1 : 以下、\... - 2015/10/31 13:48:45.823 brq762rg0.net 1/22

「ハロウィンか」

「別にどうってことないな」

「特に街に出る用事もないし」

「別に一緒に回る奴がいないわけじゃないし」

「しいて言うなら、誰にも誘われなかっただけだし」

「仮装大会とか、来ていく服ないし」

「・・・やめよう、なんか虚しくなってきた」

「いっそお菓子でもせびりに行こうかな・・・」

「はぁ」

少女「ようボッチ」

「!?」

少女「おいボッチ、聞いているのかボッチ」

「・・・家の外、誰かいるのか・・・?」

少女「ボッチ、ボッチ、ボッチッチ」

「なんかうぜぇ」

元スレ
男「・・・ハロウィン?」
http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1446266925/

2 : 以下、\... - 2015/10/31 13:51:29.309 brq762rg0.net 2/22

少女「開けろよ、ボッチ」

「ずうずうしい奴だな、あとボッチ言うな!」

少女「お、反応した。ボッチが反応した」

「だからボッチ言うな」

少女「じゃあビッチ」

「俺は男だ」

少女「サノバビッチ」

「まだボッチの方がましだわ」

少女「じゃあボッチで行きましょう」

「てか誰だよ、いきなり外から話しかけてくるなよ

3 : 以下、\... - 2015/10/31 13:54:35.973 brq762rg0.net 3/22

少女「まず玄関開けて下さい」

「え~」

少女「開けないとここで騒ぎますよ!ハロウィンにかこつけて!盛大に!」

「うっさい、すでにうるさいわ」

少女「いいから開けろ、開けなさい」

「何様だよ」

少女「ハロウィン様だよ!!」

「わけわかんねぇ」

少女「そろそろホントに開けてください、他に行っちゃいますよ」

「いいよ勝手に行けよ」

少女「えー」

4 : 以下、\... - 2015/10/31 13:58:35.966 brq762rg0.net 4/22

少女「やっと中に入れた」

「押し負けてしまった」

少女「いやぁ~熱い戦いでしたね」

「楽しめたようで何よりです」

少女「またやりたいですね~」

「皮肉が通じない・・・」

少女「あ、そうだ。私用があってきたんですよ」

「ハロウィンだろ」

少女「え!なんでわかったんですか」

「いやさっき自分で・・・」

少女「まさか本物とか?

