※関連
最初: 美琴「す・・・好きです!!付き合ってください!!」上条「何やってんだ、御坂」
前回: 上条「そして終盤!」美琴「大覇星祭!」垣根「アナウンスはワシじゃよ」心理「誰よ」【後編】
元スレ
上条「みこと!」美琴「とうま!」垣根「マン」心理「そこまでよ」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1313987737/
1スレ目 美琴「す・・・好きです!!付き合ってください!!」上条「何やってんだ、御坂」
http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/kako/1304/13045/1304506297.html
2スレ目 美琴「当麻♪」上条「なんだ、美琴」垣根「俺も仲間に入れて」心理「はいはい」
http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/kako/1305/13053/1305377166.html
3スレ目 上条「美琴、愛してる」美琴「私も♪」垣根「俺も♪」心理「ジャマしないの」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1306063255/
4スレ目 上条「美琴は可愛いな」美琴「えへへ//」垣根「速さが足りない」心理「はいはい」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1306724889/
5スレ目 上条「放さないからな」美琴「うん♪」垣根「話さないからな」心理「しゃべりなさいよ」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1307282872/
6スレ目 上条「抱きしめようか?」美琴「うん//」垣根「抱こうか?」心理「やめて」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1307709819/
7スレ目 上条「守り続けるからな」美琴「うん//」垣根「これがリア充です」心理「あなたもよ」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1308139244/
8スレ目(番外編) 美琴「私の好きな人のことを、それ以上悪く言わないで!」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1308667506/
9スレ目 上条「結婚に必要な物は?」美琴「愛!」心理「お金」垣根「念のため三行半」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1308992651/
10スレ目 上条「まずは!」美琴「そのふざけた!」心理「幻想を!」垣根「守るのこそ愛だ」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1309355502/
11スレ目 上条「マイホームか・・・」美琴「い、いいわね//」心理「そうね」垣根「欠陥住宅か」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1309860801/
12スレ目 テクパトル「あの月はもう、空には出ない」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1310283821/
13スレ目 上条「美琴は可愛いな」美琴「//」垣根「心理定規可愛いハァハァ」心理「やめて」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1310641032/
14スレ目 上条「恋といえば!」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1311066610/
15スレ目 上条「旅行かぁ・・・」美琴「どこ行く?」垣根「ヤっちゃうのか?」心理「黙って」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1311506386/
16スレ目 上条「愛って何かな」美琴「守ること?」心理「信じること」垣根「疑い続けることさ」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1311939697/
17スレ目 上条「始まった・・・」美琴「大覇星祭・・・」垣根「アナウンスは俺」心理「やめて」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1312451177/
18スレ目 上条「引き続き!」美琴「大覇星祭!」垣根「アナウンスも俺!」心理「もうイヤ・・・」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1312969940/
19スレ目 上条「まだまだ続く!」美琴「大覇星祭!」垣根「アナウンスはMeダヨ!」心理「誰よ」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1313206497/
20スレ目 上条「そして終盤!」美琴「大覇星祭!」垣根「アナウンスはワシじゃよ」心理「誰よ」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1313568339/
黒歴史 今日も学園都市には雨が降る
http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/kako/1303/13037/1303730725.html
キャラ紹介
上条・・・言わずとしれたそげぶマン
美琴の彼氏、第一の主人公であり、正義感溢れます
美琴をかなり愛しています
美琴・・・ヒロイン
可愛いです、可愛いです、可愛いです
ツンデレがデレデレになってますが、それもまた(ry
上条さんにメロメロ
垣根・・・本シリーズでおそらくもっとも愛されてるキャラクター
イケメルヘンからギャグまでなんでもござれ
心理定規と付き合ってます、フリーダム
たまにツッコミ
心理定規・・・垣根の嫁
ていとくんに踊らされながらも彼を支えます
おそらく、心理定規タンハァハァって方もいるかと、俺もそうだ
ホント、マスコットキャラ
エツァリ・・・本シリーズで地味なキャラの一人
ショチトルと付き合ってる変態ツッコミ
ショチトル・・・地味キャラだった一人
エツァリと付き合ってます、自称ドMの実際ドM
もはや、ボケキャラ
削板・・・熱い男
黒子の彼氏、地味なはずがわりとキャラが濃い
黒子・・・ですの
削板の彼女、でもお姉さまも相変わらず好きなのでご安心を
一方・・・歪みないセロリ
番外個体の彼氏、そしてロリコン、意外とまともになった
番外個体・・・一方の嫁
やっとセロリと付き合うことに、マジ可愛いよワースト
わりと奥手
テクパトル・・・ダークホース
途中でレギュラーになったにも関わらずていとくんとならび本シリーズの目玉に
こんなはずではなかった
美月こと19090号と恋人に、さまざまな苦難も乗り越えイチャイチャリア充、背中フェチ
19090号・・・テっくんの嫁
勝手に美月と名づけました
後悔はしてません
テクパトルと結ばれましたが未だに照れ屋さん、そしてエロい
20000号・・・変態
しかも、テっくんでヤったこともある変態
たまに男前、でも変態
14510号・・・セロリのことが好きな乙女
めちゃくちゃ乙女
10033号・・・セロリのことが好きな乙女
恋する乙女は強かった
御坂妹・・・可愛いです
なぜかツッコミに
17600号・・・やや遅れて合流した妹達
意外と男前、おっとこまえー
■■・・・名前が思い出せないキャラ
まさかの存在感、俺には理解できない
準レギュ、というかエツァリよりも輝いてる気がする
吹寄・・・垣根に告白、失恋するもやはり友達がいいと気づいた強いキャラ
まさかの準レギュ、そしてツッコミ
おっぱい吹寄
ウイーハルさん・・・違った、初春
削板、黒子の出番でたまに登場
スレ内容
上琴、未元定規がメインのギャグほのぼの
一方通行×番外個体
テクパトル×19090号
削板×黒子
エツァリ×ショチトル
俺×サトリナ
何もおかしいところはない
サトリナさんは俺の嫁
さだのりはジャガイモ
>>1は速さを極めようとしています、ヒマジンというツッコミはなしですw
ただし、ミサカ口調でいじめるように言うツッコミは大歓迎
Mではありません
あと、背中って素敵
それだけ
えー、ちなみに
背中は正義だから
異論は認めないから
グダグダ苦手な方は気分を害しちゃいます
高確率で、うん
今スレもリクエストは受けられませんw
もはや上琴ではなくなってきています
全員が主人公になっていますが、日常では誰もが主人公なんだぜ、という>>1のメッセージです
いや、ウソです
サトリナさんは俺の嫁です
サトリナさんは俺の嫁です
>>1が喜ぶコメは
>>1よ、速さが足りない!!
か
ミサカ口調でけなすようなコメ
か
サトリナさんっぽい優しいコメのあとに、(と、サトリナが>>1の耳元で囁いていました)
です
お願いします、>>1に元気を・・・
すいません、冗談です
サトリナが可愛すぎて死にそう
あ、忘れてた
キャラ紹介
13577号・・・かつて20000号に公開オ○ニーをさせられたため、一時離脱していたミサカ
まさかの復活、でもトラウマは奥底に眠る
10039号・・・かつて20000号に公開オナ○ーをさせられたため、一時離脱していたミサカ
アンコは粒餡派らしい
本編続き
では続きを
>>1も今週末テストなんだけどね
ジャック・オ・ランたん
妹キャラ
恥ずかしがり屋で、常にカボチャの被り物をしている
「トリックオアトリート」を座右の銘にしている
そのため、美味しいお菓子をあげないとイタズラをされる
性的に
出典 ていとうこうじえん
上条「はぁ・・・」
授業中
上条は机に突っ伏していた
土御門「カミやん、小萌先生が泣いてるぜよ?」
小萌「か、上条ちゃんが先生の授業を聞いてくれません・・・」
小萌が震える声で言う
周りのクラスメイトの冷たい視線が痛い
青ピ「カミやんは昨日もお疲れさんやったんやね?」
上条「何がだよ・・・」
土御門「彼女がいると大変だにゃー」
上条「・・・ちげぇ・・・」
吹寄「ちょっとバカ三人、今は授業中よ」
上条「バカバカ言うなよな・・・」
■■「実際バカ」
小萌「はいはい!先生の話を聞いてほしいのです!」
小萌が少し声を張る
なんでも一端覧祭のことを説明しているらしい
が、上条にとっては興味のない話だ
何しろ今年、彼のクラスは展示だけなのだから
劇の一つでも出来るならいいが、体育館は他のクラスが使うらしい
上条「あーあ、もう楽しみはハロウィンなんだけど」
青ピ「?ハロウィンに何かやるん?」
上条「・・・別に、ただ街が活気付くからさ」
本当は、彼も仮装するのだ
だがクラスメイトに話したらまた
「死ねリア充!」
なんて言われるだろう
吹寄(・・・ハロウィンはあさってね)
■■(私は。何になろう)
上条「ったく・・・大体、誰だよクジ引いたのは・・・」
青ピ「そうやなぁ・・・クジで展示に決まったんやもんなぁ」
土御門「まぁカミやんが言える立場じゃないけどにゃー」
ケラケラ、と土御門が笑う
上条が引いていたらどうせ展示になっていたはずだ
上条「はぁ・・・もういいですよ」
上条が窓の外を眺める
他のクラスはすでに準備を始めているらしい
上条(黄泉川先生のクラスかな)
上条はそんなことを考えていた
小萌「授業・・・聞いてください・・・」ウルウル
美琴「んー、疲れた」
美琴は学び舎の園から外に出ていた
理由は簡単、上条のところへ行くためだ
最近はもっぱら一端覧祭の準備で一日が終わる
美琴(はぁ・・・疲れる)
肩を落としながらも、上条の学校へ向かう
上条「おーっす、美琴」
美琴「あ、当麻」
校門の外で二人が落ち合う
周りの視線なんて気にしない
いや、周りも若干諦めてきている
上条「じゃあ・・・帰りますか」
美琴「うん」
上条「なぁ、ハロウィンでは何やるんだ?」
美琴「それは秘密!」
上条「えー・・・だって教えてほしいだろ?」
美琴「と、当麻はなにやるの?」
上条「俺は・・・狼男かな」
上条が苦笑する
彼はそこまで凝るタイプではない
上条「あぁ・・・楽しみだな」
空を見上げて、上条が笑う
上条「・・・ハロウィン、か」
美琴「うん、楽しみ!」
悪戯と理性が交差するとき
物語は始まる
とある月末の道化遊戯
始まり始まり
垣根「・・・ハロウィン当日だぜ」
垣根は家でつぶやいていた
ニヤニヤ、と鏡の前で笑いながら
そう、彼は今からメイクを始めるのだ
心理「で、何にするの?」
垣根「そうだなぁ・・・」
垣根がうーん、と唸る
垣根「心理定規は何にするんだ?」
心理「あら、聞いちゃうの?」
垣根「一応は知っておきたいからな」
心理「私は今年は・・・巫女さんよ」
心理定規が少し顔を赤くする
垣根「?なんでまた」
心理「あなた、巫女が好きなんでしょ?」
垣根「あぁ?だからかよ」
心理「あら、私の巫女はいやかしら?」
垣根「下は全裸か?」
心理「さすがにそれで外を練り歩く勇気はないわよ」
垣根「ちぇー」
垣根がプンプン、と唸る
心理「はぁ・・・で、何をするの?」
垣根「そうだなぁ・・・さすがにベタなのは飽きたし・・・」
垣根がアゴに手をやる
垣根「ストレイト・・・」
