岡部「…諸君。今日集まってもらったのは他でもない。わがラボでの活動についてだ」
岡部「日に日に激化する『機関』との抗争に、諸君らはよく耐えてくれている。俺も誇りに思う」
岡部「だがしかし…この状態もいつまで続くか分からん…。俺もひょっとしたら、『機関』からの攻撃にいつ命を落としてもおかしくはない…」
岡部「ならば、せめてこの安息の日々を…暫時の安寧を、謳歌しようとは思わないか?」
岡部「よってこの鳳凰院凶真は! 本日1日を以って『機関』への反抗を中断し!
アルフヘイム
諸君らを『妖精の集いし聖地』へ招待する!!
元スレ
岡部「ラボメンでカラオケに行くことになった」
http://hibari.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1315229078/
ラボメンズ「………」シーン
紅莉栖「…何言ってるんだか、皆目見当つかないんだけど…」
ダル「あー、翻訳すると…『最近学生らしいこととか全然してないから皆でカラオケにでもいかね?』ってとこっしょ?」
まゆり「うわー! ダルくん、よく分かったねー! まゆしぃ、難しい言葉がいっぱいだったからさっぱりだったのです」
ダル「まぁ付き合いはそこそこだし、オカリンの意図している事くらいは余裕のよっちゃんっしょ」
紅莉栖「何だ。始めからそう言いなさいよ、紛らわしい」
岡部「な!? せっかくこの俺がお前らの苦労を労っているというのに、助手の分際で!」
紅莉栖「誰が助手か!」
まゆり「まゆしぃは大賛成だよ~♪ 皆でカラオケ行くと、絶対楽しいもん!」
ダル「んー、最近オフ会もさっぱりだったから、僕も行きたいお」
紅莉栖「…そうね。ここのところ、ラボに篭りっぱなしだったし、たまには息抜きもいいんじゃない?」
フェイリス「にゃんにゃん☆ フェイリスも特に反対はないにゃん!」
ダル「フェイリスたんの生歌…だと…? 胸が熱くなるな…」
ルカ「あの…あまり言ったことありませんけど、皆さんが行きたいなら、僕も行きたいです」
鈴羽「うーん…『からおけ』ってのはよく分からないけど、何だか楽しそうだから行くよ。今日はバイトないしね」
萌郁「……」
岡部「む? 指圧師。お前は反対か? まぁ無理強いはしないが」
萌郁「……」カチカチ
ヴーヴー
from:閃光の指圧師
件名:私も行きたい!
本文:皆が行くなら、私も着いていきたいな☆
でも、行ったことないからよく分からない…(;^_^A
それでもいいなら、お願い!八(^□^*)
岡部「む、むぅ。そうか。では、貴様も参加ということでいいな?」
萌郁「」コクコク
イザヴェル
岡部「決まりだな。これより、オペレーション『愚者へ手向ける賛美歌』を開始する!!」
~秋葉原 某カラオケ店~
まゆり「うわー! ひろーい! まゆしぃ、こんな大人数でカラオケ着たの、初めてだよー!」
紅莉栖「へえ…カラオケボックスって初めて入ったけど、意外と綺麗なのね」
岡部「ふ…この閉塞感に漂う邪気…まさに狂気のマッドサイエンティストに相応しい…」
まゆり「オカリン、オカリン、みてみてー! ミラーボールまであるよー!」
ダル「ふぃー。久しぶりに入ったけど、やっぱ大部屋だとテンション上がるお」
ルカ「お、お邪魔します…」
鈴羽「ちぃーっす。うわー、広いねー! ここが『からおけ』かぁ!」
萌郁「……」テクテク
フェイリス「おまたせにゃん! 皆に適当に、ドリンクを頼んでおいたにゃん!」
紅莉栖「で、誰から歌うの? 歌わないなら、適当に入れるけど?」
岡部「まぁ焦るな助手よ。貴様のことだ。どうせ満足に友達とカラオケに行ったことなど、ないのだろう?」
紅莉栖「う、うっさいわね! そこまで言うなら、あんたから入れるんでしょうね!?」
ダル「言いだしっぺの法則でね、分かります」
岡部「無論、だ。この主催者は俺だ。故に俺が先陣を取り仕切る義務がある。クリスティーナはそこで指でも咥えて、俺のカリスマ溢れる美声を堪能するがいい!」
紅莉栖「…だからティーナもつけるなって…」
岡部「ふむ…まずはこの狂気のマッドサイエンティストの序曲を彩るに相応しいナンバーは、っと…」
岡部「………」ペラッ
岡部「………」
岡部「………」ペラッ
岡部「………」
ピッ
宮野真守が【GReeeeN】愛唄を歌う...http://www.youtube.com/watch?v=J9LoS18K6_I
紅莉栖「あ、これ知ってるわ」
ダル「盛り上げようとしたけど、スベるのが怖いから無難な選曲にしたんですね、分かります」
岡部「や、やかましいわ!」
紅莉栖(う、上手い……!)