「本物?なんの?」

少女「いやあの・・・アレですよ、アレ」

「どれだよ」

5 : 以下、\... - 2015/10/31 14:01:34.396 brq762rg0.net 5/22

少女「取り敢えず、お菓子とお茶下さい」

「お茶まで要求されるとは思わなかったぞ」

少女「この家ではわざわざ訪問してきた人にお茶も出さないんですか?」

「なんで俺が貶されてんの?」

少女「貶されてしかるべきことをしてるからですよ」

「なんで上から目線なんだよ」

少女「あ~、のど乾いたのでお茶優先でお願いします」

「出すこと前提なのか・・・」

7 : 以下、\... - 2015/10/31 14:08:02.061 brq762rg0.net 6/22

少女「あぁ~潤いますね~」

「こっちは消費する一方だけどな」

少女「そういう日もありますよ」

「お前は毎日潤ってそうだな、周りのおかげで」

少女「潤ってますね~、尊い犠牲のおかげで」

「自覚あるなら少しは改善しようか」

少女「善処します」

「する気ないだろ」

少女「今更ですけど麦茶より緑茶の方がよかったですね~」

「この上まだ望むのか・・・」

少女「いやぁこの後お菓子が出てくることを考えると緑茶の方が・・・」

「ないぞ、お菓子」

少女「は?ここ本当に人の住む家ですか?」

「お前にとってお菓子ってどれだけの価値があるの?」

8 : 以下、\... - 2015/10/31 14:12:11.026 brq762rg0.net 7/22

少女「なんか一気に萎えました」

「そうか、帰ってもいいんだぞ」

少女「いえ、せめて存分にくつろいでから帰ります」

「この期に及んでまだあがくのか」

少女「悪あがき得意なんですよ、私」

「どこまでも図々しいもんな」

少女「テストとかもチャイムなっても書き続けるタイプなんで」

「それ普通にアウトだろ」

少女「『名前書き忘れてた』戦法ですよ」

「グレーだな」

少女「レギュレーションぎりぎりのスリルが堪らないんです」

「長生きしそうだな、お前」

少女「100まで生きる気満々なんで」

9 : 以下、\... - 2015/10/31 14:18:33.832 brq762rg0.net 8/22

少女「暇なんでテレビつけてもいいですか?」

「完全に我が物顔だな」

少女「ジャイアニズムですよ、ジャイアニズム」

「言いたいだけだろ」

少女「ごうだたけし理論、じゃだめだったんですかね?」

「ゴロ悪い、言いにくい」

少女「ジャイアニズムがいいですね」

「何もよくないんだけどな」

少女「いいじゃないですか~ハロウィンですし」

「ハロウィンで許されるのはお菓子をせびることだけだろ」

少女「お菓子もらえなかったしぃ~」

「お菓子の代償が大きすぎる」

少女「じゃあなんか下さいよ」

10 : 以下、\... - 2015/10/31 14:23:18.968 brq762rg0.net 9/22

「じゃあ・・・これ、アイス」

少女「この時期にアイスとか舐めてるんですか?アイスだけに?ん?」

「一人でコントするなよ、いらないなら別にいいぞ」

少女「何味ですか?」

「スイカ味」

少女「完全に冷凍庫のそこで眠ってたやつですよね」

「大丈夫アイスは腐らないよ」

少女「在庫処理を押し付けないでください」

「グダグダ言いつつ食べるのな」

少女「もったいないですし」

「ほかの家でもだいぶむしり取ってきてそうだな」

少女「あ、私の戦利品見ます?」

「戦争か」

少女「遊びてやってるんじゃないんだよ!」

「余計に立ち悪いわ」

12 : 以下、\... - 2015/10/31 14:27:58.373 brq762rg0.net 10/22

少女「まず飴玉が17個」

「別に見せなくていいから」

少女「クッキー五枚」

「なんか高そうなクッキーだな」

少女「ミンティア一個、ガム一箱、缶ジュース・・・」

「どれだけ強奪してきたんだ」

少女「より多くの家を訪問するという目的を達成するためには、致し方ない行為です」

「十字軍か」

少女「私はジャンヌダルクだったのか・・・」

「何納得してんだよ」

14 : 以下、\... - 2015/10/31 14:33:22.518 brq762rg0.net 11/22

少女「まあ、今年は豊作でしたね~」

「罪悪感の欠片もない笑顔だ・・・」

少女「あ、あとこんなのももらいましたよ!」

「なにこれ?Tシャツ?」

少女「みたいですね、私にはちょっと大きいですけど」

「お前チビだもんな」

少女「黙れボッチ」

「そんなに睨むなよ」

少女「人のコンペリエンスをあざ笑うとか最低ですよ」

「コンプレックス?」

少女「あーそれそれ、コンプレックス」

「コンプレックスって恐竜に居そうだよな」

少女「あなたがボケでどうするんですか」

「なんかすいません」

15 : 以下、\... - 2015/10/31 14:38:11.815 brq762rg0.net 12/22

「というかこれ、このTシャツにプリントアウトしてあるやつ・・・」

少女「ああそれは」

「なんだこれ?宇宙人?」

少女「それ、チュパカブラらしいですよ」

「チュパ・・・何?」

少女「チュパカブラ、またの名をゴーストサッカー」

「なんかかっこいいな」

少女「あ、要ります?」

「ちょっと欲しい」

少女「でもあげなーい」

「なんとなくわかってたけどさぁ・・・」

少女「予測可能回避不能ですね」

「ドヤ顔するな」

16 : 以下、\... - 2015/10/31 14:45:01.147 brq762rg0.net 13/22

少女「・・・眠いです」

「帰って寝れば?」

少女「ここで寝ます」

「寝るな、起きろ」

少女「なんか面白いことやってください」

「無茶ぶりだな」

