1 : ◆VgLY1HQ3xE - 2015/07/26 01:45:20.84 4xWmtH4Ro 1/23

提督「すまないな響、手伝わせてしまって」

「いいさ、資料を運ぶことくらい」

提督「結構な量あるからな、階段もあるし足元気をつけろよ」

「ああわかった、気を付ける」

元スレ
【艦これ】響「守り合い」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1437842710/

2 : ◆VgLY1HQ3xE - 2015/07/26 01:49:18.21 4xWmtH4Ro 2/23

「それにしてもすごい量の資料だね」

提督「作戦の前はいつもこうさ」

提督「この膨大な資料から今回の作戦の、戦場である海域の情報を事前にある程度把握し」

提督「そこから必要と思われる人員、兵器、皆に伝えておかなければならない情報を読み取る」

提督「全ては少ない犠牲で、勝利を得る為」

提督「それが俺の役目さ」

「大変だね、司令官は」

提督「ま、最終的には、お前ら頼みなんだけどな」

提督「今回も頼りにしてるぞ、響」

「…うん」

「わかった、その信頼に応えよう」

3 : ◆VgLY1HQ3xE - 2015/07/26 01:51:14.19 4xWmtH4Ro 3/23

。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

提督「ここから階段だからな、気をつけろ」

「ああ、わかっている」

(ん、資料で足元がよく見えない…思ったよりも降り辛いな)

提督「ゆっくりでいいからな?」

「ああ、まだこれくらいなら大丈」

グラッ

(あれ?踏み場がない…)

(踏み…外した)

