

ダゴン3「(さようなら……ダゴン……!!)」

ダゴン77「(ダゴンさんの事は……絶対に……忘れないから!!)」

ダゴン325「うっぉおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」



――――――さようなら――ダゴン――――



――僕達は――貴方の思いを背負って―――



――前へ――前へと走っていきます――――



ダゴン893「さぁ行くでみんな!散ったダゴンさんの為にも…勝つんや!!」

ダゴン`s「うぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」

ニャル夫「前から分かってたけど、分身能力って便利だよな」

真尋「ああ。本当イザという時にかなり役に立つ」

ナイア「これ何人くらい居るの?散ったのも今一緒に居るのも1000人は越えてるよね?」


467 : 以下、名... - 2016/03/04 00:19:30.43 gTiQW9oOO 439/689



「船長!あいつら間違いなく船長のデウス・エクス・マキナを奪い返しにこちらに向かいます!」

船長「………」

船長「隔離だ」

「隔離…!はい!分かりました!」

船長「今ここで、このデウス・エクス・マキナを奴らに奪われるわけにはいかん。惑星保護機構と宇宙構成機構の要なのだからな」

船長「このデウス・エクス・マキナが奴らに奪われてしまえば、我々宇宙構成機構は宇宙を統治する権利を失う。」

船長「それだけは避けなければならない。その事を頭に入れておくように……」

船長「…………」

「了解しました。今すぐに戦艦第7ゲート担当に無線を…」

船長「……ちょっと待て」

468 : 以下、名... - 2016/03/04 00:19:58.35 gTiQW9oOO 440/689


「はい?」

船長「どうして奴らは…この部屋とは逆方向に向かっている?」

「どうしてとは…恐らく、船長室の居場所が分からないのかと思われますが」

船長「いや、有り得ない。ここまでの事をやってのけたのだ。奴らの中に惑星保護機構と繋がってる奴が居てもおかしくない」

船長「そんな奴らが、ここに真っ直ぐ向かわないとは考えにくい……いや、遠回りしてもここにはたどり着けない筈…」

船長「…………」

「船長!第七ゲートの施錠が完了しました!後は第5ゲートの解放をすれば奴らは絶対にここには辿りつけ…」

船長「いや……待て!まさか!!」カチッ

ブンッ

パリィィイン


「せっ船長!?え!?何故デウス・エクス・マキナを…割って……」

「…え?完全物質が……割れた…?」

船長「……やはりか…!!」

「……え?」

船長「やはり……偽者かぁ!!ダゴンンンンン!!!!!!!」

「!?」



469 : 以下、名... - 2016/03/04 00:20:30.33 gTiQW9oOO 441/689


ニャル夫「おいダゴン!本当にこの道で合ってるんだろうなぁ!?」

ダゴン「大丈夫だって安心しろよ!俺はこの船の偉い人だった男だぜ!?今は無職だけどなっ!!!」

真尋「そいつは頼もしい言葉だなぁ!最後の言葉がなければなぁ!!」

ダゴン3「ばっきゃろう!ダゴンさんはこの船の中でもイケメンでハンサムでモテモテなナイスガイなんだぜっ!!」

ダゴン19「そうだよ!俺達はそんなダゴンさんの男気に惹かれて子分やってるんだからな!」

ダゴン333「しかもダゴンさんの子分は3万人は超えてるんだぜ!すげぇだろ!!」

ニャル夫「…なぁ、ダゴン」

ダゴン「おっ!何だ!?」

ニャル夫「空しくならねぇのか?分身にこんな事言わせて」

ダゴン「おいおい止めろよお前ぇwww次にそんな質問したら泣くからな本気でぇ!!」

「居たぞー!」

「捕まえろー!!」

真尋「うわぁまた来た!何人乗ってるんだよこの船!」

ニャル夫「おいダゴン!また何人か突っ込ませてくれ!」

ダゴン345「ふざけるなぁ!僕達は…僕達はダゴンさんの命を犠牲にしてでもここまで来たんだ!!」

ダゴン21「ダゴンさんの思いを、無駄にしろと言うのかぁ!?」

ニャル夫「なぁ、もう面倒臭いんだけど!?どうしろって言うんだよ!」

ダゴン「馬鹿野郎!こんな時こそデウス・エクス・マキナの出番だろうが!ほら!」ピカァー

ニャル夫「だから!今から船長室まで向かってデウス・エクス・マキナを……って」

ニャル夫「何でてめぇが持ってんだぁぁああああああ―――っ!?」


470 : 以下、名... - 2016/03/04 00:21:17.19 gTiQW9oOO 442/689


ダゴン「ふっ、こんな事もあろうかと…船長に渡したのはただのビー玉…!それも地球産の奴だぜ!」

ダゴン3「そのwwwwビー玉を手にした時のwwww船長のwwwwwドヤ顔wwwwww」

ダゴン21「「任務遂行ご苦労だったダゴン君。やはりデウス・エクス・マキナはいつ見ても…美しい……」だっておwwwwwwww」

ダゴン333「ばっかじゃねぇええのwwwww超エネルギー体とwwwガラス玉のwwww区別つかねぇのかよwwwwwww」

ダゴン893「てめぇの目ん玉wwww何がwwww詰まってんだよwwwwwコポォwwwwww」

真尋「ダゴン……お前…!」

ニャル夫「やっぱりお前は…最高だぁああああ!!!!!」パクッ





ゴクッ





471 : 以下、名... - 2016/03/04 00:21:54.81 gTiQW9oOO 443/689



「奴らは今どこに居る!?監視班!応答を要請する!」

≪しばらくお待ちください…あっ!奴らは恐らく押収室に向かっている模様!≫

クー子「押収室…?船長室じゃ…無い…の?」

ハス太「押収室なら、僕達の居る場所が通り道だから通せんぼすれば良いよね!」

