《1つ前》
第34話<満月の夜に>

《最初から》

第1話<呪い>

《全話リンク》
少女勇者「エッチな事をしないとレベルがあがらない呪い…?」


661 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/18 22:06:52.54 ammm9YQGo 2452/3213



最終話<太陽>







【太陽の国】


「皆の者、感じるか」

大神官「…ええ。世界の破滅です…このようなおぞましい魔力がこの世にあってよいものか」

「遥か彼方より伝わる、この身を貫くような邪気…間違いないだろう」

「ソル…ユッカ…間に合わなかったというのかッ」

大神官「ヒーラ…。神よ…彼女たちを守りたまえ」



【深い森近くの町】


魔導師「ソルよ。これでは約束が違うではないか…」

魔導師「……。じゃが、まだすべてが終わったわけではない」

魔導師「おぬしは今までどんな困難をも切り拓いてきた」

魔導師「わしのかわいいマナを頼んだぞ。勇者達」

662 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/18 22:09:10.51 ammm9YQGo 2453/3213



【商業の街バザ】


獣の商人「なんや? 急にえらい肌がぴりぴりするなぁ」

獣の商人「みてみてー、めっちゃ毛逆立ってるやろ」

隊長「…この天気は一体」

獣の商人「あー気持ち悪いっなんやこれ」ゾゾッ

「わりぃなマオちゃん。今日は帰るぜ、うーさぶいさぶい。大雨も降り出しそうだ」

獣の商人「あっ、ちょい待ちぃや!!」

隊長「大雨が降る恐れがあります。厳重な戸締まりをお願いします」

隊長「マオさんも。私は町の見回りに出ます」

獣の商人「あんたこんな時やのに忙しいなぁ。休憩中ちゃうの」

隊長「こんな時だからです。さぁ急いで」

獣の商人「まだ閉店時間ちゃうのに。あー…商売あがったりや」

獣の商人(ユッカはん達…なんかあったんか?)

獣の商人(無事に帰ってくるって約束したやんか……守らなあかんで)ギュッ

663 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/18 22:11:05.12 ammm9YQGo 2454/3213




【霊泉山脈】


妖狐「…!! この忌まわしい邪気…!」ザバッ

妖狐(ワシの九尾解放の其れと同一の物!! …じゃが、ゆうに超越しておる!)

妖狐「マナ…おぬしも闇に飲まれてしもうたか……ッ」

妖狐「……やれやれじゃな。こうなった以上、この世の運命は天のみぞ知る」ザプン…

妖狐「あー湯はきもちええのに肝心の酒がまずい」グビグビ


妖狐「…さてマナよ。おぬしの大切なもののことを忘れるでないぞ」

妖狐「深い闇の中にも一筋の光明は差す」

妖狐「手を伸ばし、掴みとるのじゃ。おぬしはワシと違ってひとりではない」

妖狐「おぬしの太陽は、すぐ近くにおるのじゃから…」ゴクゴク


 

664 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/18 22:13:20.76 ammm9YQGo 2455/3213





【港町オクトピア】


宿屋の少女「…海が…震えてます」ギュッ

宿屋の少女「結局、世界中のどこにも…逃げ場などないのですね」

蛸娘「スキュこわい…ローレも怖い?」

宿屋の少女「はい…。ですが私は信じています」

蛸娘「スキュもしんじる。ヒーラ強い。ヒーラ負けないよ」

宿屋の少女「みなさん…どうか壊れ行く世界を救ってください」

宿屋の少女「そして、必ずみんな揃って笑顔で帰ってきてください…っ」




【歯車の街ピニオン】


時の魔術師「…あぁなんてことに」

時の魔術師「この世の理が歪んでいく。破滅の序章とでも言うのでしょうか」

町民「クロノ様…わしらはどうしたら…先程から悪寒がとまりませんのじゃ」

時の魔術師「あまりに破壊的で暴虐的な魔力…私達人間が生身で触れて長く耐えられるものではありません」

時の魔術師「気休めですが時計塔に結界を貼ってあります。どうぞこちらへ」

時の魔術師(…勇者様。信じています)

時の魔術師(どうか無事でいてください)

 

   

665 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/18 22:15:55.74 ammm9YQGo 2456/3213

 


【魔法大国グリモワ】


魔法国王「動ける魔術師は魔法障壁をただちに展開せよ」

魔法国王「このおぞましい魔力に長く触れてはならない。心身が壊れてしまう!!」

魔法国王「障壁の行き届かない者は避難所として、臨時に王宮と闘技場を解放する」

魔法国王「速やかに民衆の避難誘導を」

衛兵「はっ!」

衛兵「陛下もどうかご避難を」

魔法国王「ぼくはこの国の守護者として、最後まで責務を果たさねばならない」

魔法国王「逃げ出すのはみなの避難がおわってからさ」


魔法国王(…勇者くん、これはまがりなりにもきみたちの選んだ未来だ)

魔法国王(どこまで抗えるか、見させてもらうよ)

魔法国王「急げ! 女こどもを優先しろ!」



 

666 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/18 22:17:32.15 ammm9YQGo 2457/3213

 

【聖なる火山】



炎鳥「…終焉のはじまりです」

炎鳥「海は枯れ、地平は焼かれ、あまねく命は滅びを迎えるでしょう」

炎鳥「それは、一つの星のさだめなのかもしれません」

「ヒヒン! ヒヒン!」

炎鳥「うふふ…あなたは仲間のことを一片も疑うこと無く信じているのですね」

炎鳥「…そう。いままでもそんな事が……」なでなで

炎鳥「…ずっと、苦楽を共に旅を続けてきたのですね」なでなで

「ヒヒン」

炎鳥「ええ、大丈夫。私も信じていますよ」

炎鳥「あの子たちは古より続く人々の意思を受け継いでいるのですもの」


炎鳥「絶えることなく燃え続ける、世界で唯ひとつの希望の火。其の名はユッカ」

炎鳥「太陽の子らよ。闇を彷徨う孤独へと手を差しのべなさい」

炎鳥「あなたたちの求める答えはきっとそこに――」

 

667 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/18 22:20:13.63 ammm9YQGo 2458/3213

 


  ・   ・   ・



咆哮による極大の熱線の際に一時は静寂を取り戻した夜空に、嵐が再び吹き荒れはじめた。
俺たちを寄せ付けまいとばかりにけたたましく雷鳴が轟き、稲光が雲を走る。


傭兵「なんだこの地獄は…」

傭兵「天変地異を引き起こして…それを力にしている…?」

勇者「そうかもしれない」

勇者「ああやって竜巻や雷雲を纏うのは、きっとボクたちに近づいてほしくない理由があるんだ」

傭兵「マナはどこだ。どこから感じる」

傭兵「どんだけ分厚い鱗かしらねぇが、必ずぶったぎって中から取り出してやる」

勇者「…待って」


ユッカは五感を塞ぎ、魔覚を研ぎすませた。
そして目をつぶったまま、ある方向をゆっくりと指さした。

そこは邪龍の胴体の中心部。
まるでマナのつけていた闇珠の首飾りが肥大化したかのような
大きな水晶がギラギラと禍々しい輝きを放って嵌めこまれていた。

668 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/18 22:22:38.04 ammm9YQGo 2459/3213