心理「そういう細かいのは無理よ」
垣根「ちっ、じゃあアザトースにでも」
心理「人型にしてほしいわね」
垣根「えー・・・」
垣根「じゃあ・・・ゾンビ」
心理「・・・ベタね」
垣根「あ、ガオレンジャーの狼鬼がいい」
心理「あら、素敵ね」
垣根「あれってめっちゃかっこよくない?」
心理「まぁ・・・否定はしないわ」
垣根「ガキの頃、あのかっこよさにしびれたな・・・」
心理「じゃあ、失礼して」
心理定規がメイクを施す
そして二時間後
垣根「どう!?どう!?」
心理「あら、素敵」
垣根「憧れだった狼鬼になったぜ!」
狼鬼の姿になった垣根ははしゃいでいた
上条「・・・狼男は、なんかダメな気がする」
美琴「?」
上条「そうだな・・・じゃあ」
上条「スーパーマンとか」
美琴「・・・」プルプル
上条「な、なんで笑いそうなの?」
美琴「だ、だって・・・」クスクス
美琴がおなかを抱えて笑い出す
上条「な、なんだよ!」
上条が美琴に詰め寄る
美琴「だ、だってスーパーマンって格好おかしいし・・・」
涙目になりながら、美琴が説明する
上条「せ、世界を敵に回したぞ!」
上条「だって、スーパーマンだぞ!?」
上条が拳を握り締める
上条「世界のヒーローなんだぞ!?」
美琴「当麻は私だけのヒーローでいいの!」
上条「あ、うん」
美琴「//」
美琴が顔を赤くする
上条「・・・じゃあ何がいいかな」
美琴「うーん」
二人で必死に考える
上条「あ、ゾンビは?」
美琴「そうね・・・ちょっと怖いけどいいんじゃない?」
上条「いいよな、やってくれ」
上条が美琴の前に座る
美琴「ふんふーん♪」
鼻歌を歌いながら美琴がメイクをしていく
そして
上条「あ、あの」
美琴「ん、なに?」
上条「なんで・・・」
上条「可愛いゾンビになってるの?」
美琴「だ、だって私は可愛いのがいいもん!」
上条「だからって猫耳はないだろ・・・」
美琴「い、いいじゃない!」
上条「・・・というより、猫のお化けになってますね」
美琴「可愛いのがいいの!」
美琴が拳を握る
なんでこうなったのか
上条「まぁいいや・・・美琴は何すんの?」
美琴「えへへ・・・サンタ//」
上条「」
上条「ま、待って!気が早くないか!?」
美琴「でも、コスプレでしょ?」
上条「ミニスカなんだろどうせ!?」
上条が美琴の肩を掴む
上条「だ、ダメだからな!?」
美琴「ちゃんと短パン履くから!」
上条「うっ・・・」
頭の中では二つの思いが渦を巻く
美琴のサンタ姿か、それとも周りのやらしい視線か
上条「ちゃ、ちゃんと履いてくれよな?」
美琴「うん、約束するわよ!」
上条「じゃあ・・・いいや」
美琴「やったぁ!!」
結局
上条は、欲情に負けたのだ
そして、とうとうハロウィンは始まる
外には怪しげな月が輝いていた
上条「・・・ミニスカサンタ・・・いいな」
上条がぽつりとつぶやいた
目の前にいるのはミニスカサンタに紛した美琴
美琴「ジロジロ見ないでよ・・・恥ずかしいじゃない」
裾を押さえながら美琴が上条に言う
そんなに恥ずかしいなら着なきゃいいのに、とも思ってしまう
しかしこれはなかなかにいい光景なためそんなことは言えない
上条「・・・さて、時間もそろそろいいんじゃないか?」
上条が時計を見る
午後の6時
外は陽が傾きはじめている
美琴「じゃあ・・・まずはどこを襲撃する?」
上条「もちろん、垣根のとこだろ」
二人がニヤニヤと笑う
ハロウィン
唯一、合法的にイタズラをできる日だ
オカルトなんてまったく興味のない学園都市
しかし、それでもこういった行事は人気なのだ
上条「日頃から垣根にはめちゃくちゃされてるからな・・・」
美琴「今日ぐらいは仕返ししないとね!」
美琴がドアへ向かう
そこを開けば、少し異様な空気が二人を包むのだろう
上条「いざ・・・」
上条もドアの前に立つ
ゴクリ、と生唾を飲み
そして開けようとした
その時
垣根「ははは!トリックオアトリート!」
上条「」
疫病神がやってきた
美琴「ま、まさか!?」
上条「お前・・・読んでたのかよ・・・」
垣根「おいおい・・・いまさら俺の家を目指して、成功するとでも?」
垣根「速さが足りないっ!」
美琴「うぅ・・・お菓子用意するの忘れてた・・・」
上条「ていうか垣根・・・声で分かったけどなんだよそりゃ」
垣根「おう、ガオレンジャーの狼鬼だよ」
心理「ずいぶん凝ってるでしょ」
垣根の後ろから心理定規が歩いて来る
上条「うわ・・・心理さんもまたすごいな」
美琴「巫女さん・・・」
心理「あら、美琴はサンタなのね」
垣根「おーい、お菓子は?」
上条「ま、まだ買ってなかったんだよ・・・」
垣根「・・・はぁ?」
垣根が顔をしかめる
上条達は、仮装に夢中になっていたせいでお菓子の用意を忘れていたのだ
垣根「クソが・・・」
美琴「ゴメン・・・今から買いに行くから・・・」
垣根「いや、ここはもうイタズラが決定してしまいました」
垣根が美琴に迫る
美琴「な、何!?」
垣根「あひゃひゃ!イタズラと言えば性的なもの!」
上条「ふざけんな!許さねぇからな!」
垣根「お菓子を用意しなかったのが悪い!」
心理「垣根、みっともないわよ」
垣根「うるせぇ!」
垣根がなぜか涙目になる
垣根「俺はお菓子もしっかり用意してたんだよ!」
美琴「あ、意外と律儀なのね」
垣根「食うか食われるかの攻防戦!」
上条「そこまでじゃないだろ」
垣根「速さを競う楽しさ!」
美琴「なんか目的が・・・」
垣根「なのにお菓子を買ってない!?」
垣根「ふざけんじゃねぇよ!」
頭を抱えながら垣根が叫ぶ
どれほど楽しみにしていたのか
心理「でも、今から買いに行くんでしょ?」
上条「あぁ・・・他のヤツらも来るはずだし」
垣根「だから!なんで」
心理「ちょっと黙ってなさい」
垣根「うぅ・・・」
上条「はぁ・・・お前達にはあとでお菓子渡すからさ」
上条が申し訳なさそうに頭をかく
美琴「ついでだし一緒にどっか襲撃しに行かない?」
垣根「ちっ・・・まぁ悪くはないかな」
垣根が頷く
心理「じゃあ、どこにする?」
上条「そうだな・・・」
上条「テクパトルのとこでいいんじゃないか?」
テクパトル「・・・美月、それはちょっと・・・」
テクパトルは部屋で顔をしかめていた
理由は単純
19090号の仮装があまりにも大胆だから
19090「ですが・・・魔女がベタでよくないですか?」
テクパトル「・・・胸がざっくり空いてるじゃないか」
テクパトルがため息をつく
彼としては彼女の体が他の男に見られるのはあまり嬉しくない
20000「おー、テっくんはフランケンシュタインか」
テクパトル「・・・なんでお前は水着なんだよ」
20000「ミサカだけじゃないよ、他のミサカも全員」
テクパトル「お前達は一歩も外には出るなよ」
20000「えー」
テクパトル「えーじゃない!」
テクパトルが頭に青筋を浮かべる
19090「あれ、テっくん・・・」
テクパトル「ん、どうした?」
19090「ドアがノックされませんでしたか?」
テクパトル「」
テクパトルは言葉を失った
ハロウィン
ドアがノックされる
つまり
テクパトル「来た・・・」
誰かがやって来たのだ
わざわざ病院にまで出向くということは、いつものメンバーの中の誰かに違いない
テクパトル「・・・はいはい」
仕方なくドアを開ける
上条「トリックオアトリート!」
美琴「お菓子ちょうだい!」
心理「お菓子がないなら」
垣根「イタズラしちゃうぞ!」
テクパトル「・・・お前らかよ・・・」
頭が痛くなってくる
いや、上条と美琴、心理定規なら問題ないのだ
ただ一人
垣根「お菓子!」
めんどくさすぎる男が来てしまった
テクパトル「はぁ・・・チョコレートでいいか?」
上条「お、サンキュー!」
垣根「よかったな!これでイタズラは免れたぞ!」
垣根が大喜びでチョコレートを食べる
テクパトル「ちなみに垣根のは超ビターだ」
垣根「うぼぁ!」
あまりの苦さに垣根が騒ぐ
心理「あら、私たちのは普通なのね」
美琴「19090号は魔女なのね」
19090「お姉様はサンタですか・・・」
テクパトル「季節外れだな」
美琴「いいじゃない」
上条「俺は猫のお化けだぜ」
テクパトル「いいからとりあえずその猫耳を外してくれ」
上条「じゃ、テクパトル達も一緒に襲撃するか」
テクパトル「あぁ、次はどこだ?」
垣根「・・・削板のとこに」
垣根が言いかけたとき
削板「ははは!トリックオアトリート!」
垣根「」
後ろに突然、削板と黒子が現れた
上条「うわっ!削板はアカレンジャイか・・・」
美琴「黒子は・・・」
黒子「わたくしは女騎士ですの!」
甲冑の仮装を身に纏っている
なかなか手の込んでいる仮装だ
削板「ははは!俺達の所を襲撃するつもりだったのか!?」
垣根「ちっ・・・やるなお前」
削板「いやぁ、垣根の家にも行ったんだけどもう出掛けた後だったみたいでさ」
垣根「ほぅ・・・なかなかにいい速さじゃねぇか」
上条「いや、そういう勝負じゃないからな」
テクパトル「はぁ・・・削板達はキャンディーな」
テクパトルがキャンディーを取り出す
垣根「俺にはまずいの渡したくせに!」
テクパトル「いいだろ、お菓子だし」
垣根「イタズラするもんね!」
垣根が19090号の胸に手を伸ばす
美琴「あ、こらやめなさい!」
彼の手が19090号の胸に
触れることはなかった
垣根「・・・あれ?」
テクパトル「・・・」
テクパトルが、その腕を掴んでいたからだ
垣根「あ・・・」
テクパトル「・・・」
垣根「ご、ごめんなさい」
テクパトル「・・・減点だな」
垣根「」
上条「垣根がどこかに連れていかれて5分」
美琴「私達は震えながら、彼等の帰還を待っていた」
心理「でも、いつまでも帰ってはこなかった」
削板「そして、俺達は」
テクパトル「おい、ヘンな話にしないでくれよ」
19090「あ、テっくん」
垣根「・・・もうしません」
テクパトル「分かればいいんだよ」
テクパトルが笑う
だがなぜか目が怖かった
黒子「それで・・・次はどこを襲撃されますの?」
テクパトル「そうだな・・・エツァリのとこがいいかな」
上条「エツァリのとこか・・・」
美琴「いいんじゃない?ここからはそんなに遠くないし」
19090「では行きましょう」
削板「了解!」
血に飢えた8人がエツァリ達のところへ向かう
哀れなるエツァリ
彼はその頃、何も知らずに仮装の準備をしていた
エツァリ「ふふふ・・・これはなかなか」
鏡の前
エツァリは笑っていた
彼は今、海原光貴の顔になっている
ショチトル「・・・それは仮装なのか?」
エツァリ「えぇ、おおまかに言うならば」
ショチトル「ふーん・・・」
ショチトルはメイドになっていた
ハロウィンというのは不気味な仮装をするのではなかったか
そんな疑問が頭に浮かんでしまう
ショチトル「第一・・・お前のそれは手抜きではないだろうか」
エツァリ「おや、これで意外と下準備はしたんですよ」
エツァリが微笑みながら答える
ショチトル「?海原の皮膚はもともと持ってただろ」
エツァリ「いえ、ヒマだったのでまた海原にもらいました」
ショチトル「」
エツァリ「もちろん、別の人間な顔に化けましたよ?」
ショチトル「いや、なんて言ってもらったんだ」
エツァリ「皮膚提供が必要な患者がいて、と」
ショチトル「嘘じゃないか」
エツァリ「あまり気にしないでください」
ショチトル「いや、気にするからな」
エツァリ「とりあえず、穏便に手に入れましたよ」
ニコニコ、とエツァリが微笑む
ショチトル「・・・その顔はあまり好かないんだがな」
エツァリ「おや、そうですか」
少し驚いたようにエツァリが言う
ショチトル「・・・だいたい、お前は素顔で・・・」
十分男前なのに、とショチトルが言おうとしたが
そこでチャイムが鳴った
はっとした顔で二人が時計を見る
午後の7時
そう、非常に危ない時間帯だ
エツァリ「・・・どなたですか」
渋々、エツァリが扉を開く
上条「トリックオアトリート!」
エツァリ「おや・・・みなさんほとんどお揃いですか」
垣根「お菓子をよこせクソ野郎!」
エツァリ「垣根さん・・・なんですかその凝った仮装は」
美琴「うわ・・・エツァリさんは海原の顔なんだ」
エツァリ「うわってひどいですよ、海原に対しても」
美琴「なんか・・・その顔見てると、ストーキングされてた頃を思い出すなぁ」
美琴がぽつりとつぶやく
エツァリはかつて、美琴に惚れていたのだ
上条「そういやそんなこともあったな」
テクパトル「エツァリ・・・お前はそれで組織を裏切ったんだったな」
19090「・・・ストーカーとはひどいです」
エツァリ「今は違いますからね!?」
削板「分かったからお菓子!」
エツァリ「はいはい・・・クッキーでいいでしょうか」
上条「サンキュー!」
ショチトル「ん、一方通行達以外は揃ってるみたいだな」
黒子「あら、ショチトルはメイドなんですのね」
ショチトル「あぁ」
テクパトル「なんか・・・エツァリに無理矢理着させられてるみたいだな」
心理「・・・」
テクパトルの一言で、一同がエツァリを睨む
きっとそうだ
いや、そうに決まっている
エツァリ「ち、違いますよ!?」
慌てて手を振りながら否定するエツァリ
テクパトル「慌ててるな」
美琴「最低」
削板「さすがにフォローできないな」
19090「・・・ちょっと気持ち悪いです」
垣根「エッチィのは嫌い!」
エツァリ「違いますから!ショチトルからも説明してください!」
ショチトル「いやぁ、お兄ちゃんがメイドになれメイドになれって」
エツァリ「言わなかったですよね!?」
心理「エツァリ君、私に被害を及ぼさないなら別に構わないから近寄らないで」
エツァリ「拒絶してますよねそれ!?」
美琴「あぁ、もしかして海原の顔になったのも」
上条「まさか・・・美琴にまたストーキングするつもりなのか!?」
