紅莉栖「えっ、ここどこ?ラボで実験してたはずなんだけど……」
わたし「あのあの、助手さん?大丈夫ですか?」
紅莉栖「助手じゃないと言っとろーが!!」
紅莉栖「……って誰!?なに?ドッキリ?どっかから撮ってるわけ?」キョロキョロ
わたし「ははは……」
わたし(はたして私は助手さんが感情豊かで饒舌になった事を喜んだ方がいいのでしょうか?)
元スレ
わたし「助手さん、助手さん」紅莉栖「助手じゃないと言っとろーが」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1344322262/
紅莉栖「あなた誰?」
わたし「……」
わたし(絶句です。どうやら助手さんの頭はポーンと飛んでいってしまったようです)
わたし(さようなら昔の助手さん。はじめまして新しい助手さん)
紅莉栖「ってこれ、携帯電話!!」
わたし(そうなのです、あのロスとテクノロジーなる物体が原因なのでしょう)
わたし「えぇーとですね助手さん。あなたがこのロストテクノロジーに触れてから、変になってしまいまして……」
紅莉栖「携帯に触れてからって……もしかして、私……実験で……」
わたし「助手さん?」
紅莉栖「ぶつぶつ」
わたし(本格的に危ないようです。あぁ、あの静かな助手さんは戻ってこない物でしょうか……)
紅莉栖「!!あれ、なんで?身体が……」
わたし「どうしたんですか?」
紅莉栖「あの、鏡とか持ってないかしら?」
わたし「鏡ですか?そうですね、たしかこの中に」ゴソゴソ
妖精「どうぞです」
わたし「あぁ妖精さんが持ってたんですか、ありがとうございます」
紅莉栖「それは何?って疑問もあるけど、まずは確認」
わたし(妖精さんまで忘れてしまうとは、彼の頭もいよいよなようです……)
紅莉栖「な、な、なな」ブルブル
わたし(ブルブルと震えて可哀想に……きっと、神経までおかしくなってしまったのでしょう)
紅莉栖「お、男の子になってる!?」
わたし「な、何を……」
紅莉栖「ねぇ、わたし男の子?男の子の姿?」
わたし「ははは……何を言っているのですか助手さん、あなたはいつもどこでも元気一杯……ではないですが立派な男の子でしたよ」
紅莉栖「……」
紅莉栖「なんで?どうして?どうなったらこんな事に?」
わたし(確かにどうなったらこんな事になるのでしょう)
紅莉栖「確かにこの携帯は私の物だけれども……」
紅莉栖「……今は西暦何年?」
わたし「さぁ……」
紅莉栖「……ここはなんて国?」
わたし「さぁ…」
紅莉栖「……詰んだ、死のう……」
わたし「ちょちょちょ、ちょっと助手さん!?」
30 : 以下、名... - 2012/08/07(火) 18:10:13.22 jdpLRhbg0 7/33つづかないです?
31 : 以下、名... - 2012/08/07(火) 18:15:25.99 N0gYiqVj0 8/33だれかかかねばおちますゆえ
紅莉栖「……詰んだ、死のう……」
わたし「ちょちょちょ、ちょっと助手さん!?」
わたし「だ、だめですよー、死ぬなんて軽々しく言っては」
紅莉栖「……」
わたし「あなたが死んだらご遺体は誰が片付けるんです?」
わたし「だからほら、前を向いて明日を生きましょう、ね? 助手さん」
紅莉栖「……」
わたし「助手さん! あ、諦めたらそこで試合終了ですよ!」
紅莉栖「……」
わたし「あ、いつもの助手さんに戻ったようですね、これにて一件落着です」
紅莉栖「だから助手ってゆーな!!」
わたし「だめです、やっぱりいつもの助手さんじゃありません……」
紅莉栖「岡部みたいなこといわ──」
紅莉栖「岡部! 岡部ならきっと何とかしてくれる……」
わたし(岡部って誰でしょうか……)
紅莉栖「携帯携帯……! 岡部岡部……!」
わたし「あのー、岡部って……」
紅莉栖「ごめんなさい、今話しかけないで!」
わたし「は、はい」
わたし(助手さーん……わたしは助手さんのことが怖くなってきました)
紅莉栖「……」
わたし「助手さん?」
紅莉栖「……」
わたし「わあ、またいつもの助手さんに──」
紅莉栖「て゛ん゛け゛ん゛は゛い゛っ゛て゛な゛い゛ぃ゛ぃ゛」
わたし(やっぱりおかしいです、助手さんが涙を流すなんて。よっぽど悲しかったんでしょうか)
わたし「あのー、泣かないでください」