傭兵「あの水晶の中に…?」

勇者「あそこからほんのすこしだけどマナの気配を感じる」

僧侶「すごいですユッカ様」

勇者「行こう」

傭兵「行こうって、どうやって近づく。それにあんな水晶、斬りつけるために立つ場所すら…いや」


闇の神殿の塔の天辺に備えられた広場が、胴体に押しつぶされてひしゃげるように隣接していた。
先ほどまで俺たちが剣を構えて戦っていた場所だ。

傭兵「まだ完全には崩れ去っていない!」

勇者「あそこに降りる!」

傭兵「…あぁ! それしかないな!」


紅蓮の鳥は、マナに向かって暴風雨の中を滑るように飛んだ。

稲光走る黒雲の切れ間を見事にかいくぐり、広場へと降り立つ。
紅蓮の鳥は消え去った。


勇者「う…もう出す魔力は残ってない」

勇者「もう飛ぶことは出来ない。絶対にふり落とされないで」

傭兵「あぁ、マナを救いだしたらあとは天に任せる」

669 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/18 22:24:27.25 ammm9YQGo 2460/3213


僧侶「ここまで大きいと…近づけばただの壁ですね」

僧侶「怖くありません」

勇者「うん…でも魔力を吸われ続けているから時間をかけたらボクたちの負けだ」



目の前にそびえる巨大な水晶。
中では深い闇が渦巻き、その奥に、膝を抱えて目を閉じる一人の少女の影をみつけた。
その銀髪の少女は、まぎれもなく俺たちのよく知るマナそのものであった。


勇者「いた…! マナだ!!」

僧侶「マナちゃん…生きてるんでしょうか」

勇者「死んでたらこの竜は動いてないよ」

傭兵「すぐにこのドデカイ水晶ぶち割るぞ。ユッカ、剣は借りるぜ」

勇者「うん!」

670 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/18 22:25:53.70 ammm9YQGo 2461/3213


勇者「ファイアブラスター!」

僧侶「ホーリーウォータースピア!」

傭兵「はぁぁあ!」

水晶めがけて三人同時攻撃。
しかし――

バチチッ

攻撃が当たった瞬間俺たちは後方へと弾き飛ばされた。


傭兵「ぐあっ」

僧侶「う…くぅ…カウンター結界!?」

勇者「うあう…攻撃したぶんだけ……ダメージが返ってくる」

僧侶「この水晶は、マナちゃんを護る障壁の役目を果たしているのかもしれません」

僧侶「おそらく私の結界や、グリモア王の障壁と同じく…いえそれ以上の強度です」

勇者「そんな…」


その後しばらく攻撃を加えるも、
一方的に俺たちの体がずたずたになるだけで、禍々しい水晶には傷一つとして付かなかった。

671 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/18 22:29:28.58 ammm9YQGo 2462/3213



勇者「こいつ。これだけ攻撃してるのに、何もしてこない…」

勇者「図体はでかいけど、これといって小さなボクたちに対する攻撃手段はないのかも?」

傭兵「ドラゴンとレヴァンが飛び回って気を引いてくれているからかもな」

僧侶「攻撃してこないのではありません。おそらく…出来ないのです」

僧侶「私達がこの水晶の目の前にいる限り!」

傭兵「つまり、ここがむき出しの急所というわけか」

勇者「…うん! これさえ潰せば!」

傭兵「だがこの硬度じゃ、とても急所とは呼べねぇぞ…鉄壁の心臓だ」

勇者「くそぅ! マナが目の前にいるのに!!」ダンッ



もはや満身創痍だった。
何度カウンターを浴びるも、成果は得られない。ヒビすら入らない。
3人とも決して心は折れていないが、すでに体と魔力が限界を迎えていた。

そんな中、再び周囲の嵐がおさまって闇夜が静まりかえる。

傭兵「これは…」

 

672 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/18 22:32:24.85 ammm9YQGo 2463/3213



勇者「魔力が集まっていく…まただ…あれを撃つ気だ!!」

傭兵「この方向…東……くそ、やめろ! そっちにはグリモワが…!!」

僧侶「…!」

僧侶「ソル様、ユッカ様。どうかご無事で」

僧侶「マナちゃんのこと、あとはおふたりに委ねます!」


ヒーラちゃんは唐突に俺たちの手をにぎって別れを告げた。
青海のように蒼い瞳には強い意思が灯っていて、
何をするのかはわからないが、もう彼女を止めることはできないのだろうと察した。


僧侶「水よ…私に力を」


ヒーラちゃんが海鳴りの杖を振る。
杖先から激しい水流が噴射し、彼女はそれを推力にして不気味な静けさ漂う暗闇の空へと跳躍した。

ヒーラちゃんは真っ暗な空へと自ら放りだされていった。
そして宙で再び杖を操って、湖面から呼び寄せた水柱の上に着地し立ち上がり、邪龍に向かって両腕を大きく広げた。

その姿はまるで天女のようであった。

673 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/18 22:35:23.01 ammm9YQGo 2464/3213




僧侶(これだけ大きいと、もはや何なのかもわからないですね)



いよいよ邪龍の口元いっぱいに光の粒が集まって、俺たちの視界は目を開けないほどの輝きに満ちていく。


勇者「嘘でしょ…無茶だよヒーラ…! 一人で受け止める気なの!?」

傭兵「やめろ…逃げてくれ…山を軽々と吹き飛ばす威力だぞ…」


僧侶(すこしでも威力を軽減できれば…それでいいんです)

僧侶「…来る…タイミングを間違えちゃだめ…まだ…あと少し…」


僧侶(怖い…)

僧侶(でもみんなを…護らなくちゃ)

僧侶(マナちゃん…きっと水晶の中で苦しんでいるでしょう)

僧侶(優しいあなたはこれ以上誰も傷つけたくないはず。きっと私たちに助けを求めているでしょう)

僧侶(でも大丈夫。あなたを蝕む悪意の咆哮、私が全て受け止めます)

僧侶(…これが最後ですから。あなたは心配しなくていいんですよ)

僧侶(だって、あなたの太陽はすぐ側に――――)

僧侶「…すぅ」

僧侶「ユッカ様ソル様、マナちゃんをお願いします!!」

674 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/18 22:38:46.01 ammm9YQGo 2465/3213



僧侶「水の力よ! 私に、最後の力を! 私の全てをいまこの瞬間に捧げます!」

僧侶「神様……ッ! ホーリーシールド!」


▼僧侶は水神の大盾をつくりだした。


轟音とともに湖の水が空へと巻き上がる。
膨大な量の水が分厚い盾となってヒーラちゃんと邪龍の間に立ちはだかった。


闇剣士「これは…!」

核竜「ギュルル…!」

サキュバス「すごい…これがあの子の力!? でもまずいって!」ばさっばさっ



▼邪龍は破滅の熱線を放った。

目の潰れるような極光とともに邪龍の咆哮波が
俺たちの遥か頭上に位置する長い竜首の先から再び放たれた。


傭兵「…!」

勇者「~~っ! ヒーラぁあああ!!」


放射された邪龍の熱線が水の塊である大盾に直撃し、激しい爆発を引き起こした。

676 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/18 22:41:24.56 ammm9YQGo 2466/3213