エツァリ「な、なんでそうなるんですか!」
エツァリが必死に首を横に振る
かなり真剣な表情で
黒子「ジャッジメントですの、婦女暴行及び」
エツァリ「信じてくださいよ!」
テクパトル「エツァリ、アステカの恥だな」
エツァリ「あぁ分かりました!みなさんは今鬼の皮を被った仮装をしているんですね!」
19090「な、なんだか意味のわからないボケをかましてきました」
上条「エツァリ・・・」
上条がなぜか右手を握り締める
そう、あれをやるつもりなのだろう
エツァリ「ま、待ってください!」
上条「じゃあなんでショチトルはこんな格好をしてるんだよ!?」
エツァリ「で、ですから!」
今の状況では、真実を伝えるしかない
エツァリ「彼女が自ら着たいと言い出したんですよ!」
一同「」
テクパトル「あ、あぁ・・・なるほどな」
19090「わ、悪いことではないですよ?」
美琴「な、なんかメイドも可愛いし・・・」
ショチトル「あぁそうだな、気持ち悪いって思われてるのはよく分かった」
垣根「いや、メイド姿にさせようとしたエツァリが気持ち悪いんだよ」
エツァリ「だから自分が言ったんじゃありませんよ!」
上条「誤解が解けてよかったな、次は一方通行のとこだっけ?」
美琴「うん、そうね」
削板「あいつはバカバカしいとか言ってやらなそうだな・・・」
垣根「あぁ、分かるな」
エツァリ「」
エツァリ「あの、謝罪とかは無しですか?」
一同「反省してまーす」
エツァリ「分かりました、とりあえず金星を確認してきます」
19090「テっくん、助けてください」
黒子「軍覇さん、守ってくださいな!」
心理「垣根、私・・・ちょっと怖い・・・」
美琴「当麻ぁ・・・」
男一同「エツァリ、ちょっと表に出ようか」
エツァリ「」
ハロウィン
イタズラをしても合法的に許されてしまう一日
そんな少し不気味な夜の街角
哀れな男の叫び声がこだました
一方「・・・」
番外「あははははは!!!!一方通行の猫耳とか笑えるんだけど!」
打ち止め「かっこ悪い!ってミサカはミサカは爆笑してみたり!」
一方「・・・」
番外「な、なんか反応してよ」
一方「・・・なよ」
番外「はい?」
一方「ふざけンなよ!!!!!!!!!!!」
一方通行が猫耳をむしろうとする
番外「あぁ!!もったいない!」
打ち止め「似合ってるのに!ってミサカはミサカは・・・」
一方「似合ってねェよ!」
猫耳を取り、床に投げつける
一方「俺はこういうキャラじゃねェンだよ!」
番外「いまさらロリコンが何言ってんの?」
一方「」
打ち止め「じゃあミサカがこの猫耳・・・」
番外「はぁ!?ミサカがつけるんだし!」
打ち止め「一方通行の残り香があるこの猫耳は渡さない!ってミサカはミサカは譲らない!」
番外「ミサカのもんだぁ!」
一方「」
一方通行が無言で二人から猫耳を奪う
番外「あれ?どしたの?」
打ち止め「?」
一方「・・・」
そして、もう一度装備する
自分からなんて気持ちが悪い
一方「・・・あひゃっ!」
一方「あひゃひゃひゃひゃ!!!!!!」
番外「ど、どうしたの?」
一方「見ろよ!一方通行nekomimimodeだぜ!!」
打ち止め「お、落ち着いて!ってミサ」
一方「ネコミミモード!!!!」
一方「ネコミミ」
ピンポーン
番外「あ、誰か来た」
番外個体がドアへ向かう
上条「トリックオアトリート!」
番外「おっ、みなさんお揃い?」
垣根「あぁ?お前仮装してないのかよ」
番外「いやぁ、それがね・・・」
番外個体が部屋の中を差す
一方「ネコミミモード!!ふにゃぁ!!」
打ち止め「な、なんか一方通行が壊れた!ってミサカは」
美琴「なんだ、いつもよりまともになってるじゃない」
ショチトル「よかったな、大人しくなって」
削板「平和が一番!」
エツァリ(・・・ツッコみたいです)
垣根(下ネタはやめろ)
垣根「はぁ、なんで仮装してないんだよ」
一方「にゃんにゃん♪」
19090「目を覚ましてから首を吊って下さい」
一方「」
黒子「一方通行さんはなぜ血迷ってますの?」
心理「暑さでやられたんじゃない?」
上条「もう10月末だぞ?」
一方「・・・俺にはこれくらいしかできねェンだよ」
垣根「あぁ?お前はもう光の世界に戻ってきたんだろ?」
一方「・・・あァ」
垣根「なら、こんな明るいイベントもなんのそのさ」
一方「・・・俺は、猫耳を外してもいいのか?」
垣根「もちろん」
垣根が頷く
一方「・・・あばよ猫耳」
そっと、床に猫耳を置く
これで、ネコミミモードから卒業
垣根「おめでとう」
ショチトル「おめでとう」
番外「おめでとう」
一方「・・・ありがとォ」
美琴「あ、お菓子いっぱい!」
上条「打ち止めも食べるか?」
打ち止め「うん!!」
19090「テっくんも食べますか?」
テクパトル「あぁ・・・って打ち止めどうした?」
打ち止め「うぉー!ビン詰めのキャンディーの蓋が開かない!ってミサカはミサカは苦難に溢れた顔で叫んでみたり!」
心理「あら、なかなか頑丈そうな蓋ね」
テクパトル「ん、貸してみな」
テクパトルがビンを受け取る
そして、いとも簡単に蓋を開ける
テクパトル「はいよ、子供にはきつかったかもな」
打ち止め「・・・」
テクパトル「ん、どうした?」
打ち止め「な、なんでもないよ!ってミサカはミサカはあたふたしてみたり!」
一方「テクパトル!!てめェミサカ誑し発揮してンじゃねェよ!」
19090「テっくん!見境ないのはダメですよ!」
テクパトル「な、なにがだよ!?」
上条「いや、一方通行は非力だからな」
美琴「きっと打ち止めも強い人に憧れるのよ」
打ち止め「//」
一方「」
垣根「お、キャンディーうめぇ」
エツァリ「おや、これはハッカですね」
ショチトル「スースーするな」
削板「はぁ・・・美味しいな」
一方「・・・俺、強くなるよ母ちゃン」
番外「なんで落ち込んでるのさ」
美琴「・・・で、次はどこを攻めるの?」
垣根「■■と吹寄のとこ」
上条「あぁ・・・あの二人、今日学校で一端覧祭の準備だぞ?」
垣根「ほう」
垣根がニヤニヤとする
垣根「いいじゃねぇか」
上条「はぁ?なんで?」
美琴「お菓子はないじゃない」
垣根「だからだよ」
垣根が立ち上がる
なぜか、笑みを浮べて
垣根「それはつまり、合法的にイタズラが出来るってことさ」
一方「・・・なにするつもりだ」
垣根「なぁに」
垣根「文化の真髄さ」
一同「はぁ?」
吹寄「・・・はぁ、まさか今日に限って居残りとはね」
■■「仕方ない。と思う」
吹寄「・・・せっかくハロウィンの用意はしてたんだけどね・・・」
■■「私も」
吹寄「でも、一端覧祭を盛り上げるためよ!」
■■「それでこそ吹寄」
吹寄「・・・ったく、デルタフォースが真面目にやらないから」
■■「あの三人は。仕方ない」
吹寄「なんであんなにやる気を出さないのかしら?」
■■「逆。彼らがやる気を出したほうが不気味」
吹寄「それもそうね」
黙々と、二人は作業を進める
吹寄(・・・みんな、何してるんだろ?)
垣根「ははははは!!!!速さが足りないっ!」
吹寄「ねぇ、ちょっと私の頬をつねってくれない?」
■■「ついでに私も」
二人が互いの頬をつねりあう
痛い
吹寄「・・・そう、きっと幻聴ね」
■■「違いない」
垣根「幻聴じゃないんだなぁ!」
吹寄「・・・」
■■「何しに来たの?」
垣根「お前に会いたかったんだよ!」
吹寄「えっ・・・」ドキッ
垣根「姫神!」
■■「まぁ」
吹寄「・・・」
上条「おーっす、トリックオア・・・って言っても意味ないか」
心理「お疲れ様」
吹寄「あら、みんなも来たの?」
■■「賑やかになった」
美琴「・・・展示なんだ・・・」
吹寄「えぇ、上条がまったく・・・」
垣根「んなこたぁどうでもいいんだよ!!」
垣根が机をたたく
垣根「さぁ!!お菓子は!?」
吹寄「は?学校にそんなもの持ってくるのは不良だけよ!」
上条(な、なんて優等生・・・)
一方(・・・ちっ)
番外「へぇ・・・お菓子はないんだ」
ショチトル「それは残念だなぁ」
垣根「じゃ、イタズラだな」
■■「待って。イヤな予感がする」
垣根「あぁ?文句言うなよ」
垣根が二人に近づく
吹寄「な、なんで油性ペンを取り出すの!?」
垣根「ひゃひゃ!!イタズラだぜこら!」
番外「ミサカも協力するぜっ!」
吹寄「ふざけないでよ!」
吹寄が教室の端に逃げる
しかし、それは他に逃げ場がないということ
垣根「まずはてめぇだ!!」
番外「放送禁止用語のオンパレードにしてやんよ!」
吹寄「た、助けて姫神!」
■■「私には。わからない」
垣根「・・・覚悟はいいか」
吹寄「・・・貴様こそ、本気?」
垣根「あぁ、本気さ」
垣根がペンのキャップを取る
もはやためらいなどない
垣根「じゃあな、吹寄」
吹寄「・・・ちっ!」
吹寄が歯を食いしばる
使いたくはなかったが
吹寄「悪いわね垣根!」
吹寄が蹴りをくらわせる
無防備な垣根の股間に
垣根「うぉっ!?」
垣根が悶える
地面を転がりながら、垣根が叫ぶ
垣根「垣根が死すともイタズラ死せず!!」
一方「なァ、俺たちはどうするンだよ」
ショチトル「さぁ?」
垣根「・・・ちくしょう!大体なぁ!」
垣根が■■を指差す
垣根「まずお前は巫女さんになるべきだろ!?」
■■「別に。私は巫女さんじゃない」
垣根「はぁ!?」
■■「それに。心理定規がもう巫女になってる」
垣根「それとこれとは別だろうがぁ!?」
■■「・・・上条君の彼女はサンタさん」
美琴「えぇ・・・季節外れだけど」
■■「というか。垣根はなぜ狼鬼?」
垣根「分かるか!?これが!?」
■■「でも。君はクールじゃない」
垣根「」
垣根「ちっ、おお神よ」
■■「つまんない」
垣根「・・・あーあ、お前らの仮装結構楽しみにしてたのによ」
■■「どうして?」
垣根「そりゃ、オリジナリティーの見せ所だからな」
■■「とりあえず。そのメイドはおかしい」
■■がショチトルを指差す
ショチトル「なんだと?」
■■「おかしい」
垣根「おいおい、ケンカはやめようぜ」
■■「私は。それはおかしいと思う」
心理「まぁ・・・たしかに」
ショチトル「お兄ちゃんは喜んでくれるぞ?」
ショチトルが顔をしかめる
また、空気が凍った
エツァリ「ショチトル・・・?」
垣根「・・・エツァリ、黙って帰れ」
エツァリ「な、何度も言っていますが!」
美琴「もう近づかないで」
エツァリ「」
一方「きめェな」
エツァリ「」
垣根「さーて、ハロウィンでせっかく仮装したんだ」
美琴「このまま帰るのももったいないかしらね」
上条「じゃあ・・・何する?」
垣根「そうだなぁ・・・」
垣根が考える仕草をする
心理「じゃあ、お互いに点数とかつけてみる?」
番外「おっ、批評会ってことね」
一方「じゃあまずは・・・」
上条「美琴は100点だな」
垣根「ふざけんな、季節外れだし50点だろ」
■■「でも。短パンを履いているガードの高さはさすが」
削板「じゃあ、70点くらいかな」
黒子「あら、100点でいいですの」
心理「じゃ、80点でいいわね」
上条「・・・俺は?」
一方「猫のお化けは・・・な」
吹寄「なんか、上条には合わないわね」
上条「だよなぁ・・・」
美琴「えー・・・似合うわよ」
垣根「うーん・・・40点?」
一方「男の仮装はつまんねェからな」
打ち止め「40点だね!ってミサカはミサカは結論付けてみたり!」
心理「じゃあ、私は?」
垣根「100点」
テクパトル「そうか?70・・・」
垣根「100点」
垣根「100点!」
垣根「100点!」
垣根「100点!」
垣根「はーい!!3対1でテクパトルの負け!100点!」
19090「ですが、下は全裸ではないんですよね?」
垣根「」
垣根「じゃあ100点」
19090「結局ですか・・・」
垣根「はぁ・・・俺は?」
吹寄「・・・ねぇ、それはなんなの?」
垣根「狼鬼だよ」
吹寄「うん・・・だからなに?」
垣根「ガオシルバーが昔封印されちゃったんだよ!」
■■「たしか。敵の力の一部の影響を受けたんだっけ」
垣根「そうそう」
吹寄「へぇ・・・そのキャラに化けたんだ」
番外「でも、そこまで似合ってないよ」
垣根「」
19090「では、60点ですね」
垣根「え、マジ?」
美琴「ふん、当麻をバカにしたからよ」
垣根「」
美琴「じゃあ・・・テクパトルね」
番外「フランケンか」
一方「・・・ベタだなァ」
打ち止め「で、でも似合ってるよ・・・」
一方「打ち止めァ!!こいつは誑しだァ!!」
テクパトル「はぁ・・・」
ショチトル「50点かな」
上条「19090号は・・・」
エツァリ「かわいらしいですね」ニコ
19090「やめてくださいセクハラで訴えますよ」
エツァリ「」
垣根「可愛いんじゃねぇか?」
削板「あぁ、なかなか似合ってるぞ!」
19090「ありがとうございます//」
エツァリ「」
上条「19090号は90点か・・・」
ショチトル「私は?」
上条「目が点、次は・・・」
ショチトル「」
削板「俺のゴレンジャイはどうだ!?」
美琴「な、なんていうか・・・」
■■「似合いすぎている」
黒子「えっと・・・100点ではないでしょうか?」
削板「おぉ、そうか!」
心理「まぁ、似合ってるものね」
打ち止め「ヒーローさん!ってミサカはミサカははしゃいでみたり!」
削板「アカレンジャイ!!」
垣根「五人揃って!!」
垣根・削板「ゴレンジャイ!!」
一方「・・・白井は女騎士か・・・」
黒子「そうですの!」
番外「似合ってるけど、なんかちょっと面白いね」
美琴「甲冑の横からツインテールが出てるもんね」
黒子「そこがチャームポイントですの」
■■「でも。なかなか面白い」
吹寄「85点かしらね」
垣根「そんなとこだな」
エツァリ「え、自分・・・」
垣根「はぁ、ハロウィンもおしまいか・・・」
