岡部「なぁまゆりよ。何でその小動物が我がラボに居るのだ?」
肌寒い秋。ラボの中で俺はまゆりに言う。
まゆしぃ「綯ちゃんは小動物じゃないよ~。今日はね、バナナを食べさせるために呼んだの」
ダル「誰のバナナなのか詳細キボンヌ」
岡部「黙れHENTAI」
まゆしぃ「はい、バナナだよ」
綯「ありがとうまゆりおねえちゃん!」
綯がバナナをパクパク食べていく。
岡部(しかし、何だ)
岡部(こうして見るとなかなかこの小動物も可愛いな……)
元スレ
オカリン「綯ちゃんを僕に下さい」
http://hibari.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1312718621/
綯「どうしたんですかオカリンおじさん」
俺の視線に気付いたのだろう。綯が首を傾げながら問う。
岡部「いや、何でもない。気にしないでくれ」
綯「?」
ダル「まさかオカリン、綯ちゃんのバナナ食べてる姿見て興奮したん?」
岡部「黙れHENTAI」
ダル「全く、三次の幼女に萌えるなんてオカリンも紳士としてのレベルが低いお」
岡部「お前だって興奮してたろ。それに綯は小学生だ」
ダル「早くも呼び捨てとかオカリンこの短い間に何したん?」
岡部「いい加減にしろ。お前はエロゲでもやってろよ」
ダル「オーキードーキー。音声垂れ流しでやるお」
岡部「帰れHENTAI」
次の日
ラボに入ると、昨日と同じでまゆりと綯がソファーに座って何かを食べていた。
まゆしぃ「あ、オカリンとダルくんオカエリン」
岡部「まゆりか。何を食べているんだ?」
まゆしぃ「んー? ジューシーからあげナンバーワンだよー?」
まゆしぃ「はい、熱いから気を付けてねー」
綯「うん! ありがとうまゆりお姉ちゃん!」
綯がフーフーしながらからあげを小さな口で食べていく。
ダル「まさかオカリン……マジなん?」
そんな綯の姿をしみじみと見ているとダルが横から話しかけてくる。
岡部「な、何がだ」
ダル「本当にロリコンに目覚めたのかなって。三次の幼女はオススメ出来ないお」
岡部「心配しなくても目覚めてなんか無いぞ」
ダル「そうなん? 何か凄い綯ちゃんの事見てたけど」
岡部「本当だ。ただ可愛いな、と見てただけだ」
ダル「それをロリコンと言うんだぜ。ツンデレ乙!」
岡部「黙れHENTAI! お前は静かにエロゲでもやってろ!」
ダル「仕方がないなぁ。じゃあロリ系エロゲを大音量で……」
岡部&助手「黙れHENTAI」
開発室のイスに座り洋書を読んでいた助手と俺が言った。
それから毎日、綯はラボに着ていた。いつもまゆりが何か食べ物を食べさせている。
それをしみじみと見ているといつもダルがロリコン云々と言い、それを俺がHENTAIと言って止めさせ、また変態行為をしたダルに向かって助手と二人で黙れHENTAIと言う。
そんな日が一週間近く続いた。
まゆり「ねーねーみんなー。明日は何の日かわかる?」
11月8日の夕方。まゆりはラボメンをラボに全員集めて言った。今日は綯は居ない。なぜか寂しかった。
岡部「明日……11月9日か。何の日だ?」
ダル「分かった! 獣医さんの日だお!」
岡部&助手「なんてだよ」
ダル「そして僕たちは獣になってハァハァ」
岡部&助手「黙れHENTAI」
ルカ子「それで、明日は何の日なのまゆりちゃん?」
まゆり「あのね、明日は綯ちゃんの誕生日なの!」
岡部「何、そうなのか?」
まゆり「うん、そうなの。それでね、みんなで一人一つずつプレゼントでも渡さないかなーって思ってみんなを呼び出したの!」
助手「なるほど。ナイスアイデアね、まゆり」
まゆり「えっへへー」
