※関連
最初: 美琴「す・・・好きです!!付き合ってください!!」上条「何やってんだ、御坂」
前回: 上条「まだまだ続く!」美琴「大覇星祭!」垣根「アナウンスはMeダヨ!」心理「誰よ」【後編】





元スレ
上条「そして終盤!」美琴「大覇星祭!」垣根「アナウンスはワシじゃよ」心理「誰よ」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1313568339/

1 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/17 17:05:40.08 OK6NyXVG0 1/797

1スレ目 美琴「す・・・好きです!!付き合ってください!!」上条「何やってんだ、御坂」
http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/kako/1304/13045/1304506297.html

2スレ目 美琴「当麻♪」上条「なんだ、美琴」垣根「俺も仲間に入れて」心理「はいはい」

http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/kako/1305/13053/1305377166.html

3スレ目 上条「美琴、愛してる」美琴「私も♪」垣根「俺も♪」心理「ジャマしないの」

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1306063255/

4スレ目 上条「美琴は可愛いな」美琴「えへへ//」垣根「速さが足りない」心理「はいはい」

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1306724889/

5スレ目 上条「放さないからな」美琴「うん♪」垣根「話さないからな」心理「しゃべりなさいよ」

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1307282872/

6スレ目 上条「抱きしめようか?」美琴「うん//」垣根「抱こうか?」心理「やめて」

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1307709819/


7スレ目 上条「守り続けるからな」美琴「うん//」垣根「これがリア充です」心理「あなたもよ」

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1308139244/


8スレ目(番外編) 美琴「私の好きな人のことを、それ以上悪く言わないで!」

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1308667506/

9スレ目 上条「結婚に必要な物は?」美琴「愛!」心理「お金」垣根「念のため三行半」

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1308992651/

10スレ目 上条「まずは!」美琴「そのふざけた!」心理「幻想を!」垣根「守るのこそ愛だ」

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1309355502/

11スレ目 上条「マイホームか・・・」美琴「い、いいわね//」心理「そうね」垣根「欠陥住宅か」

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1309860801/

12スレ目 テクパトル「あの月はもう、空には出ない」

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1310283821/

13スレ目 上条「美琴は可愛いな」美琴「//」垣根「心理定規可愛いハァハァ」心理「やめて」

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1310641032/

14スレ目 上条「恋といえば!」

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1311066610/

15スレ目 上条「旅行かぁ・・・」美琴「どこ行く?」垣根「ヤっちゃうのか?」心理「黙って」

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1311506386/

16スレ目 上条「愛って何かな」美琴「守ること?」心理「信じること」垣根「疑い続けることさ」

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1311939697/

17スレ目 上条「始まった・・・」美琴「大覇星祭・・・」垣根「アナウンスは俺」心理「やめて」

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1312451177/

18スレ目 上条「引き続き!」美琴「大覇星祭!」垣根「アナウンスも俺!」心理「もうイヤ・・・」

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1312969940/

19スレ目 上条「まだまだ続く!」美琴「大覇星祭!」垣根「アナウンスはMeダヨ!」心理「誰よ」

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1313206497/

黒歴史 今日も学園都市には雨が降る

http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/kako/1303/13037/1303730725.html

2 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/17 17:06:31.20 OK6NyXVG0 2/797

キャラ紹介

上条・・・言わずとしれたそげぶマン
美琴の彼氏、第一の主人公であり、正義感溢れます
美琴をかなり愛しています

美琴・・・ヒロイン
可愛いです、可愛いです、可愛いです
ツンデレがデレデレになってますが、それもまた(ry
上条さんにメロメロ

垣根・・・本シリーズでおそらくもっとも愛されてるキャラクター
イケメルヘンからギャグまでなんでもござれ
心理定規と付き合ってます、フリーダム
たまにツッコミ

心理定規・・・垣根の嫁
ていとくんに踊らされながらも彼を支えます
おそらく、心理定規タンハァハァって方もいるかと、俺もそうだ
ホント、マスコットキャラ

エツァリ・・・本シリーズで地味なキャラの一人
ショチトルと付き合ってる変態ツッコミ

ショチトル・・・地味キャラだった一人
エツァリと付き合ってます、自称ドMの実際ドM
もはや、ボケキャラ

削板・・・熱い男
黒子の彼氏、地味なはずがわりとキャラが濃い

黒子・・・ですの
削板の彼女、でもお姉さまも相変わらず好きなのでご安心を

一方・・・歪みないセロリ
番外個体の彼氏、そしてロリコン

番外個体・・・一方の嫁
やっとセロリと付き合うことに
わりと奥手

テクパトル・・・ダークホース
途中でレギュラーになったにも関わらずていとくんとならび本シリーズの目玉に
こんなはずではなかった
美月こと19090号と恋人に、さまざまな苦難も乗り越えイチャイチャリア充

19090号・・・テっくんの嫁
勝手に美月と名づけました
後悔はしてません
テクパトルと結ばれましたが未だに照れ屋さん

20000号・・・変態
しかも、テっくんでヤったこともある変態
たまに男前

14510号・・・セロリのことが好きな乙女
でも報われませんね

10033号・・・セロリのことが好きな乙女
やや口調がキツイ

御坂妹・・・可愛いです
案外しっかりしたキャラ

17600号・・・やや遅れて合流した妹達
彼女は強いですね、いろんな意味で

■■・・・名前が思い出せないキャラ
なのに大覇星祭では輝いている
おそらく準レギュ、というかエツァリよりも輝いてる気がする

吹寄・・・垣根に告白、失恋するもやはり友達がいいと気づいた強いキャラ
案外レギュラーになりそうだけどしない
おっぱい吹寄


3 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/17 17:07:17.49 OK6NyXVG0 3/797

スレ内容

上琴、未元定規がメインのギャグほのぼの

一方通行×番外個体
テクパトル×19090号
削板×黒子
エツァリ×ショチトル

サトリナさんは俺の嫁

さだのりはジャガイモ

>>1は速さを極めようとしています、ヒマジンというツッコミはなしですw
ただし、ミサカ口調でいじめるように言うツッコミは大歓迎

Mではありません


あと、背中って素敵

それだけ



えー、ちなみに




背中は正義だから

異論は認めないから


グダグダ苦手な方は気分を害しちゃいます

高確率で、うん

今スレもリクエストは受けられませんw


4 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/17 17:08:35.60 OK6NyXVG0 4/797

今回は時間つぶしとかはなし!!w

基本ラジオもできないですね、すいません



もはや上琴ではなくなってきています

全員が主人公になっていますが、日常では誰もが主人公なんだぜ、という>>1のメッセージです

いや、ウソです

サトリナさんは俺の嫁です

サトリナさんは俺の嫁です

>>1が喜ぶコメは


>>1よ、速さが足りない!!



ミサカ口調でけなすようなコメ




サトリナさんっぽい優しいコメのあとに、(と、サトリナが>>1の耳元で囁いていました)

です

お願いします、>>1に元気を・・・


すいません、冗談です




本編続き

11 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/17 21:14:26.81 OK6NyXVG0 6/797

では本編


垣根「・・・はぁ、終わったな」

垣根が溜め息をつく

5日目が終わった

吹寄「お疲れ様・・・」

心理「今日もどうにか終わったわね・・・」

垣根「あぁ」

12 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/17 21:16:29.79 OK6NyXVG0 7/797

垣根「・・・俺たちは帰るけど、吹寄はどうする?」

吹寄「ちょっと用事があるのよ」

心理「あら、一緒に食事でもと思ってたんだけどね・・・」

吹寄「二人で楽しんできて」

吹寄が手を振りながら去っていく


垣根「・・・男か・・・」

心理「違うでしょ」

13 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/17 21:18:47.42 OK6NyXVG0 8/797


吹寄「ここらへん・・・かしら」

吹寄は公園に着ていた

クラスメイトである■■から呼び出されたのだ


■■「あ。いたいた」

吹寄「あぁ、どうしたの?」

■■「相談があって」

15 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/17 21:21:47.89 OK6NyXVG0 9/797

吹寄「相談?」

■■「明日。競技があるでしょ」

吹寄「えっと・・・走り高跳び・・・だっけ?姫神も出るのよね」

■■「そう」

■■がうなずく

16 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/17 21:23:01.89 OK6NyXVG0 10/797

吹寄「・・・でも、なんで?」

■■「自信が。ない」

■■が少しうつむく

緊張しているのか、なにやら不安そうだ

吹寄「落ち着いてやれば大丈夫よ」

■■「・・・なぜか。いきなり注目されるようになった」

17 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/17 21:24:20.48 OK6NyXVG0 11/797

吹寄「あぁ・・・」

吹寄が苦笑する

■■はこの大覇星祭期間中に有名になりすぎた

もはや名前で呼ばれてもいいほどに

■■「・・・なんだか。いきなり環境が変わった」

吹寄「一部ではファンクラブも出来てるらしいわね」

18 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/17 21:26:16.43 OK6NyXVG0 12/797

■■「ちょっと。プレッシャー」

吹寄「うーん・・・でも練習は出来ないものね」

■■「うん」

■■が溜め息をつく

せめて、どうにか高さのあるものとクッションのようなものを用意できればいいのだが

吹寄(・・・あ、そうだ)

吹寄が携帯を取り出す

19 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/17 21:28:16.76 OK6NyXVG0 13/797

そこには、このまえ■■から教えてもらった垣根の携帯番号がある

吹寄「出るかしらね」

■■「?」

冷たいコール音のあと、通話が始まった


吹寄「あぁ、垣根?」

垣根「俺の声を聞きながらナニをするつもりだい?」

吹寄「とりあえず五回死になさい」

20 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/17 21:30:33.61 OK6NyXVG0 14/797

垣根「なんの用だよ、今から飯食うのか?」

吹寄「そうじゃなくて、貴様に手伝ってほしいことがあるのよ」

垣根「なにを?」

吹寄「貴様、能力でクッションみたいなもの作れる?」

垣根「はぁ?出来るけどなんでだよ?」

吹寄「今○○公園にいるの、来てくれないかしら」

21 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/17 21:32:05.89 OK6NyXVG0 15/797

垣根「いや、だから」

吹寄「じゃ、よろしく」

垣根に有無を言わせず、吹寄が通話を切る

垣根はなんだかんだ行ってやってくるはずだ

そう、彼の能力でクッションを作ってもらう

もちろん、棒くらいなら用意はできる

これで、一応の練習はできるだろう

23 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/17 22:04:28.87 OK6NyXVG0 16/797


垣根「・・・お前、急に呼び出すなよ」

それから数分

垣根が心理定規と一緒にやってきた

空からだ

■■「・・・飛んできた」

吹寄「貴様・・・なんなのホントに」

24 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/17 22:06:11.02 OK6NyXVG0 17/797

垣根「なんなの、はこっちのセリフだボケ」

吹寄「姫神が明日走り高跳びに出るのよ」

心理「あら、選抜選手なの?」

■■「そう」

こくり、と■■がうなずく

垣根「・・・で?」

吹寄「練習をしたいのよ」

25 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/17 22:09:22.19 OK6NyXVG0 18/797

心理「・・・あぁ、クッションなら垣根の翼が代わりになるわね」

心理定規が垣根の翼に触れる

とてもやわらかい翼だ

これならある程度の衝撃には耐えられるだろう

垣根「・・・俺は道具扱いか」

吹寄「はぁ・・・手伝ってくれたらなんでも言うこときいてあげるから」

垣根「ほう・・・」

26 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/17 22:12:09.82 OK6NyXVG0 19/797

垣根が腕を組む

今彼の頭の中では二つのものが天秤にかけられている

「心理定規とのデート」



「吹寄のおっぱい揉み揉み」

この二つだ

27 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/17 22:14:18.85 OK6NyXVG0 20/797

垣根「よし、やってやんよ」

心理「あら、いいの?」

垣根「なに、問題ない」

垣根が微笑む

彼だって男なのだ

垣根「で、棒はどうすんだよ?」

吹寄「そうね・・・そこらへんにあるものを組み上げたらどうかしら」

28 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/17 22:17:40.58 OK6NyXVG0 21/797

垣根「じゃあ鉄パイプだな」

垣根が鉄パイプを拾ってくる

こんなもの、彼は使ったことはない

そういうのは無能力者が使うものであって彼のような超能力者が使うものではない

よって、意外とまじまじ触るのは初めてだったりする

垣根「吹寄はこういう硬くて太いのが好きか」

吹寄「黙れ」

29 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/17 22:20:10.50 OK6NyXVG0 22/797

心理「・・・でも、これを組み立てるの?」

垣根「おうよ」

垣根が適当に鉄パイプを合わせる

吹寄「・・・細かいとこがサイズが違うわね」

■■「・・・どうするの」

垣根「俺の未元物質は常識が通用しないんだぜ?」

30 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/17 22:21:43.97 OK6NyXVG0 23/797

垣根が隙間に何かを流し込む

垣根「いやぁ、鉄を溶かしちまう未元物質だ」

吹寄「・・・さらりと恐ろしいわね」

垣根「えー」

心理「私は硬くて太いの好きよ」

垣根「そうか、今晩ヤろうな」

■■「いつの話」

31 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/17 22:25:57.46 OK6NyXVG0 24/797

垣根「・・・で、これでいいか?」

垣根が鉄パイプで作った「ジャンプしちゃおう☆」を立てかける

■■「うん。いけそう」

吹寄「ギャラリーは用意できないけど・・・練習しとけば緊張はなくなるわよね」

■■「えぇ。大丈夫かも」

■■が足首をグルグル回す

32 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/17 22:28:47.51 OK6NyXVG0 25/797

■■「・・・私は飛ぶ」

そっと、助走をつける

垣根(一回目・・・)

心理(高さも・・・結構なものよね)

吹寄(・・・いけるのかしら)


■■がバン、と地面を蹴る

綺麗な曲線を描いていく

33 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/17 22:31:17.11 OK6NyXVG0 26/797

垣根(・・・跳んだ!)

■■の体は、かなりの余裕を保って棒を超えた

垣根「ははは!!ダークマターガード!」

垣根が翼を伸ばす

その翼の中央に、■■の体が落ちる

吹寄「よ、余裕じゃない」

34 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/17 22:34:06.53 OK6NyXVG0 27/797

■■「私は。跳べた」

垣根「おめでとさん・・・じゃあ俺は・・・」

吹寄「え、まだ練習するわよ?」

心理「あら、まだやるの?」

垣根「おいおい・・・俺はまだ飯・・・」

■■「お願い。私の胸も揉ませるから」

垣根「いや、お前はいい」

■■「」

35 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/17 22:37:54.22 OK6NyXVG0 28/797

垣根「じゃ、次もやるけど・・・」

吹寄「けど?」

垣根「いや、今の手伝った分の言うことは聞いてもらうぜ?」

吹寄「い、一回ごとだったの!?」

垣根「たりめぇだろ!!こっちは時間削ってんだよ!」

心理「まぁ、そうね」

36 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/17 22:40:00.71 OK6NyXVG0 29/797

垣根「じゃ、やらせてもらいますね!」

垣根が吹寄の胸を1揉みする

吹寄「」

心理「・・・垣根」

垣根「んー、でもやっぱ心理定規のほうがいいな」

心理「あら、私は胸はあんまり感じないんだけど」

■■「吹寄。目を覚まして」

38 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/17 22:41:20.10 OK6NyXVG0 30/797

垣根「よーし・・・高さ上げるか?」

■■「うん。やってみせる」

吹寄「」

心理「ほら、吹寄さん」

吹寄「はっ!!でもどうやって高さを上げるの!?」

心理「そこは・・・」

垣根「下に板をかませる」

39 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/17 22:42:58.86 OK6NyXVG0 31/797

垣根が台の下に板を置く

垣根「えっと・・・5cmは上がったかな」

心理「あら・・・5cmだけでもかなり変わるのね」

吹寄「いける?」

■■「もちろん」

41 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/17 22:46:13.30 OK6NyXVG0 32/797

■■がまた助走をつける

吹寄「・・・でも、これって中々の記録になるわよね・・・」

心理「・・・えぇ、女性にしてはかなりの記録でしょ・・・」

垣根「黙って見てな」


■■「行くよ」

■■が地面を蹴る

さきほどよりも綺麗なフォームだ

42 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/17 22:48:48.13 OK6NyXVG0 33/797

垣根(跳んだ!!)

■■の体は、また軽々と飛んでいく

心理(・・・綺麗な動き)

吹寄(完璧なフォーム・・・)

二人も息を飲む

またも、■■は成功させてしまった

45 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/17 22:50:25.44 OK6NyXVG0 34/797

■■「垣根。吹寄のおっぱいまた揉んでいいよ」

吹寄「な、そんなこと・・・」

垣根「うーん・・・」

垣根が顎に手を当てる

垣根「・・・いや、吹寄のはさっきので十分だ」

心理「あら、じゃあどうするの?」

垣根「こっちでいいや」

46 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/17 22:51:57.32 OK6NyXVG0 35/797

垣根が■■の胸元に手を突っ込む

心理「じ・・・」

吹寄「直に!?」

垣根「いや、下着越しです」

垣根が手を動かす

■■「・・・どう?」

47 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/17 22:53:23.20 OK6NyXVG0 36/797

垣根「マーベラス」

■■「ふふ。これで私もセクシー要員」

垣根「いや、でも心理定規のほうがいいぜ?」

■■「」

心理「あら、揉んでいいわよ?」

垣根「サンキュー」

吹寄(ラッキーじゃないスケベね)

48 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/17 22:55:36.74 OK6NyXVG0 37/797

垣根「よし、なら俺はとことん練習に付き合ってやるよ!」

吹寄「え、いいの?」

垣根「上条の学校だろ、応援してやるよ!」

心理「そうね、そういえばそうだったわ」

■■「・・・じゃあ。よろしく」

垣根「ははは!!やってやんよ!」

垣根がまた台の下に板をかます

50 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/17 22:57:54.89 OK6NyXVG0 38/797

垣根「ほれ!跳んでみろ!!」

■■「やってやる」

■■がまた跳ぶ

垣根はそれを受け止める

その繰り返しだ


心理「・・・」

吹寄「・・・ヒマね」

51 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/17 23:00:18.34 OK6NyXVG0 39/797

垣根「ほら!!天まで届け!」

■■「1。2。3」

吹寄(・・・でも、姫神は楽しそうね)

心理(こういうのも悪くはないかもね)


夜のトレーニングは、朝まで続いた

62 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 09:56:09.37 VYAmpZV/0 40/797

垣根「・・・朝まで練習しちまったな」

吹寄「・・・今何時?」

心理「4時・・・今からじゃ寮に帰るのはキツイんじゃない?」

■■「でも。このまま眠らずに競技に出るのは辛い」

垣根「そうだよなぁ」

垣根が頭をかく

どうすればいいのかを必死に考えているのだ


63 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 09:56:35.56 VYAmpZV/0 41/797

心理「・・・私達の家までは近いのね」

垣根「あ、じゃあ俺達の家で仮眠取るか?」

吹寄「え、でも・・・」

■■「二人のプライベートな空間じゃないの」

垣根「いいんだよ、別に隅から隅まで見せるわけじゃねぇんだし」

垣根が立ち上がる


64 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 09:57:04.81 VYAmpZV/0 42/797

幸い、ここから彼の家までは5分も歩けばつけるのだ

心理「じゃあ行きましょう」

心理定規も垣根の後に続く

吹寄(・・・学生で自分の家を建てるなんて)

■■(さすが高位能力者は違う)

二人はそんなことを考えながら歩いていた



65 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 09:57:58.44 VYAmpZV/0 43/797

垣根「はい、ここだよ」

少し歩いたらすぐにたどり着いた

吹寄「・・・な、なにこの大きさ・・・」

■■「私達の寮より。普通に大きい」

心理「いろいろな設備が詰まってるもの」

垣根「あ、露天風呂もあるから汗流したらどうだ?」


66 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 09:58:31.51 VYAmpZV/0 44/797

吹寄(い、家に露天風呂・・・?)

