<城>
国王「西の山に現れたドラゴン退治……ようやく志願者がやってきたとのことだが?」
姫「よかったわね、お父様」
大臣「はっ……しかし、その志願者というのが……」
国王「なにか問題があるのか?」
大臣「……実際にご覧になられた方が早いと存じます」
国王「そうか……。では、志願者をこの謁見の間に通すがよい」
大臣「かしこまりました!」
元スレ
少年「おっちゃんが王か!」国王「教育の必要があるようだな」
http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1446639009/
少年「うひゃー、おっきい部屋だなー! オレんちよりずっとでかいや!」キョロキョロ
国王「!」
姫「まぁ……」
国王「大臣……まさか、この少年が……!?」
大臣「はい……。ドラゴン退治の志願者、です」
少年「んん? お、可愛い女の子がいる! オレの好みだなぁ~」ヘヘヘ…
姫「えっ、私のこと?」
少年「それと隣にいるヒゲのおっちゃん……おっちゃんが王か!」
国王「お、おっちゃん……!?」ギョッ
大臣「コ、コラッ!」
少年「なんだよ、ハゲおっさん」
大臣「ハゲじゃない! 薄毛だ!」
少年「似たようなもんじゃん」
大臣「ぐぬぬ……!」
少年「顔真っ赤だけどどうしたんだ? 昼間から酒でも飲んでるのか?」
大臣「飲んでおらん! 若い頃に酒で失敗して以来、酒は控えて……」
大臣「――って、そんなことはどうでもいい! 陛下になんという口のきき方だ!」
大臣「目上に対する言葉づかいを知らんのか!?」
少年「えー? オレいつもこんなだけど、オレの村の村長のおっちゃんは怒らないぞ?」
大臣「たかが村長と一国の王を一緒にするなぁっ!」
少年「なんだよ、たかがって」
少年「村長のおっちゃんはすげえいい人だぞ! お前とちがってな! ハゲてないし!」
大臣「だから薄毛っていえ!」
大臣「いいか、陛下はこの国で一番偉いんだ! 村長よりもずっとな!」
少年「ふうん、よく分かんないや」
大臣「分かれぇっ!」
姫「えぇと……なかなかユニークな方ですわね」
少年「へへっ、そうか! 褒めてくれてありがとな、ねえちゃん!」
姫「ね、ねえちゃん……」
大臣「コラーッ! 姫様に向かって……!」
国王「もうよい、大臣」
大臣「し、しかし……!」
国王「もうよい、といっておるのだ」
大臣「失礼しました……!」ササッ
国王「キミ」
少年「なんだ? おっちゃん?」
国王「年齢は?」
少年「13だ!」
国王「なるほど、13歳……まだまだ若気の至りで許される年頃だ」
国王「とはいえ、鉄は熱いうちに打て、という言葉もある……」
国王「教育の必要があるようだな」スクッ
大臣「へ、陛下……!?」
国王「ちなみに、キミは……どのぐらい強いのかな?」
少年「村じゃ一番強いぞ! 山でクマやオオカミだって倒したことある!」
国王「なるほど、ドラゴン退治を志願するだけのことはある」
国王「それにそれほど強ければ、礼儀など知らなくとも十分生きていけるからな」
国王「だが、キミはすぐさま思い知ることになるだろう」
国王「世の中、上には上がいる、ということをね……」
少年「!」ゾクゾクッ
少年(す、すげえ殺気だ……!)
国王「カアアッ!!!」
バッ!
気合とともに、国王の衣装がはじけ飛ぶ。
王冠は砕け散り、マントは粉みじんになり、国王の全身にはブリーフだけが残った。
国王「ふぅぅぅぅぅ……」フシュゥゥゥ…
少年「すげえ体だ……!」
少年は即座に、“岩”を連想した。
王の温和な顔の首から下には、まさしく岩石のような胴と四肢が秘められていた。
一体どれほど鍛えれば、これほどの肉を得られるのか、想像もつかない。
国王「ゆくぞ」
少年「来いっ、おっちゃん!」
ギャンッ!!!
