~ 新宿 ~
ガチャッ
店長「いらっしゃ…おぉ哲さん!助けてくだせえ!」
哲也「どうした?」
店長「えらく強いやつがきちまったんですよ…」
ダンチ「なにィー!? よっしゃ、いっちょやったりましょうぜ哲さん!」
哲也「どんなやつなんだ?」
店長「それが…毎回かならず天和を引き当てるんですよ…」
ダンチ「はぁ!? あきらかにイカサマだろ!」
哲也「…」
店長「そ、それが、怪しい動きは一切ないんです」
ダンチ「チッ、これだからトーシロは駄目なんだよ。俺らに任せろってんだ!」
哲也「その卓に案内してくれ」
元スレ
佐天「麻雀で天和しかでない能力かぁ」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1329870962/
佐天「あのぉ…また天和です…」パタン
軍人「シィーット!嬢ちゃん、ちょっと来てもらうぜ!!」グイッ
佐天「キャッ!」
哲也「ちょっと待ってくれ」ガシッ
ダンチ(はわわ!て、哲さん!)
軍人「あぁ?ジャップ、離さないと痛い目みるぜ」
哲也「今度は俺が打つ、それまで待ってくれ」
軍人「ハハン?相手はイカサマ野郎だぜ?」
哲也「あぁ、俺が負けたらお前の負け分も俺が払おう」
軍人「チッ…約束は守れよ」
哲也「さぁ、やろうか」ガタッ
ダンチ「へへ、俺らは簡単にやられねえぜ?」
佐天「は、はい!あの、ありがとうございました」
哲也「ふん、このまま始めよう」
ダンチ「え゛、もう一回あがられちゃってるんですよ!?」
哲也「いいから始めろ」
佐天「わ、わかりました」
ー 東2局 【親:佐天涙子】 ー
ガチャガチャガチャガチャ
哲也(ダンチ、変な動きしないか見ておけ)
ダンチ(は、はい!)
カシャッ
佐天「えっと…皆さん積むの速いですね…あはは……」
哲也(明らかにド素人だ、この手つきじゃ積み込みはない)
ダンチ(マ、マジで運が良いだけだったりして…)
カシャッ
佐天「お待たせしましたぁ~(うぅ、こんなところ来るんじゃなかった…)」
佐天「サイコロ振りますね」ヒョイ
コロコロ
佐天「えっと、【3】だからリーゼントさんの山ですね」
軍人「Why?」
哲也「山は自分から数えるんだ」
佐天「あ、すみません。ではえっと…お名前は…」
哲也「哲也だ」
佐天「哲也さんの山からですね」
哲也「あぁ (…ブラフか?)」
カチャ…カチャ…カチャ…カチャ…
哲也(俺の山はメンツが揃わないように積み込んだ、天和はない)
ダンチ(さぁ、あがれるもんならあがってみろ!)
佐天「すみません…天和です…」パタン
哲也「なに!?」ガタッ
ダンチ「どうなってんだこりゃあ!?」ガタッ
佐天「え、えへへ… (超能力だなんて言えない…)」
哲也(俺の積み込みは完璧だった!ダンチの山からの配牌で天和が出来たのか!?)
ダンチ(ど、どうしましょう哲さん!)
哲也「…まだだ。今日はとことん付き合ってもらうぜ」
佐天「あ、あはは…」
ー 2戦目 親決め ー
哲也「親決めだ、サイコロでいいか?」
佐天「確かサイコロを2つ振って出目が大きい人ですよね?」
哲也「そうだ」
哲也(親じゃなければ天和は出せない、房州さん仕込みのサイ振りをみせてやるぜ)
哲也「俺から振らせてもらうぜ」シュッ
コロコロ…
佐天「!」
哲也「出目は【6・6】だ」
ダンチ(ひょー!相変わらずすげえぜ!)
