1 : 以下、名... - 2012/09/27(木) 17:25:04.65 jXNhcH9L0 1/19

鈴羽「靉靆と棚引く雲が蒼穹からの熱線を煦煦たる光に変換してくれてとっても気持ちが良いね」

岡部「な、何を言っているんだバイト戦士よ……」

鈴羽「え? だから雲が丁度良い感じに出てサイクリングには絶好の程よい日差しだねって」

岡部「なんだ、そういうことか。わざわざ難しい言葉を使うんじゃない。分からないだろう」

鈴羽「あはは、ごめんね。でも癖になってるんだ……難しい言葉使って会話するの」

岡部(一瞬目が離れすぎているような気がしたが……気のせいか?)

岡部「そうだ鈴羽よ。お前はこれから用事はあるか?」

鈴羽「うーん、ちょっとぐらいなら店空けても大丈夫だと思うけど」

岡部「じゃあちょっと手伝ってくれないか?」

元スレ
岡部「な、何を言っているんだバイト戦士よ……」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1348734304/

2 : 以下、名... - 2012/09/27(木) 17:30:10.88 jXNhcH9L0 2/19

鈴羽「成程ね。ドクターペッパーの箱を運搬するためにあたしをデートに招致したと」

岡部「デートではない。勘違いするな」

鈴羽「あはは、分かってる分かってる。でも重い重いって言いながら全然だね。片手で持てるや」グイ

岡部「それはお前の力が強すぎるんだ……」

鈴羽「そうかもね。未来じゃ膂力の乏しい人間は真っ先に……屠殺されちゃうからね」

岡部「鈴羽……」

鈴羽「まあこれぐらいなら大丈夫ってこと! 岡部倫太郎のも持とうか?」

岡部「いや、大丈夫だ。これは俺のプライドの問題だ」

鈴羽「女の子に持ってもらうなんて恥ずかしいという立派な矜持を持ってるんだね!」

岡部「い、言い方に悪意があるな」

鈴羽「あはは、ごめんごめん」

3 : 以下、名... - 2012/09/27(木) 17:35:25.89 jXNhcH9L0 3/19

――ラボ

 ガチャ

岡部「ラボメンたちよ! この鳳凰院凶真が直々にドクペを調達してやったぞ! 光栄に思うが良い!」

ダル「いや、ドクペ飲むのオカリンと牧瀬氏だけだし」

まゆり「あ、スズさん。トゥットゥルー♪」

鈴羽「椎名まゆり、トゥットゥルー」

紅莉栖「あ、阿万音さん……」

鈴羽「ん? どうしたの牧瀬紅莉栖?」

紅莉栖「いえ……何も……」

岡部(バイト戦士は助手にも仲良しだが、助手はリーディングシュタイナーを微妙に発動させているこの世界線……)

紅莉栖「……」プシュ ゴクゴク

鈴羽「?」

岡部(居辛いことこの上ないだろうな)

鈴羽「馥郁たる濡羽色のジュース……あたしも飲んでいい?」

4 : 以下、名... - 2012/09/27(木) 17:40:50.39 jXNhcH9L0 4/19


岡部「ああ、手伝ってくれたのだから報酬として持っていけ」

鈴羽「やったー! 感謝するよ岡部倫太郎」

紅莉栖「あ、阿万音さん」

鈴羽「ん? なに、牧瀬紅莉栖?」

岡部(お……助手がいったか……)

紅莉栖「難しい言葉をよく使ってるようだけど、博識なのね」

岡部(ん……ぎこちないがこれぐらいが普通か)

鈴羽「いやー、博識なんて大袈裟だよ。牧瀬紅莉栖の論文とかあたし全然理解できないもん」

紅莉栖「え? 私の論文読んでくれたの?」

鈴羽「もちろん! さっき言った通り、理解の範疇を超えてたけど」

紅莉栖「ありがと……嬉しい」

岡部(……うむ?)