僧侶「…ッ!! これ以上の滅びは許しません!」


勇者「防いでる…すごい…。ヒーラ…」

傭兵「…! 駄目だ、徐々に水流の勢いが弱まってきている」


僧侶「…うううッ!」

僧侶「……だめ! 突き破られる…! 海ではないから…!? 私じゃだめなんですか!!」

僧侶「くっ…」


闇剣士「あれほどの水量で防ぎきれん威力だというのか!」


勇者「ヒーラ…! 逃げて!」

傭兵「ヒーラちゃん…。もういい! 逃げてくれ!」


僧侶(引くことはできません…これ以上、みんなを悲しませたくないんです)

僧侶(マナちゃんを苦しませたくない)

僧侶「……ぁ」


▼水神の大盾は爆散し消失した。

▼破滅の熱線が僧侶へと襲いかかる。


僧侶「まだです! 神聖守護結界!!」

678 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/18 22:49:42.17 ammm9YQGo 2467/3213


ヒーラちゃんを中心に神々しい光の球が生まれた。
光の球は大きく広がって行く。

水の盾を貫きやや威力の弱まった熱線がヒーラちゃんに直撃した。


傭兵「…!」



僧侶(サキュさん…これが、あなたの言っていた運命の選択肢…?)

僧侶(ならば私は…全てを受け入れます)

僧侶(この身の滅び、あまつさえ魂の消滅さえも…)

僧侶(それで世界中の人々が救われるなら…)

僧侶(私は…厭うことはありません)

僧侶(あぁ…眩しいです…ユッカ様…)


ヒーラちゃんの立っていた水の柱が消え、彼女の居た場所から小さな爆発の光が見えた。
それとともに超大な熱線の放射がついに途切れ、邪龍は禍々しい大口を閉じて沈黙した。
周囲では嵐が再び巻き起こり、次弾への魔力の補給が始まったようだ。


勇者「ヒーラは…?」

傭兵「ヒーラちゃん……」


焼け焦げた聖衣を羽織った金髪の少女が1人、暗闇の湖へと真っ逆さまに落ちていった。



最終話<太陽>つづく


  

701 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/19 21:02:49.95 vEfJliA/o 2468/3213

最終話<太陽>つづき





闇剣士「奴の第二波を一人で防いだ…」

闇剣士「信じられん…神憑っているのは勇者だけではなかったのか…」

核竜「ギュルル…」

闇剣士「少女もまた…神の御遣いだとでもいうのか」

闇剣士「だが何故だ…なぜ貴様たちはそこまで抗える。己が命さえ投げ出して…」

闇剣士「使命…人類の希望をせおっているから…?」

闇剣士「それとも……仲間の…」

闇剣士「マナのため…だとでもいうのか…」

核竜「ギュルルル」

闇剣士「サキュ? どこへ行った…?」

702 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/19 21:05:18.29 vEfJliA/o 2469/3213



勇者「ヒーラ…嘘だよね…?」

傭兵「……落ちたのか。いや、アレを見ろ!」



僧侶(このまま…まっさかさまにおっこちて…死んじゃうのでしょうか)

僧侶「最期くらい…大好きな、あなたのう腕のなかで……ソル…さま」

がしっ

サキュバス「あっぶなっ! あたしってばナイスキャッチ!!」ばさっばさっ

僧侶「…ぁ」

サキュバス「大っ嫌いなあたしの腕の中で悪かったわね。でもまだ看取ってやんないから!」

僧侶「サキュ……さん」

サキュバス「乳、あんた見なおしたよ」ばさっばさっ

僧侶「……ぅ」

サキュバス「お疲れ様…ヒーラ」ぎゅ

サキュバス「にしても…重いっ! あんた何食べたらそんな無駄なお肉つくのよ!」

僧侶「――…ぅ、うるさい…です。重いなら捨てていいですよ」むす

サキュバス「あはっ、無駄な頑丈さだけがあんたの取り柄ね」

サキュバス「このまま湖畔まで連れて行くわ。もうちょっとの辛抱よ」

僧侶「ありがとう…サキュさん…」

僧侶「ユッカ様…必ずマナちゃん…を…」クテッ

703 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/19 21:07:16.94 vEfJliA/o 2470/3213




勇者「…生きてる。みてソル! 生きてる…!」

傭兵「…あぁ。俺たちのヒーラちゃんが簡単に死ぬわけない」

勇者「うん! どんなピンチもヒーラは乗り越えてきたんだ!」

傭兵「ヒーラちゃんが命を賭けて時間を稼いでくれた。次の咆哮波までに…マナを救いだして魔王を止める」

勇者「でも…どうやって…」

勇者「この水晶…残されたボクたちの力で壊す方法はあるのかな…」




【上空】


ばさっ ばさっ


核竜「ギュルルル…ギュルル!」

闇剣士「……そうか。貴様もまた、勇者の仲間でありたいか」

闇剣士「…さすがは、勇者の魔力を母乳代わりに飲んだ竜だ」

核竜「ギュルルル!」

704 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/19 21:09:23.67 vEfJliA/o 2471/3213


闇剣士「向かうは死地。覚悟はできているのだな」

闇剣士「貴様の体の頑強さとて、どうなるやわからん」

闇剣士「それでも行きたいと言うのか」

核竜「ギュルルル!」

闇剣士「何…? 主である私の妹を救いたい…だと?」

闇剣士「ふ、このような私をいまだ主と呼ぶか…」

闇剣士(ぎゅる…すまない)

闇剣士「……。ならば翔べ!! 竜巻よりも強く! 稲妻よりも疾く!」

闇剣士「我らが命を賭して、光明を開いてみせよう!」

705 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/19 21:12:53.92 vEfJliA/o 2472/3213



勇者「もう、時間がない…!」

勇者「魔力が…本当に尽きちゃう」

傭兵「…マナ。聞こえているんだろう…起きてくれ…頼む」


魔女「――」


願いも虚しく、再び周囲の嵐は穏やかに終息してゆく。
次はもう破滅の咆哮を防ぐ手段はない。


傭兵「本当に…終わりなのか…?」

傭兵「ここまで来たのに…」

絶望が膨れ上がり、心を支配していく。

ふと静まりかえった空を見上げると、残された黒雲の切れ間に何かが閃光のようにきらめいていた。


闇剣士「ソル! そこをどけぇ!!」


頭上から響く掛け声と共に、猛烈な勢いでコアドラゴンが闇夜を切り裂いて突撃してきた。
背の上では仮面の剣士が銀色の髪をはためかせ、稲妻と火炎をまとった大剣を振りかざしていた。

706 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/19 21:15:20.66 vEfJliA/o 2473/3213



