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( `・ω・) また会ったな!ようこそ、ID腹筋スレへ!
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しー-J
ここはsageずに書き込み、出たIDの数字の回数だけ腹筋をするという、
硬派なトレーニングスレです。
例1 ID:wwh7KM12 の場合 712 なので712回頑張りましょう。
例2 ID:bicycle. の場合 数字がないですが今日は厳しくオ○ニー10回。
さあ、存分に腹筋するがよい。↓
元スレ
妹「この歳で処女なの恥ずかしいから捨てさせて」兄「その3」
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1422671427/
5 : 以下、名... - 2015/01/31 14:08:46 Eo9nvzmU 2/463>>1乙
さぁいつ来るかな?
兄「この歳で、かあ……」
妹「年も明けて、あたし今年で小学校最後じゃん?」
兄「うん」
妹「それなのにまだ処女とか、もうありえないくらい恥ずかしくってさー。顔隠さないと外歩けないくらいで……」
兄「……あのさ」
妹「はい?」
兄「……『その3』?」
妹「終わりがないのが終わり。それがイモート・エクスペリエンス・レクイエム」ドヤアッ
兄「ブン殴りてえ」
18 : ◆eUwxvhsdPM - 2015/02/01 00:23:05 1POfI1TI 4/463幸先悪いなチクショー
妹「この歳で処女なの恥ずかしいから捨てさせて」
妹「この歳で処女なの恥ずかしいから捨てさせて」兄「その2」
の続きやで
立てられたからには書くで(埋めるとは言ってない)
シンシン……
妹「雪、すっごい降ってるね……」
兄「ああ。また積もるな、こりゃあ……」
妹「あたしさ、雪って好きなんだよね」
兄「へえー」
妹「……どんなに汚いものでも、雪が積もると……白くってすっごく、綺麗になるんだもん……」
兄「……」
妹「SMプレイの痕とか、スカトロプレイで出たモノだって……」
兄「そこまでは雪でも無理だと思うぞ」
妹「お兄ちゃん、外出てかまくら作ろうよ!」
兄「元気だなお前……っていうか流石にかまくらは無理だろ」
妹「えーっ大丈夫だよー。やる気さえあれば!!」
兄「……って言われてもなあ……」
妹「ほら!かまくらが完成したら、中にあたしを連れ込んで好き勝手ズコバコしていいから!」
兄「やる気が無くなった」
妹「それか雪合戦しようよ、雪合戦!」
兄「雪合戦……二人でか?」
妹「うんっ!絶対すっごく楽しいよっ!」
兄「いや、二人でやっても微妙だと思うんだけど……」
妹「お兄ちゃんの白いのを、たーっぷりあたしにぶっかける事が出来るんだよ?」
兄「俺家ん中いるわ」
妹「鬼はー外っ!福はー内っ!」
バラバラッ!
兄「2月3日……節分か」
妹「ほらほらお兄ちゃんも、この枡持って持って!」グイグイ
兄「はいはい」
妹「あ、けどマスをカくのはダメだからねっ?ヤるならちゃーんとセッ○スで――」
兄「豆はお前にぶつければいいのかな?」
妹「鬼はー外っ、福はー内っ」
バラバラッ
妹「……こうやって豆をまくことで、悪い鬼を外へ追い出して、福の神様を家の中へ引き入れるんだね」
兄「ああ」
妹「お兄ちゃんはどっちが好き?」
兄「うん?……そりゃあ、福の神様の方が好きだけど?」
妹「いやそうじゃなくって、外出しと中出しどっちがいいのかなって」
兄「福は内ーっ」バラバラッ
ピンポーン
兄「?……はいはーい」
ガチャッ
イン「どうも兄さん。お邪魔しに来ましたよ」
兄「あ、どうもインストラクターさん」
イン「ふふふ、今の私はインストラクターではありません」
兄「?」
イン「……うち、ラムだっちゃ」ドヤッ
兄(……よく見たら頭に鬼の角付けてる……)
兄「節分だからって、わざわざそんな格好して来たんですか」
イン「ええ。あ、ちなみにちゃんと虎柄のビキニしてきましたよ」スルッ
兄「玄関先で服脱ぐんじゃねえ」
イン「服装や格好に気を使えば、どんなイベント事だって楽しくなりますからね。人によっては馬鹿にされるような文化かもしれませんが、コスプレだって捨てたものじゃないですよ」
兄「はあ……」
イン「こうして鬼娘の格好をする事で、節分という行事をもっと身近に感じられたでしょう?」
兄「まあ、それはそうですけど」
イン「範馬勇次郎の格好をするか結構迷ったんですけどね。こっちにしました」
兄「それはあれか?上半身裸になんのか?」
兄「妹ーインストラクターさん来たぞ」
妹「おーいらっしゃいませー」
イン「エフッエフッエフッ」
兄「……何その笑い方」
妹「あーっ、サヤカさん鬼のコスプレしてるー!」
イン「ええ。今日は私が鬼の役です。存分に豆まきをして下さい」
妹「では遠慮無く……鬼は外ーっ!」バラバラッ!
イン「ああんっ!すっごく気持ちいいっ///」ビシビシッ
兄(家ん中入れるんじゃなかった……)
イン「さ、兄さんもどうぞ。遠慮なさらず豆まきを」
兄「……まあ、そう言うならやるけどさあ……」
イン「はい。しっかりと!力を込めて!私にぶつけて下さい!」
兄(……弱く投げてやるか……)
兄「……じゃあ、鬼はー……」
イン「かけてっ!兄さんの白いの、私にいっぱいかけてっ///」
兄「『白』って言葉すげー万能だなー」
妹「はーっ、豆まきしたら疲れて、お腹すいちゃったなあ……」
イン「妹さん、私実は、恵方巻きを作ってきたんです」ジャンッ
妹「おおっ!すっごい豪華でおいしそーっ!」
イン「ありがとうございます」
兄「あ、ホントだ……具がいっぱい入って美味しそうですね」
イン「ふふっ、兄さんの方が美味しそうですよ」ペロリ
兄「寒気がした」
イン「恵方巻きは元々関西圏の文化なのですが」
妹「ほうほう」
イン「歳徳神が居られる方角……今年は西南西ですね。この方角を向いて願い事を思い浮かべながら、無言で丸かじりするんです」
兄「へえー」
イン「まあ私は兄さんをガン見しながら食べるんですけど」
兄「何で?」
妹「んじゃっ、いっただっきまーすっ」
パクッ!
妹「……んっ……ふうっ……んっんっ……」
モゴモゴ……
妹「……ちゅぱっ……んふうっ……ふう……んんーっ……」
モニュモニュ……
妹「……んんんーっ!……んっ……お、おいひいっ……んふうっ……」
イン「……兄さん、今のシーン動画撮りましたけど、使います?」
兄「何にだ」
兄「ハァ……ま、恵方巻きが美味しそうなのは事実だしな……俺ももらおうかな」
イン「はい、どうぞ」
兄「……あれ?」
イン「どうかしましたか?」
兄「インストラクターさんの分の恵方巻き、無いみたいですけど……?」
イン「何を言うんですか。兄さんの股間に大きな恵方巻きが――」
兄「……」モグモグ
妹「ふぃー、美味しかったー。お腹いっぱい……」
イン「まだですよ、妹さん。節分には豆を食べませんと」
兄「ああ、歳の数か、それより一つ多く炒り豆を食べるんでしたっけ」
イン「ええ。……あら、しかし豆をまきすぎて、食べる分が足りないかもしれませんね」
兄「えっ?……ああ、じゃあまあ別に……」
妹「ふっふっふ……お兄ちゃんの股間には恵方巻きがあるように、あたしの股間には豆が――」
兄「黙ってろ」
妹「お兄ちゃん、もうすぐバレンタインデーだよっ!」
兄「ああ、そうだな……」
妹「ふふふ……楽しみだなぁ~~……」ニマニマ
兄「?……お前、もう誰にあげるかとか決めたのか?」
妹「え?」
兄「ん?」
妹「……何言ってるの?お兄ちゃん。最近の流行りは逆チョコだよ?」
兄「……俺はあげないからな?」
妹「えーっ……お兄ちゃん、チョコくれないの?」
兄「なんであげないといけないんだよ……買うの面倒だし」
妹「仕方ないなあ……じゃあ、買わなくていいからさ」
兄「うん?」
妹「代わりにお兄ちゃんの黒ーいチ○コが欲しいなーって」
兄「あげない」
妹「濃厚なホワイトチョコレートでも可です」
兄「お前が可でも俺は不可だよ」
…………
キンコンカンコーン……
妹「はぁー……」グテッ
マカ「?……どしたのー妹ちゃん。休み時間に憂鬱そーな顔して」
妹「あ、マカちゃん……あのね、もうすぐバレンタインデーじゃん?」
マカ「うん、そうだねー」
妹「だからさ、お兄ちゃんにチョコあげようかと思うんだけど……」
マカ「あっ、それいいねー。マカもあげよっかなーっ」
妹「けどさけどさ、チョコって案外高いじゃん?あたしお金無くってさー……」
マカ「股開けば?」
妹「身も蓋もないね!?」
マカ「まあそれは半分冗談として」
妹「あ、半分なんだ」
マカ「お金無くってもさ、手作りチョコとかアリなんじゃないの?愛情たっぷりのチョコあげたら、お兄さんもイチコロなんじゃない?」
妹「……手作り……手作りかぁ……」ウーン……
マカ「え、何かダメ?」
妹「……あたしが料理すると、何故か家が燃えかけるんだよねぇ……困ったモンだよ」
マカ「『何故か』の意味が全くわかんない」
マカ「そうだ!インストラクターさんだったら、手作りチョコの作り方も詳しいんじゃないの?」
妹「あー確かに。インストラクターさんってすっごく物知りだもんねーっ」
マカ「さっそく連絡してみようよ!えーっと、スマホスマホ……」ガサゴソ
妹「あ、マカちゃんそんなの使わなくていいよ」
マカ「……え?」
妹「インストラクターさーんっ、手作りチョコの作り方知りたいんですけどーっ!」
ガラッ
イン「呼びましたか?」
マカ「何で平然と小学校に入ってきてるの?」
イン「ピンチの時には、心の中で三回『ヒーロー見参』と唱えれば私が来ますよ」
マカ「某卓球漫画かな?」
妹「あの、インストラクターさん。手作りチョコについて聞きたいんですけど」
イン「チョコレート、ですか……確かに私はレシピを知っていますが、今は……うっ!痛たたっ……!」ズキッ!
