※関連
最初: 美琴「す・・・好きです!!付き合ってください!!」上条「何やってんだ、御坂」
前回: 上条「異性のどこが好き!?」美琴「優しさ!」心理「温かさ」垣根「声」テクパトル「背中」【中編】





666 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/17 17:20:35.06 wzSzJFEN0 573/839

テクパトル「・・・はぁ、やっと終わった」

テクパトルは体を伸ばしていた

勤務は午後の6時までだった

なぜそんなに早いのか、と疑問に思われるだろう

だがテクパトルはわりと期待されている人間なのだ

そのため、なぜか特別に少し優遇されている

17600「・・・どうするんだ?」

テクパトル「みんなのところに行くさ」

17600「ほぉ・・・いいな」

テクパトル「・・・早く美月に会いたいな」

17600「もはや中毒だなおい」

テクパトル「いつも一緒にいるからな・・・」



667 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/17 17:21:01.27 wzSzJFEN0 574/839

ジムの制服を脱ぎながらテクパトルが話す

17600号も、別に目の前でテクパトルが脱いでいても恥ずかしくないらしい

17600「テっくん、一応ミサカも淑女なんだが」

テクパトル「あぁ、悪い悪い・・・でも上を着替えるだけだから」

17600「はぁ・・・まぁ構わんがな」

テクパトル「はぁ・・・しかしこの制服は微妙じゃないか?」

17600「ジャージだな・・・背中に思い切りジムの名前が書かれてるが」

テクパトル「・・・なんかちょっとな」

17600「文句を言うな、制服だろう」

テクパトル「おう・・・そうなんだが」

着替え終わったテクパトルが鞄を持つ

テクパトル「じゃあ帰ろうか」

17600「さて、みんなはどこにいるのかな」



668 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/17 17:21:28.20 wzSzJFEN0 575/839

17600号が目を閉じる

MNWに接続しているのだろう

テクパトル「分かったか?」

17600「みんなで買い物してるみたいだな」

テクパトル「買い物か・・・垣根には迷惑掛けてるかもな」

17600「・・・垣根は金持ちだから大丈夫さ」

テクパトル「そういう問題じゃないだろ・・・」

17600「はん、そんな問題なのさ」

テクパトル「・・・早く行こうか、どこにいるんだ?」

17600「セブンスミストだとよ」

テクパトル「あそこか・・・たしかに買い物には便利だな」

17600「・・・早く行かないとミサカ達が垣根の財布を使い切るぞ」




669 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/17 17:21:58.62 wzSzJFEN0 576/839

テクパトル「分かったよ・・・」

テクパトルがため息をつく

もしかしたら仕事のほうが楽だったかもしれない

テクパトル「・・・はぁ、行こうか」

17600「無理はするなよテっくん」

テクパトル「分かってるからな・・・」

娘というのは手が掛かるんだな、とテクパトルは考えた

だが今のうちから辛い子育てに慣れていれば、将来は安泰なのである


上条「・・・いつの間にか午後になってました」

美琴「・・・ていうかもう夕方よ?」

上条「まさか寝ちゃうなんてな・・・」

昼ご飯を食べたあと、横になっていたら寝てしまったのだ

コタツの上には片付けていない昼ご飯の皿がある




670 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/17 17:22:33.91 wzSzJFEN0 577/839

上条「あぁ・・・米が乾いて張り付いてる・・・」

美琴「ふぁぁ・・・まさかここまで疲れが溜まってるなんて思わなかったわ」

上条「宿題もあり、美鈴さんたちのせいもあり・・・」

美琴「・・・体力も精神もバテバテだったのね」

上条「ぐぁぁ・・・起きたくないー・・・」

美琴「ほら、そろそろ休み気分も直さないと・・・学校がすぐ始まるわよ?」

上条「明日は美鈴さんたち帰るんだろ?見送りは朝早いんだよ・・・」

美琴「・・・だから?」

上条「今日くらいはゆっくりしようぜ・・・」

美琴「はぁ・・・ダメダメね」

美琴が首を振る

美琴「当麻、三学期始まってすぐにテストがあるでしょ」



671 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/17 17:23:02.02 wzSzJFEN0 578/839

上条「学校のことまで把握されてる!?」

美琴「・・・もしもそれで点数悪かったら進級も危ないわよ」

上条「ま、まさかぁ!」

美琴「冗談だと思う?」

上条「・・・ほ、本当なのか?」

美琴「私が教師なら、そんな生徒はイヤだけど」

上条「くそぉ!わ、分かったよ!」

上条が顔をパシパシと叩く

上条「よし!しっかり休み気分を取るからな!」

美琴「よし!それでこそ当麻よ!」

上条「・・・でもなぁ」

上条がコタツの中で脚をジタバタさせる



672 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/17 17:23:36.97 wzSzJFEN0 579/839

上条「こうやってほのぼのしてるとイヤなことを全部忘れて・・・」

美琴「忘れないの!」

上条「うぅ・・・だって」

美琴「・・・今晩からは早く寝ること!いいわね!?」

上条「マジかよ・・・」

美琴「・・・何よ」

上条「今晩は美琴とずーっとおしゃべりする予定だったのにな」

美琴「え・・・そ、そうなの?」

上条「・・・でもいいや、早く寝るから」

美琴「ダメ!おしゃべりしたいもん!」

上条「いやいや、休み気分を無くさないと」

美琴「い、意地悪・・・」



673 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/17 17:24:04.89 wzSzJFEN0 580/839

上条「何が?美琴が言い出したんじゃないか」

美琴「・・・」

上条「・・・美琴、こっちおいで」

上条が美琴を手招きする

美琴はそれに従って、トコトコと上条に近づく

美琴「なに?」

上条「抱きしめてあげましょう」

美琴「・・・うん」

美琴が顔を赤くしながら上条の横に寝転がる

美琴「・・・」

上条「よいしょっと」

力強く上条が美琴を抱きしめる

最近は、コタツに入っているときはずっとこんな感じだ



674 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/17 17:24:37.52 wzSzJFEN0 581/839

美琴「・・・また眠くなっちゃうわね」

上条「そうだな・・・眠い」

美琴「・・・ダメダメ・・・寝たらダメよ」

上条「うぅ・・・こんな睡魔に打ち勝とうなんて無理だ!」

美琴「頑張りなさいよ・・・」

上条「美琴もあくびしてるじゃないか」

美琴「私はいいのよ・・・休み気分なんてすぐ抜けるし」

上条「・・・どうかな」

美琴「それに授業態度も真面目だから・・・」

上条「えー、美琴って結構不真面目そう」

美琴「・・・そりゃかなり真面目すぎってわけじゃないけどさ」

上条「・・・なんか授業も居眠りしてそう」



675 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/17 17:25:03.93 wzSzJFEN0 582/839

美琴「当麻、前に常盤台の授業参観来たじゃない」

上条「あの時も不真面目だったような」

美琴「ウソ!私かなり真面目だったでしょ!?」

上条「いや、お世辞にもそうは言えないな」

美琴の授業態度を思い出す上条

たしか教科書にゲコ太のパラパラ漫画を作っては喜んでいた

しかも誰にもバレないようにしていた辺り、かなり慣れているのだろう

つまりいつもそういうことをやっているのだ

美琴「・・・な、何よ?」

上条「ヤンキーなんだな、美琴は」

美琴「か弱い女の子でしょ!?」

上条「か弱い?」



676 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/17 17:25:32.95 wzSzJFEN0 583/839

上条の記憶にある限り、美琴はか弱いという感じではない

むしろそこらの男になら絶対に負けないほどの実力者だ

上条「か弱いとは・・・言えないな」

美琴「バカ!私だってか弱いのよ!?」

上条「いやいや、美琴の魅力はそういう強いところだよ」

美琴「魅力なのかな?」

上条「強くて、でもたまに弱さを見せてくれるのがたまりませんよ」

上条が美琴の顔を見つめる

美琴「当麻にしか見せないもん・・・」

上条「かーっ!やっぱり可愛いなぁ!」

美琴「な、何よ・・・か弱くないとか言ってたくせに」

上条「か弱くなくても可愛いんだよ・・・だって美琴なんだぜ?」



677 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/17 17:27:39.95 wzSzJFEN0 584/839

美琴「何よそれ・・・」

美琴が顔を真っ赤にする

上条がそういう素直なことを言うのは当たり前だった

しかし、昔からしたら考えられないことだろう

彼が美琴のことを可愛いだなんて、正直今でもドキドキしてしまうのだ

美琴「・・・いきなり可愛いとか言わないでよ」

上条「なに?もしかして照れてるのか?」

美琴「・・・」

上条「あはは!美琴ったら顔真っ赤!」

美琴「悪い!?当麻に可愛いって言われたら嬉しいのよ!」

上条「いえいえ、嬉しいに決まってるじゃないですか」

美琴「・・・当麻の意地悪」



678 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/17 17:28:07.02 wzSzJFEN0 585/839

上条「そういうこと言うなら、もう抱きしめませんよ?」

美琴「やだ」

上条「甘えん坊だな、美琴は」

美琴「・・・分かってるでしょ、そんなこと」

上条「あぁ、よく知ってるよ」

美琴「・・・もう少しこうしてていい?」

上条「気が済むまでいいからな」

美琴「ん、ありがと」

二人が強く抱きしめ合う

幸せな時間だった


テクパトル「・・・いた」

テクパトルと17600号は、どうにか垣根達のいる場所にたどり着いていた



679 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/17 17:28:37.47 wzSzJFEN0 586/839

セブンスミストの女性服売り場

そこにみんなはいたのだ


19090「こういう服はテっくん・・・好きなんでしょうか」

20000「ミサカはエッチなのがいいな」

御坂妹「まーたそういうこと言って」

13577「怒られますよ?」

美鈴「年頃だから分からないでもないけどね」

旅掛「俺は許さないからな!」

20000「お父さんに許してもらわなくてもいいんだけど」

旅掛「美鈴ぅ!娘が反抗期だ!」

美鈴「パパ、年頃の女の子は複雑なんだよ」

旅掛「美鈴も敵だった!?」



680 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/17 17:29:24.23 wzSzJFEN0 587/839

垣根「・・・美鈴さんはどんな服買うんだ?」

心理「はぁ・・・いい加減手を放しなさいよ」

美鈴「あ、ヤキモチ?」

心理「そんなわけないでしょ・・・」

垣根「ならいいだろ、俺は美鈴さんと手を繋いでいたいんだ!」

美鈴「私もイケメンに手を握られてイヤな気はしないな!」

旅掛「美鈴がとうとう若い男に目覚めた!」

10033「お父さんうるさいです」

旅掛「心理定規ちゃん助けてくれよ!」

心理「みんな、あんまり旅掛さんをいじめないの」

御坂妹「だって・・・なぜか反抗したくなるんです」

14510「そうしなきゃいけないような感じが・・・」



681 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/17 17:29:50.91 wzSzJFEN0 588/839

心理「間違ってるから」

旅掛「そうだそうだ!」


テクパトル「・・・あいつら・・・」

17600「どうする?行くんだろ?」

テクパトル「仕方ないからな」

テクパトルがゆっくりと近づいていく

19090「!テっくん!」

テクパトル「お、意外と早く気づかれたな」

19090「テっくんが近づいてきたら分かるんです!」

御坂妹「お疲れ様です!」

10039「仕事はどうでしたか!?」

テクパトル「楽しかったぞ」



682 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/17 17:30:28.38 wzSzJFEN0 589/839

20000「寂しかったぜテっくん!」

テクパトル「はは、そりゃ嬉しいな」

20000「ささ・・・ミサカが気持ち良くさせてあげるから」

テクパトル「いらん」

13577「これからちゃんと続けられそうですか!?」

10033「今日はこれから一緒にいられるんですよね!?」

テクパトル「あ、あぁ」

美鈴「テクパトル君はやっぱり大人気だね」

旅掛「ちくしょう!なんで俺は嫌われてるんだ!?」

心理「仕方ないわよ、父親ってのは鬱陶しがられるためにいるんだから」

旅掛「初めて知ったよそうだったんだ!」

垣根「美鈴さん、抱かせてくれよ」



683 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/17 17:31:08.75 wzSzJFEN0 590/839

美鈴「嬉しいお誘いだけどパパが怒っちゃうから」

旅掛「垣根君!美鈴を抱くことだけは許さないからな!」

心理「垣根、私もさすがにそれは怒るわよ」

垣根「冗談だって・・・ちっ」

心理「あ?」

垣根「すいません」

テクパトル「・・・19090号、寂しくなかったか?」

19090「少し寂しかったです」

テクパトル「ははは、ありがとよ」

テクパトルが19090号の頭を撫でる

ミサカ一同「・・・」

17600「テっくん、いちゃつくのは結構だが回りの目を気にしろ」



684 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/17 17:31:50.24 wzSzJFEN0 591/839

テクパトル「ん?なんで」

御坂妹「かーっ!ダメだこりゃ!」

13577「ぺっぺっ!口の中が甘いですよ!」

14510「あぁもう!死ね!」

テクパトル「なんかストレートに言われたんだけど!?」

旅掛「娘をたぶらかしやがって!」

テクパトル「アンタまでか!」

心理「あら、モテるのはいいことじゃない」

美鈴「テクパトル君は優しいからね」

テクパトル「ん、そうか?」

垣根「心理定規、俺以外の男を褒めるんじゃねぇ」

心理「あら、独占欲かしら」

旅掛「・・・美鈴もテクパトル君の罠に嵌まったか・・・」



685 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/17 17:32:31.26 wzSzJFEN0 592/839

テクパトル「嵌めた覚えはないんだが」

20000「ハメた覚え!?」

テクパトル「てめぇは一回土に還ろうか」

御坂妹「テっくん、あんまりフラグを建てすぎるとお義兄様みたいになりますよ」

10039「気をつけてくださいね」

17600「そうだぜ相棒」

テクパトル「・・・肝に銘じておくよ」

19090「テっくんはミサカだけのものですから」

14510「違いますからね!」

垣根「いやぁ、うらやましいぜテクパトル」

心理「世の中の男がひがみまくるわよ」

テクパトル「なんでだよ・・・」



686 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/17 17:33:35.19 wzSzJFEN0 593/839

美鈴「・・・テクパトル君になら安心してみんなを任せられるもんね」

旅掛「いーや!フラグを建てるヤツに預けるのは・・・」

ミサカ一同「テっくんの悪口を言わないでください!」

旅掛「」

心理「旅掛さん、娘の成長を受け入れなさいな」

旅掛「こうやってみんな結婚していくんだろうなぁ!」

美鈴「パパ、布団かけてあげようか?」

垣根(あ、コントだ)

17600「それはそうと、みんなは何してたんだ?」

19090「買い物ですよ」

テクパトル「買い物?何か必要になったのか?」

心理「あら、女の子は買い物が好きなのよ?」



688 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/17 17:34:43.81 wzSzJFEN0 594/839

美鈴「そうそう、男には分からないだろうけど」

テクパトル「分かりたくないさ・・・」

垣根「さっきからずっと同じとこグルグル回ってるんだぜ?やだよな・・・」

テクパトル「ならそろそろ晩飯でもどうだ?」

心理「あら、そんな時間なの?」

美鈴「時間を忘れちゃうよね」

旅掛「明日には帰らないといけないからな・・・」

一方「・・・俺達は帰る」

番外「なんで?」

打ち止め「お母さん達と一緒にいたい!ってミサカはミサカは・・・」

一方「うるせェ・・・会いたきゃまた会えばいいだろ」

御坂妹「・・・ではまた」

一方「あァ」



689 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/17 17:35:51.02 wzSzJFEN0 595/839

番外「ちょ、ちょっと!」

打ち止め「待ってー!」

三人が駆けていく

垣根「じゃ、俺達は飯だな」

19090「行きましょう!」

美鈴「おー!」


アレイ「・・・静かだな」

静まり返った家の中

アレイスターは目を閉じていた

今の生活にももう慣れた

様々な仲間が出来た

本当に、たくさんの仲間が



690 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/17 17:36:33.47 wzSzJFEN0 596/839

みんな、私の中が暖かいって言うの・・・

たくさんの人が突っ込んできて、たまに猫も入れるのよ?と言っていたコタツ

摘まれて回されちゃったら感度が上がっちゃう、と言っていたラジオ

俺は姿ではなく思い出を留めるんだ、と言っていたカメラ

いつか俺も止まるのかな、と言っていた時計

心の汚れはどうしようもないのさ、と言っていた洗濯機

汗も雨も水分も乾かせる

だが、あの子の涙は乾かせない、と言っていた除湿機

誰かがいたずらに指を突っ込んだら痛い目に遭わせてやるのよ

でもね、結局は回されちゃうの

長くされたり短くされたり

首を振らされたり強弱をつけられたり

中にはリボンなんかつけられる仲間もいるの、と言っていた扇風機



691 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/17 17:37:30.14 wzSzJFEN0 597/839

下のやつらは照らせるが、上のやつらは見上げられない、と言っていた蛍光灯

温めることはできるけど、焦がすことは出来ないのさ、と言っていた電子レンジ

金をもらうたびチンチンチンチン言わなきゃいけない、と言っていたレジ

みんなね、ある時を境に急に冷たくするのよ、と言っていたエアコン

吸ったら褒められるけど、吸った物を吐き出したらダメなの

私は飲まなきゃいけないの、と言っていた掃除機

子機がだんだん離れていくの、と言っていた親機

親機なんかといられるか、と強がりながらもどこか背中に親機を感じていた子機

俺はな、立ち上がらなきゃ何も始まらないと思うぜ、と言っていたパソコン


みんな、かけがえない仲間だった

アレイ「扇風機はどうしてるかな」

冬になってからめっきり見かけなくなった扇風機



692 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/17 17:38:33.89 wzSzJFEN0 598/839

少し儚い雰囲気の漂う相手だ

アレイ「・・・冬か、寒いな」

くるり、と周りを見回してもあるのは静寂のみ

ミサカ達は家族のもとに行っている

テクパトルも就職してしまった

こうなると、ヒマなのはアレイスターだけだ

アレイ「・・・なんとなくだが寂しいな」

ウーン、とわざと音を鳴らしてみる

普段ならうるさい、と誰かしらの声が飛んで来るはずだ

しかし今は違う

イヤな沈黙の中に、ウーンという音だけが響く

アレイ「・・・体の芯が寒いよ」

冷蔵庫だからだ



693 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/17 17:39:26.61 wzSzJFEN0 599/839

アレイ「・・・正月はテクパトルがいなかったから天国だったな」

ミサカ達がそれはそれは破廉恥なことばかりしていたのだ

服を脱いでのどんちゃん騒ぎなんて最高だった

アレイ「・・・そういえば、人間に戻ったら酒を飲もうと言っていたな」

テクパトルとの約束だ

別段、アレイスターは酒が好きだったわけではない

だが家族である者が言うのだから、無下に断るなんて出来ないだろう

それに、人間に戻った喜びを噛み締めるのにも良さそうなのだ

アレイ「・・・人間、か」

だが実のところ、あまり人間であることにこだわりが無くなってきていた

こんなナリをしていても、昔よりずっと満たされている気がする

家族がいて、居場所があって

ビーカーの中で退屈な日々を過ごしていたあの頃にまた戻りたいというのか



694 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/17 17:40:41.13 wzSzJFEN0 600/839

NOだ

今の楽しい日々を知ってしまったら、あんなつまらない毎日など送れるわけがない

アレイ「・・・損なことだ」

昔なら余計な感情など持たないで済んだ

関係のない人間を切り捨て、興味のない人間を殺す

それが簡単に出来たのに

アレイ「・・・なぜだろうな」

テクパトルのせいか

ミサカ達のせいか

それとも

アレイ「ふっ・・・私自身のせい、か」

体の中に入っているワインのボトル

たしかミサカ達が隠れて飲んでいたものだ

アレイ(・・・久しぶりに酒が飲みたい)



695 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/17 17:41:16.60 wzSzJFEN0 601/839


グラグラ、と体を揺らしてそれを倒す

その時、パリンというイヤな音が響いた

ワインのボトルが割れたのだ

赤ワインが

体の中をタラーリタラーリと垂れて

ガラスが流れ

下の段まで移動して

アレイ「そ、掃除!誰か!誰か助けて!」

沈黙

誰もいない

誰も掃除をしてくれない

アレイ「誰か!助けてください!」

その間もワインは零れ続ける

焦りと共に、なぜか少し興奮を覚えたアレイスターだった



696 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/17 17:41:50.04 wzSzJFEN0 602/839

テクパトル「・・・垣根、そろそろ義母さんから手を・・・」

垣根「放さない」

レストランへ向かう途中

相変わらず、垣根は美鈴の手を握っていた

19090「あの・・・さすがにそれ以上は心理定規が・・・」

垣根「ふん!知らないやい!」

美鈴「もー、垣根君の甘えん坊さん!」

心理「はぁ・・・頭が痛いわ」

旅掛「地面にのの字書いてやるもんねー」

御坂妹「お父さん、情けないです」

10033「取り返しましょうよ」

20000「そうそう、悲しいだけだ」



697 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/17 17:42:22.29 wzSzJFEN0 603/839


旅掛「若くてイケメン、お金持ち!勝てる!?ねぇ勝てる!?」

テクパトル「・・・垣根、それ以上やると俺が怒るぞ」

垣根「あぁ、お前も美鈴さんに抱き着きたいパターン?」

テクパトル「ちげぇ!」

美鈴「カモーン!」

テクパトル「なんなんだこの二人!?」

心理「バカとバカよ」

19090「ふ、二人とも・・・さすがにカップルでもないのにそういうのは」

旅掛「あー!ってことは周りから見たらこの二人は今まさにカップル!?」

旅掛が頭を抱える

周りの通行人はそれを哀れな目で見つめていた

なんかヘンなおじさんがいる、と子供が言う

それを教師らしき人物がみんな、見ちゃダメ、と叱る



698 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/17 17:43:25.67 wzSzJFEN0 604/839