闇剣士「邪龍よ!」

闇剣士「我が生涯、我が武道の全てを駆けた、全身全霊の神撃を受けよ!!」

傭兵「よせ! 水晶にはカウンター結界が貼られている! 死ぬぞ!」

勇者「ぎゅるちゃん!」


闇剣士「死せるとも本望! 奪われた同胞たち、マナの苦しみにくらべれば」

闇剣士「もはや恐れるものなどない!」

核竜「ギュルルル!」

闇剣士「返してもらうぞ…! その少女は、たった一人の私の肉親だ!」

闇剣士「魔王よ…貴様のような邪悪の権化が…ッ」

闇剣士「触れることすらおこがましいのだ!!」

傭兵(レヴァン…)


闇剣士「一閃!!」


▼闇の魔剣士は邪龍の水晶に大剣を突き立てた。

707 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/19 21:18:45.20 vEfJliA/o 2474/3213



天空から舞い降りたレヴァンの閃光のような一撃。
長年対峙してきた俺には分かる。
それはかつて無いほど、命を削り魂を込めた一撃であったことは明白であった。


傭兵「…!」

傭兵「駄目だ…壊れない…嘘だろ」

勇者「そんな…」

闇剣士「……だが、一矢報わせてもらったぞ」

闇剣士「私の武道も、捨てたものではなかったな…」


レヴァンの口元は笑っていた。
『マナを頼んだ』
そうつぶやいたような気がした。

水晶に施されたカウンターがいよいよ彼らの身を襲う。
十字傷の仮面がゆるやかに砕け散った。

そして1人と1頭の戦士は紙切れのように吹き飛ばされ、激しい血しぶきをあげながら虚空へと落ちていった。

傭兵「レヴァン……」

直後、俺たちの背後でピシリと何かの破砕音がした。
振り返ると、鉄壁以上の硬度を誇る水晶が、音をたててひび割れ始めていた。

708 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/19 21:21:59.33 vEfJliA/o 2475/3213


勇者「そんな…ぎゅるちゃん…レヴァン」

勇者「落ちてく…死んじゃったの…?」

傭兵「ユッカ。振り返ってみろ」

勇者「…! ひび…!」

傭兵「お前の武道。見届けさせてもらった」

傭兵「この好機は逃さない!」


亀裂に聖剣を突き刺す。
俺自身も体を突き刺されたような痛みが走った。

しかし聖剣は確実に表層を砕きながら突き破り、刃先が粘度の高い泥に埋もれたような手応えを感じた。

砕けた隙間から、ドロリとした黒い液体が染み出してくる。


傭兵「これは…この邪龍の血だろうか」

709 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/19 21:25:52.64 vEfJliA/o 2476/3213


ひび割れはじわじわと広がってゆくが、小さなひび割れから完全な決壊に至るには、この水晶はあまりにも巨大だった。
おそらくはまだ邪龍にとって針に刺された程度でしかないだろう。


一度聖剣を引き抜くと、ユッカは腕に魔力を集め、
迷うことなく開いた穴の中に思い切り手を突き刺した。

勇者「うぐ…ッ! このドロドロが…魔王の魔力…」

傭兵「マナを包み込んでる…。くそ、こんな汚ねぇもんにマナをさらしやがって」

勇者「浄…化を……ボクの炎を注ぎ込めばッ」ズズ

傭兵「やれそうか」

勇者「だめ…もう魔力を流せるほどの力が残ってない…あと少し、あと少しなのに!」


傭兵(魔力切れ…ここにきて…)

それもそのはずだった。
ユッカは火山で覚醒してから一切魔力の回復をしていない。
一体どれほどの魔力を使ってきたのか、見当もつかなかった。
こうしている今も魔力を邪龍に吸収されている。

710 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/19 21:28:10.84 vEfJliA/o 2477/3213



ユッカは絶えず腕をのばして、マナをたぐりよせようとする。

しかしおよそ腕一本分、マナに届きそうにない。

ユッカ自身、いまごろカウンターによって心臓をつかまれたような痛みが体を駆け巡っているだろう。

無慈悲にも、破滅の咆哮波へのカウントダウンは進んでいく。

次の一撃は魔族領だけでなく、俺たちの世界をも容赦なく焼き払う。


勇者「起きて…手を伸ばしてよマナ…もう、すぐそこなんだ!!」

傭兵「少しでも穴を広げる! 耐えろユッカ」

勇者「マナ! ボクの声が聞こえたらおきるんだ! マナ!!」

勇者「このボクの炎をみて! ボクはここにいる!!」

勇者「キミをそこから助けたいんだ! マナーー!!」

711 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/19 21:29:53.42 vEfJliA/o 2478/3213





  ・  ・  ・





魔女「……」


わたしの魂は、まるで暗い海の中を漂っているようだった。

息苦しくて、冷たくて、真っ暗で…何も見えない。

足元からは地獄からの叫びのような、恐ろしい魔王の呼び声。
なす術もなく膝を抱えて肩を震わせて沈んでゆくわたしを、今か今かと手招きする。

わかる。
わたしはもうすぐ溶けてなくなるの。
この身と魂が、どこまでも広がる漆黒の闇に溶けて、なくなってしまう。

魔王に取り込まれて、跡形もなく消滅する。


 

712 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/19 21:31:59.87 vEfJliA/o 2479/3213

 
 


『――ナ! ――マナ』


どこからか小さな声が聞こえる。

暗闇の海。遥か遠くの水面から、たった一筋のかすかな光が差し込んでいた。

わかる、ユッカがそこにいる。わたしを迎えにきた。


勇者『マナ!! お願いだ! 目をあけて!!』

勇者『あと少しっ、あと少しで届くのにっ!!』

傭兵『マナ、帰ろう。みんなお前を待っている』


そう……あなたもいるのね、ソル。


傭兵『心を強くもて! のまれるな!!』

勇者『魔王なんかに負けるなッ!!』



だけどユッカ。ごめんなさい。
私はもう力尽きて、そこまで泳ぐことはできない。

私の魂は、手繰り寄せられるがままにどこまでも沈んでいく。


『―――マナ』

『――ナ』

もう二度とあなたたちに触れることはできない…。


魔女(さようなら…ユッカ……)

魔女(ごめんなさい……)

713 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/19 21:34:46.72 vEfJliA/o 2480/3213

 

魔王『汝、其の魂、我の為に捧げよ』

魔王『我と一つに成れ』

魔王『汝に永遠の闇を与えよう』


魔女(永遠の…闇…)


それは、どんな心地だろう。
ここよりずっと、暗いのかな。


沈んでいく――――
沈んでいく――

差し込む光が…だんだんと遠くなっていく。ユッカが遠くなっていく。

沈んでいく――

やがて何も聞こえなくなって…もうあなたたちの声すら届かない、深い闇の底へと。

沈んでいく――

魔女(わたしは――)

魔女(いやだ…)ふるふる

魔女(わたし…死にたくない…っ)

 ぐっ

魔女(…?)

714 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/19 21:36:12.01 vEfJliA/o 2481/3213



ふいに、背中に何かが触れた。
暗い海の底へ沈んでいくわたしを、力強く押し返した。

魔女(温かい…手)


 『ダメだよ。そっちに行っちゃだめ』


魔女(…だれ?)

声の主がわたしを抱きしめて、震える手を握った。
その人はちから強くわたしを引っ張って、暗闇の海の中を光を目指して泳いだ。


魔女(……?)

