ドラえもん「じゃあ死ねよ」
のび太「いや、そこは秘密道具だろ!?」
ドラえもん「安楽死できる道具かい?」
のび太「違うよ!人生エンジョイできるやつ!」
ドラえもん「う~ん…ない事もない」
のび太「本当かい?」
元スレ
のび太(20)「人生、つまらないな死ぬしかない」
http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1447773671/
ドラえもん「生まれカワルンバっていう道具なんだけどね」
のび太「生まれカバ…??」
ドラえもん「バカかお前は。簡単に説明すると人の人生を自分がエンジョイできる道具なんだ」
のび太「それ、いいね!貸して!」
ドラえもん「まぁ、きけよ」
ドラえもん「当然、その人の人生を生きる事になる訳だから。妻子持ちだったり、君には到底ありえない学校の先生だったりする事もある。」
のび太「いいから、いいから!今の人生はあきあきなんだよ!!貸してよ!」
ドラえもん「あと、重要なことなんだけど…」
ガシッ
のび太「ありがとねー!ドラえもん!」
ドラえもん「あぁ…まったくのび太くんは…知らないぞ」
のび太「へへっ!人の人生をエンジョイね!いいじゃない。ってもなぁ…誰の人生を?ってなるが…」
出木杉「あ、のび太くんかい?」
のび太「お!出木杉!なんだよ暇か?」
出木杉「暇じゃないよ。営業の途中なんだけどパチンコやってたんだよ」
のび太「暇じゃねーか!」
出木杉「ふふ…ま、もう3件の契約とれたからね!」
のび太「ちっ…ん!そうだ」
のび太「出木杉さぁ!お前、幸せだろ?」
出木杉「え…?なんだよ急に…まぁ、幸せっちゃ幸せだね…いつも、しずかの手料理を食べれるしね!」
のび太「え…??しずか??」
出木杉「そうだよ。あの、しずかちゃんだよ」
のび太「嘘だろ!?嘘だ!!だって結婚式、呼ばれてないぞ?」
出木杉「悪いね。あの式場は300人までなんだ」
のび太「くそっ!!もうお前でいい!!」
ポチッ
出木杉「うわぁっ!!」
のび太「あれ?僕の身体が透けていく!?」
ピカッ
辺りは閃光につつまれた
のび太「う…なんだ…気を失ってたのか?」
上司「おい!出木杉。こんなとこで何やってんだ。会社に戻らないから探したぞ」
のび太「出木杉…?そうか、僕は出木杉になったんだ!」
上司「なんだ?アホみたいなかおして?」
のび太「うひっ!これで毎日、しずかちゃんの裸が見れちゃうもんねー!」
上司「…??」
上司「出木杉…最近、気張りすぎだぞ。気持ちはわかるがな…もう少し、家族サービスしたらどうだ?」
のび太「は…はぁ」
上司「休め…とは言わんが有給だってあるじゃないか。俺が課長に相談してやるから」
のび太(出木杉ってそんな頑張ってたのかよ。死ねよ!有給つかって、しずかちゃんと毎日、セクロスし放題じゃん)
上司「どうだ?」
のび太「そっすね~それ、いいですね!」
上司「わかった。相談してみる」
のび太(ちょろいぜ)
のび太「じゃ、お疲れ様でーす!」
上司「うん。お疲れ」
のび太「さてと、愛の巣へ帰るかな~♪」
出木杉邸
ガチャッ
のび太「たっだいまー!!帰ったよ~!しずかちゃあああん!」
シーーーン…
息子「お父さん…おかえりなさい」
のび太「子供いんのかよ!?」
娘「ママ…疲れて寝てるの」
のび太「兄妹かよ!?」
しずか「あら…あなた…おかえり…なさい…」
のび太「だいぶ、疲れてるよ!?」
のび太「そうだ!僕さ、これから有給とるから家族サービスできんの!嬉しい?」
しずか「…」
のび太「なんだよ!嬉しくないの??毎日、遊べんだぜ!」
しずか「あなた…本当にあなたなの?」
のび太「え…??ぼ、僕は僕さ!な、なに言ってるの?」
しずか「…だったら働いて」
のび太「え…?なんだよ。」
しずか「…あたし、明日はやいから寝るわ」
のび太「…?」
翌朝
昨日はダブルベッドで寝たのだが手を出せずじまいに終わった。
起きるとすでにしずかちゃんはパートに出ていた。
のび太「へへ!今日は休んじゃおう!」
息子「パパ…お仕事は?」
のび太「今日は休みだよ!嬉しいだろ?」
息子「パパ…ゆっくり休んで!」
のび太「はぁ?遊ばないの?さすが出木杉のガキだな。気配りが上手な事で!娘はどうだ?」
娘「パパはおねむしてていいの!」
のび太「お前もかよ!」
のび太「おいおいおいおい!サービスされすぎだろ!逆にぃ!ああっ!パチンコいこっ!知らんわ」
