上琴を書きたくなった
最初はややシリアス、あとはほのぼの
とりあえず、キャラ崩壊してる
一方は歪みないロリコン
上条さんはロシアのあと普通に生還した設定
一方と美琴は一応和解済み
美琴は上条さんの嫁、俺の娘
サトリナさんは俺の嫁
二つ以上ツッコミどころがあると思った人は見ないほうがいいかも
元スレ
美琴「す・・・好きです!!付き合ってください!!」上条「何やってんだ、御坂」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1304506297/
美琴「」
上条「あー・・・もしかして告白の練習とかか?」
美琴「そうよ・・・悪い?」
上条「なーんて!!まさかこんなところで大声でそんな・・・え?」
美琴「あー!!告白の練習を公園でやったらいけないっての!?」
二人は公園にいた
美琴が大きな声で「す・・・好きです!!付き合ってください!!」なんて言っているのを偶然見かけたのだ
美琴「よりによってアンタに見られるとは・・・」
上条「・・・え?お前って好きなヤツいたのか?」
美琴「そうよ、悪い?」
ふと上条の顔を見る
バカにしたような顔をしてるんだろうな、なんて思って見てみたが違った
なんだか、複雑な、ちょっと辛そうな顔をしている
美琴「なに?どうかした?」
上条「」
美琴「おーい・・・」
上条「あ、いや!!なんだ、お前にも好きなヤツとかいるんだなーって・・・ははは・・」
美琴「なによ、人を血も涙もないヤツみたいに」
上条「・・・練習してたってことは、そろそろ告白するのか?」
美琴「べ、別にアンタには関係ないじゃない!!」
というか、告白する相手は上条なのだが
上条「・・・そっかぁ」
美琴「・・・?なんか今日のアンタ暗くない?」
上条「そんなことないです!!」
大きな声で否定しているが、どこか空元気だ
上条「・・・なぁ、御坂」
美琴「なに?」
上条「頑張れよ、告白」
美琴「え?あぁ、もちろん」
冷静に考えたら、練習しているところを本人に見られるなんて・・・
これでもし断られたらどうしよう、なんて美琴は考えていた
上条「じゃ、俺今日は帰るから」
美琴「うん、じゃあね」
美琴(なんかアイツ変だったわよね・・・)
また厄介ごとに巻き込まれた?
でも普段の上条なら何かに巻き込まれていても、他人には決して悟られないようにするはず
今日の上条は、そんな時とは違っていた
美琴(考えてもしょうがないか・・・あ、漫画でも立ち読みしよ)
寮の門限までだいぶ余裕があるので、コンビニへ向かう
上条(・・・御坂が告白・・・か)
気になる
相手はどんな男なんだろう
あのお嬢様が惚れる男だ
かっこよくて強くて、きっと王子様みたいなヤツなんだろう
上条(・・・アイツ、好きなヤツいたんだ)
うらやましかった
美琴に好かれる男が
なぜなら、上条は
上条(・・・俺、やっぱアイツのこと好きなんだよな)
美琴のことを思っていたから
自分に弱みを見せてくれる彼女
自分を助けようと必死になってくれる彼女
自分を心配してくれた彼女
どれも、とても愛おしかった
だから
美琴が好きな男に告白すると聞いて居ても立ってもいられなくなった
辛くなった
上条(はぁ・・・今度からどんな顔で会えばいいんだよ・・・)
しばらくして、上条は寮に帰り着いた
鍵が開いている、ということはインデックスがいるのか
まったく無用心だな、なんて思いながら部屋に入る
上条「ただいまー」
イン「お帰り、とうま!!」
嬉しそうな顔でインデックスが迎える
でも、今日の上条は少しテンションが低かった
上条「あー悪い、インデックス。ちょっと今日は疲れてるんだ」
イン「大丈夫?ごはんは作れる?」
上条「そこは食べれる?って聞くところだろ」
こんなやり取りをしている間も、美琴のことばかり考えてしまう
あの美琴のことだ、きっと男もOKするに違いない
あんな可愛くて優しい女の子の告白を断るほうが珍しい
上条(もう、俺にはどうしようもないんだな)
はぁ、と大きな溜息をつく
少し心配そうな目でインデックスが見てくる
イン「とうま?」
上条「今日はスーパーで惣菜でも買ってきますか!インデックスも来てくれるか?」
イン「もちろん!」
こういう時は深く考えないようにしなきゃな、と上条は思った
美琴(・・・なんか今回はイマイチだったかなぁ・・・展開がベタ過ぎた)
漫画に対する不満を並べながら美琴は歩いていた
コンビニから寮に向かっている最中だ
最近は日が落ちるのが早くなってきた
そろそろ12月も半ばだ
ちらほらとクリスマス用のイルミネーションが飾られている
美琴(もし、告白が上手くいったら・・・)
アイツと一緒にクリスマスを過ごせるのかな、なんて考えていた
その時
「アイツ」がスーパーから出てきたのを目撃した
手には買い物袋
そして、隣にはあの銀髪のシスター
それを見た瞬間、頭がフリーズする
買い物袋の中身は、どう見ても惣菜だろう
なんで、あのシスターと惣菜を?
一緒にごはんを食べるのか?
でも、上条はなんだか今日、元気が無かった
ただごはんを食べる約束をしていただけなら、断るはずだろう
ということは
約束なんてするまでもなく、いつも一緒にごはんを食べるような仲なのではないか
それはつまり
美琴(・・・あの子と、一緒に・・・?)
気づいたら駆け出していた
見たくなかった
やっと告白しよう、と決心したのに
その相手はもう、付き合っている子がいたのかと
大きな勘違いを抱えたまま、美琴は走っていた
上条・イン「いただきまーす!!」
そんな美琴の気持ちを知る由もなく、二人はいつもの食卓を迎えていた
クヨクヨしていてもしょうがない、と上条は開き直っていた
今は美琴の告白が上手くいって、彼女が幸せになることを願おう、と
上条「あー、切干大根美味いなー」
イン「私も食べたいんだよ!」
上条「ちょっと辛いから気をつけ・・・あー、お前には関係ないか」
インデックスはもしゃもしゃと切り干し大根をかきこむ
そういう普通の光景を見ていると、なんだか落ち着いてきた
上条「なんだかんだ俺は幸せなんだろうな・・・」
イン「どうかした?とうま」
上条「なーんも」
不幸だと思っていた自分が、こうやって普通の日常を送れる
案外悪くないな、と
美琴と付き合えたらもっと幸せなんだけど、とふと思う
上条(ま、今は考えないようにしようかな)
風呂からあがり、寝る準備も済ませた上条は何気なしに携帯を開く
どうやら、一時間ほど前に美琴から着信があったようだ
ちょうど風呂に入っていた時間なので気づかなかった
上条(かけなおしたほうがいいのかな・・?)
どうしようか迷ったが、明日でもいいだろう
急用なら何回かかけてくるだろうが、履歴は一件だけだった
上条(明日にでもきけばいいか・・・)
今日はもう寝よう、布団の中に入る上条であった
美琴(・・・やっぱり出なかった)
美琴は、携帯を抱えて泣きそうになっていた
きっと今頃、あのシスターと幸せな時間を過ごしているんだろう
そう考えたら胸が苦しくなってきた
あのシスターが悪いわけじゃないのは分かっている
なのに、なんだか憎く思えてしまう
美琴(最低だな・・・私)
今日はもう寝よう、布団の中に入る美琴であった
翌日
上条(・・・疲れた)
補習という名の地獄を終えた上条は、いつもの帰り道を歩いていた
いつものデルタフォース以外、補習を受けるヤツはいなかった
上条(あー、やっぱ上条さんは不幸です)
なんでだろう、涙が出てきたよ、なんて呟きながら歩いているといつもの公園に辿り着く
昨日の電話も気になるし、ここにいたら美琴に会えるだろう
ベンチに座って少し待っていたらやはり美琴が来た
気のせいか、元気がないように見える
上条「おーっす!御坂!」
美琴「!」
上条が声をかけた途端、美琴は走って逃げた
上条「お、おい!待てよ!」
その後ろを上条が追いかける
公園から離れ、人通りがほとんどない広場で上条は美琴においついた
上条「どうしたんだよ…、急に、昨日の電話のことでも・・・」
美琴「放しなさいよ!!」
パシッ、と美琴が上条の手を振りほどく
上条「どうしたんだよ、お前」
美琴「・・・くせに」
上条「なんだよ?」
美琴「私のことなんか心配してないくせに!」
二人の間に沈黙が流れる
美琴「・・・ゴメン」
美琴が辛そうな顔で謝る
上条「あ、いや・・・」
美琴「昨日、さ」
上条「昨日?」
美琴「アンタがあのシスターと買い物してたの見たんだ」
上条「そうか・・・でもそれがなんで?」
美琴「アンタ、あの子と付き合ってるんでしょ?」
上条「え?」
いやいや、それは勘違いですよ御坂さん
ていうか俺が好きなのは…
上条はそう思う
美琴「・・・なんかそれ見たらさ、辛くなったんだ」
上条「なんで?」
美琴「バカみたいよね・・・アンタもあの子も悪くないのに」
なんで、御坂が辛いのか
美琴「アンタがさ、私を同情から守ってるんじゃないかって考えちゃって」
美琴「そんなわけないのに・・・アンタはそんなヤツじゃないのに」
美琴「最低よね、くだらない嫉妬ばっかでさ」
美琴「ホント、自分がイヤになるわ・・・」
上条「おい・・・」
美琴「自分が可愛くて・・・だから、アンタが私以外の子に優しくしてるの見たら辛いのよ」
美琴「アンタが守ってきた人たち全員に嫉妬してるのよ?」
美琴「しかも、私を心配してくれたアンタにまでひどいこと言って」
美琴「ホント最低・・・」
上条「おい・・・」
美琴「ゴメン、気にしないで、落ち着くまで一人にしてくれない?」
美琴「今のままだと・・・またアンタを傷つけちゃうから」
美琴「これ以上アンタを傷付けたくないから・・・」
上条「おいって・・・」
美琴「もうさ・・・」
美琴「私なんて、守る気にならないわよね、こんな女」
上条「ふざけんなよ」
美琴「・・・なに?」
上条「ふざけてんじゃねぇよ!!」
ビクリ、と美琴の肩が跳ねる
上条は怒っているような顔をしていた
上条「最低だ?守る気にならないだ?」
美琴「そうよ・・・私なんて」
上条「俺が・・・お前を守ってたのは、ほかのヤツらを守るついでだと思うのか?」
美琴「アンタは、誰でも守ってくれるヒーローじゃ・・・」
上条「ちげぇよ!!」
大声で上条がさえぎる
上条「お前を守る理由は、ほかの仲間を守る理由と一緒じゃないんだよ!」
上条「友情じゃない、同情じゃない、好きな人を守りたいってのは当たり前だろ!」
上条「男って生き物は好きなヤツをしつこく追いかけてしつこく思ってしつこく求めて」
上条「そしてしつこく守り抜かなきゃ気がすまないんだよ!」
上条「最低なんかじゃない!バカなんかじゃない!」
上条「お前は悪くなんかない!ちょっと不器用なだけだろ!」
上条「だからもう自分を責めるなよ・・・」
美琴「・・・」
上条「それ以上・・・」
上条「それ以上、俺の好きな人のことを悪く言わないでくれよ・・・」
美琴「・・・バカじゃないの?アンタ」
上条「・・・かもな」
美琴「もっとロマンチックな告白とかできないわけ?」
上条「あー・・・すまん」
美琴「ったく・・・」
ぎゅっと、美琴が上条に抱きつく
それをしっかりと、抱きしめ返す
上条「なぁ、御坂」
美琴「なに?」
上条「俺も、不器用なんだ」
美琴「知ってる」
上条「だからさ、ロマンチックにとか、幻想的にとかはできないかもしれない」
美琴「・・・」
上条「でもさ、これだけは約束したいんだ」
上条「もう絶対、お前を泣かせたりしない」
美琴「・・・ホントに?」
上条「あぁ、だからさ・・・」
上条「俺と・・・付き合ってほしい」
美琴「バカ・・・」
美琴「泣かせないって言ってたのに・・・」
美琴「早速泣かせてるんじゃないわよ」
上条「あぁ・・・すまん」
美琴「・・・許してほしい?」
上条「もちろん」
美琴「だったらさ」
美琴「キス、してくれない?」
上条「・・・」
無言で、唇を合わせる
上条も、美琴も、顔を真っ赤にしていた
外は寒かったけど、なぜだか心は暖かかった
ロマンチックじゃないけれど
幻想的でもないけれど
こういうのも悪くないな、なんて美琴は思っていた
美琴「つまり、あのシスターは居候と・・・」
上条「そうなのですよ・・・」
キスしてすぐは、二人とも真っ赤な顔で黙りこくっていた
でも、しばらく時間が経って急に美琴が「二股じゃないわよね?」なんて言ってきた
だから、インデックスを居候させることになったいきさつを説明する
上条「まぁ、恋人がいるのに女の子の居候がいるのはよくないよな・・・」
美琴「・・・いいわよ、べつに」
上条「・・・アンタに浮気されてもいいわよ、ってことでせうか・・・」
美琴「んなわけないじゃない」
美琴「アンタはそんなことしないって信じてるし、それにアンタはその子も守りたいでしょ?」
美琴「途中で投げ出すなんてアンタらしくないわよ」
上条「・・・なるほど」
なんだかんだ自分のことをよく分かってくれているんだな、と嬉しくなる
上条「お前と付き合うってこと説明しないとな」
美琴「うん・・・」
美琴は、気づいている
きっとあのシスターも上条のことを好きなんだと
いいのだろうか?
