《1つ前》
第32話<目醒め>

《最初から》

第1話<呪い>

《全話リンク》
少女勇者「エッチな事をしないとレベルがあがらない呪い…?」


304 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/04 22:06:45.30 edDxu6kxo 2298/3213



33話<求道者達>



【古びた屋敷】



女剣士「そっか…もう行くんだね」

傭兵「あぁ、グリモワ王に地図をもらった」

傭兵「俺たちはこれから聖なる火山とやらに向かう」

女剣士「なにかあるの?」

僧侶「伝説の火の鳥さんがいらっしゃるそうです」

女剣士「そう…鳥さんが……鳥?」

勇者「ひとが乗れるくらいおっきい鳥だよ!」

傭兵「眉唾ものだが、魔族領に乗り込むためには今はそれにすがるしかねぇ」

傭兵「それくらい俺たちの戦力は不足している」

僧侶「マナちゃん1人でかなりの戦力を占めていましたからね…」

女剣士「あたしがついていけたら…。って戦力にはならないか」

傭兵いいんだ。お前にはお前の暮らしがある」

傭兵「じいさんの世話だってしなきゃいけないだろ」

女剣士「うん……ごめん」

305 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/04 22:11:37.60 edDxu6kxo 2299/3213


傭兵「なにからなにまでずいぶん世話になった」

勇者「お世話になりました」

僧侶「サマンサさん、ありがとうございました」

女剣士「あたしこそありがと。みんなと過ごした時間は短ったけど、楽しかったよ」


傭兵「でもよ、なんで俺たちの協力者だったんだ…」

女剣士「ボケる前のおじいちゃんが言ってたの」

女剣士「いずれ世界に暗黒が満ちようとも、炎の意思を受け継ぐ者が現れ闇を晴らす…ってね」

女剣士「あたしは全然なんのことかわかんなくてさ」

女剣士「最初あなたたちに近づいたのは、見覚えのあったこの紋章の意味がしりたかっただけなんだ」つんつん

勇者「…太陽?」 

女剣士「箱を渡しておしまいのはずだったんだけど、あなたたちいい人だからつい入れ込んじゃったよ」

女剣士「晴れるといいね。みんなが笑顔でいられる世界を、頼んだよ」

306 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/04 22:15:36.37 edDxu6kxo 2300/3213


老人「これ待たんかグレン!」ビシッ

傭兵「げっ、じいさん。見送りにきてくれたのか?」

老人「また修行をほっぽり出してしばらく女のとこへ行く気か! そうだろう!」

傭兵「だから俺はグレンじゃねぇってば…」

老人「なにを言っておる…ふがふが」

老人「貴様指輪はどうした! 今日はつけとらんのか!!」

老人「女のところに遊びにいく証拠じゃな!」

傭兵「指輪?」

勇者「ボクがつけちゃってるこれだよ。箱に入ってたでしょ」

傭兵「あぁそれか」

老人「なんじゃ…年端もいかぬ小娘に与えたのか、気の多いやつじゃの」

傭兵「いやいや…俺の私物じゃねーし」

老人「将来破滅してもしらんぞ! いい年をしていい加減腰を落ち着けようともおもわんのか!」

307 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/04 22:19:34.94 edDxu6kxo 2301/3213


僧侶「プレゼント用に買ったものでしょうか?」

僧侶「それとも本当に太陽の国の国宝だったりして…」

勇者「ごめんなさい。おじいさんに返したほうがいいのかな、グレンって人の師匠なんだし」

傭兵「もらっとけ。あの箱をあけられたってことは、俺たちにゆかりのある物には違いねぇんだ」

女剣士「そうだよ」

傭兵「それに女性用サイズじゃないんだろ。女へのプレゼントでもないさ」

勇者「たしかに緩いよ」スポスポ

女剣士「ほら、そろそろ行きな。時間は待ってくれないよ」

勇者「…うん」

勇者「本当にありがとうサマンサさん」

女剣士「絶対…マナのこと取り返すんだよ。いいね?」

勇者「うん。またみんなで泊まりに来る」

女剣士「その時は街をゆっくり案内してあげるよ。楽しみにしてる」

女剣士「だからさようならは言わないよ」

女剣士「またね…道中気をつけて」なでなで

309 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/04 22:25:29.87 edDxu6kxo 2302/3213



【魔族領・闇の神殿】


闇武将「首尾はどうだ」

蟲魔人「魔界蟲に手紙を持たせて魔族領全域にさしむけました」

蟲魔人「魔王復活に向けて、各地の有力な豪族達がこの島へと向かってくることでしょう」

闇剣士「それでいい」

魔女「島…」

闇剣士「ここへ来た時に見ただろう」

魔女「霧が濃くてわからなかった」

闇剣士「この闇の神殿は巨大な湖の真ん中にある浮き島の上に建っている」

闇剣士「陸路では到達できん」

サキュバス「辺鄙な場所につくったわよねぇ」

闇剣士「これもあらゆる対策のためだ」

310 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/04 22:29:49.30 edDxu6kxo 2303/3213


闇剣士「サキュ。私はオーグとしばらく儀式に向けた打ち合わせがある。マナを案内してやってくれ」

サキュバス「はぁーい」

サキュバス「ほらおチビ行くよ」

魔女「…」コク



闇武将「おおい、レヴァンてめぇよぉ。オレたちの堕天使サキュちゃんと一体どういう関係だァ?」

闇武将「一緒に戻ってきたことといい、ずいぶんと仲がよさそうじゃねぇかぁ」

闇剣士「なんでもない」

闇武将「ならいいがよ」

闇剣士「利害一致の上、ただの夫婦関係にしか過ぎない」

闇武将「ブヒュッ」

蟲魔人(汚ェ…)

闇武将「てめぇいまなんていった!!」

闇剣士「めおと、だ。子を宿してもらわねばならんのでな」

闇武将(こいつぁ~、いつにも増してカチンと来たぜ)

311 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/04 22:34:55.81 edDxu6kxo 2304/3213


闇武将「チッ、すました顔して、てめぇも跡取り作りに必死だってだけだ」

闇剣士「貴様こそどうなっている」

闇武将「オレははらませるならもっと色を知らねぇ無垢なメスがいい」

闇武将「背はこれくらいで、髪の毛はさらさらでよぉ。魔力が強いとなおさら良いぜ」

闇武将「俺様のイチモツをぶちこんだら、真っ赤な血を流しながら泣きわめくんだ」

闇武将「そんで抵抗する中に思いっきりぶちまけてやる。即ボテ腹よ」

闇剣士「何を言っているかわからんな」

蟲魔人「ククク、私はデスネェ、まずは淫蟲を体中に這わせて媚薬漬けとし」

闇武将「てめぇの気持ちわりぃ話は聞いてねぇよ」メキョ

蟲魔人「……」

闇武将「おっと、打ち合わせをするんだったな」

闇剣士「あぁ」

312 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/04 22:39:54.41 edDxu6kxo 2305/3213



  ・   ・   ・



サキュバス「はぁいここが大食堂~、四季折々の素敵な魔界食が食べられるわよ」

サキュバス「あー、でも人間界育ちのおチビの口に合うかどうかは微妙ね」

魔女「……」


サキュバス「それでぇ、こっちが大浴場♪ 時間帯でオスメスを一応分けてあるから」

サキュバス「あとで一緒に入りましょ?」

魔女「……」


サキュバス「ここはおチビの部屋! レヴァンったら心配症で、寝る時は同室がいいなんて過保護よねぇ」

サキュバス「あたしってものがありながらさぁ。妹を選ぶなんてひどくない?」

魔女「昨日きた。もういい」

サキュバス(このガキ! 案内しがいがないじゃない!!)

313 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/04 22:43:42.86 edDxu6kxo 2306/3213


サキュバス「つーかあんた全然おぼえてないのね」

魔女「…」

サキュバス「えっとぉ…何年前だっけ」

サキュバス「そっかぁ、まだ7~8のガキんちょだったか」

サキュバス「ま、向こうじゃいろいろあったからねぇ」



サキュバス「そしてここが、闇の石を祀ってある祭壇よ」

サキュバス「っと…あんたは近づいちゃダメだからね」

魔女「…」コク

魔女「あんまり近づきたくない。はやく行こ」

サキュバス「えぇ。じゃあ次は…屋上の天空広場にいきましょ」

魔女「屋上?」

サキュバス「そこに生えてる、ながーーい塔の天辺よ」

314 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/04 22:47:50.83 edDxu6kxo 2307/3213


魔女「こんなの登りたくない。拒否」

サキュバス「……ふふふ」

サキュバス「まぁついてきなさいって」

魔女「いや。もう歩くの無理」

サキュバス「いいからいいから!」


【天空塔前】

魔女「階段いっぱいついてる、吐きそう」

サキュバス「ッて思うじゃん? けどねー、この大きな扉をあけたらすぐなのよ」

魔女「?」

サキュバス「じゃーん、なんと中は魔動式の自動昇降機になってまーす」

サキュバス「これに乗って、ボタン一つでらくらく頂上まで上がれるわ」ポチッ

315 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/04 22:51:01.99 edDxu6kxo 2308/3213


サキュバス「……あれ?」ポチッポチッ

サキュバス「あによこれ! 壊れてるの!?」ガンガン!

下っ端魔物「あぁお止めください。それいま止まってるんですよ…」

サキュバス「はぁ?」

下っ端魔物「実は、闇の石の活動が活発化してからというもの」

下っ端魔物「神殿内に備え付けた魔道式器具への魔力供給がうまくいってないのです」

サキュバス「なによそれ、なんとかしなさいよ」

サキュバス「最高の見晴らしが見られないじゃないの!」

下っ端魔物「といわれましても…魔動昇降機を動かすために必要な魔力が足りないので」

サキュバス「はぁーつっかえないわねぇ…」

魔女「…これ、動くの?」

サキュバス「動かないっていってんの」

魔女「…」ジッ

316 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/04 22:54:37.84 edDxu6kxo 2309/3213


魔女「魔力…注いでみる」

サキュバス「はっ? ちょっと、ダメよ!」

サキュバス「あんたの魔力浪費させたらレヴァンに怒られちゃうじゃない」

魔女「……」ズズッ

ウォォーーン…ゴゴゴ!

下っ端魔物「おおおっ! なんとすばらしい…こんな短時間で稼働するとは!!」

下っ端魔物「これで私も仕事ができます! ありがとうございます小さなお方」

サキュバス「あちゃー…」

魔女「動いた。早速乗ってみたい」

サキュバス「あんたそういうの好きよね」

魔女「…」コク

サキュバス「…はぁ仕方ないか。じゃ、行きましょ」

下っ端魔物「上へご案内~」

317 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/04 22:59:50.97 edDxu6kxo 2310/3213




   ・   ・   ・



サキュバス「どう? まるで空に立ってるみたいでしょ」

魔女「…」

サキュバス「この塔は見張り塔も兼ねてるのよ」

サキュバス「それと、この屋上広場は式典にもつかわれるわ」

サキュバス「きっと魔王が復活したらここにみんなあつまって祝賀会するんでしょうね」

サキュバス(その時…あんたはどうなってるかわからないけどね…)

サキュバス(あんた…ほんとにこのままでいいの?)