ジャラララ…
のび太「んだよ。出ないじゃん」
バンッバンッ
スネ夫「お客様。台を叩くのはおやめください…あっ!」
のび太「あっ!スネ夫!」
スネ夫「出木杉お前、なにやってんだ?仕事は?」
のび太「あ、用事あって休んだ。お前こそパチ屋の店員かよ~ははは!今度、のもーぜ!」
スネ夫「明日、飲む約束したじゃん。ジャイアンも一緒にさ」
のび太「ジャイアン…ちっ…ま、いいか。今は出木杉だからな」
スネ夫「…?」
のび太「出せよ」
スネ夫「お前が出ろよ」
のび太「あーあ!結局、3万負けかよ!ついてねーな。帰ろっかねー!」
主婦1「あの人も大変よね。旦那さんが身体が弱いらしくて働いてるみたいよ」
主婦2「なんでも、大変らしいわよ?」
のび太「あ~…ここ剛田商店じゃん。立派になったな。でも、ムカつくから買ってやらね~!」
ジャイアン「はいはい!いらっしゃいませ~!いらっしゃいませ~…?お?あれ、出木杉か?」
しずか「どうしました?」
ジャイアン「いえ、なんでも」
ガチャ…
のび太「ただいま~」
娘「おかえりパパ」
のび太「寂しかったかい?」
娘「んーん大丈夫」
のび太「にいちゃんは寝てんのか」
その日…僕は子供達よりも早く寝てしまった。しずかちゃんの帰りも待たずに…
翌日
居酒屋
のび太「聞いてくれよ!しずかちゃんさぁ!今朝だぜ?何で働かないの?だってさ!ありえなくね?家族サービスだぜ?」
スネ夫「まぁ、落ち着けよ。出木杉らしくないなぁ」
のび太「はぁ?いや、ありえねーだろ?別にゴロゴロするわけじゃないぜ?(下心はあるが)」
スネ夫「お前、働くのが生きがいになったって言ったろ?何いってんだ?」
ジャイアン「おい、出木杉。それ、本気で言ってんのか?」
のび太「あたりめーじゃん!家族サービスできない奴が大黒柱かよ!へっ!」
バシッ!
のび太「いって!」
ジャイアン「いいか!その大黒柱が今、倒れちまいそうなんだぞ!!わかってんだろ!!」
のび太「はい??」
ジャイアン「お前、あと半年の命なんだろ!?だから家族に生きざま見せたいって言ったじゃねーか!!」
のび太「え………」
ジャイアン「お前のためにしずかちゃんはうちで働いてんだぞ…わかってんのかよ!」
スネ夫「ジャ…ジャイアン…まぁまぁ…」
のび太「な、なんだよ…なんだよそれ…」
ジャイアン「…わりぃ出木杉。殴っちまって」
のび太「……いや、帰るわ」
ガラララ
トボトボ…
のび太「……なんだよそれ」
ドラえもん「君の悪い癖だよな。いつも説明聞かないんだから。」
のび太「ドラえもん!」
ドラえもん「その道具には条件があるんだ。変われる対象は寿命の短い者のみとなる。寿命まではその者の人生を歩む事となる。ただし、それで寿命を全うしたい場合は自身も消えてしまう。もちろん生きたいのであれば野比のび太としての人生に戻るんだ…」
のび太「…なるほどね。」
ドラえもん「僕にはこの先、何も出来ないよ。」
のび太「…」
出木杉邸
のび太「ごめんよ。しずかちゃん。僕はダメな夫だ」
しずか「そんなことないわ。たまには休むのもいいんじゃない」
のび太「いや、僕は働くよ。君達に生きざまを見せたいんだ」
その日、しずかちゃんから自分が末期癌であることを聞かされた。
少し、後悔していた。
この後、めちゃくちゃセッ○スした
翌日から仕事に復帰したが出木杉のようには上手くいかず
成績は右肩下がり…
でも、必死に頑張った。
そして…運命の日はきた
僕は体調を崩し、医師からは明日がとうげと伝えられた…
薄れゆく意識…僕はまさか…出木杉として死ぬのか?
しずかちゃん…息子、娘…ジャイアン、スネ夫…
いや…なんだろう…何で死にたくないなんて思ってんのかな…
ドラえもん「わかったかい?のび太くん。人の人生なんてたいして自分のものと変わんないのさ…プラスなのかマイナスなのか?答えは0なんだ。みんなそうさ…」
また…閃光につつまれていく…
のび太「はっ!?」
ドラえもん「起きたかい?」
のび太「生きてるの?僕は?野比のび太だよな?僕は?」
ドラえもん「そうさ。強く生きたいと願ったから君は野比のび太として戻ってきたんだ」
のび太「…」
ドラえもん「満足かい?」
のび太「いや、満足してないよ。やらなきゃいけない事がたくさんある」
ドラえもん「そう…」
のび太「まずは寝る」
ドラえもん「…」
終わり