妹「インストラクターさん!?」
マカ「どうかしたの!?どこか怪我でもした?」
イン「実は……兄さんに女体チョコレートでも差し上げようかと思い、チョコを身体に塗ったら……熱くて全身火傷しまして」
マカ「病院行こう」
イン「あ、大丈夫。軽傷ですから」
マカ「頭のだよ」
イン「という訳で、私は教えられませんが……そうですね、心愛さんなら何か知っているのではないですか?」
マカ「えーっ、お嬢が?」
イン「なかなか良い家の出ですし……お菓子作りは一般教養とも言えるでしょう」
妹「なるほど。確かに心愛ちゃん、休日はお菓子作りとかしてそうだよねーっ」
マカ「んじゃあさっそく聞いてみようよ。おーいお嬢……」
妹「あ、心愛ちゃん今日休みだよ?」
マカ「え?」
…………
…………
ココア「執事長、チョコレートを作るわよ」
執事長「はい。……もうすぐバレンタインデーですからね」
ココア「さっそく南アメリカまで言って、カカオ農場を買収して来なさい」
執事長「そんな所からやるんですか?」
ココア「当たり前よ。私は一から十までこだわりにこだわるタイプなの」
執事長「こだわりすぎでしょう」
ココア「……こういう性格は、両親に似たのかもしれないわね……」
執事長「はあ、旦那様と奥様に……?」
ココア「……私の両親は、娘である私の産まれからして、こだわりにこだわっていたわ……」
執事長「!(……お嬢様……小さい頃から厳しい英才教育を受けて、辛い思いを……?)」
ココア「種付けはSMプレイの騎乗位から始まり、胎内音楽にはお母様の言葉責め……子守唄にはお父様のブタの鳴き真似……お陰で今ではすっかり私もSに――」
執事長「やっぱこの家族おかしいわ」
ココア「ほら執事長、さっさと農場買い占めて来なさい。じゃないと執事長の部屋のドア溶接するわよ」
執事長「やめて下さい。あと、流石に農場からチョコを作るのは無理です」
ココア「えーっ……」
執事長「チョコを手作りするという事で、我慢して下さい。お嬢様」
ココア「そんな……何のために私は学校を休んでまでお屋敷に残ったというの!?」
執事長「休まないで欲しいんですけどね……」
執事長「手作りチョコでしたら、料理長に聞くのが一番ですかね……料理長」
料理長「んあー?」グデーッ……
執事長「……明らかにやる気無いオーラ出てますけど……お嬢様に料理を教えてあげてくれませんか?」
料理長「やだ!」
執事長「……子供ですか」
料理長「だってアレだろ!?私が手作りチョコの作り方教えても、出来たチョコ他の男にあげるんだろ!?」
ココア「ええ。兄さんに差し上げるつもりですわ」
料理長「あの野郎ぶっ殺す」スタスタ
執事長「やめて下さい料理長。っていうか相手の顔知らないでしょ」
料理長「やだやだやだやだ!やーだもんっ!私もチョコ欲しいもーんっ!」ジタバタ
執事長「……と、言っておりますが……?」
ココア「うーん、流石に料理長にチョコをあげるのは……義理だとしても怖気がするわね」
執事長「言い過ぎじゃないですかね?」
ココア「仕方ないわね……料理長、チョコはあげられないけれど――」
料理長「はい?」
ココア「代わりに熱ーい、溶けたチョコレートを料理長に垂らしてあげるわよ?」
料理長「ご褒美でブヒイッ!早速教えるブヒィィイイ!」
執事長「あーもう滅茶苦茶だよ」
料理長「では今回は、チョコレートケーキ……ガトーショコラの作り方を教えるブヒィ」
執事長「口調戻して下さい、料理長」
ココア「わくわく。さっそく教えて頂戴」
料理長「えー、ではお嬢様。まず、料理をする時の格好なのですが……」
ココア「ええ」
料理長「余計なゴミが食材に入らないよう、キッチンでは全裸!エプロンだけを身にまといます!」
ココア「徹底してるのねー」ヌギヌギ
執事長「嘘教えてんじゃねーぞハゲ」
料理長「ではまず、卵を割って黄身と白身に分けましょうか。お嬢様」
ココア「わかったわ」
料理長「こうやって、手際よくですね……」
コンコン、パカッ!
ココア「ふむふむ」
ゴッゴッ!グシャアッ!!
ココア「……」ベトーッ……
執事長「お、お嬢様?」
料理長「た、大変だ……お嬢様がドジっ子を発揮して!顔射みたいになっとる!!執事長クン!今すぐカメラ取ってきて!!!」
執事長「いい加減にして下さい料理長」
ココア「……料理って結構難しいものなのね」フキフキ
執事長「いやまだ卵割っただけなんですけれど」
料理長「申し訳ありません、お嬢様。きちーんと一から教えるべきでしたね……」
ココア「いいえ、いいのよ料理長。聞かなかった私も悪いわ」
料理長「今一度、チャンスを……次は丁寧に教えますので」
ココア「ええ。お願いするわね?料理長」ニコッ
料理長「はっ。では――……」
料理長「まず、男はタマよりサオの方が感じるのですが、根本から上下にですね……」
執事長「何を一から教えとるんだ」
ココア「何って、ナニ?」
執事長「やかましいです」
・ ・ ・
料理長「……次に、チョコを湯煎で溶かすのですが、細かく包丁で刻んでからボウルに入れます」ゴリッ、ゴリッ
ココア「んっ!……んっ……んーっ……」ゴッ、ゴッ……
執事長「……大丈夫ですか?お嬢様」
ココア「ふーっ……なかなか力がいるのね、これ……」
執事長「頑張って下さい」
ココア「執事長の心を折るより難しいわ」
執事長「……私の心はもう少し強いと自負しております」
ココア「それを折るのがまた楽しみなのよね……」ニヤリ
執事長(……何言ってるんだろうこの人は……)
料理長「湯煎で溶かしたチョコに、卵黄と砂糖を混ぜたものを入れてー」カチャカチャ
ココア「ふむ、上白糖なのね」
料理長「そこに、白身を泡立てて作ったメレンゲと、小麦粉をふるい入れて……」サッサッ
ココア「ふむふむ……」
料理長「今回はアクセントに、カシューナッツでも入れてみましょうか」ザララッ
ココア「ねえ執事長。こんなに白いのばっかり入れるなら――……」
執事長「はい?」
ココア「執事長の白いの入れても、バレないんじゃないかしら?」ドキドキ
執事長「バレると思いますよ。入れませんし」
料理長「あとはこれを、オーブンで加熱……と」ガコンッ
ヴーン……
ココア「ふう……お菓子作りって中々疲れるのね、料理長」
料理長「お疲れ様です、お嬢様」ペコリ
ココア「ええ……何かに座ってくつろぎたいわね……」
料理長「ではこのワタクシめをば椅子に!ほらほらこの膝の上へどうぞ!さあさあ!!」ハァハァ
執事長「料理長、もういいんでどっか行ってくれません?」
ヴーン……
ココア「わくわく……まだ焼けないのかしら?」ソワソワ
執事長「お嬢様、中を覗きこまなくとも……」
ココア「だって、楽しみなんですもの」ワクワク
料理長「……そういえば、昔電子レンジの中を覗きこむと、自分の目まで加熱されちゃう……とかいう話があったなあ」
執事長「はあ……よく知りませんが」
ココア「それってあれよね?他人の夜の営みを見てこっちも燃えてきちゃうみたいな――……」
執事長「例えがおかしい」
ヴーン……
ココア「……結構時間がかかるものなのね……」
執事長「……そうですね……」
料理長「……ん?……あーっ!!し、執事長君!大変だ!」
執事長「な、何ですか?」
料理長「ウッカリして焼き時間を長くしてしまった!」
執事長「なっ……!?」
ココア「えっ!?それって……延長料金発生する!?」
執事長「いかがわしいお店じゃないんですから」
・ ・ ・
ココア「……」
ケーキ『……』コゲッ
執事長「……あー……その、お嬢様……気を落とさずに……」
料理長「……申し訳ございません、お嬢様」
ココア「……いいのよ、別に……」
料理長「罰としてこの下賎なブタを!ブタをぶって下さいませ!!ほらほら一気にぐいっと!ほーらほら!」
執事長「……」
料理長「……ちょ、ツッコミ放棄はやめてくれない?」
ココア「大丈夫よ、ちょっとくらいコゲていた方が、愛嬌があっていいでしょう?」
執事長「……そういうものなのですか?」
ココア「ふふん、執事長。時代はドジっ娘なのよ。料理で少し失敗する方が、一生懸命さが出ていていいの。塩と砂糖を間違えたり――……」
執事長「……はあ」
ココア「小麦粉を間違えてアブナイ粉を入れたり」
執事長「このケーキ食べて大丈夫なんですか?」
執事長「……ではお嬢様、この焦げたケーキをバレンタインに……?」
ココア「ええ」
執事長「……わかりました。では、早速私が丁寧にラッピングを――……」
ココア「あら、そんなのしなくってもいいわよ」
執事長「……はい?」
ココア「だって……」
ココア「はいっ、執事長……ハッピー・バレンタイン♪」ニコッ
執事長「!……」
ココア「……どうしたの?執事長」
執事長「……いえ、少し……意外でして」
ココア「?」
執事長「……私に、ですか」
ココア「ええ。……当然でしょう?」
ココア「貴方は、私の大切な……大切な、執事長よ」ニコッ
執事長「……」
ココア「……受け取って、くれる……わよね?」
執事長「……ええ」
・ ・ ・
執事長「…………焦げてて超ニガい……!」ブルブル
…………
…………
妹「……ねえ、マカちゃん……このお話の主人公ってあたしだよね?……ね?」
マカ「いや、マカに聞かれても……」
…………
妹「……あー、ヒマだなー……」ポケーッ……
兄「……おい、妹」
妹「んあ?」ポケーッ
兄「お前ボーッとして、口開いてるぞ」
妹「え?……開いてた?無意識だったや」
兄「まったく、だらしないヤツだな……意識して閉じとけよ」
妹「えへへ……気をつけないと、口が開いてる所にチ○ポ突っ込まれる所だったね」
兄「しねえよ」
兄「そういやお前……結構悪いクセがあるよな」
妹「え?そうかなー?」
兄「例えば……爪を噛む」
妹「あれは指フェ○してるんだよ」
兄「貧乏揺すり」
妹「バイブの振動スゴくってさー」
兄「箸の持ち方が変」
妹「手○キの練習してるんだ」
兄「あかんコイツ末期や」
兄「とにかく、一つ一つ悪いクセを無くしていくぞ」
妹「えー……やだなあ」
兄「まずは、貧乏揺すりからだ」
妹「うう、よりによって一番直しにくいトコを……」
兄「次貧乏揺すりしてる所見たら、デコピンするからな」
妹「股間に?」
兄「おでこにだよ」
・ ・ ・
兄「……」(読書中)
妹「……うーん……この計算問題むつかしい……」カリカリ
兄「……」ペラッ
妹「……」カリカリ……
兄「……」
妹「……」……カタカタカタ……
兄「……貧乏揺すりすんな」ググッ
ペシッ!
妹「あはぁん♡お兄ちゃんのデコピン気持ちいいよぉぉおおおおんんほおっ!!」ビクンビクン!
兄「馬鹿な……振動が強くなっただと……!?」
マカ「……あー、ヒマだなー。学校終わりに駅前来てみたけど……」ポケーッ
ワイワイ……
マカ「……特に何もないなあ。こんな事なら妹ちゃん家行けば良かった……」
オジサン「……あの、失礼。お嬢ちゃん……」スッ
マカ「?……なに?オジサン」
オジサン「……ふーむ、可愛らしい……ちょっと大人びてる所とか最高にイイね。ウケが良さそうだ……うむ」ブツブツ
マカ「……」
オジサン「あのだな、お嬢ちゃん。ちょっとオジサンとお茶でも――……」
マカ「マカを買うんならさあ、さっさとホテル行こうよ」
オジサン「……え?……え?」
マカ「オジサン初めてだよね?こーんなちっちゃい子と茶なんか飲んでたら、怪しまれるよ?誰にも見つからないうちに部屋入んなくっちゃ。慣れてないんだからーもうっ」ヤレヤレ
オジサン「……え?」
オジサン「……オ、オホン!……ははは、最近の子というのは、ウン……ユーモアに富んでるね。少し背伸びしすぎな気もするが……」
マカ「何?……お金、ないの?」
オジサン「うーん、そうだね。オジサンそういったお金はちょっとなあ……」
マカ「じゃあ話しかけないでくれる?」ツーンッ
オジサン「え」
マカ「ハア……せっかく金づる見つけたと思ったのに。仕方ない……前買ってくれたオジサマでも呼ぼうかなー……」ピッピッ
オジサン「ちょ、ちょっと待ってお嬢ちゃん……え?私がおかしいのか?」
オジサン「あー、お嬢ちゃん。オジサンはだな、こういった者なんだよ」スッ
マカ「?……○○芸能プロダクション……プロデューサー……?」
オジサン「うむ。聞いたことがあるだろう?あの有名アイドルなんかが所属している――……」
マカ「あー、知ってる知ってる」
オジサン「オジサンはな、そこで働いている、有名アイドル達の発掘者なんだよ」
マカ「あのビッチ臭いオバカアイドル達の?」
オジサン「そんな言い方は無いんじゃあないかなあ……」
オジサン「ともかく、だ……ちょっとお嬢ちゃん、オジサンとお茶でも飲んで話をしないかい?」
マカ「えー……」
オジサン「……好きなもの頼んでいいから。少しだけ、お話してくれるだけでいいんだ」
マカ「好きなもの、ねえ……」
オジサン「ああ。お嬢ちゃんは喫茶店の飲み物は、何が好きなんだい?」
マカ「おち○ぽみるく」
オジサン「……済まない、よく聞こえなかったよ」
マカ「だからね、オジサンの極太マドラーをかき混ぜ棒してコーヒーフレッシュをドリップ――」
オジサン「細かく言わなくていいから」
・ ・ ・
カチャカチャ……
マカ「……」ズズーッ
オジサン「うむ……良いお店だね。可愛らしくて……」
マカ「……」カチャカチャ
オジサン「最近の子は、こういう可愛い店が好きなのかな?ふーむ、トレンドというのは日々移り変わるものなのだね……」
マカ「……そういうのはいいからさあ、オジサン……マカに何の用なの?」
オジサン「……うむ……単刀直入に言うよ」
マカ「?」ズズーッ
オジサン「……キミ……『アイドル』に興味は無いかい?」
バ ン
マカ「……へぁ?」ポカーン
オジサン「一目見た時に『この娘だ!』という直感があったんだよ。私にはわかる。キミは……トップアイドルになれる」
マカ「……あの、ちょっと……急すぎて意味がわかんないんですけど」
オジサン「だからだね、キミは……おっと、そういえば名前もまだ聞いていなかったかな」
マカ「え?……あー……名前、ですか……」ドンヨリ
オジサン「キミ、名前は何と言うんだね?」
マカ「……山田…………摩可論(マカロン)」ボソッ
オジサン「……」
マカ「……」
オジサン「……本名は?」
マカ「本名だよ!!」バンッ!