サキュバス(うまれもった運命に身体を支配されるって、どんな気持ちなの…)

魔女「…空が、近い」

サキュバス「もうすぐ満月ねーー」

魔女「…満月。満月」

318 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/04 23:05:33.38 edDxu6kxo 2311/3213



闇剣士「満月の夜だ。魔力の高まるその夜が、最も魂が癒着しやすいと考える」

闇武将「いいぜ」

闇剣士「では魔王様復活の儀は、満月の夜に執り行う」

闇剣士「豪族共の集結を急がせろ」

闇剣士「我々魔族にとっての、始まりの日だ」

蟲魔人「御意」

闇武将(ククッ…てめぇはその日までにゃ死んでるがなぁ…クハハハッ)

闇武将(せいぜい残り数日の命を満喫しろや)



  ・   ・   ・



【闇の魔剣士の部屋】


サキュバス「あーいたいた」

サキュバス「もう先に戻ってたんだ。探しちゃったわよ」

闇剣士「……」

サキュバス「なによー、妻になる女の帰りに振り返ってもくれないわけ?」

321 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/04 23:10:27.41 edDxu6kxo 2312/3213



サキュバス「なにを真剣に…おぅい」

サキュバス(まさか壁に向かってシコシコしてたりしないわよね?)ゴクリ

サキュバス(やば…激レアシーン見れちゃうかも!?)

サキュバス「いい…声たてちゃダメよ」そろー

魔女「…」コク


サキュバス「ダ~リン?」ピョコッ

サキュバス「って…絵かいてただけね。あんたも趣味あったのね」

闇剣士「……サキュか。マナの案内は済んだか」

サキュバス「うん」

魔女「いろいろあった。それなに」

闇剣士「…む。これは下手な物を見せたな」

サキュバス「絵なんて書くんだー……ん? なにこれ…人物…画よね?」

サキュバス「赤毛のゴリラ?」

闇剣士「貴様…!」ガタッ

325 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/04 23:15:11.80 edDxu6kxo 2313/3213


サキュバス「だ、だってぇ」

魔女「…」ジー

闇剣士「他人に見せるようなものではない。片付けよう」

サキュバス「ちょ、ちょいちょい! ゴリラじゃなきゃ何の絵なのよ!」

闇剣士「……この世で最も美しい存在だ」

サキュバス「…はぁ…???」

魔女(…ソル)ぺたっ

闇剣士「まだ乾いていない。さわらないほうがいいぞ」

サキュバス「あーあ、赤い絵の具ついちゃったじゃん」

魔女「……」

魔女(私の血に染まった手じゃ…もうあなたに触れることはできない)

魔女(どうして、私はここにいるの…)

326 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/04 23:20:20.16 edDxu6kxo 2314/3213


魔女(お願い、だれかおしえて…私は誰。どこへむかって、どうなるの)

魔女(ごめんなさい…みんな)


闇剣士「まだ、心身への負担が大きいようだな」

サキュバス「そりゃ人間として育てられてきたものをさ、いきなり本能を呼び起こされたらこうもなるわよ」

サキュバス「ほらおチビ、お風呂いってすっきりしましょ。溜まってんのよ色々」

魔女「……」

闇剣士「すまない…こういう時私はどうしたらいいのかわからない…」

闇剣士「貴様がいてくれて助かる」

サキュバス「…ま、最後まで付き合うわよ」

サキュバス「じゃあ、今晩がんばりましょうねダーリン?」

闇剣士「…私は休憩の後、再び政務がある。近頃出撃ばかりだったのでな」

サキュバス「なんてツレない男!」

327 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/04 23:27:23.95 edDxu6kxo 2315/3213


魔女「…」

闇剣士「マナ、グリモワでのことを悔やむ必要はない」

闇剣士「奴らは必ず障害となる。お前は間違ったことはしていない」

魔女「……うん。お風呂いく…」とぼとぼ


闇剣士(人間と魔族の間で揺れているのか…)

闇剣士(しかし、お前は私などとは違い、完璧なる器としてこの世に生を受けた)

闇剣士(マナという人格がもし魔王様復活の邪魔をするならば…私は…)

闇剣士「…我ながら外道だな。人間の血が流れているとは思えん」

闇剣士「だがどんな犠牲を払ってでも、1000年に渡る一族の悲願…果たさせてもらう」

闇剣士「ソル…止めてみるなら止めてみろ!」

闇剣士「私は想いを全て断ち切り、覇道を往く!」

▼闇の魔剣士は女の描かれたキャンバスを真っ二つに切り払った。


闇剣士(さようならだ…ソラさん)



第33話<求道者達>つづく


  

348 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/06 21:46:51.76 clfEDi18o 2316/3213



第33話<求道者達>つづき



<山間の道>

【荷馬車】


傭兵「今日はこの辺りでキャンプだ」

勇者「もう少し進めるよ!」

傭兵「駄目だ。暗くなってからは危険だ」

勇者「……」

傭兵「気持ちはわかるが、焦ってどうする」

傭兵「今日は休め」

僧侶「ユッカ様、そうしましょ? スレイプニルちゃんにも休憩は必要ですよ」

「ヒヒン…」

勇者「…うん。お風呂沸かしてくる」

349 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/06 21:53:31.45 clfEDi18o 2317/3213


僧侶「ユッカ様、王様やサマンサさんの前では気丈に振舞っていましたが、やはり落ち込んでいますね…」

傭兵「あいつが焦るのも無理はない」

僧侶「こういう時に私達が支えてあげなきゃいけませんね…」

僧侶「マナちゃん…いまごろ寂しがってないでしょうか」

僧侶「ちゃんとご飯食べてるでしょうか…」

僧侶「ずっと私達と離れ離れになって、ようやく取り戻せると思ったら…あんなことになってしまって」

僧侶「…マナちゃん、ぐすっ、どうして…どうして行っちゃったんですか」

傭兵「ヒーラちゃん」

僧侶「…はい?」

傭兵「君もゆっくりやすめ。ヒーラちゃんだって、俺にとっては支えてやる対象だ」

僧侶「ありがとうございます…」キュッ

350 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/06 21:57:33.26 clfEDi18o 2318/3213


傭兵「マナは大丈夫だ。少なくとも丁重な扱いはされているはず」

僧侶「そうでしょうね…」

僧侶「でも、魔王の器…でしたよね…。もし、すでにそうなってしまっていたら」

傭兵「それもまだ大丈夫だよ」

僧侶「どうしてわかるんですか」

傭兵「…月が、欠けているからだ」


ゆるやかに暮れていく空を眺めると、霧と薄い雲の向こうにぼうっとした月が昇っていた。


傭兵「満月まであと4日ある」

僧侶「…やっぱりなにか起きるとしたら満月の夜でしょうか」

傭兵「俺がレヴァンの立場なら、魔力の高まる満月の夜を選ぶ」

傭兵(4日以内になんとか炎の鳥を見つけないとな)

351 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/06 22:02:17.67 clfEDi18o 2319/3213




  ・   ・   ・



ちゃぷん…


勇者「ん…あつっ、あちちっ」

勇者「あれっ、熱く炊きすぎちゃった!?」

勇者「ふーふー…ってこんなことしてもダメか。なにやってるんだろ…」

勇者「マナはそつなくお風呂炊いてたんだなぁ…」

勇者「ボクはマナに比べたら炎の魔法がへたっぴだ…」

勇者「…えいっ、我慢!」じゃぷん

勇者「~~~~っ! あつつっ、がまんがまん」

勇者「はぁーー……」

勇者「マナお風呂入ってるかなぁ…」

勇者「うっ、うぅ…泣いちゃダメ。ボクは勇者なんだ」


傭兵「よぉ」

勇者「うあっ! そ、ソル!?」

352 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/06 22:05:28.03 clfEDi18o 2320/3213


傭兵「たまには一緒に入ろうぜ」

勇者「狭いよ」

傭兵「良いだろ。狭いほうが」

勇者「…えっち。なにしに来たの」

傭兵「…お前が心配で。泣いてるんじゃないかって」

勇者「な、泣いてないもん」

傭兵「いいから入らせてくれ、寒い」

勇者「う、うん」


じゃぷ

傭兵「おーー、もうちょい詰めろ」

勇者「ええっ、くっつきすぎ…ヒーラと入るのでも狭いのに」

傭兵「ヒーラちゃんは出っ張ってるからなぁ」

傭兵「見ろ。すっげぇお湯こぼれてく」

353 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/06 22:11:44.65 clfEDi18o 2321/3213


傭兵「熱くねーか?」

勇者「うん…ちょっと火炊きすぎた…」

傭兵「ヒーラちゃんを呼んで水を足せばよかったのに」

勇者「そっか!」

傭兵「すこし抱いていいか」

勇者「え…あぐっ、ひゃっ、何?」

傭兵「肌すべすべだなお前。尻がとくに」

勇者「なんなのー。ほんとにエッチな事しにきたの?」

傭兵「こうしてればすこしでもお前の気が紛れると思ってな」

傭兵「あんまり思いつめてると、いざって時に最高のパフォーマンスが発揮できないぞ」

勇者「そんなんじゃないもん」ぷいっ

傭兵「ほらこっち向け」

勇者「んっ…♥ ちゅぅ…んぅ、ううっ」

354 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/06 22:16:34.84 clfEDi18o 2322/3213


勇者「馬鹿…こんなときに」

傭兵「こんなときだからこそ少しでも強くなっておかなきゃいけないって約束しただろ」

勇者「そうだけど…こんな、外のお風呂で…むっ、ちゅっ…むぅ~~っ」

勇者「ぷはっ…チューされるとアソコうずうずしちゃうってばぁ」

傭兵「触ってやろうか」

勇者「やだっ、このあとヒーラがこのお湯使うんだからね!」

傭兵(ヒーラちゃんならむしろ喜びそうだ)

傭兵「ならたまには自分でしてみるか。ちゃんとすっきりするまで出るの禁止な」ガシッ

傭兵「ほらのぼせるぞ早くしろ」

勇者「えっ…」

勇者「もうっ、すけべ変態エッチ! 自分がむらむらしてたから来ただけでしょ」

傭兵「はぁ~? ならお前が風呂入ってるあいだにヒーラちゃんとしっぽり」

ガブッ

傭兵「あ゙っコラ、狩猟犬かお前は」

355 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/06 22:21:44.52 clfEDi18o 2323/3213


