一方通行「アイドルをプロデュースだァ?」
土御門「あぁ、お前にはこれから765プロでプロデュース活動してもらう」
一方通行「……グループはいつから職業斡旋組織になったンだよ」
海原「えっと、新手の嫌がらせか何かですか土御門」
土御門「えらくマジさ」
一方通行「イかれてンじゃねェのかテメェは?」
土御門「イかれてるとしたら上の奴らだ。直々の命令だからな」
元スレ
【アイマス】一方通行「アイドルをプロデュースだァ?」【禁書】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1434772073/
結標「てゆうかこの人格破綻者にアイドルをプロデュースさせるとか何が目的よ?」
土御門「さぁな、ただ一方通行に向かわせろとしか言われてない」
海原「何故彼なんでしょうね?単純にアイドルをプロデュースさせたいなら僕の方が適任だと思いますが……」
一方通行「やっすい挑発だなァ!ショタコンにストーカーがよォッ!!」
土御門「言っとくが拒否権は無いぞ、これは正式な命令だからな」
一方通行「チッ、つーかよォ学園都市にアイドルとか存在すンのか?それっぽいのなんてオリジナルくらいだろ?」
海原「ぽいではなく御坂さんはアイドルですよ一方通行さん」
一方通行「テメェの中でだけだろ死ね」
土御門「あぁ、その事なんだが一方通行には学園都市の外に出てもらう」
海原「マジですかお前が死ね」
結標「そんなの良く罷り通ったわねというか全員死ね」
土御門「俺は関係無いだろ」
土御門「まぁ、そういう事で明日からお前は暗部から仮釈放だ。休暇だと思って楽しんでこい」
一方通行「…………」
結標「まぁ、このロリコンがアイドルの子と接しても楽しめるとは思わないけどね」プククッ
一方通行「ハッ!なンだァそりゃァ?今の笑い声かァ?きっめェなァッ!!」
結標「ア、アンタにだけは言われたくないわよッ!!」
土御門「受け取れ一方通行」ヒョイ
一方通行「チョーカーか?」パシッ
土御門「アイドルをサポートするのに杖では不便だろうと、上からの支給品だ。それがあれば杖無しでも行動できるし活動限界も無い」
海原「暗部にしては随分太っ腹じゃないですか」
一方通行「上の奴らは馬鹿か?俺が自分達に叛旗を翻すとは思わねェのかよ」
土御門「ちゃんと考えてるさ、それを付けてる時はお前の演算能力が半減する」
一方通行「なるほどねェ……で、なンでわざわざ半減に留めてるンだよ?全部失くしちまえばいいじゃねェか」
結標「それ本気で言ってる?能力の無いあなたなんてただのパンキッシュもやしよ?」
土御門「まぁ、そういう事だな。これは完全にご厚意というやつさ」
海原「半減でも充分化け物ですけどね」
一方通行「チッ、くっだらねェ……」
土御門「分かったらさっさと支度しろ」
一方通行「へィへィ」ハァ-ッ
海原「あの、最後に言いですか?何でこの件を伝えるのに僕と結標さんまで呼ばれたんですか、関係ないですよね?」
土御門「想像してみろ、このカニバリズムもやしウルトラマン野郎がアイドルのプロデュースをするんだぞ?俺たちにとって愉快なニュースだと思ってな」
海原「どんな顔で営業するつもりなんでしょうねw」
結標「くっwwwちょっとw笑っちゃ可哀想じゃないww」
一方通行「お前らホンット良い性格してるよなァ挽き肉にしてやりてェよ……」
土御門「まぁまぁ、ある程度の情報はお互いに共有するものだろ」
海原「それにこう見えて結構心配してるんですよ?」
結標「そうね、だって私達……」
土結海「仲間だもんげwwwwwwwwwwww!!!」
一方通行「オレがいねェ間に守りたかったモノを失った後死ね」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
〜〜〜東京〜〜〜
一方通行「ここか……」
一方通行(ボッロい雑居ビルだなァ、看板らしいのとかガムテープじゃねェか…)
一方通行(つーかいきなり来たけど話は通ってンだろうなァ?)
一方通行「まぁ取り敢えず入ってみるか」ガチャ
一方通行(中も外見通りじゃねェか、本当にアイドル事務所なんだろうなァ)キョロキョロ
小鳥「あの〜どちら様でしょうか?」
一方通行「あン?」
小鳥(いやんッ!かなりのイケメンねえ……性別がどっちかわからない、けどそこがイイわ!!)
一方通行「……おめェこそ誰だよ?」ギロッ
小鳥(新しくスカウトしたアイドルの子かしら?その鋭い眼光もグッドよ!)
小鳥「あ、私765プロの事務員の音無小鳥です」ニコッ
一方通行「アクセラレータ」ムスッ
小鳥「えっ?」
一方通行「チッ、オレの名前だよッ!そう呼ンでくれりゃあいい」
小鳥(まさかのオレッ娘キター!それにしても変わった名前ねえ)
小鳥「ア、アクセラレータちゃんね、分かったわ」
一方通行「あァ?ちゃンだァ!?」
ガチャッ
高木「おぉ!来てくれたかね一方通行君!」
小鳥「あ、社長〜おかえりなさい!」
一方通行「」
一方通行(社長くッッッッッろ!!!!!!)
高木「いや〜待ってたよ一方通行君!」
一方通行「…………」
一方通行(なンでコイツこンな黒いンだよ……顔とかわかンねェじゃねェか)
小鳥「あの〜社長、この子は新しいアイドルですか?」
高木「ん?ハハハッ、違うよ音無君!この子は我が社待望のプロデューサーさ!!」
小鳥「えぇ〜〜っ!!!けどこの子まだ未成年ですよね!?」
高木「ん〜どうだろうねえ、私も実は彼の詳しいプロフィールは知らないんだ」
小鳥「なんで知らない子を雇ったんですかぁ〜!!」
高木「いや〜、私の友人の紹介でね?プロデューサーが居ないと言ったら彼はどうか、と顔写真を送ってきたんだよ。その写真を見てピン!と来てねぇ」
小鳥「またそれですか……というか、え?彼なんですか?彼女じゃないんですか?!」
高木「ハハハッその点についても彼に聞いてみようじゃないか」
一方通行「……その前によォ、アンタにオレを紹介したって腐れ野郎は何処のどいつだ?」
高木「なんだ、直接知らされてきたわけじゃなかったのかい?紹介してくれた友人の名はアレイスターだが」
一方通行(予想はしてたが……チッあの野郎何考えてやがるッ!?)ギリッッ
一方通行「でェ?アレイスターと友人とほざきやがるてめェは何者だよ、どういう関係だ?」
高木「私はただの芸能プロダクションの社長高木順二朗だよ一方通行君、そしてアレイスターとは……メル友だ」
一方通行「は?」
高木「メル友だ」
小鳥(社長メル友とかいるんだ……私はいないけど)
高木「さぁ君の疑問には答えた。次はこちらの番だ一方通行君」
一方通行「……名前は、覚えてねェ。だからさっきそこの女にも言ったが一方通行でいい」
高木「ふむ」
小鳥(厨二病ってやつかしら?)
一方通行「見た目は……見りゃわかンだろ男だ、一応な。年齢はアー、確か15、6だったかァ?家族はいねェ。今までは学園都市に住ンでた」
小鳥(プロフィールが曖昧過ぎる……というか学園都市って学生は自由に行き来できる場所じゃないわよね?)
高木「なるほど、良く分かったよ」
小鳥「えぇ!?今ので分かったんですか!?というか16歳ですよ!?法律的にプロデュース活動なんて出来ませんよ!!」
高木「アレイスターがそこは不自由なく出来るようにすると言っていたからきっと大丈夫さ!」
小鳥「……そのアレイスターさんというのは何者なんですか〜!?」
一方通行「糞みてェな権力者だ、しかも並じゃねェ……アイツが行動に移した以上オレにもてめェらにも拒否権なンざ存在しねェのさ」
高木「そういうことさ。それに音無君!彼の目を見たまえ!実際に目と目で話してみて分かったが彼ならきっと立派なプロデューサーに成れると確信したよ!ははははは!!」
一方通行(えっえ?!いつ目と目が合ったンだよッ!つーか目ェどこだよコイツ黒過ぎて怖ェよ!!…………帰りてェ)
小鳥「はぁーそうですねぇ」
小鳥(まぁイケメンで若いし、しかも学園都市ってことは将来エリートよね?納得しない理由なんてないでしょ小鳥!!)
小鳥「けど、あの子たちが納得してくれるでしょうか?」
一方通行(この人あンまオレの事歓迎してねェのかなァ……まァそりゃそォだよなァ)
高木「う〜ん、それは一方通行君次第だろうねぇ。時に一方通行君!!」
一方通行「あン?」
高木「これから君と私は一応は上司と部下だ」
一方通行「?……あァ」
高木「二人っきりの時は今のままで良いが、アイドルの子たちの前では敬語を使ってくれたまえ」
一方通行「そりゃまたなンで?」
高木「何故ってそっちの方が社長と部下っぽいだろう!?」
一方通行「……はァ」
小鳥(社長にとって初めての男の部下だものね……ひけらかしたいのかしら)
小鳥「あ!でも私にはいつでもタメ口でいいからね一方通行君!」
一方通行「……ありがとうございます音無さン」
一方通行(どーせ逃げれないンだしこれ以上嫌われないようにしとこ……)
小鳥「ピヨッ!なんでぇ!?」
一方通行「そンでェ社長?アイドルをプロデュースって具体的にどォすりゃ良いんだァ?」
高木「あぁ、音無君。彼に例のものを」
小鳥「はい社長!」シュタッ、スッ
一方通行「これは?」ペラ...ペラ...
小鳥「はい!それはいつプロデューサーさんが来ても良いように用意しておいたマニュアル、小鳥’Sマニュアルです」
一方通行「ふゥン……」パラパラパラ
一方通行(うわァ、これオレが色ンな奴に頭下げなきゃいけねェって事だよなァ?しかもアイドルのメンタル面のフォローとか知らねェよ面倒臭ェ……)パラパラパラパラパラ
小鳥(あぁっ!あんなに頑張って作ったのに流し読みされてる……もしかして分かりにくかったかなぁ)ショボ-ン
一方通行「分かった全部覚えた」
高木「流石、アイツの紹介だけあって優秀だねキミィ!!」
小鳥「私の説明が分かりにくかったんじゃなかったの!?」
一方通行「あ、あァ……別に普通に分かりやすかったけど」
一方通行(つゥかオレが分からないレベルの文書とか存在しねェと思うがなァ)
小鳥「良かったわあ」パァァ
一方通行「現状を把握しときたいンだけどよォ、オレは誰をどこまでプロデュースしてそのアイドルは今アイドルランク何ランクなんだ?」
高木「誰、というより全員だね」
一方通行「全員だァ!?この事務所には何人のアイドルがいンだよ?」
高木「12人だ。この12人のアイドルをAクラスのトップアイドルにしてもらいたい!ちなみに殆どの子が現在Eランクだ」
一方通行(……何が休暇だ土御門の野郎ォ!!何年帰れねェと思ってやがるッ!!)
一方通行「才能ねェンじゃねェのそいつら?」
高木「いいや、彼女達はダイヤの原石さ、それも特大のね。そこは私が保証する」
一方通行「じゃあなンでEランクなンだよ……」
小鳥「それはプロデューサーがいなかったから今まで彼女達のセルフプロデュースに任せてたからなのよ……」
一方通行「セルフプロデュース……どンだけ終わってンだよこの事務所は…………」
高木「ハハッ」
小鳥「早速アイドルの子達を紹介してあげたいところなんだけど、もう全員帰っちゃってるのよねえ」
高木「あぁ、だから君に本格的に動いてもらうのは明日からになる」
一方通行「……そォか」
高木「まぁ、もちろん君一人に全てを背負わせたりはしない!何か助けて欲しい事があったらいつでも言ってきたまえ!!私達はもう仲間なのだから!!」
小鳥「良い事おっしゃいますね社長!!私ももちろん助けるから、一緒に頑張ろうね一方通行君」ニコッ
一方通行(マジで始まっちまうのか、プロデュース活動……)
高木「さ、今日は説明ばかりで疲れたろう。もう帰っていいから明日に備えてゆっくり休みなさい」
一方通行「あァ、そうすッ………」
一方通行(どこに帰ンだよオレ……)
一方通行「……あのォ〜社長ォ、ちょっと助けてもらいたい事があるンですがねェ〜」
高木「!早速かいキミィ!!一方通行君は可愛いなぁ!」
小鳥(やっぱり社長男の部下が嬉しいのね)
カクカクシカジカ
高木「ふ〜む、どうしたものかなぁ。本来なら会社が用意した社宅に住んで貰うとこだが知っての通りウチは弱小プロダクションだからねえ」
小鳥(!これはチャンスよ小鳥!!)
小鳥「あ、なら一方通行君はしばらくの間私のウ「そうだ!!」
高木「社宅が無いのなら会社を家にしてしまえばいい!良いアイディアだとは思わないかね!!」
小鳥「で、でも此処には満足なベッドやお風呂も無いじゃないですか!!その点私のウチな「かまわねェっスよ音無さン」
一方通行「屋根があンならオレは大丈夫だァ社長。幸いここにはソファーもあるし、風呂も探せばあンだろ」
一方通行(風呂行くの面倒臭かったら能力使えばいいしなァ)
小鳥「…………」
高木「そう言ってくれるかい!!この事務所にあるものは好きに使ってくれて構わないからね」
一方通行「あァ」
高木「では私たちは今日の所はもう帰るよ、そうだ!これからご飯でも食べに行くかい?もちろん私の奢りだ!!」
一方通行「いや、悪ィけどよしとくわ」
高木「そうか残念だ……では日を改めてだな!行こう音無君、ではな一方通行君!!」
小鳥「マタアシタ」
一方通行「お疲れ様でした音無さン」
バタンッ
一方通行「……変わった社長だなァ」
一方通行(そういやこの会社何時始業なンだ……?)
一方通行(……いいや面倒臭ェ、もう寝ちまおう腹も減ってねェし)バスッ
一方通行(中々寝心地良いソファじゃねェか)
一方通行(……プロデューサーとかオレに勤まンのかなァ?アイドルってオレと同世代の女だろォ?思春期とかうぜェンだろォなァ……)ゴロン
一方通行(……やべェ、本気で嫌になってきた……打ち止め元気にしてっかなァ?まァ黄泉川達のとこだから大丈夫か。大丈夫なのか?)ゴロン
一方通行(アイツが作れる料理炊飯器を用いたものだけになンじゃねェのかww…………………………………………一緒に頑張ろうね一方通行君、か……現実逃避してる場合じゃねェ。頑張ろう……)スヤァ
〜〜〜翌日〜〜〜
パシャッ!パシャッ!...フヒッ!パシャッ
一方通行(あァン?なンだァこの音は?つゥかもう朝かァ?)ユラァ
一方通行「音無さン?」
小鳥「ひゃッ!!ア、一方通行君起きてたの!?」ササッ
一方通行(いきなり話かけたらビビるよなァ)
一方通行「あァ〜すンませン今起きたトコです。驚かせちゃいましたねェ」
小鳥「い、良いのよそんな事全然気にしなくて!!」ダラダラ
一方通行「つゥか音無さン事務所来ンの早くないスか?まだ7時ですよ」トケイチラッ
一方(それともこの事務所こンぐらいが始業時間なのかァ?……社長黒いしなァ)
小鳥「えっ!?あ〜いやぁ〜」ダラダラ
小鳥(い、言えないわ!早い時間に事務所に来て一方通行君の寝顔を盗撮してそれを使って良からぬ事をしようとしてたなんて絶対言えない!!)
小鳥(落ち着いて小鳥!あなたにはこんな事もあろうかと用意しておいた保険があるじゃない!!)
小鳥「ア、一方通行君が多分朝ご飯とかまで買ってないだろうと思って色々買ってきたのよお〜、もしかして余計なお世話だったかな」ニ.ニコッ!
一方通行「あ、ありがとうございます!」ジ-ン
一方通行(なンて良い人なンだ音無さン……不安だった時に久しぶりに人に優しくされたから余計心にきやがるッ!)プルプル
小鳥(ごまかせたかな?もうひと押しよ!)
小鳥「あとコレ、社長からよ!」スッ
一方通行「……金じゃないスか」ビラ
小鳥「給料が出るまでこれで凌いでくれ、って。あ、心配しないでそれはお給料の前借りとかじゃなくて単純に社長のご厚意だから!」
一方通行(ッンとにこの人らはよォ!)
一方通行「……ありがとうございます、オレ…社長と音無さンの役に立ちますから」
小鳥(か、間一髪だったわね。明日からはもっと気をつけよう)
小鳥「そうそう、社長から伝言も預かってるんだけど……今日は11時ぐらいまで事務所の外にいて欲しいそうよ?」
一方通行「外ッスか」
小鳥「えぇ、一方通行君にはウチの子達のサプライズとして登場してほしいみたい。どうかしら?」
一方通行「はァ……別に社長の頼みなら断る気ねェスけど」
小鳥「分かったわ、社長にも伝えとくわね……そうだ!お金も貰った事だし生活必需品でも揃えてきたらどうかしら!!一方通行君さえ良かったら私も付き合うわよっ!?」
一方通行「や、オレ1人でいいッス。音無さンは休ンでて下さい」
小鳥(ふ、振られたわ〜)オロロ
一方通行(これ以上この人達に世話を焼かせるわけにはいかねェ……)
〜〜〜外〜〜〜
一方通行「生活必需品つってもなァ……」
ガヤガヤガヤガヤ
一方通行(大抵コンビニで足りンじゃねェのかァ?)
一方通行(あァ服とか買うかァ。汚れなンて本来なら能力使って消しちまえばいいが、なンで洗濯しないンだとか言われたら面倒だしなァ)
一方通行(そもそも能力について説明すンのがたりィ、それに年頃の女は毎日同じ服の奴とか嫌いな気がする……チッくっだらねェ)
一方通行(社長がくれた金は……あンまり使いたくねェなァ、安い服屋か…安い服屋なンてわかンねェぞ?!殆どカードで済ましてたからなァ……)
一方通行(まてよ?確か前に黄泉川達がユニクロの服が安いとか言って馬鹿みてェに買い込ンでやがったよな?)クカカッ!
一方通行(……オイオイやべェなァあっというまに進展しちまったァ!そうと決まりゃ早速買い出しだ)エッ-イィ☆
〜〜〜ユニクロ〜〜〜
一方通行「さて……」キョロキョロ
一方通行「……!」カチャ
一方通行「………」カチャ
一方通行「………!!」カチャ
一方通行(イイねイイね最っ高だねェ!きっちり服屋やってンじゃン!!三下向けの店だと思ってナメてたぜユニクロくンよォ)
一方通行「これとか特に……」カチャ
土御門『やるよこのアロハ……ッ!!いいから!黙って受け取れ一方通行!!』
結標『クスッ何よその格好?あなたまさかその服格好良いとか思って着てるんじゃないでしょうね?』プッ
海原『おや!一方通行、相変わらず愉快な服装をしていますね。前から聞こうと思っていたんですがあなたには何の罰ゲームが科せられているんですかw?』
打ち止め『えっ、あなたの服装?正直無いかなって……』
打ち止め『あ、でもでもその変テコな服は嫌いだけどあなたの事は大好きだよってミサカはミサカは最高のフォローをしてみたり!!』エヘヘッ
一方通行「……………………」
一方通行「…………白と黒の無地のものを何着か買おう」
アリガトウゴザイマシタ-!!
〜〜〜外〜〜〜
一方通行「出費は結構抑えられたな」
一方通行(さてどうするか……そこら辺ブラつくかァ?ここなら歩いてても絡まれねェだろうしな)
一方通行「………………」ブラブラ
一方通行(どいつもこいつも平和ボケした面してンなァ。学園都市じゃ考えらンねェ……でもコレが普通なんだよなァ)
「は、離して下さいぃ!!」
一方通行「あァ?」
不良「へへ、良いじゃんかよ暇してんでしょ?」
不良2「そーそー、君遊び馴れて無さそうなトコがいいよねどっか行こうよぉ〜」
雪歩「だ、誰か助けてっ……」
一方通行(裏路地から叫び声したと思ったら……学園都市以外にもあンなゴミみてェのがいンだな)スタスタスタ
不良2「すみませーん!!この子を僕達から助けてくれる親切で勇気のある人いますかー!!」
不良「いるわけねえってw!さて、助けも来ないことが分かったところで……」
雪歩「ひっ……」
一方通行「よォ、シケた遊びでハシャいでンじゃねェぞォ三下ァ?そんな事よりもっと面白い遊びで盛り上がろうぜェ」ケタケタ
雪歩「え……」
不良「あぁ?なんだてめぇ!!」
一方通行「……通りすがりの悪党だ」
不良2「ふざけた事言ってんじゃ…ブハァ!?」
一方通行「あァあァ、つい虫ケラに触わっちまったよォ」アハッギャハッ!
不良2「」ビクビク
不良「お、おい……」
一方通行「おォおォ可哀想にィ、鼻が折れて頬骨が陥没してやがるゥ」ニタニタ
一方通行「でもよォ、これでもコイツは運が良い方なんだぜェ?普通は俺の前に立ったヤツはミンチになるンだからよォッ!」ニヤァッ!
不良「ヒ、ヒィー!!」ダッ
一方通行「……あァ?愉快にケツ振りやがってェ、誘ってンのかァ?」ドンッ!
不良「ガッ!?だ、誰か」
一方通行「助けなンて来ねェよ、てめェら自身がそう言ってたじゃねェか」
不良「あ、うあ、あぁっ!!」ジタバタ
一方通行「引き金はお前らが引いたンだァ……末路も受け取れ」ビキビキゴキバキッ!!
