犬娘「くぅーん...くぅーん...」
幼女「...ダンボールの中に犬のコスプレをした変な人が居る」
犬娘「くぅーんくぅーん」
幼女「...あれ?ダンボールに何か書いてある」
『メスです かわいがってください』
犬娘「くぅーん...」
幼女「捨て犬...?」
元スレ
犬娘「くぅーん...」幼女「捨て犬...?」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1420987358/
幼女「どうしよう...拾ってあげたいけど何か怖い...」
犬娘「...」ピクッ
幼女(あっ、こっちに気付いた)
犬娘「くぅーん...」キラキラ
幼女「や、やめて!そんな視線を送らないで!」
幼女(うぅ...どうしよう...でもあれやっぱり犬じゃないよね...)
幼女(何か事情があって犬のコスプレをしてるとか...?)
幼女(今日は冷えるし一晩くらい...同じ女の子だから襲われる心配もないよね?)
幼女「...一晩だけ泊めてあげようか?」
犬娘「!」
幼女「家はここを真っ直ぐ行ったところなんだけど...歩ける?」
犬娘「」スタッ
幼女(あ、立てるんだ)
幼女(それにしても完成度が高いコスプレだなぁ...耳に尻尾まで生えてる)チラッ
犬娘「♪」ルンルン
..........................................................
..............................................
幼女「ここが私の家だよ」
幼女「家には私以外誰も居ないからゆっくりしてもらっていいけど...一晩だけだからね?」
犬娘「...!...!」コクッコクッ
幼女「じゃあとりあえず中に入って...」ガチャ
犬娘「帰巣魔法!!!発動!!!」ピカッ
幼女「!?」ビクッ
幼女「え...?なに?今の光...?」
幼女「き、帰巣魔法...?」
犬娘「やったー!ついに家が見つかったー!」ピョンピョン
犬娘「いやー三日間もダンボール生活はさすがにきつかったね!おかけでお腹ペコペコだよ!」
犬娘「あ、今日からよろしくね♪ご主人様♪」
犬娘「それとも旦那様?マスター?」
幼女「ね、ねぇ!さっき何をしたの!」
犬娘「ん?帰巣魔法のことかな?」
犬娘「まぁ簡単に言えばここの家のファミリーに私も入ったってことかな~」
幼女「は、はぁ!?」
犬娘「でも追い出したりしないから安心してね♪あくまで私はご主人様のペットだよ♪」
幼女「い、意味が分からない...」
幼女「しかも態度がさっきと全然違う...」
犬娘「犬なのに猫被ってたんだよ♪こっちの方が拾われやすいと思ってね♪」
幼女「と、とりあえず出ていって!」ギュー
犬娘「え~せっかく家を見つけたのに~」
幼女「さようならぁ!」ゲシッ
犬娘「きゃうん!」ドンッ
バタン
ガチャ
ジャラララララララ
幼女「はぁ...はぁ...な、何だったんだあいつぅ...」
ヌルッ
犬娘「やっほー」
幼女「!?」
幼女「ど、どうして...?鍵をかけてチェーンもしたのに...!」
幼女「ていうかドアをすり抜けてる!?」
犬娘「だから言ったでしょ~帰巣魔法をかけたって」
犬娘「この魔法は私がどこに居てもこの家に帰れるし鍵をかけてもすり抜けて家に入れる魔法なんだよ~」
幼女「はぁっ!?」
犬娘「ということでしばらくの間一緒に住んでもいいかな?」
幼女「い、嫌っ!」
犬娘「え~さっきは家に誘ってくれたじゃん~」
幼女「それは一晩だけの話だし家がない可哀想な子だと思っただけ!」
幼女「早く自分の家に帰ってよ!!!」
犬娘「だから捨て犬だってば~ちゃんとダンボールに幼稚園児でも分かるように書いてたでしょ?」
幼女「ならどうして捨てられたの!?さっきの魔法で自分の家に帰ればいいでしょっ!」
犬娘「...実は理由があってね」
犬娘「私を飼ってた家族のお父さんが突発性犬アレルギーを発症して仕方なく飼い犬を手放すことにしたんだけど私だけ引き取り先が見つからなくてね...」
幼女「えっ」
犬娘「私は保健所に送られることになったんだけどそれだけは駄目って娘さんが優しい人に拾われるように私をあそこに置いていったんだ...」
幼女「...」
犬娘「というのは嘘でこたつの電源を入れっぱなしにして出かけたら家が火事になって帰る場所がないんだよね」
幼女「」
犬娘「ちなみに私は一人暮らしだから正確に言えば捨て犬というよりホームレス犬だね♪」
幼女「き、聞いた私がアホだった...」
犬娘「新しい家が見つかるまでの間でいいからお願い~♪ちゃんとお金も入れるからさ~♪」スリスリ
幼女「ダメェ!今すぐ出てけぇ!!!」
犬娘「こんなに可愛い子と同居出来るんだよ?逆にお金を貰ってもいいくらいなのに」
幼女「私はノーマルなのぉ!!!」
犬娘「...あーあ、また寒い外に帰るのかぁ」シュン
犬娘「この三日間まともにご飯も食べてないからお腹空いたなぁ...」グゥー
幼女「そ、そんなこと言ってもダメだからね...」
犬娘「...ちょっと疲れて来ちゃったな」グタッ
犬娘「あぁ...何だかとても眠い...」
犬娘「...」
犬娘「」シーン
幼女「えっ」
犬娘「」
幼女「ね、ねぇ...起きてるんでしょ?」
犬娘「」
幼女「ちょ、ちょっとぉ...」ユサユサッ
犬娘「」
幼女「...」サスサス
幼女「うそ...心臓が止まってる...」
幼女「ど、どうしよう...このままじゃ...」キョロキョロ
幼女「と、泊めてあげるから起きてよぉ...」
犬娘「いやぁ!心臓を止めるのは苦しいね!天使が迎えに来た気がしたよ!」ガバッ
幼女「!?」ビクッ
犬娘「じゃあ改めて今日からよろしくね♪ご主人様♪」
幼女「えぇ...」
犬娘「では今日は私がこの家に来た記念日ということで...!」
グゥー
犬娘「...とりあえずお腹空いてるからご飯作ってくれるかな?」
幼女「そ、それより確認したいことがあるの!」
幼女「ま、魔法が使えるってことはその耳と尻尾って...」
犬娘「あぁ、これ?もちろん本物だよ?」ヒョコ
幼女「うわぁ...すごい本物なんだこれ...」ウズウズ
幼女「さ、触ってみてもいい?」
犬娘「いいけど...優しくしてね?」
幼女「じゃ、じゃあ遠慮なく...」
サワッ
犬娘「ひゃんっ///!」ビクン
幼女「!?」
幼女「ちょ、ちょっと!変な声出さないでよっ!」
犬娘「だってぇ...耳は弱いんだもん...///」
犬娘「...ふぅ、落ち着いた」
犬娘「今度は大丈夫だよ!耳でも尻尾でも好きなところを触っていいよ!」
幼女「...本当に?」
犬娘「うん!バッチコイだよ!」
幼女「じゃ、じゃあ尻尾を...」
サワッ
犬娘「らめぇっ!!!」ビクンビクン
幼女「う...うるさい!近所の人に聞こえたらどうするの!」
幼女「それに全然大丈夫じゃないし!さっきより声大きくなってるし!」
犬娘「だってぇ...付け根は反則らよぉ...///」ビクン
幼女「もういい!ご飯にする!」
犬娘「えー...もっと触ってよぉ...」カクカク
幼女「カクカクするなぁ!!!」
幼女「とりあえず冷蔵庫にあるやつで適当に作るけど...犬なのに人間のご飯って大丈夫なの?」
犬娘「獣人だからね~半分は人だから大丈夫だよ♪」
幼女「あっそう」
幼女(えーっと...この材料ならハンバーグが出来るかな?)
犬娘「♪」
トントン ジュージュー グツグツ
幼女「はい完成」
犬娘「おぉ!ハンバーグとお味噌汁とご飯かぁ!シンプルでいいね!」
犬娘「くんくん...うん!匂いも完璧だね!」
犬娘「てっきりゲテモノが出てくると思って警戒しちゃったよ!」
幼女「...」
犬娘「じゃあさっそくいただきまーす!」パクッ
犬娘「うーん...!久しぶりの白米は見に染みるなぁ!」
犬娘「じゃあ美味しそうなハンバーグも!」パクッ
犬娘「うん!おいs...」
犬娘「...」
幼女「あれ?どうしたの?」
犬娘「...このハンバーグって何が入ってるの?」
幼女「何って普通のハンバーグだよ?お肉にタマネギに...」
犬娘「グハッッ!!!!!」ビチャ
幼女「!?」
幼女「ど、どうしたのっ!?急に血を吐いて!」
犬娘「タ、タマネギって...駄目だよ...犬にネギ属をあげたら...」ピクピクッ
犬娘「ネギの成分が赤血球中のヘモグロビンを変化させて最終的に赤血球を破壊しちゃうんだよ...?」ピクピクッ
幼女「えー...でもさっき半分人だから大丈夫って...」
犬娘「は、半分は犬なんだから...」ピクピクッ
犬娘「うぅ...落ち着いた...」
犬娘「と、とにかく!これからは私にネギ系の食べ物を出したら駄目だからね!本当に洒落にならないよ!」
幼女「...めんどくさいなぁ」
犬娘「ペットの面倒を見るのは飼い主の役目だよ!」
幼女「勝手に住み着いたくせに...」
犬娘「まったく...痛い目に遭うのはこっちなんだからね」ズズー
幼女「あ、お味噌汁にもネギが入ってるんだった」
犬娘「ぐえっ」バタッ
犬娘「し、死ぬぅ...飼い主に殺されるぅ...」
犬娘「あぁ...パトラッシュ...私もう疲れたよ...」グタッ
犬娘「」チーン
幼女「えっ」
犬娘「」
幼女「も、もしもーし...」
犬娘「」
幼女「ま、まさか本当にネギの食べ過ぎで死んじゃったんじゃ...」
犬娘「...スゥ」
幼女「寝てるだけかい」
幼女「アホらしい...私も寝よっと」スタスタ
犬娘「Zzz...」スヤァ
幼女「...私はこれから本当にこのアホの世話を見るのかぁ」
..........................................................
...........................................
幼女「Zzz...Zzz...」スヤァ
スタスタ スタスタ
犬娘「うーん...むにゃむにゃ...」フラフラ
犬娘「くぅーん...」ゴロン
幼女「...ぐえっ」
犬娘「Zzz...Zzz...」ノビー
幼女「う、うぅ...」
~~~~翌朝~~~~
チュンチュン チュンチュン
幼女「...」パチッ
幼女「ふわぁ~あ...もう朝かぁ...」
モゾモゾ
幼女「ん?布団の中に何か...」チラッ
犬娘「Zzz...Zzz...」スヤァ
幼女「...どうしてこいつが私の布団の中に」
幼女「通りで寝苦しいと思った...」
犬娘「きゃう~ん...」スヤァ
幼女「...はぁ、昨日の出来事は夢じゃなかったのかぁ」
幼女「とりあえず歯磨いて顔洗って朝ごはんの準備でもするかぁ...」
ガシッ
幼女「ん?」
犬娘「すぴぃー」スヤァ
幼女「ちょ、ちょっと離してよ...」ググッ
犬娘「んやぁ...」グイッ
幼女「わあっ!」ドサッ
犬娘「くぅーん...」ダキッ
幼女「う、動けない...」ガチガチ
幼女「こ、こいつ寝癖が悪すぎる...早く脱出しないと...」
ヌクヌク ヌクヌク
幼女「あれ?何だかすごく暖かい...」
幼女「だ、駄目...眠くなってきt...」
幼女「Zzz...」スヤァ
........................................................
.........................................
犬娘「...」パチッ
犬娘「うーん...朝かぁ...」ノビー
犬娘「久しぶりの布団は気持ちいいねぇ!つい爆睡しちゃったよ!」
犬娘「...あれ?私こんなところで寝てたっけ?」キョロキョロ
幼女「Zzz...」
犬娘「??? どうして私ご主人様と一緒に寝てるんだろ?」
犬娘「まあいいや!せっかくご主人様がゆっくり眠ってることだし朝ごはんでも作ってあげようかな♪」
幼女「Zzz.........んっ」パチッ
幼女「あ、あれ...?私は確か...」
幼女「そうか...つい気持ちよくて寝ちゃったんだった...」
トントン トントン
幼女「...?何だかいい匂いが...」クンクン
犬娘「ふんふふーん♪ふふふーんふーん♪」トントン
幼女「...何してるの」
犬娘「あ!ご主人様おはよう♪」
幼女「お、おはよう..」
犬娘「今ねー朝ごはん作ってるんだよー♪」
幼女「料理できるの?」
犬娘「これでも一人暮らしだったんだよ?一通りの家事は出来るよ~」
幼女「へぇ...」
犬娘「はい完成!」
犬娘「どうぞ召し上がれ♪と言っても冷蔵庫の中のもので適当に作っただけだけどね♪」ゴトッ
幼女「...」
犬娘「ご主人様どうしたの???」
幼女「...ちゃんと冷蔵庫の中の物で作ったんだよね?」
犬娘「そうだけど???」
幼女「...ドックフードにしか見えないんだけど」
犬娘「まあちょっと魔法で形を変えたけど基本的には同じだよー」
幼女「...」
犬娘「いいから食べてみてよ!味は保証するよ!」
幼女「...分かった」
幼女「...」パクッ
幼女「...」ボリボリ
幼女「...」ゴクン
犬娘「どう?美味しいでしょ?」
幼女「...味が薄い」
犬娘「えーそうかなー?」パクッ
犬娘「うん!ちょうどいい味だよ?」
幼女「私はいらないからあげる...」
犬娘「せっかく作ったのにー好き嫌いは体に良くないよ?」パクパク
犬娘「さて!朝ごはんも食べたことだし散歩にでも行こうかな!」
幼女「いってらっしゃい...」
犬娘「何言ってるの?ご主人様も一緒に行くんだよ?」
幼女「えっ」
犬娘「はいこれ首輪とリード!」
幼女「...」
犬娘「早く付けてよー♪」フリフリ
幼女「これを付けて散歩するの...?」
犬娘「そうだよ?犬の散歩と言えば首輪とリードでしょ!」
幼女「絶対に嫌だぁ!!!」
犬娘「えーどうして?」
幼女「こんなの付けて女の子を連れ回したら変なプレイだと思われるよ!ご近所さんに変な目で見られるよ!」
犬娘「別に私は気にならないけどなー」
幼女「とにかく絶対に嫌だからね!」
犬娘「ちぇっ、じゃあ魔法で回りからは普通の犬に見えるようにするよ」ピカッ
犬娘「ほらこれでいいでしょ?」
幼女「...信用できない」
犬娘「もう...疑い深いなぁ。ちょっと待っててね」ダッ
犬娘「ほら!鏡で私を見てみなよ!野良犬に見えるはずだよ!」キラッ
幼女「...」ジー
モワモワモワァ
野良犬『どう?完璧な犬でしょ?』
幼女「た、確かに...」
犬娘「じゃあ朝の散歩にしゅっぱーつ!」
幼女「...」ギュッ
犬娘「ほらご主人様!もっと早く走ってよ!首絞めちゃうよ!」ダッ
幼女(...何このプレイ)
...........................................................
..........................................
犬娘「んー!朝日が気持ちいいねぇ!」
幼女「...」トボトボ
犬娘「ご主人様どうしたの?テンション低いよ~!」
幼女(ほ、本当に回りからは野良犬に見えてるんだよね?)キョロキョロ
犬娘「おっ!仲間発見っ!」ダッ
グイッ
幼女「な、仲間!?」
犬娘「ヘーイ!調子はどうよ!秋田犬君!」
犬「ワン!」ヘッヘッヘ
幼女(な、なんだ...普通の犬か...)ホッ
おばちゃん「あらお宅のワンちゃん元気ねぇ。ミックス犬かしら?」
幼女(よ、良かった...普通に犬に見えてるんだ...)
幼女「あぁ...はい...雑種です」
犬娘「もうご主人様!最近は雑種なんて使わないよ!ミックスミックス♪」
幼女(うぜぇ)
犬娘「じゃあねー!秋田犬君ー」フリフリ
犬「ワンッ!」
犬娘「いやぁ!やっぱり大型犬はいいね!小型犬にはない重量感があるよ!」
幼女「あっそ...」
犬娘「あっ!私ちょっとトイレ行きたくなったから首輪外すね」ガチャガチャ
幼女「!?」
幼女「ま、まさか電柱でするつもりじゃ...」
犬娘「さすがの私もトイレは人間の方だよー」
犬娘「じゃあここで待っててね!勝手に帰ったりしちゃ駄目だよ!」ダッ
幼女「...はぁ」
幼女「何か散歩だけなのにすごく疲れた...」
幼女「もしかしてこの散歩が毎日続くのかな...」
幼女「いや一日に一回だけじゃなくて朝と夜に二回あるのかも...」
幼女「うぅ...つらい...」
おっさん「...」
犬「きゃんっ!」
幼女「あ、小型犬だ」
幼女「小さくて可愛いなぁ...」
犬「...」ブルッ
おっさん「チッ」
犬「...」プリプリ
犬「...」ザッザッザッ
おっさん「終わったか?」
犬「きゃんっ!」
おっさん「...行くぞ」グイッ
幼女「...あの人飼い犬の糞を片付けないんだ」
幼女「そういえばこの公園...よく見たら犬の糞がいっぱい落ちてる...」
幼女「...マナーがなってないなぁ」
犬娘「うんうん...本当に駄目だよねあれは」
幼女「い、居たの!?」ビクッ
犬娘「ペットの尻を拭くのは飼い主の仕事だよ...アレだけに」
幼女「まったく上手くない...」
犬娘「ということでマナーがなってない飼い主は通報します!」プルプル
犬娘『あ、もしもし?警察ですか?実は飼い犬の糞を片付けない飼い主が居るんですが...場所は』
幼女(携帯持ってるんだ)
犬娘「よし!通報完了!」
幼女「通報って...警察にそんなこと言っても相手にしてもらえないよ」
犬娘「まぁ見てれば分かるよ♪」
犬娘「さっきのおじさんは今どこかな?」
幼女「あそこのベンチに座ってるけど...」
犬娘「じゃあすぐに来るはずだね♪」
幼女「来る...警察が...?」
バチバチバチバチッッッ!!!!!