傭兵「とりあえず1回すっきりしてあたまを切り替えろ」

傭兵「な?」

勇者「…ぅうゔ。わかったよぉ、オ○ニーしたらいいんでしょ」

傭兵「そうそう」なでなで

勇者「んっ…」

狭いドラム缶風呂の中でユッカはおそるおそる自慰を始めた。
ユッカが腕を動かすたびに水面が揺らぐ。

素肌を密着させた状態なので手の動きや恥部を見ることはできなかったので
俺はだんだんと耳まで真っ赤に染まっていく少女の顔をじっと眺めつづけた。

勇者「んっ…んぅ」

傭兵「いまどこさわってる」

勇者「おま○こっ」

傭兵「の、どこらへん? 教えて」

勇者「クリ。クリトリス…指ですりすりしてる…っんっ♥」

356 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/06 22:26:46.29 clfEDi18o 2324/3213


傭兵「クリトリスきもちいいのか?」

勇者「うんっ、中がうずうずしてるんだけど、中に指いれると一緒にお湯もいっぱい入っちゃうから」

勇者「お湯入ると、ひりひりっていうか…ぬるぬるが剥がれちゃうみたいな感じがして」

勇者「だからクリ触ってる…んっ、んぅ…あっ♥」

勇者「クリ…きもちいいっ、ボク…クリ触るだけでイッちゃいそ…♥」

ちゃぷちゃぷ…ちゃぷちゃぷ…


ユッカは蕩けた顔で一心不乱に恥部をこすり続けた。
だらしなく唾液が垂れ、お湯に溶ける。
きっち膣からの分泌液もすでにたくさん混じっているだろう。


傭兵「お前…どういう気持ちでいまオ○ニーしてるんだ」

勇者「えっ…う、うーん…? ソルの腕が太くて…ぎゅってされると嬉しいなぁとか」

勇者「ソルにこのあともっとエッチなことされるのかなぁ…とか♥」

357 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/06 22:31:01.19 clfEDi18o 2325/3213


傭兵「なるほど。ユッカのおかずは俺に犯される妄想か」

勇者「そ、そういうわけじゃな…くはないけど」

勇者「誰だって抱っこされると嬉しいもん」

傭兵「手止まってるぞ」

勇者「う、うん…」

ちゃぷちゃぷ…

勇者「はぁっ、はっ♥ クリが…かたくて、きゅうってしてて」

勇者「ボクのクリえっちだよぉ、なんでこんなに触るだけできもちいいの」

傭兵「そんなにいいのか。これからはもっと触ってやるからな」

勇者「触って♥ いま触ってぇ♥」

勇者「ああっ、あんっ、だめだめっ、イッちゃう…クリでイッちゃう♥」

勇者「イッていい? イッていいよね!?♥」

傭兵「いいぞ」

358 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/06 22:35:51.15 clfEDi18o 2326/3213



勇者「ああっ! あああっ~~~っ♥♥」

▼勇者は138の経験値を手に入れた。

勇者「イっれ…♥ んむぅ!?」

背筋をピンと伸ばし絶頂に達するユッカの口を強引に塞いだ。
逃げようとする舌を追いかけて、小さな口内を陵辱すると、ユッカは諦めて舌をさしだしてからめてくる。

そのまましばらくお互いの唾液を交換するほどの深いキスを俺たちは続けた。


傭兵「あーユッカの味がする…」

傭兵(できることなら一生舐めていたいな)

勇者「ねー挿れて…♥」

勇者「ソルのここカチカチだよ? ボクのクリよりきっとカチカチ」

傭兵「あぁ、そうだな。けどここじゃ出来ない」

傭兵「肌が縁に触れると熱いからな」

勇者「じゃあ早く頭洗って戻ろ!」

359 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/06 22:40:13.43 clfEDi18o 2327/3213



僧侶「あら、意外と早かったですね。もっとお風呂で楽しんで来るかと」

傭兵「熱かったからな」

勇者「…ほかほかー」

傭兵「ヒーラちゃん入ってきて」

僧侶「はい」

僧侶「あの…戻るときは声かけたほうがいいですか?」

僧侶「もしかしたらお邪魔しちゃうかもしれないので…」

傭兵「え? あー、いや…」

勇者「ヒーラは身体拭いて裸のままもどってきたら? なんちゃって」

僧侶「ではそうさせてもらいます…なんちゃって」

傭兵(2人ともどこまで本気なんだか)

傭兵(マナなら真に受けて本当に裸で乱入してくるんだろうな)

360 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/06 22:46:38.21 clfEDi18o 2328/3213



   ・   ・   ・


僧侶「ユッカ様とソル様が同時に入ったお風呂…」

僧侶「色々まじってたりして…いえ絶対そうですよね!?」ゴクリ

僧侶「…」ジー

僧侶「白いのは浮いて無い…ですね」

僧侶「だけどいつもソル様は最後なので…ちょっとレア気分♪」

僧侶「…♪」

ちゃぷ

僧侶「あ……」

僧侶(お湯少ない……)くしゅん


< ああっ、イグっ、ああああ♥

< もっと突いてぇ♥ ボクのおま○こずんずんしてぇ♥


僧侶「……っ♥」

僧侶「ユッカ様元気になってよかった」

僧侶「…」キョロキョロ

僧侶「って誰もいませんよね……んっ、んぅ♥」

ちゃぷちゃぷ


 

361 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/06 22:52:32.04 clfEDi18o 2329/3213


僧侶「これ…お湯最後の人の特権…ですっ♥」


< イグッあああっ♥ あああっ♥


僧侶「ユッカ様の…エッチなお声を盗み聞きしながら…なんて」

僧侶「背徳的すぎて…んっ♥ んっ♥」

僧侶「手が…とまり…ませっんっ♥」

僧侶「ソル様も声だしましょうよぉ、聞きたいですよぉ…」


< ぐっ…ユッカ!! ああっ

僧侶「それです♥ もっと声だして……もっと…」

ちゃぷちゃぷ

僧侶「私っ…なにしてるんでしょうっ、でもこんなきもちいいのやめられませんっ」

僧侶「だめっ、おっぱいもでちゃうっ♥ あああう♥」


僧侶「はぁー…はぁー…♥」

僧侶(私ってやっぱりエッチ…ですよね…)

362 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/06 22:58:04.32 clfEDi18o 2330/3213


ちゃぷん…


僧侶「はー気持ちよかった…」

勇者「なにがきもちよかったの」

僧侶「ひゃあ! ゆ、ユッカ様!」

勇者「汗かいちゃったからもう1回入ろうかなって」

勇者「お風呂きもちよかった? 大自然の中は良いよね」

僧侶「そ、そ、そうですね…」

勇者「どうしたのヒーラ…むふふ、まさか」

傭兵「お湯白いな…ミルクっぽい匂いする」

僧侶「きゃー! ソル様まで!! お風呂のぞきは禁止ですよ!!」

傭兵「聞き耳たてておいてなにいってるんだ」

僧侶「ええ!? な、なんで…私の声聞かれてました?」

傭兵「背徳的すぎて手が止まりません――」

僧侶「いやあああっ」ボカッ

僧侶(ソル様ってすっごい地獄耳なの忘れてました…)

363 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/06 23:06:42.31 clfEDi18o 2331/3213


勇者「ヒーラはエッチだね!」

僧侶「そんな笑顔で言わないでください…」シュン

僧侶「それより…お風呂に入ってる私を取り囲むのやめてくれませんか」

僧侶「見られてたら出るに出られないじゃないですか」

傭兵「あぁ悪い。いいよあがって」

僧侶「外で裸見られるの恥ずかしいって言ってるんです!」

傭兵「なぁに、俺たちしかいないから平気だって」

勇者「そうだ、今度は3人で入ってみよっか!」

傭兵「それは無理だろ…常識的に考えろ2人でも結構きついんだぞ」

勇者「なんでも試してみなきゃ!!」

僧侶「…無茶ですよ。だけど…楽しそうですね!」



  ・   ・   ・



勇者「ひっかかって出られないよぉ…」しくしく

僧侶「どうするんですかこれ…」

傭兵「ヒーラちゃんおっぱいつぶれてる…」

僧侶「ううっ! せまいのにアソコおっきくしないでください!」



第33話<求道者達>つづく


 

386 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/08 22:00:06.90 U2GTvxb+o 2332/3213

第33話<求道者達>つづき



【闇の神殿・魔女の部屋】


くちゅ…くちゅ…

魔女「…んっ、ん…ぅ」

魔女「ハァ…はぁ…っ♥」

魔女「指…止ま…ら、なっ」

魔女「ぅ…ッ! あっ♥」

魔女「ハァー……♥ あんまりよくなかった」

魔女「刺激不足…40点」

魔女「だけど使えるものもない……」キョロキョロ


サキュバス「はぁい、お困りのようね」

魔女「!! な!」

サキュバス「そんなびっくりしなくていいじゃない。お義姉さんよお義姉さん」

魔女「誰が」

サキュバス「あたし」ニコッ

387 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/08 22:03:28.88 U2GTvxb+o 2333/3213


魔女「いつからいたの」

サキュバス「んーっとねぇ」

サキュバス「あんっ、ソル…ソルぅ。くねくね」

サキュバス「ってあたりからかなー」

魔女「言ってない」

サキュバス「えーそう? あたしには聞こえたけど」

魔女「…」ジトッ

サキュバス「き、気にしなくていいじゃない女同士なんだから!」

魔女「気にする」

サキュバス「どうせあんたたちのセッ○スライフなんていつも見てたし」

魔女「……術式…」

サキュバス「あーはいはいストップ! 魔力の無駄遣いしなーい」

サキュバス「健やかな性活支援! はい、プレゼント」

魔女「この箱何」

388 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/08 22:07:27.20 U2GTvxb+o 2334/3213


サキュバス「開けてみてー」

魔女「…」パカ

魔女「…!! 1号達…!」

魔女「どうしてここにあるの。置いてきたはず」

サキュバス「元はと言えばあたしがあんたに売りつけたんじゃない。在庫くらいあるわよ」

サキュバス「…さぁてと。欲求不満で不完全燃焼なおチビのためにひと肌ぬぎますか」

魔女「ぃ、いい。遠慮する」

サキュバス「ダメよ。あなたは心身ともに健やかに過ごさなきゃいけないの」

サキュバス「ってレヴァンに言われてるのよ! あたしの言うこと聞きなさい!」

魔女「あなたとセッ○スしたくない」

サキュバス「そう? じゃあこうするしかないわね。えいっ」

▼サキュバスは幻淫魔法を唱えた。

魔女「…!」クラッ

サキュバス「はいおやすみ~。エッチな夢みてすっきりするのよ~」

389 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/08 22:10:31.73 U2GTvxb+o 2335/3213


魔女「う…ぐ、ぐ」クラクラ

サキュバス「おお!? た、倒れない…ですって!」

サキュバス(なるほど、魔法をかけようとしても吸われちゃって、威力が減衰してるのね)

サキュバス「じゃあ直接かけてあげる」

魔女「…!」

ちゅむ

サキュバス「んふふ~」

魔女「~~っ!!」バシバシ

サキュバス「ぷは…ああん、すっごい吸われちゃった♥」

魔女「…ぅ……ぅ…zzz」

サキュバス「さぁておチビはどんな夢みるのかな~」

魔女「…はっ♥ はぁ…♥ …zzz」

サキュバス「ぐっすり眠りなさい」

390 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/08 22:15:00.32 U2GTvxb+o 2336/3213

