大井「あっ、いぃえ♪ 私がいつも至らなくて……」
提督「あっそういうのいいから。そういう薄すぎて被る意味皆無な猫とかいちいち被ってくれなくていいですから。鳥肌立って仕方ないんで」ブルッ
大井「は?」
提督「だいたいお前が猫被ったところでかわいくもなんともねーし」
大井「は? は? はぁぁ? 無能の分際でなんでそんな偉そうな口が利けるんですかあなた?」ピキピキ
提督「だぁれがどう無能なのか根拠を詳らかにした上でご教授願えませんかねぇ?」ピキピキ
元スレ
大井「完っ全に作戦が悪いのよ……」提督「今なんつったオイ」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1425207429/
大井「そもそも編成からしておかしいのよね」
提督「どうおかしいんだ言ってみろや!」
大井「目標艦隊群に戦艦が多数含まれることは事前の偵察ではっきりしてるはずなのに、どうしてこっちは戦艦出さないんですか? 雷軽駆のみってなんの縛りプレイですか? マゾなんですか? 死ぬんですか?」
提督「しょうがねえだろ戦艦出すと羅針盤が言うこと聞かねえんだからよ!」
大井「はいいただきましたー『羅針盤』。たまには他の言い訳思い付かないんですかあなた?」
提督「この仕事は羅針盤のご機嫌伺いからすべてが始まるんだよ。お前みたいなのにはわかんないかもしんないけどな!」
大井「あ?」
提督「お?」
大井「……まあ、編成に関しては仕方なかった、と一億歩ほど譲ってあげないこともないですけど」
提督「なに上から目線演出しようとしてるわけ? お前が一億歩譲る間に俺は一億一歩譲ってるから」
大井「へぇぇぇそれは光栄ですこと。一億一歩なにを譲ってくださったのかしら?」ニッコリ
提督「……いつもいつも危ない目に合わせちまって、悪い」
大井「……」
提督「……」
シーーーーーン
大井「編成に関しては一億歩譲ったとして」
提督「ん」
大井「バケツ、使わせてもらえません?」
提督「却下。もったいねえ」
大井「貧乏くさい男」チッ
提督「ならお前も自動的に貧乏くさい女だな」
大井「……」
提督「……」
大井「……」バシャバシャ
提督「ええいやめい! 書類に水がかかる!」
大井「ひーまー」
提督「別に檜風呂入ってるだけが入渠のすべてじゃねーだろ。上がって本でも読んどけ」
大井「執務室には北上さんもご飯もマッサージもエステも北上さんもないんですよ!」
提督「……今さらだけど入渠ドックってなんだよ(哲学)」
大井「ったくなんで私だけこんな罰ゲームみたいな」ブツクサ
提督「……嫌ならドック行っていいぞ」
大井「……嫌とは言ってないでしょ」
提督「……」
大井「……」
提督「マッサージぐらいなら俺でもできるかもな」ボソ
大井「食堂に軽食でも頼みましょっか」ボソ
提督「ん」
大井「はい」
提督「あと2時間ってとこか」モグ
大井「こんなに長いこと艦隊を遊ばせといて、本当にいいのかしらね」パクー
提督「いいんだよ。お前にバケツはつっこまない。お前がいない間は第一艦隊を動かさない。それがウチのルールだろ」
大井「……」
提督「艦隊にとってはいい休息になるしな。だいいち、雷巡の入渠時間なんざたかが知れてる」
大井「私、極めて高練度ですから。その分、たかが知れなくなってますから」フフン
提督「それ威張るとこか?」
大井「……威張るとこです///」モジモジ
提督「……あ、そ///」ポリポリ
大井「ふう」ホクホク
提督「終わりか」
大井「はーい。雷巡大井、修復完了しました♪ いつでも出撃できます♪」キャピ
提督「かわいくねーからやめろっつってんだろ」ケッ
大井「次はもう少しマシな作戦に投入して下さいねファ○ク」ケッ
提督「……」
大井「……」
提督「ぷっ」クックッ
大井「うふふ」クスクス
提督「なあお前」
大井「はい?」
提督「……やっぱ鬱陶しいから、いちいち大破すんな」
大井「は?」ギロ
提督「大破すんな。中破もすんな。小破もすんな。かすり傷一つ負うな」
大井「は? は? どうやって?」
提督「どうやってでも」
大井「意味、わかりません」
提督「雷巡はその特性上、鎮守府にとって極めて重要な戦力であり、それゆえ重大な局面に優先して投入せざるを得ない」
大井「でしょうね」
提督「で、出撃の度にお前の薄すぎて存在する意味のない紙装甲が、その御力を十分に発揮してくださるわけだが」
大井「大きなお世話です」
提督「それが……アレだ。いちいち面倒だ」
大井「……」
提督「だから、全部避けるなりなんなりしろ。お前が雷巡で一番練度高いんだから、お前がなんとかしろ」
大井「……雷巡どころか、全艦隊で一番練度の高い私ですからね」
提督「……」
大井「別に、まあ? 当該要請になるだけ答えようと、努力して、あげないこともないですけど?」
提督「……じゃあ、それで頼む」
大井「……」
提督「……」
大井「ねえあなた」
提督「あん?」
大井「仮に私が、かすり傷一つ負わなくなったとして」
提督「ん」
大井「『艦隊のみんなの休憩時間』は……減らさないで、あげてくださいね」ゴニョゴニョ
提督「……誰が減らすかよ。なんのためにバケツ使ってないと思ってんだ」ボソボソ
大井「……」
提督「……」
カーカー
提督「カラスが鳴いて」
大井「日が落ちる、と」
提督「よーし本日の業務ここまでー」
大井「無能の上に怠け者とか救いようがありませんね」ニッコリ
提督「うっせうっせ。俺は腹が減ったんだよ……おい」
大井「さっき食べたばっかりでしょうに……はい?」
「帰るぞ、お前」
「はい、あなた」
カーカー
大井「商店街寄っていきましょうか。お夕飯なにがいいです?」
提督「昨日の鮭が二切れ残ってたろ。あれでいい」
大井「……貧乏くさい男」クス
提督「うるせーバーカ!」
大井「バカって言う方がバカなのよほんっとボキャブラリーの貧困な男ね!」
ワーワーギャーギャー
艦!