不良「がァああああああッ!!!うぅうっ……」
一方通行「さて……」クルッ
一方通行「立てるか?」
雪歩「は、はいぃっ!」
一方通行「……チッ、ンなにビビンなくてもてめェを取って食ったりしねェよ」
雪歩「あ、違うんです!これはあなただけじゃな「でェ?」
雪歩「え?」
一方通行「なァンでお前みたいな大人しそうな奴がこンなとこいンだよ?」
雪歩「そ、それは友達との待ち合わせに遅れそうで……こ、ここは近道なんですぅ!」
一方通行「ふゥン…まァもうこれに懲りたら二度とこンな怪しげな道は通らないようにすンだな。毎回助けがあるか分かンねェンだからよォ」
雪歩「は、はい、本当にありがとうございました!!」オジギッ!
雪歩「…………」
雪歩「あのぉ〜、」チラ
雪歩「!、居なくなっちゃった…まだ名前も聞いてないのに…………し、少女マンガみたい///」
一方通行(糞がッ!人が折角良い気分の時によォ……)
一方通行(ここから765プロまでそォ距離は無ェ……ここら辺にあァいう輩がいるって分かっただけでも収穫か)
一方通行(小鳥’Sマニュアルにもプロデューサーたるものアイドルを全てのものから守るべしって書いてあったしなァ)
一方通行(まァ……そろそろ時間だし最後にコンビニ行くか)
アリガトウゴザイマシタ-!
ウィーン
一方通行「……」プシュッ
一方通行「……」ゴクゴク
一方通行「ぷはァ!やっぱ缶コーヒーはブラックに限るぜェ」ヴヴヴヴッ
一方通行「ン、……あァ社長かァ、あァ…あァ……分かった、ドアの前で待機だな?すぐむかう」パタンッ
一方通行「さァて、行くとしますかァ……」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
〜〜〜765プロ〜〜〜
ガヤガヤガヤ
社長「あーオホンッ、皆すまないがこっちに集まってくれるかい?」
亜美「なになに社長〜」トテテッ
真美「なんか重大発表〜?」トテテッ
伊織「まさかこの事務所潰れるとかじゃないでしょうね?」
響「なっ!?そんなの自分困るぞ」
やよい「えぇ〜!それは私も困るかな〜って」
律子「そんなわけないでしょ?良いから黙って聞いてなさい」
社長「うむ、ありがとう律子君。話というのは他でもない、ついに待望のプロデューサーが来てくれたんだ!」
全員「えぇ〜〜〜〜っ!!!!!!」
律子「やっと、やっと私への負担が……」ウルウル
雪歩「プ、プロデューサーってやっぱり男の人ですよね…」
あずさ「良い人だといいわ〜」
千早「はぁ、やっとですか……」
社長「さぁ、入ってくれたまえ!」
一方通行「!」
一方通行(緊張すンなァ)ガチャ
社長「ささっ、こっちに来て自己紹介を」
一方通行「あァー、今日からお前らのプロデューサーを務める一方通行でェす、よろしくゥ」ペコッ
全員「………………」ポカ-ン
春香(え、本名?)
貴音(面妖な出で立ちをしていますね……)
真(性別はどっちなんだろう?)
美希(真くんに負けず劣らずのイケメンなの)
社長「ど、どうしたんだい皆、ほら拍手拍手〜」パチパチパチ
全員「…………」パチ...パチ...
一方通行(そりゃァ受け入れてもらえねェよな。まァ馴れてンけどな……)
パチパチパチパチ!
一方通行「ん?……」チラ
小鳥「フフッ」パチパチパチ
一方通行(音無さン……)
雪歩「あ、あの!!」
一方通行「あァ?」
雪歩「先程はありがとうごさいました一方通行さん!!」
一方通行「てめェは……」
真「え、じゃあこの人がさっき言ってた雪歩を助けてくれた人!?」
雪歩「うん」
春香(不良みたいだけど良い人なんだなぁ)
一方通行「アイドルだったのかよ」
雪歩「はい、荻原雪歩です。よろしくお願いします」
一方通行「……ッンめェ、アイドルのくせにあンなとこほっつき歩いてンじゃねェ!!自分の体は大事な商売道具って自覚ねェのかァ!!あァ!?イイか!?二度とあンなとこ1人で歩くンじゃねェ!!」
雪歩「ひぃ!ごごごごめんなさいぃ!!」
春香(良い人……?)
一方通行(糞がァ!ゴミ掃除はボチボチやろォと思ってたが今日から徹底的にやるしかねェ)
社長「おや、そんな事があったのかい?やはり君を雇って正解だったよ。さて、皆も一方通行君に色々聞きたいところがあるだろしここで質問タイムといこうか」
律子「はい!」
社長「はい、律子君」
律子「一方通行さんは見たところかなりお若いですが何歳なんですか?」
一方通行「16ゥ」
あずさ「あらあら〜」
律子「16!?アイドル達を仕事先に送れないじゃないですか!!」
雪歩「年下だったんだぁ」
小鳥「その事なんですが、一方通行君これを」
一方通行「免許証?」
社長「生年月日も確認してみたまえ」
一方通行「……あァ、今のは嘘だァ。本当は20歳、車の免許もちゃンとあンぞ」ホレ
全員(えぇ………………)
律子「…………」
社長「まぁまぁ律子君、彼については心配いらないよ。身元も私が保証する」
律子「……まぁ、社長がそう言うなら。ただ、アイドル達が一方通行の車に乗る前に私に彼の運転技術を見定めさせて下さい。もし事故でも起こされたら笑い事じゃすみませんからね」
一方通行「構わねェ」
小鳥「一方通行君、運転できるの?」ボソボソ
一方通行「大丈夫ッす」ボソボソ
一方通行(最悪能力使えばいいしなァ)
亜美「りっちゃんの質問は終わり?」
真美「じゃあ次は真美たちの番ね!」
社長「あぁ、どうぞ」
真美「その髪って染めたの〜?」
亜美「瞳はカラコン〜?」
一方通行「地毛。自前」
亜美「えぇ〜!それだけー?」
真美「それでは質問の回答になってないよキミィ」
一方通行「うっぜェぞ糞ガキども」
亜美「あぁ!?暴言だ暴言!!」
真美「社長ー叱ってー、真美たち心を傷付けられたYO!」
社長「………一方通行、この後社長室に来なさい」
一方通行「!……はィ」
小鳥(社長ニッコニコしてるわねえ、今まで叱るとかなかったものね)
社長「さて、他には」キョロ
真「はい」
社長「はい、菊地君」
真「その……一方通行は男?女?」
小鳥「やっぱり気になるわよねえ」
一方通行「……見てわかンねェか?」
真「わかんないから質問したんじゃないか」
一方通行「男だ」
真「はぁー、やっぱそうだよね」
真(男の人に間違われる苦しみを共有できる人に出会えたと思ったんだけどな)
貴音「よろしいですか?」
社長「四条君」
貴音「質問という訳ではないのですが…………」ズイッ
一方通行「!」ビクッ
貴音「……」ジ-
一方通行「……」
一方通行(顔近ェよ、息が掛かってンだが……)
響「ちょちょっ、貴音〜!いきなりどうしたんさー?」
貴音「……いえ、私の勘違いでした。お気になさらず」スッ
一方通行(なンだァこの女ァ……?)
真美「うひゃー、お姫ちんいきなりチューしちゃうのかと思ったよ〜///」
雪歩「わ、私もです〜///」
伊織「私、いいかしら?」ビッ
社長「水瀬君」
伊織「あんた、見るからに怪しいのよねえ…ちゃんと自分の経歴を一から説明しなさいよ」
一方通行「あァ?経歴っつってもなァ……ンなのどォでも良くねェか?」
一方通行(ボロが出ンのもうぜェしな)
伊織「良くないわよ、言い方変えてあげましょうか?アンタみたいな素性もわかんない奴にプロデュースされたくないって言ってんの!!」
やよい「い、伊織ちゃん…」
一方通行「……小学校以前の記憶はねェがいいか?」
伊織「言ってみなさい」
一方通行(いちいち癪に障るガキだなァ……)
一方通行「つっても経歴らしい経歴は無ェがな。小学校からつい昨日まで学園都市で住ンでた」
伊織「学園都市ですって?」
一方通行「……オレはいわゆるエリートでよォ、学園都市の研究所で色ンな研究に協力してた。この髪やら目やらはその研究の影響だ」
伊織「…………」
一方通行「あァ最終学歴は高校中退で良いのかなァ、クカカッ!まァ、小中高とまともに学校なンてもンには行ってなかったけどなァ」
一方通行「そンでダラダラ生きてたとこをお偉いさんからお呼びが掛かってこの765プロに配属されたって訳だ」
一方通行「……これで良いかよ?」
社長「ちなみに彼を呼んだのは私自身の意思でもある」
伊織「…………」
春香「学園都市出身なの!?良いなぁ、学園都市って言ったら学生の憧れだよね!」
美希「そーいや、クラスメイトが学園都市にどうしても行きたかったとか嘆いてたの」
伊織「馬鹿ねぇ、学園都市はそんなに良い場所じゃないのよ」
一方通行「………外の人間にしちゃあ、よォくご存知じゃねェかデコっぱち」
伊織「誰がデコっぱちよ!!私には水瀬伊織っていうスーパーアイドルに相応しい名前があんのよ!!」
美希「デコちゃんはデコちゃんなのー」
一方通行(水瀬?……水瀬っつったら水瀬財閥だよなァ、どォりで学園都市の実情を知ってる訳だ)
一方通行「それでェ?オレはお前のお眼鏡に叶ったンかよ水瀬伊織」
伊織「叶うわけないでしょっ!だからこのアタシに信用されたきゃアンタの実力で示しなさいよ!!」フンッ
一方通行(一応は認めたってか……ツンデレってやつかァ?だァから年頃のガキは面倒くせェンだよ)
千早「あの」
社長「如月君」
千早「さっきの話からすると、あなたは望んでプロデューサーになったわけではないんですよね?」
一方通行「まァな」
千早「アイドルのプロデュース経験もないんですよね?」
一方通行「あァ」
千早「……そんなあなたにプロデューサーなんて勤まるんですか?」
あずさ「年下の子にプロデュースされるなんて私は嬉しいけど〜」
千早「そういう問題ではないですあずささん」
一方通行「やってもねェうちに出来るなンてのたまうつもりはねェよ」
一方通行「ましてオレは初心者だァ。だから別に今すぐに信用して欲しいなンざ言わねェ、さっきのデコの言う通り自分で勝ち取るからよォ」
一方通行「良い機会だから言っとくが、オレの目標はお前ら全員トップアイドルだ」
千早「全員って……」
雪歩「わ、私なんかじゃ無理ですよぅ〜」
あずさ「私だってみんなより年上だしね〜」
一方通行「無理なンかじゃねェ……オレが可能にしてやる、オレはその為に呼ばれてきたンだ」
亜美「ヒュー!!かっこE!!惚れちゃいそうだぜぇアクセラレータァァあああ!!!」
一方通行「お前それ二度と言うな。トラウマが甦った」
響「自分は別にどこの誰がプロデューサーだろうと気にしないぞ。自分は完璧だからな!」
やよい「うっうー!これから一緒に頑張りましょう一方通行さん!ハイ、タッーチ!」スッ
一方通行「……?」
やよい「うぅ、ハイタッチすると元気が出るんですよー?もう一回行きますよハイ、タッーチ」スッ
一方通行「……」スッペチンッ
やよい「いぇい!!」エヘヘ
一方通行(……可愛いじゃねェか!!)
春香「私の夢もトップアイドルなの、これから一緒に頑張ろうね一方通行?千早ちゃんもいいよね?」
千早「まぁ、私はプロデューサーとしてやる気があるか確認したかっただけだから……」
社長「うむ、質問はこのくらいかな?じゃあ早速いつもの業務に戻ろうか」
小鳥「と言っても殆どの子は仕事無いんですけどね、はは……」
一方通行「あ、じゃあ1人1人と面談していいスか?」
小鳥「?」
一方通行「いやァ、そいつ自身の人となりを知っとかねェとどんな仕事が合ってるか分かンねェかなって……」
社長「それもそうだね、ではどんな順番に……」
律子「あ、なら竜宮の子を先にして貰っていいですか?午後から仕事があるんです」
一方通行「竜宮?」
社長「竜宮小町といって我が社で唯一のCランクのユニットだよ、律子君が企画してね。メンバーは」
亜美「亜美とぉ!」
あずさ「私と」
伊織「私よ」
律子「ちなみにリーダーは伊織よ」
一方通行「なるほどねェ、じゃあ水瀬からこっちのソファ来い」クイクイ
伊織「ちょっとぉ!名字で呼ぶんじゃないわよ」
一方通行「あァ!?デコって呼ぶなっつったり名字で呼ぶなっつったりなンなンでェすかァッ!?」
伊織「名字で呼ばれるの嫌いなのよ……だから特別に伊織ちゃん☆って呼ばしてあげる。光栄に思いなさい」
一方通行(これからやってく奴らだから色々我慢してたけどよォ…好い加減ブチ切れそォだぜェ……)ワナワナ
春香「あ、なら私たちの事も呼び捨てで呼ぶのはどうかな?」
一方通行「あ?」
春香「だって一方通行は私たちと仲良くなりたいんだよね」
一方通行「……信用してくれりゃそれでいい」
春香「同じ事だよ、私たちだって早く仲良くなりたいし!良いよねみんな?」
全員「さんせー!」
春香「はーい、決定しましたー。じゃあよろしくね一方通行っ!」
一方通行「……ケッ」プイ
小鳥(良かったわね、一方通行君)
社長「順二朗か……中々良いじゃないか!!」
〜〜〜来客用ソファ〜〜〜
伊織「面談って何すんのよ?」
一方通行「そォだなァ、ここはベタにアイドルになった理由でも聞いとくかァ?」
伊織「そうねえ、私がアイドルになった理由は家族を、特に兄様たちに私を認めてもらう為よ!私は水瀬の力を借りずに立派になるの…ならなきゃいけないのよ……」
一方通行「……なるほどねェ」
伊織「笑わないの?」
一方通行「笑わねェだろ……まァ世界平和目指してるとか言われたら笑っちまうかもしンねェが」
伊織「ふ〜ん」
一方通行「会った時から気になってたンだけどよォ、その大事に抱えてるぬいぐるみはなンだ?」
伊織「シャルル・ドナテルロ18世よ。私の大事な宝物なの」ナデナデ
一方通行「厳つい名前してンのな」
伊織「そういえばアンタ身体のカラーリングがウサギそのものじゃない。撫で撫でしてあげましょうか?にひひっ」
一方通行「ハッ、言われ慣れ過ぎて挑発にもなンねェよ」
一方通行「……お前やりたくねェ仕事とかあンのか?」
伊織「何よソレ、やりたい仕事じゃなくて?」
一方通行「やりてェ仕事ができねェより、やりたくねェ仕事が続いた方が精神的にキツイだろ」
伊織「さぁね、それは人によるんじゃないかしら?まぁでもやりたくない仕事なんてないわよ。プロである以上なんだってやってみせるわ」
一方通行「そりゃ安心だ」
伊織「伊織ちゃんはスーパーアイドルになるんだから当然でしょ!ま、竜宮もまだまだ忙しいしアンタにプロデュースされるのは先の事でしょうけどね」
一方通行「良い事じゃねェか……面談はこンなとこだな」
伊織「あら、もう終わり?なんだか拍子抜けね」
一方通行「元々そンなに時間割く気は無かったからなァ……あァそうだ」スッ
一方通行(ついでにコイツらの健康状態も調べてやるか)
伊織「な、何よ?」
一方通行「何って握手だよ…これからよろしく頼むわ伊織」
伊織「ア、アンタ意外に熱血!?しょうがないわね!はい、これでいいんでしょっ!?」ギュッ
一方通行(うン、異常無し)
一方通行「おォ、次の奴連れてきてくれ」
一方通行(水瀬伊織か、最初は糞生意気なガキだと思ってたが、ありゃあワザとでけェ態度取る事によって自分追い込ンでンだなァ)
一方通行(仲間内にもキツイ口調だったが、今にして思えばあいつ、オレが怒鳴った時周りの奴らがビビってねェかちょくちょく伺ってやがった)
一方通行(自分に対して要求するものが高くて仲間思い。仕事は選り好みしねェし上昇志向も半端じゃねェ……なるほどォ?リーダーつゥのも納得だ)
ドタドタドタ!!
亜美「はいはーい!妹の双海亜美どぇーっす!!」
真美「姉の双海真美でーっす!!」
亜美真美「「2人揃って亜美真美でーす!!」」
一方通行「…………」
亜美「あれれ〜まさかのノーリアクション?」
真美「反応悪いよー兄ちゃん!」
一方通行「その兄ちゃンてのはなンだよ…?」
真美「だってこれから一緒にいるんでしょ」
亜美「じゃあ兄ちゃんは兄ちゃんじゃん!!」
一方通行「……交互に喋んなうざってェ、どこぞのクローンを思い出してくる」
一方通行「とりあえず真美、失せろ」ポイ
真美「うわわっ!!…もう〜レディはもっと丁寧に扱わなきゃダメじゃん兄ちゃん!って真美がどっちで亜美がどっちかもう分かるの!?」
一方通行「髪型で判断してるだけだ、流石に髪下ろされたら分かンねェよ。まだな」
亜美「んっふっふ〜、これは良い事を聞きましたなぁ真美隊員」カミホドキ
真美「そうですなぁ亜美隊員」カミホドキ
一方通行「なンのつもりだァ?」
亜美真美「ソレッ」グルグルグルグル
一方通行「…………」
亜美真美「「ハイッ!どっちが亜美ちゃんでしょうか!?」」ハァハァ
一方通行「イヤ、髪の長さ違ェから意味ねェだろォがよ」
亜美「うあうあ〜!ちまった〜!!」
真美「む〜兄ちゃんナイスツッコミだねぃ!」
一方通行「もォいいか?後つかえてンだからさっさとやるぞ」
亜美「じゃあもう亜美と真美の2人いっぺんにやっちゃう!?」
真美「そしたら時間削減だよ〜!」
一方通行「……てめェらの思考が完全に一緒ならそれで構わねェが違ェだろ?分かったら真美は呼ばれるまで大人しくしてろ」
真美「……はーい」テクテク
一方通行「チッ、無駄な時間食っちまった。さて、余計な事はせず聞かれた事にただ粛々と答えやがれ亜美」
亜美「なッ!?この場には表現の自由も無いというのかぁ!!」
一方通行「…………アイドルになった理由は?」
亜美「そんなの面白そーだからに決まってるっしょ!!」
一方通行「面白そォか、実際どォなンだァ?お前はこの事務所でも数少ねェ、アイドルらしい活動してるアイドルの1人だ」
亜美「そりゃ〜面白いよ〜。りっちゃんは怖いけど竜宮でテレビ出たり歌唄ったり」
一方通行「へェ、律子ってあの眼鏡だろ?確かにうるさそォだな」
亜美「うるさいなんてもんじゃないよチミィ!ありゃ鬼軍曹の名が相応しいね」
一方通行「やりたくねェ仕事は?なンかあるか」
亜美「う〜ん、やりたい仕事なら一杯あるんだけどなぁ……あ!真面目な雰囲気なのはちょっと勘弁かなぁテレビでまで勉強なんてしたくないよぉ」
一方通行「わかった。頭に入れとく……面談は終わりだ、これからよろしくな亜美」スッ
亜美「うん!楽しくやろうね兄ちゃん!!」ギュッ
一方通行(双海亜美、まだまだ悪戯盛りって感じかァ?つっても中坊だからなァ……家も放任なンだろう。伸び伸び育てられてンだな)
一方通行(それと物怖じしねェメンタルもありそォだ、礼儀がうるさくねェとこじゃなきゃ何処に出しても平気だろォな)
一方通行(やる気もあるみてェだし……ただ、アイツ見てっとクソガキ思い出しちまうンだよなァ)
あずさ「失礼します〜」
一方通行「どォぞォ」
あずさ「三浦あずさです。よろしくね一方通行ちゃん」
一方通行「…………」
あずさ「あらあら?もしかして嫌だったかしら?」
一方通行「……や、もう何でもいいスよあずささン」
あずさ「あら〜、呼び捨てにしてくれるんじゃなかったの〜?」
一方通行「ちゃん付けやめンならそれでもいいがなァ」
あずさ「んー、考えとくわ」
一方通行「まァ、お好きにどォぞ……さて早速だがアイドルになった理由は?」
あずさ「運命の人に探してもらう為よ」
一方通行「う、運命ィ?」
あずさ「そう。おかしいかしらね、この年になってもそんなの信じてるなんて」
一方通行「べっつにィ?…そォいうのは他人が笑う筋合いはねェだろ……つゥかさっきも年齢気にしてたみてェだけどなンで?」
あずさ「なんでって……アイドルで21よ?それにまだCランクだし〜、Aランクになる頃には何歳なのかしら?」ハァ
一方通行「心配いらねェ、20代後半でもそこらのアイドルより綺麗な女を2人知ってる。それに見た目が良けりゃ年齢なンて関係ねェんじゃねェか?」
あずさ「そ、そうかしら?」
一方通行「そォだろ、アイドルランクだってCランクなンてすぐに脱却させてやるよ」
あずさ「カッコいいわね一方通行ちゃん。じゃあお姉さん期待しよかなぁ」フフッ
一方通行「ちなみになンかやりたくねェ仕事とかあるか?」
あずさ「ん〜そうねぇ、選り好み出来る立場じゃないっていうのは分かってるんだけど露骨なお色気路線はちょっと……」
一方通行(せっかく良いスタイルしてンのに持ったいねェ……そォいや黄泉川も胸への視線に時々うンざりするとかボヤいてたっけかァ?)