ダンチ「じゃ、次は俺だな!」パッ
出目【1・2】
佐天「…クスッ」
ダンチ「お、俺はいいんだよ!ほら、お前だぞ」
佐天「あ、はい!振ります!」ヒョイ
哲也(さぁ、どうする?)
コロコロ…
佐天「私も【6・6】ですね」
ダンチ「はァー!?」
軍人「ククク、こいつは絶対に親になるのさ…」
86 : 以下、名... - 2012/02/22(水) 12:58:46.07 ZX2nS8p60 9/24出目の大きい人が親?
90 : 以下、名... - 2012/02/22(水) 13:04:30.95 Yxc782kj0 10/24>>86
俺の地方ではそうだったんだ
他にも東・南・西・北から東をとった人とか一人がサイコロ振ってその出目の人がもう一回振るってやり方もある
哲也「まだ決まったわけじゃない」
ダンチ(そ、そうだ!哲さんがサイコロで負けるはずない!)
軍人「俺はパスだ。ほら、振りな坊や」
哲也「あぁ」シュッ
コロコロ…
佐天「また【6・6】…」
哲也「お前の親が崩れるまで付き合ってもらうぜ」
佐天「っ! (やっぱりこの人サイコロの目を自由に出せるんだ!)」
佐天「わ、わかりました」ヒョイ
出目【6・6】
哲也(なんだ…どうなってる…?)
佐天(大丈夫、私の親は崩れないっ!)
佐天「次は哲也さんですね」スッ
哲也「そのサイに触るな!」
佐天「!?」ビクッ
軍人「!」
ダンチ(ついに哲さんが仕掛けた!)
哲也「…そのサイ、改めさせてもらうぜ」
佐天「ど、どうぞ (何言ってるんだろ、この人?)」
哲也(あの手つきで出目操作は無理だ、となればこれしかない!)
ガリッ!
佐天(ひっ!サイコロを食べた!!)
ダンチ「そうか!グラサイか!!」
佐天「グラサイ?」
ダンチ「とぼけたって無駄だぜ!」
佐天「??」
哲也「ペッ…」
佐天(あ、吐いた)
哲也「!」
ダンチ「ど、どうだったんだよ哲さん!」
哲也「グラサイじゃない…だと…?」
佐天「あ、あのぉ…」
哲也(バカなッ!俺はサイコロの振り方を知っている!あんな振り方じゃ無理なはずだ!)
ダンチ(サイのすり替えがなかった、この駆け引きは哲さんの負けだ!)
佐天(こ、ここは勇気を出して仕掛けてみよう!)
佐天「あ、あの!これどうしてくれるんですか!!」
ダンチ「ちょ、ちょっとカマかけただけじゃねえか!」ガタッ
佐天「ひぃ!」
哲也「ダンチ!!」
ダンチ「哲さん!?」
哲也「…すまなかった」
佐天(ここだ!)
佐天「じゃ、じゃあ親をください」
哲也「……あぁ、いいだろう」
佐天「ありがとうございます」
佐天(よかった~!私の能力は役が天和になる能力…親じゃないとどうなるかわからない…)
ダンチ(追い詰められちゃいましたね)
哲也(…いや)
ダンチ「!!」
ダンチ(じゃ、じゃあ何か策が?)
哲也(いや、策はない)
ダンチ(じゃあダメじゃないっすか!)
哲也(今の場面、この女は俺から点棒を奪うこともできた…にも関わらず彼女は親を選んだ)
ダンチ(ど、どういうことですか?)
哲也(こいつ、天和以外は何もできないってことだ)
ダンチ(な、なら親を流しさえすれば…!)