ニャル子「……おかしいです。」

ハス太「え?何が?」

ニャル子「あの自尊心の高くプライドも高い野良のニャルラテホテプなら、まずデウス・エクス・マキナの回収に向かう筈です」

ニャル子「なのにそれを放って置いて、真っ先に宇宙船のある押収室に向かっています」

ハス太「さすがに、一光年も大きさのあるこの宇宙船でそれを探すのは諦めたんじゃないかな」

ニャル子「いえ、だとしても奴は力ずくでも奪いに来るはずです!なのに直ぐにでも脱出しようとするなんて…」

≪…まっ待ってください……これ……≫

ハス太「ん?どうしたの?」

≪バ…バグっています!このモニターが…!≫

ニャル子「にゃにぃ!?」

472 : 以下、名... - 2016/03/04 00:22:24.07 gTiQW9oOO 444/689


≪本来壁のある場所を堂々と通過しているのです!まるで幽霊のように…!≫

「馬鹿なっ!?まさかハッキングか!?」

クー子「………」ゾクッ

ニャル子「こんなこったろうと思いましたよ!もう騙される訳にはいきません!」

ニャル子「ハス太くん!クー子!今すぐ船長室に向かいますよ!あいつらはそこに向かって居る筈です!」

ハス太「うっうん!分かった!」

クー子「ニャル子が言うなら…」

ニャル子「そうと決まれば戻ります!第5班!今の位置に押収室の宇宙船も壊してしまいなさい!」

「了解しました!」

ニャル子「今度は先手を打たせて貰いますよぉ…!見てなさい脱獄変態ニャルラトホテップ!!あんたの思い通りにはさせま――」


ドゴオォオオオオオオンンッ


ニャル夫「おいダゴン!本当にこの方角で合ってるんだろうなぁ!?」

ダゴン「あったり前さぁ!つべこべ言わずに壁ぶっ壊して真っ直ぐ進もうぜ!」

ダゴン3「曲がった事は嫌いだって言ったろ!?ニャル夫!!」

ニャル夫「言った覚えは無いがその通りだな」

ニャル夫「おらぁあ!!!」 ブンッ


ドゴッォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ


ニャル夫「おっしゃぁぁああああああああああああああ!!!!」

ナイア「これはこれは結構な痛快気分。くぷくぷ」トテトテトテ

真尋「本当、無茶ばかりする」タッタッタッタッタ

ニャル夫「はぁーっはっはっはぁああ!!今の俺様は無敵だぁああ!!ふぅーははははははははは!!!!!!」ダダダダダダダダダ


ドガァアァアン   ドガァァアアアアン   ドガァアアアアアアアアアン




473 : 以下、名... - 2016/03/04 00:22:50.64 gTiQW9oOO 445/689



ニャル子「……………」

ハス太「…………」

クー子「……謎が、解けた」

ハス太「ハッキングじゃ…無かったんだね………」

ニャル子「…うっきゃぁああああああああああああああ!!!」

ニャル子「追いますよ!!デウス・エクス・マキナも取られたんじゃぁこのままじゃぁ!まっ…また真尋さんがぁ!!」ガクガクガクガク

ハス太「分かってる!僕ももうあんな思いはしたくないもん!」タッタッタッタ

クー子「また…あの日常に……戻りたい……!」タッタッタ

ニャル子「真尋さぁあああああん!!待ってぇぇぇえええええええ!!!」ドドドドドドドドドドド



474 : 以下、名... - 2016/03/04 00:23:21.33 gTiQW9oOO 446/689



~押収室~

ドゴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ

ダゴン「よっし、ここだ!」

真尋「!!」

ナイア「おお……本当だマイホームちゃんだ…」

ニャル夫「……はは…はっははっはっはははは!!!」

ニャル夫「見たか!この俺達が本気を出せば!惑星保護機構なんて簡単に欺け…」

真尋「ちょっと待って、これ起動に時間が掛かるんじゃないのか?」

ニャル夫「あっ」

ダゴン「駄目みたいですね」

ニャル夫「……くっそぉおおお!!ここまで来ておいて後一歩って時にぃぃいい!!」ドォオオン

真尋「うぉおお力むな!部屋が崩壊される!!」ゴゴゴゴゴゴゴ

ナイア「大丈夫大丈夫、そんな心配は無いよ」

ニャル夫「…え?」

475 : 以下、名... - 2016/03/04 00:23:53.77 gTiQW9oOO 447/689


ラグナラ≪王子ぃー♪こんな事もあろうかと!私があらかじめ起動しておいたよぉ!!≫

ニャル夫「ラ…ラグナラ!?ちょっと待て!この船は俺でしか起動できない筈じゃぁ…」

ナイア「くぷくぷくぷ。何のためのアップグレードだよ?」

ナイア「こんな事もあろうかと、ニャル夫以外にもここに居る全員が起動できるように設定したに決まってるじゃないか」

真尋「……………」

ナイア「ダゴン以外ね」

ダゴン「ファッ!?」

ニャル夫「グッジョブナイア。……よっしゃぁああああ!!!愛してるぜお前等ぁ!!」

ラグナラ≪私も愛している王子ぃぃい!後は、デウス・エクス・マキナを別途エンジンに入れてワープするだけだよ!!≫

ニャル夫「おおそうか!なら後は俺がゲロゲロするだけ……」

真尋「待て!せめて艦内で吐け!吐いた後動けないだろお前!!」

ニャル夫「おっそうだな。じゃぁ、早く艦内も戻ってるぜ!」タッタッタッタッタ

真尋「それじゃぁ、僕達も……」



476 : 以下、名... - 2016/03/04 00:24:22.72 gTiQW9oOO 448/689

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477 : 以下、名... - 2016/03/04 00:24:49.94 gTiQW9oOO 449/689