一方通行(あずささンおっとりしてるし、セクハラまがいの事やられて来たンだろォな……絶対にやめてあげよう)
一方通行「わかった、あずささンにその仕事は入れないようにする。面接は以上でェす」
あずさ「ふふっありがとね。竜宮小町は私で終わりだけど次は誰を呼ぶ?」
一方通行「律子を呼ンできてくれ」
あずさ「律子さん?わかったわ」
一方通行「これからよろしく、あずささン」スッ
あずさ「あらあら〜、私がオバちゃんになる前にプロデュースしてね一方通行ちゃん!」ギュウ
一方通行(…………ちょっと身長にしては太り気味か?いや、でけェの2つぶら下げてンだからそりゃそォか)
一方通行(三浦あずさ……いきなりちゃン呼びとはなァ。性格はおっとりで雰囲気もふわふわしてやがるいわゆる癒し系だなァ……だから竜宮小町に呼ばれたのか?)
一方通行(他のメンバーがあの2人だしなァ。年長者としての自覚もあるみてェだし、静かなムードメーカーになってくれそォだな)
一方通行(つゥか、トップアイドルになる前に運命の人とやらが見つかっちまったらどォする気なんだァ?…………まァまた機会があったら聞いてみっか)
律子「あずささんに呼ばれたんだけど、どうかした?一方通行」
一方通行「どォかしたも何も面談だ」
律子「えぇ!?私にもするの?」
一方通行「するだろ」
律子「けど、みんなにはアイドルになった理由とか聞いてるんでしょ?」
一方通行「おォ」
律子「じゃあ私には何聞くつもりなのよ」
一方通行「そォだなァ…プロデュース方針とかかァ?知ってた方が色々やりやすい事もあンだろしなァ」
律子「プロデュース方針……そうねぇ、やっぱり効率重視よ。ガンガン売り込まなきゃこの事務所潰れちゃうしね」
一方通行「…………そォか。ちなみに竜宮小町でなンで真美じゃなくて亜美の方を選ンだンだ?」
律子「何でって、あの2人双子だけど亜美の方が芸歴がちょっと長いのよ。だから単純にメンバーを選出する時点で真美より亜美の方が技術があったし」
律子「何より亜美の天真爛漫さが竜宮小町には不可欠って思ったから……かしらね」
一方通行「なるほどねェ……効率重視とか言うもンだから、アイドルの事をぞんざいに扱う奴だと思っちまったぜェ」
律子「あはは、流石にそこまで魂売ってないわよ。効率も大切だけど何より大事なのはアイドルだし……私の方こそ安心したわ」
一方通行「?」
律子「一方通行がアイドル達を大切にしようとしてるのが分かったから。アンタ言っとくけど第一印象最悪よ?最初来た時どこの不良かしらと思ったわ」
一方通行「ハッ、言うじゃねェか」
律子「で、アンタのプロデュース方針は?私だけ聞かれるのも何だか釈じゃない」
一方通行「正直なところまだ決まってねェ……まァまずはこの事務所の奴ら全員から信用を得ねェとなァ。じゃねェとプロデュースどころじゃねェよ」
律子「確かにそうねぇ……ま、竜宮の子たちの様子を見る限りそれも時間の問題じゃないかしら」
一方通行「あァ?」
律子「結構好感触の様だったわよ?伊織なんて結構人の好き嫌い激しいのに……まぁアンタもかなり激しそうに見えるけど」
一方通行「流石プロデューサー殿、見る目あンじゃねェか」アハギャハッ
一方通行「ッとォ、今更だがオレはアンタに敬語使った方がいいのかァ?先輩で年上だろ?」
律子「い、意外にそういうの気にするのね。別にいいわ、何だかムズッかゆいしね」
一方通行「そォか、これからよろしく頼む律子」スッ
律子「えぇ、よろしくね一方通行!」ギュ
律子「そうだ、次呼ぶ順番どうするの?」
一方通行「あァー、年下からで。うるさそォだし」
律子「わかったわ」
一方通行(秋月律子か……まだ成人してねェのにしっかりしてンなァ、しかもオレ来る前は1人でプロデューサーやってたってンだから凄ェよな)
一方通行(同僚になるわけだし年頃の女の扱いとかプロデュースに行き詰まったら相談してみっかァ)
一方通行(つゥかアイツ、アイドルはやンねェのか?行けると思うがなァ……まァそれを言ったら音無さンもか)
真美「やっと真美の番〜?遅いよ兄ちゃん!」
一方通行「やっぱおめェが最年少か」
真美「ブッブー、最年少は亜美の方だよ」
一方通行「数秒の差だろォが」
真美「重量な事だよ!」
一方通行「重要って言いてェのかァ?で、おめェがアイドルになった理由はなンだ」
真美「ん〜、亜美がやっててめっちゃ面白そうだったから?」
一方通行「ふゥン」
真美「うあうあ〜、反応薄過ぎるよ兄ちゃん!」
一方通行「予想してたからなァ」
真美「それじゃつまんないから兄ちゃんにだけもっと詳しく教えてあげるよ」
一方通行「はい、どォぞォ……」
真美「最初はね、双海亜美っていう芸名で亜美と真美が入れ替わりながらやってたんだよ?」
一方通行「は?」
真美「そんでやってる内に何だかなぁって。だって真美が頑張ってもぜ〜んぶ亜美が褒められてることになるっしょ?」
一方通行「そりゃあなァ」
真美「だから双海真美として業界激震のデビューを飾る事になったんだよ」
一方通行「にしても、よくバレなかったなァ」
真美「そん時は髪の長さ一緒だったしね!あ、でもお姫ちんには最初っからバレてたよ〜。あ、お姫ちんってのはさっき兄ちゃんにめっちゃ近寄った人だよ」
一方通行「あァ、あの銀髪か……やるじゃねェか。お前らが知らねェだけで癖とかあンじゃねェの?」
真美「それはないよ!亜美も真美もそういうのにはめっちゃ気を付けてたもん!」
一方通行「へェ……じゃあ次に移るがやりたくねェ仕事とかあるか?」
真美「やりたくない仕事ぉ〜?うーん……亜美の代わりの仕事とかはやりたくないかな」
一方通行「一応聞くがなンでだ?」
真美「だって、亜美と違う真美になりたかったのに、双子ってだけで亜美の代わりさせられたら意味ないじゃん!」
一方通行「だな。そォいう場合があったら気を付けとく」
一方通行「面談はこれで終了だ、よろしくな真美」スッ
真美「うん、かっちょよくプロデュースしてよね兄ちゃん!」ギュ
一方通行(双海真美、2人で出てきた時と随分印象が違ったなァ。今にして思えば一番最初に吹っ掛けてくンのは全部亜美の方だったかァ?)
一方通行(一緒くたにされたくねェか……真美の方が多分繊細なンだな。姉ちゃンなンだし色々あったンだろう)
一方通行(亜美は分かンねェが真美は結構亜美を意識してる、となると竜宮小町の件は堪えてンじゃねェか?……さっさと有名にさせてやンなきゃなァ)
やよい「失礼しまーっす」
一方通行「あァ、ハイタッチの」
やよい「はい、高槻やよいです!よろしくお願いします一方通行さん」ガル-ン
一方通行「おォ、早速だけどよォ……やよいがアイドルを目指した理由はなンなンだ?」
やよい「それは……私の家は貧乏ですし大家族なので私がお金を稼ぎたいんです」
一方通行「……親はいねェのか?」
やよい「2人ともいますよ!ただ、お父さんのお仕事の収入が安定しないんです。だからお母さんもパートをしているんです」
一方通行「そォか……大変だな」
やよい「確かに大変ですけど、長女の私が頑張らなきゃなーって」
一方通行「偉いじゃねェか。やりたくねェ仕事とかはあるか」
やよい「そうですねー、高い場所に登るのとかはちょっと苦手かもです。あ、それと出来れば日中以外のお仕事は……」
一方通行「ン?」
やよい「弟たちに夜ご飯作ってあげなきゃなので」
一方通行「あァ、わかった覚えとく」
一方通行「これからガンガン金稼ごうなやよい」スッ
やよい「はい!頑張っていきましょー!」ムギュウ
一方通行(栄養が不足気味みてェだな……糞が!!絶対ェ腹一杯食えるようにしてやるからな)
一方通行(高槻やよい、すげェ明るい奴だなァ。しかもあの年で家事全般こなしてやがる。メンタル面も相当強いンじゃねェか)
一方通行(しかもコイツなンかスッと人の心の中に入ってくンだよなァ……それが全然嫌に思わねェってのも立派な才能だよなァ)
一方通行(やよいは性別年齢問わず支持されるアイドルになりそォだ)
響「はいさーい!自分の名前は我那覇響だぞ!」ビョンッ
一方通行「おォ、取り敢えず座れよ」
一方通行「えー、響がアイドルになった理由はなンだ?」
響「そりゃあ家族にご飯を食わせる為だぞ。それと実家への仕送り」
一方通行「…………響も貧乏なのか?」
響「ん?あぁ、自分には家族が多いんだ。ハム蔵!」
ハム蔵「ぎゅい、ぎゅいぎゅっぎゅ!」ヒョコ
一方通行「……なンだそりゃあ」
響「見ての通りハムスターだ。ウチに帰ればまだまだいるぞ」
一方通行「ハムスターが?」
響「ううん、いぬ美だろ、へび香だろ、ねこ吉ワニ子ブタ太モモ次「だァもういい!」
一方通行「お前が動物好きって事はわかった。響はやりたくねェ仕事はあるか?」
響「やりたくない仕事……別にないぞ、自分完璧だからな!」
一方通行「そりゃあいい」
響「む、だからって変な仕事ばっか取ってこないでよー?」
一方通行「…………」
響「うぎゃー!なんでそこで沈黙するんだー!」
一方通行「冗談だァ、ちゃンとわかってる」
一方通行「面談はこれで終わりだ。まァ、これからよろしくな響」ス
響「あぁ、よろし」スッ
一方通行「……w」ヒョイッ
響「…………」
一方通行「…………」
響「…………」
一方通行「出来心だ、そんな怒ンなよホラ」ギュ
響「……よろしく」ムスッ
一方通行「おォ、よろしくなァ」
一方通行(おォ、超優良健康児って奴かァ?……身長はこの年にしては小さいみてェだけど)
一方通行(我那覇響、やよいとはまた系統が違う明かるさを持ってる奴だなァ。完璧って自称するだけあって筋肉の状態がかなりいいし、ダンスとか上手いンじゃねェか?)
一方通行(動物好きみてェだし、そういう系のロケとか受けさせるといいかもなァ。響も全年齢層向けだよな)
一方通行(なンつゥか、アイツ見てるとイジりたくなンだよなァ)
美希「入るよー?」
一方通行「おォ」
美希「美希の名前は星井美希なの。よろしくね。じゃ」クルッ
一方通行「待てコラ面談になってねェンだよそれじゃあ」ガシ
美希「えー、ミキはもう眠くて眠くて仕方ないの……あふぅ」
一方通行「10分も掛かンねェから寝ンな」
一方通行「おめェがアイドルになった理由は?」
美希「んー、アイドルって何だかキラキラしてるからかな。だからミキもアイドルになってキラキラしたいなって思ったの」
一方通行「なるほどねェ。何かやりたくねェ仕事があったら教えてくれ」
美希「ミキ、疲れる仕事はやりたくないかな」
一方通行「……は?」
美希「ミキは〜、頑張らないでアイドルになりたいの」
一方通行「…………冗談のつもりか?」
美希「ううん、真剣だよ?」キョトン
美希「ねぇねぇ、そんなことより一方通行ってかなりイケメンなの。アイドル事務所のプロデューサーなんて彼女怒っちゃわない?」
一方通行「ンなもンいねェよ」
美希「えぇいないの!?じゃあもしかして一方通行ゲイ!?ゲイの人は初めて見るの……」
一方通行「なンでそォなンだよ……」
美希「だって見た目も女の子みたいなの」
一方通行「別に好きでこの見てくれになった訳じゃねェよ」
美希「でもミキはぁ〜、中性的な人って好きだよ?あはっ☆」
一方通行「無駄な情報ありがとよ。面談終了ォ、よろしくな美希」スッ
美希「うん、ミキのアイドル活動頑張ってなの」ギュウ
一方通行「てめェが頑張れよ」
一方通行(星井美希か、容姿もスタイルも抜群だけどやる気がなァ……今の面談じゃアイツの方向性全く見えなかったな)
一方通行(しかもアイツ他の奴に比べて恋愛に興味ありそォだったけど大丈夫なのか?よくは知らねェがアイドルって恋愛しちゃダメなンじゃねェの?)
一方通行(……それとなく意識しとくか)
千早「入るわよ」
一方通行「おォ、座ってくれ」
千早「えぇ」ストン
一方通行「……」
千早「…………」
一方通行「……自己紹介どォぞォ」
千早「如月千早よ」
一方通行「千早がアイドルになった理由はなンだ?」
千早「……厳密に言えばアイドルになりたかった訳じゃないわ。正直興味も無いし」
一方通行「じゃあなンでここにいンだよ?」
千早「私は歌手になりたい……そしてそれにはアイドルが一番手っ取り早いと思ったのよ。それと社長にスカウトされたのもあるわ」
一方通行「なるほどなァ……やりたくねェ仕事は?あンなら言ってくれ」
千早「歌以外の仕事よ」
一方通行「徹底してンなァ……出来るだけおめェらの意志は尊重しようと思ってたンだけど歌以外となるとちょっとなァ」
千早「わかってる、別にやりたくないだけで、与えられた仕事はこなすわ。仕事を選べるようになったらそうしてちょうだい」
一方通行「あァ、わかった。これで面談は終了だ」
千早「そう」スッ、スタスタ
一方通行「待て待て」
千早「……まだ何か?」
一方通行「おら、握手だよよろしくな千早」スッ
千早「…………」ソロ-
一方通行「チッ」ギュウ!
千早「キャ!」
一方通行(あァ?……コイツ食生活どォなってンだァ?)
一方通行「お前……ちゃンとした飯食ってンのか?」
千早「……別にちゃんと栄養は取ってるわよ。もういいんでしょう?それじゃ」
一方通行(栄養ってサプリメントだろォが……なンだかなァ……)
一方通行(如月千早、なンだか取っつきにくい奴だったなァ。アイドルに興味ねェとか言ってやがンし)
一方通行(食生活にも問題ありそォだし、身体は触ったら折れそォなくれェ細ェし大丈夫かァ?まァ俺が言えた義理じゃねェけどよォ)
一方通行(だが腹筋はかなり鍛えてやがった……歌以外どォでもいいってかァ……?)
春香「失礼しまーっとっとぉ!?」ガタンッ
一方通行「ぐゥッ!?」ガツンッ
一方通行「…………何してくれてンだてめェ」
春香「あはは……またやっちゃった」コツン☆
一方通行「何……?そォいう路線で売ってくのお前?」
春香「な!?わざとじゃないよ!私ドジだから色んなとこで転んじゃうの……」
一方通行「これから気ィつけろ……じゃあ自己紹介してくれ」
春香「はい!天海春香です!!私の目標はさっき言ったよね?」
一方通行「あァ……アイドルになった理由もトップアイドルになりたかったからっつゥ事でいいのか?」
春香「ううん、アイドルになった理由は別にあってね……と言っても別に大したことじゃないんだけど」
一方通行「聞かせてくれ」
春香「うん、子どもの頃からすっごい憧れてるアイドルの人がいてね、あぁこの人みたいになれるかなぁ……この人みたいになりたいなぁって思ったのがアイドルを目指したきっかけかな」
一方通行「そォか」
春香「それでね、私もその人みたいに誰かに憧れられるアイドルになりたいの」
一方通行「良い目標じゃねェか……春香はなンかやりたくねェ仕事とかあンのか」
春香「うーん、特に無いかな?どんな仕事も全力全開で頑張っちゃうよ!!」
一方通行「そォかい、そりゃ助かる」
一方通行「面談はこれで終わりなンだがァ……」
春香「?」
一方通行「…………その、なンだ。さっきはオレが他の奴らと早く溶け込めるように気ィ回してくれて……ありがとよ」ボソボソ
春香「……ん〜?なぁにぃ?聞こえなかったなぁ」ニヤニヤ
一方通行「あァッ!?てめェその頭についてるリボン引き千切ってただの凡個性にされてェのかァッッ!!!!」
春香「ひ、ひぃ!うぅ……みんなは見た目に反して優しかったって言ってたのに〜」
一方通行「チッ、まァよろしくなァ春香ァ……仕事楽しみにしとけ……」スッ
春香「えぇ……?」ギュ
一方通行(良く転ぶらしいから身体のどっかの感覚狂ってンのかと思ったが、そォじゃねェみてェだな)
一方通行(天海春香、オレが想像するアイドルってあンな感じなンだよなァ。王道を征くって奴か……今ンとここの事務所であいつ以外にテンプレートなアイドルいなかったし)
一方通行(春香にはコッテコテのアイドルの仕事してもらうのが良いかもなァ)
一方通行(本人の目指してる場所もそこだろォしなァ)
真「もう入ってもいいのかな?」
一方通行「おォ、座ってくれ」
真「うん、僕の名前は菊地真!よろしね!」
一方通行「僕ゥ?」
真「あっ、これは子どもの頃からの癖で……勘違いしないでね僕は女の子だから!」
一方通行「ンなもン見りゃわかる」
真「えぇっ!ホントに!?」
一方通行「なンだァ?男と間違われたりしてンのか?」
真「うん、そんなのしょっちゅうだよ……女の人から告白された回数の方が多いしね……」
一方通行「そォか大変そォだな………話は変わるが真がアイドルになった理由ってなンだ?」
真「……話変わってないよ一方通行」
一方通行「あン?」
真「僕、ちゃんと可愛い女の子になりたくてアイドルになったんだ」
一方通行「……今のままでも充分なンじゃねェのか?」
真「そりゃ、女の子に人気なのも結構嬉しいけど……今のままじゃ嫌なんだ。こう、なんて言うかなぁ……フリフリっと、プリプリっとした格好がしたいんだ」
一方通行「なるほど……やりたくねェ仕事はあるか?」
真「やりたくない仕事?特に無いかなぁ……ただ男扱いされる仕事が続いたらストレス溜まると思う」
一方通行「わかった。これで面談終わりだ、よろしくな真」スッ
真「へへっ、よろしくね一方通行!」ガシッ
一方通行(そォとォ鍛え抜いてやがる……アイドルなのに)
一方通行(菊地真、これがボーイッシュって奴なのかァ?同性にモテるみてェだから女向けにプロデュースすンのが良いンだろうが)
一方通行(本人が男扱いはちょっとっつってたからなァ、上手くガス抜きさせてやンねェと)
一方通行(フリフリのプリプリねェ……まァ今度本人にしたい格好してもらうか)
雪歩「し、失礼します〜」
一方通行「おめェか」
雪歩「は、 はい!萩原ゆ「いや、さっき名前は覚えたから良い」
雪歩「そ、そうですか」
雪歩「あの、お礼させて下さい!」
一方通行「はァ?……あァ、絡まれた時のか。別にいらねェ」
雪歩「でも!」
一方通行「お礼したいンなら今度からは気をつけろ」
一方通行(まァ今日の仕事終わり次第ここら辺のゴミ共は全員潰すつもりだから、そォいう心配はいらねェがな)
雪歩「……はぃ」シュン
一方通行「そンでェ?雪歩がアイドルになった理由はなンだ?」
雪歩「はい……その、私、ダメダメな自分を変えたくてアイドルになったんです」
一方通行「ダメダメ?」
雪歩「私ひんそーちんちくりんだし、男の人が苦手だし、性格も臆病で……うぅ、こんなダメダメな私は穴掘って埋まってますぅ〜!!」
一方通行「男が苦手か……じゃあ、あン時ビビらせちまったのか。悪かったな」
雪歩「いえ!そんなことないです!一方通行君はカッコ良かったです!!」
雪歩「あっ///か、格好良かったというのはあのそういうことじゃなくて」アタフタ
一方通行「あァー、分かってるから落ち着け」
一方通行「……ちなみに雪歩がやりたくねェ仕事はやっぱ男と多く絡む仕事か?」
雪歩「は、はい。でもいつかは出来るようになりたい、です」
一方通行「良い心掛けじゃねェか……ま、お互い頑張るぞ雪歩」スッ
雪歩「…………」
一方通行「っと、そりゃ苦手なンだから触ンのにも抵抗あるよなァ」
雪歩「いえ!や、やらせてください」
一方通行「お、おォ……」
雪歩「…………ッ!」ギュウウウウ
一方通行「痛ェ痛ェ痛ェ」
雪歩「ああ……!ご、ごめんないぃ!」
一方通行「お、お前意外と握力あンのな」
一方通行(萩原雪歩、気弱な奴だったなァ。しかも男が苦手ってアイドルとして致命的じゃねェか?)