オジサン「あー……うん。そうか……キミも苦労してるんだね……」シミジミ
マカ「そういう態度、けっこうイラッてするからやめてほしいんですけど」
オジサン「あ、ああ。悪かったよ……」
マカ「ハァ……たしかにうちのママはちょっとアレかもしんないけど……普通の、いいお母さんなんだよ?」
オジサン「はあ……そういえば、お母さんはどんなお仕事を……?」
マカ「え?ソープ嬢だけど?」
オジサン(……普通?普通って何だよ)
オジサン「あ、アハハ……じゃあ、その普通?のお母さんと、一度話し合ってもらえないかなあ?」
マカ「マカ、もう何日もママと会ってないんだけど」
オジサン「え、えーっと……そうだ!パパはどうなんだい?」
マカ「パパ?それはまあ、ほとんど毎日会ってるけど?」
オジサン「ああ良かった……じゃあそのパパと、一度話し合って――……」
マカ「お金いっぱいくれるパパと、すっごいテク持ってるパパと、やさしいパパと、マニアックなパパがいるんだけど、誰と話し合えばいい?」
オジサン「……や、やさしいパパで」
マカ「うーん、やさしいんだけど、ねちっこいんだよねー。前戯」
オジサン(何?この娘何なの?)
マカ「っていうかさあ、マカ本当にアイドルとか興味無いんだけど……」
オジサン「え?何でだい!?女の子といったらみんなアイドルに憧れるものだろう!?」
マカ「だって売れなかったらAVデビューでしょ?」
オジサン「そ、そんな事ウチの事務所ではやらせないから」
マカ「あと枕営業とかやらせるんでしょ?」
オジサン「ウチのアイドルはそんな下賎な行為はしない!」
マカ「むしろやらせといた方がいいけどね……マカ、トップになれる自信あるし」ボソッ
オジサン「…………」
マカ「ハア……本当はマカ、そんなの上手くなりたくなかったんだけどね……マカの本当のパパがさ……マカにさ……色々と――」
オジサン「キミ、世間の闇を背負いすぎじゃあないかなあ?」
オジサン「と、とにかくっ!私はキミに魅力を感じたんだ……普通の人には無い、特別な……ね」
マカ「それってオジサンが欲求不満なだけじゃないの?」
オジサン「……ええと、もしアイドルという仕事に興味が沸いたのなら、ここに電話してくれるかな?」スッ
マカ「あ、電話番号?じゃあマカも」スッ
オジサン「え?……キミの電話番号かい?」
マカ「うん。むらむらしたら電話してね。テレフォンセッ○スから手○キフ○ラ普通のセッ○スにSMプレイまで、お金次第でなーんでもヤってあげるから♡」
オジサン(……声かけたの失敗だったかもしれん)
・ ・ ・
妹「えーっ!?マカちゃんアイドルにスカウトされたの!!?」
マカ「うん。……全然興味無いんだけどね……」
兄「興味無いのか?女の子はそういうの喜びそうなもんだけど……」
マカ「うーん……」
妹「マカちゃんマカちゃん!アイドルってウンチしないんだよ!?」
マカ「……えっと、それが?」
妹「つまりね、アイドルになればこれから先お通じに悩む事が無くなって――……」
兄「妹、目を覚ませ」
兄「で、なんでアイドルに興味無いんだ?」
マカ「だって……アイドルって表向きはキラキラしてるけど、絶対裏ではあくどい事いっぱいあるでしょ?」
妹「そんなモンなのかなー……」
マカ「そうだって!テレビ局のお偉いさんに身体売ったり、秘密のパーティとかで裸晒したり、色目使ったり他人を蹴落としたり――……」
妹「うーん……」
マカ「……あれ?いつもとそんなに変わらない……?」
兄「マカちゃん、一度休もう?な?」
妹「よーしっ!こーなったら、マカちゃんをアイドルにするプロジェクト、開始だよっ!」
兄「お前はまた思いつきで喋りやがって……」
マカ「っていうかマカ本当にアイドル興味無いんだって」
妹「問答無用!あたしは何が何でもマカちゃんをアイドルにします」
マカ「いや、なんで?」
妹「あたしがスカウトされなくって、マカちゃんがスカウトされたのがムカつくから」ニッコリ
兄「すっげえ爽やかな笑顔で『嫌がらせです』って言ったぞコイツ」
妹「まずは演技力を鍛えるよ!アイドルになるには一番大切な能力だね!」
マカ「あー、マカそれなら自信あるよ?」
妹「あ、そうなんだ?」
マカ「うん。感じてる演技とかチョー得意」
兄「そういう演技力はいらない」
妹「マカちゃん……アイドルたるもの、辛い時にでも笑えるような、そんなたくましい演技力も必要だよ?」
マカ「だから自信あるって。本当のパパに求められた時もマカは笑顔で――」
兄「頼む、もうその話しないでくれ」
妹「じゃー次は歌唱力!歌がうまくないとアイドルってやっていけないよね!」
マカ「歌かあ……それはあんまし自信ないかもなあ……」
妹「ふふふ、じゃーみっちり修行しないとねっ!このマイクを使って……あれ?」ゴソゴソ
兄「?……どうした?」
妹「おっかしいなあ……カラオケゲームのマイク、ここに仕舞ったはずなのに……」ゴソゴソ
マカ「えー、マイク無いの?」
妹「仕方ない……お兄ちゃんのマイクを使って練習しよっか」ヂーッ
マカ「良かったー得意分野だよっ☆」ニギッ
兄「くっそーこいつら下ネタしか頭にねえ」
妹「マイクが無いならしょーがないね……カラオケ行こう!」
兄「また思いつきでそんな事を……」
妹「あたしカラオケとか行った事ないからさー、一回行ってみたくって!」
兄「……カラオケって、小学生と高校生じゃあ入店不可らしいぞ」
妹「じゃあ、ママも一緒に行こう!」
母「……」コクコク
兄「母さん、断ってくれ。俺行きたくないんだよ」
妹「よーしっ!バンバン歌うぞーっ!……で、この近くにカラオケ店あったっけ?」
兄「さあ……俺もあんまし行かないからなあ……」
マカ「あ、マカ知ってるよー。オススメのお店あるんだー」
兄「……一応聞くけど、何がオススメなんだ?」
マカ「監視カメラの死角をよーく理解してるから、ナニかしても店員さん見回りに来なくってさー」
兄「よーし、じゃあそこ以外の店行こう!」
・ ・ ・
妹「ついに来ました、カラオケ店!」
母「……」フンフンッ
兄「……ひょっとして母さん、ちょっと楽しみにしてる?」
母「…………」ニヘラッ
兄「……まあ、いいんだけどさ」
マカ「はやく入ろうよー。マカも久々だから、いっぱい歌いたいし」
妹「マカちゃん、一応言っておくけど!今回のカラオケはマカちゃんをアイドルにするための特訓なんだからね?」
マカ「わかったって……ほら、入るよー」
ウィーン……
女「いらっしゃいませー……あ」
兄「あ」
女「兄君?わー、こんな遠くのお店までよく来たねー。どうしたの?」
兄「貴女は……」
妹「お兄ちゃんのクラスメイトで、おもちゃ屋さんでバイトしていたはずの、ア○ル開発が趣味の女さんじゃん!」
女「ふふふ、実に1スレぶりの登場!みなさん覚えてますかー?」
兄「誰に話してるんだお前ら」
兄「おもちゃ屋でバイトしてたはずなのに、なんでカラオケ店に?」
女「カラオケ店でもバイトしてるの。大人のオモチャ買うお金で今月厳しくってさー」
兄「どんな理由だよ」
女「あと、こうでもしないと出番ホントに無いじゃん?」
兄「メタいメタい」
マカ「おねーさんっ、マカたち4人ドリンクバー付きでお願いしたいんだけどー」
女「オッケーい!……えっと、みんな妹ちゃんのお友達かな?かわいいねーっ」
母「……?」ハテ?
兄「待ってこの人母親」
女「これは失礼。……お母さん若いんだね」
母「……///」テレテレ
兄「俺もそう思う」
女「保護者同伴なら大丈夫だね。そーいうのいないと色々上がうるさくってさあ……昨今の法律ってのは厳しいもんだね」
兄「大変だな、カラオケ店っていうのも」
女「じゃードリンクバー4人で……あ!兄君、ゴムは必要かな?」サッ
兄「法律に全力でケンカ売ってんのお前じゃん」
女「部屋は3番だから、間違えないでねー」
兄「はいはい」
女「あと、監視カメラは極力見ないし、注文した商品持ってくる時もタイミング見計らって入るから、気にしないでね!」
兄「お前今から俺らが何すると思ってんの?」
女「だって、カラオケ店に女の子連れとか……ヤるんでしょ?」デヘヘ
兄「母親いるんですけど」
女「近親相姦ってイケナイからこそ燃えるよねっ!」
兄「なあ妹、今から別の店にしないか?」
バタンッ
兄「……おー、部屋は結構綺麗なんだな……」
マカ「良かったータバコ臭くなくって。マカ結構苦手なんだよねー」
母「……」ニコニコ
妹「おお!これがカラオケルーム……この機械で曲入れるんだよね?」
兄「ああそうだな」
妹「じゃあさっそく、エッチなVTRが流れる曲探そっか!」
兄「お前何しに来た?」
兄「マカちゃんの歌を聞きに来たんだろ?ほら、マカちゃん何歌う?」
マカ「もーっ、お兄さんってホンット乙女心わかってないなあっ」
兄「え?」
マカ「カラオケの一発目とか、場があったまってないのに女の子に歌わせちゃダメだよっ!最初は男の方からテンション上がる曲で盛り上げなくっちゃ!」
兄「……はあ……そういうモンなのか?じゃあ……」スッ……
妹「あたし歌っていい!?ねえねえあたし曲入れていい!?」キラキラ☆
兄「お前が歌うのかよ」
兄「……で、何歌うんだ?」
妹「ふっふっふ……あたしのオハコを聞かせてあげるよ。上手すぎてビックラこくよ?」ピッピッ
マカ「妹ちゃん……歌上手いの?」
妹「あたしに苦手なものはないねー」ドヤッ
兄「……曲はAKBとかか?それか嵐か……お前きゃりーぱみゅぱみゅ好きだったっけ?」
妹「違うよー。あたしが歌うのは……これっ!」
ピッ!
『https://www.youtube.com/watch?v=hJXva0srxbM』
妹「――未発達の体見渡せばミミズ腫れオンパレードッ!!!」(デス声)
兄(……こいつデス声超上手ェ……!!)
マカ(けど、小学生の女の子が歌う曲じゃない……!!)
妹「ふーっ……92点か。まーまーかな」
兄「何それすごいんだけど」
妹「ふう……歌って汗かいちゃったなー」パタパタ
マカ「あ、外寒かったからエアコン強くしちゃってた。ちょっと温度下げよっか?」
妹「いいよ別にー。脱ぐから」ヌギッ
兄「脱ぐなよ」
妹「……うー、汗かいて少し喉乾いたかも……」
マカ「全員ドリンクバー付きにしてるよ?外にジュースの機械あるから入れてくれば?」
母「……」コクコク
兄「そうだな。ちょっと妹と俺とでみんなの分取ってくるよ。マカちゃんは何が飲みたい?」
マカ「お兄さんのカルピs」
兄「それ以外で」
ピッ!
兄「俺はコーラでいいかな。母さんはお茶で……」ヂャーッ……
妹「……ねえお兄ちゃん」
兄「んー?」
妹「ドリンクバーとかあったらさ……色んなの混ぜて特製ミックスジュース!……とか、やりたくならない?」ウズウズ
兄「ああ、気持ちはわかるよ」ハハハ……
妹(……お兄ちゃんのせい○き+あたしのあいえ○+黄金水=……)ジュルッ
兄「何想像してんのかは知らんがな、お前頭大丈夫か?」
兄(……席を立ったついでに、トイレにでも行っとくか……)
スタスタ……
ガチャッ!