垣根が時計を見つめる
もう夜の10時だ
吹寄「あれ、そんな時間?」
■■「そろそろ帰らないと」
垣根「じゃあ、解散!」
垣根が大きく手を広げる
上条「あー、暑かった」
美琴「まだ暑いのよねー」
ショチトル「だよなー」
番外「早く涼しくなればいいのになー」
エツァリ「」
垣根「お、■■と吹寄、一緒に飯でも食いに行くか?」
■■「それは。ありがたい」
心理「あら、またこのメンバーね」クスクス
上条「なんだよ、俺たちもいいか?」
垣根「しゃあねぇな」
美琴「あ、じゃあみんなで行かない!?」
黒子「あら、いいですの」
エツァリ「あ、では自分も・・・」
ショチトル「あ、お兄ちゃんは家に帰っててくれないか?ちょっと戸締りしたか心配だし」
エツァリ「」
一方「じゃ行くかァ」
テクパトル「あぁ」
19090「おなかすきました!」
心理「賑やかね」クスクス
エツァリ「」
垣根「じゃ、行こうぜ!」
上条「おー!」
ハロウィン
道化達が騒ぐ夜
誰かに化ける夜
ただ、エツァリだけは
顔で笑って心で泣いて
ピエロを演じていた
185 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/23 13:33:08.68 XmHy42gU0 131/736ハロウィン編はこんなものでww
エツァリさんはいじられてこそだと思うんだ
でも、>>1はエツァリ大好きだよ
インさんの何倍も好きだよ
次は・・・番外通行、ゲーセンへ行くの巻
一方「・・・なァ番外個体」
ある昼下がり
外では学生が一端覧祭の準備をしている季節
番外「ん、なに?」
一方「お前、ゲーセン行きたいか?」
番外「はぁ?」
二人は、ソファーに寝転がりながらそんな話をしていた
一方「・・・行きたくねェか?」
番外「あー・・・興味はあるけど、誰と?」
一方「俺とだよ」
番外「アナタと?」
番外個体が少し驚いたように訊ねる
番外「アナタ、あんまりそういうのしなくない?」
一方「まァな」
番外「じゃあなんで?」
一方「・・・いいじゃねェか」
番外個体がふと一方通行のほうを見る
なにかチラシを握っていた
番外「それなに?」
一方「・・・いいだろォが」
番外「ちょっと見せて」
番外個体がチラシを奪う
そこには、あるキャンペーンが書かれていた
番外「なになに・・・今なら先着500名様にゲコ太ストラッププレゼント・・・」
一方「・・・ゲーセンだろ、そこ」
一方通行が不機嫌そうに言う
番外「ミ、ミサカのため?」
一方「・・・」
番外「・・・ねぇ?」
一方「俺が行けば二つもらえるだろォが」
一方通行がぼそりとつぶやく
一方「打ち止めの分をもらえるし、いいじゃねェか」
番外「そっちはついで?」
一方「・・・お前がついでだ」
番外「・・・そうなの?」
一方「・・・いいだろォがどっちでも」
不機嫌そうな一方通行
なぜだか、顔が赤い
番外「ねね、ミサカとデート?」
一方「・・・ちげェよ」
番外「デートしたいの?」
一方「ニヤニヤすンなよ・・・」
番外「ミサカはいいよ、行きたい」
一方「じゃあ準備しろよ」
一方通行がソファーから起き上がる
一方「・・・なァ」
番外「な、なに?」
一方「俺、あンまゲーセン行ったことないンだけど」
番外「そりゃそうだね」
一方「・・・なンとかゲコ太ストラップはもらえたな」
番外「そうだね・・・じゃあ」
一方「帰るか」
番外「ん?ちょっと待ってよ」
一方「・・・なンだよォ・・・」
番外「いやいや、せっかく来たんだよ?」
一方「・・・」
番外「遊んでいこうよ」
番外個体が一方通行の袖を引っ張る
しかし、彼はこういうところが好きではない
何しろ、音楽がうるさく掛かっていて、スキルアウトは溜まっていて
もちろん、最近はスキルアウトも沈静化しつつあるが
一方(・・・ちっ、ギャーギャーうるせェな)
周りで若い男女が騒いでいる
番外「ねぇ、いいんじゃない?遊んでも」
一方「俺はこういう場所が嫌いなンだよ」
番外「いつもはみんなと騒いでるじゃん」
一方「あいつらは特別なんだよ」
さらり、と一方通行が言う
それ自体がなかなか驚けることなのだが
番外「ふーん」
一方「・・・お前は一人でやればいいだろ」
番外「あ、じゃあ他の男の子でもナンパするかな」
番外個体がケラケラと笑う
一方「・・・いや、ちょっと待てよ」
番外「なに?帰るんじゃないの?」
一方「お前今なンて言ったよ?」
番外「他の子ナンパする」
一方「・・・あァ?」
番外「いいじゃん、アナタは一緒に来てくれないんでしょ?」
一方「いやいや、なら行くから」
番外「ふへへ!!ラッキー!」
番外個体が一方通行の手を握る
番外「まずはクレーンゲームだ!」
一方「そォかよ」
番外「よーし!やってみよう!」
番外個体がクレーンゲームの前に立つ
一方「・・・で?」
番外「お金ちょうだい」
一方「ふざけンな」
番外「えー、だってミサカお金持って無いもん」
一方「はァ・・・」
一方通行が財布を取り出す
中には、お札しかない
一方「崩してこいよ」
ぽん、と一方通行が万札を渡す
番外「うっわ・・・成金っぽい」
一方「足元が暗くて見えませン」
番外「ほら、これで明るくなったろう?」
一方「・・・で、崩してきたのはいいけどよ」
番外「これってどうやってやるのかな?」
二人は首を捻っていた
普通のクレーンゲームなら、二人だってさすがに分かる
しかしなんでも「最新の機器」らしく、ボタンがない
一方「説明もねェのかよ」
番外「あ、ここに書いてある」
番外個体がクレーンゲームの側面を指差す
なにやら、頭にかけるヘッドフォンのようなものもある
番外「なになに・・・?」
一方「これを頭につければ脳波で操れるンだとよ」
番外「え?それって楽じゃない?」
一方「いや、気の迷いとかあるから逆に難しいンじゃねェか?」
番外「よーし!じゃあミサカから!」
番外個体が頭に機械をつける
番外「さて・・・」
番外個体が意識を集中する
すると、本当に機械が動いた
番外「うおっ!すっげぇ!」
一方「おい、止まったぞ」
番外「あ、集中しないといけなかったね」
一方「次は横の動きだろ」
番外「よ、横の動きとか下ネタなやめてよぉ」
ニヤニヤ、と笑いながら番外個体が腰をくねらせる
一方「早くしろよ」
番外「ちぇー」
番外個体が再び意識を集中する
番外「ここだ!」
一方「・・・」
一方「お前がほしかったのは、このていとうこストラップか?」
番外「ううん、その奥のゲコ太」
一方「ずれすぎじゃねェか」
番外「ちっ、ていとうこはいらね」
適当に番外個体がクレーンを下げる
一方「この距離なら取らなくて済むだろ」
番外「うわっ!なんかストラップが動いてる!」
一方「あァ?」
一方通行が覗き込む
ていとうこストラップがなぜか動いている
番外「クレーンにくっついてきた!」
一方「振り落とせよ」
一方「・・・結局取っちまったなァ」
番外「これ、あとで捨てる」
二人はていとうこストラップを見つめていた
なぜか「アソボウヨ」と言っている
なんでも、なかなか人気なマスコットらしい
一方「次は・・・」
番外「シューティングゲームとかどう?」
番外「見て見て!本格的じゃない!?」
番外個体がシューティングゲームの前ではしゃぐ
彼女はこういった類のものは全く未体験なのだ
一方「・・・何が本格的だよ」
一方通行はため息をついていた
彼は実際に銃を握ったことさえあるのだ
今さらゲームの中で銃を握れたところで快感など覚えはしない
番外「ねぇ、1P、2Pって何?」
一方「この手のゲームは二人一組でやるもンなんだよ」
番外「ふーん・・・一人目、二人目ってわけか」
番外個体が頷く
番外「でもさ、ミサカ達なら楽勝っぽくない?」
一方「当たり前だろォが」
一方通行がため息をつきながらコインを入れる
正直、全く興味が湧かないのだ
一方「・・・俺は2Pな」
番外「えー、なんで援護なの?アナタはバンバン前に出るタイプでしょ」
一方「うるせェよ」
一方通行が不機嫌そうに言いながら座る
番外「ミサカが前線に曝されてもいいっていうのか!?」
一方「構いませンけど」
番外「なんでさぁ!」
一方「始まったぞ」
一方通行が顎でゲーム画面を差す
番外「おっといけね!」
ゾンビ達が襲撃をして来る
それを返り討ちにする、という内容のゲームだ
一方「ベタすぎンだろ」
番外「いいじゃん、内容よりも楽しめるかどうかだし」
番外個体が笑う
一方「・・・なるほどな、これが引き金になってるわけか」
手元の機械をカチャカチャと動かす
番外「お、当たった!」
一方「・・・無駄撃ちすると点数が少なくなるみてェだな」
番外「じゃ、ハイスコア目指していきますか」
真剣な表情をしながら番外個体がゲーム画面を見つめる
なんでも、プレイヤー側にも体力があるらしい
体力が切れたら負け
さらに、仲間との前線、援護の交代は自由だが交代した際には連続で敵を殺したコンボ数がリセットされる
番外「コンボが高いほど点数ボーナスが付いていくわけなんだね」
一方「・・・なンだ、設定はベタなくせになかなか凝ってンじゃねェか」
番外「やる気出てきたみたいだね」
一方「悪くはねェな」
一方通行がニヤリと笑う
なんだかんだ、彼だって学生であるはずの年齢なのだ
こういったゲームには多少の関心くらいはあるのかもしれない
一方「おい、お前攻撃されてンじゃねェか!」
番外「いいの!肉を切らせて骨を絶つんだから!」
一方「体力があンの忘れてンじゃねェだろうな!?」
番外「ミサカがやられたらアナタが一人で頑張ってよ!」
一方「イヤだからな!」
そんな会話をしながらも二人は順調にゲームを進めていく
初プレイでここまで行くのはなかなかすごいのではないか
一方「・・・後ろ敵いンぞ!」
番外「え、ウソ!?」
番外個体の操作するキャラクターの後ろにゾンビが迫っていた
番外「やべぇ!」
一方「ちっ!」
一方通行の援護が上手くいったようだ
なんとか、無傷で済んだ
番外「・・・ありがと」
一方「ちゃンと画面見とけよな」
一方通行がゲーム画面に食い入る
番外(・・・よかった、楽しそうじゃん)
そんなことを考えながら、番外個体は笑っていた
一方「ハイスコアには届かなかったな」
番外「でも初プレイでクリアできたんだから上出来じゃないかな」
シューティングゲームを終えた二人は次にエアホッケーの前に立っていた
一方「・・・俺は杖ついてる身なンだからな」
番外「分かってるよ、これってCPUとの対戦出来るらしくてさ」
番外個体がスマッシャーを手に取る
一方「あァ?機械が相手してくれンのかよ」
番外「だから、ミサカと一緒に組んで倒しちまおうぜ!」
番外個体が拳を握り締める
一方「・・・いいぜ、どうせだしやってやるよ」
番外「サンキュー!」
一方「・・・で、これはどういうルールなンだ?」
番外「はぁ?エアホッケーも知らないの?」
一方「ちげェよ、何点取ったら勝ちなンだよ」
番外「んにゃ、時間制限があってその間にたくさん点を取ればいいんだよ」
一方「なるほどな」
一方通行がスマッシャーを手に取った
番外「よーし、じゃあ」
一方「やるか」
一方通行がコインを入れる
一方「始まったぞ」
番外「了解」
二人が真剣な顔つきになる
パックが一方通行の前に出てくる
一方(はン、俺をナメてンじゃねェよ)
一方通行がパックを打ち返す
しかし
一方「あァ?」
パコーン、と音がしてパックが帰ってきた
番外「・・・は?」
一方「・・・なァ、これって難易度選べンのかよ」
番外「い、一応は」
一方「下げるぞ」
一方「・・・これがイージーか?」
番外「た、たしか」
一方「・・・」
二人は立ち尽くしていた
打ち返しても、すぐに返される
そう、二人はエアホッケーなどほとんど経験がないのだから
一方「・・・つまンなかったな」
番外「うん」
結局、二人は負けてしまった
1点も取れないまま
一方「あァくそ、次は?」
番外「あれ、乗り気じゃん」
一方「いいだろ別に」
番外「じゃあ・・・プリクラかな」
一方「・・・プリクラ?」
一方通行が顔をしかめる
彼だって、プリクラが何かくらいは知っている
だからこそ、イヤなのだ
一方「あンな小っ恥ずかしいもンできるかよ」
番外「なんで?」
一方「なンでって・・・」
一方通行が少し気味の悪そうな顔をする
彼がピースをしながら映ったプリクラ
頭に落書きされたプリクラ
二人でキスしたりしてるプリクラ
一方「考えただけで吐き気すンだろ」
番外「えー、いいじゃん」
一方「ふざけンな、俺はイヤだからな」
番外「ミサカは撮りたいの」
二人がにらみ合う
行くか、帰るか
番外「じゃなきゃ上位個体にバラすよ」
一方「何をだ」
番外「アナタが実は小さいってこと」
一方「・・・何が」
番外「ナニが」
一方「・・・バラしても得はねェだろ」
番外「あ、じゃあ教えていいんだ、オッケー」
ニヤニヤ、と番外個体が笑う
一方「・・・」
一方「ごめンなさい」
番外「・・・はい、これで撮るの」
一方「・・・」
プリクラの外装がもはや好みではない
若者向けすぎる
というか、女性向けすぎる
男性が入るのはかなり勇気がいる
彼女が一緒なのでまだマシだろうか
一方「クソ・・・早くしろよ」
番外「はいはーい」
二人がプリクラの中へ入る
一方「あァ?中はこうなってンのか」
番外「言い方がエロいよ」
一方「うるせェな」
一方通行が周りを見渡す
一方「・・・なァ」
番外「なに?密室で興奮しちゃう?」
一方「しねェよ」
一方通行が溜め息をつく
こういう、なんというか若者向けなのは似合わないのでは、と言いたかったのだ
一方「・・・まァお前が楽しいならいいけどよ」
番外「お、ありがとー」
一方「・・・」
一方通行がプリクラの画面を凝視する
一方(いったいどこから撮るンだ?)