ナイア「!?」

真尋「危ない!!」

ニャル夫「ん?」
1454167931-477





478 : 以下、名... - 2016/03/04 00:25:24.44 gTiQW9oOO 450/689



ダゴン「…………」

ナイア「………」

真尋「…そ……そんな………」


「やってくれたな、ニャルラテホテプ」

スタンスタンスタン


真尋「………っ!」

ダゴン「………」

船長「…そして、ダゴン、貴様もな」

ダゴン「…………ザーメンさん」

アフーム「アフームだ!ファーストネームで呼ぶな。……というか貴様、私をファーストネームで呼んだことが無いだろう」

479 : 以下、名... - 2016/03/04 00:25:53.99 gTiQW9oOO 451/689


ダゴン「………」

ナイア「…誰?お友達?」

ダゴン「俺の元上司だった女だ。すげぇ冷たい目してるだろぉ?」

ダゴン「あれで生涯独身の処女なんだぜ。キツイ性格が災いして」

ナイア「処女ねぇ、私の惑星では珍しかったかな。私は巨大ロボットだから何でもないけど」

ダゴン3「そうねぇ、あの年で処女って…ちょっと厳しいよねぇ。」

ダゴン231「ダゴンさんというイケメンをエロイ目で見てくるし…ちょっともう最悪ぅ~」

ダゴン36「ねぇー」

真尋「お前等なんでそんなに余裕あるんだよ!?ニャル夫と宇宙船に直撃したんだぞ!?さっきの!!」



480 : 以下、名... - 2016/03/04 00:26:36.43 gTiQW9oOO 452/689


アフーム「ダゴン、よくも私をコケにしてくれたな…」スッ

ダゴン「あっ!それは…」

パキパキパキパキパキ

アフーム「…こんなガラス玉で私を騙そうとはな…!やってくれるじゃないか」

ダゴン「ああっ!俺のラムネ玉コレクションが!」

真尋「しかもラムネに入ってたビー玉なのかよ…」

ナイア「そんな物に騙されるってある意味凄いよね」

アフーム「ええい黙れ!!」グシャッ

アフーム「…とにかくダゴン、貴様にもう一度チャンスをやろう」

ダゴン「え?何だって?」

アフーム「突然難聴になっても口は止まらんぞ。まず、私に”本物”のデウス・エクス・マキナを渡せ」

ダゴン「………」

アフーム「すれば、今までの事は不問にし、貴様を出世コースにご招待しよう。今まで以上の待遇も約束しても良い」

アフーム「それに、我々を敵にすると怖い事も知っているだろう?」

ナイア「清清しいまでに悪者文句だねぇ」

アフーム「そして、そこに居る二人は殺せ」

真尋「!!」

481 : 以下、名... - 2016/03/04 00:27:02.58 gTiQW9oOO 453/689


アフーム「ダゴン、お前も知っているだろう?デウス・エクス・マキナの情報は絶対門外不出の法の中にあると」

アフーム「どの道こいつらは指名手配犯の一味だ、殺しても誰も気にしない」

真尋「……こんな…」

真尋「こんな……漫画みたいな悪役の台詞を言う人が本当に居るなんて…!」

ナイア「ある意味感動するよね。サイン貰おうかな」

アフーム「私は本気だ。本気で取引をしている。現に、漫画みたいな取引だとしても貴様には得の方が大きいだろ?」

アフーム「さぁ…本物のデウス・エクス・マキナを渡せ…」

ダゴン「しょうがないなぁ」キュポン

アフーム「言ってる傍からラムネの蓋を開けるなっ!!!!!!」



482 : 以下、名... - 2016/03/04 00:27:54.33 gTiQW9oOO 454/689



プスプスプスプス……


アフーム「良いか!?貴様は今脱出手段が無い!!あの煙の中で塵と化している!もう詰んでいる状態なんだよ!!!」

ナイア「…………」

アフーム「貴様の選択肢は二つ!ここで皆仲良く死ぬか!皆殺して生き残るか!これだけだ!!」

アフーム「まずは…デウス・エクス・マキナを返せ!」

ダゴン「分かった分かった、ほら」ポイ

アフーム「…ふん、分かれば良い」

アフーム「ククク…これで惑星保護機構はまた世界を平和……って、このデウス・エクス・マキナ真緑なんだが」

ダゴン「だってそれ、男子トイレの芳香剤だもん」

真尋「ぷっ!!wwwww」

ナイア「くぷくぷくぷwwwww」

アフーム「………」パキィーン

ダゴン「ああー!!あいつトイレの芳香剤握りつぶしたぁああー!!汚ったねぇーwwwwww」

ダゴン3「マジかよ!これからあいつの事”男子トイレの妖精”て呼ぼうぜ!」

ダゴン4「うわ!学校の男子トイレの臭いが漂ってきたwww臭えwwwwwwwwww」

アフーム「………」プルプルプルプル

ダゴン345「皆逃げろぉーwww男子トイレ菌がこっちに来るぞぉおおおwwwwwww」

アフーム「貴様いい加減にしろぉおお!!!本物はどこだぁあああ!!!!」ジャキンッ

483 : 以下、名... - 2016/03/04 00:28:27.16 gTiQW9oOO 455/689


ダゴン「うわっヤベッ」

アフーム「いい加減に吐かないと、私の能力でここを氷点下の炎で包む事だって容易いのだぞ…!!」

アフーム「すれば、氷点下の炎で貴様らは逃げられぬ零下の地獄に苦しむ事となる…!」

ダゴン「分かった分かった、今本物の場所を言うよ」

アフーム「最初からそう、素直に言えば良いのだ!それでどこにある!」

ダゴン「今、お前が滅ぼした」

アフーム「…は?」

ダゴン「だからぁー、さっきのニャルラトホテップが飲み込んでたの。それをさっきお前滅ぼしてたじゃんか。ビームで」

アフーム「……………」

真尋「……そういえばそうだったな…おい!ニャル夫ぉ!!ラグナラ君!!大丈夫かぁー!?」

アフーム「………うっ…」

アフーム「うぇぇえええええええええええええええええん!!!」ビィイイイイイイ

真尋「!?」

484 : 以下、名... - 2016/03/04 00:29:07.02 gTiQW9oOO 456/689


アフーム「ふざけるな…ふざけるなよぉおお!!びぃぃえええええええええん!!!」

アフーム「おまっお前が急に居なくなってから!船の指揮も訳分からなくなるしぃ!ニャルラトホテップ子の隊も情緒不安定だしぃ!!」

アフーム「お前は私の物になってくれないしぃ!私は設立当初からの目的を遂行してるだけなんだぞぉお!?」

アフーム「全部!全部お前のせいだからなぁあああ!!びぃいいいいえええええええええん!!!」

真尋「うっ…うわぁ……大人のガチ泣きだぁ……」

ナイア「ねぇダゴン君、何でこの人船長とか言う偉い立場に就けたの?」

ダゴン「んー…多分、コネと能力じゃね?あっ能力って異能の方ね」

アフーム「ひぐっ!ひぐっ……もう………マキナベアもいつの間にか全部消失してるし……もうどうすれば良いのぉ…?」ポロポロポロ