幼女「!?」
幼女「く、空間に穴がっ!?」
犬娘「おー来た来た」
ケルベロス「グギャアッ!!!!!」ドスン
幼女「!? あ、穴から怪物が...!」
犬娘「お巡りさーん!あの人です!」ビシッ
ケルベロス「グギャッ!!!」ダッ
おっさん「あーダルい...何で俺が散歩なんか...」
ケルベロス「グギャアッッ!!!」ダダダッ
おっさん「...ん?何だあれ?犬?いやでも首が...三つある!?」
ケルベロス「グアッ!!!」ガブッ
おっさん「い、痛い!何しやがるこの犬!」
ケルベロス「グルルルルルル...!!!」ズリズリ
おっさん「や、止めろ!引っ張るな!」ズルズル
おっさん「クソッ!何て力だ!」
ケルベロス「ギャアッッ!!!」グイッ
おっさん「な、なんだこの穴っ!?う、うわああああああああああああああああああ!!!!!!!」
シュン
幼女「...なにあれ」
犬娘「地獄警察ケルベロスだよ?」
幼女「...なにそれ」
犬娘「簡単に言えばマナーがない飼い主を地獄でお仕置きする犬のお巡りさんだよ♪」
犬娘「最近犬の糞の放置のヘイトが飼い主じゃなくてなぜか私達犬に向けられてるからねー」
犬娘「犬のイメージダウンを避けるために用意された機関らしいよ?」
幼女「...やり過ぎじゃないの?」
犬娘「まあ殺しはしないから大丈夫だよ多分」
犬娘「それに糞を放置するなんて踏んだ側からしたら極刑ものだからねー。それぐらいしないと減らないよ」
幼女「そ、そうなんだ...」
犬娘「さあもうそろそろ帰ろっか!少し遠くまで来ちゃったから早く帰らないとお昼になっちゃうよ!」
幼女「...そういえばこの公園見覚えがないんだけど...ここどこなの?」
犬娘「大丈夫!私の帰巣魔法があるから家には問題なく帰れるよ♪」
幼女(これが正しい使い方か...)
...........................................................
.........................................
犬娘「到着!」
犬娘「今は...うん!ちょうどお昼だね!」
幼女(朝の貴重な時間をずっと散歩で過ごしてたのか...)
犬娘「お昼ご飯はどうするー?どこかで食べる?それとも作る?」
幼女「もうお店も混んでる時間だし私が作るよ」
犬娘「散歩のお礼に私が作ってあげよっか♪」
幼女「それだけは絶対嫌!」
犬娘「ところでさー、ご主人様の歳だと今の時間って学校に行ってるんじゃないの?」モグモグ
幼女「今インフルエンザで学級閉鎖中だから一週間ぐらいはお休み」
犬娘「ふーん...学生は羨ましいなー私は明日から仕事なのにー」
幼女「働いてたのっ!?」
犬娘「そりゃ働かないと食べて行けないからねー」モグモグ
犬娘「家が見つかったからいい加減出ないとクビになっちゃうよー」モグモグ
幼女「...どこで働いてるの?」
犬娘「んーとそれはねぇ...」
プルプルプルプル
犬娘「あっ!電話だ!ちょっと待っててね」
幼女「...」
犬娘『もしもしー?...あっ!店長!』
幼女(店長...?)
犬娘『うん!うん!そのことなんだけど昨日やっと家が見つかったんだよー!』
犬娘『えっ?人が足りないから今すぐ来てほしい?』
犬娘『それはいいけどさー...ん?人が足りないから友達も連れてきてほしい?』
犬娘「...」チラッ
幼女「えっ」
犬娘『了解♪じゃあ一人可愛い女の子を連れていくね♪』
幼女「ちょ、ちょっとぉ!」
犬娘『じゃあそういうことでー♪』プツッ
犬娘「ということになったけどいいかな?」
幼女「ど、どういうこと!?」
犬娘「大丈夫!接客業だけどご主人様なら問題ないよ♪」
幼女「はぁっ!?」
犬娘「じゃあさっそく行こうか!うちのバイト結構お給料貰えるんだよー♪」グイッ
幼女「お、押さないで!それにバイト先ってどこなのっ!」
『 メイド喫茶 ケモノっ娘クラブ♪ 』
幼女「...は?」
犬娘「ここが私の職場だよ♪」
幼女「...なにここ」
犬娘「何ってメイド喫茶だけど?」
幼女「は?」
犬娘「ここは色々都合がいいんだよねー。尻尾と耳もコスプレってことで隠さなくていいし」
犬娘「それに犬とメイドの相性ってバッチリだと思わない?」
幼女「思わない!!!」
犬娘「もうご主人様ったら分かってないなー」
犬娘「さっ!入り口でモタモタしてないで中に入ろっか!」
幼女「い、嫌っ!」
犬娘「えー...どうして?」
幼女「メイド喫茶なんてぼったくりバーと同じじゃん!それにお客は臭いハゲってイメージしかないよ!」
犬娘「人の容姿に文句を言うのは駄目だよー」
幼女「とにかく!私はそんな詐欺に加担する気はないの!帰るっ!」ダッ
犬娘「...」
犬娘「あーあ...時給一万円なのになぁ...」ボソッ
幼女「」ピクッ
幼女「い、一万円...?」
犬娘「働き次第ではボーナスも出るのになぁ...」
幼女「ボ、ボーナス...」ゴクリ
犬娘「まあでも嫌って言うなら仕方ないよね...無理強いは良くないか」
幼女「...」
犬娘「...じゃあ私は適当に働いて時給一万円を貰おうかな!」
犬娘「あ、ご主人様!今日の晩御飯は用意しなくていいよ?帰りに高級ステーキ食べるから!」
幼女「...」
犬娘「じゃあねーご主人様ー!」フリフリ
幼女「...ぅ」
犬娘「...え?何だって?」
幼女「だ、だから...や、やるぅ...」
犬娘「...」ニヤニヤ
幼女「わ、笑うなぁ!!!」
犬娘「いやーご主人様もやっぱり人なんだねぇ...お金で釣られちゃうんだ」ニヤニヤ
幼女「う、うるさい!さっさと案内しろぉ!」
カラン コロン♪
オカエリナサイマセ ゴシュジンサマ♪
犬娘「店長ぉー!来たよー!」
幼女(う、うわぁ...ここがメイド喫茶かぁ...)キョロキョロ
熊男「おお!よく来てくれた犬娘!」
犬娘「久しぶりだね店長!」
幼女(!?)
幼女(な、なんだこのゴツいおっさん...)
熊男「家が火事になったと聞いた時はビックリしたぞ!」
犬娘「いやー心配させてごねんね!もう家は見つかったから安心して!」
熊男「うむ!では休んだ分の働きをしてもらおうか!」
犬娘「もう!店長はキツいんだから!」
アッハッハッハッハッハ
幼女(...なんだこの空気)
熊男「ところでその隣の幼女は誰なんだ?」
犬娘「あっ!紹介するね!こちらは私の飼い主で助っ人のご主人様だよ♪」
熊男「おぉ!君が犬娘の飼い主か!」
幼女「は、はぁ...」
熊男「仕事の方も手伝わせてしまって申し訳ないな!頑張ってくれたまえ!」ガシッ
幼女「は、はい...」
犬娘「じゃあご主人様!さっそくメイド服に着替えよっか♪」
幼女「...皿洗いだけじゃ駄目?」
犬娘「ダメダメ!ちゃんと接客もやってもらうよ!」
犬娘「店長ー!ご主人様のサイズの服ってあるー?」
熊男「確か休んでるリス娘の服がそのぐらいだった気がするぞ」
犬娘「了解♪」
犬娘「えーっとリスちゃんの服は...あった!」ガサゴソ
犬娘「うーん...ピッタリだね♪」
犬娘「じゃあご主人様!これに着替えて来て!更衣室はあっちだよ!」スッ
幼女「これも時給一万円のため...一万円のため...」ブツブツ
スタスタ
犬娘「私は魔法で早着替えっと♪」
ピカッ
犬娘「うんピッタリ!やっぱりメイド服が一番似合うのは私だよねー♪」
「あー何か臭いと思ったらどこからか入ってきた野良犬がいるニャ」
犬娘「...」ピキッ
犬娘「その声は...久しぶりだね!"永遠のNo.2"の猫娘ちゃん♪」
猫娘「...ニャ?」ピキッ
犬娘「私が居ない間の一番はどうだった?気持ちよかった?」
猫娘「は?何言ってるニャ?一番はずっと猫なんだけど?」
犬娘「まあ猫娘ちゃんがそう思うならそうなんじゃない?猫娘ちゃんの中ではね♪」
猫娘「あー何か負け惜しみが聞こえるニャー」
猫娘「これが本当の負け犬の遠吠えニャ♪」
犬娘「...は?」ピキッ
犬娘「そもそも何で猫娘ちゃんがNo.1なの?昔からペットと言えば犬なんだけど?」
猫娘「はい出ました!犬派特有の昔から!」
猫娘「じゃあ今犬飼ってるやつは山に狩りにでも行くのかニャ?おおん?」
猫娘「やっぱりペットと言ったら猫が一番ニャー♪」
幼女(着替えが終わって戻ってきたら犬VS猫のバトルが始まってる...)
猫娘「まあ馬鹿犬には猫の魅力は分からないニャー♪馬鹿だから♪」
犬娘「あれー?お手も出来ない馬鹿な猫が何か言ってるなー?」
猫娘「お手が出来たら偉いのかニャ?なら犬はずっとチンチンでもしてろニャ」
犬娘「最近猫のキャラが受けたっからって調子に乗るのはやめてくれるかな?うざいよ?」
猫娘「ぷっ...キャラでは永遠に犬は猫に勝てないニャ」
猫娘「だって猫の方が可愛いからニャ♪」ニヤリ
犬娘「キャラキャラって...それだけしか勝負出来ないの?」
犬娘「あっ、そっか!まだ十二支に入れなかったこと気にしてるの?」
猫娘「は、はぁ!?別にあんなのこっちからお断りだし!そもそも鼠のせいで入れなかったんだし!」
犬娘「正直全部自業自得だよね?説明を聞いてない方が悪いよね?」
幼女(なんだこの醜い争い...)
猫娘「ああん?親切に教えない鼠が全面的に悪いに決まってるニャ!」
犬娘「そうやってすぐ人のせいにする...猫派って何かそういうところセコいというか暗いよね」
猫娘「はい出ました!犬派特有の猫派は暗い!」
猫娘「ちょっと散歩に出れるからって自分は明るいとかイメージ持つのやめてくれない?」
猫娘「猫派は暗いってソースでもあるのかニャ?おおん?」
犬娘「だって犯罪者って大体猫派じゃん」
猫娘「だからそれが偏見っつってんだうがにゃああああああああああ!!!!!」
猫娘「犯罪者は猫派ってソースを持ってこいつってんだろうがにゃあああああああああああああ!!!!!」ドンガラガッシャーン
ギャーギャー ギャーギャー
幼女(...いつまで続くんだろこれ)
犬娘「ゲロ吐き魔!」
猫娘「糞放置!」
犬娘「発情中の声がうるさい!」
猫娘「すれ違いに吠えるのやめろニャ!」
犬娘「家の壁をガリガリ削るな!」
猫娘「マーキングやめろニャ!」
犬娘「ぐぬぬ...」バチバチバチッ
猫娘「ぐぬぬ...」バチバチバチッ
「コラ!犬派と猫派の醜い争いはやめなさい!」
犬娘「誰!?」
猫娘「誰ニャ!?」
兎娘「無駄な争いは止めようよ!一番可愛いのは兎なんだから!」
幼女(まーた変なのが出てきた...)
犬娘「...」
猫娘「...」
兎娘「赤い目!モフモフの毛!そしてチャーミングな耳!」
兎娘「キャラクターにも恵まれてるしやっぱり兎が一番!」
兎娘「まあ弱点と言えば飼ってる人が少ないことだけどそれ以外はまさに完璧だよ!」
犬娘「...」
猫娘「...」
兎娘「...あれ?何その反応...」
犬娘「い、いや...何て言うかさ...」
猫娘「微妙過ぎて反応に困るニャ...」
兎娘「...あ?」ピキッ
幼女(...気持ちは分かる)
犬娘「そもそも兎って小学校の飼育小屋でしか飼ったことないし」
猫娘「小屋の中は尋常じゃないほど臭かったニャ」
兎娘「...」
犬娘「それに犬と猫は食べるなんて考えられないけど」
猫娘「兎はまあ食べれるレベルニャ」
兎娘「...」
犬娘「正直No.3すら危ういんじゃないかなーって」
猫娘「お前にここは場違いニャ、さっさと帰れニャ」
兎娘「...せ」
兎娘「戦争じゃああああああああああああああああああ!!!!!!」
ギャーギャー ギャーギャー
幼女(逆に悪化してる...)
犬娘「い、いてて!尻尾引っ張らないでよ!」グググッ
猫娘「お前も髭引っ張るのやめろニャ!」グイッ
兎娘「こころぴょんぴょんアタック!!!」ドーン
幼女「ちょ、ちょっと!いい加減にやめn」
熊男「ゴラァッッッッ!!!何やってるんだ小動物共ッッッッ!!!」
犬猫兎「」ビクッ
熊男「さっさと仕事に戻れッッッッ!!!!!!」
犬猫兎「は、はい...」ビクビク
幼女「す、すごい...あれだけの喧嘩を一声で止めた...」
犬娘「ご、ご主人様着替え終わったんだね...じゃあ行こうか...」ウルウル
幼女(...半泣きになってる)
犬娘「ご主人様はとりあえず注文を取るだけでいいから...」ウルウル
犬娘「一応このメニュー表に目を通してね...」ペラッ
幼女「わ、分かった」
犬娘「じゃあ私はお客様のところにいるから...何かあったら店長に相談して...」トボトボ
幼女「...」
幼女「あのうるさい犬が捨てられた子犬みたいに大人しくなってる...」
幼女「熊ってすごい...」
幼女「あっ、忘れてた。えーとメニューは...」ペラッ
『鶏娘の生みたて卵オムライス♪ 1,800円』
幼女「なんだこれ」
幼女「鶏娘の生みたて卵オムライスって...」
幼女「多分本当に生んだ卵じゃないんだろうけど名前が親子丼並に残酷な名前じゃないのこれ...」
幼女「思ってた通り地味に高いし...」
幼女「つ、次は...」
『牛娘の特製ハンバーグ♪ 2,300円』
幼女「う、うん...牛肉かな...」
『豚娘のトンカツカレーライス♪ 2,500円』
幼女「豚娘って...何か響き悪い...」
『ケモノっ娘の特製ラブジュース♪ 800円』
幼女「...これアウトじゃないの?」
『極上のスマイル 10,000円』
幼女「たかっ!?」
幼女「他は...似たような名前がいっぱいある...」
幼女「メニューの名前が一歩間違えたらカニバっぽいよ...もっとマシな名前付けようよ...」
ヒョコッ
猫娘「新人、いつまでそこに居るニャ」
猫娘「もうそろそろお客様が増える時間帯ニャ、さっさと準備するニャ」
幼女「は、はい!」ビクッ
...........................................................
..........................................
幼女「ご、ご注文はお決まりでしょうか?」
紳士「...おや?君は新人さんかい?」
幼女「は、はい...」
紳士「ハハッ、可愛らしい新人さんだ」
紳士「ではハンバーグとカレーと...後は君のスマイルを貰えるかな?」
幼女「ス、スマイル...」
幼女「こ、こうですか?」ニコッ
紳士「ブフォッ!」
幼女「だ、大丈夫ですかっ!?」
紳士「い、いやすまない...見苦しいところを見せてしまったな...」
幼女「えっと...ご、ご注文は以上でよろしいですか?」
紳士「...もう一度スマイルを貰えるかな?」
幼女「これでいいですか?」ニコッ
紳士「グハッ!」
幼女「!?」
犬娘「さすがご主人様♪もう馴染んでる♪」
猫娘「むむむ...あの新人中々やるニャ」
兎娘「でも一番は私だけどねー」
熊男「ほう...」
幼女「え、えぇと...牛娘の搾りたて新鮮ミルクと鼠娘のかじった穴あきチーズですね?」
幼女「あとスマイルも...はいっ」ニコッ
幼女「猫娘のねこまんまに犬娘の特製ジャーキー...」
幼女「え?羊娘のジンギスカンに馬娘の馬刺しも追加?」
幼女「あ、スマイルもですか、はい」ニコッ
幼女「ぜぇ...ぜぇ...忙しい...」
幼女「まさかこんなにお客が来るなんて...メイド喫茶のレベルじゃない...」
幼女「...お客さん全員スマイル注文してるけど一回1万円だよねこれ...?」
『ヘーイ!ご主人様達盛り上がってるー?』
幼女「この声は...あいつか」
幼女「ご主人様達ってあいつのご主人様は何人居るんだ...」
『みなさんお待ちかね!ゲームの時間だよー!』
幼女「ゲーム...?」
『今日のゲームはご主人様もメイドも全員参加のじゃんけん大会!』
幼女「じゃんけん大会?」
『ルールは簡単!私とじゃんけんをして最後まで勝ち残った人が優勝だよー!』
『優勝者にはスペシャルな賞品があるけどそれは優勝してからのお楽しみ♪』
『みんな頑張ってねー!』
幼女「全員参加ってことは私も参加するのか...」
幼女「...」
幼女「サボっちゃえ」
熊男「駄目だ」
幼女「!?」ビクッ
幼女「て、店長さん...居たんですか」
熊男「今君はうちの店のメイドだ、ゲームには参加して貰う」
幼女「はぁ...分かりました」
熊男「会場はあっちだ、急がないと始まってしまうぞ」
幼女「はぁーい...」トボトボ
犬娘「みんなー!じゃんけん大会始めるよー!」フリフリ
ウォォォォォォォォォォォォ!!!!!!