 

  ・   ・   ・


傭兵「おーい、マナ。おーい」

魔女「…ん、う…?」

傭兵「大丈夫か? ふらふらして、日射病にでもなったのかとおもったぞ」

魔女「…ここは」キョロキョロ

傭兵「ほんとに大丈夫か?」

傭兵「はー、やっぱ調子悪そうだし宿もどったほうがいいか」

魔女「ここどこ」

傭兵「どこって…オクトピアに決まってるだろ」

魔女「……そう」

傭兵「疲れてんのかなー」なでなで

魔女「はうっ…!」

傭兵「お、いい反応。珍しいな」ぽんぽん

391 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/08 22:19:40.20 U2GTvxb+o 2337/3213



魔女「いまなにしてた」

傭兵「…このやろう。せっかくのデート日和だってのに、目的を忘れるなんてひでぇな」

魔女「デート…? そ、そう…そっか」キュッ

傭兵「よぉし、買い物もおわったし次はなにするかなー」

魔女「…」もじもじ

傭兵「……くくっ、わかってるって。シたいんだろ。日中からエロいことばっかり考えやがって」

魔女「…うん」

傭兵「じゃあそこの宿で休憩でもするか」

傭兵「いくだろ?」

魔女「いく!」



傭兵「すいません1時間休憩……やっぱ2時間で」

宿屋「あいよ。そっちは妹さんかい。うちは公序良俗に反することは禁止だよ」

傭兵「ま、まぁな。ちょっと疲れてるみたいだから昼寝するだけだ」

392 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/08 22:24:00.49 U2GTvxb+o 2338/3213

 


傭兵「ほら、脱げよ」

魔女「…脱がして」

傭兵「いいのか? よし、一度このワンピースの肩紐をさげてみたかったんだよなぁ」

するっ

魔女「…!」

傭兵「マナの乳首でちゃったな。下までおろすぞ」


傭兵「マナ…綺麗だ。ちょっと日焼けしたな」

魔女「…」コク

傭兵「俺のここわかるか。こんなにおっきくなって、マナのせいだぞ」

傭兵「今から挿れるから、一緒に気持ちよくなろうな」



ずちゅっ…

傭兵「おー今日はするっと入ったなぁ。もうこんなに濡れてるのかよ」

魔女「んっ…♥ んー♥」

 

393 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/08 22:26:48.10 U2GTvxb+o 2339/3213


傭兵「ほしかったんだろ?」

傭兵「俺のペニスでマナの膣ん中かきまわして、めちゃくちゃにしてやるよ」

傭兵「俺の子種をぶちまけて、マナのこの白いお腹をぱんぱんにするからな」

魔女「はっ♥ はぁ♥」

傭兵「こんなに興奮してどうした。マナらしくないけど、かわいい…」

 ずちゅっ ずちゅっ ずちゅっ
   ずちゅっ ずちゅっ ずちゅっ


魔女「あぁぁあっ~~♥♥」

傭兵「うおっ、マナ…すげぇ締め付け…ッ」

傭兵「エロい汁撒き散らして、顔もトロトロになってるぞ」

傭兵「お前こんなにエロい女だったんだな」

魔女「うんっ♥ そう…! エッチ、だから…っ♥ 犯して…♥」

魔女「もっとセッ○スしたいっ♥♥」

394 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/08 22:29:28.08 U2GTvxb+o 2340/3213



傭兵「素直でよろしい」

傭兵「おらっ、奥わかるか! お前のちっこい子宮のいりぐちを」

傭兵「おもいっきり引っ掻き回してやる!」


  ずちゅっ ずちゅっ ずちゅっ  
    ぐりぐりぐりぐりぐり


魔女「あぁぁぁ~~~っ♥」

傭兵「なんだぁ…止まんねぇ、腰がっ、ああっ」

傭兵「マナ、赤ちゃんつくろうな。お前の中に全部だすからな」

傭兵「妊娠して…結婚して…ずっと一緒に…――」

魔女「ずっと一緒♥ 結婚するっ! 赤ちゃんうむっ♥♥」

魔女「あああっ♥ いぐっ、イク♥ イクッ♥」

395 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/08 22:34:46.72 U2GTvxb+o 2341/3213




   ・   ・   ・



魔女「…イ…ク…あ♥ あ…ああっ……zzz」

サキュバス「わぁーお、すっごい淫れてる…効果てきめんね!」

サキュバス「ショーツびしょびしょじゃない。ぬがしちゃおーっと」するする

魔女「…ん」

魔女「…ソル…あ、んっ…♥」

サキュバス「…」

サキュバス「あんたさ…やっぱりアイツの事忘れられないんじゃん」

サキュバス「血に刻まれた意思に肉体を支配されても、あんたの心と体はあいつのこと覚えてる」

サキュバス「ねぇ、これでほんとによかったの?」

サキュバス「マナ…」さわっ

魔女「んっ♥ あっ…ソル」

サキュバス「やば…おもしろ。はいはーい愛しのソル様だぞ~」こちょこちょ

サキュバス「ククク。おチビのチビまんこにはどのサイズがぴったりかな~」

サキュバス「3号だっけ? 4号だっけ、5号いっちゃう? くすくす」

魔女「んっ、んっ…ぅ♥」

396 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/08 22:39:42.68 U2GTvxb+o 2342/3213


サキュバス「まずは3号からね~~」ウキウキ


コンコン

闇剣士「マナ、サキュ。いるか」


サキュバス「! は、はぁ~い。まって入っちゃダメ! いま着替え中~」

サキュバス(やっばぁ…あっぶな)

サキュバス「んじゃおチビ、グッナーイ。今夜はいっぱいエロい夢みてリフレッシュよ!」


ガチャ

サキュバス「ダーリンどうしたの?もう寝る?」

闇剣士「風呂に入るために着替えを取りに来た」

サキュバス「そ、そうねー。じゃああたしが取ってあげる。ここで待ってて」

闇剣士「いや、自分で」

サキュバス「いやいやそこは私が働き者の妻として~」

闇剣士「まだ婚儀は終えていない。そこをどけ」

サキュバス(おチビのあんなエロい姿見せられないってば!!)

397 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/08 22:45:20.75 U2GTvxb+o 2343/3213

 


サキュバス「はいどうぞ」

闇剣士「……中になにかあるのか」

サキュバス「なんでもないわよ~、さあお風呂いきましょー」

サキュバス「あたしが背中ながしてあげるわ~」

闇剣士「必要ない。お前はマナといろ」

サキュバス「部屋には結界を念のためかけておけば誰も入らないってば」

サキュバス「知ってたけど心配症ねぇ。あんまり気にかけてたらブラコンって呼ばれるわよ?」

闇剣士「ぶら…? わかった。マナも常に監視の中にいては気が休まらないだろう」

サキュバス「そうそう。女の子だもの」

闇剣士「最高の状態で儀式の夜を迎えねばならんからな」

闇剣士「マナにも調整の時間が必要だ」

サキュバス「うっわー、そういう発言、あたし的に超マイナスだわー」

サキュバス「戦場上がりの男ってみんなデリカシーに欠けるわよね」

闇剣士「何を言っている。行くぞ」

サキュバス「あ、お風呂はついて行って良いんだ?」

闇剣士「どうせついてくるだろう」

サキュバス「うん♪」

398 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/08 22:50:56.51 U2GTvxb+o 2344/3213



蟲魔人「レヴァン様とサキュ様が対象より離れマシタ」

闇武将「おっと、おもったより早くチャンスが来たな」

闇武将「んじゃ、ちと俺様の花嫁の様子でも見に行くか」

蟲魔人「おそらく扉に貼られているであろう結界はどうしマス」

闇武将「んなもん、気合だ! くそいてぇのを我慢すれば突破できる」

蟲魔人「まさか。壁をつきやぶったほうが速いのデハ?」

闇武将「まぁ見てろや。俺様の力って奴をよ」



【魔女の部屋】


魔女「……」むくり

魔女「いい夢みた…気がする…」

魔女「…! な、どうして何も着ていないの…」ごそごそ

魔女「お兄様が帰ってきたら怒られる」


バチッ バチッ バチチッ

< ぐぇあ…


魔女「…?」

399 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/08 22:55:42.56 U2GTvxb+o 2345/3213



ガチャッ


闇武将「はぁ…ぜぇ…ぜぇ。どうだ、俺様の生み出した秘儀、強行突破(気合)」

蟲魔人「お見事」

闇武将「てめぇは来れねぇか」

蟲魔人「無理デス」


魔女「…」ジッ


闇武将「お、おおすまねぇ。起こしちまったか、ぐへへ」

魔女「…」

闇武将「…すんすん。この部屋はなんとも芳しい香りがするな」

闇武将「…どきどきしてきたぜ」

魔女(誰だっけ…)

闇武将「チッ、レヴァンの野郎。こんな美少女と一緒の部屋で暮らすなんて許せねぇ」

蟲魔人「兄妹なので当然なのデハ?」

闇武将「あぁあん!? 長く生き別れたの兄妹ってのはよぉ、もはや他人も同然なんだよ!」

闇武将「禁断のアヴァンチュールが起きてしまってもおかしかねぇんだよ!!」

魔女(この人くさい)

400 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/08 23:02:08.63 U2GTvxb+o 2346/3213



闇武将「…っと、げへへ。そうなる前にお手つきとさせてもらうぜ」

魔女「…!」

闇武将「そう怖がるなよ。どうだ、俺のようなナイスガイとオメェは結婚できるんだぜ」

闇武将「オメェは幸せもんだよ。この国の支配者の第一夫人なんだからなぁ」

蟲魔人(相手の意思を完全無視。さすがデス)

魔女「なんのことかわからない」

闇武将「おーおーそうだろうそうだろう。オメェはまだちっこいもんなぁ。何歳だ?ん?」

魔女「……」

闇武将「なぁに心配しやがるな、俺様が手取り足取り、じっくりお前の身体に花嫁がなんたるかを教え込んでやるからな」

闇武将「ぐはははっ!」

魔女「…不快」

闇武将「…あぁん? いまなんつった?」

魔女「あなたの全てが不快。いますぐ消えてほしい」

闇武将「…おうメスガキ、あんまり調子にのってると、ヒデェ目にあっても知らねぇぜ?」

401 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/08 23:08:07.32 U2GTvxb+o 2347/3213


闇武将「俺様の機嫌を損ねるとどうなるかわかってんのか?」

闇武将「そのチビっ子ボディに俺様の超凶悪なイチモツを激しくぶちこんで!」

闇武将「内蔵かきまわして! あひあひよがらせて! ちんぽ狂いの肉便器にしてやってもいいんだぜぇ!!?」

魔女「……?」

闇武将「って、ピュアな子供にはわからねぇか」

闇武将「だったら教えてやるぜ…ぐふふ」

魔女「…どうでもいい。きもい」

闇武将「!!」プチッ

闇武将「コケにしやがって…愛想よくしてりゃ痛い思いはしないのによぉ」


闇武将「おらぁ!!」ズルリッ

闇武将「俺様のこれを見やがれ!」ビンビン

魔女「…」

402 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/08 23:12:22.71 U2GTvxb+o 2348/3213