真尋「…なぁ、ちょっと可哀想になって来たんだけど、お前一人だけでも戻ってやったら?」

ダゴン「やだ」

アフーム「ウェえええええええええええええええええん!!」

ナイア「うわっ再発した」

485 : 以下、名... - 2016/03/04 00:30:18.18 gTiQW9oOO 457/689




シュゥウウウウウウウウウウ……


ナイア「おっ、なんやかんやで煙も晴れてきたよ」

真尋「…ああ、ニャル夫とラグナラ君は……」ヒュンッ

真尋「えっ?」

アフーム「うっ?」

ドゴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ


アフーム「」  パラパラ


ニャル夫「…よくもやってくれたなぁ?おい?」

ニャル夫「俺が全部受け止めていなかったら…宇宙船もこいつらも消滅してたぜ?」

真尋「あっ……ニャッ…ニャル夫ぉ!!」

ダゴン「生きていたのか!」

ニャル夫「大悪党だからな。このくらいでは死なん!!ふぅーはははははは!!」

ニャル夫「……ウッ」

真尋「あ」

ニャル夫「おろろろろろろろ……」ゲロゲロゲロ

真尋「ええええええ!?今ぁあああ!?」

ニャル夫「…ぉぉぉお……!身体がぁああ!!悪夢再びぃ…!!」ズキンズキンズキン

ラグナラ≪王子ぃ!大丈夫!?今からそっちに向かうから!≫ゴゴゴゴゴゴ

ニャル夫「や…やめろぉ!無闇にマイホーム動かすなぁ!!!近づくなぁ!!!」

486 : 以下、名... - 2016/03/04 00:31:06.74 gTiQW9oOO 458/689


ダゴン「……ニャル夫」

ニャル夫「おお…おっ……」グイッ

ダゴン3「後は俺達に」

ダゴン77「任せろ」

ニャル夫「…………ああ」

ニャル夫「悪いな……ありがとう……」

ダッダッダッダッダッダ

ダゴン5「さぁ早く行こうぜ!俺達の船へ!」

真尋「ああ、うんっ……お前ら全員船に乗るわけじゃないよな?」

ウィーン

「居たぞ!!」

「急げ!発射させるな!!」

ダゴン33「おおっとぉ!俺の部下達のお出ましだぜぇ!」

真尋「ぬぐっ…でも、この数だと本当に逃げられるかどうか…」

「乗らせるな!撃て!撃て!」ドガガガガガガガ

真尋「うわぁあ!!やっぱり撃って来た!!」

ナイア「大丈夫大丈夫、このくらいならアップグレードされた宇宙船に傷一つつかないさぁ」

487 : 以下、名... - 2016/03/04 00:31:37.10 gTiQW9oOO 459/689


真尋「でも一発でも僕に当たったら僕、爆散するぞ!?」

ダゴン3「ぐぁあああああ!!」  チュドーン

ダゴン45「3号ぉぉオオオ……ぐぁあああああ!!!」チュドーン

ナイア「その為にダゴン君達が盾になってくれてるでしょ?だから安心して宇宙船に向かおうよ」

「巨大追撃光線砲!用意!!」


ウィィイイイイン……  ガコンッ


ナイア「あっ…あれはちょっとヤバイかも」

真尋「早速不安因子が出てきた!」

「撃っ……」


ピー  ガガガ-  ピー

「…!?なっ…なんだ!?」

「モニターが…何者かにハッキングを…」

488 : 以下、名... - 2016/03/04 00:32:15.18 gTiQW9oOO 460/689


ブゥンッ


ヒュドラ≪……あっ…アタシ知ってるんだよ!?アンタらが宇宙を統治という名の征服をして…この世から”悪”を殲滅しようとしているの!!≫

「なっ何だ!?これは!?」



ヒュドラ≪アンタ達は!些細な悪でさえも摘もうとしている!!私達を問答無用で消し去ろうとしている!!≫

ヒュドラ≪私は…俺は絶対にアンタ達の事を認めない!アンタ達、惑星保護機構が正義なんて絶対に認めない!!!≫

ヒュドラ≪この世から…この世から本当に悪を消し去れば確かに苦しんでいる人たちは居なくなるかもしれない…≫

ヒュドラ≪でも…でも些細な”悪”も無くなってしまえば!この世界は石のように無機質になる!!≫

ヒュドラ≪アンタ達は分かっていない!アンタ達は”悪”という物のなんたるかを…!!≫


≪始めろ≫

ジャキン  ジャキン  ジャキン



ヒュドラ≪私をこんな縫いぐるみに入れても何も変わらない!!≫

ヒュドラ≪この世に悪を全て失くすなんて!そんな事絶対にさせない!!!≫


≪お前が何を言おうと、”悪”は”悪”だ≫

≪お前は、その”悪”を殲滅する一部になるのだよ。もっと誇らしく思いたまへ≫



ハス太「え……?何……これ?」



489 : 以下、名... - 2016/03/04 00:32:45.91 gTiQW9oOO 461/689




ヒュドラ≪私は!アンタ達の助けになんかならない!アンタ達がこんな!デウス・エクス・マキナの代わりを作ろうとしても!!≫

ヒュドラ≪こんな縫いぐるみに私達の魂をエネルギー体に替えようとも!私達は”悪”を貫き通してやる!!≫

≪…良いか、良く聞きたまへ≫

≪正義とは、偉い人が決める物だ。そう、例えば我々惑星保護機構の偉い人や、宇宙構成機構の人たちとかな≫

≪そうだ。正義なんてものは神様が決めちゃぁいない。そもそもそんな物は無い。だから曖昧だ≫


クー子「…………っ」


≪だが”悪”はハッキリしている。誰かに迷惑をかける行為の事だ。そうだろ?≫

ヒュドラ≪違う!悪はそんなちっぽけなものじゃない!!≫

グンッ  グルグルグルグルグルグルグルグル

ヒュドラ≪いっ…嫌だ……嫌………!!≫

≪…君は、全宇宙を制する大悪党になりたいと言っていたな?≫

≪安心しろ、私達が全宇宙を制するという夢を叶えてやる。まぁ…私達は”正義の味方”だけどな≫

ヒュドラ≪………そんなもの……≫

ヒュドラ≪正義の味方でも…何でも……!!!≫


ザザザザザザザザザザザザザザ


490 : 以下、名... - 2016/03/04 00:33:23.83 gTiQW9oOO 462/689




「………なっ」

「何だ…?これは…!」


ブツン

ヒュドラ≪……あっ…アタシ知ってるんだよ!?アンタらが宇宙を統治という名の征服をして…この世から”悪”を殲滅しようとしているの!!≫


「なっ?!」


ヒュドラ≪アンタ達は!些細な悪でさえも摘もうとしている!!私達を問答無用で消し去ろうとしている!!≫

「おい!何だこれは!?ループし始めたぞ!!」

「クソッ!止まらない!!」

「やめろ!!再生されるな!!やめろぉおお!!!」


491 : 以下、名... - 2016/03/04 00:33:56.66 gTiQW9oOO 463/689



真尋「……………」

ナイア「……………」

真尋「………なぁ、ダゴン」

ダゴン「ん?そうだ。これが俺の分身がモニター室を占拠して放送してる映像だが?」

真尋「いや、それもそうだけど……お前……」

真尋「この映像……に映ってる女の人……誰なんだ…?」