旅掛「・・・美鈴、俺は美鈴を愛してる!」

美鈴「?なぁにいきなり」

垣根「邪魔すんなー」

旅掛「この状況なら垣根君のほうが邪魔だよな!?」

テクパトル「ちょっとどいてくれ」

テクパトルが旅掛の背中を押す

テクパトル「・・・義母さん」

美鈴「?どしたの」

テクパトル「浮気は許さん」

美鈴「う、浮気じゃない・・・」

テクパトル「垣根、一応我が家の規律を乱す者には鉄槌を下さなければならない」

垣根「あぁ?甘えて何が悪い」



699 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/17 17:44:20.19 wzSzJFEN0 605/839

テクパトル「・・・神には祈ったか?」

テクパトルがグーを握る

垣根「神!?ははは!そんなものに祈るより戦うことを選ぶさぁ!」

垣根もグーを握る

19090(あ、能力は使わないんですね)

10039(お母さんを巻き込んでしまわないようにでしょうか)

20000(やっさしーい)

心理(・・・何やってるのよ垣根・・・)

旅掛(あれ、いつの間にか俺は蚊帳の外)

垣根「くらえ!衝・・・」

テクパトル「あばよ垣根」

無駄のない動きでテクパトルが垣根の目の前に移動する



700 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/17 17:45:30.11 wzSzJFEN0 606/839

垣根「しまっ・・・」

テクパトル「このエロバカがぁ!」

下から、鞭のようにテクパトルの拳が上がってくる

アッパーだ

垣根の顎を正確に捉えるアッパーだ

垣根「ぎゃうん!」

変な声を上げながら、垣根が吹き飛ぶ

どうやら気を失ったらしい

旅掛「こ、怖い・・・」

美鈴「か、垣根君・・・」

心理「手加減は?」

テクパトル「したに決まってるだろ」

19090「し、白目を向いてます・・・」



701 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/17 17:46:13.37 wzSzJFEN0 607/839

17600「みんな、弔辞を考えようぜ」

御坂妹「はい」

テクパトル「そこはツッコめ」

御坂妹「つ、ツッコむべき場所でしたか」

テクパトル「いまさらドジっ子は無理だぞ」

御坂妹「ちっ・・・」

垣根「」

心理「垣根、起きなさい」

垣根「」

心理「浮気しちゃおうかなぁ」

垣根「ダメぇ!」

心理(起きた)

美鈴「・・・お、おはよう垣根君」



702 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/17 17:46:47.97 wzSzJFEN0 608/839

垣根「テクパトル!テクパトルてめぇ!やりやがったな!」

テクパトル「あぁ、やったとも、やって何が悪い」

垣根「ふざけんな!俺は美鈴さんの母性に包まれたいだけなんだよ!」

テクパトル「それが問題だって言ってんだハゲ!」

垣根「ハゲとはなんだ!全国の育毛剤買ってる人に謝れハゲ!」

テクパトル「ツッコまんぞ」

旅掛「まぁまぁ・・・垣根君も起きたんだから、飯に行こうか」

13577「そうそう、それが目的でしたね」

19090「すっかり忘れてました」

美鈴「パパ、手繋ごうか?」

旅掛「!いいのか!?」

美鈴「当たり前じゃん!」




703 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/17 17:47:21.30 wzSzJFEN0 609/839

旅掛「やっほー!」

旅掛が美鈴の手を握る

垣根「・・・ちくしょう、心理定規!」

心理「はいはい」

心理定規も、垣根の手を握り締める

19090「テっくん、いいですか?」

テクパトル「あぁ、いいけど・・・」

ミサカ一同「・・・」

テクパトル「み、みんなも代わる代わる握るか?」

ミサカ一同「はい!」

19090「お父さんですね・・・」

テクパトル「もう慣れた・・・」

テクパトルが肩を落とす

本当に、父親というのは疲れるのだ


 

706 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/17 20:01:28.24 wzSzJFEN0 610/839

上条「・・・そういえばさ、晩飯どうする?」

美琴「あー・・・ご飯作るのもめんどくさいわね・・・」

上条「だよな・・・どうしようか」

美琴「食べに行く?」

上条「そうするか」

上条がゆっくりと立ち上がる

現在時刻は19時前だ

そろそろ晩御飯、という時間だろう

まだまだ冬休みなため、レストランなどは混んでいるだろう

美琴「じゃあさ、ちょっと高いところに行ってみる?」

上条「た、高いところ?」

上条が少しイヤそうな顔をする

美琴「・・・そこまで高すぎないけど」


707 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/17 20:03:43.42 wzSzJFEN0 611/839

上条「・・・た、たとえば?」

美琴「うーん・・・ピアノの生演奏が・・・」

上条「ダメだからな!!」

美琴「な、なんでよ?」

上条「だって・・・そういうのは必要ない!!」

美琴「必要ない?」

上条「料理が美味しくなるの!?甘くなったり辛くなったり味が変わるのかな!?」

美琴「うん、なんだか美味しく感じるのよ」

上条「」


上条「ひ、必要ないんじゃないかな?」

美琴「当麻と行きたいの!!」

上条「う・・・」

美琴「ダメ・・・かなぁ?」ウルウル



708 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/17 20:11:26.92 wzSzJFEN0 612/839

上条「ダメじゃないけどさ・・・」

美琴「じゃあ行きましょうよ」

上条「い、いくらくらい?」

美琴「うーん・・・多分二人で5万・・・」

上条「高いから!!!」

美琴「・・・ダメ?」ウルウル

上条「あ、その・・・」

美琴「当麻ぁ・・・」ウルウル

上条「・・・」


上条「・・・行くか」

美琴「やったぁ!!」

上条「はぁ・・・」

美琴「早く早く!!」


709 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/17 20:17:40.90 wzSzJFEN0 613/839


上条「・・・えっと、どこですか?」

美琴「んーとね」

二人は街中を歩いていた

しかし、普段歩く街中とは違う

周りにはなぜか高級そうなお店ばかりが並んでいる

品のない学生なんて一人もいない

全員が落ち着いた雰囲気で、すました顔をしている

ネオンなんてない

店のオシャレな灯りが漏れているだけだ

上条「・・・な、なんて夢みたいな・・・」

美琴「・・・そう?普通の・・・」

上条「普通じゃないから!!!」

美琴「静かにしなさいよ」



710 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/17 20:23:05.36 wzSzJFEN0 614/839

上条「な、なんか美琴がお嬢様チック・・・」

美琴「・・・静かにしなさいってば」

上条「はい」

上条が口をつぐむ

上条(なんか美琴が・・・真面目だ)

美琴「・・・」

上条「な、なぁ美琴・・・」

美琴「ん、どうしたの?」

上条「怒ってる?」

美琴「・・・怒ってないけど?」

上条「な、なんかツンツンしてるから・・・」

美琴「こういうところでは上品にしないと」

美琴が肩をすくめる



711 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/17 20:29:54.06 wzSzJFEN0 615/839

上条「・・・上品かぁ・・・」

上条が上品に振舞おうと決める

とはいっても、どうすればいいのか

上条「美琴さん、どこに入るのでございますか?」

美琴「そういうのはいらないから」

上条「」


上条「あ、あの・・・怒ってる?」

美琴「怒ってないわよ」

上条「・・・なんかツンツン・・・」

美琴「デジャヴじゃない」

上条「あれ?」

二人がクスクスと笑いながらも目的のレストランへ向かう

もちろん、そこも上品なお店だ



712 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/17 20:35:15.37 wzSzJFEN0 616/839

上条「お、俺はこの服装でよかったのか?」

美琴「私だって私服だから」

上条「美琴は有名だからな・・・」

美琴「顔パスとかそういうのじゃ・・・あ、二人です」

上条「開いてますか?」

「はい、こちらへどうぞ」

店員も非常に上品な感じだ

周りには常盤台の制服を着た学生やら、長点上機の学生やらが溢れている

上条(か、金持ちばっか・・・)

美琴「どうしたの?」

上条「き、緊張するな・・・」

美琴「・・・大丈夫よ」



714 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/17 20:39:23.70 wzSzJFEN0 617/839

上条「な、なんかテーブルに装飾がされてる・・・」

美琴「うん、オシャレよね」

上条「それだけ!?もっと感想・・・」

美琴「いいから静かに・・・」

美琴が溜め息をつこうとした

その時、どこからか大きな笑い声が聞こえてきた


垣根「ひゃひゃ!!なんでそこで右折なんだよ!!!」


聞き覚えのある声が

上条「・・・垣根・・・だよな」

美琴「・・・ま、まさか・・・」


垣根「大体そこは直進だろ!?なーんでそこで右折かなぁ!?せめてジャック・スパロウだろ!」


上条美琴「・・・」



715 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/17 20:43:33.50 wzSzJFEN0 618/839

上条「・・・す、すぐ近くだな・・・」

美琴「・・・あっちの席にみんないる・・・」

上条「・・・ホントだ・・・」


垣根「はー!!ここまで20000号がトーク上手いとはな!!!」

20000「いやぁ、それほどでも」

御坂妹(・・・パンダの話をしてたんですよね?)

19090(右折左折を繰り返し・・・)

テクパトル(高級外車を乗り回し、だな)

心理(・・・こんな高い店で騒ぐなんて・・・)

旅掛(・・・いいのか?店員さん苦笑してるぞ・・・)

垣根(まったくだよな・・・)

心理(あなたよ)



716 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/17 20:49:28.95 wzSzJFEN0 619/839

垣根「はぁ・・・みんな好きなもんどんどん食えよ」

旅掛「金持ちだな・・・」

美鈴「垣根君はどうしてそんなにお金持ちなの?」

垣根「お金が集まってくるのさ」

13577「うっわぁ・・・すごいですね・・・」

17600「何言ってるんだ、冗談だろ」

10033「テっくん、何食べたいですか?」

テクパトル「俺はいいんだよ・・・お前達が選びな」

垣根「あぁ?俺が奢るっての」

テクパトル「仕事も見つかったし自分で払うさ・・・」

心理「こんな店、あなたで払えるの?」

テクパトル「・・・」

心理「な、泣きそうにならないでよ」



717 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/17 20:57:12.36 wzSzJFEN0 620/839

10039「・・・じゃあミサカはステーキを」

14510「ハンバーグで」

19090「・・・サイコロステーキを」

20000「じゃあペキンダックー」

御坂妹「チーズハンバーグを」

13577「・・・ミサカもチーズハンバーグを」

垣根「ちょっと待て、覚えられないんだけど」

美鈴「へぇ、みんな別々のものを頼むんだ・・・」

旅掛「なんか意外だな」

心理「あら、それが個性よ」

テクパトル「はぁ・・・俺は何がいいかな」

20000「テっくんはたくさん食べるよね」



718 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/17 21:03:51.21 wzSzJFEN0 621/839

テクパトル「腹が減るからな・・・」

垣根「頼みすぎるなよ」

テクパトル「分かってるさ・・・」

テクパトルがメニューを睨む

なんだか、渋い雰囲気だ

旅掛「そうだ、ここってタバコいいのか?」

心理「大丈夫よ」

旅掛「おう、サンキュー」

旅掛がタバコを吸いだす

周りの学生はなにやら不思議そうな顔で見てくる

それもそうだろう

こんな高級な店でタバコを吸うのは、なかなかの大物だけだからだ

美鈴「パパ、煙たいよ」



719 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/17 21:07:27.26 wzSzJFEN0 622/839

旅掛「悪いけどさ・・・吸わないとなんかなぁ・・・」

垣根「全く、健康に悪いぜ」

心理「そうよ、早死にするわよ」

旅掛「う・・・悪いな・・・」

旅掛が肩を落とす

かなり肩身が狭そうだ

テクパトル「・・・義父さん、俺ももらっていいか?」

19090「テっくんも吸うんですか!?」

テクパトル「この前も言っただろ・・・」

旅掛「ん?鍛えてる身からしたらタバコはまずいんじゃないのか?」

テクパトル「そうでもないさ」

テクパトルが旅掛からタバコを吸いだす

心理「・・・なんか似合ってるわね」

テクパトル「そうか?」



720 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/17 21:13:30.18 wzSzJFEN0 623/839

垣根「・・・テクパトルが吸ってるとギャングみたいだよな」

20000「テっくんこわーい」

17600「こりゃヤクザだな」

19090「テっくん、そんなテっくんもワイルドで素敵ですよ?」

御坂妹「・・・これは怖い」

テクパトル「うるせぇ・・・でもやっぱタバコは合わないな」

旅掛「そうか?美味しいじゃないか」

テクパトル「それに周りからも変な目で・・・」

テクパトルが周りを見回す

そして気づいた

離れた席に知り合いがいることに

知り合い、というよりも義理の家族がいることに


テクパトル「あれ、義姉さんたちだな」

ミサカ一同「え?」



721 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/17 21:24:25.00 wzSzJFEN0 624/839

上条「あれ、なんかこっち見てるな・・・」

美琴「気づいたのかな?」

二人がみんなに向かって手を振る

すると、何人かが手を振り替えしてきた

上条「移動してもいいのかな?」

美琴「うん、店員さんに頼みましょうよ」

美琴が店員にその旨を伝える

快く頷いた店員に案内されて、二人は一同と合流する


上条「みんなもここにいたんだな」

美琴「テクパトル・・・タバコはやめなさい」

テクパトル「はぁ・・・分かった分かった」

19090「お二人とも、こんばんは」

美琴「うん、みんな仲良くしてた?」



722 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/17 21:29:45.87 wzSzJFEN0 625/839

御坂妹「はい!!」

垣根「お前らも仲良くしてたか?」

上条「当たり前だろ」

旅掛「いやぁ、垣根君はずっと美鈴に手を出しててな」

美鈴「そうそう、美琴ちゃんもなんか言ってあげたら?」

美琴「アンタ・・・やめなさい」

垣根「ちぇー・・・」

垣根が口を尖らせる

心理「・・・二人も一緒に食べる?」

上条「あぁ、そうするよ」

垣根「寄せてーなー」

美琴「何言ってるのよ」

二人が椅子に座る

上条「にしても・・・みんなは一段と浮いてるな」



723 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/17 21:35:33.27 wzSzJFEN0 626/839

垣根「いいだろ、好きな格好で好きなものを、好きなだけ食べる」

美鈴「そうそう、それが楽しいよ」

美琴「はぁ・・・もう少しは上品になってよね」

旅掛「美琴ったら余所行きの雰囲気ー」

美琴「当たり前でしょ・・・」

心理「ふふ・・・落ち着いたあなたも素敵よ」

美琴「心理定規はどこでも似合うわね・・・」

心理「あらそう?」

上条「いっつもドレスだからな・・・」

心理「これが気楽なのよ」

20000「セクシーぃ」

17600「・・・なんというか、色気の塊だよな」



724 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/17 21:42:40.71 wzSzJFEN0 627/839

心理「あなた達も着てみたら?」

17600「とても似合わないさ」

17600号が肩をすくめる

テクパトル「・・・単にスタイルのいい人間が着れば似合う、ってわけでもなさそうだな」

心理「これは私の戦闘服よ」

垣根「さすが俺の心理定規」

心理「えぇ、あなたの心理定規よ」

美琴「さ、じゃあみんなも頼むの決まった?」

ミサカ一同「はい!!」

美琴「じゃあ頼みましょうか」


一家と垣根たちの愉快な夕食が始まる

騒がしい夜でもあるのだが



732 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/18 16:00:32.52 G76rM75O0 628/839

上条「じゃ、いただきます」

垣根「いただきまーす」

一同の注文した料理が運ばれてきた

全員、しっかりと手を合わせて挨拶をする

旅掛「おぉ、みんなちゃんとしてるな」

美鈴「偉いぞ!」

19090「テっくんが厳しくしつけてますから」

御坂妹「ちゃんと挨拶しないと怒られちゃうんですよ」

美琴「へぇ・・・」

テクパトル「別にそこまで怒らないさ・・・」

20000「ミサカなんか無理矢理・・・」

テクパトル「・・・」

20000「・・・」



733 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/18 16:01:16.18 G76rM75O0 629/839

心理「ほら、早く食べましょう」

14510「そうですよ」

旅掛「冷めたら美味しさが半減だぞ!」

テクパトル「そうだな」

テクパトルがステーキをナイフで切り分ける

10039「あれ・・・う、上手く切れません」

テクパトル「はぁ・・・貸してみな」

10039「あ、はい・・・」

テクパトルが10039号のステーキを切り分ける

御坂妹「・・・」

10033「あぁ!ミサカも上手く切れません!」

19090「ミサカもです!」



734 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/18 16:01:50.39 G76rM75O0 630/839


17600「はぁ・・・ガキじゃないんだから」

垣根「・・・テクパトル、切ってやれよ」

テクパトル「みんな貸してみな」

旅掛「・・・テクパトル君はしっかりしてるな」

美鈴「こういうのは昔から慣れてたの?」

テクパトル「誰かの世話を見たりってのは・・・な」

テクパトルが肉を切りながら答える

あまり人望はなかったとはいえ、かつてテクパトルは組織の参謀だったのだ

ある程度、人の世話を見るのは慣れている

上条「・・・旅掛さんよりよっぽど父親らしいよな」

旅掛「上条君!それは言ったらダメだ!」

美琴「実際そうじゃない」




735 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/18 16:02:44.40 G76rM75O0 631/839

旅掛「ぐはぁ!グサリと突き刺さったよその言葉!」

心理「なんだか父親って感じがしないものね」

垣根「ただの大学生みたいだよな」

13577「顔は親父って感じですけどね」

旅掛「・・・美鈴、慰めて」

美鈴「おーよちよち」

美琴「ちょっと・・・こんな所で恥ずかしいことしないでよ」

美鈴「何?美琴ちゃんも上条君といちゃつけばいいじゃん」

美琴「できるわけないでしょ・・・」

上条「二人とも・・・円満なのはいいですけど、少しは周りを・・・」

旅掛「愛は盲目!」

テクパトル「はい、切れたぞ」




736 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/18 16:03:23.58 G76rM75O0 632/839

10033「ありがとうございます!」

御坂妹「ミサカのもー」

テクパトル「なんか幼児化してるぞ」

美琴「・・・テクパトル、アンタはまともよ」

テクパトル「ん?そうか」

心理「あら、背中フェチがまともなのかしら」

美鈴「え、テクパトル君ってそんなマイナーな趣味の持ち主なの?」

テクパトル「マイナーってな・・・」

垣根「マイナーだろ」

テクパトル「黙れ声フェチ」

垣根「やだこわーい」

14510「ですがテっくんの背中フェチはホントすごいですよ」


737 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/18 16:04:11.19 G76rM75O0 633/839

19090「?そうですか?」

20000「テっくんは背中があれば何でもできるからね」

テクパトル「お前達はどうしても俺を変態にしたいらしいな」

旅掛「テクパトル君、娘達を返してくれ」

テクパトル「なに一抹の不安を感じてるんだアンタは!?」

旅掛「娘達の背中のためなんだよ!」

テクパトル「俺は19090号以外には手は出さないし興味ない!」

美鈴「みんな泣いちゃうよ」

テクパトル「異性としてだから泣くなよ!」

13577「・・・それじゃフォローになってません」

テクパトル「義姉さんなんとか言ってくれよ!」

美琴「あんまり女の子を泣かせたらダメよ」




738 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/18 16:04:55.05 G76rM75O0 634/839

テクパトル「俺にコメントするんじゃなくて!」

上条「テクパトル、フラグばっか建てるなよ」

テクパトル「お前にだけは言われたくなかった!」

心理「あら、テクパトル君はみんなを家族として好いてるのよ?」

テクパトル「そうだ!それを待っていた!」

心理「まぁ背中フェチだけどね」

テクパトル「お前は俺に恨みでもあるのか?」

旅掛「な、なんというツッコミ捌き・・・」

美鈴「これが史上最強のツッコミ・・・」

テクパトル「なんだよその肩書き・・・」

テクパトルがげんなりとする

とにかく、喋りすぎて疲れたようだ


739 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/18 16:05:31.64 G76rM75O0 635/839

テクパトル「もういい、飯だ飯・・・」

19090「テっくん、あーん」

テクパトル「あーん」

旅掛「うわぁぁぁぁぁ!娘が目の前で彼氏にあーんって!」

美鈴「パパ、落ち着いて」

垣根「誰かお医者さん呼んでー」

上条「はぁ・・・上品な店なんだから静かにしようぜ」

垣根「お前が言うか」

上条「お前達よりは静かにしてるからな」

垣根「はん、大体テーブルマナーがなってないな」

心理「そうよ・・・なんでフォークをライスに突っ込んでるのよ」

上条「こうしないと置けないから」



740 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/18 16:06:20.53 G76rM75O0 636/839

美琴「?」

19090「お義兄様・・・」

20000「ダメだぜこりゃ」

テクパトル「ん、テーブルマナーも大事だぞ」

心理「上条君、下品」

上条「う・・・心理さんに言われたらかなりへこむんだけど・・・」

心理「あら、慰めてほしい?」

心理定規が頬杖をつく

上目遣いで、上条の目を見つめる

そっと微笑みながら

男なんてイチコロに出来る表情だ

上条「ま、まさか!そんなやましいことなんか!」


741 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/18 16:06:55.93 G76rM75O0 637/839

心理「ふーん・・・ホントに?」

上条「・・・」

美琴「当麻!今生唾飲んだでしょ!?」

上条「ご、誤解だって!」

旅掛「浮気はダメだぜ上条君」

美鈴「そうだそうだー」

10033「情けないですよお義兄様」

御坂妹「・・・ちょっと見損ないました」

上条「違うってば!」

心理「ふーん・・・そう」

上条「心理さん・・・そういう冗談はマジでやめて・・・」

心理「本気だったらどうするの?」



742 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/18 16:07:48.64 G76rM75O0 638/839

上条「本気!?」

美琴「当麻!」

上条「ち、違うよな!?」

心理「どうかしらね」

頬杖のまま、心理定規が微笑む

少し子供っぽい表情

だが、それとは裏腹な大人っぽい雰囲気

そんなギャップがジワジワと上条に襲い掛かる

上条「いや・・・俺には美琴という将来を決めた相手が!」

心理「将来より今を楽しみましょうよ」

上条「垣根助けて!」

上条が垣根のほうを見る



743 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/18 16:08:57.24 G76rM75O0 639/839

だが垣根は不機嫌そうにして腕を組んでいるだけだ

上条「か、垣根?」

垣根「・・・なんだよ」

上条「あの・・・心理さんが暴走してるんですが」

垣根「知ったことかよ」

美琴「冷たいわよ垣根・・・」

垣根「んなことよりさっさと飯食おうぜ」

心理「・・・」

御坂妹「そ、そうですね」

テクパトル(・・・垣根のヤツ、拗ねてるな)

一同が食事を始める

くだらない話をしながら、楽しい時間を過ごす

だが、垣根と心理定規はなぜか目を合わせようとしない




744 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/18 16:09:38.67 G76rM75O0 640/839

テクパトル(・・・気まずいな)

19090(・・・ミサカ達は楽しいですが・・・)

美琴(・・・仲直りできるのかな?)