隠れたカメラマンがいるのか、なんて考えるあたり彼は世間知らずだ
番外「はいはーい、そろそろだよ」
一方「あ、あァ」
番外個体が一方通行の肩に手を回す
なぜだろう、ピースなんてしている
一方「・・・なァ」
番外「あぁ、あそこがカメラになってんの」
番外個体が指差す
一方「あァ、そォなンか」
番外「知らなかったんだね」
一方「・・・なァ」
番外「ん、どうしたの?」
一方「・・・こォいうのは笑ったほうがいいのか?」
番外「そうだね、うん」
番外個体が頷く
一方「・・・なァ」
番外「はいはい」
番外個体が一方通行の肩をぎゅっと掴む
一方「おい」
番外「いまさら帰りたいなんて言わないよね?」
一方「・・・言わねェけどよ」
一方通行が冷や汗をかく
作り笑いなんてできないからだ
番外「いいの、無理に笑わなくてもさ」
ケラケラ、と番外個体が笑う
うらやましいな、と一方通行は思う
ここまで無邪気な笑顔を浮べられるなんて
いや、邪気はあるけれども
一方「はァ・・・早く撮ろうぜ」
番外「はーい、じゃ!」
フラッシュがたかれる
少し眩しいその光に、一方通行は目を細める
そのせいで、撮れたプリクラは非常に不機嫌そうだった
一方「・・・楽しかったか?」
番外「おうよ!ゲコ太も手に入ったし!」
番外個体が嬉しそうに言う
一方「・・・打ち止めも喜ぶだろうな」
番外「ゲコ太はミサカたちのアイドルだからね」
一方「・・・どこがいいンだかな」
一方通行には理解できない
番外「ねぇ、ご飯どうする?」
一方「適当に食おうぜ」
一方通行がレストランを指差す
番外「ねーねー、プリクラ携帯に貼ってよ」
一方「やだ」
番外「なんで!」
一方「恥ずかしいじゃねェか」
番外「いやいや、そこは愛の証だよ」
一方「・・・ちっ」
番外「あれ、でもプリクラは取り出してくれてるんだ」
一方「・・・貼ればいいンだろ」
プリクラには、自然に笑っている番外個体と
めちゃくちゃ目つきの悪い一方通行が映っている
一方「・・・なンだよこの表情」
番外「笑えるよね」
一方「俺はこンな顔してたのかよ・・・」
一方通行が肩を落とす
番外「・・・でも、楽しかったよ」
一方「また行ってもいいぜ」
番外「え、ホント!?」
一方「今度はあのエアホッケーで勝たねェとな」
一方通行がケラケラと笑う
番外「あ、その笑顔がいいのに」
一方「そォかよ」
一方「・・・俺も」
番外「ん、なに?」
一方「楽しかったな」
番外「ふーん・・・そりゃよかったよ」
一方「・・・」
番外「なに、まだ言いたいことあるの?」
一方「・・・いや、ずっと一緒にいたいなってさ」
番外「はぁ?なにそれ」
一方「・・・なンでもねェよ」
一方通行が水を飲む
一方(は、外したのかよ今の!?)
番外「ねぇ」
一方「・・・なンだよ」
番外「今のってさ、本音?」
番外個体が一方通行のほうを見つめる
少し、怪訝そうな表情だ
一方「・・・当たり前だろ」
番外「そっか」
一方「なンだよ、気持ち悪いのか?」
番外「うん、嬉しいよ」
番外個体が微笑む
番外「だってさ、好きだとか愛してるとかは言われたりするけどさ」
一方「・・・」
番外「そうやって、この先のこと言われるのは初めてだから」
一方「・・・先のことなンて分からないけどな」
番外「でも、一緒にいたいんでしょ?」
一方「今はな」
いつか、この気持ちが変わることがあるかもしれない
今は想像できないが、人の心はそんなものだから
一方「・・・お前は、どォなンだ」
番外「ん、ミサカ?」
一方「お前はあンまり言わないからな」
番外「・・・ミサカはね」
番外個体がぎゅっ、と拳を握る
少し不安そうな表情だ
番外「アナタが幸せだったらどうでもいいんだ」
番外「それが、ミサカが幸せにするのか他人が幸せにするのかなんて」
番外「ミサカにはわかんないし」
一方「・・・そォか」
番外「うん、でもミサカがそばにいたら幸せなんでしょ?」
一方「あァ」
一方通行が頷く
ためらいなんてないだろう
一方「お前は、俺といて幸せか?」
番外「当たり前じゃん」
一方「・・・ならよかった」
番外「ミサカに愛情とか嫉妬とか教えてくれたのはアナタだよ」
一方「わかってる」
番外(・・・分かってくれてるんだ)
一方「?なににやけてンだよ」
番外「ううん、なんでもないよ」
番外個体が苦笑する
一方「・・・楽しかったな」
番外「うん、楽しかった」
二人がケラケラと笑う
笑顔は少し似合わないけれど
でも、二人で笑いあうのなら悪くない
一方通行は、そう思った
番外通行ゲーセン編、終了
たまにはこういうリアルなデートが書きたかったww
垣根「あーきのゆーうーひーにーてーるーやーまー!?」
心理「無理なネタ振りをしないでくれる?」
垣根「ちぇー」
心理「ヒマなのは分かるけどね」
垣根「そうかよ」
心理「何かしなさいよ」
垣根「そうだな・・・なぁ、ほしいものとかあるか?」
心理「ないわよ、どうして?」
垣根「ネットショッピングでもしようかと」
心理「あら・・・買い物は手に取ったほうがいいわよ?」
垣根「それもそうだけどよ・・・」
心理「・・・何かお誘いとかされてないの?」
垣根「一応は・・・一方通行からな」
心理「あら、なんて?」
垣根「・・・テクパトルと削板と一緒にジムに行かないかって」
心理「・・・最近、一方通行がんばってるのね」
垣根「あぁ、一応は」
心理「でも全然変わってないわね」
垣根「言ってやるな」
垣根がケラケラと笑う
垣根「いやぁ、だって俺はあいつはがんばってると思うぜ?」
心理「笑いながら言わないの」
垣根「まぁ、努力は認めてるよ」
心理「あなたも行ったら?運動不足なんじゃない?」
垣根「うーん」
垣根が腕を組む
垣根「いや・・・な」
心理「あら、どうしたの?」
垣根「運動は好きだけどよ、あいつらはどうしようもねぇし」
心理「・・・まぁ」
心理定規が思い出す
大覇星祭で、あの二人が繰り広げた死闘を
ウェイトリフティングを
心理「・・・たしかに、ね」
垣根「はぁ・・・何するかな」
垣根がソファーに転がる
何もやる予定がないのだ
垣根「・・・ゲームもないし・・・」
心理「バハラグは?」
垣根「すごーい、サラマ・・・」
垣根「って言わせねぇよ?」
心理「言いかけたじゃない」
垣根「いやぁ、ゲームはあれだしな・・・」
心理「そう・・・じゃあ、音楽聴いたら?」
垣根「もう、CDは大抵聞き飽きた」
心理「・・・ピアノでも弾いたら?」
垣根「気分じゃない」
心理「あら、弾けるの?」
垣根「少しならな」
垣根が胸を張る
心理「・・・でも気分じゃないのね」
垣根「まぁな・・・何しようか」
心理「・・・デートでもしましょうか?」
垣根「行きたい場所でもあんのか?」
心理「見たい映画があるのよ」
垣根「しゃあねぇな・・・」
垣根がめんどくさそうに立ち上がる
垣根「で、何の映画だよ?」
心理「これよ」
心理定規が映画館のチラシを指差す
そこには「ライ麦畑で捕まった」というタイトルがあった
垣根「あぁ?これってオマージュが過ぎるって酷評だろ?」
心理「だからこそよ」
心理定規がクスクスと笑う
垣根「・・・ヘンな趣味だな、お前」
心理「あら、監督が必死になって撮った作品よ?」
垣根「あぁ・・・それはそうだけど」
心理「そんな必死こいて作ったもののくせに酷評なんて、面白いでしょ?」
垣根「」
心理「所詮その程度のクズだった、って笑うのよ」
心理「なんて言うとでも思った?」
垣根「思いました」
心理「とりあえず、いいわよね?」
垣根「まぁ・・・悪くは無いか」
垣根がしぶしぶ頷く
そこまで面白そうな映画ではないが
垣根(・・・ま、いいか)
心理定規が喜ぶのなら、それでいいのだ
未元定規、絹旗浜面のダブル?デート編
垣根「・・・なんでお前らがいるんだよ」
映画館で、垣根はげっそりとしていた
知り合いに出会った
しかし、いつものメンバーではない
絹旗「それは、超こちらのセリフです」
垣根「超超超、いい感じ?」
絹旗「超超超超超いい感じ」
垣根「一個多い」
心理「・・・そういえば、あなたは映画好きね」
絹旗「ちっちっち、C級映画が好きなんです!」
浜面「・・・俺、滝壺とデートの予定だったのに・・・」
絹旗「この超美人な絹旗最愛とデートできるんです、超誇ってください!」
浜面「・・・殴るぞ?」
絹旗「どうぞ?窒素装甲の前では無意味ですよ?」
浜面「ちくしょう!!!」
垣根「・・・イチャイチャはよしてください」
絹旗「超違いますから!!」
浜面「・・・垣根もこういうの興味あるんだな」
垣根「いや、こいつがな」
垣根が心理定規を指差す
浜面「え、アンタか?」
心理「あら、悪い?」
浜面「いや・・・イメージと違ってさ」
垣根「まぁ、こいつはあんまりそういう映画は見なさそうだな」
心理「あら、失敬ね」
絹旗「あの映画に目をつけるとは超やりますね!」
心理「そんなに良さそうなの?」
垣根「あぁ?お前が見たいんだろ」
心理「えぇ・・・でも、まさかそこまでとは思わなかったわ」
絹旗「まさか、そんな簡単にこの映画を見つけたんですか!?」
心理「えぇ、だってチラシに載ってたし」
心理定規がチラシを見せる
そういえば、どこで手に入れたチラシなのだろうか
絹旗「こ、これは!!」
心理「?」
垣根「どうしたんだよ」
絹旗「C級映画ばかりを紹介するチラシですよ!?」
垣根「・・・お前、どこで手に入れたんだよ」
心理「街中で配ってる人がいたの」
浜面「なんだそりゃ」
垣根「怪しいなおい」
絹旗「こ、このチラシ・・・私はいくら探しても手に入れられなかったのに!」
心理「へぇ、そんなにすごいものなの?」
絹旗「えぇ、超ほしいです!」
心理「あげるわよ、別にいらないし」
絹旗「いいんですか!?」
絹旗が嬉しそうにチラシを受け取る
面白くなさそうな映画ばかりが載っている
絹旗「超ありがとうございます!」
心理「どういたしまして」
垣根「・・・なんだこの友情」
浜面「よかったな、絹旗」
絹旗「はい!」
浜面「じゃあ、俺はこれでお暇・・・」
絹旗の手が、浜面を掴んだ
絹旗「それとこれとは別ですよ?」
浜面「もういいだろそんなレアなもん手に入ったなら!!」
絹旗「まだ映画は見ていません!」
浜面「見たくねぇよ!」
浜面が頭を抱える
浜面「俺だってな、面白い映画ならまだいいんだけどよぉ!」
絹旗「超意味がわかりません!!浜面はこの映画のよさを知らないんです!」
浜面「お前見たことねぇだろ!?」
絹旗「あらすじを超読んでください!」
浜面「なになに・・・」
しぶしぶ浜面がチラシを読む
浜面「王子と姫君の甘い1夜・・・」
垣根「あ?ライ麦畑で捕まえてと全然違うな」
心理「そうね・・・」
浜面「しかし、ある日二人には亀裂が走った」
垣根「ほうほう」
浜面「続きは映画で」
垣根「・・・」
心理「・・・」
絹旗「ね、超面白そうでしょう!?」
垣根「いや・・・なんていうか、微妙?」
心理「中途半端にベタね」
浜面「あぁ・・・なんかつまんなそう」
絹旗「はぁ!?よくよく考えてくださいよ!」
心理「うーん・・・何か魅力があるかしら?」
絹旗「いいですか!?一体なんの亀裂が、どうして入ってしまったんですか!?」
浜面「それは映画見ないとな」
絹旗「ということで見ましょう!」
垣根「お前、誇大広告に引っかかるタイプだろ?」
絹旗「ちょ、超心外ですね!」
垣根「あ、あそこのアイスクリームってさ、安いわりに世界中からかなり高価な原材料集めて作ってるんだぜ?」
絹旗「超お得じゃないですか!」
垣根「ウソだ」
絹旗「」
心理「まぁ、だまされやすいのね」
浜面「しかも、こういうのにひっかかるからつまんねぇ映画見たがるんだよな」
絹旗「・・・違いますもん」グスン
垣根「とにかく、早いとこ入ろうぜ」
垣根が映画のチケットを買う
心理「そうね」
絹旗「あれ、私達のは買ってくれないんですか?」
垣根「あぁ?バカかてめぇ」
浜面「絹旗、払えよな・・・俺は付き合わされて・・・」
絹旗「浜面お願いしますね!」
垣根「ほらほら、早くしねぇと始まるぜ?」
浜面「・・・俺は見なくてもいいんだけどな」
絹旗「くーっ!」
絹旗が財布を取り出す
絹旗(どうしましょう!?今日はニットワンピを買う予定でたくさんお金持ってきてます!)
絹旗(でも、ここで払ったらなんか浜面に私が超惚れてるみたいじゃないですか!!)
絹旗(そんな空気は超困りますね!)
浜面「おい・・・聞いてるか?」
絹旗「超ヤです!!自分の分しか払いません!」
浜面「じゃあ、俺は帰る・・・」
絹旗「そ、それは超イヤです!」
浜面「はぁ!?俺は金なんて持ってきてねぇぞ!!」
絹旗「超信じられません!」
浜面「お前に無理矢理つれてこられたんだよ!」
垣根「はぁ・・・しゃあねぇな」
垣根が浜面の分のチケットを買う
垣根「ほれよ・・・ぎゃーぎゃー騒がれたら映画館が迷惑だろ」
浜面「見たか絹旗!?これが大人の余裕ってもんだ!」
絹旗「垣根!子供を甘やかしたらいけません!!」
垣根「甘やかしてねぇよ」
心理「子供でもないわね」
浜面「はぁ・・・助かったぜ」
垣根「ちっ、お前滝壺の殺されんぞ?」
浜面「知るかよ・・・俺は無理矢理引っ張ってこられたんだよ」
心理「あら、そうなの?」
絹旗「私とデートなんて超最高じゃないですか!」
浜面「はぁ・・・最低だよ」
絹旗「・・・」
絹旗(な、なんで私は超落ち込んでるんですか!?)
