妹「一日は何秒でしょう?」
ニート「八万六千四百秒」
妹「キモ」
ニート「理不尽だ」
妹「即答なのがキモいよね」ポスポス
ニート「人の枕を蹴るな」
妹「そんなどうでもいい知識を持ってたってしょうがないでしょ」
妹「普通の人なら「分かんない」って答えてたよ。そういう前提で質問したのにさほんとに空気が読めないよね」
元スレ
妹「一日は何秒でしょう?」
http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1434377218/
妹「てかさ、お兄ちゃん少しは掃除しなよ。床は埃っぽいし、私が座れるとこベッドくらいしかないじゃん」ポスポス
ニート「枕を蹴るなほこりが立つ」
妹「それがそもそもおかしいんだよ。お兄ちゃんは毎日ほこりに頭を預けて寝てるわけ?キモ」
ニート「出ていけ」
妹「次の問題正解したらね」
ニート「ここは俺の部屋だぞ、さっきから妹のくせに何様のつもりだ」
妹「お前はニートだぞ、現役jkに対して何様のつもりだ」
ニート「ぐぬぬ」
妹「問、昨日の天気はなんだったでしょう?」
ニート「……」
妹「超ウルトラサービス問題だよ。小学生でもわかる」
ニート「……」
妹「ほら、黙ってないで昨日の天気。もしかしてこんな簡単なこともわからないの?」
ニート「晴れ」
妹「ぶぶー」
妹「おいおいマジかー、このクソ引きこもりお兄ちゃんは昨日の天気もわからない」
ニート「曇り」
妹「初雪だよニート」
ニート「なるほど」
妹「昨日丸一日ふって今はもう積もってる」
ニート「寒いなとは思ってた。おしい」
妹「おしくないよ。たまにはカーテン開けなよ」
妹「何か月カーテン開けてないの?」
ニート「どのくらいだろう」
妹「昨日は何時に起きたの?」
ニート「九時だったかな」
妹「午前?午後?」
ニート「アナログ時計って不便だよね」
妹「そう思うのはお前くらいだよ蛆虫」
ニート「蛆虫は流石にひどい」
妹「お、反抗した。やんのか?やんのか?」
ニート「俺にもプライドがある」
妹「埃にまみれた枕で寝てるくらいだもんね」
ニート「ふっ……」
妹「なんだその笑いは」
妹「キモ」
ニート「妹に手を上げたらお兄ちゃん失格だよな」
妹「ニートの時点で失格だよ気安くわたしのお兄ちゃんを名乗らないでお兄ちゃん」
ニート「俺の存在そのものが、妹の罵倒に対する最大限の仕返し」
妹「何を言ってるんだコイツは」
ニート「むしろ逆かな」
ニート「ごめんな」
妹「そう思うなら更生してくれ」
妹「そういえば数Ⅱのテスト98点だった」
ニート「おしいなあと二点」
妹「英語は80」
ニート「だらしないぞ」
妹「国語は92」
ニート「君の発展に期待する」
妹「殺すぞ」
ニート「いや、すごいよ真面目に」
妹「頑張ったからね」
ニート「自慢の妹だ」
妹「わたしもできることなら自慢したいね」
ニート「現在進行形で自慢されてるんだが」
妹「とぼけるのもその辺にしとけよ」
妹「お兄ちゃんって童貞?」
ニート「素人童貞」
妹「ぐぴゃ!?」
ニート「そっちは?」
妹「そっちは?じゃねぇよこのゴミ変態性欲魔人蛆虫」
ニート「嘘だよ」
妹「次嘘ついたらパイプカットね」
ニート「お前は口だけだからな」
妹「ほんとにやるから」
ニート「……」
妹「マジマジ」
ニート「オ○ニーだけが生きがいなんだ勘弁してくれ」
妹「気持ち悪い……」
ニート「二度と嘘はつかない。僕はそう胸に誓った17歳秋」
妹「もう冬だよ」
ニート「17歳冬」
妹「サンタさんにはエロ本でも頼んどこうか」
ニート「悪い子のところにはサンタさんは来ないんだ」
妹「ふうん」
妹「お兄ちゃんはいつも何のために生きてんの?」
ニート「お前は何のために生きてるんだ」
妹「人生楽しいから生きてる」
ニート「俺は楽しくないな」
妹「やっぱり、死んでもいいかな。とか思ったりするの?」
ニート「たまにね」
妹「キモ」
ニート「ほんとに死んだらどうする」
妹「泣く」
ニート「そっか」
妹「ママは今でも泣いてるけどね」
ニート「うん」
妹「高校はさー、楽しいよ」
ニート「んー」
妹「そりゃ勉強はめんどくさいと思うけどさ、やっぱ友達とかと過ごすのっていいものだと思う」