まゆり「うわぁ~! オカリン、上手だね~!」
ダル「久しぶりにオカリンのガチ曲を聴いた気がするお」
フェイリス「凶真~! とっても格好良かったにゃん!」
ルカ「おk――凶真さん…とってもお上手ですね! 僕、感動しちゃいました!」
萌郁「…意外…だった」
鈴羽「へぇ~、テレビと一緒に歌う遊びなんて、変わってるんだね。でも、見てて凄く楽しそうだったよ!」
岡部「ふ…当然だ。俺を誰だと思っている。狂気のマッドサイエンティスト、鳳凰いn――」
紅莉栖「はいはい、あんたの番は終わったでしょ。終わったら、次の人に回しなさいよ」
紅莉栖(正直、確かに格好良かったけど…)
岡部「む…ぐ…な、ならば助手よ! 次は貴様だろう!」
紅莉栖「はぁ!? 何で次は私になるのよ!?」
岡部「この鳳凰院凶真が先陣を切ったのだぞ! 助手はその後を従順するのが勤めだろうが!」
紅莉栖「だから助手じゃないっていっとろーが!」
岡部「なんだクリスティーナ…やはりお前は認めるのだな!? 貴様は友達とカラオケなんて行ったことない寂しいセレセブだということを!」
紅莉栖「なっ…!?」
岡部「隠さなくてもいいぞ、クリスティーナよ。お前は一人でカラオケにもマックにも入れず、寂しい青春時代を@チャンネルでも見ててつぶしていのだろう? 悪かったなぁ? そんな配慮もできずにお前をこんなところに呼んでしまって――」
紅莉栖「ば、バカにしないでよ! そこまで言うなら、私が入れてやろうじゃない!」
ダル(牧瀬氏…煽り耐性なさすぎっしょ…)
紅莉栖「ええと…(ペラッ)ううんと…(ペラッ)あ、これなら歌える!」
ピッ
まっくら森の歌http://www.youtube.com/watch?v=KgcYetp_YLU
26 : 以下、名... - 2011/09/05(月) 23:01:34.86 yyp04fTw0 10/39谷山浩子とは・・・いいセンスだ
27 : 以下、名... - 2011/09/05(月) 23:04:03.68 LS1u6CdH0 11/39中の人的にまゆしぃは歌っちゃいけない気がするのです
岡部(うわあ…)
ダル(こ、これは…)
ルカ(なんというか…)
フェイリス(歌えるからって、初っ端から選ぶ歌じゃないにゃん…)
萌郁(…ユニーク)
鈴羽(え、何? 巷ではこんな暗い歌でも流行ってるの?)
紅莉栖「ふと気がつけば…私は一人きり…」
ラボメン(うわぁ………)
紅莉栖「ふぅ…歌い終わった…」
ラボメンズ「……」ズーン
紅莉栖「……うん、何か、歌ってる途中で自分も微妙な気持ちになったわ…」
岡部「い、いや…気にするな…俺も無理強いして悪かった…」
紅莉栖「謝らないでよ…余計惨めになるでしょ…」
岡部「あ、ああ…すまん…」
まゆり「でも紅莉栖ちゃん! とっても歌上手だね! 私、びっくりしちゃった!」
紅莉栖「へっ!? あ、ありがとう、まゆり」
岡部(まゆりでかした!)