絹旗(べ、別に浜面に嫌われようが関係ないですよね!?)
垣根「おい、何してんだ絹旗?」
心理「ポップコーンいる?」
絹旗「え、あ、はい!」
浜面「どうしたんだよお前?」
絹旗「なんでもないです!」
垣根「・・・始まるな」
席について、四人はポップコーンを食べる
垣根「おー、しょっぱくてうめー」
心理「・・・絹旗さん、どうしたの?」
絹旗(超落ち込んでなんかいません、超落ち込んでなんか・・・)
浜面「もしかして、女の子の日か?」
絹旗「超違いますから!」
垣根「静かに、始まった」
垣根がスクリーンを指差す
少しのCMのあと、本編が始まった
「あぁ!王子の息子がぁ!!」
「ひ、姫の悲鳴がぁ!!」
垣根(いきなり意味わかんねぇ)
心理(まぁ、映画って言ったらセッ○スシーンよね)
絹旗(ほうほう、まずは悪くない入りですね)
浜面(万湖ってヤバい名前だよな)
「姫、今日も姫のピーチは卑猥だったね」
「いやん、王子のキノコだって、とってもダシが効いてたわよ?」
垣根(・・・いや、意味がわかんねぇ)
「・・・姫、明日からしばらく会えないんだ」
「あら、それは残念」
「でも、俺が愛してるのは姫だけさ」
浜面(ねみぃ)
絹旗(これは浮気フラグですね・・・)
心理(あら、ドロドロなのかしら)
垣根(ほう、意外と悪くはねぇかもな)
「・・・ふぅ、王子もいなくなったし」
「もう出てきていいわよ」
「ったく・・・お前、俺以外の男とやるなよな」
垣根(おう、そっちかよ)
心理(あら・・・意外とC級じゃないのかもしれないわね)
絹旗(おっかしいですね・・・監督は超C級で有名なのに)
浜面(・・・羊が一匹、羊が二匹、狼の皮を被った羊が一匹)
「・・・姫に裏切られた俺は、さまざまな薬に手を出した」
「そして、ゴリラさえ素手で倒せるほどの怪力を手に入れた」
「そう、俺はマッチョメン」
垣根(あーあ、急展開だよ)
心理(なるほど、これはC級ね)
絹旗(超ワクワクしてきました!)
浜面(あ、あの姉ちゃんのネックレス高そうだな)
「・・・姫、久しぶり」
「あ、あなたはいつからそんな・・・」
「いつから?」
「あの裏切りの時からさ」
垣根(今のがキメ台詞か)
心理(キメぇ台詞ってことね)
垣根(上手くないぞ)
「ははは、見ろよこの唸る筋肉」
「ば、化け物・・・」
「化け物か、裏切ったアンタのほうが化け物だぜ」
垣根(なんだこりゃ)
心理(一気に面白くなくなったわね)
絹旗(これだからC級映画はやめられません!!)
浜面(・・・)zzz
「姫、俺はずっと復讐だけを考えて生きてきた」
「そ、そんなこと・・・」
「ならば、これから俺は生きる目的を失うな」
心理(あらあら、醜い嫉妬ね)
垣根(oh shit)
絹旗(ほうほう・・・復讐するんですね)
浜面(・・・)zzzzzzz
「あばよ、姫」
「いやぁぁぁ!!」
絹旗(おぉ、C級ならではの中途半端なグロシーン!!)
垣根(・・・今監督映ってなかったか?)
心理(うわ、荒い作りね)
浜面(おっといけねぇ、夢でバニーさんにいいことされてたぜ)
「俺は、化け物になった」
「だが、俺は、生きている」
「オレハイキテイル」
垣根(え、終わり?)
心理(なに?ホラー?アクション・・・?)
浜面(起きたら終わってた・・・)
絹旗(感動です・・・)
垣根「・・・結局、意味が分からなかったな」
絹旗「そうですか?あの中途半端にさまざまなジャンルを取り入れたのは最高ですよ?」
心理「最低じゃない?」
浜面「眠ってたぜ・・・」
絹旗「超死ねばいいのに!!」
浜面「なんでだよ!?」
心理「はぁ・・・もう一つくらい見てみない?」
垣根「そうだな・・・そうするか」
心理「じゃあ、なに見る?」
絹旗「C級が・・・」
浜面「今度は人気作にしようぜ・・・」
垣根「そうだな」
絹旗(ちっ)
心理(何がいいかしら)
垣根「じゃあ、あれでどうだ?」
垣根が映画のポスターを指差す
心理「・・・とある沈没のタイタニック?」
絹旗「あぁ、あの有名映画のパクリですね」
浜面「オマージュだろ?」
垣根「いいだろ、面白そうだし」
心理「そうね・・・」
絹旗「ちっ、じゃあ見てあげますよ」
浜面「あ、お前は別に見なくてもいいからな?興味ないだろうし」
絹旗「ちょ、超興味ありませんよ!?」
心理「あら、じゃあここでお別れね」
垣根「あばよ、絹・・・」
絹旗「や、やっぱ一緒に行きます!」
浜面「はぁ・・・」
垣根「しゃあねぇな・・・」
垣根が溜め息をつく
結局、四人分の料金を払った
心理「あら、太っ腹ね」
浜面「助かるよ、サンキュー!!」
絹旗「私は、浜面が超寂しいだろうから行くんです!」
浜面(自分が寂しいんだろ)
垣根「へぇ・・・あらすじ読む限りはよさそうだな」
垣根がパンフレットを読む
心理「・・・なるほど、でも主人公の設定がベタね」
絹旗「・・・熱血漢でいっつも女の子に迷惑をかけている・・・」
浜面「上条みたいだな」
垣根「役名、カーミ・ジョーだぜ」
三人「・・・」
心理「なんか、ちょっと面白そうね」
浜面「あぁ、どんな惨めな人生なんだろうな」
絹旗「超不幸なんでしょうね」
垣根「そうだな」
四人が頷く
きっと、不幸な青年が不幸な事故に巻き込まれるのだろう
垣根「よーし、席に着くか」
心理(・・・そろそろ始まるわね)
浜面(面白いといいな)
絹旗(ちょっと興味出ましたね・・・)
垣根(お、幕が上がった)
タイトルロゴが浮かび上がる
そして、映画は始まった
垣根(ほぅ・・・主役の俳優カッコイイじゃねぇか)
心理(あら、男前じゃないの)
垣根(・・・)
「おっしゃあ!この乗船券はもらってくぜ、じゃな!」
垣根(・・・あーあ、その船が沈むのによ)
絹旗(中々しっかりとした映画・・・って超有名監督だから当たり前ですね)
浜面(・・・へぇ、タイタニックのリメイクみたいなのか?)
「はぁ・・・なんとか乗れたけどよ・・・」
「こんなみすぼらしい格好でいいのかねぇ」
垣根(ほぅ・・・やっぱり貧富の差はでかいんだな)
心理(・・・主人公は貧乏なのね)
絹旗(絵描きなんて儲けられる仕事じゃないですからね)
浜面(ふーん・・・これからヒロインに会うんだっけ)
「・・・はぁ、なぜだろう・・・海に沈んでいく夕陽さえも美しく感じる」
「・・・あの夕陽は、いつかまた俺を照らすのだろうか」
垣根(どこが熱血漢だ、クソメルヘンじゃねぇかよ)
心理(ふーん・・・あんまり熱血漢じゃないのね)
「・・・絵でも描こうかな」
絹旗(あ、筆を取り出しました)
浜面(俺って美術とか苦手だったな・・・)
「・・・いいモデルはいないものかな」
「す、すいません!」
「ん?」
垣根(よし、ヒロイン来たな)
心理(あら・・・美人じゃないの)
絹旗(うわ・・・かなり有名な女優ですね)
浜面(胸でけぇな)
「帽子を取っていただけませんか!?」
「帽子?あぁ、分かったよ」
垣根(主役の元に帽子が転がっていく・・・ね)
心理(・・・そんな簡単な出会いなんてないわよ)
浜面(まぁ・・・ご都合主義は仕方ないかな)
絹旗(超ベタですね)
「はい・・・君は?」
「わ、私は・・・ミサーカ家の・・・」
「ミ、ミサーカ家だって!?」
垣根(おかしいな、ちょこちょこ聞き覚えがある名前だが)
心理(・・・なんていうか・・・)
絹旗(中途半端に親近感が湧きますね)
浜面(うぉ・・・今谷間がチラって見えた!)
「あ、あの・・・何かお礼をしたいのですが」
「お礼がほしいからやったってわけじゃないけどな」
「ご、ごめんなさい!」
垣根(うわ・・・上条みたいなヤツだな)
心理(ちょっと熱血漢っぽくなってきたわね)
絹旗(・・・なるほど、愛着の湧きやすいキャラを使っているんですね)
浜面(・・・パンツがもうちょいで見えそうなのに)
「あ、じゃあ絵のモデルになってもらえないかな」
「そんなことでよろしいんですか?」
「そんなことって・・・絵描きには結構大切なことだしさ」
「ご、ごめんなさい!」
「いや・・・それにミサーカ家のお嬢さんに出会えるなんてすごい機会じゃないか」
「・・・私は、あんまり特別な目では見られたくないんですけどね」
「ふーん・・・やっぱり世間体ってのは辛いのか?」
「はい・・・」
垣根(ちっ・・・まるで上条と御坂じゃねぇか)
心理(なんか、あの二人の馴れ初めでも見てるみたいね)
絹旗(・・・こういう、人気作もたまにはいいかもしれませんね)
浜面(・・・胸やべぇな・・・)
「とにかく、絵のモデル・・・いいかな?」
「は、はい!」
「?なんか嬉しそうだけど」
「な、なんでもないですよ!」
垣根(・・・普通に接してもらえるのが特別に感じるんだよな)
心理(なんだか・・・この先の展開を思うと辛いわね)
絹旗(・・・二人は結ばれないんですよね)
浜面(あーくそ、邪念は捨てろ!)
「じゃあ・・・ちょっと俺の部屋に来てもらえるかな?」
「え、あ・・・」
「?一人部屋だから大丈夫だって」
「逆になんというか・・・」
「?」
垣根(そして鈍感と)
心理(まさに上条君ね)
絹旗(モヤモヤします)
浜面(一発抜いてくるべきか・・・)
「さて・・・悪いな、ちょっと時間掛かるかもしんない」
「いえ・・・他にやることもないですから」
「部下とかはいないのか?」
「・・・はい」
垣根(・・・)
心理(初々しいわね)
絹旗(胸が痛くなりますね)
浜面(・・・お、今ちょっと映画に集中できてるよ俺)
「じゃ、服脱いでもらっていいか?」
「え?」
「いや、脱いでもらっていいか?」
「」
垣根(あぁ、裸婦画とか書くんだっけ)
心理(そうそう、意外とやらしいのよね)
絹旗(・・・ちょっとだけ目、つぶっときます)
浜面(邪念よ帰れ!)
「ぬ、脱ぐってあなた!」
「いや・・・女性を描くときは裸が・・・」
「ヘンなことするつもりですね!?」
垣根(こりゃ面白いな)
心理(可愛いやり取り)
絹旗(・・・あ、頭の中で映像を思い描いたらダメです!)
浜面(ぬ、脱ぐのか!?)
「ヘンなことって・・・安心してくれ、悪いけど絵に関しては集中するタイプだから」
「・・・決して、手は出さないんですよね?」
「あぁ、太陽に誓っていいさ」
垣根(太陽ってのはすぐに色が変わるぜ)
心理(ベタな台詞)
絹旗(うわぁ!超脱ぐんですね!)
浜面(超脱ぐってなんだ!?脱皮!?)
「・・・こ、これでいいんですか?」
「あぁ、ちょっと腕を足の間に挟んで・・・そうそう」
垣根(ふーん・・・子供は喜びそうだな)
心理(あら、あなたは喜ばないのね)
絹旗()
浜面(やべぇ・・・モロじゃねぇか)
「・・・」
「・・・本当に、何もしてこないんですね」
「当たり前だろ」
「・・・」
垣根(うわ・・・鈍感すぎて腹が立つな)
心理(彼女は普通に接してくれる主役に惹かれてるのね)
絹旗(ビジョンを描くなぁ!)
浜面(うぉぉ!耐えろ!)
「・・・恥ずかしいか?」
「・・・ちょっと」
「悪いな、もうすぐ終わるよ」
垣根(早いなおい)
心理(映画なんだからいいでしょ)
絹旗(お、終わったら始めるんですね!?)
浜面(何を!?)
「よし!見てくれよ!」
「す、すごい・・・ちょっとエッチだけど」
「ははは・・・でも、君みたいな綺麗なモデルは初めてだな」
垣根(出た、フラグ)
心理(全く、無意識すぎるわね)
絹旗(き、君はこんなとこも綺麗なんだね!?)
浜面(何考えてんの絹旗!?)
「・・・あ、服・・・着ていいからさ」
「あ、え、はい・・・」
垣根(お、見つめ合ってる!)
心理(これは・・・始まるんじゃない?)
絹旗(うわぁぁぁぁぁぁ!)
浜面(うわぁぁぁぁぁぁ!)
「・・・あの・・・」
「ん、なんだ?」
「・・・その・・・だ、抱いて・・・もらえませんか?」
垣根(えぇ・・・)
心理(映画なんだから急展開でもいいじゃない)
絹旗()
浜面()
「いや・・・なんで?」
「その・・・あなたみたいな人、初めてだから・・・」
「はぁ・・・で、なんで?」
垣根(ちっ、鈍感すぎる)
心理(抱いてやりなさいよ)
絹旗(あ、頭がパンクします!)
浜面(俺のポップコーン食べないで!)