ダル「百合ワールドktkr!!!!」

まゆり「ダルくんはうるさいのです」ドコォ

ダル「ごふっ」バタッ

5 : 以下、名... - 2012/09/27(木) 17:45:10.54 jXNhcH9L0 5/19

岡部(ふむ……今まで邪険にされていた分、嬉しさが倍増でもしたのだろう)

鈴羽「英語できないからねー、あたしは」

紅莉栖「ああ、英語だから理解できないってことか……」

鈴羽「あはは、そういうことだね。多分日本語にされても理解不能だろうけど」

紅莉栖「そんなことないわ。結構平易な文で書いたつもりよ。機会があったら日本語版にしたのも渡すけど」

鈴羽「いや、いいよ。あたし、牧瀬紅莉栖の書いたそのままの文章を理解したいからさ」

紅莉栖「ふぇっ!?」

岡部(ふむ……完全に百合ワールドだな。しかし紅莉栖がこんなに素直になるとは……阿万音鈴羽、恐ろしい子)

ダル「なんだか居もしない娘がいけない道に踏み入れたような、そんな気がしたお」ムクリ

岡部「……気のせいだ」

ダル「当然だお。この年で子供はいないお常考」

まゆり「あれ、ダルくん生きてたんだー」

ダル「ひ、お許しを!」

紅莉栖「まったく、これだから男は」

岡部「お前がそんなことを言えるクチか、この栗悟飯天才変態メリケン処女カメハメハめが」

7 : 以下、名... - 2012/09/27(木) 17:50:10.29 jXNhcH9L0 6/19

紅莉栖「今度新しい料理に挑戦しようと思ってて……肉じゃがなんだけど……」

岡部「すまなかった助手よ。このとおり謝罪しよう」(ズザザッ ドゲザッ

紅莉栖「……失礼ね」

鈴羽「自らの非を認めて陳謝するのはいいことだね」

9 : 以下、名... - 2012/09/27(木) 17:55:11.74 jXNhcH9L0 7/19

――屋上

岡部「この世界線ではまゆりが死ぬこともなければ、紅莉栖が死ぬこともない」

岡部「鈴羽が勝手に遊びに来て、紅莉栖と仲良く遊んで、ダルはいつもどおりで、ルカ子は男で」

岡部「この世界線が正にシュタインズゲートなのだな!」フーハッハッハッハ

 バンッ!

岡部「ん?」

紅莉栖「岡部! 阿万音さんが!」

岡部「なんだそんなに慌てて。鈴羽がどうした?」

紅莉栖「それが……なぜか急に倒れて」

岡部「なんだと?」

12 : 以下、名... - 2012/09/27(木) 18:01:13.04 jXNhcH9L0 8/19

――ラボ

鈴羽「はぁ……はぁ……」

ダル「阿万音氏! し、しっかりするんだお!」

まゆり「どうしようー、スズさんが……」

 バンッ!