28 : ◆F.lQmLP.5M - 2015/03/01 20:25:50.02 /R7lublYO 17/109おかしいな、こいつらってこんなめんどくさかったっけ……?
熟年ツンデレケンカップル夫婦とか属性盛りすぎたせいですかね
あ、ちなみにこれ↓の続きでした
すいません読んでないと多分意味わかんないです
大井「ちっ、なんて指揮……」提督「今なんつったオイ」
http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/kako/1404/14040/1404049548.html
→まとめ記事: http://ayamevip.com/archives/42263790.html
思いの外きれいに〆られて私自身困惑気味ですが、まだ続けます
北上さんとか雪風とかクマタマキソーとか出したい子もいますし
ご一読ありがとうございました
61 : 以下、名... - 2015/03/03 10:48:07.36 B6MtqB9DO 18/109他にどんなの書いてるか教えてほしい
83 : ◆F.lQmLP.5M - 2015/03/06 17:54:46.07 cMadPU9bO 19/109>>61
忘れてました、ごめんちゃい
大井「ちっ、なんて指揮……」提督「今なんつったオイ」
http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/kako/1404/14040/1404049548.html
→まとめ記事: http://ayamevip.com/archives/42263790.html
提督「あえて龍田をいじりたい」天龍「えっ」
http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/kako/1405/14050/1405090223.html
→まとめ記事: http://ayamevip.com/archives/42263882.html
川内「昼戦で敵を殲滅しそこねたよー!」提督「と、いうことは」
http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/kako/1405/14058/1405866119.html
→まとめ記事: http://ayamevip.com/archives/42174079.html
不知火「不知火の司令は顔が怖い」提督「」ガーン
http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/kako/1406/14068/1406808539.html
→まとめ記事: http://ayamevip.com/archives/42266251.html
提督「球磨ー」球磨「クマー?」
http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/kako/1410/14106/1410613168.html
→まとめ記事: http://ayamevip.com/archives/42270006.html
赤城「なまえのないかいぶつ」(地の文注意)
http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/kako/1410/14106/1410699657.html
→まとめ記事: http://ayamevip.com/archives/42270109.html
伊58「無理無理もう無理休むでち!」提督「だいじょぶだいじょぶ」
http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/kako/1414/14143/1414332139.html
→まとめ記事: http://ayamevip.com/archives/42270225.html
山城「扶桑姉様が改二になるわ!!!」提督「やったー!!!」
http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/kako/1416/14162/1416231504.html
→まとめ記事: http://ayamevip.com/archives/42270284.html
提督「母さん、お茶」雷「はーい♪」
http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/kako/1417/14171/1417182298.html
→まとめ記事: http://ayamevip.com/archives/42270483.html
提督「……」加賀「……」
http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/kako/1418/14189/1418909531.html
→まとめ記事: http://ayamevip.com/archives/42270547.html
提督「おい摩耶様」摩耶「ああん?」
http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/kako/1420/14204/1420461405.html
→まとめ記事: http://ayamevip.com/archives/42270597.html
青葉「なになに、なにが聞きたいんですか?」提督「青葉のこと」
http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/kako/1421/14214/1421411115.html
→まとめ記事: http://ayamevip.com/archives/42529033.html
提督「瑞鳳ーッ! 俺だーッ! ケッコンしてくれー!」
http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/kako/1423/14230/1423055241.html
→まとめ記事: http://ayamevip.com/archives/42835915.html
〈ハイパー北上さまだよー〉
ワーワーギャーギャー
提督「だーかーらー! テメーの不甲斐ない被弾率を俺の的確な指揮で下げてやるっつってんだよ!」
大井「足手まといがノコノコ前線なんて出てきたら現場が一番苦労するんですよ! これだけ言ってもわからないわけ!?」
オレタチャコウワンロウドウシャクミアイノモンダ
北上「ジョニーwwwwまただよ(笑)」ムシャムシャ
提督「帝国軍人舐めるのもいい加減にしろよ!? お前にお守りされんでも自分の身ぐらい自分で守るわ!」
大井「たとえ本人からNO突き付けられてもいざその時が来たら部下は上官のために命捨てなきゃいけないのよ!」
提督「クソったれな理屈ほざいてんじゃねえ! 自分の命を最優先にしろや!!」
大井「言ってること矛盾してんのよこのスカポンタン!!」
ヒューヒューチュドーンドッカーン
北上「レールガンってやつだねぇ、しびれるねぇ……間違っても二挺同時に扱っていいもんじゃあないと思うけど」バリボリ
大井「あなたが死ぬ時来たらその前に私死んでますからね!? そのあたり本当にわかってます!?」
提督「勝手に死んでんじゃねえよ! お前が死んだら俺も死ぬからな!?」
大井「じゃあどうしろってのよ!!!」
提督「俺がお前を死なせなきゃ全部解決だろうが!!!」
大井「……」
提督「……」
オマエタチハショウキョサレタ
北上「またジョニーwwwww仕事しすぎでしょwwwwww」モッシャモッシャ
北上「いやぁ面白かったねぇ。イレ○ザーマジ名作……あ、結論出た?」
大井「あ、はい……」
提督「出ましたです、はい……」
北上「そう、よかったね。聞き役として言わせてもらいたいことあるんだけど、いいかな」
提督「はい……」
北上「言うべきこといろいろある気もするんだけどさ、めんどくさいから一個だけ、いいかな」
大井「はい……」
北上「こーゆーめんどくさいの、次からあたしがいないとこでやってくんないかな」シラー
提督「すいません///」
大井「ごめんなさい///」
北上「てゆーか、めんどくさくないパターンの場合もなるべくあたしがいないとこでやってくんないかな」シラー
二人「「申し訳ありませんでした……っ///」」
北上「ホントにめんどくさいねぇ、ツンデレってのは」ヤレヤレ
艦!