闇武将「この世界一凶悪な! イチモツで! てめぇをかきまわ――」

魔女「3号…? そんな小さい物でなにするの。カエルとでも交尾するの」

闇武将「は…?」

魔女「…聞こえなかった? そんな小さい物が」

闇武将「何がちいせぇんだよおおおお!!」

4号「…」

5号「…」

魔女「…」にぎにぎ

闇武将「な、なんだその両手のバケモン共は…ッ!!」

魔女「ただの玩具だけど」

闇武将「そ、それの用途は…まさか」

魔女「……あなたで満足できる人はいないとおもう」ボソッ

闇武将「……!」シナッ


蟲魔人「帰りマスカ」

闇武将「おじゃましました…」

魔女「おやすみなさい」

403 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/08 23:16:56.15 U2GTvxb+o 2349/3213



サキュバス「はー、いいお湯だったわねぇ」

サキュバス「ねーレヴァンもそう思うでしょ?」

闇剣士「魔人種にあった入浴剤を使っているからな」

サキュバス「そうなんだぁ。どおりで高まるとおもったぁ。ねぇねぇ今夜さー」


闇武将「…」とぼとぼ

サキュバス「あら、デブッチョの大将じゃん」

闇武将「…」とぼとぼ

闇剣士「貴様…! 私の部屋のほうから現れなかったか」

闇武将「……れ、レヴァンか」

闇剣士「どうした」

蟲魔人「放っておいてあげてくだサーイ」

闇剣士「…なにがあったかはわからんが、精進せよ」

闇武将「お、おうところで…オメェのサイズは…」

闇剣士「何のだ」

闇武将「オスのシンボルに決まってんだろ! でけぇのかちっちぇのか!!」

闇剣士「貴様気でも狂ったか」

404 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/08 23:23:13.53 U2GTvxb+o 2350/3213


サキュバス「おっきいわよ」

闇武将「……どれくらい」

サキュバス「んーっと…これくらい」くいっくいっ

サキュバス「あたしが見た中では最高レベル! この世で双璧をなすサイズね!」

闇剣士「やめてくれ」

闇武将「……!! おおおおおん!!」ドタドタッ

蟲魔人「お、お待ちくだサイイイ!!」パタパタ


サキュバス「なにあれ。でっかいのは図体と態度だけ?」

闇剣士「マナが心配だ戻るぞ」

サキュバス「へーきでしょあの様子じゃ。きっと歯に衣着せないおチビにめっためたにうちのめされたのよ」

サキュバス「ねー、ところでさっき言いかけてことなんだけどー今夜さー」

闇剣士「……わかっている。私の精気が欲しいのだろう」

サキュバス「話が早くて助かる~」

サキュバス「やっぱ人間の血が入ってるとおっきくて素敵よね~」

サキュバス「魔族ってなかなかいいのいなくってさぁ」

闇剣士「私が常々気にしていることを」

サキュバス「あたしにとっては最高だも~ん♪」ギュ




第33話<求道者達>つづく


  

429 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/09 22:05:51.80 GqVA8nAIo 2351/3213

第33話<求道者達>つづき




【とある山の中】


傭兵「ここが…聖なる火山…?」

僧侶「…ずいぶんと…その、寂れていますね」

傭兵「どうだユッカ。なにかいる気配はあるか」

勇者「ううん。魔力をほとんど感じない」

勇者「まるで…死んでるみたいだよ」

傭兵「ほんとにここであってるんだよなぁ?」

勇者「地図だとそうなんでしょ?」

傭兵「グリモワ王があの状況で嘘をつくとは考えにくいが…」

僧侶「どうしますか?」

傭兵「……あてもなく山のなかを探しまわっても、時間の浪費にしかならないな」

傭兵(近辺までくればあとはユッカの魔覚でさぐれるものだとおもったが…アテが外れた)

傭兵(もう時間は限られている…どうする)

430 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/09 22:13:47.70 GqVA8nAIo 2352/3213


勇者「間に合わないよ」

勇者「馬車を走らせて、魔族領へ向かおう」

僧侶「ですが、そうなると番人と呼ばれる魔物たちとの戦闘は避けられません」

勇者「全部倒して、山を越える!」

傭兵「本気でいってんのか」

勇者「うん。無謀かもしれないけど、ここで立ち止まっているわけにはいかないよ」

僧侶「だとすると、一度道をひきかえさなければいけませんね」

勇者「魔族領の方角はっと…」


ユッカは太陽の冠を脱ぎ、取り付けられた魔宝石にむかって魔力を込めた。
ゆっかりと珠は輝きはじめ、やがて光が道筋となって俺たちの行く先を指し示す。


傭兵「!」

勇者「あ、あれ…?」


赤い光はこの山の頂きにむかって伸びていた。

431 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/09 22:21:04.04 GqVA8nAIo 2353/3213


勇者「おかしいな。闇の神殿がある方向を指すはずなんだけど…」

勇者「ここにあるってこと!?」

傭兵「違う」

僧侶「…もしかしたら」

勇者「なにかわかるの?」

僧侶「マナちゃんとユッカ様の光の道はわずかに行く先がずれていました」

僧侶「あの時は遥か遠方でしたので、その差異を気に留めることはありませんでしたが」

僧侶「おそらく、この地は最初からユッカ様が訪れるべきだった場所」

僧侶「ここを訪れたことは決して時間の無駄ではなかったのかもしれません」

傭兵「つまり…俺たちは手招きされていたということだ」

傭兵「ここにいる、炎の鳥ってやつにな」

勇者「でも…なにも感じないよ」

傭兵「登ってみよう。なにかあるかもしれない」

432 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/09 22:27:38.20 GqVA8nAIo 2354/3213




【山頂・火口】


傭兵「やっぱりただの火山にしか思えないな」

勇者「辺りにおっきい鳥なんていないよ」

僧侶「もう一度、珠に光を込めてみてくれませんか」

勇者「…うん」ズズッ


傭兵「あ…火口に…」

僧侶「やはり、ここが私達の終着点」

勇者「…! あのマグマの中にいるの!?」

勇者「ど、どうしよう。いまごろ黒焦げになって死んじゃってるよ!」

傭兵「不死鳥ってくらいだから大丈夫なんじゃないか?」

勇者「でも…なにも感じないんだ。魔力の一欠片も」

傭兵「参ったな。会いたくても相手がマグマの中じゃどうしようもない」


その時だった。

勇者「あつっ、あつっ」

ユッカが左手の指を抑えて悶えていた。

433 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/09 22:34:43.70 GqVA8nAIo 2355/3213


傭兵「どうした」

勇者「指輪がっ…急に熱くなって、なんでだろ」

傭兵「火口の気温で熱されたのか?」

僧侶「お水かけましょうか」

勇者「平気…一瞬あつかったけどもうそんなに熱くない」

ユッカは指輪をとりはずし、不思議そうな表情でまじまじと見つめる。
リングに嵌めこまれた宝石が、ユッカの冠の珠と同じように真っ赤に燃え盛っていた。

勇者「見て。小さいけど中に火が灯ってる…」

僧侶「ほんとですね。綺麗…」

傭兵「お前が魔力を注いだのか?」

勇者「ううんなにもしてない…」

勇者「きっと、なにかに反応してるんだ」

傭兵「だとしたら、この火口の主だろう」

傭兵「貸してくれ」

勇者「うん。どうするの?」


俺はユッカから指輪を受け取り、手のひらの上でころころと遊ばせた後、勢い良く火口の中心に向かって放り投げた。

434 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/09 22:39:44.24 GqVA8nAIo 2356/3213


傭兵「訪問客を待たせるんじゃねぇ! こっちは時間がないんだ」

傭兵「さっさと姿を現しやがれ!」

勇者「あーーーー!!」

僧侶「な、なにしてるんですかー!」

勇者「もらった指輪が~~っ!」

傭兵「…おい、見ろ!」


指輪が煮えたぎる炎の中に消えた瞬間、
火口から真っ赤な火柱がいくつも立ちのぼった。


勇者「うああっ! な、なっ」

僧侶「きゃーーっ、ふ、噴火しちゃいますよ!」

傭兵「ま、まずったか…?」

僧侶「私のうしろに! 聖守護結界!!」

435 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/09 22:49:54.96 GqVA8nAIo 2357/3213



火口から大量の輝くマグマが吹き出て俺たちに降りかかる。
マグマはヒーラちゃんの結界を容易に突き破り、あっという間に目の前が灼熱の炎に覆われた。


勇者「…ソルのバカ」


それが俺が最期に聞いた言葉だった。



   ・   ・   ・



傭兵「う……」

傭兵「あ…れ…」

傭兵「生きてる…黒焦げ…にもなってない」

僧侶「うう…一体何が…」

勇者「たしか…火山がブワーって怒って……はっ!」

勇者「な、なんだ…この魔力」

ユッカは目を見開いて夜空を見上げた。

雲ひとつなく真っ黒に染まる空で煌めく一体の巨大な姿。
燃え盛る炎を鱗粉のように撒き散らし、悠然と大空を駆けるそれは、間違いなく古文書に描かれる炎の鳥そのものだった。

436 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/09 22:56:16.27 GqVA8nAIo 2358/3213



傭兵「あれが…炎の鳥…」

僧侶「不死鳥…なんて、なんて神々しいのでしょう」

勇者「…あれに乗れたら。マナに会える…」

勇者「鳥! ボクたちを乗せて! 行きたい場所があるんだ!」

傭兵「鳥って呼び方はないだろ…もっとこう、あるだろ!!」

炎鳥「……!」


炎の鳥は俺たちを値踏みするかのように空の上で旋回をつづけている。


僧侶「警戒…されているのでしょうか」

勇者「お願いします! ボクたちは勇者の一族の末裔です!」

勇者「魔王の復活をとめるために、あなたの力を借りにきました!」

勇者「どうかボクたちに力を貸してください!!」

僧侶「お願いします…」

437 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/09 23:04:14.89 GqVA8nAIo 2359/3213


傭兵「あの鳥の炎…」

傭兵「おい鳥!! 鳥ぃ!」

僧侶「ちょっと! ダメですってば」

勇者「結局それしか呼びようがないよね」

傭兵「時間がねぇんだ! 高いところから偉そうにしてないで、さっさと下りてきやがれ」

炎鳥「…!!」バサッ バサッ

僧侶「だ、だめですってばそんな言い方。絶対怒ってますよ! 今度こそ黒焦げの消し炭にされちゃいますよぉ」

僧侶「もっと頭を低くしてお願いしましょうっ」

傭兵「なんで下りてこないんだ…」

僧侶「神獣と呼ばれる生き物は、人間と相まみえることはめったにないそうです」

勇者「でもボクたちはあの鳥が必要なんだ…なんとか仲間になってもらわないと」

傭兵「…ユッカ、あいつを叩き落とすぞ」

僧侶「ダメですってばぁ!」ギュー

438 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/09 23:10:19.28 GqVA8nAIo 2360/3213