フェイリス「でも、何を買うにゃん?」
まゆり「それはね、みんなに任せるのです」
フェイリス「ふにゃ~それじゃあこれからすぐに行って考えなきゃいけないにゃん」
フェイリス「それじゃあ行くにゃ!」
フェイリスがラボメンガールズを引き連れてラボを飛び出していく。
ダル「オカリンは何にするん? エロい下着とかにするんか?」
岡部「そんなもんプレゼントしたくないし買いたくもないわ」
岡部「で、ダルは?」
ダル「んー、アクセサリーかなんかかな。服とかサイズ分からんしそれが無難っしょ」
岡部「なるほど、アクセサリーか……」
11月9日、綯の誕生日。
ラボ内でラボメンとMr.ブラウンを呼び、ささやかながら誕生日パーティーが行われた。
まゆり「あのね、今日は綯ちゃんにプレゼントがあるんだよー」
綯「そうなの? わーい!」
助手「よし、じゃあみんな昨日買ったものを渡すわよ」
助手が大きくて平らな箱を開発室から持ってきた。
俺たちも助手に続いてプレゼントを開発室に取りにいく。
綯「わー、これは何なの?」
助手「これは服よ。多分似合うと思うな」
綯が箱を開ける。
中にはピンク色の綺麗な服が入っていた。
Mr.ブラウン「なかなか可愛いじゃねぇか。良かったな綯」
綯「うん! ありがとうクリスおねぇちゃん!」
それからみんながプレゼントを渡していく。
それは服だったりハンカチだったりおもちゃだったり。どれも綯は嬉しそうに貰っていた。
ダルは安物のネックレスだった。
助手「さぁ、後は岡部だけね」
岡部「あ、ああ……」
何だか俺のだけ場違いな気もするが……まぁ良いか。
俺は綯に小さな箱を渡す。何だろう、と綯が箱を開ける。中には指輪が入っていた。
ダル「ちょ、オカリンさすがにこの歳の子に婚約は無いわ……」
ブラウン「てめぇ岡部!」
岡部「ち、違う! これしか思いつくものがなかったんだ!」
ブラウン「綯、あの男に変な事されなかったか?」
綯「え、されてないよ?」
ダル「オカリンはエロい目でずっと綯ちゃんの事を見てたお」
岡部「あ、ば、馬鹿!」
ブラウン「てめぇ! 俺の可愛い娘に何してくれやがる!」
岡部「ち、ちが……ダル! 変なことは言うな!」
ブラウンが俺の追ってくる。俺は小さなラボ内で必死に逃げていた。
ダル「ちなみに綯ちゃんが居る前でエロゲなんかもしてたお」
ブラウン「岡部てめぇー!」
岡部「止めろダル! それはお前の事だろうが!」
その追いかけっこは暫く続いた。ラボメンガールズは岡部HENTAIとでも言うような顔でそれを見ており、綯の制止でその追いかけっこは終わった。
岡部「全くダルよ……変なことばかり言うでない……」
ダル「ふひひサーセン」
ブラウン「おい岡部、蝋燭に火を付けるからマッチ持ってこい」
岡部「何で俺が?」
ブラウン「あぁ? またやっか?」
岡部「はい分かりました」
立ち上がり、マッチを取りにいく。
ブラウン「ついでにカーテンも閉めといてくれ」
くそっ、Mr.ブラウンめ……逆らえないのを良いことに……。
ブラウン「返事はどうした?」
岡部「……はい」
一同「ハッピバースデートゥーユーハッピバースデーディア綯ちゃん。ハッピバースデートゥユー」
パチパチ、という拍手を受けながら綯が暗闇の中で蝋燭の日を息で消した。
……可愛いな……。
ダルにはあんな事言ったが、俺はやっぱり綯の事が……。
ブラウン「さて、さっきは渡し忘れたけどこれはパパからのプレゼントだ」
電気を付けた後、ブラウンが綯に箱を渡す。
綯「わー、ありがとー!」
綯が箱を開ける。中には人形が入っていた。
この形と肌の色はまさか……
岡部「この人形、まさかMr.ブラウンか?」