ダル(まゆ氏、マジ空気の読めなさが天使)
まゆり「じゃあ次は、まゆしぃが入れるね!」
ピッ
花澤香菜 - アジアの純真 / Hanazawa Kana - Asia no Junshin
http://www.youtube.com/watch?v=jMPYTygbIeo
ルカ「うわぁ…! まゆりちゃん、歌うまいね!」
まゆり「えっへへ! ありがとう、ルカくん!」
岡部(まゆり、GJだ! さっきまでのテンションの冷え方が嘘みたいに消えた!)
紅莉栖「まゆり、とっても上手だったわ。はい、アイスティー」
まゆり「ありがとうー! でも、紅莉栖ちゃんほどじゃないよー」
ダル「つーかさ、牧瀬氏。初っ端から『み●なのうた』って、別の意味でレベル高くね?」
紅莉栖「う、うっさいわね! こういう場所、慣れてないんだから仕方ないでしょ! 橋田はどうなのよ!? このメンバーを盛り上げるだけの持ち歌、あるんでしょうね!?」
ダル「ふっ…僕を舐めてもらっては困るお、牧瀬氏。カラオケのオフ会で、盛り上げ特攻隊長の座は伊達じゃないのだぜ?」
紅莉栖「な、何よ…随分な自信ね」
ダル「この僕にマイクを持たせたいとは…いいだろう、牧瀬氏には見せようか…。音速を超えた、その先の世界へ…」
岡部「おい紅莉栖。ダルから少し離れてろ」
紅莉栖「へっ? な、何? ていうか、今名前で―――」
岡部「いいから離れてろ。本気になったダルの半径3メートル以内は危険だ。あと、マイクのプラグも抜いてしまえ」
紅莉栖「ちょ…それってどういう――」
まゆり「ダルくんはねー。歌になるとすごいんだよー」
ピッ
関智一の勝手に祝うライダー35周年! 仮面ライダーテーマメドレー
http://www.nicovideo.jp/watch/sm1265195
紅莉栖「言ったそばから、あんたも特撮モノかよ!」
ダル『ライダァァアァァァアァキィックッッッ!!』
ラボメンズ『』ビクッ
まゆり「ダルくんお疲れー! はいっ、コーラ!」
ダル「おお、まゆ氏マジthx! 歌った後のコーラは殺人的だろ常考!」
紅莉栖「うぅ…まだ耳がキンキンする…橋田の発声力がここまでとは…」
岡部「だから言っただろう、助手よ。あれでもダルは真面目に歌えばそれなりなんだが、カラオケでは必ずネタに走るからな」
フェイリス「ダルにゃん、とっても熱いシャウトだったにゃ!」
ダル「うっひょー! フェイリスたんのオタ芸を続けてれば、こんなのはお茶の子さいさいお茶漬けサラサラだお!」
ルカ「び、びっくりしました…」
まゆり「んー? ルカくん、歌入れないのー?」
ルカ「ぼ、僕はそこまで歌上手くないし…でも、どうしてもってならまゆりちゃん、一緒に歌ってくれる?」
まゆり「うん! もちろんだよ!」
ルカ「じゃ、じゃあ…」
ピッ
今日の5の2 - secret base~君がくれたも...http://www.youtube.com/watch?v=1WQ5Xi9pLBc
岡部「おお…これは…」
紅莉栖「漆原さんの低音…なんか、甘くていいわね…」
ルカ「お、お粗末さまでした…」
まゆり「楽しかったー! ありがとうね、ルカくん!」
ルカ「そ、そんな…お礼を言うのは僕のほうだよ、まゆりちゃん」
フェイリス「じゃあ次は、フェイリスが入れるにゃ!」
ダル「うっひょー! 真打キター! 生歌とかワクテカだお! これで勝つる!」
ピッ
Animelo Summer Live 2007 ...http://www.youtube.com/watch?v=V8_d8AR1F4E
ダル「フェイリスたん! フェイリスたん!」
紅莉栖「橋田うっさい!!」
フェイリス『頑張りまーす!!』
ダル「L・O・V・E フェイリス、ニャニャーン!