わずかに光の指す方へとわたしは手を引かれて導かれていく。


 『帰ろう。キミの仲間が待ってるでしょ』


心が暖かくなる、優しい声だった。

715 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/19 21:38:36.77 vEfJliA/o 2482/3213



わたしは、この人を知っている。
とてもユッカに似ていて、どこまでも優しい、太陽のような笑顔の人。


 『えへへ。ほら、私と一緒なら怖くない』

 『いままでずっと一緒だった…でしょ?』


魔女(魂1号ちゃん……)

魔女「ユ…イ…?」


母親『…マナちゃん』

母親『キミの人生は、キミだけのもの』

母親『キミしか切り拓くことはできないんだよ』


魔王『させぬ…汝の魂、我が元へ』

深い暗闇の底から、無数の黒い手が伸びてきて私の足を掴んだ。

魔王『我と一つに成れ』

魔王『完全なる同化…あらゆる生命を超越し…森羅万象の極みへ』

魔女「…! い、いやっ! 嫌ッ!」

716 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/19 21:40:12.65 vEfJliA/o 2483/3213


魔王『何故拒む…汝、古より宿命付けられた我が器なり』

魔王『其の身も魂も、我が神充の為に存在する』

魔王『我が元へと……同化せよ』


魔女「離して…ッ! 私は、まだ死にたくない」


魔王『汝、自ら手放した命、尚も求めるか』


魔女「あなたなんかと一つになりたくない!」


魔王『我と共に…闇へ堕ちよ。マナ』


おそろしい呼び声。
私の魂に焼き付いた恐怖が、私の心をかき乱す。


魔女「あ、あぁ…っ」

母親『ダメッ! マナちゃんを離して!』

魔女「ユイ…」

717 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/19 21:42:18.93 vEfJliA/o 2484/3213



母親『心を強く持ちなさい』

母親『帰らなきゃダメ。キミを待ってる人たちがいるんだから!』

母親『キミは誰? 魔王の器!? ちがうよね』

母親『キミはマナちゃん! ユッカとヒーラちゃんの友達で…ソル君にとって大切な人…』

母親『魔王じゃないよ。マナという一人の女の子なんでしょ!』

魔女「……! …うん。私…帰る」

魔女「帰りたい…!! こんな暗い場所はもう嫌」

魔女「ユッカ達に会いたい!」


魔王『汝、其の魂我へ捧げよ。我と同化せよ』


魔女「…ッ…消えろ!!」


魔王『何―故―――』


私は絡みついてくる真っ黒な手をがむしゃらに引きちぎった。
手足を目一杯ばたつかせて、なんとか逃げ出そうと試みる。



 

718 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/19 21:45:00.69 vEfJliA/o 2485/3213



魔王『逃げられはせぬ。ここは我が魂の海牢』

魔王『汝、すでに闇に染まり、我と一体と成り――――』


母親『そんなことはさせない!』

母親『マナちゃんは渡さないんだから!』


魔王『不純物よ…闇に飲まれ消え失せよ』


母親『闇闇って…ここが世界の闇だっていうなら、私が晴らしてみせる』


魔王『何…?』


母親『すこしだけあなたの事を抑えるくらい…!!』


魔王『この…魂の光……』

魔王『ヴオ゙オ゙オォ。何も映さぬ…見えぬ…ッ』

魔王『汝、一体…何者…』


母親『私だって太陽の村でうまれたんだ!』

母親『勇者の…ママなんだから!!』


魔王『勇者……太陽の御遣いの…母…親…?』

魔王『オ゙オ、なんてことだ…我の中に…』

魔王『我の中に太陽の火がアア……ヴオオオ゙』

魔王『熱イィ…ヤメロ…。其の忌まわしき光ヲ…放…つ…ナ』

魔王『失…ウ…? 我が、器なる汝を……新たなる天地創造の神となる……我、ガ―――』


  

719 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/19 21:47:21.08 vEfJliA/o 2486/3213



魔女「ユイ…!」

母親『いまのうち! 行って! 生きなさい!』

魔女「ユイ! でもあなたを置いてなんて――」

母親『…ううん』

母親『私はもうとっくの昔に死者』

母親『これ以上は、未練がましいって、ソル君に笑われちゃうよ』

魔女「……ユイ」

母親『マナちゃん…』

母親『私の魂を救ってくれてありがとう』ぎゅ

母親『…ユッカの友達になってくれてありがとう』

母親『もう一度ソル君に会わせてくれてありがとう…』

母親『ユッカとソル君のこと、これからもよろしくね。キミはふたりより、しっかりしてるから』


魔女「ユイ…!」

母親『着いたよ。ね?』

母親『さぁ、いってらっしゃい…! 光に向かっておもいっきり手を伸ばして』

母親『太陽はほら、いつもあなたの目の前に――』


 ぐっ

ユイの柔らかい手が、もう一度わたしを押し上げる。
そして、わたしの意識は目覚めた。



   ・    ・    ・


 

720 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/19 21:49:51.02 vEfJliA/o 2487/3213





魔女「…! ユッカ!!」

魔女「ユッカ助けてっ!」

勇者「マナ!!」

傭兵「気がついたか! そうだっ、いいぞ手を伸ばせ!!」

魔女「いやだっ、魔王になりたくないっ」

魔女「魔王が…私をひっぱって…嫌ッ!!」

魔女「もう暗いのは嫌!!」

傭兵「あぁっ! させるものか。絶対にお前を見捨てない!!」

勇者「マナ! 手を!!」


ソルとユッカが私にむかって必死に手を伸ばす。

指先がかすかに触れ、そのまま絡めとるように、手をつなぎ、
私の世界は、また再び彼らとつながった。


傭兵「掴んだ!」

勇者「ひっぱる!」

勇者「マナ…帰っておいで!」

勇者「ボクの…家族なんだ!!」


 

721 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/19 21:53:09.30 vEfJliA/o 2488/3213



私を封印していた水晶が一気に崩壊をはじめた。
ドロドロとした黒い液体が大量に吹き出す。
それでもソルとユッカは私の手を離さなかった。

そして、私はドロドロした液体の中からようやくぬけ出すことが出来た。
同時にユッカとソルに強く抱きしめられる。


勇者「マナ…生きてる。生きてる…」

傭兵「…お前が無事で良かった」

勇者「マナ!! マナ!!」

魔女「ユッカ…痛い…」

勇者「魔王になってない…マナなんだね」ぎゅ

魔女(暖かい…やっぱりあなた達は太陽…)

魔女「…ねぇヒーラは」

勇者「大丈夫…ヒーラも無事だよ。地上でボクたちの帰りを待ってる!」

傭兵「おいなんだこの揺れ…咆哮波がくるのか…?」

魔女「…! こうしている場合じゃない」

魔女「私を失ったこの神獣は崩壊する。逃げなきゃ」

722 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/19 21:54:47.15 vEfJliA/o 2489/3213

 