女「!?……あ、兄君っ!?」ビクッ!
兄「あ、女さん……?」
女「ご、ごめんね?今ちょっとこのトイレ掃除しててさー……」ハハハ……
兄「…………なんで小便器の横に座って、口開けてるんだ?」
女「……男子便所で肉便器になった妄想してイッてた所でさ……あ!大丈夫、床は汚してないよ?」
兄(……帰りたい)
兄「はぁ……」ガチャ……
妹「あー、お兄ちゃん遅いよー。次お兄ちゃんの番だからね?」
兄「え?……俺何も曲入れてないんだけど」
マカ「大丈夫っ!お兄さんのオハコの曲入れといてあげたからっ!」
母「……」コクコク
妹「ほらほら、マイク持って準備じゅんびっ」グイッ
兄「はあ……けど、俺のオハコって……?」
『チチをもげ!』ジャーンジャーンジャーンジャ~ン……
兄「チーッチチッチ……ちょっと待てや」
妹「ウソ!?お兄ちゃんこの曲絶対ヘビロテするくらい好きだと思ってたのに……!?」ヒソヒソ
マカ「ほら、お兄さんってロリコンだから、もぐほど大きいおっぱい嫌いなんじゃない?」ヒソヒソ
妹「なるほどなー……」ヒソヒソ
母「……///」カァァ
兄「聞こえてるんだよコラ」
妹「じゃー次は、ママの番ねっ!」
母「……」コクン
マカ(……マカのアイドル特訓どうなったんだろ……まあいいけど)
兄「えーっと……母さん、歌うのか?」
母「……」コクッ
兄「……まあ、いいんだけど……」
チャラララ~ッ♪
母(ヤパパ~ヤパパ~イーシャンテンッ♪)フリッ♡
兄(こいつ直接脳内に……!!)
ジャーン!
兄「……母さん、98点か……」
母「……」ドヤァッ
兄(歌ってないのになんでこんな点数良いんだろう……)
妹「ふふふ、やっと場があったまってきたね……という事で、次はマカちゃんの番だよ!」
マカ「マカ?まあいいけど……期待しないでよ?歌うのは好きだけど、あんまし声出ないよ?」
妹「大丈夫!歌声が出ないなら、代わりにあえぎ声を出せばいいから!」
マカ「あ、それなら得意分野だねーっ」
兄「あったまった場が冷めるわ」
妹「でさ、マカちゃんって普段どんな歌うたうの?」
マカ「えー?結構普通のばっかり歌うかな……AKBとかも好きだし」
兄「せっかくだし、今日は自分が得意な歌をうたったらどうだ?」
マカ「えーっと……それじゃあ、恥ずかしいけど……この曲」ピッ
『夜桜お七』
『https://www.youtube.com/watch?v=f3cmggPaQMw』
妹「何その曲?」
兄「お前本当に小学生?」
マカ「――燃えて燃やした肌よりィ、白いィ~~はァなァァ~~ッ」
母「……」ジーン……
兄「……すげえ……滅茶苦茶上手い……!」
妹「う、ううっ……感動しちゃって、あたし……ま○こがビチョ濡れだよぉ……」グスッ
兄「なぜ今『まなこ』を伏せ字にした」
マカ「ふーっ……ど、どうだったかな?」
妹「すごいよーマカちゃん!超じょーず!あたし感動して濡れちゃったもん!」
兄「ああ、苦手とか言ってたけど、凄く上手かったぞ」
母「……」コクコク
マカ「い、いやいやそんな事ないよ。マカすっごく緊張しちゃってさ……」
兄「そんな風には見えなかったがなぁ」
マカ「見られながら3回くらいイッちゃってたもん///」
兄「そんな風には見えなかった」
マカ「マカ、こーいうの本当に苦手なんだよね……歌うのは好きだけど、人がいると恥ずかしくってさ……」
妹「えー、マカちゃんが恥ずかしがり屋ってなんか意外ー。いつもみんなを引っ張ってくリーダー、って感じなのに」
マカ「いやぁ、これには理由があってさー」
兄「ほお」
マカ「ベッドの上でウブな真似して『いや……そんなに見られると恥ずかしいよぉ……おじさまぁ……///』とか言ってたら、本当に見られるのが恥ずかしく感じてきちゃって」
兄「ロクな理由じゃねえな」
妹「ふふふ……マカちゃんの意外な欠点が見つかったね。だったら最後は、その欠点を克服するよ!」
兄「何をする気だよ」
妹「名付けて、『ラブラブズッキュン!愛の力の前では恥じらいなんて何のその!』作戦!」
兄「今適当に決めた感が半端ないんだけど……どういう作戦だ?」
妹「マカちゃんには、一日……お兄ちゃんと恋人同士になってデート♡してもらいます!」
兄「無茶苦茶だ!!」
妹「デートなんて恥ずかしい事だらけだよ。それを乗り越えたら、マカちゃんの恥ずかしがり屋も治るはず!」
兄「なんで俺なんだよ。俺にも断る権利はあるぞ」
妹「これはお兄ちゃんのためでもあるんだよ?」ニヤリ
兄「……は?」
妹「ドーテーで女性経験無いお兄ちゃんに、こういった経験させる事で免疫つけようと……」
兄「余計なお世話なんだよ!ったく……っていうか、そんな無理矢理恋人の真似なんて、マカちゃんだって嫌がるだろ!」クルリッ
マカ「え、えっと……その、頑張りますので……よろしくお願いします///」ペコリ
兄「うわー逃げ場無くなったー」
兄「……つうか高校生と小学生とか犯罪……いや真似事だしいいのか?遊んでるようなモンだよな……けどマカちゃんってかなりアレだし……」ブツブツ
妹「なにブツクサ言ってんのーお兄ちゃん。ほら!この箱からくじを引いてよ!」ドサッ!
兄「……何これ?っていうかいつの間に用意したんだよ」
妹「細かい事は気にしなーい。女性経験無くってデートなんかしたことないお兄ちゃんのために、特別に用意したんだよ。感謝してよねーっ」ドヤッ
兄「苛立ちという感情しか沸いてこない」
妹「このくじは、デートスポットを決めるくじだよ。紙に書かれている場所で一日デートしてね」
兄「……はあ」
妹「ちなみに、ハズレとして『秘宝館』『ブラック企業見学』『ラブホ』『生身でサファリパーク』等があります」
兄「そんなくじ入れんじゃねえよ」
妹「ほらほら、さっさと引く引く」グイグイ
兄「押しつけんなよ……ったく……」
ガサゴソ……
兄(……しかし、変なくじ引いたらそこでデートしないといけないのか……)
マカ(……お、お兄さんとデート……///)ドキドキ
兄「……よっし、じゃあこのくじで――……」
ガサッ!
・引いたくじに書かれていたのは……
1.動物園
2.水族館
3.こども科学館(プラネタリウム等)
4.映画館+ショッピング
5.その他自由安価
>>219
219 : 以下、名... - 2015/03/18 23:30:49 3SPB7RZQ 93/463(5かな…>>222)
222 : 以下、名... - 2015/03/18 23:47:11 FR/ovefk 94/4634
自由安価で後ろにパスって意味わからんぞ...
兄「えっと……『映画館』……?」
妹「おー、いいねいいね。すっごく恋人っぽいスポットに決定だね!」
兄「たしか隣町に大きな映画館があったな……色んな店もあるし、まあ確かにデートスポットとしては丁度いいか」
妹「あ、違う違う。そっちじゃなくってさ」
兄「?」
妹「ほら、通りの裏にあるじゃん。『モモイロ劇場』」
兄「それピンク映画館じゃん」
妹「じゃあお兄ちゃん、マカちゃん!次の日曜日は映画館デートねっ!」
兄「はあ……はいはい」
マカ「わ、わかった」ドキドキ
母「……」ニコニコ
妹「ふふふ……楽しみだなーっ……」
妹(今から全力で、ドキドキハプニング&ワクワク仕掛け人を大量にセッティングしてやるぜえっ!)フフフ……
…………
日曜日!
兄「……さて、待ち合わせ場所の駅前に着いたが……少し早く来ちゃったかな」
ワイワイ……
兄「……なんか、張り切ってるみたいで恥ずかしいな……えっと、どこか座って待てる場所は……ん?」
ザワザワ……
「おい、あの子メチャクチャ可愛くね?」「やべーってモデルかよ?将来有望だなー」
「いや、むしろ今だろ」「何言ってんのコイツ」「キャー!お人形さんみたいでカワイー!」
ザワザワ……
マカ「……」チョコン
兄(……もう待ってる……)
兄「……お、オッス。マカちゃん。おまたせ」
マカ「あっ!お兄さん……!」パァァ
兄「えーっと、俺少し……20分くらい早く着いたと思ったんだけど」
マカ「え?……あ、うん」
兄「……待たせちゃったかな?」
マカ「ううん!マカも今来た所だから!ちょっと前に……2時間くらい前についただけだから!」
兄「何言ってんだコイツ」
マカ「あ、あはは……マカらしくないよね。なんか、浮かれちゃってさ」テレテレ
兄「いや、そんな……マカちゃんらしくないって事は、無いと思うけど」
マカ「ふふ……まね事、だけど……お兄さんとは、一度遊んでみたかったからね」ニコッ
兄「……そ、そうか」
マカ「じゃあ、さっそく映画館行く?それともごはん?マカお弁当作ってきたんだ!あ、それともそれとも、ほ、ホテルとか……///」
兄(やべーよこの子愛が重いよ……演技なんだよなぁ……?)
マカ(やっばー……こういうの初めてでキンチョーする……どうしよ、心臓バクバク言ってる……)バクバク
兄「えーっと、今日は一日デートって事で……妹が、手つないで歩けってさ」
マカ「う、うん」ドキドキ
兄「じゃ、じゃあ……今日はその、よろしく」スッ
マカ「こ、こちらこそよろしくお願いします……」スッ
マカ(お兄さん、下ネタ嫌いらしいから、気をつけないと……!)
ニギッ
兄「……何で股間を握っとるんだ」
マカ(間違えた――っ!!!)ガビーン!
マカ「ごごご、ごめんねお兄さんっ!いつものクセでつい……!ホント、ごめんなさいっ!」アタフタ
兄「い、いや。そんな慌てられるとこっちも困るんだけど……普通にボケかと思ったから」
マカ「きょ、今日はそーいうの無しにするからっ!だから……いいデートにしよう。ね?」ニコッ
兄「……あ、ああ……」
ギュッ!
マカ「……えへへ……」テレテレ
兄(……マカちゃんも頑張ってるんだな。……俺も頑張らないと……)
トントンッ
兄「?……何ですか?俺に何か用――……」クルッ
警察「キミ、ちょーっといいかなあ?……兄妹では無いみたいだけど……どういう関係なの?」ズイッ
兄「……」
マカ「……」
兄(……嗚呼、そうですね。傍から見たら俺ロリコン犯罪者ですよね……)
マカ「……」
兄「……」
マカ・兄((……どうしよう……))ズーン
警察「とりあえず、ね。だんまりだとわかんないから。ちょっと署まで行こうか?大丈夫ダイジョウブ!すぐ帰れるから。ね?」グイッ!
兄「ちょ、ちょちょちょ!ストップ!違います!これはそういった遊びで……!」
マカ「そ、そうですよ!友達のお兄さんと遊んでるだけです!だから何でもないですから!この後ホテルとか行きませんから!!」
兄「ちょっとマカちゃん黙ってて」
警察「あーハイハイ。そういうのわかったから。じゃあすぐそこだから、ついて来てねー」グイグイッ……
トントンッ
警察「?……何?私は今忙しいんだけど――……」クルッ
イン「……」
ド ン
兄(!?……い、インストラクターさん!?)
警察「……は?誰だい、キミは……?」
イン「……」
警察「……」
イン「……」ジュルリ
警察「…………!!?」ゾクウッ!
ガシイッ!