みんな、普通に話をしつつもそんなことを考えてしまう


旅掛「さて・・・食った食った」

テクパトル「はぁ・・・こんな店にいつか自分の金で来てみたいな」

美鈴「夢がでかいね」

食事を終えてから、一同が話す

19090「テっくん、頑張ってくださいね」

17600「・・・じゃあ支払いは任せていいのか?」

垣根「あぁ、任せろよ」

美鈴「私たちはどうすればいい?」



745 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/18 16:10:48.57 G76rM75O0 641/839

垣根「ほれ」

垣根が美鈴に鍵を渡す

美鈴「?」

垣根「先にみんなで帰ってくれよ」

美鈴「で、でも・・・」

テクパトル「・・・義母さん、帰ったほうがいいぞ」

旅掛「・・・じゃあ、そうするか」

旅掛が美鈴の手を引く

美鈴「あ・・・」

旅掛「垣根君、早く帰ってこいよ」

垣根「分かってるさ」

垣根が手を振る

心理定規もなぜか残っていた




746 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/18 16:11:52.49 G76rM75O0 642/839

美鈴「ねぇ・・・いいのかな、勝手に家にあがって」

御坂妹「・・・ですが垣根がいいと言っていたので」

テクパトル「・・・みんなは垣根の家に行きな」

19090「・・・テっくんはやっぱり家に帰るんですか?」

テクパトル「あぁ、明日も仕事だし・・・」

20000「・・・19090号も帰ったら?」

19090「で、でも・・・」

上条「テクパトルの一番の癒しじゃないか」

美琴「19090号、テクパトルのためじゃない」

19090「じゃあ・・・そうしますね」

旅掛「かーっ!うらやましいな!」

美鈴「ラブラブだねぇ!」




747 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/18 16:13:08.57 G76rM75O0 643/839

テクパトル「冷やかさないでくれよ」

13577「じゃあ、ミサカ達は帰りますね」

上条「俺達も帰るな」

美琴「みんな、またね」

美鈴「美琴ちゃん、明日は見送りに来てね」

美琴「うん、分かった」

一同がそれぞれの家に帰る

一方、残された垣根と心理定規は気まずい雰囲気のままだった

垣根「・・・」

心理「・・・」

支払いを終えた二人は、一同から少し遅れて店から出てきていた

垣根「・・・なぁ」


748 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/18 16:14:15.22 G76rM75O0 644/839

心理「なに」

垣根「ちょっと寄り道していいか?」

心理「えぇ」

それだけ話して、二人は歩き出す

歩いている間は特に何も話さない

周りの通行人達の声が余計に響いている

垣根「・・・」

心理「・・・」

手を繋ぐこともなく、ただ淡々と歩いていく


少しして、垣根が立ち止まる

心理「どうしたのよ」

垣根「・・・ここに来たかったんだよ」

心理「・・・」



749 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/18 16:15:15.94 G76rM75O0 645/839

心理定規が目の前の建物を見つめる

ここはたしか

心理「スクールの隠れ家だった・・・」

垣根「入るか」

心理「待ってよ」

心理定規が垣根の手を握る

垣根「なんだよ」

心理「・・・ここはイヤ」

垣根「・・・なんで」

心理「お願い、イヤなのよ」

心理定規が首を振る

怯えているようだ



751 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/18 16:17:39.91 G76rM75O0 646/839

垣根「・・・ゴーグル馬鹿も帰ってきたし、そろそろいいかなと思ったんだよ」

心理「・・・スクールはもういいわよ」

垣根「・・・じゃあ待っててくれ」

垣根が心理定規の手を放す

心理「あ・・・」

垣根「・・・心理定規」

垣根が心理定規の目を見る

垣根「・・・俺は親がいなかった・・・だから美鈴さんに甘えちまった」

心理「・・・分かってる」

垣根「・・・すまなかった」

心理「・・・いいのよ、私だって甘えたいと思うもの」

垣根「・・・そうかよ」


752 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/18 16:18:06.38 G76rM75O0 647/839

一人、垣根が階段を登っていく

一段一段

ゆっくりと登っていく

垣根(・・・いつか帰ってきたかったんだよな)

居場所を求めているわけではない

ただ、心理定規との思い出の場所にもう一度来てみたかったのだ

垣根(・・・初々しい気持ちを取り戻したいってことかな)

理由もないが、なぜか急に帰ってきたくなったのだ

垣根(あぁ・・・違うよな)

この場所は

垣根(ここが・・・心理定規と距離を縮めたきっかけの場所だったからな)

古びたドアの前に立つ



753 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/18 16:18:44.06 G76rM75O0 648/839

鍵なんて関係なかった

掛かっているわけがないのだ

ここには誰も住んでいない

不良のたまり場になるようなマンションだ

だが、なぜかスクールの隠れ家だった部屋だけは綺麗なままだった

垣根「・・・懐かしいな」

ソファーが懐かしい

よく心理定規と二人で作戦を練った

垣根「・・・懐かしいな」

ベッドが懐かしい

心理定規の傷を治したとき

彼女はそこで苦しんでいた



754 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/18 16:19:21.95 G76rM75O0 649/839

垣根「・・・懐かしいな」

その空間が懐かしかった

少しホコリの溜まったソファーに座る

感触が懐かしかった

垣根「・・・ここで・・・三人でよくだべったな」

心理「・・・そうね」

垣根「あぁ?」

いきなり後ろから声が聞こえた

ドアの辺りに心理定規が立っている

垣根「・・・来たくないんじゃなかったのかよ」

心理「一人なのはイヤだったから」

少し顔をしかめながら、心理定規が垣根の隣に座る



755 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/18 16:19:52.67 G76rM75O0 650/839

垣根「・・・懐かしくないか?」

心理「・・・あんまり来たくはなかったけど」

垣根「・・・そうか」

心理「・・・ここで・・・あなたとは色々な話をしたわね」

垣根「・・・心理定規とはここで距離を縮めたんだよな」

心理「あの時のあなたはいつもツンツンしてたわ」

垣根「・・・してなかっただろ」

心理「・・・垣根」

垣根「なんだよ」

心理定規が垣根の唇を奪う

情熱的な雰囲気だ

垣根「・・・怒ってるんじゃなかったのか」



756 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/18 16:20:43.14 G76rM75O0 651/839

心理「・・・あなたこそ、怒ってるんじゃないの?」

垣根「ちょっと拗ねてただけだ」

心理「・・・そう」

垣根「・・・なんで帰ってきたくなったんだろうな」

心理「・・・辛そうね」

垣根「・・・ゴーグル馬鹿が帰ってきたから・・・スクールも勢揃いだろ?」

心理「・・・彼も今はスクールじゃないわよ」

垣根「・・・そうだな」

心理「・・・ここはね、昔は唯一の居場所だったのよ」

垣根「俺もだ」

心理「あなたがいたからよ」

垣根「お前がいたからな」



757 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/18 16:21:15.83 G76rM75O0 652/839

心理「・・・垣根、愛してる」

垣根「・・・悪かった、美鈴さんに甘えすぎた」

心理「いいのよ・・・どうだった、母親の温もりは」

垣根「最高だったな、優しいし暖かい」


垣根「でもお前のほうが暖かいかな」

心理「私のほうが?」

垣根「あぁ・・・お前のほうがいいんだよ」

垣根が心理定規の頬を撫でる

垣根「なんでだろうな・・・美鈴さんだって魅力的なのにな」

心理「・・・それより私が魅力的なの?」

垣根「あぁ」

心理「ありがとう・・・嬉しいわよ」

垣根「・・・心理定規」



758 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/18 16:21:55.41 G76rM75O0 653/839

心理「なに?」

垣根「俺はこんな性格だ、今回のような浮気みたいなこともするだろう」

心理「浮気に入らないわよ」

垣根「・・・でもな、俺が愛してるのは結局お前だけなんだ」

心理「信じていいかしら?」

垣根「頼む」

心理「分かったわ・・・」

心理定規が微笑む

垣根「・・・さて、帰らないとな」

心理「・・・ここにはまた来るの?」

垣根「いや・・・やっぱりここは合わないな」

別に、部屋の中が変わったのではない



759 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/18 16:22:33.41 G76rM75O0 654/839

家具の位置も部屋の雰囲気も同じだ

垣根「俺達は変わったんだ、こんな薄暗い闇には似合わないほどに」

心理「辛い?」

垣根「まさか、嬉しいんだよ」

心理「・・・昔の私達が見たらなんて言うのかしら」

垣根「うらやましがるだろうな」

心理「そうかしらね」

二人が笑い合う

垣根「行こうぜ」

心理「えぇ」

再び、部屋に静寂が戻った

それが破られることはもうないだろう



760 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/18 16:23:09.17 G76rM75O0 655/839

ただ、静かな闇に背を向けて

二人は帰るべき居場所へと向かっていた


一方「・・・」

番外「ねぇ・・・なんで怒ってるの?」

一方「怒ってねェよ」

自宅のソファーに転がりながら、一方通行は不機嫌そうに答えた

打ち止め「ううん、怒ってる、ってミサカはミサカは指摘してみたり」

一方「・・・親っていうのは苦手なンだよ」

番外「苦手なの?なんで?」

一方「・・・距離感が難しいンだよ」

番外「・・・もしかして恥ずかしいの?」

一方「・・・気づいたら学園都市にいたからな、俺は」



761 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/18 16:24:01.72 G76rM75O0 656/839

打ち止め「親との接し方がわからないの?ってミサカはミサカは首を捻ってみる」

一方「あァ」

苦笑しながら一方通行が答える

番外「でもさでもさ、お母さんとお父さんは本当にいい人だよ?」

一方「だから困ってンだろォが」

打ち止め「?」

一方「いい人間ほど距離を近くして接してくるからな・・・」

番外「怖いの?」

一方「あァ怖い」

番外「失うことなんてないじゃんか」

一方「・・・ちげェ、今まで経験したことがないから怖いンだ」

番外「・・・一方通行」



762 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/18 16:25:12.25 G76rM75O0 657/839

打ち止め「でもアナタにも親は必要だよ、ってミサカは・・・」

一方「ンなことは分かってる」

番外「ならなんで避けてるのさ」

一方「避けてるよォに見えるか」

番外「うん」

一方「・・・仕方ねェンだよ」

ゴロン、と一方通行が寝返りを打つ

一方「・・・俺は寝る、お前らもさっさと寝ろ」

番外「・・・分かった」

打ち止め「お休み、ってミサカはミサカは挨拶してみたり」

一方「あァ」

二人が寝室に向かう

残った一方通行は一人、考えていた


763 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/18 16:25:53.59 G76rM75O0 658/839

一方(・・・あのバカ親は何考えてンだ)

自分と普通に接するなんて

大覇星祭のときもそうだった

自分の娘達を殺した張本人と普通に話をする

面と向かって

そして、自分の娘の一人が一方通行の恋人であることを認めている

一方通行には分からなかった

美琴もそうだが、なぜあの一家の人間はあんなにも強いのだろう

過去のことだ、と素直に割り切ったのか

表面上では繕っているものの、内心では憎んでいるのか

そもそもあの両親は実験になど興味がなかったのだろうか

どれにしろ、自分にはない強さとしか言えない



764 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/18 16:27:12.32 G76rM75O0 659/839

一方(・・・なンなンだよ)

あの実験のことを引きずっているわけではない

だが、彼はずっと罪を背負い続ける覚悟があった

死ぬまでずっと、あの罪を背中に抱えるつもりだった

なのにあんなふうに接してこられては、調子が狂ってしまう

一方(・・・わかンねェ)

彼にはわからない

父親というものも、母親というものも

ずっと、不思議な感覚だった

あの二人が

一方(寝るか)

目を閉じると、すぐに夢の世界へと堕ちてしまった

親の夢なんて、見ることはできなかった



765 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/18 20:42:29.30 G76rM75O0 660/839

上条「なぁ」

美琴「何?」

上条「・・・垣根達、大丈夫かな」

美琴「何が?」

上条「・・・仲直り、出来るかな」

美琴「出来るに決まってるじゃない」

上条「・・・だよな」

美琴「私が心配なのはそっちじゃないわよ」

上条「じゃあ何が心配なんだよ?」

美琴「お母さん達よ」

上条「あぁ・・・垣根の家にみんなで先に帰ったんだっけか」

美琴「・・・テクパトルはいないのよ?」

上条「・・・」


766 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/18 20:43:17.18 G76rM75O0 661/839

メンバーは、ミサカ一家だけ

上条「・・・やばいな」

美琴「やばいわよね」

上条「・・・」

心配そうな顔で二人がため息をつく

上条「・・・せめて17600号が止めてくれたらな」

美琴「どうかしらね・・・」


旅掛「ひゃっはー!垣根君の家を好き放題だなぁ!」

垣根の家で、旅掛ははしゃいでいた

美鈴「こらこら、垣根君に怒られちゃうよ」

御坂妹「そうですよ」

20000「オモチャはないかなーっと」



767 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/18 20:53:16.24 G76rM75O0 662/839

13577「あ、美味しそうなお菓子もありますよ」

ミサカ達はミサカ達で、好きなように家の中を漁っている

17600「・・・お前ら自重しろよな」

10039「何をですか?」

10033「さぁ?」

17600「はぁ・・・」

14510「17600号、おかしいですよ」

17600「・・・」

美鈴「・・・ねぇねぇ、これは何かな?」

旅掛「おー、こりゃ漫画だな」

20000「何の漫画?」

旅掛「スクライドだってさ」

美鈴「ふーん・・・なんだそりゃ?」



768 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/18 21:13:48.79 G76rM75O0 663/839

17600「あぁ、垣根大好きだよなそれ」

10033「熱い漫画ですよね」

御坂妹「貸してみて下さい」

17600「みんなで読もうぜ」

ミサカたちがスクライドを読み始める

旅掛「じゃあ俺と美鈴は風呂入ってくるな」

美鈴「みんな仲良くね」

ミサカ一同「はーい」

二人が風呂場へ向かう

一方、残ったミサカたちはスクライドを読んでいた

音読していた



769 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/18 21:17:03.44 G76rM75O0 664/839

テクパトル「・・・静かだな」

19090「静かですね・・・」

二人は、自分達の部屋に帰ってきていた

病院の一角にある居住スペース

尤も、テクパトルに仕事が見つかったためそろそろここから引っ越すことになるだろう

そう考えると、少し寂しい気もする

テクパトル「・・・アレイスター、聞いてるか」

アレイ「なんだ」

19090「アレイちゃん、今日は何もなかったですか?」

アレイ「何もなかったぞ」

テクパトル「アレイスター、酒はあるか?」

アレイ「さ、さささ酒!?」

テクパトル「・・・」



770 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/18 21:19:04.94 G76rM75O0 665/839

テクパトルがアレイスターを開ける

そこには、こぼれた赤ワインの染みがあった

テクパトル「・・・どうしたんだこれ」

アレイ「体をゆすったらこぼれた」

テクパトル「馬鹿だろ」

アレイ「仕方あるまい」

19090「・・・テっくん、明日も仕事ですよね」

テクパトル「あ、あぁ」

19090「・・・ならお酒はやめましょう」

テクパトル「う・・・」

19090「やめましょうね?」

テクパトル「分かったよ・・・」

テクパトルがバタンと戸を閉める

中の染みを掃除する気はさらさらない



771 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/18 21:21:11.70 G76rM75O0 666/839

テクパトル「・・・はぁ、みんなはどうしてるかな」

19090「・・・垣根たちが早く帰ることを祈りましょう」

テクパトル「そうだな・・・」

テクパトルが溜め息をつく

あの二人は仲直りできただろうか

おそらくは出来ただろう

なんだかんだ、一番大人なカップルなのだ

ちょっとの喧嘩でどうこうなるような仲ではない

テクパトル「さ、風呂だ風呂」

19090「はい」

二人は大して心配もせずに風呂に入る


しかし、ミサカたちは暴れているとか、そんなものではなかった



772 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/18 21:25:16.88 G76rM75O0 667/839


垣根「ただいまー」

垣根たちが帰ってきたのは、ミサカたちが帰ってきてから1時間後

心理「・・・あら?あまり声が聞こえないわね」

垣根「もっとはしゃいでると思ったのにな」

不思議に思いながら、二人がリビングのドアを開ける

その中では


20000「・・・君島ぁ・・・」

17600「これは・・・くるな」

御坂妹「・・・」ウルウル

13577「なんてカッコイイアニメなんでしょうか・・・」グスン


なぜか、ミサカたちがスクライドのアニメを見ていた



773 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/18 21:28:23.78 G76rM75O0 668/839

垣根「な、何してるんだ・・・」

10033「・・・面白そうだから見だしたんです・・・」

御坂妹「こんなに泣けるなんて・・・」

垣根「・・・美鈴さんたちは?」

17600「もう寝てる、明日は早いからって」

垣根「・・・お前らな・・・」

心理「はぁ・・・風呂は?入ったの?」

ミサカ一同「スクライドを見てるときにそんなことができますか!!!」

垣根(うっわぁ、ハマっちゃったよこいつら)

心理(これがダメなパターンね)


20000「スクライドのブルーレイ、そろそろ発売だ!!」

10039「要チェックです!!!」

垣根「速さが足りない!!」

心理「やめなさい」



774 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/18 21:30:14.56 G76rM75O0 669/839

垣根「とりあえず、今日はここまでにしな」

10039「えー・・・」

14510「いいところなんですよ?」

垣根「明日にしろ」

心理「そうよ、早く寝ないと二人の見送りに間に合わなくなるわよ」

御坂妹「う・・・分かりましたよ」

ミサカたちがぞろぞろと風呂に向かう


垣根「はぁ・・・テクパトルはよくあんなヤツらをまとめられるな」

心理「慣れてるんじゃないかしら」

垣根「かもな」

呆れたように垣根が肩をすくめる

まったく、ミサカたちはわがままだ



775 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/18 21:34:56.69 G76rM75O0 670/839

垣根「・・・さて、俺達も入るか」

心理「覗かないでよね」

垣根「今日はやめとくよ」

垣根が手を振ってから風呂場へと向かう

心理(私も行こうかしら)

心理定規が風呂場へと向かう

女子風呂では、もちろんミサカたちがはしゃいでいた

それに心理定規も混じってしまった

たまには混じってはしゃいでみるのも面白いだろう、と考えたのだ

幸せな時間はすぐに過ぎていく

時間を忘れてしまう


一同は・・・もちろん、心理定規も入れた全員が、のぼせてしまった




781 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/19 15:20:46.99 UTMGCJzJ0 671/839


一方(・・・)

ベッドの中で、一方通行は考えていた

夜中に一度目が覚めた後、寝られずにいた

一方(・・・親ってのはなンなンだよ)

彼にはわからない

あの温もりは、打ち止めのものに似ていなくもなかった

だが、何かが違う

一方(・・・くそ・・・)

あの二人が笑っているのは嬉しい

だが、彼らが自分を受け入れているのが分からない

自分達の娘を殺した人間を


一方(・・・)

明日

あの二人は帰るのだ



782 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/19 15:23:24.40 UTMGCJzJ0 672/839

一方(・・・見送りか・・・)

打ち止めと番外個体は早く起きると張り切っていた

だが、一方通行は乗り気ではない

一方(・・・)

あの二人といると、なぜだか辛い

もしかしたら自分と無理をして接しているのではないか

もしかしたら、内心では怯えているのではないか

そう思えてしまうのだ

一方(・・・ンなこと分かるかよ)

彼は自分を責めないと決めた

他ならぬ、番外個体に言われたのだ

愛している彼女に

一方(・・・ならなンで・・・)

こんなにも胸が苦しいのだろうか



783 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/19 15:32:07.91 UTMGCJzJ0 673/839

一方通行には、親などいない

必要もない

ないはずなのだ

なのに、あの二人が微笑みかけてくると、その優しさに身を預けたくなってしまう

一方(くだらねェ)

彼はそんな人間ではない

誰かに甘えるなんて人間では

黄泉川にも、芳川にも、打ち止めにも

そして番外個体にも甘えたりはしない

一方(・・・)

あの二人の温もりが、あまりにも暖かすぎる

彼は冷めすぎていたから

それが余計に、暖かく感じられるのだ



784 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/19 17:21:17.99 UTMGCJzJ0 674/839

一方(・・・)

彼はずっと考えていた

もしも、自分にあんな親がいたら

彼は、あんな実験をしなくて済んだのか

たとえ彼のような能力を持っている子供がいたとしても

認めてくれるような親がいれば

一方(・・・親・・・か)

彼には分からなかった

どうやって接すればいいのかも

どうやって話せばいいのかも

どうやって甘えればいいのかも

分からないまま、別れが訪れてしまうのだ

もう、明日にはあの二人は帰ってしまう



785 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/19 17:23:22.42 UTMGCJzJ0 675/839