ニート「俺もそう思うよ」
妹「私には友達もなくずっと自分の部屋だけで過ごす生活なんて耐えられる気がしない」
ニート「耐えてる俺は案外すごい奴なのかも」
妹「耐えられなくなったらどうなるの?」
ニート「耐えられないというよりここから出れないんだよ」
妹「まぁいいや」
ニート「いつまで俺の部屋にいるつもりなんだ?」
妹「んー」
ニート「お前俺のこと好きだろ」
妹「は?」
ニート「怖すぎ、チンピラかよ」
妹「……」
妹「おまえさ、ほんと、このまんまじゃだめだぞ」
ニート「……」
ニート「ちょと泣きたいから一人にしてくれ」
妹「誰がお前のいうことなんかきくか」
妹「泣くなら私の前で泣いてみろ」
ニート「それはきついなぁ」
妹「一人になりたいならお前が出ていけ」
妹「この部屋は私が占領すっから」
ニート「ははっ……」
ニート「外って怖くない?」
妹「何が?」
ニート「外には敵しかいない」
妹「お前みたいなキモい奴に味方がいないのは当然」
ニート「外に出たら即死」
妹「死にたくないの?」
ニート「というか苦しみたくないんだ」
妹「甘ったれんなよ」
ニート「お前甘いもの好きだったよな」
妹「シュークリームかってこい」
ニート「だから死ぬってば」
妹「じゃあ味方を作りなよ」
ニート「じゃあさっきから苛めてないで味方になってくれよ」
妹「キモいから無理」
ニート「詰んでる」
妹「髪も髭も伸び放題、風呂にも全然入ってない運動してないからヒョロいしかも臭いキモイ」
ニート「一つも否定できない……」
妹「阿呆かお前は、できるところから改善しようって気はないのか」
ニート「まず風呂に入る」
妹「バーカバーカ」
ニート「馬鹿はお前だ、俺はこの部屋から出たら親父と母さんと戦わなきゃいけない」
ニート「つまり、死ぬ」
妹「しなねぇよ馬鹿」
妹「あの人たちは雑魚だよ。ママなんか交戦1分でお兄ちゃんの味方になるって」
ニート「母さんは最強だ俺が一分も持つわけがない」
妹「お前が部屋から出てって「がんばる」って言えばそれで方はつくよ」
ニート「ハードルが高すぎる」
妹「豚足かよ」
ニート「あの人、俺のせいで泣いてるじゃん」
妹「そうだよお前のせいだよ」
ニート「女の涙は武器だ」
妹「それ以上調子に乗ったことほざくと指詰めんぞ」
ニート「俺は妹にも勝てないんだぜ?」
妹「あたりまえだろ」
ニート「ほらな?」
妹「世界中で一番お前のことを嫌ってるのがわたしだからな」
ニート「んひぃ」
妹「キモ」
妹「まぁ言ってしまえば私はラスボスだよ」
妹「わたしを倒せるとしたらそれはパパもママも倒した後になるかな」
ニート「つまりムリゲー」
妹「帰るわ」
ニート「あれ」
ニート「なんだあいつ、この部屋は占領するとか言ってたのに」
ニート「一人になりたいならお前が出てけとか言ってたのに」
ニート「……」
ニート「ラスボスとかいってたくせに弱かったな」
ニート「ヘヘッ」
ニート「……」
~~
少女「平日のまっぴるまから公園のベンチで学生服を着たお兄さんは何をしているのでしょうか」
男「真昼間にランドセルを背負った少女は何を思って話しかけてきたのだろう」
少女「はじめましてお兄さん。私、天才小学生です」
男「学校は?」
少女「お兄さんこそこそ」
男「……」
男「サボり」
少女「これまたどうどうと。さてはお兄さん、ダメ人間ですね」
男「いい子ちゃんは早く学校に行きなよ」
少女「言われなくともいきますよ。今日は社長出勤というやつですね」
少女「私は天才なので、授業のひとつやふたつサボっても平気なんですよ」
男「俺は留年しちゃう」
少女「成績悪いんですか?」
男「君より天才だから君よりサボってて」
少女「出席日数が足らないんですね」
男「そうそう」
男「早くしないと三時間目、間に合わなくなるぞ」
少女「それはお兄さんもですよ」
男「僕は社長じゃないからなぁ。社長がいないと社員は困る」
少女「お兄さんこそ早くいかないと、留年しますよ」
男「実はもう確定」
少女「あっ」
男「おさぼりは計画的に」
少女「となりに座ってもいいですか?」
男「なんで?」
少女「たっているのもそろそろ疲れてきたので」