ダゴン「…………」

ダゴン「…それはだな」

ガコォォオン

真尋「うぉおお!?話の途中で扉が閉まったぁ!?」

ニャル夫「おお…お……全員…乗ったようだな……」

真尋「いや!まだダゴンが乗ってない!早く扉をもう一度開けろ!!」

ダゴン3「何だってぇ!?ダゴンさんがぁ!?」

ダゴン21「まさかアイツ…死ぬつもりかぁ!?」

ニャル夫「何言ってんだよ…全員乗ってるじゃねぇか」

真尋「そうだけど…でも……!!」

ニャル夫「……安心しろよ……相棒……」

ニャル夫「あいつは…そう簡単には死なねぇの……知ってるだろ…?」


492 : 以下、名... - 2016/03/04 00:34:43.34 gTiQW9oOO 464/689



「クソッ!画面が邪魔で操作ができません!!」

「早く!早くあの宇宙船を破壊しろぉ!!」


アフーム「…………」

ダゴン「…っと、これで俺達の勝ち確定ってわけだぁ。」

ダゴン「俺も、とっくに宇宙船に乗り込めたみたいだし。幸せに暮らしましたとさ、めでたしめでたしって事で」

アフーム「………なぁ……ダゴン……」

ダゴン「ん?ああ、お前もどっか逃げた方が良いぜ男子トイレの妖精」

ダゴン9「ぶっはwwwwwおまwwwwwww不意打ちwwwwww」

アフーム「……お前は……この女の事が……好き……だったんだな……?」

ダゴン「まぁー…一応、俺の妻となった女だしな。大好きには違いないだろ」

アフーム「………はは……ははは……そうか……」

アフーム「…やっぱり……叶わない物だったんだな……私の…一番の夢も………」

ダゴン「そういうこった。んじゃ、俺もそろそろBダッシュして画面外へ脱出させて頂きますっす」ビシッ

アフーム「………なぁ」

ダゴン「ん?」

アフーム「本当に……私達と敵対するんだな…?お前は………」

ダゴン「まぁなー!」

アフーム「…もう少し戸惑って欲しかったよ…今の返事…」

ダゴン「だってしょうがねぇだろ。あいつらと旅してた時がさぁ、めっちゃくちゃ楽しかったんだ。」

ダゴン「俺のマイハニーがお前等にぶっ殺されたのも、自分の仕事とお前等の恨みか分からん複雑な気持ちも、どーでも良くなった」

ダゴン「俺、あいつらの事が大好きになっちまったみたいなんだ。そして、あいつらの事が大好きな新生ダゴンの事も大好きになっちまった」

ダゴン「だからまぁ、次会った時はよろしく頼むな」

アフーム「………そうか」

アフーム「次に会った時は……覚えてろよ」ニコッ



493 : 以下、名... - 2016/03/04 00:35:18.51 gTiQW9oOO 465/689

1454167931-493


494 : 以下、名... - 2016/03/04 00:35:46.24 gTiQW9oOO 466/689


ドドドドドドドドドドドド

ニャル夫「ぬぅおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」

ドドドドドドドドドドドド

真尋「ぎぃぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!」

ドドドドドドドドドドドド

ダゴン「ああああああああああああああああああ!!死ぬぅ!!今度こそ死ぬぅうう!!!!」

ドドドドドドドドドドドド

ラグナラ「ぴぃぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!」

ドドドドドドドドドドドド

ナイア「…………」椅子と接合

ドドドドドドドドドドドド

ニャル夫「おっしゃぁぁあああああああああ!!!この速さにはついてこれmg」ガブッ

ドドドドドドドドドドドド

ニャル夫「ぎゃにゃぁあああ!!舌噛んでぁあああ!!!!」

ドドドドドドドドドドドド

真尋「あれ!?デジャヴ!何かこれデジャヴ!?」

ドドドドドドドドドドドド

ニャル夫「不安になるような事を言うんじゃねぇ!!今度こそまた変な事が起こったら確実に俺達はぁ…」


≪機体に大きな損傷が齎されています。この機体はブラックホールに押しつぶされます。≫

ニャル夫「えっ?」


≪みなさんさようなら。今までありがとうございました。≫

ニャル夫「ちょっ」

真尋「うそっでしょ!?」



495 : 以下、名... - 2016/03/04 00:36:13.53 gTiQW9oOO 467/689










カッ

コオオオオオオォォォォォォ……





496 : 以下、名... - 2016/03/04 00:36:43.02 gTiQW9oOO 468/689




シュゥゥ……



クー子「………」

「目標、見失いました。以後、捜索体制に戻ります。」

アフーム「……その必要は無い」

「アフーム船長!」

アフーム「奴らの行く先は分かっている。我々もそこに向かえば良いだけの話だ」

「そっそれではプラン8作戦が失敗した事に…!」

アフーム「良いか、これから戦争が起こる。全員、各自プラン9戦争に備えるように」

ハス太「…………そっ」

ハス太「そん……な……」ガクッ

ハス太「また…また真尋くんと…離れ離れになっちゃうなんて……」ポロポロ…

クー子「……」

クー子「………ハス太…」

ハス太「………うん…?」ポロポロ

クー子「一番辛いのは……ニャル子……」

ハス太「…………」

ハス太「……そう……だよね………」

ハス太「ねぇ、ニャル子ちゃん!これで諦めるって訳じゃぁ……」

ハス太「……あれ?ニャル子ちゃん?」



497 : 以下、名... - 2016/03/04 00:37:16.18 gTiQW9oOO 469/689



~ニャル夫宇宙船~

ニャル夫「………………」

真尋「……………」

ダゴン「……………」

ナイア「………………」

ラグナラ「………………」

真尋「………あれ?」

ニャル夫「…生きてる…?」

真尋「……でも、さっき宇宙船が潰れるって……」

≪…一つ、貴方達に謝らなければいけない事があります≫

ニャル夫「…え?」

≪私は先ほど、一つ嘘をついてしまいました。≫

≪惑星保護機構を混乱させる為に、一つの嘘を≫

ニャル夫「………」

ダゴン「…という事は、今頃その言葉聞いた奴はパニックになるか安堵してるか…」

≪それで、私達に有利に働けばと。私の独断です≫

ニャル夫「……ナイア」

ナイア「んー?」

ニャル夫「…お前の仕業だな?」

ナイア「まぁねー、人工知能をちょっと追加してみて、嘘をつけるようにもしてみたんだぁー」

ナイア「あれ?言ってなかったっけ?」

真尋「聞いてないよ!?おかげで僕もまた寿命が縮んだよ!!」

498 : 以下、名... - 2016/03/04 00:37:54.30 gTiQW9oOO 470/689


ニャル夫「……ふっ」

