1 : ◆VgLY1HQ3xE - 2016/01/11 14:37:57.01 xMQqEIfOo 1/27

<縁側>

提督(お~寒、今日は冷えるな~)

提督(早く炬燵に入りたいっと…ん?あそこにいるのは…)

元スレ
【艦これ】響「暖め合い」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1452490676/

2 : ◆VgLY1HQ3xE - 2016/01/11 14:39:42.56 xMQqEIfOo 2/27

「…」

提督「響、こんなところでなにしてんだ?」

「ん?ああ、司令官か」

提督「今日はいつもより一段と冷える、こんなところにいたら風邪ひいちまうぞ」

「なに、子供は風の子、というじゃないか」

「それに、今日は君の言う通り、いつもより一段と冷える、もしかしたら雪が降るかもしれない」

3 : ◆VgLY1HQ3xE - 2016/01/11 14:41:45.21 xMQqEIfOo 3/27

提督「まあ、確かに今日は雪が降るかもしれないな…ってお前まさか」

「ああ、雪が降るのを待っていたのさ」

「今年初めての雪を、この目で見ようと思ってね」

提督「お前どんだけ雪好きなんだ、子供かよ、って子供か…」

4 : ◆VgLY1HQ3xE - 2016/01/11 14:43:00.90 xMQqEIfOo 4/27

「まあそういうこと、大丈夫、引き際は弁えているさ」

「風邪をひきそうになったら、すぐに部屋に戻るよ」

提督「…はあ、もう」

提督「隣、邪魔するぞ、あとこれ着ろ」

5 : ◆VgLY1HQ3xE - 2016/01/11 14:44:11.68 xMQqEIfOo 5/27

「これ、君の上着…これだと君が風邪をひいてしまう」

提督「簡単に風邪をひくほど軟な体していないさ、それに部下の体調を気遣うのも、願いを聞くのも、上官の務めだ」

提督「ここで一緒に雪を待とう、いいか?」

6 : ◆VgLY1HQ3xE - 2016/01/11 14:44:55.60 xMQqEIfOo 6/27

「…」

「…うん、いいよ」

「…だけど、この上着だけだと、まだ寒いかな」

提督「あ~じゃあもっとちゃんとした防寒着を…」

「いや、これでいい」ギュッ

7 : ◆VgLY1HQ3xE - 2016/01/11 14:47:11.92 xMQqEIfOo 7/27

提督「おいおい、俺にくっついてどうするんだ」

「君で暖を取ろうと思ってね、それにこれなら、君も暖かいだろう?」

提督「…まあ確かにな」

「…ああ、やはり君は暖かいな、悪くない」

提督「…ああ、本当に暖かいな、悪くない気分だ」

8 : ◆VgLY1HQ3xE - 2016/01/11 14:47:57.18 xMQqEIfOo 8/27

。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

「…雪、降るかな」

提督「どうだろうな、こればっかりは空の気分次第だ」

「そうだろうね、ならば空にお願いをするべきだろうか」

提督「そうだな、気分が良ければ、聞き入れてくれるかもしれない」

9 : ◆VgLY1HQ3xE - 2016/01/11 14:48:28.15 xMQqEIfOo 9/27

「それじゃあ…」スッ

「…」

提督「…」

10 : ◆VgLY1HQ3xE - 2016/01/11 14:49:10.11 xMQqEIfOo 10/27

響は手を空に掲げ、そして目を閉じた

今まさに、空に願っているのだろう

そんな響を真似て、俺も顔を空に向け、目を閉じ、願った

響の願いを聞き入れてもらえるよう、願った

そう願った矢先…不意に自分の鼻先に、冷たい何かが触れたのを感じ、目を開いた

11 : ◆VgLY1HQ3xE - 2016/01/11 14:49:41.73 xMQqEIfOo 11/27

「司令官、見てみなよ」

提督「ああ、見ているよ」

「雪だ…」

12 : ◆VgLY1HQ3xE - 2016/01/11 14:50:50.03 xMQqEIfOo 12/27

空から幾億もの雪が、私達の元に舞い降りた

私の、私達の願いを、空が聞き入れてくれたからだろうか