勇者「どうやって」

傭兵「お前がまず牽制であいつにむかって炎でもなんでもいいから攻撃魔法を飛ばせ」

傭兵「ヒーラちゃんもだ」

僧侶「しません。お断りします」

傭兵「怒って向かってきた所を押さえつける」

勇者「…ほんとはこんなことしたくないけど、相手が話の通じない鳥ならしかたないよね」

勇者「いくよソル!!」

傭兵「おう!」

俺とユッカが剣に手をかけた瞬間。
炎の鳥は旋回を止め、俺にむかって真っ直ぐに突進してきた。

傭兵「…! 速ッ」


あっという間に巨体が俺の視界を埋め尽くす。


傭兵「くっ――」


炎鳥『ああっ、ソル…ようやく会いにきてくれたのですね』

439 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/09 23:17:25.58 GqVA8nAIo 2361/3213



傭兵「ああっ熱――燃え…てない」

炎鳥「…♥」バサバサ

傭兵「な、なんだ…?」

傭兵「おおいユッカ。俺はいまどうなってる…何も見えん」


勇者「……と、鳥にハグされてる。大丈夫…?」

僧侶「…あ、あの。神鳥様」

炎鳥『ソル…こんなに大きくなって』

傭兵「何の声だ」

炎鳥『私がわかりませんか。母のこのぬくもりを覚えていないなんて…ぐすん』

傭兵「…は?」

炎鳥『魔力はどこへ行ったのです。あなたに託した力はいずこへ…ぐすん』

傭兵「あ…? 喋ってる…? お前は一体…」

炎鳥『はっ! この姿では分からないのも無理はありませんね』


視界を塞いでいたまばゆい光が散って、唐突に視界が開かれる。

目の前には一糸まとわぬ姿をした、一人の女性が俺をじっと見つめて嬉しそうに立ち尽くしていた。


炎鳥「…グレンとそっくり♥ たくましくなりましたね、ソル」




第33話<求道者達>つづく


 

469 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/10 22:04:38.94 hIFD1fqUo 2362/3213

第33話<求道者達>つづき



傭兵「だ、だれだ…」

僧侶「もしかして…伝説の不死鳥様が人でいらしたなんて」

勇者「違うよヒーラ。人間が鳥に変化したんじゃなくて、キュウちゃんと同じで動物が人間の姿になってるんだ」

炎鳥「…」ニコニコ

傭兵「……ま、まさか、あんた」

炎鳥「はい! あなたの母ですよソル!」

傭兵「……」

勇者「……え? 母? ママ?」

僧侶「…はい? えっと、今なんとおっしゃいましたか」

炎鳥「はじめまして。ソルの産みの母のニクスです」

僧侶「お母様……」

傭兵(頭がいてぇよ)

傭兵「冗談だって言ってくれ」

炎鳥「むぅ…」ギュ

傭兵「ひっ」

炎鳥「ほら、母のぬくもりですよ~」

勇者「わわわっ、そんなのエッチだよソル」

傭兵「ギャー服を着ろっ! たのむからっ」

470 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/10 22:10:26.65 hIFD1fqUo 2363/3213



 
  ・   ・   ・



炎鳥「…ぴったり!」

僧侶「薄着ですけど、よかったです」

炎鳥「ありがとう」

勇者「あの、ほんとにソルのママさんなんですか? そんなに若いのに?」

炎鳥「そうですよ。私は不死鳥ですから」

勇者「ボクのママじゃなくて…?」

炎鳥「え…?」

勇者「だって、ボクと持ってる魔力が…似ているような気がして」

炎鳥「あら…そういえばあなたの中に」

傭兵「まてまてまて」ガシッ

傭兵「ニクスって言ったな。いいから先にあんたの事情を説明しろ」

炎鳥「ソル…まさか母のことを信じていないのですか」

傭兵「当たり前だろ! 何が母だ! だれが自分が鳥の卵からうまれてきたって信じられるんだ」

炎鳥「あなたは卵生じゃないですよ」

傭兵「いいから! 知ってること全部洗いざらい話せ! 旦那についてもだ!」

炎鳥(怖い…反抗期ってやつかな…)

471 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/10 22:15:53.38 hIFD1fqUo 2364/3213



炎鳥「そうですね…遡ればあれは…何年…」

炎鳥「あなたいくつになりました?」

傭兵「25…もうすぐ6だ」イライライライラ

炎鳥「まぁ! もうそんなに!? どうりでグレンに似るはずですね」なでなで

傭兵「…早く話せ」イライライライラ

勇者「ソル、まぁまぁ座って。お茶でも飲みながら聞こうよ」

僧侶「そうですよ。せっかくお母様に会えたのですから」

傭兵「俺は絶対信じねーぞ…」


炎鳥「そうですね…ではあまり長い話ではありませんが、私とあなたのお父さんの馴れ初めについて…♥」

炎鳥「あぁあ、いまでも思い出すだけで顔から火が出そうなほど嬉し恥ずかしです」

傭兵(掻っ捌いて晩飯にでもするかこのアホ鳥)

炎鳥「あれは30年近く前。まだソルが生まれる前の話です」

472 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/10 22:20:59.39 hIFD1fqUo 2365/3213






【聖なる火山】



「ったく! 何が山ごもりの修行だ!」

「あの頑固ジジイ…俺をこんなところに寄越しやがって」

「娯楽もない! 女もいない! ここで魔力を高めろだぁ!?」

「殺す…グリモワに戻ったらあいつまじで髪の毛むしりとってやる」

「…はぁ」

「くそあちぃんだよ…何しろってんだよ…」

炎鳥「…クルルル」

「あ? 何見てんだよ」

炎鳥「…クルルルル」

「…でっけぇ鳥だなぁ。食料何日分だ」

炎鳥「?」

「よく見りゃ美人な鳥だ…。この場合美鳥というのか?」

473 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/10 22:27:23.08 hIFD1fqUo 2366/3213



炎鳥「クルルル…」

「あ、いや悪いな。ここはお前の巣だったか」

「すまねぇ…すぐに荷物をまとめて立ち去る」

炎鳥「クルルル!」

▼炎の鳥は男にむかって灼熱を放った。

「うわっ、あっつ――…くねぇ。熱くねぇ…」

「何しやがった」

炎鳥「…クルルル♪」

「か、からかってやがんのかお前…!」

「あぁそうか。あのジジイ、この馬鹿でかい鳥をぶっ倒す実力を手に入れて帰ってこいってことかよ!」

「来いよ! 俺の生まれのお国柄、炎の魔法にはちょっと縁があってな。鳥なんかには負けねぇぜ」

「俺はグレン。王になる男だ!」

炎鳥「…クルルル?」


その日から私とグレンのお付き合いがはじまりました。

474 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/10 22:33:00.51 hIFD1fqUo 2367/3213



<数ヶ月後>


「だめだ…力の差を感じる」

「負け負け、昨日も負け今日も負け…はぁー…」

「くそ…俺ではお前に勝てないのか? 鳥のくせに…」

炎鳥「クルルル♪」ぴたっ

「な、なんだよ…。そろそろ飯にすっか」

「にしても、だんだん寒くなってきたな。ここ火山だよな?」

炎鳥「…クルル」

「お前となにか関係があるのか?」

炎鳥「…クルル」

「…そうか。って、別にお前の言ってることがわかったってわけじゃないからな!」

「ただなんとなくそう思っただけだよ」

「お前、もうすぐ死ぬのか…? お前はこの山にとっての生命の源なんだな」

「…」なでなで

「なぁ、俺と交尾してみないか」
 

475 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/10 22:37:49.76 hIFD1fqUo 2368/3213



炎鳥「?」

「交尾だよ交尾。ほら、虫も動物もそこら中でやってんだろ」

炎鳥「クルルル…?」

「鳥ってどこでするんだろ」さわさわ

「挿れる穴ある? 人間の精子で妊娠すんのかな」

炎鳥「!!」ベシッ

「うわっ、すまん…尻穴みられたくらいでそんな怒るなよ」

「その様子だとお前だって跡取りが必要なんだろ?」

炎鳥「クルルル…」

「ん。いいこと思いついたぞ」

「確か荷物の中にグリモワ城から盗みだした、魔術書が…」

「…あった」

「うまくいくかはわからねーけど…」

「この魔法陣に乗れ」ゴリゴリ

「秘術:神人変化――――」

477 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/10 22:42:10.32 hIFD1fqUo 2369/3213


「おお…なんたる美しい少女…」

「それがお前の人間の姿か…」

炎鳥「…? わっ」

「ま、まていますぐなにか羽織る物を…さすがに目の毒だぜ」

炎鳥「グレン…グレン!」

炎鳥「交尾? 交尾をしてくれるのですか」

炎鳥「ああっ♥ この姿なら本当に私と交尾ができるのですね」ギュッ

「おわっ…に、ニクス…」

炎鳥「はい、あなたのニクスです♥」



  ・   ・   ・



炎鳥「それ以降グレンと私はオスとメスの関係になったのです…♥」

傭兵「すまん…話がぜんぜん頭に入ってこねぇ…」

勇者「じゃあほんとにソルママさん!?」

僧侶「ソル様のお母様なのですね!!」

炎鳥「はい。この子は私がお腹を痛めて産んだ子ですよ!」

481 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/10 22:49:14.47 hIFD1fqUo 2370/3213



僧侶「ということは、サマンサさんの家に残っていたグレン様はやはり…」

炎鳥「グレンは私の夫でこの子の父です♥」

傭兵「……そっちはそんな気がしてたが」

傭兵(ってことは、グレンがヒーラちゃんの言っていたとおり、太陽の国の王族なら)

傭兵(グレイスやユッカの親父は俺の従兄弟にあたるわけか…)

傭兵「ちょっと待て! じゃあ親父だとして、グレンは今どこでなにしてる!」

傭兵「俺はなんでガキの頃から傭兵なんてやってんだ!」

炎鳥「そ、それは…」

炎鳥「あなたを産んでからというもの、私はグレンとはもうずっと会っていないのです」

傭兵「どうして」

炎鳥「私達不死鳥は生と死、再生と破滅を炎の中で繰り返します」

炎鳥「グレンと出会った時、ちょうど私は破滅期だったので、次なる再生のために私は火口の中で長い眠りにつきました」

勇者「ご、ごめんなさい。寝てたのにボクたちの都合で起こしちゃいました」

炎鳥「いえ、いいんですよ。こうしてかわいい我が子の顔をみられたのですから」

傭兵「不死鳥ってのはほんとなんだな」

炎鳥「いままでの話は全部本当ですよ!?」

482 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/10 22:57:22.39 hIFD1fqUo 2371/3213