幼女「めんどくさ...」
犬娘「ルールはさっき説明した通り!勝ち残った人には私からスペシャルな賞品をあげるから楽しみにしててね!」
ウォォォォォォォォォォォォ!!!!!!
幼女「そもそもどうしてあいつが司会なんだろ...」
犬娘「ではさっそく始めたい思います!」
犬娘「いくよー?最初はグー!」
ジャンケエエエエエエエエエン!!!!!!
幼女「適当に一回戦目で負ければいいかな...」
犬娘「ぽんっ!」パー
ポンッ!!!!!!
幼女「ぽん...」チョキ
グワーマケター ヨッシャーカッター
幼女「...あ、勝っちゃった」
犬娘「はい!負けた人は座ってねー!ちなみにあいこはセーフだよー!」
犬娘「ちなみに後出ししたり負けたのに座らないみたいな不正をしても無駄だよ♪」
犬娘「じゃあ次のじゃんけん行ってみようか!最初はグー!」
ジャンケエエエエエエエエエン!!!!!!
幼女「まあさすがに次で負けるかな...」
........................................................
..........................................
犬娘「さあいよいよじゃんけん大会も終盤戦!」
犬娘「残ったのはこの三人だー!」
猫娘「絶対優勝してやるニャ...犬にだけは負けたくないニャ...」メラメラ
兎娘「絶対一番になってやる...今度こそ犬や猫に勝ってやる...」メラメラ
幼女「どうしてこうなった...」
犬娘「うーん...運悪くメイド三人が残っちゃったねー...」
犬娘「まあいいか!次に行こう!」
犬娘「行くよー?最初はグー!」
ジャンケエエエエエエエエエン!!!!!!
猫娘(考えろ...考えるニャ猫娘...)
猫娘(勝つ確率は三分の二...勝つ方の確率の方が高いニャ...)
猫娘(あいつがこれまでに出した手はパーチョキパーグーパー...)
猫娘(バランス的に言えば次はチョキかグーを出す可能性が高い...)
猫娘(つまりグーを出せば負けないはずニャ!)
ザワザワ ザワザワ
猫娘(...はっ!)
猫娘(ま、まさかこれは罠...?)
猫娘(誘っているのかニャ...?私がグーを出すのを...)
猫娘(わざとチョキとグーを出す回数を減らして私がグーを出すと確信した時にあいつはパーを...)
猫娘(そ、そうニャ...!きっとそうに決まってるニャ!)
猫娘(な、ならどうすればいいにゃあああああああああああああ!!!!!)
猫娘(くっ!ここはあいつがパーを出すと賭けてチョキを出すニャ!)
猫娘(これならチョキかグーを出して来ても二分の一で勝てるニャ!)
猫娘(...あれ?)
兎娘(考えろ...考えるんだ兎娘)
兎娘(やつがこれまでに出した手はパーチョキパーグーパー...)
兎娘(バランス的に見ればグーとチョキが少ない...つまりグーを出せば負けないと普通の人は考えるはず!)
兎娘(私はそんな手には引っ掛からないよ!パーが多めなあいつは次もパーで来るからチョキを出せば勝てる!)
兎娘(...と普通の人は考えるはず!)
兎娘(実はこれも罠!裏をかいてあいつはグーを出してくる!)
兎娘(ここは裏の裏をかいてパー!これならパーとグー両方に対処できるからまず負けない!)
ザワザワ ザワザワ
兎娘(...はっ!)
兎娘(ま、まさかこれも罠...?)
兎娘(そ、そうだ...完璧な手と油断して私がパーを出してきたところをチョキで狩るつもりなんだ...)
兎娘(あ、危ない危ない...ここはあいこ狙いのチョキで行こう...)
兎娘(これなら裏の裏の裏の裏をかける...最高の手だ!)
猫兎((ククク...勝った!))
犬娘「じゃーんけん!」
猫娘(犬め...私をここまで追い詰めたことは褒めてやるニャ...でも一歩及ばなかったみたいだニャ!)
兎娘(だ...駄目だ、まだ笑うな...こらえるんだ...し...しかし...)プルプル
幼女「...」
犬娘「ぽんっ!」グー
猫娘「死ねぃ!惨めな捨て犬め!」チョキ
兎娘「犬、私の勝ちだ」チョキ
幼女「ぽん」パー
猫娘「...へ?」
兎娘「...は?」
幼女「...あ、勝っちゃった」
犬娘「イエーイ!優勝はご主人様...じゃなかった、幼女メイドに決定ー!」
ウォォォォォォォォォォォォ!!!!!!
猫娘「ちょ、ちょっと待つニャ!」
兎娘「罠だ...これは罠だ!」
犬娘「じゃあご主人様...じゃなかった幼女メイドさん!とりあえず前に出てきてねー!」
幼女「えぇ...」
猫娘「ど、どうしてニャ...まさかここまで読まれていたのかニャ...」ガクッ
兎娘「ち、畜生...」ガクッ
犬娘「優勝おめでとう!とりあえず優勝の感想をどうぞ!」
幼女「か、感想と言われても...まさか本当に勝てるとは思わなかったし...」
犬娘「はいっ!ありきたりなコメントありがとう!」
幼女「」イラッ
犬娘「では優勝者のごsy...幼女メイドさんにはスペシャルな賞品をプレゼントしちゃうよー!」
ウォォォォォォォォォォォォ!!!!!!
幼女(そういえばそんなこと言ってたな...)
幼女(賞品って何だろう?ちょっと気になるな)ワクワク
犬娘「では優勝賞品に登場していただきましょう!どうぞ!」
幼女(...登場?)
ドスン ドスン
熊男「...」
幼女「!?」
犬娘「優勝賞品は我がメイド喫茶の店長を一週間メイドとして自由に使える券でーす!」
シーン
幼女「...は?」
犬娘「この券を破いたら不思議な力が発動して店長さんがすぐ飛んでくるからね!」スッ
犬娘「あ、ちなみに捨てたり燃やしたりしたら店長さんがお仕置きしに飛んでくるように出来てるから注意してね?」
幼女「...」
犬娘「一応有効期限はないけど出来るだけ早く使ってねー♪」
幼女「えぇ...」
犬娘「ではゲーム大会はこれにて終了!また明日~♪」
(((良かった...優勝しなくて本当に良かった...)))
幼女「oh...」
............................................................
............................................
アリガトウゴザイマシター
熊男「...よし!最後のお客様が帰ったな!今日はここまでだ!」
幼女「つ、疲れたぁ...」ヘナヘナ
犬娘「さ、さすがに今日はちょっときつかったね...」
熊男「では給料を配る!全員順番に並べ!」
幼女「そ、そうだ...こんな苦しい目にあったのも全部時給一万円のため...」フラフラ
熊男「ほれ」スッ
兎娘「やった!」
熊男「ほれ」スッ
猫娘「にゃあ」
熊男「ほれ」スッ
犬娘「ありがとう♪」
熊男「君は...確か助っ人の子だったか」
幼女「は、はい...」フラフラ
熊男「今日はよく頑張ってくれた。君の接客はお客様に好評だったぞ」
幼女「そ、そうですか」フラフラ
熊男「良かったら明日からここで働かないか?」
幼女「それだけは絶対嫌です」キリッ
熊男「そうか...残念だ」
熊男「ではこれは君の給料だ...少し多目にしたからそれで旨いものでも食べてこい」スッ
幼女「!?」バッ
幼女「ひーふーみー...嘘っ!こんなに!?」
幼女「い、いいんですかこんなに...?」
熊男「うちで働けば毎日そのくらい手に入るぞ?」
幼女「...」ゴクリ
幼女(...就職しようかな)
犬娘「さあご主人様!さっそく働いたお金で美味しい物でも食べに行こうか!」
幼女「うん!」
犬娘「高級ステーキに回らないお寿司!ご主人様はどっちがいい?」
幼女「両方!両方食べに行こう!」
犬娘「ご主人様のいやしんぼめ!じゃあ高級ステーキと回らないお寿司とさらに3つ星のレストランに行こうか!」
幼女「行く!」
犬娘「今日は食べ放題だよー!」
............................................................
............................................
犬娘「ご、ご主人様...家に着いたよ...」フラフラ
幼女「うっぷ...」
犬娘「さ、さすがにステーキ5枚に寿司20貫フランス料理のフルコースは食べ過ぎたね...」
犬娘「も、もうお腹に入らないよ....」ゲプッ
幼女「おぇぇ...食べ過ぎて気持ち悪い...」
犬娘「と、とりあえずお風呂に入ろうか...」
幼女「...」
犬娘「あれ?ご主人様?」
幼女「Zzz...」
犬娘「寝てる...まあ今日は幼女にはちょっときつかったかな...」
犬娘「このままだと風邪引いちゃうし布団出してあげるか...」バサァ
幼女「Zzz...」
犬娘「おやすみご主人様...あれ?何だか私も眠く...」
バタッ
犬娘「Zzz...」
幼女「Zzz...」
~~~~翌日~~~~
犬娘「ご主人様!」ユサユサ
幼女「Zzz...」
犬娘「ご主人様!」ブンブン
幼女「Zzz...」
犬娘「お、起きない...意外と朝は弱いのかな?」
犬娘「仕方ない...あの手を使おう...」
幼女「Zzz...」
犬娘「まずわさびを用意します」
犬娘「これを鼻に塗ります」ヌリヌリ
犬娘「あら不思議♪すぐに朝に弱い人でもすぐ起きます♪」
幼女「Zzz............」
幼女「............!?」バッ
犬娘「おはよう♪ご主人様♪」
幼女「...」クンクン
幼女「...」ギロッ
犬娘「」ビクッ
犬娘「い、いてて...何も殴らなくても...」サスサス
幼女「次にこんな起こし方したらぶっ殺す」
犬娘「だって普通に起こしても起きなかったんだよ...」
犬娘「ではご主人様も起きたことだしさっそく朝の散歩にレッツゴーだよ!」ビシッ
幼女「...今何時?」
犬娘「朝の5時だね!」
幼女「...」
幼女「寝る」ゴロン
犬娘「えぇ!?」
犬娘「ねぇ起きてよー朝の散歩に行こうよー」ユサユサ
幼女「...昨日疲れた、まだ眠い」
犬娘「ご飯いっぱい食べたじゃんー体力も回復してるよー」ユサユサ
幼女「散歩ぐらい一人で行けるでしょ...」
犬娘「犬の散歩は飼い主と一緒って相場が決まってるんだよー」ユサユサ
幼女(結局叩き起こされた)
犬娘「早朝の空気の匂いはいいねぇ!何かスッキリするよ!」
幼女「ふわぁ...ねむ...」
犬娘「あっ!ご主人様!缶コーヒー買ってよ!」
幼女(朝からテンション高いなこいつ...)
犬娘「いやぁ朝のコーヒーはいいねぇ...何か朝って感じがするよ...」
犬娘「あっ!ご主人様!コンビニがあるよ!朝ご飯はあそこで食べよう!」
幼女「...」
犬娘「コンビニのおにぎりっておいしいよねー最近は色々な味もあるし」モグモグ
犬娘「中でも炒飯おにぎりは本当に美味しい...どうやってこんな味の炒飯が作れるんだろ」モグモグ
幼女(昨日あれだけ食ったのに朝もよく食うなこいつ...)
犬娘「んんーーー!」ノビー
犬娘「あぁ...まだ暗い内の朝っていいねぇ...深夜とはまた別の意味で楽しいよ」
犬娘「なんて言うのかな?夜はまだ寝てる人が多いから少し寂しいけど朝は一部の人が起きてるから安心するというか」
幼女「知らんがな...」
犬娘「あーあ...私今日から仕事かぁ...めんどくさいなぁ」
幼女「あそこ時給高いしいいと思うけど」
犬娘「確かにお金はいっぱい貰えるし楽しいけどさぁ...やっぱり働いてるってのがダメなんだよねー」
犬娘「野生の血が騒ぐ!...みたいな?」
幼女「知らんがな...」
犬娘「あ、太陽が昇って来たね」
幼女「...」
犬娘「綺麗だねぇ...」
幼女「...うん」
犬娘「さっ!もう明るくなって来たし帰ろうか!」
幼女「...また知らないところまで来てるんだけど」
犬娘「大丈夫!大丈夫!私の帰巣魔法があるからね!」
犬娘「えーと...家の方向はあっちだから...うん!こっちから行った方が近道だね!」
犬娘「レッツゴー!」
幼女「はぁ...」
犬娘「スキップ♪スキップ♪ランランラン♪」
犬娘「はーいねぇご主人様も一緒にー!」
幼女「やらない!」
犬娘「恥ずかしがっちゃってー」
犬娘「...あれ?」
幼女「ど、どうしたの?まさか迷ったんじゃ...」
犬娘「いや...あそこに誰か倒れてる」
幼女「倒れてる...?」
犬娘「今の時代に行き倒れなんて珍しいね...ちょっと顔を見に行こうかな!」
幼女「えぇ...放っておいてあげようよ」
犬娘「ちょっとだけだから!」ダッ
犬娘「さてどんな酔っぱらいが倒れてるのかなー♪」
犬娘「サラリーマンかな?ホステスかな?」
犬娘「まさ知り合いだったり?なーんてあるわけないか!」
猫娘「」
犬娘「...」
犬娘「...」クルッ
犬娘「...」スタスタ
幼女「ど、どんな人だったの?」
犬娘「ごめん見間違えた、ただの捨て猫だった」
幼女「捨て猫...?」
犬娘「まぁそんなことどうでもいいよ、早く帰ろうか」スタスタ
猫娘「ま、待てニャ...い、犬...」フラァ
幼女「あれ?あの人って...」
犬娘「ほら早く帰ろうよ!絶対めんどくさいことになるパターンだよ!」
猫娘「お、お前...よくもやってくれたニャ...」フラフラ
幼女「何か言ってるけど...」
犬娘「私あんな人知らない」
猫娘「こ、この卑怯者め...夜道を襲うなんて卑怯ニャ...」
犬娘「...あん?」ピクッ
犬娘「なんのことか知らないけどここで勝手に行き倒れてたのは猫ちゃんだよね?私は関係ないんじゃないかな?」
猫娘「し、しらをきるな...私がここで倒れてたのはお前に襲われて気絶してたせいニャ...」
犬娘「何言ってんだこいつ...私は昨日仕事が終わった後ご主人様と一緒にご飯を食べに出かけて一緒に帰って一緒に寝たんだよ?」
犬娘「そんな私がどうやって猫ちゃんを襲うのかな?」
猫娘「そ、そんなの嘘に決まってるニャ...お前が私を襲ったのは事実ニャ...」
犬娘「アホらしい...魚を食べると頭が良くなるっていうのは嘘だったんだね」
犬娘「ご主人様、こんなアホにかまってないで早く帰ろうか!」
幼女「...」
犬娘「あれ?ご主人様?」
幼女「...この猫ちゃんの傷、犬の爪痕に似てる...」
犬娘「...えっ?」
犬娘「な、何言ってるのご主人様...?」
幼女「ほらここの肩の傷...犬に引っかかれた後みたい...」
猫娘「この傷がお前に襲われた証拠ニャ...」
犬娘「ひ、引っかき傷なんて殆ど見分けがつかないよ!犬も猫も同じだよ!」
幼女「じゃあ爪出してみて」
犬娘「ほら!これでいい?」ジャキン
幼女「...」
猫娘「...」
犬娘「ど、どうしたの...?」
幼女「同じだ...」
猫娘「同じニャ...」
犬娘「」
犬娘「わ、私じゃないのに...」
幼女「ねぇ...襲われた時のこと詳しく話してくれる?」
猫娘「分かったニャ...」
...........................................................
...........................................
猫娘『ニャ♪ニャ♪ニャ♪』
猫娘『ヒック!うぃ~今日は飲みすぎたニャ~』
猫娘『でも仕事で疲れた時はマタタビ酒に限るニャ~♪』
キラー
猫娘『ンニャ?月が綺麗だニャ~』
猫娘『月には兎が居るらしいけどうちのお店にも兎がいるニャ~?』
猫娘『そうか!あのお店は月だったんだニャ!』
猫娘『ニャハハハハハハハハハ!!!』
アオーン
猫娘『...ニャ?あの声は犬かニャ~?』
猫娘『遠吠えなんて負け犬のあいつらしいニャ!』
猫娘『しかしこんな真夜中に遠吠えなんて近所迷惑なやつニャ!ちょっと説教してやるニャ!』
猫娘『え~っと音が聞こえた方角は...こっちニャ!』ダッ
猫娘『見つけたニャ!おい犬!近所迷惑な行為はやめろニャ!』
『...』ピクッ
猫娘『聞こえてるのか犬!』
『...』ダッ
猫娘『ニャッ!?きゅ、急にこっちに走り出して来たニャ!』
猫娘『ニャ、ニャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!』
............................................................
........................................