■■(ますますバブリー)


四人はひとまずリビングに上がる

吹寄「おじゃまします・・・内装はかなり綺麗ね」

■■「鹿の頭なんて。初めて見たかもしれない」

吹寄「ホント・・・シャンデリアもあるわね」


67 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 09:59:06.80 VYAmpZV/0 45/797

心理「私が頼んでつけてもらったのよ」

垣根「お前はこういうインテリア大好きだからな」

垣根が苦笑する

彼女のためになら金に糸目さえつけないのだろう

吹寄「・・・とりあえず、露天風呂に案内してもらっていいかしら」

心理「私が案内するわね」


68 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 09:59:40.96 VYAmpZV/0 46/797

垣根「えー、俺も案内・・・」

心理「あら、なに?」

垣根「いえ」

心理定規が垣根を睨みつける

彼が覗きをしよう、と考えていることくらい手に取るように分かった

■■「じゃあ。垣根は待っててね」

垣根「あいよ」


69 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 10:00:06.76 VYAmpZV/0 47/797

垣根をリビングに残し、女三人は露天風呂へ向かう


■■「・・・家に入る大きさの露天風呂じゃない」

吹寄「ていうか、露天風呂は外なんだけど・・・とにかく、敷地はどれだけ広いのよ・・・」

心理「いいからさっさと脱ぎましょう」

三人が服を脱ぐ

■■「そういえば。誰かと風呂に入るなんて初めて」


70 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 10:00:36.38 VYAmpZV/0 48/797

吹寄「そうね・・・私も修学旅行以外では初めてよ」

心理「あら、じゃあ初体験なのね」

クスクス、と心理定規が笑う

なんでそんな卑猥な言い方をしたのかは分からない

心理「・・・吹寄さんは・・・けしからん胸をしてるわね」

吹寄「な、何よそれ?」


71 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 10:01:21.91 VYAmpZV/0 49/797

■■「私も少しは自信はあるけど。吹寄と比べたらまったく小さいように見えてしまう」

心理「・・・触り心地はどうなのかしら」

プニプニ、と心理定規が吹寄の胸をつつく

吹寄「ちょ、ちょっと!」

心理「・・・どうやったらこんなスタイルを維持しつつそんな大きな胸に・・・」

細いウェスト、引き締まった体

それとは対照的に大きく出ている胸


72 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 10:02:11.16 VYAmpZV/0 50/797

女性からしたら最高にうらやましい体なのだ

■■「ホント。うらやましすぎる」

■■も吹寄の胸をつつく

吹寄「ね、ねぇ!さっさと風呂に入りましょう!」

やや無理矢理、二人の魔の手から逃げる

そのまま走るように露天風呂へ向かった



73 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 10:03:04.54 VYAmpZV/0 51/797

吹寄「・・・すごい・・・まだ月は見えるわね」

■■「・・・竹垣が高いから外の人に見られることもない」

心理「そもそも、この辺りはだいたい垣根の土地だから覗きは基本心配いらないわよ」

驚く二人に、さらに衝撃の事実を伝える

吹寄「・・・この辺りって・・・どれくらい?」

心理「縦1km、横は・・・700mくらいかしら」


74 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 10:03:51.86 VYAmpZV/0 52/797

■■「それは。土地というより村」

吹寄「ほ、ホントにそんな広いの?」

心理「超能力者、しかも二位なのよ?」

心理定規が苦笑しながら言う

普段のふざけた彼からは想像しがたいかもしれない

だが、彼の能力はヘタをしたら新たな世界を作ってしまうほどのものなのだ

75 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 10:04:35.90 VYAmpZV/0 53/797

■■「・・・垣根の能力って。結局詳しく知らない」

吹寄「そうね・・・簡単な原理は知ってるけど」

心理「簡単に言えば新たな素粒子を作るのよ」

吹寄「えっと・・・私達にとっては簡単じゃないのよ」

■■「もっと。簡単に言って」

心理「・・・そうね、例えばここには水があるでしょ?」


76 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 10:05:11.61 VYAmpZV/0 54/797

心理定規がシャワーの蛇口を捻る

少し暖かいそれはお湯と呼んだほうが相応しいのだが

心理「この水から出来てるものって何があるかわかる?」

吹寄「・・・氷、雲」

■■「水蒸気も」

心理「えぇ、そうよ」


77 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 10:05:58.45 VYAmpZV/0 55/797

正解、といった感じでウインクをしながら心理定規が答える

心理「この世の中の物質は、全て何かを材料にして出来ているの」

吹寄「・・・その材料を新しく作り出す能力、ってこと?」

心理「そうよ」

■■「・・・それって。どれほどすごいの?」

心理「例えば、垣根を倒すとしたらどんな方法を使ってみる?」

吹寄「・・・あまり言いたくはないけど、寝込みを襲うんじゃないかしら」


78 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 10:06:43.53 VYAmpZV/0 56/797

心理「それは無理よ」

吹寄「?なんで?」

吹寄が首を捻る

寝込みを教われたら垣根だって一たまりはないはずなのに

心理「彼は未元物質を至る所にばらまいてるの」

■■「常に?」


79 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 10:07:13.29 VYAmpZV/0 57/797

心理「いえ・・・正確には、敵がいるときは、ね」

吹寄「ふーん・・・それで、なんで無理なの?」

心理「未元物質にそれぞれシグナルを混ぜるのよ」

■■「そんなこと。出来るの?」

心理「自分が作った物質よ、それに大抵の素粒子は中に陽子やら電子やらを含んでるでしょ?」

吹寄「原子と同じくね・・・」


80 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 10:07:55.05 VYAmpZV/0 58/797

心理「何かに触れたらそのシグナルが狂う設定にしたら?」

■■「誰かが近づいてきた時点で気づくのね」

心理「そうよ」

吹寄「・・・」

吹寄は首を捻っていた

なぜ心理定規はそんなに断言できるのか

彼はそうするだろう、ではなくそうする、と


81 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 10:08:43.31 VYAmpZV/0 59/797

まるで今まで寝込みを襲われるような状況にあった、とでも言いたげではないか

吹寄(・・・って当たり前か、スキルアウトに絡まれたりするものね)

そこで思考が終わるのは、彼女が正常な世界に暮らしているからだろう

心理「じゃあ、他にはどんな方法を使う?」

■■「火炎放射とか。どうかな」

心理「燃えない物質を作り出すわよ、そしたらそれで防ぎ、殺すだけ」


82 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 10:09:22.83 VYAmpZV/0 60/797

吹寄「こ、殺す?」

心理「・・・たとえばよ」

心理定規が顔をしかめる

たまにそうやって、昔の世界にいた頃の片鱗を見せてしまう

吹寄「・・・その能力でも二位なのね」

心理「正直、一方通行とはいい勝負なのよ」


83 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 10:10:12.95 VYAmpZV/0 61/797

心理定規が苦笑する

心理「えっと・・・第一位、一方通行の能力は知ってるかしら」

吹寄「たしか、いろんなベクトルの向きを操れるのよね?」

心理「えぇ」

■■「・・・未元物質にも。ベクトルはあるの?」

心理「もちろん、ベクトルの存在しない物質を作っても、結局そこには何らかのベクトルが加わるもの」


84 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 10:10:51.96 VYAmpZV/0 62/797

たとえば重力

たとえば引力

作り出した物質自体にベクトルがなかったとしても周りのベクトルを操られればそれまでだ

心理「第一、ベクトルの存在しない物質なんてありえないのよ」

吹寄「・・・形を保てないものね、物質として存在出来なくなるわ」

心理「そう・・・ただし、この世の物理法則で計れないベクトルを持った物質にしたら?」


85 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 10:11:57.45 VYAmpZV/0 63/797

■■「一方通行が演算するまでに、それで倒すこともできる」

心理「・・・ただし、それもいたちごっこよ」

垣根が新たな物質で攻撃して、一方通行は今この世にある全てを操って襲いかかる

能力自体には、差なんてないのだ

心理「ただ、一方通行には自動制御があるのよ」

吹寄「・・・自動制御?」


86 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 10:12:37.84 VYAmpZV/0 64/797

心理「・・・寝ている間も反射だけは適用されるのよ」

心理定規がため息をつく

高位能力者であればその厄介さは簡単に分かるだろう

■■「・・・寝ているのに演算は出来ない」

心理「違うわ、反射は必要ないものの力の向きを正反対にするだけなの」

心理定規が指を右に差す


87 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 10:13:19.95 VYAmpZV/0 65/797

心理「右の反対は?」

吹寄「?左だけど・・・」

心理「そう、それを一方通行はデフォルトとして設定してるの」

御坂美琴、という超能力者がいる

彼女は寝ている間でさえ、ほんの少しの電磁波を発している

つまり、演算はしなくても多少の能力は使えるのだ


88 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 10:13:59.60 VYAmpZV/0 66/797

無意識の美琴でそれだけだ

事前にデフォルトとして、「必要ないベクトルを正反対にする」と設定したら

寝ている間は、演算が行えないだけなのだ

事前に演算し、能力を発動させていれば

寝ている間でも反射が使える

細かい向きを設定するなら一々演算し直さなければならないだろう

反射はそれと違い、ただ単純に180度ベクトルをずらすだけでいいのだ


89 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 10:14:37.79 VYAmpZV/0 67/797

心理「・・・だから、寝ている間だけじゃなくて不意打ちにも対抗できるの」

吹寄「・・・垣根は一々演算をしないといけないのね」

心理「えぇ、仮に遠くから撃たれたりしたらちょっと面倒ね」

そう言っている心理定規の横顔は笑っていた

まるで、垣根ならどうせそれも防いでしまう、とでも言いたそうに

■■「・・・なんだか。難しい世界」

心理「今は一方通行にも制限がついてるし、一概にどちらが上とは言えないわね」


90 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 10:15:05.06 VYAmpZV/0 68/797

吹寄「ふーん・・・なんだかちょっと分かったわ」

吹寄がふむふむ、と頷く

彼女は成績優秀なのだ

こういった話を聞くのも好きらしい

上条みたいな落ちこぼれが聞いたら「ガリ勉野郎!」なんて言いそうなものだ

心理「まぁつまらない話はおいといて・・・」


91 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 10:15:54.36 VYAmpZV/0 69/797

吹寄「え、なかなか魅力的な話だった・・・ひゃんっ!」

吹寄がいきなり甘い声を上げる

また心理定規が彼女の胸をつついたのだ

心理「これはどうやって作り上げたの?そっちのはうが魅力的な話よ」

■■「それは。私も是非聞きたい」

■■もつついてみる


92 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 10:16:20.79 VYAmpZV/0 70/797

本当に手触りも大きさも文句ない代物だった

吹寄「だ、だからそんな特別なことは・・・っ!」

心理「あら、でもこれは無意識に出来るようなものじゃないわよ?」

■■「うらやましい」

吹寄「と、とにかく触るのはやめて!」

心理「あら、感じちゃうの?」


93 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 10:16:59.89 VYAmpZV/0 71/797

クスクス、と心理定規が笑う

吹寄「違うわよ!なんだかくすぐったいし・・・」

■■「・・・気をつけて摂っている栄養とかは?」

吹寄「あぁ、まずはカルシウムかしら、やっぱり日本人は骨格が華奢だから、しっかりした骨組みを作ることから始めないと」

■■「ほうほう」

吹寄「脂肪は適度に摂るわね、あんまり摂りすぎたら痩せられないもの」


94 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 10:17:59.60 VYAmpZV/0 72/797

心理「へぇ・・・」

吹寄「あとは・・・」

その後も吹寄はしばらく栄養について語っていた

こんな話を嬉しそうに語るあたり、彼女はテクパトルと話が合うかもしれなかった


垣根「数字のいっちは!なーぁに!?」

垣根「ロンギヌスーの槍!!!!!」

95 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 10:19:52.33 VYAmpZV/0 73/797

垣根は一人、リビングで転がっていた

女達は未だに風呂である

まさかその中で吹寄の胸を心理定規と■■が揉むという不思議イベントが行われているのは知る分けない

垣根(あー、ヒマだ)

時刻は4時半

競技開始までは約5時間

彼は発声練習をしていた

96 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 10:21:20.47 VYAmpZV/0 74/797

垣根「おーれとの愛を守るためー!!」

垣根「おーまえはたびーだーちー!!」

垣根「あしーたをー!!」


垣根「これじゃ練習にならんね」

垣根がゴロン、とソファーに転がる

垣根「・・・こうしてると、眠くなるよな」

97 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 10:26:52.96 VYAmpZV/0 75/797

まぶたが自然と落ちてくる

疲れているのもあって、すぐに夢の中へ落ちそうになる

垣根(・・・まぁ、一眠りすんのも悪くないか)

小さく微笑んで、垣根は思考を止める

そうすると、些細な音が聞こえてくる

ソファーの軋む音

外から聞こえる少しの声

98 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 10:28:33.89 VYAmpZV/0 76/797

垣根(・・・いい気持ちだ)

何も考えず

眠気に体を任せる

そして、夢の中へ・・・


心理「ただいまー、あがったわよ」

■■「あ。垣根だけ寝ようとしてる」

吹寄「ずるいわよ」

99 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 10:30:41.77 VYAmpZV/0 77/797

垣根「・・・ちっ」

心理「なんで舌打ちするのよ・・・」

垣根「こっちはな、そろそろ夢の中のヴィーナスとご対面するとこだったの!!」

プンプン、と垣根が頬を膨らませる

垣根「垂れパンダが実は垂れ乳だったってのと同じくらいショックだよ!!」

吹寄「意味が分からないわね」

■■「それは。ショック」

100 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 10:32:06.18 VYAmpZV/0 78/797

垣根「俺はな!!眠いんだよ!」

吹寄「私達もよ」

心理「あら、じゃあ寝ちゃう?」

■■「布団は。ある?」

心理「ソファーじゃダメかしら?」

心理定規がソファーを指差す

余裕で四人なら寝られそうな大きさだ

101 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 10:33:33.94 VYAmpZV/0 79/797

吹寄「・・・か、垣根も一緒に寝るの?」

垣根「お前、今から俺に二階に上がって寝ろってか?」

垣根が呆れたように言う

正直、■■の練習で一番疲れたのは彼だ

ずーっと能力を使っていたのだから

吹寄「そ、そうじゃないけど・・・」

心理「大丈夫よ、彼ってこう見えて真面目だから」

102 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 10:35:28.93 VYAmpZV/0 80/797

吹寄「そ、そう」

吹寄がしぶしぶと頷く

■■「・・・私も。少し不満だけど」

垣根「あぁ?お前らみてぇな魅力ない女なんざ襲うわけねぇだろ」

■■「あなたは。全国の巫女さんファンと。全国の巨乳フェチを敵に回した」

吹寄「と、とりあえず寝ましょう!」

心理「じゃあ、音楽かける?」

103 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 10:37:08.71 VYAmpZV/0 81/797

垣根「お、いいな」

垣根が適当にCDを漁る

■■「クラシックがいい」

吹寄「たしかクラシックは眠気を誘発する効果があったわね」

心理「垣根、いいのあった?」

垣根「静かなのがいいか?」

心理「当たり前でしょ」

104 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 10:38:34.37 VYAmpZV/0 82/797

垣根「じゃあ、これな」

心理(・・・絶対うるさいのかけるわよ)


垣根「SNAPのPOWERだ!!!」

垣根「アイブゴッザパーワー!!!!!!!!!!!!!」

心理「ぶち殺すわよ」

垣根「クラシックじゃないけどゴッドファーザー、愛のテーマで」

■■「あれなら。眠れそう」

105 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 10:42:11.96 VYAmpZV/0 83/797

独特のメロディーを聴きながら、四人は目を閉じる

吹寄(・・・今思えば、なかなかすごい設定の映画よね)

心理(・・・バイオリンが心地いいわ)

■■(・・・私は。スカーフェイスのほうが好き)

垣根(お尻に綿棒突っ込んだら痛いのかな)


それぞれが違うことを考えていた

そして、少しずつ思考が止まっていく

106 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 10:44:36.82 VYAmpZV/0 84/797


垣根「・・・目が、覚めました」

一番最初に目を覚ましたのは垣根だった

意味のわからない夢を見たせいで、すぐに目覚めてしまった

30分も寝ていないらしい

相変わらずゴッドファーザーのサントラが続いていた

垣根(・・・みんな寝てるとかムカついた)

107 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 10:48:04.82 VYAmpZV/0 85/797

垣根がまずは心理定規のもとへ近づく

垣根(・・・)

そっと、頬に触れる

心理「んっ・・・」

垣根(さぁ!!起きたいけど起きるほどの刺激じゃないよなー、どうしよっかな!!を味わえ!!)

心理「・・・んー」

垣根(ひゃひゃひゃ!!眠いんだろ!?でも気になるんだろ!!??)

108 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 10:50:08.07 VYAmpZV/0 86/797

心理「・・・」

垣根(ちっ、寝ることに決めたか)

今度は■■に近づく

垣根(えっと・・・あったあった)

垣根が手の持ったのは習字の筆

新品だ

垣根(あひゃひゃ!!足をくすぐってやるよ!!!!!!!!!!!!!!!!)

109 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 10:51:30.71 VYAmpZV/0 87/797

筆の先っぽで■■の足をくすぐる

■■「・・・うがー」

垣根(なんだ?いびきか?それともリアクションか?)

垣根が少しくすぐる強さを高める

■■「ぐぐぐぐ!!」

垣根(なんだこりゃ?)

■■「ほにょー」

垣根(・・・寝てるのか?)

110 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 10:53:22.72 VYAmpZV/0 88/797

首を捻りながらも、くすぐりは続ける

■■「あ・・・そこは違う穴だよぉ・・・」

垣根(なんの夢見てんだよ)

■■「ほーら。やっぱり○が正解だった」

垣根(いや、○×クイズか?てかなんで穴に飛び込んで正誤を競うんだよ)

■■「・・・」

垣根(リアクションがなくなったな)

111 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 10:54:56.43 VYAmpZV/0 89/797

垣根が吹寄に近づく

垣根(しっかし、胸がでけぇな)

横になっても盛り上がっている胸なんて卑怯ではないか

垣根(・・・まぁそっちはいいとして)

垣根が鉛筆削りを持ってくる

垣根(耳元で鉛筆削ってやる!!)


ガリガリガリ、と音を立てる

112 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 10:56:36.94 VYAmpZV/0 90/797

吹寄「ん・・・」

垣根(ひゃひゃ!!こりゃきっついぜぇ!?)