「・・・私、あなたに・・・惚れてしまったんです」
「え、俺に?」
「・・・その、今まで男性とお付き合いなんてしたこてありませんけど・・・」
垣根(あぁ・・・結末なんて忘れていたかった)
心理(はぁ・・・ため息が出るわ)
絹旗(ポップコーン超うめぇぇぇ!)
浜面(現実逃避しないで!)
「・・・つまり処女だと」
「・・・はい」
「はぁ・・・それで好みの人に奪ってほしいわけか」
垣根(おー、アメリカらしいちょっとえげつない恋)
心理(あら、こういうのもいいじゃない)
絹旗(処女!?)
浜面(なんで敏感に反応してんだよ!?)
「はい・・・恥ずかしいことですけど」
「あのー・・・俺だってずっと絵描きの修業してたから・・・」
「あれ、童貞・・・ですか?」
垣根(あー・・・細かいとこは原作と違うな)
心理(というより、結構違うところがあるわね)
浜面(童貞!?)
絹旗(なんで焦ってるんですか)
「・・・だから、あんまり・・・な」
「・・・私みたいな人は好みじゃないですか?」
「うーん・・・」
垣根(いいじゃん、ヤっちゃえよ)
心理(結末はあれだけど)
絹旗(・・・ビジョンが止まりません!)
浜面(ムッツリかよ)
「・・・あ、じゃあ・・・今夜一緒にお食事・・・いいですか?」
「・・・いいけど、なんで?」
「・・・こんな運命的な出会い、逃せませんから」
垣根(なんとまぁ野獣)
心理(恋愛に貪欲ね、いいんじゃない?)
絹旗(そして君を食べちゃうぞ!?)
浜面(ダメだこいつ)
「・・・じゃ、晩飯のときに・・・食堂の入口で」
「はい、待ってます!」
垣根(どうせ、主役のほうが先に着くんだよな)
心理(ちょっと、言わないでよ)
絹旗(君の入口は最高だね!?)
浜面(コーラうめぇなぁ)
「・・・あ、来たんだな」
「あれ・・・食事にはまだ時間ありますけど・・・?」
「そりゃ、女性は待たせたらいけないからさ」
垣根(はい、天然フラグ魔)
心理(上条君じゃない)
絹旗(さ、先にいくんですね!?)
浜面(・・・腹減った)
「・・・ありがとうございます」
「どういたしまして」
垣根(・・・食事、か)
心理(・・・映画の時間的に次の夜ご飯が最後の晩餐ね)
絹旗(・・・)
浜面(うわ、絹旗顔真っ赤だ)
「ふーん・・・つまり、少し避暑をしたいがために」
「はい、タイタニック号は客船の中でもなかなか評判がいいですから」
垣根(客船乗りたいな)
心理(こういうの憧れるわよね)
絹旗(・・・避暑、超うらやましいです)
浜面(避暑かぁ・・・滝壺と行きたいな)
「・・・俺は偶然仲間との賭けに勝って乗船券もらえたんだよ」
「・・・私の博打は大当りですね」
「?」
垣根(アメリカンジョークか)
心理(ジョークではないわよ、きっと)
絹旗(・・・なんか、オシャレな雰囲気ですね)
浜面(滝壺ぉ・・・)
「・・・あの、今恋人とかは?」
「絵描きに集中してる、って言ったろ?いないよ」
「じゃ、じゃあ私を!」
垣根(告白が早いな)
心理(いいじゃない)
絹旗(人間だもの)
浜面(しあげ)
「・・・お前かぁ・・・綺麗だけどさ」
「・・・イヤ、ですか?」
垣根(格差だろ、上条達もそうだし)
心理(もう・・・ヤキモキするわね)
絹旗(・・・なんか、背中を押したいです)
浜面(海に落ちちゃうぞ)
「・・・イヤじゃないけど、俺なんてただの絵描きだぜ?」
「・・・真っ白の紙だけから、人を感動させるものを作れるんですよね」
垣根(私の未来も描いてください、ってか)
心理(やかましいわよ)
絹旗(超漫才です)
浜面(・・・滝壺との未来かぁ)
「・・・そんな大層なもんじゃないさ」
「私は憧れます、大層じゃないものに」
垣根(・・・いいじゃねぇか)
心理(当たりかしらね)
絹旗(くっ・・・名作映画というものがこんなに面白いなんて・・・)
浜面(面白いから名作なんだよ)
「・・・まぁ・・・お前は結構いいな、とは思うよ」
「・・・え?」
垣根(うっはぁ・・・すげぇ破壊力)
心理(真っすぐな青年の真っすぐな恋愛ね)
絹旗(・・・真っすぐすぎて壁にぶつかってしまうんですよね)
浜面(突き抜けた向こうは地獄だったわけだな)
「・・・まぁ、考えておくよ」
「い、いつまでに返事をもらえますか!?」
「そうだな・・・この船旅が終わるまでには」
垣根(・・・終わることはないんだ、壊れることはあってもな)
心理(永遠に答えは出ないのよ)
絹旗(くぅっ・・・まさかここまでA級映画に引き付けられてしまうとは・・・)
浜面(なんで人気作に敵意を生み出してたんだよ)
「絶対にですよ!?」
「あぁ、絵描きは時間に厳しいからな」
垣根(アメリカンジョーク!)
心理(だから違うってば)
絹旗(なんてハードボイルド!)
浜面(時間に厳しいのはイヤだなぁ・・・)
「それじゃ、今日はこの辺で」
「あ、あの」
「ん、なんだよ?」
垣根(今日は・・・やるじゃねぇか!)
心理(明日また会うフラグを立てたわね)
絹旗(・・・あからさまな伏線さえもかっこよく思える・・・)
浜面(絹旗がやっとまともになってくれそうだな)
「明日は・・・どこで会えますか?」
「そうだな・・・海も描きたいから、そこら辺にいるはずさ」
垣根(場所は敢えて指定しない!)
心理(出会えたら運命、なんて言うのかしらね)
絹旗(・・・この主役カッコイイですね・・・)
浜面(ヒロイン胸やべぇよな)
「じゃ、じゃあ・・・海の見える場所でまた!」
「あぁ、またな」
垣根(第一夜はおしまいか)
心理(はぁ・・・明日が終わればその後は・・・)
絹旗(・・・タイタニック沈没ですね)
浜面(おいおい・・・マジかよ)
四人が一層、スクリーンに食い入る
まだ、映画は半分程度だった
「あ・・・こんにちは!」
「ん?あぁ、おはよう」
「やっと見つけましたよ!」
垣根(・・・探し回りましたって言ってるようなもんだな)
心理(ヒロインがなんか可愛いわね)
絹旗(・・・なんというか、純情・・・ですか?)
浜面(純情なら処女だ童貞だなんて言わないからな)
「・・・よく見つけられたな」
「苦労したんですよ?」
垣根(でもあなたのためならこんな苦労くらい!)
心理(ちょっと落ち着きなさい)
絹旗(なかなか・・・憧れますね)
浜面(まるで俺と滝壺のようだ)
「ふーん・・・そりゃお疲れ様」
「・・・お疲れ様って・・・」
「?なんだよ」
垣根(あぁ、鈍感だ)
心理(あまりに鈍感だ)
絹旗(その屑その馬鹿)
浜面(他にはいない)
「・・・あの、海を描いてるんですか?」
「あぁ、ここからは水平線が見えるから」
「・・・ロマンチックですね」
垣根(あぁ、メルヘンだ)
心理(本当・・・甘いわよね)
絹旗(・・・時間が止まってほしいです)
浜面(このあと・・・沈没するんだよな)
「おい、あんまり見ないでくれよ」
「すごい・・・本当にお上手ですよね」
垣根(・・・)
心理(二人の未来は描けなくなるのよね)
絹旗(超切ないです・・・)
浜面(・・・なんなんだよ、ちくしょう)
「・・・上手かな?」
「はい」
「・・・上手だったら・・・いいのかな」
「私は、あなたの絵に心を打たれますよ」
「心を、か・・・そりゃ嬉しいな」
「・・・こんな魅力的な絵は初めて見ましたから」
「言い過ぎじゃないか?」
「・・・描いているのを横で見ていていいですか?」
「いいけど、物好きだな」
「どうやって描くのか気になるんですよ」
「知らないのか?」
「えぇ、我が家では教わりませんでしたから」
「ははは、絵の描き方なんて人それぞれだからな」
「人それぞれ・・・?」
「あぁ、そうだよ」
垣根(うぉぉ・・・主役がなんだかカッコイイぜ)
心理(・・・いいじゃない、久しぶりに面白い映画だわ)
絹旗(くっ・・・ここまで私の心が揺れるとは)
浜面(絹旗もなんだか感動してるみたいだな)
「・・・今日もモデル・・・なりましょうか?」
「なんだよ、裸でも見られたいのか?」
「ち、違いますから!」
「ははは!分かってるって」
「じゃ、じゃあどうして・・・」
「いや、なんか気でも張ってるみたいだったからさ」
「あ・・・ごめんなさい」
「いや、いいんだよ・・・いいとこの娘さんならそういう敬語の教育受けてきたんだろ?」
「・・・あなたは、教育はあまり?」
「俺にとっちゃ絵が先生だったからな」
「・・・そうですか」
垣根(・・・自分の仕事に誇りを持っているってわけか)
心理(・・・なんだか、応援したくなるわね)
絹旗(あんな結末、ひっくり返したくなりますね)
浜面(絹旗がハンカチを手に取った)
「・・・いつから絵を描かれてるんですか?」
「そうだな・・・もう物心ついた時から」
「そんなに前からですか・・・」
「俺の生活になくてはならないものだったからさ」
「なくてはならない・・・?」
「あぁ・・・衣食住と同じさ、なきゃ困るものだ」
「・・・そういうものを見つけ出せたら、とても幸せでしょうね」
「そうかもな」
垣根(そしてヒロインもなくてはならないものなのさ)
心理(ドヤ顔はやめて)
絹旗(はぁ・・・こんな恋がしてみたいです)
浜面(なんで俺のほうをジト目で見てんの!?)
「・・・私は昔から箱入りでした」
「そうだろうな・・・ミサーカ家っていったら有名な資産家の家系だからな」
「・・・幼い頃からずっと、それがイヤでした」
「なんで?」
「友達なんて出来ない、勇気を振り絞って話し掛けても避けられてしまう・・・」
「・・・周りから遠慮されてたってわけか」
「だから、あなたみたいに普通に接して下さった方は初めてでした」
「・・・だから俺に惚れたってわけね」
「・・・はい」
垣根(主人公、そういうとこは冴えてんだな)
心理(映画なんかでよくいる主人公よね)
絹旗(ちょっとずれたとこにかなり気が向く人とかですね)
浜面(あぁ、分かる分かる)
「・・・ですから」
「でもさぁ、俺なんてホントに金もなんもないんだぜ?」
「・・・そんなこと関係ないですよ」
「・・・そうかい」
「絵・・・書けそうですか?」
「あぁ、なんだかいつもより上手く書けてるよ」
「・・・それはよかったです」
「・・・綺麗だな、この船からの景色は」
「えぇ・・・そうですね」
垣根(おぉ・・・なんて見事な恋)
心理(あら、ポップコーン切れたわね)
絹旗(ちっ、ポップコーンが生まれてくればいいのに)
浜面(あぁ・・・腹減った・・・)
「・・・よし、そろそろ晩飯だな」
「あら・・・もうそんな時間ですか?」
「一緒に食べるか?」
「はい!」
垣根(さぁ・・・明日の昼、とうとう・・・)
心理(なんかこの主人公ならそげぶしそうなんだけど)
絹旗(超そげぶしてほしいです)
浜面(・・・ヒロイン、胸でかすぎるよなぁ・・・)
「・・・結局、俺はお前と出会うためにこの船に乗ったのかな?」
「うーん・・・それは結果論でしょうかね」
「そうかもなぁ・・・」
「ですけど、それでも運命は感じますね」
「運命かぁ・・・」
「?どうされました?」
「運命なんてあるのかな?」
「?どういうことですか?」
「いや・・・たとえばさ・・・」
「・・・たとえば?」
「たとえば・・・」
「俺たちの死ぬ日とか、決まってるのかなって・・・」
垣根(あーあ、フラグだよ)
「死ぬ日?」
「そうそう、だか・・・」
心理(!!今の音!)
垣根(うわ!!今から沈没かよ!?)
絹旗(な、なるほど・・・原作よりも二人の関係を描く時間を増やした分・・・)
浜面(沈没の時間を早めたってわけか・・・)
「な、なんだ今の音!?」
「ゆ、揺れてませんか!?」
「どういうことだ!?」
「み、みなさんお聞きになってください!」
「おい船員さんよ!!一体どうしたんだ!?」
「お、落ち着かれてくださいお客様!」
「なんだよ今の音!?」
「船内の一部に亀裂が・・・」
「亀裂!?沈むんじゃないだろうな!?」
「そ、そんなことはおそらく・・・」
「おそらくだぁ!?」
「ふざけんなよ!!」
「大丈夫なんだろうな!?」
垣根(あったあった、客が混乱しまくるんだよな)
「・・・なぁ、ミサーカ家のお嬢さん」
「あの・・・私、ミコートって名前があるんですけど」
「あれ、そうなの?」
「名前もないと思ってたんですか・・・」
「いや・・・な?」
心理(ミサーカ・ミコートって)
垣根(カーミ・ジョーって)
「・・・もしかしたら、沈むかもしれないな」
「え、えぇ!?」
「俺って、結構船は使うんだけどさ・・・一度こうやって亀裂が走ると、そこを中心に侵食が始まるんだ」
「こ、この船は最新式ですからきっと・・・」
「さっきの揺れは、おそらく動力室そのものがやられたな」
「・・・う、うそですよね?」
「・・・ウソだったら、神様はいるんだろうな」
「・・・だとしたら、沈むのも時間の問題かもしれないな」
「・・・」
「・・・まだ港は遠い、おそらくは沈没するな、この船」
垣根(変に修羅場慣れしてるな)
心理(上条君ね)
絹旗(ま、まままままままさかこの映画館が沈没したりしないですよね!?)