猫娘「ということがあったニャ...」
幼女「...」
犬娘「わ、私じゃないからね!」
幼女「でもこの引っかき傷に遠吠え...事件が起きたのは私が寝てる時間帯...」
犬娘「だから私も寝てたって言ってるじゃん!」
猫娘「それを証明できるやつは居ないニャ...」
犬娘「ぐ、ぐぬぬ...」
幼女「とりあえず猫ちゃん...病院に行こうか」
猫娘「ニャアア...」ヨロヨロ
犬娘「ご、ご主人様...?」
幼女「...この件は猫ちゃんを病院に連れて行ったあとじっくり聞かせてもらいます」ギロッ
犬娘「」ビクッ
幼女「歩ける?」
猫娘「だ、大丈夫ニャ...」
スタスタ スタスタ
犬娘「...」
シーン
犬娘「...私じゃないのに」
犬娘「いくら仲の悪い猫でも急に襲うなんてことしないよ...」
犬娘「それにご主人様のあの目...絶対私を疑ってた...」
犬娘「いくら何でも酷くない?飼い犬よりそこら辺の野良猫の言うことを聞くなんて...」
犬娘「こ、このままだと追い出されるんじゃ...」
犬娘「...」
犬娘「...そうだ!」
犬娘「私が犯人を見つければいいんだ!」
.........................................................
.........................................
ガチャ
幼女「...」
犬娘「ふっふっふ、おかえりなさいワトソン君」バーン
幼女「...何その格好」
犬娘「探偵と言ったらコートに帽子に虫眼鏡に蝶ネクタイにパイプに眼鏡に時計型麻酔銃に弁当型携帯FAXでしょ?」
幼女「...は?」
犬娘「私に無実の罪の着せた犯人は私が直々に捕まえてやるんだよ」
犬娘「この名探偵犬娘がね!」キリッ
幼女「...本当にやってないんだよね?」
犬娘「当たり前だよ!だから何回も言ってるでしょ!」
幼女「...分かった。信じる」
犬娘「では犯人探しにレッツゴー!」
幼女(犬が探偵のアニメって昔に見たなぁ)
犬娘「ということで事件現場にやって来たよ!」
犬娘「まず犯行現場を調査する!捜査の基本だよね!」
幼女「...ところで今日仕事じゃなかったの?」
犬娘「ふふん!急いで休みの電話を入れたから今日は休みだよ!」
犬娘「ふむふむ...なるほどなるほど...」ジー
幼女「虫眼鏡なんて覗いてるけど何か分かったの?」
犬娘「いや全然」
幼女「...」
犬娘「でも安心して!犬には秘密兵器があるんだよ!」
幼女「何それ」
犬娘「それは嗅覚!なんと犬の嗅覚は人間の一億倍!」
犬娘「犯人の匂いなんてすぐに追いかけられるレベルだよ!」
幼女(...本当に大丈夫かな)
犬娘「ではさっそく...」クンクン
犬娘「...」クンクン
犬娘「...」クンクン
幼女「...」ゴクリ
犬娘「...はっ!」ビクッ
幼女「何か分かったの...?」
犬娘「な、何も分からない...」
幼女「...」
犬娘「お、おかしいな...ドラマとかだと警察犬って結構優秀なんだけど...」
幼女「それ訓練されてるからじゃないの?」
犬娘「うっ...」
犬娘「え、えぇい!現場検証はこれで終わり!次は聞き込みだ!」
犬娘「捜査はまず足を使うのが基本だからね!」
幼女「...」
犬娘「昨日の夜に私がここに来なかった!?」
通行人「...は?」
犬娘「バッカヤローそいつが真犯人だ!でっかい図体して変装も見破れんのか、穀潰し!」
犬娘「...通報された」
幼女「そりゃそうなるよ」
犬娘「うぅ...結局聞き込みをしても大した情報がなかったよ...」
幼女(あれは聞き込みなのだろうか)
犬娘「こうなったら最終手段のアレをやるしかないね!」
幼女「アレ...?」
犬娘「ずばりおとり捜査だよ!」
幼女「...誰がおとり捜査をするの?」
犬娘「もちろんご主人様!」
幼女「は?」
犬娘「犯人は私とそっくりらしいからね!多分同類には寄ってこないはず!」
犬娘「だからここは無関係で襲われやすそうなご主人様をおとりにして犯人を誘き寄せる!」
幼女「...」
犬娘「何か質問はあるかな?」
幼女「絶対におとり捜査なんて嫌っ!」
犬娘「よし!異論はないね!さっそく家に帰って作戦会議だよ!」
幼女「ちょ、ちょっと!」
犬娘「大丈夫だってー猫ちゃんみたいに襲われる前に私が犯人を捕まえるから!」
幼女「それが不安だって言ってるの!」
犬娘「えいっ、拘束魔法」ピカッ
ビリリリリリッッ!!!!!
幼女「!?」
幼女「う、動けな...!」ビリビリ
犬娘「我慢してねご主人様。これは私の名誉の問題でもあるんだ」
犬娘「猫ちゃんがもしこのことを店長さんにチクったら私はバイトをクビになっちゃうかもしれないからね」
犬娘「じっちゃんの名にかけて私は無実を証明するよ!」
幼女「そ、それが言いたいだけだろうがぁ...!」ビリビリ
犬娘「さあご主人様!家で計画を考えよう!」グイッ
幼女「ひ、引っ張るなぁ...」ズルズル
犬娘「待ってろよ真犯人!絶対死刑台に送ってやるからなぁ!」メラメラ
幼女「い、今すぐ魔法を解けぇ...!」ズルズル
............................................................
..........................................
犬娘「さて家に帰って来たけど...」
幼女「んんーー!!んーーーーー!!」ジタバタ
犬娘「もうご主人様暴れないでよー。今魔法をちょっと弱めてあげるからさー」ピカッ
幼女「い、今すぐ解放しろぉ!」
犬娘「まずは襲われやすいように変装しよっか!」
幼女「人の話を聞けぇ!!!」
犬娘「やっぱり襲われた猫ちゃんに似せて猫のコスプレにする?それとも他の動物のコスプレがいい?」
幼女「い、いやぁ...」ブルブル
犬娘「うひひ...とりあえず全部試着してみようか」
幼女「いやああああああああああああああああああああああ!!!!!!」
犬娘「うん!ご主人様にはどれも似合うけどやっぱり猫で行こうか!」
幼女「...」ボロッ
犬娘「後は犯人を見つけるだけだけどまだ太陽が出てるよねぇ」
犬娘「一応事件が起きたのは夜だしそれまでは家で待機かな」
犬娘「それに真っ昼間に猫のコスプレをした幼女が歩いてるのも変だしねー」
幼女「...もう逃げないから魔法を解け」
犬娘「うーん...まあずっとかけっぱなしなのも可哀想だし解いてあげるよ」
犬娘「ただし絶対逃げちゃ駄目だからね♪」ピカッ
幼女「...」パァ
犬娘「さあご主人様!夜まで暇だしDVDでも観ようか!」
幼女「...」シュッ
犬娘「あべしっ!?」ボコォ
幼女「...これでおあいこだから」
犬娘「が、顔面にエルボーは駄目だよ...ご主人様...」ヨロッ
『密着!オルトロス警察24時!』
犬娘「こういう警察系って大体同じパターンなんだけど面白いよねー」
幼女(...確かに)
『フラダンスの犬』
犬娘「あれ?フランダースの犬を借りてきたはずだったんだけど」
幼女(バカボン...?)
『トムとジェリー』
幼女「これ猫とネズミのアニメじゃないの?」
犬娘「フフフ...猫が痛い目に遭ってるのがいいんだよこのアニメ...」
幼女(趣味悪っ)
ボーン ボーン ボーン
犬娘「あっ!もうこんな時間!」
犬娘「ご主人様!犯人探しに行こうか!」
幼女(結局今日はずっとDVDを見てたのか...)
犬娘「じゃあ作戦の確認ねー」
犬娘「まずご主人様は猫のコスプレをして夜の街を歩き回る!私はそれを少し離れたところから見てるね!」
犬娘「そして犯人を見つけたら私がそいつを倒す!うん!完璧な作戦だね!」
犬娘「あ、何かあったらこのトランシーバーを使って連絡してね♪」
幼女「トランシーバー?携帯とか魔法でいいんじゃないの?」
犬娘「こっちの方が雰囲気出るでしょ?」
幼女「...」
犬娘「トランシーバーで連絡する時はどうぞを忘れちゃ駄目だからね!あと危ない時のサインはメーデーだよー」
幼女「はいはい分かりましたよ...」
犬娘「じゃあご主人様頑張ってねー」
幼女「はぁ...」ガチャ
幼女「...」スタスタ
幼女「今は...夜の11時くらいかな?」
幼女「はぁ...私は何をやってるんだろう」
幼女「夜中に猫のコスプレをして近所を歩き回ってるなんて...」
幼女「...あれ?」
幼女「こ、このコスプレって他の人にも見えてる...?」
幼女「///」バッ
幼女「う、うぅ...人とすれ違ったらどうしよう...」
ピーピー ピーピー
幼女「!?」
『あーあーマイクテスト...マイクテスト...』
『ご主人様?ちゃんと聞こえるかな?どうぞ』
幼女(なんだ...トランシーバーの音か...)ホッ
幼女「き、聞こえてるけど?」
『どうぞは?』
幼女「」イラッ
幼女「聞こえています!どうぞ」
『もうご主人様キレないでよーどうぞ』
幼女「キレてない!どうぞ!」
『分かった♪分かった♪』
『私も一応高いところからご主人様の周辺を見張ってるけど夜だから見えにくいんだよねー』
『もし何かあったらすぐに知らせてね♪どうぞ』
幼女「...分かった」
『だからどうz』プツッ
幼女「鬱陶しい」
..........................................................
.......................................
犬娘「あらら、切られちゃったか」
~~~~1時間後~~~~
幼女「...犯人と遭遇しない」
幼女「もう一時間近く町をフラついてる気がする...人と出会わないのが奇跡だよこれ...」
ピーピー ピーピー
『もしもーし?ご主人様聞こえるかなー?どうぞ』
幼女「...聞こえてる、どうぞ」
『犯人見つからないねーもう日付が変わっちゃったよーどうぞ』
幼女「...もう見つからないし帰らない?どうぞ」
『ダメダメ!もし見つからなくても朝まで頑張るよ!どうぞ』
幼女「えぇ...魔法とかで簡単に見つけられないものなの?どうぞ」
『一応探索魔法ってやつがあるんだけどねぇ...今魔力切れで使えないんだよーどうぞ』
幼女「魔力切れ...?どうぞ」
『私のMPは一時間に1しか回復出来ないからねー。今日使った拘束魔法で魔力を使いきっちゃったから回復待ちだよー』
『魔法石っていう魔力溜まった石を割れば回復出来るんだけどねー』
幼女(ソシャゲみたいなシステムだな...)
『まあ地道に頑張って探そう!どうぞ』
幼女「...このどうぞって止めない?どうぞ」
『えー映画みたいでかっこいいじゃん、どうぞ』
幼女「いい加減うざい、どうぞ」
『じゃあ切るね、何かあったら連絡よろしくぅ♪』プツッ
幼女「...」イライラ
幼女「はぁ...見つからない...」
幼女「寒くなってきたしもう一人で帰ろうかな...真夜中だし」
幼女「...そういえばあいつに見張られてるんだった」
幼女「あーあ...犯人が自分から出てきてくれないかなー」
アオーン
幼女「そうそうこんな感じに...」
幼女「えっ」
幼女「い、今のって遠吠え...?」ブルブル
幼女「た、確か犯人は遠吠えを...」
ザッ ザッ
幼女「」ビクッ
幼女「あ、あそこに人影が...い、今までいなかったのに...」ブルブル
『...』ギョロッ
幼女(き、気付かれた!)
『...!』ダッ
幼女「う、うわぁ!!!」ダッ
幼女(に、逃げないとぉ!逃げないとぉ!逃げないとぉ!)ダダッ
幼女(そ、そうだ!トランシーバーで連絡を...!)
ピーピー ピーピー
『もしもしー?ご主人様?急に走り出してどうしたの?』
幼女「メ、メーデー!メーデー!今すぐ助けろぉ!!!」ダダッ
『メーデー?あのバイオのボス?』
『あいつ強いよね!雑魚が無限湧きだから最初は死ぬかと思ったよ!』
『まぁ窓ハメ使えば楽なんだけどねー。レイドモードのチビには何回も殺されt』
幼女「んなこと聞いてねぇんだよぉ!!!!!犯人に襲われてるからさっさと来いよぉ!!!!!!」
『あぁ、そっちね、はいはい今行きまーす』
幼女「早く早く早くぅ!!!!」ダダッ
ゴツンッ
スッテンコロリン
幼女「!?」ズサー
幼女(こ、こけた...この状況で...?)
ザッ ザッ
幼女「ひっ!」
『............』ハァハァ
幼女(こ、こいつが真犯人...!ほ、本当にあいつは無実だったんだ...)
幼女(ってそんなこと言ってる場合じゃない!これ絶対絶命のピンチだよ!!!)
『............!』グワッ
幼女(も、もう駄目っ...)
犬娘「オラァ!ご主人様に何しとるんじゃあ!!!」ビューン
『...!?』バキッ
ズサー
犬娘「よし!飛び蹴り成功!」
犬娘「大丈夫?ご主人様?」
幼女「お、遅いんだよぉ...」ヘナヘナ
犬娘「さて...どうやらあいつが真犯人みたいだね」
幼女「...うん!」
『..............グルルルルル』ヨロッ
狼男「グルルルルルルルルルル...!!!」
狼男「グルルルルルルルルルル...!」
幼女「あ、あいつって犬...?」
犬娘「うーん...狼男じゃないかな?」
幼女「狼男...?あの満月を見ると人間から狼に変身するっていうやつ?」
犬娘「いやそっちじゃなくて狼ベースの獣人だと思うよ?今、月は出てるけど満月じゃないからね」
犬娘「まあ一応狼の獣人も月を見ると凶暴化するっていう人が居るからねー私の知り合いにもそういう人が居たし」
幼女「そうなんだ...」
狼男「ガルァッ!!!」アオーン
犬娘「...どうやら向こうはやり合うつもりらしいね。ご主人様は先に家に戻ってて」
幼女「...勝てるの?」
犬娘「多分無理だと思う」
幼女「えっ」
幼女「ど、どうして...」
犬娘「そりゃ犬と狼じゃスペックが違い過ぎるからねー。まず肉弾戦では勝てないよ」
犬娘「それにこっちは今魔力がほぼなし...まあ勝つのは厳しいよね」
幼女「えぇ...」
犬娘「逃げるのも一つの手だけどご主人様を背負って狼と鬼ごっこっていうのも無理な話...」
幼女「...」
犬娘「まさか狼が出てくるとは思わなかったよ...小動物辺りだと思ってたから油断してたね」
犬娘「で、ご主人様どうする?私があいつを引き留めてる間に逃げればご主人様一人でも逃げ切れると思うけど」
幼女「...」
幼女「わ、私が逃げたらどうするの...?」
犬娘「とりあえずあいつを相手に時間を稼いでしばらく経ったら私も逃げる予定かな?」
犬娘「まあ無傷に...とは行かないと思うけどね」
幼女「...」
狼男「ガルルルルルルルル...」ギリッ
犬娘「...あちらさんはもう待てないみたいだね」
幼女「...分かった、一人で逃げる」
犬娘「うん!それが一番だと思うよ!」
幼女「ぜ、絶対戻ってきてよね!」ダッ
犬娘「...」
犬娘「戻ってきて...かぁ」
犬娘「ご主人様も素直じゃないねぇ♪」
狼男「...」
犬娘「さて狼男さん!よくも私に濡れ衣を着せてくれたね!」
犬娘「さっきはご主人様を逃がすとか言ったけど私は倒す気満々なんだからね!」
狼男「...」チラッ
犬娘(あれ?私を見てない...?そういえばこいつさっきまでずっとご主人様を見て...)
狼男「ガァッ!」ダッ
犬娘「なっ...!こいつご主人様が逃げた方向に!?」
狼男「ガウッ!ガウッ!」ダダッ
犬娘「くっ!こいつ何でか知らないけどご主人様を狙ってる!」
犬娘(このままだとご主人様が襲われる!こいつを行かせるわけには行かない!)
犬娘「...仕方ない!正面から勝負じゃあ!」
狼男「ガウァッ!!!」ダダッ
犬娘(とりあえず残った最後の魔力であいつの目の前に転移魔法!)ピカッ
シュンッ
狼男「!?」
犬娘(そして顔面にストレートを放つ!)グッ
犬娘(...まあ普通にガードされると思うけどね!受け止められた瞬間の蹴りを入れてやる!)シュッ
狼男「ギャッ!?」ドゴォ
ビューン
狼男「」ズサー
犬娘「あ、あれ?綺麗に決まった...?」
犬娘「お、おかしいな...狼の反射神経ならあんなパンチ普通に対処出来るはずなんだけど...」
狼男「グ、グルアアアアアア...」フラッ
犬娘「運が良かったのかな...?まあいいや!攻めるチャンスだよ!」ダッ
犬娘(とりあえずまずは軽いジャブを二発!相手は軽く避けてくるはず!)
犬娘(そこでがら空きになったボディにキツいのを一発かましてやるよ!)
狼男「グ、グラァ...」フラフラ
犬娘(ジャブ!)シュッ
狼男「グハァッ!」ボコッ
犬娘(もう一発!)シュッ
狼男「グヘェッ!」ボコッ
犬娘(そしてボディ!)シュッ
狼男「ゴオオオオオオオオオ!?」ボゴォ
犬娘「あ、あれ...?」
狼男「アガガガガガガガァ...」フラフラ
犬娘(お、おかしい...狼男がこんなに弱いわけ...)
犬娘(お腹でも痛いのかな?なら弱ってる今のうちに...一気に決める!)ダッ
狼男「ッア!?」ビクッ
犬娘「うおおおおおおおおおお!!!!」ギュイイイイイイイン
狼男「ガッ!?アガッ!?ギャ!?」ボコボコボコボコ
犬娘(まっくのうち!まっくのうち!)ギュイイイイイイイン
狼男「チョッ!?マッ!?イッ!?」ボコボコボコ
犬娘「おらあああああああああ!!!!!」ボコーン
狼男「ブヘェッ!!!」バタッ
犬娘「さ、さすがにデンプシーは疲れるね...」ハァハァ
犬娘「...あれ?」
狼男「」ピクピク
犬娘「あ、倒しちゃった」
犬娘「うわぁ...まさか素手で倒せるなんて...」
狼男「」
犬娘「こんなに弱い狼がいるなんてビックリだよ...私の知り合いの狼も弱いけどそれより弱いなんて...」
犬娘「...とりあえずこの狼どうしよう」
............................................................