魔王『オ゙オオオオオオオ!!』


直後、私がいた場所から闇が溢れだした。

神獣変化が解け、足元がボロボロとくずれさって支えを失い、
激しい揺れとともに私達は手をつないだまま宙へと放り出される。




僧侶「見てください…邪龍が」

サキュバス「滅びを迎えたというの…」

闇剣士「――」

核竜「――ギュル…?」

僧侶「光につつまれて消えていきます…! 勝った…倒したんですよ!!」

サキュバス「……!」

僧侶「ユッカ様たちは…? ユッカ様~~!」

723 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/19 21:57:09.49 vEfJliA/o 2490/3213




    ・   ・   ・



【上空】



勇者「あっ」

勇者「みて。邪龍が崩壊していく。浮島も落ちていくよ」

傭兵「あぁ…魔王の最期だ」

魔女「私という肉体がなければ何もできない、魂だけの死者」

魔女(ユイ…ありがとう)

魔女(あなたは魂だけになっても、最期まで強く輝いてあらがった…さすがはユッカのお母さんだね)

魔女(本当に…ありがとう…ユイ)

勇者「ようやく終わったんだ…よね?」

傭兵「三枚おろしには出来なかったが、マナを奪い返した俺たちの勝ちだ!」

傭兵「そうだよな?」

魔女「…うんっ」ぎゅ

勇者「あたりまえじゃん!」ぎゅっ

傭兵「…へへ」

724 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/19 21:59:12.09 vEfJliA/o 2491/3213



傭兵「見ろ…朝日だ」


邪龍の消失と共に、空を包んでいた闇と暗雲が散り、
白みはじめた空の向こうから朝日が顔を出していた。


魔女「太陽…」

傭兵「よく見ておけ。新しい世界の夜明けさ」

勇者「綺麗だねー」

魔女「私の太陽は…あなたたち」

魔女「ありがとう…ユッカ。ソル、ヒーラ」

傭兵「何言ってんだよ。助けるのは当たり前だろ」

勇者「ボク達仲間で家族なんだから! みんなでヒーラの元へ帰ろう!」

魔女「…うん」


傭兵「…でもよ、俺たちおもいっきり落ちてるけどどうする…。ユッカ、鳥だせ鳥召喚!」

勇者「…魔力…ありましぇん」

傭兵「……えっと、それはつまり…?」

勇者「………ぐすっ、どうしよおぉおぉぉ~~~――ぁぁぁ゙」

魔女「…いつも考え無し」

725 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/19 22:00:56.78 vEfJliA/o 2492/3213

 


僧侶「サキュさんあそこ! 落下してるのユッカ様達じゃありませんか!?」

サキュバス「…! あ、あぁ…ユッカ」

僧侶「マナちゃん…無事だったんですね」

僧侶「サキュさんやりましたよー! 私達の大勝利です!」ギュッ

サキュバス「……うん。ぐすっ」

僧侶「サキュさん?」

サキュバス「…ううん、なんでも」

サキュバス(よかったね…おチビ…。よかったねユッカ)

僧侶「ユッカ様どうして鳥さんを出さないのでしょう…落ちちゃいますよ」

サキュバス「ゲ。もしかして…魔力切れ? だったり」

僧侶「えっ、た、たいへんですっ!」

僧侶「サキュさんお願いします! 飛んで飛んで! キャッチしましょう」

サキュバス「全員を抱えるのは無理よ!! あんた1人ですらやっとなんだから!」

僧侶「ユッカ様ぁ…! ソル様…マナちゃん…」

闇剣士「――」

726 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/19 22:03:03.41 vEfJliA/o 2493/3213



勇者「だめだ。ちっとも魔力が練られないや」

魔女「私も。神獣とともに全部弾け飛んだみたい」

傭兵「…そうか」

傭兵「わりぃなヒーラちゃん。君のもとへ帰れそうにない」

勇者「でも、最後にマナを救えたよ」

勇者「ボクたちの世界を、魔王の恐怖から守ったんだ」

勇者「ボクはそれだけで、生きてきた意味があった」

魔女「…私も。最後にあなたたちに会えて…幸せ…ヒーラにも会いたかったけど」

勇者「ヒーラ…ごめん」


傭兵「…生きる意味」

傭兵「…駄目だ。まだ死ねるか」

傭兵「俺はまだ、務めを果たしていない」

勇者「……ソル」

 

727 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/19 22:05:52.63 vEfJliA/o 2494/3213



傭兵「お前たちをずっと幸せにする…生涯をかけて護り通すって誓ったんだ」


傭兵「ユッカ。搾りかすでもいい、残っている魔力を俺に与えてくれ」

勇者「…うん」

傭兵「マナもおいで」

魔女「…」コク


俺は2人の少女の頭を抱き寄せて、交互にくちづけを交わした。
魔力貸与でもらえた魔力はほんの僅かではあったが、2人の気持ちを存分に受け取った。
それだけで心臓にトクンと小さな火が灯ったような気がした。


傭兵(ユイさん、いまもマナの中にいるのか?)

傭兵(どこでもいい、いまも俺のことを見守っていてくれるのなら…)

傭兵(最後に、力を貸してください)

傭兵(母さん…俺が生まれて来た意味を、いま見つけたよ)



  『なんて名前にしようか』
  
  炎鳥『うーん…私、人間の名付けはよくわからなくて』

  『なら、生まれて来る子に将来どんな子になってほしい』
  
  炎鳥『そうですねぇ……太陽!』

  炎鳥『私たちの太陽!』

  『ハハ。そりゃ、大仰だな』

  炎鳥『良いではないですか。太陽の国で生まれたあなたと、不死鳥である私の子なんですから』

  炎鳥『この子は、例えどんな小さな火種からでも、再び太陽のように燃え上がることのできる子』
  
  炎鳥『何度でも何度でもたちあがる、強い子』

  炎鳥『私の力をその身に受け継ぐ……太陽の…ソル』


 

728 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/19 22:08:18.39 vEfJliA/o 2495/3213


体が芯から熱く燃え上がった。
灼熱が体中を駆け巡る。


傭兵「紅蓮鳥、出ろ!!」


炎の翼が、大空へと舞い上がった。



勇者「わぁああ! ソル…一体どうやったの!」

魔女「すごい…あんな少ない魔力で…」

傭兵「見よう見まねだが、なんとか…なったな」

魔女「魔法は、見よう見まねでは真似できない」

魔女「きっとあなたの想いが実を結んだ」

勇者「ボクに魔力をくれたときと同じだね…。えへへ」

勇者「キミはいつも、無茶なことをやり遂げてきたんだ。やっぱりソルはすごいね!」

傭兵「なによりお前たちがいてくれたからだよ…」なでなで

勇者「えへへ」

魔女「…ふふ」




僧侶「やったー! サキュさん! やりましたよー!!」ぎゅ

サキュバス「痛い痛い痛いってば! わかったから!」

僧侶「きゃーユッカ様ーソル様ーマナちゃーーん」ぶんぶん

サキュバス「でも、アレなんだか落ちてってない?」

僧侶「え…?」

729 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/19 22:13:20.52 vEfJliA/o 2496/3213