一方(・・・見送り・・・か)

別にあの二人を見送りたいわけではない

そこまで近しい関係だとは思っていない

だが、打ち止めや番外個体が見送りに行くのだ

ついでに見送ってもいいだろう

一方(・・・それに、聞きたいこともあるしな)

自分を恨んでいないか

自分が怖くないのか

あの二人に、直接聞いてみたかったのだ

一方(・・・はっ、これで怖いなンて言われたら俺はどォするンだろォな)

一方通行は目を閉じた

どうせ、答えなんて出ない問いだったのだ



786 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/19 17:25:04.75 UTMGCJzJ0 676/839


垣根「・・・おはよう・・・」

心理「おはよう・・・ってどうしたのよ、クマが出来てるわよ」

垣根宅の朝は早い

とりわけ、二人は普段から早起きなのだ

垣根「・・・眠れなかった」

心理「悲しかったの?」

垣根「はぁ?」

心理「あら・・・てっきりあの二人との別れが辛いのかと」

垣根「そうじゃないんだよ・・・」

垣根が溜め息をつく

垣根「・・・お前・・・のぼせただろ、昨日」

心理「・・・そ、それで?」



787 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/19 17:26:44.93 UTMGCJzJ0 677/839

垣根「その後の記憶ってあるか?」

心理「ない・・・わね、気づいたら眠ってたから」

垣根「それ・・・気づくのか?」

垣根が不思議そうに首を捻る

気づいたら寝ていた、というのは少しおかしいだろう

垣根「まぁそれはいいとして・・・」

心理「それがどうかしたの?」

垣根「お前、めちゃくちゃのぼせてただろ?」

心理「・・・みんなと騒ぎすぎたのよ」

垣根「・・・その後俺がどれほど苦労したか知らないだろ」

心理「・・・そうね」

垣根「・・・」



788 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/19 17:28:40.59 UTMGCJzJ0 678/839

なぜか垣根が携帯を取り出す

心理「何よ」

垣根「これこれ・・・動画撮ってるんだよ」

心理「・・・」

垣根が動画を再生する

心理定規やミサカたちが、全員のぼせている

何人かは、バスタオルのままソファーに寝転がっていた

心理「・・・ね、ねぇ・・・これどうしたの?」

垣根「17600号は比較的無事だったから、あいつにみんなを着替えさせた」

心理「・・・で?」

垣根「・・・俺はな、お前らをかわるがわる団扇で扇いだんだ」

心理「・・・」



789 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/19 20:01:48.60 UTMGCJzJ0 679/839

垣根「・・・大変だったぞ」

心理「・・・それは悪かったわね」

垣根「・・・あ、ほらほら」

垣根が動画を巻き戻す

垣根「ほれ、ここ・・・お前が脱ぎだして」

心理「消しなさい」

垣根「ホラ、地味にマ」

心理「消しなさい」

垣根「悪いな、コピー取ってるんだ」

心理「消せ」

垣根「あぁ?」

心理「・・・みんなが起きてくるまでに消しなさいよ」

垣根「・・・やーだね」

心理「・・・」



790 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/19 20:03:49.26 UTMGCJzJ0 680/839

心理「・・・それより、それでどうして寝られなかったの?」

垣根「あのなぁ、俺は疲れたんだ」

心理「ならむしろよく眠れるでしょう」

垣根「ちっちっち」

垣根が人差し指を振る

垣根「あのなぁ、俺は疲れると眠くならないんだよ」

心理「疲れたらすぐ寝るじゃない、あなた」

垣根「・・・あれ?」

心理「いい?それでどうして眠れなかったのよ」

垣根「・・・まぁ正直、みんなののぼせた姿を見てニヤニヤとして」

心理「ちょっとこっちに来なさいよ」

垣根「パチキはやめて」



792 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/19 20:05:44.69 UTMGCJzJ0 681/839

心理「・・・美鈴さんと旅掛さんは今日帰るのよね」

垣根「帰るんだな」

心理「寂しくない?」

垣根「寂しいけど、いないほうが当たり前だからな」

心理「へぇ・・・」

心理定規がネイルを塗りだす

あまり興味がないのだろうか

垣根「・・・お前ってネイル好きだよな」

心理「あら、おかしいかしら」

垣根「いや・・・オシャレでいいけどさ」

心理「・・・そういえば、みんなはネイルとかしてないわね」

垣根「御坂は化粧もしてないけどな」

心理「あの子は化粧したら相当なものになるわよ」



793 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/19 20:08:05.08 UTMGCJzJ0 682/839

垣根「御坂の化粧・・・かぁ」

垣根が美琴の化粧姿を想像する

最初はナチュラルメイクから

だんだんと濃いメイクに

そして、最後はもうケバケバしいものに

垣根「・・・あいつはナチュラルメイクがいいな」

心理「素が可愛いものね」

垣根「美人だもんな」

心理「お母さんが美人だものね」

垣根「・・・肌も白いしな」

心理「髪もツヤがあるし」

垣根「胸はないけどな」



794 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/19 20:10:26.54 UTMGCJzJ0 683/839

心理「・・・はぁ、私もメイクやめようかしら」

垣根「あぁ?なんでだよ」

心理「ナチュラルな自分で勝負したくない?」

垣根「いまさらかよ」

心理「・・・正直、そろそろドレスも飽きてきたのよ」

垣根「えぇ・・・」

心理「だってね、大体のデザインは着ちゃったのよ」

垣根「着回せよ」

心理「いやよ、服っていうのは使い捨てなの」

垣根「ねーよ」

心理「・・・私はね、昨日の自分よりも磨かれたいの」

垣根「お前最近おかしいぞ」


795 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/19 20:12:55.12 UTMGCJzJ0 684/839

心理「・・・はぁ、最近自分の立ち位置も分からないのよ」

垣根「・・・なんでだよ」

心理「こんな私じゃダメなのよ・・・」

垣根「安心しろ、お前は可愛いよ」

心理「・・・可愛いだけじゃダメじゃない?」

垣根「・・・可愛いだけで十分だ、世の中可愛くないヤツのほうが多いんだよ」

心理「・・・そうかしら」

垣根「安心しろ、俺はお前のことが可愛いと思っている」

心理「ありがとう」

心理定規がネイルを塗り終える

すると、次はメイクを始める

垣根「おい」

心理「なに?」



796 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/19 20:14:50.48 UTMGCJzJ0 685/839

垣根「ちょっとこっち見てみろよ」

心理「あら、どうして?」

垣根「今のお前はすっぴんだろ?」

心理「いつも家にいるときはすっぴんじゃない」

垣根「・・・意識して見たことないんだよ」

心理「そんなに気になる?」

垣根「見せて見せて」

心理「はい」

心理定規がじっと垣根のほうを見つめる

垣根「・・・あんまり普段と変わらないな」

心理「普段もそこまで濃くはメイクしてないもの」

垣根「・・・素で美人だよな、お前」

心理「・・・そうかしら」



797 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/19 20:16:36.12 UTMGCJzJ0 686/839

垣根「・・・はぁ、なんでこんな話してるんだろうな」

心理「知らないわよ・・・今何時?」

垣根「そうね大体ねー」

心理「何時?」

垣根「クジラ」

心理「何時?」

垣根「・・・丑の」

心理「な ん じ ?」

垣根「・・・朝の6時」

心理「道理でみんな起きてこないわけね・・・」

垣根「そうだな」

心理「・・・ねぇ、どうして私はこんなに早く起きたのよ」

垣根「不思議キャラはお前には無理だ」



798 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/19 20:18:40.95 UTMGCJzJ0 687/839

心理「・・・ねぇ垣根」

垣根「なんだよ」

心理「こうやって二人で話すのってなんか久しぶりじゃない?」

垣根「昨日の夜は暗かったし・・・正月はずっとみんないたからな」

心理「・・・だから今ちょっと楽しいわ」

垣根「ちょっとかよ・・・俺はめちゃくちゃドキドキしてるんだけど」

心理「・・・そう」

垣根「はーぁ・・・なんでこんなにドキドキしてるんだろうな」

心理「恋じゃない?」

垣根「心の病さ」

心理「・・・処方箋出しておく?」

垣根「キスだろ」



799 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/19 20:20:52.09 UTMGCJzJ0 688/839

心理「・・・何よ、イヤなの?」

垣根「イヤじゃねぇけどさ、そんな朝っぱらからイチャイチャできるかよ」

心理「はぁ・・・ダメね、あなたは」

垣根「女の恋愛ってのはめんどくさいよな」

心理「・・・何よ」

垣根「いいか?女は近づこう近づこうとする恋愛だ」

心理「どういうこと?」

垣根「いつ会えるか、いつ遊べるかを考える」

心理「一緒にいたいもの」

垣根「男は遠ざかろう遠ざかろうとする恋愛を目指す」

心理「・・・ときどき、距離を置くものね」

垣根「男はそれがいいんだよ」

心理「あなたも?」



800 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/19 20:23:00.46 UTMGCJzJ0 689/839

垣根「・・・まぁお前がキスしたいならいいけどさ」

心理「はぁ・・・遠慮しておくわ、今は」

垣根「・・・メイク終わったのか」

心理「一応」

心理定規が肩をすくめる

やはり、すっぴんとあまり変わっていない

垣根「・・・お前ってメイク必要なのか?」

心理「あら、自信が持てるのよ?」

垣根「女ってのは面倒だな・・・」

心理「えぇ、だからこそ面白いじゃない?」

垣根「男は楽だぜ?」

心理「あら、あなたとカップルになった時点で私は女に生まれてよかったと思ってるけど」

垣根「・・・そりゃ光栄だな」

心理「・・・」



801 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/19 20:25:17.99 UTMGCJzJ0 690/839

垣根「・・・心理定規、今は二人きりだな」

心理「えぇ」

垣根「・・・甘えていいぜ」

心理「じゃ、遠慮なく」

心理定規が垣根の膝に頭を乗せる

いわゆる膝枕だ

垣根「・・・なんだよ、それでいいのか?」

心理「こうしてると、ずっとあなたの目を見られるから」

垣根「俺もこれは好きだな」

心理「・・・素敵、あなたの目は澄んでるわ」

垣根「そりゃお前が映ってるからだ」

心理「私が映ってなくても澄んでるわよ」

垣根「お前を映さないならそれは俺の目じゃねぇよ」



802 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/19 20:27:49.86 UTMGCJzJ0 691/839

心理「・・・垣根」

垣根「なんだよ」

心理「・・・私の魅力、どれくらい知ってる?」

垣根「悪いところはいくつか知ってる」

心理「魅力は?」

垣根「悪いところは並べるのが簡単だ、少ないからな」

心理「馬鹿ね・・・女は褒めてほしいのよ」

垣根「・・・お前の魅力なんて語る必要ないさ」

心理「・・・垣根、私のことどれくらい愛してる?」

垣根「言葉になんてできねぇさ」

心理「言葉にしなさいよ」

垣根「・・・心理定規」

心理「?」



803 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/19 20:29:58.34 UTMGCJzJ0 692/839

垣根「さぁ、言葉にしたぜ」

心理「・・・何よそれ」

垣根「・・・俺ってさ、昔から思ってたんだけど」

心理「なに?」

垣根「もしも突然声が出なくなるとしたらさ・・・」

心理「えぇ」

垣根「最後に、お前の名前を呼びたいんだ」

心理「どうして?」

垣根「感謝だとか愛だとかは態度で示せるだろ?」

心理「・・・」

垣根「でも、愛してる女の名前を呼ぶことだけはもうできないからな」

心理「・・・あなたって、素敵よね」

垣根「どうも」



804 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/19 20:33:01.96 UTMGCJzJ0 693/839

垣根「・・・ヒマなんだけど」

心理「ヒマね」

垣根「・・・お前はさ、なんで暗部に堕ちたんだっけ?」

心理「その話はやめましょうよ」

垣根「・・・じゃあ、なんでお前はドレス好きなんだ?」

心理「あら、言ってなかったかしら」

垣根「昔聞いたかもしれないけどな・・・」

心理「いい?女っていうのはドレスを着るべきなのよ」

垣根「だからなんで?」

心理「谷間を見せられる、ヘソは見えない・・・背中やうなじは見せられる」

垣根「・・・はぁ?」

心理「見えるエロと見えないエロの共存よ」

垣根「・・・は、はぁ?」



805 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/19 20:35:15.63 UTMGCJzJ0 694/839

心理「・・・いい?私はね」

垣根「分かった分かった・・・ドレスは俺もいいと思うけどな」

心理「・・・あなたって服とか興味あるの?」

垣根「あるからこんなオシャレなんだろ?」

心理「自分でオシャレって・・・」


垣根「・・・テレビ見ようか」

心理「こんな時間に何見るのよ」

垣根「なんか」

垣根がテレビのリモコンを握る

テレビをつけると、いくつかの事件のニュースが流れていた

とはいってもこれは全国ニュースだ

学園都市である些細な事件などは取り上げられない



806 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/19 20:37:26.47 UTMGCJzJ0 695/839

垣根「・・・へぇ、こりゃひどい事故だな」

心理「・・・あら、税率を上げるとかまだ言ってるのね」

垣根「どうせ政治家が豪遊するんだろうな」

心理「消されるわよ、あなた」

垣根「・・・あぁ?なんで」

心理「・・・あ、子犬の特集やってるわね」

垣根「子犬?」

心理「見て見て、とっても可愛いわよ」

垣根「・・・お前って動物好きだっけ?」

心理「・・・こういうのは可愛いと思うわよ」

垣根「へぇ・・・」

心理「犬って可愛いじゃない」

垣根「まぁ分かるけどさ」


807 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/19 20:40:35.90 UTMGCJzJ0 696/839

心理「・・・ねぇ、飼いましょうよ」

垣根「断ります」

心理「なんで」

垣根「世話がきついだろ」

心理「あら、癒されるわよ?」

垣根「・・・名前も考えないといけないし」

心理「あら、帝督にするけど?」

垣根「」

心理「帝督、お座り!!帝督、噛まないの!!!」


心理「ね、よさそうでしょ?」

垣根「帝督、チンチン!!とか言うのか?」

心理「なんでそれをピックアップしたの?」

垣根「さぁ」



808 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/19 20:43:43.53 UTMGCJzJ0 697/839

心理「・・・そろそろみんな起きてくるでしょうね」

垣根「・・・はぁ、二人きりの時間も終わりか」

心理「ねぇ垣根」

垣根「なんだよ」

心理「・・・婚約指輪、ありがとう」

垣根「はぁ?いつの話してんだよ・・・」

心理「一応言っておきたかったから」

垣根「外さないでくれよ?」

心理「外せないわよ」

垣根「そりゃどうも」

心理「・・・ねぇ垣根」

垣根「なんだよ」

垣根が心理定規の瞳を見つめる



809 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/19 20:46:44.06 UTMGCJzJ0 698/839

心理「・・・結婚指輪はいつなの?」

垣根「・・・いつかな」

心理「出来れば今すぐほしいのよ」

垣根「年齢的に無理だからな」

心理「あら残念」

垣根「それにさ、お前の戸籍もないだろ?」

心理「・・・あるんじゃないかしら、どうかは知らないわよ」

垣根「・・・お前って名前なんなの?」

心理「・・・内緒」

垣根「なんでだよ」

心理「結婚したらいやでもわかるでしょ?その時に教えてあげるわよ」

垣根「・・・そうか」

心理「・・・あ、誰か起きてきたわね」



810 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/19 20:50:18.00 UTMGCJzJ0 699/839

垣根「そうだな」

心理定規が体を起こす

垣根「・・・なぁ」

心理「なに?」

垣根「・・・俺さ」


17600「あー、よく寝た」

20000「にゃっはー、おはようおはよう」

二人のミサカがリビングに入ってくる

20000「お、垣根と心理定規は起きてたんだ」

17600「?心理定規、顔が赤くないか?」

心理「・・・なんでもないわよ」

20000「?」

垣根「おはよう、二人とも」



811 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/19 20:53:27.75 UTMGCJzJ0 700/839

17600「なんだよ、ニヤニヤしちゃって」

20000「二人でイチャついてたの?」

垣根「想像にお任せするよ・・・さて、飯でも作るか」

心理「そうね・・・」

二人がキッチンへと向かう

垣根「何が食いたい?」

20000「美味いもの!!」

垣根「はは、そりゃいいな」

垣根が笑う

垣根「・・・さて、急ぐか」

心理「・・・作り終わる頃にはみんな起きてくるでしょうね」

垣根「あぁ」

心理「・・・」




812 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/19 20:55:49.06 UTMGCJzJ0 701/839


旅掛「おはよう!!」

美鈴「いやぁ!!やっぱりベッドがフカフカだね!!」

御坂妹「おはようございます」


垣根「おー、ちょうど飯出来たところだぜ」

心理「ほら、座って座って」

14510「はーい」

10039「おなかが空きました」

美鈴「食べよう食べよう」

一同が食卓につく

垣根「さて・・・じゃ、とりあえずこのメンバーでの最後の朝飯だな!!」

旅掛「また来るからな!!」

垣根「おうともよ!!」

パァン!!と一同が手を合わせる


垣根「魔法の言葉は!?」

一同「いただきます!!!」



813 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/19 21:00:01.33 UTMGCJzJ0 702/839


上条「・・・さて、じゃあ行こうか」

美琴「うん」


打ち止め「早く早く!!ってミサカはミサカは急かしてみたり!!」

番外「アナタが行くとは思わなかったな」

一方「いいだろ別に」


垣根「じゃ、行きますか」

美鈴「なんか寂しいな」

10039「また来て下さいね」

旅掛「あぁ!!」

心理「じゃあ行きましょうか」


19090「・・・テっくん、美月も行ってきますね」


一同は、空港へと向かう



814 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/19 21:04:07.27 UTMGCJzJ0 703/839


上条「おっす」

垣根「よぉ」

一方「・・・お前らも来てたのか」

美琴「まさかアンタが来てるとは思わなかったわ」

旅掛「いやぁ、こんなにたくさんの見送りとは嬉しいな」

美鈴「ホントだよね!!」

19090「本当ならテっくんも来たかったようなんですが・・・」

美鈴「仕事だもん、仕方ないよ」

打ち止め「二人とも、また来てね!!ってミサカはミサカはお願いしてみたり!!」

美鈴「もちろん!」

13577「すぐにですよ!?」

旅掛「あぁ、できるかぎりな」




815 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/19 21:10:37.58 UTMGCJzJ0 704/839

一方「・・・なァ」

美鈴「ん?どうしたの?」

一方「アンタたちはなンで俺を恨まないンだよ」

美鈴「?」

上条「一方通行・・・」

一方「・・・それとも、恨ンでるのにそうは振舞ってないだけか?」

美鈴「・・・」

旅掛「一方通行君、それは間違ってるな」

一方「あァ?」

旅掛「君は自分を恨んでいるのかい?」

一方「・・・かもしれねェ」

旅掛「そうか」



816 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/19 21:18:16.55 UTMGCJzJ0 705/839

一方「・・・アンタたちはどォなンだ」

美鈴「恨んでないわけじゃないけどさ・・・」

旅掛「美琴は許してるのか?」

美琴「・・・今の一方通行は嫌いじゃないわ」

旅掛「ならそういうことさ」

一方「・・・」

番外「一方通行、何か言いなよ」

一方「・・・ありがとよ」

美鈴「どういたしまして」

一方「・・・俺が言いたいのはそれだけだ」

上条「さて!!そろそろ飛行機も着くぞ!!」

心理「ふふ・・・そうね」



817 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/19 21:28:29.29 UTMGCJzJ0 706/839

上条「・・・そうだ」

美琴「?どうしたの?」

上条「旅掛さん、美鈴さん」

美鈴「?」

旅掛「なんだい」

上条「俺は美琴を幸せにしますからね」

一瞬、一同がシンとする


美琴「は、はぁ!?」

垣根「・・・すげぇなこいつ」

心理「・・・えぇ」

御坂妹「こ、公開プロポーズ!?」

一方「すげェな」

旅掛「うぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!」

美鈴「お、落ち着いて・・・」



818 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/19 21:35:42.21 UTMGCJzJ0 707/839

美琴「な、なななな」

上条「だから・・・心配しないでください」

旅掛「そ、それはどういう・・・」

上条「学園都市の中だろうが、外だろうが・・・俺はずっと美琴の隣にいるって決めました」

番外(かっけぇー・・・)

打ち止め(さすがヒーローさん、ってミサカはミサカは・・・)

19090(すごい勇気ですね)

17600(カメラカメラ)

20000(・・・オマンマン)

上条「だから・・・美琴のこと、心配しないでください」

旅掛「・・・任せて良いのかい?」

上条「はい」



819 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/19 21:48:21.60 UTMGCJzJ0 708/839

旅掛「なら・・・頼んだ」

旅掛が笑ったのと同時、アナウンスが流れる

どうやら飛行機が到着したようだ

旅掛「・・・行こうか」

美鈴「うん」

二人がくるりと向きを変える

旅掛「・・・上条君」

上条「はい」

旅掛「・・・君は若い頃の俺にそっくりだ」

上条「・・・それは褒めてるんですか?」

旅掛「あぁ」


旅掛「・・・またな、上条君」



820 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/19 21:51:27.17 UTMGCJzJ0 709/839

飛行機が飛んでいく

それを、みんなは寂しく見つめていた

上条「・・・帰っちゃったな」

美琴「うん」

心理「上条君、美琴のことを守ってあげなさいよ」

上条「分かってるさ」

一方「よくやるぜ、お前」

上条「・・・じゃあ帰るか」

17600「さーて、また普通の生活が戻ってくるな」

13577「・・・そうですね」

打ち止め「・・・うん」

心理「・・・みんな、一緒にご飯でも食べに行く?」

ミサカ一同「行きます!!!」



821 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/19 21:55:47.48 UTMGCJzJ0 710/839