ブラウン「そうだ。俺の姿を模して作った人形だ。押すと喋るぞ。綯、人形の頭を押してみな?」
言われて、綯がMr.人形の頭を押す。
Mr.人形『綯、愛してる。綯、頑張れよ。綯、綯は俺の宝物だ』
……などと押す度に色々と話す。
岡部「Mr.ブラウン、さすがにこれは……」
ブラウン「うっせぇ! 一生懸命作ったんだよ。お前は黙ってろ!」
隣ではまゆりや助手たちが素敵だなーだの話していた。
どこが素敵なんだ。
……でもとても嬉しい顔をしている綯とブラウンを見る限り、それは確か何だろう。
誕生日パーティーはそれでおしまいとなった。まだ午後七時過ぎだったが、綯が小学生だったからかその後どこかに遊びにいこうなどという事は出来なかった。
ラボには誰も居ない。ダルやまゆりたちは用事があるとか言って帰っていったのだ。
一人では居る必要もない。俺は帰ろうとラボを出て階段を下りた。
下では今更ブラウンがブラウン管工房の店じまいをしていた。
ブラウン「おお、岡部か。今日はもう帰るのか?」
岡部「ええ。みんな用事があるとかで誰も居ないんです」
ブラウン「そうか」
そう言ってブラウンは再び店じまいを始めた。
岡部「……Mr.ブラウン。話したいことがある。これから暇ですか?」
ブラウン「これから? これから買い物にいこうとしていた所だ」
岡部「話たい事があるんです。良いですか?」
ブラウン「だからこれから……ってただ事じゃない様子だな。まぁ買い物は明日にでも出来るし……どうしたんだ?」
岡部「綯ちゃんを僕に下さい!」
地面に膝をつき、頭を地につけてお願いする。俺は綯が好きなんだ。
別に今日言わなくても良いことだが、何故か今日言わなきゃいけないような気がした。
ブラウン「岡部てめぇ……今自分で何を言ってるか分かってるのか?」
岡部「はい、分かってます」
ブラウン「駄目だ。綯はやらん!」
岡部「お願いします!」
暫く懇願し続けると、Mr.ブラウンはため息を吐いてから言った。
ブラウン「お前は確か以前、過去にメールを遅れる装置を作っていたな。Dメールだったか」
岡部「え、ええまあ。もう壊しましたけど……って」
何でこの世界線のブラウンが知って……いや、リーディングシュタイナーは誰にでもある。覚えていても不思議は無い。
Mr.ブラウン「実はな、俺の尻穴はブラックホールなんだ」
岡部「は?」
Mr.ブラウン「それを使って過去の俺にその思いを告げる事が出来る。過去の俺ならあるいは、その思いに頷くかもしれん」
そう言ってブラウンはズボンをおろし、尻をこちらに向けた。
岡部「なるほど。確かにDメールは不確定要素が多い。試してみる価値はある……」
俺もズボンを脱いだ。
岡部「では……いくぞ!」
俺は妖刀・五月雨をブラウンの尻に突っ込む。
ブラウン「よーし、放電現象が始まったぞ!」
岡部「くっ……駄目だ、ブラックホールに引き寄せられる……!」
ブラウン「どうした、早く送れ!」
岡部「くっ……送信するぞ! 綯を俺に下さい!」
ブラウンのブラックホールに向かってメールらしきものを送信する。
ブラウン「くっ、なかなか良い送信量じゃねぇか……全部受信しきれねぇね……」
岡部「それでMr.ブラウン……答えは……」
ブラウン「へっ、どうやら過去の俺は説得できたらしい……良いぜ……綯はお前にやる」
ブラウン「だが、後はお前と綯次第だ……。とにかく俺は綯とお前の関係についてとやかく言わないが……綯がお前を拒んだらそれまでだ……」
岡部「ありがとうございます……Mr.ブラウン」
俺は妖刀・五月雨を引き抜いた。
次の日
岡部「綯ちゃん、これを飲んでみないか?」
ラボのソファーに座っていた綯に向かってドクペを差し出す。