浜面(いや、臆病すぎるだろ)
「・・・ミコートさん、念のため大きな柱の近くにいたほうがいい」
「・・・あなたは?」
「ちょっと動力室に行って来る」
「な、なにを!?」
「なーに、ちょっと様子見だよ」
「き、危険・・・」
「こういう騒ぎは慣れてるんでね」
「・・・動力室はどこかなっと」
「ちょ、ちょっとお客様!困ります、今は・・・」
「静かに指くわえててくれってのは御免だね、動力室は?」
「危険ですから!」
「それは承知してるけどさ」
「とにかく、避難していただかないと!」
「この船のどこに避難するって?」
「い、いろいろと安全な場所はございますから!!」
垣根(あーあ、沈むぜ)
心理(主役が本当に上条君みたいね)
絹旗(ポップコーンほしいです)
浜面(船って高そうだよなぁ)
「どうせすぐに沈むんだろ?」
「!そ、そんなことは・・・」
「あの揺れは尋常じゃない、ただ亀裂が入っただけではああはならないさ」
「・・・」
「大方、動力室がやられたんだろ?」
「い、今救助隊が・・・」
「救助隊?この海にか?夜の海にか?」
「・・・」
「船員さん、この船は危険だ」
「な、何をおっしゃいますか・・・」
「これだけのでかさの船じゃ、沈むときに大きな渦が出来るんだよ」
垣根(お、主役頭いいな)
心理(感心してる場合じゃないわよ)
絹旗(あぁ・・・悲劇が始まってしまいます)
浜面(俺、タイタニックではあのヒロインが脱いだとこが印象に残ってる)
「早いとこ救命ボートに乗客を避難させたほうがいいな」
「そんなことは・・・何しろ、今は夜ですよ!?」
「流されるってか?この船にいるよりは可能性がある」
「お客様、避難を!」
「はぁ・・・そうやって問題をうやむやにしようとすんなよな」
「危険ですから!じきに大きな揺れが起きるはずです!」
「それみろ、動力室がやられてんじゃねぇか」
「ですから・・・」
「避難ねぇ・・・逃げる場所なんてどこにある?」
垣根(主役頼もしいな)
心理(アメリカの映画は主役が有能なのが多いわよね)
絹旗(・・・ハラハラしますね)
浜面(腹減った)
「大きな柱、手すりのある場所へ・・・」
「その場しのぎの打開策だな、それとも天国に避難しろってか?」
垣根(アメリカンジョーク来ました!)
心理(まぁ、ベタね)
絹旗(超カッコイイです)
浜面(俺も今度言ってみようかな)
「分かるか?避難できる場所なんてないんだよ」
「・・・お客様、ですが今頃動力室は海水に飲み込まれています」
「・・・いまさらどうすることも出来ないのか」
「はい、ですから今は一度・・・」
「分かった、おとなしく下がっとくよ」
「私達も打開策を練っているところですので」
「打開策ねぇ・・・」
「そんなもんが見つかる前に、俺らは海の藻屑になるかもな」
垣根(来た!キメ台詞!)
心理(違うわよ)
絹旗(ふぉぉ!意外と名作も捨てたものじゃないですね!)
浜面(こういう主役はうらやましいな・・・)
「・・・よ、ミコートさん」
「あ、どうでした?」
「・・・アンタ、泳げるのかい?」
「え・・・どうしてですか?」
「念のためさ、まぁこの季節じゃ海に落ちた時点で凍え死ぬけどな」
「や、やっぱり沈むんですか?」
「しっ、大声でんなこと言うんじゃねぇよ」
「す、すいません」
「・・・おそらくあと1時間ももたない」
「そんなに急なんですか!?」
垣根(ずいぶん巻きのかかった沈没だなぁ)
心理(大人の事情なんだから)
絹旗(急展開・・・C級映画にもありますね!)
浜面(おいおい、マジか?急ぎすぎだろ)
「・・・救命ボートにおそらく女子供は乗ることが出来る」
「あ、あなたは?」
「・・・船員さんの演説みたいだぜ」
「お客様、ただいまこの船は動力室に異常が発生しております」
「はぁ!?ふざけんなよ!」
「まさか沈むなんて言わないでしょうね!?」
「落ち着かれてください、救命ボートは用意しております!」
「この寒い中外に出るってのか!?」
「船の中で待ったほうがいいんじゃないのか!?」
「ちっ、乗客は馬鹿か?全く冷静になれてない」
「・・・ジョーさん、沈没までに全員が救命ボートに乗れるでしょうか?」
「それはないな」
「ど、どうして言い切れるんですか?」
「まぁ・・・な」
垣根(あぁ・・・たしか救命ボートの数が足りないんだっけ)
心理(そうだったわね)
絹旗(手に汗握りますね・・・)
浜面(海って怖いよな)
「救命ボートなんて大した人数は乗れない、半分は船と共に沈む運命さ」
「そんな・・・」
「お、船員さんが救命ボートに案内してくれるみたいだぜ」
「い、行きましょう!」
「・・・おい、救命ボートの数が足りないぞ!?」
「船長は逃げ出したのか!?」
「どうしてくれる!?絶対に安心な船だと聞いていたから乗ったんだぞ!」
「・・・ミコートさん、寒くないか?」
「だ、大丈夫です」
「・・・ちっ、なんとか乗客を落ち着かせないと」
「ジョーさん?どこに行かれるんですか?」
「たしか演奏家が乗ってたな、この船には」
垣根(あぁ・・・あの名シーンか)
心理(あのシーンは泣きそうになるわね)
絹旗(ハンカチ準備しときます)
浜面(それ・・・俺のTシャツ・・・)
「すいません、楽器はご無事ですか?」
「アンタ、何を言っているんだい?演奏家が楽器を手放すわけないだろう」
「それはよかった・・・是非とも一曲、演奏してはいただけませんか?」
「こんな状況でかい?」
「こんな状況だからこそですよ」
「なぜ」
「音楽は人の心に作用します、どうせ明日のディナーで演奏する予定だったでしょう?」
「いかにも」
「ならば、ある程度の準備は出来ているのでは?」
「・・・仕方ない、やってみよう」
「ありがとうございます」
垣根(上条より大人だな)
心理(熱血漢っていうよりは頼りになる人なのね)
絹旗(うぇぇぇん!)
浜面(フライングすぎんだろ!)
「な、なんだ?演奏?」
「こんな時に何を・・・」
「あ、あの・・・ジョーさん?」
「みんな聞いてくれ」
垣根(主役の演説だ)
心理(彼の場合は説教ね)
絹旗(超うぇぇぇん!)
浜面(超ってなんだよ!?)
「この船は沈む、女子供が優先して救命ボートに載せられるだろう」
「分かるか?老いぼれや男達はこの船と沈む運命なんだ」
「・・・それはもはや逃れることの出来ない運命だ」
垣根(おー、周りの乗客真っ青)
心理(誰も反論出来ないわね)
絹旗(ぐすん・・・)
浜面(Tシャツが・・・)
「それがいやなら海にでも飛び込みな、少なくともここにいるよりはマシかもしれないぜ」
「ただ、醜く長らえようと足掻くか、美しく散るかの違いだ」
「死という船旅も悪くはないと思うぜ?」
垣根(キザだな)
心理(キザね)
絹旗(超キザです)
浜面(キザすぎる)
「今演奏家が弾いてくれてるのはレクイエムだ」
「ここは墓場さ、俺達はおそらく死ぬだろう」
「ならば騒いで何になる?最後の別れを静かにしようぜ」
「・・・そうだな」
「あなた、私はあなたと残るわ」
「お前だけは生きていてくれ・・・」
「お腹の赤ちゃんは、きっとあなたにそっくりなはずよ!」
「はぁ・・・疲れた」
「・・・ジョーさん、お疲れ様です」
「・・・ミコートさん、あなたは資産家の娘だ、絶対に乗せてもらえる」
「・・・あなたは?」
「俺は絵描きさ、そんなに価値のある人間じゃない」
「・・・じゃあ、私も残ります」
「だから、それじゃダメなんだよ」
「だって!」
垣根(あぁ、主役がまた説教を・・・)
心理(そげぶね)
絹旗(ちーん!)
浜面(鼻水はやめろぉ!)
「・・・おっと、お前の番みたいだ、救命ボートに行きな」
「ジョーさんも一緒に!」
「・・・俺は遠慮しとく、他の誰かを乗せるべきさ」
「そんなことありません!ジョーさんはとても・・・」
「お前にとっては素敵な男、それだけさ」
垣根(まるで消臭剤のような爽やかさ)
心理(消臭力ね)
絹旗(超泣けます!)
浜面(俺のほうが泣きたいよ・・・)
「・・・ほれ、さっさと行け」
「・・・答えをまだ聞いていません」
「あぁ・・・そういえばそんな約束もしたっけな」
垣根(主役!ガツンといけ!)
心理(ここは優しくいくべきじゃないかしら)
絹旗(浜面!ティッシュ!)
浜面(持ってねぇよ!)
「・・・俺もお前さんのこと、嫌いじゃなかった」
「・・・安心しました、私も人に愛してもらえたんですね」
「・・・このネックレス、やるよ」
「・・・綺麗」
「初めて絵が売れたときに買ったんだ」
「いいんですか?」
「いらなくなったら・・・そうだな、この海にでも捨ててくれ」
「・・・分かりました」
垣根(あぁ・・・最後までフラグ男か)
心理(絹旗さんが大泣きしてるんだけど)
絹旗(うぇぇぇん!!)
浜面(ちくしょう・・・Tシャツが・・・)
「ジョーさん!きっと、きっとまたいつか会えますよね!?」
「そうだな、海の見える場所にいるよ」
「約束ですよ!?」
「約束だ」
垣根(心理定規、ハンカチいる?)
心理(私・・・そこまでは涙脆くないけど)
絹旗(じゃあ私に貸してください!)
浜面(俺のTシャツは犠牲になったのだ!)
「・・・演奏家さん、ありがとよ」
「なに、ワシ自身のレクイエムでもありますわい」
「・・・天国にもコンサートホールはあるのかな?」
「あったのならば、真っ先にあなたを招待しますわい」
「そりゃ嬉しいな」
「・・・あなたは絵描きですか」
「あぁ、しがない絵描きだ・・・アンタみたいに有名でもない芸術家さ」
「芸術家は名を売るのでは無いのです」
「そうだな」
「・・・海が近づいてまいりましたな」
「・・・救命ボートはどうにか遠くに行ったみたいだな」
「・・・あそこにはワシの娘が乗ってるんじゃ、無事だといいがのぉ」
「ポセイドンにでもお祈りしますか」
「ワシは生憎無宗教でな」
垣根(アメリカンジョーク!?)
心理(アメリカの映画って意味分かりにくいジョークを使いたがるわよね)
絹旗(なんてオシャレなジョークなんですか!)
浜面(俺にはさっぱりわかんない)
「・・・空の向こうはさぞかしいい眺めかもな」
「そうかもしれませんなぁ」
「はは・・・そりゃよかった」
「いい絵が描けそうだ」
垣根(あぁ・・・沈んでいく・・・)
心理(・・・ラストは原作とかなり違うわね)
絹旗(あのピーッ!て鳴らすシーンはないんですね)
浜面(ピーッってなんだよ?)
「・・・ジョーさん、あれからもう5年ですよ」
「・・・そちらでは綺麗な絵を描いていることでしょうね」
「・・・この海に、あなたは沈んでいったんですね」
垣根(ヒロインか)
心理(・・・なんだかイヤな予感がするわね)
絹旗(あぁ・・・鼻水が・・・)
浜面(あぁ・・・Tシャツが・・・)
「・・・あれから、私には何人もの男性が求婚してきました」
「・・・その度に、あなたのことを思い出します」
「たった二日の恋でしたけれど」
垣根(女優演技上手いな)
心理(いまさら?)
絹旗(くぉぉ!たった二日の恋ですか!)
浜面(椅子ガタガタ揺らすなよ)
「・・・このネックレス、いつかは海に捨てろと言われましたね」
「・・・今、捨てるつもりですよ」
垣根(・・・)
心理(・・・)
絹旗(え、なんで堤防に近づいていくんですか?)
浜面(は?なんで?)
「そちらからは海が見えますか・・・?」
「私も、海が見たいです」
垣根(・・・うわぁ、イヤな終わり方)
心理(あら、ハッピーエンドじゃない?)
絹旗(うぇぇぇん!ヒロインが身投げしちゃいました!)
浜面(えぇぇぇぇ!そこは主役をきっぱり忘れるんじゃないの!?)
スクリーンにスタッフロールが流れていく
周りから、客の啜り泣く声が聞こえた
垣根「いやぁ、面白かったな」
心理「中途半端なハッピーエンドなんかよりよっぽどよかったわね」
絹旗「超よくないです・・・なんでご都合主義じゃないんですか浜面!」
浜面「俺が撮ったわけじゃねぇからな!」
垣根「まぁまぁ、いいじゃねぇか」
映画館から出た四人は近くのファミレスにいた
心理「私、あれのDVD出たら買おうかしら」
垣根「へぇ、そんなに気に入ったのか?」
心理「ああいう悲しい話は大好きよ?」
絹旗「超えげつない性格してますね」
心理「あら、現実なんてあんなものよ?」
浜面「笑いながら言うなよ・・・」
垣根「ちょっと急展開だったけど、まぁ人気が出るのも頷けるよな」
垣根がジュースを飲みながら言う
絹旗「私はやっぱり超駄作のほうが合ってます」
浜面「はぁ・・・とりあえず今日はお開きだろ?」
垣根「・・・じゃあ」
浜面「帰るか?」
垣根「まさか」
垣根がそっと立ち上がり、三人を見つめる
垣根「カラオケ、行くぞ」
浜面「は?」
少し日の傾き始めた学園都市
その一角にあるファミレスに
不幸な三人の悲鳴が響いた
ということで、四人の映画編終了
次は・・・上琴の読書の秋かな
また、読書の秋が来てしまったw
投下はのちほど
続き: 上条「みこと!」美琴「とうま!」垣根「マン」心理「そこまでよ」【後編】