岡部「どうした鈴羽ッ!?」

紅莉栖「連れてきたわ!」

鈴羽「お……岡部……倫太郎……」

岡部「おい、すごい熱じゃないか! 早く病院へ――」

鈴羽「へへ……前からあったんだ。こういうの」

岡部「……なんで言わなかった」

鈴羽「異常なし。それだけ言われて解熱剤はい、って渡されるだけだった」

岡部「そんなわけあるか! こんな熱……俺がガキのころの熱よりひどいぞ」

まゆり「まゆしぃもそう思うな……」

鈴羽「それでも……異常なしなんだよ……」

13 : 以下、名... - 2012/09/27(木) 18:05:19.96 jXNhcH9L0 9/19

岡部「なんでだよ……なんでなんだよ!」

紅莉栖「……医者は不可解な症状をいじって悪化させた時の責任を負いたくないんでしょうね」

ダル「そ、そんなの……」

岡部「それでも医者かよ!」

紅莉栖「いえ、医者の意見は一理あるわ」

岡部「なに?」

紅莉栖「もし最初からいじって悪化させてたら、今ごろ阿万音さんはどうなってると思う?」

岡部「……」

ダル「……」

まゆり「……」

紅莉栖「原因不明の症状への対処なしは、責任逃れもあるだろうけど、それ以前に悪化させないためでもある」

紅莉栖「……阿万音さん。いえ、鈴羽さん」

鈴羽「え……牧瀬……紅莉栖……?」

紅莉栖「もしかしたらあなたを救えるかもしれない。でも、それは無駄かもしれない」

14 : 以下、名... - 2012/09/27(木) 18:10:17.39 jXNhcH9L0 10/19

紅莉栖「あなたが良ければ、私は医者ではなく脳科学者の見地からあなたを救えるかもしれない」

鈴羽「……」

紅莉栖「……私に、賭けてみる?」

鈴羽「……もちろん」

15 : 以下、名... - 2012/09/27(木) 18:15:05.74 jXNhcH9L0 11/19

――某所

鈴羽「……あたしの体は預けたよ」

紅莉栖「もういっかい言うわ。無駄かもしれない。それでもやる?」

鈴羽「なんでもやるよ。だって天才なんでしょ?」

紅莉栖「……ふふ。原因を突き止めて、絶対あなたを救ってみせるわ」

 グィーン ガシャガシャ

紅莉栖「ここをこうして……撮影」カシャッ

 ウィーン ウィッウィッ ウォーン

紅莉栖「……解析」ザザザ

 ピピピ ピピピ ピピピ

紅莉栖「これは……!」

紅莉栖「――鍵は見つかった」

16 : 以下、名... - 2012/09/27(木) 18:20:13.14 jXNhcH9L0 12/19

――ラボ

紅莉栖「――だから、鈴羽さんの熱の原因は海馬に流れる異常な神経パルス信号によるものなの」

岡部「急にどこかへ行ったと思ったら朝帰りか」

紅莉栖「真面目に聞いて」

岡部「……で、それは治せるのか?」

紅莉栖「ええ。タイムリープマシンを使えば、あるいは」

岡部「タイムリープマシン? なぜ今そんなものを……」

紅莉栖「異常な神経パルス信号。これはある行為を継続した時、非常に稀な確率で起こりうるの」

岡部「……その行為はなんだ、もったいぶらずに教えろ」

紅莉栖「つめ込み学習。それも朝起きてから寝るまで飲食の間も設けないほどの過剰なもの」

岡部「――は?」

紅莉栖「だから、過剰な学習行為は本当に僅かな確率だけど、神経パルス信号の異常を生じさせるの」

岡部「それはひょっとしてギャグで言ってるのか?」

紅莉栖「そのギャグだとも思えることで鈴羽さんは苦しんでるの」

岡部「……」

17 : 以下、名... - 2012/09/27(木) 18:25:16.36 jXNhcH9L0 13/19

岡部「だがそこでなぜタイムリープマシンが出てくる」

紅莉栖「……彼女、こっちに来て私の論文を読もうと必死で英語の勉強したらしいわ」

岡部「――!?」

紅莉栖「そう。彼女の熱の原因は私の論文。もっと元を辿れば私」

岡部「……」

紅莉栖「馬鹿げてるけど、その馬鹿げてることで彼女は苦しんでる。そして」

岡部「そして?」

紅莉栖「これ以上彼女が学習をしようとすると熱は確実に悪化していくわ」