一方通行(……まァでも、本人に治す気があンだから平気か。オレにも触れたし男が絶対無理ってわけでもねェみてェだしな)
一方通行(男っていうのはあァいう弱っちそォな女が好きなンじゃねェか?打ち止めの野郎がなンかぐちぐち言ってた)
一方通行(……当たりめェだが、オレは一般に好かれるよォなタイプや最近のアイドルの傾向も流行りの曲もなンも知らねェ)
一方通行(アイツらを本格的にプロデュースする前にそこら辺の知識を学ぶ必要があンなァ……雪歩が根性みせたンだ、オレがやらねェわけにはいかねェ)
貴音「失礼致します」
一方通行「おめェで最後だよな?」
貴音「はい、私の名前は四条貴音と申します。よろしくお願いしますね一方通行」
一方通行「あァ。じゃあまず、貴音がアイドルになった理由を教えてくれ」
貴音「それは……アイドルの頂点に立つ事が私の使命であるから、ですね」
一方通行「使命だァ?誰からのだよ?」
貴音「……ふふっ、それはとっぷしぃくれっとです」
一方通行「…………まァ言いたくねェンなら良いけどよ。貴音はやりたくねェ仕事あるか?」
貴音「ありません。どの様な仕事も頂きを目指すのならその一つ一つが価値のあるものとなりましょう」
一方通行「そォか、じゃあ貴音がその頂きに出来るだけ早く登れるように頑張ろうな」スッ
貴音「はい、共に参りましょう一方通行」ギュ
一方通行(!!……か、解析できねェだと……?)
一方通行「お前……"何"だ……?」
貴音「………………はて」
一方通行「とぼけてンじゃねェ……そォいやお前最初オレの事見た後に勘違いとか言ってたなァ……それとなンか関係あンのか?」
貴音「……警戒、疑問、敵対、そしてほんの少々の恐怖と好奇心と言ったところでしょうか」
一方通行「あ?」
貴音「今のあなたの心情です」
一方通行「…………マジで何者だよ」
貴音「よいですか一方通行?」
一方通行「?」
貴音「初対面の女性の肉体を本人の許可無く探る、というのは無礼極まりない行いです」
貴音「今回は初めてなので不問にしますが、次からは許しませんよ?ふふっ、では」クルッスタスタ
一方通行「……」ポカ-ン
一方通行(四条貴音、構造が人間の物じゃなかった……非科学か?しかもあいつオレの心まで読んでやがった)
一方通行(オレへの刺客?いや、違ェだろうが!周りの反応からしてアイツは昔から居た。そンで多分周りにもなンか隠してる、だが何を……)
一方通行(………やめよう、仲が良いヤツらにも言ってねェンだ、無理矢理探られンのは嫌なンだろう)
一方通行「フゥー……缶コーヒー飲みてェ」ドサ
小鳥「ふふっお疲れ様、コーヒーは冷蔵庫にあったので良かったのよね」コトッ
一方通行「ッ!?……聞いてたンスか音無さン」
小鳥「あー、私の事は名前で呼んでくれないんだぁ。そうよね私みんなと全然年違うもんね」
一方通行「……コーヒーありがとうございます、こ、小鳥さン///」
小鳥(くぅわあいい〜!!やっぱいいわぁ年下美少年)
小鳥「うんうん、それでみんなの印象はどうだった?」
一方通行「まァ、なンとなくは掴めたかなァ……後はそれぞれの実力をみたいっスね」
小鳥「あぁ、それならレッスンを観にいくといいわね。今日は竜宮の子以外レッスンの予定あるし」
一方通行「なるほど、じゃあそォします」
小鳥「あっ、それと一方通行君が面談してる間に一方通行君のデスク用意しといたわよ。後パソコンもね」
一方通行「あ、ありがとうございます!」
一方通行(レッスン場に行く前にパソコンで色々見とくか)
ーーーーーー
ーーーー
ーー
一方通行「………色んな事調べまくったわけだが」
一方通行「そォか、オレが今までしてた服装はやっぱ一般ウケしねェもンだったンだな……」ハァ
一方通行(だが、アイドルのステージ衣装とか営業の仕方とかは色々わかった。後はコンサートの映像とか観てェがそれは夜やるか)
一方通行「じゃあオレ、レッスン場行ってきます」
小鳥「はい、行ってらしゃ〜い」
一方通行(行ってらしゃい、か……)
〜〜〜レッスン場〜〜〜
一方通行「おォーやってるやってる」
真美「あれ?兄ちゃんじゃん!もぉ〜こんなとこ来て仕事サボッちゃダメっしょー」
一方通行「サボりじゃねェ。てめェらの練習風景を観察すンのも仕事だ」
雪歩「うぅ、見られてると思うと緊張します〜」
響「そうかな?自分は逆に見られた方がやる気でるぞ」
一方通行「オレの事は気にすんな。壁の一部とでも思ってくれりゃあいい」
真「壁の一部にしては物凄い目立つ色合いしてるけど」
やよい「一方通行さんはもやしみたいなんで私は安心するかなーって」
一方通行「……」
一方通行「……え?」
千早(高槻さんかわいい……)
春香「…………ふはっw」
一方通行「なァにがおかしンですかァ春香さァン」ギロッ
春香「さっ!みんなレッスンの続きしよ!」
全員「おー!!」
一方通行「…………」
千早「〜〜〜・」
一方通行(歌一本つってるだけあってうめェなァ)
響「それっ」キュッキュッ
真「よっ」キュッキュッ
一方通行(すげェすげェ。やっぱあいつら良い筋肉してるだけあンな)
一方通行(他の奴らも思ってた程悪くねェし……けどEランクなンだろ?プロデュースって重要なンだなァ)
一方通行「……で?なンでてめェはそこで体育座りしてンだよ」
美希「あはっ、壁が喋りかけてきたの!」
一方通行「腹立つわァお前」
美希「ミキ、疲れちゃったから休憩中」
一方通行「……お疲れ中のとこ悪ィンだけどよォ、今日全員分の歌とダンスみるつもりなンだよ」
美希「え〜めんどくさいの〜」
一方通行「ちょろっとやってくれりゃすぐ消える。だがやンねェならここに居座ってずっとお前に催促し続けンぞ」
美希「う〜、それはヤなの。わかった!じゃちょっとやってくるからミキのこと見ててね?」
一方通行「あァ」
美希「〜〜〜・」キュッキュッ、スタン、クルッ
一方通行「…………」
美希「はい、終わったよっ!これでいいんだよねっ?」
一方通行「……おォ、お疲れ。じゃあオレは消える。あンまサボンなよ?」
美希「はーいなの」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
〜〜〜事務所〜〜〜
高木「おぉ、おかえり一方通行君」
一方通行「おォ」
高木「レッスン場に行っていたんだろ?君の目にどう写ったんだいうちのアイドル達は」
一方通行「思ってたより悪くなかった……現時点ですげェって思えるとこを持ってる奴も何人か居たし、特に……星井美希」
高木「美希君か!良いだろう彼女?まさに天才の名がふさわしい」
高木「ただ……本人のやる気がね」
一方通行「みてェだなァ」
高木「そうそう!君は今日実際に我が社のアイドルに会った訳だがどうプロデュースしていくか決まったかね」
一方通行「個人個人の方向性についてはまだだ。スタイルに関して言えば、取り敢えず1人に絞ってやってくかなァ」
高木「なるほど、確かに最初の内はその方がいいかもしれない」
一方通行「ちなみに誰を最初にプロデュースして欲しいとかあンのか?」
高木「いや、そこの判断は君に任せるよ。では、私は社長室にいるから何かあったら呼んでくれたまえ」
一方通行「わかった」
一方通行「さァて」ギシッ
一方通行(全員プロデュースするにはオレ自身ある程度の実績を持たねェとなァ。じゃねェとアイツらも信用してくれねェだろうし)
一方通行(となると、最初にプロデュースする奴は既に実力があって、現状のオレでも言う事を聞いてくれかつ仕事を選ばねェ奴が理想だ)
一方通行(千早……ダメだ。実力は今の765プロじゃ頭一つ抜けてるが、オレをまだまだ信用してねェから言う事聞いてくれるとは思わねェし、最初は歌の仕事なンて取れねェだろう)
一方通行(美希……も今のオレじゃ手に負えねェな。アイツみたとこかなりの気まぐれだ。地雷踏み抜いちまいそォで怖ェし、何よりやる気の出させ方がわかンねェ)
一方通行(さて……)
ーーーーーー
ーーーー
ーー
貴音「わ、私ですか……?」
一方通行「あァ、以上の理由から貴音が最適と判断した」
貴音「……」
一方通行「なンだよ不満か?」
貴音「いえ、私を選んで下さった事は真、嬉しいのですが……正直、あの面談の後ではきっと私は気味が悪いと、避けられるのだろうと思っていましたので」
一方通行「その事なンだけどよォ、オレもお前らに知られたくねェ事がある。だからオレはもォお前の事を勝手に調べたりしねェから安心しろ」
一方通行「それに、オレが居たとこじゃあ心ン中探られるなンて日常茶飯事だったしおめェぐらいじゃ気味悪ィとは思わねェよ」
貴音「……それが例え人間では無かったとしてもですか?」
一方通行「関係ねェな………つゥか良ォく考えりゃお前が何者だろォがどォでも良い話だった」
貴音「え?」
一方通行「トップアイドルになりてェお前と、トップアイドルにしてェオレ。そンだけありゃ充分だろ」
貴音「ふふっ、そうですね。真、その通りです一方通行。改めて、プロデュースよろしくお願い致します」ペコ
一方通行「あァ、まァ取り敢えずは最初はオレが頑張って仕事取ってくっからその後は頼ンだ」
貴音「はい、心静かにその時を待つとしましょう」
一方通行「じゃあ、また明日な」
貴音「はい。一方通行、小鳥嬢、お疲れ様でした」ペコ
一方通行「おォ」
小鳥「お疲れ様、貴音ちゃん」
貴音「では……」バタン
小鳥「最初に貴音ちゃんを選ぶとは少し意外だったわ」
一方通行「そォっすか?」
小鳥「なんというか、一方通行君にはちっちゃい子と居るのが収まりがいい気がしたから」
一方通行「あァー、オレここ来る前にしばらくクソガキと暮らしてた事があったンすよ。その所為かも知ンないすね」ポリポリ
小鳥「あら、そうなの?ふふ、私の女の勘も中々ね!」
小鳥(その子と何で今は暮らしてないの?とか聞かれたくないんだろうなぁ)
一方通行「そォすね」
小鳥「あ、そうだ!夜ご飯まだ食べてないわよね?もし良かったら一緒に食べに行かない?!」グワッ
一方通行「いや、今日はちょっと……」
小鳥「そうね……まだ早いわよね……」シュン
一方通行「……明日なら」
小鳥「明日ね!」パァッ
小鳥「じゃ、私もそろそろ上がらせてもらうわね?」
一方通行「はい、お疲れさンでした」
小鳥「お疲れ様っ♪」バタン
一方通行「…………さて」
ーーーー
ーー
〜〜〜765プロダクション界隈〜〜〜
不良「ぐわああああッッ!!!!」バキバキ
一方通行「やべェよ!一気に飛ンじまったァッ!!」ッエ-イ
ーーーーーー
ーーーー
ーー
不審者「く、くるなぁ……!」
一方通行「圧縮ゥッ圧縮ゥッ!犯罪件数を圧縮ゥッ!!!」ゴウッ
ーーーーーー
ーーーー
ーー
チンピラ「……でよぉー」
チンピラ2「はは、マジかよ……ん?」クルッ
一方通行「くかこきくくけこきくかかこッ」ニタァ
ーーーーーー
ーーーー
ーー
翌日
〜〜〜765プロ事務所〜〜〜
律子「おはようございます!」
小鳥「あ、おはようございます律子さん」
律子「小鳥さん今朝のニュース見ました!?」
小鳥「今朝?あぁ、ここら辺で何十人も病院送りになった事件の事ですか?」
律子「何でそんな平静でいられるんです!?うちの子達にもしもの事があったら……」
小鳥「……多分、それは平気だと思いますよ?」
律子「え?」
小鳥「ネット掲示板によると被害にあった人達はそれなりに悪い事をしてた人達らしいです」
律子「そうなんですか」
小鳥「それに犯行現場にはこの区で悪行をしたら必ず潰すってメッセージが残されていたそうですよ」
律子「それはまた、正義か悪かよくわからない行為ですね」
小鳥「そうですね。被害者は口を揃えて白い化け物にやられたって証言してるらしいです」
律子「白い化け物ねぇ……」チラッ
亜美「うっわ!兄ちゃん目ん玉だけじゃなく白いとこも真っ赤じゃん!!」
真美「ゆきぴょんとかが見たら怖くて泣いちゃうよ!」
一方通行「あァー、昨日徹夜でアイドルのライブDVDとかPVとか見てたわ。だから寝てねェ」
一方通行(掃除に思ってたより時間割いちまったからなァ。DVDとか見ンの次の日に持ち越せば良かった……)
真美「いいな〜兄ちゃんは。真美たち夜ふかししてたらメッチャ怒られるよ?」
亜美「不公平だよ〜」
律子「……はは、流石に無いですよね。身体細いし」
小鳥「あ、もしかして一方通行君だと思ったんですか?無理があり過ぎますよそれは〜」
律子「ですよね……馬鹿なこと考えてないで仕事に取り掛かりますか」
小鳥「そうですよ」
小鳥(私も白い化け物が何となく気になって、学園都市をちょろっと調べたら出てきちゃったのよね)
小鳥(学園都市第1位一方通行……ベクトル操作って何なのかよく分からないけど、アレやったの多分一方通行君よね?)チラ
一方通行「たりめェだろォが。てめェらガキなンだからさっさと寝とけ」
亜美「子供扱いしないでよね!自分はドルオタのくせに!」
一方通行「違っげェよ、オレはこれからの傾向と対策をだなァ……あ、伊織」
伊織「ん?何よ?」
一方通行「歌詞は意味わかンねェけど、すげェ良いと思ったぞ『SMOKY THRILL』」
伊織「あら、アンタ中々見る目あるじゃない」
亜美「ちょっと〜、あずさお姉ちゃんはまだ事務所いないから分かるけど何でいおりんだけ褒めるのさ〜」
一方通行「あァお前いたの?ちっちゃ過ぎて見え……痛!何しやがンだクソガキこらァっ!!」
小鳥(やり方は過激すぎだけど、きっとあの子達を思っての事よね……)
一方通行「おォ、そォだ。律子、さっさとドライブ行くぞ」
小鳥「は?」
律子「……な、何を言ってるのかしら一方通行」
一方通行「あァ?おめェが言ったンだろォが。オレが車運転出来ンのか試すンだろ?」
律子「あぁ、そういえば!」
真美「そういえばそんなこと言ってたね」
亜美「りっちゃんずるいよ〜サボりじゃん!営業時間なのに」
律子「失礼なこと言わないで。これも仕事のうちよ」
小鳥「じ、じゃあ私も……」
伊織「あんたのそれは確実にサボりじゃない」
小鳥「うう……」
亜美「亜美達も連れてってー兄ちゃん」
真美「真美達が兄ちゃんのドライブテクをチェックしてあげるよ」
律子「必要ありません、事務所で大人しくしてなさい」
亜美真美「えぇ〜」
一方通行「チッ、うるせェなァ。帰りに缶コーヒー買ってきてやっからそれで我慢しろ」
真美「……いや、マジでいらないから」
亜美「ていうか何でそんな缶コーヒー買うの?冷蔵庫開けたら真っ黒で亜美はトラウマになりそうだったよ……」
一方通行「あ?必要だろォが!」
伊織「あ、それ殆ど冷蔵庫から出しといたわよ?プリン入れたかったら」
一方通行「なンて事してくれてンだよこのデコがよォ!!!」
律子「はい、怒鳴らない。悪いのは一方通行よ?冷蔵庫はみんなの物なんだから、独り占めしたら駄目でしょう?」
一方通行「くっ……」
律子「ほら、また2人が騒ぎ出す前にさっさと行くわよ!それとコーヒー一本貰うわね」
一方通行「あ!てめェちゃンと金払えよ!!」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
一方通行「…………」ブ--ン
律子「上手いもんね、学園都市でも運転してたの?」
一方通行「いや、あんまり」
一方通行「でェ?オレは合格かよ?」
律子「そうね、むしろ私より上手いくらいよ」
一方通行「そォかい……じゃあもう帰るぞ?」
律子「えぇ、お願い」
一方通行「…………」ブ--ン
律子(ブレーキとかの負荷を感じないから寝そう……)
一方通行「…………」キキ-ッ
律子「ちょっと何でコンビニで停まるのよ、あんたまさかさっきの話本気だったの!?」
一方通行「ちっげェよ!あいつらに悪ィから飲み物でも買って行ってやろォかなって思ったンだよ」
律子「あら、優しいじゃない。私はカフェオレね」
一方通行「てめェも降りろよ……そして全員分の飲み物を選べ。オレはまだあいつらの好み知らねェからなァ」
一方通行「それとお前の分は奢ンねェぞ?今のオレは金ねェからな」
律子「あぁ、じゃあ私も半分出すわよ」
一方通行「それはダメだ。何か違ェ気がする」
律子「ふふっ、何よそれ」クスッ
ーーーーーー
ーーーー
ーー
〜〜〜事務所〜〜〜
律子「ただいま戻りましたー!」
小鳥「あ、おかえりなさい!」
亜美「おっかえりぃ!ねね、土産は!?」
一方通行「おら、受け取れ極悪ツインズ」
真美「ブラックコーヒー…………」ドンビキ
亜美「君には失望したよ一方通行……」
一方通行「冗談だ。ほら」
真美「あっ、サイダーじゃん!あんがと兄ちゃん〜」プシュッ
亜美「亜美達を罠に掛けるなんて兄ちゃんもワルですなぁ」ゴクゴク
律子(冗談でコーヒー買うなら私にも買ってくれたら良かったのに……)
一方通行「ほら、伊織も」
伊織「あら、まぁどうしてもって言うなら飲んであげてもいいけどね」
一方通行「はいはいツンデレ」
伊織「ツンデレじゃないわよ!!」
真「いいなぁ三人とも」ヒョコ
一方通行「真、来てたのか」
真「うん、おはよう一方通行」
一方通行「おォ、つゥか全員分買ってきてあるから勝手に飲んでくれ」
真「へへっ、やーりぃ」
一方通行「だから後から来た奴にも伝えとけ」
真「はーい」
真美「ねーねー兄ちゃん、真美達は今日何すんの〜?」
一方通行「一心不乱にレッスン」
真美「えぇ〜、最近レッスンばっかじゃん……」
一方通行「だってお前ら仕事ねェじゃン」
真美「そーれをどうにかするのが兄ちゃんの役目っしょっ!?」
一方通行「オレ昨日来たンだぞ?無茶言うンじゃねェ。それにまずは貴音のプロデュースに専念するって決めたからお前らの番はもォちょい後だ」
真美「えぇ!何それ真美知らないよ!?」
一方通行「そりゃあまだお前らに言ってねェし」
真美「何でお姫ちんなの?……!!まさか惚れたな兄ちゃん!?」
一方通行「なンでそォなンだよ……総合的に見てお前らの中で最初に選ぶならアイツが最善だって判断したンだよ。貴音はすぐブレイクするだろォし」
真「なるほどね、貴音は同じ女の子の僕でもたまにドキッてしちゃうことあるしなー」
一方通行「…………あァ」
真「え……何その間」
真美「別にお姫ちんと一緒に真美達もプロデュースしてくれてもいいじゃんよ〜」
一方通行「今のオレにお前ら全員まとめてプロデュースする技術ねェよ。お前らだって中途半端なのは嫌だろォが」
真美「そりゃあ……うん」
一方通行「わかったらレッスン行ってこい」
真美「ちぇっ…………」トボトボ
真「よぉし!僕も今の内に牙を磨いとくね一方通行!」タッタッタ
一方通行「うん、お前そォいうとこだわ女にモテるの」
一方通行「さて…………」プルルルル
一方通行「あ、どォもォ。765プロの者ですゥ」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
貴音「なるほど、それで真美は落ち込んでいるのですね?」
真「うん、そうなんだよ」
貴音「真美」ムギュウ
真美「え……お姫ちん?」
雪歩(いいなあ……)
春香「知ってる?アレあすなろ抱きって言うんだよ」
真「知ってるからちょっと静かにしてて」
貴音「何を悲観する必要があるのです?一方通行の言動、裏を返せば成熟した技術を持って真美をぷろでゅーすするという事です」
真美「うん……」
貴音「私なぞあの人に取っては実験台のようなもの……私は皆の踏み台でしかないのです」ヨヨヨ
真美「そんな事ないッ!兄ちゃん言ってたよ?お姫ちんはすぐ売れるって、総合的に見て今のオレに一番良いって」ギュ
貴音「ふふ、真美は真、良き子ですね」ナデナデ
真美「うあうあ〜やめてよお姫ちん」
雪歩(いいなあ……!)
真美「お姫ちん真美の事慰めてくれたんしょー?もう大丈夫だよ」
貴音「はて?」
真美「わかってるよ!ありがと!!お姫ちん」ホッペニチュッ
貴音「真美は大胆なのですね」
小鳥「うわああああ!!!」パシャパシャパシャパシャ
響「何でカメラ持ってるんだ……そしてずっと見てたのか?」
一方通行「おォ、お前ら帰ってきて……千早と美希は?やよいは今日居ねェンだったな」
春香「その2人ならまだレッスン場にいるよ」
一方通行「千早は分かンだけど美希もか?」
一方通行(つゥか何で小鳥さンはカメラなンて持ってンだ……?)
響「美希は千早の言うことだけはそこそこ聞くからなー」
真「唯一のさん付けだしね」
一方通行「ふゥン、あの2人性格からして合わなそォだけどなァ」
貴音「だからこそでしょう。相反するもの同士、惹かれ合うというのは世の摂理です」
雪歩「それ、わかります」
真「たしかに」
一方通行「そンなもンか……あ、貴音明日オーデションな」
春香「き、急に話題変えるなぁ」
貴音「はい、わかりました」
真美「頑張ってねお姫ちん!」
貴音「えぇ、皆の分も頑張ってきますね」ニコ
一方通行「じゃあ今日もォ解散な」
全員「はーい!」
小鳥「うぇへへぇ……たかまみ?いや、まみたか?」
一方通行「小鳥さン」
小鳥「……はいぃ!!」
一方通行「全員帰ったし、約束通り飯食い行きますか?」
小鳥「あ、そそうね!」
一方通行「ただ……」
一方通行「オレあンま金無いンで高い所は……」
小鳥「平気よ!私から誘ったんだし今日はお姉さんが奢っちゃうわ♪」ウィンクッ
一方通行「え、でも……」
小鳥「いいのよ、ほら行きましょ!夜は待ってくれないわ!!」
小鳥(大人の女しか出せない魅力で悩殺しちゃうゾ☆一方通行君!!)