ズルズルズル…
「ちょ、何だキミは!?引っ張るんじゃない!私を誰だと思っとるんだ?天下の警察――……あっ!やめ、服脱がさないで!あふう!そこは、やめ……」
ア゛――ッ!…………
兄「……」
マカ「……」
兄「……」
マカ「……」
兄・マカ((……何だ今の……))
マカ「あ、そういえば……昨日妹ちゃんからライン来てたんだった」ゴソゴソ
兄「え?……俺何も聞いてないけど……」
マカ「えーっと……『ラブラブアツアツカップルのお二人さんへ!歳の差カップルという事で、周囲の目が気になるでしょうが、あたし達が全力でバックアップしますので!安心してデートを楽しんで下さいねっ!』……だって」スワイプッ
兄「ずいぶん直接的なバックアップだな……」
マカ「……っていうか、さ」チラッ
妹(サングラス装備)「じーっ……」ジロジロ
ココア(帽子装備)「じじーっ……」ジロジロ
マカ「……さっきから建物の影からこっち見てるの、バレてるんだけど」
兄「あれで隠れてるつもりかよ……」
ココア「ふふ、インストラクターさんの手助けは役立った用ですわね……」
妹「オッケー。では引き続き尾行を続けるよっ」ジロジロ
ココア「……ねえ、妹さん」
妹「うん?なあにー?心愛ちゃん」
ココア「……妹さんは、お兄様の事がお好きなのでしょう?」
妹「……」
ココア「何故……恋敵のマカさんに塩をおくるようなマネを……?」
妹「……恋敵、かあ……」
妹「心愛ちゃん、ちょっと勘違いしてるよ。……恋ってさ、敵とか味方とか、そーいうの無いもんなんだよ」
ココア「……え?」
妹「恋って、みんな平等なモンなんだよ?誰が誰を好きになったっていいの。だから、マカちゃんがお兄ちゃんの事好きになったのなら……あたしは、それでいい」
ココア「……妹さん……」
妹「それにさあ、今のお兄ちゃんはドーテー丸出しだからねー。女の子に耐性無さすぎ!このままだとあたしとの初夜困っちゃうよ!だから、経験豊富なマカちゃんとイチャラブして耐性つけてもらわないとねーっ!」
ココア「おお、このデートにはそんな意味もあったのですね!」
妹「マカちゃんはすっごく遊び上手なイケイケギャルだからねーっ。このデートでもドーテーお兄ちゃんをしっかりリードして、耐性を高めてくれるはずだよ!ふふふ……」
ココア「完璧な計画ですわね……妹さん、冴えてますわ」
妹「さーて、そろそろキスの一つや二つでもヤっちゃったかなーっ?」ヒョコッ
ココア「それは早いのではないですか?あ、けどマカさんなら……」ヒョコッ
テクテク……
兄「……マカちゃん、大丈夫か?」
マカ「ひゃ、ひゃいっ!?」ビクッ!
兄「なんか、顔赤くて調子悪そうだけど……?」
マカ「だ、大丈夫!これ元からだから!マカこーいう顔なの!」
兄「……そ、そうか……」
マカ「ははは……はは……」
兄「……」テクテク
マカ「……///」ギュッ
ココア「……顔真っ赤にして手を握ってますね」
妹「あれ?……あれぇ?」
兄「さて、映画館に着いたな」
マカ「……う、うん……」ドキドキ
兄「……マカちゃん、本当に大丈夫か?」
マカ「だ、大丈夫だって!お兄さんマカの事心配しすぎだから!もうっ!」
兄「……だって、なあ……」
シットリ……
兄(……手のひら、すっげえ汗で濡れてるんだよなあ……)ギュッ
マカ(……あー、ヤバッ……ちょっと濡れてきちゃったかも……///)
兄「映画は、えーっと……今流行りのアクションと、恋愛映画と、アニメと、ホラーが上映されてるのか」
マカ「れ、恋愛とかパス!無理無理!絶対ムリだから!」ブンブン!
兄「そ、そうだよな。流石に恥ずかしいし。……ハハ……」
マカ「いや、そうじゃなくって……」
兄「?」
マカ「他人の幸せそうな恋愛ノロケ話とか、ありえなさすぎて爆笑しちゃってさあ」
兄「……そ、そうか。うん……」
兄「じゃあ、ホラー」
マカ「ゴメン、結構苦手かも……スプラッタ系は得意だけどね。……よくマカも、大きいの入れられた時とか股から血ぃ出るし……」ボソッ
兄「……このアニメ映画は?」
マカ「子供向けじゃん……誰が見るの?こんなの」
妹「あーっ!劇場版プリンセス☆ぷりんやってるー!心愛ちゃん一緒に見よ!」
ココア「いいですわね!……あれ?私達、マカさん達の監視をしているのでは……?」
兄「……」
マカ「……アクションにしようよ。マカこれ見たかったし」
兄「あ、ああ……」
兄「上映時間近いな。早くチケット買わないと……すみませーん」
パート「はい、いらっしゃいませー」ヒョコッ
兄「…………」
マカ「?……お兄さん、どうしたの?」
兄「……アンタ、レジ打ちの……」
パート「いいえ、今は恋のキューピッドさんです」ドヤヤッ!
兄(妹のヤツ……何処に手回ししてんだ……)
パート「この映画館のオーナーが私の親戚でして。急遽働かせてもらいました」
兄「ああそうですか……」
マカ「お兄さん、この人知り合いなの?」
兄「ちょっとな。前にショッピングモールで――」
パート「お客様に無理矢理胸を揉まれて、キュウリを握らされました///」
兄「情報は正確に伝えような?」
兄「この前野菜とか買った時、レジ打ってもらっただけだよ」
マカ「……レジ打ってもらっただけなのに、いちいち覚えてるの?」
兄「だって……」
パート「妹ちゃんに兄くんの仲を取り持って欲しいと言われましたが……本当にデートしているとは」
兄「え?ああ、まあ、はい」
パート「そうやって地道に好感度を上げてロリま○こを楽しむつもりなんですね!そんな回りくどい事しなくっても、私の熟れ熟れボディは今すぐお楽しみ出来ますよ!?」
マカ「……お兄さん、キャラ濃い人に好かれるんだね」
兄「うん。けどもうこれキャラ濃いレベルじゃねえだろう」
兄「あの、普通に映画見に来ただけなんで。チケット売ってくれますか?」
パート「はいはい。えーっと、只今上映している映画は……」
兄「アクション映画やってますよね?それが見たいんですけど」
パート「アクション、といいますと……『真夜中の団地妻~背徳の関係~』でよろしいですか?」
兄「よろしくないですね」
パート「夜のアクションパートは盛り上がりますよ。股間が」
兄「もう一生黙ってて欲しい」
パート「アクション映画の『ブラザー仮面』ですね。空いている席は、っと……」カタカタ
マカ「良い席が取れたらいいんだけどね。どうせならしっかりアクションシーン見たいし」
パート「ええと、今空いている席でオススメはですね……まず大迫力で楽しめるA列」
兄「はい」
パート「画面全体を見渡せて迫力もあるG列」
兄「はい」
パート「立ちバックしても気づかれない、最後尾のN列」
兄「じゃあそこ以外で」
パート「あとは、私の膝の上……なんていう特別席もご用意出来ますが……///」
兄「よーしチケットも買ったし、行こうかマカちゃん」
ワイワイガヤガヤ……
兄「おー、結構劇場内は綺麗だな……」
マカ「けど、子供が多いね。ハァー、マカ子供嫌いなんだけどなー……ま、アクション映画だから仕方ないか」
兄(……マカちゃんも子供だろ、とか言ったら怒るんだろうなあ……)
マカ「結局G列にしたんだっけ?えーっと、ABCD……」テクテク……
看護師「ぐぬぬ……お姉ちゃん、子供連れとカップルばっかりだよ。幸せそうな家庭とか二人組見たら辛いんだけど。焦るんだけど……」
先生「ちょっと静かにして。今ショタっ子の短パン姿見るのに忙しいから」ハァハァ
兄・マカ((見覚えある人がいる……))
兄「えーっと……どうも。お久しぶりです」ペコリ
マカ「なんで先生がいるの……」
先生「あ、あらマカちゃん。奇遇ねーすっごく奇遇。もーホント偶然。休日に会うなんて珍しいわねー」
看護師「お姉ちゃん、バレるからやめて」
兄「えーっと……貴女達も妹に何か言われて来たんですか?」
看護師「え!?いや、何も言われてませんよ!?ただ、いい感じにデートを盛り上げてくれたら、兄さんで処女捨てさせてくれるって言われて……///」
兄「何を言ってやがるんだアイツは」
先生「私は生徒の半分と関係持ってるって事黙ってくれるって言われて……」ガクブル
マカ「先生、もう諦めよう。それ隠すのムリだよ」
兄「ハァ……まあ、映画見るだけだから、隣にいても何も出来ないだろ」ドサッ
マカ「まあ、そうだね」トスッ
看護師「……実際その通りだよね、お姉ちゃん。どうするの?もうすぐ映画始まっちゃうけど……?」ヒソヒソ
先生「大丈夫。映画館の暗闇でも出来る事はあるわ……ほら、映画館といったらポップコーンでしょ?」ヒソヒソ
看護師「?……うん」ヒソッ
先生「暗闇でこれを取るフリをして……私は兄くんのチ○ポを取るわ!!!」ヒソオッ!
看護師「ねえお姉ちゃん、二人のデート盛り上げるんだよね?なんで一人だけ盛り上がってんの?」ヒソヒソ
マカ「ふー、もうすぐ上映かあ……そういや、ブラザー仮面ってどういう話なの?」
兄「ああ、元はアメコミ原作らしいけど……えーっと、パンフによると……」ペラッ
先生「あら、妹ちゃんのお兄さんは映画のパンフレットを先に読むタイプですか」
兄「……まあ、はい(普通に話しかけてきたなあ……)」
先生「それってワクワク半減しません?ほら、相手が処女かどうか知らない方が幸せって事もあるでしょう?」
兄「それ映画関係ねえだろう」
看護師「もー、お姉ちゃん!兄さんは行為前のインタビューが好きなタイプなんだよっ!」プンプン
マカ「この人たち何しに来たの?」
293 : 以下、名... - 2015/04/07 16:37:55 SKeOhq82 124/463今までの人達が総出演…
最終回みたいだな
『大変長らくお待たせいたしました。只今より上映致します……』
フ ッ ・ ・ ・
兄「おっ、電気消えた」パクパク
マカ「わー、なんか楽しみになってきたかも」モグモグ
看護師「……ねえ、お姉ちゃん」
先生「何?もう始まるわよ?」
看護師「二人がポップコーン食べてるの見てたらさ、私も何かつまみたくなったんだけど……今から買いに行っちゃダメ?」
先生「乳首でもつまんでなさいよ」
看護師「……」ツネリ
先生「……」
看護師「……暗い所で乳首つねると……興奮するね///」
先生「新しい発見が出来て良かったわねー」
兄「あの、黙っててもらえます?」
ジャカジャーン♪
『ついにアイツが帰ってくる!シスター・ウォーズ今夏公開!』ジャジャアーン
マカ「……こういうCM、面白いけど……少し長いよね」ヒソヒソ
兄「ああ。……そういや飲み物買ってなかったな。CM中に買ってくるよ」スック
先生「あら、兄くん。飲み物を買うくらいなら、これを二人で飲んだらどう?」チャポン
兄「……なんですかこれ?」
先生「媚薬に決まってるじゃないの」
兄「その説明で俺らが飲むと思ってんのか」
・ ・ ・
兄「……お待たせ、マカちゃん。飲み物買ってきた」テクテク
マカ「もー、遅いよお兄さんっ。映画始まっちゃう所だったよー?」
先生「……」
兄「悪い悪い。ほら、マカちゃんのジュース――……」
先生「ていっ」ゲシッ!
兄「うおっ!?」グラッ!
マカ「お、お兄さんっ!?危な――……!!」
兄(なっ、足を引っ掛けられて、転ッ……!)ヨロッ……!
先生(フフフ……転んでジュースをマカちゃんにぶっかければ、服がスケスケエロハプニングになる事間違いなしよ!そして身体が冷えたマカちゃんに自分の服をあげる兄くん……これは二人の距離が急接近の予感だわ!!!)
兄「おっとっと……っとぉっ!?」ヨロヨロ……
バシャアッ!!
看護師「」ザバーッ!!!
先生「って何でアンタがぶっかけられてんの――!?」ガビビーン!
看護師「…………」ポタ、ポタ……
先生「……えーっと……」
マカ「……あの、大丈夫……?」
看護師「…………」ビッチョリ
兄「……ええと、その……本当に、すみませんでし――……」
看護師「年下の子に水攻めされるなんて……ああん!超気持ち良い///」ポッ///
兄「マカちゃん、今から違う席に変えない?」
ドドーン!ドーン!