ニャル夫「ふぅうううははははは!!いや良くやったナイア!これで宇宙征服の夢にまた一歩近づいた!!」

ダゴン「まぁ、どんな対策するかの誤算が出てくるわな。ケケケケケ!」

ラグナラ「私も!ナイアお姉ちゃんのおかげで役に立てたぁー!」

ナイア「えへへぇ」クプクプクプ

ニャル夫「よぉーしお前等!目的地まで後もう少し!気合入れて行こうぜぇ!!」

「「「おぉー!!」」」


ヴーヴーヴー

ニャル夫「んっ!?」

≪侵入者、発見、侵入者、発見。ただちに対策を取ってください。≫

ラグナラ「……え?」

ダゴン「おいおーいwwwまたまたぁ嘘をつかなくてもwww良いんだZE☆」

≪侵入者はただいま、この部屋に向かっています。監視カメラの映像をご確認ください≫ ビュィンッ

ナイア「…わぁお、本当じゃん」

ダゴン「嘘ぉ…マジでぇ?」

499 : 以下、名... - 2016/03/04 00:38:51.68 gTiQW9oOO 471/689



ラグナラ「とっ…扉をどんどん壊してこっちに来てるよ!?」

ニャル夫「……マジ……かよ?」






真尋「…ニャッ…ニャル子…!!」






500 : 以下、名... - 2016/03/04 00:39:22.92 gTiQW9oOO 472/689


ダゴン「おーい!早く扉を全部施錠しろよ!!マジでこれ洒落にならない勢いでこっち来てるぞ!!」

ナイア「とっくにしてるよ。最大出力でね」

ドゴォォン…  ドゴォオオン…  ドゴォオオオン…

ラグナラ「ぴぃいい!!音が聞こえてきたぁ!!」

ニャル夫「…今がチャンスか?妹の因縁を晴らすのは今がチャンスか?…いや、今ここで暴れたらマイホームは破壊しつくされてしまう……」

ニャル夫「畜生…!止むを得ん!おいマイホーム!こっから先の機体を切り離せ!」

ナイア「ええ…!?」

ダゴン「そんな!?こっから先に俺の部屋があるんだぞぉ!?」

ラグナラ「私と王子様の部屋もぉ!!」

真尋「いや…ここでニャル子に捕まったら全部ゲームオーバーだ…間違いない」

ドゴォオオオオオオオッ

ラグナラ「ぴぃい!!来たぁああ!!」

ニャル夫「ナイアァ!マイホーム!!早く切り離せぇええ!!」

ナイア「………マイホーム…」

≪了解しました、最終許可をください≫

ナイア「…ごめんね!」

ポチッ

ガシュゥゴォオオオオン……

501 : 以下、名... - 2016/03/04 00:40:04.54 gTiQW9oOO 473/689


ニャル夫「おっ…おお…!」

ダゴン「うわぁっ!独特の浮遊感がぁああ!!」

ラグナラ「こっこれで切り離せたのぉ!?」

ナイア「間違いなく切り離したよ。排気口も第一ゲート付近を作動。完全に自立せよ」

ニャル夫「…ああ……マイホームの下半身がどんどん遠くなっていく…」

ダゴン「ちょっとエロイ響きだよね」

真尋「……これで、助かった…のか?」

ナイア「まぁ、あっこからここまで飛べる奴も居ないでしょう。」

真尋「…でも、ニャル子は大丈夫なの…か…?」

ニャル夫「それは心配しなくて良い。一応あれでも俺の妹だ。俺ほどとは言わないがかなり強いからな」

真尋「そっ…そうか…」


ガゴォオオオオッ


ニャル夫「!?」

ダゴン「扉から拳がっ!?」

502 : 以下、名... - 2016/03/04 00:40:35.09 gTiQW9oOO 474/689



バキバキバキバキバキバキ


ニャル子「真ぁぁぁぁぁぁ尋ぉぉおおおおおさぁぁあああああああん!!!!!!!!」ゴゴゴゴゴゴ


バキバキバキバキバキバキ


ダゴン「ぎゃぁぁああああああ!!ジャック・ニコル・ソォオオオオオオン!!!」

ラグナラ「ぴぃぃいいいいい!!扉に!扉に!!」

ニャル夫「ぐっ…おい息を止めてろ!特に相棒!」ガコンッ

真尋「!?」

ビュォオオオオオオオオオオオ

ニャル子「――――っ!!!」ガクガクガクガクガク

ニャル夫「空気安定装置を解除した!これであいつは宇宙に吸い込まれる!!」

503 : 以下、名... - 2016/03/04 00:41:07.20 gTiQW9oOO 475/689


ニャル子「グガッ…ガガガガガガガガガガガガガガ!!!!」ゴオオオオオオ

真尋「……………」

ニャル夫「悪いなニャル子ぉ!お前との対決はまた今度だ!!それまで首を洗って待っているが良い!!ふははははははは!!!」

ニャル子「……っ……ぐ……くっ……」

ニャル子「………まっ……真尋さぁん……」

真尋「………!」

ニャル子「お願いです…お願いですから……帰ってきて…ください……」

ニャル子「また…帰って…一緒に…一緒に楽しい日々を送りましょう…!」

ニャル子「たとえ…例え貴方が宇宙国際指名手配されていていも…私…私……守りますから…!」

ニャル子「真尋さんの事……死んでも守ってみせますからぁ…!!」ポロポロポロポロ

ニャル子「だから……帰りましょう…?私達と…一緒に………」ポロポロポロポロ

真尋「……………」

504 : 以下、名... - 2016/03/04 00:41:47.21 gTiQW9oOO 476/689


ニャル子「…真尋さんの思っている通り…地球は無くなってしまいました…」

ニャル子「でも…でも!真尋さんは最後の地球人なのです!だから…ちゃんと保護される筈です…!」

ニャル子「それでも…それでも駄目だったら…私が何とかしてみせます!」ポロポロポロポロ

ニャル子「とにかく!…とにかく命に替えても真尋さんを守ります!」ポロポロポロポロ

ニャル子「だから……お願いです真尋さん………」ポロポロポロポロ

ニャル子「私と一緒に……来てください……」ポロポロポロポロ

ニャル子「私を……置いていかないでくださいよぉ……!」ポロポロポロポロ





505 : 以下、名... - 2016/03/04 00:42:36.80 gTiQW9oOO 477/689


真尋「………ニャル…夫」

真尋「その空気安定装置を……着けろ…」

ニャル夫「…………」カチッ

ブゥンッ

ニャル子「……っ!」ガクンッ

真尋「…………」

真尋「……」スタスタスタスタ

ニャル子「……あっ……」

真尋「……ニャル子…」

真尋「お前の気持ちは分かっている…痛い程分かっているんだ」

真尋「それに、僕も誰かの都合で勝手にこんな目にあって、最初から僕の意思じゃなかったもんな」

ニャル子「……真尋さん……」

真尋「正直、こんなの理不尽とさえ思っている」

ニャル子「…それじゃぁ……!!」















真尋「でも、もう駄目なんだ」




ドンッ


506 : 以下、名... - 2016/03/04 00:44:12.48 gTiQW9oOO 478/689






ニャル子「え…………」