.......................................
幼女「...」
幼女「遅い...」
幼女「ほ、本当に置いて来て良かったのかな...」
幼女「まさか今頃狼に食べられてたり...」
幼女「い、今すぐ助けに行かなくちゃ!」
コン コン
幼女「!!!」
幼女「か、帰ってきた!」ダッ
幼女「おっ、おかえりっ!!!」ガチャ
狼男「」
幼女「!?」ビクッ
犬娘「あははー!ビックリした?」ヒョコッ
幼女「...何してんの」
犬娘「いやー!実はこの狼すっごく弱くてね!」
犬娘「倒したのはいいけどその後を考えてなかったからとりあえず持ってきちゃったよ!」
幼女「...ちょっと頭貸して」
犬娘「え?なになに?もしかしてよしよしよしてくれるの?」スッ
幼女「ッ!」ゴツン
犬娘「いったあああああああああああ!!」
幼女「脅かすようなことをするな」
犬娘「な、何もげんこつしなくても...」グスン
狼男「」
幼女「...ところでこれどうするの?」
犬娘「うーん...とりあえず家の中に運ぼうか」
幼女「...起きたら暴れ回ったりしない?」
犬娘「あれだけ痛い目を見たんだからもう襲ってくるようなことはしないんじゃないかなー?」
犬娘「まあもしまた襲ってきたら今度は再起不能になるまでボコボコにすればいいしね♪」
幼女(こいつは一体何をしたんだ...)
犬娘「とりあえずご主人様、家の中に運ぶの手伝ってくれるかな?結構重いんだよねこれ」
幼女「...分かった」
犬娘「じゃあご主人様は足を持ってねー。私は上を持つから」
幼女「よいしょっ...と!」ガシッ
犬娘「さてと...そういえばこいつの顔をまともに見るのは初めてだったね」
犬娘「戦ってた時は暗くてよく見えなかったし運んでる時は足を引っ張って持ってきたからねー」
犬娘「一体どんな間抜け面なのかなっと!」
狼男「」クルッ
犬娘「なーんだ!普通じゃ...ん?」
犬娘「...」ジー
犬娘「あっ」
幼女「どうしたの?運ぶんじゃないの?」
犬娘「...ご主人様、私狼の知り合いが居るってちょっと前に言ったよね」
幼女「月を見ると凶暴化するっていう人?」
犬娘「それ多分この人...」
狼男「」
幼女「!?」
幼女「ど、どういうこと...?知り合いなの?」
犬娘「知り合いというか従兄...」
幼女「いとこっ!?」
幼女「...犬なのに狼が従兄なの?」
犬娘「まあそこはどうでもいいんだよ」
幼女(どうでもいいのか...)
犬娘「それにしてもおかしいな...狼くんは別の町に住んでるはずなんだけどどうしてここに...」
犬娘「それにどうしてご主人様や猫ちゃんを襲ったんだろう...」
幼女「起こして本人に聞いてみたら?」
犬娘「...そうだね。それが一番早いか」
犬娘「おーい!狼くーん!起きてー!」ユサユサ
狼男「」
犬娘「...駄目だ、完全に伸びてる」
犬娘「これはしばらく起きそうにないね...」
幼女「どうするの...?」
犬娘「...無理矢理起こすか」
犬娘「ご主人様、何か銀色の物を持ってきてくれるかな?」
幼女「銀色?」
犬娘「スプーンでもフォークでもいいから」
幼女「...分かった、持ってくる」スタスタ
幼女「スプーンだけど...これでいい?」スッ
犬娘「うん!ありがとう♪」
犬娘「ほらー狼くーん...銀だぞー...」ギラギラ
狼男「」
犬娘「どうするー...?起きないと体にくっ付けちゃうぞー...?銀アレルギーが発症しちゃうぞー...?」ギラギラ
狼男「...ぅぅ」
犬娘「どーん!!!銀を体にくっ付けちゃった!!!」ペタッ
狼男「う、うわああああああああああああああ!!!!!」ガバッ
狼男「...はっ!せ、拙者は何を...」キョロキョロ
犬娘「久しぶりだね♪狼くん♪」
狼男「い、犬氏!?どうしてここにっ!?」
狼男「...というかここどこでござるかっ!?」
狼男「そ、それより銀が!銀アレルギーが!!!」アタフタ
犬娘「あーこのスプーンならステンレス製だから安心して」
狼男「な、なんだ...よかったでござる...」ホッ
幼女(ござる...?)
狼男「って良くないでござるよ!一体どうなってるんでござるか!?」
犬娘「それを聞きたいのはこっちなんだけどなー...」
狼男「わ、わけが分からないでござる...」
幼女「あ、あのーとりあえず話を整理してみたら...」
狼男「ブフォッ!な、なぜこんなところに幼女が!?」
犬娘「あ、今気付いたんだ」
犬娘「まあここはご主人様の言う通りまずは話を整理しよっか」
犬娘「あ、狼くん?何か飲みたい飲み物ある?」
狼男「で、では麦茶を...」
狼男「...」ズズー
幼女「...」ズズー
犬娘「とりあえず狼くんに紹介するね!こっちの幼女は今の私のご主人様だよ!」
狼男「ご、ご主人様!?」
狼男「...どういうプレイでござるか?」
犬娘「まあ話せば長くなるんだけど簡単に言うと今この家に住まわせて貰ってるんだ♪だからご主人様♪」
狼男「な、なるほど...」
犬娘「じゃあご主人様に紹介するね!この人は私の従兄の狼男くん!」
犬娘「オタクでぼっちな狼で親戚の中では孤立してる可哀想な狼さんなんだよ...」
幼女「ぼっち...?」
狼男「ぼ、ぼっちじゃないでござる!一匹狼でござる!」
幼女(...なるほど)
犬娘「じゃあそろそろ本題に入ろうか!」
犬娘「まず1つ目の質問、狼くんはどうしてこの町に居るの?」
狼男「...実は前に住んでいた町の仕事をクビになったんでござる...」
狼男「アパートも家賃が払えず追い出されどうしようかと迷っていたらこの町の噂を聞いて一か八か来てみたんでござる...」
幼女「噂?」
狼男「ここはこっち側の人が沢山居て全員生活に困らず幸せに暮らしていると...」
犬娘「まあここって獣人だけじゃなくて他の種族の人もいっぱい住んでるからねー。ある意味間違ってないんじゃないかな?」
幼女(この町はどうなってるんだ...)
犬娘「では2つ目の質問...どうして猫ちゃんやご主人様を襲ったの?」
狼男「お、襲った!?拙者が女の子を!?」
狼男「な、何かの間違いでござる!!!拙者じゃないでござるよ!!!」アセアセ
犬娘「でも実際私とご主人様は今日狼くんに襲われたよ?」
狼男「!?」
犬娘「だから気絶させてここまで運んできたんだよ」
狼男「...そうだったんでござるか」
狼男「...実は昨日と今日の夜...野宿してる時についうっかり月を見てしまったんでござる」
狼男「昨日の夜はそこからの記憶がなくて...気付いたら元居た場所で寝てたので何もなかったと思ったんでござるが...」
犬娘「それが昨日の猫ちゃんが襲われた事件の真相か...あの爪痕は狼男くんの爪痕だったんだね」
犬娘「同じ犬科だし私と爪痕が似てるのも仕方ないか...」
狼男「本当に申し訳ないでござる!!!まさか人襲ってしまうなんて!!!」ドゲザー
犬娘「まあ仕方ないよ、特性なんだから」
犬娘「...あれ?じゃあどうしてご主人様を優先的に襲ったんだろ?」
犬娘「わざわざ先に逃げたご主人様を追いかけるなんて何か理由があるはず...」
犬娘「うーん...あの時のご主人様って何か変わったところがあったけ...?」
犬娘「...」
犬娘「あっ」
犬娘「ねぇ、狼くん...好きな動物って何かな?」
狼男「ど、動物でござるか?」
狼男「そうでござるね...バニーも捨てがたいが犬耳もいい...でも一番って言われるとやっぱり...」
狼男「猫でござるね!!!」
犬娘(あー...そういうことか)
狼男「やはり萌えの極地と言ったら猫!猫耳尻尾口調全てが完璧でござる!」
犬娘(あの時のご主人様は猫のコスプレをしていた...だから本能的にご主人様を襲ったんだ)
狼男「あ、別に他の動物もいいでござるよ?犬のような尽くしてくれる感じも兎のぴょんぴょんしてる耳も全部愛しているでござる!」
犬娘(というかそもそも猫ちゃんが襲われた理由もそれと同じだろうなぁ...思えば前に何回か狼くんが暴走したことがあったけど人は襲わなかったし)
犬娘(今回の事件の原因は猫か...)
犬娘(分かってみるとアホらしい事件だなぁ...)
狼男「でもでも馬もいいござるね。個人的には人型よりもケンタウロスのような半人半獣が良かったり~」ペラペラ
犬娘「...なんか拍子抜けしちゃうよねご主人様」
幼女「...」
犬娘「あれ?ご主人様?」
幼女「Zzz...」
犬娘「...寝てる」
犬娘「...そういえば今真夜中だったね。幼女はもう寝てる時間帯か...」
犬娘「狼男くん、今日はもう遅いし明日の朝、猫ちゃんに謝りに行こうか?」
狼男「...そ、そうでござるね...話を聞く限り傷つけてしまったみたいでござるし...謝っても謝りきれないでござる...」
犬娘「大丈夫!猫ちゃんなら許してくれるよ!」
犬娘(多分)
犬娘「ところで今日はどこで寝るの?家ないんでしょ?」
狼男「野宿は慣れっこでござるよ!寝心地のいい木でも見つけてそこに寝るでござる!」
犬娘「うーん...でも外は寒いよ?」
狼男「毛皮があるから大丈夫ござる!」
犬娘「...良かったらうちに泊まる?一人くらいなら寝れる部屋があると思うけど」
狼男「と、とんでもないでござる!!!女の子二人と同じ屋根の下なんて死んでしまうでござるよ!!!」
犬娘「でもまだ月があるよ?また見て暴走しない?」
狼男「下を見て歩けば平気でござる!!!」
狼男「では拙者はこの辺で!また明日の朝に来るのでござる!」ガチャ
犬娘「は~い、また明日ね~」フリフリ
バタン
犬娘「さて私も寝ようかな...」
犬娘「ご主人様おやすみ~♪」ダキッ
幼女「うぅ...ぐ、苦しい...」ギチギチ
...........................................................
......................................
チュン...チュン...
犬娘「Zzz...」スピー
幼女「...ん」パチッ
幼女「朝か...」
幼女「確か昨日は...狼の話を聞いてる途中に寝ちゃったんだっけ?」
幼女「...ところでどうしてこいつはまた私に抱きついて寝てるんだ...」
犬娘「Zzz...」スピー
幼女「...起きよ」ムクッ
犬娘「ご主人様しゃまぁ...」ガバッ
幼女「はっ!」スッ
スカッ
犬娘「Zzz...」ゴロン
幼女「ふふふ...私に同じ手は通用しない」
幼女「...」
幼女「...なにやってるんだ私は」カァ
...........................................................
.......................................
犬娘「ふわぁ...ご主人様おはよー」
幼女「はい朝ごはん」ゴトッ
犬娘「んーありがとうー」モグモグ
犬娘「ご主人様昨日寝ちゃってたよねー。寝顔可愛かったよー」
幼女「...うるさい」モグモグ
犬娘「幼女なんだからもっと『ふぇぇ...』とか言えばいいのに、そっちの方が可愛いよ?」
幼女「そういうのはもう卒業したの」モグモグ
犬娘「そういえば今日狼くんと一緒に猫ちゃんのところに謝りに行くけどご主人様も来る?」
幼女「...いつ?」
犬娘「んとーねぇ」
ピンポーン
犬娘「今から」
幼女「...」
ガチャ
犬娘「あ、狼くん?今から準備するからもう少し待っててねー」
狼男「了解でござる」
犬娘「ほらご主人様も準備して、今から猫ちゃんの家に行くよー」
幼女「結局私も行くことになるのか...」
犬娘「お待たせー!じゃあさっそく猫ちゃんところに行こっか!」
幼女「あの猫ちゃんがどこに居るか知ってるの?」
犬娘「まぁ一応同僚だしねぇ...家の場所くらいは知ってるよ」
狼男「うぅ...少し怖いでござる...」
犬娘「だから大丈夫だって!猫ちゃんも根っからの悪人じゃないから謝れば許してくれるよ!」
犬娘(多分)
犬娘「じゃあ猫ちゃんの家にしゅっぱーつ!」
~~~~高級住宅街~~~~
犬娘「もうすぐ到着だよー」スタスタ
幼女「...」
狼男「...」
幼女「ほ、本当にここに住んでるの?」
犬娘「そうだよ?」
狼男「お、大きい家がいっぱいでござる...」
犬娘「そりゃここら辺でも一番の高級住宅街だからねー」
犬娘「あ、ほら見えた!あそこの家だよ!」
豪邸「」ドーン
「「!?」」
幼女「な、何あれ...家というよりお城...」
狼男「プ、プール付きの家なんて初めて見たでござる...」
犬娘「猫に小判...猫に豪邸...本当無駄だよねアレ」
幼女「あんな家どうやって買ったの...」
犬娘「猫ちゃんってなぜかお金だけはあるからね」
犬娘「じゃあチャイム押すよ?」
狼男「...」ゴクリ
ピンポーン
『...犬、何の用ニャ』
犬娘「猫ちゃん!真犯人を連れて来たよ!」
『...お前が犯人のくせにかニャ?』
犬娘「...だから私じゃないって言ってるでしょ?」イラッ
幼女「ほ、本当にこいつは犯人じゃなかったよ!」
『お前は...犬の飼い主かニャ』
『...お前は私を病院に連れて行ってくれたいいやつニャ。信じるニャ』
幼女「よ、良かった...」ホッ
『で、誰が真犯人ニャ?』
犬娘「今家の前に居るから出てきてくれるかな?」
『...分かったニャ』
ガチャ
猫娘「...」
猫娘「...犯人はどこニャ」
犬娘「ほら狼くん...」
狼男「...ご」
狼男「ごめんなさあああああああああああああああああいいいいいいいい!!!!!!!!」ドゲザー
猫娘「...お前が犯人かニャ?」
狼男「そうなんですうううううううううう!!!!拙者がアナタを襲った狼なんですううううううううう!!!!」
猫娘「狼...」
狼男「女の子を襲うなんて最低のことをしたのは分かっていますううううううううう!!!!!」
狼男「ましてや世界で一番可愛い動物の猫を襲うなんてゲスの中のゲスですうううううううう!!!!」
猫娘「世界で一番可愛い...」
狼男「どうかああああああああ!!!!どうか許してくださいいいいいいいいいいいいい!!!!」
猫娘「...」
犬娘「ほら猫ちゃん、こんなに言ってるし許してあげたら?」
幼女「うんうん...」
猫娘「...」
猫娘「...ぃ」
猫娘「嫌ニャ」
犬娘「...は?」
幼女「...えっ」
狼男「」
猫娘「謝られたぐらいじゃ私の傷も心の傷も癒えないニャ」
猫娘「この傷を見てみろニャ、こんなに深く引っかかれてるニャ」
猫娘「慰謝料を貰わないと気がすまないニャ」ニヤァ
狼男「そ、そんな...」ガクッ
犬娘「ちょ、ちょっと猫ちゃん!そんな言い方ないでしょ!?」
犬娘「狼くんだってかくがしかじか...故意でやったわけじゃばいんだよ!?」
幼女「そ、そうだよ!」
猫娘「そんなの知らんニャ、とにかく許す気はこれっぽっちもないニャ」プイッ
狼男「う、うぅ...そんな...」シクシク
犬娘「...はぁ、やっぱりこうなるか」
幼女「ど、どうするの?」
犬娘「コレを持ってきて正解だったよ...どうせタダで許してもらえると思ってなかったからね...」ガサゴソ
幼女「?」
犬娘「おいコラ猫ちゃん、これをあげるから狼くんを許してあげなよ」
猫娘「...なんニャそれ」
犬娘「ちょっと耳貸して」
猫娘「?」
犬娘「脱法マタタビ」ボソッ
猫娘「!!!」
猫娘「だっ!だっ!脱法マタタビってお前...!」
犬娘「しっ!声が大きい!」
猫娘「だ、脱法マタタビと言えばあまりの効果に法律で禁止されてるマタタビじゃないかニャ!どっ...どうしてお前がそれを持ってるニャ!」
犬娘「まあそんなことはどうでもいいんだよ。で、許すの許さないの?」
猫娘「ゆ、許さな...!」
犬娘「あーあ...この脱法マタタビの効果ってすごいらしいねー」
犬娘「一回吸うだけで天国に行けるとか何とか...」ニヤァ
猫娘「...」
狼男「うぅ...」シクシク
猫娘「お、おい...そこの狼...」
狼男「は、はい...?」ウルウル
猫娘「ま、まあその...と、特性なら仕方ないニャ!」
猫娘「今日は特別に許してあげるニャ!感謝するニャ!」
狼男「えっ?ほ、本当でござるか...?」
猫娘「猫に二言はないニャ!」
狼男「あ、ありがとうございますうううううううううううう!!!!!!」ドゲザー
猫娘「う、うむニャ...」
猫娘「さあ許してやったニャ...それをくれニャ...」
犬娘「はい♪使い過ぎは駄目だよ♪」スッ
猫娘「じゃ、じゃあこれで失礼するニャ!あ、今日は休むと店長に言っておいてほしいニャ!」
猫娘「るん♪るん♪るん♪ニャ♪」
バタン
犬娘「これにて一件落着!」
幼女「...」
幼女(さっき脱法だとか法律だとか不穏な言葉が聞こえたけど聞こえなかったことにしよう)
犬娘「良かったね狼くん!許してもらって!」
狼男「グスッ...あ、ありがとうでござる!これも犬氏のおかげでござる!」
犬娘「やだなー♪私は何もしてないよー♪」
犬娘「そういえば狼くんって仕事がまだないんだったよね?」
犬娘「良かったら私がバイトしてるメイド喫茶で働かない?ちょうど皿洗い係がいなくて困ってたんだ!」
狼男「ほ、本当でござるか!?働く!働かせてもらうでござる!」
犬娘「うん!じゃあさっそく店長のところに報告しに行こうか!」
犬娘「ご主人様!私このままメイド喫茶の方に行くね!」
幼女「あっそ...」
犬娘「あ、これ私の電話番号!何かあったら電話してね!」スッ
犬娘「またねー♪ご主人様ー!」フリフリ
幼女「...これ私が着いて行く必要あった?」
幼女「はぁ...アホらしい、私も帰ろっと」スタスタ
ンニャアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!