〈アルティメット北上さまだよー〉
北上「大井っちはさー」
大井「なぁに、北上さん?」ニコ
北上「ジュウコンってどう思う?」
大井「男の甲斐性のなさをこの上なく見事に具象化してのけたこの世で最低の行いだわ」ペッ
北上「えー、そうかなー? 複数の女の人を囲うって、むしろ甲斐性の表れだと思うけどなー?」
大井「女性の立場からすれば最低の行為であることに間違いありませんっ」
北上「じゃあ大井っちは提督がジュウコンしたらやだ?」
大井「……だから、やだとかそういうの以前に、女として許せないのであって」
北上「だよねぇ、大井っちてば提督好きすぎて、ラブラブ夫婦オーラやばいもんねぇ」
大井「ふふふふ夫婦とかじゃないですし! あくまでカッコカリですし! 艦隊運営をスムーズにするための書類上のアレに過ぎませんし! 嫌いじゃないですけどそんな愛してるとか大げさなものじゃないですしー!!///」
北上「話は変わるけど、こないだ提督新しい指輪買ってたよ」
大井「……は?」
北上「……」
大井「……」
北上「大井っちー?」
大井「ウソ、ですよね?」ニッコリ
北上「……」
大井「信じませんよ。北上さん、最近私をからかってばっかりですもの。もう慣れました」ニッコリ
北上「ウソだと思うなら明石さんに聞いてみれば?」
大井「……」
北上「……」
大井「ウソよ」
北上「……」
大井「だってあの人言ったもの。わた、私だけを、あ、あい、あい……」
北上「アイアイ?」
大井「愛してるって、言ってくれたもの!! 私だってこの世でただ一人、あの人しか愛してないもの!!」
北上「……」
大井「だからそんなの、ウソに決まってるッ!!!」バンッ
北上「まーウソなんだけどねー」
大井「」ズコー
北上「おー、昭和のマンガを思わせる見事なズッコケっぷり」パチパチ
大井「き~た~か~み~さ~ん~?」プルプル
北上「ウソじゃないとは言ってないよ? ウソだと思って明石さんに聞いてればその時点でバレたろうしね」
大井「いくら北上さんでも限度ってものがありますっ! 今のはちょっと悪質すぎやしないかしら!?」
北上「うーんまぁ、それについてはいくらでも謝るけどさ。でも……」
大井「でも? でもなんです? 私怒ってますからね! いくらマイスウィートエンジェル北上さんと言えど」
北上「素直に仲直りできないからって痴話喧嘩の度にいちいち呼び出されては映画一本見れるぐらいの時間半分ノロケ入った罵り合いを聞かされて最後に仲裁させられるこのスーパー北上さまとしては」
大井「……」
北上「あたしがこれから謝る回数とおんなじぐらい、謝罪と感謝が欲しいかなーって考えたとしても罰当たりじゃないと思うんだけど」
大井「……」
北上「そのへんどうよ、大井っちー?」
大井「いつもご迷惑おかけしてすいませんありがとうございます」orz
北上「最近謝ってばっかだねぇ大井っちー」ケラケラ
艦!
94 : 以下、名... - 2015/03/06 18:08:18.71 8/wHTe/AO 31/109嘘だったか、指輪(給料三ヶ月分)を買ったんだと思ったわ
〈ダーク・リベリオン・エクシーズ北上さまだよー〉
北上「失礼しまーす」ガチャ
大井「北上さんっ。ちょうどいいところに!」
北上「なにこのにおい……カレー?」
大井「北上さんのために作ったの。ぜひ食べていってちょうだい?」ニコ
北上「なんで執務室でカレー作ってんのこの人……」
提督「飯テロだろ」ケッ
北上「その口ぶりだと、提督の分ないの?」
大井「なんで私がこんなウスラトンカチなんかのために料理しなきゃいけないんですか?」ニッコリ
提督「けっ、けっ。も一つおまけにけっ。勝手にしやがれ」ケッ
北上(まーたケンカしたな……)
北上「誰も得しないツンデレアピール好きだねぇ、大井っちは」パク
大井「……」
提督「大丈夫か北上、妙なモン入ってねえか」
大井「は?」ギロ
大井「ご、ほん。北上さん、おかわりたくさんありますからね?」ニコ
提督「あるんなら俺の分も用意しろやこのアマ……!」プルプル
大井「あーらごめんなさいね、うっかりお皿を用意し忘れて」オホホ
北上「うーん。大井っちの気持ちは嬉しいんだけど、そんなお腹空いてなくてさー」
大井(´・ω・`)
北上「このお皿の分も食べ切れそうにないや」ケプッ
大井「じゃあその余りは私が!」ノシ
北上「というわけで、はい提督。あーん」つスプーン
提督「えっ」
大井「……は?」
「 は ? 」
ガシャンッパリン!