国王は猛烈な勢いで、少年に襲いかかる。
十メートル近くあった間合いは瞬く間に縮まり、国王の左拳が唸りを上げる。
国王「砕ッ!!!」
ボゴォッ!!!
少年の小さなボディに、国王の拳がめり込んだ。
ズガァンッ!
少年の体は壁に叩きつけられた。
大臣「うわぁっ! お、おいっ! だれか、医者を――」
国王「必要ない」
大臣「し、しかし……!」
国王「あの小僧、ワシの拳の衝撃を体をひねることでわずかに逃しよった」
国王「しかも吹き飛ぶ寸前に蹴りまで……やりおる」ニィィ…
国王の頬には小さな傷がついていた。
少年「げほっ……やるなぁ、おっちゃん!」
国王「キミこそな」
少年「もし、体をひねってなきゃ、内臓がオシャカになってたかもな」
国王「キミの蹴りもみごとだったぞ。かわしてなければ、鼻骨は粉砕されていただろう」
互いの一撃を称え合う二人。
大臣「あんな一撃絶命の攻撃をし合って、笑い合っているなんて……!」
姫「一撃絶命? 人間、内臓や鼻がダメになっても死にはしないわよ」
国王「では再開しようか……連ッ!」
少年「!」
ボッ! ビュバババッ! ビュオッ! ブオンッ!
大砲にも勝る迫力の拳を、左右の腕から次々繰り出す国王。
それらを軽快なフットワークでかわす少年。
国王「いい目と足だ……。が、かわしているだけは勝てんぞォ!」
少年「分かってら!」
少年は飛び上がると、国王の顔面に回し蹴りを浴びせた。
バキィッ!
国王「ぐ……!?」ヨロッ…
少年「まだまだあっ!」
さらに、よろめいた国王の全身にたたみかけるように打撃をぶつけていく。
ガッ! バキィ! ドゴッ! ベキィ! ドッ!
大臣「へ、陛下ぁぁぁっ!」
姫「お父様ったら……楽しんじゃって」
少年「どうだ! 今のは効いたろ、おっちゃん!」
国王「効いたよ」ニィッ
ドゴンッ!!!
国王のアッパーが少年の顎に突き刺さり、その小さな体をシャンデリアまで打ち上げた。
少年「いってぇ~!」
国王「連打はよかったが、スキを作ってしまうのはいただけんな」チッチッ
少年「ちぇっ……」
国王「さて……と、そろそろ本気でやるとするか」コキッ
少年「うんっ!」サッ
国王と少年の表情から、今まであった“緩み”が消える。
大臣「バカな……! 今までの戦いは本気ではなかったのか!?」
姫「当然でしょう。せいぜい準備運動といったところね」
国王「打ッ!!!」
ビュオンッ!
国王の正拳突き。強烈な突風が吹く。
国王「蹴ッ!!!」
グオンッ!
国王の回し蹴り。局地的な竜巻が発生する。
大臣「うひゃあああっ! 飛ばされるぅっ!」
姫「大臣、私の後ろにいた方がいいわ」
大臣「そっ、そうしますぅ!」サササッ
国王「ふん……よくぞかわしたな」
少年「すげえパンチとキックだな……おっちゃん」
少年「だけど、どんなにすごいパワーでも当たらなきゃ意味がねえぞ!」
ヒュッ!
国王(消えたッ!?)
その直後、国王の右頬にヒジがめり込んだ。
メキィッ!
国王「がっ……!?」
少年は部屋の中を縦横無尽に駆け回り、四方八方から打撃を浴びせていく。
シュタタタタッ!
少年「たあっ!」ヒュッ
ドゴォ!
国王「ぐふっ……!」
少年「こっちこっち!」ヒュヒュッ
バキィ!
国王「ぬぅぅ……!」
少年「どりゃあ!」シャッ
ボゴォ!