幼女「」ビクッ
幼女「な、なんだ今の叫び声...猫ちゃんの家からしたけど...」
幼女「な、何かあったのかな?」
幼女「...様子を確認した方がいいよね?」
ピンポーン
シーン
幼女「...出てこない」
幼女「まあいいか。今度こそ本当に帰ろっと」クルッ
ガチャ
猫娘「...」
幼女「あっ」
幼女「あ、あのさっきすごい声が聞こえたから心配で...」
猫娘「...」ハァハァ
幼女(あれ?何か様子がおかしいような...)
猫娘「...せろ」ハァハァ
幼女「え?何だって?」
猫娘「ヤらせろニャアアアアアアアアアアアアアアアッッッ!!!!!!」ガバッ
幼女「!?」
幼女「う、うわあああああああああ!!!」ダッ
猫娘「待てえええええええええ!!!!!逃がすかああああああああ!!!!」ダダダッ
幼女(な、何アレ!何アレ!絶対おかしい!)
幼女(何というか野生的というか理性がないというか...!と、とにかく捕まったらヤバイ!)
猫娘「ニャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッッ!!!!!」ダダダッ
幼女「つ、着いてこないでええええええええええええ!!!」
............................................................
..............................................
ガチャ
バタン
幼女「はぁ...はぁ...」
幼女「な、何とか逃げ切れた...」グタッ
幼女「どうして朝っぱらからこんなに走らんといけないんだ...」
幼女「...そういえば昨日も走ってたような」
幼女「あぁ疲れた...今日はゆっくり休も...」
『ご主人様!』
幼女「!?」キョロキョロ
幼女「い、居ない...何これ幻聴?」
幼女「そういえばあいつが家に来て数日...ずっと一緒に居た気がする」
幼女「そっかぁ...今私は一人なんだ...」
幼女「...」
幼女「よっしゃああああああああああああああああああああ!!!!!!」ガッツポーズ
幼女「やっと一人になれた!今私は自由なんだ!」
幼女「うるさい犬もめんどくさい猫もその他色々よく分からないやつらもいないんだ!」
幼女「普通の生活ってこんなに気楽なものだったんだ!失った初めて気が付いた!」
幼女「今日は一人をいっぱい楽しもう!」
幼女「あいつが居ないからネギ料理もいっぱい作れる!」ジュージュー
幼女「あむっ...うん!おいしい!」パクパク
幼女「あいつが占領してたテレビも自由に見れる!」ピッ
幼女「あははははははは!面白い!」ゲラゲラ
幼女「あいつが入浴剤はお肌に悪いからとか言って使えなかったバスクリンもいっぱい入れれる!」
幼女「ふぃ~...気持ちいぃ...」プカプカ
幼女「あぁ~いいお湯だった~」ポカポカ
幼女「やっぱりバスクリンはいいなぁ...」
幼女「あっ、もうお昼だ!」
幼女「お昼ご飯どうしようかなぁ...でもさっきネギ料理食べたからなぁ...」
幼女「...」
幼女「よし!もう一度ネギ料理を食べよう!」
............................................................
..........................................
犬娘「お帰りなさいませ♪ご主人様♪」
犬娘「お待たせしました♪ご主人様♪」
犬娘「いってらっしゃいませ♪ご主人様♪」
犬娘「あー久しぶりの仕事は疲れるねぇ...」
犬娘「家に居るご主人様は元気にしてるかな?今頃私のことが恋しくなってるだろうなぁ...」
犬娘「...あれ?」
犬娘「何か大切な約束を忘れてるような...何だっけ?」
犬娘「まあいっか♪」
幼女「げぷっ...少し食べ過ぎた...もうネギは一週間はいらない...」
幼女「次は何をしようかなぁ...あっ!そういえば買っておいたゲームをまだプレイしてなかった!」
幼女「あいつにバレると絶対一緒にやろうってうるさいだろうからなぁ...さっさと一人で遊び尽くそっと」
幼女「うわぁ!銀次だぁ!私の全財産がぁ!!!」ガーン
幼女「くそっ...こいつ本当に死ねよ...ボンビーより悪質じゃん...」ブツブツ
幼女「そもそも数百億をどうやって盗むんだよ...絶対運べないじゃん...」ブツブツ
ピンポーン
幼女「ん?こんな時間に誰だろ?」
幼女「今いいところなんだけどなぁ...居留守しちゃおっかなぁ...」
オーイ イヌー キテヤッタゾー
幼女「」ビクッ
幼女「い、今さっき犬って聞こえた...」ゾー
幼女「ぜ、絶対あいつの関係者だ...そうに違いない...」
幼女「どうしよう...せっかく私の休日が潰される予感がする」
幼女「...居留守しよう」
ハヤク アケロー イルノハ ワカッテル ンジャゾー
幼女(息を殺せ...呼吸の音でバレないように...)
幼女(心臓の音も...出来るだけ聞こえないように...)ドクンドクン
シーン
幼女(...音が聞こえなくなった、もう諦めたのかな?)
幼女(駄目だ!油断をしてはいけない!)
幼女(あと5分は我慢...)
ヌルッ
狐娘「まったく...おるのは分かっておると言ってるだろうに」
幼女「わぁっ!?」
幼女「か、壁を抜けta...?」
狐娘「うむ...ここがやつの新しい家か...少し狭いのう」
幼女(いきなりやってきて何だこいつ...)カチン
狐娘「これそこの小娘」
幼女「は、はいっ!」ビクッ
狐娘「居留守とは感心せんのう、客人ばもてなすべきじゃ」
幼女「は、はぁ...」
狐娘「分かったら茶の一つでも持ってこい」
幼女(いやだから誰だよ...)
幼女「...どうして私は顔も知らない相手のお茶を作ってるんだろ」
幼女「...あ、あいつの電話番号貰ったんだっけ」
幼女「ちょっと電話して聞いてみよう」ポチポチ
プルプルプル
『もしもしー?ご主人様?私の声でも聞きたくなったのかな?』
幼女(うぜぇ)
幼女「違う!」
『ちぇっ、違うのかー...じゃあ何のようかな?』
幼女「何か変なやつが家に入ってきたんだけど...知り合い?」
『変なやつ?』
幼女「尻尾がでかくて耳が犬っぽいやつ...」
『ああっ!忘れてた!!!』
幼女「うるさい!」
『しまったー...今日だったか...すっかり忘れてたよ...』
幼女「で、誰なのあいつ?」
『狐様...』
幼女「狐...様...?」
『うわー...どうしよっかなー...でも今抜けられないし...うーん...』
『...とりあえず私が帰るまでご主人様、頑張って引き止めておいて!』
『絶対怒らせちゃ駄目だよ!最悪この町が吹き飛ぶことになるから!』
幼女「はぁ!?」
幼女「い、意味が分からないんだけど!」
『簡単に説明するとその人は私のおばあちゃんの師匠で今日会う約束をしてんだよ!』
幼女「...おばあちゃんの師匠?どうみても十代にしか見えないんだけど」
『いやだってあの人半分神様みたいなもんだから実年齢は千はとっくに超えてるよ?』
幼女「はぁ!?」
『とにかく絶対に怒らせちゃ駄目!あの人の言うことは何でも聞いて!』
『えーっと今は昼の1時だから...夕方の6時には帰れると思う!それまで何とか持ちこたえて!』
幼女「ごっ...五時間もっ!?」
『とりあえずは戸棚にある赤いきつねをあげれば大丈夫だと思うから!』
『間違っても隣にある緑のたぬきをあげちゃ駄目だよ!』
幼女「わ、分かった!」
『もし不機嫌になった時は雨が降ると思うからそうなったら全力でご機嫌をとってね!』
幼女「雨?」
『あっ...店長に呼ばれた...』
『じゃあご主人様頑張ってね!!』プツッ
ツーツーツー
幼女「...」
幼女「あ、赤いきつねっ!」ダッ
幼女「お、お待たせしました...」フラフラ
狐娘「茶を入れるにしては遅かったのう」
狐娘「...む?この匂いは...」クンクン
幼女「あ、赤いきつねです...好物と聞きましたので...」スッ
狐娘「おぉ!気が利くではないか!」パァ
幼女(本当に好物なのか...)
狐娘「やっぱり赤いきつねはいいのう!緑のたぬきとは比べられないほどうまいのじゃ!」ツルツル
幼女「は、はぁ...」
狐娘「ちゅるちゅるちゅる...ところでそこの小娘」
狐娘「お主があの犬の飼い主か?」
幼女「い、一応そういうことになってるらしいですけど...」
狐娘「ふむ...家が火事になったと聞いたときは心配したがこの様子だと大丈夫そうじゃな」チュルチュル
狐娘「まああいつにそんな心配は無用だったか。元気があり過ぎて少しうざいくらいじゃからな」
幼女(知ってる)
狐娘「ところで犬のやつはどこに居るのじゃ?この家には居ないようじゃが」キョロキョロ
幼女「今は出かけてます...夕方には帰るかと」
狐娘「むぅ、せっかくわらわが来てやったのに...失礼なやつじゃ」
狐娘「仕方ない、帰ってくるまで待たせてもらうとするかのう」
狐娘「あ、きつねが切れたのじゃ。おかわりをくれ」
幼女「...」
幼女「はい、おかわりです」
狐娘「おぉ!」パァ
狐娘「ちゅるちゅるちゅる...うむ、やはりきつねは最高じゃな」
狐娘「このだしの効いた汁にコシがある太麺、そして油あげ...まさに最高の料理じゃ」
狐娘「もう三食食っても飽きんぐらいじゃ。さすがに体に悪いので食べないが」
幼女(そこは気にしてるかい)
狐娘「ところで小娘、少し気になることがあるのじゃが」
幼女「はい?何ですか?」
狐娘「そこの...お主の側にある機械は『げーむ』というやつではないか?」
幼女(あっ、そういえばゲームしてる途中に来たんだっけ...)
幼女「は、はい...そうですけど」
狐娘「おぉ!実は『げーむ』は前々から気になっていたのじゃ!ぜひ一度触らしてくれないか!?」
幼女(...まあただゲームするだけなら気分を損ねないよね?)
幼女「じゃあちょっと待っててください、電源入れるんで」
狐娘「すまないな!礼を言う!」
幼女(えーっと何のソフトをやってたんだっけ?確か桃てt...)
『絶対怒らせちゃ駄目だよ!最悪この町が吹き飛ぶことになるから!』
幼女(...はっ!)
幼女(も、桃鉄は絶対駄目だ!絶対イライラする!)
幼女(ゲーム初心者にこの友情破壊ゲームは危険過ぎる...普通ならリアルファイトで済むだろうけど...もし怒ったらこの町が!)
狐娘「...む?どうしたのじゃ?」
幼女「あ、あの!そのえっと...ソ、ソフトが入ってなかったので取ってきます!」ダッ
狐娘「そうか!待っておるぞ!」
幼女(初心者でも安心して楽しめるやつを探さないと!)
幼女「えーっと確かこの辺にソフトを閉まったはず...」ガサゴソ
幼女「...あっ!あった!」
幼女「えーっと入ってるソフトは...」
『大乱闘スマッシュブラザーズ』
幼女「これは駄目だ!理不尽な集中攻撃に絶対怒る!」
『ぷよぷよ』
幼女「これも駄目!連鎖が続かなくて絶対イライラする!」
『ボンバーマン』
幼女「これは絶対駄目!友達と何度喧嘩したことか!」
『マリオカート』
幼女「甲羅が危ない!特にゴール直前のトゲゾーは確実にキレる!」
幼女「ろ、ろくなソフトがねぇ!どいつもこいつも人と競わせる物ばっかり作りやがって!」
幼女「お前らのせいで友達と何回揉めたと思ってるんだよ...絶交寸前まで行ったこともあったんだからなぁ...」シクシク
幼女「どうしよう...これじゃゲームは無理だ...」
幼女「...」スタスタ
狐娘「むっ!遅かったな!」
幼女「あ、あの実は...そのゲーム機壊れてるんです...」
幼女「だからゲームは出来な...」
狐娘「壊れてる?ここのぼたんを押したら電源が付いたぞ?」
幼女「!?」
幼女「あ、あれれ~!?おかしいな!」
幼女「や、やっぱりどこか壊れてるのかな!ちょっと叩いて直してみますね!」バンバン
狐娘「お、おい...そんなに叩いたら壊れてしまうぞ...?」
幼女「直れ!直れ!直れ!」バンバン
ゲーム機「」バキッ
狐娘「あぁっ!げーむ機がぁ!」
幼女「あっ!つい勢い余って壊してしまった!」
幼女(ふぅ...これでゲームはやらずにすむ...我ながらナイスアイデア!)
狐娘「うぅ...やりたかったのに...」ウルウル
幼女「!?」
幼女(し、しまった...壊すのは少しやり過ぎたかも...)
ザーザー ザーザー
幼女(あ、雨が降ってきた!?)
狐娘「わらわのげーむ...」ウルウル
幼女「そ、そうだ!テレビを見ましょう!」ピッ
TV『ゲラゲラ ゲラゲラ』
幼女「ほ、ほら!面白いですよ!」
狐娘「...?」
狐娘「おぉ!これは愉快じゃ!」
ポツポツ ポツポツ
幼女(ほっ...雨が止んだ...)
~~~~数十分後~~~~
TV『ゲラゲラ ゲラゲラ』
狐娘「...」
幼女(あ、あれ?何か大人しくなってる?)
狐娘「...飽きたのじゃ」
幼女「!?」
狐娘「やはり人の話というのは直接会って聞いた方が数倍も面白い」
狐娘「このてれびというものは時間を潰すには最適じゃが集中して見ると意外とつまらんもんじゃのう」
幼女(...意外と鋭いところを突くなぁ)
狐娘「小娘、お主の口から何か愉快な話を聞かせてくれないか?」
幼女「えぇ...」
狐娘「何でもいいのじゃ、落語でも怪談話でも」
幼女「面白い話...ですか」
幼女「では少し怖いお話を...」
狐娘「おぉ!楽しみじゃ!」
幼女「《さっちゃん》という話なんですが...」
幼女「ということでその噂を聞いていた先生は足を切られて死んでいましたとさ」
狐娘「...」
幼女「これで一応終わりですけど」
狐娘「...こ」プルプル
狐娘「怖過ぎるわっ!!!!!」
幼女「えっ」
狐娘「なんだその話!!!もう足を出して寝れなくなったではないか!!!」
狐娘「それどころか毎晩ばななを置かないと寝れないわ!!!」
幼女「だって怖い話って...」
狐娘「もう嫌なのじゃあ...夜にさっちゃんが来るのじゃあ...」ウルウル
ザーザー ザーザー
幼女「!?」
幼女(ま、また雨が...!)
幼女「わーっ!わーっ!さっきの話全部嘘です!」
狐娘「う...そ...?」ウルウル
幼女「は、はいっ!さっちゃんなんて居ません!私が今適当に考えた話です!」
狐娘「...」
狐娘「なんだ嘘か」ケロッ
狐娘「中々面白いやつじゃのう!気に入ったぞ!」
狐娘「わらわの弟子にしてやってもいいぞ!」
幼女(い、色々心臓に悪い...)
...........................................................
.............................................