吹寄「・・・」

垣根(ほら見ろ!!目が開いて・・・)


垣根「え?目が開いて?」

吹寄「・・・何・・・してるの?」

垣根「は?鉛筆削り・・・」

113 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 10:58:37.26 VYAmpZV/0 91/797

吹寄「・・・ね、眠ってる私に近づいてなにしてたの?」

垣根「いえ、硬い棒を・・・」

吹寄「か、硬い棒!?」

垣根「あぁ、Hになるほど硬くなる棒を・・・」

吹寄「そ、それをどうしてたの!?」

垣根「いや、穴に突っ込んでグルグルと・・・」

吹寄「な、なななななな!?」

114 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 11:00:03.35 VYAmpZV/0 92/797

垣根「いや、鉛筆だからな?」

吹寄「え、鉛筆!?」

垣根「なんでそんな驚いたリアクションするんだよ」

吹寄「そ、そんなもの持ってどこに行くつもり!?」

垣根「頼むから落ち着けよ」

吹寄「私はいちゃって冷静よ!」

垣根「噛んでるじゃねぇか」

115 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 11:02:43.18 VYAmpZV/0 93/797

吹寄「わ、私の寝顔を見たの!?」

垣根「あぁ、心理定規のを見て■■のを見てそのあとに」

吹寄「さ、最後に?」

垣根「あぁ、なんか一番色気ないし」

刹那

垣根の顎に蹴りが炸裂した

吹寄「そういうのを面と向かって言うな!!!!」

116 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 11:05:43.70 VYAmpZV/0 94/797

垣根「そういうのが・・・色気なしなんだよ・・・」

宙を見上げながら垣根がつぶやく

なんでだろう

星空が見えている気がする

垣根(あれ、なんだか眠くなってきたよ・・・)

もしも清太がいたら「それ眠気ちゃう、気絶する寸前や」と言っていただろう

とにかく

垣根帝督はこの日、二度目の就寝を迎える

128 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 16:17:21.65 VYAmpZV/0 95/797

垣根が目を覚ますと

心理定規が心配そうな顔で覗き込んでいた

心理「・・・大丈夫?」

垣根「・・・ここは?」

吹寄「・・・ご、ごめん・・・まさかクリーンヒットするとは思わなかったのよ」

垣根「クリーン・・・」

垣根は、思い出した

129 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 16:19:22.37 VYAmpZV/0 96/797

垣根「・・・いいか、俺は怒ってはいない、もう一度言おう、怒ってはいない」

心理「あら、怒ってるわね」

■■「・・・吹寄。謝ったほうがいい」

吹寄「ほ、ホントにごめんなさい・・・」

心理「垣根・・・許してあげなさい」

垣根「・・・いったいなぁ、アゴがいったいなぁ」

垣根がアゴを擦る

130 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 16:21:16.26 VYAmpZV/0 97/797

垣根「猪木になっちゃうぜ」

心理「大丈夫、怒ってないみたいね」

吹寄「なんだ、よかった」

■■「じゃあ。朝ごはん食べよう」

垣根「なぁ、ツッコミはぁ?」

心理「私は突っ込まれるほうなの、はいどうぞ」

垣根「いや、なんで無茶振り?」

131 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 16:22:40.31 VYAmpZV/0 98/797

心理「じゃあ、私ご飯作ってくるわね」

心理定規がキッチンへ向かう

垣根「・・・ちくしょう、寝たのに眠気が取れない・・・」

吹寄「・・・それは危険よ」

垣根「誰のせいだよ」

■■「そんなどうでもいいことはおいといて」

垣根「」

132 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 16:25:30.36 VYAmpZV/0 99/797

■■「今日は。私の走り高跳びがある」

吹寄「あぁ・・・そういえば、練習したわね」

垣根「なに?寝ただけで忘れちゃうの?吹寄さんはバカなの?鶏なの?三歩歩いたら」

■■「ちょっと黙ってて。それで。私はどうやって目立てばいい?」

垣根「」

吹寄「そうね・・・目立ちたいの?」

133 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 16:27:26.09 VYAmpZV/0 100/797

■■「人は。他人に認められてこそ自分を確立する」

吹寄「うーん・・・たしかにそうね」

■■「だから。私は飛ぶ」

垣根「」

■■「行数を取るから現れないで。だから。私は目立ちたいの」

吹寄「・・・じゃあ、やっぱり一位になることかしら」

■■「一位・・・」

134 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 16:28:54.26 VYAmpZV/0 101/797

吹寄「まぁ、今から考えても仕方ないわよ」

吹寄が苦笑する

■■「よし。今から心理定規のご飯を食べて。力をつける」

吹寄「そうね、がんばりなさい」


心理「できたわよー」


吹寄「あ、出来たみたいね」

135 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 16:31:11.03 VYAmpZV/0 102/797

心理「はい、じゃあいただきます!」

吹寄「いただきます」

■■「いただきます」

垣根「」

心理「こら、挨拶をしなさい」

垣根「」

心理「おいこら」

垣根「いただきまーす」

136 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 16:34:19.16 VYAmpZV/0 103/797


心理「さて・・・じゃあ、食べ終わったし行きましょうか」

垣根「今日って■■以外の競技はあるのか?」

吹寄「えっと・・・うちの学校も常盤台も、ちゃんとあるわよ」

■■「だったら。垣根もヒマじゃなくなる」

垣根「おう、そうだなー」

心理「ほら、早く行きましょうよ」

心理定規が時計を指差す

137 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 16:36:03.41 VYAmpZV/0 104/797

心理「あと30分もないわよ?」

垣根「はぁっ!?」

吹寄「うそ!?もうそんな時間!?」

■■「急ごう」

垣根「じゃ、俺は飛んで行くんで」

吹寄「ちょ、ちょっとずるいわよ!」

138 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 16:38:19.92 VYAmpZV/0 105/797

垣根「あ、心理定規も一緒に行くか」

心理「あら、ありがとう」

垣根が心理定規の手を握る

吹寄「あ、一緒に飛べるなら私も・・・」

垣根「ここはこいつの特等席だ、じゃあな」


吹寄「・・・」

■■「行っちゃった」

139 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 16:40:58.68 VYAmpZV/0 106/797


垣根「さぁ!!みなさん、始まりました!!」

心理「大覇星祭、6日目!!!」

垣根「ちなみに!!!吹寄実行委員は遅刻でーす」

観客席がなぜか盛り上がる

垣根「さぁみんな!!早速行ってみよう!!」

心理「第一種目は!」


垣根心理「紅白選抜リレー!」

140 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 16:43:33.64 VYAmpZV/0 107/797


上条「へぇ、吹寄は遅刻か・・・」

観客席で上条はつぶやいていた

ちなみに、今日はいつものメンバーが全員集まっている

一方「なンだよ、てめェのクラスの実行委員もダメだな」

番外「どうせ昨日の夜に誰かとギシアンしてたんだよ!」ケラケラ

ショチトル「それはお前だろう」

141 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 16:45:39.83 VYAmpZV/0 108/797

エツァリ「垣根さん・・・いつの間にか放送席に座るのが当たり前になっていますね」

削板「あぁ・・・いいことじゃないか!」

美鈴「あれ、上条さん、旦那さんは?」

詩菜「今、私の飲み物を買いに行ってくれてるんですよ」ニコニコ

旅掛「いい旦那さんじゃないか」

上条(・・・いや、威厳がないだけだ)

142 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 16:49:14.91 VYAmpZV/0 109/797

テクパトル「あれ、義姉さんは?」

上条「あぁ、紅白リレーに出るんだよ」

19090「え、選抜選手ですか?」

上条「さっすが美琴だろ!?」

一方「惚気かよ」

美鈴「へぇ、美琴ちゃんは昔からなんでも器用にこなしてたもんね」

旅掛「そうえばそうだな」

143 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 16:50:58.34 VYAmpZV/0 110/797

削板「そっか・・・昔から優等生だったのか」

エツァリ「それは、意外と苦労しそうですね」

美鈴「そうなのよね・・・周りからは一番取って当たり前、みたいになってるし・・・」

旅掛「そうそう、美琴は辛いだろうな・・・」

詩菜「でも、当麻さんはそうは思ってないでしょう?」

上条「?美琴は俺の一番だけど?」

ショチトル(うぜぇ)

144 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 16:53:12.20 VYAmpZV/0 111/797


垣根「さぁ!!始まります!」

吹寄「注目は常盤台のツートップ、そしてダークホースの青髪選手!!!」


上条「え、青ピも出るのか」

19090「?あのヘンな人ですか?」

上条「ヘン・・・」

テクパトル(・・・こいつらをレイプしようとしたヤツだな)

美鈴「美琴ちゃんはやっぱ注目選手か」

145 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 16:56:01.47 VYAmpZV/0 112/797


美琴「・・・なんでアンタがいんのよ?」

食蜂「あら、常盤台のツートップよ?最強のコンビじゃない」

美琴「アンタとコンビとかいやよ」

食蜂「あら、お得意のツンデレかしらぁ?」

美琴「あ、当麻だ!!当麻ーー!!」

食蜂(・・・)


食蜂「私泣きそうなんだけど」

美琴「泣けば?」

146 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 16:58:18.48 VYAmpZV/0 113/797


垣根「よし!選手並べよ!」

心理「さぁ!!みなさん、ご注目ください!」


美琴(・・・私の前は・・・えっと、誰?)

食蜂(・・・?誰?)

美琴(あぁ、どうでもいいのね、この人は)

食蜂(ひっどいわね)

147 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 17:00:54.89 VYAmpZV/0 114/797

そして、競技が始まった


美琴(・・・よし、白が勝ってる)

食蜂(・・・今は点数も白が勝ってるのね)

美琴「食蜂、アンタで差を広げられる?」

食蜂「あら、御坂が抱きしめてくれるって言うなら全力を出すわよぉ?」

美琴「・・・結果によるけど、いいわよ」

食蜂「そうよねぇ、どうせ御坂はあの上じょ・・・え?」

148 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 17:03:33.04 VYAmpZV/0 115/797

美琴「私はね、今当麻と勝負してるのよ」

美琴「紅白で負けたほうが罰ゲームを受ける」

美琴「このリレー、勝ったほうが100点取れるのよ」

美琴「分かるかしら?かなり有利なのよ」

美琴「だから、ここで差を広げてほしいもの」

美琴「ヘンな要求だったら断ってたけど、まぁ抱きしめるくらいなら・・・」

食蜂「・・・え、マジ?」

149 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 17:05:43.35 VYAmpZV/0 116/797

美琴「その代わり、がんばってよね」

食蜂「・・・い、いいの?」

美琴「ま、できるものなら」

食蜂「ま、まぁ!!やってやってもいいわよ!?」

美琴「じゃ、よろしく」


食蜂(来た!!私の時代が来た!)

食蜂(美琴と抱擁・・・これはもう今晩のオカズ決定よ!?)

150 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 17:09:22.12 VYAmpZV/0 117/797

美琴「ほら、次はアンタの番」

食蜂「・・・ねぇ、もう一つお願い」

美琴「なに?」

食蜂「私が走ってる間、声援を送ってちょうだい」

美琴「えぇ、いいわよ」

食蜂「操折、がんばれーって」

美琴「それはないわ」

151 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 17:11:47.27 VYAmpZV/0 118/797

食蜂「じゃ、行ってくるわ」

食蜂がスタートラインに立つ

もう、前の走者は近づいてきている

食蜂(やってやるわ)

食蜂の手に、バトンが渡る


食蜂(美琴の抱擁!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!)

152 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 17:14:58.56 VYAmpZV/0 119/797


上条「は、速い!」

ショチトル「あれは・・・ボルトもビックリだな」

一方「あァ・・・あの速さは・・・」

テクパトル「・・・削板、お前なら勝てるか?」

削板「なに、余裕だな」

詩菜(あらあら、かなり盛り上がるわねぇ)

美鈴(・・・美琴ちゃんがなんか溜め息ついてる)

153 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 17:17:17.63 VYAmpZV/0 120/797


食蜂「はい、御坂!!」

美琴「ありがと!!」

美琴が食蜂からバトンを受け取る

かなりの差をつけている

美琴(・・・はぁ、抱きしめるのはイヤなんだけど)

だが約束は約束だろう

なんだか食蜂はかなり嬉しそうだし

154 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 17:20:51.47 VYAmpZV/0 121/797


上条「美琴ぉぉぉぉ!!!!」

番外「あれ、上条は紅組だよね」

19090「そうですね、敵同士ですよね?」

エツァリ「複雑なんではないですか?」

上条「で、でも俺は応援する!!」

美鈴「さっすが上条くん!」

旅掛「いやぁ、しかし美琴は速いな」

155 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 17:22:51.92 VYAmpZV/0 122/797


美琴「はぁ・・・終わったわ・・・」

食蜂「お疲れ様・・・」モジモジ

美琴「・・・あぁ、だったわね」

美琴がそっと食蜂を抱きしめる

食蜂「ふひょぉぉぉぉ!!!!!」

美琴「」

156 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 17:26:19.08 VYAmpZV/0 123/797

美琴「アンタ、なんか黒子っぽくなったわね」

食蜂「と、とにかく・・・白が勝ったみたいね」

食蜂がゴールを指差す

かなりの差をつけて白組が勝っていた


垣根「おめでとうございます!!白組、勝利です!」

心理「あ、吹寄さんお帰り」

吹寄「・・・道が混みすぎよ・・・」

157 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 17:31:28.40 VYAmpZV/0 124/797


御坂妹「・・・ちぇっ、テっくんは19090号ばっかり特別扱いして・・・」

17600「彼女なんだから当たり前だろ」

10039「・・・さすが大人数ではダメ、ということですか・・・」

19090号以外のミサカたちは、テクパトルたちとは別行動だった

20000「あーあ、ヒマだぜ」

アイスを食べながら20000号がつぶやく

158 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 17:35:43.61 VYAmpZV/0 125/797

14510「・・・テっくんは、競技場ですか・・・」

御坂妹「えぇ、どうせ今頃19090号とイチャイチャしてますよ」

みんなが文句を言っていた

トチトリ「まぁ、仕方あるまい」

13577「トっちゃんはそうかもしれませんが・・・」

トチトリ「なぁ、そのニックネームはやめてくれ」

10033「?愛嬌があるじゃないですか」

159 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 17:37:57.81 VYAmpZV/0 126/797

トチトリ「・・・はぁ」

トチトリは溜め息をついていた

テクパトルが「テっくん」と呼ばれるのは分かる

だが、彼女をトっちゃんというのはおかしいだろう

17600「ミサカはトチトリでいいがな」

トチトリ「・・・ありがとう」

ぽっ、とトチトリの頬が染まる

160 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 17:39:56.37 VYAmpZV/0 127/797

20000「ちっ、17600号もリア充になりかけか」

17600「はぁ?」

御坂妹「あなたは中々男前ですからね・・・」

17600「・・・ケンカを売ってるのか?」

17600号が声を震わせる

さすがの彼女も、男前と言われるのはイヤらしい

14510「いえ、悪い意味ではなく」

161 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 17:41:40.11 VYAmpZV/0 128/797

17600「どっちでも構わん、言い訳をするな!」

20000「お、何々お冠!?」

御坂妹「いいでしょう、かかってこいやー、とミサカは身構えます」

10039「迎撃体勢は完璧です、とミサカは現状を述べます」

17600「上位個体以来だな、こんなに苛立ちを覚えた相手は!!」

トチトリ「お、おい・・・」

17600「止めるなぁ!」

162 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 17:44:29.53 VYAmpZV/0 129/797

暑い日差しの中

御坂妹「ほりゃー!」

17600「あちょー!」

20000「んぁぁっ・・・」


ミサカたちの止められない戦いは始まった


トチトリ「助けてテクパトルぅぅううううううううううう!!!!!!!!!!!!!!!!」

169 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 19:17:33.54 VYAmpZV/0 130/797

垣根「えー、次の種目は・・・走り高跳びです」

吹寄「選手のみなさん、準備運動はしっかりしてくださいね!」

心理「しっかりしないとお姉さんがお仕置きしちゃうぞ☆誰よこの台本書いたの」

垣根「えー、注目選手は■■選手でしょうかね」

心理「えぇ、信じられない快進撃を続けていますね」

170 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 19:21:02.66 VYAmpZV/0 131/797

吹寄「あとの選手も、強豪ぞろいです」

垣根「なお、この種目は男子、女子が分かれています」

心理「それぞれ、一番高く跳んだ選手が優勝です」

垣根「ちなみに、大会記録を更新された場合はペアで行くイギリス旅行がもらえます」

吹寄「え、そうなの?」

垣根「急遽決められたらしい」

心理「へぇ・・・」

171 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 19:24:04.26 VYAmpZV/0 132/797


美琴「ただいま・・・って、当麻は?」

テクパトル「おかえり・・・上条なら競技場だよ」

美琴「え、選手なの!?」

美鈴「なんか、出る予定だった選手が体調不良になっちゃって急に代役になったらしいよ」

一方「土御門の野郎が言ってたなァ」

刀夜「母さん、それでよかったかな?」

詩菜「あらあら、ゲータレードを私は応援してるわよ?」

172 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 19:27:04.35 VYAmpZV/0 133/797

美琴「・・・当麻って運動神経はいいわよね・・・」

エツァリ「えぇ、かなりいいですよ」

ショチトル「ただ、運がないからな」

番外「代役になった時点で運はないけどね」

19090「で、ですがきっと大丈夫です!お義兄様なら!」

テクパトル(・・・だが、練習はしてないんだよな・・・)

173 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 19:29:18.64 VYAmpZV/0 134/797


上条「・・・」

■■「ドンマイ」

上条「・・・お前はもともと選手だったのか・・・」

■■「そう。私はこういうのは得意」

上条「なんで?」

■■「風になれるから」

上条「・・・はぁ?」

174 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 19:30:45.64 VYAmpZV/0 135/797

■■「男子から先みたいね」

上条「あぁ・・・俺はもう少しあとだけどさ」

もう一人目の選手は跳び始めていた

どうも、強豪揃いというのは本当らしい

いきなり高記録が出されている

上条(・・・俺は・・・行けるか?)

175 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 19:32:58.25 VYAmpZV/0 136/797

この種目は、チャレンジ式だ

前の選手が飛んだ高さより高く飛べなければその時点で敗北

そして、それを繰り返し最後まで残った選手が勝ちになる


上条(・・・一人目は得だよな、一回目は低いの跳んでもいいんだから)

■■(でも。そしたら、他の選手も生き残る可能性が高くなる)

上条(・・・一発、高いのを狙うほうが賢明か?)

176 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 19:35:17.90 VYAmpZV/0 137/797


垣根「さぁ!!次は上条選手です!!」

心理「もはやご存知、御坂美琴選手の彼氏です」

垣根「運動神経はいいですが、いかんせん運がありません」

心理「しかもフラグ男です」


上条(な、なんか観客席から野次が飛んできてるよ!?)

■■(自業自得)

上条「と、とりあえずやってやる!」

178 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 19:38:37.08 VYAmpZV/0 138/797

上条がスタート位置につく

上条(・・・今の記録は150cm・・・)

上条(・・・?150cmってすごいのかな?)

上条が首を捻る

彼は走り高跳びなんて詳しくない

そもそも、体育に詳しい人間ではない

上条(とりあえず、差をつけたほうがいいな)

179 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 19:40:48.81 VYAmpZV/0 139/797

垣根「さぁ、上条選手!!」

心理「何cmですか!?」


上条「185cm、行ってみよう!!!」


垣根「」

吹寄「」

心理(バカね、えぇ救いようも無いバカよ)

180 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 19:43:41.31 VYAmpZV/0 140/797


美琴「185・・・って」

テクパトル「・・・日本の高校生記録は、209cmじゃなかったか?」

ショチトル「・・・無理だろ」

一方「実にバカだなァ」

美鈴「ねぇパパ、パパなら飛べる?」

旅掛「いや、無理だ」

詩菜「あらあら、当麻さんはどうするのかしら」

刀夜「・・・跳ぶしかないだろう・・・」

181 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 19:46:35.11 VYAmpZV/0 141/797


垣根「か、上条選手・・・185cmに挑戦です」

バーが185cmにセットされる

上条(?なんか、観客席が静まり返ってるんだけど)

心理「さぁ・・・上条選手、失敗したときの言い訳を考えていたほうがいいですよ」


上条「は?」

■■「あなたは。バカ」

182 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 19:49:32.50 VYAmpZV/0 142/797


19090「・・・テっくんなら跳べそうですか?」

テクパトル「まぁ・・・削板もいけるだろ」

削板「あぁ、だがあれはよっぽどだぞ・・・」

番外「へぇ・・・どうすんだろ」


上条「よーし、行きましょうかね」

上条が足首をぐるぐる回す

■■(正真正銘のバカ)

183 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 19:51:04.11 VYAmpZV/0 143/797

上条「?そういえばこれって大会記録になるのかな?」

■■「・・・言っておくけど。大会記録は170cm」

上条「え」


上条「なぁ、もしかして無謀な挑戦?」

■■「無謀なんてものじゃない」

上条(・・・おい、マジかよ・・・)

上条は理解した

184 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 19:53:18.50 VYAmpZV/0 144/797

なぜか、観客席が静まり返っている理由を

美琴が、上条に尊敬と心配のまなざしを向けている理由を

他の友達が、呆れた顔をしている理由を

垣根が笑い転げそうになっている理由を


上条「で、でももう申告・・・」

■■「再申告したら。かなりのブーイングもの」

上条「」

185 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 19:55:43.35 VYAmpZV/0 145/797

上条「えぇい!!ままよ!!」

上条がスタート地点に立つ

観客席が野次やら歓声やらを浴びせてくる


詩菜「当麻さーん、がんばってくださいね」ニコニコ

刀夜「当麻!!お前ならやれる!!」

美鈴「えぇ・・・無理でしょ・・・」

旅掛「どうかなぁ・・・」

186 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 19:59:00.44 VYAmpZV/0 146/797

美琴「当麻!!がんばって!!」

美琴が大声を上げる


上条(そうだ・・・俺は、逃げない!)

たとえ失敗しても

彼は後悔などしない

いや、後悔しかないのだが


上条(・・・行くぞ!)