大井「北上さんから離れなさいこの色情魔! なにうらやまゲフンゲフンけしからんことしでかしてくれてるのよ!!」
提督「俺じゃねえよ見てただろ! 今のは北上が勝手に!」アセアセ
北上「大井っちー」
大井「問答無用!!!」ジャキン
提督「魚雷はやめろおおおお死んじゃうううううう!!!」
北上「大井っち大井っちー。旦那様を照れ隠し兼八つ当たりで撃つのはさすがに止めとこうよー」
大井「……………………なんの話です?」ニッコリ
北上「なんか誤魔化したい時にニッコリ笑顔なのは昔から変わんないよねぇ。ねー提督ー?」
大井「……」
提督「……」ポリポリ
北上「それでさ、今さ、大井っちさ。あたしが提督にスプーン向けた時さ」
北上「――あたしに向けて、殺気放ったよね?」ニヤ
大井「っ」
提督「……」ポリポリ
北上「ね。大井っちが今でもあたしとの友情を大事にしてくれてるのは、すっごく嬉しいよ?」
北上「でもさ。大井っちの本音は、今出た通りなワケ」
北上「いくらお二人さんが心底通じ合ってるっていっても、限度があるでしょ?」
北上「言葉に出さないことで、いつか些細なすれ違いが起こるかもしれない」
北上「表面上の振る舞いが内心に影響しない、なんて誰に断言できるのさ」
提督「……」
大井「……」
北上「だからさぁ……もうちょっとだけでいいから、素直になろ? ね?」ニヘラ
提督「北上。その……すまんかった」ペコ
大井「まさか北上さんが、そんな風に考えてたなんて……ごめんなさい」ペコ
提督「今まで悪かった。これからはもうちょっと、うん。素直に、なるわ」
大井「北上さんに誓って、約束しますっ」
北上「ふふふ。あたしはいつだって、二人の幸せを願ってるよ」ニコ
提督「北上……!」
大井「ああ……! やっぱり北上さんは現世に舞い降りた天使だったんだわ……!」
提督「その、なんだ。頑張ろうな、お前」
大井「はいあなた♪」
北上「……」ニコニコ
北上(そう。あたしはいつだって、二人の幸せを願ってる――)
キャッキャウフフ
北上(そしてそれ以上に、めんどくさい夫婦のお守りから解放される、あたし自身の利益を願ってるよ)ニヤァ
艦!
〈反逆の雷装ニング・ディスオベイ〉
ざわ……ざわ……
北上「てなことがあったわけよー、球磨姉多摩姉木曾っちー」ダラーン
球磨「ふーん」チラッ
多摩「で、その結果」チラッ
木曾「ああなった、と」チラッ
大井「うふ、うふふふふ……♪ はいあなた、愛情たっぷりの大井カレーです♪」
提督「愛情以外にもいろんなものが入ってそうなんですがそれは」
大井「押し倒すのは家に帰るまで我慢してくださいね///」モジモジ
提督「うおぉぉぉい!! やっぱ入ってんじゃねえか媚薬とか媚薬とか媚薬とか!!!」
大井「……じゃあ、食べるのやめます?」
提督「……ちっ」パク
大井「……」
パクパクガツガツ
提督「ごっそーさん」
大井「……」
提督「帰るぞ」
大井「はい」
提督「……途中で我慢できなくなったら、その場でヤるからな///」ボソ
大井「……はい///」ポッ
イチャイチャコラコラ
球磨(^q^)ドバー
多摩(^q^)ドバー
その他食堂に居合わせた艦娘一同(^q^)ドバー
木曾「あんたがめんどくさがった結果被害広がってんじゃねえか北上姉貴ぃぃぃぃ!!!」ドバー
北上「降りかかる火の粉は受け流して延焼させる。それが孤高なる雷巡の流儀だよー」ドバー
木曾「ふざけるな姉貴!」
艦!
113 : ◆F.lQmLP.5M - 2015/03/06 18:31:19.23 cMadPU9bO 45/109遅筆だった分多めの文量になっちまいましたね
長々とすいません
ご一読ありがとうございました
〈クマー〉
球磨「大井」
大井「どうしたの、球磨姉さん」
球磨「その後、提督とは上手くやってるクマ?」
大井「……別に。姉さんなんかに心配されるようなことはなにもありません」ツン
球磨「ほほう? ねーちゃんにそんな口の利き方をしていいのかクマ?」
大井「ね、姉さんなんか怖くないもんっ」
球磨「あれはもう何年前のことになるクマか……素直になれないってぐずりながら酒瓶抱えた大井が球磨の部屋に……」
大井「わー! わーわーわわー!!///」アタフタ
球磨「ねーちゃんに生意気言おうなんて100年早いクマ」フフン
大井「うう」
球磨「で? 提督とは?」
大井「本当になにもありませんっ! いつも通りです!」
球磨「ツンデレとかじゃなく?」
大井「ツンデレとかじゃなく! っていうかツンデレじゃありませんしー!」
球磨「それはお前ちょっと無理があるクマ。雲龍が巨乳じゃないってぐらい無理があるクマ」
大井「うう」
球磨「ま、要するに……」
大井「?」
球磨「今、幸せってことクマ?」
大井「……」
球磨「……」
大井「///」コクリ
球磨「そ。それはよかったクマ」ニコニコ
大井「うう///」
球磨「大井は悪い子じゃないのに口だけはアレで、しかもなかなか北上離れしないから、嫁の貰い手があるか心配だったクマ」
大井「……」
球磨「いやーこれでねーちゃんも一安心クマー」
大井「……」
大井「ヒトのことより自分の心配しなさいよ」ボソ
球磨「今 な ん つ っ た オ イ ?」ギロ
大井「なんでもありませんマム!!!!」ビシッ
艦!