L・O・V・E フェイリス、ニャニャーン!」
紅莉栖「ちょっと橋田! 横で踊んないでよ!」
まゆり「うわ~ダルくんのお腹、すごい揺れてるね~」
フェイリス「ふぅ~。皆、ありがとうにゃん☆」
ダル「乙! 激しく乙だお!!」
岡部「やれやれ…ん? バイト戦士に閃光の指圧師。貴様らは歌わんのか?」
鈴羽「うーん…参加はしたいけど…やっぱりどんな歌がいいか分かんないや…」
萌郁「みてるだけで…楽しい」
岡部「それではいかんぞ。確かに強制はしないが、せめて1曲くらい歌え。そうしないと、盛り上がらないではないか」
鈴羽「う~ん…そんなこといわれても…」ペラッペラッ
鈴羽「あ! これ、最近テレビで聞いたことある! ええと…岡部倫太郎! これ、入れてくれる? 私じゃ、この機械の操作できないし」
岡部「ふむ…本当にカラオケというものを知らんのか。どんだけ田舎で育ったんだお前は…。ええと…これか?」
ピッ
田村ゆかり My wish My love
http://www.nicovideo.jp/watch/sm15020662
鈴羽「初めて歌うから、下手でも笑うなよ~?」
まゆり「頑張ってー! 鈴羽さーん!」
鈴羽~♪
ラボメンズ「!!」
ラボメンズ(う…上手い!)
~Cメロ突入~
鈴羽「あ、あれ!? 嘘!? こ、こんなの知らないよ!? え、ええと…ええと…」アセアセ
鈴羽「~♪」←適当に歌ってる
岡部(適当に歌ってるが…)
紅莉栖(それでもちゃんと聞こえる…)
ダル(ある意味、天賦の才だお…)
~曲終了~
鈴羽「あちゃ~…やらかしちゃったかな?」
まゆり「そんなことないよ! びっくりするくらい歌にあってたもん!」
紅莉栖「そうね…本当に初めてなの?」
フェイリス「鈴ニャンすごいにゃ! 今度、ウチにデビューしないかにゃ!?」
鈴羽「えぇ!? わ、私歌なんて歌えないよ!? 今の聞いてたでしょ!?」
フェイリス「鈴ニャンには間違いなく才能があるにゃ! このフェイリスの『真眼』に狂いはにゃいにゃ! アイドル歌手になれば、文句なしにSランクにいけるにゃ!」
ダル「フェイリスたんのアイドルプロデュース…あり、だな…」
鈴羽「せ、折角だけど…遠慮させてもらうよ。私、これでも戦士だしさ。それに、今皆の前で歌っただけでソットウしそうだったもん…」
フェイリス「にゃん…残念だにゃん…でもフェイリスは諦めないにゃ! いつか絶対鈴ニャンを、武道館につれていくにゃ!」
岡部「やれやれ…さて、あと歌ってないのは」
萌郁「………」
岡部「指圧師、お前は歌わないのか?」
萌郁「……」カチカチ
ヴーヴー
from:閃光の指圧師
件名:恥ずかしいよ~!
本文:皆歌が上手くて、とても入り込めない!