紅莉栖「う゛ぅ゛う゛」
わたし「おーよしよし、痛いの痛いの飛んでけー」
紅莉栖「う゛う゛っ゛」
わたし「だめですか?」
紅莉栖「……おか、べ……おかべぇ……」
わたし「あのー……岡部って……」
紅莉栖「うぅぅ、おかべ……おかべぇぇ……」
わたし「はぁ、ダメです、話になりません……、いつもの聡明な助手さんはどこにいってしまったんでしょうか」
紅莉栖「携帯……電池がないと……おかっ……おかべぇぇぇ……」
わたし「あのあの助手さん」
紅莉栖「助手って……ゆーな……」
紅莉栖「岡部以外に呼ばれたく……ない」
わたし「電力ならありますよ?」
紅莉栖「ふぇっ?」
わたし「はい、わずかですが。その小型の携帯端末を充電する電力なら問題ないかと、ただ──」
紅莉栖「そそそそそれは本当なの!? どこ! どこなの!? 電源はどこ!?」
わたし「い、い、い痛いです助手さん……」
紅莉栖「教えて! それはどこ!? ハリアッ!」
わたし「わ、わかりました、わかりましたからその手をどけてください」
紅莉栖「た、助かったわ! これで携帯の電源が……」
わたし(助手さんに暴行されそうになる日が来るとは思いませんでした……、やっぱりこの助手さんは怖いです……)
~一方その頃、ラボでは~
岡部「おいクリスティーナ」
助手「……」
岡部「おい」
助手「……」
岡部「おい、いい加減に……」
助手「……」
岡部「……」
助手「……」
岡部「セレセブ! 天才変態少女! ザゾォンビ! くまパン! セレセブ! クリ腐ティーナ! ねらー!」
助手「……」
岡部「助手ぅぅぅ! 一体どうしてしまったのだァァ!」
~わたしちゃんのお家~
わたし「ここです、電力が供給されてますよ」
紅莉栖「こ、これで携帯の充電が……」
わたし「ですが……」
紅莉栖「なに? 何か問題でも?」
わたし「その小型の携帯端末はロストテクノロジーですから、そもそも我々の技術で開発した発電機で充電できるかどうか……」
紅莉栖「……」
わたし「助手さん?」
紅莉栖(迂闊……あまりにも迂闊……」
わたし「じょーしゅさーん、無視しないでくださいよー……さっきまであんなに楽しそうだったじゃないですか」
紅莉栖(そう、普通に考えれば、この未知の世界の技術と私達の技術……決して同じ進化を遂げているはずがない……)
紅莉栖(同じ地球ですら、海外を隔てれば電圧が違い、その国の家電製品が使えなくなることがある……)
わたし「今日の助手さんは怪人百面相さんが乗り移ったかのようですね、色々表情が変わって面白いんですが、見ていて不安になります」
紅莉栖(そしてそもそも今の私には……)
紅莉栖「充電器がなぁぁい!」
紅莉栖「詰んだ……今日二度目……死のう」
わたし「わ、わ、わちょっと、助手さん!」
紅莉栖「もうだめなのよ……私は死ぬまでこの訳の分からない世界で暮らすしか無いのよ……」
わたし(助手さん情緒不安定すぎますね……)
紅莉栖「ふふふ……」
わたし「どうしました?」
紅莉栖「さっきの小さい生物の生態についての研究に一生を費やすのも面白そうね……」
わたし「え、えっと……あのあの」
紅莉栖「……まずは開頭して……それから電極ぶっさして……あ、電力は貴重だったんだっけ、それじゃあロボトミー手術でも施して……」
紅莉栖「うふふふ……」
わたし(なんだか聞きなれない用語が飛び交ってますが、非常に危険な香りがしますね)
わたし(ここは一刻も早くエスケープ、そうしましょう)
紅莉栖「待ちなさい……」 ガシッ
わたし「ひっ……」
わたし(まずいです、希望を見出した後の絶望を味わったせいでしょうか、狂乱してます)
紅莉栖「さっきの妖精さんはどこにいるのかしら」
わたし「え、えっとー……わ、分かりました、会わせます会わせますから」
紅莉栖「ホント?」
わたし「こう見えても私、調停官なんですよー。だから妖精さんたちとのパイプ役は慣れてるんですよ、ははははは……」
紅莉栖「……」
わたし(ごめんなさい妖精さん、人とは罪な生き物なのです)
紅莉栖「バカね」
わたし「え?」
紅莉栖「冗談に決まってるじゃない」
わたし「えっと……」
紅莉栖「確かに興味深い研究対象であることに代わりはないけど、そんなことするほど、狂っちゃいない」
わたし「は、はぁ……そうなんですか」