国王「ぐほぉ……ッ!」
国王(こ、この小僧……ッ! なんというスピード!)ブオッ
ドズッ!
国王「ぐっ……!」ブオンッ
ドゴッ!
ガッ!
ズガッ!
国王(まるで鉄の重さを持った蜂……ワシの打撃ではとらえきれぬッ!)ブオンッ
速さで劣る国王は一方的に攻め立てられ、みるみる打撲傷を増やしていく。
大臣「陛下が完全に翻弄されている……ッ!」
姫「ボールが通りすぎてからバットを振る打者のような醜態ね……無様だわ」
少年(――よし、完璧に背後を取った!)シャッ
少年(おっちゃんの延髄に、全体重を乗せた蹴りをブチ当ててフィニッシュだッ!)
少年が国王の後頭部めがけ、渾身の蹴りを放つが――
国王「甘い」ギョロッ
少年「!?」
ガシィッ!
少年の右足首は、国王の巨大な手によって掴まれてしまった。
少年「し、しまった……ッ!」ジタバタ…
国王「小僧……チェスという遊びは知ってるかね?」
少年「し、知らないっ!」ジタバタ…
国王「ならば覚えておくといい」
国王「王(キング)は全方位に対応しているのだとッッッ!」ブオンッ
国王は少年の足首を握ったまま、その全身を床に叩きつけた。
ズガァンッ!!!
少年「ぐ、は……ッ!」ゲボッ…
国王「先ほどの言葉を返そう」ニィィ…
国王「どんなすごいスピードでも、捕まってしまえば全く意味がない!」ブオオンッ
ドゴォ!!!
ズガァ!!!
ビタァン!!!
少年の体によって、床には大きなクレーターが出来上がった。
少年「が、ふっ……!」
国王「もう逃げられないよ……。キミがミンチになるまで、この攻撃は続くのだ」
少年「逃げられないだって……? そいつはどうかな……?」コキッ
国王「――む!?」
少年「ていっ!」スルスルッ
国王「こ、こいつ……! 足首の関節を外して……ッ!」
ボグゥ!!!
少年の飛びヒザ蹴りが、国王の鼻に炸裂した。
国王「~~~~~~!!!」ブッシャァァァ
少年「どうだ、おっちゃん!」
鼻血まみれの顔面で国王が笑う。
国王「まだ王子だった頃、よくオークやミノタウロスを素手で狩ったものだが――」
国王「キミの戦力はそれら以上だ」ニタァ…
少年も大きなダメージを受けているにもかかわらず笑顔である。
少年「おっちゃんこそ……!」ニコッ
少年「オレ、自分が世界で一番強いと思ってたけど、まだまだ世界は広いんだな!」
国王「さぁ、いよいよこの戦いも最終章を迎える時が来たようだ」
少年「そうだな!」
国王&少年(――決着をつけよう!!!)
姫「やめてぇぇぇっ!!!」
国王「なんだ? 娘よ」
姫「もうやめてよ……こんなみっともない戦い。とんだ茶番だわ」フゥ…
姫「お父様、あんなチマチマした戦いで互いを褒め合ったりして、恥ずかしくないの?」
国王「なんだと?」ピク…
姫「ていうか、さっきからウズウズしてて仕方ないの」ウズウズッ
姫「私が本当の戦いを教えてあげるわ。どれ、二人同時にかかってきなさいな」
国王「本当の戦い? ワハハハッ、笑わせおるわ!」
国王「元々はワシ製のオタマジャクシに過ぎない小娘ごときが、戦いを語るとはな!」
姫「――あ?」
姫「そんなだから、お母様が呆れて実家に帰ってしまうのよ」ボソッ
姫「夫婦喧嘩じゃ、いつもお母様にボコボコにされてたし……」ボソボソッ
国王「オイ、今なんつった?」
姫「難聴かしら、お父様」ギュンッ
姫は一瞬で接近し、父である国王の右耳をつまんだ。
国王(油断……! いつの間にこのような歩法を……ッ!)