紅莉栖「いえ、些細な刺激だって彼女には毒になるでしょうね」

紅莉栖「そしてじきに……」

岡部「……」

紅莉栖「でも今からの対処はもう目隠しをして無響室に閉じ込めるぐらいしか方法はないの」

岡部「そ、そんな……」

紅莉栖「そこでタイムリープマシンよ」

岡部「……」

18 : 以下、名... - 2012/09/27(木) 18:30:08.12 jXNhcH9L0 14/19

紅莉栖「彼女が私の論文を理解しようとしないよう、私の悪いところを針小棒大に彼女に伝えて印象を悪くして」

岡部「……だがそれでは俺が嫌われるだけのように思えるが」

紅莉栖「それだけだと鈴羽さんのことだから、あんたに幻滅するだけでしょうね」

岡部「無駄骨ではないか」

紅莉栖「だから、私に今までのことを全て伝えて」

紅莉栖「恐らく私はそれを聞いた瞬間、自分のすべきことを理解するだろうから」

紅莉栖「私自身、これに気付いた時がそうだったから」

岡部「……本当にいいんだな」

紅莉栖「いいの」

岡部「お前と鈴羽が仲の良かった世界線は今までを通してここしかなかった」

紅莉栖「……」

岡部「俺はここがシュタインズゲートだと思っていた」

紅莉栖「……それは、鈴羽さんの絶望を消すためのまやかしに過ぎないわ」

岡部「そう……なんだろうな」

19 : 以下、名... - 2012/09/27(木) 18:35:10.55 jXNhcH9L0 15/19

紅莉栖「……」

岡部「……」

紅莉栖「準備するわよ」

岡部「……ああ」

紅莉栖「時は4日前。最大跳躍時間で2回飛べばいけるわ」

岡部「……本当にいいんだな」

紅莉栖「しつこい」

岡部「……すまん」

岡部「紅莉栖。俺は必ずシュタインズゲートを見つけてみせる」

紅莉栖「……うん」

岡部「お前と鈴羽が仲良しな世界線を絶対に見つけてみせる」

紅莉栖「…………うん」

岡部「それまで……待っていてくれ」カチッ

紅莉栖「お、おかb――」

21 : 以下、名... - 2012/09/27(木) 18:40:33.20 jXNhcH9L0 16/19

――十年後

鈴羽「おっはー」

岡部「お、鈴羽か」

まゆり「スズちゃん、とぅっとぅるー☆」

鈴羽「とぅ?」

ダル「ほら、いいだろーオカリンー。鈴羽より可愛い娘はこの世に一人として存在しないお?」

岡部「相変わらずの親バカだな」

鈴羽「おかべー、りんたーろー」

岡部「……はは、名前の呼び方までそのままじゃないか」

22 : 以下、名... - 2012/09/27(木) 18:45:14.15 jXNhcH9L0 17/19

ダル「なに鈴羽見て変な顔してるんだお。いくらオカリンでも鈴羽に変なことしたら許さないお」

岡部「ウェイウェイウェイ! 誤解だ誤解! 俺はペドフィリアなどではぬぁーい!」

ダル「オカリン……その反応はないわ……」

まゆり「まゆしぃはガッカリです……」

岡部「ぐむむ。それより今日は鈴羽の誕生日だろう。いくつになるんだったか」

ダル「3歳だお。可愛すぎて僕の理性がヤバイ」

由季「何か聞こえましたけど?」チャキ

ダル「そして現在進行形で僕の命もヤバイ」

23 : 以下、名... - 2012/09/27(木) 18:50:09.37 jXNhcH9L0 18/19

 ガチャ


岡部「お、来たか。ほら、鈴羽」

鈴羽「あ、あー」トテトテ



鈴羽「くりす、ねーちゃん!」

紅莉栖「鈴羽ちゃん、誕生日おめでとう!」プレゼント ドサドサドサァ

鈴羽「」

ダル「この溺愛ぶり、もはや異常である。キマシ?」

まゆり「女の子同士って、いいよねー」

岡部「――ふっ、これもシュタインズゲートの選択さ」

24 : 以下、名... - 2012/09/27(木) 18:51:51.41 jXNhcH9L0 19/19

終わりです お粗末さまでした

正直すまんかった

そして鈴羽、誕生日おめでとう!

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