ーーーーーー
ーーーー
ーー
〜〜〜居酒屋〜〜〜
小鳥「」チ-ン
一方通行「……大丈夫すか?」
小鳥「……てゆうかさぁ、一方通行君も法律上は20歳なのよねぇ」ユラァ
一方通行「はァ、そォっすけど」
小鳥「なら飲めオラァッ!!!」グワンッ
一方通行「ぶッ!?」ゴクゴクゴク
小鳥「オラオラオラオラオラァ!!」ヘッドロックッ
一方通行「〜〜〜〜〜ッ」グビグビグビ
一方通行「ごぶっ!?……ゲホッ、ゴホッ」
小鳥「あらぁ、いい飲みっぷりじゃない一方通行くぅん」
一方通行(綺麗で常識人だった小鳥さンが酷い時の黄泉川達みてェになってやがる……酒っつゥうのは怖ェなァ。体内のアルコールは分解っとォ)
小鳥「あー、こんな筈じゃなかったのにぃ。私は年下の男の子相手に何やってんだろ」ゴク
小鳥「……死のう、この酒と共に。私が死んでも誰も悲しまない」ゴクゴクゴク
一方通行「一杯いますよ悲しむ奴はァ。オレも小鳥さンが居なくなったら嫌っす」
小鳥「ホントにぃー?嘘だぁ」
一方通行「ホントっす」
小鳥「じゃあチュウして!今すぐギヴミーキス!!」
一方通行「いや、それはちょっと……」
小鳥「うわぁん!!死んでやるぅ!!」
一方通行「取り敢えず出ましょう」
小鳥「お財布はぁー何処にあるでしょうか?!ヒントは胸ポケットでっす」ケタケタッ
一方通行「すンませン、勝手にカバン開きます」
小鳥「いや〜ん☆」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
〜〜〜夜道〜〜〜
小鳥「うぅ、歩けない」ヨロヨロ
一方通行「オレで良かったらおぶります」スッ
小鳥「ひゃっほー!」ビョン
一方通行(!……やべェ背中に胸が……クソかてめェ!!無防備な相手に邪な気持ち抱くなンざァ三下以下の悪党だ)
小鳥「意外と力持ちなのね一方通行君」
一方通行「まァ、はい」テクテク
一方通行(能力使ってるしなァ)
小鳥「けど、わざわざおんぶを買って出るなんてぇ一方通行君も男ね」ホッペニツンツンッ
一方通行「……まァ、小鳥さンが変な奴に絡まれても困るンで」テクテク
小鳥「またまたぁ〜、そんな人達は一方通行君が昨日病院送りにしちゃったじゃなぁい」
一方通行「え、知ってたンすか……?」ピタッ
小鳥「うん、気になって調べちゃったのよ。学園都市の学生で一番凄いのよね、ナデナデしてあげる」ナデナデ
一方通行「なンでアイツらには黙ってくれたンすか?」
小鳥「あんまり詮索されたくないんでしょ?それにあの子達の為だって信じてたもの」
一方通行「…………なンで、そンな奴の事簡単に信じンだよ。しかもそれをアンタらに隠してたンだぞ?」
小鳥「……」スヤスヤ
一方通行「…………」
一方通行「行くか」スタスタ
ーーーーーー
ーーーー
ーー
一方通行「着きましたよォ小鳥さン」
小鳥「うーん、カバンの中に鍵入ってるから」
一方通行「……」ガサゴソ...ガチャッ
一方通行「じゃあオレ帰ります」
小鳥「ベッドまで運んでえー」
一方通行「……」スタスタ
一方通行「じゃあ降ろしますよォ」ソロ-
小鳥「捕まえた!!」ダキッ
一方通行「!?ちょっと小鳥さン!」ドギマギ
小鳥「グゥ……グゥ……」
一方通行「寝ちまった。しまった鍵は……大丈夫か。徹底的に取り締まったし」
一方通行「…………一応鍵掛けてどっかに鍵隠しとくか。隠し場所はメールしたらいいよな」
一方通行「…………ありがとォございました小鳥さン」バタンッ
ーーーーーー
ーーーー
ーー
一方通行「…………」プルルルッ
一方通行「……土御門か?……あァ、そこそこだァ……上にオレの情報は徹底的に隠しとけって言っとけ」
一方通行「……あァ……あァ……チッ、うるせェな、じゃあな」プッ
一方通行「オレも帰って寝よ……」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
〜〜〜窓のないビル〜〜〜
土御門「どういうつもりだアレイスター」
アレイスター「土御門か……呼んだ覚えは無いんだが」
土御門「言いから答えろ。何故一方通行を外に出した?しかもプロデューサーだと?今度は何を企んでいる?」
アレイスター「…………」
土御門「珍しくだんまりか」
アレイスター「……企んでるとかそういうのやめよう」
土御門「は?」
アレイスター「だから、もうそういうのやめよう土御門」
土御門「な、何を言ってる?」
アレイスター「ふむ……『竜宮小町』を知っているか土御門?」
土御門「……新しい魔術組織か何かか?」
アレイスター「ハァ…………今絶賛売り出し中のアイドルユニットだ。馬鹿が」
土御門「…………」
アレイスター「…………」
アレイスター「本当に知らないのか……?」
土御門「知らないと言っている」イライラ
アレイスター「無知をこれほど呪ったことは無い。あずささんのあの溢れんばかりの母性を知らんとは……」
土御門「……」
アレイスター「おっと、もちろん竜宮小町はあずささんだけでは無い。いおりんのキュートさには参るし亜美からは元気が貰える」
アレイスター「そして、これは此処だけの話なのだが竜宮小町はプロデューサーまで可愛いんだ……私は彼女のファンでね」
土御門「で、その竜宮なんたらがどうした?」
アレイスター「土御門、貴様……!次竜宮小町の名前を間違えてみろ……生きていた事を後悔させてやる」
土御門「今まさに後悔しているところだ……それで?何故竜宮小町を話題に出した」
アレイスター「彼女達の歌を聴いてみろ、争う事など馬鹿らしくなってくる。いや……彼女達のファンとして黒い行いをしている者など言語道断、ファンを名乗る資格無し、といったところか」
土御門「本気で言ってるのか……?」
アレイスター「あぁ、近い内に魔術サイドにも絶対不可侵の外交を行う。その時は仕事をして貰うぞ土御門」
土御門「相手がその要求を飲むと?」
アレイスター「飲むさ……私が用意した交渉内容は殆どこちら側が無条件降伏をするようなものだからな」
土御門「暗部も取り潰すのか?」
アレイスター「ゆくゆくはな……暫くはお前らにこの都市の自警団になってもらう」
土御門「なに?」
アレイスター「学園都市をクリーンな都市にするのだ。人権を無視した研究も廃止だ。というか学園都市自体の基盤を壊す……だが、そうなると」
土御門「はぐれ者が出るから……自警団な訳か。統括理事会はどうするつもりだ?」
アレイスター「私に従わない者は潰す……私は早くこの都市を正常な状態にしアイドル達のライブを開いてもらいたい」
土御門「そんなものの為にお前が今まで積み上げてきた物を壊すのか」
アレイスター「私にとっては命を懸けるに値する……私は疲れたのだよ土御門、そんな私を癒やしてくれたのは竜宮小町だ」
土御門「それは分かったが……何故一方通行を送ったのかがまだだ」
アレイスター「あぁ、そうだったな。そもそも私が竜宮小町と出会ったのは友人がメールで動画を送ってきたからだ」
土御門「おい」
アレイスター「まぁ、聞け。その友人というのが竜宮小町が所属する765プロという会社の社長でな。この子達は素晴らしいなと褒めたら竜宮小町に引けを取らない子がまだ9人もいると言う」
アレイスター「心が躍ったよ……!私は直様催促した。他の子達の映像も寄越せと、だがそれは叶わなかった。何故なら」
土御門「おい、もう少し普通に喋れないのか」
アレイスター「……何故なら765プロは人材不足で満足にアイドルをプロデュース出来ないからだと……!私は神を呪った……こんな理不尽を赦すなどッ、貴様は何とつまらない男だとッ!!」
土御門(もう……何も言うまい……)
アレイスター「神が手を差し伸べないのなら私が差し出すしかない……私はそいつに送ってやったよ。学園都市で頭脳が優れた者をピックアップしてな。この写真の中から好きな奴を選べ、直ぐに用意してやると」
土御門「……」
アレイスター「そして選ばれたのが一方通行だ」
土御門「アイツが聞いたら発狂しそうだな……選考理由は?」
アレイスター「知らん、奴もまた多くを語らん男だ」
土御門「……というか暗部も潰すんじゃ、一方通行を縛るモノが無いじゃないか。人質を取るのもやめるんだろ?」
アレイスター「あぁ、だが一方通行にはノルマを提示した。勿論人質は解放するが、条件をクリアするまではプロデューサーになってもらう」
土御門「条件をクリアした後は?」
アレイスター「それは知らん。私には関係ない話だ、一方通行の好きにするといい。つまりは」
土御門「分かってる。その条件をクリアするまでは一方通行に今の話をしなければいいんだろ」
アレイスター「あぁ………話は以上か?納得したなら今すぐ消えろ。竜宮小町が出る生放送の時間に迫っている」ソワソワ
土御門(……結果的には数え切れない人間が救われるんだ。いくら馬鹿らしくてもそれでいいだろ土御門……!)イライラ
ーーーーーー
ーーーー
ーー
〜〜〜765プロ事務所〜〜〜
小鳥「死のう……」ドヨ-ン
律子「朝っぱらから何を言ってるんですか」
小鳥「うぅ律子さん〜、実は……」カクカクシカジカ
律子「さ、最低過ぎる……」ドンビキッ
小鳥「ですよね……もうお嫁に行けない……」
響「なんくるないさー!ピヨ子はお嫁に行けないとかそんな事気にするには年齢がおそ……痛!ちょっとやめ……うぎゃ!」
やよい「そうですよー!小鳥さんは綺麗だから大丈夫でーっす!!」ピョンッピョン
小鳥「やよいちゃん!!」ムギュッ
やよい(うっ、小鳥さんちょっとお酒臭い……)
一方通行「つゥか、気にしなくていいすよあンなン」
小鳥「聞いてたの一方通行君!?」
一方通行「そりゃあ真向かいで話されたら……」
小鳥「うぅ……」
一方通行「これに懲りずにまた誘って下さい」
小鳥「……はい!」パァア
あずさ「じゃあその時は私もお呼ばれされようかしら」
一方通行「あァ、そォいやあずささンも成人してたなァ。つい忘れちまったよ」
あずさ「あらあら〜、一方通行ちゃんは年上の女を喜ばせるのが上手いのねぇ」
律子「というか、年の割に結構女慣れしてるわよね」
あずさ「そういえば、面談の時に私より年上で綺麗な女を2人知ってるって言ってたわねぇ」
響「何だか話が怪しい流れになってきたぞ」
一方通行「あァ、そりゃあ暮らしてたからな……一緒に」
あ律小「!?」
律子「あずささんより年上の!?」
小鳥「女性と一緒に!?」
あずさ「あらあらあらあら〜」
やよい「何で耳を塞ぐんですか響さん〜」
響「や、やよいは聞いちゃダメさー///」
一方通行「…………勘違いしてるみてェだが保護者だぞ?」
響「だ、だよね!いくら何でもそんな訳ないって、自分は分かってたさー!」パッ
やよい「やっと聞こえますー」
律子「そ、そうよね。ちなみに年齢は?」
あずさ「20代後半らしいですよ」
小鳥(私が一方通行君の保護者だったら…………ダメ!エッチな事しか思いつかない……!)
一方通行「それに……小鳥さンには言ったがオレと一緒にガキも住ンでたしな」
小鳥「あ、そう言えば……」
貴音「おはようございます」ガチャ
一方通行「来たか……来て早々悪ィがもう出るぞ。この時間帯は道が混む」
貴音「そうなのですね。皆と話をしたいところですが……致し方ありませんね」
やよい「うっうー!貴音さんも一方通行さんも頑張って来て下さい!」
響「自分達もここから応援してるさー!」
一方通行「おォ」
貴音「では、行って参ります」パタン
律子(なるほど、だから同年代に比べて年上の人の方が話しやすそうにしてるのね。それと亜美真美にちょっかいかける理由も分かったわ)ウンウン
あずさ(みんな納得してたみたいだけど……何だかそこそこ年の離れた保護者の方がいやらしくないかしら〜)モンモン
小鳥(小鳥ィ!お前ェ保護者とか言ってオレの体が目的だったンだろォ?違うわ!一方通行!信じて!!じゃあ身体に同じ質問してやるよ……ダ、ダメぇ!ひゃあん!!)ポワ-ン
やよい「私たちも頑張りましょうね響さん!」
響「そうだな!貴音たちに負けてられないさー!」
やよい「うっうー!!ハイ、ターッチ」
や響「イェイ!!」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
〜〜〜車内〜〜〜
貴音「そう言えば、肝心な事を聞いてませんでしたが今日は何のオーディションなのですか?」
一方通行「新人アイドルを発掘する企画らしい。合格したらTV出れんぞ」
貴音「良くいきなりそんな仕事を取ってこられましたね」
一方通行「オーディション受けるだけだしそンな敷居は高くねェからなァ……まァだからこそ倍率はすげェンだけどな」
貴音「そうなのですか……あの、私何も特別な用意をしてないのですが」
一方通行「平気だろ」
貴音「……今更ジタバタしてもしょうがありませんね」
一方通行「お前なら行けるさ」
〜〜〜オーディション会場〜〜〜
貴音「過去がぁ〜明日に変わりぃ〜・」
一方通行(やっぱアイツ他のに比べてオーラあンなァ……)
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ーー
貴音「ふぅ……」
一方通行「お疲れさン。良かったぞ」
貴音「ありがとうございます。やはりプロデューサーがいると違いますね」
一方通行「オレはまだお前らに何もしてねェぞ」
貴音「いえ、そばに居てくれるだけで心強いというものです……1人では心細いですから」
一方通行「まァ、役に立てたンなら良かったわ。じゃあ次のオーディション行くぞ」
貴音「まだあったのですね」
一方通行「そォ言うな。これもプロデューサーが居ればこそだ」
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ーー
春香「それでオーディションを3つも受けたの!?」
貴音「はい」
雪歩「お疲れ様です四条さん。これ、良かったら飲んで下さい」コト
貴音「ありがとうございます雪歩。雪歩の淹れるお茶は真、心が癒されますね」
美希「オーディションを1日に3つもとかミキならボイコットしちゃうな」
一方通行「てめェは練習すらサボってンじゃねェか」
美希「むぅ、今日はちゃんとやったの!」
春香「はは……今日はって」
一方通行「まァ、貴音ももうちょい辛抱してくれ。後少しで楽になっから」
貴音「はて……と、言いますと?」
一方通行「そりゃあオーディション受けたやつの本番の収録日とかは集中させてやりてェからなァ」
千早「もしかして全部受かる気なの?」
一方通行「?あたりめェだろォが。なンでわざわざ落とされに行かなきゃいけねェンだよ」
千早「それはみんなそうでしょうけど」
一方通行「オレは貴音なら受かるってヤツしか受けさせてねェ、だから平気だ」
貴音「しかし、一方通行。今日受けたものには映画の物もありましたが」
一方通行「あン?お前手応え無かったのかァ?ミステリアスな女の役だからお前以外適任居なかったぞあのオーディション会場には」
雪歩「あ!それは四条さんにピッタリですぅ」
一方通行「だろ?」
貴音「何だか照れますね」
一方通行「真顔だけどな、今お前」
春香「結構考えてるんだね一方通行」
一方通行「足りめェだろォが。何だと思ってたンだよ」
真美「おめェら!!あの重役と枕してこォい!あァ!?簡単だろォが、何ならオレが犯してやろォか!!?……こんな感じ?」
美希「真美そっくりなの!」キャッキャッ
千早「そっくりはそっくりだけど、一体どこから……」
一方通行「ツッコミ入れるとこそこじゃねェだろ……お前も結構ズレてンのな」
雪歩「お、女の子がそんな事言ったらダメだよ///」
真美「えぇ〜真美は兄ちゃんが言った事真似しただけだよ〜?」
雪歩「ひぃぃぃ!!」アトズサリッ
一方通行「おめェも簡単に信じンなよ」
春香「あっ、しまった!終電の時間が!!」
一方通行「まだそンな時間じゃねェだろ」
春香「私んち遠いから……ここ来るのに2時間掛かるし」
一方通行「マジか」
春香「じゃあ私もう帰るね!」ダッ
千早「私も行くわ春香」ソッ
一方通行「おら、お前らも春香たちと一緒にさっさと帰れよ」
美希「えぇーミキたちはまだここにいるよ?」
貴音「私も今日は皆と話足りません」
真美「兄ちゃんも一緒に話そう?ほれ、ここ座んなよ」ポンポン
雪歩「あ、じゃあ私一方通行さんのお茶淹れてきますね」
一方通行「あァ!?いらねェよ!」
雪歩「………」ウルウル
一方通行「…………なるべく苦めで頼む」
雪歩「はい!」パアァ!!
貴音「そういえば一方通行はここに住んでいるのですよね?」
一方通行「それがどォした?」
貴音「一体どこで寝ているのかと」
一方通行「応接室のソファ」
美希「あぁ!だからあそこのソファに枕と毛布があったんだね」
真美「……ぶふっw」
一方通行「…………笑い所なンてねェだろォが」
真美「いや、兄ちゃんアウトローを気取ってんのにちゃんと枕とか買うんだなって」
一方通行「気取ってねェよ……後、枕とかは社長が用意してくれたンだよ」
貴音「あの方は良き御仁ですね……」
真美「ふ〜ん、その枕ってやっぱ黒色なの?」
一方通行「いや……」
美希「枕ならここにあるの」
一方通行「ッ!?なンッでてめェが持ってンだよ返しやがれ!!」ブンッ
美希「ヤなの!ミキこれ気に入っちゃった」ヒョイッ
真美(ハート柄とかwww)
貴音「愛らしい装飾ですね一方通行」
雪歩(何か私が居ない間に盛り上がってる……)
ーーーーーー
ーーーー
ーー
一方通行「チッ、あいつらやっと帰りやがった」
高木「おや?君だけかい?」ガチャッ
一方通行「あァ、居たのかよ?小鳥さンもちょっと前に帰った」
高木「ふむ……どうだい一方通行君?これから一緒に食事にでも」
一方通行「構わねェが……」
高木「よし、どうせだから高い店に行こう……!」
ーーーーーー
ーーーー
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〜〜〜高級レストラン〜〜〜
一方通行「またえらい高そォな店に来たなァ……大丈夫なのかよ」
高木「案ずるな一方通行君。経費でどうとでもなる」
一方通行「律子に怒られても知らねェぞ」
高木「なぁに、君も立派な共犯者だ。ささっ、とりあえず飲みたまえ」コポコポ
一方通行「芸能事務所の社長が未成年に酒飲ますなよなァ」ゴク
一方通行「美味ェ……!」キラキラ
高木「ふふ、酒の旨さが分かるならもう子供では無いのだから心配いらないな……なに、音無君が君と飲み交わしたと言っていたから羨ましくてね」
一方通行「そォかい……おら、アンタも飲めよ」コポコポ
高木「美女にお酌をしてもらうのも良いがこういうのも良いねぇ……!」ゴク
一方通行「ケッ……」ゴク
高木「どうだい調子は?あの子たちとも上手くやっているようじゃないか」
一方通行「3日目でする質問じゃねェなァ……まだわかンねェよそンなの」
高木「君なら大丈夫さ……おぉ見たまえこの料理を!!」キラキラ
一方通行「あン時はバタついてたから追求しなかったけどよォ」イタダキマス
高木「ん?」モグパク
一方通行「ピンときた!とかじゃなくてちゃンとしたオレを選んだ理由を教えてくれよ」ガツガツ
高木「……聞いても意味が無いと思うが」チュルンッ
一方通行「それを決めンのは社長じゃなくオレだ」ズズ-
高木「それもそうだね……何十人かの写真が送られてきてね、その中から君を選んだんだ」ムシャッ
一方通行「ふゥン」ボリボリッ
高木「何故それが君だったかは……君が助けを求めているように見えたからだ」パキッ
一方通行「……なンだと?」ピタッ
高木「周りを信用していない瞳をしていた。その表情も苦しみの中でもがいているようだったよ」
一方通行「ハッ!誰と勘違いしてンだよオッサン?」
高木「少なくとも私にはそう見えたのさ」
一方通行「それでェ?なンでそんな奴をわざわざ呼び出したンだよ?765プロっつゥのは慈善活動もやってンのかァ?知らなかったぜ」
高木「放って置けなかった、というのも事実だが君の瞳に何か輝くものが見えたのも事実だ」
高木「その輝きは平和な場所でこそより強く輝くものだ。私はその輝きとアイドルが合わされば凄い事になると信じている」
一方通行「アンタはオレが何をしてきたか知らねェからそンな事が言えンだよ……」
高木「知っているさ、君が何をし、どういう結末を迎えたか……もちろん打ち止め君の事もね」
一方通行「ッ!!なら!!なンでオレなンかをあいつらのそばに置いてンだよッ!?」ダンッ!!!!