姫「だったらこんな耳いらないわよね」
国王「キサマ……ッ!」
姫「動かないで。動くと耳たぶをちぎっちゃうわよ」ギュ…
姫「そう、まるで日めくりカレンダーを引きちぎるようにね……」
少年「お、おっちゃん!」
大臣「陛下っ!」
国王「来るな、二人とも! これは親子の問題だ!」
姫「そうよ、これは私たち二人の問題……」
姫「さぁ、お父様、この窮地を一体どうやって乗り切るのかしら?」
国王「乗り切る必要などない。ちぎりたければ、ちぎるがよい」
姫「!」
国王「だが、耳を引きちぎった瞬間、ワシの拳はキサマの鎖骨を粉砕していることだろう」
姫「…………ッ」
国王「…………」ゴゴゴゴゴ…
姫「…………」ドドドドド…
娘が耳たぶをちぎれば、父はそれによって生じる刹那のスキを確実に見逃さない。
親子の情など欠片も混ざっていない高純度な殺気をぶつけ合いながら、にらみ合う二人。
少年「おかしいよ! 親子なのに、あんな風にいがみ合うなんてさ!」
少年「オレだって、父ちゃんや母ちゃんとはケンカしたことないのに!」
大臣「仕方ないのだよ、少年。あのお二人は元々不仲だったからな……」
姫「鎖骨を砕かれた姫っていうのも、悪くないかもしれないわね」ニコッ
国王(指に力が入った! 来るか……!)
姫(鎖骨の二本や三本くれてやるわ……引きちぎってやる!)ギュッ…
国王(やれい、娘よッ! それが開戦の合図よ!)グッ…
少年(姫のねえちゃん、やる気だッ!)
大臣「あわわわ……」
緊張と殺気が極限まで高まる――!!!
ドラゴン「やめるんダッ!」バァンッ
部屋に飛び込んできたのは、一頭のドラゴン。
大臣「えぇぇぇぇぇ!?」
少年「西の山から下りてきたのか!? どうして!?」
ドラゴン「ワタシに匹敵するでかい殺気が、いくつもぶつかり合ってるんダ……」
ドラゴン「なにが起きてるのか、気になるに決まってるだロ!」ズシンッ
ドラゴン「そこの二人! 戦いをやめるんダ!」
ドラゴン「オマエたちはワタシを退治したいのだろウ!?」
ドラゴン「そのワタシが来た以上、もはや父と娘で争う意味はないハズダ!」
姫「…………」
国王「…………」
姫&国王「引っ込んでろ、トカゲ」
ドラゴン「!!!」
姫「ここまでエキサイトしちゃったら、もうトカゲとか関係ないのよ」
国王「うむ、トカゲはトカゲらしく、尻尾でも切ってやがれ」
ドラゴン「な、なんだトォ! わざわざ出向いてやったのにその態度はなんダァ!?」
ドラゴン「人間とは、もっと礼儀正しい生き物ではなかったのカ!」
国王「ハァ? トカゲに礼儀を尽くす必要などあるまい!」
姫「それに、今は戦いの最中……戦場に礼儀など邪魔なだけよ!」
姫「仮に戦場に礼儀があるとすれば、それは全力で敵を叩き潰すという礼儀だけよ!」
ドラゴン「なるほど、いいだろウ! そっちがその気なら、こっちも暴れまくるだけダ!」
ドラゴン「いくゾ! ちっぽけな人間ドモ!」
姫「面白くなってきたわ……なんなら私一人で全員相手にしてもいいわよ」
国王「ほざけ、小娘! トカゲもろとも葬り去ってくれるわ!」
三者から発せられる殺気が重なり合い、彼らが囲む空間に“死の三角形”が出来上がる。
この瞬間、“死の三角形”内にいた微生物は跡形もなく全滅した。
大臣(もうオシマイだ……! 誰にも止められん!)