俺はいままでの経緯をおおざっぱに話した。


炎鳥「そうですか…グレンはもういないのですね」

傭兵「生きてるかどうかはわからねーが、俺を捨てたことは間違いない」

炎鳥「グレン…」

傭兵「だいたいなぁ、いろいろ話を聞く限り人の風上にも置けねぇ野郎だぞ」

炎鳥「そんなことありませんよ!」

炎鳥「私のような鳥にも優しい、とっても…素敵な方でした」

傭兵「メスだからだな。こんな山に放り出されてメスならなんでもよくなっちまったんだろうよ」

勇者(ソルと一緒じゃん)チラッ

傭兵「あん?」グリグリ

勇者「ぎゃうっ! 何も言ってない!」

僧侶「うふふ。ソル様きっとお母様に会えて照れくさいのですよ」

傭兵「あのなぁ…もっと俺に鳥の血が混じっているっていう事実を深刻に受け止めようぜ」

483 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/10 23:02:14.34 hIFD1fqUo 2372/3213


勇者「でもソルはソルでしょ?」

僧侶「そうですよ!」

傭兵「…そりゃそうだが」

炎鳥「あらら? うふふ、もしかしてソル。その子たちは」

勇者「ご挨拶が遅れてごめんなさい」

勇者「ボクはユッカって言います。勇者やってます」

勇者「よろしくお願いしますソルママさん!」

炎鳥「まぁ勇者!」

傭兵「さっき俺の経緯ついでにちらっと話したが、こいつのガードをしながら旅をしてる」

僧侶「私はヒーラです。はじめましてソル様のお母様」

傭兵「同じくユッカのガードの1人だ」

炎鳥「な、なるほど…しかしソル」

傭兵「なんだ」

炎鳥「どれだけ素敵なかわいい子に囲まれても、お嫁さんは1人にしなさいね?」

傭兵「は? そんな紹介じゃなかっただろ」

炎鳥「わかってるんですよ。私に見せに来るほどにその子たちを愛してるのでしょう?」

484 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/10 23:09:36.94 hIFD1fqUo 2373/3213


炎鳥「しかしいけませんよ。1組のつがいとなってから存分に愛しなさい」

炎鳥「そもそも、複数の女の子に手を出すなんて不道徳だとおもいませんか?」

僧侶(思います)

勇者「そうなのかなーそうかもなー、うーん」

傭兵「鳥に人間の道徳を説かれたくねぇな」

炎鳥「グレンは私に人の世の理をたくさん教えてくれました」

炎鳥「ゆえに私は未来永劫、あの人の女なのです…♥」

傭兵「それは糞親父があんたを独占したかっただけだと思うぞ…」

傭兵「浮気症のくせに独占欲は強いって…最低な男だな」

勇者「ほんとにソルと一緒じゃん」

傭兵「あ゙!?」グリグリ

勇者「あ゙ーやめてよ゙ぉ!」

炎鳥「まぁまぁ。いずれ時がきたらその2人の子のうちのどちらかに」

傭兵「2人じゃないんだ」

炎鳥「!? ま、まだ他にも」

傭兵「そいつがいま大変なことになってて」

傭兵「俺たちはそいつを助けるための力を求めてここへ来た」

傭兵「ここからが本題だ。頼む。不死鳥の力とやらを貸してくれ」

485 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/10 23:15:30.70 hIFD1fqUo 2374/3213


炎鳥「力…ですか」

勇者「昔のボクのご先祖様は、ソルママさんの背中にのって魔族領に入ったと言われてるんです」

勇者「それってほんとなんですか?」

炎鳥「うーーん…乗せたような乗せてないような」

炎鳥「悠久の時を生きる私にとって、あまりに些細な事なので…記憶が…」

炎鳥「グレンとの濃密な年月は深くこの身に刻まれていますが♥」

傭兵「過去はどうでもいい。いまあんたの背中に乗れるのかどうかだ」

炎鳥「……っ」

傭兵「なんで暗い顔するんだ」

炎鳥「ごめんなさいソル。結論から言うと不可能です」

傭兵「何」

炎鳥「私は現在は再生期にあたり、力を徐々に取り戻していく段階なのです」

炎鳥「全盛期のような力をもってあなたたちを助けることはできません」

炎鳥「この山を見てください…この山は私の命に呼応します」

炎鳥「私はまた眠りにつかなくてはなりません…」

486 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/10 23:23:12.82 hIFD1fqUo 2375/3213


傭兵「あとどれくらい待てばいい」

炎鳥「短く見積もって100年くらい…」

傭兵「待てるか!!」バシッ

勇者「そんなの待ってたらボクたちよぼよぼになっちゃうよ」

傭兵「そんなに生きるか!」バシッ


傭兵「頼む。世界の危機が訪れようとしているんだ」

傭兵「あんたのことをいまさっき母親だと知ったような不肖の息子だが、なんとか力を貸してほしい…」

炎鳥「あなたが生まれた時、私はありったけの力を託しました…」

炎鳥「ですがあなたはその力を譲渡した。違いますか」

傭兵「……そうだ。わけあって、俺は全ての力を失った」

勇者「え……」

僧侶「…ソル様」

傭兵「これも…自業自得なのか…? 俺の独りよがりのもたらした結末なんだろうか」

傭兵「……マナ、俺たちはお前の所へ…行けない」

487 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/10 23:31:17.20 hIFD1fqUo 2376/3213



炎鳥「…ソル」

炎鳥「ですが大丈夫ですよ」

炎鳥「あなたの想いの力はこの子にしっかりと宿っています」


炎鳥「そして、全ての因子はこの瞬間に――」

勇者「…?」

炎鳥「ユッカ。あなたが持っていたのですね」


ニクスはユッカにむかって微笑みかけた。

その途端、ユッカの肩から下げたポーチが光りはじめた。


勇者「え……なにか光ってる」

ユッカは慌ててポーチを開いて中身をとりだす。
光の正体は、小さな卵だった。


僧侶「それ…霊泉山で盗賊さんにもらった…」

傭兵「お前まだ持ってたのか」

勇者「う、うん…なんで光ってるの」

488 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/10 23:41:44.73 hIFD1fqUo 2377/3213



傭兵「コレは一体なんだ」

炎鳥「それは私が遥か昔に各地で産み落とした卵です」

炎鳥「私の魔力がつまっています」

傭兵「なに?」

炎鳥「もともとはなにかあった時のための保険のようなものですが」

炎鳥「あなたが拾うなんて、運命とはおもしろいものですね」

炎鳥「ユッカ。それを飲みなさい」

炎鳥「あなたの力を引き出してくれるでしょう」

勇者「飲むって…! 卵を!?」

炎鳥「殻がだんだんやわらかくなってきているでしょう?」

炎鳥「大丈夫。中は白身と黄身だけですよ」

炎鳥「一口でどうぞ」

勇者「う、うん…い、いただきます?」


ユッカはとけはじめた金色の卵を口いっぱいにほおばった。
ゴクンと喉を鳴らし、喉を通って胃の中へと滑り落ちていく。

勇者「んっ、んぅ~!」


俺たちが見守る中、ユッカは天を仰いだ。
その直後、全身が真っ赤な浄化の炎に包まれはじめた。


傭兵「ユッカ!!」



第33話<求道者達>つづく


   

508 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/11 22:24:46.29 lZ2S6Za0o 2378/3213

第33話<求道者達>つづき



ユッカを包む火柱は激しさを増し、雲を切り裂き、空高く立ちのぼった。
そのあまりの神々しいまばゆさに気圧され、俺とヒーラちゃんは固唾を飲んで見守る。

傭兵「ユッカ…」

僧侶「ユッカ様…これは一体なにが起きているのですか」

炎鳥「…目醒めの時が来たのです」

傭兵「目醒め…?」

炎鳥「彼女のもつ全ての力を解き放つために」

炎鳥「彼女が失われた自身を取り戻すために。ユッカはいまあの輝きの中でひとときの夢を見ています」

炎鳥「それは決して失ってはいけないあの子の大切な思い出達」

傭兵(ユイさん…)

傭兵「あんたには…ユッカのことが全てわかるのか」

炎鳥「…はい。ですが、あなた方のしたことを咎めているわけではありませんよ」
  
炎鳥「だから心配しないで」

炎鳥「この天をも貫く巨大な火柱は彼女の心の強さ……ユッカはこの先なにがあっても折れることはありません」

傭兵「だが…ユッカは母親を失って…」

炎鳥「どんなに忌まわしい思い出であっても、ずっとあなたが側にいてあげたから…」

炎鳥「それだけであの子は大丈夫」

509 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/11 22:32:07.17 lZ2S6Za0o 2379/3213




  ・    ・    ・




ボクの中に熱いものがたくさん流れ込んでくる。

流れ込んできた魔力が、ボクの魔力と同調して、溶け合って。

熱い…だけど痛くない。不思議な感覚。

あたたかくて、優しくて…嬉しい…。

こんなことが、前にもあった気がするんだ。
  
どうしてだろう。まるで、ソルに抱かれてるみたい…――




夢を見ているんだ。

ちっちゃなボクはお姫様で、ソルが王子様なんだ。
ふかふかのベッドの上で泣き虫なボクはソルにぎゅーって痛いくらいに抱っこされてる。


傭兵『これが、お前がどんな悪い奴にも立ち向かえるような、力と勇気になりますように』

傭兵『ユッカ…お前のことを、離れていても護るから』

傭兵『だから強く生きて…立派な勇者になってくれ』

ソル、どうして君も泣いているの。大丈夫?

傭兵『俺の想いが、お前をどんな災厄からも護るから…』

傭兵「愛してるよ…ユッカ」 

そんな顔しないで…どこへ行くの…行っちゃやだ!