提督「響!!」

4 : ◆VgLY1HQ3xE - 2015/07/26 01:52:01.34 4xWmtH4Ro 4/23

。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

「…いてて」

提督「響!大丈夫か!?」

「…ああ大丈夫、すまない、足を踏み外してしまった」

提督「どこか痛む場所はないか?」

「どこも痛くはない、と思う」

5 : ◆VgLY1HQ3xE - 2015/07/26 01:53:32.61 4xWmtH4Ro 5/23

提督「…失礼」ギュッ

「ぃいっ!!」

提督「足、捻挫してるなこれ…」

「こ、これくらい大丈夫さ」

提督「痛みで涙流している奴が何言ってるんだ」

「な、泣いてなんかいない…!」

提督「もっかいギュッってやるか?」

「…ごめん、大丈夫じゃないかも」

6 : ◆VgLY1HQ3xE - 2015/07/26 01:54:34.63 4xWmtH4Ro 6/23

提督「とりあえず医務室で見てもらおう、というかこういうのって入渠で治るのか?」

「さあ?」

提督「まあ、医者に聞くのが早いか、ほれ、乗れ」

7 : ◆VgLY1HQ3xE - 2015/07/26 01:57:08.43 4xWmtH4Ro 7/23

「おんぶ?」

提督「歩けないだろ」

「えっと…」

提督「どうした?」

「…流石にこれは、恥ずかしいな…」///

8 : ◆VgLY1HQ3xE - 2015/07/26 01:57:54.95 4xWmtH4Ro 8/23

提督「恥ずかしがってる場合か、歩けないんだろ?」

「うう…」

「失礼します…」

提督「よし、しっかり手まわせよ」

「ああ」

9 : ◆VgLY1HQ3xE - 2015/07/26 01:58:38.62 4xWmtH4Ro 9/23

提督「よいしょっと」

グィ

提督「えっ…」

「ん?どうしたいんだい?」

提督「ん、ああいやなんでもない。さ、行くぞ」

「あ、ああ」

10 : ◆VgLY1HQ3xE - 2015/07/26 01:59:17.05 4xWmtH4Ro 10/23

。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

提督「…」

「…」

提督「…」

「…」

提督「…」

「…」

「…司令官、どうしたんだい?」

11 : ◆VgLY1HQ3xE - 2015/07/26 02:00:01.06 4xWmtH4Ro 11/23

提督「なにが?」

「さっきから、なんか変だよ」

提督「変だと?俺はいつも通りさ」

「私をおぶったころから、ずっと変」

提督「そんなこともないだろ」

12 : ◆VgLY1HQ3xE - 2015/07/26 02:01:38.55 4xWmtH4Ro 12/23

「司令官が思った以上に、私は重かったとかかい?」

提督「ちげーよ」

提督「むしろ軽い、軽すぎると感じた」

提督「…まだ子供なんだなって思った」

「?」

13 : ◆VgLY1HQ3xE - 2015/07/26 02:02:52.44 4xWmtH4Ro 13/23

提督「俺はさ、お前のこと信頼してる、頼りにしているんだ」

提督「お前がとても優秀で、いつも傍にいてくれるから」

提督「だからかな、俺はお前の事、大きく見ていた、見過ぎていた」

提督「もうこいつは子供じゃないんだって、感じてた」

14 : ◆VgLY1HQ3xE - 2015/07/26 02:03:48.03 4xWmtH4Ro 14/23

「…」

提督「お前をおぶったとき、軽くて、想像以上に軽くて驚いた」

提督「同時に実感した、ああ、こいつはまだ子供なんだって」

提督「俺はお前らを守るために存在している」

提督「だけど、実際はお前らに頼りきりなんじゃないか、守られてばかりなんじゃないか」

提督「そう、思ってな」

15 : ◆VgLY1HQ3xE - 2015/07/26 02:04:29.56 4xWmtH4Ro 15/23

「司令官…」

提督「すまん、急にこんなこといってしまって」

「なんで、私達が、私が、君の事を守るかわかるかい?」

提督「え…?」

16 : ◆VgLY1HQ3xE - 2015/07/26 02:05:41.75 4xWmtH4Ro 16/23

「答えは簡単さ、君が、私達の事を、私の事を」

「いつも、守ってくれるからさ」

「君は、どんな時でも私達を優先する、作戦のときはもちろん、君と過ごす日常でも」

「それに守られたことは、きっと何度もある、だって私はちゃんとここにいるから」

「君が守ってくれるから、私はここにいるんだよ」

17 : ◆VgLY1HQ3xE - 2015/07/26 02:06:30.55 4xWmtH4Ro 17/23

提督「…」

「そんな君を、私達を守ってくれる君を…」

「私達が、守らないわけ、ないだろう?」

提督「…」

「だからね、司令官」ギュッ

18 : ◆VgLY1HQ3xE - 2015/07/26 02:07:43.36 4xWmtH4Ro 18/23

「これからも、私のこと、守ってください…」

提督「ああ、守る、守って見せるさ」

提督「だから、お前も、俺の事、守ってくれ…」

「ああ、守るよ、絶対に…」

19 : ◆VgLY1HQ3xE - 2015/07/26 02:09:11.39 4xWmtH4Ro 19/23

(…君に言ったことは、本当だよ、半分は)

(残り半分は、違う)

(私が君を守る理由…)

(君の事が、大好きだから)

(たった、それだけ)

20 : ◆VgLY1HQ3xE - 2015/07/26 02:11:49.76 4xWmtH4Ro 20/23

(君を守っている瞬間、私は、君の事が大好きなんだと、実感できる)

(そして、君の事が大好きなんだと、実感したとき)

(私は、幸せを感じるんだ)

(だから、守る、それだけの理由…)

(だけど、私にとって、とても大きな理由…)

21 : ◆VgLY1HQ3xE - 2015/07/26 02:12:59.69 4xWmtH4Ro 21/23

(願わくば、君も、同じことを想ってくれていると、嬉しい)

(…だから、司令官)

(守らせてください…)

(これからも、君の事を…)

22 : ◆VgLY1HQ3xE - 2015/07/26 02:14:17.00 4xWmtH4Ro 22/23



___守らせてください



23 : ◆VgLY1HQ3xE - 2015/07/26 02:14:52.01 4xWmtH4Ro 23/23

終わり。

じゃあの

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