少女「じゃあ眠気が飛ぶようなことやってください」

「え~」

少女「無理なら寝ちゃいます」

「・・・外でお菓子配ってる人がいる」

少女「どこですか!ちょっと行ってきます!!」

「ホントに欲望に忠実だな・・・」

少女「物欲こそが正義」

「・・・マテリアルガール」

少女「なんですかそれ?」

17 : 以下、\... - 2015/10/31 14:50:57.160 brq762rg0.net 14/22

少女「あー、肩が重い」

「お菓子入れたリュック背負ってあるいてりゃ、そうなるわな」

少女「肩たたいてください」

「やだよ」

少女「じゃあ肩揉んで~」

「変わってないじゃん」

少女「このままじゃ肩が重くて腕が削げ落ちる~」

「軽くなんじゃん、良かったな」

少女「何言ってるんですか、腕がなきゃリュック背負えませんよ、馬鹿なんですか?」

「突っ込むとこそこなのか・・・」

少女「いいから肩たたいて~」

「・・・じゃあ、さっきのTシャツ頂戴」

少女「え?あのTシャツそこまで欲しかったんですか?」

「なんか、今逃したら一生手に入らない気がする」

少女「手に入らなくていいでしょこんなの・・・」

18 : 以下、\... - 2015/10/31 14:54:58.000 brq762rg0.net 15/22

少女「ああ~肩が、肩が、あぁ~」

「肩が何なんだよ」

少女「端的にいうと、気持ちいいですね」

「そうか」

少女「はい」

「こうか?}

少女「ああ~そんな感じです」

「意外と疲れるな、これ」

少女「肩もみって言うのはね、案外重労働なんですよ」

「やられてる側が言ってもなぁ~」

少女「常に労働者の立場を考える良い雇用者なんですよ私は」

「うっさい、じゃあ税金減らせ」

少女「そんなの私に言わないでください」

20 : 以下、\... - 2015/10/31 15:01:45.818 brq762rg0.net 16/22

少女「おかげさまでだいぶましになりました。肩こり」

「まさか三十分もやらされるとは・・・」

少女「さて、じゃあそろそろ私行きますね」

「ん?ああ、次の襲撃に行くのか・・・」

少女「一緒に来ます?仲間は多い方がいいですし」

「共犯者になりたくないので」

少女「そうですか、じゃあ普通に見て回ります?」

「何を?」

少女「商店街、仮装と装飾で大変なことになってますよ?」

「そうなのか」

少女「もう、世紀末を彷彿とさせる荒れっぷりで・・・」

「行きたくないわそんな危ないところ」

少女「そうですか?残念ですね~」

「お前と一緒にいたら、もっと危なそうだし」

少女「失礼しちゃいますね~」

21 : 以下、\... - 2015/10/31 15:07:55.307 brq762rg0.net 17/22

少女「じゃあ、お世話になりました」

「おう」

少女「あと、ご馳走様でした」

「うん」

少女「それと、失礼しました」

「そうだな」

少女「・・・やっぱり一緒に見て回りません?」

「遠慮しとく」

少女「え~、せっかく女の子が誘ってくれてるのに?」

「なんか申し訳ないような気がしないでもないけど、遠慮しとく」

少女「つれない人ですね~」

「悪いな」

22 : 以下、\... - 2015/10/31 15:11:30.734 brq762rg0.net 18/22

少女「・・・Tシャツ、あげちゃおうかな~」

「え?」

少女「一緒に来てくれたら、あげちゃおうかなぁ~」

「マジ?」

少女「マジ」

「じゃあ行く」

少女「軽い男ですね~」

「物欲は正義なんだろ?」

少女「自分の言葉でこんなに説得力感じたの初めてですよ」

「まず、Tシャツ、よこせ」

少女「片言になってますよ」

「いいから」

23 : 以下、\... - 2015/10/31 15:13:56.427 brq762rg0.net 19/22

少女「いっそ来て行ったらどうですか?」

「そうしようかな」

少女「まじか・・・お前、まじでか・・・」

「なんでドン引きしてんだよ」

少女「なんとなく?」

「別に変じゃないだろ、ハロウィンだし」

少女「そりゃそうですけど・・・私チュパカブラと一緒に歩きたくはないです」

「俺はチュパカブラじゃないぞ」

少女「チュパカブラとウツボカズラって似てません?」

「心底どうでもいいわ」

24 : 以下、\... - 2015/10/31 15:17:49.016 brq762rg0.net 20/22

少女「ねえチュパカブラさん」

「だから違うって」

少女「ウツボカズラさん」

「似てるだけだって」

少女「おいボッチ」

「原点回帰か」

少女「早く出かけましょう、日が暮れます」

「ハロウィンって日が暮れてからが本番じゃないの?」

少女「母さんがステーキ焼いて待ってるので、六時までには帰らないといけないんです」

「いい子か、純粋な小学生か」

少女「心はいつでも17歳ですよ」

「まだ中学生だろ」

少女「いいから、早く行きましょう」

25 : 以下、\... - 2015/10/31 15:21:15.139 brq762rg0.net 21/22

少女「着いたら綿あめ奢ってくださいね」

「母さんのステーキはどうした」

少女「別腹です」

「奢らんぞ、俺は何も」

少女「え~ケチー」

「散々要求しといて何をいまさら」

少女「え~」

「・・・」

少女「・・・」

「・・・500円までな」

少女「小学生のおやつか!!」

「突っ込まずに喜べよ!」

26 : 以下、\... - 2015/10/31 15:22:06.862 brq762rg0.net 22/22

おしまい

気が付いたら三時回ってた、ヤバいやばい

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