187 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 20:01:03.79 VYAmpZV/0 147/797

上条が地面を蹴って走る

周りの歓声も、野次も

驚きの目も、好奇の目も

何も感じない

ただ



美琴「当麻、がんばって!!!!」


その声だけを聞いた

188 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 20:03:20.21 VYAmpZV/0 148/797


上条「はっ!」

上条の体が宙を舞う

どう見ても、素人のフォームだ

周りの選手はバカにして笑っている

しかし

徐々に、その顔が青ざめていく


上条(・・・あれ、バーが体に当たった感触はないですよ?)

ただ、クッションの感触だけを感じた

189 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 20:05:31.86 VYAmpZV/0 149/797


垣根「せ・・・」

心理「成功です!!!185cm、成功です!!!!」

吹寄「た、大会記録です!!!!」


おぉぉぉぉ!!!と歓声が上がる


美琴「やった!!!!当麻かっこいいよーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!」

削板「・・・こりゃすげぇな・・・」

テクパトル「マジかよ・・・」

190 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 20:08:14.59 VYAmpZV/0 150/797

美鈴「すごいね!!跳んだよ!!」

一方「さすが上条だな」

番外「うん、すっげぇや!」

詩菜「見ました、刀夜さん?」ニコニコ

刀夜「あぁ、やったぞ母さん!」

旅掛(すっげぇなぁ・・・)

192 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 20:11:49.68 VYAmpZV/0 151/797


上条「あ、あれ?跳んじゃった・・・?」

■■「オーマイガー」

上条「やったぁ!!」

上条が右手を振り上げる

彼の運動神経はたしかにかなりのものだ

ただ、今回の記録は美琴の応援のおかげだったかもしれない

上条「美琴!!ありがとう!!」

193 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 20:15:39.11 VYAmpZV/0 152/797

美琴「見て!当麻がこっちに手を振ってる!!」

ショチトル「分かったから落ち着け」

19090「・・・しかし、イギリス旅行がもらえるんですよね・・・」

美琴「!!わ、私と当麻がペアで!?」

旅掛「なにぃ!?」

美鈴「ワーオ」

詩菜「まぁまぁ、こういうときもフラグに関係するなんて・・・」

刀夜「母さん、怖い!」

194 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 20:18:01.51 VYAmpZV/0 153/797


■■「結局、他の選手は棄権したわね」

上条「ちょっと残念だな・・・」

■■「・・・私も、ちょっとがんばってみる」

■■が立ち上がる

次は女子の番なのだ

■■「・・・」

上条「■■、がんばれよ」

195 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 20:21:28.22 VYAmpZV/0 154/797

■■「・・・新記録作っても。ペアで行く相手はいないけど」

上条「吹寄連れてって、俺たちと四人で行ったら?」

■■「・・・いや。遠慮しておく」

■■がスタートラインへ向かう

上条「?楽しそうなのに」

■■「いいから」


■■「あなたは。何も分かっていない」

196 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 20:23:58.73 VYAmpZV/0 155/797

上条「?なんで?」

■■「行ってくる」

少し不機嫌そうな顔をしてから、■■が歩いていく


垣根「さぁ、■■選手!!」

吹寄「何cmにチャレンジですか!?」


■■(・・・大会記録は140cm)

197 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 20:27:21.56 VYAmpZV/0 156/797

■■(目立つには。優勝だけなんかじゃ意味が無い)

■■(最高記録を作る)

■■(・・・)


「俺たちと四人で行ったら?」


■■(・・・あなたは。もう誰と行くか決めてるのね)

はぁ、と一度溜め息をつく

そして、前を見つめた

198 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 20:29:39.53 VYAmpZV/0 157/797

■■「・・・160cm」


垣根「160・・・?」

吹寄「い、一般男子でも難しい記録よ?」

心理「跳べるの?」


■■「跳べるとか跳べないとか言ってるんじゃない」

■■「跳ぶの」

199 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 20:31:50.03 VYAmpZV/0 158/797

観客席から拍手が巻き起こる

地味だった彼女は、この数日でスターになった

太陽には届かない、それでも輝く星屑に

■■(・・・もしも)

もしも、この記録を成功させられたら

■■(・・・ふふ。バカね)

そんなふうに自分を嘲笑ってから


■■は、地面を蹴った

200 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 20:34:04.79 VYAmpZV/0 159/797

■■の体が宙を飛ぶ

昨晩の練習と同じ完璧なフォーム

失敗するかもしれない

そんな考えもあった

それでも


垣根「成功です!!」

心理「男女、両方とも記録が塗り替えられました!!」


彼女は、成功させてしまった

201 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 20:38:52.17 VYAmpZV/0 160/797

■■「・・・結局。私達のおかげで白組が点数を稼げた」

上条「よかったな・・・でも、誰とイギリス行くんだ?」

■■「吹寄」

上条「?じゃあ俺たちと一緒で・・・」

■■「恋人を見せ付けられると。死にたくなる」

上条(えぇ・・・)

■■「そういうことだから」

202 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 20:44:13.04 VYAmpZV/0 161/797

■■が観客席へ帰る

上条「?なんなんだろ?」

首を捻りながら、上条も観客席へ帰る


美琴「当麻!!おめでとう!!」

上条「お、サンキュー!」

美鈴「上条くんすごいね!」

旅掛「いやぁ、さすが美琴が選んだ男だ!!」

203 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 20:50:05.95 VYAmpZV/0 162/797

詩菜「まぁまぁ、当麻さんったらすごいわね」ニコニコ

刀夜「いやぁ、私も驚いたよ!」

上条「そうか?まぁ意外だったけど・・・」

一方「いや、すげェよお前」

ショチトル「ホント、尊敬するよ」

上条「つまらなそうな顔をしながら言うな・・・」

番外「いっやぁ、すごいね!」

204 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 20:52:32.30 VYAmpZV/0 163/797

上条「・・・イギリス旅行、行くか?」

美琴「あ、あぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

美鈴(うっわぁ、初心な反応)

エツァリ(二人きりでの旅行は初めてではないでしょうに)

テクパトル(イギリスか・・・飯まずいのにな)

19090(テっくんと二人で旅行できたら・・・)ポーッ

削板(おなか減ったなぁ)

205 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 20:55:57.65 VYAmpZV/0 164/797

上条(いやぁ、でも嬉しいな)

また、美琴と旅行に行ける

しかも、記録も作ってしまった

カッコイイとこを見せられたし、一石二鳥だ


上条(・・・よかったな)

陽射しがいっそう眩しく感じた


上条「幸せだな」

213 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 22:12:14.12 VYAmpZV/0 165/797

黒子「・・・なんですのこの暑さ」

初春「・・・削板さんは今日はいないんですね」

黒子「えぇ、さすがに毎日手伝ってもらうのは気がひけて・・・」

初春「・・・でも、ちょっと大変ですね」

黒子「そうですのね・・・」

214 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 22:13:56.31 VYAmpZV/0 166/797

二人はやはり風紀委員の支部にいた

しかも、今日は一段と熱中症の患者が多い

黒子「・・・もうすぐ昼ですのね」

初春「これからもっと増えますよ・・・」

黒子「はぁ・・・イヤになりますの」

初春「それは言ったらダメですよ」

初春が苦笑する

215 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 22:16:44.34 VYAmpZV/0 167/797

黒子「・・・どうせまた水分補給を怠っただけですの」

初春「し、白井さん・・・」

たしかに黒子の言うとおりだ

大抵は水分補給をしないせいで起きてしまう

さすがに、こうも激務が続くとイライラするらしい

黒子の顔はげっそりとしていた

黒子「・・・はぁ」

216 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 22:18:52.65 VYAmpZV/0 168/797

初春「・・・白井さん、少し休んだらどうですか?」

黒子「そうしますの・・・」

黒子が椅子に座る

こうやって座ったのは、今日初めてだ

ずっと立ちっぱなしで看病をしていたから

黒子(・・・競技は盛り上がっているでしょうか)

217 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 22:21:07.69 VYAmpZV/0 169/797

黒子だってやはり気になってしまう

しかも、今はどうしても結果を見られないだけに余計

初春「実行委員はかなり自信があったみたいですね」

黒子「あら、そうですの?」

初春「なんでも、ここ数年で一番楽しいかもって」

黒子「まぁ・・・」

218 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 22:22:28.26 VYAmpZV/0 170/797

黒子「ですが、アナウンスは・・・」

初春「・・・あの人ですもんね」

はぁ、と二人が溜め息をつく

垣根がアナウンス

去年もそうだったが、なぜか彼のアナウンスは人気なのだ

初春「・・・でも、あれって・・・」

黒子「実行委員の仕事横取りですの」

219 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 22:24:28.80 VYAmpZV/0 171/797

初春「そうですよね・・・」

実行委員もショックだろう

自分達ががんばって考えた企画よりもあんなアナウンスのほうが盛り上がるのだから

黒子「まぁ、実行委員は少々お堅いですが」

初春「垣根さんがやわらかすぎるんです」

初春が頬を膨らませる

220 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 22:25:29.37 VYAmpZV/0 172/797

黒子「・・・とにかく、仕事ですの」

初春「え、もう休憩はいいんですか?」

黒子「えぇ」

黒子が椅子から立ち上がる

いつまでも休憩はしていられない

初春「・・・無理はダメですよ?」

221 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 22:27:41.12 VYAmpZV/0 173/797

黒子「もちろん」

黒子が初春に微笑みかける

彼女はときたま無理をする癖があった

初春もそれを心配しているのだろう

初春「・・・きつかったら言ってください」

黒子「はいですの」

222 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/18 22:30:24.52 VYAmpZV/0 174/797

二人の同僚はまた仕事を始める

黒子(・・・今日も暑いですの)

額の汗を拭いながら黒子は思っていた


時刻は11時

まだまだ暑い

これから、仕事は増えていく

235 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 09:44:17.19 aVKWrfO90 175/797

テクパトル「・・・そろそろ昼飯だな」

19090「そうですね・・・」

テクパトル「じゃ、俺達はこれからレストラン行ってくる」

上条「?みんなとは食わないのか?」

テクパトル「あいにくこっちはわがままな家族がいるんでな」

テクパトルが肩をすくめる


237 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 09:45:03.94 aVKWrfO90 176/797

美琴「・・・ごめんね、迷惑かけて」

テクパトル「好きでやってるんだから仕方あるまい」

美鈴「きゃー、テクパトルくんカッコイイ!」

テクパトル「はいはい、義母さんは綺麗だよ」

美鈴「えっ・・・」

旅掛「てめぇテクパトルぅ!俺の美鈴に手ぇ出してんじゃねぇよ!」


238 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 09:45:54.61 aVKWrfO90 177/797

テクパトル「いやいや冗談で返したんだってば!」

旅掛「ぐぁぁ!ミサカキラーめ!」

テクパトル「殺してねぇからな!」

19090「・・・綺麗・・・」

テクパトル「あぁもう!お前は綺麗だし可愛いし優しいよ!」

19090「//」


239 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 09:46:41.66 aVKWrfO90 178/797

刀夜「母さん、ああいうほうが私より悪いと思うんだが」

詩菜「まぁまぁ、そんなことないわよ?」

刀夜「なんで!?」

番外(あ、MNWの負の感情が高まっていく・・・)

テクパトル「とりあえず!俺は行くからな!」

テクパトルが19090号の手を引いて観客席から去っていく


240 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 09:47:29.76 aVKWrfO90 179/797

上条「なんか・・・もう父親みたいだよな」

エツァリ「あの歳で大変ですね」

一方「あァ」

削板「おっと、俺も黒子のとこに行かないとな」

上条「あぁ、じゃあまた後でな」

削板「おう」


241 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 09:48:21.86 aVKWrfO90 180/797

美琴「・・・じゃ、残りのメンバーで食べに行きましょうか」

ショチトル「垣根たちも待たないとな」

旅掛「いやぁ、賑やかだな」

上条「・・・そういえばキャーリサたちは?」

美琴「あれ、ステイルたちも・・・」

イギリス勢がいない


242 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 09:49:04.66 aVKWrfO90 181/797

少し、嫌な予感がしてしまう

上条「・・・昼飯・・・」

美琴「インデックス・・・」

ショチトル「ん、どうした?」

上条「いや、なんでもない・・・」

上条と美琴はため息をついていた

上条(まぁ・・・がんばってもらうしかないかな)



243 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 09:49:34.93 aVKWrfO90 182/797

ステイル「・・・インデックス、君は本当によく食べるな」

とあるレストラン

そこでイギリス勢は食事を取っていた

神裂「・・・本当にお腹を壊さないのですか?」

イン「うん!とっても美味しいんだよ!」

五和「・・・な、なんだか見ているだけで疲れてしまいますね・・・」


244 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 09:50:32.98 aVKWrfO90 183/797

キャーリサ「しっかし、本当によく食べるし」

騎士「・・・皇女、なぜそんなに吐きそうな顔をしておられるのですか」

キャーリサ「いや・・・なんだか少し気持ち悪くてな」

ステイル「いや、仕方ないことだよ」

ステイルがキャーリサに向けてつぶやく

神裂「・・・たしかに」


245 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 09:51:33.72 aVKWrfO90 184/797

イン「?なんで?」

五和「いえ・・・お米とパンとスパゲッティーとお好み焼きとヤキソバの組み合わせはおかしいですよ・・・?」

キャーリサ「炭水化物が発狂してるし」

イン「美味しいんだよ?」

ステイル「まぁ、君が笑顔ならそれでいいさ」

ニコニコ、とステイルが笑う


246 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 09:52:29.31 aVKWrfO90 185/797

神裂も、五和も

みんなニコニコとしながら見つめている

もちろん、ステイルも

インデックスが笑顔ならばそれでなんでも許せてしまう彼なのだ

今の状況も微笑ましい光景と考えているのだろう

ただその中で

騎士(・・・誰か助けてくれ)

騎士団長だけは、もう泣き出しそうだった


247 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 09:53:07.39 aVKWrfO90 186/797

吹寄「・・・垣根、貴様は食事・・・どうするの?」

垣根「みんなと食うんだよ、な」

心理「えぇ、いつものメンバーと・・・吹寄さんも行く?」

吹寄「ううん、私は姫神と食べに行く予定だから」

垣根「そっか、じゃあまた午後にな」

垣根が立ち上がる


248 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 09:53:47.99 aVKWrfO90 187/797

心理定規の手を引いて、放送席から立ち去る

それを、吹寄は少し寂しそうに見つめていた

■■「何を。悲しそうな顔をしているの」

吹寄「・・・い、いきなり後ろから声を掛けられたら驚くんだけど」

■■「・・・なんで悲しそうな顔をしているの」

吹寄「・・・特別な理由なんてないわよ」


249 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 09:54:37.29 aVKWrfO90 188/797

吹寄がため息をつく

ただ、なんとなく寂しいのだから

■■「・・・イギリス旅行当たっちゃった」

吹寄「あぁ・・・副賞ね」

■■「一緒に。行ってほしい」

吹寄「えぇ、いいわよ」


250 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 09:55:25.01 aVKWrfO90 189/797

吹寄がニコリと微笑む

■■「・・・私で。本当にいいの?」

吹寄「もちろん、さっさとレストラン行きましょう!」

吹寄が椅子から立ち上がり、スタスタと歩いていく

■■(・・・吹寄。失恋は辛いけど)

■■(それはあなたにとって。いい経験になるはず)

少し後を、■■は追い掛けた



251 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 09:55:58.31 aVKWrfO90 190/797


垣根「あーあ、なんなんだよこの人数・・・」

垣根はつぶやいていた

上条「仕方ないだろ・・・」

美琴「いつものメンバーとあんまり変わらないじゃない」

垣根「こうやって集合したのが久しぶりじゃねぇか」

心理「たった二日、三日じゃない」


252 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 09:56:37.53 aVKWrfO90 191/797

一方「垣根は一日でも俺らと離れたら死ンじゃうンだもンな」

垣根「うるせぇよ」

旅掛「でも、こんなにたくさん友達がいるってのはいいことじゃねぇか」

美鈴「美琴ちゃんは幸せだね!」

刀夜「もちろん当麻もだぞ?」

上条「分かってるよ、みんなには感謝してる」


253 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 09:57:14.20 aVKWrfO90 192/797

垣根「感謝なんていらねーよ、いまさら水臭い」

ショチトル「そうだな、私達らしくないし」

ショチトルがははは、と笑う

仲のいいメンバーがいまさら感謝だなんて必要ないだろう

心理「・・・でも美琴は本当に恵まれてるわよ」

ポツリ、と心理定規がつぶやく

とてもうらやましそうに


254 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 09:57:49.37 aVKWrfO90 193/797

美琴「え・・・そうかな?」

心理「素敵な彼氏がいて・・・」

美琴「心理定規もいるじゃない」

心理「それだけじゃない、こんなに優しい親がいて」

垣根「・・・」

心理「支えてくれる友達がいて」


255 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 09:58:19.12 aVKWrfO90 194/797

美琴「・・・そういえばそうね」

心理「私はあなたに憧れてるわ」

大して恥ずかしがることもなく

スラスラ、と心理定規は言葉を並べる

美琴「あ、憧れてる?」

心理「あなたみたいな人間だったらどれほどよかったか」


256 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 09:58:55.23 aVKWrfO90 195/797

心理「力があって、それを誰かのために使えて」

心理「周りを守り、周りから尊敬され」

上条「・・・美琴は周りから理解はされなかったんだぜ?」

心理「それでもよ」

なぜだろうか

心理定規の表情が一瞬だけ曇った


257 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 10:00:13.58 aVKWrfO90 196/797

美鈴「・・・あなたは幸せじゃないの?」

心理「幸せよ・・・でも、何かが違うの」

エツァリ「何が・・・ですか?」

心理「私にもそれはわからないわ」

番外「ずいぶんと厄介だね」

上条「・・・心理さんは垣根に支えてもらえばいいじゃないか」


258 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 10:00:48.72 aVKWrfO90 197/797

心理「えぇ、そうしているしこれからもそうよ」

垣根「・・・辛気臭い話になるのはやめようぜ」

心理「そうね、早く注文しましょう」

ショチトル「みんな何が食べたい?」

ショチトルがメニューを取り出す

上条「俺は・・・」

みんながそれぞれ、自分の頼みたいメニューを選ぶ


259 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 10:01:44.79 aVKWrfO90 198/797

心理「・・・」

垣根「なんだよ、疲れたような顔なんかして」

心理「・・・なんでもないわよ」 

垣根「へー」

垣根が頭の後ろで腕を組む

垣根「・・・ま、気楽に生きようぜ」

心理「えぇ」

260 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 10:04:00.68 aVKWrfO90 199/797

美琴「・・・はぁ、あと二日・・・か」

一方「正確には一日半だろォが」

上条「なんか、終わりが近づくと寂しくなるよな・・・」

番外「そんなもんなの?」

美鈴「うーん・・・また美琴ちゃんと会えなくなっちゃうんだなぁ・・・ねぇ、パパ?」

旅掛「イヤだ!!もうここに住む!!」

美琴「だだこねないの」

261 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 10:05:41.37 aVKWrfO90 200/797

ショチトル「上条の両親もやっぱり寂しいのか?」

詩菜「まぁまぁ、それは寂しいですよ?」

刀夜「でも最近は当麻もいろいろと電話で話してくれるからな」

上条「あぁ、そうだな」

水を飲みながら上条がうなずく

美琴「へぇ・・・どういうこと話すんですか?」

刀夜「そうだなぁ・・・」

262 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 10:08:28.91 aVKWrfO90 201/797

詩菜「美琴さんとのラブラブな経験とかよ?」ニコニコ

美琴「え!?」

上条「いやいや!!それ以外にも話したりしてる・・・」

旅掛「ラブラブな経験だとぉ!?」

旅掛が上条の言葉をさえぎり椅子から立ち上がる

旅掛(ど、どういう経験!?手を繋いだとかキスをしたとかなんてレベルじゃないだろうな、そうだよ上条くんだって高校生だぞ?俺が高校生のとき母さんと何やってた?そうか、上条くんと美琴だって同じことをしてるはずだ、でもそしたら美琴は・・・)


旅掛「美琴!!」

263 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 10:11:07.68 aVKWrfO90 202/797

美琴「ん?なに?」

旅掛「子供はまだ早いぞ!?」


美琴「はぁ!?」

旅掛「いいか、俺たちは少々焦りすぎたからなぁ、美琴と上条くんにはそんな・・・」

美琴「だ、だからなんの話よ!?」

エツァリ(これは・・・)

垣根(へへへ、修羅場だぜ)

264 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 10:13:05.68 aVKWrfO90 203/797

美琴「第一!!そんな心配・・・」

一方「あァ?どォせお前ら昨日もやったンだろ?」

美琴「」

上条「」

一方「あァ?」

垣根(地雷踏みやがったぜこいつ)

ショチトル(あーあ)


美鈴「え、そうなの美琴ちゃん!?」

265 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 10:16:48.48 aVKWrfO90 204/797

旅掛「美琴ぉ!いや、分かってた!!分かってたんだぞ!?」

詩菜「まぁまぁ、刀夜さん、孫の顔がもうすぐ見られるかもしれませんよ?」

刀夜「いやいや!!せめて40代になってからで!」

上条「なんだよそれは!?」

心理「まぁ、二人とも汚らわしいわね」

上条「心理さんだってヤって・・・」

心理「あ?」

上条「すいません」

266 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 10:20:12.55 aVKWrfO90 205/797

旅掛「いつ!?いつ初めて!?」

美琴「うっさい!!お父さんには関係ないでしょ!!」

旅掛「反抗期!?」

一方「おい、注文したの来たぞ」

番外「おー、ハンバーグ美味そう」

打ち止め「わーい、ハンバーグだ!!ってミサカはミサカは喜んでみたり!!」

一方「」

268 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 10:22:36.84 aVKWrfO90 206/797

上条「う、打ち止め!?」

詩菜「あら?小さい美琴さん?」

上条(!!まずい、母さん達は打ち止めのこととか知らないんだ!!)