〈タマー〉
多摩「提督」
提督「どうした多摩」
多摩「タマ姉」
提督「は?」
多摩「これから多摩のことはタマ姉と呼ぶにゃ。じゃないと返事しないにゃ」
提督「は? え、いや……………………は?」
多摩「まあ、要するに。多摩は提督のお義姉さんってわけにゃ」
提督「そりゃあ、確かにそうなるわな」
多摩「で、タマ姉」
提督「そこんとこ微妙に飛躍してる気がするんだが……姉貴、じゃダメなのかよ。木曾だってそう呼んでるし、俺のキャラ的に『タマ姉』はどうもよぉ……」
多摩「ダメにゃ」
提督(一蹴された)
多摩「それじゃあ、りぴーとあふたみー、タマ姉」
提督「俺の自由意思はどこへ……タマ姉」ゴニョゴニョ
多摩「もっと大きな声で」
提督「タマ姉」
多摩「全然小さい! タマ姉!」
提督「……タマ姉!」
多摩「玉ぁついてんのかどこに落としてきたにゃ! それでも男か!」
提督「」プチッ
多摩「タマ姉!」
提督「タマ姉!!」
多摩「おーいい感じにゃその調子でどんどん行くにゃ!」
提督「タマ姉!!!」
多摩「タマ姉!!!!」
提督「タマ姉!!!!!」
ガチャ
大井「なんなんですか二人とも、部屋の外まで大声がしてm」
多摩「大井の胸は!!!!!!」
提督「たまんねえ!!!!!!!」
多摩「……」
提督「……」
大井「……」
シーーーーーーーン
多摩「にゃっ♪」ダッ
提督「多摩ああああああああああああ待てやてめえええええええええええええ!!!!!」ダッ
ドタドタドタドタ ワーワー ナニガハジマルンデス? コワイワーテロリストヨー
大井「……なんなのよもう」
大井「……」
大井「……」モミ
大井「……」
大井「うふふっ♪」ニヘラー
艦!
〈キソー〉
大井「木曾、木曾。ちょっと待ちなさい」
木曾「おう、どうした姉貴」
大井「あなた髪の毛がボサボサよ。梳いてあげるからこっちに来なさいな」
木曾「なに言ってるんだよ、オレはこれから出撃だぜ? 髪なんざどうでもいいだろ」
大井「はぁ……いいから、こっち来なさいっ」グイ
木曾「っと、わ、わかったわかった! だから引っ張るな!」
大井「これでよし、っと。まったく、あなたといい北上さんといい頓着しないんだから」ブツクサ
木曾「ったく、これだから大井の姉貴は口うるさくて困る」ブツクサ
大井「なんか言った?」ニッコリ
木曾「……なんでもない」
大井「よろしい。あなたも女の子なんだから、少しは身だしなみに気を遣いなさいな」
木曾「オレの柄じゃあないんだがな……」ガシガシ
大井「ああっまたそんなふうに掻いて!」
提督「おうお前ら、こんなところにいたのか」
大井「あなた」
木曾「っと、もう出撃の時間か?」
提督「それにはまだ少し時間があるが。なにしてたんだ?」
大井「ん」つ櫛
提督「なるほど。まあ木曾はそういうところあるよな」
木曾「(わかるんかい)……提督も姉貴と同意見か?」
提督「同じってほどでもない。髪がどうだの化粧がどうだのは個人の自由だからな、俺から口出しする気はねえよ」
大井「む」
提督「ただ、まあ。軍装をきちんと整えるのは戦う相手への礼儀だ、って考え方もあるからな」
木曾「む……確かに」
提督「大井のワガママにも一理あるってことだ。たまにでいいから付き合ってやれ、木曾」
大井「ワガママってなんですかワガママって!」キー
木曾「……ふっ」クス
提督「ん?」
大井「どうしたの、木曾?」
木曾「いや、なんだかな。今のやりとりが……ふふふっ」
二人「「??」」
木曾「姉貴にお小言もらって、『兄貴』にやんわり諭されて。いかにも、『家族』だな――って思えてさ」
二人「「ぶっ!」」ゴホッゴホッ
木曾(今さらそこで噴き出す必要あるか……?)
艦!
〈雪風ェ!〉
雪風「しれぇ! しれぇ!」ピョンピョン
提督「おー雪風、どうした?」
雪風「雪風、遠征大成功でした!」
提督「おお!」
雪風「褒めてください、しれぇ!」ピョン
提督「おー、偉い偉い。よくやったぞ雪風」ナデナデ
大井「……」ジー
提督「……お前がなに考えてるのかはだいたいわかるが、事実無根だ」
大井「別に。まだなにも言ってないでしょロリコン」
提督「言った! 今言ったぞ! ちょっと駆逐艦褒めただけでペド扱いとかざけんなよてめえ!」
大井「今のは単なる語尾ですロリコン。そんな青筋立てないでくださいよロリコン」
提督「お前のような球磨型がいるか! 球磨と多摩とついでに木曾に謝ってこいや!」
ワーワーギャーギャー
雪風「大井さん大井さんっ」クイクイ
大井「ぜぇ、はぁ……あら、どうしたの雪風?」ニコ
雪風「大井さんも雪風のこと、褒めてくれますかっ?」
大井「え゛」
雪風「……」キラキラ
大井「……」ダラダラ
提督「……」ニヤニヤ
大井「え、ええっと……その」
雪風「?」
大井「よ、よくがんばったわね、雪風」ナデナデ
雪風「えへー♪」ニコッ
大井「はうっ! 北上さん北上さん北上さん私には北上さんという人が北上さん北上さん」ブツブツ
提督「お顔が赤くなっていらっしゃいますが大丈夫ですかロリコン」
大井「っさいわね!!!///」
提督「しかしまあ、アレだな」ナデナデ
大井「どうかしました?」ナデナデ
雪風「♪」
提督「…………きたら」
大井「?」
提督「ガキができたら、こんな感じなのかもな///」ボソ
大井「……ぁぅ///」
雪風「?」キョトン
艦!