とても無理だよぉ(泣)
岡部「うむ、そうか…まぁ、無理に歌うなとは言わないが…」
まゆり「え~? 萌郁さん、歌わないの? 私、楽しみにしていたのに~」
ダル「んー、でもさ、別に嫌ならよくね?」
紅莉栖「別に下手でも構わないと思うわ。下手でも、ここにいるメンバーなら笑わないでしょ?」
ルカ「そうですよ。何なら、僕が一緒に歌いましょうか?」
フェイリス「にゃん☆ サポートならフェイリスに任せるにゃ!」
鈴羽「私だって失敗しちゃったしさー。大丈夫だって」
萌郁「……」
萌郁「」スッ
岡部「ん? 何だ、歌うのか?」
萌郁「やって…みる」
岡部「そ、そうか? 大丈夫か?」
萌郁「歌えるの…ある」
岡部「分かった。ほれ」スッ
萌郁「」ピッピッピッ
Jaikki-Rocky: まっくら森のうた(cover)
http://www.youtube.com/watch?v=bU1_dcIF544
ラボメン「!!」
紅莉栖「ちょ!!」
萌郁「……」
ラボメン「……」
萌郁「……」モジモジ
ラボメン「………」
萌郁「……ま」
萌郁「……」カァァァァ///
萌郁「……」
岡部「う、歌わないのか?」
萌郁「……」シュン…
岡部「消すか?」
萌郁「……」コクコク
ピッ
~演奏中断~
岡部「ええと、指圧師…なんであの曲を選んだ?」
萌郁「これしか…歌えなくて…」
岡部「いや、さっき助手が歌ったではないか…」
萌郁「これしか知らない…これくらいなら、歌えると思った…」
岡部「その、なんだ…お前はカラオケはおろか、歌もそれほど知らないんだな?」
萌郁「……」…コクッ
ダル「選曲被り、テンション↓、そして曲の途中中断…カラオケNGの宝石箱や…」
紅莉栖「しかもよりによって何で私のなのよ…」
萌郁「ごめん…なさい…」
岡部「ま、まぁ過ぎたことはしょうがない! 次に行くぞ!!」
………
……
…
~3時間後~
ダル「ゴォォォォォォォルディオン ハンマァァァァァァァァァァァ!!」
prrrrrrr
まゆり「トゥットゥルー☆ まゆしいです。…あ、はーい。わかりましたー」
まゆり「オカリーン、フリータイムそろそろだってー」
岡部「うむ、そうか…皆、延長するか?」
紅莉栖「いや、いいんじゃない? 漆原さんと鈴羽さんと桐生さんがリタイアして、5人で延々歌ってるもの。私もいい加減、喉が疲れたわ」
まゆり「まゆしぃーはねー。もう十分楽しかったのです」
フェイリス「フェイリスは凶真についていくにゃん!」
ダル「ふぃー…これ以上歌うと寿命縮みそうだお…この辺が潮時じゃね?」
岡部「ふむ…まぁ確かにこれ以上いてもリタイア組が飽き飽きするだけか。よろしい!今日は解散だ!」
~カラオケ店前~
ルカ「それじゃあおk――凶真さん、ありがとうございました。今日は、とても楽しかったです」
岡部「そうか。喜んでもらえたら、何よりだ」
ルカ「はい! あ、あの…また一緒に、いつか…」
岡部「勘違いするなよ、ルカ子。今日はただの休息に過ぎないのだからな。お前は今日はしっかりと心身ともに療養し、明日からまた修行を再開するのだ」
ルカ「そ、そうですよね…すみません」
岡部「…まぁ、たまにならいいだろう。お前がしっかりと鍛錬を怠らなければ、考えなくもない」
ルカ「! は、はい! では、父が心配するのでこれで失礼します!」
フェイリス「凶真~♪ 凶は誘ってくれて嬉しかったにゃん! 凶真のメロメロボイスに、フェイリスは骨抜きにゃん…」
岡部「ふ…笑わせるなよ、フェイリス…俺は狂気のマッドサイエンティスト…人の心の掌握術など、当の昔に習得済みだ…。これくらいはできなくてどうする…」