垣根「おー、御坂のチビじゃねぇか」

打ち止め「?」

垣根「いいから話合わせろ、そしたらケーキ奢ってやるから」コソ

打ち止め「了解したぜ、ってミサカはミサカはこっそり敬礼してみたり」

270 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 10:24:53.61 aVKWrfO90 207/797

上条「いやいや、ていうかなんで!?」

美琴「い、いつからいたのよ!?」

打ち止め「だってお姉ちゃんに会いたかったんだもん!!ってミs・・・っと」

垣根「そうだ、語尾はダメだぜ」コソ

打ち止め「ちくしょう・・・なかなかきついぜ、ってミサカはミサカは小声で語尾をつぶやいてストレス解消してみたり」

一方「お前なァ・・・」

美鈴「・・・ねぇ上条くん」コソ

271 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 10:27:48.26 aVKWrfO90 208/797

上条「は、はい?」

美鈴「この子も妹達なの?」

上条「あぁ、まぁ・・・」

美鈴「そっか・・・よし」


美鈴「久しぶりだね!!美香ちゃん!!」

美琴「・・・はい?」

刀夜「?美香ちゃん?」

272 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 10:29:31.31 aVKWrfO90 209/797

美鈴「えぇ、うちの娘で・・・美琴の妹なんですよ」

番外(おぉ、やるぅ)

一方(つゥかなンで番外個体にはノータッチなンだよ)

旅掛「美琴が学園都市は楽しい、っていうものでね」

詩菜「まぁまぁ、だから妹さんも?」

打ち止め「うん!!ここはすっごく楽しいよ!」

心理(まぁ、この子演技派ね)

273 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 10:31:58.94 aVKWrfO90 210/797

打ち止め「ねぇ、ママ!」

打ち止めが美鈴の膝の上に座る

彼女は年齢相応の感情を持っている

親に甘えたい年頃なのだろう





旅掛(ふぉぉぉぉぉぉ!!!なんだこの可愛い生き物はぁ!?)

美鈴(昔の美琴ちゃんそっくり!!アホ毛とか!!!)

旅掛(なんだこの可愛い生き物はぁ!?)

274 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 10:33:18.20 aVKWrfO90 211/797

打ち止め「?ママ?」

美鈴「なにか買いたいものはある!?」

美琴(あ、母性本能を刺激されたわね)

垣根(打ち止め・・・お前は大人殺しだぜ)

一方(・・・打ち止めにパパって言われたら・・・おォ・・・)

番外(なんかこの人が怖い)


美鈴「何がいいかな!?」

276 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 10:36:05.61 aVKWrfO90 212/797

旅掛「なんだって買ってやるぞ!?」

打ち止め「えーっとね・・・ミサ・・・美香は服がほしいなぁ!!」

旅掛「服か、ちょっと服屋を買ってくる!!」

刀夜「み、御坂さん落ち着いて!」

詩菜「それにしても可愛い子ねぇ・・・」ニコニコ

上条(そっか・・・俺の家は一人っこだからな・・・)

ショチトル(ハンバーグって卑猥だよな)

277 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 10:37:50.17 aVKWrfO90 213/797

美鈴「ふぉぉぉ!!もうダメだ、ちょっと水を飲もう!」

美鈴と旅掛が水をがぶ飲みする

一方「・・・てめェ、なンでいンだよ?」コソ

打ち止め「ヨミカワから聞いたよ!ってミサカはミサカは答えてみたり!」コソ

一方「・・・ストーカーかあいつは・・・」

番外「まぁまぁ、いいじゃん」

278 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 10:40:38.28 aVKWrfO90 214/797

上条「ところで・・・打ち止め」コソ

打ち止め「?なに?ってミサカはミサカは首を傾げてみたり」

上条「他の妹達はどこなんだ?」

打ち止め「今頃テっくんと食事・・・」

一方「てめェ!!いつからアイツをニックネームで呼ぶようになった!?」

打ち止め「?いいじゃない、ってミサカはミサカは呆れてみたり」

一方(ふざけンじゃねェよ!!俺だってアーくんとか呼ばれてェよ!!)

ショチトル(ほら、刺しただけで汁がグチュグチュ出てきて・・・私は生のほうが好みだな・・・ハンバーグの話だぞ?)

279 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 10:42:33.79 aVKWrfO90 215/797

上条「そっか・・・テクパトルが一緒なら安心だな」

打ち止め「?」

上条「いや、なんかあいつらってたまに暴走するからさ」

美琴「あぁ・・・そういえばそうね・・・」


美鈴「美香ちゃん!!一体何がほしいかな!?」

打ち止め「ケーキとパフェ!」

旅掛「すぐ持ってこい!!」


上条(ダメだこいつら、早くなんとかしないと)

280 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 10:44:06.82 aVKWrfO90 216/797


テクパトル「・・・」クシュン

御坂妹「え、なんですか、今のかわいらしいクシャミ・・・」

10039「テっくん、風邪ですか?とミサカは若干心配します」

テクパトル「大いに心配してくれよな・・・」

テクパトルは溜め息をついていた

何しろミサカたちは8人

さらにトチトリもいるのだ

281 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 10:45:40.56 aVKWrfO90 217/797

トチトリ「いやぁ、悪いな奢ってもらって」

19090「テっくん・・・お金大丈夫ですか?」

テクパトル「なに、問題ない」

20000「ミサカ、体売って返すよ」

テクパトル「いらんから大事な体は売るな」

20000「//」

17600「そこはデレるタイミングじゃないぞ」

282 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 10:47:42.34 aVKWrfO90 218/797

テクパトル「・・・でも、みんなハンバーグ大好きなんだな」

テクパトルがテーブルに並んだ食事を見つめる

トチトリは冷しゃぶうどんだが、それ以外は全員ハンバーグだった

14510「いやぁ、この美味さは異常ですよ」

10033「冷凍食品だとしても、とミサカは痛烈なツッコミを浴びせます」

13577「テっくんは・・・」

13577号がテクパトルの注文した品を見る

283 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 10:51:03.41 aVKWrfO90 219/797

ステーキ定食

それにサイコロステーキ、鮭のムニエル

そして、野菜サラダ


13577「・・・あの、テっくんが鍛えてるのは知ってますが・・・」

テクパトル「?」

御坂妹「見ていて、恐ろしい量ですね・・・」

テクパトル「そうかな?」

285 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 10:57:27.08 aVKWrfO90 220/797

19090「・・・三人前はあるんじゃないですか?」

トチトリ「昔からお前はよく食ってたな」

19090「・・・テっくんのことを昔からよく知ってるんですか」ムスッ

トチトリ「安心しろ、このクズにはこれっぽっちも好意を抱いてはいない」

テクパトル「・・・悪かったなクズで」

トチトリ「・・・まぁ、これで噛み付かなくなったのはかなりいい変化だがな」

トチトリがうどんをすする

286 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 11:00:25.48 aVKWrfO90 221/797

テクパトル「しかし・・・さすがに味が濃いな」

19090「?テっくんは薄味派ですか?」

テクパトル「いや・・・だが濃すぎるのもな」

御坂妹「たしかにそうですね・・・」

14510「でも、美味しいですよ?」

287 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 11:03:42.84 aVKWrfO90 222/797

テクパトル「あぁ、みんなで食べると美味しいな」

ニコリ、とテクパトルが微笑む

そういうセリフが誑しと言われる所以なのだが

17600(・・・ハンバーグって、たまに無性に食いたくなるよな)

10033(・・・べ、べつに今のテっくんのセリフにドキドキしたりはしていません!)

トチトリ(・・・17600号、なんかカッコイイ・・・)

20000(ギブミーチョコ)

288 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 11:07:52.47 aVKWrfO90 223/797

テクパトル「・・・しかし、今日は一段と暑いよな」

外を眺めながらテクパトルがつぶやく

レストランの外には行列が出来ていた

暑いのだろう、中には死にそうな顔をしながら立っている学生もいる

御坂妹「どう考えてもレストランが足りてませんよね・・・」

13577「需要と供給のバランスがおかしいです」

10039「某48人アイドルとかどっかの国のケツ振りダンサー(笑)とかは供給がうざったいほど多いですがね」

テクパトル「やめなさい、文句が来るぞ」

290 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 11:11:19.50 aVKWrfO90 224/797

20000「・・・テっくん、よく食えるな」

テクパトル「んー・・・代謝が多いからな」

トチトリ「しかし、見ていて鬼気迫るものを感じるぞ」

テクパトル「なんでだよ」

13577「いえ、なんだか怖いです」

テクパトル「大食いでもいいじゃねぇか・・・」

19090「そ、そんなテっくんも素敵です!」

291 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 11:14:05.42 aVKWrfO90 225/797

10039「おえ・・・さすがに二人前を食べる辺りは・・・」

19090「そ、そんなテっくんも・・・」

テクパトル「・・・鍛えてる人なら分かると思う」

テクパトル「昔は味とか楽しさを求めていた食事」

テクパトル「それがいつからか、筋肉に栄養を与えるだけのえさになるんだ」

17600「なに語ってるんだ」

292 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 11:17:22.63 aVKWrfO90 226/797

テクパトル「増量期はマシだ・・・いっぱい食うだけでいいから」

テクパトル「減量期は地獄だ・・・友達と飯食いに行っても、少ししか食べられない」

テクパトル「栄養が少なくなるからイライラしやすくなる」

テクパトル「はぁ・・・」


14510「な、なんだか落ち込んでますよ!?」

御坂妹「テっくんをバカにしたヤツ、一列に並べ、ビンタしていく」

20000「殴ってください!」

御坂妹「お前は黙れ」

293 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 11:21:11.02 aVKWrfO90 227/797

テクパトル「・・・ごちそうさま」

19090「な、なんだか食事が楽しくなさそうですね・・・」

テクパトル「はぁ・・・いや、こう暑いと食欲が湧かないだろ?」

20000「でも量は食べなきゃ、と」

トチトリ「ま、我々の国では普通の趣味だがな」

10033「・・・ですが、テっくんとか削板は鍛え方が異常です・・・」

テクパトル「そういうなよ」

295 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 11:23:33.09 aVKWrfO90 228/797

17600「しかし、戦いには備えておいたほうがいいぞ」

テクパトル「なにのだよ・・・」

はぁ、とテクパトルが溜め息をつく

20000「・・・その鍛え上げられた体で19090号を抱くんだね」ニヤニヤ

テクパトル「ぶっ!!」

13577「うわ、水を噴出しましたよ」

296 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 11:26:02.53 aVKWrfO90 229/797

テクパトル「いきなり言うからだろうが!!」

御坂妹「いえ、事実では?」

19090「そ、そそそそそそそそれは!!」

10033「・・・」ジトー

10039「・・・」ジトー

テクパトル「はぁ・・・」


297 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 11:27:45.02 aVKWrfO90 230/797

テクパトルは溜息をついていた

にぎやかなのはいいことだ

しかし、この暑い中でそういうにぎやかさは鬱陶しく感じることもある

テクパトル(いや、ガマンガマン・・・これも幸せじゃないか)

20000「テっくん、デザート頼んでいい?」

テクパトル「ん、あぁ」

トチトリ「ゴチになります」

298 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 11:30:45.79 aVKWrfO90 231/797

ミサカたち、そしてトチトリがデザートを食べる

トチトリ「・・・美味いな」

17600「お、ショートケーキも美味そうだな」

トチトリ「?美味しいぞ?」

17600「一口くれるか?」

トチトリ「!?」

ミサカ一同「!?」

テクパトル「おー、17600号ったらいつからそんな誑しに」

17600「お前が言うな」

299 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 11:33:29.08 aVKWrfO90 232/797

トチトリ「あ、ああああああああーん!!!」

17600「お、ありがとう」

17600号がトチトリの差し出したショートケーキを食べる

17600「ほう、こりゃ美味いな」

トチトリ「そ、そそそそそれは光栄だ!!」

御坂妹「・・・あ、あーん・・・」

10033「あーん・・・ですか・・・」

テクパトル「?なんで俺を凝視するの?」

300 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 11:35:46.72 aVKWrfO90 233/797

19090「テっくん、あーん♪」

テクパトル「おう、サンキュー・・・」


ミサカ一同「ふぉぉぉぉ!!!」

ミサカたちの苦悩は続く


10039「あぁもう!!10032号、あーんしてあげます!!」

御坂妹「だが断る!!」

310 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 14:17:26.42 aVKWrfO90 234/797


削板「・・・黒子・・・」

削板は、黒子の哀れなる姿を眺めていた

昨日まではあんなに元気だったのに

なぜ、こんなことになったのか


黒子「燃え尽きましたの・・・」

削板「黒子、お疲れ様」

初春「・・・やっと昼休みですね・・・」

311 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 14:19:34.80 aVKWrfO90 235/797

そう

熱中症になる生徒が多すぎたのだ

黒子「・・・今日は特に暑いですの・・・」

削板「・・・呼びかけてたのにな」

黒子「・・・ヤツらの精神を元に正してやりますの」

削板「落ち着け、黒子」

312 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 14:22:33.18 aVKWrfO90 236/797

黒子「はぁ・・・昼ごはん食べる気にもならないですの・・・」

初春「疲れて食欲が・・・」

削板「ホントに大丈夫か?」

削板が二人にスポーツドリンクを渡す

初春「でも、明日で終わりです!」

黒子「そしたら書類が待ってますの」

初春「うっ・・・」

313 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 14:25:43.32 aVKWrfO90 237/797

黒子「・・・ですが、明日はナイトパレードと焼肉ですの」

初春「・・・うらやましいです」ハァ

削板「ん?ウイーハルさんも来ればいいじゃないか」

初春「いいんですか!?」

黒子「佐天さんも一緒にどうぞですの」

初春「やったぁ!!」

削板「多いほうが賑やかだからな!!」

314 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 14:27:55.25 aVKWrfO90 238/797

初春「へへへ、これでやる気が出ましたよ!!」

削板「そりゃよかったな!」

黒子「明日はナイトパレードの関係で競技は午前だけですし・・・かなり終盤ですのね」

初春「えぇ・・・そうですね・・・」

削板「思えば長かったなぁ・・・」

三人が大覇星祭を振り返る



なぜか、熱中症のことしか思い出せなかったが

315 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 14:29:32.37 aVKWrfO90 239/797


吹寄「・・・はぁ」

■■「どうしたの」

吹寄「・・・ちょっとね」

こちらの二人は小さな喫茶店にいた

あまり混んでいなかった為、すんなり席に座れた

吹寄「・・・大覇星祭も明日で終わりなんだな、って」

316 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 14:33:27.94 aVKWrfO90 240/797

■■「・・・いろいろなことがあった」

吹寄「そうね・・・」

吹寄が溜め息をつく

彼女は実行委員だった

だから、思い出すのは競技のこと


であるべきだが

■■「やっぱり。垣根のこと?」

317 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 14:35:25.67 aVKWrfO90 241/797

吹寄「うん・・・やっぱ変わったからね」

状況が変わったのだ

もちろん、今はそうでもないが

吹寄「でも、わりと普通に接していられるし、よかったと思うわ」

■■「恋とはそういうもの」

■■がお茶を飲む

吹寄(・・・暑くないのかしら?)

318 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 14:37:24.56 aVKWrfO90 242/797

■■「ところで。上条くんから焼肉のこと聞いた?」

吹寄「あぁ・・・聞いたわよ、面白そうよね」

吹寄がうなずく

みんなで集まって焼肉パーティーなんて久しぶりだろうか

■■「つまり。いろんな人が集まる」

吹寄「?え、えぇ」

■■「その中で。私は埋もれるかもしれない」

320 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 14:40:47.20 aVKWrfO90 243/797

吹寄「まぁ・・・大丈夫よ」

■■「だといいけど」

二人がはぁ、と溜め息をつく

■■「・・・午後からうちの学校は競技ね」

吹寄「えぇ、でもなんでまた・・・」


吹寄「飴食い競争なの?」

■■「私にも。分からない」

321 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 14:42:33.71 aVKWrfO90 244/797

吹寄「はぁ・・・顔が真っ白になるのよね、あれ」

■■「・・・しかも、相手は常盤台」

吹寄「・・・え、そうなの?」

■■「上条君が。心配」

吹寄「・・・そうね」

322 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 14:46:12.40 aVKWrfO90 245/797

吹寄「おっと、そろそろ時間ね」

吹寄が腕時計を見ながらつぶやく

時刻は競技開始20分前だ

ここから競技場はかなり近いので、5分もあれば着ける

■■「じゃあ。行こう」

吹寄「えぇ」

二人が喫茶店から出る

323 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 15:10:52.74 aVKWrfO90 246/797

吹寄「・・・暑いわね」

■■「うん」

外は暑い陽射しが差している

■■「・・・がんばろうね」

吹寄「えぇ」


午後の競技が始まった

325 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 16:06:43.30 aVKWrfO90 247/797


垣根「・・・えー、みなさんだるいかもしんないけど競技始めますよー」

心理「はぁ・・・暑いわね」

吹寄「しゃきっとしなさい!!これから行われるのは、飴食い競争です!!」


テクパトル「お、上条も義姉さんも出場するのか」

一方「敵同士なンだとよ」

326 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 16:10:18.33 aVKWrfO90 248/797

垣根「さぁ!!ルール説明です!」

心理「あちらの粉が大量に入った箱の中に飴が隠されています」

垣根「口だけで探し、咥えたら次の選手へタッチ!!」

吹寄「そして、一番先にアンカーがゴールした学校が優勝です!」


上条(・・・常盤台が相手・・・)

土御門「にゃー、勝てそうもないぜよ」

青ピ「そうやねぇ・・・」

327 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 16:12:44.03 aVKWrfO90 249/797

■■「そんなこと言ったら。吹寄がキレる」

上条「だよなぁ・・・」

はぁ、と上条が溜め息をつく

視線の先には常盤台の生徒がいた

全員、慣れた感じでストレッチをしている

飴を探せるかどうかは運に近いが、そのあとは走らなければならない

上条(・・・足が速いと有利だな・・・)

328 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 16:15:21.70 aVKWrfO90 250/797

■■「・・・私は。やってみせる」

■■が肩を回す

土御門「にゃー、でも女の子が唾液をつけた粉に顔を突っ込むなんて・・・」

青ピ「それご褒美やん!!」

上条「やめろよ・・・」


垣根「えー、ちなみに男女共学の学校は男女別々の飴箱になります」

青ピ「」

329 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 16:16:53.49 aVKWrfO90 251/797

垣根「さぁ!!みなさん準備はいいですか!?」

心理「がんばってくださいね!!」


番外「へぇ、ミ・・・私もやってみたいな」

旅掛「あぁ・・・俺たちも昔やったなぁ」

美鈴「あれって顔が真っ白になるよね」

ショチトル「そうだな・・・美琴がおしろいか・・・」

詩菜「あらあら、可愛いじゃない」ニコニコ

330 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 16:18:21.05 aVKWrfO90 252/797

刀夜「・・・当麻はどうなんだろうな」

エツァリ「運が無いですから・・・きついのでは?」

一方「そォだな」

テクパトル「うーん・・・難しいかな」

19090「たしかに、いつまでも見つけられないでしょうね」


吹寄「では選手のみなさん、用意はいいですか!?」

一同「おー!!!!!」

331 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 16:19:59.05 aVKWrfO90 253/797

垣根「では!!」

心理「スタート!!!!!!!!!!!」

審判員が旗を挙げる

上条たちの学校は出席順らしい


青ピ「僕からやねぇ!!!」

青ピが全力で駆けていく

走力だけなら、常盤台の女子になど負けはしない

332 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 16:21:47.81 aVKWrfO90 254/797

青ピ(よっしゃ!!一位やで!!)