自分だけが彼を独り占めしてしまって
上条「さーて、じゃあ一緒に説明しに行きますか」
上条「・・・痛い、噛まれて痛いし心も痛い」
美琴「なに言ってるのよ、アンタ」
インデックスに成り行きを説明した途端、噛み付かれるという不幸を経験した
でも、ちゃんと理解して、了承してくれた
イン「…とうまは、美琴のことが好きなんだね?」
当麻「あぁ…大好きだ」
イン「美琴以外の人がとうまを好きだって言ったら?」
当麻「変わんねぇよ」
当麻「俺は、御坂美琴が好きなんだ」
当麻「白状かもしれないし、ひどいことかもしれないけど」
当麻「でも、これだけは曲げられない」
当麻「でも、これだけは曲げられない」
イン「…そっか、よかった」
当麻「何でだよ?」
イン「とうまが美琴のことを好きだってのは知ってたから」
イン「上手くいってよかったんだよ…」
当麻「ありがとな、インデックス」
イン「その代わり、絶対美琴を幸せにすること!」
当麻「あぁ!!」
美琴「・・・ゴメンね」
イン「ううん!!とうまが幸せになれるのが一番なんだよ!」
美琴「・・・」
イン「それに・・・」
イン「私も、とうまに幸せになってほしいから」
上条「ありがとうございます、インデックスさん!」
イン「代わりに、今日はお腹いっぱいごはん食べさせてもらうんだよ!」
上条「・・・不幸だー」
美琴「まぁまぁ、手伝ってあげるから感謝しなさい」
イン「短髪の手料理かぁ・・・どんな味なんだろう」
美琴「それはお楽しみよ!」
そうやって上条と美琴の恋人生活は始まった
結局その恋人生活は、波乱万丈な日々になってしまうのだが・・・
110 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/05/07 16:53:14.90 3ff+8IVT0 47/647区切りがいいのでいったん終了
また夜に投下します
次からは遊園地デート
セロリさんがロリコンとはなんたるかを熱く語ります
修造ばりに
遊園地デート編
上条「・・・これは、いったいどういうことなんですか、神様」
美琴「どうかした?」
上条「おかしい、あれはおかしい」
一方「おい、走るな!転ンだら怪我するだろォが!」
打ち止め「そしたらアナタが助けてくれるもん!ってミサカはミサカは開き直ってみたり」
一方「・・・よせ、照れるだろォ」
上条「あの二人がなんで遊園地でキャッキャウフフしてるんでせう?」
二人がいるのは遊園地
デートといえば遊園地
その遊園地で、もっとも遊園地が似合う女の子と、もっとも遊園地が似合わない男のカップルを発見したのだ
美琴がデートをしたいと言ったのが事の発端
付き合い出して早くも二週間
あれから一緒に帰ったり、電話で長話はよくした
しかし、二人きりでどこかに行くことはなかったので、デートをしようという話になった
二人でデートは初めてだし、ベタに遊園地でいっかー、なんて来てみたらこの有様
美琴「・・・仲よさそうにしているのがなんとも気持ち悪いわね」
上条「一方通行があんな満面の笑みを浮かべてるなんて信じらんねぇ・・・」
打ち止め「あー!お姉さまだ、ってミサカはミサカはお姉さまの懐にダイブ!」
美琴「いたっ」
こちらに気づいた打ち止めが、思いっきりタックルしてくる
こちらに気づいた打ち止めが、思いっきりタックルしてくる
一方「・・・打ち止め・・・愉快にケツ振りやがってェ・・・」
上条「その名台詞をハァハァしながら言うな」
打ち止め「お姉さま達もデート?ってミサカはミサカは訊ねてみたり」
美琴「そうよ・・・って、『も』ってどういう意味よ?」
打ち止め「ミサカたちもデートだもん!ってミサカはミサカは顔を赤らめながら答えてみたり・・・//」
上条・美琴「・・・デート・・・だと?」
一方「なンだよ、なンか問題でもあンのか?」
上条「お前・・・」
美琴「アンタ・・・」
一方「あン?」
上条・美琴「ロリコンかよ・・・」
打ち止め「え、アナタってそういう性癖があったの?ってミサカはミサカは新事実に驚愕して・・・」
一方「おい」
上条「なんだ?あー、もしかして怒ったのか?」
一方「お前ら、ロリを馬鹿にしてンのか?」
美琴「いや、ロリじゃなくてロリコンを・・・」
一方「ふざけてンじゃねェぞ!!」
上条・美琴「!?」
一方「お前らにロリの何が分かる?」
上条「・・・はぁ?」
一方「よし、じゃァきくが三下」
上条「は・・・はい?」
一方「お前にとって、ロリの定義は?」
上条「いや・・・まぁ、ベタに小学生とか・・・」
一方「オリジナル、お前は」
美琴「コイツと同意見だけど・・・」
一方「ダメだよなァ・・・そンなンじゃ全然ダメだ」
一方「じゃァきくが、ロリコンが全てのロリに萌えると思ってンのか?」
一方「違うンだよ、ロリの魅力はまず、可能性があること」
一方「もしかしたら、あンな風に育つンじゃないか、こンな風に育つンじゃないか、その可能性」
一方「そこらへンにいるただのババァに可能性があるか?将来性があるか?」
一方「ないね、全然ねェンだよ」
一方「人は進むことはできても戻ることはできない、ロリは今まさに進もうとしているンだ」
上条「いや、あの・・・」
一方「二番目に、純粋さだ」
一方「よく、ロリコンはロリに飴とか差し出して誘おうってする、とか言うよなァ」
一方「でも、最近のババァを考えてみろよ」
一方「金を渡されれば体を許す、力を見せつけられたら体を許す」
一方「その点ロリは純粋だからな」
一方「親の言いつけを守って、絶対に知らないヤツにはついていかねェ」
一方「それはなぜか、世間体だの世の中の汚さだのを気にしていないからだ」
一方「人間は育つに連れて余分な物ばかり背負っていく」
一方「生まれた頃は期待や未来を背中に背負っていた」
一方「そして、育つにつれて大切な誰かを背負うために、一つ、また一つとそういうもンを捨てていく」
一方「そうして空いたスペースに大切な誰かを背負おうとする」
一方「でもなァ、その誰かを失ったときに、人間は十字架を背負ってしまうンだ」
一方「オリジナル、俺はオマエをロリと思わない、それはなぜか」
一方「余分なものがあるからだ」
一方「オリジナル、俺はオマエをロリとは認めない、それはなぜか」
ビシッと、一方通行は美琴の胸を指差して言う
一方「そこに、山があるからだ」
美琴「」
上条「」
打ち止め「//」
一方「最後に、もう一つ」
一方「俺はロリの定義をこォ思っている」
一方「ロリとは、純粋さを失っていない、そンな人間のことを言うンだ、と」
一方「俺は打ち止めのことが好きだ、それは打ち止めがロリだから、純粋なままだから」
一方「お前らはこう言いたいンだろ、『それって打ち止めが年を取ったら興味ないってことじゃン』」
一方「でも違う、打ち止めが何歳になろうが、何年経とうが、純粋さを失わなければ」
一方「いつまでも打ち止めはロリなンだよ」
一方「ロリコン?異常性癖?はっ、上等じゃねェか」
一方「だったら一般人はセッ○スだのキスだので自己満足な愛に浸ってろォ」
一方「だがな、本当の愛はそこにあるのか?」
一方「逆に聞く、ロリコンは愛を持っていないのか?」
上条(もうダメだこの人)
一方「俺があの日打ち止めを助けたとき」
一方「俺があの日打ち止めを抱きしめたとき」
一方「打ち止めがあの日俺を信頼してくれたとき」
一方「打ち止めがあの日俺を心配してくれたとき」
一方「そして、あの日、俺たちがずっと一緒にいたいと願ったとき・・・」
一方「そこには、たしかに愛があったンじゃねェのか?」
一方「世間体だの周りの目だのどォでもいいさァ」
一方「両手で抱きしめた打ち止めだけ守り切れれば俺はいいんだよ」
一方「三下、テメェの右手はどンな幻想もぶち壊せるンだっけか?」
一方「でもなァ・・・」
一方「このたった一つの幻想を守り抜くためなら、俺はテメェを超える」
一方「後戻りはしねェ、振り返りもしねェ」
一方「なぜなら俺は・・・」
一方「一方通行だからなァ・・・」
上条・美琴(もうヤダこの人)
打ち止め(今日のアナタ・・・一段とカッコイイよ、ってミサカはミサカは・・・//)
一方「ま、オマエらには一生分かンねェさ、行くぞ打ち止め」
打ち止め「う、うん!ってミサカはミサカはさっきのアナタを思い出して・・・//」
一方「じゃァな、『普通』のカップルさンよォ」
上条「・・・行くか、御坂」
美琴「・・・うん」
垣根「メリーゴーランドが好きだ、メルヘンだから」
心理「・・・あなた、急に帰ってきたからどうしたのかと思ってたけど、何かヘンなことされたでしょ・・・」
垣根「はぁ?お前にはメルヘンの良さが分からないのかよ・・・これだからホステス崩れは」
心理「なによ、ホスト崩れ」
上条「おぉ・・・なんというか、美男美女カップル」
美琴「ホント・・・ってアンタ、美女ってどういうことよ?」
上条「まぁ御坂ほどじゃないけどな」
美琴「・・・//」
上条「でもあの男の人のほう、どっかで・・・」
美琴「あ、あの人・・・」
美琴はとある研究資料を思い出す
それは、例の妹達計画の資料
たしか、あの資料にはLEVEL5の顔写真が載っていた
そして、その中にあの男性がいたような気がする
美琴「もしかして・・・あの資料に載ってた・・・」
上条「だよな?ってことはLEVEL5か・・・秀才でイケメンとはなんという・・・」
美琴「・・・私も一応、LEVEL5なんだけど」
上条「なんだ?もしかして御坂さんは男にもヤキモチを妬いちゃうんですか?」
美琴「なっ・・・そんなわけないでしょ!!」
つい大声を出してしまう
それに気がついたのか、例のカップルが近づいてくる
垣根「どうかしたかい、お嬢さん」
美琴「あ、いえ・・・」
心理「その割にはさっきから私達をじっと見ていたけど・・・?」
上条「あ・・・いや、美男美女カップルだったのでつい・・・」
垣根「ははは、俺たちはカップルなんかじゃないさ、ただの元同僚だよ」
上条(うわぁ・・・めちゃくちゃさわやか・・・これなんてキシリトールだよ)
美琴「あの、失礼ですけど・・・」
垣根「なんだい?」
美琴「もしかして、LEVEL5の方ですか?」
垣根「!!」
そう訊ねた瞬間、少しその男の顔が凍りつく
しかし、苦笑したあと、すぐに答える
垣根「一応ね・・・そういうお嬢さんこそ、常盤台の超電磁砲じゃないか」
心理「あら、こんな近くにLEVEL5が二人もいるなんて、光栄ね」
美琴「いえ・・・それほどでも」
少し照れくさそうに頭を掻く美琴
それを見て、少しヤキモチを妬く上条
垣根「おっと、悪い。彼氏さんにヤキモチを妬かせちゃったみたいだ」
美琴「え?アンタ妬いてるの?」
上条「別に・・・」
そうやって拗ねている上条を見て、カップルが微笑む
垣根「あぁ・・・自己紹介が遅れたな、俺は垣根帝督。」
美琴「垣根・・・もしかして第二位の!?すごい・・・」
垣根「よしてくれよ・・・そんな風に言われると照れるだろ」
上条「ワァーオ、リア充ですね」
心理「ほら、垣根。あんまり彼氏さんを挑発しないの」
垣根「してねぇよ・・・で、コイツが心理定規。まぁ、本名で呼ばれるのが苦手なヤツだからさ」
心理「よろしく。ついでに私はただのLEVEL4だから」
美琴「いや・・十分すごいですよ」
上条「どうせ上条さんは無能力者ですよー」
垣根「上条・・・だって?」
上条「はい?」
垣根「知ってるよ、君の事は・・・一方通行を倒した無能力者だろ?」
心理「!!この人が?」
二人の身に纏う空気が変わる
まるで獲物を狙うライオンのような・・・ライオンのような・・・
垣根「すっげぇ、サインくれよサイン!!じゃなくて、俺のメルヘンも無くしちまうのか!?やっべぇ、マジ常識通用しねぇwwww」
上条「・・・あれ?」
シリアスになりかけたのに
垣根「いやー、巷じゃ有名だぜ、アンタ。まさかこんなところで出会えるとはな・・・」
心理「超電磁砲と幻想殺しのカップル・・・いいわね・・・」ジュルリ
美琴「あ・・・あの?」
先ほどまでの、大人で上品なイメージが崩れ、ただの高校生のようになった二人に戸惑ってしまう
垣根「あぁ・・悪い悪い。普段はなんとなく気取っちまうんだよなぁ」
美琴「あ・・・なんとなく分かるかも。垣根さんもやっぱりそうなんですね」
垣根「まぁな、あと呼び捨てでいいから」
美琴「よ、呼び捨て!?」
あわわ、と美琴が慌てる
上条「・・・み・さ・かさん?」
美琴「な、なによ!別にアンタのことも名前で呼びたいななんて思ってはあばばばばばばばばばばばば」
心理「あら、壊れたわね」
垣根「彼氏さんのこと名前で呼んでないのか?そりゃいけねぇな・・・」
ニヤニヤ、と垣根が笑う
上条(コイツ・・・絶対御坂の反応が面白くて遊んでるだろ)
垣根(やっべ、上条の反応いちいちウケる)
心理「でも、やっぱり名前で呼ぶのは大切よ?距離が縮まるし、愛情も感じるし」
垣根「お、お前もそういうことは分かるんだな」
心理「・・・いいでしょ、別に」
美琴「ここは・・・上条くん・・・いや、とうまくん?それともとうま?まさか・・・あ・な・た、なんて・・・うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
垣根「・・・こりゃお熱だな」
心理「ちなみに上条君は彼女のことはなんて?」
上条「いや、普通に苗字で・・・」
心理「ダメよ、そんなんじゃ」
上条「ダメ・・・って?」
垣根「上条は鈍感なのかよ・・・」
美琴(そのとおりよ、垣根)
垣根「いいか?女の子・・・ましてや、彼女だ」
垣根「名前で呼ばれたいに決まってるだろ?」
垣根「中途半端に苗字で呼ぶと、距離を置いてるようにも聞こえる」
垣根「だったらまだ、『オマエ』のほうがいい、奥さんを呼ぶみたいで」
垣根「分かるか?御坂はお前に名前で呼んでほしいんだよ」
垣根「呼んでやれ、名前で」
垣根「好きな女の願いはなんでも叶える・・・それが」
垣根「彼氏の役目、だろ」
上条(・・・なんかそんな気がしてきた)
垣根「で、どうするんだ上条?」
上条「そ、それは…」
心理「御坂さんも期待してるわよ」
上条「えっ?」
そうなのか、と思って振り返ると美琴がキラキラした目でこちらを見ている
上条「あ、御坂は名前で呼んでほしいのか?」
美琴「はっ!?べ、別に呼んでほしくなんかないけど、でもアンタが呼びたいっていうなら…//」
垣根・心理(なんという教科書通りのツンデレ)
上条「そっか…たしかに付き合ってるなら名前で呼んだほうがいいよな」
思い返せば、今までにだって何度か美琴と呼んだこともある
今更、そんなに照れることじゃない
はずなのだが
上条(いざ、意識して呼ぶってなるとこれが緊張するんだよなぁ…)
とはいえ、美琴も期待しているようだし、やっぱり呼べませんなんて言えない
上条「まぁ、名前で呼ぶのはいいんだけど、その代わり御坂も俺のこと名前で呼んでくれよな?」
美琴「へっ!?なんで、私、アンタ、名前、呼ぶ?」
垣根「片言になってるぞ、エキサイト翻訳みたいに」
心理「彼氏さんにだけ名前で呼ばせるなんて不公平じゃない?」
美琴「そうだけどさ…」
上条「じゃ、せーので互いに名前呼び合わないか?」
美琴「なるほど…それならいいかも」
上条(よし、これで俺だけ言わなきゃ美琴が当麻って呼んでくれるのを堪能できる…)
上条「いくぞ」
上条・美琴「せーの」
美琴「当麻//」
心理「そげぶ」
垣根「おっぱいがそこにあるから僕は走り続けた、果てしない未来の先に明日があると知らずに」
上条「」
美琴「ちょっと、アンタ言ってなかったじゃない!ていうか垣根、何言って」
垣根「男になくて女にある、メルヘンじゃねぇか?」
心理「変態ね…」
上条「…なぁ、美琴」
美琴「へあっ!?なななななななに?」
上条「もうさっさとデートに戻りましょう、上条さんは美琴と二人になりたいんですよ」
美琴「あ、アンタ何言って…//」
上条「ん?アンタ?」
美琴「…当麻//」
垣根(えんだあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ)
心理(このタイミングは違うわよ)
上条「まぁそんなわけで、またな垣根、心理定規」
垣根「おう、邪魔して悪かったな、楽しめよ」
心理「御坂さん、彼氏さんと仲良くね。私達はいろいろ適当に回るからまた会うかもしれないけど」
美琴「うん、またね」
そう言うと二組のカップルは別々の方向に歩き出した
しかし、忘れてはいけない
垣根帝督に常識は通用しないのである
垣根「みんな、待たせたな」
心理「何やってるの、あなた」
垣根「上条と御坂を尾行する、いわゆるスネークだ」
心理「…あの二人の邪魔はしないんじゃなかったの?」
垣根「俺は非常識なんだよ、常識に縛られた一般人には一生無理な領域に達したな」
心理「まぁ直接邪魔しないのならいいけど」
垣根「気になるだろ、不器用同士のカップルがどうなるのか」
心理「せめて私達くらい器用なカップルだったらいいのにね」
垣根「いや、俺たちそういう関係じゃねぇだろ」
心理「…そうね」
垣根「何ふてくされてんだよ、上条達先に行っちまうぞ」
心理「はいはい」
上条(…どうしよう、二人きりになったはいいが、会話が続かない)
美琴(なによ、急にヘンな空気に…)
上条(よし、ここは俺が男を見せるべきだ!)
上条「なぁ、美琴」
美琴「ひゃい!?」
上条「…なんだその返事…ま、いっか。なんか乗りたいモンとかあるか?」
美琴「えーっと…メリーゴーランドとか」
上条「…メリーゴーランド…」
美琴「な、なによ!別にいいじゃない!」
上条「いや、いいんですけどね。もうちょっとこう、デートらしいものとか…」
美琴「え?デートってメリーゴーランド→お化け屋敷→観覧車が普通よね?」
上条「そうか?ジェットコースター→ゴーカート→コーヒーカップじゃねぇのか?」
美琴「…じゃそれ全部乗りましょ」
上条「あ、はい」
垣根(何やってんだよ、上条、そこは女が言ったことに異論は唱えたらいけないだろ…)
心理(あの二人、趣味とか全然違うのね)
上条「じゃ、まずはメリーゴーランドか」
美琴「うん♪」
上条(楽しそうだな…その笑顔が見られるだけで上条さんは幸せですよ)
美琴「行こ、と…当麻//」
上条「あ、ああ」
上条(前言撤回、超幸せです)
垣根(うわぁ、メルヘン)
心理(あなたもあれくらい一途になってみたら?)
垣根(はいはい、いいから俺たちもあのメリーゴーランド乗るぞ)
心理(あなた、自分が乗りたいだけでしょ)
垣根(さっきからあなたあなたうるせーな、俺とお前は夫婦かよ)
心理(ふ、夫婦って//)
垣根(あれぇぇ??)
上条「たしかに、わりとカップルには人気みたいだな」
美琴「ほらね、デートならまずはメリーゴーランドよ」
上条「…やけに詳しいけど、ほかの男と来たこととかあるのか?」
美琴「?ないわよ、一度も。黒子とかとなら来たことあるけど」
上条「あ、そうですか」
美琴「何よ?」
上条「別にー(笑)」
美琴「?」
上条(ヤキモチ妬いてたなんて言えませんよ)
美琴「あ、わたしあの馬車がいい!!」
上条「いや、メリーゴーランドならせめて白馬に…」
美琴「…ダメ、かなぁ?」ウワメヅカイ
上条「よし、乗ろう、ぜひとも馬車に」
美琴「やったぁ!」
上条(ああもう可愛いなぁ)
垣根(ちくしょう、リア充は爆発しろよ)
心理(定員超えてたせいで乗れなかったからっていじけないの)
垣根(いいもん、俺、あんなユニコーンに乗らなくても背中から翼生やして飛べるもん)
心理(なにそのキャラ)
上条「あのー、美琴さん?」
美琴「…なに?」
上条「近くないですか?」
美琴「いいじゃない、狭いんだから」
上条「いや、そうですけどね、こんな至近距離だと恥ずかしいというか…」
美琴「別に、か、カップルなんだからいいでしょ」
上条「…なんか、急に攻めてきますね」
美琴「あーもういいじゃないの!せっかく付き合えたんだから少しくらいアンタのそばにいたいのよ!」
上条「…美琴」
美琴「な、なに?」ドキドキ
上条「アンタに呼び方戻ってますよ」
美琴「…そこは、歯がゆい台詞を返すところでしょ」
上条「と言われましても…あ、動き始めたみたいだな」
美琴「あ、ホント」
二人を乗せたメリーゴーランドが回り始める
クルクルと回っていく景色
そんな中、目の前にいる恋人だけがハッキリと見える
なんかこういうのも悪くないな、なんて上条は思った
上条(でもな、なぜだか涙目の垣根が視界に入ってしょうがないんだが)
美琴「楽しかったー♪」
上条「メリーゴーランドなんて子供の乗り物だと思ってたけど、結構いいモンだな!」
美琴「でしょ?ア…当麻も良さが分かった?」
上条「もちろん」
美琴(こうやって自分の好みを合わせていく…それが恋なのね)
上条「じゃ、次はジェットコースターに乗りますか」
美琴「ここのって結構スリルがあるのよ」
上条「お、それは楽しみだな!!」
垣根(スリルか…俺、今度は乗れるかな?)
心理(あなたがそう願うならね)
垣根(神様お願い、俺乗りたい!!)
心理(…なにこの可愛いメルヘン)
上条「…本日、システム点検のため休止させていただきます、か」
美琴「…残念ね」
上条「今度来るときは乗れたらいいな」
美琴「え、あ、そうね!」
上条「どうかしたか?」
美琴「なんでもない、えへへ…」
上条「?」
美琴(今度か…そうだよね、いつでもデートできるんだよね)
垣根(神は死んだ、ニーチェがそう言ってたな)
心理(…そうね)
垣根(さっきお願いしたのに、叶わなかったな)
心理(…そうね)
垣根(今ならニーチェと友達になれると思うんだ)
心理(あなた、キャラおかしくない?)
垣根(…もう、いいんだ)
心理(…本当に落ち込んでるわね)
垣根(神は死んだ、もういない!だけど、俺の背中に!この胸に!)
心理(やめなさい、見苦しい)
垣根()
上条「気をとりなおして、お化け屋敷に行きますか」
美琴「えぇ…お化け屋敷か…」
上条「おやおや?もしかして美琴センセーはお化けが怖いので?」
美琴「んなわけないでしょ!いいわよ、行ってあげる!」
上条「ま、怖かったら腕に掴まってきてもいいからな」
美琴「う、うん//」
上条(よし、上手くいけばよくあるベタな展開に…)
上条「ほら、俺たちの番だぞ」
美琴「う、うん!」
垣根「お化け屋敷とかマジだるいわ」
心理「あら、お化けが怖いの?」
垣根「あー、もうそれでいいや、怖い怖い。でもお化け怖いって言ったら明日部屋にいっぱいお化けが届けられる」
心理「饅頭怖い?」
垣根「よし、ちょっとあの二人にちょっかい出してくる」
心理「こ、こら、よしなさい…あ、行っちゃった」
上条「結構本格的だな…BGMとかかかってないところが逆に生々しい」
美琴「ほ、ホントね」
キャー!!
美琴「!?」
上条「ほかのお客さんが叫んでるみたいだな…楽しみ楽しみ」
美琴「当麻…怖いよ…」
上条「だ、大丈夫だって」
上条(そろそろくるか!抱きしめイベント!この上条さんにもついにチャンスが!!)