フェイリス「わかってるにゃ。でも、格好良かったのは本当だにゃん。フェイリスは、こうして友達と遊ぶのは本当に久しぶりだったから…」
スッ
留未穂「今日はありがとう、岡部さん…。また、誘ってくださいね…」
岡部「ッッ!!」カァァァァ
スッ
フェイリス「にゃはは凶真! この程度の話術に引っかかるなんてまだまだにゃ!」
岡部「ぬわ! フェ、フェイリス貴様ー!」
フェイリス「ばいばいにゃー!」タッタッタッ……
萌郁「…じゃあ、ここで…」
岡部「あぁ。今日はすまなかったな。退屈だっただろ」
萌郁「…そんなこと、ない」
岡部「…そうか。まぁ、今度は無理に歌わせないから安心しろ。見てるだけでもいいなら、また誘う」
萌郁「…迷惑、じゃない?」
岡部「迷惑なものか。お前は大切なラボメンだ。お前だけ除け者にできるか」
萌郁「…!」サッ カチカチ
萌郁「……」
スッ
萌郁「岡部…くん」
岡部「ん? 何だ?」
萌郁「ありがと…」ニコ
鈴羽「じゃあ、私もここで失礼するよ、岡部倫太郎」
岡部「ああ、気をつけて帰れよ」
鈴羽「うん! 結局一曲しか歌えなかったなぁ。楽しかったのに」
岡部「また勉強して来い。まゆりを始め、お前の歌は楽しみにされてるのだ」
鈴羽「えぇ!? 本当に!?」
岡部「ああ。素人の俺でも、お前には才能があると思うぞ」
鈴羽「そっか、えへへ……。あ、あのさ岡部倫太郎」
岡部「ん? 何だ?」
鈴羽「あのさ、やっぱり君って優しいよね。皆に…特に、牧瀬紅莉栖にさ」
岡部「はぁ? お前、何言って――」
鈴羽「ごめん、何でもない! じゃあね! また明日!」タッタッタッ…
岡部「…何なんだ、まったく…」
ダル「オカリーン、じゃあ僕とまゆ氏は帰るけどオカリンは?」
岡部「俺は今日はラボに寝泊りだ。今日はご苦労だったな」
まゆり「今日は楽しかったよ! また来ようね! 絶対だよ!」
岡部「はっはっは。分かった。検討しておく」
まゆり「やったー! オカリン、ありがとー!」
ダル「了解したおー。じゃあ、後はヨロシコー」
岡部「行ってしまったな」
紅莉栖「じゃあ、私も帰るわ」
岡部「ああ。…なぁ助手。お前のホテル、ここから近かったよな?」
紅莉栖「助手じゃないっつーの。そうだけど、それがどうかした?」
岡部「いや、そこまで送ろうかと思ってな」
紅莉栖「はぁ!? 何考えてるのよ、HENTAI!」
岡部「変態はお前だ! そこまで送るだけだ!」
紅莉栖「い、いいわよ…岡部にも悪いし」
岡部「ラボに戻るのと、ホテルを廻るのと、大して距離は変わらん。助手の安否を確認するのも、リーダーの勤めだ」
紅莉栖「だから助手――あー、わかったわよ、そこまで言うならお願いするわ」
岡部「しかし、お前。最初は外しはしたが、歌唱力はなかなかのものではないか」
紅莉栖「お、思い出させないでよ! 私の海馬にバッチリ黒歴史認定されてるんだから!」
岡部「まぁいいではないか。それ以外はなかなかの高評価だったではないか。俺も、お前をいじるネタが増えて嬉しいしな。フーッハッハッハ!」
紅莉栖「もしこの事をネタにしたら、岡部の脳を取り出してホリマリンに浸けたあとに闇市に叩き売ってやるわ」
岡部「ぬぉ…わ、ワカリマシタ…」
紅莉栖「まったく…」
岡部「…なぁ紅莉栖」
紅莉栖「…まともで名前で呼ぶのって珍しいわね。何?」
岡部「楽しかったか?」
紅莉栖「な、何よ突然…」
紅莉栖「そりゃあ、最初は失敗しちゃったし、橋田は隣で五月蝿かったし、桐生さんにトラウマ掘り返されてさんざんな目にあったけど…」
