勇者「ああ、ライアンさんですか。いえね、仲間もそろった頃だし、そろそろ決める頃かなって…」
ライアン「決める?決めるとはいったい…」
勇者「スタメン、二軍、三軍ですよ」
ライアン「!?」
元スレ
ライアン「勇者どの、何をしておられるのだ?」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1331061991/
ライアン「そ、そうでござったか」
勇者「ええ。これから先の闘いは生半可な覚悟じゃ挑めない。いつ死ぬか分からないんです」
勇者「そうなると、パーティー編成は最も大切ですからね」
ライアン「なるほど。確かにっ……!」
ライアン「……して、どのように決めるおつもりで?」
勇者「それを今、迷ってたんですよね。どうしましょうか……?」
ライアン「……」ブンブン
勇者「どうしたんですライアンさん。とつぜん素振りなんか始めて」
ライアン「いや、身体を鍛えるのは戦士のたしなみですから!ムンッ、ムン!」ブンブン
勇者「はあ…」
ライアン「はっはっはっ!」ブンブン
勇者「……」
勇者「じゃあボク、素振りの邪魔にならないようにあっちで考えて来ますね」ソソクサ
ライアン「あいや、待たれい勇者どの!」
勇者「?」
ライアン「一人でうじうじ考えても良い案は出て来ませぬぞ? ここは一つ、拙者と筋トレをしながら!」
勇者「いえ、僕は……」
ライアン「まあまあまあ!たまには男二人!筋トレしながら語り合うのも乙でござる!」
勇者「いや、だから…」
そして
ライアン「はっはっは!どうでござる勇者どの?拙者の特別練習メニューは?」ブンブンブン
勇者「はあ…はあ…はあ…き、きついです」←結局断れなかった
ライアン「そうでござろう!そうでござろう!」
ライアン「なんせ、拙者は『王宮の戦士ライアン』でござるからな。はっはっはっはっは!」
勇者「…う…もう限界…」バタッ
ライアン「む?まだまだこれからでござるぞ?」
勇者「む、無理…」
ライアン「うーむ。ではここらで一回休憩を…」
マーニャ「あっれ~、何やってんの勇者ちゃん?」
勇者「あ、マーニャさん…」
ライアン「おお、マーニャ殿。な~に、たまには男二人で筋トレして汗を流すのもいいかと思いましてな!はっはっはっはっはっは!」
マーニャ「うわ~。あっせ臭い事やってんだ」
勇者「ははは…」
勇者「ところでどうかしたんですか、マーニャさん」
マーニャ「あ。いやさぁ。実はちょーっとばかしお金借りれないかな~なんて…あはは」
勇者「マーニャさん……またスロットですか…?」
マーニャ「にゃはは~……♪」
マーニャ「お願いっ!このとーりっ!」パンッ
勇者「ミネアさんが聞いたら怒りますよ、まったく」
マーニャ「心配ないないっ!次こそは絶対大金稼いでくるからさっ!」
勇者「それって、やる前から完全に負けフラグなんじゃ…」
マーニャ「細かい事は言わないでっ!それより貸してくれるの、くれないのっ?」
勇者「仕方ないなぁ…今回だけですよ」
マーニャ「やたっ!勇者ちゃんありがとっ!愛してる~♪」
ライアン「やれやれ、マーニャ殿も困ったものですなあ」ブンブン
勇者「あっ、ライアンさん」
勇者(この人まだ素振りしてたのか…)
ライアン「ところで勇者どの、もう十分休憩出来ただろうしそろそろ筋トレを再開…」
勇者「あ、僕はもう…」
ライアン「いけません!いけませんぞ!そんなことではこれからの旅を乗り越えて…」ブンブン
クリフト「あのー、すみませーん」ガサゴソッ
ライアン「ちっ…」
勇者「ん?クリフトじゃないか。どうしたんだ?」
クリフト「さっきから姫さまを探しているんですがどこにもいなくて…。見かけませんでしたか?」
勇者「いや、見てないな…」
ライアン「拙者も見かけてござらんな」
クリフト「そうですか…」
勇者「もしかしたら先に宿に帰ってるんじゃないのか?」
クリフト「それが、さっき見て来ましたけどいないんです」
勇者「ふーん。でもクリフトが見つけられないのにオレじゃ見当もつかないよ」
クリフト「はあ、姫さま…」