真尋「僕は…僕はもう無関係じゃ無い……それに…僕は選択してしまった…」

真尋「今から…その選択にけじめを付けに行く。」

真尋「その為に、僕は最後までするって決めたんだっ」



ニャル子「……まひ……ろ……さん……」



真尋「だから!待っていてくれ!!」

真尋「こんなクソったれな夢が終わるまで!!」

真尋「”夢みるままに待ちいたり”!!僕達は!」

真尋「待てば終わる夢なんてくそったれだ!!!!」









真尋「……だから…さようなら…………ニャル子………」



507 : 以下、名... - 2016/03/04 00:44:43.90 gTiQW9oOO 479/689



ウィーン……ガシャンガシャンガシャン

真尋「……………」

ニャル夫「……うっし、これで二度と侵入されることも無いだろ」

ナイア「小さくなった分、補強がやりやすくなったね」

ラグナラ「うん!心なしかいつもより速くなった気がするー!」

ニャル夫「そうだな。半分くらい軽くなったからな」

真尋「…………なぁ、ニャル夫」

ニャル夫「ん?どうした」

真尋「最後の言葉……ニャル子…聞こえていたかな……?」

ニャル夫「まぁ、聞こえているだろ。」カチカチカチ

真尋「…悪いけど、ちょっとは真剣に答え――」

ニャル夫「る必要は無えよ。あいつは地獄耳だ。あんなでかい声聞こえない訳ないだろ」

508 : 以下、名... - 2016/03/04 00:45:51.54 gTiQW9oOO 480/689


真尋「………そうか」

ニャル夫「ただ、まぁ次に会う時は敵同士だろうな。あいつも惑星保護機構側の邪神だし」

ダゴン「え?それって元から敵じゃねぇ?」

ニャル夫「……言われてみればそうか」

真尋「…………」


ニャル夫「それに、俺は最後までには妹の因縁を晴らしておきたいしな」


509 : 以下、名... - 2016/03/04 00:49:31.59 gTiQW9oOO 481/689


ニャル夫「………さて、お前ら。既に分かっているとは思うが…」

真尋「…………」

ニャル夫「目的地まで…もう残り僅か。明日には到着する予定だ。」

ナイア「明日……」

ダゴン「明日…ねぇ。身だしなみとか整えきれるかしら?」

ニャル夫「だから、俺は最後に悔いの無いようにやれる事はやっておいた方が良いと思う」

ラグナラ「うん!私、王子と愛を育みたい!」

ニャル夫「それは宇宙征服したあとな!」

真尋「宇宙征服した後、ロリコンになる覚悟を決めたのか…」

ニャル夫「そういう意味じゃ…もう、それで良いよ…」

ラグナラ「……っ!!」パァアアア

ダゴン「なんだってぇええ!?おいお前らぁ!ニャル夫さんを囲めぇえ!!」

ダゴン‘s「「「おっす!!」」」

ババババッ

ダゴン3「やぁーいやぁーい!ロリコンロリコンンンンン!!」

ダゴン4「お前の妹、ロリコンの妹ぉおおおおお!!!」

ダゴン2「やっぱり本命の穴は入らないからお尻ですかぁ!?ニャル夫さぁあん!!」

ニャル夫「一気に数人を灰にする力!!」ピカァァァァァァ…

ダゴン‘s「「「ぎゃぁぁぁぁああああああああああああ!!」」」ビリビリビリビリビリ…

サラァ………

ニャル夫「ふぅ。ナイア、お前は?」

ナイア「……私は、最後のタイムリミットまで情報を精一杯インターネットから吸収しときたいねぇ」

ニャル夫「そうだな。お前には何度も助けられた。言われなくとも許可しよう」

ダゴン「はいはぁーい!俺はぁー!俺はぁー!」

ニャル夫「相棒、お前は?」

真尋「…やりたい事は、最後の闘いにとっておくよ」

ニャル夫「そうか。…俺と同じだな」

ダゴン「おいおぉーいwww俺のやりたい事をwwww聞きたいくせにぃwwwww」

ニャル夫「何だよ、デリヘルとかは呼ばねぇぞ」

ダゴン「………」スッ

真尋「マジで呼ぼうとしてたのか!」

510 : 以下、名... - 2016/03/04 00:50:38.59 gTiQW9oOO 482/689


ニャル夫「…悪いが、そういうのは無しだ。俺は、一つだけやり残している事がある」

真尋「…………」

ニャル夫「……ダゴン、何か言う事あるだろ?」

ダゴン「んん?wwwwええとwww何すかwwwwww」

ニャル夫「…………」

ナイア「…………」

ラグナラ「……………」

真尋「……………」

ダゴン「……いっいや、冗談だよ。はは…」

ダゴン「…悪かった。今まで俺が惑星保護機構員って黙ってて」

ニャル夫「……よし。よく言ったダゴン!立て!!」

ダゴン「ははは!何だか俺、謝ったらスッキリしたわ!!」

ナイア「そうかそうか」

ダゴン「サンキューニャル夫!これで俺も心残り無く最後の闘いに…」

ニャル夫「せいや!!!」ドゴォオオッ

ダゴン「ブッパップッ!!!!!」メシャァアア

511 : 以下、名... - 2016/03/04 00:51:17.95 gTiQW9oOO 483/689


ニャル夫「てんめぇええ!!よくも今まで俺を騙してくれたなぁぁああああ!!この三流覆面レスラーがぁあああ!!!」

ナイア「一度、脳に電極刺すのやってみたかったんだよね…くひひひひ」バチバチバチ

ラグナラ「謝ったくらいで許されると思ったら大間違いだぁああ!!さすがの私もこれには怒ったぞぉおおおお!!」

ダゴン「ぇぇぇええええええええええ!?ちょっええええええええええ!?」

ニャル夫「安心しろ…お仕置きした後は全部許してやるから……」

ナイア「さぁ…ロックンロールを始めようか」バチバチバチ

ラグナラ「皆で仲良く最後の闘いを生き抜くよ!!殴った後に!!」

ダゴン「ひぃぃい!ちょっと真尋くぅん!!フォローお願い!君なら分かってくれるよねぇ!?俺の事情知ってる君なら分かってくれるよねぇ!?」


512 : 以下、名... - 2016/03/04 00:51:47.26 gTiQW9oOO 484/689










真尋「   は   あ     ?」 ボキリ ボキリ











ダゴン「ちょっ!!!てめぇも戦闘モードかよ!?そんな大量のフォークを…俺に!?このクソ野郎ぉおおおおおおお!!!!!!」




513 : 以下、名... - 2016/03/04 00:52:17.09 gTiQW9oOO 485/689



真尋「確かに今回の事でお前の事情も分かったし助けられたが…それとこれとは話が別だ」

ナイア「そもそも最初から君のせいだしね」

ラグナラ「今の今まで黙ってたのが性質悪い」

ニャル夫「でも、俺達は優しいから。お前が黙ってた事、お前の仕業の事も全部許してやるよ…」



ニャル夫「俺達が満足するまで殴った後な」



ダゴン「…………はっ…ははw……」

ダゴン「助けてぇぇぇええええええええええ!!!!アフームさぁぁあああああああああん!!!!!」


  

