1 : VIPに... - 2015/10/04 19:11:32.09 OXh5P0vN0 1/25


「早く攻略するお」かちゃかちゃ

幼馴染「ねえ、男」

「なんだい?」

幼馴染「私とあんたって付き合ってるんだよね?」

「そうだお。幼馴染から告白したんだお」


元スレ
男「薫たん、かわいいお」幼馴染「はぁ......」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1443953491/

2 : VIPに... - 2015/10/04 19:12:58.61 OXh5P0vN0 2/25


「早く攻略するお」かちゃかちゃ

幼馴染「ねえ、男」

「なんだい?」

幼馴染「私とあんたって付き合ってるんだよね?」

「そうだお。幼馴染から告白したんだお」

幼馴染「なら、なんでギャルゲーするの?」

「?」

幼馴染「ほら......別に画面の中の子じゃなくて、わ、私とかを......」

「嫉妬してるのか?」

幼馴染「は!? だ、誰がそんな画面の彼女なんかに......!」

「ふーん? そうか」かちゃかちゃ

幼馴染「うぅ.........ばか」


3 : VIPに... - 2015/10/04 19:14:58.88 OXh5P0vN0 3/25


「むおおお!! 薫たん攻略したお!」

幼馴染「ふーん......」ぺら

「ネットで難しいと言われてるだけあった」

幼馴染「あっそ」

「なんか怒ってる?」

幼馴染「べっつにー」ぺら

「ふむ......」

ギュ

幼馴染「え、ちょ、なに?」

「僕は幼馴染が好きだお」

幼馴染「な、なんだよ急に」

「なんか言ってみた」離れ

幼馴染「ふーん、そう......」

「よし。機嫌治ったようだね」

4 : VIPに... - 2015/10/04 19:16:18.89 OXh5P0vN0 4/25


幼馴染「は。勝手に決めつけるなよ」

「でも、顔にやけてるし」

幼馴染「に、にやけてねーし」

「幼馴染はすぐ表情に出るからわかりやすいんだお」

幼馴染「う、うるせえ」

「じゃあ、僕はギャルゲーの続きを......」

幼馴染「お、おい」袖ギュ

「なんだい?」

幼馴染「も、もう一回ぎゅっとしろ」

「ほお......」

幼馴染「べ、別に男に甘えたいとかじゃないからな。ちょっと寒いだけであって......」

「はいはい。ツンデレ乙」ぎゅ

5 : VIPに... - 2015/10/04 19:17:36.65 OXh5P0vN0 5/25


【お片づけ】

幼馴染「あのさあ、ずっと言いたかったんだけどさ」

「なに?」

幼馴染「この大量のえろ本どうにかしてよ」

「えろ本じゃないお。同人誌だお」

幼馴染「どっちでもいいけど、目障り」

「ああ、興奮しちゃう?」

幼馴染「し、しねえよ!」

「まあ、たまにはここら辺の整理も悪くないか」

幼馴染「よしよし」

6 : VIPに... - 2015/10/04 19:18:41.32 OXh5P0vN0 6/25


「えーと、これはいらない。......これはいる、と」

幼馴染「......」ジー

「ん? どうしたんだい? 同人誌なんか読んで」

幼馴染「いや、男はこういうことしたいと思うの? 私と」

「んー......したくないといえば嘘になるだろうけど、でも今はこうやって幼馴染と一緒にいるだけで楽しいから、無理にしたいとは思わないかな」

幼馴染「まあ、男にはそんなことする度胸もないだろうしね」


7 : VIPに... - 2015/10/04 19:20:03.87 OXh5P0vN0 7/25


「む。僕だって、狼になることだってあるお」

幼馴染「はは、それは怖い」

幼馴染「ーーーまあでも、」グイ

「な、なんだい?」

幼馴染「私はちょっと興味あるかも......?」

「へ?」

幼馴染「......」

「......」

幼馴染「や......やっぱ今の忘れて」

8 : VIPに... - 2015/10/04 19:21:09.20 OXh5P0vN0 8/25


「え? 幼馴染は僕とあんなことやこんなことしたいのかい? ん?」ニヤニヤ

幼馴染「じょ、冗談だ。忘れろ」

「実は今、僕とやってるのを想像して、あそこが濡れ濡れだったり?」

幼馴染「し、してねえよ! 変態!」

「いやー、意外にもガツガツ系だったのかー」

幼馴染「本当に忘れろっ!」

「今日のオカズに使うから、もう一回言って。録音するから」

幼馴染「言わねえよ!」

9 : VIPに... - 2015/10/04 19:22:08.92 OXh5P0vN0 9/25


【風邪と私】


「風邪?」

幼馴染「うん......だから、今日は学校休むね」

「わかったお」

幼馴染「ごめんね」

「帰り、お見舞いに行くお」

幼馴染「はいはい」

10 : VIPに... - 2015/10/04 19:34:06.37 OXh5P0vN0 10/25


ーーーーーーー

幼馴染「あー......ひま」

 私の両親は共働きだ。
 だから、たいてい家にいない。
 家では、私はいつも一人だ。

幼馴染「あいつにメールでもするかな」

幼馴染「ーーーーいや、授業中だろうし、迷惑か」

幼馴染「はぁ......寝るか」

ーーーー
ーー


11 : VIPに... - 2015/10/04 19:36:37.70 OXh5P0vN0 11/25


 小学生

『本当に大丈夫?』

幼馴染「うん。大丈夫だよ」

『何かあったら電話してね』

幼馴染「うん。ばいばい」

 がちゃん

幼馴染「ゲホッゲホッ」

幼馴染「うぅ......きもい悪い」

幼馴染「薬飲んだはずなのにな......」

幼馴染「・っ......!」

 ごほっ! げほっ!