美鈴「・・・楽しかったね」

旅掛「あぁ、楽しかった」

美鈴「上条君も・・・成長したんだね」

旅掛「・・・上条君になら任せられるな」

美鈴「パパ、いいの?」

旅掛「ははは!!いいに決まってるだろ」

美鈴「・・・そっか」

美鈴がそっと目を閉じる

いろいろなことがあった

とても、楽しい旅行だった

美鈴「ねぇパパ」

旅掛「なんだ?」

美鈴「また来ようね」

旅掛「あぁ!」

幸せな夫婦を乗せた飛行機は、空を進んでいった



822 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/19 21:59:39.97 UTMGCJzJ0 711/839

フレンダ「・・・ねぇ」

ゴーグル「はい」

フレンダ「どうしてこうなった訳よ」

ゴーグル「知りませんよ」

二人はエレベーターの中にいた

なぜか、10分以上

ゴーグル「・・・元はといえば、フレンダさんが麦野さんたちの目を盗んで鯖缶を買おうとしたから」

フレンダ「違うもん」

そう、二人はアイテムのメンバーで買い物に来ていたのだ

その途中、フレンダが勝手に行動を始めたため、仕方なくゴーグル男が追いかけた

そんないきさつだ

そして、この結果だ

フレンダ「・・・あのさ、もしかして故障してるのかな」

ゴーグル「・・・普通に考えたら」



823 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/19 22:01:53.98 UTMGCJzJ0 712/839

フレンダ「・・・早く直らないかな」

ゴーグル「こういうのの修理ってかなり時間掛かるらしいっすよ」

フレンダ「・・・む、麦野たちは・・・気づかないかな」

ゴーグル「そもそもフレンダさんの一人行動に呆れてましたから、探してはいないでしょうね」

フレンダ「だ、誰か気づく・・・」

ゴーグル「・・・そりゃ気づいてますよ、気づいていてもまだ助けが来ないんすよ」

フレンダ「こ、怖い・・・」

ゴーグル「はぁ・・・」

ゴーグル男は溜息をついていた

なんでこんな面倒なことになったのか

フレンダのせいといえばそれまでだ

だがここで彼女を責めたところで状況が好転するわけではない

ゴーグル(好転するとしても責めないっすけどね)



824 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/19 22:04:34.19 UTMGCJzJ0 713/839

フレンダ「・・・ねぇ」

ゴーグル「なんすか」

フレンダ「な、なんか暑くない?」

ゴーグル「暖房は効いてますね・・・しかも妙に設定温度高いです」

フレンダ「な、なんとかしてよ!!」

ゴーグル「そうやって緊張すると、暑くなりますよ」

フレンダ「う・・・」

ゴーグル「あと、酸素も使いすぎないでください」

フレンダ「か、換気くらいは・・・出来てるよね?」

ゴーグル「さぁ」

ゴーグル男が肩をすくめる

どれほどの故障なのかも分からないのだ

念のための対策はしておきたいところだ



825 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/19 22:19:33.12 UTMGCJzJ0 714/839

フレンダ「・・・あっつい・・・」

ゴーグル「上くらいは脱いだらどうっすか?」

フレンダ「な、そうやって脱がせるの!?」

ゴーグル「はぁ・・・そうじゃないっすよ」

ゴーグル男が座り込む

フレンダ「ど、どうしたの?」

ゴーグル「寝ます」

フレンダ「ね、寝るってどういう訳よ!?」

ゴーグル「だって話してても酸素を無駄に・・・」

フレンダ「酸素って言いたいだけでしょ!?」

ゴーグル「違いますよ・・・」

ゴーグル男が呆れたように答える

そもそも、こんなことで動揺するほどの情弱ではない



826 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/19 22:24:21.80 UTMGCJzJ0 715/839

ゴーグル「・・・暑い」

フレンダ「でしょ!?」

ゴーグル「・・・フレンダさん、無理しないで脱いだほうがいいっすよ」

ゴーグル男が上着を脱ぐ

今日は寒いからと、厚着しているのだ

フレンダ「う・・・まぁ上着くらい普通にいい訳よ」

フレンダも上着を脱ぐ

ゴーグル「・・・しかし、科学の街でもこんな事件は起きるんですね」

フレンダ「ホント・・・」

ゴーグル「・・・喉渇きますね」

フレンダ「の、飲み物・・・ないよね」



827 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/19 22:30:45.41 UTMGCJzJ0 716/839

ゴーグル「あぁ、ありますよ」

ゴーグル男がスポーツドリンクをフレンダに手渡す

フレンダ「な、なんで持ってる訳よ」

ゴーグル「さっき偶然買ったんすよ」

フレンダ「ふーん・・・」

ゴーグル「・・・喉渇いてるんじゃないんすか?」

フレンダ「そ、そうだけど・・・」

ゴーグル「遠慮しないでいいっすよ」

ゴーグル男が肩をすくめる

だが彼も喉が渇いているはずだ

フレンダ「・・・アンタも飲めばいい訳よ」

ゴーグル「いいっすよ」



829 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/19 22:40:27.02 UTMGCJzJ0 717/839

フレンダ「で、でも」

ゴーグル「また飲みたくなるんじゃないっすか?とっておいたほうがいいっすよ」

フレンダ「・・・うん」

ゴーグル「・・・いつまでこのままなんすかね」

フレンダ「直らなかったらどうしようかな・・・」

フレンダが体育座りになる

不安なのだろう

ゴーグル「いざとなったら俺が壊しますけどね」

フレンダ「ゴーグルってそういうのできるの?」

ゴーグル「賠償云々がありますからやりたくないっすけど」

フレンダ「・・・でもちょっと安心した」

フレンダが苦笑する



831 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/19 22:43:37.68 UTMGCJzJ0 718/839

ゴーグル「それはよかったっす」

フレンダ「・・・ねぇ」

ゴーグル「なんすか?」

フレンダ「・・・怖い」

ゴーグル「怖いんですか?」

フレンダ「・・・もうちょっと近くに来てよ」

ゴーグル「・・・はい」

ゴーグル男がフレンダの隣に座る

フレンダ「麦野は・・・何してるのかな」

ゴーグル「ぜーったいシャケ弁見てますよ」

フレンダ「あぁ・・・分かる」

ゴーグル「・・・俺達のことは気にしてないでしょうね」



832 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/19 22:47:26.19 UTMGCJzJ0 719/839

フレンダ「・・・ねぇゴーグル」

ゴーグル「なんすか」

フレンダ「アンタってさ、なんでそんなにお人よしなの?」

ゴーグル「そうっすかね?」

フレンダ「・・・うん」

ゴーグル「・・・昔は別にそうでもなかったっすよ」

フレンダ「・・・なんか遠慮されてる感じがする訳よ」

ゴーグル「・・・そうっすか」

フレンダ「ねぇ・・・私と距離置いてる?」

ゴーグル「まさか、そんなわけないじゃないですか」

フレンダ「・・・敬語も気になるし」

ゴーグル「癖です」

フレンダ「・・・」



833 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/19 22:49:29.47 UTMGCJzJ0 720/839

ゴーグル「・・・フレンダさんはなれなれしいっすよね」

フレンダ「うっわ、傷つく訳よ」

ゴーグル「・・・でもうらやましいっすよ」

ゴーグル男が笑う

フレンダ「うらやましいの?」

ゴーグル「・・・フレンダさんは優しいですから」

フレンダ「アンタも優しい訳よ」

ゴーグル「・・・なんか暗い話になってますね」

フレンダ「・・・うん」

ゴーグル「・・・さっさと直らないですかね」

フレンダ「はぁ・・・なんかもーっと暑くなってきた」

ゴーグル「・・・我慢しましょうよ」

フレンダ「・・・無理っぽい」



834 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/19 22:52:05.42 UTMGCJzJ0 721/839

ゴーグル「・・・ちょっと空気も篭ってきてますね」

フレンダ「はぁ・・・さっさと開かないかな・・・」

フレンダがじっと戸を見つめる

だが一向に開く気配はない

フレンダ「・・・脱ごうかな」

ゴーグル「・・・待ってください」

フレンダ「なに?」

ゴーグル「それ脱いだらもう下着じゃないっすか」

フレンダ「試着室覗いたくせに」

ゴーグル「・・・あれは不幸っす」

フレンダ「・・・だって暑いもん」

ゴーグル「でも、いきなり開くかもしれないですよ?」



835 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/19 22:55:14.36 UTMGCJzJ0 722/839

フレンダ「・・・そうなったら不特定多数に見られる訳よ」

ゴーグル「だから我慢・・・」

フレンダ「でも暑い」

ゴーグル「・・・どうするんすか」

フレンダ「脱ぐ」

ゴーグル「・・・そ、そうっすか」

ゴーグル男が視線をそらす

フレンダ「?どうしたの?」

ゴーグル「いや、見ないほうがいいかなと」

フレンダ「・・・試着室では見たくせに」

ゴーグル「こう・・・その、密室ですよ?」

フレンダ「で?」



837 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/19 22:57:56.27 UTMGCJzJ0 723/839

ゴーグル「・・・そういうところでなんで脱ぐんすか」

フレンダ「・・・別にいいじゃん、暑いし」

ゴーグル「・・・さすがに俺だって男なんすけど」

フレンダ「・・・そういうことしたら殴るから」

ゴーグル「はぁ・・・分かりました」

ゴーグル男がフレンダに背中を向ける

フレンダ「・・・なに?」

ゴーグル「・・・別にいいでしょう」

フレンダ「・・・うん」

フレンダがTシャツを脱ぐ

汗でべったりとしていて、少し気持ち悪かった

空調がいかれているのだろうか



838 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/19 23:02:23.76 UTMGCJzJ0 724/839

フレンダ「・・・ねぇ」

ゴーグル「なんすか?」

フレンダ「アンタは脱がなくて大丈夫なの?」

ゴーグル「暑いのは得意なんすよ、寒いのなら苦手ですけど」

フレンダ「へぇ・・・」

ゴーグル「・・・」

気まずい雰囲気

それもそうだろう、こんな状況なのだから

ゴーグル(・・・どうしましょうかね)

フレンダ(い、今思えば・・・ちょっとやばいかも)

ゴーグル(・・・振り向きたい衝動が無きにしも非ず)

フレンダ(・・・なんでドキドキしてるんだろう・・・)


ゴーグルフレンダ(収まれ衝動)




843 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/20 15:01:16.13 Yezs/RYE0 725/839

フレンダ「・・・ねぇ、ゴーグル」

ゴーグル「なんすか」

フレンダ「閉じ込められてどれくらい経ったかな?」

ゴーグル「30分くらいっすね」

腕時計を見て、ゴーグル男が答える

ゴーグル「全く困ったもんですよ・・・」

フレンダ「賠償請求してやる・・・」

ゴーグル「あはは、そりゃいいっすね」

フレンダ「・・・喉渇いた」

ゴーグル「飲めばいいじゃないっすか」

フレンダ「とっておきたい訳よ」

ゴーグル「・・・」




844 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/20 15:01:45.96 Yezs/RYE0 726/839

フレンダ「べ、別にアンタのためじゃないんだけど・・・さ」

ゴーグル「分かってますよ」

ゴーグル男が寝転がる

汚い、とか言っている余裕はない

とりあえず楽にしていたかったのだ

フレンダ「・・・暑い・・・」

ゴーグル「・・・この際全部脱いだら・・・」

フレンダ「エッチ!最低!」

ゴーグル「冗談っすよ・・・」

フレンダ「・・・大体全部脱いでたら戸が開いたときにまずい訳よ」

ゴーグル「それもそうっすね」

ゴーグル男が適当に返事をする



845 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/20 15:02:13.49 Yezs/RYE0 727/839

フレンダはそれが癪に触ったようだ

フレンダ「なに?なんか不機嫌な訳よ」

ゴーグル「・・・違いますよ」

フレンダ「はー・・・なんでそうやってすぐ不機嫌に・・・」

ゴーグル「違いますって」

フレンダ「・・・ダメ、なんかピリピリしちゃう訳よ」

ゴーグル「仕方ないっすよ」

フレンダ「・・・ねぇ、ゴーグル」

ゴーグル「なんすか?」

フレンダ「ゴーグルって・・・その、ファーストキスはどういう感じがいいの?」

ゴーグル「変な質問っすね」

フレンダ「暇つぶしにはいいじゃん」



846 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/20 15:02:46.59 Yezs/RYE0 728/839

ゴーグル「そうっすね・・・好きな人が相手ならなんだっていいっす」

フレンダ「・・・話が広がらない訳よ」

ゴーグル「そんな話題で広げようとしたんすか」

フレンダ「い、いいじゃない」

ゴーグル「じゃあフレンダさんは?」

フレンダ「私は・・・そうね、優しく抱きしめられながらとか」

ゴーグル「素敵っすね」

フレンダ「そうかな?」

ゴーグル「はい、とっても」

フレンダ「まぁさ・・・私みたいな女はそんなの出来ないわけなんだけど」

ゴーグル「フレンダさんなら簡単に彼氏とか出来ますよ」

フレンダ「・・・」



847 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/20 15:03:13.61 Yezs/RYE0 729/839

ゴーグル「?どうしたんすか黙って」

フレンダ「・・・私は彼氏がほしいんじゃない訳よ」

ゴーグル「?」

ゴーグル男は今、フレンダのほうを見ていない

だからフレンダの表情なんて分からないのだ

だがもしフレンダのほうを見ていたら気づいただろう

フレンダがものすごく不機嫌な顔をしていることに

ゴーグル「あ、あの」

フレンダ「私・・・欲しいものがある訳よ」

ゴーグル「欲しいもの?なんすかそれ」

フレンダ「アンタが持ってるんだ」

ゴーグル「?ゴーグルですか?」



848 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/20 15:03:48.12 Yezs/RYE0 730/839

フレンダ「はぁ・・・違う」

ゴーグル「じゃあ腕時計っすか?」

フレンダ「もういい・・・あんまりがっかりさせないで」

ゴーグル「な、なんすかそれ」

フレンダ「・・・ゴーグル、アンタは・・・何も分かってない訳よ」

ゴーグル「何をですか」

フレンダ「アンタは・・・女ってものが分かってない訳よ」

ゴーグル「はぁ・・・」

フレンダ「・・・私がなんでこうやって安心して服を脱いだりできると思う?」

ゴーグル「俺が手を出さないって信じてるからっすよね」

フレンダ「・・・半分正解」

ゴーグル「?残り半分はなんすか」



849 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/20 15:04:34.21 Yezs/RYE0 731/839

フレンダ「・・・言いたくない」

ゴーグル「なんで」

フレンダ「アンタなんか知らない、バーカ」

ゴーグル「馬鹿って言われるのは慣れてます」

フレンダ「バーカ、ゴーグルの馬鹿」

ゴーグル「・・・俺はなんも分からないっす」

フレンダ「気づいてほしい訳よ」

ゴーグル「何にですか」

フレンダ「・・・それを言ったらダメだから」

ゴーグル「・・・フレンダさん、もしかして俺の何かが欲しいんすか?」

フレンダ「さっきからそう言ってる訳よ」

ゴーグル「・・・俺の持ち物じゃなくて・・・」



850 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/20 15:05:06.95 Yezs/RYE0 732/839

フレンダ「・・・」

ゴクリ、と唾を飲む音がする

暑い

エレベーターの中だからか

息苦しい

酸素が少ないからか

それとも

ゴーグル「・・・お、俺の命っすか」

フレンダ「・・・」


フレンダ「は?」

ゴーグル「ま、まさか俺ってそんなに恨まれてるんすか!?」

フレンダ「待って!本気で言ってる訳!?」



851 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/20 15:05:45.46 Yezs/RYE0 733/839

ゴーグル「だってそう・・・はっ!?まさか服を脱いだのは油断させるため!?」

フレンダ「・・・」

ゴーグル「?あ、あの・・・」

フレンダ「ちょっとこっち向きなさい」

ゴーグル「は、はい?」

フレンダ「いいから」

ゴーグル「・・・」

ゴーグル男が目を閉じてからフレンダのほうに振り向く

薄目にしない辺り、彼は真面目だ

フレンダ「・・・下着姿を見ないようにしてるのは褒める訳よ」

ゴーグル「あ、あの」

フレンダ「こんのクソ馬鹿!」



852 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/20 15:06:27.75 Yezs/RYE0 734/839

バチィン!と小気味よい音がする

クワンクワン、とゴーグル男の脳みそが揺れる

実際に揺れているのかは分からないが

ゴーグル「な、何して・・・」

フレンダ「ビンタな訳よ!」

ゴーグル「んなこと分かってますよ!」

フレンダ「・・・私のことバカにして」

ゴーグル「だ、だったら俺の何が欲しいんすか!?」

フレンダ「・・・それは」


ゴーグル「・・・言ってもらわないとわかんないっすよ」

フレンダ「・・・だから言いたくない」

ゴーグル「・・・」



853 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/20 15:07:13.24 Yezs/RYE0 735/839

気まずい沈黙が流れる

どうしてこうなったんだろう、とゴーグル男は考える

恐らく自分が失礼なことを言ったのだろう

ゴーグル「あ、あの・・・その、フレンダさんのことは信用してますよ?」

フレンダ「で?」

ゴーグル「俺の命を狙ったりしないのも分かって・・・」

フレンダ「もう一発ビンタしようか」

ゴーグル「ま、待って下さい!今正解を探してますから!」

フレンダ「・・・いい訳よ、私の勘違いなんだから」

ゴーグル「?」

フレンダ「あーあ、馬っ鹿みたい」

フレンダが脚を投げ出す



854 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/20 15:08:10.19 Yezs/RYE0 736/839

もちろん目を逸らしているゴーグル男には分からないが

フレンダ「・・・私って思い込み激しいのかな」

ゴーグル「と言うと?」

フレンダ「アンタは私だけに優しくしてくれてるって思ってたけど」

ゴーグル「そうっすよ」

フレンダ「・・・だからさ、アンタなら私のこと・・・なんでも分かってくれるって思ってた」

ゴーグル「・・・すいません」

フレンダ「いいの、私がくだらない期待してただけだから」

ゴーグル「・・・」

フレンダ「私って馬鹿なのかな」

ゴーグル「俺がフレンダさんの期待に応えればいいんすよね」

フレンダ「?」



855 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/20 15:08:53.29 Yezs/RYE0 737/839

ゴーグル「俺が期待に応えれば・・・フレンダさんは馬鹿なんかじゃないって証明出来ますよね」

フレンダ「で、でも」

ゴーグル「なら必死になります」

フレンダ「・・・」

ゴーグル「答えが分からなくても・・・がんばります」

フレンダ「アンタ、馬鹿な訳よ」

ゴーグル「フレンダさんも馬鹿なんすよね?」

フレンダ「私は天才だもん!」

ゴーグル「ははは・・・フレンダさんはそうやって明るいほうが似合いますよ」

フレンダ「そ、そう?」

ゴーグル「・・・はい」

フレンダ「・・・」



856 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/20 15:09:50.31 Yezs/RYE0 738/839

フレンダが少し、ゴーグル男に近づく

二人の距離は30cmもない

ゴーグル「ま、またビンタっすか?」

フレンダ「違う訳よ」

そっとフレンダがゴーグル男の肩に頭を乗せる

ゴーグル「あ、あの」

フレンダ「・・・こうやってると落ち着く」

ゴーグル「今戸が開いたら最悪っす・・・」

フレンダ「なんでよ」

ゴーグル「・・・だって上が下着姿の女を・・・なんか」

フレンダ「女って言い方やめてほしい訳よ」

ゴーグル「・・・あ、あの・・・ちょっと・・・」



857 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/20 15:10:30.10 Yezs/RYE0 739/839

フレンダ「・・・汗の匂いがするかな?」

ゴーグル「え?あ、あぁ!しませんよ全然!」

フレンダ「そう?」

フレンダが嬉しそうに笑う

そういう気遣いをしてくれるゴーグル男が好きだった

フレンダ(・・・家族として、かな)

フレンダ(ううん・・・違う訳よ)

ゴーグル「・・・あの、フレンダさん?」

フレンダ「・・・もう少しこうしてていいかな?」

ゴーグル「いいっすけど・・・」

ゴーグル男は相変わらず目を閉じたままだ

フレンダ「・・・ドキドキする?」



858 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/20 15:11:14.18 Yezs/RYE0 740/839

ゴーグル「・・・少し・・・いや、大分」

フレンダ「そっか」

ゴーグル「・・・フレンダさんはなんで俺に優しくしてくれるんすか?」

フレンダ「優しくしてるかな?」

ゴーグル「はい、優しいですよ」

フレンダ「そうかな?」

ゴーグル「・・・フレンダさんは優しいですよ」

フレンダ「・・・」

フレンダがゴーグル男の手を握る

ゴーグル「・・・汗、かいてますね」

フレンダ「アンタも結構汗かいてる訳よ」

ゴーグル「・・・同じっすね」



859 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/20 15:11:57.29 Yezs/RYE0 741/839

フレンダ「・・・暑い」

ゴーグル「はぁ・・・早く直らないっすかね」

フレンダ「直らなかったらどうしようかな」

ゴーグル「・・・そりゃまずいっすね」

フレンダ「・・・?今なんか音がしなかった?」

ゴーグル「しましたね」

二人が耳を澄ます

何か金属音がしている

ゴーグル「・・・というか、エレベーター動いてますね」

フレンダ「やったぁ!直った訳よ!」

ゴーグル「ほら、さっさと服着てくださいよ」

フレンダ「あぁ、だったわね」



860 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/20 15:12:46.87 Yezs/RYE0 742/839

フレンダがTシャツを着る

ゴーグル「・・・にしてもいきなり直りましたね」

フレンダ「うん」

二人が顔を見合わせる

フレンダ「・・・いきなりすぎない?」

ゴーグル「というか・・・動いてるだけで直ったと判断してよかったのでしょうか・・・」

フレンダ「ど、どういうこと?」

ゴーグル「・・・落ちてるってことは・・・」

フレンダ「・・・お、落ちてる?」

ゴーグル「・・・ワイヤーが切れたとか」

フレンダ「そ、そんなこと・・・」

ゴーグル「段々スピード上がってきてますよね」



861 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/20 15:13:26.70 Yezs/RYE0 743/839



フレンダ「・・・う、嘘よね・・・」

グングン、とエレベーターが加速していく

ゴーグル「フレンダさん!何かに捕まって・・・」

フレンダ「捕まるとこなんかない訳よ!」

ゴーグル「くっ・・・」

ゴーグル男がとっさにフレンダを抱きしめる

フレンダ「な、何・・・」

ゴーグル「しゃべると舌噛みますよ!」

ゴーグル男が右手を床に突き刺す

ゴーグルで筋力が増強されているとはいえ、生身の右手だ

ゴーグル「つっ・・・」

痛みに耐えながら、ゴーグル男が体を固定する



862 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/20 15:14:01.94 Yezs/RYE0 744/839

フレンダ「・・・」

ゴーグル(・・・!)