青ピが飴箱に顔を突っ込む

青ピ(・・・見つからないなぁ)

口を動かして飴を探すが見つからない

本当にこの中にあるのか、と疑いかけたとき


青ピ(!!あったで!!)

口が飴に当たった

333 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 16:23:30.80 aVKWrfO90 255/797

青ピ(よっしゃ!!他の選手はまだ追いついてないわ!)

青ピが走り、次の選手にタッチする

上条「お疲れさん!」

青ピ「いやぁ、顔が真っ白や」

土御門「ははは!!白ピだにゃー!」

■■「面白くない」

土御門「」

334 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 16:25:08.45 aVKWrfO90 256/797

美琴(・・・うちは二位か・・・)

美琴は眉をひそめていた

常盤台は全5チーム中二位

悪くは無いが、やはり一位がほしいのだ

しかも無名な学校に負けたとなると、学校の威厳に関わってしまう

美琴(・・・白組は・・・ほんの少しリードになったのね)

335 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 16:28:08.62 aVKWrfO90 257/797

白組はわずか100点しかリードしていなかった

昨日まではかなりの大差をつけていたのに

美琴「・・・食蜂、きつそう?」

食蜂「・・・そうね、きついかも」

一位の学校・・・つまり上条たちの学校は、かなりのハイペースだった

いったいなぜこんなにもすんなり行くのだろうか

食蜂「ま、飴を上手く探せるかが問題ね」

336 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 16:29:44.64 aVKWrfO90 258/797

美琴「・・・そうよね・・・」

飴を上手く探せなければ、いくら足が速くても敵いはしない

まして、こちらは女子校だ

やはり顔が真っ白になるのはイヤな生徒もいるだろう

食蜂「・・・なかなかきついわね」

美琴「・・・次は私の番ね・・・」

337 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 16:30:55.15 aVKWrfO90 259/797

食蜂「大丈夫?彼氏の番らしいわね」

美琴「えっ!?」

美琴が同じスタートラインに並んでいる上条を見つめる

偶然にも同じ番らしい

美琴(うわ・・・これは戦いにくいわね・・・)


上条(・・・美琴・・・か)

上条も眉をひそめていた

338 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 16:32:12.55 aVKWrfO90 260/797

上条(・・・この種目で勝てれば、白組に逆転できるかもしれない)

上条は考えていた

もしもこれで勝てれば

上条(美琴に罰ゲーム・・・か)

罰ゲーム

どんなことをさせたい、なんていろいろあるが

上条(燃えてきたな・・・!!)

339 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 16:33:47.00 aVKWrfO90 261/797

もともと二人は喧嘩仲だったのだ

こういう勝負で出会ったのだ

なぜか、記憶はないのに上条はそう知っているような気がした

上条(・・・いいじゃねぇか、楽しそうだ!!)


上条の前の生徒が上条に近づく

上条(来たな!!)


ポン、と手がタッチされる

340 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 16:35:01.39 aVKWrfO90 262/797

上条「よっしゃぁ!」

上条が地面を蹴る

かなりのハイペースで走っていく

美琴「は、速い!!」

「み、御坂さん!」

美琴の手にも、遅れてクラスメイトの手がタッチされる

食蜂「頼んだわよ!」

美琴「当たり前!」

341 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 16:36:18.13 aVKWrfO90 263/797

美琴も走っていく

少し先に、上条の背中が見える

美琴(・・・当麻は運が無いわよね)

そう、上条は不幸なのだ

飴を探すのにかなり手間取るだろう

美琴(・・・となると、ここで差を縮めないと!)

342 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 16:37:25.97 aVKWrfO90 264/797

上条(・・・くそ、飴は見つけられるかな・・・)

先を走っている上条は考えていた

足は正直美琴よりも速い

しかし、運は明らかに美琴のほうが上だ

上条(・・・くそ、さっさと探さないと!)

箱の前にたどり着いた

上条(頼む、すぐ見つかってくれ!)

343 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 16:39:05.89 aVKWrfO90 265/797

上条が箱に顔を突っ込む

誰もが嫌がるような種目だが、上条はそんなこと考えていない

上条(・・・ないな・・・)

そのとき

隣に美琴がやってきた


美琴(よし、当麻はまだ探してるわね!)

常盤台用の箱に美琴が顔を突っ込む

344 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 16:41:34.77 aVKWrfO90 266/797

垣根「おっと!!両選手、まったく躊躇せずに顔を突っ込みました!」


美鈴「おー!!美琴ちゃん、いいぞ!!」

旅掛「真っ白の美琴も可愛いはずだ!」

詩菜「あらあら、当麻さんったら」

刀夜「がんばれ、二人とも!!」


テクパトル(・・・姉さんは能力でレーダーを使える・・・有利だな)

345 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 18:49:58.76 aVKWrfO90 267/797


美琴(・・・!!飴、あった!!)

美琴がレーダーで飴の位置を確認する

一番近い場所の飴を咥える

美琴(よし!!これで・・・)


上条(あった!!)

同時

上条も、飴を発見した

346 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 18:51:31.99 aVKWrfO90 268/797

美琴(!?当麻、もう見つけたの!?)

上条(・・・美琴と同じタイミングか)

二人が走り出す

口の中で飴を転がしながら走るのは意外と辛い

上条(負けてられるかよ!!)

美琴(や、やっぱ体力は当麻のほうが・・・)

上条が差をつけていく

347 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 18:52:55.58 aVKWrfO90 269/797

上条「よっしゃ!!」

上条が次の選手にタッチする

美琴はその5秒ほどあとにタッチした


■■「まぁ。君にしたら上出来」

土御門「にゃー、もうちょっとてこずるかと思ったぜぃ?」

青ピ「これならなんとか勝てそうやね」

上条「あぁ」

348 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 18:54:23.54 aVKWrfO90 270/797

食蜂「お、おかえり御坂・・・」クスクス

美琴「・・・真っ白だからってバカにしないでよ」

食蜂「まぁ、すぐに飴を見つけられたからそこまで白くは・・・」プルプル

美琴「笑いたいなら笑えば!?」

食蜂「と、とにかく次は私だからぁ!」

食蜂がスタート地点に着く


垣根「さぁ!!常盤台中学、二位に甘んじてます!」

349 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 18:55:49.33 aVKWrfO90 271/797

食蜂(・・・こういう能力があんまり関係ない競技だとどうしても男子のいる学校には不利よねぇ・・・)

食蜂は考えていた

彼女はもちろん運動は得意だ

しかし、さすがに男子高校生が相手では勝てない

食蜂(・・・隣は)

ちらり、と自分と同じ番になるであろう選手を確認する

食蜂(!!こいつ!)

350 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 18:58:05.70 aVKWrfO90 272/797

■■(・・・この人)

二人の視線がぶつかり合う

そう、食蜂が唯一サシで負けを喫した人物

食蜂(へぇ・・・いつぞやのお礼ができそうね)

■■(・・・面倒なことになりそう)

はぁ、と■■は溜め息をつく

351 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 18:59:17.06 aVKWrfO90 273/797

食蜂(・・・ちっ、まだ相手のほうが早い!)

■■の手に前の選手がタッチした

■■「じゃあ。行って来る」

上条「頼んだぞ!」

土御門「差を広げてくれにゃー!」

青ピ「行けるはずやで!!」

352 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 19:00:23.33 aVKWrfO90 274/797

食蜂「あぁもう!」

遅れること8秒

食蜂の手がタッチされた

美琴「頼んだわよ!」

食蜂「分かってるわよ!」

食蜂が■■の背中を追いかける

観客席のボルテージは最高潮だ

353 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 19:01:44.96 aVKWrfO90 275/797

垣根「さぁ!!注目の2選手がぶつかり合います!!」

心理「勝つのはどちらだ!?」

吹寄(・・・がんばって、姫神・・・!)


旅掛「どっちもがんばれ!!てか常盤台がんばれ!」

美鈴「いけいけーー!!」

刀夜「当麻の学校の子、速いな・・・」

詩菜「あらあら、がんばってるわ」ニコニコ

354 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 19:03:08.14 aVKWrfO90 276/797

一方「・・・速いなおい」

エツァリ(・・・しかし、常盤台の人は胸がでかいですね)

ショチトル(私は殺意を覚えた)

テクパトル(・・・姫神、速いな)

19090(・・・どちらも応援したいですが・・・)


上条「よし!!■■が箱にたどり着いた!」

土御門「頼む!」

355 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 19:05:12.03 aVKWrfO90 277/797

■■(・・・粉の中から探す必要は無い)

■■(よく考えて。人々の中に埋もれている私と同じ)

■■(粉の中に埋もれてしまった。哀れな飴)

■■(・・・きっと・・・)


■■が口をぱっとつける

すぐに、飴が口に当たった

■■(・・・やっぱり。箱の角にあった)

356 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 19:06:27.44 aVKWrfO90 278/797

垣根「!!は、速い!!■■選手、もう折り返しました!」


食蜂(は、はぁ!?)

食蜂はやっと箱にたどり着いたところだ

その横を■■が走っていく

食蜂(野郎・・・)


上条「すげぇ!!1秒も経たずに飴を!」

357 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 19:09:30.32 aVKWrfO90 279/797

土御門「いやぁ、観客席も盛り上がってるぜぃ」

青ピ「なんや、まだ常盤台の子、飴見つけられてないやんか」


食蜂(・・・くそっ!!どこよ!?)

食蜂は焦っていた

また、■■に負けを喫したのだから

食蜂(!!あった!!)

358 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 19:11:24.38 aVKWrfO90 280/797

食蜂も飴を見つけた

急いで折り返す

そいばらくして、競争は終わった


食蜂「・・・結局、負けたわね」

美琴「・・・紅組が逆転・・・」

常盤台のツートップは立ち尽くしていた

359 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 19:13:34.41 aVKWrfO90 281/797

上条「やったな!!」

土御門「いやぁ、■■の活躍のおかげだぜぃ」

■■「私は。神になった」

青ピ「なんかおかしいで?」

上条(よかった・・・)

上条は空を仰いでいた

陽射しが、とても眩しかった

360 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 19:22:03.27 aVKWrfO90 282/797


垣根「・・・結局、飴食いが盛り上がりのピークだったか・・・」

はぁ、と垣根が溜め息をつく

それも仕方ないだろう

あのあとはあまり有名ではない学校同士の戦いだったからだ

吹寄「・・・今日も一日無事に終わったわね」

361 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 19:23:49.63 aVKWrfO90 283/797

心理「・・・静かな競技場ってのはいいわね」

ふふ、と心理定規が笑う

時刻は夜の7時

競技はとっくに終わり、あとは片づけをしている者だけだった

垣根「あとは明日の午前だけか」

心理「早かったわね、6日は」

吹寄「・・・そうね、しかも明日の午前は・・・閉会式だけね」

362 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 19:24:59.74 aVKWrfO90 284/797

垣根「つまんねぇのが残ってんのな」

はぁ、と垣根が溜め息をつく

心理「仕方ないじゃない」

吹寄「垣根もちゃんと出なさいよ?」

垣根「ういういー」

垣根が得点板を見つめる

紅組の勝利だった

363 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 19:26:04.86 aVKWrfO90 285/797


上条「はー、美琴の罰ゲーム決定ですねー!」

帰り道

ニコニコ、と上条は笑っていた

隣を歩く美琴はふてくされている

美琴「・・・最後の最後で逆転なんて・・・」

上条「あれれ?いいわけですか?」

美琴「ち、違うわよ!」

364 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 19:27:35.85 aVKWrfO90 286/797

上条「・・・美鈴さんと旅掛さんは帰ったのか?」

美琴「うん、なんかこれから二人で旅行なんだって」

上条「へぇ・・・仲いいな」

美琴「当麻のご両親は?」

上条「父さんは明日から仕事、母さんももう帰ったよ」

こんな話をしていると、大覇星祭が終わったのだと感じる

美琴「・・・なんだかんだ楽しかったかな」

365 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 19:56:33.79 aVKWrfO90 287/797

上条「・・・罰ゲーム、さ」

美琴「う、うん・・・」

上条「・・・こ、今晩ヤってくれってのは・・・ダメかな?」

美琴「え、それでいいの?」

上条「うん、美琴もがんばってたしさ」

美琴「・・・あ、ありがと」

366 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 19:58:11.38 aVKWrfO90 288/797

上条「・・・終わったんだな、本当に」

んー、と上条が伸びをする

美琴「・・・明日は閉会式だけね・・・」

上条「終わったらすぐ焼肉パーティーだからな」

美琴「え、昼間から?」

上条「あぁ、なんか垣根が貸しきってくれるらしくてさ」

美琴「へぇ・・・いいじゃない」

367 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 20:00:21.52 aVKWrfO90 289/797

上条「とりあえず、さっさと帰って砂を落としたいよ」

上条が苦笑する

体のあちこちに砂がついている

美琴「そうね・・・私も一緒に入っていい?」

上条「あ、もう罰ゲームを・・・」

美琴「ち、違うわよ!」

カァッ、と美琴が頬を染める

368 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 20:03:06.56 aVKWrfO90 290/797

上条「・・・ま、一緒に入るか」

美琴「うん!」

二人は手を繋いで寮へと向かっていた


一方「・・・打ち止め、てめェ結局オリジナルの親とずっといたンだってな」

打ち止め「うん、いろいろ話したよ!ってミサカはミサカははしゃいで・・・あいたた!!チョップはダメ!」

一方「ペラペラしゃべりやがって・・・」

番外「ガキだからね」

369 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 20:06:23.83 aVKWrfO90 291/797

打ち止め「むぅ!!ミサカだってお母さんと話したかったんだよ!ってミサカはミサカはふてくされてみたり!」

一方「ちっ・・・無関係の一般人を巻き込むンじゃねェよ」

番外「でも、ミサカと結婚するならいずれは・・・」

一方「あァ?そォなるか」

打ち止め「け、結婚!?ってミサカはミサカは二人がすでに将来を決めていることに焦りを覚えたり!」

番外「あれ、なに?ヤキモチ?」ニヤニヤ

打ち止め「むきーっ!!」

一方(足をジタバタさせるロリ可愛い)

370 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 20:09:04.61 aVKWrfO90 292/797

一方「・・・明日は焼肉かァ・・・」

番外「あれ、閉会式は?」

一方「行くわけねェだろ」

打ち止め「えー、ってミサカはミサカは不良生徒に文句を言ってみたり!」

一方「生徒じゃねェし」

一方通行がソファーに寝転がる

番外「それより風呂は入っちゃいなよ」

371 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 20:11:39.16 aVKWrfO90 293/797

一方「お前らから入れよ」

番外「ん、なに?ミサカたちの残り香でなんかするの?」

一方「」ギクッ


一方「ンンンンンンなわけねェだろ」

番外「焦ってるね」

打ち止め「気持ち悪い、ってミサカはミサカはひいてみたり」

一方「」

372 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 20:15:10.22 aVKWrfO90 294/797

打ち止め「じゃあ、ミサカたちから入ってくるけど・・・」

番外「・・・覗いたら、エッチなことしちゃうぞ?」

一方「覗きてェなおい(もォ俺のいろンなとこを弄ンでくれ)」

打ち止め「ひいたよ、ってミサカはミサカはジト目で見つめてみたり」

番外「そりゃ救いようがねぇな」

一方「」


374 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 20:17:00.13 aVKWrfO90 295/797

一方(・・・入ったか)

一方通行は一人、ソファーで横になっていた

黄泉川は仕事、芳川はなんでも知人の家に行っているらしい

静かな部屋の中

一方(・・・外はまだ明るいンだな)

ふと、窓の外を見つめる

そろそろ日は沈もうとしていた

376 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 20:19:00.96 aVKWrfO90 296/797

一方「・・・眩しいな」

陽射しが建物の壁に反射している

一点に集中した光は、ちょうど一方通行の部屋を差している

一方(・・・楽しかったな、大覇星祭)

そんなことを考えてから苦笑する

こんな生活、初めてだった

一方(平和ボケか・・・)

377 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 20:21:32.69 aVKWrfO90 297/797

一方(・・・いいじゃねェか、ボケたってよ)

そんな毎日が続けば

それは平和ボケではなく、当たり前になるのだから

一方(・・・毎日が楽しいなンて、嘘みてェだな)

一方(・・・クソが)


一方(こりゃ、俺も丸くなったもンだ)

もう一度苦笑してから、一方通行は目を閉じた

378 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 20:22:59.58 aVKWrfO90 298/797

エツァリ「・・・終わりましたね」

ショチトル「明日は焼肉か」

二人は、そんな話をしていた

場所は公園

家に帰る前に、ふと寄りたくなってしまったのだ

エツァリ「陽射しが暑いですね」

ショチトル「もう夜なのにな」

379 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 20:24:31.99 aVKWrfO90 299/797

エツァリ「・・・楽しかったですね」

ショチトル「見てるだけだったが・・・やっぱり、楽しかったよ」

ははは、とショチトルが笑う

とても楽しかったようだ

エツァリ「・・・少々寂しいですね」

ショチトル「なに、これからもこんなくだらない日々は続くぞ?」

エツァリ「えぇ」

380 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 20:26:23.36 aVKWrfO90 300/797

ショチトル「・・・さて、帰るか」

エツァリ「おや、もうですか」

ショチトル「いつまでもここにはいられないだろ」

ショチトルがベンチから立ち上がる

日焼けのあとだろうか

少し赤くなっている場所がある

エツァリ「・・・暑かったですね」

381 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 20:27:30.82 aVKWrfO90 301/797

ショチトル「あぁ、もう日焼けが痛いよ」

エツァリ「自分もです」

顔を見合わせて苦笑する

笑っただけでも少し顔が痛い

だが、それもいい思い出になるだろう

ショチトル「・・・なぁエツァリ」

エツァリ「なんですか?」

382 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 20:28:38.31 aVKWrfO90 302/797

ショチトル「私、こんな日常が大好きだ」

エツァリ「自分も、あなたがいるこの日常が好きですよ」

ショチトル「それはよかった」

ショチトルがそっとエツァリの手を握る

そのまま、二人は歩き出す

二人が帰るべき家へ

383 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 20:30:32.79 aVKWrfO90 303/797

削板「・・・お疲れ様、二人とも」

削板はそっとタオルを差し出していた

風紀委員の仕事も今日で終わり

明日は競技がないため、熱中症になる生徒も少ない

そのため実行委員だけで足りるのだ

黒子「はぁ・・・最終日だけ休めるなんて、皮肉ですの」

初春「そうですよね・・・」

384 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 20:32:45.58 aVKWrfO90 304/797

削板「明日は焼肉だから、ちょっとは楽しいんじゃないか?」

黒子「今日はそれでやっとこさ乗り切れましたの・・・」

はぁ、と黒子が溜め息をつく

初春「佐天さん、めちゃくちゃ喜んでましたよ」

黒子「あぁ、一緒にでしたっけ?」

初春「はい!」

削板「にぎやかになりそうだな!」

385 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 20:34:49.58 aVKWrfO90 305/797