綯「な、何ですそれ……」
明らかに不審な顔で俺に問う綯。
岡部「これはドクペだ。飲んでみるんだ、美味しいぞ」
優しく語り掛ける。
綯「ドクペ……ですか?」
言われるがままにドクペを飲む綯。最初は不審そうな顔をしていたが、それはすぐに笑顔に変わった。
綯「美味しいですね、これ! 少しパチパチしますけど、フルーツみたいな味がします」
岡部「だろう? ドクペという知的飲料の良さに気付くとは……将来有望だぞ、綯」
綯が自らドクペをゴクゴクと飲む。
ダル「牧瀬氏、これは一体なんぞ?」
助手「さぁ……何か変なものでも食べたんじゃない?」
ダル「まさかオカリン本当に……」
階段を上る音がする。
ブラウン「綯は居るか?」
綯「お父さん?」
ブラウン「買い物に行くから暫く留守にするよ。何かあったら下にバイトが居るから頼ってくれ。それじゃあ頼んだぞ岡部」
岡部「はい」
ダル「妙だお。いつもなら『岡部てめぇ何飲ましてやがる!』ってなるのに」
助手「本当に何があったのかしら……」
まゆしぃ「あ、オカリンが綯ちゃんと仲良くしてるー」
からあげを買ってきたまゆりがラボに入るなり言う。
岡部「何を言っているまゆり。俺と綯はいつも通りだぞ。なぁ綯」
綯「うん!」
さっきのドクペがきいたのか、綯が俺に懐いてきている。さすがはドクペである。
そうだ、俺はブラウンからも許可を得たし、後は綯に好かれるようにすれば良いだけなのだ。
そうすれば付き合える。
……その筈なんだ。
岡部「え……?」
夕方、携帯電話が鳴った。警察からだった。
岡部「えっと……どういう事ですか?」
ダル「オカリンどうしたん?」
警察「落ち着いて下さい。もう一度言いますね。天王寺裕吾さんがお亡くなりになりました。事故死です。自宅に電話したんですが出なかったので連絡表にある貴方に……」
どういう事だよ……。何でそんな……。
まゆしぃ「オカリンどうしたの? オカリン?」
俺は思わず、手に持っていた携帯電話を落としていた……。
葬儀はブラウンが亡くなった次の日に行われた。
ブラウンは買い物から帰る途中で事故死してしまった。犯人はまだ捕まっていないらしい。
葬儀に出ても、涙は出なかった。突然のことという理由もあったが、まゆりのあれ以来、死に鈍感になっていた。
今はタイムリープマシンなど無いのに。やり直せないのに。
ブラウンは良い奴だった。家賃を値上げしてやるぞなど言いつつも俺たちを追い出そうとはしなかった。
綯「うっくっ……お父さん……」
綯の声が聞こえる。泣いていた。
タイムリープできないと言うのがこんなに辛いものだとは思わなかった。
葬儀が終わった後、俺たちはみんなで一緒にラボに戻った。
空気が沈んでいる。誰も喋らない。いつもはあれだけ騒がしかったのに。
『綯、愛している』
静まり返ったラボにその声が響く。音源を辿ると、綯が俯きながら誕生日にブラウンから貰ったMr.人形の頭を押していた。
『綯、頑張れよ』
『綯、綯は俺の宝物だ』
その言葉が何度もループし、ラボ内に響きわたる。
そうだ、俺たちでさえこの死を受け入れることが出来ないんだ。家族である綯ならなおさらだろう。
岡部「綯……」
俺は綯の側に寄り、その体を抱きしめた。
岡部「俺が全て忘れさせてやる……」
綯の体を抱き締めてそう言う。
そうだ、タイムリープマシンさえあれば何とかなる。今はもう無いが、また作れば……。
ダル「さすがオカリン。こんな時でも性欲は衰えてないってか」
助手「橋田……!」
ダル「……ごめん。空気を変えようとしただけなんだお」
助手「……」
だけどあれは俺たちが作り出した偶然の産物。もう一度作れるわけがない……。
なら……!