幼馴染「どうしよう......吐いちゃったよ」

幼馴染「死んじゃうのかな......」ぐすっ

12 : VIPに... - 2015/10/04 19:40:39.65 OXh5P0vN0 12/25


 ぴんぽーん

幼馴染「ん?」

幼馴染「はい......?」がちゃ

「お見舞いに来たでござる」

幼馴染「へ、ああ、男か......」ゴシゴシ

「あら? 泣いてた系?」

幼馴染「う、ううん! 何でもない」

「ふむ? じゃあ、そんな君にこれをあげよう」

幼馴染「なにこれ」

13 : VIPに... - 2015/10/04 19:41:52.40 OXh5P0vN0 13/25


「ふっふっふ。これは、僕のパワーが詰められてるお守りさ」

幼馴染「ただの紙切れじゃん」

「フッ......いずれわかるでござるよ」

幼馴染「はは、なにそれ。ーーーまあ、ありがとう」

「あ。あとこれ」つ漫画

「これを読むと元気になるよ」

幼馴染「......」

幼馴染「うん。ありがとう」

「では、僕はこれで」

幼馴染「うん。ばいばい」

「ぐっばーい」

 ばたん

幼馴染「......」

幼馴染「寝よ」

ーーーー
ーー


14 : VIPに... - 2015/10/04 19:43:31.02 OXh5P0vN0 14/25


幼馴染「ん、んー......」

「あ。起きた」

幼馴染「あれ? 帰ってくるの早くない?」

「幼馴染は風邪引くと寂しがり屋になるから、学校終わったら飛んできたのさ」

幼馴染「そ、そんなことねえよ」

「あ。これ貸してあげよう。元気になるぞ」つ漫画

幼馴染「......」

幼馴染「ーーふふ、あんたはいつまでたっても変わらないね」

「む。僕は常に進化してるんだぞ」

幼馴染「はいはい」ぎゅ

「幼馴染?」

幼馴染「大好き」

「......」

「ほら、やっぱ寂しかったんだ」

幼馴染「べ、別にそんなことないし」

「照れ隠し乙」なでなで

幼馴染「うるせえ」ぎゅー

15 : VIPに... - 2015/10/04 19:49:55.37 OXh5P0vN0 15/25


【想いのすれ違い】

 これは、僕が中学の時のお話。

 よければ聞いて欲しいんだお。

16 : VIPに... - 2015/10/04 19:51:29.86 OXh5P0vN0 16/25


 この世の中に僕と一緒にいたいと思う人はいない。

先生「じゃあ、近くの人とグループになれー」

 学校ではよくあるイベント。
 
 当然、僕は一人取り残される。

先生「あれ? 男だけ余ったか......」

 きっと、またか。とでも思われているのだろう。

先生「じゃあ、あそこのグループに入れ」

「はい......」

 僕が近寄ると、そもグループの人たちは、明らか嫌そうな顔をする。

 たまに、「よろしく」なんて言ってくるやつもいるが、決まってそいつの目は笑っていない。
 きっと、僕なんか消えてしまえばいいと思っているんだ。


 わかっている。僕なんかこの世に必要ない存在なんだ。

17 : VIPに... - 2015/10/04 19:53:14.44 OXh5P0vN0 17/25


 でも一人、ずっと僕と一緒にいる人がいる。

 そう、幼馴染だ。

幼馴染「男、帰るぞ」

「ああ......」

幼馴染「今日も疲れたなー」

「そうだな......」

幼馴染「なんか元気ない?」

「え、いや、べつに」

幼馴染「そう?」

18 : VIPに... - 2015/10/04 19:54:08.83 OXh5P0vN0 18/25


 もう一度言うが、僕と一緒にいたいと思う人なんて、いないんだ。

 きっと、幼馴染も僕となんかと一緒にいたくないと思っている。

 "幼なじみ"という関係があるから仕方がなく一緒にいるだけなのだ。

 でも、僕はこれ以上、幼馴染に気を使わせたくない。

 だから、僕は今日幼馴染に言う。

21 : VIPに... - 2015/10/04 19:58:01.28 OXh5P0vN0 19/25