勇者「へたっぴ! ちがうちがうちがう!」

魔女「結局おちそう…」ぐらぐら

傭兵「な、なんでうまく飛べねーんだ。おい鳥! ちゃんと飛べぇ! おらぁ!」バシバシ

勇者「そんなんだからダメなんだよぉ! ソルキミ実は自分の魔力を信用してないでしょ!」

傭兵「うるせー半信半疑で悪いか! 俺はなぁ、ここ数年ずっと魔力無しで生きてきたんだよ」

傭兵「い、いきなり魔力でつくった鳥のコントロールなんてできるか! お前みたいな天才じゃねーの!」

勇者「う…それってボクが悪いみたいじゃん…バカバカバカ!」

傭兵「やべぇよ…あああ、心なしか背中が薄くなってきたぞ。しっかりしろよ鳥」なでなでなでなで

魔女「きえそう…」ぐらぐら

勇者「ソル自分を信じて! 君ならでき…あ゙ああああっ消えりゅ―――」


ぱしっ


闇剣士「何をしている」

核竜「ギュルルル」

傭兵「…! レヴァン」

闇剣士「無様だな。墜落死など笑えんぞ」

勇者「ぎゅるちゃん!」ぎゅっ

核竜「ギュルルル♥」ぺろぺろ

魔女「お兄様…」

闇剣士「…マナ」

傭兵「おい消えそうだ! そっち乗せてくれ!」

闇剣士「……成長の早いこいつに感謝するんだな。幼体なら定員オーバーだ」

闇剣士(それも…勇者の魔力を食らったおかげか…つくづく私とこいつは彼女らの運命に巻き込まれているらしい)

核竜「ギュルルル!」

730 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/19 22:15:49.11 vEfJliA/o 2497/3213




【魔族領・湖畔の平原】


ばさっ ばさっ


僧侶「こっちですよーー」

勇者「ヒーラ~~」

勇者「…ヒーラ!」

ぴょんっ

僧侶「ユッカ様ぁ~~」がばっ

僧侶「おかえりなさいませ」すりすり

勇者「えへへ…ヒーラぁ…」

僧侶「おかえりなさい…マナちゃん!」

魔女「ありがとうヒーラ」

僧侶「もっと喜んでいいんですよ~~♪」ツンツンツン

魔女「…ぅ、うん。嬉しい」

731 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/19 22:17:36.85 vEfJliA/o 2498/3213


僧侶「ソル様もおかえりなさい。お疲れ様でした」

傭兵「あぁただいま。ヒーラちゃんもな、よくやった」なでなで

僧侶「すぐにみんなの怪我の手当をいたします」

勇者「うん」

僧侶「……。ぐすっ、ああああん」

傭兵「ありゃ、お、おいヒーラちゃん…?」

勇者「あー泣いちゃった。ごめんね心配ばっかりさせちゃって」なでなで

魔女「ごめんなさい。ヒーラ、ただいま」

僧侶「良かった…みんな良かった…うわあああん」

傭兵「ヒーラちゃんが1人で飛び出したときは俺たちのほうがよっぽど心配したぞ…」

僧侶「ごめんなさぁぁあい、あああん、わあああん」

勇者「もうっ、ボクよりお姉さんのくせに泣き虫なんだから…ぐすっ」

魔女「またみんな一緒…ずっと一緒」

僧侶「うわあああああん」

732 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/19 22:21:11.04 vEfJliA/o 2499/3213





サキュバス「怪我平気?」

闇剣士「問題ない。いささか死にかけているだけだ」

サキュバス「だめじゃん…」

傭兵「よぉ」

サキュバス「あんたたち…やるじゃん。さすがあたしが見込んだだけあるわ」

傭兵「うるせぃっ。ヒーラちゃん助けてくれたんだってな。礼を言っておくぜ」

サキュバス「ま、あの子には色々まもってもらっちゃったしさ。それでチャラってことで」

闇剣士「ソル。貴様達には1つ借りが出来た」

傭兵「1つだけか? いくらでも思い浮かぶから一生かけて返しやがれ」

闇剣士「……ふ」

傭兵「お前たち、これからどうするんだ」

闇剣士「……彼方に霞む山脈を見よ。もはや山脈と呼べるのかはわからんがな」

傭兵「あーあ。ものの見事にぽっかり穴空いちまったなぁ」

傭兵「地上からみてはじめて威力のほどをおもいしらされるな」

733 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/19 22:25:08.09 vEfJliA/o 2500/3213



闇剣士「魔界と人間界を隔てる壁はなくなった」

傭兵「そうか…あれは番人の山脈…」

闇剣士「いまはまだ焼け跡として炎がくすぶっているだろうが、いずれ誰しもが自由に行き来ができるようになる」

闇剣士「そうなれば邪な者がこの地へ出入りを始めるだろう。逆もまたしかりだ」

傭兵「ちょうど境界線だしな……お互いに領土を求めて戦争になるのか?」

闇剣士「…わからん。だが私はあの荒れた野に、国を興そうと思う」

闇剣士「魔族と人間の血の流れる、半端者である私がだ」

傭兵「レヴァン…責任を感じているのか」

闇剣士「数多の贖罪をせねばならぬ。だがこの命ひとつ天に返しても、洗い流せる罪ではない」

闇剣士「ならば私は、新しい世界と秩序のための礎となろう」

闇剣士「この澄み切った空のように、世界は今ひとつながりとなったのだ」

サキュバス「国かぁ…じゃああたしって女王様!?」

サキュバス「ねぇねぇ、サキュランドってどう?」

闇剣士「名前はすでに考えた」

サキュバス「一応聞いてあげる」

闇剣士「果てしない空に境界はない…私のつくる国もしかり、あらゆる種族の垣根を越えて平穏に暮らせる国となることを願う」

闇剣士「ゆえに…ソラの国だ」

サキュバス「却下!」

734 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/19 22:27:54.02 vEfJliA/o 2501/3213


傭兵「…そうか。まだお前の戦いは終わってないんだな」

闇剣士「心配無用。誰よりも強くたくましく、私たちは生き延びてみせる」

傭兵「もう、魔王の野郎の支配からは脱却したんだな」

闇剣士「我が主の魂は、輝きと共に雲散霧消し、私の魂もまた戒めの楔から解き放たれた」

闇剣士「ソル。最後のあの光は、勇者の放ったものか?」

傭兵「……さぁな」

傭兵「お前の妹が、魔王なんかよりずっと強かった。ってことさ」

闇剣士「……ふ」


トコトコ

魔女「…お兄様。私…」

闇剣士「何も言うな。お前は自由だ」

闇剣士「勇者たちと末永く幸せにな」

魔女「…うん。ありがとう」

魔女「お兄様の声…届いたよ。お兄様も、私を照らしてくれた光の一人」

闇剣士「…」

魔女「あの日から、ううん私が生まれた時から…ずっと私のことを…想い続けて、護ってくれて」

魔女「だから…ありがとう。お兄様」

闇剣士「……ッ。ソル、マナを任せる」

闇剣士「散々たぶらかした責任はとってもらうぞ」ガシッ

傭兵「…あぁ! 任せろ!」ガシッ

735 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/19 22:28:32.96 vEfJliA/o 2502/3213