勇者「心配しなくてもアリーナは強いし、外に出かけててもここらのモンスターじゃ相手にもならないぜ?」
ライアン「!」ピクッ
クリフト「それはそうですけど……いえっ!やっぱりもう一度探しに行ってきます!では!」ザザザ
勇者「ん。おう」
ライアン「……クリフト殿はアリーナ殿のこととなると一生懸命でござるなぁ」
勇者「そうだね。ま、お姫さまと従者だし」
ライアン「いやいや、あれはそれだけじゃなさそうでござる」
勇者「うーん」
ライアン「それより勇者どの!」
勇者「はい?」
ライアン「いくら共に旅をする仲間とはいえアリーナ殿は一国の王女。やはりモンスターとの戦いは危険なのでは!?」ズイッ
勇者「そうですね。でも彼女の攻撃力には随分助かってるし」
ライアン「いえいえ!確かにアリーナ殿は高い攻撃力を持ってござる! しかし、悲しいかな防具は装備できるものがあまりに少ない!」
勇者「まあ、アリーナは盾の装備出来ないしなぁ」
ライアン「そうでござろう!そうでござろう!?」ズズイッ
勇者(顔近い…)
ライアン「やはり戦の前線に赴くのは鎧と盾を身にまとった男の仕事! そうは思わぬかっ!?」ズズイッ
勇者「はあ…まあ…」
ライアン「そして、最前線で敵からの攻撃を食い止め頼りになる男と言えばもちろん…!」
勇者「あの、ライアンさん…」
ライアン「そうっ!このライ…」
勇者「でも、ライアンさんって装備にお金が掛かりすぎるんですよね」
ライアン「なっ!?」
ライアン「あっ、いや、あの……え?」
勇者「鎧も盾も兜も防御力の高い装備品を装備できるのはさすがだと思いますけど……でもそれってイコールお金が掛かるって事なんですよね」
ライアン「え、あの……それは…」
勇者「その点アリーナは安上がりで経済的です」
ライアン「し、しかし彼女の守備力には若干の不安が…」
勇者「その分素早いですけどね」
ライアン「ぐふうっ!」
勇者「ライアンさん、あなたが攻撃する間に戦闘終わったことって一回や二回じゃないですよね」
ライアン「…し、しかし一発一発の重みが…やはり様々な武器を装備できる拙者と比べてアリーナ殿は攻撃力が…」
勇者「十分高いです。しかも会心の一撃連発します」
ライアン「はうっ!?」
ライアン「うぅぅぅぅ…」シクシクシク
勇者「ライアンさん…」
ライアン「ゆ、勇者どの…」シクシク
勇者「馬車へ帰れ」
ライアン「!?」
勇者「スタメンは宿で休みますから早く馬車へ帰ってください」
ライアン「あの…でも筋トレ…」
勇者「馬車でしろ」
ライアン「はい…」シクシクシク
そして
ライアン「ただいまでござる…」ガラッ
ブライ「……」
ミネア「ブツブツブツ」
ライアン(陰気臭い…)
ライアン「む?あいやミネアどの」
ミネア「ブツブツブツ」
ライアン(無視…)
ライアン(仕方ない)
ライアン「あいやブライ殿」
ブライ「……」
ライアン「ブ・ラ・イ・殿!!!」
ブライ「おう、なんじゃ助さん帰ってきとったんか」フガフガ
ライアン(なんでこんな耳の遠い老人が世界を救う旅に同行しておるのだっ…)
ブライ「なんじゃ、なにか用があったんじゃないのかい?」
ライアン「あ、ああそうでござった。トルネコ殿はどちらに行かれたのだ?」
ブライ「ドラネコ?ああ、あやつなら別のゲームが忙しいとかなんとか言っておったな」
ライアン「別のゲーム?もしかしてパーティーから抜けたのでござるか!?」
ブライ「みたいじゃのう。ほれ、ここに書置きを残しておる」スッ
このたび、トルネコの大冒険がチュ○ソフトより発売が決定されることとなったので、不詳トルネコここで一旦のお別れとさせていただきます
トルネコ
ライアン「な、な、な……なんという男!?この旅が世界の命運を
かけていると分かっておらぬのか!?」ワナワナワナ
ミネア「あら、そうでもないわよ」ケタケタケタ
ライアン「む、占いは終わったんでござるか?」
ミネア「まあね。あと私は陰気臭い女じゃないわ」
ライアン「!?」
ミネア「私はなんでもお見通し…ふふふ、…ふふふふふふ…」
ライアン(こ、この女子だけは何を考えているかまったく分からん!)