岡部「綯。俺がお前は愛す。だから、受け入れよう。この死を。過去はもうやり直せないんだ。けれど、これから先は無限の可能性が待っている。だから……」
綯「オカリンおじさん……」
綯はそう言ってから、嬉しそうに……けれど少し悲しそうに笑った。
それから俺は、綯に出来る限りの事をした。たっぷり愛情を注いだし、望むことも大抵のことは何でもやった。
そんな事をしている内に俺は社会人に、そして綯は大学生になってもおかしくないぐらい年が経っていた。
肌寒い秋の日。おれは薬局に来ていた。ゴムを買うためである。
俺が頼み込んだところ、綯は少し頬を赤らめながらも頷いたのだ。
岡部「そういえば最初にヤったのはブラウンとだったな……」
もう八年も前の話なのに。何故かまだ鮮明に覚えていた。あの時は一体何を考えてあんな事をしたのか分からない。
そう考えながらゴムを手に取った時、後ろから声を掛けられた。
ダル「今夜はお楽しみかい? オカリン」
岡部「ダルか……驚かせるなよ……」
ダルは今ではすっかり痩せている。結婚して子供も居る。勿論子供の名前は鈴羽だ。
ダル「相手は綯ちゃんかい? オカリンもロリコンだなぁ全く」
岡部「黙れHENTAI」
ダル「まぁとにかく頑張れよオカリン」
何をしに来たのか。ダルは手を振って去っていった。
それにしてもまさか本当にダルがああなるとはな……。
そう思いながらゴムを買う。店員は女性だったが気にしない。
綯の家に行く。元々はブラウン……橋田鈴の住んでいた所だ。
綯「あ、オカリンおじさーん」
家のドアを開けるなり綯の元気な声が聞こえる。居間でテレビでも見ているんだろうか。
居間に行くと、綯は案の定テレビを見てきた。
岡部「久しぶりだな綯。といっても一日ぶりだが」
綯を見て言う。綯ももう大学生だが、まだ中学生ぐらいに見えてしまう。背は小さいし胸は助手と似たり寄ったりだ。
ゴムの入った袋をテーブルの上に置く。
それを見ると、綯は恥ずかしそうに頬を赤らめた。
綯「オカリンおじさん……本当にヤるの?」
岡部「何……駄目なのか?」
綯「良いんだけどやっぱりその……ゴムは無い方が良いかなって……」
岡部「なるほど。確かに俺もお前ももうそういう歳だもんな」
言ってゴムは手に取らず、テレビを消してから寝室に向かう。
綯を布団の上に押し倒し、以前ダルに教えて貰ったことを思い出しながら行為を開始する。
キスをしてから下に手をのばす。下は既に濡れていた。
岡部「もう濡れてるな」
綯「恥ずかしいからあまり言わないで……」
顔を両手で隠しながら綯は言う。
もうこんなに濡れているんだ、大丈夫だろう。
ダルが言うにはすぐ突っ込んだ方が良いらしい。ダルのことだから本当かは分からないが。
ズボンを脱ぎ、妖刀・五月雨を取り出す。妖気はまだ失ってない。
それを綯のシュタインズ・ゲートに突っ込む。
綯「いっ……た……」
岡部「大丈夫か?」
綯「うんっ気持ちっ良いからっ……」
岡部「これがシュタインズ・ゲートのせんずりか……ヤバい、妖気がもうっ」
綯「あっ駄目っ私もイっちゃう……」
岡部「もう駄目だ! エル・プサイ・コングルゥゥゥゥ!」
行為を終え二人で交互にシャワーを浴び、布団に寝っころがる。横には綯が居る。
綯「私ね、今でもたまにお父さんのこと思い出すんだ。もう何年も前の話なのにね……」
寂しそうに綯が言う。
俺だってそうなんだ。綯だってそうなのだろう。
綯「それでね、たまにあの最後に貰った人形の声も聞くんだ。それでね、その度に思うの。もしお父さんがあの日お買い物に行ってたら死ななかったんじゃないかって」
岡部「あの日?」
綯「2010年の11月9日。本当はあの日にお買い物行く予定だったんだけど、急用があったみたいで次の日に行くことになったの。そして11月10日に事故死。もしその日じゃなくて9日に行っていればって、今でもたまに思うの」
待てよ、確かあの日ブラウンを呼び止めたのは……俺だ。
じゃあ俺が呼び止めなかったらブラウンは死ななかった?