紅莉栖「こんなところで諦めるほど、絶望的な状況ではないはず、電力だってあるんだから……」
紅莉栖「にしてもあなた、ころっと騙されるのね」
わたし(なんだかすっごく冷静にブラックジョークかましたつもりなんでしょうが、さっき泣きじゃくってたのはどこの誰なんでしょう)
わたし(でもそれを言うと、すっごく大変なことになりそうですね)
紅莉栖「え?」
わたし「いえ、なんでもないです、あはははは……」
~一方その頃、ラボでは~
岡部「紅莉栖ぅぅ! 返事をしろぉっ!」
助手「……」
まゆり「ねぇ……クリスちゃん、どうしちゃったのかなぁ……?」
助手「……」
岡部「いい加減にしろよぉっ!」
助手「……」
まゆり「オカリーン……病院に連れて行ったほうが、いいんじゃないかなぁ……」
助手「……」
岡部「おい助手ぅ! いつもみたいに言い返してくれよ!」
助手「……」
岡部「ダル! ダァァァル! マイフェイバリットライトアァァーンムッ!!」
紅莉栖「さて、まずはこの発電機の構造を調べてっと……」
わたし「助手さん、いつの間にそんな知識を蓄えたんですか?」
紅莉栖「さあね。と言っても私は専門じゃないから」
わたし「私に手伝えることがあったら言ってくださいね」
紅莉栖「サンクス、あなたにはホント助けられてるわね」
わたし(助手さーん……さっきからずっと思ってましたが、その女の子口調はやめた方がいいかと)
紅莉栖「あぁっもう……一体どうなってんのよここ」
紅莉栖「この配線が……えーっと……こうなって? うーんと……」
妖精「おこまりのようです?」
紅莉栖「わぁぁっ!?」
妖精「ちからがほしいです?」
紅莉栖「お、驚かさないでよ……」
妖精「ちからが……ほしいです?」
紅莉栖「でもちからって……」
わたし「妖精さんの技術力は世界一なんですよ」
妖精「ちからかしたら、あまいものくれるです?」
紅莉栖「あげる、あげるから!」
妖精「おもしろいことあるならー」
紅莉栖「ある、あるわよ! バナナが空間移動してゲル状になったり、猫耳メイドがニャンニャン言ってたり、かわいい女の子が男の子だったりするのよ!」
妖精「それはこころひかれますな」
妖精「それでは、さぎょうにとりかかりますゆえー」
妖精「ゆえー」
紅莉栖「わっ、いっぱい出てきた!」
わたし「妖精さん張り切ってますね」
紅莉栖「え……えぇ……でも本当に任せても大丈夫なの?」
わたし「さっきも言った通り、彼らの技術力は世界一ーです」
わたし「ただ問題があるとするなら……」
紅莉栖「問題?」
わたし「いえ、なんでもありません、これはわたし達にはどうすることもできないので」
紅莉栖「なんだか不安ね……」
わたし「さあ、妖精さんのために角砂糖を用意しておきましょう」
わたし「それにしても助手さん、さっきバナナがどうとか、猫耳メイドがどうとか言ってましたが」
紅莉栖「事実よ、私たちの世界では現実にある」
わたし「へー、そうなんですか、不思議なことってあるものなんですね」
わたし(あぁ……今度は別の世界から来た設定になっちゃってるようです……助手さーん、いい加減に帰ってきてくださーい……)
紅莉栖(私にしてみれば妖精とか、”あれ”とかのほうが不思議なんだけど……」
加工済食肉「んんんんー!! んんー!」
────
───
──
~わたしちゃんのお家~
妖精「だらだらするですー」
紅莉栖「ちょ! 全然作業はかどってないじゃない!」
妖精「うつですゆえ」
紅莉栖「ど、どーすんのよ!」
妖精「あずかりしらぬ」
わたし「そうなんですよね……妖精さんはもともと飽きっぽい上、電磁波を浴びると鬱になってしまうんです」
妖精「やるきがなくなりもうした」
妖精「あきました」
妖精「もうどうでもいい」
紅莉栖「だめだこいつら、はやくなんとかしないと……」
わたし「ははは……」
妖精「とちゅうまでさぎょうしたほうびをようきゅうするです」
妖精「おさとうおさとうー」
妖精「だらだらー」
紅莉栖「ぐぬぬぅぅっ!」
わたし「どうしましょう、もう諦めていつもの助手さんに戻ってもいいんですよ? 泣いてもいいんですよ?」
紅莉栖「こ、こうなったら当初の予定通り自分でやる!」
わたし「でも助手さんに技術者としての才能はー……」
紅莉栖「やってみせるわ!」
わたし「聞く耳持ちません……」
紅莉栖「私は天才天才天才……」