ガクン、と一際大きな衝撃が訪れる

地面に激突したのか

それともストッパーが動いたのか

どちらにしろ、その衝撃は相当なものだった

体が下にぶれそうになる

だがゴーグル男がどうにかフレンダの体を支える

ゴーグル「ぐっ・・・」

フレンダ「ゴーグル・・・腕・・・」

ゴーグル「いたた・・・こりゃ中々痛いっすね」

フレンダ「・・・ありがと」



863 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/20 15:14:39.95 Yezs/RYE0 745/839

ゴーグル「どういたしまして・・・」

手をブラブラと振りながらゴーグル男が答える

フレンダ「・・・見せて」

フレンダがゴーグル男の腕を見る

真っ赤な血が流れている

フレンダ「・・・なんでこんな無理した訳よ」

ゴーグル「いやぁ・・・体を固定しないとかなりまずかったんで」

フレンダ「アンタってホント馬鹿な訳よ」

ゴーグル「・・・それにしても・・・ここは何階・・・」

ゴーグル男が呟いたのと同時、戸が開いた

「お客様!」

ゴーグル「あれ・・・直ったんすか」



864 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/20 15:15:22.37 Yezs/RYE0 746/839

「申し訳ございません!」

数人の店員がペコペコと頭を下げている

何やら周りにも人だかりが出来ている

ここは一階らしい

フレンダ「・・・で、詳しい原因は何な訳?」

「申し訳ございません・・・機械系統の故障で・・・」

ゴーグル「いいっすよ」

ゴーグル男が肩をすくめる

ゴーグル「・・・さて、帰りましょうか」

フレンダ「ちょ、ちょっと・・・」

ゴーグル「傷の手当てなんて後でいいんすよ」

フレンダ「・・・でも」



865 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/20 15:15:48.59 Yezs/RYE0 747/839

ゴーグル「麦野さん達に合流しましょうよ」

フレンダ「・・・それでいいの?」

ゴーグル「いいっすよ」

頭を下げてくる店員を無視して二人は歩き出す

ゴーグル「・・・フレンダさんは無事でしたか?」

フレンダ「・・・アンタは大丈夫じゃない訳よ」

ゴーグル「いや、まぁ・・・」


浜面「二人とも!無事だったか!?」

ゴーグル「あ、みなさん」

絹旗「聞きましたよ!エレベーター事故!」

滝壺「怪我はない?」

麦野「ちょっと、ゴーグル君怪我してるじゃない!」



866 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/20 15:16:24.37 Yezs/RYE0 748/839

ゴーグル「あ、いや・・・」

フレンダ「ごめんねみんな・・・」

麦野「とにかく、手当てをするわよ」

絹旗「そうですよ!」

一同がゴーグルを睨みつける

ゴーグル「あ、いや・・・」

滝壺「ゴーグル、無理したらダメだよ」

浜面「そうだって、早く帰って・・・」

ゴーグル「な、なら俺一人で帰りますよ!」

麦野「・・・どうして」

ゴーグル「みなさんせっかく買い物に来たんですから・・・」

絹旗「でも・・・」

フレンダ「水臭い訳よ!」



867 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/20 15:17:17.76 Yezs/RYE0 749/839

麦野「じゃあ私も一緒に帰るわよ」

ゴーグル「は、はい?」

麦野「買いたいものは買ったし」

麦野が買物袋を見せる

中にはシャケ製品がたくさん入っていた

フレンダ「じゃ、じゃあ私も・・・」

麦野「ゴーグル君が気遣ってくれてるのよ、残りなさい」

フレンダ「うー・・・」

浜面「じゃあ・・・麦野、頼んでいいのか?」

麦野「任せなさい」

絹旗「超急いで下さいね」

滝壺「破傷風になっちゃうよ」



868 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/20 15:17:58.37 Yezs/RYE0 750/839

ゴーグル「なりませんよ・・・」

麦野「ほら、行くわよ」

ゴーグル「じゃあ・・・みなさんは楽しんで下さいね」

フレンダ「・・・うん」

麦野とゴーグル男が立ち去る

残された四人

その中で、フレンダは不機嫌そうな顔をしていた


麦野「・・・ゴーグル君」

ゴーグル「なんか話っすか」

家への帰り道

二人は並んで歩いていた

麦野「・・・フレンダを守ってくれたみたいね」



869 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/20 15:18:30.33 Yezs/RYE0 751/839

ゴーグル「これっすか?別になんでもないっすよ」

麦野「お礼・・・言っておくわ」

ゴーグル「いいですよ、自分がやりたくてやったんですから」

麦野「・・・あなたは暗部にいたとは思えないくらい優しいわね」

ゴーグル「・・・優しく振る舞ってるだけっす」

麦野「そう答えられる時点であなたは優しいのよ」

ゴーグル「・・・アイテムのみなさんもですよ」

麦野「今のアイテムは、ね」

ゴーグル「・・・まぁ昔の麦野さんは怖かったですけど」

麦野「言うわね」

ゴーグル「・・・い、今は素敵っすよ?」

麦野「褒め言葉として受け取っておくわ」



870 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/20 15:19:25.46 Yezs/RYE0 752/839

ゴーグル「・・・麦野さんはなんか心理定規さんと似てますね」

麦野「あんなに猫かぶってないわよ」

ゴーグル「猫かぶってなんかないっすよ、心理定規さん」

麦野「はぁ・・・あなたは心理定規が好きなんだっけ?」

ゴーグル「過去形ですよそこ」

麦野「・・・今は誰が好きなの?」

麦野がさりげなく核心をつく

ゴーグル「うーん・・・麦野さんです」

麦野「な、何ぃ!?」

ゴーグル「冗談っす」

麦野「・・・ちょっと原子崩し撃ちたいわね」

ゴーグル「やめて下さいよ・・・」



871 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/20 15:19:56.01 Yezs/RYE0 753/839

麦野「はぁ・・・さすが垣根の弟子ってとこね」

ゴーグル「別に弟子じゃないっすよ」

麦野「・・・で?ホントは誰が好きなの?」

ゴーグル「いないっすよ、今は」

麦野「・・・フレンダは?」

ゴーグル「・・・なんでそこでフレンダさんなんすか」

麦野「あの子、あなたに相当懐いてるから」

ゴーグル「あの人は俺とは正反対ですよ」

麦野「・・・正反対かしら」

ゴーグル「恋人って似た者同士がいいじゃないっすか」

麦野「正反対のほうが合うわよ」

ゴーグル「そうっすかね」



872 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/20 15:20:22.14 Yezs/RYE0 754/839

麦野「・・・何か引っ掛かる?」

ゴーグル「・・・垣根さんと心理定規さんは似た者同士っす」

麦野「あなたってあの二人が基準なのね」

ゴーグル「だって・・・そりゃ憧れですから」

麦野「・・・そう」

ゴーグル「・・・麦野さんは好きな人とかいないんすか?」

麦野「いないわよ、そういうのとは遠いから」

ゴーグル「麦野さんならナンパとかされそうですよね」

麦野「いいわよ、そういう軽いヤツなんか」

ゴーグル「意外と真面目なんすね」

麦野「・・・ゴーグル君、あなたって地味に人を傷つけるプロフェッショナルよね」

ゴーグル「自覚はあります」



873 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/20 15:20:53.08 Yezs/RYE0 755/839

麦野「・・・垣根そっくり」

ゴーグル「?もしかして麦野さんって垣根さんのこと好きなんすか?」

麦野「なんでそうなるのよ?」

ゴーグル「さっきから垣根さんの話ばっかり」

麦野「あなたと私の共通の知り合いだから」

つまらなそうに麦野が答える

ゴーグル「・・・いたた」

麦野「痛むの?」

ゴーグル「手を振って歩くと痛いっす」

麦野「振らなければいいじゃない」

ゴーグル「振らないと歩きにくいんすよ」

麦野「はぁ・・・」



874 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/20 15:21:23.68 Yezs/RYE0 756/839

ゴーグル「・・・フレンダさんってなんで俺に懐いてるんですかね」

麦野「お、いいこと聞いてくるじゃない」

ゴーグル「?」

麦野「あなたの傍が居心地いいからよ」

ゴーグル「そうなんすかね」

麦野「あなたの隣にいる時のフレンダは楽しそうよ」

ゴーグル「・・・ならよかったっす」

麦野「なんで」

ゴーグル「俺がいきなり声を掛けたんだから・・・楽しませなきゃ申し訳ないっすよ」

麦野「そういえばなんであなたはフレンダに声を掛けたの?」

ゴーグル「泣いてましたから」

麦野「・・・あいつが?」



875 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/20 15:21:55.70 Yezs/RYE0 757/839

ゴーグル「寂しかったんじゃないですか?」

麦野「・・・」

ゴーグル「麦野さん、別にあなたが責められることはないっすよ」

ゴーグル男が呟く

ゴーグル「フレンダさんは仲間を裏切った、あなたはそれを粛清した」

麦野「それだけで済ませられることかしら」

ゴーグル「それだけで済ませなきゃいけないっす」

麦野「辛いから?」

ゴーグル「くだらないからっす」

麦野「・・・くだらない?」

ゴーグル「麦野さん、今まで殺した人間のことで悩むとしたら、俺達は死ぬまで悩み続けなけりゃならないんすよ」

麦野「さっぱり忘れるのは無理よ」



876 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/20 15:22:25.31 Yezs/RYE0 758/839

ゴーグル「・・・アイテムのみなさんは優しいっす」

麦野「・・・ねぇ、私が怖くないの?」

ゴーグル「なんでですか」

麦野「・・・あなたを殺した張本人よ」

ゴーグル「興味ないっすよ、戦場で対峙していた相手のことなんて」

麦野「・・・」

ゴーグル「でもこうやって話す限り、恨みたい人間じゃないですから」

麦野「あなたってさ、やっぱり垣根の弟子よね」

ゴーグル「弟子じゃないですから」

麦野「・・・こりゃフレンダも懐くわよね」

ゴーグル「はい?」

麦野「・・・ゴーグル君、一つだけ聞いていいかしら」



877 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/20 15:23:01.45 Yezs/RYE0 759/839

ゴーグル「内容によりますね」

麦野「垣根にも聞いたことあるのよ」

ゴーグル「どうぞ」

麦野「・・・あなたは真っ暗だった世界に・・・なんていう光を見つけたの?」

ゴーグル「真っ暗じゃないっすよ、元々」

麦野「・・・」

ゴーグル「俺達が目を閉じていただけなんす」

麦野「そうかしら」

ゴーグル「世界に怯えて目を閉じていただけ、そして今は目を開けた」

ゴーグル「ただそれだけっすよ、俺は」

麦野「・・・ありがとう、なんか分かる気がするわ」

ゴーグル「そりゃよかったです」




878 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/20 15:23:43.58 Yezs/RYE0 760/839

麦野「・・・帰り着いたわね」

ゴーグル「ホントっすね」

話し込んでいる内に、家に着いていた

とはいってももう血は乾ききっていて、わざわざ手当てをする必要もなさそうだが

麦野「とにかく消毒だけでもしておきましょう」

ゴーグル「はぁ・・・分かりました」

二人が家の中へと入っていく

一方、残されたフレンダはかなり不機嫌だった


フレンダ「何さゴーグルのヤツ・・・私が行くって言ったら断ったくせに」

浜面「仕方ないだろ、お前を気遣ってたんだから」

絹旗「超ヤキモチですか、子供ですね」

滝壺「大丈夫、私はそんなフレンダを可愛いと思う」



879 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/20 15:24:46.47 Yezs/RYE0 761/839

フレンダ「結局胸がでかいほうがいい訳よ!」

浜面「そういう問題じゃ・・・」

フレンダ「浜面もそうでしょ!?あーあーやだやだ!」

絹旗「超自棄になってますね」

フレンダ「自棄じゃない訳よ!」

滝壺「フレンダ、ゴーグルなら大丈夫」

フレンダ「べ、別にあいつの心配なんかしてないし!」

絹旗「まだツンデレですか、超時代遅れです」

フレンダ「何よ!パンチラだって時代遅れな訳よ!」

絹旗「分かってないですねあなたは!!」

フレンダ「分かりたくない訳よ!!」

絹旗「超うぜぇ!!」

浜面(仲良しだよなこいつら)



880 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/20 20:49:41.22 Yezs/RYE0 762/839

フレンダ「はぁ・・・ヒマだなぁ」

滝壺「ゴーグルがいないとヒマ?」

フレンダ「みんなといるのも楽しいけどさ・・・」

浜面「・・・お前ゴーグルのこと好きなのか?」

フレンダ「ち、違う訳よ!」

絹旗「・・・超ツンデレですね」

フレンダ「ツンデレじゃないもん!」

滝壺「・・・フレンダ、麦野とゴーグルっていいカップルになれそうだよね」

フレンダ「そ、そうかなぁ!?なんか麦野はゴーグルなんかにはもったいない訳よ!」

浜面(必死だな)

絹旗(よっぽどゴーグルを気に入ってるんですね)

滝壺(やだ、フレンダ可愛い)




881 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/20 20:50:19.22 Yezs/RYE0 763/839

フレンダ「だ、だからあの二人は似合わないと思うなぁ!」

浜面「フレンダ・・・俺は応援するぞ」

滝壺「うん、私もそんなフレンダを応援してる」

フレンダ「ち、違う・・・」

絹旗「さ、早いところ買い物済ませて帰りましょう」

浜面「そうだな、急ごうか」

四人が買い物をさっさと済ませる

ちなみに、フレンダはゴーグル男のためにお土産を買っていた


麦野「・・・はい、染みるわよ」

ゴーグル「っ・・・」

ゴーグル男の傷口に麦野が消毒液をつける

麦野「うわ・・・痛そうね」


882 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/20 20:51:34.64 Yezs/RYE0 764/839

ゴーグル「痛みには慣れてます・・・」

麦野「目が潤んでるわよ」

ゴーグル「仕方ないっすよ・・・」

麦野「・・・さて、あとはガーゼで・・・」

ゴーグル「いやいや!拳ですから無理っすよ!」

麦野「いいからいいから・・・」


フレンダ「たっだい・・・ま・・・」

絹旗「ただいまです・・・」

浜面「ただいま」

滝壺「あれ、麦野はゴーグルの手当て・・・」

フレンダ「な、ななななんでそんな雰囲気に!?」

ゴーグル「?」



883 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/20 20:54:49.10 Yezs/RYE0 765/839

麦野「いや、だって怪我してるから」

フレンダ「むむむむむむ麦野!!こんな男なんかダメな訳よ!!」

滝壺「むぎの、気にしないでいいよ」

浜面「ってかゴーグルも困ってるじゃないか」

ゴーグル「え?あ、あぁ・・・」

フレンダ「ゴーグル!!アンタ胸が胸が大きければ誰でもいい訳!?」

ゴーグル「なんですかそれ!?」

絹旗「超シカトしていいですよ」

フレンダ「あぁもう!!なんなのイチャイチャイチャイチャ!!!」

ゴーグル「してないっすよ」

ゴーグル男が呆れたように呟く

麦野(ふーん・・・ヤキモチか)

麦野(・・・イタズラしたくなっちゃうじゃん)



884 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/20 20:58:50.09 Yezs/RYE0 766/839

麦野が突然、ゴーグルの腕に抱きつく

ゴーグル「・・・はい?」

フレンダ「・・・え?」

麦野「ゴーグル君、フレンダなんかほっといて私と遊ぼうにゃーん」

ゴーグル「は、はい!?」

浜面(・・・麦野・・・)

滝壺(すごいね、むぎの)キラキラ

絹旗(滝壺さんが超感激してます)

麦野「ね、あ・そ・ぼ・う・よ」

ゴーグル「ブチコロのテンションですね」

麦野「あぁ?」

ゴーグル「な、なんでもないっす!!!」



885 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/20 21:03:23.44 Yezs/RYE0 767/839

フレンダ「ふん!!ゴーグルにやけちゃって!!」

ゴーグル「にやけてないっすよ・・・第一、俺は別に巨乳好きじゃないですし・・・」

浜面「なんだとぉ!?」

浜面がいきなり立ち上がる

浜面「胸は女の象徴だ!!!母性溢れる柔らかさ、芸術さえも負ける美しさ!!」

ゴーグル「あれ、浜面さんってもしかして巨乳好きですか」

浜面「男ならそうあるべきだ!!!」

ゴーグル「ダメっすね、時代はうなじですようなじ」

浜面「ノン!!!胸!!」

ゴーグル「・・・うなじっす」

浜面「胸だって言ってるんだよ!!!」

ゴーグル「うなじですから!!!!」

フレンダ(・・・あれ?)



886 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/20 21:07:12.83 Yezs/RYE0 768/839

麦野「ちょ、ちょっと二人とも・・・」

浜面ゴーグル「女はすっこんでろ!!!」

麦野「な、なんだって!?」

浜面「よーし、決めた!!俺はゴーグルを胸好きにしてやるからなぁ!!」

ゴーグル「浜面さんをうなじフェチにしてみせますよ!!」

滝壺「はまづら、頑張って」

絹旗「超くだらない・・・ってどうしたんですかフレンダ」

フレンダ(・・・うなじ、かぁ・・・)

絹旗(・・・自分のうなじ触ってます)

麦野(ちっ、からかってやろうと思ったのにバカ面)


浜面ゴーグル「女の魅力をナメたらあかん!!!!!」



887 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/20 21:16:32.10 Yezs/RYE0 769/839

では、正月はここらへんまで

あと100レスほどで1月の半ばまでをやらないといけないんだ

もうダメだ

ということで、学校が始まるよの巻



上条「冬休みが終わった・・・」

上条は一人、つぶやいていた

あんなに楽しかった冬休み

だが美鈴たちが帰ってから、何も変わり映えしなかった

いつもどおり美琴とイチャつき、いつもどおり不幸に遭う

そんな毎日を過ごして、冬休みは終わった

だが今年の冬休み明けの気分は例年とは違う

上条(・・・宿題が・・・終わってる!!)

かばんの中には、完璧に終えた宿題が入っている

上条(感激だぁ!!)


888 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/20 21:21:11.82 Yezs/RYE0 770/839

自然と足取りも速くなる

そう、今の気分は最高だ

補習は受けなくても済む

クラスの仲間から馬鹿扱いされなくて済む

吹寄から怒られないし、小萌に呆れられることもない

そう、ハッピーなのだ

不幸なはずの彼が

上条(あぁ・・・俺って、今幸せ・・・)

そう思いながら上条は歩く

もう、目の前に学校が見える

三学期

学年の最後を締める学期

上条(今日から楽しい学校生活だ!!!)

駆け足で校門をくぐる



889 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/20 21:30:28.90 Yezs/RYE0 771/839

上条「はぁ!!いやぁ、久々の学校だなぁ!!」

土御門「にゃー、おはようだぜぃカミやん」

青ピ「はぁ・・・今日からまた小萌先生の授業が受けられるんやでぇ!!」

土御門「・・・青ピはそればっかだにゃー」

上条「いやぁ、でも久しぶりだとちょっと嬉しいよな」

青ピ「ほーら、カミやんもそう言ってるんやで!?」

土御門「勉強はめんどいぜよ」

上条「そりゃそうだけど・・・あ、おっす姫神」

姫神「君達は。朝からぎゃーぎゃーと」

上条「う、悪かったな・・・」

土御門「にゃー、吹寄もいるぜぃ」

吹寄「貴様達は相変わらず馬鹿ね・・・」

上条「おっす・・・みんな勢ぞろいか」

姫神「学校だから当たり前」



890 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/20 21:36:05.77 Yezs/RYE0 772/839

上条「そろそろ始まるな」

吹寄「そうね・・・めんどうだわ」

姫神「・・・始業式はめんどくさい」

一同が席に着く

小萌が入ってきて、式の説明やら何やらを進める

ちなみに午後はそのまま授業なのだ

上条(・・・あれ、なんか大事なことを忘れてる気が・・・)

上条はいろいろ忘れているのだが、まぁそれは気にしていない

だが何かを忘れている

始業式の途中で思い出せばいいか、なんて上条は考えていた

その程度のことだと思っていた


その程度のことだと




891 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/20 21:43:29.77 Yezs/RYE0 773/839


青ピ「はぁ・・・なんでこう、始業式って眠たくなるんやろ?」

土御門「ホント、つまならかったにゃー」

上条「全くだよな・・・」

吹寄「・・・?なんか職員室が騒がしいわね」

姫神「ホント」

吹寄「全く・・・どうせ生徒が先生と無駄話を・・・」

上条「・・・にしても、なんか人だかりが多すぎないか?」

青ピ「ほんまやなぁ」

土御門「アイドルでも来てるのかにゃー」

青ピ「えぇなぁ!!」

上条「んなわけないだろ、行ってみようぜ!!」

吹寄「こ、こら!!上条!!」

姫神「・・・行っちゃった」



892 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/20 22:01:43.21 Yezs/RYE0 774/839

上条「なぁなぁ、どうしたんだ?」

「おー、上条!!見てみろよ!!」

上条「ん?なんだよ」

「あれあれ!!」

男子生徒が職員室の中を指差す

まず見えたのは、誰かの学生服の足

あれは男子生徒の制服だ

つまり、転校生か

そして次に見えたのは学ラン

だが着崩している辺り、そこまで真面目な生徒ではないだろう

そして最後に見えたのは垣根の顔

上条「・・・あ」



上条「忘れてたぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」



893 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/20 22:10:14.07 Yezs/RYE0 775/839

垣根「ん?おぉ!!上条じゃねぇか!!」

上条「あぁ・・・俺の平和な学校生活よグッバイ・・・」

心理「あら、上条君じゃない」

上条「ん?なんだ、心理さんも・・・」

上条がそこで言葉を止める

なぜか、心理定規も制服を着ている

もちろん、垣根がいるなら心理定規もいておかしくはない

だがなぜ彼女が制服を?