紅莉栖「でもそうね…相対的に見て、その、割と悪くなかったって言うか…」
紅莉栖「その、楽しくなかったって、言えなくもないのかもしれないわね…」
岡部「相変わらずひねくれた奴だな。素直に楽しいと言えんのか」
紅莉栖「う、うるさいわね! 岡部のくせに!」
岡部「助手の分際で何言ってる。楽しかったと顔に出ているだろうに」
紅莉栖「なっ…!? こ、これはその、夕焼けで私の周りの光が拡散して、それで、いつもより肌色が暖色に見えるだけで、その…」
岡部「やれやれ、分かったよ。お前がそういうのならそうなのだろう」
紅莉栖「な、何よ…岡部のくせに…」
紅莉栖「…ねえ岡部」
岡部「何だ」
紅莉栖「あのさ…間違ってたら何というか、恥ずかしいんだけど…」
岡部「何だ、言ってみろ。さっきの出来事より恥ずかしいことなどもうあるまい」
紅莉栖「それを言うな! ええと…その…」
紅莉栖「このカラオケってさ…私のためだったりするの?」
岡部「………」
紅莉栖「…やっぱりね」
岡部「鈴羽にも言われたが、俺はそんなに分かりやすいか?」
紅莉栖「別に確証があったわけじゃないわ。でも、何ていうか、しきりにそわそわとこちらを見ていたから、もしかしたらと思っていただけ」
岡部「ぐ…まさか、気づかれていたとは…」
紅莉栖「どう見てもバレバレです、本当にありがとうございました」
岡部「…迷惑だったか?」
紅莉栖「…少しね。同情されるみたいで、あまりいい気はしないわ」
岡部「……」
紅莉栖「確かに、私は小さいころから勉強浸けで、友人と呼べる人たちもそういない。そのおかげで遊んだことも数えるくらいだし、カラオケなんて考えてもみなかったことよ。たしかに寂しい青春を送っていたのかもしれないけど、それは私が選んだ人生だもの。後悔したいと思わないし、同情される謂れもない」
岡部「……」
紅莉栖「でもね」
岡部「?」
紅莉栖「その…嬉しかったよ。岡部が、そういうこと考えてくれてたの」
紅莉栖「あんたが、私なんかに、ここまで気を使ってくれてるって知って…」
紅莉栖「その…嬉しかったから…だから、怒ってるとかそういうのはないわ」
岡部「そうか」フッ
紅莉栖「あ! 笑ったな! ふ、深い意味なんてないんだからね!」
岡部「ああ、分かってる」
~ホテル前~
紅莉栖「それじゃ、ここでいいから」
岡部「ああ、また明日な。ラボメンナンバー004、クリスティーナ」
紅莉栖「いや、だからクリs――まぁいいわ。今日は色々と疲れたし…じゃ、送ってくれたことには礼を言うわ」
岡部「…紅莉栖」
紅莉栖「何?」
岡部「今調整中の未来ガジェット008、それが終わったら、祝賀会も開こうと思う」
岡部「二次会もまたカラオケだ。お前も来い」
岡部「い、言っておくがこれは強制参加だからな。お前は大切なラボメンであり――」
紅莉栖「俺の助手であるから参加は絶対なのだ、とお前は言う」
岡部「俺の助手であるから参加は絶対……ハッ!?」
紅莉栖「プッ…ウフフ!」
岡部「お、お、おま…お前という奴はぁぁぁぁ!」
紅莉栖「あはは…はぁはぁ、やっぱあんたといると飽きないわね」
紅莉栖「でも、そうね」
紅莉栖「今度も、岡部が最初に曲を入れてね」
紅莉栖「私はそのあとに曲を入れる」
紅莉栖「こ、今度は失敗したくないから」
紅莉栖「だから、またよろしくね」
~終わり~
100 : 以下、名... - 2011/09/06(火) 01:30:02.15 XoKFSd4w0 39/39終わりです。遅くまでお疲れ様でした
キャラを重視したら選曲が微妙なものになってしまった…