まあ、今はそんなことどうでもいい

綺麗だ

彼と見るこの雪が、この光景が、ただただ、綺麗で、美しい

私は手を広げ、舞い降りる雪に触れた

だけど、その雪は、私の手の平に触れた瞬間に、解けてしまった

13 : ◆VgLY1HQ3xE - 2016/01/11 14:51:18.89 xMQqEIfOo 13/27

「…ああ、やはり、解けてしまうんだね」

提督「響?」

14 : ◆VgLY1HQ3xE - 2016/01/11 14:53:15.78 xMQqEIfOo 14/27

「君とみる雪は、とても綺麗で、美しい」

「この光景は、きっと私の思い出として、残り続けるんだ…だけど」

「この光景を、思い出だけじゃない、思い出だけじゃ、足りない」

「形として、残したいと、そう思ったんだ」

「…欲張り、なんだろうけどね」

「だけど、残したいんだ」

15 : ◆VgLY1HQ3xE - 2016/01/11 14:53:45.74 xMQqEIfOo 15/27

「それほどに、この光景が、素晴らしいと感じたんだ」

「…だけど、いや、もう止そう」

「これ以上は、欲張りなんだ」

16 : ◆VgLY1HQ3xE - 2016/01/11 14:54:19.72 xMQqEIfOo 16/27

「…」

提督「…」

提督「この雪は、とても寒い空で生まれ、そして響の元に舞い降りた」

「?」

17 : ◆VgLY1HQ3xE - 2016/01/11 14:57:05.54 xMQqEIfOo 17/27

提督「寒い世界しか知らない雪は、響の手の平に触れた瞬間、こう感じたはずだ」

提督「とても暖かい、心地良い…って」

提督「そして、その暖かさに、身を委ねようと、一つになりたいと、そう思った」

提督「その身を解かしてまでも、そうなりたいと、願ったんだ」

提督「そして、響にその身を委ね、一つになった」

18 : ◆VgLY1HQ3xE - 2016/01/11 14:58:01.94 xMQqEIfOo 18/27

提督「だから響、この雪は残り続ける」

提督「響の、心地良い暖かさがある限り」

提督「いつまでも、いつまでも、な」

19 : ◆VgLY1HQ3xE - 2016/01/11 14:58:53.76 xMQqEIfOo 19/27

「ああ、そうか…」

「残り続けて、くれるんだね」

「ああ、良かった、嬉しい」

「すごく、嬉しい…」

20 : ◆VgLY1HQ3xE - 2016/01/11 14:59:39.29 xMQqEIfOo 20/27

「…ねえ、なんだか似ていると思わないかい?」

提督「ん?」

「この雪と、私」

提督「響と雪が、か?」

21 : ◆VgLY1HQ3xE - 2016/01/11 15:00:08.56 xMQqEIfOo 21/27

「私も、君の暖かさに触れ、とても心地良いと感じている」

「まるで、解けてしまいそうになるくらいに…」

22 : ◆VgLY1HQ3xE - 2016/01/11 15:00:42.20 xMQqEIfOo 22/27

「そうだ、今の私は、雪なんだ」

「君という暖かさに触れ、解けていく」

「私の全てを委ねたいと…」

「一つになりたいと願う、雪なんだ」

23 : ◆VgLY1HQ3xE - 2016/01/11 15:02:09.28 xMQqEIfOo 23/27

提督「…随分、暖かい、心地良い雪だな」ギュッ

「…」ギュッ

提督「…なあ、響」

「…なんだい」

24 : ◆VgLY1HQ3xE - 2016/01/11 15:02:37.23 xMQqEIfOo 24/27


提督「雪、綺麗だな」

25 : ◆VgLY1HQ3xE - 2016/01/11 15:03:08.39 xMQqEIfOo 25/27

「…」

「…ああ」ギュッ

26 : ◆VgLY1HQ3xE - 2016/01/11 15:04:01.23 xMQqEIfOo 26/27



「私も、解けていたい」


27 : ◆VgLY1HQ3xE - 2016/01/11 15:04:28.49 xMQqEIfOo 27/27

終わり。

じゃあの

記事をツイートする 記事をはてブする