ミネア「残念だけど外のスタメンがいればなんとかなるのよ。馬車メンバーはそんなに重要じゃない」
ミネア「だから彼が別ゲーに行ってもそんなに怒る事でもないわ。勇者もきっと『ああ、トルネコか…』とか言って特に気にもとめないわ」
ライアン「なっ!?」
ミネア「あとあなたがいなくても大丈夫よ。この後ドラゴンが仲間になるし」
ライアン「ドラゴン!?まことでござるか?」
ミネア「わたしの占いは当たるのよ」
ライアン「それは……だがドラゴン?」
ミネア「ええ。だから物理系のメンバーばかりそんなにいらないわ。どうせあなたはアリーナ姫の控えなんだから。そして控えメンバーは更に増える」
ライアン「そんなっ…」ガクッ
ミネア「ふふふ…」
ライアン「拙者は…拙者はいなくても…誰も困らない?」
ミネア「ええ。占いにもそうハッキリと出てるわ」
ライアン「…………馬車メンバーに活躍の機会はないのかっ!くそっ!」
ミネア「ふふふ…自分が役に立たないからって馬車メンバー全員を同じカテゴリに括ってはいけないわ」
ライアン「え…?」
ミネア「馬車メンバーでも私だけはちがうわ。私だけは勇者に必要とされているの。ふふふふふふふ…」
ライアン(必要?ベホイミまでしか使えぬこの女が?)
ミネア「占いにも出てるの!ふふっ…うふふふふふふっ…うふふふふふふふふふふ」
ライアン(この女、大丈夫か?さっきから目の焦点があっておらぬが…)
ミネア「ふふ、うふふふふふふふふふ!疑っているわね?でもスグよ!スグに勇者様がわたしを必要とするとこの占いに!!!」
勇者「ミネア!!!」バンッ
ミネア「ほらっ!!!!」
勇者「全滅しそうだ!メガザル頼む!」
ミネア「えっ?」
ミネア「メガ…ザル…?」
勇者「うん、メガザル」コクッ
ミネア「あの、クリフトさんは…?」
勇者「死んだから早く!」
ミネア「えっ…あの……」
ライアン「ミネア殿」ポンッ
ミネア「ラ、ライアンさん…」
ライアン「GO!」
ミネア「うおおおおおおおおおおお!!!!ちっくしょおめぇぇぇぇぇぇぇ!!!」ダダダダダダッ
ミネア「メ・ガ・ザ・ル・ッ!!!!」
パァァァァァァァァァァァァ
勇者「ありがとうミネア。君の犠牲は忘れないっ!」
ライアン(メガザルッて確かMPを全て消費して死者を全員生き返らせ全回復する魔法…MPを全て消費…)
ブライ「魔法使いがMP切れたらただのお荷物と変わらんのう、ほっほっほ」
ライアン「ブライ殿……その通りでござるなっ!」
――人はどこから来てどこへ行くのか
拙者は、そのような問いに対する答えなど持ち合わせてはおらぬ
――魔物は何を願い何を望むのか
拙者にはそのような問いに対する答えなど到底持ち合わせてはおらぬ
ただ、拙者は思うのだ
この冒険をすることになったきっかけ
一匹のホイミスライムとの出会い
彼がなりたがっていた人間という生きものは存外、魔物よりも
酷い生き物なのではないかと…
今日も今日とて日は昇る
それがどんな一日になるのか拙者は知らぬ
拙者は占う術など持たぬし、占いが出来るものなどパーティーの中にはいない
ただただ、今日が良い一日だと願うばかりである
終わり
FC版のDQ4だったけど
勇者+女3人PTだとかなり火力出たなぁ。