そもそも年齢が違う

というかおかしい

とりあえず、上条は混乱していた


上条「心理さん!!!アンタは制服を着たらダメだ!!っていうか男子生徒が集まってたのはアンタ目的だな!!」

心理「あらそう?」



894 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/20 22:23:29.04 Yezs/RYE0 776/839

垣根「破壊力があるだろ!?なぁ!?」

上条「あぁちくしょう!!アンタは来ないと思ってたのに!!」

心理「垣根が来てくれって言うものだから」

上条「垣根ぇ!!!」

垣根「寂しいじゃん」

上条「そういう問題じゃ・・・」


土御門「にゃー、なんだ垣根だったのかにゃー」

青ピ「あっはぁ!!!なんや可愛い制服少女がおるでぇ!!!」

吹寄「心理定規・・・あなただけはまともだと思ってたのに」

姫神「体験入学は。まとも」


上条「来るんじゃねぇ!!なんかもう俺の学校生活が壊れる!!!」

垣根「その学校生活を!!!」

上条「ぶち殺すな!!!」



897 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/20 22:34:09.87 Yezs/RYE0 777/839

心理「・・・それにしても、ホント平凡な学校よね」

垣根「そうそう、貧乏そうなオーラが漂うよな」

吹寄「あのね・・・垣根、それは言っちゃダメよ」

姫神「心の中に。留めてて」

垣根「・・・制服もだっさいしよぉ・・・」

垣根が制服を指差す

体験入学を決めたのは数日前

なのに、早くも制服はいろいろといじられている

原型を留めつつも相当オシャレになっているのだ

ボタンをつけない、とか中に別のものを着る、とかではない

上条「・・・なんで学ランの形が変わってるんだよ・・・」

垣根「俺に正直は通用しねぇ」

心理「・・・でもそれはいじりすぎよ」



898 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/20 22:44:58.27 Yezs/RYE0 778/839

垣根「はっはぁ、オシャレに行こうぜ」

心理「はぁ・・・怒られないでよね」

上条「・・・垣根、真面目にしろよ?」

垣根「分かってるって・・・それより授業は?」

上条「あぁ、あるけど・・・」

心理「じゃあ行きましょうよ」

青ピ「こんな可愛い同級生なんて嬉しいわぁ!!!」

土御門「にゃー、うちのクラスは怖い女ばかりだからにゃー」

吹寄「・・・ちょっとこっちに来なさい」

姫神「さて。巫女さんパワーを溜めないと」

上条「お、落ち着け!!!」



902 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/21 09:40:11.82 g+OESOVU0 779/839

垣根「ひゃははは!!!授業!!授業!!」

心理「今日はなにがあるの?」

吹寄「午後は・・・おめでとう、いきなり能力検査よ」

垣根「はぁ?こんな時期にか」

吹寄「そうみたいなのよね」

姫神「これは。垣根が活躍しそう」

青ピ「ほんまやなぁ・・・」

土御門「どーせ俺達は関係ない、無能力者だけどにゃー」

上条「ですよねー・・・」

心理「努力なさいな」

上条「努力・・・ねぇ」

垣根「そうそう、努力してみようぜ」

上条「まぁやってみるけどな・・・」



903 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/21 09:44:13.57 g+OESOVU0 780/839

吹寄「さて・・・私達はこっちだから」

垣根「お?なんでよ」

吹寄「男子と女子は分かれるらしいわよ、今回」

土御門「にゃー、やる気なくすぜぃ・・・」

垣根「ダメだなちくしょー」

心理「じゃ、がんばってね」

姫神「巫女パワーを。見せてあげる」

女三人が立ち去る

残ったのは、男だけだ

上条「・・・はぁ、やる気がなぁ・・・」

土御門「にゃー、こっから女子の能力検査も見えることは見えるぜよ」

土御門が遠くをじっと見つめる

青ピ「でもなんや偉い遠くでやるんやなぁ」

垣根「俺がいるからじゃね?」

土御門「・・・巻き込まれないようにかにゃー」


904 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/21 09:56:14.04 g+OESOVU0 781/839

垣根「にゃっはっは!!じゃあお前らからやってみろよ!!」

上条「はぁ・・・」

上条が目の前に置かれている大きな重りを見つめる

上条「これ・・・どうすればいいのかな?」

土御門「飛ばせってさ」

青ピ「どうやって飛ばすんやろ・・・」

上条「・・・お、重いぞ・・・」

その重りは何kgあるだろうか

それを遠くに飛ばせ、というのは無理がある

垣根「ほれほれ、がんばれよお前ら」

上条「・・・空間移動とかか?」

土御門「・・・結標ならできそうだな・・・」ボソッ

青ピ「?」

土御門「なんでもないぜよ・・・」



905 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/21 10:14:22.46 g+OESOVU0 782/839

上条「・・・よし!!やってやる!!」

上条がどうにか重りを持ち上げる

上条「飛んで行け!!!俺の明日へぇぇぇぇ!!!!!!!!!!!!!」


「記録、7m」


上条「無理だろ・・・」

土御門「にゃー、仕方ないぜよ」

青ピ「むしろよくあんなに飛ばせたもんやなぁ」

上条「気合だよ気合」

土御門「はぁ・・・俺かぁ」

土御門が重りを持つ

土御門「これがぁぁ!!!!!!!!!!!!!!」


土御門「若さだにゃぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!」


「記録、9m」



906 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/21 10:20:09.54 g+OESOVU0 783/839

土御門「そんなもんだにゃー・・・」

青ピ「すごいなぁ二人とも・・・ボク肩凝ってて絶対無理やわ・・・」

垣根「情けねぇなぁ」

青ピ「はぁ・・・やってみせるで!!」

青ピが重りを持つ

上条「・・・」

青ピ「いくでぇ!!!!」


青ピ「好きやで大阪!!!!!!!!!!!!!!!」


「記録、4m」


青ピ「ダメやなぁ・・・」

上条「・・・いや、普通そうだろ・・・」

垣根「ん?あいつは風力使いか」

土御門「あー・・・この学校でLEVEL2って言ったら優等生なんだぜぃ」

上条「だよなぁ・・・」

垣根「はー・・・ポテンシャル低いなぁ・・・」



907 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/21 10:22:48.70 g+OESOVU0 784/839

上条「うわ、15mだよ・・・」

土御門「うわやましいもんやなぁ・・・」

青ピ「ほんま・・・」

垣根「・・・ヒマだな、女のほう見てくるわ」

上条「お、おい!!」

垣根が勝手に女子のほうへと向かう


垣根「・・・どうかなどうかなー」

吹寄「・・・?垣根、どうかしたの?」

垣根「ワーオ体育服の巨乳萌えー」

吹寄「バカにしてるの?」

垣根「してねぇよ、あまりにヒマでな」

姫神「・・・垣根。どうしてあなたはそうも自由行動を・・・」

垣根「ここは何の計測なんだ?」

姫神「・・・」



908 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/21 10:27:54.83 g+OESOVU0 785/839

垣根「なんなんだよ?」

心理「あら垣根」

垣根「おっす・・・お前体育服似合わないな」

心理「こんなの似合うほうがすごいわよ」

心理定規が肩をすくめる

垣根「・・・で?ここはなんなんだ?」

心理「心理操作系よ、私が風力系の計測にいるわけないでしょ」

垣根「・・・ちょっとイラっとした」

心理「あぁそう」

垣根「で?どうだったんよ」

心理「ご覧の通り」

心理定規が計測結果を差し出してくる

垣根「・・・はー、LEVEL4のままか・・・お前も頑張れば超能力者いけそうなのにな」

心理「食蜂には到底届かないわよ」



909 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/21 10:31:45.71 g+OESOVU0 786/839

垣根「・・・で?吹寄と姫神は」

吹寄「・・・0」

姫神「同じく」

垣根「・・・」


垣根「・・・布団、かけたろか?」

吹寄「そういうのは飽きられるわよ」

垣根「ちっ・・・にしてもここは宝の山だねぇ」

垣根が辺りを見回す

ちなみに、彼は上の裾を外に出している女の子派なのだ

垣根「・・・完全記憶能力がほしいなこりゃ」

心理「何言ってるのよ・・・」

吹寄「・・・ほら、さっさと帰りなさいよ」


911 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/21 10:37:59.67 g+OESOVU0 787/839

垣根「ちっ・・・じゃあな、あばよ」

垣根が手を振って立ち去る

心理「・・・さて、彼の能力測定は間近で見ましょうかしら」

吹寄「?どうして」

心理「この広さの校庭だったらどうせ本気は出せないでしょうけど・・・」


心理「あなたたちも見てみたら?いい刺激になるわよ」

姫神「・・・」


上条「お、帰ってきた帰ってきた」

青ピ「最後は垣根の番やで」

土御門「・・・垣根、一応手加減はしろよ?」

垣根「はいはーい」

垣根が重りに近づく

垣根「これを投げればいいんだな」



912 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/21 10:42:02.33 g+OESOVU0 788/839

上条「・・・」

垣根「・・・はは・・・」

垣根が背中から翼を生やす

そして、一瞬にして重りを砕いてしまう

土御門「・・・は?」

青ピ「な、何してるん?」

垣根「ははははははははは!!!!!!!!!!!!!重りを投げろ!?遠くへ飛ばせ!!!!!!!!????????」

垣根「知ったことかよぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!!!!!」

垣根「計測だとか検査だとか!!!そんな常識は通用しませぇぇぇぇぇぇぇぇん!!!!!!!!!!!!!!」

垣根「見せてやるよ!!!これが!!!!!!!!!!!!!」


垣根「未元物質だぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!」



913 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/21 10:51:09.27 g+OESOVU0 789/839

吹寄「な、なんか砂煙がすごいんだけど・・・」

心理「あーぁ・・・スイッチ入ってるわね」

姫神「ダメな男」


垣根「おらおらぁ!!!調子に乗るなよ小僧共ぉぉぉ!!!!!!!!!!!!!!!」

上条「お、おいこら垣根!!」

垣根「衝撃のぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!!!!!」

土御門「カミやん!!」

上条「おぅ!!!!」


垣根「ファーストブリッドォォォォォォ!!!!!!!!!!!!!!」

上条「その幻想を!!!ぶち殺す!!!!!!!!!」

垣根の翼と、上条の右手がぶつかる

真っ白な翼の一枚が、霧散する

垣根「この俺を止めさせたなぁ!!!!!!!!!!!!!!!」



914 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/21 10:56:06.71 g+OESOVU0 790/839

上条「かぁぁぁきぃぃぃねぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!!!!!!」

垣根「壊滅のぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!!!!!!!」

上条「その幻想をぉぉぉぉ!!!!!!!!!!!!!!!!!」


垣根「セカンドブリッドォォォォォォ!!!!!!!!!!!!!!!!」

上条「ぶち殺すぅぅぅぅぅぅ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


土御門「にゃー・・・今のカミやんを能力測定したら面白い結果が出そうだけどにゃー」

吹寄「な、なんなのよあれ・・・」

姫神「さすが。バカ二人」

青ピ「なぁなぁ、なんでカミやんはあの中で耐えられるん?」

心理「はぁ・・・周りの生徒が見物してるわよ・・・」


「いいぞ垣根ぇぇぇ!!!!」

「リア充の上条を潰せぇぇ!!!!」

「やれやれ!!!フラグ魔なんか消し飛ばせぇ!!!」


心理(ひどいわね)


915 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/21 10:59:38.04 g+OESOVU0 791/839

垣根「ははは!!!こりゃ楽しいや!!!」

上条「いいぜ・・・お前が校庭を壊そうって言うなら!!!」

垣根「瞬殺のぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!!!!!!!!」

上条「その幻想を!!!!!!!!!!!!!!」


垣根「ファイナルブリッドォォォォォォォ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

上条「ぶち殺す!!!!!!!!!!!!!!!!!」


心理「・・・すごいわね」

吹寄「・・・垣根のあの能力って・・・なんなのよ・・・」

土御門「にゃー、カミやんもがんばってるぜよ」

青ピ「なんでカミやんは耐えられるん?」

姫神「不幸パワー」

心理「・・・あの二人、だんだん燃えてきてるわね」

吹寄「・・・止めないとね」



916 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/21 11:04:44.51 g+OESOVU0 792/839

心理「ほらほら二人とも、そこらへんにしときなさいな」

垣根「あぁ!?」

心理「垣根、あなたの検査結果出てるわよ」

心理定規が計測器を指差す

言わずもがな、LEVEL5だ

垣根「んなこたぁ分かってんだよこの・・・」

心理「御終いって言ってるのよ」

上条「でも心理さん!!これは男の戦い・・・」

心理「・・・」

心理定規が手元の重りを持つ

さきほど垣根が破壊したものと同じものだ

いくつか替えがあるらしい

心理「・・・これ、ぶつけられたい?」

上条「」

心理「答えなさいよ上条君、ぶつけられる?それとも喧嘩をやめる?」

上条「け、喧嘩をやめます!!!」



917 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/21 11:09:50.15 g+OESOVU0 793/839

心理「垣根は?」

垣根「冗談じゃねぇ!!!俺は続け・・・」

心理「あらそう・・・」

心理定規が握った重りを見つめる

心理「仕方ないわね」

ぶん、と振りかぶる心理定規

周りの生徒がなぜか息を飲む

あんなか弱い少女があの重りを投げられるのか、と

上条「か、垣根・・・謝れよ・・・」

垣根「はっはっは!!やれるもんならやってみ」

心理「ちぇいさーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

びゅおん、と音がする

垣根の胸に重い衝撃が走る

垣根「びゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!」


吹寄(当たった・・・)

姫神(認定。心理定規が最強)




918 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/21 11:14:02.26 g+OESOVU0 794/839


上条「・・・結局、俺達は全員無能力者か・・・」

姫神「そりゃそうに決まってる」

青ピ「残念やなぁ・・・」

吹寄「・・・垣根、大丈夫?」

垣根「・・・俺は・・・止められた・・・」

心理「大げさよ、たかだか重り一つが当たっただけじゃない」

垣根「それがやばいんだよ!!!」

上条「ま、まぁまぁ・・・今日はこれで終わりだしさ」

心理「あら、そうなの?」

垣根「早いなぁ・・・」

心理「どうするのこの後」

姫神「買い食いとか」

吹寄「あら、いいわね」

青ピ「よっしゃ、決まりやねぇ!!」



919 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/21 11:17:18.86 g+OESOVU0 795/839

垣根「・・・買い食いかぁ」

上条「なんだよ、乗り気じゃないのか?」

垣根「いや、そういうのっていいよな」

心理「私達はあまり経験してないからね」

吹寄「あぁ・・・それもそうね」

垣根「急ごうぜ!!楽しみだし!!!」

青ピ「せやね、早く行くで!!!」

土御門「にゃー、急ごうぜぃ!!!」


小萌「はいはい、静かにしやがれなのですー」

垣根「おー、小萌じゃん」

小萌「垣根ちゃん、心理定規ちゃん、一日目はどうでしたか?」

もう帰るぞ雰囲気の教室の中に担任が入ってくる

垣根「楽しかったぜ」

小萌「なら明日も来てくれますよね?」

垣根「喜んで」



920 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/21 11:21:51.21 g+OESOVU0 796/839

上条「先生、なんか用だったんですか?」

小萌「そうなのですよー」

上条「・・・イヤな予感が」

小萌「・・・宿題なのですよー!!!」

小萌が嬉しそうにプリントを取り出す

その瞬間、クラスの気温が5度ほど下がった

吹寄「あぁ、それもそうよね」

姫神「・・・仕方ない」

青ピ「はぁ・・・今日はゆっくりしたかったんやけどなぁ・・・」

土御門「にゃー・・・舞夏と仲良くしたかったのににゃー」

上条「あぁもう!!今日は美琴が部屋に来るのに!!!」

土御門「はっはぁ!!!報いだにゃーー!!!!!!!」

心理「・・・宿題ねぇ・・・」

垣根「さっさと配ってくれよ、俺達はこれから非行に走るんだ」

小萌「それはダメなのですよ!!」



921 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/21 11:23:59.34 g+OESOVU0 797/839

垣根「・・・なんだよ、すぐ終わりそうなレベルだな」

上条「お前にとってはそうかもな・・・」

吹寄「ほら、早く帰りましょうよ」

小萌「みなさん気をつけて帰ってくださいねー!」

心理「じゃ、またね先生」

小萌「メ、心理定規ちゃんが先生って・・・」ウルウル

垣根「あばよ、ティーチャー」

小萌「垣根ちゃんもティーチャーって!!」ウルウル

上条(おかしいだろ)

垣根「さーて、どこに寄る?」

青ピ「コンビニでえぇんちゃう?」

土御門「にゃー、急ごうぜぃ」

姫神「さて。私もとうとう目立てる立場に」



922 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/21 11:26:49.10 g+OESOVU0 798/839


上条「・・・コンビニに到着した俺達一行」

土御門「そこで、俺達は大変なものを目にした」

青ピ「立ち読みをしている女の子がいたんや」

垣根「その女の子は常盤台の制服を着ている」

心理「下には短パン」

姫神「ゲコ太のストラップを鞄に付け」

吹寄「ケラケラと漫画を読みながら笑っている」


美琴「はー!!やっぱこれは面白いわね!!!」

漫画雑誌から顔を上げたのは、美琴だった


上条「・・・あいつ、立ち読みが趣味だったな・・・」

心理「ファンの子が見たら泣くわね」

垣根「うぅうぅ・・・」

心理「そういうボケはいらないから」



923 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/21 11:35:46.45 g+OESOVU0 799/839

上条「おーっす、美琴」

美琴「ん?あ、あぁ!!!当麻!!」

上条「立ち読みか?」

美琴「そ、そそそそそそう!!!」

垣根「あーあ、常盤台のエースがこれか」

心理「美琴、少しは気にしなさいな」

青ピ「いやぁ、立ち読みする女の子も可愛いと思うけどなぁ」

土御門「にゃー、面白かったぜぃ」

吹寄「・・・これでメンバーが増えたわね」

美琴「えっと・・・なんで垣根と心理定規がいるの?」

垣根「俺達体験入学してたからな」

心理「そうなのよ」

美琴「へぇ・・・そうなの」

姫神「あなたは。立ち読み?」

美琴「あ、うん」



924 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/21 11:42:39.81 g+OESOVU0 800/839

上条「なら美琴も一緒に買い食いしないか?」

美琴「あ、いいわね」

垣根「食おうぜ」

心理「何食べる?」

姫神「私はおでん」

吹寄「私は・・・から揚げ」

青ピ「ボクはコロッケでえぇわ」

心理「私ははんぺん」

垣根「お前好きだな・・・俺は牛スジでいいや」

土御門「俺はアイスでいいにゃー」

美琴「この時期にアイス?」

土御門「美味いぜよ」

上条「俺はおでんだな・・・美琴も食べるか?」

美琴「うん!!」

上条「じゃ、買いますか」



925 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/21 11:46:33.08 g+OESOVU0 801/839


垣根「コンビニの前で立ち食いってのもいいよな」

牛スジを頬張りながら垣根が呟く

心理「そうね、なかなかいいわ」

土御門「屯してるみたいだけどにゃー」

上条「俺達はスキルアウトじゃないからな」

美琴「そうそう」

心理「はんぺん美味しい」

吹寄「はぁ・・・から揚げ温まるわ・・・」

青ピ「土御門はよくそんな冷たいもん食べられるなぁ」

土御門「にゃー、冬のアイスは乙なもんだぜぃ」

姫神「ふふ・・・おでん」

上条(笑ってるで笑ってるでぇ!!!)