お化け「や ら な い か」
美琴「キャー!!」
ガシッ
上条(きた!!腕にぎゅって…)
垣根「怖いよぉ…」ブルブル
上条「」
垣根「反省はしていない、後悔もしていない」
上条「よし、そげぶする」
垣根「だが断る、それにあんな下心見え見えじゃあな」
上条「下心なんてねぇよ!!」
垣根「御坂にぎゅってされたかったんだろ?あぁ?」
美琴「そうなの、当麻?」
上条「…すこし」
垣根「うわぁ…ひくわ、なぁ御坂」
美琴「い、言ってくれたらいつでも抱きつくけど…//」
垣根(ダメだこのバカップル
上条「垣根が来なければもっとよかったのになぁ」
垣根「はいはい、すいませんね」
心理「ちょっと、あなた」
美琴「あ、心理さん」
垣根「お前今までどこいたわけ?」
心理「後ろにいたわよ…あなたが走っていくまではね」
上条「垣根…そんなに俺の邪魔したいのかよ…」
垣根「悪い悪い、お詫びになんか食い物おごるからさ」
美琴「じゃあソフトクリーム買ってきてもらえる?」
垣根「あいよ、心理定規はコーラでいいよな?」
心理「分かってるじゃない」
上条「じゃ、俺は…」
垣根「上条も一緒にくるんだよ」
上条「い、いや、俺は」
垣根「いいからこい」
ぐいぐいと垣根が上条の腕を引っ張る
美琴「?どうかしたのかしら」
心理(垣根…あなたホントは二人がうらやましいのね)
上条「あのな、垣根…俺は今日美琴とデートしに来たわけであって」
垣根「上条」
急に真剣な顔つきになった垣根を見て、つい息を呑んでしまう上条
垣根「なぁ、上条」
上条「なんだよ」
垣根「俺は、お前の話はよく聴いてる。誰だって等しく助けるヤツだって」
上条「そりゃ、困ってるヤツがいたら助けるのは当たり前だろ?」
垣根「…そうだな、じゃあきくが」
垣根「もし、御坂とほかのヤツ、両方が死にそうな状況になってたらどっちを助けるんだ?」
上条「はぁ?」
何をいきなり、と上条は思う
上条「そりゃ、どっちも助けて…」
垣根「どっちか一方だけだ、助けられるのは」
上条「なんだよ、そりゃ」
垣根「じゃあ分かりやすく言うぞ」
垣根「お前は、自分の女のためならほかのヤツを見捨てられるか?」
上条「…なに言ってんだよ」
垣根「見捨てられないのか、御坂はお前にとってその程度の存在なのか?」
上条「ちげぇよ、美琴は大事だけど、それとほかのヤツは関係な…」
垣根「お前はホントに御坂が一番なのか?」
上条「…」
垣根「いいか、上条。俺はお前よりちっとばっか女の経験が豊富だからわかるんだ」
垣根「御坂は、お前が唯一なんだ」
垣根「一番なんじゃない、唯一なんだよ」
垣根「お前のためなら御坂は命を捨てると思うぜ」
上条「そんなこと…」
垣根「あるさ、御坂の顔を見てれば分かる」
上条「…」
垣根「お前は、御坂のためなら他人を犠牲にできるか?」
上条「…命を天秤にかけたくはない」
垣根「命を天秤にかけるんじゃねぇ、てめぇの気持ちを天秤にかけろ」
垣根「御坂はきっと、どんな他人に対する気持ちよりもてめぇに対する気持ちを大切にする」
垣根「お前はどうだ?御坂が一番…いや、唯一か?」
垣根「御坂のためならほかの友達や知り合いを犠牲にできるか?」
垣根「綺麗事はいらない、答えろ」
上条「…俺は、美琴が好きだ」
上条「誰よりも…いや、比べる必要もない、美琴だけが好きだ」
上条「でも、他人を犠牲にすることはできない」
上条「上条当麻は困っている人がいたら、損得関係なしに助ける人間なんだよ」
上条「今までも、そして、これからも」
垣根「そうか…噂どおりの熱血漢だな」
垣根「じゃあ、せめてお前は御坂を一番最初に救うようにしろ」
上条「そんなこと分からないだろ」
垣根「バーカ、何言ってんだよ」
垣根「両手に花持ってたらどうやって水をやれるってんだ」
垣根「遠慮はいらねぇ、どっちかの花を投げ出して、片方に水をくれてやればいい」
上条「…」
垣根「いいか?俺はお前らを友達だと思ってる。出会ったばかりだけどな」
垣根「だから幸せになってほしい」
垣根「上条、自分の女を何よりも優先しろ」
垣根「お前が救わなきゃ、いったい誰が御坂を守れる?」
垣根「お前は、御坂を守りたいんだろ、なによりも一番に」
上条「ああ、守ってやるさ」
上条「俺はちっぽけな人間だから、誰もを守るのは無理かもしれない」
上条「でも、背中に背負った美琴だけは、なにがなんでも守ってみせる」
垣根「…」
上条「でもな、俺は一度投げ出した花にだって水をやってやる」
上条「一度投げ出したからってなんだ、拾ったらいけないなんて決まりはない」
上条「断られてもいい、偽善だって罵られてもいい、困ってるヤツは助けたい」
上条「俺にできるなら、だけど」
垣根「できなかったら?」
上条「美琴だけは守るさ、絶対に。神に誓ってもいいさ」
垣根「神に、か」
はははと垣根が苦笑する
上条「な…笑うなよ」
垣根「お前の右手はなんでも打ち消すんだろ?神様に誓っても意味ないんじゃねぇか?」
上条「…ですよねー」ガックリ
垣根「でもな、上条」
上条「?」
垣根「もしお前の右手がその誓いを打ち消すんなら」
垣根「俺が神様の代わりになってやるよ」
垣根「今までだって何度もそれを目指した、そして翼を折られた」
垣根「でもな、お前のためならなってやるさ、神様よりもずっと強くな」
垣根「俺への誓いも打ち消しちまうってか?」
垣根「だが俺にはその常識は通用しねぇ」
垣根「だから神様に誓えなかったら俺に誓え」
垣根「どこにいるか分からない神様ってヤツによりも、目の前の俺に誓え」
垣根「そして、自分に誓え」
上条「…メルヘンだな、お前」
垣根「心配するな、自覚はある」
上条「…さっさと買おうぜ、二人とも待ちくたびれるだろ」
垣根「だな」
上条「…なぁ、垣根」
垣根「なんだよ?」
上条「ありがとな」
垣根「いいってことよ」
心理「あら、遅かったわね」
垣根「いいだろ」
上条「はい、美琴」
美琴「ありがと、当麻」
四人で近くのベンチに座り、一休みする
心理「ごめんなさいね、私は二人の邪魔をしたくないんだけど、垣根が…」
垣根「俺に常識は通用しねぇ」
美琴「ただ非常識なだけじゃない」
垣根「そうとも言う」
上条「というか、二人はなんで遊園地に?」
垣根「コイツが言い出したんだよ」
心理「あら、あなたが久しぶりに帰ってきたからお祝いにと思って」
垣根「なんで遊園地なんだよ」
上条「メルヘンだからだろ」
垣根「ありがとう、心理定規、愛してる」
心理「ば、な、人前でなんてこと言ってるのよ!」
美琴(これがツンデレかぁ…)
上条「でも、心理定規さんは垣根と二人がいいんじゃないか?」
垣根「なんでだよ?」
上条「久しぶりに帰ってきたってことは、仕事かなんかだったんだろ?」
垣根(冷蔵庫になったなんてデマを流されてただけなんだがな)
垣根「ああ、ちょっと大量生産をな」
上条「だったら久々に二人きりになったらどうだよ?」
美琴「そうよ、女の子には優しくしないと」
垣根「女の子…ねぇ」
心理「な、なによ」
垣根「…ま、さすがに上条たちの邪魔ばっかもよくないし、そうするか」
上条「そうしてくれ、こっちもお前のせいで午前の二人きりデートがつぶれたんだ」
垣根「うわ、ひでぇ」
美琴「垣根って心理さんのことどう思ってるのよ?」nyny
心理「ちょっと、御坂さん、なにきいて…」
上条「ここはハッキリさせないとな」nyny
垣根「うーん…そうだな…」
心理「あ、あなたもノらないの!」
垣根「まぁ、簡単に言えば」
上条「お!?」
美琴「ん!?」
心理「ちょ!?」
垣根「毎日通いつめていた花屋さん、そこには可愛い店員がいたが、その店員はある日を境に見かけなくなった、彼女はどこへ、そのとき現れた女A、みたいな」
上条(長ったらしいが…要約すれば眼中にないのか…)
心理「…」
美琴「こ、こら垣根!!心理さんが…」
垣根「というのは冗談で、まぁ今一番守りたいヤツかな」
上条(やべぇ、かっけぇ)
美琴(落として上げる…ツンデレ?いや、これは何?)
心理「今ならあなたに抱かれてもいい、いや抱かれたい」
垣根「はいはい、じゃあ俺たちはそろそろお暇させてもらうな」
上条「ああ、またな」
垣根「これ、俺のメアドだから」
上条「暇なときにでもメールするよ」
美琴「心理さんも教えてくれる?」
心理「いいわよ、今の私は上機嫌だから♪」
垣根「じゃ、お二人さん仲良くな」
上条「じゃあな」
今度こそ本当に二人は帰ったようだ
上条「さて、完全下校時刻まで三時間ちょっと…」
美琴「さすがに、遊園地にはあと一時間しかいれないわね」
上条「じゃ、最後に観覧車に…」
美琴「なんか、グダグダだったわね」
上条「今度はホントに二人で来ような」
美琴「うん//」
上条「さて、並びますか」
ハマヅラ、コッチコッチ
タキツボハホントニカンランシャスキダナ
上条「やっぱりカップルには定番みたいだな」
美琴「そうね、観覧車の中でキスなんてよくある展開だし…」
そこまで言って美琴は自分の言ったことの意味を考える
美琴(こ、これってキスしてほしいって言ってるようなもんじゃないの!?そ、そんな急にされたら…//)
上条「…美琴」
美琴「ひゃ、ひゃい!?」
上条「上条さんも期待してるから、そんなに赤くならないでいいですよ?」
美琴「ふ、ふにゃぁぁぁぁぁぁ!!」
上条「ば、電撃ダメだってばぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
上条「なんで観覧車乗る前に電撃浴びなきゃいけないんだよ…」
美琴「ご、ゴメン」
上条「冗談だって、俺こそゴメンな?困るようなこと言って」
美琴「う、ううん!!」
美琴(なんでこんなに優しいのよ…//)
上条「観覧車かぁ…最後にロマンチックなのに乗れるなんていいな」
美琴「そ、そうね!!」
上条「どうした美琴?」
美琴「いや、なんだか幸せだなぁって…」
上条「…俺も、幸せですよ」
美琴(もう、幸せすぎて爆発しそう…)
上条「よし、次は俺たちの番だな」
美琴「楽しみ…//」
観覧車の何がいいのかというと、遊園地のような公共の場で、二人きりのプライベートが生まれるところだ
普通に部屋に二人でいるでもなく、かといって誰かに話していることを聴かれる可能性があるわけでもなく
世界の中で、自分達だけが切り取られた、特別な場所にいるような気がする
上条「…なんか、上条さんはドキドキしてます」
美琴「…私も」
隣に座っている、好きな人の体温を感じる
上条(…なんか、美琴の髪とかからいい匂いが…はっ!いかんいかん、今はそういうのじゃなくて…)
上条「景色、きれいだな」
美琴「私達の住んでる街もこうやって見ると小さいのよね…」
上条「でもまぁ、広すぎたら美琴とは会えなかったかもしれないからな…」
美琴「…会えたわよ、私達なら絶対」
上条「…そうだな」
上条「ん?」
美琴「当麻は…私のどんなところが好きなの?」
上条「どうした、急に?」
美琴「なんとなく…知りたいなって…」
上条「そうだな…」
上条「俺のことを心配してくれるし…、優しいし、でも、俺のことを頼ってくれてるだろ?」
美琴「うん…」
上条「守りたいって思うんだ、お前だけは…美琴だけは失いたくないって」
美琴「…」
上条「ゴメンな…上手く言葉にはできないけど、愛してる」
美琴「バカ…」
美琴が強く上条に抱きつく
美琴「アンタの、そういう不器用なところも私は好きなのよ…」
上条「美琴…」
自然と、本当に自然と二人がキスをする
幸せだな、と二人ともが思う
上条「…なぁ、美琴」
美琴「なに?」
上条「…寮の門限ってさ、破ったらいけないのか?」
美琴「破ったら寮監から恐ろしい攻撃を受けるわ」
上条「…そっか…」
美琴「でもね…」
美琴「当麻と一緒にいられるなら、寮監のことなんてたいしたことじゃないわよ」
上条と美琴は、二人寄り添って街中を歩いていた
遊園地でいいムードになったあと、そのまま別れるなんてできず、今も一緒に居る
とっくに完全下校時刻はすぎている
上条(現在、午後七時…インデックスは小萌先生に預けた…)
上条(美琴は、今日は寮に帰らないと言っている…)
上条(…やはり、男であれば期待してしまう)
美琴「当麻…黙りこくってどうしたの?」
上条「なぁ、美琴…これからどうする?」
美琴「どうって…」
上条「…泊まってくか、俺の寮」
美琴「…」
無言で美琴がうなずく
上条「あのさ…そういうことは、しないから」
美琴「うん…」
上条「美琴がしたくなるまで待つから、安心してくれよな」
美琴「なんか、私から言い出しにくいじゃない」
上条「…たしかに」
美琴「…まぁいいわ」
ぎゅっと、美琴が上条の手を握る
美琴「早く行きましょ、寒くて凍えそう」
上条「了解です、姫」
美琴「ひ、姫って…//」
美琴(…そういうことはしない、かぁ…)
美琴(たしかにまだ付き合ってから二週間しか経ってないし…)
美琴(さすがに、まだ早いわよね…)
美琴(でも…)
美琴(当麻はそういうことって興味ないのかな?)
美琴だって思春期の女の子だ
あからさまなものは見ないにしても、恋愛系の漫画や小説なんかで、そういう描写を見たこともある
そして、いつかは上条とそういうことを…と、考えてしまうこともあった
美琴(…お泊り、二人きり、深夜…)
となると考えられることは一つ
上条「…また何か考え事ですか、美琴さん?」
美琴「…緊張してんのよ」
上条「…俺だって心臓バクバクだぜ?」
美琴「…あのさ」
上条「はい」
美琴「…ちょっとだけなら、そういうことしてもいいから」
上条「…はい?」
上条「…はい??」
上条「はいぃぃぃぃぃぃ!?」
美琴(三段活用…)
上条「ま、待ってください、美琴さん!いや、上条さんもそういうことには人並みに興味はありますが、だからと言って…」
美琴「い、いいじゃない…」
美琴「好きな人と、そういうことくらいしたいでしょ?」
上条「…ぐ、具体的にはどこまで?」
美琴「…一緒にお風呂入ったり」
上条「…な、なるほど」
上条が期待してたベクトルと少し違ったようだ
上条(って違う違う!!一緒に風呂って時点であんなとことかこんなとこが!!)
上条「美琴」
美琴「…なに?」
上条「急ごう」
上条だって男の子だ
そういうイベントは楽しみでしょうがなかった
美琴「…なんか、前に来たときも思ったけど殺風景な部屋よね」
上条「…それは、楽しくない部屋って意味ですか…」
美琴「男の子なんだからさ、もっとゲームとか漫画とか置かないの?」
上条「だー!!俺にそんな資金があるとお思いで!?ただでさえ貧乏なのに金は落とすは穀潰しはいるわ!!」
美琴(インデックス、ひどい言われようね)
上条「悪いな…なんもないけど、ゆっくりしていってください」
美琴「ま、まぁ当麻といられるだけで幸せよ…//」
上条「美琴…」
美琴「当麻…」
付き合ってからお互いが素直になったからか
人前でも二人きりでも、こういう甘すぎる展開になってしまう
上条「…飯からがいいか?それとも…」
美琴「お風呂からがいい…」
上条「…一緒に?」
美琴「うん」
上条(急いで帰ってきた甲斐があった)
下心丸見えな上条だったが、美琴には気づかれなかったようだ
上条「…俺が先に入って待ってようか?」
美琴「うん、お願い」
そう言って上条はそそくさと脱衣所へ向かう
上条(待たされるほうってのも緊張するな…)
風呂場で一人、上条は待っている
天使がくるのを
本物の天使と戦ったりしたことはあるが、あんな意味分からない言葉をしゃべるヤツは天使と認めない
美琴こそが天使だ、なんて適当なことを考えて気を紛らわせる
上条(平静を装え…相手は中学生、中学生…)
美琴「お、お邪魔しまーす」
上条(…中…学生・・・)
美琴はバスタオル一枚を巻いただけ、という格好だった
普段はスカートの下に短パンを履くというガードの固い彼女が、こんな無防備な姿でいる
そのギャップで上条は暴走寸前だった
上条(よし、見上げてごらん、素数を数えろ、A、B、C、D、E、これはエンゲル係数だ、速さが足りない)
上条はパニックだった
美琴の肌とか肌とか肌が必要以上に見えている
美琴「…なにか言いなさいよ」
上条「もう、上条さんは理性が危ういです」
美琴「なっ…風呂場でそんなことしたら電撃浴びせるからね!?」
上条「風呂場でなければいいと?」
美琴「…まぁ、ちょっとは」
上条「美琴」
美琴「ひゃい!?」
上条「体を洗ってしんぜよう」
美琴「…やらしいこと考えてないでしょうね」
上条「・・・お前って読心系の能力者だったか?」
美琴「・・・」
少しだけ、美琴の髪から火花が散る
上条「だー!!冗談だから風呂場では勘弁!!」
美琴「分かったから・・・」
美琴「優しく洗ってよ?」
上条当麻はその日、一度目の賢者タイムを迎えそうになる
上条(やべぇ!!タオル越しでも分かる肌の柔らかさ!!)
