1 : 以下、2... - 2016/01/06 21:14:50.88 hYQQoVVmo 1/11


死神「これは“ですノート”だ」

「なんだそりゃ?」

死神「とりあえず、持ってみるがいい」

「どれどれ……」ヒョイッ


元スレ
死神「これは“ですノート”だ」男「なんだそりゃ?」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1452082480/

2 : 以下、2... - 2016/01/06 21:16:32.83 hYQQoVVmo 2/11


「別にどうってことない、普通のノートですね」

「これに名前を書くと、その人が死んだりするんですか?」

死神「いや、そんな効果はない」

死神「このノートが効果を及ぼすのは“ノートを手に持っている者のみ”だ」

「そうなんですか。いったいどんな効果なんですか?」

5 : 以下、2... - 2016/01/06 21:19:19.27 hYQQoVVmo 3/11


死神「試しに、一度ノートを置いてみるといい」

「はいです」スッ

死神「よし、もう一度しゃべってみろ」

「しゃべるって……なにを?」

死神「な? 分かっただろう?」

6 : 以下、2... - 2016/01/06 21:23:23.39 hYQQoVVmo 4/11


「いや……全然分からないんだけど」

死神「……なんという鈍い奴だ。なら、もう一度持ってみろ」

「めんどーくせーな……」ヒョイッ

「こうですか? これでいいんですか?」

死神「もっと色々しゃべってみろ」

「しゃべれといわれても、なかなか難しいです。話題も思いつかないです」

死神「な、自分の異変に気づいただろ?」

7 : 以下、2... - 2016/01/06 21:25:00.46 hYQQoVVmo 5/11


「いや……さっぱり分からないです」

死神「ええっ……」

8 : 以下、2... - 2016/01/06 21:28:16.71 hYQQoVVmo 6/11


死神「だったら……お前の声を、このラジカセに録音して聞かせてやろう」ゴトッ

死神「そうすれば、お前もこのノートの秘密に気づくはずだ」

「そこまでしなきゃならないんですか? まあいいです、付き合ってやるです」

死神「じゃあまず、ノートを置いて軽く自己紹介してみろ」

「はいです」スッ

9 : 以下、2... - 2016/01/06 21:31:34.11 hYQQoVVmo 7/11


「俺はなんの取り柄もない高校生だ」

「彼女募集中!」

「おかしな死神に目をつけられて、めんどくさいことになっちまった」

「……これでいいか?」

死神「よし、次はノートを持って同じことをしゃべれ」

「あいよ」ヒョイッ

10 : 以下、2... - 2016/01/06 21:34:15.06 hYQQoVVmo 8/11


「俺はなんの取り柄もない高校生です」

「彼女募集中です!」

「おかしな死神に目をつけられて、めんどくさいことになっちまったです」

「……これでいいんですか?」

死神「オーケーだ。じゃあ、再生するぞ」

12 : 以下、2... - 2016/01/06 21:39:22.50 hYQQoVVmo 9/11


死神「まず、これがノートを持っていない時のお前」

『俺はなんの取り柄もない高校生だ』

『彼女募集中!』

『おかしな死神に目をつけられて、めんどくさいことになっちまった』

『……これでいいか?』



死神「次に、これがノートを持っている時のお前の声だ」

『俺はなんの取り柄もない高校生です』

『彼女募集中です!』

『おかしな死神に目をつけられて、めんどくさいことになっちまったです』

『……これでいいんですか?』

14 : 以下、2... - 2016/01/06 21:42:33.38 hYQQoVVmo 10/11


死神「……な? 分かっただろう?」

「ああ、分かった。自分の声を聞くのってなんだか照れ臭いな。へへっ」

死神「へへっ、じゃねえよ!」

死神「いくらなんでもバカすぎるだろ! ヒントは“語尾”だ!」

「おいおい、ヒントが露骨すぎだろ。さすがの俺でももう分かったよ」

死神「おおっ、やっと分かってくれたか!」ウルッ

15 : 以下、2... - 2016/01/06 21:45:25.31 hYQQoVVmo 11/11


「俺って結構イケメンボイスなんだな! 特に語尾が! 声優とか向いてるんじゃね?」

死神「……もういいです」







― おわり ―

記事をツイートする 記事をはてブする