勇者「サキュ…」

サキュバス「なによそのへの字眉。そんなにあたしとおわかれるするのが寂しいの?」

勇者「うん…」

サキュバス「あんた…いい勇者になったわね」

勇者「ありがとうサキュ…昔、ソルのこと助けてくれたんだよね」

傭兵「こいつが…?」

サキュバス「…えー、そんなことあったけぇ?」

勇者「ボク、忘れてたこと全部思い出したよ。だから今までいろいろひどいこと言ってごめん」

サキュバス「んふふ~、なんだか素直になられるとこっちが恥ずかしくなっちゃう」つんつん

サキュバス「せっかく助かった命なんだから、いっぱいセッ○スしていっぱい子供産みなさいね」

勇者「うん……がんばるよ…うん?」

傭兵「…」

737 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/19 22:31:03.45 vEfJliA/o 2503/3213


勇者「あのねぇ…ボクもうエッチな体じゃないんだからね!」

傭兵「その通り!」

勇者「キミの呪い…火山で覚醒した時に解けちゃってるもん!」

傭兵「言ってやれ言ってやれ」

サキュバス「あ、やっぱり!? どうりでねぇ」パチンッ パチンッ

勇者「きかないもーん。くふふ」

サキュバス「なーんだ残念。せっかくエロエロ子作りさせて子供増やしてあげようと思ったのに」

勇者「……」ジトー

傭兵「余計なお世話だ! 俺の身にもなってみろ」

サキュバス「んーー……オスの本能的に超うれしい?」

傭兵「…ぐ、殴りてぇ…。が、ヒーラちゃんの命の恩人だから見逃してやる」

僧侶「…こほん。サキュさん、あなたって人はこんな時でも空気を読めないんですか」

サキュバス「ま、いいわ。あたしはあたしで子孫繁栄頑張ることに決めたから」

僧侶「マナちゃんのお兄様を支えてあげてください」

魔女「お兄様をよろしく」

サキュバス「うん。男の手綱をひくのはおまかせあれ」

勇者「いつか…またみんなで会いに来るよ」

738 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/19 22:33:17.68 vEfJliA/o 2504/3213



サキュバス「ユッカ、ヒーラ、マナ。最後にすこしだけいい?」

勇者「?」

サキュバス「こっちいらっしゃい」ぎゅ

勇者「んぅ? きゃふっ、なに? くすぐったいよ、えへへ」ぎゅー

僧侶「サキュさん…助けてくれた恩義、忘れません」ぎゅ

魔女「サキュ…ありがとう。これからは私のお義姉ちゃん」ぎゅ

サキュバス「うふふ。あたしから頑張ったあんたたちに感謝の気持ち」

サキュバス「ささやかなお礼を受け取ってね」

サキュバス「えいっ」ぽわ~ん


▼勇者は呪われてしまった。

▼僧侶は呪われてしまった。

▼魔女は呪われてしまった。


勇者「……へ?」

僧侶「は…?」

魔女「……」

サキュバス「あはははっ、ひっかかったぁ」

サキュバス「じゃあね! 楽しく励みなさいよ~」

パチンッ パチンッ パチンッ♪

勇者「ひぐっ…!?♥」ビク

僧侶「ひゃうっ!? ちょっとサキュさん~~~っ、んぅッ♥」ゾゾッ

魔女「んっ…♥ あっ♥」ゾクゾク


 

739 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/19 22:36:14.93 vEfJliA/o 2505/3213

 
 


闇剣士「…なにをしてきた」

サキュバス「ぎゅるちゃん出して出して! 逃げるわよ!」

核竜「ギュルルル?」

闇剣士「…別れは済んだのだな」

サキュバス「うん♪ とっておきのプレゼントしてきちゃった♪」

勇者「ま、まて~~!!」

核竜「ギュルル! ギュルル!」

勇者「あっ! ば、ばいばい…ぎゅるちゃ…っあっ、あっ♥」

核竜「…ギュルル」ペロペロ

勇者「ひゃめっぺろぺろしないで、あひゅっ♥ くすぐっらくれ♥」

サキュバス「くふふふ。やっぱあんたはあんあん言ってるのがお似合いのへっぽこ勇者ね」


闇剣士(ソル。貴様との決着はいずれつけよう…)

闇剣士(マナ。幸せにな)

闇剣士「さらばだ、太陽の戦士たち…!」

サキュバス「じゃあね~、ばいば~~い!!」

勇者「こら~~ッ!! 解いてけ~!!」


ばさっ ばさっ


傭兵「あ、あの女…!!」

勇者「はぁ…ハァ、ソルぅ…♥」

傭兵「げッ…」

740 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/19 22:38:27.46 vEfJliA/o 2506/3213


僧侶「ソル様…たすけてください…♥ おまたと胸が熱くて…♥」ドキドキ

魔女「…はぁ♥ う…んっ…♥ 我慢できない」

勇者「ハァ…はぁ♥」

傭兵「…ひッ!」よろっ


傭兵「俺、怪我人だし…疲れてるし…」

傭兵「お前たちも戦いで疲れてるだろ…?」

勇者「うん。けどエッチしたらそんなの吹っ飛んじゃうよ♥」ガシッ

傭兵「んなわけあるか!! ぐお、なんて馬鹿力…まだこんなに余ってんのか」

僧侶「ソル様♥ どうか私達の火照りをしずめてください…」

魔女「ずっと我慢していたから…もう限界…♥ 一度すっきりしたい」

傭兵(母さんユイさん、俺は遅かれ早かれ干からびて息絶えます)


勇者「みんな、逃がしちゃだめだよ! ソル~~~♥」がばっ

僧侶「ソル様!♥」ぴょんっ

魔女「逃げちゃだめソル♥」ぐいっ

傭兵「3対1なんて卑怯だぞ!」


傭兵「あ゙あああああああっやめてぇええ!!」


びゅくっ

741 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/19 22:40:31.71 vEfJliA/o 2507/3213

 

  
   ・   ・   ・



【魔族領・上空】



核竜「ギュルルル…?」

闇剣士「どうした。なにか見つけたのか」

核竜「ギュルルル……」ツンツン

 ふよふよ

サキュバス「…あら、これって」

闇剣士「さまよう魂か…おそらく魔王に取り込まれた者の1つだろう」

闇剣士「四散した時に解放されたのか…?」

闇剣士「む。この感じ…どうやら魔族ではないな…」

核竜「ギュルルル♪」ペロペロ

闇剣士「誰ともわからぬ魂をなぜ気に入るのだ…」

サキュバス「…むふふ、あたしこの子つれていこーっと」

闇剣士「何…」

サキュバス「いいじゃない。きっと役に立つ日がくるわよ」

闇剣士「…? 好きにしろ」

 ふよふよ…

核竜「ギュルル♪」ばさっ ばさっ




最終話<太陽>おわり
 

 
  

744 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/19 22:42:45.19 vEfJliA/o 2508/3213

更新終わり
本編おわりです長い間ありがとうございました

754 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/19 23:32:13.69 vEfJliA/o 2509/3213

次の投下日の告知は連休中にします 
連休は更新休みますスマソ
後日譚全5話+番外編1~2話分ほどを予定



《次話》
後日譚第1話<故郷へ>


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