上条(…今は腕とか首だからいいけど・・・背中を洗うならバスタオル取るんだよな・・・)
ごくり、と生唾を飲む
その音が聞こえたのか、美琴がヘンな目で上条を見る
美琴「・・・やっぱりやらしいこと考えてるでしょ」
上条「な、なんのことでせう?」
美琴「・・・まぁしょうがないわよね、こんな状況だし・・・」
美琴「私もちょっと期待してるし」
上条「もうダメだ、バスタオル取るな」
美琴「は!?ちょ、まだ心の準備が・・・!!」
美琴の静止を聞かず、上条は漢になる
思いっきりバスタオルを引っ張った
そこには、一糸纏わぬ、肌色の世界が広がっていた
気がついたら、目の前に真っ暗な世界が広がっていた
上条(・・・あれ、俺は風呂場にいたんじゃ・・・)
起き上がってみると、ベッドの上にいた
なんでか、髪の毛が少しチリチリになっている
上条(あれ?美琴のバスタオルを取って、その後・・・)
そういえば、美琴が「ふにゃぁぁぁぁぁぁ!!」って言ってた気がする
上条「美琴?いるのか?」
そう声をかけると、なぜかキッチンから美琴が出てくる
美琴「・・・なに、なんか用?変態彼氏」
上条「・・・あ、怒ってらっしゃる?」
美琴「当たり前でしょ!!その、別にああいうことはイヤじゃないけど、心の準備が・・・」
上条「というか、俺は風呂場にいたんじゃ?」
美琴「う・・・わ、私が電撃出しちゃって、アンタ気絶したから・・・」
上条「とっさのことに右手が反応しなかった・・・だと?」
美琴「だから、急いで私とアンタの体洗って、アンタをベッドにひきずってきたってわけ」
上条「・・・俺の体を洗った・・・?」
美琴「な、ヘンなこと想像しないでよ!!ただ、普通に洗っただけ・・・だから・・・」
上条「あ、ああ、ならいいけどさ」
美琴「もう…」
美琴(・・・男の人のあれって意識がなくてもあんなになるんだ・・・ふにゃぁぁぁぁぁ)
上条(・・・絶対何かあったな)
美琴が頬を赤らめているのを見て上条は感づく
なぜか、こういうことには人一倍敏感なのだ
上条「そういえば、お前キッチンから来たけど・・・」
美琴「そりゃ、料理してたんだから当たり前でしょ?」
上条「手料理・・・だと?」
上条はピクリと反応する
彼は、家庭的な女性が好きだ
料理のできる女性は、かなり好きだ
上条「美琴って料理できるのか?」
美琴「失礼ね・・・結構得意なのよ?」
たしかに、キッチンからいい匂いがしてくる
この匂いは肉じゃがだろうか?
上条「すげぇいい匂い・・・」
美琴「ま、余ってた食材で作ったからちょっと質素だけどね」
上条「なんか、主婦みたいだな」
美琴「しゅ、主婦って、そりゃ当麻は、その、ダンナさんみたいなもんだけど・・・//」
上条(・・・お父さん、お母さん、都会は楽しいです、こんなリア充生活ができるなんて・・・)
美琴「と、とにかく食べましょうよ!!」
上条「この肉のとろけ具合、ジャガイモのほくほく感・・・」
上条「そして何よりも愛という名のスパイス!!」
上条「星三つ!!」
美琴「ミシュランみたいに言わないの」
上条「カミシュランです」
美琴「・・・」
上条「カミシュランです」
美琴「大事なことなの?」
上条「・・・いや、でもホント美味いな」
美琴「でしょ?」
美琴が胸を張る
付き合ってから彼女の知らない面が次々と見られて嬉しい、上条は幸せをかみ締める
肉じゃがと一緒に
上条「ごはんが進みますなぁ・・・」
美琴「肉じゃが好きなの?」
上条「自分の彼女が作ってくれたものならなんでも好物になりますのよ?」
美琴「・・・なんか、照れるわね//」
上条(ヤダ、この子かわいい)
美琴「さて、食べ終わって、片付けも済んだところで・・・」
上条「おお?」
美琴「家宅捜索ね」
上条「はい?」
美琴「いろいろ調べるのよ・・・主にベッドの下とか」
上条「いや、いいけど何もありませんよ?」
美琴「・・・じゃぁほかに何すればいいのよ」
上条「・・・」
上条「あんなこと?」
美琴「オーケー、そこに気をつけの姿勢で立ちなさい」
上条「なんでだよ!?お前だって少しくらいならいいって言ってたじゃんか!!」
美琴「そ、それは・・・」
上条「それは?」
美琴「さ、最後まではまだ、ちょっと・・・」
上条「じゃあどこまでなら?」
美琴「あ、アンタ食いつきすぎ!!」
上条「俺だって男だからな、それに美琴とそういうことしたいんですよ」
美琴「そ、そりゃ私もしたいけどさ・・・でもちょっと怖いし・・・」
上条「何もいきなり全部やるつもりじゃありませんよ?」
美琴「・・・ホント?」
上条「お前が嫌がることをやるほど、上条さんはバカじゃないからな」
美琴「そっか・・・」
美琴「じゃ、じゃあちょっとだけ・・・ね?」
上条(・・・一応、ゴムは持っている)
上条(なぜ持っているかって?俺みたいな年齢のヤツはなぜかたまに衝動買いしてしまうんですよ)
上条(そして、使う場面がないという現実に絶望し、悲しみのどん底に堕ちる・・・)
上条(しかし!とうとうこのときが来た!!)
上条(・・・めちゃくちゃ緊張するけど)
美琴「あ、電気消していい?」
上条「恥ずかしいのか?」
美琴「ちょっとだけ・・・」
上条「じゃ、消すか」
美琴「ゴメン」
上条「いいって、むしろそっちのほうが雰囲気出ていいじゃないか」
美琴「・・・ありがと//」
部屋の電気をそっと消す
月明かりが窓から少し入ってくるが、それ以外明かりはない
外も静かで、まるで宇宙に二人しかいないのではないかという錯覚に陥る
上条(・・・さて)
どういうことからすればいいのか、上条には分からなかった
いきなり服を脱がせてどうこうは違う気がするし、かといってほかに何があるのか・・
美琴「当麻、こっち向いて」
上条「うん?どうかした・・・」
振り向いた途端、美琴が上条の唇をふさぐ
上条(こ、ここにきてまさかの美琴からの猛攻!!)
そっと、美琴が唇を離す
顔が真っ赤になっているが、強がっているのか、表情は少し睨むようになっている
美琴「・・・こういうときってさ、どういうことするんだろね?」
上条「俺にも分かんない」
美琴「ア・・・当麻がやりたいって言い出したんじゃない」
上条「だって、美琴と二人きりになれたんだぜ?期待しちまうだろ・・・」
美琴「・・・そっか・・・期待、してたんだ」
真っ赤な顔のまま、美琴がうつむく
美琴「…服、脱ごうか?」
上条「なっ・・・!?」
美琴「なによ・・・」
上条「い、いや・・・まさか美琴がこんなにグイグイくるとは」
美琴「私だって恥ずかしいわよ!!でも、期待してくれてるみたいだし、それに、イヤじゃないし」
上条「・・・一人だけ脱ぐのは恥ずかしいだろ?」
美琴「じゃ・・・」
上条・美琴「一緒に脱ごうか・・・//」
部屋が暗いので、細かいことは分からない
ただ、服が擦れたり、床に落ちたりする音がなんとも言えないムードを漂わす
好きな人が、こんなに近くであられもない姿に、なんて想像するとパニックになりそうになる
上条「・・・美琴、脱ぎ終わったか?」
美琴「うん・・・そっちは?」
上条「俺も、脱ぎ終わりましたよ」
ヘンな会話だが、どちらも初心なのだ
こういうぎこちない会話でさえ、本当は恥ずかしい
ただ何か話していないと、緊張と期待に押しつぶされてしまう
上条「・・・ベッド、戻りますか」
美琴「なんか、こう、一段と緊張するわね」
上条「まさか、こんな日がくるなんて・・・嬉しいやら恥ずかしいやら」
美琴「そ、そうね」
ぎこちない会話を続けながら、二人はベッドに入る
しかしこのベッド、本来は一人用なのだ
二人が入れば自然と体がくっついてしまう
ベッドGJ、上条はそんなことをつぶやきそうになる
上条(ふおぉぉぉぉぉぉぉっ!!!やわらかい、やわらかいですよ!!)
美琴(ふにゃぁぁぁぁぁぁぁ!!あったかい、あったかいわよ!!)
上条「・・・美琴」
美琴「なに・・・?」
上条「抱きしめていい?」
美琴「・・・当麻がしたいなら」
上条「サンキュ」
ぐい、と強く抱きしめる
やわらかい肌や、サラサラの髪の毛が当たる
上条「・・・なんか、やばい」
美琴「な、なにが?」
上条「その・・・気づいてないかもしれないけど、胸とか当たってますよ?」
美琴「・・・気づいてるわよ」
上条「あ、そうですか」
美琴「当麻の・・・その、あれも当たってる」
上条「・・・生理現象です」
美琴「・・・知ってる」
お互いなんてことを口走ってるんだろう、なんて考えながらも抱き合ったまま、じっとしている
上条「・・・よし、俺はリミッターを外します」
美琴「は?何言って・・・ひゃん!」
急に、上条が美琴の胸を触る
美琴「こ、コラ!触るなら触るって・・・」
上条「あ・・・やわらかい」
美琴「言うな!!」
上条「うん?何かな?」
美琴「んあっ!はぁっ・・・」
上条(やべぇ、声がエロすぎて上条さんは・・・)
美琴「ちょっと、そんなに強く・・・揉ん・・・だら・・・」
上条「気持ちいいんだろ?」
美琴「んっ・・・はぁっ、そういうの・・・言わないでよ・・・んぁぁっ・・・」
上条「なぁ、美琴さん」
美琴「なに・・・んっ・・・」
上条「・・・先っぽ、触りますね」
美琴「な、ちょ、やっ!!」
触るって言ったからいいか、と上条は美琴の胸の先端、敏感な場所を指ではじく
美琴「ひゃっ・・・んっ、くっ、だ、ダメ・・・」
上条「・・・もう、止まりませんよ!!」
美琴「あっ、やば・・・いっ!!」
上条「やばい、って何が?」
そのとき、美琴の体が細かく痙攣する
美琴「はぁっ・・・あ・・・んぁぁぁっ・・・」
上条「美琴・・・?どうした?」
美琴「・・・ったの」
上条「はい?」
美琴「イったの・・・恥ずかしいから言わせないで」
上条「あ・・・なるほど・・・ちょっと休むか?」
美琴「うん、お願い・・・」
しかし胸を少し触っただけで達するなんて、割と感じやすいのかな、と上条は考える
そして、なんとなくそれを口にする
上条「美琴って感じやすいんだな」
美琴「と、当麻にそういうことされるからよ」
上条「・・・俺が特別ってわけか」
美琴「ん・・・そういうこと」
上条「それは光栄ですな」
美琴「・・・今度はアンタの番ね」
上条「え、俺は・・・」
上条の制止を聞かず、美琴は上条の敏感な部分へ手を伸ばす
上条「あ、コラ、美琴・・・」
美琴「・・・これ、どうしたら気持ちいいの?」
上条「・・・その、握って前後に擦ってもらえたら」
美琴「こ・・・こんな感じ?」
上条「すごく、いいです・・・」
美琴「そっか・・・」
無言で手を動かす美琴
上条「ありがとな、美琴」
美琴「ん?なにが?」
上条「こういうの、イヤじゃないか?」
美琴「なんていうかね・・・当麻だったらいいのよ、ほかの男ならイヤだけど」
上条「・・・」
美琴「だから、アンタの好きなようにして?アンタが幸せなら私も幸せなのよ」
上条「・・・美琴さんは、ホント素敵な彼女ですよ」
美琴「当麻も、素敵な彼氏よ」
上条「なぁ、美琴、俺そろそろ・・・」
美琴「・・・ねぇ、当麻」
上条「どした?手疲れたか?」
美琴「そうじゃなくてさ・・・」
美琴「当麻は、最後までやりたい?」
上条「そりゃ・・・でも、美琴はまだ怖いんだろ?」
美琴「最初は怖かったけどさ・・・でも、なんかこう、ムードに流されるというか」
上条「流されるタイプなのか、美琴さんは?」
美琴「ち、違うわよ!!アンタにだけ!!それに・・・」
美琴「さっきので分かったけどさ、アンタにならいいと思うの」
美琴「絶対、アンタとなら後悔しないし、アンタは私を大切にしてくれる」
美琴「私を全部あげるからさ、アンタも全部ちょうだい?ダメ?」
上条「・・・バーカ」
上条「いいに決まってるだろ」
お互い、少し気持ちを落ち着ける
やがて、上条はそっとゴムを取り出し、自分のそれにつける
ありがと、と小さな声で美琴がつぶやく
そういうところが可愛くて、上条は美琴の頭を撫でた
美琴の中に、ゆっくりとそれを入れる
途中、美琴が痛そうな声を出した
気になってやめるか訊ねた
それでも、美琴は続けてほしいと願った
本当に、美琴は自分のことが好きなんだと、上条は思い知らされる
上条「ぜ、全部入ったな・・・」
美琴「痛い・・・てか、アンタのでかすぎ」
上条「美琴とこういうことやってるから、興奮してるんですよ」
美琴「バカ・・・恥ずかしくなるからやめてよ」
上条「はは、そうだな」
美琴「・・・動いていいわよ」
上条「了解」
ゆっくり、美琴が痛くないように優しく動く
最初は堪えるような声を出していた美琴も、だんだんと腰を動かす
しばらくすると、声はとても甘いものに変わっていた
上条「はぁっ・・・美琴、気持ちいいか?」
美琴「んぁっ・・・おっき・・・い・・・」
上条「い、たくないか?」
美琴「大丈夫・・・すごい・・・気持ちいい・・・んやぁ・・・」
そんな声を出されたら、上条はもっと気持ちよくなってほしいと思ってしまう
もちろん美琴の甘えた声を聞きたいのもあるが、それ以上に愛している人にできるかぎり満足してほしいからだ
上条「じゃ、また胸でも触らせていただきますね・・・」
そっと美琴の胸に手を伸ばし、再び刺激を与える
さきほどやったよりも激しく、強く
美琴「あっ、やっ、激しすぎ・・・」
美琴の腰が一段と動きを増す
それに合わせて上条も体を打ち付ける
上条「はぁ・・・はぁ・・・」
美琴「んぁぁ・・・また・・・くゅっ!!」
ぎゅっと美琴の中が締まる
上条「うわっ!!また・・・イったのか?」
美琴「うん・・・うん・・・」
もう、美琴の声はいつものそれからは想像できないほど甘えたものになっていた
初めてにしては順調だが、きっとそれは互いが深く愛し合っているからだろう
どんなに経験がなくても、目の前にいる好きな人を独占できているという事実だけで果ててしまいそうだった
美琴「ねぇ・・・当麻、まだなの?」
上条「もうちょいだけど・・・なんで?」
美琴「早く・・・んっ・・・当麻にきてほしいの」
上条「・・・美琴・・・」
美琴「なんかね・・・当麻を・・・んぁっ、独り占めしたいの・・・バカみたいでしょ?」
上条「いや・・・俺もそんな感じだからさ」
美琴「そっか・・・一緒だね、私達」
上条「一緒だな」
上条がそっと微笑む
暗い部屋の中なので、美琴の細かい表情は分からないが、きっと彼女も笑顔でいる
そう信じていたい
上条「さて・・・じゃ、俺もさっさと美琴を独り占めしたいし」
美琴「うん?」
上条がそっと美琴の胸に顔を近づける
吐息が当たって気づいたのだろうか、一瞬美琴の体がピクリと跳ねる
しかし、その後は目立った抵抗もしてこない
上条「い、いただきます・・・」
美琴の胸を口に含む
甘い、ほのかな香りが漂う
美琴「ぁ・・・バカ、気持ちいい・・・ふゅっ!!」
どんどん、美琴の中がきつくなっていく
上条も、限界が近づいてきている
口を胸から離し、耳元でささやく
上条「美琴・・・いいぞ・・・」
美琴「はぁっ・・・んぁぁぁ・・・もう・・・」
上条「イくか、一緒に・・・」
美琴「うん、うん、一緒に・・・きて!」
上条「イくぞ・・・!」
上条・美琴「あぁぁぁぁぁぁっ!!」
上条「美琴・・・」
美琴「なぁに?」
上条「愛してる」
美琴「私も、当麻が大好き」
裸のまま、二人ベッドで抱き合う
上条「あー、もうこのまま寝ちゃいますか」
美琴「寝ちゃう?」
見つめ合って、笑いながらそんな会話をする
夜も深くなってきたので、そろそろ寝なければならない
上条「さて、おやすみの時間ですね」
美琴「うん、おやすみ」
眠りに落ちるまで、二人で強く抱き合っていた
強く、強く
そのせいで上条は、なかなか寝られなかった
朝、目が覚めたら全裸でベッドの上にいた
一瞬、あれ、なんで?なんて疑問に感じる
でも、昨日の幸せな時間を思い出して、ついにやけてしまう
彼は、やっと一番ほしかったものを独占できたのだ
上条「そうだ!俺は遂に見つけた!!文化のしんず・・・」
あれ、この人の恋は実らないんだっけ、なんて考えて冷や汗を流す
上条(・・・最後まで言わなかったから、セーフでせう)
そういえば、隣で寝ているハズの美琴は・・・
と思ったとき、机の上に書置きがあるのに気づく
『いったん、寮に帰るから
荷物とかまとめたらまた来るね』
上条(あ、そうか・・・昨日は寮に帰らなかったのか)
上条(というか、また来る・・・って)
上条(・・・いかん、上条さんは理性を鍛えなければなりませんね)
美琴(・・・さすが、寮監・・・)
美琴(動きが見えなかった・・・)
寮に帰った途端、首をグキってされた
そして今、白井黒子に尋問されているのだ
黒子「お姉さま!!いったい昨日はどこへ行かれていたんですの!?」
美琴「いや、ちょろっと昔の友達に会ってたら・・・」
黒子「でしたら連絡を下さるハズで・・・はっ!?まさかあの類人猿と!?」
美琴「ひ、人の彼氏を類人猿呼ばわりしないでよ!」
黒子「キィー!!第一、私はまだお姉さまと上条さんのお付き合いを認めておりませんのよ!?」
美琴「アンタに認めてもらう必要はないわよ!!」
恐ろしい剣幕で二人が言い争う
これがオンナの戦いだ
黒子「お姉さま、お答えください、昨日はどちらへ!?さぁ、さぁ!!」
美琴「だぁー!!だから、友達に・・・」
黒子「でしたら、その首の青あざはなんなんですの!?」
美琴「え、ばっ・・・アイツ、そんなに強くキスしてき・・・て・・・」
黒子「キィィスゥゥ??」
美琴(はったりか!!)