『きゃー!助けてーブラザー仮面ー!!』
『私が来たからにはもう大丈夫だ!とうっ!』
ドッカーン!
兄(……普段は妹に舐められっぱなしの冴えない兄が、町の人のピンチにはヒーローとなって戦う話、か……)
マカ(ふーん、結構迫力あるアクションシーンじゃん)
先生「……なかなか良い映画ね」ボソッ
看護師「あ、お姉ちゃんもそう思う?子供向けかと思ったけど、さすがハリウッドだよねー」
先生「いや、さっき出てきたショタっ子、ち○ぽ嘗め回したいくらいタイプだと思って」ジュルリ
マカ「性欲しか頭に無いんかい」
兄「……う、」
兄(子供向けのアクション映画かと思ったけど、恋愛描写もあるのか……キスシーン始まったぞ)
兄「……」
兄(……な、なんか……こういうの気まずいよなぁ。みんなはどういう反応を――……)チラリ
マカ「……陳腐だね」ハァー
看護師「純愛とか……見てると胃がキリキリと……!」キリキリ
先生「ショタ以外興味無いわ」フウーッ
兄(えーっ全員興味無しー?)ドビーン
ドカーン!
『こうして、世界はまた彼の手によって救われたのだった……』
ジャッジャーン♪
マカ「終わりかぁ。……結構面白かったねー」
兄「そうだな。じゃ、そろそろ行こうか?」
マカ「あ、待ってよお兄さん。最後までエンドロール見ていこうよ」
兄「え?……別に見なくても良くないか?」
マカ「こうやって余韻に浸るっていうのもいいもんだよ。それにエンドロール後になにか映像あるかもしんないし……」
先生「ポロリもあるかもしれないしね!!!」
兄「無いだろ」
看護師「どうしよう、お姉ちゃん……さっき乳首つまんだ時に、ニプレス落としちゃった……」
先生「ポジティブシンキング。ポロリのチャンス到来よ。わざとらしく兄くんの前で前かがみになりなさい」
兄「さあーそろそろ出ようっかマカちゃん!」
・ ・ ・
妹「いやー、プリンセス☆ぷりんはやっぱりサイコーだね、心愛ちゃん!」ホクホク
ココア「ええ。アクションシーンもさることながら、昼ドラのようなドロドロした日常パートもまた濃厚で……」
妹「おっ、心愛ちゃん語れるねーっ。じゃあさじゃあさ、さっきの劇場版のあの人妻の事なんだけどさ……」
ココア「あの人でしたらアニメの6話で――……」
ペチャクチャ……
妹「……へーそうなんだー!やっぱりあの子が隠し子だったんだねー!」
ココア「ええ!……あの、ところで妹さん?」
妹「んー?」
ココア「……私達、一体何しに映画館に来たのでしたっけ?」
妹「…………」
マカ「おにーさんっ、ごはん食べようよー、ごはんっ!」
兄「ああ、いいけど……何食べる?」
マカ「……ハァー、ダメだってお兄さん。そーいうのはさー、自分からオススメのオシャレなお店連れてかないと!」
兄「……へ?」
マカ「女の子はさ、男の子に引っ張ってもらいたいモンなんだから!」
兄「……あ、ああ……うん。ごめん……」
マカ「……ふふっ、いいってお兄さんっ。じゃあさ、マカ美味しいイタリアン知ってるから。そこ行こっ?」ニコッ
兄「イタリアン、か……楽しみだ」
ギュッ!
マカ「……えへへ……」テレテレ
兄「……」ニコッ
テクテク……
妹「……このスレをご覧の皆様、閲覧しているスレは『妹「この歳で処女なの恥ずかしいから捨てさせて」兄「その3」』という最低なタイトルのスレで間違いありませんので、どうか安心してご覧下さい」ペコリ
ココア「妹さん、どなたに頭を下げているのですか?」
カランカラン……
兄「おお……なかなか良い雰囲気の店……」
マカ「ここのアクアパッツァすっごく美味しいんだよ。日毎に使ってる魚違っててさ、毎日来ても飽きないのっ!」
兄「へえー……(……何?あくあぱっつあって?)」
マカ「マカもよくパパに連れてきて――……あ!いやその!……か、家族で来ててさ?よく来るんだーこの店!」アハハ……
兄(……深くは聞くな……マカちゃんも頑張ってるんだ……!!)
漁師娘「はいさい!お好きな席にどうぞーっ!」
兄「…………」
マカ「……どうかした?お兄さん」
兄「……………………」
マカ「……え、まさかまた知り合い?」
兄(頭痛くなってきた……)
マカ「お兄さんに女の人の知り合いがいてもいいけどさぁ……ちょっと数が多いんじゃあないかなあ?」ジトーッ
兄「違っ……この人あれだから。前に沖縄の市場で買い物した時にいた人だから」
漁師娘「妹ちゃんに呼ばれて、二人をいいムードにするために来たぞー」
兄「あいつ見境なく呼んでやがるな」
マカ「えっと……飛び入りのバイトって事?お仕事大丈夫なんですか?」
漁師娘「なんくるないさ!自分完璧だからなー」
兄「はあ……」
漁師娘「ちなみに完璧っていうのは、『輪姦・ペッティング・キス』の略で――……」
兄「お前は何が言いたいんだ」
マカ「まあいいや。じゃあ、注文していいですか?」
漁師娘「おー!お伺いするぞー!」
マカ「えっと、季節の魚を使ったアクアパッツァと、若鶏のポワレと、完熟トマトの冷製パスタと、あとはー……ジンジャエール2つ、お願いしまーす」
兄「……」
漁師娘「お、おおー……えっと、ゴーヤーチャンプルーと……」カキカキ
兄「待て最初から間違ってる」
――その頃、兄たちから離れた席……
妹「……ね、ねえ心愛ちゃん」ヒソヒソ
ココア「?どうかしましたか?」
妹「二人の様子を見るためにお店入ったはいいけど……この店すっごく高いよ?どうしよう……」
ココア「へ?……高い、ですか?」ハテ?
妹「え?」
ココア「あの、すみません店員さん。どの料理を頼めばいいのかわからないので……とりあえず、ここからここまで全部持ってきて下さいますか?」ニコリ♡
妹「うおおおおぅ……金持ちじゃあ……!」
兄「うん、美味しいなこの料理……えっと、アクアパッツァだっけ?」
マカ「うんっ!魚とか貝類を白ワインで煮た料理。美味しいでしょ?スープに魚介のエキスが染みだしててさーっ」
兄「……俺、アクアパッツァってなんか、濡れたピザみたいなモンかと思ってた……濡れおかきみたいな」
マカ「もーっ!そんな訳無いじゃんっ!おにーさんってホント面白いんだからーっ!」ケラケラ
兄「お、おう……」
漁師娘「じゃあ、自分は待機してるから、何かあったらこのボタンを押して呼んでほしいぞっ!ごゆっくりーっ」
マカ「はーい」
兄「……うん、料理は美味しいし雰囲気いいし、静かだしなかなか良い店だな……」
マカ「あれ?まだ来てない料理があるね……さっきの人呼んでみよっと」ポチッ
ヴイーッ!!
漁師娘「あんっ///ま、間違えてバイブのスイッチ渡しちゃったぞっ……んっ///」
兄「くそう早く食ってこんな店出てやる」
妹「んまっ!ここの料理うんまっ!!」モグモグ
ココア「……ねえ、妹さん」
妹「ん?なあにー?」モキュモキュ
ココア「兄さんに様々な人を会わせていますけど……あれ、逆効果なんじゃないですか?」
妹「え?……ウソぉ、そんな事無いでしょ?」
ココア「だって……」
妹「普通目の前でワイ談されたらムラムラしちゃってホテルに直行しない?」
ココア「けど兄さん、脳内童貞ですし……そんな度胸無いのでは?」
妹「じゃあ次の仕掛け人には、強引にホテルまで連れてってもらおうかなー」
兄「おーいお前ら、そろそろ口出していいかー?」
妹「ちょっ……お兄ちゃんっ!あたし達隠れて様子見てるんだからっ!話しかけてこないでよっ!」
兄「隠れるんならもっと頑張って隠れろよ。大量の料理机に並べて大声で話してたらイヤでも目につくわ」
マカ「っていうか、お嬢……こんなに料理頼んだら食べきれないでしょ。もったいないことやめようよ……」
ココア「大丈夫ですわ。私には使用人がいますから」パンパンッ
使用人s「「「お呼びですかお嬢様」」」スススッ
マカ「……いや、それでも量多いでしょ。これ20人前くらいあるよ?」
ココア「私が料理を踏みつけると、彼らは喜んで完食しますわよ?」グシャッ
使用人A「ふおおおーっ!!お、お嬢様がお踏みになられた料理ぃぃーっ!!」ハァハァ
使用人B「俺全部喰う!俺が全部喰ってやる!!!」ハァハァ
使用人C「じゃあ俺お嬢様の足についた料理舐めとるから!!!」ハァハァ
マカ「やめよう。そういうのやめよう」
カランカラーン
妹「あれ?もう出るの?」
兄「お前らとお前の用意した仕掛け人のせいで食欲無くなったわ」
マカ「あのさあ、妹ちゃん……こういう場を用意してくれたのは嬉しいけど……マカたちの邪魔しないでよ」ジトッ
妹「べ、別に邪魔してる訳じゃないよ?ただ二人を良いムードにしてあげよーと……」
兄「呼び出しスイッチに代わりにバイブのスイッチ渡されて良いムードになると思うか?」
妹「め、珍しく正論だね……童貞のくせに」
兄「お前本当ブン殴るぞ」
妹「わかった。本当にわかったから……もう二人追いかけるのはやめるっ!」
ココア「ええ、そうしましょう妹さん」
兄「……本当だろうな?」
妹「本当だって。ほら、次のデートスポットに行きなよ。後は若い二人に任せるから……そこのタクシーでも使ってさ」
マカ「……何か引っかかるけど……そうしよっか、お兄さん」
兄「ああ。タクシー使えばコイツらから離れられるだろ……」
ガチャッ
兄「あの、すみませー……」
イン「はいお客様。どちらまで?」シレッ
兄「……」
マカ「……」
妹(ふふふ……インストラクターさんは運転の天才で観光名所の案内も得意っ!この街の名所という名所を紹介しながら、さりげなーく自然ーにラブホの前で止めるという技術を持っている!今までの仕掛け人で高まった雰囲気をここで一気に爆発させるっ!これで童貞のお兄ちゃんも肉食のケモノになって、マカちゃんの次はあたしの処女を――……)
イン「……申し訳ありません、妹さん」
妹「……あれ?インストラクターさん?……タクシーは?」
イン「……兄さんとマカさんが……反対側のドアから走って逃げてしまいまして……」
妹「えっ」
タッタッタッタ……
兄「ハァ、ハァ……!よし、追ってきてないな!?」
マカ「うんっ!ハァ、ハァ……ねえ、お兄さんッ」
兄「うん?何……?」
マカ「なんかさっ……ハァ、ハァ……結ばれない二人が愛の逃避行って……ドラマとか映画みたい、だねっ……!」
兄「……んな事言ってるヒマあったら……もっと、走れって……!」
マカ「もーっ、お兄さんってば、恥ずかしがり屋なんだからっ!」
タッタッタッタ……!
イン「申し訳ありません。初々しい二人を見ていたら、その……少しイラッと来まして」
ココア「どういう理由ですか?それは」
妹「……くっくっくっく……ふふふふふ……アーッハッハッハッハッハ!」
ココア「おおっ?悪役特有の三段笑い……?」
妹「ははははは!逃げられると思ったら大きな間違いだよお兄ちゃんっ!心愛ちゃん!例のもの準備っ!!」
ココア「あ、はいっ!では……ぽちっとな」ピッ!
兄「――……ハァ!ハァ……こ、ここまで走ったら大丈夫か……?」
マカ「ふう、ふう……あー、疲れた……」
兄「すまん、マカちゃん……せっかくのデートなのに、さ」
マカ「あ、大丈夫っ。疲れたけど、それ以上に楽しかったよ?」ニコッ
兄「……なら、いいんだけどさ……」
マカ「ふふっ、お兄さんったらまた照れてるーっ。照れ性なんだね?かわいーっ♪」
兄「べ、別に照れてねえっつうの。ったく……」
……バラバラバラバラ……
兄「……?」
マカ「?……何の音……?」
バラバラバラバラ!