「そういえば、告白されたんだってね」

幼馴染「へ? ああ、まあ......」

「でも断ったらしいね」

幼馴染「詳しいな」

「男子がいろいろ騒いでいたから」

幼馴染「ふーん......」

「なんで?」

幼馴染「なんでって......別に好きじゃないから?」

「ふーん......」

幼馴染「なんだよ」

「僕に気を使っているんじゃないかって思って」

幼馴染「は? なんでお前に気を使うんだよ」

「いや、なんとなく......」

幼馴染「......?」

22 : VIPに... - 2015/10/04 20:01:51.64 OXh5P0vN0 20/25

「......」トコトコ

幼馴染「......」トコトコ

「......あのさ。好きな人がいるなら、付き合えばいいよ」

幼馴染「なに急に?」

「なんで幼馴染は僕と一緒にいるんだ?」

幼馴染「......そんなのなんでもいいだろ」

「"幼なじみ"だから?」

幼馴染「は?」

「そんなの気にしなくていいよ。少なくとも僕は気にしない。幼馴染は、僕なんかほっといて好きな人と一緒にいればいい」

幼馴染「......」

「幼馴染?」

23 : VIPに... - 2015/10/04 20:03:16.41 OXh5P0vN0 21/25


幼馴染「ーーーそうか。わかった」

 これで僕は一人だ。

幼馴染「じゃあ、私は今まで通りお前と一緒にいるよ」

「......へ?」

 は? 幼馴染は僕の言った意味わかってんのか?

「だから、僕のことは気にしなくてーーーー」

幼馴染「馬鹿かお前は」

「え......?」

幼馴染「さっきの言葉で察しろよ」

幼馴染「ーー私の好きな人はお前だよ」

24 : VIPに... - 2015/10/04 20:05:12.69 OXh5P0vN0 22/25


「僕のことが......?」

 なに言っているんだこの人は。
 僕のことが好き?
 意味がわからない。

「だって、僕と一緒にいたい人なんてこの世にはいないはず......」

幼馴染「は? なに言ってるんだお前。頭大丈夫か?」

「いや、だって......」

幼馴染「だってだってうるせえな。なに悲劇のヒロインぶってんだよ。この世には、男と一緒にいたい人なんて何万といるよ。少なとも私は、男と一緒にいたい」

「でも、学校の人は......」

幼馴染「お前はこの世にどんくらいの人がいると思ってんだよ。何十億人といるんだぞ?」

「......」

幼馴染「そんなちっぽけなところ見てないで、もっと周りを見ろよ」

「周りを......」

25 : VIPに... - 2015/10/04 20:07:24.41 OXh5P0vN0 23/25


幼馴染「ていうか、この世に全人類から嫌われるやつなんていないんだよ」

 そう言うと、幼馴染は僕を抱きしめた。

幼馴染「それとも、男は私と一緒にいたくないのか?」

「そ、そんなこと......ない......っ」ポロポロ

幼馴染「そうか。なら良かった」

 ーー僕は馬鹿だった。
 
 ーー僕は嫌っている人だけを見て、すべての人から嫌われていると思っていた。

 ーーでもそれは違って、僕を見ようとしなかっただけで、嫌っていない人だっているんだ。

 ーー本当に僕は馬鹿だ。

26 : VIPに... - 2015/10/04 20:11:16.59 OXh5P0vN0 24/25

ーーーーーーー


「桜たんは僕の嫁だお」

幼馴染「ねえ、彼女の前でそう言うこというのはどうか思うんだけど」

「ちゃんと幼馴染も好きだお」

幼馴染「ふーん、どうだか」

「僕は、幼馴染に会えて本当に良かったと思ってるよ」

幼馴染「はいはい」


 おわりだお

27 : VIPに... - 2015/10/04 20:13:06.39 OXh5P0vN0 25/25

自分には、感動系は向いていないな
(´・ω・`)

読んでくれてありがとう。

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