黒子「お姉さま、ご友人にキスをされたんですの?」
美琴「い、いや、これは・・・」
黒子「お・ね・え・さ・ま」
美琴「あ、あはは・・・」
黒子「キェェェェェェェェ!!!お姉さまが、お姉さまがあの類人猿とそんな!!」
美琴「く、黒子!!いいから静かに!!」
黒子「だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁう!!!!!」
黒子は顔ドラムを始める
曲はAmen Brother
黒子「わたくしの愛は!!届かないのですか!!明日を!!見失った!!」
黒子「はっ!!分かりましたわ、お姉さま!!愛をとりもどせということですのね!?」
美琴「な、何わけ分からないこと言ってんのよ!?」
黒子「こうなれば、わたくしはぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
寮監「やかましい!!!!!!」
美琴・黒子「ひぃ!!!!!」
二人とも首を折られたあと、なぜか寮から締め出された
どうにか美琴は荷物をまとめられたが、黒子は何ももってきていない
美琴「あー、後で謝りにいかないと・・・」
黒子「今は、機嫌がお悪いでしょうから行かないほうが賢明ですわね」
はぁ、と黒子が溜息をつく
黒子「・・・お姉さま、類人猿・・・もとい、上条さんに会わせていただけません?」
美琴「え、どうして?」
黒子「少し話したいことがありますのよ・・・」
美琴「・・・いいけど、ヘンなことしないでよね」
黒子「大丈夫ですの、大丈夫ですの」
明らかに大丈夫じゃない、グヘヘという笑みを浮かべながら黒子は美琴を急かした
上条「で、白井が俺に用があると・・・」
美琴「うん・・・」
黒子「ですの」
上条「いや、それは分かったんだけどさ」
上条が辺りを見回す
上条「なんで・・・だだっ広い川原に来たんだ?」
川原、というとなんとなくイヤな予感がする
記憶にはないが、美琴の話によると、よくここで勝負をしたり口げんかをしたりしていたらしい
つまり、川原=ケンカの場所なのだ
黒子「まぁまぁ、それはすぐに分かりますの」
そう言って、黒子は美琴の肩に手を置く
美琴「は?なに、黒子?」
黒子「いえ、ちょっと」
黒子「お姉さまには席を外していただくだけですの」
ヒュン、と音がして美琴の姿が消える
上条「な、お前!!」
黒子「ああ、ご心配なさらずに、すぐ向こうの空き地にテレポートしただけですの」
上条「いや、だからなんで・・・」
黒子「・・・愛を、取り戻すためですの!!!」
上条「は?」
黒子「いざ、勝負!!!」
上条「はいぃぃぃぃぃ!?」
いきなり、黒子が上条の目の前に現れる
そのまま黒子は、蹴りを放つ
上条「おわっ!!」
間一髪で上条は避けるが、体勢が崩れてしまう
黒子「その程度では、わたくしからお姉さまは奪えなくてよ!!!」
うふふふふふふと怪しい笑みを浮かべながら黒子が再びテレポートする
今度は、上条の死角、真後ろへ
上条「な、後ろは卑怯!!」
またも避ける
しかし、上条と黒子は相性が悪かった
美琴や一方通行と違い、黒子は能力だけで攻めてくるタイプではない
敵の近くへテレポートしたあと、体術でねじ伏せる戦法もある
それに何より、上条の頭上へ何かしらの物体をテレポートしたら?
その物体は、地球の法則である重力によって上条めがけて落ちてくる
そこには異能の力が関わっていないため、上条ではどうすることもできない
体の中に直接何かをテレポートされることはないが、それでもかなり不利なのである
上条(というかこの白井のやる気はなんなんだ!?)
美琴(黒子のヤツ・・・)
美琴は近くの空き地に飛ばされた
もちろん、今は走って川原に向かっているが
美琴(私が手を出してもどうせ黒子は納得しないだろうし・・・)
かといって、上条と黒子では黒子のほうが有利だろう
美琴(強力な助っ人・・・いないかしら・・・)
そこまで考えて、ある人物が思い浮かぶ
この間、遊園地で出会ったメルヘン野郎だ
美琴(黒子・・・)
垣根の携帯に電話をかける
美琴(ご愁傷様♪)
せっかくの上条との時間を邪魔されて、美琴はキレかかっていた
上条「だから!!!俺は別にお前と戦う気はないの!!」
黒子「あら、わたくしにはありますのよ?」
上条「なんという自分勝手!!」
上条は、ひたすら逃げ回っていた
黒子の攻撃はややこしいし、何よりこんなところで時間を使いたくなかった
上条「あーもう!!せっかくの美琴との楽しい休日が!!」
黒子「そんなもの、わたくしが邪魔してさしあげますの!!!」
黒子のヤキモチは異常だ、上条は知った
黒子「これで、終わりですの!!」
目の前に、黒子が現れる
またかわそうとしたが、足を砂利にとられてしまった
上条「あ、ヤベ」
黒子「ですのぉぉぉぉぉぉ!!!」
垣根「ちょっと待ちな、お嬢さん」
黒子「だ、誰ですの!?」
上条「か、垣根!?どうしてここに、てかなんだその翼!?」
美琴「私が呼んだのよ」
黒子「お姉さま!?」
美琴「アンタのテレポートは一回で80m程度しか飛ばせないからね、近くに飛ばされて助かったわ」
上条「美琴・・・」
垣根「ま、そういうわけ。お前たちの恋路を邪魔するヤツはこの垣根帝督が潰してやるよ」
美琴「いや、お灸を据える程度に・・・」
垣根「いやぁ、最近めっきり能力使ってなくってさぁ・・・でもその子、LEVEL4なんだろ?」
上条「あの・・・垣根・・・さん?」
垣根「久々にいい運動ができそうだ」
美琴(うっわぁ、マジだよ垣根・・・垣根の能力ってどんなんだろ?)
美琴も上条も、垣根の能力を知らない
だから、ワクワクするような、怖いような気持ちだ
上条(えーと、とにかくあの背中の翼は関係あるのかな?)
美琴(ホント、メルヘンね・・・)
垣根「お嬢さん、一度だけきく」
垣根「あの二人を邪魔するためなら、俺を倒せるか?」
黒子「もちろんですの!!」
垣根「よーし、オーケー」
垣根が、その翼を振るう
垣根「痛みをもって、テメェの弱さを教えてやるよ」
その風圧で、砂利が巻き上がる
そして、その砂利は黒子めがけて・・・
上条「痛い痛い!!」
美琴「ちょ、ちょっと!目開けられない!!」
垣根「あ、すまん」
黒子「痛いですの!なんですのこの地味な痛さ!!」
垣根「ははは!!運動会なんかで経験あるだろ?風のせいで砂が巻き上がってそれが足に当たるんだよ!」
垣根「痛いよなぁ、体育服は短パンだから足を守ってはくれない!!」
垣根「しかも目も開けられない!!」
垣根「砂の当たらないところに逃げようとしても、目を開けられないからどこか分からない!!」
垣根「あろうことか友達とぶつかる!!」
垣根「後で耳をほじくってみたら砂がジャリジャリしてる!!」
垣根「鼻もジャリジャリしてる!!」
垣根「水筒のコップに砂が入って飲み物もジャリジャリしてる!!」
垣根「ムカつくよなぁ、そういうの!!」
上条「分かったから、とにかくやめろ!!」
垣根「悪い悪い、はしゃぎすぎちまった」
黒子「風力使い・・・ですの?」
垣根「んなちゃちいもんじゃねぇさ」
黒子「では、こちらの番ですの!!」
黒子が演算を始めようとする
しかし、すぐに顔色が変わる
黒子「な、なんですの・・・演算が・・・」
美琴(な、なに?)
黒子「こんなベクトル・・・ありえませんの・・・」
垣根「空間移動、か」
垣根がはっ、と鼻で笑う
垣根「3次元上のベクトルを、11次元に置き換え、それを演算、再処理することによって物体をテレポートさせる・・・」
垣根「だったら、最初の3次元のベクトルを乱してしまえばいい」
黒子「で、ですが、そんなこと、最演算すればすぐに・・・」
垣根「お嬢さんじゃ対処できねぇよ」
垣根が、心底楽しそうに語りだす
垣根「さっきの風、ホントは砂利を巻き上げるのが目的じゃない」
垣根「俺の能力をばら撒いたのさ、ここら辺り全体に」
垣根「そいつに当たったベクトルは、通常の理論じゃありえない動きを始める」
黒子「そ、そんな・・・通常の物理法則に当てはまらないなんて・・・ありえませんわ」
垣根「それが、この世に存在する素粒子ならな」
垣根「水の中に油が一滴混じればそれは純粋な水ではなくなる」
垣根「血管の中に空気が混じれば血栓ができて流れが止まってしまう」
垣根「異物ってのは怖いよな、ほんの少し混じっただけでも世界をガラリと変えてしまう」
垣根が、黒子を指差す
余裕の表情を浮かべて
垣根「さっき、お嬢さんはありえないって言ったが」
垣根「俺の能力はありえないものを生み出しちまうのさ」
垣根「これが、『未元物質』」
垣根「これが、俺の能力」
垣根「世の中の理は、俺がたったいま崩しちまったのさ」
上条(・・・バカの上条さんにはまったく分からないんですが)
美琴(多分、この世に存在しない素粒子だのなんだのを作り出しちゃう能力ね・・・)
上条(それって強いのか?)
美琴(強い、なんてモンじゃないわ)
美琴(電子を含まない素粒子を作り出せば、私の能力はまず効かない)
美琴(それに、ああやってベクトルをありえない方向に動かせるなら、きっと一方通行の反射もあっさり破れるわ)
上条(わー、チートすぎんだろ)
垣根「さて、お嬢さん」
垣根「俺を止めたいなら、空間移動したらどうだ?」
垣根「もっとも、もし俺がその最中にベクトルを乱せば、君は二度と11次元からは出てこられないけどな」
黒子「・・・」
垣根には、そんなつもりはない
黒子はきっともう歯向かってこないだろう
万が一歯向かってきても、ベクトルを乱すことはしない
黒子「・・・それでも」
垣根「ん?」
黒子「わたくしはやりますわ!!」
黒子「ひかない、曲げない、あきらめない!!それが・・・」
黒子「わたくしの愛ですのよ!!」
黒子の姿が消える
垣根は溜息をついたあと、美琴を見てこう言う
垣根「お前はホント、愛されてるな」
垣根の目の前に黒子がテレポートした
普通の相手なら、体術であっという間にねじ伏せられるハズだった
しかし、垣根は黒子の攻撃をするりとかわした
そして、黒子の胸元へと手を伸ばす
黒子(あぁ・・・わたくしは、負けるのですね)
美琴が何かを言っている
上条も何かを言っている
黒子(きっと・・・わたくしを罵倒して・・・)
上条・美琴「か、垣根!!触るな!!」
黒子(はい?)
もにゅっ、と黒子の胸が触られる
ぽかんとして胸元を見ると、垣根の手が黒子の胸を揉んでいた
垣根「小さいなぁ・・・お嬢さん」
垣根「ま、中学生ならしゃあないか、御坂の後輩ってことは中1か?」
垣根「まだまだ大丈夫、こうやって自分で揉みしだけば・・・」
黒子「な、放してくださいまし!!」
顔を真っ赤にして黒子が腕を振り回すが、それらを全て垣根は翼で受け止める
垣根「お。もしかして男に触られるのは初めてか?ほれほれ」
黒子「んぁぁぁっ!そ、そこは・・・」
垣根「感じるってか?いいね、やっぱ女は初心に限る」
黒子「ふぁ・・・は、放して・・・くださいまし」
垣根「お前の体はもっと、って言ってるぞ?え?」
黒子「そ、そんなわけ・・・あ、あぁぁぁぁっ!!」
垣根「それにお嬢さん、近くで見ると結構かわいいじゃないか」
黒子「そ、そんな…//」
垣根「感じるか?こういうことされるのは初めてだろ?」
黒子「か、感じてなど・・・んっ・・・」
上条(うわ・・・公開処刑・・・)
美琴(・・・昨日当麻とああいうことやった身だから偉そうには言えないけど、情けないわね)
垣根「ほら・・・愛しのお姉さまが見てるぜ?」
黒子「あぁ・・・見ないでくださいな、お姉さま!!//」
美琴(これはひどい)
垣根「さて、俺のプレイに常識は通用しないからな・・・」
上条(名台詞が・・・)
垣根「じゃ、次は・・・」
そのとき、遥か彼方から何かが垣根目掛けて飛んできた
野球のボールだった
しかも硬式
垣根はそれに気づかなかった
その間わずか0.2秒
垣根はそのボールの直撃を喰らうと、げふん、と言いながら地面に落ちた
心理「いきなり飛んで行ったからなにかと思えばそこの子と公開プレイ?」
心理「は、笑わせないでよ」
禍々しいオーラを身に纏い、現れたるは憤怒の雌豹
上条(硬式のボールをあのスピードで投げた・・・)
美琴(怖・・・)
心理「そこのあなた」
黒子「は、はいですの!」
心理「垣根のバカと何しようが勝手だけど、私の目のつくところではやめたほうがいいわよ?」
黒子「いえ、その殿方が勝手に・・・」
心理「返事は」
黒子「はい」
垣根「いってぇな」
二人の後方で、ボールの当たった場所(股間)をさすりながら垣根が立ち上がる
垣根「僕の大事な玉をぉぉぉぉ!!」
心理「マイナーなネタはやめなさい」
垣根「あ?お前にもの言う権利はねぇんだよ・・・」
心理「私を・・・傷付けるの?」
垣根「ムカついた」
垣根「俺はな、決して見境ないわけじゃない」
垣根「御坂はそこにいるしな」
心理「マイナーなネタはやめなさいってば」
垣根「だがな、そんな可愛い子がいたら、少しは手も出したくなるんだよ」
黒子「か、可愛いだなんて・・・//」
上条(おちたな)
垣根「心理定規、認めてやるよ、お前はたしかに可愛い」
心理「・・・//」
垣根「だが、その子はお前にないものを持ってる」
垣根「なんというか、初心というか、恥じらいをもっている」
垣根「俺はSだからな、そういう困ったような反応をするヤツを見るとたまらなくゾクゾクするんだよ」
美琴(何言ってんのコイツ)
垣根「まぁ、そんなわけだから」
垣根「みんなでカラオケに行こうぜ」
上条「なんでだよ」
垣根「せっかくここまで来たのにケンカして終わりはないだろ」
黒子「で、ですが・・・」
美琴「私はいいわよ、どうせ黒子に邪魔されて当麻とはデートできないし」
上条「美琴がそういうなら・・・」
心理「私も行くわ、ストレス発散したいし」
黒子「・・・では、わたくしも」
垣根「さーて、第一回!!点数勝負、勝たなきゃ脱げよ、カラオケ大会を始めます!!」
上条「」
美琴「」
心理「」
黒子「お姉さまが脱ぐ・・・ハァハァ」
垣根「ルールは簡単、二人をクジで選び、そのうち点数が低かったほうが一枚服を脱ぐ」
垣根「簡単だろ?やるよな、やらなきゃブチコロな」
上条「」
美琴「」
心理「」
黒子「ぜひ!!」
328 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/05/09 21:34:14.93 xygBRqpk0 200/647というわけでいったん終了
ゴメンね、エロ下手で
あと最後のカラオケは昨日いけなかった腹いせの単発ネタ
最後に一人誰かを全裸にさせます、誰がいいか多数決で決めたいので
できたら一人指定してください、お願いしますwwww
垣根「じゃ、まずは上条と心理定規な」
上条「いや、クジやってな・・・」
垣根「俺に常識は通用しねぇ」
心理「変態ね・・・」
垣根「ほら、どっちでもいいから先に歌えよ」
心理「じゃぁ、私から」
三年目の浮気
上条「」
美琴「」
垣根「うわ、性悪」
心理「馬鹿言ってんじゃないよーお前とー俺はー」
上条(う、上手い!!)
美琴(こ、これは当麻が脱ぐの!?ダメ、私以外の子に見られちゃう!!)
黒子(パねぇですの)
心理「さて、何点かしらね」
92点
垣根「お、高得点」
上条「・・・これは、負けますね」
垣根「さ、上条も歌えよ」
上条「じゃあ・・・」
ゼロからの逆襲
垣根(うわぁ)
心理(うわぁ)
黒子(うわぁ)
美琴(ヤダ、カッコイイ・・・)
上条「ゆーめーちーっぽけでーもいーいかーら手をーはなすーなよー」
0点
上条「」
垣根「ちっ、男が脱いでもなぁ」
心理「ルールはルールよ」
上条「じゃ、上着を・・・寒いなおい!!」
美琴「じゃ、じゃぁ私を抱きしめたら・・・//」
上条「美琴・・・」
美琴「当麻…」
垣根(うぜぇ)
垣根「次は御坂と白井な」
美琴「え、私?」
上条「美琴、がんばれ!!」
黒子「負けませんの!!」
美琴「じゃあ、私は・・・」
ラムのラブソング
垣根(ムカついた)
美琴「あんまりそわそわしないでーアナタはいつでもキョロキョロー」
上条(ああ、もう、可愛いなぁ)
黒子(パねぇですの)
心理(なかなか上手いじゃない)
垣根(平成のラムちゃんかよ)
89点
美琴「まぁまぁかしら?」
黒子「では、わたくしはこの曲で」
いつかのメリークリスマス
上条「」
美琴「」
心理(やるわね・・・)
垣根(ひっでぇな、コイツら)
黒子「いーつまでも手をーつないでーいられるような気がしていたー」
上条(聞こえない聞こえない)
美琴(知らない知らない)
83点
垣根「あらら、悪くはないんだけどな」
心理「私は好きだったわよ、白井さんの歌」
黒子「バツはバツですの、ではまずはパンツ・・・」
美琴「ブレザーにしなさい」
黒子「はい」
垣根「じゃ、次は俺と上条か」
心理(どっちが勝っても脱ぐのは男・・・)
黒子(類人猿よりは、垣根さんのほうが・・・)
美琴(当麻・・・今度負けたら上はもう一枚に・・・)
上条「俺から行かしてもらおう!!」
reckless fire
心理(熱いわね、彼)
上条「reckless fire そう大胆にー魂に火を点けろ!!」
美琴(ああ・・・カッコイイ)ビクンビクン
垣根(この野郎・・・熱い歌が上手すぎるだろ)
89点
上条「もらった!!これはいける!!」
黒子「垣根さんはなにを歌うんですの?」
垣根「そうだな・・・じゃあ」
目指せモスクワ
上条「」
美琴「」
心理「」
黒子「」
垣根「もすかうもすかうーゆーめみるアンディさん、おっさんですか、シャアですか、アッハッハッハッハ、ヘイ!!」
上条(安定の不安定)
美琴(イケメンの無駄遣い)
心理(発想の敗北)
黒子(どうしてこうなった)
92点
上条「おい」
垣根「あー、さすがに一曲目はこんなもんか」
心理「選曲はともかく、歌は上手いわね」
黒子「もうちょっとオシャレな曲が似合いますのに」
垣根「じゃあ今度はラブソングにでもしようかな」
黒子「まぁ//」
美琴「当麻・・・」
上条「だぁ!!!寒い!!!」
インナー用のシャツ一枚になった上条は体を震わせる
垣根「寒いって言うから寒いんだよ、熱いって言え」
心理「はいはい、次は私と白井さんかしら」
黒子「負けませんの!!」
心理「そうね・・・次は・・・」
あの日の約束
上条(嫌がらせだろ、もはや)
心理「おーもかげーさーがしー思い出のばーしょへー今日もーきてーしーまーったよー」
美琴「グスン・・・」
垣根(泣いちゃってるよ)
95点
心理「もらったかしら」
黒子「・・・」
美琴「黒子、戦意喪失かしら」
上条「しゃあねぇよ、こんな点数出されたら」
黒子「・・・これにしますの」
高らかにオ○ニー
上条「」
美琴「」
心理「」
垣根「常識が通用しない」
黒子「この歌詞は削除されました、主に美琴によって」
98点
上条「おかしいだろ」
垣根「やるぅ」
美琴「・・・もう、アンタ私と関わらないでね」
黒子「な、勝つための戦法ですのに!!」
心理「仕方ないわね・・・」シュルル
垣根(なんてセクシーな脱ぎ方・・・ワンピースじゃないからよかったものの)
上条(キャ、キャミソールだけになった!?あれじゃぁ・・・)
美琴「ふーん、そっか、当麻はああいう格好が好きなんだ、へぇ」
上条「脱がせる楽しみがないな・・・」
美琴「え?」
上条「美琴、俺はお前の服装、大好きだ」
美琴「え、あ、うん//」
垣根「さて、次が最後の勝負だ」
垣根「現在の結果は」
上条 パンツ一丁
美琴 ブレザーのみ脱いだ
心理 上着のみ脱いだ
黒子 上は下着、下は普通
垣根 着ぐるみ
垣根「となっている」
上条「お前、明らかにヘンだよな?」
垣根「そうか?可愛いじゃん、ウサギの着ぐるみ」
心理「可愛いわね、メルヘン」
黒子「あぁ・・・上はもう下着だけ・・・ハァハァ」
美琴「当麻・・・私がパンツは守ってみせる!!」
垣根「最後だからみんなで勝負、一番点数低かったヤツは・・・」
垣根「全裸な」
上条「」
美琴「」
心理「」
黒子「」
垣根「よし、まずは上条から」
上条(どっちにしろ、負けてたら全裸だったんだ・・・ここはもうヤケクソだ!!)