紅莉栖「大丈夫、なんとかなる気がしてきたわ……!」
妖精「15Fのあんていかんはいじょうですゆえ」
────
───
──
紅莉栖「できたぁぁっ! 電圧コンバータと充電器!」
わたし「助手さんにこんな才能があったとは、驚きです」
紅莉栖「これで岡部と連絡が……」
prrrrrr
着信:岡部倫太郎
紅莉栖「さ、早速来た!?」
ピッ
紅莉栖「も、もしもし岡部!?」
岡部「紅莉栖か!?」
紅莉栖「聞いて岡部! 私知らない世界に……」
岡部「分かっている! 今お前が紛れ込んでいるその世界は……」
岡部「”人類は衰退しました”というアニメの世界なのだっ」
紅莉栖「ふぇっ? アニ……? ちょ、それはちょっとジョークになってな……」
岡部「冗談などではない! 現に今、2日も眠ったままのお前が俺たちの近くにいる!」
紅莉栖「え……うそ……」
岡部「VR技術の応用実験をする、お前は確かそう言っていた」
紅莉栖「VR……2次元……」
岡部「……変なヘッドフォンをしたままずっと目を覚まさないのだっ」
紅莉栖「うぅ……」
岡部「それでダルに協力してもらってソフトの解析を行い、今のお前と交信しているというわけだ」
紅莉栖「思い……出した」
紅莉栖「そうだ……私は……自分を実験台にして、VR技術の実験を……」
岡部「教えてくれ、俺達はどうすればいい!?」
岡部「パソコンを消したりやヘッドフォンを外せば解決するのか?」
紅莉栖「だ、だめ!」
紅莉栖「突然通信を途絶えさせると、私の意識がこの世界に取り残されたままになっちゃうかもしれない……」
岡部「ならばどうすればいい?」
紅莉栖「今からいう手順に従ってくれる? 通信のシャットアウトの仕方、教えるから」
岡部「わ、分かった……」
────
───
──
紅莉栖「以上で手順の説明終わり、後は……数時間もあればそっちの私の意識も戻ると思うから」
岡部「あ……あぁ」
紅莉栖「ごめんね、岡部、心配かけて」
岡部「気にするな、それでは健闘を祈る」
紅莉栖「うん」
わたし「助手さん、行っちゃうんですか?」
紅莉栖「ええ、そうみたい……」
わたし「そうですか」
紅莉栖「どうしたの?」
わたし「いえ、突然助手さんが感情豊かで饒舌になった時はそりゃあもう驚きましたが、そんな助手さんがいなくなってしまうのも寂しいなあと」
紅莉栖「……あなたにも迷惑かけたわね」
わたし「いえいえそんなこと」
わたし(ありましたがここは言っちゃダメな流れですよね、うん)
妖精「ほうびはまだです?」
妖精「ゲル状のばななは?」
妖精「ねこみみめいどみたいですー」
妖精「かわいいおんなのこが、おとこのことはふしぎなもの」
わたし「ちょっと妖精さん、この助手さんは本当はこの世界の人では──」
ガチャ
Y「話は聞かせてもらった!」
わたし「え、えっと……」
Y「ちょっと一緒に来てもらおう!」
紅莉栖「ちょ、ちょっとぉ!?」
岡部「そろそろ紅莉栖の意識が戻るはず」
ダル「いやーしかし、牧瀬氏、今二次元の中にいるわけっしょ?」
まゆり「いいなー、まゆしぃも入れて欲しいなー」
ダル「あ、まゆ氏、入れてほしいなーってのもっかい……」
岡部「ダル、今は自重しろ」
助手(紅莉栖)「んんっ……」
ダル「おぉ、牧瀬氏がビクンビクン」
岡部「紅莉栖!?」
紅莉栖「ん……」
紅莉栖「おか……」
岡部「紅莉栖、大丈夫か!? 紅莉栖」
紅莉栖「……」
岡部「おい、紅莉栖?」
紅莉栖「岡部、まゆり、橋田、ありがとう」
岡部「紅莉栖……、良かった……無事で……」
紅莉栖「でももういっぺん戻るわね」
ダル「えっ?」
まゆり「んー?」
岡部「はぁ!?」
紅莉栖「よいしょ、セット完了っと……」
岡部「お、落ち着け紅莉栖!」
紅莉栖「はーなーしーてー!」
紅莉栖「同類誌が、私を呼んでるのよー!!」
おわれ
119 : 以下、名... - 2012/08/07(火) 21:39:14.02 eERKBaaJO 32/33紅莉腐になってしまわれた
乙
123 : 以下、名... - 2012/08/07(火) 21:41:29.69 mSBEpb/K0 33/33書くの遅くてスマンな、わたしちゃんもうちょっと動かしたかったな
以下、ネタバレのため伏せ字
助手さんは喋らないのではなく、○○○ちゃんが○○だから、○が○○○ないんだよ
だから、クリスの○も○○○ない