大臣(この城が廃墟になるまで……いや、国が滅ぶまで、戦いは続く!)
少年「もうやめてくれよぉっ!!!」
国王「!」
姫「!」
ドラゴン「!」
少年「オレが……悪かったんだ……」
少年「元はといえば、オレが“礼儀”できてなかったから……こんなことになったんだ」
少年「オレ、ちゃんと謝るから……。おっちゃんのことも、陛下って呼ぶから……」
少年「だから、もう……やめてくれよ……」グシュッ
少年「ごめん……なさい……」グシュッ
国王「…………」キュンッ
姫「…………」キュンッ
ドラゴン「…………」キュンッ
実年齢未満の幼さを持つ純朴な少年の涙は、三人の戦意を削ぐに十分な効力を持っていた。
国王「ワシも……大人げなかった。すまなかったな、皆の者」
姫「私こそ、ついつい王女としての気品を忘れてしまいましたわ」
ドラゴン「ワタシも……戦いを止めにきたというのに、軽率だっタ……」
少年「へへへ、これでみんな仲直りだな!」
少年「おっと、みんな仲直りですね、陛下!」
国王「よせよせ、今さら敬語を使われても逆に気持ち悪いだけだ」
国王「拳を交えた者同士に、かたっくるしい礼儀など不要よ!」ニヤッ
少年「ホントか、おっちゃん!」ニカッ
姫「私もねえちゃんでいいわよ」
ドラゴン「ワタシもドラちゃんでいいゾ」
国王「ところでドラゴンよ、何故おぬしは西の山に現れたのだ?」
ドラゴン「西の山の紅葉があまりにもキレイでな……ついやってきてしまったのダ」
ドラゴン「お騒がせして、すまなかっタ」ペコリ…
姫「紅葉ですって? まぁステキ! みんなで見にいきませんこと?」
国王「それも面白いかもしれんな。よしこの五人で、パーッとやるか!」
少年「やったぁ!」
大臣「うーむ、私は……」
少年「薄毛の大臣閣下も、遠慮なさらずぜひご一緒して下さいよ!」
大臣「いや……私もハゲおっさんでいいよ」
<西の山>
国王「みんな、ジャンジャン飲んでくれ!」
国王「今この時この場においては身分も親子も種族も関係ない! 無礼講だ!」
少年「さすがおっちゃん! ねえちゃんもドラちゃんもいっぱい飲もう!」
姫「もういただいてますわ」ウフッ
ドラゴン「ワタシはタルごといかせてもらおうカ」ガブガブ…
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……!
国王「――む!?」ゾワッ…
国王「な、なんだ!? この異常な殺気は!?」
大臣「ウ~イ……」ヒック
大臣「無礼講と……おっしゃいましたよね……陛下……」ゲフッ
少年「おっさん……どうしたんだ……!? 目つきが……」
国王「い、いかんっ! そういえば大臣は酒を飲むと、人も強さも変わってしまうのだ!」
国王「しかも、これまで禁酒していた分、タチの悪い酔い方をしておる!」
姫「えええっ!」
少年「すげえ圧迫感だ……! オレたちよりずっと強いぞ!」
ドラゴン「うム……竜の帝王クラス、あるいはそれ以上かもしれン……!」
国王「ここで止めねば世界が滅ぶ! 四人がかりでなんとしても食い止めるのだァ!」
大臣「無礼を……働かせていただきますよォォォォォ!!!」グワッ
……
……
大臣「ぐぅぅぅぅ……ぐぅぅぅぅぅ……」フゴーフゴー
ようやく大いびきで寝静まった大臣と、半死半生の四人。
ドラゴン「みんな、生きてるカ……?」
姫「ええ……ど、どうにか……」
少年「お、おっちゃん……オレ、よく分かったよ……」
国王「なにが……?」
少年「礼儀って、とっても大事なんだね……」
国王「……でしょ?」
おわり