愛をとりもどせ
上条「おーれとの愛を守るためーおーまえはたびーだーちーあしーたをーみーうーしなーったー!!!」
垣根(や、やべぇ、コイツマジだ)
美琴(カッコイイ・・・もう、ダメ・・・)
心理(パンツ一丁で歌われてもね)
黒子(これはいい点数が出そうですの)
垣根「次は、心理定規な」
心理「あら、上条君の点数は?」
垣根「あとで発表さ」
心理「そう、じゃぁ・・・」
code
心理「背中合わせのー光と影ー」
上条(やっぱうめぇ・・・)
黒子(これは・・・)
美琴(当麻といい勝負・・・負けられないわ)
垣根(ま、コイツは勝つんだろうがな)
垣根「次は御坂だ」
美琴「よ、よし、じゃあ・・・」
F D D
美琴「転がるー坂道をーただーひーたすらにーそれーさえー有機ならー意味を持つのさー」
上条(すげぇ・・・こういう歌も似合うのか・・・)
黒子(お姉さま・・・ハァハァ)
心理(ハイレベルな争いになるわね)
垣根(ほぅ・・・その程度か)
垣根「次は白井だな」
白井「では」
promice
白井「ゲッダン!!ゆーれるまーわるふーれるせつなーい気持ちー」
上条(上手いんだが・・・)
美琴(サビで体くねらせないでよ・・・)クスクス
心理(だ、ダメ、あの動き・・・)クスクス
垣根(やるな、コイツ)
垣根「さて、最後は俺か」
上条(今までの垣根の選曲は・・・)
美琴(目指せモスクワ、おじゃ魔女カーニバル、炉心融解・・・)
心理(砂渡し爺にああエキセントリック少年・・・)
黒子(北風小僧の寒太郎に、やらないか・・・)
上条(・・・なのに、負けなしなんだよな・・・)
美琴(次は・・・君が代か、All i want辺りかしらね)
黒子(とにかく・・・)
心理(彼の点数が一番の問題・・・)
垣根「よし、決めた」
サウダージ
上条「」
美琴「」
心理「」
黒子「」
垣根「わーたーしーはーわーたーしーとーはーぐれるーわーけーにはーいーかないからー」
上条(な、なんていうイケメンボイス・・・)
垣根「なーみだが悲しみを溶かしてー溢れるものだとしたらー」
黒子(まるで世界観に合わせたかのような悲しい歌声・・・)
垣根「ゆーるーしてーねーこーいごころよー」
美琴(すごい・・・こんなの、大抵の女の子はイチコロよ・・・)
垣根「その日まーでさーよなら、恋心よー」
心理(さっきまで逆立ちしたり鼻フックしながらギャグ歌ばっか歌ってた人間とは思えないわ・・・)
垣根「ざっと、こんなもんかな」
上条「なぁ、垣根」
垣根「あん?」
上条「なんで、最初から本気でいかなかったんだよ?」
美琴「そうよ、あんなに上手く歌えるのに・・・」
垣根「バーカ、歌ってのは人を笑顔にするためにあるんだ」
垣根「カラオケに来てまで、誰かを泣かせたくはないだろ?」
垣根「とくに、お前らみたいな辛い過去を持ってるヤツには笑っててほしいんだよ」
上条(かっけぇ)
美琴(これはイケメンだわ)
心理(抱いて)
黒子(抱いて)
垣根「さて・・・点数は」
上条 90点
美琴 92点
心理定規 95点
黒子 89点
垣根 0点
垣根「あ、やべ、マイク入れてなかったわ」
上条「ちょ、マイク無しであの声量かよ!!」
美琴「マイク入れてたら間違いなく黒子だったわね・・・」
黒子「危なかったですの」
心理「さ、垣根脱ぎなさい」
垣根「もう脱いでる」
上条「」
美琴「」
心理「//」
黒子「パねぇですの」
垣根「ほれほれ、俺のチソコがヤバイだろ?」
美琴「当麻、ありがと」
上条「ああ・・・」←美琴の目をふさいでる
心理(ご、ゴクリ・・・)
黒子(おぉう・・・)
垣根「あー、やべぇ、メルヘンだわ、このまま一曲歌ってもいいよな!?」
上条「はぁ!?どうせまたお前やらないかとか歌うんだろ!!」
垣根「黙れ!!俺には常識は通用しねぇ!!!」
垣根「受けろよ、俺の速さを!!」
らいおんハート
上条「」
美琴(なに入れたの?見えない)
黒子「な、なんと・・・」
心理「イっちゃう・・・」ビクンビクン
垣根「君はいつも僕の薬箱さ」
上条(なんで全裸でこの曲なんだよ・・・)
心理(しかも四つんばい・・・)
垣根「どんな風に僕を癒してくれる」
美琴(見ないで聞いたら癒されるわね)
黒子(なんで背中にサロンパス貼ってますの?)
垣根「キミウォマァモォルトァァメェーソォノォトゥァァメェニィウゥマレテェキタァンダァァ」
上条(ボビーの物真似するな・・・)プルプル
心理(ダメ、笑ったら負け・・・)プルプル
美琴(く・・・耐えなさい、私!!)プルプル
黒子(これはwwwww)
垣根「呆れるほどにそうさそばにいてあげる」
上条(テンション戻すな・・・)プルプル
心理(ちょ、今椅子に小指ぶつけた・・・)プルプル
美琴(あ、戻った)
黒子(なんなんですのこれ・・・)
垣根「ビュイー」
上条(くそ、ホーミーだと!?)ブフッ
心理(口尖らせないでよ)ブフッ
美琴(やだ、すごい)
黒子(www)
垣根「さて、終わったか」
上条「もういいよな、時間もきたし」
美琴「なんだかんだ結構楽しかったわよ」
心理「今度はバツなしで来ましょうね」
黒子「そうですわね」
垣根「しゃあねぇな」
垣根・心理「じゃ、またな」
上条・美琴「うん」
黒子「あら、お姉さま寮に帰るのでは・・・」
美琴「え、当麻の寮に泊まるわよ?」
黒子「」
美琴「きょ・・・今日も優しくしてね//」
当麻「もちろん、決まってるだろ?」キリッ
美琴「きゃっ//」
黒子「」
389 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/05/09 22:52:03.26 xygBRqpk0 232/647今日はここまで、次からは旅行編!!
全裸罰ゲーム、全員のパターン書いたがやっぱりオチが安定したのはていとくんだったwwww
ちょっとした小ネタ
垣根「なぁ、心理定規」
心理「なに?」
垣根「お前って結構歌上手いのな」
心理「あなたも真面目にやればかなりのものじゃない」
垣根「ま、よく行くしな」
心理「・・・アナタって、女の子にどんな歌を歌われたらキュンてするの?」
垣根「そうだな・・・」
垣根「やっぱり、かたちあるもの、とかお前の歌ったあの日の約束みたいな失恋系かな」
心理「・・・そう、純愛は?」
垣根「いいんじゃねぇか?」
心理「・・・ねぇ、垣根」
垣根「ん?」
心理「私、まだ時間あるのよ」
垣根「奇遇だな、俺も」
心理「それで、かたちあるものとか歌いたいの」
垣根「ほぉ」
心理「・・・今から二人で行かない?」
垣根「お、いいな」
二つの影が並んで歩く
小さな影は、先を歩く影を早足でおいかけていた
409 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/05/10 08:45:12.52 5dufVKbV0 236/647さて、旅行編!!
今日は投下午前中だけかと
美琴「・・・旅行に行きたいな」
上条「旅行?」
美琴「そ、旅行。たまには学園都市の外に行きたいじゃない」
上条「ついこの間までロシアにいたんですが」
美琴「・・・そろそろクリスマスだから行きたいのよ」
上条「あ、そういえばそんな季節か」
美琴「せっかくだから、温泉とか行きたいなぁ・・・」
上条「お、温泉・・・」
美琴「混浴を想像したわね」
上条「・・・はい、すいません、電撃はご勘弁を」
美琴「さすがにそんな簡単には飛ばさないわよ」
上条「でも、簡単に外に出られるわけないからな・・・」
学園都市の外に出るには、途方もない手続きが必要である
体に小さなチップを埋め込まれたりして、極力外に情報を漏らさないようにする必要があるためだ
上条「今からやって間に合うかな・・・」
美琴「それもそうよね、残念」
美琴がションボリと肩を落とす
きっと、上条と一緒に楽しい旅行がしたいのだろう
それを思うと少しかわいそうになる
上条(せめて、統括理事会とかのお偉いさんに知り合いがいたら・・・あ)
上条「美琴、ちょっと待っててくれ」
美琴「?」
上条「おーい、土御門、いるかー?」
上条は隣に住む友人、土御門元春の部屋のドアを叩く
土御門は、たしか統括理事会のお偉いさんと知り合いだったはずだ
土御門「なんだにゃー、カミやん」
土御門がドアを開ける
上条「実はだなぁ・・・」
成り行きを説明する
すると、土御門は間の抜けた顔で言ってきた
土御門「いや、カミやん、それ本気で言ってるのか?」
上条「わりと・・・」
土御門「はー・・・そんな簡単に了承がもらえるわけないだろ?特別な理由ならまだしも、そんな旅行に行きたいからなんて」
上条「だよなー・・・」
たしかに、お偉いさんが「はい、オーケー、幸せなハネムーンを!」なんて言ってくれるとは思えない
上条「しゃあねぇな・・・美琴には悪いけど、学園都市の中で我慢してもらうしか・・・」
土御門「カミやん、そんなに彼女と旅行したいのかにゃー?」
上条「あぁ・・・そりゃ、美琴の喜ぶ顔が見られるなら・・・」
土御門「・・・はぁー、しゃあないな、カミやんにはいろいろ借りがあるし、今回は特別に交渉してやるぜよ」
上条「おお!!マジかよ、土御門!!サンキュー!!」
土御門「ただし、上手くいくかはわからないからな・・・上は堅物ばかりだからにゃー」
上条「あぁ、分かってるって」
土御門「ま、期待しないで待っててくれよ」
土御門「というわけで、OKサインをくれ」
アレイ「何を言っている、そのような理由で許可が出せるとでも?」
土御門「・・・アレイスター、お前は分かっていない」
土御門「上条当麻はもはや科学側だけが欲している存在ではない」
土御門「アイツには魔術側とのパイプも存在する、そんな男を手放したくはないだろう?」
アレイ「それで?」
土御門「今のアイツは超電磁砲を守ると決めている、つまり、超電磁砲がいる限り科学側につく可能性が高い」
土御門「しかし、今回のことで亀裂が走ってみろ」
土御門「人間の感情は脆い、すぐに離れてしまう」
土御門「もしも上条当麻と超電磁砲が別れでもしてみろ」
土御門「科学側でカミやんにフラグを建てられた女は妹達だけになる」
アレイ「えー、一万人くらい・・・はっ!?」
土御門「そう、学園都市にいるのは10名にもならない」
土御門「魔術側にはヒロインいっぱいいるぜよ」
アレイ「・・・彼も男だからな、女は多いほうがいい、と・・・」
土御門「だが、今回の旅行が成功すればカミやんと美琴ちんの仲はさらに深まる・・・」
アレイ「学園都市は二人の愛の巣」
土御門「羽ばたく翼の名前は愛」
アレイ「手放すものか、二人の家を」
土御門「帰る場所ならここにある!」
アレイ「つまり、美琴たんと上条さんが愛を持ち続ける限り、科学側にいてくれると」
土御門「しょうゆうこと」
アレイ「分かった、いいよ」
土御門「ありがと、あとアレイスター」
アレイ「なに?」
土御門「名前の略し方、鉄アレイみたいになってる」
鉄アレイ「」
上条「ホントか、土御門!!マジ助かる!!」
土御門から電話がきて、オーケーだと伝えられた
美琴「どうしたの?」
上条「聞いてくれ、外に行けるってさ!!」
美琴「ホント!?すごい・・・」
上条「やったな!!」
美琴「うん!!」
上条「いやー、となると急いで準備しないとな!!」
美琴「どこ行こうかなー♪」
上条「じゃあまずは旅行のパンフレットでも取りに行きますか!」
上条「結局、湯布院に行くことになりました」
美琴「温泉といえば湯布院よね!!」
上条「旅行道具そろえたら、言ってくれよな」
美琴「基本的なのはもう持ってるわよ、当麻は?」
上条「俺も大丈夫」
上条はよく外国と行き来していたし、美琴はお嬢様、そういう類の物はすでにそろっている
上条「じゃあいつから行きますか?」
美琴「明日」
上条「・・・クリスマスまで三日だからちょうどいいけど・・・急じゃないか?」
美琴「だ、だって・・・当麻と一緒にいたいんだもん・・・」ウワメヅカイ
上条「明日な、絶対明日だ」
美琴(よっしゃぁ!)
上条「二人きりで旅行か・・・なんか、新婚旅行みたいだな」
美琴「そ、そ、それは・・・でもいつかは私達・・・ふにゃぁぁぁぁぁぁぁ・・・」
上条(かわいい・・・)
最近では、かなり美琴は素直になっていた
ツンよりもデレが多かった
もともと、とても可愛い女の子だ、それが自分に対して甘えてくる・・・
上条(あぁ・・・今日緊張して眠れないな・・・)
美琴「と、とりあえず、寮監と黒子に説明してくるから・・・」
上条「あぁ、じゃ細かい待ち合わせ場所はメールするから」
美琴「うん♪」
上条(そして、翌日なのですが)
上条(・・・美琴、今日、私服で来るらしいです)
上条(今までも、パジャマは見たけど!)
上条(私服は初めてなんですよ!!)
上条(・・・ドキドキしたます、わたくし上条当麻は)
それから少しして、美琴がやってくる
美琴「あ、当麻!」
上条「お、おーっす!」
上条(かわいい!!私服の美琴もかわいいです!!)
美琴「ずいぶん早く来てたのね・・・待ったんじゃない?」
上条「いやいやいやいや、こう、待つのも楽しいんですのことよ!?」
美琴「ありがと♪」
上条(もう、死んじゃいそう)
美琴「じゃ、行こうか」
美琴が上条の手を握り締める
最近は、本当に積極的になってきた
上条「よし、行きますか!」
上条・美琴「二人きりの旅行、はじまり!!」
上条「さて、湯布院に到着しましたが」
美琴「・・・」ムスッ
上条「美琴・・・さん?」
美琴「・・・スチュワーデスにフラグを建てた男、上条当麻さんなんですか?」
上条「いや、転びそうになっていたスチュワーデスさんを支えてあげただけで・・・」
美琴「へぇ、そりゃよかったわね」
上条「つながってない、会話がつながってないから!」
美琴「つーん」プイ
上条「・・・どうしたら機嫌直してくれるんでせう?」
美琴「キスしてくれたらいいよ」
上条「・・・あの、ここは一応空港なのですが?」
美琴「私とキスしたくないわけね、分かった」プイ
上条「違う違う!!ただ、周りの目というか・・・」
美琴「じゃあ物陰で」
上条「・・・はい」
美琴「ほら、ここなら誰にも見られないから」
上条「お、おう・・・」
外なのでさすがに軽いキスになってしまう
美琴「えへへへへ・・・//」
それでも美琴には効果絶大だったようだ
上条(リア充だ・・・俺は今、リア充だ!!)
上条もまた、幸せだった
上条「で、湯布院に来たはいいものの」
美琴「観光できる場所ってあるかしら?」
上条「大分といえば地獄巡りだろ!」
美琴「?何それ?」
上条「源泉が沸いたりしているところを見て回るんだけど、なかなか面白いぞ」
美琴「じゃ、それにしよ!なんか興味あるし」
ここから少し、地獄めぐりの解説垂れ流し
興味なかったらとばしてね★
上条「まずは、海地獄だな」
美琴「綺麗・・・ブルーで澄んでて、素敵・・・」
上条「98度近いから温泉っていうよりまさに地獄だけどな」
美琴「でも、ホントに綺麗・・・熱いって知らなかったら手を突っ込みそう」
上条「やめなさい、ちなみに海地獄の近くには白龍稲荷大神があるから、旅行の安全を願ってお参りしてもいいかもな」
美琴「か、家内安全・・・とか//」
上条「み、美琴ったら…//」
上条「次は鬼石坊主地獄かな」
美琴「うわ、泥みたいな色…」
上条「エステとかに使えそうだな」
美琴「でもなんで坊主…って、今ポコって表面が膨らんだ!!」
上条「こんなふうに、ポコポコ沸騰したみたいに膨らむのが坊主の頭に似てるから坊主、なんだなぁ」
美琴「なんか、かわいい…」
上条(かわいい…か?)
上条「次は山地獄だけどぶっちゃけ地味です」
美琴「…崖の下から湯気が沸いてるって感じね」
上条「一番インパクトのない地獄なので次!」
美琴(ひどい…)
上条「次はかまど地獄!ここは、1~6丁目までに分かれてるんです!」
美琴「おぉ!!」
上条「それぞれが違う風景を楽しめる、もっともゴージャスな地獄だな」
美琴「あ、おっきい鬼が立ってる!!」
上条「なぜか片手にしゃもじ」
美琴「なんだかすごいわね」
上条「一番金がかかってるって感じですね」
上条「鬼山地獄でございますー」
美琴「緑色でにごってる…」
上条「かまど地獄の向かいにあるのも相まって、地味さがにじみ出てます…」
美琴「たしかに、ちょっとインパクトが…」
上条「ですが!なんとここにはワニがたくさん買われています!!」
美琴「」ブルブル
上条「…あれ、苦手?」
美琴「怖い…」ギュッ
上条(胸が!!胸が当たってます!!)