ザワザワザワ
社長「ふふ、場所を変えようか?」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
〜〜〜公園〜〜〜
高木「確かに君は一般的な道徳的観念から見れば許されない事をしたのかもしれない」
高木「だがねぇ……君だけが悪いわけではない。一番悪いのは我々大人だ」
一方通行「だからってオレの罪が軽くなるわけじゃねェ……」
高木「だが君はあの事件に関わった大人達とは決定的に違う……何故なら君は反省し、正常な道を歩もうとしたじゃないか」
一方通行「それが如何に馬鹿げた事だったかも知ってンだろォ?悪人は一生泥ォ啜って生きて行かなきゃ駄目なンだよ……」
高木「それも大人達が勝手に君を追い詰めただけだ。君は間違っていないし失敗もしていない」
高木「陰気な場所に居る事に慣れてはいけない一方通行君。此処での生活で君本来の輝きを取り戻すといい」
一方通行「てめェも小鳥さンもイカれてンだ……なンでオレの事知っても普通に喋れンだよ」
高木「一方通行君、世界は君が考えている程悪意では満ちていない。どうか私たちの事を信じて欲しい」
高木「そして、此処で皆んなに一杯優しくし、優しくされるといい。そんな温かいものの積み重ねがきっと君が抱える重みを軽くしてくれる」
一方通行「…………」
高木「と、君の保護者の方なら言うのではないかな?」
一方通行「…………もォ言われたよ。同じようなことを」
高木「そうか、良い人に巡り会えたんだね君は」
一方通行「オレにはもったいねェぐらいだよ……」
響(いぬ美の散歩をしてたら社長と一方通行が密会してたぞ……)コソッ
高木「どうだい、私の解答は終わりだが納得してくれたかな?」
一方通行「……あァ」
響「ッ!?」
響「社長ッ!!」
高木「ん?」クルッ
響「弱い者イジメはやめるさーっ!!!」ポカポカポカ
高木「イタタタ!な、何を言っているんだね我那覇君!?」
響「だって一方通行泣いてるぞ!社長が泣かしたんだろ!?」
一方通行「バッ!泣いてねェよ!!ぶっ殺すぞてめェ!!!」
響「嘘つけ泣いてたぞ!」
一方通行「泣いてねェッつってンだろ!!」
高木「ほら、どうだい一方通行君。彼女たちは良い子ばかりだろう。君の人生はきっとこれからもっと楽しくなるよ」
一方通行「期待しねェでおくよ……」
響「あれ……何さーこの空気は?」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
〜〜〜765プロ事務所〜〜〜
一方通行「ふゥ…………」ゴロン
黄泉川『そのくだらないものの積み重ねがお前の負債を返済していくじゃんよ』
一方通行「……」
一方通行「チッ、黄泉川の作った飯、久し振りに食いてェなァ………………」スヤァ
ーーーーーー
ーーーー
ーー
数週間後
律子「おめでとう一方通行!新人のくせにやるじゃない!」バシンッ
一方通行「痛ェ」
千早「まさかホントに全部オーディション通るなんて」
一方通行「別にオレは何もしてねェよ。やったのは貴音だ」
小鳥「もー、謙遜なんかしちゃって」
律子「素直に喜びなさいよ。それにアンタが来てから事務仕事が格段に楽になったんだから」
亜美「ふ〜ん、そうなの?」
律子「そうよー?ホームページも以前に比べて見やすくしてくれたし」
一方通行「つゥかオレが来る前が色々お粗末過ぎたンだよ。どォ考えても効率的じゃねェし、セキュリティの面も……」ブツブツブツブツ
千早(何を喋ってるのかしら)
小鳥(仕事が簡略化したからこそサボりポイントがことごとく消えていったんだけどね……)
亜美「やるねぃ兄ちゃん!伊達にハート柄に包まれて寝てないね」
一方通行「……なンで知ってンの?」
亜美「んっふっふ〜。ちょっと前に真美隊員から就寝中の兄ちゃんの写メが送られて来たんだよー」パカッ
一方通行「はい、削除ォ」ピッピッ
亜美「あぁっ!?何すんのさー!!」
一方通行「あのガキ、そォいや一回だけやたら早くここに来てた時あったな。こォいう事だったのか」
亜美「いっくら消しても無駄だよ兄ちゃん?真美からまた送ってもらえばいいだけだし!」
一方通行「その画像も消しゃいいだろォが」
律子「それは手間かもね。アンタの画像全員に送られてたし」
一方通行「は?」
千早「あ、そういえば来てたわねそんなメール。どう返信しようか迷ったわ」
一方通行「最悪だわアイツ……」
律子「そんな恥ずかしいなら新しいの買っちゃえばいいじゃない。給料も出たでしょ?」
一方通行「駄目だ、せっかく社長が買ってくれたンだから無駄にする訳にはいかねェ」
律子「アンタ本当変なとこで義理堅いわよね……」
小鳥(まぁ私は写メより凄い一方通行君の恥ずかしい写真一杯持ってるけどね。着替えとか)
亜美「ていうか兄ちゃん、給料出たんならどっか家探せばいいじゃん」
千早「それもそうね」
一方通行「オレもそォ社長に言ったンだが」
小鳥「私が反対しました」
亜美「なんでー?」
小鳥「一方通行君はホントに荷物無しでこっちに来たから色々とお金が必要なのよ。スーツ代でかなりお金掛かっているし」
亜美「スーツぅ?そういうのって普通経費で落ちるもんなんじゃないの律っちゃん?」
律子「普通の、ならね」
千早「そういえば一方通行のスーツってオーダーメイドなの?」
一方通行「既製品じゃオレに合うサイズねェンだよ」
律子「それだけじゃないわ。亜美、一方通行に触ってみなさい」
亜美「ん?……!触り心地よっ!!」
律子「そりゃそうよアルマーニだものね……」ハァ
亜美「それって亜美でも知ってるブランドじゃん」
小鳥「カッコいいでしょ♪社長と一緒に選んだのよお」
律子「そして初孫の成人式の用意をする老夫婦の如くあらゆるオプションを付けまくったんですよねっ!」イラッ
小鳥「ろ、老夫婦は流石にヒド過ぎますよ律子さぁん……」
亜美「つまり、兄ちゃんのスーツにはメッチャお金掛かってるってことなんだね」
一方通行「あァ、そンで事務所に金を払ってもらうのは悪ィから建て替えって形にしてもらったンだ」
千早「成る程。だから住む所を借りられないのね」
千早(一方通行は無理に借金を負わされた感じね)
律子「まぁ、それにいつでも事務所に誰かが居るっていうのも不測の事態に対応できるから正直助かるのよ。だからまぁ私も一方通行がここに居ることに賛成したわけ」
千早「なるほど」
亜美(律っちゃんはそうなんだろうけど、多分ピヨちゃんは違うよね。ピヨちゃんのロッカー開けたら兄ちゃんの写真一杯あったし……)
亜美「ふむ、つまり兄ちゃん君はお金に困ってる訳だね?」
一方通行「まァ、そうだが。なンだよそのノリ」
亜美「ふー、では亜美の肩を揉みたまえ。10分で1000円やろう」チョイチョイ
一方通行「ざっけンな。そのチョンマゲ掴んで向いのビルまで吹っ飛ばすぞ」
ーーーーーー
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ーー
〜〜〜車内〜〜〜
貴音「今日はあの映画の撮影でしたね」
一方通行「あァ、セリフ覚えてきたか?ま、つっても一言二言だけどよ」
貴音「もちろんです。いかな端役であろうと意味のあるものですから」
一方通行「ふゥン、良い心掛けじゃねェか」
貴音「……」ジ-
一方通行「ンだよ、言っとくが今日は飯奢ンねェからなァ。奢る時はお前に何か仕事が決まった時って決めたから」
貴音「それは残念ですね。いえ、そうではなく……最近優しくなりましたか一方通行?」
一方通行「はァ?」
貴音「最近のあなたから発せられる気配は以前のように刺々しく無くなりましたから……そうですねその変化は一方通行がはぁと柄の枕と毛布に包まれていると判明した次の日からでしょうか」
一方通行「……お前マジで凄ェな」
貴音「えぇ、私も驚いております……まさかはぁと柄にそのような効能が隠されているとは……!」
一方通行「ウチのアイドルでまともな思考してンのって伊織だけだよな」
貴音「ふふっ、ほんの冗談ではありませんか一方通行」
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ーーーー
ーー
〜〜〜撮影現場〜〜〜
貴音「〜〜〜〜〜〜〜」
俳優「〜〜〜〜〜」
貴音「〜〜!」
カーットォ!!
一方通行(上手ェなァアイツ。こンなちょっとの役の為に役作りとかしてンのかな)
スタッフ「あ!765プロさん!!」タッタッタ
一方通行「ん?」クルッ
スタッフ「実はですね……」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
一方通行「という訳でお前の出番増加」
貴音「それは真ですか……?」
一方通行「あァ、監督がお前の演技見てただの脇役にすンのは惜しいからどうしても出番増やしたいってよ。良かったなァ」
一方通行「しかも、こっちにも時間の都合あンのに無理矢理やってもらって悪ィからってかなり美味しい役にしてくれるってよ」
貴音「時間の都合、ですか?……確か今日はこの仕事だけの予定では無かったのですか?」
一方通行「わざわざあっちから頭下げてンのに何の駆け引きもしねェでハイ、お願いします。じゃあ勿体ねェだろォ?」
貴音「ふふふっ、一方通行は悪い殿方なのですね」
一方通行「ンだァ?今頃気付いたのかよ」ニタァ
一方通行「つゥかおめェは大変だぞ?どンだけ出番増やされるかは知らねェがこの場でセリフ覚えてやンなきゃいけねェンだからなァ」
貴音「大丈夫です。一方通行が生んで下さったこの機会、無駄には致しません!」キリッ
一方通行「チャンスを生ンだのはお前自身さ。まァ終わったら飯奢っから頑張れよ……あァでも高ェとこはダメだ。せいぜい屋台の何かだなァ」
貴音「そんな事を気にしなくても良いのです。そのお気持ちが嬉しいのですから」
一方通行「そォかァ?じゃあ金無ェのはマジだから気持ちだけ受け取っといてくれ」
貴音「なっ!?」
一方通行「冗談だよ……車の時の仕返しだ」
貴音「一方通行はいけずです!」プンスカッ!
ーーーーーー
ーーーー
ーー
〜〜〜夜道〜〜〜
一方通行(チッ、あの女オレが会計済ましてる間にどっか行きやがった)キョロキョロ
貴音「………」
一方通行「……」
一方通行「おい、お前が見てる先には月しかねェぞ」
貴音「えぇ、ですから月を眺めているのです」
一方通行「そォいや、お前仕事終わりに月見てること多いよなァ。なンかあンのか?」
貴音「月を眺めていると心安らぎます。ご覧下さい一方通行、今宵の月のあの輝きよう……」
一方通行「くだらねェ。月なンていつ見ても変わンねェよ」
貴音「ふふっ、残念ではありますが一方通行らしいですね……今日はご馳走様でした一方通行。私は帰るとしますね」
一方通行「あァ?何言ってンだ送って行くに決まってンだろ」
貴音「独りで歩きたい夜もあるのです……それでは」
一方通行「あ、テメッ!……オイ!」
一方通行「……行っちまいやがった。チッ、月がなンだってンだよ?」ミアゲッ
月「…………」
一方通行「……高ェ所から見下ろしてンじゃねェぞコラ」ジ-
ーーーーーー
ーーーー
ーー
数週間後
〜〜〜765プロ事務所〜〜〜
一方通行「はい、その件はそちらにお任せしますので……はい……はい、よろしくお願いしますゥ」プッ
小鳥「貴音ちゃんのPV製作、順調そうね!」
一方通行「はい、最近は歌番組にも出れるよォになったし順調っすね」
小鳥「けど、演出とかも全部あっちに任せちゃって良かったの?」
一方通行「まァ、打ち合わせで目指す方向性は一緒って分かったし……それに全部任せる、つった方が信頼得れるかなって」
一方通行「あの製作会社小さいスけど、良いもん作る会社なンで長い付き合いしたいンすよ。うちのアイドルが売れればPV作る会社も有名になって金も入るだろォし」
一方通行「765プロの映像作品と言ったらあの会社、って成れたら言うこと無しっす」
小鳥「そうなの……色々考えてるのねえ〜。貴音ちゃんもDランクに上がったし、頼りにしてるわよ一方通行君!」
一方通行「うす」
一方通行(多分Cランクも結構直ぐに行けンな。問題はどのタイミングで他の奴をプロデュースするかだ……まだ貴音1人に専念した方がいいか?)
一方通行(ン?チッ!コーヒー切れてンの忘れてた)
一方通行「小鳥さン、オレコンビニ行きますけど何か買ってきます?」
小鳥「ううん、大丈夫よー。いってらっしゃい」
一方通行「…………てきます」ボソボソ
小鳥「ふふっ」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
〜〜〜外〜〜〜
一方通行「たまには新作のコーヒーもいいなァ」ニタァ
真美「兄ちゃん外であんま笑わない方がいいよ……」
一方通行「うォッ!?てめェ急に現れンなよ。学校は終わったのか?」
真美「うん……あ、兄ちゃん荷物持つよ!」ヒッタクリ!
一方通行「あァ?」
真美「兄ちゃんはお疲れのようですな〜、肩でもお揉みしましょうか?」
一方通行「何言ってンだおめェ?」
真美「いいからいいから」グイ
一方通行「触ンな」ググ
真美「……大人しくしてって」ググググ
一方通行「だァッー!!離しやがれ!マジでなンなンだよ!!」
真美「だって真美は兄ちゃんに恩を売んなきゃなんだよ!じゃないと兄ちゃん真美の事プロデュースしてくれないじゃん!!」
一方通行「はァ?……チッ、前も言ったがオレが成長したらお前が嫌がろォとプロデュースすンだよ。納得したンじゃなかったのかよ」
真美「した……けど」ウツムキ
一方通行「けどなンだよ?」
真美「もう……学校で双子の売れてない方って言われるのはやだよ……」
一方通行「…………」
一方通行「……チッ」ポパピプペ....プルルル
一方通行「あ、どォも!私765プロの……はい!はい!あの雑誌の件で貴音より適任の子がいるンですが」チラ
真美「え?」
一方通行「えェ!それはもちろン……そうです、今絶賛売り出し中で……」ガシガシ
真美「うわっ!ちょっとぉ〜///」
一方通行「はい、プロフィールをお送りしますンで……はい……はい、失礼します」パタン
一方通行「これから二度と周りからそンなナメた事言わせねェ……絶対ェにだ」
真美「うん……」
一方通行「だからよ……その、アレだ……元気出せよ」ポリポリ
真美「兄ちゃん兄ちゃん兄ちゃああん!!」ダキッ
一方通行「ぐっ!?」
真美「真美これからメッチャ頑張るよ兄ちゃん!!」
一方通行「あァ、じゃねェと困る。わかったから離れろ」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
〜〜〜765プロ事務所〜〜〜
一方通行「つゥことで、お前に取れる時間少なくなったから」
貴音「はい……仕方ない事とは言え少々寂しくなりますね」
一方通行「チッ、お前が寂しいのは奢りで飯食えなくなることだろ」
貴音「ふふっ……両方、と言っておきましょうか」
真美「ごめんねぇお姫ちん〜」
貴音「真美が謝る事ではありませんよ」ナデナデニコッ
真美「うあうあ〜」
やよい「うっうー!良かったね真美!!」
真「けど良いなぁ2人とも……プロデュースしてもらえて」
一方通行「あァ、その事なンだけどよ。お前らにもこれから仕事取ってくることにした」
真「本当に!?」
一方通行「あァ、流石にでけェ仕事はまだ1人で任せらンねェけどよ……お前らだけでも出来そォな仕事とかオーディションをオレが紹介するって形で」
雪歩「ふ、不安です」
一方通行「もちろン自分で無理そォだとか気に食わねェって判断したら断ってくれていい。どのみちお前ら全員プロデュースってなっても何人かはオレが付いて行けねェ場合があるだろォし」
一方通行「今の内にそォいう1人で自分の分相応な仕事を取捨選択する技術を学ンどいてもらいてェンだ」
一方通行(売れてねェって嫌な思いしてンのは真美だけじゃねェはずだ……確かに大変になるだろォが全員プロデュースだって結局はオレが無理すりゃそれで済む話だ)
貴音「……」
一方通行「別に平気だからこっち見ンなよ」
貴音「まだ何も言ってませんが」
春香「2人ともすっかり仲良しだね」
一方通行「チッ、じゃあ取り敢えず仕事割り振っからメモれ」
一方通行「まず貴音、は前言った予定に変更はねェ。お偉いさンが居るよォなウザッてェ仕事ン時はオレも同行する」
貴音「助かります」
一方通行「次、真と響。おめェらは近い内に開催されるダンスコンテスト荒らしてこい」
響「ダンスコンテスト?」
一方通行「あァ、プロの連中がゴロゴロ居るその筋じゃ有名なコンテストらしい。規模もでけェから注目度高けェぞ」
真「そんなとこにアイドルのボク達が行っちゃっていいの?」
一方通行「参加条件は特に指定されてねェからなァ」
響「プロのダンサー達と勝負するのか、ちょっと不安だぞぉ……」
一方通行「平気だよ、おめェは完璧なンだろ?」
響「そ、そうさー、自分は完璧さー!!」
一方通行「お前ら全体練習でダンスやってる時、周りに合わせるために結構セーブしてンだろォ?そのリミッター外しゃあ優勝は言い過ぎかもしンねェけどイイ線行ける」
響「何言ってるんだ一方通行、やるからには優勝だぞ!」
一方通行「まァ、それに越したことァねェな。曲は自分達で決めていいぞ。振り付けはトレーナーと相談しながら決めてくれ」
真「くぅぅぅぅ、燃えてきたああ!!」
美希「ミキ、応援しに行くね真クン!」
一方通行「おめェは読モのオーディション受けてこい」
美希「読者モデルならアイドルになる前からミキ何回もなってるよ?」
一方通行「それは街角スナップ、みてェなコーナーだろ?オレが言ってンのはその雑誌に契約されるモデルになってこいっつってンだ」
美希「それ、何が違うの?」
一方通行「全然違ェよ。まず金貰えるし、定期的に雑誌に載るしなァ。後そこで有名になりゃあブランドの方からこの服着ろってお願いしてくる。ファッション誌は好きなの選べ。お前いっつも事務所で見てンだろ?」
美希「けど、ミキが見てる雑誌はミキくらいの年の子載ってないよ?」
一方通行「だがその雑誌に年齢制限なンてねェンだろ?しかも読モは入れ替わり激しいからチャンスもある。良かったな。お前が第一人者だ」
美希「あはっ、それって面白そうかも!」
一方通行(自分が興味ある事だったらコイツも本気出すだろ)
一方通行「次千早、お前はラジオのパーソナリティーな」
千早「私がラジオ?1人で?」
一方通行「いや、お前の役目はメインパーソナリティーじゃなくてサポートの方。あずささンが今度からやるラジオのな」
千早「あずささんの……」ホッ
一方通行「あずささンからの指名だ。内容はリスナーからリクエストされた曲を2人が歌う、っていう感じらしい」
千早「それは凄く楽しみね」
一方通行「あァ、詳しい段取りとかは律子から話すっつってたからそれを待っててくれ」
千早「わかったわ」
一方通行「じゃあ次やよい。やよいはヒーローショーの司会のオーディション」
やよい「司会ですかっ!?私に出来るんでしょうか〜」
一方通行「そォ難しくはねェと思うぞ?多分これガチの司会じゃなくて怪獣に襲われる役込みだろうし」
やよい「そうなんですか」
一方通行「あ、怪獣とか、もしかして怖ェか?」
やよい「いえ!ヒーローさんが助けてくれるから大丈夫でーすっ!」
一方通行「そォかよ」フッ
パシャッ!