男「出勤はしなくていいの?」
少女「出勤? 小学生は出勤なんてしませんよ。登校ならしますが」
男「……」
少女「なんですか」
男「このガキめ」
少女「えへへ」
少女「わたし、大人っぽいとかしっかりしてるってよく言われるんですよ」
男「へぇ」
少女「わたしガキですか」
男「生意気なガキ」
少女「えへへ」
少女「ガキって言われたのははじめてです」
男「うれしいの?」
少女「うーん。なんでしょう。お兄さんと話してるのが楽しいんだと思います」
男「俺も楽しいよ」
少女「気が合いますね」
男「いっそ結婚しようか」
少女「ぷっ」
男「調子に乗ってみた」
少女「私そういうの好きです!」
少女「わたしの好きなものあててみてください」
男「唐突だな」
少女「ヒントは「ばなな」です。というかこれはむしろ答えです」
男「じゃあ「さる」」
少女「ぶー」
男「フルーツ」
少女「ブブー」
男「これはむしろ答えって……、じゃあ「バナナ」」
少女「何ばななでしょう」
男「細かいな」
少女「ここが重要なところなんですよ」
男「キャベンディッシュ」
少女「ぶー」
男「クロスミッチェル」
少女「ぶー」
男「ちんぽ」
少女「どっちが小学生か分かりませんね」
男「ごめん」
男「ひんとわんもあ」
少女「そうですね。じゃあ「キッチン」」
男「吉本」
少女「ばなな」
男「卑怯な問題だったなぁ」
少女「固定観念にとらわれてちゃいけませんよ」
男「読書好きなの?」
少女「同世代ではよんでる方だと思います」
男「へえ、さすが天才小学生」
少女「ほかに趣味がないんですよ」
男「そういえば何年生?」
少女「五年生です」
男「小学五年で吉本ばなな。大人だね」
少女「……ガキですよ」
男「そうだった」
男「しかし空は青いなぁ」
少女「何をあたりまえのことを言ってるんですか」
男「空がなんで青いか分かる?」
少女「虹が何で七色なのか分かりますか?」
男「雨が上がったとことを派手にお祝いしてるんだよね確か」
少女「だれがですか?」
男「忘れちゃった」
少女「てきとうな人ですね」
男「風が気持ちいいなぁ」
少女「風ってなんだか悪戯好きのイメージがありますよね」
男「風は悪戯好きなのか、最低だな」
少女「さっきまで気持ちいいなんて言っていたのに……」
男「でもなんで悪戯好きなんだ?」
少女「あくまでイメージですよ。ほら、スカートをめくったりするじゃないですか」
男「俺は風と友達になりたい」
少女「すごい手のひら返しですね」
少女「お兄さんはいつもここでサボってるんですか」
男「最近はここでね」
少女「一人になりたいとか」
男「いつも一人だよ」
少女「おっと」
男「おおっと」
少女「やっぱりって感じですね」
男「じゃなきゃこんなところに一人でいないよ」
少女「おっと」
男「つまりこれは?」
少女「実はわたし、友達いないんですよね」
男「そっか」
少女「私たち似た者同士ですね」
男「君は社長だろ。すごいじゃんか」
少女「私はただの小学生ですよ」
男「天才でもないのか」
少女「お兄さんもただの高校生ですよね」
男「僕はダメ人間だ」
少女「学校をおさぼりしているわたしもダメな人間ですよ」
男「あんまりサボらないほうがいいぞ」
少女「私は計画的にサボってますよ」
男「賢い奴だ」
男「実は今友達を募集してるんだ」
少女「なんだか怪しい話ですね」
男「どうしても倒さなきゃならない奴がいてさ」
少女「突拍子もない話になりました」
男「友達になってください」
少女「いやいや、何を言ってるんですかお兄さん」
少女「私たちは結婚するんでしょう?」
男「とんでもない話になってしまった」
男「さてさて」
少女「はてはて」
男「学校いってこようかな」
少女「行っちゃうんですか?」
男「そろそろ行かないとね」
少女「ダメ人間同士もう少しお話したかったです」
男「君はダメ人間じゃないって」
男「俺は今日でダメ人間やめるんだ」
男「出席日数はいまさらどうしようもないけど、今よりも少しでもマシになりたいからさ」
少女「寂しいですね」
男「天才少女の未来の旦那さんにふさわしい人間にならないといけないしさ」
少女「ふふっ」
少女「わたしそういうの大好きです!」
おわり