美琴「当麻ぁ…」ナミダメ
上条「よしよし、次に行こうか」
美琴「うん!」パァ
上条(カメラ持ってこればよかった)
上条「白池地獄は幻想的だな」
美琴「白い温泉!!」
上条「なんか入浴剤にありそうな白さだな」
美琴「と…当麻のあれから出てきたあれみたい//」
上条「」
美琴「ひ、ひくなぁ!!」
上条「ここには他に熱帯魚館なんてのもありますが、古臭いためあまりオススメできません」
美琴「うぅ…スルーしないでよ…」
上条「はい、よしよし」ナデナデ
美琴「えへへ…」
上条「さて、金竜地獄ですよ」
美琴「仏像がいっぱい!」
上条「この地獄は熱湯が透明なんだよな」
美琴「これがお湯のあるべき姿ね」
上条「ちなみにここの名物はバナナです、一本500円ですが特別に食べますか」
美琴「んっ…美味しい…!!」
上条「あ、あぁ…」
上条(バナナを咥えて食べる美琴さんエロすぎですよ!!)
上条「あ、あの、美琴さん?」
美琴「ん?」
上条「そ、その…食べ方がエロイです」
美琴「…」カァッ
上条「つ、次行きましょう!!」
上条「血の池地獄は一番地獄らしいな」
美琴「うわ、真っ赤…」
上条「看板なんかも真っ赤で統一されてるな」
美琴「なんか、不気味…」ギュッ
上条「そ、そうだな」ドキドキ
上条「最後は龍巻地獄だな」
美琴「…?何もないわよ?」
上条「ここは間歇泉だからな、間隔をあけて熱水が噴出するんだ」
美琴「あ、出た!!」
上条「ちなみに、昔はあと何分後に噴出するでしょうクイズ大会とかやってたな」
美琴「?来た事あるの?」
上条「いや、口が勝手に…」
上条「さて、地獄めぐりも終わったし、飯にしますか」
美琴「大分と言ったらなんなの?」
上条「温泉卵とか美味しいぞ」
美琴「じゃあ美味しい店に行きましょう!!」
上条「さて、地元の人に美味しい料亭を教えてもらいました」
上条「…お金がヤバイけどいいんでせう、美琴が嬉しそうだから」
美琴「ゴメンね、お金キツイのに…」
上条「なんのなんの!!美琴さんが幸せなんだから俺も幸せですよ?」
美琴「ありがと!」パァッ
上条(あぁ…幸せ)
美琴「美味しい!!」
上条「おー、卵がフワフワ!!!!」
美琴「口で溶ける卵なんてすごい!!!」
上条「はぁ…こんな美味いもの食べたの久しぶりだ…」
美琴「…ねぇ、当麻」
上条「ん?」
美琴「あーん♪」
上条「」
上条(美琴が、スプーンに茶碗蒸しをすくってこちらに差し出している)
上条(どうしますか?)
上条(食わしていただくぜっ!!)
上条「…」パクッ
美琴「どう?」ニコッ
上条「う、美味いです」
美琴「…あーん」
上条「はい?」
美琴「あーん」
上条(これは、食べさせろよってことか!?そんな素敵イベント!?)
上条「あ、あーん」
美琴「ん」モグモグ
上条「う、美味いか?」
美琴「最高♪」
二人の周りには幸せオーラが振りまかれていた
他のお客さんも、和やかな目で見てくる
「若いっていいわねぇ」
「私だって昔は夫と…」
そんな声が聞こえてくる
上条(あぁ…注目の的です・・・)
美琴「さて、いっぱい食べたしそろそろホテルに行かない?」
上条「まだ昼なのにか?」
美琴「うん、初日は早くホテル行きたいじゃない!なんか楽しみだし」ワクワク
上条「ま、ホテルにもいろいろ施設あるしな」
上条「ひ、広い・・・」
美琴「やっぱ何日も泊まるならこれくらいじゃないと!」
上条「温水プール完備・・・水着も用意したのはこのためか」
美琴「な、ヘンなこと期待しないでよ!?」
上条「いや、でもね・・・好きな人と同じ部屋に泊まるとなると期待してしまうんですよ」
美琴「ば、バカッ!!そ、そんなことしたら隣の部屋に聞こえちゃう・・・///」
上条「あらら?そういうことをやるの自体はいいわけなんですか??」
美琴「な、そ、それは・・・イヤじゃないけど//」
上条(あぁ・・・赤面する美琴、おいしいです)
上条「とにかくまず部屋に向かいますか」
上条「」
エツァリ「」
美琴(誰?この人?肌の色からして外国人なのかな?)
美琴(しかもなんで二人とも固まってるの??)
美琴(・・・って、この人あの時海原に化けた挙句当麻とケンカしてた人じゃない!!)
上条(部屋に向かう途中、知り合いに出会った)
上条(こういうときは・・・)
エツァリ「あ・・・お久しぶりですね、上条さん」
エツァリの顔が若干焦っているように見える
上条「あ、あぁ、久しぶり・・・お前も旅行か?」
エツァリ「えぇ、妹のような子が退院したので、お祝いに」
上条「お、そりゃおめでとさん」
二人はわりと普通に会話をしている
昔は戦い合ったが、今戦う理由はないし、それほどいがみ合っているわけでもない
エツァリ「そ、それで、御坂さんと旅行・・・ですか?なぜ?」
美琴「あぁ、私たち付き合ってるもの」
エツァリ「・・・なるほど」
上条(げ、コイツも美琴のこと・・・)
エツァリ「上条さん、少しだけいいですか?」
上条「あ、あぁ・・・美琴は・・・」
エツァリ「御坂さんはショチトルの話し相手になっていてもらえませんか?部屋にいるので」
美琴「ショチトル?」
エツァリ「あ・・・えっと、僕の妹みたいな存在というか・・・友人ですよ」
美琴「それはいいけど・・・」
エツァリ「申し訳ありません、すぐ終わりますので」
上条「じゃ、じゃあ美琴、すぐ戻るから」
美琴「う、うん・・・」
エツァリ「すいません・・・せっかくの時間を」
上条「いや・・・で、なんか用か?」
エツァリ「ただ、お礼が言いたくて」
上条「お礼?」
予想外だった
正直、一発ぶん殴られるくらいありそうだなー、と思っていたから少し拍子抜けしてしまう
エツァリ「彼女を守る、その約束を果たしてくださって」
上条「・・・その約束がなくても、俺は美琴を守ってたさ」
エツァリ「それを聞けて安心しました」
上条「・・・悪いな」
エツァリ「いえいえ、彼女のことを一番に守ってくれるんですよね」
上条「・・・同じようなことを他の友達にも言われたよ」
エツァリ「それはそれは」
エツァリ「あ、それともう一つ・・・」
上条「まだなんかあるのか?」
エツァリ「相談したいことが・・・」
美琴「し、失礼しまーす」
ショチトル「だ、誰だ!?」
美琴「あ、怪しいものじゃないわ!!その、あなたのお兄さんの知り合いというか・・・」
ショチトル「?エツァリの知り合いか」
美琴「そ、そうそう!さっき偶然会って、あなたの話し相手になってほしいって」
ショチトル「なるほど・・・あなたの名前は?」
美琴「御坂美琴、美琴でいいわよ」
ショチトル「私はショチトルだ、よろしく」
ショチトルという少女は美琴と同い年くらいだろうか
褐色の肌が妙にセクシーだ
美琴「エツァリさんとは仲よしなの?」
ショチトル「・・・エツァリは私を妹のように可愛がってくれている」
美琴「そっか、仲がいいのね・・・」ニコニコ
ショチトル「・・・ただ・・・」
美琴「うん?」
ショチトル「私は・・・エツァリのことが、好きなんだ」
上条「相談?」
エツァリ「ええ、時間がよければですが・・・」
上条「そういうことなら聞くよ、困ってるヤツは見過ごせないしな」
エツァリ「ふふ、やはりあなたはいい人だ」
上条「で、相談って?」
エツァリ「・・・ショチトルのことです」
上条「あぁ、人間関係か・・・上条さんに任せなさい!」
エツァリ「・・・前に、夜中に見舞いに行ったときなのですが、部屋の中からショチトルの声が聞こえたんです」
上条「ふむふむ・・・」
エツァリ「・・・自分の名前を呼んでいました・・・」
上条「・・・はい?」
エツァリ「ハァハァと息を切らせ、ときどき大声でうっ・・・と疼きながら・・・」
上条「」
エツァリ「・・・グチュグチュという音も聞こえていました・・・」
上条「そ、それは困ったな・・・」
エツァリ「えぇ、困ります・・・」
エツァリ「まさか、自分を刺し殺す練習をしているとは」
上条「え?」
美琴「好き・・・って、異性として?」
ショチトル「・・・そうだ」
美琴「そっか・・・その気持ちは伝えたの?」
ショチトル「い、いや・・・断られたら気まずくなってしまうし、エツァリは私を友人と思っているだろう?」
美琴「そんなの分からないじゃない・・・私も恋人とは最初そういう関係だったのよ」
ショチトル「それは本当か?」
美琴「うん、なんの脈もないと思ってたけど・・・」
美琴「でもね、お互いの気持ちをぶつけあって今の関係になれたの」
ショチトル「・・・素敵だな・・・私にはそんな勇気は・・・」
美琴「勇気ってのは、最初から持っているわけではないわよ、必要なときに、生み出すものなの」
ショチトル「・・・」
美琴「気持ちを伝えなければ傷つかないわ、でも、通じないのよ?」
ショチトル「・・・」
ショチトル「・・・私にも、できるかな?」
美琴「もちろん!!」
上条「・・・刺し殺す練習・・・?」
エツァリ「きっと、お見舞いに持っていったリンゴなんかを果物ナイフで刺して・・・しかも息が切れるほど長い時間」
上条「・・・」
エツァリ「自分は、嫌われているのでしょうか?」
上条「・・・いや、てかむしろかなり愛されているかと」
エツァリ「?」
上条「まぁ、気にしなくていいさ」
エツァリ「そ、それならいいですが・・・」
上条(これは、今夜チャンスだな・・・ショチトルちゃん、頑張れよ、会ったことないけど応援してる)
ショチトル「なるほど、美琴の彼氏さんは鈍感なのか」
美琴「そうなのよ、しかも女の子の知り合い多くて・・・妬いちゃうのよ」
ショチトル「気にしないほうがいい、美琴の彼氏さんは美琴だけを愛しているさ」
美琴「うん、分かってる//」
ショチトル(美琴はかわいいな・・・私も、これくらい可愛ければ)
美琴「今晩、気持ちを伝えたら?」
ショチトル「・・・が、頑張ってみよう」
美琴「ファイトよ!!」
上条「悪い、ちょっと遅くなった・・・」
美琴「あ、当麻おかえりー!!」
エツァリ「すいません御坂さん、遅くなってしまって」
美琴「ううん、こっちも楽しかったから、ねー♪」
ショチトル「うん、楽しかったぞ」
エツァリ「やはり、女性同士は話が合うんですね」
上条「女の子には女の子の相談相手とかも必要だしな」
美琴(・・・当麻、もしかしてショチトルがエツァリさんのことを好きなの気づいてるのかな?)
自分のことには鈍感だが、他人のことにはかなり敏感
それが上条当麻である
エツァリ「お二人とも、ありがとうございました」
上条「いいって、そっちも仲良くな」
美琴(ショチトル、がんばってね)
ショチトル(も、もちろんだ)
美琴「それじゃあ、また」
上条「隣の部屋同士だし、ヒマになったらまた話そうな」
エツァリ「ええ、それでは」
美琴「そろそろ夜ご飯ね」
上条「・・・なんか、さっきちらっと見た限り食堂がかなりゴージャスだったんですが」
美琴「半分くらいはスーツとかドレスで決めてたわね・・・」
上条「場違いな雰囲気ですが、気にしない!!」
美琴「気楽にいきましょう」
上条(・・・やっぱ美琴はそういう場所も慣れてるのかなぁ・・・)
美琴「あー、やっぱこういうのは苦手」
上条「あ、美琴もか」
美琴「高いホテルって、施設も風呂もいいけど、こういうときだけは不便なのよね・・・」
上条「はぁ・・・たしかに緊張しちゃうな」
美琴「とりあえず、なんか頼みましょう」
ショチトル(・・・美琴に、肝心な告白の仕方を聞き忘れた)
ショチトルは、一人食堂で立ち尽くしていた
告白の仕方が分からない
しかも・・・
ショチトル(エツァリ・・・どこへ行ったのだ)
エツァリとはぐれてしまったのだ
呆然とするショチトル
そのショチトルに、一人の女性が話しかける
??「あの・・・」
ショチトル「あ、な、なんだ?」
??「失礼ですけど、茶髪で長身な、メルヘンな雰囲気の男見なかったかしら」
ショチトル「いや・・・見ていないが」
??「・・・そう・・・ったく」
心理「どこ行ったのよ、垣根のヤツ」
ショチトル(・・・人探しか・・・そうだ)
ショチトル「茶髪でやや長身な、褐色の肌の男を見なかったか?」
心理「あら、あなたも人探しなの」
ショチトル「まぁ・・・」
心理「彼氏さん?」
ショチトル「な、そんなわけないだろう!」
心理「あら、そう」クスクス
ショチトル「・・・ほ、本当は・・・」
なんとなく、なんとなくだがショチトルは目の前の女性に話したくなった
ショチトル「私は、その男が好きなのだが・・・なかなか言い出せなくて」
心理「あら、なら私がいい方法教えてあげましょうか?」
ショチトル「い、いいのか?」
心理「えぇ、私は心理定規、あなたは?」
ショチトル「ショチトルだ」
心理「よろしく、とにかく適当な席に座りましょう」
垣根「心理定規のヤツどこ行ったんだよ・・・」
せっかくの休日を、無理やり旅行に付き合わされた
学園都市の外とか行けないと思っていたら、なぜかすんなりと行けてしまった
なんでも、アレイスターが今はハネムーンブームとか言って、出入りをすんなり許しているらしい
垣根「せっかく付き合ってるんだからせめて楽しませろよな・・・」
はぁ、と溜息をつく
そんな垣根に、二人の女性が話しかける
女1「お兄さん、一人なの?」
垣根「あぁ、今はね」
女2「じゃぁ、私たちと飲まない?」
垣根は二人の顔を見る
おごらせよう、と考えている顔ではない
きっと、垣根の顔を見て誘ったのだ
垣根帝督は言うまでもなくイケメンだ
顔だけなら、おそらく文句のつけようがない
それゆえに今までも女性に逆ナンパされることはよくあった
だから、そういうことの対処法もわきまえている
垣根「悪いなお嬢さん達・・・今ちょっと知り合いを探しててさ」
垣根「時間があったらご一緒したいけど・・・」
残念そうな顔を作って、そう言う
女1「そっかぁ・・・じゃあしょうがないね」
女2「ゴメンね、忙しいのに」
垣根「いやいや」
垣根としてもイヤな気分ではなかった
彼だって男なのだ、綺麗な女性に話しかけられてイヤな気にはならない
パチン、と垣根が指を鳴らす
それをきいてウェイターがやってくる
垣根「ここのお嬢さんたちの支払い、これでいいかい?」
すっ、とカードを差し出す
女1「え、でも」
垣根「ご一緒できないお詫びさ、それに」
垣根「綺麗なお嬢さんに話しかけてもらえたんだ、これくらい安いだろう?」
とびっきりのイケメンが炸裂する
そんな垣根を見て、その二人だけでなく周りの女性達全員が顔を真っ赤にする
「カッコイイ・・・」
「紳士的・・・」
「どこの人なのかな・・・」
垣根(ま、こんなもんかな)
不敵な笑みを浮かべた垣根はふと右を見る
その視線は、あるカップルを捕らえた
そう、あのカップルだ
上条「・・・なんで垣根がいるんだよ」
美琴「そしてなんなのよ、あのイケメンの振りまき方は・・・」
二人とも、呆れたような顔で垣根にたずねる
垣根「いや、心理定規と来たんだけどさ、アイツがはぐれちまって」
垣根「こんな豪華なところで携帯使うのも無粋だろ?」
上条「・・・俺の知ってる垣根と違う」
美琴「垣根・・・アンタ、もういっそそのキャラでいきなさいよ」
垣根「あんな風に気取ってる俺のほうがいいか?」
上条「いや、それはそれでイヤだけどさ」
垣根「だろ」
また、垣根がパチンと指を鳴らす
垣根「この二人と同じものをもらえるかな?あと、あちらのお嬢さん達にもう一本ワインを」
さきほどの女性達に、さらに追加注文
上条「・・・やっぱ、垣根もLEVEL5なんだなぁ・・・身分の差を感じますよ」
垣根「身分は関係ないさ、男なら女性に優しくしないとな」
美琴「・・・普段の垣根からは想像できないわね」
垣根「まぁ、そうかもな」
はぁ、と垣根がまた溜息をつく
上条「なんか、疲れてねぇか?」
垣根「当たり前だ、心理定規が温泉だのなんだのとメルヘンなこと言うからついてきたってのに」
美琴「あら、いいじゃない、デートなんでしょ?」
垣根「んなわけあるか、アイツとはそんなんじゃねぇよ」
上条「そうか?心理さんはお前のこと好きみたいだけど」
美琴「こ、コラ当麻・・・」
垣根「あぁ、そうかもしれないな」
上条・美琴「・・・え?」
二人は素っ頓狂な声をあげる
垣根は鈍感で、気づいていない、そう思っていたからだ
垣根「おいおい、俺は上条とは違うっての」
上条「気づいてるならなんで・・・」
垣根「俺はまだその気じゃないからさ」
さらりと垣根が言う
垣根「俺は、今はアイツのことをそういう目では見てない」
垣根「いつかは好きになるかもしれないし、一生そうはならないかもしれない」
垣根「ただ、今ははっきりしてる」
垣根「アイツは真剣で俺のことを慕ってくれている」
垣根「だったら俺が中途半端な気持ちでアイツと付き合っていいのか?」
美琴「・・・」
垣根「俺はな、今まで真剣に人を愛したことがない」
上条「・・・」
垣根「今までそういうのとは少しかけ離れてたからな」
垣根「だからこそ、慎重にしないといけないのさ」
垣根「アイツを傷付けないためにも」
垣根「ま、白井とか他の女にもちょっかい出してる俺が言えたことじゃないが」
垣根「愛ってのは、そんな簡単に理解できるもんじゃないんじゃないか?」
上条「・・・お前、すごいな」
垣根「はぁ?」
美琴「ホント、今日の垣根はどうしたの?」
垣根「・・・バカにしてんのかよ」
上条「いや、見直したというか・・・」
垣根「そうかい」
はん、と寂しげな顔で垣根が笑う
垣根「だから俺はお前達がうらやましい、愛の答えを知ってるお前らが」
ショチトル「な、なななな、何を言って・・・」
心理「あら、これくらい最近の子なら普通よ?」
ショチトル「しかし、それが通用するだろうか・・・」
心理「あなたの思い人がどんな人かは知らないけど、だいたいこれで上手くいくわよ」
ショチトル「・・・本当か?」
心理「えぇ」
垣根にはまったく効かないけど、と心理定規がつぶやく
ショチトル「・・・分かった、ありがとう」