黒子「今日はあと・・・」

初春「支部の片付けですね」

削板「なんだ、まだ仕事があるのか?」

黒子「えぇ、ですから軍覇さんは先に帰っていただいてよろしいですの」

黒子が苦笑する

相当疲れているのだろう

若干、笑顔がぎこちない

386 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 20:37:03.85 aVKWrfO90 306/797

削板「いや、俺も手伝うよ」

削板が椅子を持つ

黒子「で、ですが・・・」

削板「俺は黒子と帰りたいからな、早くなるように手伝いたいんだよ」

黒子「//」

初春「誰か、ちょっと灰皿を持ってきてください」

黒子「やめてくださいな」

387 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 20:38:28.54 aVKWrfO90 307/797

削板「よし!!あと一粘りだ!!」

黒子「はいですの!!」

初春「いきますよ!!」

風紀委員の支部

少し目立たない彼女達

しかし、間違いなく彼女達も大覇星祭の立役者だった

388 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 20:40:19.42 aVKWrfO90 308/797

テクパトル「・・・終わったんだな・・・」

キッチンでテクパトルはつぶやいていた

今作っているのは野菜炒めだ

疲れているため、少し簡単なメニューにしている

テクパトル「・・・美月、他のみんなは?」

19090「風呂ですよ、と美月は答えます」

テクパトル「そっか」

389 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 20:42:29.38 aVKWrfO90 309/797

19090「・・・な、なんだかこうしていると・・・」

テクパトル「夫婦みたいだよな」

ぽつり、とテクパトルがつぶやく

その通り、遠目から見たらどう見ても夫婦にしか見えない

19090「・・・テっくん」

テクパトル「ん、どうした?」

テクパトルが19090号の顔を見つめる

390 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 20:45:04.82 aVKWrfO90 310/797

19090「・・・その、愛していますよ・・・」カァッ

テクパトル「あぁ、俺もだよ」

ジュージュー、と野菜の焼ける音がする

なんだか、幸せな音だ

テクパトル(・・・いいな、こういうの)

テクパトルは本当に幸せ者だった

テクパトル「そろそろあがってくるかな」

391 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 20:49:42.72 aVKWrfO90 311/797

19090「そうですね・・・ちょうど野菜炒めも出来ましたし」

テクパトル「いいタイミングかな」

二人が野菜炒めを皿に盛る


17600「ふへー、いい湯だった」

10033「テっくん、ただいまー・・・」

御坂妹「まーた愛の料理ですか」

トチトリ「うらやましいぞ」

392 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 20:52:53.83 aVKWrfO90 312/797

テクパトル「はいはい、分かったからテーブルに皿出してくれよ」

20000「えーっと、野菜炒めは・・・」

14510「あ、この皿でいいんじゃないですか?」

13577「そうですね、とミサカはうなずきます」

テクパトル「ははは・・・すっかり自分達で家事もできるようになったな」

10039「え、みんなは家事が出来ないんですか?」

テクパトル「まぁ・・・昔はな」

393 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 20:54:57.97 aVKWrfO90 313/797

御坂妹「今はミサカたちだけでも暮らしていけるかもしれませんね」

20000「うん、そうかもね」

テクパトル「ははは、そうだな」

10033「・・・ですが、やっぱりテっくんは必要ですよ?」

10033号がニコリ、と微笑みかける

19090「そうですよ、テっくんがいない我が家は考えられません!」

テクパトル「・・・そっか、ありがとう」

トチトリ(・・・お前は幸せ者だな)

395 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 20:56:40.63 aVKWrfO90 314/797

テクパトル「さ、みんな食べようか」

ミサカ一同「はい!!」

テクパトル「いただきます!」

一同「いただきます!」

みんなが食事を始める

トチトリ「・・・いいな、この家族も」

テクパトル「・・・そうか」

396 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 20:59:23.15 aVKWrfO90 315/797

トチトリ「・・・ホームシックになったときは帰りたいと思ってたけど・・・」

トチトリ「・・・今は少し帰るのがイヤかもな」

トチトリが苦笑する

もちろん、家族も大切だ

昔からずっと一緒にいる、かけがえのない仲間達だから

それでも、今一緒にいるみんなも好きだった

17600「・・・まぁ、出会いがあれば別れもありさ」

397 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 21:02:50.38 aVKWrfO90 316/797

17600「出会い-別れは0になる」

17600「しかし、出会い÷別れは1にはならない」

17600「酷なものさ」

テクパトル「・・・トチトリ、もう少しいてもいいんだぞ?」

トチトリ「・・・いや、ここはやっぱり私の家じゃないさ」

少し寂しそうにトチトリが苦笑する

トチトリ「・・・家族ってのは、一つだけだからな」

398 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 21:05:41.49 aVKWrfO90 317/797

テクパトル「・・・じゃ、晩飯はこれが最後かな?」

トチトリ「明日の焼肉もあるだろう」

御坂妹「ですが、一応はそうなりますね・・・」

20000「ちょっと残念だね」

10039「・・・帰っても、元気でいてくださいね?」

トチトリ「ははは、当たり前だろう?」

400 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 21:09:10.26 aVKWrfO90 318/797

テクパトル「また来てくれよな」

トチトリ「お、なんだなんだ?」

テクパトル「・・・なんだよ」

トチトリ「いや、本当に変わったな、とさ」

テクパトル「そうかい」

テクパトルが少しめんどくさそうに食事を続ける

あまり昔のことは言われたくないらしい

401 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 21:10:55.05 aVKWrfO90 319/797

テクパトル「とにかく、今日はトチトリの門出を祝って!」

御坂妹「お酒持ってこーい」

テクパトル「ないからな!?」

20000「あるよーん」

テクパトル「い、いらない・・・」

10039「では飲みましょうか」

ミサカたちがお酒を開ける


テクパトル「ちょっと待って不幸だ!?」

402 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 21:12:45.02 aVKWrfO90 320/797


垣根「お疲れさん、吹寄」

垣根が吹寄の肩をポン、と叩く

ようやく、アナウンスの仕事は終わった

吹寄「はぁ・・・6日間は長かったわ・・・」

心理「私は途中からだったからそうでもなかったけど」

垣根「なかなか盛り上がったな」

403 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 21:14:22.04 aVKWrfO90 321/797

吹寄「・・・そうね、なかなかにいい大覇星祭だったわ」

吹寄が嬉しそうに笑う

よほど嬉しいのだろう

心理「今年は観客も一体になってたものね」

垣根「俺のおかげかな」

吹寄「・・・否定できないのが辛いわ」

心理「・・・実際そうだもの」

404 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 21:16:10.59 aVKWrfO90 322/797

吹寄「でも、礼は言っておくわ」

吹寄が垣根に頭を下げる

吹寄「ありがとう、垣根のおかげでいい6日間になったのよ」

垣根「お前は楽しかったか?」

吹寄「・・・えぇ、もちろん」

垣根「ならよかったじゃねぇか」

ケラケラ、と垣根が笑う

405 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 21:18:18.79 aVKWrfO90 323/797

垣根「他人の言葉は信用ならねぇが、自分の感情は信用できるからな」

垣根「大覇星祭に誰よりも厳しいお前が楽しかったんだろ?」

垣根「ならみんな楽しかっただろうな」

吹寄「・・・そうだといいわね」

心理「・・・この6日間、吹寄さんもお疲れ様よ」

吹寄「今日はゆっくり寝たいわね」

垣根「明日は寝坊しないようにな」

406 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 21:19:56.80 aVKWrfO90 324/797

垣根が立ち上がる

三人は静まり返った観客席に座っていたのだ

心理「・・・あら、何するの?」

垣根「いやぁ、二人にお疲れの意味を込めてな」

垣根が翼を広げる

垣根「何色の光がいい?」

吹寄「?」

407 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 21:21:25.43 aVKWrfO90 325/797

心理「じゃあ、七色で」

垣根「お、わかってんじゃねぇか」

ははは、と笑ってから垣根が空を見上げる

ちょうど、星が輝き始める時間だ


吹寄「・・・あ、すごい」

垣根の翼から七色の光が放たれる

垣根「ま、乱反射とだけ言っておこうか」

408 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 21:23:00.99 aVKWrfO90 326/797

吹寄「で、でも乱反射って・・・」

垣根「おいおい、マジックの種はばらすもんじゃねぇよ」

心理「今は垣根のマジックを楽しみましょう」

心理定規は目を細めて垣根を見つめていた

もちろん、垣根も彼女を見つめている

吹寄(・・・いいな)

そんなことを、吹寄は考える

409 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 21:25:15.67 aVKWrfO90 327/797

吹寄(・・・いつか、か)

垣根「・・・吹寄、お前もどうせいつかは誰かを好きになるさ」

吹寄「何よいきなり」

垣根「なーに、一夏の勘違いってことにしときな」

ケラケラ、と垣根が笑う

心理「あら、自分が好きにさせておいて無責任ね」

垣根「うるせぇな・・・」

410 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 21:27:38.67 aVKWrfO90 328/797

吹寄「そうね、勘違いだったかも」

垣根「そうだな、それでいいだろ」

空には星が輝いている

とても綺麗な星だ

吹寄(・・・誰も、あの星に手を伸ばそうなんてしないもの)

吹寄(・・・だからこそ、私は伸ばしてみたかったんだけど)


吹寄「ねぇ、心理定規さん」

411 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 21:31:01.81 aVKWrfO90 329/797

心理「あら、なに?」

吹寄「前々から思ってたんだけど、垣根ってなんであんなチャラチャラしてるの?」

心理「さぁ」

垣根「・・・チャラチャラしてねぇよ」

心理「してるわよ」

垣根「えぇ・・・」

二人の女に笑われて


それでも、垣根は苦笑しているだけだった

412 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 21:34:06.41 aVKWrfO90 330/797


トチトリ「・・・はぁ」

トチトリは、病院の屋上にいた

時刻はもう遅い

他のみんなはとっくに寝ているだろうか

トチトリ「・・・」

そっと、座ってみる

床の冷たさが少し辛かった

413 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 21:37:04.09 aVKWrfO90 331/797

トチトリ「・・・帰りたくないな」

ぽつり、とつぶやく

あんなに大好きな家族がいるはずなのに

トチトリ「・・・うっ・・・」

涙が頬を伝う

たった二日、三日一緒にいただけなのに

なぜか、とても大切な存在になってしまったのだ

414 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 21:39:05.29 aVKWrfO90 332/797

トチトリ「・・・ちくしょう・・・」

一人で泣いていた

どうして、こんなに苦しいのか

トチトリ「・・・17600号・・・」

好きになってしまったのか

女を好きになるなんて、おかしいのに

憧れにも近かった

415 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 21:41:10.30 aVKWrfO90 333/797

トチトリ「・・・」

強い人に憧れていた

力ではなく、心が強い人に

彼女にとって17600号は理想のお姉さんのようなものだった

トチトリ「・・・」


17600「おいおい、なに泣いてんだ?」

トチトリ「!」

416 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 21:43:01.78 aVKWrfO90 334/797

17600「いやぁ、ミサカは耳が良くてな」

ふふん、と胸を張りながら17600号がトチトリに近づく

なぜか、その姿がとても頼もしく見えた

トチトリ「・・・17600号、ヘンな目で見ないでくれるか?」

17600「あぁ」

17600号がうなずいた

トチトリ「私な・・・」

417 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 21:46:03.42 aVKWrfO90 335/797


トチトリ「・・・お前のこと、好きになってしまったんだ」

17600「ほう、恋というやつか」

うんうん、と17600号がうなずく

トチトリ「い、いやじゃないのか?」

17600「別に、いいんじゃないか?」

17600号は知っている

自分の後ろでオナったり、平気で他のミサカに公開処刑をさせた変態を

418 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 21:49:25.94 aVKWrfO90 336/797

17600「好きになった相手が偶然同性だったなら仕方あるまい」

トチトリ「・・・そ、それでな・・・なんだか離れるのがイヤなんだ」

17600「そりゃエゴだぜ」

トチトリ「・・・分かってるさ」

17600「・・・トチトリ、別にいつでも会えるだろう」

17600号がトチトリの頭に手を乗せる

トチトリ「そうかな・・・」

419 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 21:52:41.36 aVKWrfO90 337/797

17600「まぁ、会おうと思えば会えるさ、今世の別れではない」

トチトリ「・・・お前は優しいな」

17600「この優しさはテっくんに教えてもらった」

トチトリ「・・・そうか」

二人が遠くを見つめる

静まり返った街

トチトリ「・・・綺麗な街だな」

420 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 21:54:42.64 aVKWrfO90 338/797

17600「あぁ、どこよりも美しいと思っている」

17600号が小さく笑う

本当にハードボイルドなミサカだ

17600「さて、寒いから帰ろうか」

トチトリ「そうだな」

トチトリがそっと立ち上がる

トチトリ「・・・綺麗な街だ」

421 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 21:57:46.39 aVKWrfO90 339/797

17600「そうだろう」

トチトリ「あぁ」

二人で並んで、部屋へと帰る

トチトリ(・・・とても綺麗だ)

トチトリ(あぁ、綺麗に決まっているだろう)


トチトリ(・・・好きな人が住む町なのだからな)

422 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 22:02:07.11 aVKWrfO90 340/797


上条「はぁ・・・疲れた・・・」

美琴「・・・ば、罰ゲームもなかなかきついわね・・・」

この二人は、ベッドの上で息を荒げていた

もちろん、罰ゲームのせいだ

上条「・・・えっと、次で何回目?」

美琴「三回目よ・・・アンタすごいわね・・・」

上条「美琴も・・・だろ?」

423 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 22:05:06.27 aVKWrfO90 341/797

美琴「ん・・・ちょっと待って」

美琴が少し上条から離れる

上条「ん、疲れたんですか?」

美琴「うん・・・疲れた」

上条「じゃあ、今日はお開き・・・」

美琴「え、5回はヤるんじゃないの?」

上条「あ、いや・・・」

424 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 22:06:52.13 aVKWrfO90 342/797

美琴「ヤるのよね?」

美琴が上条に詰め寄る

上条「は、はい」

美琴「うん、よろしい!」

ニコニコ、と美琴が笑う


なんだかこれでは俺への罰ゲームだな

上条はそう思っていた

425 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 22:09:06.52 aVKWrfO90 343/797


垣根「・・・朝か」

垣根が目を覚ます

なんだか、またイヤな夢を見ていた気がする

垣根(・・・今日で終わり、ねぇ)

そっとベッドから立ち上がる

心理定規はまだ寝ているようだ

垣根(・・・今何時だ?)

426 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 22:12:36.62 aVKWrfO90 344/797

時計を見ると、まだ6時のようだった

少し早いだろう

垣根(・・・さてと)

さっさと服を着替える

早く起きたところで、彼の生活は変わらない

垣根「じゃ、軽く散歩でもしますか」


427 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 22:14:12.14 aVKWrfO90 345/797


垣根「おー、朝日が気持ちいいな」

垣根が目を細める

こんな時間でも、もう太陽は昇っていた

どこからか、学生の声が聞こえる

早く起きたのか、それとも徹夜したのか

垣根(どっちにしろ、踊る阿呆なのは変わらないな)

彼だってそうなのだから

428 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 22:16:11.14 aVKWrfO90 346/797

垣根「・・・お、猫だ」

垣根が猫を見つける

なんだか、スフィンクスっぽい猫だった

どういう意味かはまったく分からないが

垣根(はは、まさかスフィンクスとかいう名前じゃねぇよな)

そんな名前だったら爆笑してしまう

いや、そうなのだが

429 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 22:21:12.60 aVKWrfO90 347/797

垣根「・・・ん、誰だ?」


神裂「はぁ・・・まさか急に仕事が入ったなんて・・・」

ステイル「仕方ないさ、今度はあの子も一緒にイギリスに来てくれるらしいから」

五和「・・・はぁ、でも上条さんと・・・」


垣根(なんか知らないけど大変そうだな)

垣根(っていうか上条の知り合いか)

430 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 22:23:12.81 aVKWrfO90 348/797

垣根(・・・そろそろ帰るか)

一時間ほどふらついていた

垣根の散歩にしては長いほうだろう

いつもは一本目の電信柱まで往復、とかなので20秒で終わる


垣根「たっだいまー」

垣根が自宅に帰る

431 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 22:26:37.52 aVKWrfO90 349/797

心理「あら、お帰りなさい」

垣根「おーっす、ただいま」

心理「早くしなさい、今日は結構早くから閉会式なのよ」

垣根「俺たちと上条たちと削板たち以外は行かないんだろ」

心理「まさかテクパトルまで来ないとはね」

垣根「どうせ19090号と乳繰り合ってんだろ」

垣根が食卓に着く

432 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 22:28:38.55 aVKWrfO90 350/797

垣根「さて・・・何食べる?」

心理「どうでもいいけど、あなた台本書いたの?」

垣根「何の?」

心理「閉会式のあいさつ」

垣根「は?」

心理「あなた自分がやるって言ってたんじゃないの?」

垣根「忘れてた」

433 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 22:30:38.47 aVKWrfO90 351/797

心理「ほら、書きなさい」

垣根「い、いや・・・その・・・」

心理「書け」

垣根「・・・はい」


ペンと原稿用紙を机に置く


だが、結局最初の三行しか書けなかった


そして、そのまま閉会式は始まる

434 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 22:32:07.68 aVKWrfO90 352/797


上条(・・・暑いな)

競技場に立った上条は、顔をしかめていた

周りのクラスメイトもめんどくさそうな顔をしている


これから役三時間も、お偉いさんの話を聞かなければならない

観客は昨日までの三分の一ほどか

誰も聞きたくなどないのだろう

435 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 22:34:28.41 aVKWrfO90 353/797

美琴「ねぇ、当麻」

上条「ん、なんだ?」

美琴「めんどうじゃない?」

上条「あぁ・・・かなり」

唯一の救いは、常盤台が隣に並んでいて、しかも偶然二人が隣同士なことか

ヒマなときはこっそり話でもするつもりだ

土御門「はぁ、カミやんはうらやましいにゃー」

436 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 22:36:20.08 aVKWrfO90 354/797

青ピ「ほんま、彼女が隣やなんて」

上条「まぁ・・・救いではあるな」

■■「君は。ちょっと自重しなさい」

上条「はいはい・・・」

はぁ、と上条が溜め息をつく

暑い

非常に暑い

438 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 22:39:23.76 aVKWrfO90 355/797

上条(あ、始まった)

どこかの学校の校長か

非常にビシッと決まったスーツを着ている

上条(・・・はぁ、めんどいな)


「えー、今年の大覇星祭はやや品格には欠けていたものの・・・」


上条(・・・楽しかったからいいじゃねぇか)

美琴(・・・お偉いさんは堅いわね・・・)

439 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 22:40:49.01 aVKWrfO90 356/797

次の校長も

「少々品が無く」

なんて言っていた

中には

「勉学を本業とするべき学生としてふさわしくなく」

なんて言う挨拶もあった

そんなわけで、学生達はかなりイヤな表情をしていた

せっかくの盛り上がりに、最後に水を差されたのだから

440 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 22:42:23.48 aVKWrfO90 357/797

上条「はぁ・・・」

美琴「なんか、みんなかなり睨んでるわね」

上条「そりゃそうだろ」

そろそろ閉会式も終わる

最後は統括理事長の話だ

上条(あれ、でもアレイスターは今・・・)


話が出来る状況ではない

441 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 22:44:06.05 aVKWrfO90 358/797

上条「なぁ、土御門」

土御門「あぁ、どうするつもりかにゃー」

一応、統括理事長が冷蔵庫、なんてことは極秘事項だ

上条(・・・どうすんのかな)


吹寄「なお、今回は統括理事長殿が急用の為、代役を立てて挨拶と代えさせていただきます」


上条(あぁ、代役か)

美琴(誰かしら)

442 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 22:45:12.64 aVKWrfO90 359/797


垣根「はーい、どうもー」

観客席からなぜか歓声が上がる

もちろん、生徒達からも

上条「」

美琴「」

■■「まさか。彼だったなんて」

青ピ「こら面白くなるで!」

443 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 22:46:51.02 aVKWrfO90 360/797