〈侘び寂び〉
北上「>>106で素直になるって言ったよね?」
提督「うん、まあ……」
大井「言いましたけど……」
北上「じゃあデレてみよっか(無慈悲)」
提督「みよっかとか言われたぐらいではいそうですかとデレられるか!!」
大井「そんな簡単にいったら誰も苦労しません!!」
北上「ほほうつまり叶うことならデレたいと」
二人「「ぐぬぬ///」」
北上「そんなお二人さんに朗報でーす。はーいデレ薬ー(ダミ声)」パッパカパーン
提督「ええ……(困惑)」
北上「まあ要は自白剤なんだけどね」
大井「さらっとすごいこと言いましたね」
北上「でもさー二人とも、本音ではデレたいんでしょ? なら状況に即した処方箋だと思わない?」
提督「……」
大井「……ください、北上さん」
提督「お、おい!」
大井「なんですか怖気づいたんですか? これだから玉無しは」ハン
提督「カッチーン。誰がビビってるってコラァ!?」
北上(チョロいなぁ)
大井「私には憚るところなんてありません。だってあなたを……あ、あ、あ、アレしてっ、ますから! 素直になるって北上さんに誓いましたから!」
提督「お、おおお、俺だって無問題だしー! 今すぐやろうと思えばデレられますしー! お、お前をアレしてるからなー!」
北上(じゃあ薬なしでデレろよ)
北上「そんじゃ、飲む決心はついたみたいだし」ゴソゴソ
北上「一本ずつ渡してバイビーさよなら、あとは若い二人でどうぞー」ピュー
ガチャッバタン
提督「……」
大井「……」
提督「……飲むか」
大井「……は、はい」
ゴクッゴクッゴクッ
大井「ぷっ、は」
提督「どうだ……? なんか変化あるか?」
大井「そうですね。心なしか、頭がくらくら、するような」ポー
提督「自白剤だもんな……専門じゃあねえけど、自我が希薄になったりとかの、なんかそういうアレなんだろうな……」ポー
大井「……」ボー
提督「……」ボー
大井「あなた」
提督「ん?」
大井「あなたは、私の、なにがいいんですか?」
提督「なにが……?」ポー
大井「……私、こんな性格ですから。男に好かれるような女でないことは、自覚してます」
大井「それでもあなたは、私を選んでくれた……嬉し、かったです」
大井「嬉しくて嬉しくて、指輪を渡された瞬間、本当は大声で叫びだしたいぐらいでした」
大井「嬉しかったです。でも、なんで、なんですか? 私のどこがよかったんですか?」
提督「……」
大井「教えて、ください」
提督「……お前の」
大井「はい」
提督「髪が好きだ。茶色くて長くて綺麗な……悪い、語彙が絶望的に貧困だわ。とにかく髪が好きだ」
大井「いいです、いいんです。全然気にしてません。嬉しいです」ニコ
提督「声が好きだ。でも猫被ってる時は好きじゃない」
大井「ごめんなさい」シュン
提督「謝んな。だって他の声は全部好きだ。呆れ声も怒り声も『なき』声も、魚雷いじってる時のハイな声も、北上呼んでるマジな甘え声も」
提督「俺と毎日軽口叩き合ってくれるその声も、全部最高に大好きだ」
大井「///」
提督「指が好きだ」
大井「はい」
提督「目が好きだ」
大井「はい……」
提督「つーか身体が全体的に好きだ」
大井「もう……」
提督「胸、たまんねえ」
大井「もうっ///」
提督「でも一番はやっぱ……お前と積み重ねてきた、今までの全部だ」
大井「……」
提督「はっきり言うぞ。俺、最初はお前のこと、大嫌いだった」
大井「……奇遇ですね、私もです」
提督「なにかにつけ北上北上うるさくて、ドック入れるたびいちいち嫌み垂れて、そのくせ戦闘では役に立たねえ。まああの時期はなにもかも手探りだったから、しょうがねえっちゃしょうがねえんだが」
大井「指揮はお粗末口だけ達者、そもそも私は根本的に男嫌い。北上さんも未着任で私のストレスはマッハ、結果売り言葉に買い言葉の無限連鎖、と」
提督「最悪だな」クックッ
大井「最悪ですね」クスクス
提督「今お互いに記憶失くしたら」
大井「間違いなく離婚ですね」
提督「大井」
大井「はい、あなた」
提督「好きだ」
大井「はい」
提督「俺と、ずっと一緒に戦ってきた、くれた、お前が好きだ」
大井「はい」
提督「近くも遠くも、北も南も西も東も」
大井「はい」
提督「真珠の海も鉄底の海も霧の海も、ピーコックもミッドウェーもパラオもトラックも」
大井「はい」
提督「全部全部俺と一緒に越えてくれた、そんなお前だから――愛してるんだ」
大井「……はい」ニコ
提督「……これで、満足したか?」
大井「はい」ニコニコ
提督「じゃあ今度はお前の番な」
大井「あなたと同じです」ニッコリ
提督「おっま、それズルいだろ」
大井「だって本当に同じなんですもの」クスクス
提督「あーちくしょー、結局俺がこっぱずかしいこと喚いただけかよっ」ガシガシ
大井「……一つだけ、付け加えるとするなら」
提督「ん?」