510 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/11 22:37:55.12 lZ2S6Za0o 2380/3213




  ・    ・    ・



勇者「ソル!」

傭兵「ユッカ…起きたか…よかった」

傭兵「はぁ…本当によかった…火柱が消えたと思ったら急に倒れたからびっくりした」

傭兵「なんともないのか? 意識はしっかりしてるな?」

勇者「うん……たくさん、夢を見たよ」

傭兵「ユッカ…?」


ソルの安堵した顔をみた瞬間、
幼いころから頭の中にもやもやと立ち込めていた霧が晴れていった。

そうだったんだ…ボクのこの魔力の正体は君だったんだね。

道理で――心地が良いわけだよ。


ボクの頬を伝う涙をぬぐおうとするソルの手を握った。
なんの魔力も感じられない、だけどたくましい傷だらけの腕。

勇者「ずっと、護ってくれたんだね」

傭兵「ここは大丈夫だ…周囲に敵はいない」

勇者「…」ふるふる

勇者「もう、ソルったら」

511 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/11 22:45:38.95 lZ2S6Za0o 2381/3213



勇者「全部終わったら、キミとお話したいことがあるんだ」

勇者「たくさん…たくさんね、えへへ」

傭兵「ユッカ…? お前…まさか本当に記憶が」

僧侶「ユッカ様…平気なのですか」

勇者「…うん、心配してくれてありがと!」

勇者「ソルママさん。ボクたちもう行くよ!」


炎鳥「…ユッカ、覚醒の時です」

炎鳥「あなたも、人を超え、森羅万象の極地へとたどり着いた」

勇者「マナも…あの時こんな気持ちだったのかな」

勇者(いまならわかる。力の振れ方が少しかわるだけで、なにもかもを滅ぼしてしまう)

僧侶「ユッカ様…すごい魔力…」

僧侶「信じられません…一体私の何十…いえ、何百倍」

勇者「尖りすぎた力がいずれ災厄となる…グリモワの王様の言っていた通りだ」

勇者「だけどボクはこの力の使い方を間違えないよ。マナを取り戻すことだけに全力を注ぐ」

512 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/11 22:51:32.69 lZ2S6Za0o 2382/3213


炎鳥「行き先はわかりますか」

勇者「うん。マナが呼んでいる方向でしょ」

傭兵「呼んでるって…声なんて」

勇者「あっち」ピッ

勇者「同時に嫌な感覚もする。きっと大勢の魔物だよ」

傭兵「…」

傭兵(まるで万里を見通しているかのような…神がかり的な魔覚だ)

傭兵(これが真の勇者の才能……覚醒か…)

傭兵(ユッカなら…世界で唯一災厄に打ち勝てるかもしれない)

僧侶「すごいです…私なんかじゃ何も感じ取れませんよ」

炎鳥「いまユッカの魔覚は以前より遥かに研ぎ澄まされて、人の心の機微さえも敏感に捉えることができるでしょう」

傭兵(今のお前なら、何もかもが手に取るようにわかるというのか…)

勇者「行こう」

傭兵「だがどうやって。手段がない」

勇者「ソルママさん、一度鳥の姿にもどってくれませんか」

勇者「見よう見まねだけど、作り出せるかもしれない」

513 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/11 23:00:14.84 lZ2S6Za0o 2383/3213




▼勇者は大きく腕をふりあげた。

▼激しい地響きと共に火口から灼熱が吹き出し、炎や溶岩が空中で巨大な鳥の姿へと形作られてゆく。


傭兵「なっ…」

僧侶「鳥!」

勇者「こんな感じかな。もうちょっと翼おっきいほうがいいかな」ズズズッ

炎鳥「形は多少違っても大丈夫だとおもいますよ」

傭兵「まてまて、これはなんだ」

勇者「この創りだした鳥に乗っていこう」

傭兵「創りだしたって…これほんとに乗れるのか…?」

勇者「うん」ぴょん

勇者「ほらね。速度がでるかどうかはわからないけど、飛べるよ」

勇者「ふたりとも早く乗って」

僧侶「それ、熱くないですか…? 私炎の属性じゃないので…」

傭兵「なら…大丈夫だ。ユッカの炎は善人を焼くことはない」

傭兵「そうだよな?」

炎鳥「それが私があなたに与えた力、あなたが彼女に託した力」

炎鳥「行ってらっしゃいソル。そしてまたママに会いに戻ってきてね」

514 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/11 23:06:17.11 lZ2S6Za0o 2384/3213



僧侶「わぁ…あったかい…ユッカ様に抱っこされてるみたいです」

僧侶「不思議な乗り心地ですね」

僧侶「雲の上にのったらこんな心地でしょうか?」

傭兵「ヒーラちゃん、言っとくが雲は乗れないぞ」

僧侶「え、そうなんですか…? 夢が壊れました」

傭兵「俺もこの炎はなつかしい感覚だ」

勇者「いくよ。ボクの体につかまっててね」

勇者「ソルママさん。行ってきます」

僧侶「ありがとうございました」

傭兵「…元気でな」

炎鳥「いってらっしゃい。今度あうときはお嫁さんをひとり選んでつれてくるのですよ」

傭兵「いやぁそれはなぁ…」チラッ

勇者「えへへ。終わった後が大変そうだね」

僧侶「はい!」

515 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/11 23:12:49.08 lZ2S6Za0o 2385/3213



勇者「そうだ。少しだけ待ってて」ぴょん

勇者「もうしばらく戻って来られないかもしれないから」

勇者「スレイプニル…いままでありがとう」

「ヒヒン!」

勇者「今日から自由だよ…」なでなで

勇者「でもまたボクたちに会いたくなったら呼んでみて。いつでもボクが迎えにくるから」

勇者「元気で過ごしなよ」なでなで

「ヒヒン」ぺろっ

勇者「うん。わかった。マナのことはボク達にまかせて…じゃあねスレイプニル」


勇者「行こう!」




【大空】


僧侶「すごい…ほんとにほんとに空の上ですよ! 」

僧侶「この高さから落ちちゃったら間違いなく死んじゃいますね…」ハラハラ

勇者「怖い?」

僧侶「いえ…ユッカ様を信じてます」ギュ

516 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/11 23:22:55.38 lZ2S6Za0o 2386/3213


傭兵「もう火山があんなに小さく…」

僧侶「前方見てください! 雲の切れ間に巨大な山脈が見えます」

傭兵「あれを越えればいよいよ魔族領へ突入か」

勇者「この鳥、夜は目立ちすぎるかもしれないね」

勇者「だけど朝を待ってはいられないボクたちに時間はないんだ」

傭兵「あぁ」

勇者「何が出ても強行突破! いいね?」

僧侶「はい!」

傭兵「ここまで来たんだ。お前に全部委ねたぞ」

勇者「任せて! 飛べ、もっと速く…!」



【魔族領】


魔女「……!」ピクッ

魔女「…いま、ユッカの気配がした」

魔女「まだ遠い…けど、こっちに来てる」

サキュバス(そう…やっぱり来ちゃうのね)

闇剣士「奴は諦めていなかったか」

517 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/11 23:29:35.35 lZ2S6Za0o 2387/3213



闇武将「神殿島上空の守りを固めろだぁ?」

闇武将「何がくるってんだよ」

闇剣士「勇者だ」

闇武将「勇者って…あのなぁレヴァンよぉ、ここは隔絶された世界だぜ」

闇武将「人間共がどうやって……あーはいはい、やりゃいいんだろ」

闇武将「どっちの方角かわかってるなら教えろ。俺の空戦部隊を迎撃に出す」

サキュバス「あら、なんだか素直じゃない」

闇武将「う、うるせいやい…」

闇剣士「恩に着る。少しでも足止めせねばならんのでな」

闇武将「なぁに明日の今頃には魔王は蘇ってるんだろ。一日でたどり着けるかよ」

闇剣士「そうかもしれんな」

闇剣士「準備を急ぐぞ。各地の豪族達の集結は」

サキュバス「おおかた8割は到着済み」

518 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/11 23:40:36.77 lZ2S6Za0o 2388/3213



【番人の山・上空】



傭兵「山脈の上にでるぞ」

勇者「う…ッ」

傭兵「どうした」

勇者「なにか…嫌な感じがする」

勇者「人でもない…魔人でもないざわざわした嫌な気配」

勇者「何…この得体のしれない恐怖…」

僧侶「私…これ以上近づきたくないです…」

勇者「大丈夫ヒーラ。ボクがついてる」

傭兵「尋常じゃない殺気…俺も肌がピリピリしてきた」

勇者「山の中からじっとボクたちを見てる。こんなに距離があるのに」

傭兵「グリモア王は魔族ですら彼らを支配出来ないと言っていたな」

傭兵「本当にそんなやつらがひしめいているのか…」

僧侶「馬車で行かなくてよかったですね…」

勇者「山に降り立ったら間違いなく死んじゃうだろうね」

傭兵「ユッカ。前方、雲の中に何か影が。敵だ!」

勇者「…うん。でもこいつらは普通の魔物だよ」

勇者「ボクが撃退する! しっかりつかまって!」

519 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/11 23:45:50.66 lZ2S6Za0o 2389/3213



竜騎兵A「うおお! 魔族領へは立ち入らせん!」

竜騎兵B「包囲して叩き落とすぞ!」

竜騎兵C「そしたらあとは番人共が勝手に殺ってくれるぜ!」


傭兵「ユッカ、避けられるか!」

勇者「…遅い!」

勇者「浄化の炎…ボクの敵を撃て!」

▼紅蓮の鳥は激しい熱線を吐き出した。

竜騎兵「なっ…なんだこの魔力―――うわあああっ」


勇者(マナ。待ってて)

勇者(すぐに迎えに行くから!)

傭兵「数が多い!」

勇者「突破する!! ヒーラは結界を球状に展開」

勇者「このまま振り切るよ!」

僧侶「はい!」

520 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/11 23:53:36.04 lZ2S6Za0o 2390/3213


傭兵(なんてやつだ。いまや俺なんてなんの役にもたたないじゃないか)


傭兵(間違いなく、ユッカは人類の希望だ)

全人類の希望をのせて、紅蓮の鳥は闇夜を切り裂いて飛んだ。

背後をふり返って、空の上からみた地表にはポツポツと小さな灯りが見えた。

遠くのあの少し大きな灯りはグリモワだろうか。


傭兵「…人の命の光だ」

傭兵「この世界には命が絶えることなくずっと続いている」


親父が国を捨てたこと、俺が親父に捨てられた事、ユイさんに拾われた事も、ヒーラちゃんとの出会いだってそうだ。

全てが今この瞬間に集約される。ユッカにまつわる全てがだ。

傭兵(今わかった。すべてはユッカのためにあったんだ)

傭兵(俺はユッカという存在を真の勇者へと仕立てあげるための因子の一つにしか過ぎない…)

傭兵(だが…俺の命には確実に、意味があった!!)

傭兵(そうだよな、ユッカ? ユイさん…)

521 : ◆PPpHYmcfWQaa - 2015/09/11 23:58:44.09 lZ2S6Za0o 2391/3213



<翌日>



【闇の神殿・天空広場】


闇剣士「いつの時代も世界を作ってきたのは一握りの求道者だ」

闇剣士「理想だけではなく、時には武勇と叡智をもって光の道を示す」

闇剣士「人間どもはその存在を勇者と呼ぶ」

闇剣士「だが我々は違う。我々魔族にとって、輝かしい光の道など必要ない」

闇剣士「隔絶されたこの地に追いやられ、肩身を狭く暗闇に生きてきた我々に必要なのは何だ」

闇剣士「それは恐怖という生命が決して抗えぬ感情。絶対的な支配の力だ」


闇剣士「今宵、我らが恐怖の王は1000年の時を越え、再びこの世に降臨する」

闇剣士「我々はその存在を魔王と呼ぶだろう」

闇剣士「魔人どもよ立ち上がれ! 魔族が世界を支配する時が来たのだ」

魔人達「ウオオオオ!!」


魔女「…」

闇の石「…」カタカタ

魔女「間に合わなかったね、ユッカ」



第33話<求道者達>おわり



《次話》
第34話<満月の夜に>


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