926 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/21 11:52:33.84 g+OESOVU0 802/839

垣根「はぁ・・・楽しいな」

心理「学生っていつもこんな感じなの?」

青ピ「普通ならそうやで」

土御門「にゃー、普通ならだけどにゃー」

吹寄「こうやって友達とバカできるのは今だけかもね」

垣根「いいなぁ・・・」

美琴「二人とも、いつまで体験入学なの?」

垣根「さぁな・・・いつまでかな」

青ピ「ずっと通えばいいやん」

心理「それは疲れるでしょ?」

垣根「俺達は縛られたくないのさ」キリッ

上条「ただの引きこもりだろ」

垣根「そうとも言う」



927 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/21 11:59:10.22 g+OESOVU0 803/839

上条「・・・でも、垣根は学生でも似合うよな」

垣根「その年齢だからな」

美琴「・・・垣根なら、学校でも人気になれるわよ」

垣根「人気とかいらねぇさ」

心理「そうよね」

吹寄「・・・」

姫神「でも。二人がいると学校が楽しくなりそう」

青ピ「そうやで、ずっといてほしいわぁ」

土御門「にゃー、同感だぜよ」

上条「・・・どうすんだ?」

垣根「飽きたらやめるから、飽きさせないようにがんばれよ」

上条「はは・・・そうだな」

垣根「はぁ・・・牛スジうめぇ」



928 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/21 12:18:18.74 g+OESOVU0 804/839

上条「・・・さて、宿題もあるし帰らないとな」

垣根「おう、そうだな」

美琴「宿題?」

上条「また出ましたー・・・」

青ピ「がんばらんとなぁ」

土御門「めんどうだにゃー」

吹寄「さ、帰りながら残りは食べましょうよ」

心理「そうね」

姫神「宿題は。めんどくさい」

上条「全くだ」

一同がコンビニから立ち去る

寒い空気に肩を縮こまらせながら歩いていく



929 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/21 12:29:11.92 g+OESOVU0 805/839

垣根「はーあ、学校も悪くはねぇなぁ・・・」

上条「だろ?」

美琴「正式に通ったら?」

心理「・・・それも考えておくわね」

上条「お、じゃあ俺達はこっちだから」

吹寄「私達はこっちね」

土御門「青ピは別の道だよな」

青ピ「んじゃ、また明日なー」

それぞれの家へと向かう


垣根「なぁ、心理定規」

心理「何よ」

垣根「宿題、一緒にやろうな」

心理「ふふふ・・・分かったわ」

二人は手を繋ぎながら歩いていた


垣根「学校って・・・楽しいなぁ!!」



931 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/21 14:09:00.62 g+OESOVU0 806/839

フレンダ「ふぁぁ・・・もう1月も半ばを過ぎた訳よ」

ゴーグル「早いもんすね」

二人はアイテムの家でゴロゴロと転がっていた

ゴーグル「麦野さんは?」

フレンダ「・・・なんか一人で買い物に行ってる訳よ」

ゴーグル「浜面さんと滝壺さんはデート・・・」

フレンダ「絹旗は映画」

ゴーグル「なんか統一性のないメンバーっすね」

フレンダ「・・・何する?」

ゴーグル「なんもしなくていいじゃないっすか」

フレンダ「えー・・・ヒマな訳よ」

ゴーグル「そうっすか」




932 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/21 14:13:53.66 g+OESOVU0 807/839

フレンダ「・・・ゴーグル、何かしてよ」

ゴーグル「何かって・・・」

ゴーグル男が溜息をつく

どうすればいいのか、という疑問が湧く

どうせふざけてみても「つまらない」の一言で片付けられるだろう

ゴーグル(・・・どうしましょう)

フレンダ「・・・ねぇ、なんかしようよ」

フレンダがゴーグル男の目を見つめてくる

ゴーグル「なんかって・・・」

フレンダ「・・・ね、楽しいことしようよ?」

ゴーグル「そういう言い方は誤解を招きますよ」

フレンダ「べ、別に私はそういうわけで・・・」

ゴーグル「あー、分かってますよ」

ゴーグル男がゴロンと転がる



933 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/21 14:16:27.05 g+OESOVU0 808/839

フレンダ「・・・」

ゴーグル「・・・どうしますか?出かけます?」

フレンダ「寒い訳よ」

ゴーグル「寒いって・・・なんか引きこもりですね」

フレンダ「いいじゃん」

ゴーグル「・・・じゃあ・・・あったかくしてあげましょうか?」

フレンダ「な、なななななななななな!?」

ゴーグル「はい、焦ってあったかくなったでしょ・・・」

ゴーグル男がけだるそうに呟く

ヒマというのは、人を堕落させるのだ

フレンダ「最低!!!」

ゴーグル「はぁ・・・ヒマっすね」



934 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/21 14:20:21.94 g+OESOVU0 809/839

フレンダ「・・・ねぇ、どうすればいい?」

ゴーグル「・・・そういえば、フレンダさんと出遭ってそろそろ一月っすね」

フレンダ「うん、そうなるね」

ゴーグル「というか、まだ一ヶ月っすか」

フレンダ「・・・一ヶ月なんだ」

ゴーグル「長いっすよね」

フレンダ「・・・短い訳よ」

ゴーグル「短いっすかね?」

フレンダ「・・・一ヶ月でこんなに仲良くなるなんて思わなかった訳よ」

ゴーグル「はぁ・・・そうっすか?」

フレンダ「・・・なんか楽しくなった訳よ」

ゴーグル「そりゃどうも」

フレンダ「なんかつめたーい」

ゴーグル「すいませんね・・・」



935 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/21 14:24:56.82 g+OESOVU0 810/839

フレンダ「・・・ねね、なんかしようってば」

ゴーグル「はぁ・・・何をっすか」

フレンダ「・・・楽しいこと」

ゴーグル「じゃあゲームでもしますか?」

フレンダ「あ、やるやる!!!」

ゴーグル「じゃ、やりましょうか」

二人がテレビの前に座る

傍から見たらカップルか家族のように見えるだろう

だが、二人はただの友達なのだ


フレンダ「よっしゃぁ!!!勝ったぁ!!!」

ゴーグル「あぁ・・・負けましたね」

フレンダ「またやろうよ!!」

ゴーグル「分かりましたよ」



936 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/21 14:26:47.71 g+OESOVU0 811/839

浜面「はぁ・・・いいなぁ」

滝壺「うん、幸せだね」

二人は喫茶店でイチャイチャとしていた

周りにはあまり客がいない

平日の昼間だから当たり前なのだが

浜面「・・・ホント、平和だよなぁ」

滝壺「平和だね、はまづら」

浜面「あぁ」

昔は、暗部で殺しをしていた二人なのだ

そんな二人がこんな平和を手にしている

浜面「・・・ホント、変わったよな」

滝壺「変わったよね」




937 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/21 14:29:57.17 g+OESOVU0 812/839

浜面「・・・こんな平和がずっと続けばいいのにな」

滝壺「続くよ、はまづら」

浜面「続くかな」

滝壺「うん、私は信じている」

浜面「だといいな・・・」

たまに通る車やバス

ポカポカとした陽射し

昔はこんなに、普通の日常を観察は出来なかった

忙しく、忙しなく、そんな毎日だったのだ

浜面「・・・いいなぁ」

滝壺「いいね、はまづら」



938 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/21 14:33:13.89 g+OESOVU0 813/839


麦野「・・・幸せ、か」

麦野は一人で、ショッピングを楽しんでいた

麦野「・・・なんでこんなに平和ボケしちまったのかな」

そう言う彼女は笑っていた

今の日常が大好きだった

麦野「さて、みんなにお土産でも買ってやるかな」

友達がほしいものはなんなのか

そんなことは分からない

だが、何かを買うということ自体が特別なのだ

麦野「・・・よーし!!」


麦野「買ってやるかにゃん!!」



939 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/21 14:38:15.46 g+OESOVU0 814/839

絹旗(うーん・・・超駄作ですね)

絹旗は一人、映画を見ていた

つまらない映画だ

それはもう、吐き気がするほどつまらない

カメラワークもヘタなのだ

俳優だって棒読みだし、セットもかなり雑だ

絹旗(超つまんねー)

そう思いながらも、とりあえず絹旗は映画を見続ける

もう半分以上終わっただろう

すでに主人公は死んでいる

ヒロインも死んでいる

なんか、新しいキャラが出てきているのだ

絹旗(超意味が分からないですね)



940 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/21 14:40:26.62 g+OESOVU0 815/839

絹旗(・・・意味わかんないですね)

それだからこそ、彼女は好きなのだ

予定調和など無い

主人公は死ぬ

映画とは言えない

正直、大学生のサークルレベルだ

それがいいのだ

絹旗(超幸せですね・・・)

こうやってずっと映画を見ていられる

今が、とても幸せなのだ

絹旗(・・・はぁ・・・幸せです)



941 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/21 14:43:20.15 g+OESOVU0 816/839


垣根「おー、やっと終わったー」

上条「やっと昼休みだな」

心理「ふーん、簡単な授業だったわね」

姫神「そんなことないと思う」

吹寄「・・・二人とも、ホント頭いいわね」

土御門「にゃー、先生も喜んでたぜよ」

青ピ「授業がスムーズだったもんなぁ」

垣根「いいから昼飯食おうぜ」

上条「おう、そうだな」

7人が机をくっつける

上条「みんなは弁当か?」



942 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/21 14:45:18.94 g+OESOVU0 817/839

垣根「おうよ」

心理「二人で作ったのよ」

土御門「はー、うらやましいにゃー」

姫神「私は。自分で作った」

青ピ「ええなぁ・・・ボクぁ今日も購買部のや」

上条「俺は美琴が・・・」

土御門「あぁ!?」

青ピ「最近いっつもそれや!!!」

垣根「おぉ、愛妻弁当か」

心理「いいじゃない、上条君」

上条「そうかな?」

姫神「消えて」

吹寄「はぁ・・・さすが上条ね」



943 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/21 14:47:58.99 g+OESOVU0 818/839

上条「・・・いいだろ」

上条が弁当を開ける

そして、そっと閉じる

垣根「あぁ?どうしたんだよ」

上条「な、なんでも!?」

吹寄「怪しいわね」

青ピ「見せてみぃなカミやん」

上条「い、いやいや!!!」

姫神「なんとなく。分かってるけど」

心理「・・・見せてごらんなさい」

上条「うぅ・・・」



944 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/21 14:50:23.35 g+OESOVU0 819/839

上条が弁当を差し出す

そこには、「当麻LOVE」なんて海苔で書かれた弁当があった

土御門「うっわぁ・・・ベタだにゃー」

青ピ「カミやんの彼女って・・・こういうの好きやなぁ」

姫神「ちょっと。驚いた」

吹寄「御坂さんってこういうところだけが残念よね・・・」

上条「恥ずかしい・・・」

垣根「元気出せよ、上条」

心理「いいじゃない、愛されてるだけ」

上条「そうだけどさ・・・」

心理「・・・そこの男二人を見てみなさい」

心理定規が二人を指差す



945 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/21 14:52:49.08 g+OESOVU0 820/839

青ピ「な、なんやねん」

心理「作ってくれる相手はいないのよ」

土御門「いや、俺は舞夏の手作り・・・」

青ピ「あぁ!?」

青ピが土御門から弁当を取り上げる

それはもう、豪華なものだった

匂いだけで分かる、相当美味しいものだろう

上条「おぉ、すっげぇ・・・」

吹寄「・・・すごいわねこれは」

心理「あら、素敵」

垣根「彼女かなんかだっけ?」

土御門「自慢の妹だにゃー」

心理「・・・近寄らないで」

土御門「えぇ!?」



946 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/21 14:58:00.88 g+OESOVU0 821/839

垣根「おっと、吹寄のやつちょっともらうぞ!!!」

吹寄「ちょ、ちょっと!!!」

姫神「じゃあ私は垣根のを」

垣根「おう、食え食え」

上条「あっはは!!楽しいな!!」

青ピ「・・・そうやねぇ」

土御門「青ピったらヤキモチだにゃー」

上条「そうなのかよ」

青ピ「あぁもう!!!なんでやねん!!」

垣根「はっはぁ!!!!!ざまぁ!!!」

上条「青ピったら寂しいなぁ!!!!」

青ピ「カミやん表出ろぉ!!!」

上条「やってやろうか!!!!」



947 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/21 15:02:46.24 g+OESOVU0 822/839

垣根「賑やかだなぁ」

心理「えぇ、ホントただのバカみたいな学校生活ね」

吹寄「あれがいいんじゃない」

姫神「・・・ホント、バカみたい」

土御門「でもそれがいいんだにゃー」

垣根「・・・そうかもな」

廊下ではなぜか上条と青ピが喧嘩をしている

リア充代表と非リア充代表の戦いだ

垣根「・・・幸せだな」

心理「えぇ」

垣根「・・・こんな毎日が続けば・・・」


垣根「そりゃ、幸せなのかもな」




948 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/21 15:06:03.96 g+OESOVU0 823/839


ステイル「神裂、今日は?」

神裂「・・・仕事ですよ」

ステイル「そうか」

神裂「・・・少しめんどうなことが起きたらしくて」

ステイル「めんどう?」

神裂「ただの暴動ですよ、イギリス清教に敵対しようとしている者たちがいるようでして」

イギリス

その中にイギリス清教聖堂がある

そこは、普通の神父やシスターでは入ることは出来ない

神裂「では、行ってきます」

ステイル「あぁ、気をつけて」

ステイルがここに来たのは、神裂と話をするためではない



949 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/21 15:18:09.21 g+OESOVU0 824/839

ステイル(・・・最大主教直々の呼び出しとはね)

最大主教

イギリス清教のナンバーワンと言ってもいい人間だ

そんな人間が直々に呼び出すとは、信じられないことだった

ステイル「・・・しかも、僕一人か」

普段なら神裂も一緒に呼ばれるはずだ

いくら仕事が入ったとはいえ、不自然でもある


ステイル「失礼するよ」

ガチャリ、とドアを開けると綺麗な髪をした女性が椅子に座っていた

ローラ「あぁ、来ていたのね」

ステイル「今日は日本語ではないのですね」

ローラ「あなただけに話すのに日本語である必要があって?」

ステイル「いえ」



950 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/21 15:27:17.92 g+OESOVU0 825/839

ローラ「ちょっとした伝言があってね」

ステイル「伝言?」

ローラ「・・・あなたは、インデックスのことが心配?」

ステイル「?と言うと?」

ローラ「彼女の身に・・・もしも危険が近づいていたら、それを止めようとする?」

ステイル「当然でしょう」

ローラ「そう・・・とりあえず、そろそろ何か問題が起きてもおかしくない頃だから」

ステイル「・・・何かが起きる、と?」

ローラ「そういうわけではないのよ」

ステイル「・・・とりあえず、それだけですか」

ローラ「えぇ、それだけ」

二人が暫しにらみ合う



951 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/21 15:36:01.64 g+OESOVU0 826/839

ステイル「そんなことだけのために・・・呼んだのですか?」

ローラ「ヒマだったから話し相手がほしくて」

ステイル「そう・・・ですか」

ステイルの頭に青筋が浮かぶ

わざわざ来たのだ

なのにそれだけとは

ステイル「最大主教!!!」

ローラ「まぁまぁ、怒らないで」

ステイル「あなたはいつもそうだ!!!」

ローラ「何が?」

ステイル「分かれよ!!」

頭を抱えながらステイルが叫ぶ



952 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/21 16:00:19.65 g+OESOVU0 827/839

ローラ「その口の利き方はどうかしら」

ステイル「あなたに言われたくはない!!!!」

ローラ「まぁまぁ、それだからインデックスに振り向かれない・・・」

ステイル「それとこれとは無関係だ!!」

ローラ「おや、振り向いて欲しいの」

ステイル「あぁもう!!あなたには緊張感とか体裁とかそういうものがないのか!?」

ローラ「ありけるのよ」

ステイル「いきなり日本語にするな!!!」

ローラ「はぁ・・・これだから思春期の盛んな男は」

ステイル「いい加減黙れよ・・・」

ステイルの眉がヒクヒクと痙攣する

相当頭に来ているようだ


953 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/21 16:37:36.90 g+OESOVU0 828/839

ステイル「とにかく!!僕はあなたと話しているほどヒマではない!!」

ローラ「そのわりにはさっきから・・・」

ステイル「帰らせてもらう!!!」

バン!!と乱暴にステイルがドアを開ける

ローラ「あぁそうそう・・・言い忘れていたのよ」

ステイル「なんですか」

またくだらないことか、とステイルが振り返る

しかしローラの顔を見てぞっとした

そこにあったのは、普段の柔和そうな笑みではない

彼女が何か、悪巧みをしているときの恐ろしい笑顔だった

ローラ「・・・ステイル、お前はイギリス清教の神父よね」

ステイル「・・・えぇ」

その迫力に圧され、ステイルはおのずと頷いてしまう


954 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/21 16:40:08.06 g+OESOVU0 829/839

ローラ「ならば一番にはイギリス清教の利益について考えること・・・」

ステイル「・・・何が言いたい」

ローラ「仕事とプライベートは分けろと言いたいのよ」

ステイル「僕は分けているつもりだ」

ローラ「分けられていないから言っているのよ」

ステイル「・・・」

ローラ「ま、忠告が必要なかったのなら下がりなさい」

ステイル「・・・僕も一つ言っておきたい、最大主教」

ローラ「何かしら」

ステイル「・・・あなたはいささか無用心だ、せいぜい僕のような人間に殺されないように気をつけてください」

ローラ「あぁ、それなら心配ないのよ」

ローラがニヤリと笑う


ローラ「なんなら、今試してみてはどうかしら、私を殺せるか」



955 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/21 16:41:52.20 g+OESOVU0 830/839

ステイル「・・・」

ステイルが周りを見渡す

護衛はいない

何かの仕掛けも無い

魔術的な流れを感じない

そう、最大主教は明らかに無防備だ

ライオンの檻の中に丸裸で入っているようなものだ

そして獅子はステイルだろう

その牙をもってすれば、すぐにでも愚か者を殺せるはずなのだ

それなのに

ステイル(・・・殺せる気がしないな)

彼には恐怖しかなった

なぜこの女はここまで無防備でいられるのか

自信か、慢心か、それとも諦めか



956 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/21 16:44:35.07 g+OESOVU0 831/839

ステイル「・・・やめておきますよ」

ローラ「怖気づいた?」

ステイル「今あなたを殺しても得は無い」

ローラ「よく言う」

ステイル「・・・それに・・・あなたを殺せない」

ローラ「・・・もうよい、下がりなさい」

ステイルが一礼してその場を去る

残された最大主教は笑っていた

ローラ「青いな、ステイル」

ローラ「・・・その青さが命取りになるぞ」

彼女が一枚の資料を取り出す

そこには、イギリス清教の牢獄に入れられている異端者たちの名前が連ねられていた



957 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/21 16:47:54.91 g+OESOVU0 832/839

ローラ「・・・ふふ、本当にさまざまな異端者がいるものよ」

殺人を犯した者

神を冒涜した者

最大主教の暗殺を企てた者

さまざまな異端者が載っていたのだ

その中でも、とりわけ要注意人物とされている人間がいた

ローラ「・・・」

ローラ「禁書目録・・・魔道書の原典そのものを完全に記憶させた自立的図書館」

ローラ「いや、あれは図書館というよりも記憶装置・・・かしらね」

ローラ「・・・ステイルはこちら側、神裂もおそらくは」

ローラ「ならばあとは・・・」


ローラ「そうね、もう少し華が欲しいかしら」



958 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/21 16:50:59.93 g+OESOVU0 833/839

ステイル「・・・最大主教は何を考えている」

何か意味があったのだろう

自分に、インデックスについて問いかけるなど

ステイル「まるで・・・すぐにでもあの子の身に何かが起きるような言い方だったな」

そうは思いたくなかった

だが、あの口ぶりからすると何かの異変が起きるのだろう

ステイル「・・・」

ステイル「僕の物語は始まったばかり・・・か」

右手を強く握り締める

彼がもっとも嫌いな仕草だった

ステイル「はぁ・・・溜め息が出るよ」


ステイル「・・・僕の物語なんて、ただの悲劇なのにね」



959 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/21 16:53:16.55 g+OESOVU0 834/839


上条「・・・はぁ、疲れた」

上条は呟いていた

幸せな学校生活

いや、幸せというよりも騒がしいのだろう

上条「でも楽しいよな」

垣根が体験入学に来てしばらく経った

もうクラスの中心人物になっている

彼は本当に人気者だ

上条「さーて、これからコンビニ行って・・・」

美琴「あ!!当麻ー!!!!」

上条「ん?美琴、どうした?」

美琴「ちょうど当麻のところに行こうと思ってたのよ」



960 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/21 17:01:51.57 g+OESOVU0 835/839

上条「そっか」

美琴「当麻、これからどこ行くの?」

上条「コンビニだよ」

美琴「じゃあ行こう!!」

上条「おう」

二人が手を取り合って歩き出す

幸せな日々の音

そこに、少しずつ不協和音が重なっていく


テクパトル「・・・やっと終わった・・・」

19090「今日は疲れましたね・・・」

テクパトル「お疲れ様」

19090「はい、テっくんもお疲れ様です」



961 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/21 17:03:58.71 g+OESOVU0 836/839

テクパトル「美月、明日は休みだがどうする?」

19090「そうですね、二人で出かけたいです」

テクパトル「おぉ、それはいいな」

二人が並びながら歩く

ゆっくりと、影が伸びていく

真っ黒な影

それに忍び寄るのは、不幸の影だった


エツァリ「・・・ショチトル、どうしました?」

ショチトル「ヒマだなと思ってさ」

エツァリ「そうですか?」

ショチトル「退屈だよ、エツァリ」

エツァリ「退屈とはいいことでもありますよ」



962 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/21 17:05:35.27 g+OESOVU0 837/839

ショチトル「何を言う、磨がれない槍は鈍らだぞ」

エツァリ「はは、手厳しいですね」

ショチトル「で?どうするんだこれから」

エツァリ「いいではないですか、このままで」

ショチトル「いいとは思えないがな」

エツァリ「いいじゃないですか」

エツァリがショチトルの隣に座る

静かな部屋の中

二人は、静かに寄り添っていた

ショチトル「なぁ、エツァリ」

エツァリ「なんですか」


ショチトル「いい加減、その口調をどうにかしろよ」

エツァリ「あぁ・・・それは、まぁ」



963 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/21 17:07:35.74 g+OESOVU0 838/839

静かな日常が流れる

それはまるで川のように

ただ流れ、そして静かに積み重なっていく

静かな流れ

早い流れ

穏やかな流れ

それらがあるとき、少しばかりの渦を生んでしまう

その渦に、ただ人は戸惑うばかりだ

彼らにはそれがまだ分からない


そして、渦は生まれてしまう

渦に飲まれるのは彼らか、それとも



964 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/10/21 17:15:34.39 g+OESOVU0 839/839

次スレはこちら

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1319184599/


雷がヤバイ

一旦落ちます







続き: 27スレ目 上条「恋は!」美琴「儚く!!」心理「愛は」垣根「虚しく」
※編集中です。近日中に公開します。



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