犬娘「はぁ...ご主人様大丈夫かなぁ」
犬娘「狐様を怒らせるようなことしてなきゃいいけど...」
犬娘「...ん?狐?」ピクッ
犬娘「あれー?何かまた忘れてるような...狐に関係ありそうなことで...」
犬娘「...」
犬娘「まあいっか♪」
狐娘「王手」パチッ
幼女「うっ...」
幼女「ま、参りました...」ペコリ
狐娘「むふふ...これでわらわの十連勝じゃ!」
幼女「将棋お強いですね...」
狐娘「室内遊戯は得意じゃからな!もう誰にも負ける気はせんぞ!」
狐娘「さてそろそろ将棋も飽きてきたな!次は何をして遊ぶのじゃ?」
幼女「じゃあ次はオセロで遊びましょうか」
狐娘「むっ?なんじゃこれは?囲碁か?」
幼女「これはオセロと言って...」
ピンポーン
幼女「...ん?また誰か来た...」
狐娘「せっかく盛り上がってきたところなのに...空気の読めないやつじゃのう」
幼女「ちょっと出てきますね」
狐娘「うむ」
ピンポーン ピンポーン
幼女「はいはい今出まーす」
幼女「どちらさまで...」ガチャ
幼女「あれ?誰も居ない」キョロキョロ
幼女「...ピンポンダッシュ?」
ツンツン
幼女「?」クルッ
化け物『わあっっっ!!!』
幼女「ぎゃあああああああああああああああああ!!!!!!」
狐娘「どうした!?とんでもない叫び声が聞こえてきたぞ!」
幼女「ば、化け物が...」
狐娘「化け物...?」
化け物『あははっ♪ドッキリ大成功やね♪』
狐娘「そ、その声は...!」
ボンッ
狸娘「久しぶりやね♪狐ちゃん♪」
狐娘「げぇっ!?な、なぜ貴様がここにおる!狸!」
狸娘「そんなきつい言い方せんでもええやん?久しぶりの再会なんやし」
狐娘「久しぶりって先月会ったばかりじゃろうか!」
幼女「だ、誰...?」
狸娘「まあとにかく家にあがらせてもらうわ♪話は家の中でも出来るんやし」スタスタ
狐娘「ちょ!勝手に入るでない!ここは犬の家じゃぞ!」
狸娘「だってウチ、その犬ちゃんに呼ばれて来たんやで?」
狐娘「はぁっ!?」
幼女「はぁっ!?」
狸娘「ここが犬ちゃん新しいお家かぁ...なんか狭いところやね」キョロキョロ
幼女(はいはい、どうせ私の家は小さいですよ)カチン
狐娘「」イライラ
狸娘「あ、お茶とかわざわざいらんで?そこまで気を使う必要はないで?」
幼女「...お茶を持ってきます」スタスタ
狸娘「ほんまぁ?悪いねぇ♪」
幼女「...」ピポパ
プルプルプル
『もしもし?ご主人様?何かあったの!?』
幼女「また変なやつが家に来た」
『えっ?』
幼女「狐様は狸とか言ってた」
『あちゃー...思い出した...今日は狸様とも会う約束してたんだっけ...』
幼女「人と会う約束ぐらい覚えとけよぉ!!!」
『そんなに怒らないでよーご主人様ー』
幼女「で、何!?また帰ってくるまで私が引き止めればいいのぉ!?あぁん!」
『うんまあそうしてもらえると助かるかなーって...』
幼女「ああああああああああああ!!!!!!もう分かったよ!やればいいんでしょ!やれば!」
幼女「いいから早く特徴を教えて!お茶を待ってるんだから!」
『...ご主人様怒ってる?』
幼女「怒ってない!!!」
『あの人は狸様と言って狐様と同じ半分神様みたいなもんでねー』
『好物は緑のたぬき、とりあえずこれをあげとけば大人しくなると思う』
『まああの人の性格上怒ることなんて滅多にないから狐様みたいなご機嫌とりはいらないと思うから安心して』
幼女「...じゃあそこまで気を使わなくていいの?」
『うん...でもこれはあくまで狸様単体での話、狐様とのセットなら話は変わるんだ...』
幼女「詳しく」
『...あの二人すごく仲が悪くて会うたびに喧嘩してるんだ』
『いつも狸様が煽って狐様が怒るパターンなんだけどねー』
幼女(犬と猫みたいな関係か...)
『まあいつも私が仲裁するって形で何とかマジ喧嘩にはならないからいいんだけど』
『...だから今の状況は非常にまずいよね』
『噂では昔、喧嘩に巻き込まれた国が滅びたとか何とか...』
幼女「...」
『とにかく喧嘩が起こったら第三者になること!絶対どっちかに付いたら駄目だよ!』
『あともし狐様がキレたら体を張って止めること!あの人優しいから絶対ご主人様には手を出さないと思う!』
『あっ!店長に呼ばれた!』
『じゃあまたねご主人様!頑張ってね!』プツッ
幼女「...」
幼女「...国の危機ならバイトくらい抜け出してこいよ」
幼女「あぁ...せっかくゆっくり出来ると思ったのにどうして狐と狸の喧嘩に巻き込まれてるんだ...」
幼女「もうやだ...」
幼女「お、お待たせしました」フラフラ
幼女「はい...お茶と緑のたぬきです」
狸娘「おぉ!たぬきまで持ってきてくれるなんて悪いなぁ!どうもおおきに♪」
狐娘「」イライラ
幼女「はい、狐様にはきつねのおかわり」スッ
狐娘「あっ...」パァ
狸娘「...何かくっさい臭いがするなぁと思ったらそのきつねやったんか」ボソッ
狐娘「」ピキッ
狐娘「...おい貴様、もう一度申してみい」
狸娘「ん?狐ちゃん耳が遠くなるには少し早いんじゃないん?」
狐娘「わらわのことは何とでも言え!!!だが赤のきつねの悪口だけは許さんぞ!!!」
幼女(うわぁ...始まった...)
狸娘「きつねきつねって...誰が見てもきつねってたぬきの劣化やん」
狸娘「何か麺もゴツゴツして不味いしダシもそこら辺のやつと変わらんやん」
狸娘「その点狸は優秀やわぁ♪麺もダシも美味しいし何よりきつねの油揚げと違ってかき揚げが美味しいからなぁ♪」
狐娘「...ぷっ、天ぷらがふにゃふにゃになる劣化構造が何か言っておるわ」
狸娘「...あん?」ピキッ
狐娘「そもそもたぬきの麺って蕎麦って感じはしないしダシは何か薄いし」
狐娘「正直かき揚げも汁に付けるよりそのままバリバリ食った方が旨いのじゃ!」
狸娘「...後乗せも知らん素人さんがよう言ってくれるわ」
狐娘「あ、今認めたのじゃ。ふにゃふにゃが不味いって認めたのじゃ」
狸娘「...」バチバチバチ
狐娘「...」バチバチバチ
幼女(ふにゃふにゃも好きなんだけどなぁ)
狸娘「なら他の人に決めてもらおか。味覚がおかしい人と言い合っても無駄やからなぁ...」
狐娘「その通りなのじゃ、たぬきが旨いとか言ってる味音痴と言い合っても時間の無駄じゃからな」
狐狸「」ギロッ
幼女「」ビクッ
幼女(...え?私?)
狐娘「小娘!やっぱりたぬきよりきつねの方が旨いじゃろ!?」
狸娘「何言うてるん?やっぱりきつねなんかよりたぬきの方が美味しいやんな!?」
幼女「えぇ...」
幼女(ど、どうしよう...どっちかに味方したら駄目って言われたし...)
幼女(こ、ここはシンプルに一番美味しいと思うやつを言おう...)
幼女「わ、私はうどんや蕎麦より焼きそばのUFOの方が好きです!!!」
狐狸「...」
狐娘「...」
狸娘「...」
幼女(あれ?なにこの雰囲気...)
狐娘「正直今のご時世に焼きそばはないのじゃ...」
狸娘「どことは言わんけど何入っとるか分からんもんな...」
幼女(そういうのは気にするんかい)
狸娘「あーあ、何か狐ちゃんのせいで白けたわ」
狐娘「なんじゃと!」
狸娘「犬ちゃんもしばらく帰ってこうへんみたいやしトランプでもして遊ばへん?」
狐娘「駄目じゃ駄目じゃ!小娘は今からわらわとおせぐちをするのじゃ!」
幼女(おせぐち...?)
狸娘「オセロは2人しか遊べないやん?3人おるんやからみんなで遊べるやつの方がええやろ」
狸娘「それとも狐ちゃんは一人を仲間外れにするケチな子やったん?」
狐娘「ぐ、ぐぬぬ...」
幼女(狸の方が一応狐より大人っぽい感じがする)
狸娘「じゃあトランプに決定やな。ウチちょうど持ってきてるんや」スッ
幼女(どうしてトランプを持ち歩いてるんだろう)
狸娘「何で遊ぶ?スピード?ブラックジャック?ポーカー?」シュッシュッ
狐娘「なんじゃその西洋っぽい名前は!もっと分かりやすいやつにするのじゃ!」
狸娘「あっそっか、狐ちゃんお子ちゃまやから難しいルールは分からんよね」
狸娘「なら分かりやすい大富豪にしよか♪」
狐娘「だ、誰がお子ちゃまじゃ!!!」
幼女(大富豪は知ってるんだ)
..........................................................
.........................................
狸娘「はいあがり♪これでウチの十連勝やね♪」
狐娘「ぐぉぉ...また二番なのじゃあ...」バタバタ
幼女(この二人強すぎるよ...私ずっとビリだよ..)
狸娘「まったく狐ちゃんは弱いなぁ...相手にならへんわ」ドヤァ
狐娘「...おかしい」
狐娘「さすがにおかしいのじゃ!わらわが十連敗なんて!」
狸娘「何?今度はいちゃもん?」
狐娘「確かにわらわは西洋かるたはそこまで得意ではない!しかしそこまで弱くもない!」
狐娘「...貴様っ!まさか何か如何様をしたな!」
狸娘「」ギクッ
狸娘「な、何のことやろなぁ...」プイッ
狐娘「ちょっとそれ貸してみろ!何か仕掛けがあるはずじゃ!」ガバッ
狸娘「ちょ、何すんねん!何も仕掛けなんてしてないわ!」ジタバタ
ボンッ
葉っぱ「」パラパラ
狸娘「あっ」
狐娘「こ、これは...」
幼女(トランプが葉っぱに...)
狐娘「き、貴様化かしたな!狐のわらわを!」
狸娘「化かされる方が悪いんよ?」
狐娘「もう怒ったのじゃ!表に出ろ!今日こそは決着をつけてやるのじゃ!」バチバチッ
狸娘「...面白いやん」バチバチッ
ゴロゴロ ゴロゴロ
幼女(雨じゃなくて雷が鳴り始めた!?)
幼女(こ、これヤバイやつなんじゃ...)
幼女「ちょ、ちょっと!二人とも落ち着いて!」ダッ
狐娘「どくのじゃ小娘!黒焦げになりたいのか!」バチバチッ
幼女「さすがに遊びでマジギレなんてちょっとおかしいですよ!」
狐娘「あいつは狐であるわらわを化かしたのじゃ!!!狸の分際で!!!」
狐娘「許さないのじゃ!!!狸鍋にして食ってやる!!!」
幼女「化かされたのは私も同じですよ!」
幼女「それに狐様はずっと二位じゃないですか!二位!」
幼女「狸様が反則負けで実質一位みたいなもんじゃないですか!!!」
狐娘「...」
幼女「よっ!日本一!試合に負けて勝負で勝ったってやつですよ!!!」
狐娘「...そ、それもそうじゃな!」
狐娘「あいつは反則負けじゃから実質一位はわらわなのじゃ!!!」
狐娘「はーっはっはっは!!!わらわが一番なのじゃ!見たか狸!」
狸娘「」イラッ
狸娘(...少しイラつくけどあの幼女ちゃん中々上手いやん)
狸娘(犬ちゃん並に見事に狐ちゃんを言いくるめるなんて)
狐娘「小娘!お主は本当に物事を分かっておるな!」バンバン
幼女「は、ははは...」
幼女(...寿命が縮まる)
狸娘(...ちょっとからかいたくなってきたわ)ニヤァ
狐娘「さぁ小娘!あんなせこいやつは放っておいておせぐちでもするのじゃ!」
狸娘「ねー狐ちゃん♪」
狐娘「...なんじゃせこ狸」
狸娘「この壊れたゲーム機ってどうしたん?」
狐娘「...小娘が修理に失敗して壊れたのじゃ。わらわはげーむとやらをしたっかたのじゃが」
狸娘「」ニヤァ
狸娘「...ウチ、ゲームが好きなだけ出来るところ知っとるで?」
狐娘「な、なんじゃとっ!?」
幼女「!?」
狸娘「そこでどっちが上かいい加減決着つけへん?」
狐娘「い、いいじゃろう!早く案内するのじゃ!」
幼女「え...ちょ...えぇ!?」
幼女「た、狸様...!それはちょっと...」
狸娘「...どうせ狐ちゃんがゲームをするとキレると思ってゲーム機壊したんやろ?」ボソッ
幼女「ど、どうしてそれを!」
狸娘「安心しいや♪あの狐ちゃんもそこまで短気やないで♪」
幼女「で、でも...」
狸娘「それにな...何か可哀想やん...」
狸娘「ゲームでボッコボコに苛められる辛さを知らないで帰るなんてな♪」ニヤァ
幼女(こ、こいつ...楽しんでる...!)
狸娘「まあ暴走した時その時や、しっかりフォロー頼むで♪」ポン
幼女「ちょっ...」
狐娘「おい、いつまでコソコソしておるのじゃ!早く連れて行け!」
狸娘「あぁごめんごめん...さあ狐ちゃん!ゲームセンターに行くでー!」
幼女(...狸が嫌いになりそう)
~~~~ゲームセンター~~~~
狸娘「ここやで」
狐娘「こ、これがげーむというやつか!!!」
狐娘「すごいのじゃ!ちかちかしておるのじゃ!」
幼女(頼むからここでキレないで...)
狐娘「それにしてもなぜ貴様はこんなところを知っておるのじゃ?」
狸娘「ここは犬ちゃんとよく一緒に遊びに来とるからね」
狐娘「えっ...わらわは連れて行ってもらったことない...」
狸娘「まあそんなことはどうでもいいやん。はよ入るで」スタスタ
狐娘「な、なぜ犬はわらわをここに連れて来てくれなかったのじゃ...狸とは一緒に行ってるのに...」
狐娘「...」
狐娘「まあいいのじゃ。今日はげーむを楽しむのじゃ」スタスタ
幼女(...考えてることは一緒か)
狐娘「おぉ!すごいのじゃ!中はもっとちかちかしておるのじゃ!」
狸娘「プレイするゲームは狐ちゃんが決めてええで」ニヤァ
幼女(...悪い顔してるなぁ)
狐娘「え、えぇっと...」キョロキョロ
狐娘「あっ!」
狐娘「あれがやりたいのじゃ!鉄砲みたいなのがあるやつ!」ビシッ
狸娘「ガンシューティングかぁ...面白いやつ選ぶねぇ」
幼女(これは微妙なラインか...)
狐娘「それでこれはどうやって遊ぶのじゃ!?」
狸娘「簡単やで。出てくる敵を銃で撃てばええねん」
狐娘「おぉ!現実と同じなのか!すごいのじゃ!」
狸娘「じゃあ幼女ちゃん、お金よろしく頼むわ」
幼女「えっ?私が出すんですか?」
狸娘「だってウチら、今お金持ってないし」
幼女「うぅ...あんまりやらないで下さいよ...」チャリン
デデーン
狐娘「は、始まったのじゃ!」
狸娘「頑張るんやで~」ニヤニヤ
幼女(...あれ?このゲームって確か...)
アアアアアアアアアアアア...
狐娘「な、なんじゃこいつっ!?化け物ではないか!!!」
幼女(やっぱり...)
狸娘「一般的にはゾンビって言われとるやつやね。早く撃たんと死んでしまうよ?」
狐娘「うわぁ!来るな来るな!怖いのじゃあ!!!」バンバン
狸娘「は、外してる...ププッ...シューティングなのに当たりすらしないって...ププッ」
狐娘「うおっ!?た、弾切れなのじゃ!弾が出ないのじゃ!!!」カチカチ
狸娘「あっ...リロードの説明忘れとったわ...プッ」
幼女(うわぁ)
ブシュッ
狐娘「い、痛いのじゃ!!!攻撃されたのじゃ!!!」
アウッ
幼女「あっ」
狸娘「死んでもうたね」ニヤァ
狐娘「...」
狐娘「うわああああああああああん!!!怖いのじゃああああああああああああ!!!」ポロポロ
ザーザー ザーザー
幼女「あ、雨が!」
幼女「お、落ち着いて下さい!狐様!」オロオロ
狐娘「ぞんびが襲ってくるのじゃああああああああああ!!!!」ポロポロ
幼女「だ、大丈夫ですって!ゾンビは創作の生物ですから現実には居ませんよ!」
狐娘「でも死んでしまったのじゃあああああああああああ!!!!」ポロポロ
幼女「最初は誰でも死にますよ!初見でクリアなんて無理です!」
狸娘「でもステージ1の最初で死ぬってのはちょっとないわ」ニヤニヤ
幼女「うるせぇ!ちょっと黙ってろ!!!」
狐娘「ひっぐ...ひっぐ...」グスッ
幼女「よーしよし...よしよーし」サスサス
狸娘「まったく狐ちゃんはダメダメやなぁ。ウチが手本見したるわ」チャキッ
狸娘「あ、幼女ちゃんお金」
幼女「はい!どうぞ!」イラッ
チャリン
狸娘「サンキューやで♪」
狸娘「さて久しぶりやけど腕鈍ってへんかなぁ」コキコキ
幼女(どうせ初心者に毛が生えたくらいしか出来ないんでしょ...)
狸娘「ほいほいっと」バンバン
狸娘「ほいっと」バンバン
狸娘「はいクリアっと♪」バン
幼女「...」
幼女(マジシャンをノーダメで倒す人初めて見た...)
狸娘「あーあ、記録更新は無理やったかぁ」
幼女(...しかもランキングをよく見てみたらTNKで埋まってる)
幼女(まさかTNKって狸...?)
狐娘「...」
幼女「あ、あの狐様...狸様はこのゲームをやり尽くしていて...」
狐娘「...もう一度リベンジじゃ!小娘、金!」
幼女「あっ...は、はいっ!」チャリン
狸娘「まあクリアしても今回の勝負はウチの勝ちで決定やけどね♪」
狐娘「くっ、死んでしまった!こんてにゅーじゃ!」
チャリン
狐娘「こんてにゅー!」
チャリン
狐娘「やった!最後の敵を倒したぞ!」
幼女「お、おめでとうございます...」
幼女(5000円って...クリアするのに5000円って...)
狐娘「どうじゃ狐!わらわの勝ちじゃ!」
狸娘「いやウチの方がスコア高いんやけど」
狐娘「これでわらわの一勝じゃ!」
幼女(まさかこんなに使うなんて...せっかくバイトでいっぱいお金が入ったのに...)
狐娘「次の勝負は...」キョロキョロ
狐娘「はっ!あの人形がいっぱい入ってる箱じゃ!」ビシッ
狸娘「...UFOキャッチャーかぁ」ニヤァ
幼女(また金がかかりそうなものを...)