哲也(勝負はここからだ)
哲也「おい、席を変わってくれないか?」
軍人「あん?いいぜ、好きにしな」
哲也「いいか?」
佐天「ど、どうぞ (何かする気かな?)」
佐天(どうせ私が天和あがって終わりだし何しても無駄無駄無駄無駄ァ!ってね♪)
ダンチ「チッ、浮かれやがって」
哲也「…」
ー 2戦目 東1局 【親:佐天涙子】 ー
ガチャガチャガチャガチャガチャガチャ
佐天(わ、やっぱり積むの速いなぁ…)
ダンチ「はぁー…本当に素人臭いから嫌んなるぜ…」
佐天「す、すみません」
哲也「サイコロを振れ」
佐天「はい」ポイッ
コロコロ…
佐天「えっと【10】だから…」
哲也「俺の山だ」
佐天「あ、はい (哲也さんのか…嫌だなぁ…)」
カチャ…カチャ…カチャ…カチャ…
ダンチ(哲さん、何かしたのかな?)
哲也「…」
佐天(さて、哲也さんが何かしたみたいだけどあがってるかな?)
…チラッ
佐天(えっと…よし、ちゃんとあがってる!!)
佐天「天和です!」バンッ
ダンチ「なにィー!?」ガタタッ
軍人「Hey!終わりみたいだなジャップ!」
佐天「私の勝ちですね!」
「おい、どういうことだ?」
佐天「え…どういうことって…」
ダンチ「そうだよ哲さん!どう見たってあがって……あれ?」
軍人「おいおい、2ピンと3ピンを見間違えてるぜ嬢ちゃん」
佐天「そ、そんなはずは!」ガバッ
佐天「!?」
佐天(な、なんで…どうして…!?)
ダンチ(あ…あ…て、哲さんの左手芸だッ!!)
ダンチ(俺や軍人のオーバーリアクションで気を取られてるうちにすり替えたんだ!)
哲也「チョンボだな。8000点、支払ってもらおう」
佐天「そ、そんな…」
ダンチ(これならあがってようが関係ない!)
佐天(そ、そうだ!)
佐天「すり替えましたね!? イカサマです!」
哲也「…証拠は?」
佐天「え…」
哲也「いいか…覚えておくんだ…」
哲也「イカサマはバレなきゃイカサマじゃない。技って言うんだ」
佐天「そんな… (でも証拠がなきゃ何もできない…)」
佐天「わ、わかりました!続けましょう!」
佐天(次は気をつければいいだけ!私の勝ちに揺るぎはない!!)
ー 東2局 【親:哲也】 ー
哲也「サイを振るぜ」ヒョイ
佐天「はい… (な、何かしてくるに違いない…!)」
哲也「出目は【3】。ダンチの山だ」
ダンチ「はいはーい」
カチャ…カチャ…カチャ…カチャ…
佐天(うわ、やっぱりバラバラだ…普通に麻雀するの初めてかも…)
佐天(あぁ…役とかわかんないよぉ…)
哲也「終わりだ」
佐天「…え?」
………パタンッ…
哲也「天和・大四喜・字一色・四暗刻。5倍役満だ」
軍人「What's!?」
佐天「あ…あ……そ、それ………」
ダンチ(うお、哲さん!まさか燕返しを…!)
哲也「1人8万点、いただこうか」
佐天「は、払えるわけないじゃないですか! イカサマも大概にしてください!」
哲也「…この世界は甘くないんだぜ」
哲也「確かに俺はサマをした。だがもうあがった事実はなくならない」
佐天「…」
哲也「これに懲りたら二度と賭場にはくるな、賭場で稼いだ金を置いていけ。それで見逃してやる」
ダンチ(あ…勿体ない…身体で……)
佐天「ほ、本当ですか!? ありがとうございます!ありがとうございます!!」
哲也「早くいけ」
佐天「し、失礼します!」
軍人「Hey!なかなか痺れたぜ!!」
哲也「何を言ってる?」
軍人「はん?」
哲也「8万点、さっさと払えよ」
軍人「えっ」
ダンチ(うわ、哲さんえげつねえ…)
哲也「まさか払えないとか言うんじゃねえだろうな」
軍人「シィーーーーーーーット!!!」
ー 終わり ー