大井「私の、『大井』という存在を構成するすべてのことを受け入れてくれた、そんなあなたを」
提督「……」
大井「愛して、ます」ニコ
提督「……」
ガバッ
提督「……」
大井「……布団、ありませんけど」
提督「敷くか、今から」
大井「それまで我慢、できますか?」
提督「できねえ。お前は?」
大井「……できません」
提督「……」
大井「……」
「せめて電気は、消してくださいね……?」
木曾「///」
球磨「はーいドアの隙間からこんにちはな出歯亀ここまでクマー」
北上「木曾ちゃんが限界なので猫吊るしさんに仕事してもらいましたー」
多摩「いやーいいもん見れたにゃ。別に多摩は続き見てっても構わないけどにゃ」
木曾「///」
球磨「やめとけクマ。もしバレたら大井が自死するかお前たちが皆殺しにされるかのどっちかクマ」
北上「球磨姉は?」
球磨「……私が殺られるとでも?」
北上「アッハイ」
木曾「……っは! は、や、い、あ、あわわわわ///」ワナワナ
多摩「我らの可愛い末っ子が正気に戻ったにゃ。そろそろ撤退するにゃ」
球磨「しっかし北上、よく自白剤なんて入手できたクマねー。おかげで糖分には当分事欠かないクマー」ドバー
北上「あれただの砂糖水だよー」
木曾「えっ」
多摩「えっ」
球磨「えっ」
『大井、大井ッ! 薬、だもんな! いつもより激しくても、しょうがない、よなっ!』
『はい、はいぃ! わ、私がいつもより……なのも、みんなみんな、お薬のせいですからぁ!』
■健全だ■猥褻が一切ない■
球磨「……」
多摩「……」
木曾「……」
北上「……プラシーボって、何気に侘び寂びよねー」
艦!
245 : ◆F.lQmLP.5M - 2015/03/15 22:08:29.64 xd6N5bXvO 84/109いい感じの最終回になったのでここで畳むべきか否かちょっと迷ってました
でもまあ、もうちょいだけ続けます
なんかこう、妙な心残りがあるんですよね、このスレに
それが解消するまでお付き合いいただければ幸いです
ご一読ありがとうございました
〈魔法の言葉〉
チュンチュンチュチュン
提督「っし、今日も一日気張っていくか。おい」
大井「……」
提督「おい。おーい。大井? お前ー?」
大井「っ、あ。なんでしょう、はい」
提督「いつものだよ、いつもの。今日のスケジュール確認」
大井「ああ、そう、そうですよねもちろん……でも、その前に」
提督「ん?」
大井「おはようございます」ペコリ
提督「あ? どうした急に。家でも言ったろ」
大井「いえ、ね。こうして改めて、職場で『おはようございます』を告げるのも……」
提督「風情とやらがあっていい、ってか?」
大井「ふふっ」
提督「……おはよう、大井」
大井「はい、おはようございます」
提督「いいな、これ」
大井「でしょう?」ニコ
ホーホー
提督「あ゛~疲れた」ガチャ
大井「ですねぇ」
提督「……お前」
大井「はい?」
提督「今帰った」
大井「……おかえりなさい」ニコ
提督「おう」
大井「今日も一日、お疲れ様でした」
提督「お前もな。おかえり」
大井「はい、ただいま。お風呂にします、ご飯にします?」
提督「……」ギュッ
大井「きゃ」
提督「お前、さっきから反則だ。素直になりすぎだっつーの。破壊力ありすぎでヤバイんだよ///」
大井「それはこっちのセリフです///」ギュ
提督「頼む、もうちょっとだけでいいから自重してくれ……俺が自制できなくなる……」ギュギュー
大井「や、です」
提督「んでだよ……」
大井「北上さんとの約束ですもん」
提督「結局北上かよぉ」
大井「……ごめんなさい。今の、ウソです。言い訳です」
提督「あ?」
大井「私が、そうしたいと思ったから、こうしてます」ギュギュー
大井「……」
提督「……」
提督「さっきの質問、まだ答えてなかったよな」
大井「お風呂? ご飯? まあ、どっちも準備はこれからですけd」
提督「風呂場行ってお前食う」
大井「……」
提督「……」
大井「もしかして私たち、割と手遅れなのかしら……///」モジモジ
提督「かもな……///」ハァァ
艦!
〈実際ツンも捨てがたい〉
ワイワイガヤガヤ
提督「おい、あれ」
大井「はい。そっちもそれ」
提督「ほらよ。やっぱカレーには福神漬だな。らっきょとかありえねえわ」
大井「どうも。やっぱカレーにはらっきょよね。福神漬とかないわー」
提督「……」
大井「……」
提督「あ?」
大井「お?」
ワーワーギャーギャー
多摩「なんでいちゃつきながらケンカしてるんにゃあの人たち……」
木曾「しかもなんで食堂でやるんだ……」
北上「私とすれば、間に挟まれなきゃなんでもいいんだけどねー」
球磨「っていうかデレ期入ったんじゃなかったクマ?」
北上「メリハリの問題なんじゃない? なんだかんだ人目のあるとこは恥ずかしいだろうし。この後執務室で二人、いちゃいちゃする予定なんだってさー」
三人「「「あーそう……」」」
艦!