心理「結果教えてね、これ私のメールアドレス」
ショチトル「あ、あぁ」
ショチトルも携帯を取り出す
いざというときのためにエツァリが持たせたのだ
心理「じゃあ、何かの縁だし一緒にお食事でも食べる?」
ショチトル「かまわないが・・・」
心理「あぁ、人探しだったわね・・・私も探さないといけないし」
心理「一緒に探しましょう?」
上条「・・・垣根・・・」
垣根「ん?どうした」
美琴「さっきから周りの女の人たちがこっちを凝視してるんだけど・・・」
垣根「あー、注目集めすぎたか」
あそこまで派手にキザをやれば、注目の的になってしまう
まして、カップルの中に割り込んだイケメン、というおかしな絵面は目立ちすぎていた
垣根「ちくしょう、ワインがぶ飲みするつもりだったのに・・・」
上条「お前、未成年だろ・・・」
垣根「俺に常識は(ry」
美琴「ワインって・・・アンタお酒強いの?」
垣根「ううん、弱い、酔っ払ってムーンウォークしながら交差点で車に轢かれたことある」
上条「意味分かんねぇよ」
垣根「しかもそのときなぜかパンツ一丁でさ」
垣根「もうさ、イケメンじゃなかったら通報されてたな、通報されたけど」
美琴「なんか、いつもの垣根に戻ったわね」
垣根「やっぱこっちのほうがいいな、お前らといるときはとくに」
上条「・・・もうちょいシャキっとしろよな」
垣根「目がシャキッ!!」
垣根「お目目がシャキッ!!」
垣根「寝起きにでもシャキッ!!心もシャキッ!!」
垣根「夜中になったらアソコもシャキッ!!あ、朝もシャキッ!!」
上条「もういい、やめろ」
美琴「・・・やっぱ、垣根はおかしいわ」
心理(いた・・・なんか目がシャキッ!!とか言ってる・・・)
ショチトル「・・・まさか、あれか?」
心理「・・・残念ながら、そうなのよ」
ショチトル「・・・そうか」
溜め息をつきながら、二人は垣根の元へいく
垣根「そのとき俺は言ったんだ、インディアン嘘つかない、ってさ」
上条「無限ループにならないじゃねぇか」
美琴「だいたい、なんでおじいさんに道きかれたときにそう言ったのよ」
垣根「俺は世界を縮める男だからな」
上条「なに言ってんだよ・・・」
心理「・・・」
美琴(あ、心理さん・・・って垣根気づいてない)
心理「垣根・・・」
垣根「てかマジ心理定規どこ行ったんだよ、まさかコミケか?」
上条「あ、いや、垣根?」
垣根「あー、マジだりぃ、探すの?俺が?無理無理、なんで俺が」
上条「あのー」
垣根「こんなんなら来なきゃよかったなー、マジで」
心理「・・・」
美琴「いや、その・・・垣根?」
垣根「自分から誘ったくせにどっか行って、連絡もなし」
美琴「垣根、おーい」
垣根「しかもなんだよ、俺と一緒に行きたいって」
垣根「俺なんかと一緒に来て楽しいのかね」
上条「お、おい・・・垣根」
垣根「ん?どした?」
美琴「心理さん・・・アンタの後ろにいるわよ?」
垣根「」
心理「ハロー」ニコリ
垣根「・・・いたなら言えよ」
心理「悪かったわね、む・り・や・り付きあわせちゃって」
垣根「まったくだ」
上条(・・・なんか、まずい雰囲気・・・)
ショチトル「話を邪魔して申し訳ないが・・・」
垣根「なんだい、お嬢さん?」
ショチトル「あなたが心理定規の思い人か?」
上条「」
美琴「」
心理「」
垣根「おやおや?そうなのかな、心理定規?」ニヤニヤ
心理「・・・垣根、ちょっと来なさい」
垣根「はぁ?なんで」
心理「いいから」グイ
上条「だ、大丈夫なのかな・・・」
美琴「さ、さぁ・・・そういえば、ショチトルはどうして心理さんと?」
ショチトル「エツァリを探していたら偶然仲良くなった」
上条「なんという偶然・・・」
垣根「・・・なぁ、心理定規」
心理「なに?」
垣根「お前は、俺のことを好きなのか?いや、好きなんだろ」
心理「・・・そうよ」
二人は、テラスにいた
周りには片手にワイングラスを持った大人たちばかり
その中で、二人は向かい合っていた
垣根「・・・」
心理「あなただけなのよ、私の思い通りにならない男は」
心理「どれだけアピールしても、どれだけ誘っても、私の誘惑に堕ちない・・・」
心理「最初は、それが悔しくて、ただただあなたを誘っていた」
心理「でもね・・・次第に、あなたに夢中になっていったの」
心理「強くて、かっこよくて・・・それなのに人間くさくて」
心理「・・・初めてなのよ、人のことを愛したのは」
垣根「そうかい」
心理「・・・だから、お願い・・・」
心理「私のことを、求めてくれない?」
垣根「無理だ」
心理「・・・どうして?」
垣根「俺には、愛情ってのが分からない」
垣根「愛ってのは目に見えないからな、形がないから捉えられない」
垣根「ガキの頃から暗闇の中で過ごしてきたんだ、今更まぶしい光を求めたところで身を焦がすだけさ」
垣根「分かるか?俺は愛されていい人間じゃない」
垣根「御坂や上条を見て思った、俺は、愛とは無縁なんだよ」
心理「・・・あなたは、愛されるのが怖いの?」
垣根「あぁ、怖い」
真剣な顔で、垣根が心理定規を見つめる
垣根「信じられないのさ、人間が」
垣根「暗部はとっくになくなったってのに」
垣根「遊園地であの二人に出会ったとき、LEVEL5か、って聞かれたよな」
垣根「あのとき、一瞬体がこわばったんだよ」
垣根「俺の情報を知ってるヤツは、殺さなきゃいけない・・・そう体が覚えてるんだ」
心理「・・・」
垣根「暗部にいた人間はそうさ、人なんて使い捨ての道具だ」
垣根「俺は今まで何人を殺した?何人を潰した?」
垣根「そんな人間がいまさら全うな生き方しようなんておこがましいんだよ」
半分自棄になったように垣根が笑う
そんな彼の笑顔は、とても暗かった
だから、そんな垣根の顔を見るのが辛かったから、心理定規は言う
心理「だったら、なぜあの二人と友達になったの?」
垣根「・・・」
心理「信じたいんでしょ、誰かを」
垣根「あぁ」
心理「うらやましくて、憧れてて・・・だから、そばにいたんでしょ?」
垣根「・・・それだけじゃない」
垣根「俺は、アイツらの友達なんだよ」
心理「あら、それならあなたは全うな人間だわ」
垣根「そうかねぇ」
心理「私はあなたを化け物なんて思わない」
心理「あなたが好きだから」
垣根「・・・信じられるかよ」
心理「だったらどうしてあなたは今笑ってるのよ」
垣根「・・・信じてるからさ、上条も、御坂も、お前も」
垣根「俺は遂に見つけた!!文化の」
心理「はいはい」
心理「あなたはやっぱりそうやってバカやってるほうが輝いてるわよ」
垣根「・・・俺はバカって言いたいのか」
心理「そうね」クスクス
垣根「ちくしょう」
心理「ねぇ、垣根」
垣根「なんだよ」
心理「私は、信じるわ、あなたのこと」
垣根「・・・俺はお前を好きになるとは限らねぇぞ?」
心理「いいのよ、それでも」
心理「あなたが誰かを愛せたらそれは嬉しい、その相手が私だったらもっと嬉しい、それだけのこと」
垣根「・・・不器用だな」
心理「お互いね」
垣根「・・・俺は器用だよ」
心理「あらあら」
心理「さて、戻りましょうかしら、みんなと一緒に食事したいし」
垣根「・・・心理定規」
心理「なに?」
振り向いた心理定規の唇に、垣根が軽くキスする
心理「・・・なによ、私には興味がないんでしょ?」
垣根「ま、話をきいてくれた礼だ」
垣根「別にこういうのはよくやってるだろ?」
心理「・・・私、ファーストキスだったんだけど」
垣根「そりゃ悪かったな」
大して悪びれたそぶりもせず、垣根が謝る
心理「・・・こういうことされると誤解するわよ?」
垣根「意外と初心だな、お前」
心理「・・・バカ」
心理定規がそっぽを向く
気のせいか、頬が赤い
垣根「それにな・・・興味はなかったけどさ」
心理「なに?」
垣根「そろそろ興味、持てそうだ」
上条「あ、帰ってきた」
美琴「おかえり・・・心理さん、大丈夫?」
心理「」ポワーン
ショチトル「どうした、心理定規」
心理「メルヘン、いいわ」
上条「は?」
垣根「心理定規の世界をガラリと変えちまったな・・・」キリッ
美琴「何やったのよ・・・」
エツァリ「・・・寂しいです」
なぜかエツァリは温泉につかっていた
ショチトルと食事をするつもりだった
でも、ショチトルが「エツァリに・・・エツァリに・・・」とつぶやいてるのが怖くて逃げてきてしまったのだ
エツァリ(もしかしたら、自分は今日・・・)
短い命だった、エツァリは涙を流す
勘違いなのに
ショチトル「・・・結局、お前は温泉にいたと」
エツァリ「はい」
ショチトル「はぁ・・・これから私は入ってくるが、エツァリはどうする?」
エツァリ「では、自分は食事にします」
ショチトル「そうか、ではまたな」
エツァリ「えぇ」
486 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/05/10 14:49:01.71 5dufVKbV0 304/647さて、温泉でていとくんは覗きを計画します
どうなるでしょうか?
投下は明日かとw
単発ネタ
単発ネタ
美琴「ねぇ、当麻」
上条「なんだ?」
美琴「テラス行きたい」
上条「あぁ、いいけど・・・なんで?」
美琴「いいから」
上条「夜景が綺麗だなぁ・・・」
美琴「ねぇ、当麻」
上条「なんだ?」
美琴「もし・・・私が、月から来たお姫様で、明日月に帰らなきゃいけないって言ったらどうする?」
上条「かぐや姫か」
美琴「うん・・・もし、当麻だったらどうするのかなって」
上条「決まってるだろ」
上条「絶対に帰さない」
上条「月から使者が来たって、もしそいつらがありえないほど強かったって」
上条「俺はお前を放さない」
上条「お前はかぐや姫になんかならないでいい、あんな遠いところで輝かなくていい」
上条「だから、俺のそばで、俺だけ照らしててほしい」
美琴「・・・バカ」
美琴「当たり前でしょ」
494 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2011/05/10 23:08:50.24 Ya3Ya4qVo 308/647定番だが、10032号絡みで美琴嫉妬ネタが読みたいのう読みたいのう
>>494 こんなんですが、即興ですが
御坂妹「あなたは、お姉さまとどれくらいまで進んだのですか?とミサカは問いかけます」
上条「なんだよ、急に?」
偶然公園で御坂妹と出会った、と思ったらそんな質問をされる
御坂妹「・・・ミサカは、お姉さまと同じ体、同じ声をしています、とミサカは分かりきったことを今一度確認します」
上条「そりゃ、そうだけど」
御坂妹「つまり」
御坂妹「お姉さまにできないことも、このミサカとならできますよ?とミサカは少し艶やかに提案します」
美琴(・・・な、なんなのよ)
美琴(当麻と待ち合わせした場所に来たってのに、なんであの子が・・・)
美琴(まさか、当麻・・・あの子も好きなの!?)
御坂妹「お姉さまにできないことも、このミサカとならできますよ?とミサカは少し艶やかに提案します」
美琴(!!)
美琴(そうよね、あの子は私よりずっと積極的・・・)
美琴(当麻だって、あんな風に尽くしてくれる子のほうが・・・)
美琴(・・・なによ、私のことだけが好きなんじゃないの、当麻・・・)
上条「・・・なぁ、御坂妹」
御坂妹「その気になりましたか?とミサカは」
上条「お前、俺が美琴の見た目に惚れたと思ってるのか?」
御坂妹「・・・どういうことですか、とミサカは問いかけます」
上条「俺は、美琴の全部が好きなんだよ」
上条「もちろん、見た目だって可愛いと思うさ」
上条「でも、それだけじゃない」
上条「弱いところも、強いところも、優しいところも、少し抜けたところも」
上条「全部が好きなんだ」
御坂妹「・・・」
上条「もし、仮にお前がまったく美琴と同じ格好、同じ口調で話しかけてきても」
上条「俺はきっと、違いが分かると思う」
御坂妹「遺伝子レベルで一緒だとしてもですか、とミサカは問いかけます」
上条「あぁ、どんなに見た目が一緒でも、どんなに声が一緒でも」
上条「俺の愛してる御坂美琴はたった一人だからさ」
御坂妹「・・・安心しました、とミサカは息を吐きます」
上条「・・・はい?」
御坂妹「もし、今の誘惑に乗るようだったら、お姉さまの将来は心配でしたが・・・」
御坂妹「あなたは、本当にお姉さまを愛しているのですね、とミサカは安堵します」
上条「・・・なんだ、試してたのかよ」
御坂妹「いえ、ただちょっと面白そうだったので、それでは、ミサカはこの辺で」
御坂妹「旅行、楽しんできてください、とミサカは見送りの言葉を述べます」
上条「あぁ、お土産楽しみにしててくれよ」
美琴(・・・なんなのよ、俺の愛してる御坂美琴はたった一人だからさ・・・って)
美琴(バカ・・・こんな真っ赤な顔じゃ、すぐに出て行けないじゃない)
少しして、顔の赤みの治まった美琴は、上条の元へ駆け寄っていく
美琴「あ、当麻!」
上条「お、おーっす!」
上条(かわいい!!私服の美琴もかわいいです!!)
美琴「ずいぶん早く来てたのね・・・待ったんじゃない?」
単発終了、こんなんでよかったのかな?
もういっちょ単発ネタ
未元定規、二人だけのカラオケ
>>398の続き
垣根「あーざーやーかーすぎーるー君がいないなつー」
心理「・・・さっきまでと違って、まともな歌ばかり歌うわね」
垣根「そりゃ、お前とならムリに明るく振舞わなくていいからな」
心理「あら、素を曝け出せるってこと?」
垣根「まぁな」
心理「・・・そう、光栄ね」
垣根「なぁ、心理定規」
心理「なに?」
垣根「歌ってほしい歌があるんだけど」
心理「ヘンなのじゃないでしょうね」
垣根「ちげーよ、これこれ」
心理「あら、月のしずく?」
垣根「そ、かたちあるもの歌えるならこれもいけるだろ?」
心理「えぇ、いいわよ」
心理「逢いたいとー思う気持ちはーそーっとー今ー願いになるー」
心理「どうだった?」
垣根「よかったよ、満点だ」
心理「この歌好きなの?」
垣根「いや、俺はあんまり」
心理「あら、どうして?」
垣根「悲しみを、月のしずくが濡らすってあるけどさ」
垣根「悲しんでる人ってのは、とっくに頬を涙で濡らしてるだろ?」
垣根「もしも涙を月のしずく、って言ってるとしてもだ」
垣根「涙ってのはそんなに綺麗じゃない」
垣根「嫉妬、憎悪、諦めなんかが涙としてあふれ出るんだろ」
垣根「俺はさ、逢いたいと思う気持ちは叶えなきゃだめだと思うんだ」
垣根「それが願いに変わる前に、現実にしたいんだよ」
心理「・・・だったら、どうして私に?」
垣根「お前が歌ってたらちょっとはこの歌好きになれるかなってさ」
心理「・・・そう、それでどうだった?」
垣根「わかんない、結局やっぱりモヤモヤした気分が残った」
心理「そう」
垣根「でもな」
心理「なに?」
垣根「お前が歌ってる月のしずくは、結構好みだ」
心理「・・・バカ」
単発その2終了
単発3 単発はラストですので、リクはもう承れないかと・・・
と言いたいところだったんですが、意外とこういう試みもいいかもと思ってきたのでまだまだ承りますw
垣根「上条、お前にききたいことがある」
上条「なんだ?急に」
垣根「ゲコ太は、メルヘンだよな?」
上条「・・・は?」
美琴「違うわよ、ゲコ太は可愛い、よ!ね、当麻!?」
上条「あの・・・何を言ってるんでせう?」
垣根「メルヘンなのか可愛いのか、どっちかで言い争いになってるんだよ」
上条「どっちも似たようなものじゃないか?」
美琴「違うわよ、可愛いってのは抱きしめたくなるの!!メルヘンなんて、ただの絵空事じゃない」
垣根「・・・メルヘン、なんて?」
垣根「どうやら、お前はメルヘンを分かっていないらしいな」
美琴「は?だから、メルヘンってのは・・・」
垣根「メルヘンはな、夢なんだよ」
垣根「人間が手を伸ばして、それでも届かなかった夢なんだ」
垣根「どれだけ泣いても、どれだけ叫んでも、その声さえ届かない」
垣根「そうだな・・・星みたいなものなんだ」
垣根「ずっと遠い空で輝いている、掴めるものじゃないんだ」
垣根「でも、ほんのたまに、流れ星になって落ちてくる」
上条(あれはゴミが燃えてるんだけどな)
垣根「届かないと思ってた、でもほんの一瞬、儚い瞬きを持ちながら地に落ちてくる・・・」
垣根「流れ星ってさ、願いを叶えるっていうだろ?」
垣根「あれはな、ほんの一瞬だけ、手の届かないはずの輝きが、すぐそこに現れるからなんだ」
垣根「きっと、自分にも届くんじゃないか、そう思わせてくれる・・・そして、そう信じた人間が努力して夢を掴み取る」
垣根「メルヘンとは、届かない夢だ」
垣根「でも、叶わない夢じゃない」
垣根「ゲコ太は・・・叶わない夢なのか?」
美琴「・・・ううん、ゲコ太はここにいるもん」
美琴「叶う夢よ・・・」グスン
垣根「だから、メルヘンなんだよ」
上条「なぁ、二人とも」
美琴・垣根「なに?」
上条「ゲコ太は可愛くてなおかつメルヘン、それじゃダメなのか?」
美琴「」
垣根「」
美琴「そうね・・・可愛くてメルヘン、これだわ!!」
垣根「やったな、ゲコ太!一緒にカエルの歌でも歌おうぜ、もーっと勝手にーこーいーしーたりー」
上条「それはワインレッドの心だ、掠ってもない」
心理「ねぇ、あなた達」
上条・美琴・垣根「どうした?」
心理「ゲコ太ってキャラクター、不気味じゃない?」
単発3終了
心理定規は、虫とか爬虫類とか苦手そう
美琴は虫はダメっぽいね、無視すんなやゴルァァァァ!!って言ってたし
続き: 美琴「す・・・好きです!!付き合ってください!!」上条「何やってんだ、御坂」【後編】
3行で済む事をだらだらと。。
読ませようという気がないのか。
第一、かみこと?なんて不自然だろうが。
上条さん、みこっちゃんどっちも蔑ろになるわ。
キャラ個人をちゃんと見てない。
オリキャラでやろうよそういうのは。