真美(あんな笑い方すんだ)
春香(一方通行ってやよいにだけは優しいよね)
一方通行「次雪歩。お前は貴音と一緒に詩の朗読会な」
雪歩「四条さんと!」キラキラ
一方通行「お前ポエムとか好きなンだろ?なら読むのとかも得意だろ。声も良いし……まァ扱いは貴音のバーターみてェになるけど」
雪歩「いえ!四条さんのバーターなんて光栄です!!」
一方通行「そ、そうか」
貴音「共に参りましょう萩原雪歩」ファサッ
雪歩「はい!」キュッ
一方通行「……次春香。春香は、CDショップの前でCDの手売りな」
春香「うん、頑張るね!」
一方通行「……なンで私だけこンな仕事なの!とかねェの?」
春香「え、なんで?手売りだったらCD買ってくれた人ともお喋り出来るし、私そういうの好きだし……」
一方通行「お前って何気にえらいよなァ……」シミジミ
春香「えへへ、そうかなぁ」テレテレ
一方通行「一応言っとくが、お前に出来そうなオーディションがねェわけじゃなくて敢えてCDの手売りをしてもらうだけだからな?安心してくれ」
春香「どういうこと?」
一方通行「お前らの中で春香だけはどォいうアイドルにプロデュースするかもう決めてンだ」
春香「そうなの?」
一方通行「あァ。おめェにはみんなから親しまれる正統派アイドルになって欲しいから、そォいう泥臭い下積みをしてきたっつゥバックグラウンドが欲しいンだよ」
春香「なるほどー」
一方通行「だから最初の方は他の奴らより華やかな仕事は少ねェかもしンねェ。嫌だったら……」
春香「大丈夫だよ!それに私CDの手売りのお仕事を泥臭いなんて思わないし……一杯売れるかどうかはアレだけど」
一方通行「そォか。ま、仕事ン時は小鳥さンが同行してくれっから安心しろ」
一方通行「で、真美はオレが鬼のように営業してくっからそれに備えてろ」
真美「アイアイサーだよ兄ちゃん」ビシッ
一方通行「まァ、こンな感じか?……あァ、仕事先でトラブルあったりヤバそォだったら速攻で電話しろ」
一方通行「後、権力ある奴に何か下衆いこと言われても絶対ェ従うな。信用出来そォな奴に何か誘われても返事する前にまずオレに電話しろ……わかったな?」
全員「はーい!」
一方通行「良し、じゃあミーティング終了ォ、解散」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
数日後
〜〜〜収録現場〜〜〜
真美「お疲れ様でしたー」ペコ
一方通行「良い感じだったぞ。次もお前に頼むってよ」
真美「マジで!?やったよ兄ちゃん!!」ピョンピョン
一方通行「おォ良かったなァ。つゥかお前中1にしてはスタイル良いから中坊向けのファッション雑誌とかハマり役かもな」
真美「そうかなぁ、スタイルならミキミキの方が真美よりグンバツだよ?」
一方通行「あいつは中坊に見えねェからダメだろ」
真美「たしかに」
一方通行「これからもっとお前に仕事来ンぞ。中学生アイドルって数が少ねェみてェだからなァ」
真美「そうなの?」
一方通行「ネット調べた限りだから、目立たねェだけで人口は多いかもしンねェがお前の壁になりそォな奴はいね……いや、いるか1人」
真美「えぇ!?誰々?帰国子女のボンキュッボンとか?」
一方通行「おめェの女のステイタスってスタイルなのな……そうじゃなくてウチに凄いのがいンだろォが。竜宮小町の双海亜美だよ」
真美「あ……」
真美「亜美と仕事を取り合うってこと……?」
一方通行「ただ単純に有名な中学生アイドルは誰だって話だ。そこまでエグい事にはなンねェだろ流石に。製作側からしても双子のアイドルなンてセットで揃えてェだろォし」
真美「でも真美は竜宮小町に入れなかったよ?」
一方通行「それは律子がお前らを単なるセットで終わらせたくなかったからだろ。双子のまま有名になったら2人での仕事ばっかになりそォだし、真美は真美、亜美は亜美の良さを引き出したかったンじゃねェの?」
真美「亜美にない真美の良さってどこさ?」
一方通行「あァ?……まだわかンねェよ、サイドテールとか?」
真美「兄ちゃん適当過ぎっしょ!!」
一方通行「ちゃンとおめェの魅力引き出してやっから心配すンなよ。おら次の現場さっさと行くぞ」
真美「あっ、じゃあクレープ屋寄って!前にあずさお姉ちゃんがここの近くに美味しいクレープ屋があるって言ってたんだ〜」
一方通行「嫌だめンどくせェ」
真美「あ〜贔屓だ!!お姫ちんには奢るくせにぃ」
一方通行「チッ、あの大食らい女ベラベラとッ…………!」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
〜〜〜公園〜〜〜
一方通行「店って路上販売かよ」
真美「ん〜〜♪」パクパク
真美「兄ちゃんも食べる?メッチャ美味しいよ!」
一方通行「いらねェ。見てるだけで胸焼けしそォだ」
真美「缶コーヒーばっか飲んでると白い髪の毛が真っ黒になっちゃうよ」
一方通行「別にこだわりねェよ」
真美「うっそだぁー、その割にはサラッサラじゃん。ほらこんなにも!」サラ-ン
一方通行「さっわンなうざってェ!」イラッ
ザワザワザワ
一方通行「?」
「おい、あれ!」
ザワザワ
「うわ亜美ちゃんじゃねえの?」
ザワザワ
「亜美テレビより可愛い!」
ザワザワ
「俺サイン貰ってきちゃおっかな」
ザワザワ
「何かの撮影か?」
真美「…………」
一方通行「……」チラ
一方通行(プロデューサーなンて立場じゃなかったらコイツ等全員今すぐにでもミンチにしてやンのによォ……!まァプロデューサーじゃなかったら殺意も湧かなかったわけだが)
一方通行「おい、そろそろ行くぞ?残りは車で食え」
真美「うん……」
青年「あの!」
真美「!」ビクッ
青年「亜美ちゃん良かったらサイン下さい!!」
真美「あ、あの……まみっ、わ、私は……」オロオロ
一方通行「おい……突っ立ってねェで道ィ開けろや糞野郎」ギロッ
一方通行(我慢我慢我慢我慢ガマンがまんガマンがま……)
青年「ひっ」
一方通行「行くぞ」グイ
真美「う、うん」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
〜〜〜車内〜〜〜
一方通行「……」
真美「……」
ブオォーン
一方通行「……クレープ食わねェの?」
真美「いらない」ウツムキ
一方通行「ならくれよ」ヒッタクリ
真美「胸焼けはどうしたのさ兄ちゃん」
一方通行「……」モグモグ
一方通行「ウェッ……女ってのはなンだってこンな甘いもン食えンだァ?」
真美「何それ自分から食べといて、兄ちゃん変な顔w」プッ
一方通行「うるせェな、他に今すぐお前を笑わせられる方法が思いつかなかったンだよ」
真美「えっ…………兄ちゃんキザ過ぎwww」
一方通行「……」イラ
真美「でも、ま……ありがと。ちょっと元気出たよ」
一方通行「これから楽しみじゃねェか」
真美「ん?」
一方通行「さっきみてェな雑音が、マミチャンカワイイー、とかに徐々に変わって行くのを体験できるってのは」
真美「変わるのかな?」
一方通行「何の為にオレがいると思ってンだ」
真美「兄ちゃん……」
一方通行「だからこのクレープの残り食え」ヒョイ
真美「えぇー、結局それがしたかっただけぇ?」
一方通行「違ェよ!お前とオレでてっぺん取るまでその糞忌々しい悔しさの味忘れンなって事だ……ンで、トップアイドルになったらまたあそこに食い行こうぜ……2人でよ」
真美「!……」バクバクバクッ
真美「真美、この味忘れないよ兄ちゃん」ニッ!
一方通行「あァ、オレも忘れねェ」ニッ
一方通行「じゃあ千里の道も一歩からだァ、次の仕事も気合入れてくぞ」
真美「うっうー!」
一方通行「パクってンじゃねェよ」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
一ヶ月後
〜〜〜765プロ事務所〜〜〜
亜美「たっだいまぁー」バシ-ン!
律子「ドアは静かに開けなさい」
小鳥「あ、おかえりなさい」
貴音「おかえりなさいませ」
伊織「あら?今日は2人だけ?」
小鳥「みんな仕事に行ってるのよ」
亜美「えーそうなのー?ちぇ、せっかく久しぶりにこんな長い時間事務所いれるのに」
あずさ「最近はみんなもちょっとずつ忙しくなってきてるものね」
律子「全員Dランクですからね。一方通行様様よ」
小鳥「けど竜宮小町もBランクになったじゃないですか。流石は律子さんです」
伊織「当然よ!むしろ遅過ぎたくらいだわ」
律子「色々準備期間があったんだからしょうがないでしょ?」
亜美「準備?何の?」
律子「ふっふっふっ、まだ秘密よ」
あずさ「気になります〜」
律子「今はそんな事より今日の仕事!と言っても現場入りまでかなり時間あるから自由に休んでて」
亜伊あ「はーい!」
亜美「あ、そうだ。お姫ちん!」
貴音「何ですか亜美?」
亜美「兄ちゃんのお話してよー」
貴音「一方通行の事をですか?」
亜美「だって亜美たち竜宮で忙しいからあんま兄ちゃんと話せないんだもん。兄ちゃんが来てから結構経つのにさー。みんなん中で一番詳しいのお姫ちんっしょー?」
小鳥「確かに一方通行君と一番長い時間いるのは貴音ちゃんかしらね」
あずさ「あら、それ私も聞きたいわ〜」
伊織「ふぅん、面白そうじゃない。暇潰しに話してよ」
小鳥「そうね。私も興味あるわ」
律子「小鳥さんはいっつも会ってるでしょうが。ナチュラルに混ざってないで仕事して下さい!」カタカタカタッ
小鳥「……」カタ....カタ..カタ
貴音「話ですか……そうですね。あ、基本的に肉類しか食しませんね」
あずさ「あんなに細いのに!?」ガタ-ン!
亜伊「!?」ビクッ
貴音「はい。かなりの偏食家で野菜などは一切口にしません……甘味も口に合わないようです」
亜美「で、飲み物はコーヒーしか飲まないんでしょ?兄ちゃんの健康状態はどうなってるんだろうね」
貴音「あぁ、飲み物なら雪歩が淹れるお茶は飲みますよ」
伊織「へぇ、意外ね」
亜美「ね、こンなン飲めるかァ!とか言って目の前で捨てそう」
貴音「一方通行はそういう事はしませんよ……いえ、そういえば一回ありましたね」
あずさ(特別なダイエット法とかあるのかしら)
亜美「聞きたい聞きたい!」
貴音「春香が間違えて私達の為に作ってきたお菓子を一方通行の為に苦めに作った物と間違えて一方通行に渡してしまったのです」
伊織「それだけで捨てたの?」
貴音「本来の一方通行はこの程度では怒りません。その前日に春香と真美と響が共謀し、一方通行がどの程度の甘さまで食せるかを無理矢理試していたのです」
亜美「あぁ、それムービーを家で真美に見せてもらったことある」
貴音「その経緯があったため、一方通行は春香から渡されたお菓子は自分への宣戦布告だと思い、お菓子が入った袋を春香の顔面に叩きつけたのです」
伊織「何してんのよアンタ達……」
亜美「顔面とかwwww」
貴音「後は真のトレーニングに付き合ったり……雪歩の為に女装した時もありましたね」
亜美「女装!?」
あずさ「まぁ!」チラッ
小鳥「もちろん撮ってあります!後でお見せしますね」カタカタ...タッ-ン!
貴音「あの状況で……良く撮りましたね小鳥嬢」
伊織「どういうことよ?」
貴音「そもそも、男性が苦手な雪歩の為の特訓の一環で女装をしたのですが……」
亜美「したのですが……?」
貴音「一方通行は雪歩の前でしかその姿を見せなかったのです」
伊織「?別に普通じゃない」
貴音「正気ですか水瀬伊織?あの一方通行が女装をしたのですよ。そしてその後の雪歩の感想が私達の欲求をより強く駆り立てさせました」
伊織(まだそんな親しくないんだからわかんないわよ)
あずさ「どんな感想だったの?」
貴音「あの姿を見れないなんて正直言って可哀想……あの雪歩がそこまで言ったのです」
亜美「それでみんなで特攻したんだ?」
貴音「如月千早を除いて、ですがね」
伊織「え、やよいも?」
貴音「やよいは春香の発案で一方通行の怒りを鎮める要員として同行してもらいました」
伊織「……」
あずさ「それで、どうなったのかしら?」
貴音「あの惨劇は口にしたくはありません」
亜美「そりゃないっしょー」
貴音「そうですね……私が恐怖のあまり泣いたくらいと言えばわかるでしょうか」
亜美「えぇ!?」
伊織「アンタが泣いたの!?」
律子「本当ですか?」ボソボソ
小鳥「いえ、横一列に並ばされて1人1人その写真データを携帯から削除させられたくらいです……まぁ本当にそれくらい怖かったですけど」ボソボソ
あずさ「一方通行ちゃんって怒ったら怖い子なのね」
貴音「いつもは優しいですよ。良く気を遣っていますし」
伊織「そういう話をしなさいよ」
貴音「それは一方通行から口止めされていますので」
伊織「何よそれ?」
貴音「はぁ、何でもプロデューサーがアイドルに優しくするのは当たり前なのだからその様な事をわざわざ口にするな、と」
亜美「筋が通っているというか通っていないというか?」
あずさ「一方通行ちゃんは照れ屋さんなのね。そういうのって可愛いわぁ」
小鳥「あぁ、それ分かります!この前なんか……」
律子「手を止めないで下さいよぉ」ビキビキ
亜美「けどいーなーみんな。兄ちゃんと遊べてさっ」
律子「あら、私じゃ不満かしら」
亜美「だって律っちゃん厳しいじゃん!」
伊織「確かにね」
律子「……次のレッスン楽しみね」
亜美「うあうあ〜!そりゃないよ〜」
あずさ「あ、あら〜」
貴音「では一方通行にめぇるをしたためるというのは如何でしょう?真美や美希は良く送っていますよ」
亜美「あー、なるほどね」パシャ
伊織「…………何撮ってんのよ」
亜美「いやぁ、兄ちゃんに構って貰えないからいおりんが拗ねてるぞっ、て送ろうと思って」カチカチカチ
伊織「ちょっと!勝手な事しないで!」
亜美「んっふっふ〜、もう送っちゃったよ〜ん」ピロン
亜美「返信はや……構って欲しいのはお前だろうがだってさ」カチ...カチ
貴音「見事に看破されていますね」
伊織「……」
亜美「あ、後オレンジジュースとサイダーと紅茶が冷蔵庫にあるから勝手に飲め、だって」
あずさ「まぁ♪」
伊織「あいついっつも用意してんの?」
小鳥「みんなの好みのジュースはいっつも用意してるわね」
伊織「……バッカみたい」
亜美(でも飲むんだ)
律子「私には?」
亜美「ん、ちょっとまって……律っちゃんがキレた、と」カチカチカチ.....ピロン
亜美「お前は勝手にオレの飲んでんだろうが知ってんだぞ!?だってさ」
律子「飲んでいいってことよね」
小鳥「お茶休憩にしましょうか♪」
律子「は?」
小鳥「……」カタ..カタ....カタ..
伊織「私は少し寝ようかしら……行く時になったら起こして」
律子「わかったわ」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
〜〜〜応接室〜〜〜
伊織「……」
伊織(何だかここも一気に生活感溢れる場所になったわね。まぁあいつが寝泊まりしてるんだから当然だけど)
伊織(どうせだから枕とか使わせてもらおう…………美希の匂いがする。アイツもここで寝てんのね)
伊織(にしても凄い寝心地良いわねこの枕……あぁ……もう寝そう……)
ーーーーーー
ーーーー
ーー
律子「伊織!起きなさい!早く!!」
伊織「ひゃっ!?なによぉ」グズ
律子「早くしないと飛行機の時間間に合わないのよぉ〜」オロオロ
伊織「!!何でもっと早く起こさないのよ!?」ガバッ
律子「事務所の時計の電池が切れてたのよ!」
小鳥「申し訳ないです……」
伊織「別に小鳥のせいじゃないでしょ。電池がいつ切れるかなんてわかんないんだし」
小鳥「伊織ちゃん……」
小鳥(天使だわぁ)
律子「ほら、用意したんならさっさと行くわよ!?じゃあ小鳥さん私達行ってきますね!」ダッ
亜伊あ「行ってきまーす!」ダダッ
小鳥「お、お気をつけて〜」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
真美「たっだいまー!」バシ-ン!
一方通行「ただいま戻りましたァ」
小鳥「おかえりなさい」
貴音「おかえりなさいませ」
真美「ふぅ〜、今日も疲れたねぇ兄ちゃん!」ドスン
一方通行「あァ、主にお前のボケの相手がなァ」
真美「なんだとぉ!!」
一方通行(もォ今日は仕事ねェしスーツ脱ご)
ーーーーーー
ーーーー
ーー
〜〜〜応接室〜〜〜
一方通行「ふゥ」ヌギヌギ
一方通行「あン?」チラッ
一方通行「…………なンでこンなとこいンだシャルル?」
シャルル「……」グッタリ
〜〜〜765プロ事務所〜〜〜
真美「……でねー」
貴音「そうなのですか」
小鳥「ふふ」
一方通行「小鳥さン!!」
小鳥「ッ!?」
貴音「なんと!?」
小鳥(スーツ脱ぎかけだとぉっっ!?)
真美「うあうあ〜、兄ちゃんセクハラだよぉ〜」
一方通行「律子達今日飛行機で大阪ですよね?」
小鳥「は、はい///」ニヘラ
小鳥(いつも盗撮してるけど、そんな近付かれると……!)
一方通行(普通に届けても間に合わねェよなァ……こっちで預かってるってメールすりゃ済むか?いや、ガキの頃ずっと一緒に居るンだから無ェだけで不安だよな)
一方通行「ちょっと出てくる……」
真美「行ってら〜」
貴音「行ってらっしゃいませ」
小鳥「ふへへぇ///」トリップ!
ーーーーーー
ーーーー
ーー
〜〜〜外〜〜〜
一方通行(人に見られねェように行かねェとな……雲の上まで行けば平気だろ)
一方通行「クカカッ!何気に久し振りじゃねェかァ能力使うのも。学園都市第一位様ともあろォもンがよ」ゴウッッッ
一方通行「待ってろやシャルル、直ぐにご主人様のとこに連れてってやるからよォ!!」ビュンッ!!
シャルル「……」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
〜〜〜飛行機〜〜〜
伊織「ッ!?」キョロキョロ
亜美「どったのいおりん〜?」
伊織「な、なんでもない……」
伊織(どうしよう……シャルルがいない……何処で置いてきちゃったの?車の中?事務所?そうだ!電話……飛行機じゃ無理だわ……シャルル)ジワァ
ーーーーーー
ーーーー
ーー
〜〜〜空港〜〜〜
あずさ「ふぅ、やっぱり長距離移動は疲れますね」ノビ-
律子「そうですねぇ……ん、伊織?」
伊織「私ちょっと電話してく……」
一方通行「伊織!!」
亜美「え、兄ちゃん?」
伊織「……っ!シャルル!!」
一方通行「ほら」
伊織「シャルル!ごめんねシャルルゥ!」ウルウル
一方通行「事務所に忘れてたからよ。大事な相棒なンだろ?」
伊織「だから届けてくれたの?」
一方通行「いなきゃ不安だろ?」
伊織「その…………あり…………がと///」ボソッ
一方通行「いちいち礼なンか言うなよ。アイドルの為にプロデューサーが動くのは当然だろォが」ナデ
伊織「な、撫でないでよ!」
亜美「あぁ!シャルルがいないから様子が変だったのか」
律子「一方通行!?こっちで仕事なんか無いわよね!?」
一方通行「あァー、うンいやァ」
律子「何よ……」
あずさ「一方通行ちゃんも迷子かしら?」
一方通行("も"ってなンだ?)
伊織「……パパが新しくきたプロデューサーがどんな男か見定めたいって言うから一方通行はここまで無理矢理連れてこられたのよ」
亜美「そうなの?」
伊織「私もパパも今日ぐらいしか空いてる予定ないから」
亜美「え、じゃあシャルルは?」
伊織「私が散々そんなの嫌って言ったから人質に取られたのよ」
あずさ「そうだったの」
伊織「だからちょっと10分くらい空けるわね?パパも空港にまで来てると思うから」
律子「あぁ、じゃあ私もご挨拶に……」
伊織「いいわよ来なくて!ほら、行くわよ一方通行!」グイ
一方通行「お、おゥ」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
一方通行「あァー、ありがとなァ。誤魔化してくれたンだろ?」
伊織「別にいいわよお礼なんて」
一方通行「言い訳としては無理あったけどなァ」
伊織「うっさい!!」
一方通行「お前マジでシャルル取られたりとかしてンの?」
伊織「そんな事されるわけないでしょ」
一方通行「そォか、そいつァけっこう」
伊織「されてたら何なのよ?」
一方通行「あァ?そりゃあお前お父様と徹底抗戦だろ」
伊織「個人のアンタが財閥に?」
一方通行「資金力とかじゃボロ負けだが戦闘力じゃ小国くらいじゃオレを止めらンねェよ」ケタケタッ
伊織「飛行機に乗ってる私達より速く移動できるくらいだものね。実際どういう手品使ったのよ」
一方通行「それは……トップシークレットだ」
伊織「はぁ?」
一方通行「任務は達成したしオレはもう帰る。仕事頑張れよ?それとこの件はもォ気にすンな。魔法に掛かったとでも思っとけじゃあな」スタスタスタ
伊織「あ!……何なのよもう」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
〜〜〜765プロ事務所〜〜〜
一方通行「……」
貴音「……どうしました一方通行?」
一方通行「いや、口癖みてェなもンは移るンだなって」
貴音「はて?」
一方通行「こっちの話だァ気にすンな」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
数日後
〜〜〜765プロ事務所〜〜〜
一方通行「……」グッタリ
一方通行(最近疲れが出てる気がする……あいつら仕事色ンな種類あるからなァ……初対面の人間と喋ンのって疲れが溜まンだよなァ)
律子「ちょっとー?何寝てんのよ」
一方通行「あー」グッタリ
小鳥「もしかして具合悪い?」
一方通行「いや、ちょっと疲れただけ……です」
律子「コーヒー取ってきてあげましょうか?」
小鳥「え?」
律子「何です?」
小鳥「いや、いつもの律子さんなら怒るかなって」
律子「そんないつも怒りませんよ……それに一方通行はちゃんと仕事はしてますからね」
小鳥「はは」
律子「そうだ、一方通行はユニットを作る気ないの?」
一方通行「ユニット?」
律子「えぇ、個々のプロデュースをするのもいいけどユニットをプロデュースするのもいいんじゃない?」
一方通行「ユニットかァ……考えてなかったなァ。つゥか今はそれより例の件だろ」
律子「その件ならご心配無く!……アンタも骨を折ってくれてるしね」
一方通行「別に同じ事務所なンだから当然だろ」
小鳥「社長も楽しみにしてましたよ!もちろん私も!」
一方通行「つか、さっさと全員に言……」プルルル…ピッ
一方通行「はい……ッ!?はい、分かりました。いえ、申し訳ございませン。……失礼します」
一方通行「出てくる……」
律子「ち、ちょっと、何事よ!?」
一方通行「美希がオーデション会場から消えたってよ」
小鳥「えぇ!?」
一方通行「捜してくる。入れ違いでアイツが帰ってきたら教えてくれ」バタン
律子「美希……」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
〜〜〜外〜〜〜
一方通行(取り敢えずオーデション会場の近くに来ては見たが……)キョロキョロ
一方通行(まァ、見つかンねェよなァ……あの女携帯の電源も切ってやがるし……まさか何かの事件に巻き込まれた?)