狐娘「それでこれはどういうげーむなのじゃ?」
狸娘「ボタンで上のアームを操って中にある賞品を取るゲームやで」
狐娘「ふむふむ...なるほど...」ジー
狐娘「よし!小娘、金!」
幼女「...やり過ぎは駄目ですからね」チャリン
テレレレン
狐娘「こっちぼたんで横に進んで...こっちのぼたんで縦に進むんじゃな!」
狐娘「なんじゃ簡単ではないか!楽勝じゃ!」
狸娘(...まあ普通はそう思うわ)
狐娘「よし発進じゃ!」ポチッ
ウィーン
狐娘「...そこっ!」ポチッ
ウィーン
狐娘「よし!完璧な角度じゃ!これなら取れるぞ!」
スカッ
狐娘「あ、あれ?」
狐娘「お、おかしいのじゃ...完璧じゃったのに...」
狐娘「...もう一度じゃ!」
狸娘(ほら沼にはまってもうたわ)ニヤニヤ
.........................................................
..........................................
狐娘「こ、今度こそ...」ポチッ
スカッ
狐娘「んああああああああっ!?な、なんでじゃあああああああああああああ!!!!」
幼女「狐様...もういい加減にやめたら...」
狐娘「ま、まだじゃ!」
幼女「でももうこのUFOキャッチャーに1万円も使ってるんですよ...?」
狐娘「うぅ...なぜ取れんのじゃあ....」ウルウル
狸娘(...もうそろそろ言ったほうがええんかなぁ)
狸娘(ここのUFOキャッチャーはアームの力が弱すぎて賞品が絶対に取れないって)
狸娘(でもウチもそれに気付くまでに5万も飲まれたからなぁ)
狐娘「た、狸...貴様も一度やってみろ...」フラフラ
狸娘「え?ウチ?」
狐娘「そうじゃ...もしかしたらわらわが呪われてて取れんだけかもしれん...他のやつでも取れるか知りたいのじゃ...」フラフラ
狸娘「...しゃーないなぁ。やったるわ」
狸娘「ほいっと」ポチッ
ウィーン
狸娘(正攻法では絶対に取れないUFOキャッチャー...でも絶対に取れないことなんてあり得ないんよ?)
狸娘(ちょっと裏技を使えばすごく簡単に取れちゃったりしたり)
スカッ
狐娘「や、やっぱり駄目か...」ズーン
狸娘「えいっ」ゲシッ
ユラッ
狐娘「!?」
幼女「機械を蹴った!?」
ガタン
狸娘「はい取れた♪」
狐娘「それアリじゃったのか...」
幼女「いやナシでしょ...」
狸娘「言い忘れてたんやけどここのUFOキャッチャーってアームの関係で絶対取れないんや」
狐娘「はぁっ!?」
狸娘「だからこうやって蹴りを入れて無理矢理取るのが一番手っ取り早いんよ?」
狸娘「まあこんな詐欺商法しとるんやからこのぐらいはセーフやね」
狸娘「ということで今回の勝負はウチの勝ちや♪」
幼女「...私の1万円返してよ」
狐娘「ぐ、ぐぬぬ...」
狐娘「なら次はあれじゃ!あの何か赤い赤いやつ!」ビシッ
狸娘「パンチングマシーンやね」
狸娘「ルールはあのミットに思いっきりパンチしてその数値で争うゲームや」
狐娘「...ほう、思いっきり殴ればいいんじゃな?」
幼女(嫌な予感が...)
狐娘「行くぞ...」グルグル
狸娘「頑張るんやで~♪」ニヤニヤ
幼女「何か腕から変なオーラが出てるんだけどっ!?」
狐娘「うっしゃああああああああああああああ!!!!」ブゥゥン
ドッカアアアアアアアアアアン!!!!!!!!
狐娘「やったのじゃ!見事に決まったのじゃ!」ピョンピョン
狸娘「よ、予想通り過ぎてお腹痛いわ...」ププッ
幼女「...ベジータか」
狐娘「次はあれじゃ!てれびみたいなやつ!」
狸娘「格ゲーやね」
テレッテー
狐娘「ぐぉぉ...また負けたのじゃあ...」
狸娘「狐ちゃん弱すぎて相手にならんわ♪」
狐娘「...何かわらわが使ってるキャラよりお主が使ってるキャラの方が強くないか?」
狸娘「気のせいやろ」
狐娘「ゲームセンターというのは楽しいのう!次は次は...」キョロキョロ
幼女「あの...もうお金が残り少なく...」
狐娘「む、もうそんなに使ってしまったのか」
狐娘「なら最後に...あれじゃ!あの卓球みたいやつをしてみたい!」
狸娘「...へぇ、エアホッケーとはええ趣味しとるやん」
幼女「えー...ルールは制限時間内に相手のゴールにこの丸いやつを入れて点数が方が勝ちです」
狐娘「うむ!了解じゃ!」
狸娘「あー対戦なんて久しぶりやわぁ♪」
幼女「では試合開始」チャリン
ピー
狐娘「先攻は貰ったぞ!」ビュン
ビューン
狸娘「おー中々速いやん」
狐娘「まずは一点じゃ!」
狸娘「よっと」ガシッ
狐娘「なっ...受け止められた!?」
狸娘「次はこっちが行くで~!」ビュン
カキン!!!カキン!!!
狐娘「か、壁にぶつかって方向が...」オロオロ
狐娘「そ、そこじゃあ!」シュッ
スカッ
ガチャン♪
狐娘「あ」
狸娘「はい♪まずは一点♪」
狐娘「ま、まだまだ勝負はこれからじゃ!」
.......................................................
.......................................
幼女「残り時間30秒です」
狐娘「ぜぇ...ぜぇ...」
狸娘「はぁ...はぁ...」
狸娘「しょ、初心者のくせに中々やるやん...」
狐娘「絶対に負けないのじゃ...!」
狸娘(現在スコアは5-5...そして残り30秒かぁ)
狸娘(結構キツいな...次の狐ちゃんの攻撃を止めて確実に決めんと間に合わんわ...)
狸娘(...こうなったら)ニヤァ
狐娘「おらぁ!そこじゃあ!」ビュン
カキン!!!!!
狸娘「よっと!」ガチッ
狐娘「くっ、止められてしまったか!」
狸娘「...これで終わりや!」ビュン
狐娘「絶対に止めるのじゃ!!!」
狸娘「」ニヤァ
カキン!!!カキン!!!
ブゥゥン
狐娘「...見えた!そこじゃあ!」ビュン
スカッ
狐娘「なっ...?」
ガチャン♪
ピー
幼女「勝負あり、狸様の勝ちです」
狸娘「やったわぁ♪これでウチの勝ちやね♪」
狐娘「...」
狐娘「おい狸」
狸娘「ん?なんや?」
狐娘「貴様、またわらわを化かしたな...」ゴゴゴゴゴ
狸娘「...さあ?なんのことやろなぁ?」
幼女「えっ」
幼女「ど、どういうこと...?」
狐娘「先程のこやつが放った円盤は確かに二つあった...わらわの目を誤魔化せると思っていたのか」
狸娘「なんのことや?ウチは何にもしてないで?」
狸娘「...まあ百歩譲ってもしウチが化かしたとしても」
狸娘「化かすのは禁止ってルールはないやろ?」ニヤァ
狐娘「...いい度胸だ」バチバチッ
狐娘「その胡散臭い関西弁を二度と喋れないようにしてやるぞ...!」バチバチバチッ
狸娘「おぉこっわいこっわい...」
幼女「ま、まずい...また喧嘩が...!」
プルプルプル
幼女「なっ...こんな時に電話!?」
幼女「もしもし!?」
『もしもしご主人様!?もしかして狸様と狐様が喧嘩しそうなの!?』
幼女「ど、どうして分かったの?」
『外を見てみなよ!酷い嵐だよ!』
幼女「あっ...嵐っ!?」
ザーザー ザーザー
ゴロゴロ ゴロゴロ
ビュウウウウウウウウウウウン!!!!!!
幼女「ほ、本当だ...」
『とにかく今すぐ喧嘩を止めて!ここまで酷いのは私でも見たことがないよ!』
幼女「エアホッケーでここまでなるって...」
『今私も家に向かってるから!あと数分で着くからそれまで何とか抑えておいて!』
幼女「いや...今家じゃなくてゲームセンターに居るの...」
『ゲ、ゲームセンター!?家の方向とは反対側じゃん!』
幼女「ど、どうしよう...」
『...仕方ない、少し強引な手だけどこれしかない』
『いい?ご主人様?ゴニョゴニョ』
幼女「えっ?そんなことしていいの!?」
『それしか方法がないんだよ!いいからやって!』
幼女「...分かった!」
狐娘「ぶっ殺してやるぞッ!害獣ッ!」
狸娘「害獣って...狐も害獣の中に入っとるやろ?」
狐娘「んなもんしるかぁ!わらわにとって貴様は害獣以外の何者でもないのじゃあ!!!」
幼女「や、やめて狐様!」バッ
狐娘「どけぃ小娘!もうわらわは止まらんッ!あの糞狸をぶっ殺してやるのじゃッ!」
幼女「お、お願いだから!」
狐娘「どかんとお主も巻き込まれるぞッ!」バチバチッ
幼女「...」
『いい?ご主人様?もし狐様を説得して本当に駄目だと判断した時は...』
幼女「...」ダッ
狐娘「なっ...こ、こっちにくるなッ!」
『思いっきり...』
幼女「...」グッ
狐娘「!?」
『ぶん殴って!!!』
幼女「うわあああああああああああ!!!!!」ブオン
狐娘「へぶちっ!?」ボコォ
狸娘「なっ...!?」
ビューン
狐娘「」ズサー
狐娘「」
幼女「はぁ...はぁ...」
幼女「や、やっちゃった...」
狸娘「うわぁ...ぶん殴ってもうた...」
狸娘「綺麗に顔面ストレート入ったなぁ...咄嗟の出来事で防御する暇もなかったんやろか」ツンツン
狐娘「」
狸娘「...あかん。完全に伸びとるわ」
プルプルプル
幼女「...もしもし?」ピッ
『ご主人様!?雨が止んだけどもしかしてやったの!?』
幼女「う、うん...今気絶してる...」
『よし!今すぐ家に連れてきて!あ、狸様も一緒にね!』
幼女「分かった...」
幼女「ということで犬が家に来いだそうです...」
狸娘「ん?犬ちゃん帰ってきたんか」ツンツン
狐娘「」
狸娘「ほな行こか、コレはウチが運んで行くわ」グイッ
狐娘「」ズルズル
幼女(キャリーバックみたいに運ばれてる...)
......................................................
.......................................
幼女「ただいま...」ガチャ
犬娘「あっ!ご主人様!」ダッ
犬娘「大丈夫!?どこか怪我とかなかった!?」
幼女「ううん...私は大丈夫だけど狐様が...」
犬娘「あぁ、それなら良かった!あの人ぶん殴られたぐらいなら全然平気だから!」
狸娘「やっほー!犬ちゃん久しぶりやね♪」
狐娘「」
犬娘「あっ、狸様!久しぶり!」
狸娘「って久しぶりって言っても先月会ったばかりやったね♪」
犬娘「それもそうだった!」
犬狸「HAHAHAHAHA!!!」
狐娘「」
幼女(...何だろう、どことなくウザさが似てるぞこの二人)
犬娘「何かすごい嵐だったけど狐様の方はどうだった?」
狸娘「キレかけたところを幼女ちゃんが見事にぶん殴って止めてくれたで!正直あれはカッコ良かったわ!」
犬娘「えー私も見たかったなー」
幼女(元はと言えばお前がイカサマしたせいだろうが)
犬娘「じゃあさっそく狐様起こそっか」ガサゴソ
犬娘「じゃんじゃじゃーん!油揚げ!」
犬娘「ほらー...狐様ー...油揚げの匂いだよー...」
狐娘「...ぅ」クンクン
犬娘「私が食べちゃおっかなー」アーン
狐娘「だ、駄目なのじゃ!それはわらわの油揚げなのじゃ!」ガバッ
狐娘「...はっ!ここは!?」キョロキョロ
犬娘「おはよう♪狐様♪」
狐娘「い、犬!?なぜここに...」
狐娘「わ、わらわは確か...」
狐娘「...そうじゃ!あのズル狸が如何様をして!」
犬娘「それでキレかかってご主人様にぶん殴られて気絶してたんだよ?」
幼女「ご、ごめんなさい...本気で殴ってごめんなさい...」ペコペコ
狐娘「」ビクッ
狐娘「こ、小娘居たのか...」
狸娘「...何でビビってるん?」
狐娘「う、うるさいのじゃ!ビビってないのじゃ!」
狐娘「...思い出したぞ!よくわらわを化かしてくれたな狸!今度こそ...」ゴゴゴ
犬娘「はい怒るの禁止」ポコッ
狐娘「いでっ!」
狐娘「な、何をするのじゃ!元はと言えばこいつが...!」
犬娘「確かに狸様も悪いけど狐様はその怒りっぽい性格も悪いよ。ご主人様が居なかったらどうなっていたことやら」
幼女「ごめんなさい...ごめんなさい...」ペコペコ
狸娘「ほんまやで、狐ちゃんはもっと大人になるべきや」ウンウン
狐娘「お前にだけは言われたくないのじゃあああああああああああ!!!!」ドンガラガッシャーン
狸娘「だからその怒りっぽいところを何とかしぃって言っとるやん」
狐娘「とにかく謝れ!!!でないと気がすまないのじゃ!!!」プンプン
犬娘「だって狸様、さすがに一言くらいは謝った方がいいよ?」
狸娘「...しゃーないなぁ」
狸娘「...狐ちゃん」キリッ
狐娘「な、なんじゃ...急に真面目になって...」
狸娘「...」
狸娘「すまんな」ニコッ
狐娘「」ブチッ
狐娘「狸鍋にしてやるのじゃあああああああああああああ!!!!」ダッ
犬娘「狐様おさえておさえて」ガシッ
狐娘「離すのじゃあああああああああああああああ!!!!」ジタバタ
狸娘「ちゃんと謝っとるのになんやねんその態度」ニヤニヤ
狐娘「貴様喧嘩売ってるのかあああああああああああああ!!!!」ジタバタ
狸娘「じゃあウチはそろそろ帰るわ」
狸娘「あ、犬娘ちゃん借りてたスーパーナチュラルのDVD返すで」スッ
犬娘「ごめんねー。今日はウォーキングデッドを一緒に見る予定だったのに」
狸娘「ええねんええねん、また今度一緒に見よな」
狸娘「あ、幼女ちゃん。ちょっとこっちに来てくれる?」
幼女「?」
狸娘「今日は色々すまんかったなぁ...これ少ないけどお小遣いや」スッ
札束「」ドーン
幼女「!?」
幼女「こ、こんなにいいんですかっ!?」
狸娘「色々迷惑かけてごめんな。あの狐ちゃんも悪い子やないんやけどちょっと性格に問題があるだけなんや」
狸娘「これからも仲良くしてやってくれるか?」
幼女「は、はい!」
狸娘「うん♪ええ子やね♪」ヨシヨシ
狸娘「犬ちゃんに幼女ちゃん、今度は二人に美味しい蕎麦屋さん紹介したるわ」
狸娘「じゃあまたね♪」ボンッ
狐娘「待つのじゃあああああああ!!!!戻ってこいのじゃああああああああああああ!!!!」ジタバタ
犬娘「ばいばーい!」フリフリ
幼女「あ、ありがとうございました!」
狐娘「うぅ...待つのじゃあ...」シクシク
犬娘「さて狸様も帰ったことだし私もバイトに戻らないと!無断でお店を出てきちゃったからね!」
犬娘「狐様!例のお話はまた今度ということで!ではさようなら!」ダッ
狐娘「うぅ...何かわらわの扱いが雑なのじゃあ」シクシク
幼女「あ、あの...狐様...」
狐娘「な、なんじゃ!?」ビクッ
幼女「な、殴って本当にごめんなさい!!!」ペコリ
狐娘「...」
狐娘「...もういいのじゃ、わらわも少し大人げなかったのじゃ」
狐娘「わらわの方こそすまなかったのじゃ...」
幼女「い、いえそんな...!殴ったのは私の方なんですし...!」
狐娘「いいと言っておるだろう。顔を上げてくれ」
狐娘「...さてわらわも帰るとするかのう」
幼女「あっ!ちょっと待っててください!」ダッ
狐娘「?」
幼女「あ、あの...これお土産って言っていいか分からないですけど赤いきつねです」
幼女「こんな物で申し訳ないですけど...」スッ
狐娘「おぉ!ありがたく貰うのじゃ!」
狐娘「いやぁ!これだけでもこの家に来た価値があったのじゃ!」
幼女「よ、喜んでもらって嬉しいです....」
狐娘「ではまた会おう!小娘!」
狐娘「今度は二人でげーむをするのじゃ!」ボンッ
幼女(...正直もう会いたくない)
幼女「...」
幼女「はぁ!疲れたぁ!」グタッ
幼女「あぁぁ!もう嫌だぁ!狐と狸は見たくない!」バタバタ
幼女「なんであんなに喧嘩するのぉ!同じ動物同士仲良くしてよぉ!」バタバタ
幼女「...そういえばゲーム機は壊れたままなんだっけ」
幼女「はぁ...また新しく買わないと...」
幼女「...財布の中もゲーセンで使ってすっからかんだった」
幼女「もうやだ...全部あの犬に請求してやるぅ」バタバタ
幼女「...ん?」
幼女「あっ!そういえば狸様から札束を貰ったんだった!!!」
幼女「こ、これがあれば!」ガサゴソ
葉っぱ「」ボンッ
幼女「...」
幼女「どうせそんなオチだと思ったよ!!!チクショーめ!!!」
続き
犬娘「くぅーん...」幼女「捨て犬...?」【後編】