アトラクタフィールド理論があるから何とも言えないが……その可能性もあるかもしれない。
岡部「すまん、綯。少し出かけてくる」
綯「え?」
思いっきり外に飛び出す。
そうだ、もしかしたらブラウンを死なさずに過ごすことが出来るかもしれない。
多くの人が望んだ世界を作れるかも知れない。
もう過去には戻らないと決めた。だが、綯のあんな悲しい表情はもう見たくない。
好きな人のために最大限がんばるのは当たり前の行動のはずだ。
俺はダルの住む家に来ていた。
ダル「お、オカリン。どうしたんこんな時間に。いや、それよりさっきは綯ちゃんとお楽しみしてたのかお?」
インターホンを鳴らすとダルが出てきた。
岡部「ダル、一つ頼まれてくれないか?」
ダル「え?」
一週間後。
ダルはある機械を持って俺の家に来ていた。
岡部「これが例のか?」
ダル「そう。タイムマシンだお。いやー苦労したお」
岡部「まさか一週間で完成させるとは。さすがダルだ!」
ダル「オカリンの別の世界線での話があったから楽勝だったお」
さすがスーパーハカー……恐ろしい子。
岡部「それで、これでDメール送信とタイムリープが同時に出来るんだな?」
ダル「そうだお。オカリンのいう奴だとDメールだと改変した世界の過去は確認できないけどこの『タイムタイムマシン』はそれが可能なんだお」
岡部「つまり、俺が2010年にメールを送信した場合、同時に俺は2010に戻ることが出来るんだな?」
ダル「そうだお」
岡部「ありがとう、ダル」
俺はメールの設定をする。2010年の11日9日の自分に宛てて文を書く。
『Mr.ブラウンに綯のことを話すのはまだ早い』と書く。変な文字数制限がないのは便利だ。
これを送信すれば取りあえずは11月10日に買い物から帰る途中に事故死、という事は無くなる筈だ。
後はどうなるか分からないが。
これを送ればこれまでの八年間の綯との楽しかった日々の記憶は俺だけのものとなってしまう。
けれど、それで良い。綯にとって大切な誰かを守れるなら。
俺は送信ボタンを押した。
岡部「ここはラボか……」
リーディングシュタイナーは発動した。ならば過去改変とタイムリープは……。
カレンダーと時計をみる。2010年11月9日。丁度Mr.ブラウンと話をしている時間だが、俺はラボにいる。
携帯を見ると、きちんと未来からのメールを受信していた。過去改変には成功したのだ。
だが、これからどうなるかは分からない。今日死ぬ可能性もあるし、明後日死ぬ可能性もあるのだ。
暫くは監視が必要だ。
だが一日経っても二日経っても三日経っても死ぬことはなかった。
四日目の朝。普通にブラウン管工房を開けているブラウンの姿を見て、俺は確信した。ブラウンは死なないと。
岡部「ブラウン……」
思わず抱きそうになって自らを制止する。二度とあんな事はごめんだ。
ダル「あれ、オカリン。どしたのこんな朝早くから。それよりさっきは綯ちゃんとお楽しみ……あれ?」
岡部「だ、ダル! 馬鹿な事を言うな!」
ブラウン「あぁ? 岡部、今何つった?」
岡部「いや、その……」
ブラウン「てめぇうちの綯に何しやがった!」
岡部「誤解だーっ!」
確かにこの世界線で綯とのあの八年間の記憶はない。
けれど、この世界線は多分多くの人が望んだ平和な世界なんだ。
END
105 : 以下、名... - 2011/08/08(月) 01:16:12.71 YLnKeeCS0 36/39何かなーと思いつつ終わった。
読んでくれた人は居るのだろうか。
107 : 以下、名... - 2011/08/08(月) 01:20:17.38 VdKYkROji 37/39>>105
乙。面白かったっす。
途中のブラウンとの絡みは何事だったんだぜ。
108 : 以下、名... - 2011/08/08(月) 01:22:31.36 YLnKeeCS0 38/39ありがとー
一応前に書いたのも晒すわ
・ダル子「オカリン……愛してるお」
・Mr.ブラウン「なかなか良いケツしてんじゃねえか」岡部「」
調べたらまとめサイトが出てくるから読んでくれたら嬉しい
下ネタ多いけどね
109 : 以下、名... - 2011/08/08(月) 01:23:46.53 YLnKeeCS0 39/39>>107
ありがとー感謝です
何か書きたくなったんすw