一方通行(……どォする?だとしたら何か手を考えねェと……あ?あそこの河原に倒れてンの……)ドンッ!!
一方通行「美希ィィ!!!」ザザ-ッ
美希「っ!?」ガバッ
一方通行「お前大丈夫か!?ケガはねェかッ!?」
美希「び、びっくりしたの」パチクリ
一方通行「そンな事よりケガは……」
美希「ケガ?美希はここでひと休みしてただけだよ?」
一方通行「寝てたってか?…………はァ、くっだらねェ」ゴロン
美希「何してるの?」
一方通行「お前のおかげで疲れがドッと出たから休憩してンだよ」
美希「ミキを連れ戻しに来たんじゃないの?」
一方通行「今更連れ戻した所でなァ……今回のオーデションは大作映画の主演だから、集中出来てねェお前じゃ確実に落ちる」
美希「オーデションの数合わせでミキを選んだんじゃないの?」
一方通行「はァ?何で自分の事務所のアイドルにンなくだらねェ事させなきゃなンねェンだよ。オレはお前なら行けると思ったから行かせたンだよ。一番最初にもそォ言ったろォが」
美希「そっか……」
一方通行「それがバックれた理由か?」
美希「オーデション会場にいた子たちが言ってたの……もう映画の主演は決まってるって。これは単なる出来レースだって。だからミキやる気なくなっちゃったの」
一方通行「何だと?……チッ…すまねェな。クソみてェなオーデション紹介しちまって」
美希「……サボっちゃったのは事実なの」
一方通行「……」
美希「ミキ、もう帰るね?」
一方通行「お前さ……アイドル楽しい?」
美希「全然。一方通行が来て少しは変わるかなって思ってたけどあんまり変わらなかったの」
一方通行「あァ、見ててわかる」
一方通行「ぶっちゃけよォ、いつまで立ってもお前の扱い方だけはわかンねェから聞くがお前のキラキラしたいって具体的になンなンだァ?どォやったら楽しくアイドル活動できンの?」
美希「ミキね……竜宮小町に入れてもらいたかったの」
一方通行「……」
美希「だからお仕事ミキなりに頑張ったけど律子…さんがミキは竜宮小町に入れられないって」
一方通行「それがやる気ねェ理由か?」
美希「うん、いくら頑張っても無駄なんじゃやる気なんて無くなるの」
一方通行「お前、まさか何で竜宮小町に入れねェのかわかンねェの?」
美希「分かんないよ!ミキ、ちゃんとやればデコちゃんにだって負けないよ!?なのに……律子はきっとミキの事嫌いなの」
一方通行「はァ……お前ダメダメだわ。色ンな意味で」
美希「一方通行もミキの事嫌いなんだね。じゃあほっといてなの」
一方通行「最後まで聞けや金髪毛虫」
美希「ミキ、毛虫じゃない」
一方通行「まず、一つ目。伊織を舐めすぎだ。ユニットのリーダーってのはプレッシャーが他よりあるもンだ。そンな中あいつは安定したクオリティ見せてンだ。あの年齢でな」
美希「……」
一方通行「まァ、もちろンあずささンと亜美のサポートあってこそなンだろォが。お前と伊織の決定的な差はプロ意識の高さだよ」
美希「プロ意識?」
一方通行「あァ、アイツはアイドルたるもの、って感じで行動してンだろ?それにアイツは常に求められるもの以上の成果を上げようとしてンだ」
一方通行「オレが律子でも765プロの中から選ぶとしたら迷わずリーダーは伊織にしたぜ?」
美希「ミキが竜宮小町に入れないのはデコちゃんに負けてるから?」
一方通行「…順に説明すっから待ってろ」
一方通行「二つ目。そしてこれがオレが一番言いてェ事だ。律子がてめェの事を嫌ってるわけねェだろォが!てめェ知能がその無駄にでけェ胸にいってンじゃねェのかッ!?なンならもうデカくなンねェよォに弾き飛ばしてやろうか!?あァッ!?」ギロ
美希「し、失礼だし、口汚すぎるの」
一方通行「悪かったなァ口汚くてェ。これが本来のオレの言葉遣いだ。てめェらの前じゃあ意識して抑えてンがなァ」
美希「……でも律子はミキのやる事にすっごい怒るし、ミキにだけさん付けを強要するの」
一方通行「それはお前が外で敬語使わねェからだろォが。律子が怒んのはそれだけてめェに期待してるって事だ。絶対ェ成功してもらいてェンだよお前には」
美希「それ本当?信じられないの」
一方通行「本当だっつってンだろ。律子はいっつもおめェの事心配してンだよ、事務所でも良く聞かれるしなァ」
美希「……」
一方通行「信じらンねェなら事務所帰って、リツコ!ミキノコトキライナノ!?って聞いてみろよ」
美希「それミキの真似?正直イラつくの」
一方通行「三つ目、オレだってお前の事が嫌いじゃねェよ」
美希「面と向かって嫌いって言える人は中々いないの」
一方通行「お前そンな疑り深い奴だったかァ?……ウチの事務所で一番才能ある奴はお前だとオレは思ってる」
美希「千早さんより?」
一方通行「あァ、一番最初にお前ら全員の歌とかダンス見たろ?上手いな、って思う奴は当然いたけど、心を動かされたのはお前だけだ。あの時点ではな」
美希「そ、そうなの?」
一方通行「そォだよ。オレだって暇じゃねェンだからやる気ねェ奴なンてほっときてェけどよ、お前の魅力がそォさせねェンだ。だからオレも律子も構うンだよ」
美希「嬉しいけど、みんな勝手だと思うな……」
一方通行「あァ?」
美希「ミキが何やっても、ミキなら当然、ミキなら出来るって言ってくるの。それでちょっと出来なかったら何で本気出さないの?って。ミキが努力してる事も知らないで」
一方通行「それだけお前を評価してンだろ?」
美希「そんなの言ってくんなきゃ分かんないの!」
一方通行「よォするに褒めて欲しいって事か?」
美希「ミキは褒められて伸びるタイプなの。でもみんなは褒めてくれないの」
一方通行「まァ確かに律子は褒めて伸ばすタイプじゃねェわなァ……ならオレが褒めてやるよ」
美希「一方通行は直ぐ怒りそうなの」
一方通行「そりゃお前が間違ってたらキレるが、頑張ったらお前が満足行くまで褒めてやる」
美希「本当?」
一方通行「あァ。で、次四つ目。お前が竜宮小町に入れねェ理由だ。それは……」
美希「……」ゴクッ
一方通行「お前の人格も技術も関係ねェよ。ただ単純に竜宮小町は3人ユニットって企画だからだ。つまり特に理由なンかねェンだよ普通に考えて」
美希「そういうものなの?」
一方通行「そォいうもンなンだよ」
美希「そっか……」
一方通行「五つ目」
美希「まだあるの?」
一方通行「お前オレが作るユニットのリーダーになれ」
美希「一方通行の?」
一方通行「竜宮小町になれねェなら竜宮小町並みの…いや、それを超える存在になりゃ良いじゃねェか」
美希「でも、一方通行はさっきミキにはプロ意識が無いって言ったの」
一方通行「ンなもン人気が出りゃ勝手につくだろ。それに言ったろ?オレはお前が一番才能あるって思ってるってよォ。嫌なのか?」
美希「ヤじゃないの!」ブンブンッ
美希「ミキ、竜宮小町見たいになれるかな。一方通行のユニットならキラキラできる?」
一方通行「お前らをキラキラさせンのがオレの役目だ」
美希「約束して?ミキをずっと、ずぅーっとキラキラさせるって」
一方通行「あァ、やってやるよ」
美希「じゃあハイ!指切りなの!」スッ
一方通行「あァ!?ンな事するかよ」
美希「一方通行の嘘つき……」ウルウル
一方通行「チッ、オラよォ!」キュッ
美希「あはっ!ゆ〜びきぃりげんまん……」ユビキッタッ!!
一方通行「満足かよ」
美希「うん………うん!ミキ、もっとアイドル頑張ってみるの!だからハニーはミキがキラキラしてるとこちゃんと見ててね!」
一方通行「ハニィだァ?普通そこはダーリンじゃねェのか?」
美希「ううん、ハニーはハニーなの!」
一方通行「つゥか勝手に人の呼び名変えてンじゃねェよ!」
美希「ミキやめないよ?あ、でもでも下の名前教えてくれたらそっちでもいいかも!」
一方通行「……ハニーでいい。それと取り敢えずお前がオレに一番最初に見せる姿はキラキラしてる姿じゃねェぞ?」
美希「?」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
〜〜〜765プロ事務所〜〜〜
律子「アンタ何考えてんのよ!!ホントにガミガミガミガミ……!!!!」ビキビキ
美希「ごめんなさいなの、もうしないの」シュン
一方通行(迫力がすげェな……)ドンビキッ
律子「いいえ!今日という今日は許しません!」
美希「律子…さんはミキの事が嫌いだからそんなに怒るの?」
律子「……っなわけ無いでしょっ!?嫌いだったらこんな怒んないわよ!!ガミガミガミガミ……!!」
美希「……」チラ
一方通行(だから言ったろォが)コクッ
律子「ちょっとアンタどっち向いてんの!?」
小鳥「ま、まぁ律子さん今日はそのくらいで……せっかく久しぶりに全員揃ったんですから」
律子「ダメです、美希には言いたい事が沢山……」
美希(ハ、ハニー……!助けてなの!)ウィンクッ
一方通行(長くかかりそォだしな……)
一方通行「もう十分だ律子。お前が言いたい事はここに来る前にオレが言ったからよ。それに今回はクソみてェな仕事を回したオレも悪ィンだ……ここらで勘弁してやってくンねェか?」
律子「……まぁ一方通行がそう言うんなら。別に私だって好きで叱ってるんじゃないんだし」
小鳥(律子さんの私と一方通行君への信頼の差がすごい)
一方通行「コイツもそこンとこは分かってる、なァ?」
美希「うん!ミキはもう律子とハニーに迷惑掛けないように頑張るって決めたの!」
全員「ハニー!?」
一方通行「……お前それ全員の前でも言うのかよ」
律子「早速迷惑の種が出来たんだけど……説明してもらえるかしら一方通行」
一方通行「説明って言われてもよォ……」
美希「ミキが一方通行はハニーって決めたの!だから誰に何を言われようと辞めるつもりないよ?」
真美「アイドルにプロデューサーが手を出してどうすんのさハニー」
亜美「ハニーは左遷決定っしょー」
一方通行「手ェ出すわきゃねェだろォが!」
美希「ちょっとー、ミキ以外がハニーの事ハニーって呼んじゃヤなの!!」
亜真美「えー」
律子「……」ギロッ
美希「す、凄んでも無駄なの」
律子「はぁ……絶っっっ対に仕事先でハニーって言うんじゃないわよ?一回でも呼んだらハニー禁止ね」
美希「了解なの!」ビシッ
伊織「ていうか、何で全員集められたわけ?話があるんならさっさとしなさいよ」
あずさ「もしかしてあの時仰ってた……」
律子「はい!じゃあ社長、お願いします!」
高木「うむ、実はだね……来月、765プロASライブを開催することになった!!」
全員「ライブ!?」
ワイワイ ガヤガヤ キャッキャッ!
律子(うんうん)ニコニコ
一方通行(いつも、いつの間にかいるよな社長)
小鳥(美味しい役目持ってくなぁ……律子さんに言わせてあげたらいいのに)
ーーーーーー
ーーーー
ーー
一方通行「つゥことで、今日からライブにかけては現状決まってる仕事だけやって後はレッスン漬けな」
亜美「竜宮も?」
律子「悪いけどアンタ達は番組から声が掛かる限り仕事してもらうわ。他の子達よりは大変だけど……」
伊織「何言ってんのよ!そんなの軽くこなしてやるわ!」
真美「言うねぃいおりん〜」
伊織「ふんっ、アンタ達も頑張んなさいよね……私だけ頑張ってもしょうがないんだから」
響「あったりまえだぞ!」
雪歩「みんなで初めてのお仕事楽しみです」
真「うん、だよね!まぁ……殆どのお客さんが竜宮目当てなんだろうけど。はは…」
一方通行「ファンなンて奪っちまえよ。ライブで」
あずさ「まぁ!今の聞きましたか律子さん?」
律子「流石、鳴り物入りで来ただけあって言うことが違いますねぇ……感じ悪い」
一方通行「なっ!?別に本気で奪えって言ったわけじゃ……」
あずさ「おしおきよっ♪」ムギュ
一方通行「むぐゥーっ!?」
一方通行(胸で……息吸えねっ……!)ジタバタッ
小鳥(うわぁ、私も一方通行君におしおきしてぇ……!)パシャパシャ
美希「ピピーッ!あずさは今直ぐハニーから離れるの!イエローカードなの!」グググッ
あずさ「あら〜、レッドカードじゃなくて良かったわぁ」スッ
真美「ライブかぁ〜」
亜美「今こそ亜美たちのジツリキを見せる時だね!」
やよい「わたし、上手くできるでしょうか……?」
貴音「大丈夫です、皆がついておりますよ」
千早「楽しみね……本当に」
春香「ねえねえ、みんなで円陣組もうよ!」
社長「良いねぇ、やりたまえ!!」
小鳥「ビデオとカメラの準備はオッケーです!」
律子(それはいつもじゃないですか小鳥さん)
春香「掛け声はどうしようか?」
響「えいえいおー、とかじゃないのか?」
亜美「え〜それだとあんま締まらないっしょー」
響「そ、そうかな?なら……」
あーだこーだ
ーーーーーー
ーーーー
ーー
10分後
一方通行(纏まりなさ過ぎンだろコイツら……)イライラ
一方通行「決まンねェなら円陣なンて辞めちまえようざってェ」
全員「……」
ガヤガヤガヤ
それはない!! 話に入ってくんなモヤシ!見損ないました……!いるよねー空気読めない奴って!残念かなーって ちょっと黙ってなさいよ!! いくら何でもヒド過ぎますぅ!
ガヤガヤガヤ
律子(うわぁ……女の子が大勢で話してるとこに割って入ったりするから……)
一方通行「あァァァッ!!マジでうざってェェェッ!!掛け声なンてもンはなァ!適当に765プロファイトー、とかでいいンだよ!!くだらねェ事に時間使ってねェでさっさとレッスンに行きやがれ!!!」
全員「……」
全員「それだぁ!!」
一方通行「あァ!?」
春香「じゃあ竜宮のリーダーだし、伊織が掛け声でいいよね?」
伊織「はぁ?春香が言い出しっぺなんだからアンタがやんなさいよ」
春香「えぇ!?でもぉ……」
千早「私も春香が良いと思うわ」
春香「千早ちゃん……みんなも?」
アイドル「……」コクッ
春香「///……じ、じゃあいくよ?765プロォ……ファイトォー!!」
アイドル「おぉーーー!!!」
小鳥「ふふふ」パチパチパチ
律子(絶対成功させてあげなくちゃね)パチパチパチ
高木「素晴らしい……!!実に素晴らしい!!」パチパチパチ
一方通行(最初っから意見すりゃ良かった)パチ…パチ
ーーーーーー
ーーーー
ーー
数日後
〜〜〜レッスン場〜〜〜
トレーナー「ハイッ!そこでターン!!」
全員「はぁ……はぁ」クルッ
一方通行(結構仕上がって来たじゃねェか)
雪歩「あっ……」ドテンッ
一方通行(1人を除いてだが)
トレーナー「ストップ!」
雪歩「うぅ、みんなゴメンなさい」ジワァ
真「気にする事なんかないよ雪歩」
響「そうだぞ。最初の頃より上手くなったじゃないか」
雪歩「でも、私いつまでたっても……」
伊織「ふんっ、泣き言いってないでさっさと立ちなさいよ!」
真「伊織!!」
伊織「な、何よ!?出来ないなら出来るまでやるしか無いでしょ!?」
真「だからって……言い方ってものがあるだろっ!?」
やよい「あ、あの休憩にしませんか?みんな疲れててピリピリしてるかなーって」
伊織「じゃあ何よ!?優しくしたら上手くなるっての!?そんな訳ないじゃない!!」
やよい「い、いおりちゃん」オロオロ
雪歩「私、ライブ出るのやめます……!」
全員「……」
一方通行「……なに言ってンだァお前?」
雪歩「だって……ひっぐ、私がいるせいでみんながケンカして…ぐすっ……こんな私なら居ない方がいいんです」ポロポロ
響「そんな事ないぞ!自分たちは……」
貴音「響」スッ
響「貴音?」
貴音「何を甘えているのです萩原雪歩?水瀬伊織の言う通りです。私たちはアイドルなのですから出来ないのならば出来るまでやるしかないのです。あなたのそれは逃げなのでは無いですか?一度頭を冷やしてきなさい!」
雪歩「っ!!」ダッ
響「おい貴音!!」
一方通行「お前、真じゃねェけどよォ、もう少し言い方ねェのかよ……」ハァ
貴音「あの程度で折れる萩原雪歩ではありませんよ。それに……行ってくれるのでしょう一方通行?」
一方通行「チッ……」ポリポリ
貴音「頼りにしていますよ一方通行?真、心優しきプロデューサーを持って私たちは果報者ですね、ふふっ」
一方通行「言ってろ」
美希「むぅ……」
真美「これはアレだね、あぎゅうだね」
春香「阿吽の呼吸ね」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
〜〜〜外〜〜〜
雪歩「うぅっ……ひっぐ、ぐすっ」
一方通行「お前、そンな涙ばっか出してっと干涸びンぞ」
雪歩「一方通行君……?」
一方通行「おら、飲めよスポーツドリンク。ちゃンと水分補給しねェと体調崩す……本番に差し支えンだろォが」スッ
雪歩「でも私出ない……です」ボソ
一方通行「出ンだよ!……つゥかオレがここで良いつってもオレ以外の誰も許可しねェよ」
雪歩「こんな私なのにですか?」
一方通行「お前、自分を低く見過ぎだろ」
雪歩「だって私なんてひんそーでちんちくりんでダンスもできなくて……」
一方通行「あいつらと大して変わンねェよ」
雪歩「っ!!なんて事言うんですか!?みんなは私なんかより全然凄いです!!」
一方通行「だったらてめェも凄ェンじゃねェの?同じ事務所に居ンだからよ」
雪歩「わ、私なんて、たまたまアイドルになれただけです」
一方通行「それはねェよ。765に来た最初の日に社長が全員ダイヤの原石っつってたからよォ」
雪歩「そ、そんなの……」
一方通行「オレも最初ンなわけねェだろって思ってたけどよ、最近はわかンだよ。社長が言ってた意味が」
雪歩「でも、実際私はみんなよりダンス出来ないじゃないですか……」
一方通行「出来てねェわけじゃねェけどなァ……」
雪歩「え?」
一方通行「お前はステップとか位置とかちゃンと覚えれてンだよ」
雪歩「でも上手く行きませんよ?」
一方通行「それはお前が周りを伺いながらチマチマやってっからだ。おめェのダンスには思い切りの良さ、自信が足ンねェンだよ」
雪歩「自信……」
一方通行「メンタルっつても良いけどよ、だから伊織と貴音はわざと厳しめに言ったンだろ」
雪歩「けど私に自信なんてつかないですよ」
一方通行「ちゃンと成長してンだから自信持てよ」
雪歩「成長したとこなんてないですぅ……」
一方通行「あンだろォ、まともにオレの目見て喋れるよォになったじゃねェか。この近い距離でも震えなくなったし」
雪歩「あ……」
一方通行「それに最近じゃあ男のスタッフ相手でもちょっとずつ話せる様になったし……あァいい機会だからステップアップな」
雪歩「えっ!」
一方通行「オレにタメ口で話せ。実年齢お前の方が上なンだし」
雪歩「い、いきなりそんなの無理です!」
一方通行「……」
雪歩「ア、一方通行君?」
一方通行「……」プイ
雪歩「…………ち、ちゃんとこっちみて?」
一方通行「なンだァ?」
雪歩「これ疲れます。緊張するし……」
一方通行「……」
雪歩「えぇ、またぁ〜?」オロオロ
一方通行「オレはこれからお前がオレに敬語を使ってくる限り喋ンねェ」
雪歩「うぅ……わかりまし、分かったよ一方通行君」
一方通行「ほら、このオレ様にタメ口で話してンだ。自信なンて有り余ってンだろ?」
雪歩「……」
一方通行「……」
雪歩「ぷっ」
一方通行「元気が出て何よりだよクソが」
雪歩「だって……くくっ、一方通行君にオレ様って似合い過ぎふふっ」
一方通行「……そォやって笑ってろよ。泣き顔よりそっちの方が似合うンだからよ」プイ
雪歩「えっ///」キュン
一方通行「行こうぜ?どォせあいつらおめェの事が気になってレッスンしてねェだろォから」
雪歩「自信を持って踊れるかな?」
一方通行「……頼りになる仲間と踊ってるって思えばいいンじゃねェか?それに不安だったら遠慮無く助けてもらえばいい。それを嫌がる奴らじゃねェだろ」
雪歩「うん!」ニコッ
続き
【アイマス】一方通行「アイドルをプロデュースだァ?」【禁書】(中編)