〈なにこれ〉
提督「大井」
大井「はい、あなた」
提督「……」
大井「? どうかしました?」
提督「お前の、『はいあなた』って言葉の響きが好きだ」
大井「はあ」
提督「要するに、呼んでみただけだ」
大井「……バカみたい///」
提督「うっせ」
大井「あなた」
提督「どうした、お前」
大井「あなたの、『どうしたお前』って言葉の響きが、好きです」
提督「……」
大井「……」
提督「ばーか///」
大井「お互い様ですー」ベー
ヤイノヤイノ イチャイチャ
北上「……」
雪風「北上さん、あれなんですか?」
北上「あたしに聞かれても答えかねるなー」
雪風「じゃあ誰に聞けばわかるんですか?」ハテナ
北上「この世の誰に聞いても無理じゃないかなー」
艦!
〈これからもずっと〉
ホーホー
提督「」グビ
大井「……」
提督「ん」
大井「はい」トクトクトク
提督「サンキュ。酌はもういいから、隣来い。お前も飲め」
大井「それじゃ、お言葉に甘えて」
コテン
提督「……どうした」
大井「どうしたって、なにが?」
提督「肩、重い」
大井「お酒、飲みましたから」
提督「あ?」
大井「酔っぱらっちゃったら、普段はしないようなことしても、不思議じゃありませんよね?」
提督「あー……だな。そりゃそうだな。不思議じゃないわな」
大井「でしょう?」クス
グビッ
提督「横須賀の冬も終わりだな」
大井「こうして縁側で晩酌できる程度には、そうですね。終わりで、春ですね」
提督「前から気になってたんだけどよ」
大井「はい」
提督「あの年甲斐のないヘソ出しルック、冬の間寒くねえの?」
大井「は?」ツネッ
提督「いてえよ」コツン
大井「乙女の頭を殴るんじゃないわよ」ビシ
提督「上官にチョップかますたぁいい度胸だコラ」ガシッ
大井「……」
提督「……」
大井「ふふふっ」
提督「くっくっくっ」
アハハハハハ
大井「ええっと、ふふ、なんでしたっけ?」
提督「腹冷えねえの?」
大井「まあ、主な仕事場は亜熱帯から熱帯ですし」
提督「いやでも海上だと夜とかヤバイし、速度出したら腹冷えるだろ、風とか」
大井「そんなヤワな身体してませんよ」
提督「腹巻きとか……」
大井「しません! 死んでも! さっきから腹腹うっさいわね! 私のお腹になんのこだわりがあるワケ!?」プンスカ
提督「だってよぉ」
大井「だって? なんです?」ギロ
提督「のちのち、ガキの身体に悪かったりしねえのかなぁ、って」ボソ
大井「……」
提督「……」
大井「『できちゃった』も言わないうちから気が早すぎませんこと、あなた?」ニッコリ
提督「うっせうっせ! 気になっちまったんだからしょうがねえだろぉ!?///」ウガー
大井「子ども、かぁ。まあその、現実味が、まるでないわけじゃあ、ないですけど?///」プイ
提督「///」ポリポリ
大井「……何人ぐらい欲しいですか?」
提督「五人」
大井「え゛。なんですかその即答っぷり」
提督「お前ら姉妹の関係が、俺、割と好きだからさ……同じぐらいは、欲しい」ゴニョゴニョ
大井「……」
提督「くっ///」
大井「……」
提督「あーもうやめやめ、この話やめだやめ」グビッ
大井「……」
提督「あーうめーうめー、酒のつまみはやっぱさきいかに限るわー」クチャクチャ
大井「……」
提督「大井?」
大井「五人、ですか。そうですか」
提督「は? お、大井さーん? なに言ってんのー?」
大井「……」
「それじゃああと四人、頑張らないとですね」
提督「……」
大井「……」
提督「え?」
大井「」コクリ
シーーーーーーーーーン
提督「大井ッ!!」ガバッ
大井「きゃっ」ビク
提督「大井、大井、大井、大井ぃ!!」ギュギュギュー
大井「きゃ、あの、ちょ、あなた……痛いですっ」
提督「あ、や、わりっ」バッ
大井「い、いえ///」
提督「ああぁぁ、いろいろ言いたいことあっけど、上手く言葉になんねぇ……!」フルフル
大井「……じゃ、無理に言葉にしなくていいです。バカなりの言葉なんて練らなくて結構」ニコ
提督「あん?」
大井「そのかわり。私から、一言だけ……」
大井「愛してます。あなたという一人の男性を、心から、この世で一番に、愛してます」
提督「……今なんつったオイ」
大井「もう一度聞きたいです?」ニコ
提督「決まってんだろ。何度でも聞きたい。また雪風やら北上やらに邪魔されんとも限らん」
大井「等価交換です」
提督「愛してる」
大井「今なんて?」
提督「この世でお前だけを……ああいや、ガキは別カウントとして……愛してる女は、お前だけだ、大井」ギュ
大井「……もういっかい///」ギュ-
提督「等価交換だ」
大井「けち」
提督「お前が先に言い出したんだろが」
大井「ちぇっ、心の狭い男」
提督「なんとでも言え。安売りはしてねーんだよ」
大井「高いのは気位だけでしょうに」クス
提督「うっせーよ」ククッ
大井「……愛してます、ずっと」ギュ
提督「……俺も」ギュ
艦!
313 : ◆F.lQmLP.5M - 2015/03/19 23:17:07.00 pBYjWw7dO 109/109
また会おう大井トリックス
というわけで大井っちスレリターンズ終了です
にんっしんエンド二連続とか芸がないなぁと自分でも思いますが、この二人の劇終はこれ以外考えられませんでした
次スレの候補は羽黒、神通、鳳翔さんあたりですかね
おとなしめのカップルをしっとり書きたい気分です
とか言いつつ蓋を開けたらまったく別物な可能性もありますが
HTML化に間に合ったら次スレ貼りに来ます
ご愛読いただきありがとうございました