ギャァァァァァァァァ……




【君の為なら死ねる】…終



514 : 以下、名... - 2016/03/04 00:53:20.66 gTiQW9oOO 486/689


ダゴン『…………』

ヒュドラ『……あぁ……懐かしい顔だなぁと思ったら……アンタ…か………』

ダゴン『……どうして…ですか?』

ダゴン『あれほど…あれほど私達に突っかかるなと!攻撃をするなと言っていたのに!』

ヒュドラ『…はは………ごめんなぁ…私………馬鹿だけど……それ以上に悪の帝王だからさぁ……』

ヒュドラ『アンタらが……悪を滅ぼすと…聞いたら……黙って…られなくなった……んだよ……』

ダゴン『……悪党なら……』

ダゴン『悪党なら…自分の為だけに意地汚く生きれば良かったんです…!貴方だけでも…生きてズル賢くも汚くも生きれば良かったのです…!!』

ダゴン『なのに…!貴方は……』

ヒュドラ『……違うぜダゴン…。俺は……いや、私は…な………悪ってのは……そういうのじゃねぇと思うんだよ……』

ヒュドラ『悪っていうのはな……”夢”の一部なんだ……』

ダゴン『……っ』

ヒュドラ『夢を叶える為には……何度も悪い事をしなくちゃいけねぇ…小さいことも……大きいことも……裏切る…事も……』

ヒュドラ『そして………世界の平和にだって……助けてくれる……』

ダゴン『……馬鹿ですね、貴方は。平和を脅かすのが……』

ヒュドラ『平和を脅かすだけが……”悪”のやる事じゃねぇ……私が目指す悪も……そんな安っぽいのじゃねぇ……』

515 : 以下、名... - 2016/03/04 00:53:52.02 gTiQW9oOO 487/689


ヒュドラ『私……は……誰よりも……恐れられる悪魔に……なりたかった……』

ヒュドラ『恐れられて……私の行動に怯えられて……絶望させて………』

ヒュドラ『そうすれば……ヒーローなんかよりも……ずっと…ずっと世界を平和にできる……』

ダゴン『…………』

ヒュドラ『人間も……邪神も……馬鹿な事を…しなくなる………』

ヒュドラ『俺が…私は………人々の悪意の捌け口に……畏怖の対象に……全ての悪意を私に向けて貰いたかった……』

ヒュドラ『そうすれば……皆…皆が……少しだけでも…優しくなれるから……』

ダゴン『………貴方、本当は正義の……』

ヒュドラ『言うな。それに私は…もう……こんな可愛いくまさんになってしまった……』

ヒュドラ『もう……全ての自我もエネルギー体に変換される日も近いだろう……』

ダゴン『…申し訳……ございません……』

ダゴン『私が…貴方のその偉大な夢に…気づいていれば……!!』

ヒュドラ『…そんな怖い顔すんじゃねぇって……笑えよ』

ダゴン『…笑えません。誰が、笑えましょうか』

ヒュドラ『………まぁいいや。俺…私は…。そんなアンタが……好きなんだからよ…』

ダゴン『……………』

ヒュドラ『……なぁ、ダゴン。』

ダゴン『……はい』

ヒュドラ『私……アンタの子供……産みたかったな…………』


516 : 以下、名... - 2016/03/04 00:54:19.06 gTiQW9oOO 488/689



ダゴン『……………』

ダゴン『……私も……』

ダゴン『貴方と私の子供が……欲しかったです』







ヒュドラ『………ありがとう』

ヒュドラ『バイバイ……』

ヒュドラ『私の………大好きな人………』



518 : 以下、名... - 2016/03/04 00:55:29.47 gTiQW9oOO 489/689



ダゴン「………なぁ、ヒュドラ」

ダゴン「俺…お前の意思を継ぐ男を見つけたよ」

ダゴン「きっと、あいつならやり遂げてみせるだろう」

ダゴン「お前の夢だって、代わりに叶えてくれる筈さ」

ダゴン「だから安心して、どっかで見ててくれ」



519 : 以下、名... - 2016/03/04 00:56:24.06 gTiQW9oOO 490/689



ナイア「………ねぇ、皆。」

ナイア「私を作ってくれた…皆……」

ナイア「私……これから全宇宙と闘うみたいだよ」

ナイア「なんだか……夢みたい」

ナイア「しかも、勝った方が全宇宙を手にする事ができるんだって」

ナイア「…全宇宙を手に入れたら、全ての情報を手に入れたら」

ナイア「私は…どうなっちゃうんだろう」

ナイア「……多分さ、」

ナイア「悪い気持ちには…ならないと思うんだ」

520 : 以下、名... - 2016/03/04 00:56:55.98 gTiQW9oOO 491/689



ラグナラ「………アズ…」

ラグナラ「私ね…好きな人ができたの…。知っていると思うけど…」

ラグナラ「その好きな人はね…全宇宙を手に入れようと頑張っているの。夢に向かって頑張っているの」

ラグナラ「私…その人と一緒に居たい…。ずっと一緒に居たいよ…」

ラグナラ「……でもね、アズの事も…大好きだよ。だから…」

ラグナラ「全宇宙を手に入れたら…、アズの事も大事にしてもらうね…」


521 : 以下、名... - 2016/03/04 00:57:40.91 gTiQW9oOO 492/689



真尋「……なぁ、母さん……」

真尋「もう…死んでるんだよね…お父さんも……お母さんも……珠緒も…余市も……」

真尋「…僕……これから”終わり”に向かっているよ」

真尋「その…終わりに辿りついた時…どうなるか分からないけど……でも……」

真尋「絶対に…後悔はしないから………」

真尋「……ハス太……クー子……シャンタッ君……」

真尋「………ニャル子………」

真尋「…また……一緒に……」

真尋「あの時のように……」


522 : 以下、名... - 2016/03/04 00:58:19.12 gTiQW9oOO 493/689




ニャル夫「…………なぁ…」

ニャル夫「見てるか…?俺ぁ…神様なんて信じないから天国なんてもんがあるか分からないけど」

ニャル夫「俺、最高の仲間達とついにここまで来たぜ」

ニャル夫「約束を果たすまで後、もう少しだ」

ニャル夫「だからさ……ちゃんと見てろよ」


ニャル夫「この俺の夢みるままの……人生をなぁ!!!」




523 : 以下、名... - 2016/03/04 00:59:21.26 gTiQW9oOO 494/689

今回はこれでおしまいです。次回はまた後日に投下致します。


続き
ニャル夫「真尋少年を誘拐したったwwwww」【パート5】

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