垣根「えー、みなさん、ホントお疲れ!」

垣根「疲れたろうから座ってもいいし、なんならもう帰ってもいいぜ」

おー!と生徒が喜ぶ

後ろのお偉いさん達はまた顔を青くしているが

垣根「いやぁ、まさかここまで盛り上がるとは思わなかった」

垣根「こりゃ一重に、みんなと、そして実行委員のおかげだ」

444 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 22:48:22.68 aVKWrfO90 361/797

垣根「他のお偉いさんはつまらなかった、品がなかったとか言ってるけど」

垣根「ここにいるみんなは笑顔になれたはずだ」

垣根「笑顔を作るのは、お偉いさんのうざったいスピーチじゃねぇんだよってことだ」

拍手が起こる

これが、学生の総意なのだろう

垣根「じゃ、最後に一言」

445 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/19 22:49:39.08 aVKWrfO90 362/797


垣根「楽しかったか、みんな!?」

一瞬の静寂の後、大きな声で返事が返ってくる

その返事が、拍手が

学生の答えだろう

垣根「以上、また来年楽しもう!」



垣根「解散!」

464 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/20 10:29:53.55 dUxJd9qg0 363/797

学生達がぞろぞろと競技場から出ていく

明日は一日休みになる

そのため、今日は夜遅くまで起きていられるのだ

ナイトパレードを見に行く学生がほとんどだろう


上条「垣根、ありがとよ」

垣根「あぁ?何がよ?」


465 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/20 10:30:28.66 dUxJd9qg0 364/797

上条はそっと放送席へ近づいていた

残っているのは椅子だけ

その光景が、大覇星祭の終わりを裏付けている

上条「いやさ・・・お偉いさんの挨拶でみんなイヤな思いしてたからさ」

垣根「別にお前らを喜ばせるために言ってたんじゃねぇさ」

上条「台本か?」


466 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/20 10:31:20.34 dUxJd9qg0 365/797

垣根「当たり前だろ」

心理「あら、あなた台本なかったじゃない」

心理定規が横でクスクスと笑う

垣根「・・・とにかく、俺は俺の思ったことを言っただけさ」

心理「それが結果的に他の学生と同じ気持ちだった、ってだけよ」

上条「あぁ、そうだな」

上条が頷く


467 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/20 10:32:02.54 dUxJd9qg0 366/797

美琴「ねぇ、当麻」

後ろから美琴が上条に声を掛ける

上条「ん、どうした?」

美琴「一旦帰るんでしょ?」

上条「あぁ・・・焼肉パーティーまでどれくらいあるっけ?」

垣根「あと3時間くらいだな」

今は10時


468 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/20 10:32:53.44 dUxJd9qg0 367/797

昼に焼肉を食べるため、少し時間が開いてしまう

美琴「じゃ、その時間に焼肉屋で待ち合わせね?」

垣根「あいよ、他のヤツらも多分集合するから」

上条「分かった、サンキュー」

二人が手を振って、放送席から去っていく

吹寄「・・・終わった・・・んだ」


469 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/20 10:33:48.12 dUxJd9qg0 368/797

垣根の隣で吹寄がぽつりとつぶやく

大覇星祭で一番力を入れていたのは彼女だ

きっと、終わった瞬間に力が抜けたことだろう

垣根「お疲れ様、いい大覇星祭だったよ」

心理「ナイトパレードもあるし、私も垣根も楽しめたわよ」

吹寄「そっか・・・みんな、楽しめたんだ」


470 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/20 10:34:34.42 dUxJd9qg0 369/797

とても嬉しそうに吹寄が笑う

他のクラスメートが見たらきっと驚くだろう

彼女がこんなに無邪気な笑顔を浮かべるなんて、なかなかないことなのだから

■■「楽しかった。吹寄」

吹寄「あら、姫神」

■■が放送席に近寄ってくる


471 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/20 10:35:00.89 dUxJd9qg0 370/797

■■「とても楽しい一週間だった」

吹寄「そう・・・よかったわ」

■■「土御門君も青髪君も。そう言ってた」

吹寄「デルタフォースは全員楽しめたんだ・・・よかった」

心理「その三人は特に楽しませたかったの?」

吹寄「えぇ・・・いつも自発的には参加しないタイプだったから」

垣根「そりゃいい変化だな」


472 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/20 10:35:34.04 dUxJd9qg0 371/797

垣根が笑う

得点板では紅組が勝っていた

しかし、そんな点数での優劣を抜きにして、本当にいい大覇星祭だった

垣根「二人とも焼肉パーティー来るよな?」

吹寄「もちろん」

■■「これで私も。レギュラー入り」

垣根「?」


473 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/20 10:36:23.00 dUxJd9qg0 372/797

意味がわからない、と垣根が首を捻る

垣根「まぁいいや・・・とりあえず帰るか、心理定規」

垣根が椅子から立ち上がる

吹寄「・・・垣根」

垣根「ん、なんだ?」

吹寄「・・・本当に、色々とありがとう」


474 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/20 10:37:15.59 dUxJd9qg0 373/797

垣根「そりゃプライベートな意味か?それとも仕事の意味でか?」

吹寄「・・・両方よ」

吹寄が困ったように笑う

吹寄「貴様のおかげで、楽しい大覇星祭になったわ」

吹寄「それに私もいつもより楽しかった」

吹寄「本当に、ありがとう」


475 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/20 10:37:48.96 dUxJd9qg0 374/797

垣根「どうも、だったら今度はお前が俺を楽しませてくれよ」

手を振って、垣根と心理定規は家へと向かう

吹寄「・・・いいわよ、楽しませてやろうじゃない」

■■「吹寄。顔が怖い」


暑い陽射しが眩しかった

その陽射しが照らす競技場にはもうほとんど生徒はいない

だが、それでも

まだ楽しい日々は続くようだった


476 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/20 10:38:20.31 dUxJd9qg0 375/797

美琴「んぁぁっ・・・当麻のバカぁ・・・」

美琴は上条の部屋の入り口で甘い声を上げていた

帰り着いた途端、いきなり服の上から胸に触れられたのだ

優しい手つきは、まるで彼女を焦らしているようだった

上条「いいだろ・・・?今日は夜は忙しいからできないだろうしさ」

美琴「あっ・・・だ、だからって昼前に・・・んっ・・・」

上条が少し手の動きを強める


477 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/20 10:38:59.36 dUxJd9qg0 376/797

美琴の脚の間が何かの液体で濡れる

脚を動かしただけで、クチュクチュという卑猥な音がする

美琴「やぁっ・・・き、聞かないで・・・」

上条「美琴のいやらしい音が聞こえますよ?」

美琴「は、恥ずかしいこと・・・んっ、言わないで・・・」

上条「美琴・・・好きだ」


478 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/20 10:39:43.59 dUxJd9qg0 377/797

軽く、美琴の頬に口づけをする

それだけでも彼女は達してしまいそうになる

美琴「やぁっ・・・はぁっ・・・んゅっ・・・」

上条「美琴、ダメなの?」

美琴「ダ、ダメじゃない・・・けど・・・」

上条「あぁ、じゃあ風呂でやろうか」

美琴「うっ・・・」


479 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/20 10:40:38.64 dUxJd9qg0 378/797

言おうとしていたことは完全に読まれている

美琴は何もかもを理解されているのだ

上条「美琴さんはやりたくないの?」

美琴「ふ、風呂じゃ・・・ゴムがないから・・・」

上条「ん、ベッドでいいか?」

美琴「うん・・・だから・・・ね?」

上条「はいはい」


480 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/20 10:41:35.85 dUxJd9qg0 379/797

苦笑してから、上条がベッドに美琴の体を押し付ける

少し乱暴な気もするが、美琴にとっては興奮の材料になっているようだった

大好きな上条にこういうことをされるのはかなり興奮するらしい

上条「美琴はエッチだからな」

美琴「はぁ・・・分かったから早く触って?」

美琴が自ら服を脱いでいく

中途半端に触られたせいで体のあちこちが火照っているのだ


481 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/20 10:42:19.78 dUxJd9qg0 380/797

上条「・・・ちょっと待って」

上条が美琴の手を押さえ付ける

最後は自分で脱がしたいのだ

上条「じゃ、失礼しますよ」

下着をずらし、美琴の素肌を露にする

美琴「ん・・・はぁっ・・・」


482 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/20 10:43:04.48 dUxJd9qg0 381/797

上条「すっげぇ・・・もうかなり濡れてますよ」

美琴の下半身はもうぐしょ濡れだった

胸への愛撫だけで相当感じていたのだろう

上条「美琴、舐めていいか?」

美琴「ふぁぁっ・・・な、舐めて・・・」

淫らに、美琴が腰を動かす

上条の体を欲して止まないのだ


483 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/20 10:43:57.11 dUxJd9qg0 382/797

上条「・・・」

無言で、上条が美琴の胸に舌を這わせる

先っぽを舌先で転がし、甘美な刺激を与える

美琴「んぁぁっ・・・当麻・・・」

上条「美琴、気持ちいい?」

美琴「もう・・・ダメ・・・」

美琴が上条の頭に抱き着く

485 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/20 10:45:01.63 dUxJd9qg0 383/797

その瞬間、彼女の体がびくりと跳ねた

達してしまったのだろう

上条「・・・すげぇ、ますます敏感になってるな」

美琴「だって・・・あんなに触られたんだもん・・・」

上条「美琴、次は・・・」

美琴「ん、分かってるわよ」

美琴が上条の下着を脱がせる


486 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/20 10:46:01.21 dUxJd9qg0 384/797

やはりこの瞬間は緊張してしまう

いい加減に慣れたいところだが、さすがにそこまで図太い神経は持っていない

美琴「あ・・・おっきくなってる・・・」

上条「あぁ・・・かなり興奮してるからな」

美琴「・・・舐めるわよ」

美琴が上条の肉棒に舌を這わせた

筋に合わせて滑らせ、さらにカリの部分を口に含む


487 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/20 10:46:35.45 dUxJd9qg0 385/797

上条「あっ・・・はぁ・・・」

上条の甘い声が聞こえてくる

それがさらに美琴を加速させる

美琴「んっ・・・んっ・・・」

頭を前後させ、ピストン運動を始める

舌だけの刺激に慣れてきた上条の肉棒は、いきなりの新しい刺激に打ち震えた

上条「あっ・・・美琴、エロすぎ・・・」


488 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/20 10:47:25.60 dUxJd9qg0 386/797

美琴「ほぉま・・・ほぉま・・・」

虚ろな目で、美琴が上条の名を呼ぶ

上条「はぁ・・・ん、ありがとな・・・」

上条が美琴の綺麗な髪の毛に指を這わせる

ちょっと触れただけでも傷つくのでは、と思うほどに繊細な髪の毛だ

上条「美琴・・・出そう・・・」

美琴「うんっ!んっ!」


489 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/20 10:48:01.31 dUxJd9qg0 387/797

頷くような仕種を見せてから、美琴はまたピストン運動を再開させる

了承の合図だろう

上条「美琴っ!」

ドピュ、と上条の肉棒から熱い液体が放たれる

その瞬間、上条の頭の中は真っ白になる

何か火花が飛び散ったような、そんな感じだ


490 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/20 10:48:37.01 dUxJd9qg0 388/797

美琴「・・・いっぱい・・・出し過ぎ・・・」

ゴクン、と喉を鳴らしてから美琴が上条を睨む

上条「はぁ・・・悪かったってば・・・」

美琴「んっ・・・あ、んっ・・・」

上条「ん?どうかしたのか?」

美琴「なんか・・・あっ・・・」

ピクピク、と美琴が体を痙攣させる


491 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/20 10:49:10.18 dUxJd9qg0 389/797

上条「なんだ、イっちゃったのか?」

美琴「はぁ・・・へ、変態よね?」

上条「でも嬉しいですよ」

上条が美琴のおでこにキスをする

美琴「はぁっ・・・ね、入れて?」

上条「ちょっと待ってな・・・」

上条が自分の肉棒にゴムをつける


492 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/20 10:49:42.75 dUxJd9qg0 390/797

学園都市製の超薄型だ

かなり生に近い刺激を得られるため、人気らしい

上条「・・・よし、入れますよ」

美琴「うん・・・はぁっ・・・」

ぐぐ、と美琴の入り口を広げて肉棒が入っていく

肉体的にも精神的にも、満たされる瞬間だ


493 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/20 10:50:29.14 dUxJd9qg0 391/797

美琴「・・・あっ・・・当麻・・・大好き・・・」

上条「美琴・・・美琴・・・」

頭がぼーっとしてしまう

そういえば昼前にするのなんて久しぶりだった

外ではまだみんなが遊んでるんだ、と考えると背徳感に襲われる

その背徳感でさえ、彼等にとっては起爆剤に過ぎなかったが

美琴「んぁぁぁぁっ!はぁ、熱い・・・んっ!」


494 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/20 10:51:05.96 dUxJd9qg0 392/797

上条「うわ・・・ちょっと締めすぎじゃないですか?」

美琴「うっさい・・・き、気持ちいいんだから仕方ないでしょ・・・」

グチュグチュ、と部屋に音が響く

パンパン、と体がぶつかる音もする

ハァハァ、と荒い息遣いが二人を興奮させていく

目の前の愛している人だけを見つめる


495 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/20 10:51:57.17 dUxJd9qg0 393/797

美琴「・・・んゅっ・・・」

上条「あ、イったな・・・」

美琴「はぁ・・・ヤバい・・・なんかめちゃくちゃ感じちゃう・・・」

上条「俺も・・・」

肉棒を抜き差しする度に、美琴はよがった

その甘い声が、上条をなおさら快感に導く


496 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/20 10:52:37.39 dUxJd9qg0 394/797

美琴「いやっ・・・は、激しすぎ・・・て・・・」

愛液がだらし無く太ももに垂れていく

だがそんなことを気にしている余裕もないくらい、美琴の体は敏感になっていた

美琴「当麻・・・まだ・・・?」

上条「もうちょい・・・はぁっ・・・」

美琴「ねぇ・・・一緒に、ね?」

上条「あぁ、分かってる」


497 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/20 10:53:24.50 dUxJd9qg0 395/797

上条が集中的に奥を責める

美琴が快感によがって、締め付けが一層強くなっていく

結果として上条も早く達することができるのだ

上条「あぁ・・・そろそろだ、美琴!」

美琴「はぁっ・・・来て!」

上条「イくぞ・・・あぁっ!」

美琴「んぁぁぁぁっ!」


498 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/20 10:54:26.45 dUxJd9qg0 396/797

美琴の中で上条が爆ぜる

脈打つ肉棒が、上条が達してしまったことを美琴に伝えていた


上条「はぁ・・・まだ焼肉パーティーまで時間あるな」

疲れた体をベッドに預けたまま上条がつぶやく

あれほど激しかったにも関わらず、まだ30分しか経っていなかった

美琴「あと二時間はあるわね・・・」


499 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/20 10:55:07.86 dUxJd9qg0 397/797

上条「あぁ・・・どうしましょうか?」

美琴「・・・一回でいいの?」

上条「うーん・・・あ」

上条が何かを思いついたように声を上げる

上条「後ろの穴、いいか?」

美琴「・・・ゴメン、ちょっとひいたわ」

上条「だ、だって美琴の全部が欲しいんだぜ!?」


500 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/20 10:55:48.83 dUxJd9qg0 398/797

美琴「そ、それは嬉しいけど!」

上条「前にもやったじゃんか!」

美琴「あ、あれは勢いというか!」

上条「ダメなのか?」

美琴「!」

上条が少し悲しそうな目で美琴を見つめる

分かっていた、これは彼の作戦なのだ


501 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/20 10:56:39.95 dUxJd9qg0 399/797

ここでOKを出してしまえば、上条はきっと調子に乗ってしまう

美琴「そ、そんな目なんかされたって・・・」

上条「美琴の全部がほしいなぁ・・・」

美琴「・・・」

美琴がそっと脚を閉じる

クチュリ、と静かに、しかし確実に音が鳴る

そういえば、後ろの穴を奪われたときも決して悪くはなかった気がする


502 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/20 10:57:14.63 dUxJd9qg0 400/797

美琴(だ、だからってそう簡単に許すの!?)

いまさら許してしまったら、快感に負けたみたいになってしまうだろう

美琴「・・・あ、あのさ」

上条「ん、なんだ?」

美琴「痛くはしないでね?」

上条「いいのか?」

美琴「ア、アンタのためなんだからね・・・」


503 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/20 10:58:09.47 dUxJd9qg0 401/797

下を向きながら美琴がつぶやく

快感を得るためではなく上条を喜ばせるため

そう言い訳をして、彼女は四つん這いになる

上条「えーっと・・・二回目だっけ」

美琴「ま、まだ慣れてないんだから・・・」

上条「お腹の中は大丈夫ですか?」


504 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/20 10:59:05.87 dUxJd9qg0 402/797

美琴「い、いいから早くしなさいよ!」

上条「あ、あぁ」

上条が美琴の腰を掴む

肉棒で、入り口を軽く弄ってみる

上条「・・・きつかったら言ってな?」

美琴「うん・・・分かった」

上条「じゃあ」


505 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/20 10:59:49.53 dUxJd9qg0 403/797

上条が指で美琴の愛液を掬う

それを後ろの穴に塗りたくり、少しでも滑りがよくなるようにする

美琴「んひゃっ!さ、触んなやぁっ!」

上条「ん、触られると感じちゃうんですか?」

美琴「違うから!」

上条「でも濡れてますよ?」

506 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/20 11:00:31.41 dUxJd9qg0 404/797

美琴「そりゃ・・・んぁぁっ・・・」

上条「・・・興奮してんのか?」

美琴「な、なによ悪い!?」

上条「いや・・・ちょっと嬉しい」

上条がぐい、と最後まで挿入する

美琴「はぁっ・・・や、やっぱり・・・なんか変な感じ・・・」

上条「い、痛い?」


507 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/20 11:01:13.14 dUxJd9qg0 405/797

美琴「はぁっ・・・な、なんか・・・」

美琴の前の穴からタラリ、と愛液が垂れる

感じているのだ

上条「お・・・こっちもちゃんと感じてしまうんですね」

美琴「と・・・当麻にだったら何されてもいいのよ」

そう言いながら美琴が上条に手を伸ばす

上条「ん」


508 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/20 11:01:51.63 dUxJd9qg0 406/797

考えを汲み取ったのか、上条が美琴の手を握りしめる

美琴「えへへ・・・一緒だね」

嬉しそうに美琴がつぶやく

上条「あぁ・・・そうだな」

美琴「んゅっ・・・はぁっ・・・」

上条「美琴・・・かわいいな」

上条が美琴の髪に触れる


509 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/20 11:02:26.77 dUxJd9qg0 407/797

少し汗でべたついている

だが今はそれさえ愛おしく感じた

上条「・・・はぁ・・・焼肉までに・・・終わるかな・・・」

腰を前後させながらつぶやく

美琴「んっ・・・ま、まだ時間あるから・・・はぁ・・・だ、大丈夫」

上条「エ、エロすぎですよ・・・」


510 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/20 11:03:31.40 dUxJd9qg0 408/797

美琴「ふぁっ・・・」

美琴の中が上条を締め付ける

ギュウギュウ、とかなりきつくなってくる

上条「おわ・・・やっべぇな・・・」

美琴「バカ・・・もっ・・・んゃぁっ・・・」

上条「・・・はぁ・・・イきそうだ・・・」

美琴「わ、私も・・・」

511 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/20 11:04:53.35 dUxJd9qg0 409/797

上条「イくぞ・・・」

美琴「うん・・・うん・・・!」

上条「美琴ぉっ!」

ぐ、っと美琴の体を抱きしめる

上条の存在がまた美琴の体の中で爆ぜる


上条「はぁ・・・はぁ・・・」

美琴「やっ・・・」

512 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/20 11:06:26.20 dUxJd9qg0 410/797


美琴「・・・ちょ、ちょうどいい時間じゃない・・・?」

上条「そうだな・・・風呂入ってからいきますか」

美琴「うん」

二人がベッドから起き上がる

シャワーを浴びながら

やっぱり、二人は風呂の中でもエロエロなのであった






続き: 上条「そして終盤!」美琴「大覇星祭!」垣根「アナウンスはワシじゃよ」心理「誰よ」【後編】


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