使用人D「見つけたかー!?」
使用人E「いえ、見つかりません……奴ら相当逃げ足が早い……!!」
使用人F「いいか!何が何でも探して捉えろ!発砲も許可するッ!!見つけ次第拘束するんだーッ!!」
バラバラバラバラ!
兄「……なんか、空にオ○プレイみたいなんが数機浮かんでるんだけど……」
マカ(あのアホお嬢……何呼び出してんの……!?)
マカ「逃げよう!お兄さん、これ本当にヤバいよ!見つかったら消されるよマジで」
兄「いやここ日本だよな?消されるって何?デートごっこしてただけで命の危機?」
マカ「とにかくっ!一刻も早くここから離れないと……お嬢の持つ兵力は、個人としては世界有数なんだから」
兄「どういう事だオイ」
マカ「見つからないように、抜き足差し足忍び足で――……」
使用人G「見つけたぞォ――ッ!!」
兄・マカ「「!!!」」
使用人H「躊躇するな、撃てェ――ッ!!」
使用人s「「「ファイヤーッ!!」」」
ドッカァ――ン!!!
マカ「キャーッ!!?」ガラガラガラッ!!
兄「無茶苦茶だーッ!!?なんで撃ったんだあいつらッ!?」
使用人I「あいつお嬢様のお気に入りのくせして、ロリギャルっ娘に手ェ出してますよ。許せませんね」
使用人J「万死に値する。慈悲はない」
兄「逆恨みかよ!!?」
使用人K「第二弾!放てェ――!!」
ドォーン!!
兄「くっ……マカちゃん!」
マカ「えっ!?」
ギュッ!!
兄「走るぞッ!あいつら小回りはきかないみたいだから、走って逃げようッ!!」
マカ「う、うんっ!!」
タッタッタッタ……!!
マカ(お兄さんの手……大きくて、頼もしくって……あったかい……)
・ ・ ・
兄「……はぁ、はぁ……やっと撒いたか……」
マカ「ふうー、さすがに……疲れたね」
兄「本当悪かった。うちの妹のアホな考えのせいで、散々な目に合わせちゃって……」
マカ「ううん。なんかハリウッド映画みたいで、楽しかったよ?」ニコッ
兄「ポジティブだなあ……」
マカ「見て、お兄さん。この公園海が見えるよ」
兄「ああ……走って逃げてる間に、夕方になっちまったなあ……」
マカ「うん……夕日が海に反射して、綺麗……」
兄「……」
マカ「……」
ミャアミャア……
兄「……マッ……」
マカ「?」
兄「…………マ、マカちゃんの方が……綺麗、だぞ?」
マカ「……」
兄「……」
マカ「……」
兄「……ごめん、今の忘れて」
マカ「……ぷっ!あはははははは!何今の?お兄さんっ?」ケラケラ
兄「違っ……元々このデートは、マカちゃんの恥ずかしがり屋治すためのモンだろ!?そのためにだな……」
マカ「ああうん、恥ずかしいよ。くっさい台詞真顔で言っちゃうお兄さんが……ぷぷっ!」
兄「あーもう忘れろ。忘れてくれ頼むから……」
マカ「あはは……お兄さん」
兄「なんだよ?」
マカ「ありがとうねっ?」ニコッ
兄「っ……フン」
ザザーン……
兄「……」
マカ「……」
兄「……」
マカ「……お兄さん?」
兄「うん?」
マカ「……今のさ、ホント?」
兄「……何が?」
マカ「…………なんでもないっ」プイッ
兄「……」
マカ「……」
兄「……綺麗だよ」ボソッ
マカ「…………えへへ……」テレッ
マカ「……」
兄「……」
ザザン……
マカ「……ねえ、お兄さん?」
兄「何?」
マカ「……これからどうするの?」
兄「……どうするって……家帰ったら妹が待ち構えてるだろうしなあ。とりあえずもう少し、ほとぼりが冷めるまで……」
マカ「マカね」
兄「ん?」
マカ「……今日、家帰らないって……言ってきたの」
兄「……へ?」
マカ「……」
兄「……えっと……?」
マカ「……」
兄「……」
ザザァン……
兄「……それは、どういう……?」
マカ「ねえ、お兄さん……逃げないでよ」
兄「えっ」
マカ「わかってるんでしょう?ホントは……」
兄「……」
マカ「マカね、最初はお兄さんの事……何とも思ってなかった」
兄「……」
マカ「けど、お兄さんは、なんていうか……やさしくて、純粋で、マカの事を一人の女の子として見てくれる……特別な人だった」
兄「……いや、全然特別でもなんでも……」
マカ「他の人はね、お兄さん……マカの事、『肉べんき』って思ってるんだよ?」
兄「……」
マカ「……お兄さん以外の人は、ね」
兄「……マカちゃんには、妹とか心愛ちゃんとかが……」
マカ「あははっ、そうだったらいいんだけどね」
兄「……」
マカ「……」
マカ「……けどさ、お兄さんは純粋で、奥手すぎるから……ハッキリ言うね」
兄「……」
マカ「マカは……ううん、私は……お兄さんの事が好き」
兄「……」
マカ「こんな汚れた私でも、お兄さんの事は、本当に好きなの」
兄「……」
マカ「……」
ザザァン……
兄「……」
マカ「……」
兄「……」
マカ「……」
ザザァン……
兄「……えっと、俺は――……」
マカ「待って」
兄「……え?」
マカ「……その先は、言わなくていいよ。答えはもう、わかってるから」
兄「!……」
マカ「……知ってるんだ、私。……お兄さんには、私以外に、もっともっと好きな人がいるって事」
兄「……え?いや……え?」
マカ「……ふふっ、今は何の事かわかんないかもだけど」
兄「……うん。だって……そんな相手なんか……」
マカ「……いつかきっと、思い出してあげてね?」
兄「……え?」
マカ「ずっとずっと、待っているんだよ?……その人は」
兄「……誰の話だよ、それ……?」
マカ「……」
兄「……もしかして、妹――……?」
マカ「あーあっ!もうこんな時間だよ、お兄さんっ!日が暮れる前に家帰らないとっ!」
兄「えっ?……あ、ああ……」
マカ「……ふふっ」
マカ「お兄さん、私……決めたよ」
兄「……?」
マカ「私はね――……」
…………
…………
オジサン「オッホン。えーっと……電話をくれた時は何事かと思ったけど……マカロンちゃん」
マカ「……」カチカチャ
オジサン「またこうして会ってくれた、という事は……」
マカ「……」ズズーッ
オジサン「……アイドルになってくれる、という事だね?」ズイッ
マカ「……」
オジサン「いやあ、嬉しいよ!君みたいな可愛い娘だったらすぐにトップアイドルになれる!オジサンが保証する!」
マカ「……」
オジサン「まあ、最初の頃は営業等で日本中を飛び回るかもしれないけれど、なあに旅行だと思って気楽に構えてくれていい!あ、いかがわしい営業なんかは一切やらせない。安心してくれ」
マカ「……」
オジサン「じゃあ、契約書や親の同意なんかが必要なんだけど……ああまず事務所を紹介する方が先かな?ここから少し遠いのだけど――……」
マカ「……あの、オジサン。……テンション上がってる所悪いんだけどさ?」
オジサン「うん?何かね?」
マカ「マカ……アイドルの仕事は、お断りします」
バン
オジサン「!!……!?」
マカ「じゃあ。そういう事だから……もっとほかの人見つけてください」ペコリ
オジサン「なッ……何故かね!?」
マカ「……何故?って……」
オジサン「君はトップアイドルになれる!その資格がある!容姿!物怖じしない態度!人々の心をつかむ仕草!普通の娘には無いものを全て持っているんだよ!?何故――……?」
マカ「うーん……強いて言うなら……」
マカ「オジサンが、この町の人じゃないからかな?」
ニコッ♡
オジサン「…………へ?」
トントンッ
オジサン「……え?何?」クルッ
インストラクターさん「…………」
ド ン
オジサン「えっ?……いや、貴方誰――……」
イン「……」
ガシッ!
オジサン「いや、ちょ!なんで引っ張るんだ!?待て待てどこへ連れて行く!?あっ!ちょ、そこを触るのは、あっ!あっ――」
ア゛――ッ!…………
マカ「…………」
イン「……ふう、中年にしてはなかなかでしたね」ツヤツヤ
マカ「あのさ、インストラクターさん……ヤリすぎ」
イン「こうでもしないと、口封じにならないでしょう?」
マカ「いやまあ、そうなんだけどさあ……」
イン「……」
マカ「……」
イン「……良かったのですか?」
マカ「ん?……何が?」
イン「アイドルになれば……この町から、抜け出す事も出来たのでは?」
マカ「……いいよ。マカはそんなガラじゃないし」
イン「……そうですか」
マカ「それに……マカ、決めたから」
イン「……何をです?」
マカ「変な手使わず、正攻法で、お兄さんを落としてみせるからっ!」
イン「……茨の道ですよ?」
マカ「わかってる」
イン「……怒られちゃいますよ?」
マカ「怒られないようにする」
イン「他の人に先越されちゃいますよ?」
マカ「……一番その可能性高い、インストラクターさんに言われてもなあ……」
イン「ああ大丈夫。私はまずフェラで落とそうかと思ってますから」
マカ「何が大丈夫なんだろう」
イン「まあ、頑張ってください。……応援してます」
マカ「うん。……インストラクターさんも」
イン「はい?」
マカ「頑張ろうね。……この町で」
イン「……ええ、この町で」
…………
…………
妹「ねえお兄ちゃん」
兄「んー?」
妹「もう何度目かわかんないけどさ……主人公って誰だっけ?」
兄「いや知らんがな」
(マカちゃんデート編終了。もうちょっとだけ続くんじゃ)
妹「深刻なるヒロイン力不足です」
バ ン
兄「……何?いきなり」
妹「お兄ちゃん、あたしはメインヒロインなんだよ?説明書開いたら一番最初のページで紹介されてるような娘なんだよ?」
兄「何の話それ」
妹「なのにさあ、あたしメインの話はなくって、心愛ちゃんとかマカちゃんばっかりメインに取り上げられて……」
兄「……」
妹「……ズルくない?」
兄「だから何の話って聞いてんだけど」
妹「これからあたしのヒロイン力を上げようと思います」
兄「……はあ」
妹「少年漫画でお約束の、修行編だね!」
兄「……少年漫画で修行編は、基本的に人気無いんだけどな」
妹「修行してヒロイン力を上げれば、もー他のみんなとか相手になんないからねーっ」フンスッ
兄「……そんなに強くなるのか」
妹「もちろん!心愛ちゃんもマカちゃんも、赤子のアレをひねるより簡単に――……」
兄「何で今『手』を代名詞にした?」
妹「じゃあちょっと、お兄ちゃんコレつけて」ハイ
兄「……何?このメガネみたいなの」
妹「ヒロイン力測定装置。またの名をス○ウター」
兄「おい大丈夫かこのアイテム」
妹「それをつけたら現在のあたしのヒロイン力がわかるはずだよ!さあ、今のあたしの溢れんばかりのヒロイン力は!?」
兄「……たったの5」
妹「ゴミじゃん!!」
妹「ぐぬぬ……ま、まあいいや!これからヒロイン力を上げればいい話だし!」
兄(っていうかこのスカ○ター、本当に信じていいのかよ……?)
妹「まずはヒロインとしての、キャラを作っていこうかなー」
兄「3スレ目にしてか」
妹「前から思ってたけど、あたしキャラ薄いよね?敬語妹でもなければ暴力系妹でもない、フツーの妹だし」
兄「普通の妹は下ネタを言わん」
妹「これからあたしは『ツンデレ系妹』というキャラでやっていこうと思います!」
兄「はあ……どうぞ」
妹「じゃあ、コホン。……かっ、勘違いしないでよねっ!お兄ちゃんの事なんか、異性として見てないんだからっ!」
兄「……」
妹「お兄ちゃんなんて立派な肉バイブとしてしか見てないんだからっ///」
兄「オーケー、そのキャラやめようか」
妹「ヒロインって言ったら、やっぱりアレだよね」
兄(ツンデレキャラはもういいのか……)
妹「魔王に捕まって、助けを求めるってヤツ!で、王子様が助けにくるの!!」
兄「また古典的だなぁ」
妹「……と、いう事で、お兄ちゃん」
兄「何だ?」
妹「あたしちょっとインストラクターさん所行ってくるね」
兄「絶対に助けに行かないからな?」
・ ・ ・
兄「……って言ったが……妹が家出て3時間も経ったな。もうすぐ晩御飯だし、連れ戻すか……」
テクテク……
兄「……しかし、あいつ何処に行ったんだ?インストラクターさんって何処に住んでるんだよ……?」
ココア「……あら?お兄様ではないですか」ヒョコッ
兄「あっ、心愛ちゃ――……」
ピピピピピピッ!!
兄「!?……ひ、ヒロイン力2万……!?スカ○ターの故障かッ!?」
ココア「?……何を言ってるのですか?」
兄「ああ、ごめん。今ちょっと妹と……まあ、遊んでてさ」
ココア「へえー。……しかし、お兄様?」
兄「ん?どうかした?」
ココア「……肝心の妹さんがいらっしゃらないようですが……?」キョロキョロ
兄「ああ、なんか魔王に捕まってるらしくて」
ココア「マラをつかんでる??」
兄「その発言でなんでヒロイン力高いんだよ」
ココア「まあ!妹さんは今、憎き悪の大魔王・サヤカさんに捕まっているのですね……!」
兄「うん……何?その設定」
ココア「こうしちゃいられません。早く助けに行きましょう、お兄様!」フンス
兄「けど、どこに捕まってるのかわかんねえんだよ」
ココア「あら、お姫様が閉じ込められているのは、お城と相場が決まっているものですわ」
兄「……城なんて無いと思うんだけど」
ココア「ほら、ホテル♡ロイアルキャッスルというお城が――……」
兄「ラブホじゃねえか」
ココア「私が仲間となったからには、大船に乗ったつもりでいてください」ムフーッ
兄「……はあ」
ココア「……信じておりませんわね?お兄様?」ジトッ
兄「いや、そんなんじゃないけど」
ココア「何を隠そう、私は賢者の職業に就く者なのです!」
兄「へえー……RPGっぽい設定だな」
ココア「お兄様とお話するだけで、何回も絶頂しておりますから///」ビクビクンッ
兄「心愛ちゃん、さっきからヒロイン力すげえ下がってるんだけど」ピロローッ
ココア「はやく助けに行きませんと、お兄様っ。妹さんの貞操の危機ですわっ」
兄「……あいつ自分からインストラクターさん所行ったんだけどなあ」
ココア「インストラクターさんは男女問わず童貞・処女を奪う性欲モンスター……今こうしている間にも、妹さんは辱めを受けているのですよ!?」
兄「うわぁめちゃくちゃ行きたくねえ」
ココア「もしかすると、道中魔王の手先が襲ってくるかもしれませんわね……気を引き締めないと!」キョロキョロ
兄(ノリノリだなあ心愛ちゃん……)
テクテク……
マカ「……んぁ?お嬢じゃん」ヒョコッ
兄「!」ドキリ
ココア「出ましたわね……モンスター、サキュバス!!」ビシッ!
マカ「えっいきなり何?」
ココア「隠しても無駄ですわっ、貴方はマカさんの姿をしておりますが、その正体は魔王サヤカさんの手先ですわねっ!?」
マカ「いや何の話かわかんないんだけど。……っていうか、その……」チラッ
兄「……お、おう。マカ……ちゃん」ドキドキ
マカ「……おっ……お兄さん、じゃん……///」カァァッ
ピピピピピピピピピ!!!
兄(!?馬鹿な……ヒロイン力5万……10万……まだ上がるだとっ!?)
ボン!!
兄「!!……ス○ウターが壊れた……!」
ココア「あ、大丈夫ですわ。スペアがありますので」スッ
兄「何でスペアがあるんだよ」
・ ・ ・
マカ「……へえー。妹ちゃんったら、まーた変な遊び考えたねえ」
ココア「ええ。そして貴方はサヤカさんの手先っ!いざ尋常に勝負っ!」ビシッ
マカ「いや戦わないから。勝手に敵にしないでよ」
ココア「……では、味方という事でしょうか?」ハテ?
マカ「味方?うーん……そうだね……」チラッ
兄「……え、何?」
マカ「……その、さ……お兄さんが、どーしても……どぉーしてもっ!って、頼むなら……味方になってあげてもいいけど?」
兄「……え?」
マカ「……」モジモジ
兄「……あ、いや、その……」
マカ「……何?」ドキドキ
兄「……別に、こんな遊びに無理に付き合わなくてもいいんだぞ?マカちゃん……」
マカ「!……どーしてそんな事言うのっ!?」
兄「えっ!?……あ、その……ゴメン」ペコリ
マカ「!……あ、いやその!違くて……マカ別に、ムキになってないし!遊びだもんね。仲間はずれにされたって――……」
兄「……」
マカ「……」
マカ「……嘘。ごめん……マカ、お兄さんと、一緒に遊びたい……」
兄「……」
マカ「…………ついていって、いい?」グスッ
兄「……あ、ああ……」
マカ「……えへへ……やったぁ」ニコッ
ッビビビビビビビ!
ココア(ヒロイン力53万……!?オシマイだ……勝てる訳がありませんわ……!!)ガクガク
兄「なあ心愛ちゃん、スカ○ターのスペア何個持ってんの?」
ホテル♡ロイアルキャッスル――
イン「よく来ましたね、皆様……今は『勇者ども』と呼んだ方が良いでしょうか」
バン
兄「……」ピピピッ
ココア「くうっ、なんという妖気……これが大魔王サヤカさんの力っ!?」ガクブル
マカ(お嬢、ノリノリだなー……)
兄「……インストラクターさん、ヒロイン力260ありますよ。意外と高いっすね」
イン「ほお、ピッコロ大魔王と同じくらいですね」
兄「いやそこまでは知らんが」
イン「ピッコロ大魔王といえば、某有名漫画には欠かせないキャラクターですね」
兄「それもうタイトル隠す必要無くね?」
イン「最初は主人公の壁として立ちはだかり、戦いを通じて仲間となる……」
兄「はあ」
イン「確かに私は、ピッコロ大魔王と共通点が多いかもしれません」
兄「……そうですか?」
イン「ほら、私今日排卵日ですし」
兄「それのどこが共通点だ」
兄「……っていうか、インストラクターさん」
イン「サヤカ♡って呼んでくれてもいいですよ?」
兄「……なんでラブホにいるんですか?」
イン「ああ、私今この部屋に住んでいるんです」
兄「なんでラブホをチョイスしたんだよ。ビジネスホテルとかあるだろうが」
イン「そりゃあ、連れ込んで寝るのに丁度いいですし」
兄「うわこれ絶対高校生と小学生がいていい所じゃねえよ」
マカ「ねえお兄さん……一応マカたち、妹ちゃんを助けに来たんでしょ?」
兄「あ、そうだった……インストラクターさん、妹をどこにやったんだ?」
イン「ふふふ……妹さんなら、もう貴方達の所へ戻る事は無いでしょう……!」
兄「なっ……!?」
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
イン「回転ベッドに夢中になっていますので」ホラ
妹「きゃー!きゃー!すごいよお兄ちゃん!クルクル回ってるー!!」キャッキャッ
兄「アトラクションじゃねえんだぞ」
兄「ほら、そろそろ晩御飯だから家帰るぞ。父さんメシ作って待ってるから」
妹「待ってお兄ちゃん!ヒロインを助け出すには、魔王を倒さないと!」
兄「ええー……もういいだろ、その遊びは」
妹「ほらほら、早くサヤカさんを倒すたおす」
イン「さあ、かかってきなさい」フフン
兄「かかってこいって言われても……」
イン「あ、かけてもいいんですよ?」
兄「何を?いや言わなくていいわ」
兄「……仕方ないな。攻撃するフリくらいはしとくか……」
イン「ほお、やる気になりましたか」
兄「行くぞ。と……とおーっ!」ユル~ッ
イン「……」ジトッ
兄「……あ、アレ?」
イン「……何ですか?その攻撃は。パンチのつもりですか?」
兄「いや、だって……こういう遊びだろ?」
イン「対決方法は『バトルファック』に決まってるじゃないですか!!」
兄「だったら俺の負けでいいよもう」
兄「はあ……もういいわ。先帰ってるからな……」トボトボ
妹「ちょ!ちょちょちょちょっと待ってよお兄ちゃん!あたしをこのまま置いていく気!?」
兄「うん」
妹「このまま囚われのヒロインを続けろっていうの!?」
兄「まあ……そうなる」
妹「ヤバいよお兄ちゃん……あたし、この短い間に気づいたんだけど……」
兄「……なんだよ?」
妹「囚われの身って、出番めっちゃ少なくなる!!!」
兄「お前もうヒロイン無理なんじゃねーの?」
ココア「諦めないでください!妹さん、お兄様!」バン
兄「うわーノリノリの子が出てきちゃったよ」
ココア「今こそ皆の力を合わせて、合体技を使う時!ラスボス戦でのお約束ですわ!」
妹「おおっ!燃える展開だねーっ!」
ココア「さあ、マカさんも!力を貸してください!」
マカ「えーっと……対決方法って、バトルファック……なんでしょ?」
ココア「?……ええ、そうらしいですわね」
マカ「じゃあ、みんな下がっててよ」
兄「……へ?」
マカ「……マカ一人で十分だから」
ザッ!
マカ「……っていうか、足手まとい……皆を守りながら戦えるほど、マカは器用じゃあないよ……」
イン「フフフ……ついに貴女と戦う時がきましたか……これは、気が抜けないですね……!」
マカ「……」スッ
イン「……いざ、尋常に……」スッ
マカ・イン「「……勝負」」ギラッ
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
兄「……何この展開」
・ ・ ・
(なんだかんだで、妹は助け出しました)
兄「……一時はどうなるかと思ったぞ。……この話の展開が」
妹「ごめんねーお兄ちゃん。どうやらマカちゃんの中にある、戦闘民族としての血が騒いだらしくって……」
兄「あの娘はサイヤ人か何かか?」
イン「そういえば、サイヤ人の由来は野菜だそうですね」
兄「?……はあ。それが?」
イン「私、野菜大好きなんですよ。入れるのが」
兄「もうアンタは口を開くな」
妹「まー色々あったけど!これであたしのヒロイン力はうなぎ登りってヤツだね!」
兄「……どうだろうなあ……」
妹「嘘だと思うなら、スカウ○ーで確認してみてよ!ほらほら、あたしの溢れ出るヒロイン力はどのくらい?」
兄「……!!……妹、お前……す、すごいぞ!!」ピピピピ!!!
妹「えっ!?な、何なに!?」ドキドキ
兄「……値がマイナスになってる……」ピロロー
妹「それってどういう事!!?」
…………
マカ「……ハァー、妹ちゃんったら本当、お騒がせなんだから……」
マカ「……っていうか、こんなオモチャで本当に、ヒロイン力?とかいうの、わかる訳ないじゃん……」
カチャッ
マカ「……ここのボタン押すのかな?……わっ!なんか数字出てきた!」
ピピピ……
マカ「えっと、この近くで一番ヒロイン力が高いのは……」
……ピピピピピピピピピ!!!
マカ「……え?……いち、じゅう、ひゃく……億超えてる人がいる!!?一体誰――……!?」
バッ!!
ココア「楽しい遊びでしたわねえ、マカさん?」
ニコッ
マカ「!…………」
ココア「?……どうか、しましたか?」
マカ「……ううん……」
カチャッ……
マカ「……何も、無いよ……」
…………
妹「お兄ちゃん!新生活シーズンだよっ!」
兄「今6月なんですけど」
妹「うう……仕方ないじゃん、4月はマカちゃんのデートイベントが思いの外長くなっちゃってたし……」
兄「まあ……うん」
妹「仕事忙しくてSS書くヒマなかったし」
兄「メタいメタい」
妹「とにかく、新生活になったって事で、お兄ちゃんは高校二年生になったね!」
兄「ああ、そうだな……」
妹「あたしはグルグル漫画システムの力で、小5ロリなんだけど」
兄「なんでやねん」
妹「ほら、『小5ロリ』って言葉の魔力ってすごくない?ブランド物じゃない?」
兄「犯罪臭しかしねえな」
妹「『小五』と『ロリ』を合わせれば『悟り』になるし」
兄「だからどうした」
妹「あたしはそのブランドをこれからも守っていく所存です」
兄「思わなくていいっつうの」
妹「ママも『永遠の16歳』っていうブランドらしいし」
母「……///」テレテレ
兄「母さんあれか?不老不死の薬でも飲んだの?」
続き
妹「この歳で処女なの恥ずかしいから捨てさせて」兄「その3」【後編】